JP2002500205A - 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法 - Google Patents

質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法

Info

Publication number
JP2002500205A
JP2002500205A JP2000527513A JP2000527513A JP2002500205A JP 2002500205 A JP2002500205 A JP 2002500205A JP 2000527513 A JP2000527513 A JP 2000527513A JP 2000527513 A JP2000527513 A JP 2000527513A JP 2002500205 A JP2002500205 A JP 2002500205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biomolecule
mass
ligand
library
precursors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2000527513A
Other languages
English (en)
Inventor
ナッシュ,ヒュー・エム
バーンバウム,セス
ウイントナー,エドワード・エイ
カルガトゥギ,クリシュナ
シップス,ジェラルド
ジンダル,サティッシュ
Original Assignee
ネオジェネシス・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ネオジェネシス・インコーポレーテッド filed Critical ネオジェネシス・インコーポレーテッド
Publication of JP2002500205A publication Critical patent/JP2002500205A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/0046Sequential or parallel reactions, e.g. for the synthesis of polypeptides or polynucleotides; Apparatus and devices for combinatorial chemistry or for making molecular arrays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00274Sequential or parallel reactions; Apparatus and devices for combinatorial chemistry or for making arrays; Chemical library technology
    • B01J2219/00277Apparatus
    • B01J2219/0054Means for coding or tagging the apparatus or the reagents
    • B01J2219/00572Chemical means
    • B01J2219/00581Mass
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00274Sequential or parallel reactions; Apparatus and devices for combinatorial chemistry or for making arrays; Chemical library technology
    • B01J2219/00718Type of compounds synthesised
    • B01J2219/0072Organic compounds
    • B01J2219/00722Nucleotides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C40COMBINATORIAL TECHNOLOGY
    • C40BCOMBINATORIAL CHEMISTRY; LIBRARIES, e.g. CHEMICAL LIBRARIES
    • C40B40/00Libraries per se, e.g. arrays, mixtures
    • C40B40/04Libraries containing only organic compounds
    • C40B40/06Libraries containing nucleotides or polynucleotides, or derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C40COMBINATORIAL TECHNOLOGY
    • C40BCOMBINATORIAL CHEMISTRY; LIBRARIES, e.g. CHEMICAL LIBRARIES
    • C40B70/00Tags or labels specially adapted for combinatorial chemistry or libraries, e.g. fluorescent tags or bar codes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/24Nuclear magnetic resonance, electron spin resonance or other spin effects or mass spectrometry

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般式X(Y)n(式中、Xはスキャホールドであり、Yはそれぞれ独立して、側部分であり、そしてnは1より大きい整数である)を有する化合物のセットを含む質量コード化コンビナトリアルライブラリーを製造する方法を提供する。該方法は、側部分前駆体セットから側部分前駆体サブセットを選択することを含む。該サブセットは、該側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくとも約50の異なったコンビネーションが該サブセット中に存在するような充分に多数の側部分前駆体を含む。該側部分前駆体のサブセットは、該サブセットに由来するn個の側部分のすべての可能なコンビネーションの少なくとも約90%が、n個の側部分の他のコンビネーション全部の分子質量合計と異なる分子質量合計を有するように選択されている。該方法は、更に、該側部分前駆体サブセットを、n個の反応性基を有するスキャホールド前駆体と接触させることを含む。特定の生体分子へのリガンドを識別するためのこの方法によって製造される質量コード化コンビナトリアルライブラリーの使用方法も開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 ゲノム学は、すべてのヒト機能及び疾患の原因となる遺伝子を識別しつつある
。ヒトゲノム中の80,000遺伝子について、ヒトの発生、発達、知性及び他の特 性に関与する何千もの遺伝子が決定されている。ヒトは、何百種類もの遺伝病及
び感染症に罹患するが、これらに関与する遺伝子も識別されている。これら遺伝
子すべてによってコードされるタンパク質は、治療薬の標的である。しかしなが
ら、ヒト機能及び疾患に適用されうる薬物は、ゲノム情報から簡単に明らかには
ならないであろう。一つの疾患のための従来の薬物開発は、長期にわたり、単調
かつ極めて費用のかかる作業である。ポストゲノム段階の薬物開発が直面する主
な障害を除く技術は、実質的に有効であると考えられる。
【0002】 発明の概要 本発明は、一般式X(Y)n(式中、Xはスキャホールドであり、Yはそれぞれ独 立して、側部分であり、そしてnは1より大きい整数、典型的には、2〜約6である
)を有する化合物の質量コード化セットを製造する方法を提供する。その方法は
、側部分前駆体セットから側部分前駆体サブセットを選択することを含む。その
サブセットは、サブセット中の側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくと も約50、100、250又は500の異なったコンビネーションが存在するような充分に 多数の側部分前駆体を含む。その側部分前駆体のサブセットは、側部分前駆体の
サブセットに由来するn個の側部分の可能なコンビネーションすべての少なくと も約90%が、n個の側部分の他のコンビネーションすべての分子質量合計と異な る分子質量合計を有するように選択される。その方法は、更に、その側部分前駆
体サブセットを、n個の反応性基を有するスキャホールド前駆体と接触させるこ とを含み、その反応性基はそれぞれ、少なくとも一つの側部分前駆体と反応して
共有結合を形成することができる。その側部分前駆体サブセットは、側部分前駆
体とそれぞれの反応性基の反応に充分な条件下でスキャホールド前駆体と接触し
て、一般式X(Y)nを有する化合物の質量コード化セットを生じる。
【0003】 もう一つの実施態様において、本発明は、生体分子、例えば、タンパク質又は
DNA若しくはRNAのような核酸分子のリガンドである質量コード化コンビナトリア
ルライブラリーの1種類又は複数のメンバーを識別する方法を提供する。その方 法は、(1)生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させ、それによっ て、その生体分子のリガンドである該質量コード化分子ライブラリーのメンバー
はその生体分子に結合して生体分子−リガンド複合体を形成し、その生体分子の
リガンドでない質量コード化ライブラリーのメンバーは結合しないまま残り;(
2)その質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから生体分子−リガン ド複合体を分離し;(3)その生体分子−リガンド複合体を解離させ;そして(4
)それぞれのリガンドの分子質量を測定して、各リガンド中に存在するn個の側 部分のセットを識別する工程を含む。
【0004】 もう一つの実施態様において、本発明は、生体分子のリガンドでありかつその
生体分子を結合することが知られているリガンド(既知のリガンド)の結合部位
でその生体分子に結合する質量コード化分子ライブラリーの1種類又は複数のメ ンバーを識別する方法を提供する。その方法は、(1)生体分子を質量コード化 分子ライブラリーと接触させ、その結果、その生体分子のリガンドである質量コ
ード化分子ライブラリーのメンバーはその生体分子に結合して生体分子−リガン
ド複合体を形成し、その生体分子のリガンドでない質量コード化ライブラリーの
メンバーは結合しないまま残り;(2)質量コード化分子ライブラリーの非結合 メンバーから生体分子−リガンド複合体を分離し;(3)その生体分子−リガン ド複合体を、その生体分子に結合することが知られているリガンドと接触させて
、生体分子−リガンド複合体を解離させ、ここにおいて、そのリガンドは、既知
のリガンドの結合部位でその生体分子に結合し、それによって、生体分子−既知
のリガンド複合体及び解離したリガンドを形成し;(4)その解離したリガンド 及び生体分子−リガンド複合体を分離し;そして(5)それぞれの解離したリガ ンドの分子質量を測定して、それぞれの解離したリガンド中に存在するn個の側 部分のセットを識別する工程を含む。
【0005】 尚もう一つの実施態様において、本発明は、第一生体分子のリガンドであるが
、第二生体分子のリガンドではない質量コード化コンビナトリアルライブラリー
の1種類又は複数のメンバーを識別する方法を提供する。その方法は、(1)第一
生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させ、それによって、第一生体
分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリーのメンバーはその第一生体
分子に結合して、第一生体分子−リガンド複合体を形成し、第一生体分子のリガ
ンドではない質量コード化ライブラリーのメンバーは結合しないまま残り;(2 )質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから第一生体分子−リガンド
複合体を分離し;(3)その第一生体分子−リガンド複合体を解離させ;(4)第
一生体分子のそれぞれの解離リガンドの分子質量を測定し;(5)第二生体分子 を質量コード化分子ライブラリーと接触させ、それによって、第二生体分子のリ
ガンドである質量コード化分子ライブラリーのメンバーはその第二生体分子に結
合して、第二生体分子−リガンド複合体を形成し、第二生体分子のリガンドでは
ない質量コード化ライブラリーのメンバーは結合しないまま残り;(6)質量コ ード化分子ライブラリーの非結合メンバーから第二生体分子−リガンド複合体を
分離し;(7)その第二生体分子−リガンド複合体を解離させ;(8)第二生体分
子のそれぞれの解離リガンドの分子質量を測定し;そして(9)工程(4)で測定
される分子質量のどれが、工程(8)で測定されないかを確認する工程を含む。 これは、第一生体分子のリガンドであるが、第二生体分子のリガンドではない質
量コード化コンビナトリアルライブラリーのメンバーの分子質量を提供する。
【0006】 もう一つの実施態様において、第一生体分子のリガンドであるが、第二生体分
子のリガンドではない質量コード化コンビナトリアルライブラリーの1種類又は 複数のメンバーを識別する方法は、(1)第二生体分子を該質量コード化分子ラ イブラリーと接触させ、その結果、その第二生体分子のリガンドである質量コー
ド化分子ライブラリーのメンバーはその第二生体分子に結合して、第二生体分子
−リガンド複合体を形成し、第二生体分子のリガンドではない質量コード化ライ
ブラリーのメンバーは結合しないまま残り;(2)質量コード化分子ライブラリ ーの非結合メンバーから第二生体分子−リガンド複合体を分離し;(3)第一生 体分子を、工程(2)の質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーと接触 させ、それによって、その第一生体分子のリガンドである質量コード化分子ライ
ブラリーのメンバーはその第一生体分子二結合して、第一生体分子−リガンド複
合体を形成し、第一生体分子のリガンドではない質量コード化ライブラリーのメ
ンバーは結合しないまま残り;(4)その第一生体分子−リガンド複合体を解離 させ;そして(5)第一生体分子のそれぞれのリガンドの分子質量を測定する工 程を含む。測定されるそれぞれの分子質量は、第二生体分子のリガンドではない
第一生体分子のリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相当する。
【0007】 尚もう一つの実施態様において、本発明は、生体分子のリガンドである質量コ
ード化コンビナトリアルライブラリーのメンバーを識別しかつそのリガンドの生
体分子への結合の作用を評価する方法に関する。その方法は、生体分子を質量コ
ード化分子ライブラリーと接触させ、それによって、その生体分子のリガンドで
ある質量コード化分子ライブラリーのメンバーはその生体分子に結合して生体分
子−リガンド複合体を形成し、生体分子のリガンドでない質量コード化ライブラ
リーのメンバーは結合しないまま残り;質量コード化分子ライブラリーの非結合
メンバーから生体分子−リガンド複合体を分離し;その生体分子−リガンド複合
体を解離させ;それぞれのリガンドの分子質量を測定して、各リガンド中に存在
するn個の側部分のセットを識別する工程を含む。それぞれのリガンドの分子質 量は、そのリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相当し、それによって 、生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアルライブラリーのメン
バーを識別させる。その方法は、更に、リガンドの生体分子への結合の作用を、
in vivo 又は in vitro 検定において生体分子の機能に関して評価するこ とを含む。
【0008】 本発明の方法は、多数の化合物を含む質量コード化コンビナトリアルライブラ
リーの迅速な製造を可能にする。その質量コード化は、スキャホールド及び側部
分の個々のコンビネーションの分子質量による識別を可能にする。本発明の方法
によって製造されたライブラリーは、ある与えられた生体分子のリガンドである
化合物の迅速な識別も可能にする。
【0009】 発明の詳細な説明 薬物開発における主な障害には、(1)ほぼ無制限に多数の化合物の迅速な製 造を可能にすると同時に、タンパク質又は核酸分子のような具体的な生体分子標
的に強固に結合する単一の化合物を効率よく識別する能力を包含するコンビナト
リアルケミストリー技術;(2)標的生体分子の機能が充分に理解されていない 場合でも、その標的生体分子と強固に結合するようになる化合物の大ライブラリ
ー混合物中での迅速な識別を可能にする極めて有効な標的に基づくスクリーニン
グ技術、及び(3)化学成分が、医学的に重要な生体分子とどのように相互作用 するかを記載している情報データセットへの要求が含まれる。
【0010】 本発明は、質量コード化コンビナトリアルライブラリーのような、化合物の質
量コード化セットを製造する方法を提供する。それら化合物は、一般式X(Y)n (式中、Xはスキャホールドであり、Yはそれぞれ独立して、側部分であり、そし
てnは1より大きい整数、典型的には、2〜約6である)を有する。本明細書中で用
いられる“スキャホールド”という用語は、2個又はそれ以上の側部分を共有結 合によって結合している分子フラグメントを意味する。そのスキャホールドは、
化合物の質量コード化セットのそれぞれのメンバーに共通の分子フラグメントで
ある。本明細書中で用いられる“側部分(peripheral moiety)”という用語は
、スキャホールドに結合している分子フラグメントを意味する。質量コード化化
合物のセットのメンバーそれぞれには、スキャホールドに結合したn個の側部分 のコンビネーションが含まれるであろうが、この化合物セットは、質量コード化
コンビナトリアルライブラリーを形成している。
【0011】 本明細書中で用いられる“コンビネーション”という用語は、mが2より大きい
整数であり、nが1より大きい整数であり、そしてmがnより大きい又はnと等しい 場合に、n個のメンバーを有するm種類の部分の順列(permutation)すべてを意 味し、次のようである。 (1)所定の部分が0〜n回存在するn個のメンバーを有する順列が含まれる。 (2)同一のn個の部分を有するが、順番の異なった順列が1回かつ1回だけ含まれ
る。
【0012】 n個のメンバーを有するm種類の部分のすべての順列のコンビネーション数は、
次の式から計算することができる。
【0013】
【式1】 コンビネーション=k!/((k−n)!*n!) ただし、k=m+(n-1) 例えば、3個のメンバーを有する、A、B、C、Dで標識された4種類の部分のコン
ビネーションは、AAA;AAB;AAC;AAD;ABB;ABC;ABD;ACC;ACD;ADD;BBB;B
BC;BBD;BCC;BCD;BDD;CCC;CCD;CDD及びDDDである。BAA及びABAは、例えば
、別々のコンビネーションとして計数されることはなく;AABのみを計数する。 この実施例において、m=4、n=3及びコンビネーションの数は、
【0014】
【式2】 6!/((6−3)!*3!)=20 によって与えられる。
【0015】 本明細書中で用いられる“化合物の質量コード化(mass-coded)セット”及び
“質量コード化コンビネーションライブラリー”という用語は、Xがスキャホー ルドであり、Yがそれぞれ独立して、側部分であり、そしてnが1より大きい整数 、典型的には、2〜約6である式XYnを有する化合物のセットを意味する。このよ うな化合物セットは、利用可能な側部分前駆体のセットから固定数の側部分前駆
体(サブセット)を選択しなければならないという要件があるなら、スキャホー
ルドと側部分前駆体セットのコンビネーションによって混合物として合成され、
かつ最小限の質量重複を有するように設計される。
【0016】 本明細書中で用いられる“質量”又は“分子質量”という用語は、分子又は化
学部分の集合の正確な質量を意味し、この中のそれぞれの原子は、その特定の要
素にとって最も豊富に天然に存在する同位体である。正確な質量及びそれらの質
量分析法による測定は、Pretsch ら,Tables of Spectral Data for Stru
cture Determination of Organic Compounds, 第2版,Springer-Verlag (
1989) 及び Holden ら,Pure Apple.Chem. 55:1119-1136(1983) によって
論じられており、それぞれの内容は本明細書中にそのまま援用される。
【0017】 本明細書中で用いられる用語としての“最小限の質量重複(minimum mass r
edundancy)”は、n個の反応性基(nは1より大きい整数、典型的には、2〜約6で
ある)を有するスキャホールド前駆体と、側部分前駆体サブセットとの反応によ
って形成される式X(Y)nの化合物のセットによって表され、このとき側部分前 駆体のサブセットに由来するn個の側部分の可能なコンビネーションの少なくと も約90%が、そのサブセットに由来するn個の側部分の他のいかなるコンビネー ションの分子質量合計とも異なる分子質量合計を有する。側部分の一のコンビネ
ーションの分子質量合計は、そのコンビネーション中のそれぞれの側部分の質量
の合計である。この目的に関して、二つの分子質量は、それらが質量分析法又は
高分解能質量分析法によって区別されうる場合に異なる。例えば、少なくとも0 .001原子質量単位だけ異なる分子質量は、高分解能質量分析法によって区別す ることができる。
【0018】 式X(Y)nを有する特定の化合物中のn個の側部分のコンビネーションの分子質
量合計は、その化合物の分子質量にn個の側部分が集合的に寄与していることで あると理解されるはずである。セット中のそれぞれの化合物は一定のスキャホー
ルドを含んでいるので、化合物の質量コード化セット中の二つの化合物の分子質
量の差は、それぞれの化合物中の側部分のセットの分子質量合計の差である。
【0019】 本発明の方法は、より大きい側部分前駆体セットから側部分前駆体サブセット
を選択することを含む。好ましい選択方法の詳細は、図1A、1B及び図3を参照し て後に論じられる。そのサブセットは、一つの実施態様において、そのサブセッ
ト中の側部分全体に由来するn個の側部分の少なくとも約50の異なったコンビネ ーションが形成されうるような充分に多数の側部分前駆体を含む。もう一つの実
施態様では、n個の側部分の少なくとも約100の異なったコンビネーションが形成
されうる。更にもう一つの実施態様では、n個の側部分の少なくとも約250の異な
ったコンビネーションが形成されうるし、なおもう一つの実施態様では、n個の 側部分の少なくとも約500の異なったコンビネーションが形成されうる。
【0020】 側部分前駆体のサブセットは、そのサブセットに由来するn個の側部分のすべ ての可能なコンビネーションの少なくとも約90%が、n個の側部分の他のコンビ ネーションのすべての分子質量合計と異なる分子質量合計を有するように選択さ
れる。その方法は、更に、その側部分前駆体サブセットを、n個の反応性基を有 するスキャホールド前駆体と接触させることを含み、その反応性基はそれぞれ、
少なくとも一つの側部分前駆体と反応して共有結合を形成することができる。そ
の側部分前駆体サブセットを、側部分前駆体とそれぞれの反応性基の反応に充分
な条件下でそのスキャホールド前駆体と接触させて、化合物の質量コード化セッ
トを生じる。
【0021】 一つの実施態様において、側部分前駆体サブセットに由来するn個の側部分の すべての可能なコンビネーションの少なくとも約90%は、n個の側部分の他のコ ンビネーションのすべての分子質量合計と異なる分子質量合計を有する。もう一
つの実施態様において、そのサブセットに由来するn個の側部分の可能なコンビ ネーションはそれぞれ、n個の側部分の他のコンビネーションのすべての分子質 量合計と異なる分子質量合計を有する。
【0022】 スキャホールド前駆体は、側部分前駆体反応性基と反応して共有結合を形成す
ることができる2個又はそれ以上の反応性基を含む任意の分子でありうる。例え ば、適当なスキャホールド前駆体は、広範囲の寸法、形状、柔軟度及び電荷を有
することができる。それら反応性基は、用いられる条件下で分子内反応する可能
性があってはならない。更に、スキャホールド前駆体分子は、用いられる条件下
で別のスキャホールド前駆体分子と反応してはならない。スキャホールド前駆体
は、隠されているすなわち保護されている、又は側部分前駆体とそれら反応性基
の反応を妨げない任意の追加の官能基を含むこともできる。
【0023】 好ましくは、スキャホールド前駆体は、環状炭化水素又は複素環式基のような
1個又はそれ以上の飽和、部分飽和、又は芳香族の環状基を含む。1個又はそれ以
上の環状基を含むスキャホールド前駆体において、それら環状基は、縮合してい
る、直接結合によって連結している、又は酸素原子、NH基又はC1-6−アルキレン
基のような介在基によって連結していることがありうる。少なくとも一つの環状
基は、1個又はそれ以上の反応性基で置換されている。それら反応性基は、環状 基に直接的に、又はC1-6−アルキレン基、好ましくは、メチレン基のような介在
基によって結合していることがありうる。
【0024】 適当なスキャホールド前駆体の例には、反応性基で置換されたベンゼン、ビフ
ェニル、シクロヘキサン、ビピリジル、N−フェニルピロール、ジフェニルエー テル、ナフタレン及びベンゾフェノンが含まれる。他の適当な種類のスキャホー
ルド前駆体を以下に示す。
【0025】
【化1】
【0026】 これらの例において、表示の置換基Rは、それぞれ独立して、反応性基であり、 スキャホールド前駆体には、(1)側部分前駆体とそれらの反応を防止するよう に隠されているすなわち保護されている(例えば、上のスキャホールド前駆体f 及びg)か又は(2)所定の反応条件下でRとも側部分前駆体とも反応しない(例 えば、R=C(O)O(C6F5)及び側部分前駆体が第一アミノ基を含む上のスキャホ
ールド前駆体h)1個又はそれ以上の追加の官能基が含まれうる。
【0027】 側部分前駆体は、スキャホールド前駆体の反応性基の一つ又はそれ以上に相補
的である反応性基を含む化合物である。その反応性基に加えて、側部分前駆体に
は、広範囲の構造特性が含まれうる。例えば、側部分前駆体は、反応性基の他に
1個又はそれ以上の官能基を含むことができる。追加の官能基はいずれも、適当 に隠されていなければならないし、又はスキャホールド前駆体と側部分前駆体と
の間の反応を妨げてはならない。更に、二つの側部分前駆体は、用いられる条件
下で互いに反応してはならない。例えば、側部分前駆体のサブセットは、反応性
基の他に、一定範囲にわたる電荷、疎水性/親水性及び寸法の基より選択される
官能基を含むことができる。例えば、側部分前駆体は、陰電荷、陽電荷、親水基
又は疎水基を含むことができる。
【0028】 反応性基に加えて、側部分前駆体は、例えば、アミノ酸側鎖、ヌクレオチド塩
基又はヌクレオチド塩基類似体、糖部分、スルホンアミド、模擬ペプチド基、帯
電した又は極性のある官能基、アルキル基及びアリール基を含むことができる。
【0029】 本目的に関して、二つの反応性基は、それらが互いに反応して共有結合を形成
しうるならば相補的である。好ましい実施態様において、その結合形成反応は、
副生成物の形成をほとんど伴うことなく、周囲条件下で速やかに起こる。好まし
くは、ある与えられた反応性基は、ある与えられた相補的反応性基と正確に1回 反応するであろう。
【0030】 一つの実施態様において、スキャホールド前駆体の反応性基及び側部分前駆体
の反応性基は、例えば、求核置換によって反応して共有結合を形成する。一つの
実施態様において、スキャホールド前駆体の反応性基は求電子基であり、側部分
前駆体の反応性基は求核基である。もう一つの実施態様において、スキャホール
ド前駆体の反応性基は求核基であるが、側部分前駆体の反応性基は求電子基であ
る。
【0031】 相補的な求電子基及び求核基には、共有結合を形成するのに適した条件下にお
いて求核置換によって反応するいずれか2種類の基が含まれる。種々の適当な結 合形成反応が当該技術分野において知られている。例えば、本明細書中にそれぞ
れそのまま援用されている、March, Advanced Organic Chemistry, 第4版,
New York: John Wiley and Sons (1992), 10-16章;Carey 及び Sundb
erg, Advanced Organic Chemistry, Part B, Plenum (1990), 1-11章;
及び Collman ら,Principles and Applications of Organotransition
Metal Chemistry, University Science Books, ミルバリー,CA(1987),1
3-20章を参照されたい。適当な求電子基の例には、カルボニルクロリド(アシル
クロリド)基及びカルボニルペンタフルオロフェニルエステル基のような反応性
カルボニル基、スルホニルクロリド基のような反応性スルホニル基、及び反応性
ホスホニル基が含まれる。用いることができる他の求電子基には、末端エポキシ
ド基及びイソシアネート基が含まれる。適当な求核基には、第一及び第二アミノ
基及びアルコール(ヒドロキシル)基が含まれる。
【0032】 明記された反応性基を含む適当なスキャホールド前駆体の例を以下に示す。
【0033】
【化2】
【0034】 これらの例において、Rは、それぞれ独立して、明記された反応性基と同じであ りうる又は異なった基でありうる追加の反応性基である。
【0035】 以下に示されるのは、アミノ基を有する適当な側部分前駆体の例である。
【0036】
【化3】
【0037】 この場合、Rはアミノ酸側鎖であり、tBocはtブトキシカルボニルであり、Acはア
セチルであり、tBuは第三ブチルである。
【0038】 相補的な反応性基を有するスキャホールド前駆体及び側部分前駆体の例には、
次が含まれるが、それらは例示の目的で与えられており、いずれにせよ、制限す
るものとして解釈されるべきではない。
【0039】 1. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の反応性カルボニル基、反応性 スルホニル基又は反応性ホスホニル基、又はそれらのコンビネーションが含まれ
る。それぞれの側部分前駆体には、そのスキャホールド前駆体と反応してアミド
結合、スルホンアミド結合又はホスホンアミド結合を形成する第一又は第二アミ
ノ基が含まれる。
【0040】 2. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の第一又は第二アミノ基又はそ れらのコンビネーションが含まれる。それぞれの側部分前駆体には、反応性カル
ボニル基、反応性スルホニル基又は反応性ホスホニル基が含まれる。
【0041】 3. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の末端エポキシド基が含まれる 。それぞれの側部分前駆体には、第一又は第二アミノ基が含まれる。適当なルイ
ス酸の存在下において、それらスキャホールド前駆体及び側部分前駆体は反応し
て、β−アミノアルコールを形成する。
【0042】 4. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の第一又は第二アミノ基が含ま れる。それぞれの側部分前駆体は、末端エポキシド基を含有する。
【0043】 5. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個のイソシアネート基が含まれる 。それぞれの側部分前駆体は、そのスキャホールド前駆体と反応して尿素を形成
する第一又は第二アミノ基を含有する。
【0044】 6. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の第一又は第二アミノ基又はそ れらのコンビネーションが含まれる。それぞれの側部分前駆体は、イソシアネー
ト基を含有する。
【0045】 7. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個のイソシアネート基が含まれる 。それぞれの側部分前駆体は、そのスキャホールド前駆体と反応してカルバメー
トを形成するアルコール基を含有する。
【0046】 8. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の芳香族ブロミドが含まれる。 それぞれの側部分前駆体は、有機トリブチルスズ化合物である。それらスキャホ
ールド前駆体及び側部分前駆体は、適当なパラジウム触媒の存在下で反応して、
1個又はそれ以上の炭素−炭素結合を形成する。
【0047】 9. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個の芳香族ハライド又はトリフラ ートが含まれる。それぞれの側部分前駆体には、第一又は第二アミノ基が含まれ
る。それらスキャホールド前駆体及び側部分前駆体を、適当なパラジウム触媒の
存在下で反応させて、1個又はそれ以上の炭素−窒素結合を形成する。
【0048】 10. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個のアミノ基が含まれる。それぞ
れの側部分前駆体は、還元条件下(還元的アミノ化)でそのスキャホールド前駆
体と反応してアミンを形成するアルデヒド基又はケトン基を含有する。
【0049】 11. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個のアルデヒド基又はケトン基が
含まれる。それぞれの側部分前駆体は、還元条件下(還元的アミノ化)でそのス
キャホールド前駆体と反応してアミンを形成するアミノ基を含有する。
【0050】 12. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個のリンイリド基が含まれる。そ
れぞれの側部分前駆体は、そのスキャホールド前駆体と反応して(ウィッティヒ
型反応)アルケンを形成するアルデヒド基又はケトン基を含有する。
【0051】 13. スキャホールド前駆体には、2個〜約6個のアルデヒド基又はケトン基が
含まれる。それぞれの側部分前駆体は、そのスキャホールド前駆体と反応して(
ウィッティヒ型反応)アルケンを形成するリンイリド基を含有する。
【0052】 スキャホールドとは、そのスキャホールド前駆体のそれぞれの反応性基が側部
分前駆体と反応した後に残るスキャホールド前駆体の部分である。側部分とは、
結合形成反応後にスキャホールドに結合している側部分前駆体の部分である。ス
キャホールド前駆体の反応性官能基と特定の側部分前駆体の反応によって生じる
側部分を、その側部分前駆体に“由来する”と称する。
【0053】 側部分前駆体には、反応性基の他に、1個又はそれ以上の官能基が含まれうる 。これら追加の官能基の1個又はそれ以上は、これら官能基の望ましくない反応 を防止するために保護することができる。適当な保護基は、当該技術分野におい
ていろいろな官能基について知られている(本明細書中に援用される Greene
及び Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版,New Yo
rk: John Wiley and Sons (1991))。特に有用な保護基には、t−ブチルエ
ステル及びエーテル、アセタール、トリチルエーテル及びアミン、アセチルエス
テル、トリメチルシリルエーテル、及びトリクロロエチルエーテル及びエステル
が含まれる。
【0054】 セット中の化合物は、適当な側部分前駆体のサブセットの選択の結果として質
量コード化されている。その側部分前駆体サブセットは、n個の反応性基(nは2 〜約6の整数である)を有するスキャホールド前駆体について、その側部分前駆 体サブセットに由来するn個の側部分の少なくとも約50、100、250又は500の異な
ったコンビネーションが存在するように選択される。そのサブセット中の側部分
前駆体に由来するn個の側部分の可能なコンビネーションの少なくとも約90%は 、異なった質量合計を有するであろう。一つの実施態様において、化合物の質量
コード化セットの製造に適した側部分前駆体の選択には、ハードウェア装置、ソ
フトウェア装置又はそれらの任意のコンビネーションを利用した1回又はそれ以 上の自動工程が含まれる。好ましい実施態様において、ディジタルプロセッサア
センブリーは、ライブラリー中の質量重複を最小限にする又は除く側部分前駆体
のサブセットを選択する適当なソフトウェアルーチンを用いる。図3は、本発明 の方法を実施するディジタルプロセッサアセンブリーを用いたこのような装置を
代表するものである。
【0055】 図3に関して、(a)プログラム、ルーチン、手順等を実行するための動作メモ
リー17を有するディジタルプロセッサ11、(b)ディジタルプロセッサ動作メモ リー17においてプログラム、ルーチン及び/又は手順の実行を支持するようにデ
ータ、パラメータ等を与えるためにディジタルプロセッサ11に接続された入力手
段21、及び(c)ディジタルプロセッサ11の演算から結果、プロンプト、メッセ ージ等を表示するためにディジタルプロセッサ11に接続された出力手段23から形
成されるコンピュータシステム25を示す。入力手段21には、当該技術分野におい
て一般的なキーボード、マウス等が含まれる。出力手段23には、当該技術分野に
おいて一般的なビューモニター、印刷機等が含まれる。本発明のソフトウェアル
ーチン27は、動作メモリー17においてディジタルプロセッサ11によって次のよう
に実行される。
【0056】 最初に、ユーザーインターフェースは、最終使用者に、側部分前駆体の初期セ
ット13の表示及びそれに由来する側部分の正確な質量を入力させる。この初期セ
ット13は、コピーされてよいし、移動されてよいし又はそれ以外の場合、データ
ベース又は他の当該技術分野において知られているような源から得てよい。ユー
ザーインターフェースには、最終使用者から、使用者に決定される/望まれる基
準19のセットも与えられる。好ましい実施態様において、使用者に選択される基
準19には、(i)初期セット中の側部分前駆体の全計数j、(ii)本発明のソフト
ウェアルーチン27が入力初期セット13から側部分前駆体サブセットを選択する対
象スキャホールド前駆体の反応性基の数を示すnの値、及び(iii)サブセットの
メンバーの数kが含まれる。好ましくは、ユーザーインターフェースは、使用者 が選択した基準19を図3に15で示される入力手段21によって最終使用者が対話式 で与えることを可能にする。
【0057】 ディジタルプロセッサ11は、前述の入力に応答性であり、ソフトウェアルーチ
ン27と位置的に又はオフディスクで連結されたメモリー領域29すなわちデータ記
憶システム中に側部分前駆体の初期セット13の表示を記憶する。すなわち、メモ
リー領域29すなわちデータ記憶システムは、本発明のソフトウェアルーチン27を
支持している。メモリー領域29中に示される初期セット13中の側部分前駆体それ
ぞれについて、その側部分前駆体に由来する側部分のそれぞれの正確な質量の識
別名及び表示を、ソフトウェアルーチン27に与える。側部分前駆体識別名、正確
な質量の表示、及び使用者に選択される基準(n、j及びk)を受け取り次第、ソ フトウェアルーチン27は、Xがスキャホールドであり、Yがそれぞれ独立して、側
部分であり、そしてnが1より大きい整数、典型的には、2〜約6である式XYnを有 する化合物の得られたライブラリーにおいて質量重複を最小限にする又は除くk 個の側部分前駆体のサブセットを決定しかつ生じる。好ましくは、ソフトウェア
ルーチン27は、そのサブセットに由来するn個の側部分の可能なコンビネーショ ンの少なくとも約90%が異なった質量合計を有する側部分前駆体のサブセットを
決定する。好ましい実施態様において用いられるソフトウェアルーチン27の詳細
は、例示の目的で次に論じられるが、制限するものではない。側部分前駆体の初
期セット13のサブセットを選択する本発明の方法を行うための他のソフトウェア
又はファームウェアルーチンは、この開示で与えられる当業者の権限に適してい
るしかつその範囲内であるということは理解される。
【0058】 典型的な状況では、n個の反応性基(nは整数である)を含むスキャホールド前
駆体、j個の側部分前駆体(jは6又はそれより大きい整数である)のセットを必 要とするが、その場合、側部分前駆体に由来する側部分は、y1、y2、・・・y3
分子質量を有する。j個の側部分前駆体のセットからk個の側部分前駆体(k≦j)
の適当なサブセットを選択するのに用いることができるソフトウェアルーチンの
例には、次の工程が含まれる。
【0059】 1. j個の側部分前駆体の初期セットから、2個の側部分前駆体のあらゆるセ ットを選択する。ya=ybの場合、yaか又はybを無作為に除去する。
【0060】 2. 側部分前駆体の残りのセットから、4個の側部分前駆体のあらゆるセット
を選択する。ya+yb=yc+ydの場合、ya、yb、ycか又はydを無作為に除去する。
【0061】 3. 側部分前駆体の残りのセットから、6個の側部分前駆体のあらゆるセット
を選択する。ya+yb+yc=yd+ye+yfの場合、ya、yb、yc、yd、yeか又はyfを無
作為に除去する。
【0062】 工程1〜3のいずれにおいても、側部分前駆体の残りの数が<kになる場合、セ ットjから作ることができる質量コード化サブセットkは存在しないので、新規セ
ットjを用いなければならない。
【0063】 4. 側部分前駆体のコンピュータで選択される残りのセットから、k個の側部
分前駆体の任意のすなわちすべてのサブセットを選択する。
【0064】 5. このサブセットからn個の側部分前駆体の可能なコンビネーションをすべ
て生じさせる。
【0065】 6. 得られたコンビネーションセットの質量重複%を許容できないことが判 明した場合、望まれる質量コード化ライブラリーが得られるまで又は側部分前駆
体の更に可能なコンビネーションが残らなくなるまで工程5を繰り返す。後者の 場合、工程1を用いて再開する。
【0066】 質量コード化側部分前駆体の上のサブセットがいったん決定されたら、側部分
前駆体とスキャホールド前駆体との間で起こる結合形成反応に適した条件下にお
いて、相補的な側部分前駆体のサブセットとスキャホールド前駆体を接触させる
。化合物の質量コード化セットは、好ましくは、コンビナトリアルライブラリー
として溶液中で合成される。
【0067】 より大きい側部分前駆体セットからの前述のサブセット選択及びその選択され
たサブセットを用いる化合物の質量コード化セットの作成を、より一般的に図1A
及び1Bに示す。図1Aに関して、側部分前駆体のより大きいセットを既知の源から
31に与える。最終使用者(例えば、化学者)は、工程33において、より大きいセ
ット31からj個の側部分前駆体の初期セットを選択する。典型的には、化学者は 、より大きいセットのすべてを選択して、33に初期セットを形成する。本発明の
質量コード化選択法35をその初期セットに適用する。質量コード化手順35の結果
は、上に概略を示された質量コード化基準を満たす側部分前駆体のサブセット37
である。工程39において、この側部分前駆体サブセットを用いて、k個の側部分 前駆体の理論上のサブセットすべてを生じさせる。工程39において更に、k個の 側部分の理論上のサブセットすべてから得られるライブラリーの質量重複を計算
し、上に定義されたような質量コード化ライブラリーを生じるサブセットだけを
41へ送る。最終結果は、上に論じられたように、ある与えられたサブセット中の
n個の側部分前駆体の50、100、250又は500の異なったコンビネーションが存在し
、しかもある与えられたサブセットに由来するn個の側部分の可能なコンビネー ションすべての少なくとも90%が、n個の側部分の他のコンビネーションすべて の分子質量合計と異なる分子質量合計を有するk個の側部分前駆体の一つ又はそ れ以上のサブセット41である。その一つ又は複数の側部分前駆体サブセット41は
、引き続き、上に論じられた方法で適当なスキャホールド前駆体と接触させた場
合、化合物の質量コード化セットを生じると考えられる。
【0068】 図1Aの本発明の質量コード化選択法35の一段アプリケーションに代わるものと
して、手順35の多重又は段階アプリケーションが適し、場合によっては、好都合
でありうる。例えば、それぞれのレベルで質量コード化法を用いることは、最適
の質量コード化をそれぞれもたらすことができる異なったセットへの迅速な選別
を可能にする。質量コード化処理中に、セットが次の層へ進むにつれて、ある基
準はそのセット寸法を減少させる。この多層アプローチは、速度の利点及び質量
重複の排除をもたらす。
【0069】 初期セット33についての質量コード化選択法35の多重アプリケーションを図1B
に示す。ここにおいて、初期セット33は複数の部分に分割される(側部分前駆体
のより大きい出発セット31及び図1Aの場合と同様の化学者選択33)。質量コード
化選択法35を複数の部分それぞれに適用し、結果として得られる中間セット43A 、43B、43Cを生じる。質量コード化選択法35を、結果として得られる中間セット
43A、43B、43Cを含むこの回ではなく次のラウンド/レベルにおいて適用する。 これは、最終セット45A、45B、45Cを生じる。工程39は、図1Aの場合と同様であ り、k個の側部分前駆体のサブセット47A、47B、47Cを生じ、それらは、引き続き
、上に論じられた方法で適当なスキャホールド前駆体と接触させた場合、化合物
の質量コード化セットを生じると考えられる。
【0070】 図1Aに示されたアプローチと図1Bのアプローチとの間の他の変化は、当業者の
権限の範囲内であると理解される。前述の考察及び図面は、本発明の方法を例示
するためのものであり、制限するものではない。
【0071】 一つの実施態様では、スキャホールド前駆体を、側部分前駆体サブセットの全
メンバーと同時に接触させる。概して、n個の反応性基(nは2〜約6の整数である
)を有するスキャホールド前駆体は、そのスキャホールド前駆体に相対して少な
くとも約nモル当量の選択されたサブセットからの側部分前駆体と接触するであ ろう。例えば、そのスキャホールド前駆体は、そのサブセットのそれぞれのメン
バーをほぼ等濃度で含む溶液と接触することができる。例えば、スキャホールド
前駆体がn個の反応性基(nは1より大きい整数である)を含み、そのサブセット 中の側部分前駆体の数がpで示される場合、そのスキャホールド前駆体は、約n/
p〜約(1.1)n/pモル当量のそれぞれの側部分前駆体と接触することができる 。
【0072】 もう一つの実施態様では、スキャホールド前駆体を、側部分前駆体サブセット
のメンバーと逐次的に接触させる。これは、少なくとも1個の側部分及び少なく とも1個の反応性基を含む中間の部分的に反応したスキャホールド前駆体分子の 形成をもたらす。例えば、そのスキャホールド前駆体は、結合形成を起こすのに
適した条件下において、一つ又はそれ以上の側部分前駆体と接触することができ
る。次に、得られた中間体は、結合形成を起こすのに適した条件下において、一
つ又はそれ以上の追加の側部分前駆体と接触することができる。これら工程は、
それぞれのスキャホールド前駆体反応性基が側部分前駆体と反応するまで繰り返
すことができる。
【0073】 一つの実施態様において、スキャホールド前駆体の反応性基は、適当な反応性
基保護/脱保護スキームを用いて側部分前駆体のサブセットと逐次的に反応する
ことができる。例えば、スキャホールド前駆体は、反応性基の一つ又はそれ以上
のセットを含むことができるが、その場合、一つのセットは保護されていないが
、もう一つのセットは保護されている、又は二つのセットが異なった保護基で隠
されている。一つの例は、一つの保護されていない反応性基及び二つの保護され
た反応性基を含有するスキャホールド前駆体
【0074】
【化4】
【0075】 の使用である。この場合、保護されていないペンタフルオロフェニルエステルは
、側部分前駆体(例えば、第一アミン)と最初に反応することができる。次に、
Cl3CCH2Oで保護された基か又はベンジルオキシで保護された基を、標準法を用い
て脱保護し、側部分前駆体セットと反応させることができる。最後に、残りの一
つ又は複数の保護された基を脱保護し、側部分前駆体セットと反応させることが
できる。
【0076】 側部分前駆体とそれぞれのスキャホールド前駆体反応性基の反応後、保護され
た官能基を有するいずれの側部分も、当該技術分野において知られている方法を
用いて脱保護することができる。
【0077】 このような混合物に由来する側部分コンビネーションを加えた個々のスキャホ
ールドを識別する能力は、ライブラリーの質量コード化及び分子質量を確認する
質量分析法の能力の結果である。これは、特定の生体分子への結合のような特定
の活性を有するセット中の側部分コンビネーションを加えた個々のスキャホール
ドの識別を可能にする。
【0078】 一つの実施態様において、本発明は、タンパク質又は核酸分子などの生体分子
に結合する又はそのリガンドである質量コード化コンビナトリアルライブラリー
中の1種類又は複数の化合物を識別する方法を提供する。質量コード化コンビナ トリアルライブラリーは、例えば、上に開示された本発明の方法によって製造す
ることができる。タンパク質のような標的生体分子を、質量コード化コンビナト
リアルライブラリーと接触させるが、ライブラリーのいずれかのメンバーがその
生体分子のリガンドであるならば、生体分子−リガンド複合体が形成される。生
体分子を結合しない化合物を、その生体分子−リガンド複合体から分離する。そ
の生体分子−リガンド複合体を解離させ、それらリガンドを分離し、それらの分
子質量を測定する。コンビナトリアルライブラリーの質量コード化のために、あ
る与えられた分子質量は、側部分の独特のコンビネーションに又は少数のこのよ
うなコンビネーションだけに特有である。したがって、リガンドの分子質量は、
その組成の決定を可能にする。
【0079】 一つの実施態様において、いずれか既知の固定化技術によって標的を固体支持
体上に固定する。その固体支持体は、例えば、クロマトグラフィーカラム中に入
っている水不溶性マトリックス又は膜でありうる。化合物の質量コード化セット
は、クロマトグラフィーカラム中に入っている水不溶性マトリックスに適用する
ことができる。次に、そのカラムを洗浄して、非特異的結合剤を除去する。次に
、標的に結合した化合物(リガンド)は、pH、塩濃度、有機溶媒濃度を変更する
ことによって、又は標的への既知のリガンドとの競合のような他の方法によって
解離させることができる。解離したリガンドは、逆相カラム上に直接的に注入さ
れる。逆相カラムは濃縮器/採取器として働き、エレクトロスプレー質量分析計
(ES−MS)のような質量分析計に直接的にインターフェース接続することができ
る。質量分析計によって与えられる質量情報は、リガンド中のスキャホールド及
び側部分のコンビネーションを識別するのに充分である。
【0080】 もう一つの実施態様において、標的は溶液中に遊離していて、化合物の質量コ
ード化セットと一緒にインキュベートされる。標的に結合する化合物(リガンド
)を、ゲル濾過又は限外濾過などのサイズ分離工程によって選択的に単離する。
一つの実施態様において、質量コード化化合物及び標的生体分子の混合物をサイ
ズ排除クロマトグラフィーカラムに通過させるが(ゲル濾過)、それは、任意の
リガンド−標的複合体を非結合化合物から分離する。そのリガンド−標的複合体
を逆相クロマトグラフィーカラムに移すが、それは、リガンドを標的から解離さ
せる。次に、解離したリガンドを質量分析法によって分析する。質量分析計によ
って与えられる質量情報は、リガンドのスキャホールド及び側部分組成を識別す
るのに充分である。このアプローチは、標的の固定化が活性の減損をもたらすこ
とがありうる場合に特に好都合である。
【0081】 単一リガンドが上記処理によっていったん識別されたら、いろいろなレベルの
分析を適用して、SAR情報を与えかつそのリガンドの親和性、特異性及び生物活 性を更に最適化させることができる。同じスキャホールドに由来するリガンドに
ついて、三次元分子モデル作成を用いて、それらリガンドに共通の有意の構造特
性を識別し、それによって、標的生体分子上の共通の部位で結合すると考えられ
る低分子リガンドのファミリーを生じることができる。
【0082】 具体的な結合部位に関する共通点、最も高い親和性、リガンドを確認するため
に、この分析には、標的へのそれらの親和性に関する、ある与えられたリガンド
ファミリーのメンバーの等級付けが含まれるべきである。この処理は、一つの実
験において標的生体分子に関する低親和性及び高親和性両方のリガンドを識別す
ることによってこの情報を与えることができる。例えば、固定された標的をスク
リーニングに用いる場合、リガンドの解離速度は、標的からリガンドの間に用い
られるカラム容積の数値と反比例の相関関係にある。溶液中に遊離した標的をス
クリーニングに用いる場合、より高い濃度の標的を用いることによって弱親和性
リガンドを選択することができる。
【0083】 化合物の質量コード化セットそれぞれを、一定数の側部分前駆体を用いて合成
すると仮定するならば、開示されたアプローチは、場合によっては、別々のライ
ブラリー中で合成される分子の構造特性を組み合わせる優れたリガンドを識別す
ることができる。
【0084】 可能な場合、リガンド構造特性の分析は、標的生体分子の構造に関する情報に
基づき、ここにおいて、仮定の共通リガンドは、コンピュータの使用によって推
定上の結合部位と連結される。追加のコンピュータ分析には、多重最低エネルギ
ーコンホメーションの動的研究が含まれうるが、それは、異なったスキャホール
ドに由来する高親和性リガンドの比較を可能にする。最終目的は、最も高い結合
親和性/特異性を与える側部分の最適の官能基及び最適のベクトル提示両方の識
別である。これにより、改良された第二期のスキャホールドの合成についての基
準が得られるかもしれない。
【0085】 質量コード化化合物のモジュール設計のために、コンピュータ分析は、標的へ
の親和性に関して機能的に最も重要性が少ないスキャホールド上の結合点を識別
することがありうる。多くの場合、リガンドは、標的生体分子によって完全に飲
み込まれることはないであろうし、一つの側部分は、生体分子から離れて大部分
の溶媒の方向に向けられるであろう。リガンドのファミリーの三次元配置は、溶
媒に提示される部位において高度の官能基可変性を示すであろう。次に、この部
位の修飾を用いて、親和性を最適にすることができる。例えば、非臨界的反応性
部位は、除去することができるし、水素原子又はメチル基のような低分子非反応
性基で置き換えることができる。この位置の側部分の他は構造的に一致する化合
物のセットを調べて、別のタンパク質/DNA/RNA分子の結合を最も有効に阻害す
る又は促進する化合物を識別することができる。更に、この位置の側部分は、二
つのリガンドを一緒に結合するように修飾することができる。二つのリガンドの
結合は、場合によっては、改良された親和性及び特異性を有するリガンドを与え
うるし、一方が、隣接した部位に結合する分子を結合するならば、設計される生
体分子二量体を与えうるであろう。
【0086】 いろいろなスクリーニングアプローチを用いて、一つの標的に関して高親和性
を有するが、別の近縁の標的にはかなり弱い親和性を有するリガンドを得ること
ができる。一つのスクリーニング戦略は、両方の生体分子のリガンドを平行実験
で識別した後、他所参照比較によって共通リガンドを排除することである。この
方法において、それぞれの生体分子のリガンドは、上に開示されたように別々に
識別することができる。この方法は、固定された標的生体分子及び溶液中に遊離
した標的生体分子双方に適合しうる。
【0087】 固定された標的生体分子について、もう一つの戦略は、非標的生体分子に結合
するリガンドをすべて、ライブラリーから除去する予備選択工程を加えることで
ある。例えば、第一の生体分子を、上記のように質量コード化コンビナトリアル
ライブラリーと接触させることができる。次に、その第一生体分子に結合しない
化合物を、形成される任意の第一生体分子−リガンド複合体から分離する。次に
、第二生体分子を、第一生体分子に結合しなかった化合物と接触させる。第二生
体分子に結合しない化合物は、上記のように識別することができ、第二生体分子
に関して、第一生体分子に対するよりもかなり大きい親和性を有する。
【0088】 上に詳述されたスクリーニングアプローチは、同じ生体分子の変型と選択的に
相互作用するリガンドを識別するのにも適用することができ、その場合、第一生
体分子は未変更の生体分子でありかつ第二生体分子はその生体分子の変型又は変
異型である。第二生体分子は、例えば、1個又はそれ以上のアミノ酸部分の挿入 、欠失又は置換によって第一生体分子のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を
有することがありうる。例えば、第二生体分子には、特定の疾患の進行に関連す
る特異的アミノ酸突然変異が含まれうる。或いは、第二生体分子は、リン酸化又
はグリコシル化の特別な部位のような異なった翻訳後修飾を有することで、第一
生体分子と異なることがありうるし、又はそれは切断されていてよいし又は別の
生体分子と誤って縮合していてよい。
【0089】 上に詳述されたスクリーニングアプローチは、もう一つの既知の生物学的に適
切なリガンドとして生体分子上の同じ部位に結合する低分子リガンドを識別する
方法としても役立ちうる。この既知のリガンドは、タンパク質又はペプチドのよ
うな別の生体分子でありうるし、又はそれは、DNA若しくはRNA分子又は酵素反応
に関与する基質若しくは補助因子でありうる。一つの実施態様において、第一及
び第二生体分子は両方ともタンパク質である。その第一タンパク質は、タンパク
質及び既知のリガンドの複合体であるが、第二タンパク質は、タンパク質だけで
ある。そのタンパク質だけに結合するが、既知のリガンドとタンパク質の複合体
に結合しない化合物は、既知のリガンドの結合部位でそのタンパク質に結合する
。このアプローチは、ペプチド又はタンパク質のような既知の治療的リガンドの
低分子置換の開発に特に充分に適している。
【0090】 本発明の方法の利点は、しばしば、ゲノム学によって規定される遺伝子産物を
用いる場合のように、目的の任意の生体分子の機能が充分に理解されていない場
合でも、又は機能検定を利用できない場合に、その生体分子に強固に結合する化
合物を識別するのにその方法を用いることができるということである。記載され
たスクリーニング技術は、大規模な平行スクリーニング性能を与えるように小型
化することができる。
【0091】 上に開示された方法によって識別される、機能がまだ知られていない生体分子
のリガンドも、その生体分子の生物学的機能を確認するのに用いることができる
。これは、新規遺伝子配列は識別され続けているが、これら配列によってコード
されるタンパク質の機能、及び新規薬物発見及び開発のための標的としてのこれ
らタンパク質の妥当性は、疾患の治療にゲノム情報を適用することへの最も有意
の障害を決定しかつおそらくは表示することが難しいので、好都合である。本発
明に記載の方法によって得られる標的特異的リガンドは、標的タンパク質の機能
及び治療的介入に関する標的タンパク質の妥当性の両方を理解するための全細胞
バイオアッセイにおいて又は適当な動物モデルにおいて有効に用いることができ
る。このアプローチは、その標的が低分子薬物発見に特に扱いやすいということ
を確かめることもできる。本発明に記載の方法によって得られるリガンドは低分
子であり、したがって、現行のヒト治療薬(低分子薬物)と類似している。
【0092】 一つの実施態様において、コンビナトリアルライブラリーのメンバーは、上記
の方法を用いて特定の生体分子のリガンドとして識別される。次に、そのリガン
ドを、生体分子へのリガンドの結合の生体分子の機能に関する作用について in
vitro 検定で評価することができる。機能が知られている生体分子について 、その検定には、リガンドの存在下及び不存在下における生体分子の活性の比較
が含まれうる。生体分子の機能が知られていない場合、その生体分子を発現する
細胞をリガンドと接触させることができ、その細胞の生存能力又は機能へのリガ
ンドの作用を評価する。そのin vitro検定は、例えば、細胞死検定、細胞増殖 検定又はウイルス複製検定でありうる。例えば、生体分子がウイルスによって発
現されるタンパク質である場合、そのウイルスに感染した細胞を、そのタンパク
質のリガンドと接触させることができる。次に、タンパク質へのリガンドの結合
がウイルス生存能力に及ぼす影響を評価することができる。
【0093】 本発明の方法によって識別されるリガンドは、in vivoモデルにおいて又はヒ
トにおいても評価されうる。例えば、そのリガンドは、生体分子を生産する動物
又は生物において評価されうる。結果として得られるその動物又は生物の健康状
態のいずれの変化も(例えば、疾患進行)確認することができる。
【0094】 タンパク質又は核酸分子などの、機能が知られていない生体分子について、そ
の生体分子に結合するリガンドの、その生体分子を生産する細胞又は生物への作
用は、生体分子の生物学的機能に関する情報を与えることができる。例えば、特
定の細胞過程がリガンドの存在下で阻害されるという知見は、その過程が、少な
くとも一部分はその生体分子の機能に依るということを示している。
【0095】 本発明によって与えられる質量コード化ライブラリーは、低分子の領域が、ヒ
ト及び他のゲノム中にコードされる任意の生体分子とどのように相互作用するか
を記載する情報セットの開発を可能にする。この情報セットには、(1)標的生 体分子に結合するライブラリー及びそこにある成分(2)生体分子標的への化合 物の結合親和性の原因となる化学官能基についての定量的構造−活性関係、及び
(3)化合物によって結合される生体分子のドメインに関するデータが含まれる と考えられる。そのデータベースを用いて、多数の方法で、例えば、特異的薬物
結合部位と高親和性で相互作用する化学的薬物支持物質(chemical pharmacoph
ore)を識別することによって、薬物開発を促進することができる。
【0096】 ここで、本発明を、次の実施例において更にかつより具体的に記載する。
【0097】
【実施例】
実施例1(コンピュータ手法による質量コード化の適用:質量コード化及び非 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの比較) 以下は、コンビナトリアルライブラリーの設計に向けた質量コード化手法の適
用の分析である。分子式X(Y)nを有する化合物の質量コード化コンビナトリア ルライブラリーを生じる所定のスキャホールド前駆体と反応させることができる
側部分前駆体のサブセットを識別する場合に行われる工程の順序を図1Aに示し;
図1Bは、代わりの工程順序である。式X(Y)nを有する特定の化合物中のn個の側
部分のコンビネーションの分子質量合計は、その化合物の分子質量にn個の側部 分が集合的に寄与していることであると理解されるはずである。ライブラリー中
のそれぞれの化合物には一定のスキャホールドが含まれるので、質量コード化ラ
イブラリー質量重複は、側部分前駆体の識別されたサブセットに由来するn個の 側部分の全コンビネーションの分子質量合計重複に相当する。
【0098】 質量コード化分析は、以下に示される22個の側部分の初期セットについて行わ
れた。この初期セットは任意に選択された。含まれたのは、同様の正確な質量を
有する側部分前駆体であった。マスターセットは、得られる側部分の正確な質量
と共に、以下に示される側部分前駆体から成った。与えられる分子質量は、正確
な分子質量であり、同位体平均ではない。それら正確な分子質量は、スキャホー
ルド前駆体との反応の結果として減少する任意の原子(この場合、水素原子の減
少)に関しても調整される。22個の側部分前駆体の初期セットから、16個の側部
分前駆体の二つのセットを生じさせた。一方のセットは、本明細書中に記載の質
量コード化手法を用いてコンピュータによって選択された(コンピュータ選択セ
ット)。もう一方のセットは無作為に選択された。
【0099】 16個の側部分前駆体のそれぞれのセットから、コンピュータで12個の側部分前
駆体のあらゆる可能なサブセットを生じさせた。これらサブセットを用いて、一
度に4個得る側部分前駆体の全コンビネーション(4個のペンタフルオロフェニル
エステルのような4個の反応性基を有するスキャホールド前駆体を用いて合成さ れるライブラリーを示す)を生じさせた。この処理は、各12個の1820サブセット
を含有する16個の側部分前駆体の2セットを生じた。理論的には、12個の側部分 前駆体のこれらサブセットはそれぞれ、4個の反応性基を含有する適当なスキャ ホールド前駆体と同時に反応させた場合、異なった側部分コンビネーションを含
有する1365の化合物のライブラリーを生じると考えられる(15!/[(15-4)!*4!]=1
365)。コンピュータでは、あらゆる前駆体サブセットが記憶し、得られたライブ
ラリー中の質量重複について検査した(この実施例において、質量重複は、小数
点以下第2位の有効数字まで検査された)。
【0100】 質量コード化手法及び質量重複検査は、質量重複を任意の有効数字まで検査す
るようにコンピュータフィルターを調整することが可能であるという点で両方と
も柔軟性であるということに注目すべきである。質量コード化のためのこの構造
は、迅速な自動質量コード化を可能にし、コンピュータ選択セットを用いて生じ
たライブラリーのかなりの部分が10%未満の重複を有することを確実にし、正確
な質量以外の側部分前駆体選択のためのパラメーターを含む。この選択のための
コンピュータ必要条件は全く重要である。60個又はそれ以上の側部分前駆体のマ
スターセットから側部分前駆体のあらゆる可能なセットを強制計算しかつ検査す
ることはコンピュータ処理しにくいので、質量コード化手法は不可欠である。
【0101】
【化5】
【0102】
【化6】
【0103】 結果 16個の側部分前駆体のコンピュータ選択セットは、86a、79a、13a、108a、76a
、20a、69a、1a、70a、26a、24a、36a、97a、94a、104a及び21aを含有した。16 個の無作為に選択された側部分前駆体のセットは、79a、13a、20a、69a、1a、26
a、24a、104a、52a、54a、19a、77a、53a、21a、55a、36aを含有した。側部分前
駆体のコンピュータ選択セットから生じたライブラリーは、5%未満の質量重複 を有する234のライブラリー及び10%未満の質量重複を有する972のライブラリー
について11.5%/ライブラリーの平均質量重複を有した(図2A)。無作為に選 択された側部分前駆体セットから生じたライブラリーは、10%未満の質量重複を
有するライブラリーがなく、60.7%の平均質量重複を有した(図2B)。それら 二つのライブラリーセットの質量重複のグラフによる直接比較を図2Cに示す。側
部分前駆体のコンピュータ選択セットに由来するライブラリー及び該当する質量
重複を以下の表に挙げる。
【0104】 実施例2(単機能タンパク質のリガンドの開発) 質量コード化コンビナトリアルライブラリーを用いて、単機能タンパク質に関
して高親和性を有するリガンドを識別することができる。一つのこのような単機
能タンパク質は、セリンプロテアーゼトリプシンである。トリプシンに高親和性
を示すリガンドは、トリプシンのタンパク質分解活性を阻害するそれらの能力に
ついて更にスクリーニングする候補であると考えられる。トリプシンへのリガン
ドの識別には、次の、化学的に活性化されたビオチン前駆体を用いたタンパク質
のインキュベーションにより、トリプシンを共有結合によってビオチニル化する
工程が含まれる。ビオチン−トリプシン結合体を、ストレプトアビジンで誘導体
化された水不溶性カラムマトリックスに結合させることによって固定する。質量
コード化コンビナトリアルライブラリーを適当な結合用緩衝液中に溶解させ、ト
リプシン+ストレプトアビジン複合体が入っているカラム上に注入する。カラム
に結合しない化合物は、結合用緩衝液を用いて洗い去る。カラムに結合する化合
物を、pHの変更又は有機溶媒%の増加などの緩衝液条件の変更によって解離させ
る。次に、これら化合物を、トリプシン+ストレプトアビジンカラムの下流に置
かれている逆相カラム上に加える。逆相カラムから化合物を溶離させ、質量分析
法によって分析する。ストレプトアビジンカラムを用いて同様にライブラリーを
スクリーニングする場合にも認められる質量を除去することによって、トリプシ
ンのリガンドに該当する分子質量を識別する。それぞれのトリプシンリガンドの
分子質量は、スキャホールドを加えた側部分の一つのコンビネーションと同じに
なる。スキャホールドを加えた側部分のその識別されたコンビネーションから生
じる1種類又は複数の個々の化合物を合成し、トリプシンの阻害剤としてのそれ らの in vitro 活性について調べる。
【0105】 実施例3(多機能タンパク質のリガンドの開発) 多くのタンパク質、特に、ヒトタンパク質は多機能性であり、これら機能は、
しばしば、多数のタンパク質との相互作用によって媒介される。したがって、タ
ンパク質上の異なった部位に結合するリガンドは、異なった治療結果を生じるこ
とがありうると考えられる。ヒトタンパク質HSP70は、このような多機能タンパ ク質の一例である。HSP70は、大部分折りたたまれていない多数のポリペプチド と相互作用して、それらの翻訳及び折りたたみを容易にするすることが分かって
いる。HSP70のこの役割は、抗原プロセシング/提示、若干の癌の発育、及び種 々のヒトウイルスの複製を含めたいろいろな生理学的過程に関係している。質量
コード化コンビナトリアルライブラリーを用いて、HSP70に関して高親和性を有 しかつ異なった部位で結合するリガンドを識別することができる。HSP70のこれ らリガンドは、免疫応答、癌進行及びウイルス感染へのそれらの作用を確定する
次の検定で更に評価することができる。
【0106】 HSP70へのリガンドの識別には、次の、化学的に活性化されたビオチン前駆体 を用いたタンパク質のインキュベーションにより、HSP70を共有結合によってビ オチニル化する工程が含まれる。ビオチン−HSP70結合体を、ストレプトアビジ ンで誘導体化された水不溶性カラムマトリックスに結合させることによって固定
する。質量コード化ライブラリーを適当な結合用緩衝液中に溶解させ、HSP70+ ストレプトアビジン複合体が入っているカラム上に注入する。カラムに結合しな
い化合物は、結合用緩衝液を用いて洗い去る。カラムに結合する化合物を、pHの
変更又は有機溶媒%の増加などの緩衝液条件の変更によって解離させる。カラム
から解離する化合物を、HSP70+ストレプトアビジンカラムの下流に置かれてい る逆相カラム上に加える。逆相カラムから化合物を溶離させ、質量分析法によっ
て分析する。ストレプトアビジンカラムを用いて同様にライブラリーをスクリー
ニングする場合にも認められる質量を除去することによって、HSP70のリガンド に該当する分子質量を識別する。それぞれのHSP70リガンドの質量は、スキャホ ールドを加えた側部分の一つのコンビネーションと同じになる。スキャホールド
を加えた側部分のその識別されたコンビネーションから生じる1種類又は複数の 個々の化合物を合成し、免疫応答、癌進行及びウイルス感染に影響を及ぼすそれ
らの in vivo 能力について調べる。
【0107】 実施例3(既知のリガンドのタンパク質への結合に影響を及ぼすリガンドの開 発) 生物学的に重要なリガンドがある標的タンパク質に関して知られているが、そ
のリガンドの結合を調節する分子についての高処理スクリーニング法の開発は実
用的でない場合が多い。例えば、HSP70は、ADPの存在下において変性ポリペプチ
ドを結合すること、及びATPのHSP70への結合は、そのポリペプチドの解離をもた
らすことが知られている。質量コード化コンビナトリアルライブラリーは、ATP 、ADP又は変性ペプチドのHSP70への結合に影響を及ぼす低分子リガンドの発見に
おいて用いることができ、一つの立体配置を以下に挙げるが、HSP70は、化学的 に活性化されたビオチン前駆体を用いたタンパク質のインキュベーションにより
、共有結合によってビオチニル化されている。ビオチン−HSP70結合体を、スト レプトアビジンで誘導体化された水不溶性カラムマトリックスに結合させること
によって固定する。質量コード化ライブラリーを適当な結合用緩衝液中に溶解さ
せ、HSP70+ストレプトアビジン複合体が入っているカラム上に注入する。カラ ムに結合しない化合物は、結合用緩衝液を用いて洗い去る。カラムに結合する化
合物を、ATP、ADP、又は変性ペプチドを加えたADPの添加で解離させる。HSP70上
のこれら既知のリガンドと同様の部位に結合する化合物だけが、これら条件下で
溶離するであろう。カラムから解離する化合物を、HSP70+ストレプトアビジン カラムの下流に置かれている逆相カラム上に加える。逆相カラムから化合物を溶
離させ、質量分析法によって分析する。ストレプトアビジンカラムを用いて同様
にライブラリーをスクリーニングする場合にも認められる質量を除去することに
よって、HSP70のリガンドに該当する分子質量を識別する。それぞれのHSP70リガ
ンドの質量は、スキャホールドを加えた側部分の一つのコンビネーションと同じ
になる。スキャホールドを加えた側部分のその識別されたコンビネーションから
生じる1種類又は複数の個々の化合物を合成し、HSP70へのこれら既知のリガンド
と競合する能力について、及び免疫応答、癌進行及びウイルス感染に影響を及ぼ
すそれらの in vivo 能力について in vitro で調べる。
【0108】 実施例4(タンパク質治療薬のための低分子置換の発見) ある場合には、標的タンパク質への既知のリガンドは、実際上、別のタンパク
質であり、これら2種類のタンパク質の結合が、治療的利点を与える。このよう な相互作用の例は、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)のG−CSF受容体(G−CSF
−R)への結合である。非ペプチド低分子を用いたG−CSFの置換は、質量コード 化コンビナトリアルライブラリーを用いて着手することができ、一つのアプロー
チを以下に詳述するが、二つの別々のかつ平行した実験において、その質量コー
ド化ライブラリーを適当な結合用緩衝液中に溶解させ、G−CSF−R単独か又はG−
CSFを加えたG−CSF−Rと一緒にインキュベートする。1種類又は複数のタンパク 質に結合する化合物を、急速サイズ排除クロマトグラフィーによって非結合化合
物から分離する。結合性化合物を、その1種類又は複数のタンパク質と一緒に、 サイズ排除カラムの下流に置かれている逆相カラム上に加える。それら結合性化
合物を、その1種類又は複数のタンパク質から解離させ、逆相カラムから溶離さ せ、質量分析法によって分析する。G−CSF/G−CSF−R界面に結合する化合物に 該当する質量は、G−CSF−R単独を用いてライブラリーをスクリーニングする場 合にしか認められない質量として識別され、G−CSF/G−CSF−R複合体を用いた スクリーニングにおいても認められる質量は無視する。それぞれの界面特異的化
合物の質量は、スキャホールドを加えた側部分の一つのコンビネーションと同じ
になる。次に、スキャホールドを加えた側部分のその識別されたコンビネーショ
ンから生じる1種類又は複数の個々の化合物を合成し、G−CSFを模擬するそれら の in vitro 又は in vivo 能力について調べる。
【0109】 実施例5(二つのタンパク質を二量体化する低分子の開発) エリスロポエチン(EPO)のような若干の治療用タンパク質は多価であり、2モ
ル当量の標的タンパク質を結合することによって作用し、それによって、EPOの 場合はEPO受容体(EPO−R)である標的タンパク質を二量体化する。実施例3に概
略を示されたタンパク質置換戦略は、二つのEPO−R分子の二量体化を引き起こす
ことによって治療的に作用する非ペプチド化合物を生じるように拡大することが
できる。二つの別々のかつ平行した実験において、質量コード化ライブラリーを
適当な結合用緩衝液中に溶解させ、EPO−R単独か又はEPOを加えたEPO−Rと一緒 にインキュベートする。1種類又は複数のタンパク質に結合する化合物を、急速 サイズ排除クロマトグラフィーによって非結合化合物から分離する。結合した化
合物を、その1種類又は複数のタンパク質と一緒に、サイズ排除カラムの下流に 置かれている逆相カラム上に加える。それら結合した化合物を、その1種類又は 複数のタンパク質から解離させ、逆相カラムから溶離させ、質量分析法によって
分析する。EPO/EPO−R界面に結合する化合物に該当する質量は、EPO−R単独を 用いてライブラリーをスクリーニングする場合にしか認められない質量として識
別され、EPO/EPO−R複合体を用いたスクリーニングにおいても認められる質量 は無視する。それぞれの界面特異的化合物の質量は、スキャホールドを加えた側
部分の一つのコンビネーションと同じになる。スキャホールドを加えた側部分の
その識別されたコンビネーションから生じる1種類又は複数の個々の化合物を合 成し、標的タンパク質EPO−Rに結合するそれらのin vitro能力について調べる 。標的タンパク質への最も高い親和性を示す化合物を比較して、それらの中で類
似性を確認する。理想的には、スキャホールド上の一つの誘導体化部位は、高親
和結合に関して比較的重要でないことが認められる。続いて、この部位の側部分
を、2分子の最も高い親和性の化合物を結合する共有結合鎖で置き換えて、標的 タンパク質EPO−Rを二量体化する非ペプチド化合物を生じる。
【0110】 実施例6(同時の標的確認及び低分子薬物発見) 標的特異的リガンドのバイオアッセイへの応用によって疾患過程での役割が確
認されうる標的タンパク質のクラスの一例は、単純疱疹ウイルスの読み取り枠(
ORF)によってコードされたタンパク質である。ORFでコードされたタンパク質へ
のリガンドの識別、及びそのORFでコードされたタンパク質の機能及び抗ウイル ス薬物発見のための標識としての妥当性を確認するための得られたリガンドの使
用には、次の、化学的に活性化されたビオチン前駆体を用いたORFでコードされ たタンパク質のインキュベーションにより、ORFでコードされたタンパク質を共 有結合によってビオチニル化する工程が含まれる。ORFでコードされたタンパク 質−ビオチン結合体を、ストレプトアビジンで誘導体化された水不溶性カラムマ
トリックスに結合させることによって固定する。質量コード化ライブラリーを適
当な結合用緩衝液中に溶解させ、ORFでコードされたタンパク質+ストレプトア ビジン複合体が入っているカラム上に注入する。カラムに結合しない化合物は、
結合用緩衝液を用いて洗い去る。カラムに結合する化合物を、pHの変更又は有機
溶媒%の増加などの緩衝液条件の変更によって解離させる。これら化合物を、OR
Fでコードされたタンパク質+ストレプトアビジンカラムの下流に置かれている 逆相カラム上に加える。逆相カラムからそれら結合性化合物を溶離させ、質量分
析法によって分析する。ORFでコードされたタンパク質のリガンドに該当する分 子質量を、ストレプトアビジンカラムを用いて同様にライブラリーをスクリーニ
ングする場合にも認められる質量を除去することによって識別する。ORFでコー ドされたタンパク質のそれぞれのリガンドの質量は、スキャホールドを加えた側
部分の一つのコンビネーションと同じになる。スキャホールドを加えた側部分の
その識別されたコンビネーションから生じる1種類又は複数の個々の化合物を合 成し、哺乳動物細胞バイオアッセイ又は動物モデルにおいてウイルスの複製又は
伝播を阻害するそれらの能力について調べる。
【0111】 ウイルス特異的阻害活性についての知見は、ORFでコードされたタンパク質を ウイルス疾患過程の臨界的成分として関係させ、そのORFでコードされたタンパ ク質が低分子抗ウイルス薬物発見に特に扱いやすいことを確証する。ORFでコー ドされたタンパク質に特異的なリガンドの相対結合親和性と、ORFでコードされ たタンパク質に特異的なリガンドの相対阻害濃度との間の直接的な相関について
の知見は、低分子抗ウイルス薬物発見に関する標的としてそのORFでコードされ たタンパク質の識別を更に強化する。
【0112】 実施例7(標的タンパク質のアフィニティー精製に適用できる低分子の開発) 質量コード化コンビナトリアルライブラリーを用いて、標的タンパク質に関し
て高親和性を有するリガンドを識別することができる。一つのこのような標的タ
ンパク質は、ヒトエリスロポエチン(EPO)であり、それは、治療薬として用い るために産業的に発現されかつ精製されている。EPOに高親和性を示すリガンド は、固体支持体上に固定されて、EPO特異的アフィニティーマトリックスを生じ ることができる。
【0113】 EPOへのリガンドの識別及びEPO特異的アフィニティーマトリックスの構築には
、次の、質量コード化ライブラリーを適当な結合用緩衝液中に溶解させ、EPOタ ンパク質と一緒にインキュベートする工程が含まれる。EPOタンパク質に結合す る化合物を、急速サイズ排除クロマトグラフィーによって非結合化合物から分離
する。これら化合物を、EPOタンパク質と一緒に、サイズ排除カラムの下流に置 かれている逆相カラム上に加える。それら化合物をEPOタンパク質から解離させ 、逆相カラムから溶離させ、質量分析法によって分析する。EPOタンパク質特異 的リガンドの分子質量は、スキャホールドを加えた側部分の一つのコンビネーシ
ョンと同じになる。スキャホールドを加えた側部分のその識別されたコンビネー
ションから生じる1種類又は複数の個々のリガンドを合成し、EPOタンパク質に結
合するそれらの in vitro 能力について調べる。EPOタンパク質に最も高い親
和性を示す化合物を比較して、それら化合物間の類似性を確認する。スキャホー
ルド上の一つの反応性部位が、高親和結合に関して比較的重要でないことが認め
られるならば、この部位の側部分は、水不溶性マトリックスにEPO特異的リガン ドを結合する共有結合鎖で置き換えられ、それによってEPO特異的アフィニティ ーマトリックスを生じる。
【0114】 或いは、その共有結合鎖を用いて、商業的に入手可能なアフィニティーマトリ
ックス(ストレプトアビジンで誘導体化されるアガロース)に関して高親和性を
有するビオチンなどの別の分子にEPO特異的リガンドを結合させる。ビオチン− ストレプトアビジン相互作用は、強力な非共有結合固定化技術として用いられる
【0115】 実施例8(標的タンパク質の可視化に適用できる低分子の開発) 質量コード化コンビナトリアルライブラリーを用いて、標的タンパク質に関し
て高親和性を有するリガンドを識別することができる。一つのこのような標的タ
ンパク質は、ヒトタンパク質テロメラーゼであり、その発現は、癌進行及び老化
に関連している。テロメラーゼに高親和性を示すリガンドは、放射性又は非放射
性の標識を用いて機能化されて、in vitro又はin vivoにおいてその酵素の可 視化のためのテロメラーゼ特異的アフィニティープローブを生じることができる
。テロメラーゼへのリガンドの識別及びテロメラーゼ特異的アフィニティープロ
ーブの構築には、次の工程、すなわち質量コード化ライブラリーを適当な結合用
緩衝液中に溶解させ、テロメラーゼタンパク質単独を用いてインキュベートする
工程が含まれると考えられる。テロメラーゼタンパク質に結合する化合物を、急
速サイズ排除クロマトグラフィーによって非結合化合物から分離する。結合して
いる化合物を、テロメラーゼタンパク質と一緒に、サイズ排除カラムの下流に置
かれている逆相カラム上に加える。それら化合物をテロメラーゼタンパク質から
解離させ、逆相カラムから溶離させ、質量分析法によって分析する。テロメラー
ゼタンパク質特異的リガンドそれぞれの質量は、スキャホールドを加えた側部分
の一つのコンビネーションと同じになる。スキャホールドを加えた側部分のその
識別されたコンビネーションから生じる1種類又は複数の個々のリガンドを合成 し、テロメラーゼタンパク質に結合するそれらのin vitro能力について調べる 。テロメラーゼタンパク質に最も高い親和性を示す化合物を比較して、それら化
合物間の類似性を確認する。理想的には、スキャホールド上の一の反応性の部位
が、高親和結合に関して比較的重要でないことを見ておく。続いて、この部位で
、側部分を、放射性部分又は発蛍光団などの非放射性部分にそのテロメラーゼ特
異的リガンドを結合する共有結合鎖で置き換え、それによってテロメラーゼ特異
的アフィニティープローブを生じる。
【0116】 実施例9(質量コード化コンビナトリアルライブラリー混合物を用いたアフィ ニティー選択によるウシトリプシンの低分子阻害剤の識別) 質量コード化ライブラリー混合物を、実施例1に記載のように選択される10個 の側部分前駆体のセットとスキャホールド前駆体
【0117】
【化7】
【0118】 の反応によって合成した。この側部分前駆体セットを以下に示す。この側部分前
駆体は、一般式X(Y)4(式中、Xはこのスキャホールドであり、Yはそれぞれ独 立して、側部分前駆体の一つに由来する側部分である)を有する化合物の質量コ
ード化コンビナトリアルライブラリー混合物を生じるように選択された。このラ
イブラリーには、4個の側部分の715の異なったコンビネーション及び715の異な った質量が含まれる。
【0119】
【化8】
【0120】 2mM質量コード化ライブラリー混合物及び50μMウシトリプシンを結合用緩衝液
(50mMトリス,pH7.75;40mM CaCl2;10%DMSO全量v/v)中に含有する均一溶
液を、室温で30分間インキュベート後、氷上で5分間インキュベートした。20μL
のこの混合物を、4.6x200mmサイズ排除HPLCカラム上に注入し、結合用緩衝液を
用いて1.5ml/分で溶離させた。タンパク質は、非結合ライブラリー成分より僅
か前に溶離し、このタンパク質ピークを集めた。ギ酸及びアセトニトリルをそれ
ぞれ10%の最終濃度まで加えて、そのタンパク質からリガンドをすべて解離させ
、得られた混合物をLC−MSによって分析した。質量スペクトル分析によって、ス
キャホールドを加えた4個の側部分の一つのコンビネーションに合った一つの質 量が得られ、このコンビネーションを有する単一の異性体の合成は、以下に示さ
れるトリプシンリガンドの同一性を確証した。
【0121】
【化9】
【0122】 この分子は、標準的な n vitroトリプシン活性検定によって検定した場合、ト
リプシンの強力な阻害剤であった。
【0123】 均等物 本発明を詳しく示し、かつその好ましい実施態様に関して記載してきたが、そ
こにおいて、請求の範囲によって定義される発明の精神及び範囲から逸脱するこ
となく、形態及び詳細の種々の変更を行うことができることは当業者に理解され
るであろう。当業者は、常套実験だけを用いて、本明細書中に具体的に記載の発
明の具体的な実施態様への多くの均等物を認識するであろうし又は確認できるで
あろう。このような均等物は、請求の範囲の範囲内に包含されるものである。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】
【表6】
【0130】
【表7】
【0131】
【表8】
【0132】
【表9】
【0133】
【表10】
【0134】
【表11】
【0135】
【表12】
【0136】
【表13】
【0137】
【表14】
【0138】
【表15】
【0139】
【表16】
【0140】
【表17】
【0141】
【表18】
【0142】
【表19】
【0143】
【表20】
【0144】
【表21】
【0145】
【表22】
【0146】
【表23】
【0147】
【表24】
【0148】
【表25】
【0149】
【表26】
【0150】
【表27】
【0151】
【表28】
【0152】
【表29】
【0153】
【表30】
【0154】
【表31】
【0155】
【表32】
【0156】
【表33】
【0157】
【表34】
【0158】
【表35】
【0159】
【表36】
【0160】
【表37】
【0161】
【表38】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A及び1Bは、質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製
造のためのより大きい側部分前駆体セットの中から側部分前駆体のサブセットを
選択する手順及び変法を示すフローチャートである。
【図2A】 図2Aは、質量コード化手法を用いて選択される側部分前駆体の
コンピュータ選択セットから得られるコンビナトリアルライブラリーの質量重複
を示すグラフである。
【図2B】 図2Bは、無作為に選択される側部分前駆体セットから得られる
コンビナトリアルライブラリーの質量重複を示すグラフである。
【図2C】 図2Cは、(1)質量コード化手法を用いて選択される側部分前 駆体のコンピュータ最適化セット(...)及び(2)無作為に選択される側部 分前駆体セット(−)から得られるコンビナトリアルライブラリーの質量重複を
示すグラフを示す。
【図3】 図3は、ライブラリーにおける質量重複を最小限にする又は除く 側部分前駆体のサブセットを選択する本発明の方法を具体的に示すディジタルプ
ロセッサアセンブリーを用いるコンピュータシステムの略図である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月7日(2001.3.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP (72)発明者 ウイントナー,エドワード・エイ アメリカ合衆国マサチューセッツ州02139, ケンブリッジ,ヴァレンタイン・ストリー ト 44 (72)発明者 カルガトゥギ,クリシュナ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01581, ウエストボロウ,ジェイコブ・アムスデ ン・ロード 25 (72)発明者 シップス,ジェラルド アメリカ合衆国マサチューセッツ州02180, ストーンハム,プレザント・ストリート 76 (72)発明者 ジンダル,サティッシュ アメリカ合衆国マサチューセッツ州02186, ミルトン,ノーニアン・ストリート 20 Fターム(参考) 4G075 AA02 CA65 FA11 FB11 4H006 AA04 AA05 AB20

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式X(Y)n(式中、Xはスキャホールドであり、nは2〜約
    6であり、そしてYはそれぞれ独立して、側部分である)を有する化合物の質量コ
    ード化セットを製造する方法であって、以下の工程: (a)側部分前駆体セットから、側部分前駆体サブセットを選択する工程であ って、該サブセットが、該サブセットに由来するn個の側部分の少なくとも約250
    の異なったコンビネーションが存在するような充分に多数の側部分前駆体を含み
    、このとき該サブセットに由来するn個の側部分の該コンビネーションの少なく とも約90%が、該サブセットに由来するn個の側部分の他のすべてのコンビネー ションの分子質量合計と異なる分子質量合計を有するもの;そして (b)該側部分前駆体サブセットをスキャホールド前駆体と接触させる工程で あって、該スキャホールド前駆体がn個の反応性基を有し、このとき反応性基が それぞれ、側部分前駆体とそれぞれの反応性基の反応に充分な条件下において、
    少なくとも一つの側部分前駆体と反応して共有結合を形成するもの、 を含み、それによって一般式X(Y)nを有する化合物の質量コード化セットを製 造する、上記方法。
  2. 【請求項2】 スキャホールド前駆体が、1個又はそれ以上の飽和、部分飽 和、又は芳香族の環状基を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの環状基が、1個又はそれ以上の反応性基で 置換されている、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応性基が、環状基に直接的に又は間にあるC1-6−アルキレ
    ン基を介して結合している、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応性基がそれぞれ独立して、反応性カルボニル基、反応性
    スルホニル基、反応性ホスホニル基、末端エポキシド基及びイソシアネート基か
    ら成る群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 反応性基が、カルボニルクロリド、カルボニルペンタフルオ
    ロフェニルエステル及びスルホニルクロリドから成る群より選択される、請求項
    5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも一つの側部分前駆体が、第一アミノ基、第二アミ
    ノ基又はヒドロキシル基を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 反応性基がそれぞれ独立して、第一アミノ、第二アミノ及び
    ヒドロキシル基から成る群より選択される、請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも一つの側部分前駆体が、反応性カルボニル基、反
    応性スルホニル基、反応性ホスホニル基、末端エポキシド基又はイソシアネート
    基を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも一つの側部分前駆体が、カルボニルクロリド、
    カルボニルペンタフルオロフェニルエステル又はスルホニルクロリド基を含む、
    請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 選択する工程が、以下の工程を含む、請求項1に記載の方 法: (a)側部分前駆体セットから、二つの異なった側部分前駆体のあらゆるセッ トを選抜する工程であって、該選抜する工程が、2個セットそれぞれについて、 該二つの側部分前駆体が等しい分子質量を有する場合、その二つの内の一方を除
    去して残りのセットを形成するような方法で行われるもの; (b)残りのセットから、4個の側部分前駆体のあらゆるセットを選抜する工程
    であって、ある与えられた4個セットについて、与えられた4個セット中の第一の
    二つの前駆体の分子質量の合計が、与えられた4個の側部分前駆体セット中の第 二の二つの前駆体の分子質量の合計と等しい場合、4個の側部分前駆体の一つを 除去することを含み、該選抜する工程が、残りセットを形成するもの; (c)残りセットから、6個の異なった側部分前駆体のあらゆるセットを選抜す
    る工程であって、ある与えられた6個セットについて、与えられた6個セット中の
    第一の3個の前駆体の分子質量の合計が、与えられた6個セット中の第二の3個の 前駆体の分子質量の合計と等しい場合、6個の側部分前駆体の一つを除去するこ とを含み、該選抜する工程が、側部分前駆体の作業選択セットであってそこから
    望ましいサブセットを選択するためのものを形成するもの;そして (d)作業選択セットから、望ましいサブセットを選抜する工程であって、以 下により、選択されたサブセットを与えるもの: (i)選択されたサブセットの候補を該作業選択セットから抜粋し、 (ii)抜粋されたサブセットの候補から、n個の側部分前駆体の可能な すべてのコンビネーションを生じさせ、そして (iii)生じたコンビネーションが、許容しうる質量重複%を有するか どうかを確認し、そしてそのような場合、選抜されたサブセットの候補を選択さ
    れたサブセットとして選択すること。
  12. 【請求項12】 選択する工程が、ディジタルプロセッサアセンブリーによ
    って行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 選択する工程が、スキャホールド前駆体と接触した場合に
    質量コード化化合物を同時に生じる側部分前駆体を含む側部分前駆体サブセット
    を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 選択する工程が、以下の工程を含む、請求項13に記載の方
    法: (a)側部分前駆体セットから、二つの異なった側部分前駆体のあらゆるセッ トを選抜する工程であって、該選抜する工程が、2個セットそれぞれについて、 該二つの側部分前駆体が等しい分子質量を有する場合、その二つの内の一方を除
    去して残りのセットを形成するような方法で行われるもの; (b)残りのセットから、4個の異なる側部分前駆体のセットを選抜する工程で
    あって、ある与えられた4個セットについて、与えられた4個セット中の第一の二
    つの前駆体の分子質量の合計が、与えられた4個の側部分前駆体セット中の第二 の二つの前駆体の分子質量の合計と等しい場合、4個の側部分前駆体の一つを除 去することを含み、該選抜する工程が、残りセットを形成するもの; (c)残りセットから、6個の異なった側部分前駆体のあらゆるセットを選抜す
    る工程であって、ある与えられた6個セットについて、与えられた6個セット中の
    第一の3個の前駆体の分子質量の合計が、与えられた6個セット中の第二の3個の 前駆体の分子質量の合計と等しい場合、6個の側部分前駆体の一つを除去するこ とを含み、該選抜する工程が、側部分前駆体の作業選択セットであってそこから
    望ましいサブセットを選択するためのものを形成するもの;そして (d)作業選択セットから、望ましいサブセットを選抜する工程であって、以 下により、選択されたサブセットを与えるもの: (i)選択されたサブセットの候補を該作業選択セットから抜粋し、 (ii)抜粋されたサブセットの候補から、n個の側部分前駆体の可能な すべてのコンビネーションを生じさせ、そして (iii)生じたコンビネーションが、許容しうる質量重複%を有するか どうかを確認し、そしてそのような場合、選抜されたサブセットの候補を選択さ
    れたサブセットとして選択すること。
  15. 【請求項15】 選択する工程が、ディジタルプロセッサアセンブリーによ
    って行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアル
    ライブラリーのメンバーを識別する方法であって、該質量コード化分子ライブラ
    リーが、一般式XYn(式中、nは2〜約6の整数であり、Xはスキャホールドであり 、そしてYはそれぞれ独立して、側部分である)を有する化合物を含み、このと き該質量コード化コンビナトリアルライブラリーが、側部分前駆体に由来するn 個の側部分の少なくとも約250の異なったコンビネーションが存在するような充 分に多数の異なった側部分前駆体とスキャホールド前駆体を反応させることによ
    って生じ、上記方法が以下の工程: (a)生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であって、 それによって生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリーのメンバ
    ーが生体分子に結合して生体分子−リガンド複合体を形成し、生体分子のリガン
    ドでない質量コード化ライブラリーのメンバーが結合しないまま残るもの; (b)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから、生体分子−リガ ンド複合体を分離する工程; (c)生体分子−リガンド複合体を解離する工程;そして (d)それぞれのリガンドの分子質量を測定し、それぞれのリガンド中に存在 するn個の側部分のセットを識別する工程であって、このときそれぞれのリガン ドの分子質量が、そのリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相当するも の を含み、それによって生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアル
    ライブラリーのメンバーを識別する、上記方法。
  17. 【請求項17】 生体分子が固体支持体上に固定されている、請求項16に記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 固体支持体が、クロマトグラフィーカラム中に包含される
    水不溶性マトリックスである、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 生体分子を含む溶液を質量コード化分子ライブラリーと接
    触させて、質量コード化分子ライブラリーの一つ又は複数のメンバーが該生体分
    子のリガンドであれば、生体分子−リガンド複合体及び該質量コード化分子ライ
    ブラリーの非結合メンバーを含む溶液を形成する、請求項16に記載の方法。
  20. 【請求項20】 生体分子−リガンド複合体及び質量コード化分子ライブラ
    リーの非結合メンバーを含む溶液を、サイズ排除クロマトグラフィーカラムを通
    し、それによって質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーを生体分子−
    リガンド複合体後にカラムから溶離することにより、質量コード化分子ライブラ
    リーの非結合メンバーを生体分子−リガンド複合体から分離する、請求項19に記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 生体分子−リガンド複合体及び質量コード化分子ライブラ
    リーの非結合メンバーを含む溶液をサイズ排除膜と接触させ、それによって非結
    合化合物が該膜を通過し、生体分子−リガンド複合体が該膜を通過しないことに
    より、質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーを生体分子−リガンド複
    合体から分離する、請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 生体分子がタンパク質又は核酸分子である、請求項16に記
    載の方法。
  23. 【請求項23】 生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアル
    ライブラリーのメンバーを識別し、そして該リガンドの該生体分子への結合の作
    用を評価する方法であって、該質量コード化分子ライブラリーが、一般式XYn( 式中nは2〜約6の整数であり、Xはスキャホールドであり、そしてYはそれぞれ独 立して、側部分である)を有する化合物を含み、このとき該質量コード化コンビ
    ナトリアルライブラリーが、側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくとも 約250の異なったコンビネーションが存在するような充分に多数の異なった側部 分前駆体とスキャホールド前駆体を反応させることによって生じ、以下の工程を
    含む、前記方法: (a)生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であって、 それによって生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリーのメンバ
    ーが生体分子に結合して生体分子−リガンド複合体を形成し、生体分子のリガン
    ドでない質量コード化ライブラリーのメンバーが結合しないまま残るもの; (b)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから、生体分子−リガ ンド複合体を分離する工程; (c)該生体分子−リガンド複合体を解離する工程; (d)それぞれのリガンドの分子質量を測定し、それぞれのリガンド中に存在 するn個の側部分のセットを識別する工程であって、このときそれぞれのリガン ドの分子質量が、そのリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相当し、そ れによって生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアルライブラリ
    ーのメンバーを識別するもの;そして (e)該リガンドの該生体分子への結合の作用を、in vitro検定において該生
    体分子の機能に関して評価する工程。
  24. 【請求項24】 in vitro検定が、細胞増殖検定、細胞死検定又はウイル ス複製検定である、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 生体分子がタンパク質又は核酸分子である、請求項23に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアル
    ライブラリーのメンバーを識別し、そして該リガンドの該生体分子への結合の作
    用を評価する方法であって、該質量コード化分子ライブラリーが、一般式XYn( 式中nは2〜約6の整数であり、Xはスキャホールドであり、そしてYはそれぞれ独 立して、側部分である)を有する化合物を含み、このとき該質量コード化コンビ
    ナトリアルライブラリーが、側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくとも 約250の異なったコンビネーションが存在するような充分に多数の異なった側部 分前駆体とスキャホールド前駆体を反応させることによって生じ、以下の工程を
    含む、前記方法: (a)生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であって、 それによって生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリーのメンバ
    ーが生体分子に結合して生体分子−リガンド複合体を形成し、生体分子のリガン
    ドでない質量コード化ライブラリーのメンバーが結合しないまま残るもの; (b)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから、生体分子−リガ ンド複合体を分離する工程; (c)該生体分子−リガンド複合体を解離する工程; (d)それぞれのリガンドの分子質量を測定し、それぞれのリガンド中に存在 するn個の側部分のセットを識別する工程であって、このときそれぞれのリガン ドの分子質量が、そのリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相当し、そ れによって生体分子のリガンドである質量コード化コンビナトリアルライブラリ
    ーのメンバーを識別するもの;そして (e)該リガンドの該生体分子への結合の作用を、in vitro検定において該生
    体分子の機能に関して評価する工程。
  27. 【請求項27】 生体分子の機能に関するリガンドの該生体分子への結合の
    作用が、動物モデル、生物又はヒトで評価される、請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 生体分子がタンパク質又は核酸分子である請求項26に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 生体分子のリガンドであり、かつ生体分子の既知の第二の
    リガンドの結合部位で該生体分子に結合する質量コード化分子ライブラリーのメ
    ンバーを識別する方法であって、該質量コード化分子ライブラリーが、一般式XY n (式中、nは2〜約6の整数であり、Xはスキャホールドであり、そしてYはそれぞ
    れ独立して、側部分である)を有する化合物を含み、このとき該質量コード化分
    子ライブラリーは、側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくとも約250の異
    なったコンビネーションが存在するような充分に多数の異なった側部分前駆体と
    スキャホールド前駆体を反応させることによって生じ、上記方法が以下の工程: (a)生体分子を該質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であって 、それによって生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリーのメン
    バーが生体分子に結合して生体分子−リガンド複合体を形成し、生体分子のリガ
    ンドでない質量コード化ライブラリーのメンバーが結合しないまま残るもの; (b)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから、生体分子−リガ ンド複合体を分離する工程; (c)生体分子−リガンド複合体を第二のリガンドと接触させる工程であって 、生体分子−リガンド複合体を解離させ、このとき該リガンドが、第二のリガン
    ドの結合部位で該生体分子に結合し、それによって生体分子−第二リガンド複合
    体及び解離したリガンドを形成するもの; (d)解離したリガンド及び生体分子−リガンド複合体を分離する工程;そし て (e)それぞれの解離したリガンドの分子質量を測定する工程であって、 このときそれぞれの解離したリガンドの分子質量が、そのリガンド中に存在する
    側部分のセットに相当するもの、 を含み、それによって生体分子のリガンドであり、かつ生体分子の既知の第二の
    リガンドの結合部位で生体分子に結合する質量コード化分子ライブラリーのメン
    バーを識別する、上記方法。
  30. 【請求項30】 第二リガンドが、ポリペプチド、核酸分子又は補助因子で
    ある、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 生体分子が固体支持体上に固定されている、請求項29に記
    載の方法。
  32. 【請求項32】 固体支持体が、クロマトグラフィーカラム中に包含される
    水不溶性マトリックスである、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 生体分子がタンパク質又は核酸分子である、請求項29に記
    載の方法。
  34. 【請求項34】 第一生体分子のリガンドであるが第二生体分子のリガンド
    ではない質量コード化コンビナトリアルライブラリーのメンバーを識別する方法
    であって、該質量コード化分子ライブラリーが、一般式XYn(nは2〜約6の整数で
    あり、Xはスキャホールドであり、そしてYはそれぞれ独立して、側部分である)
    を有する化合物を含み、このとき該質量コード化コンビナトリアルライブラリー
    が、側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくとも約250の異なったコンビネ
    ーションが存在するような充分に多数の異なった側部分前駆体とスキャホールド
    前駆体を反応させることによって生じ、上記方法が以下の工程: (a)第一生体分子を該質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であ って、それによって第一生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリ
    ーのメンバーが第一生体分子に結合して、第一生体分子−リガンド複合体を形成
    し、第一生体分子のリガンドではない質量コード化ライブラリーのメンバーが結
    合しないまま残るもの; (b)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから第一生体分子−リ ガンド複合体を分離する工程; (c)第一生体分子−リガンド複合体を解離させる工程; (d)第一生体分子のそれぞれのリガンドの分子質量を測定する工程; (e)第二生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であっ て、それによって第二生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリー
    のメンバーが第二生体分子に結合して、第二生体分子−リガンド複合体を形成し
    、第二生体分子のリガンドではない質量コード化ライブラリーのメンバーが結合
    しないまま残るもの; (f)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから第二生体分子−リ ガンド複合体を分離する工程; (g)第二生体分子−リガンド複合体を解離させる工程; (h)第二生体分子のそれぞれのリガンドの分子質量を測定する工程;そして (i)工程(d)で測定される1種類又は複数の分子質量のどれが、工程(h)で
    測定されないかを確認する工程であって、それによって第一生体分子のリガンド
    であるが第二生体分子のリガンドではない質量コード化コンビナトリアルライブ
    ラリーのメンバーの分子質量を提供し、 このとき工程(i)で測定されるそれぞれの分子質量が、該第二生体分子のリガ ンドではない該第一生体分子のリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相 当するもの を含み、それによって第一生体分子のリガンドであるが第二生体分子のリガンド
    ではない質量コード化コンビナトリアルライブラリーのメンバーを識別する、上
    記方法。
  35. 【請求項35】 第一及び第二生体分子が、それぞれ独立して、タンパク質
    又は核酸分子である、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 第一及び第二生体分子がそれぞれタンパク質であり、第二
    生体分子のアミノ酸配列が、1個又はそれ以上のアミノ酸残基の挿入、欠失又は 置換によって第一生体分子から誘導される、請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 第一生体分子が第一タンパク質であり、第二生体分子が第
    二タンパク質であり、該第一及び第二タンパク質が同一アミノ酸配列を有し、こ
    のとき該第一及び第二タンパク質が異なった翻訳後修飾を有する、請求項35に記
    載の方法。
  38. 【請求項38】 リン酸化、グリコシル化又はユビキチン化の程度において
    、第一タンパク質が第二タンパク質とは異なる、請求項35に記載の方法。
  39. 【請求項39】 第二生体分子が、リガンドと第一生体分子の複合体である
    、請求項35に記載の方法。
  40. 【請求項40】 第一及び第二生体分子が、それぞれ固体支持体上に固定さ
    れている、請求項35に記載の方法。
  41. 【請求項41】 固体支持体が、クロマトグラフィーカラム中に包含される
    水不溶性マトリックスである、請求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 第一生体分子を含む溶液を質量コード化分子ライブラリー
    と接触させて、第一生体分子−リガンド複合体及び質量コード化分子ライブラリ
    ーの非結合メンバーを含む溶液を形成し、第二生体分子を含む溶液を質量コード
    化分子ライブラリーと接触させて、第二生体分子−リガンド複合体及び質量コー
    ド化分子ライブラリーの非結合メンバーを含む溶液を形成する、請求項35に記載
    の方法。
  43. 【請求項43】 第二生体分子−リガンド複合体及び質量コード化分子ライ
    ブラリーの非結合メンバーを含む溶液を、サイズ排除クロマトグラフィーカラム
    を通し、それによって該カラムから第二生体分子−リガンド複合体の後に質量コ
    ード化分子ライブラリーの非結合メンバーを溶離することにより、質量コード化
    分子ライブラリーの非結合メンバーを第二生体分子−リガンド複合体から分離す
    る、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 第二生体分子−リガンド複合体及び質量コード化分子ライ
    ブラリーの非結合メンバーを含む溶液をサイズ排除膜と接触させ、それによって
    非結合化合物が該膜を通過し、第二生体分子−リガンド複合体が該膜を通過しな
    いことにより、質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーを第二生体分子
    −リガンド複合体から分離する、請求項42に記載の方法。
  45. 【請求項45】 第一生体分子のリガンドであるが第二生体分子のリガンド
    ではない質量コード化コンビナトリアルライブラリーのメンバーを識別する方法
    であって、該質量コード化分子ライブラリーが、一般式XYn(nが2〜約6の整数で
    あり、Xがスキャホールドであり、そしてYがそれぞれ独立して、側部分である)
    を有する化合物を含み、このとき該質量コード化コンビナトリアルライブラリー
    が、側部分前駆体に由来するn個の側部分の少なくとも約250の異なったコンビネ
    ーションが存在するような充分に多数の異なった側部分前駆体とスキャホールド
    前駆体を反応させることによって生じ、上記方法が以下の工程: (a)第二生体分子を質量コード化分子ライブラリーと接触させる工程であっ て、それによって第二生体分子のリガンドである質量コード化分子ライブラリー
    のメンバーが第二生体分子に結合して、第二生体分子−リガンド複合体を形成し
    、第二生体分子のリガンドではない質量コード化ライブラリーのメンバーが結合
    しないまま残るもの; (b)質量コード化分子ライブラリーの非結合メンバーから第二生体分子−リ ガンド複合体を分離する工程; (c)第一生体分子を、工程(b)の質量コード化分子ライブラリーの非結合メ
    ンバーと接触させる工程であって、それによって第一生体分子のリガンドである
    質量コード化分子ライブラリーのメンバーが第一生体分子に結合して、第一生体
    分子−リガンド複合体を形成し、第一生体分子のリガンドではない質量コード化
    ライブラリーのメンバーが結合しないまま残るもの; (d)第一生体分子−リガンド複合体を解離させる工程; (e)第一生体分子のそれぞれのリガンドの分子質量を測定する工程であって このとき工程(e)で測定されるそれぞれの分子質量が、第二生体分子のリガン ドではない第一生体分子のリガンド中に存在するn個の側部分のセットに相当し するもの を含み、それによって第一生体分子のリガンドであるが第二生体分子のリガンド
    ではない質量コード化コンビナトリアルライブラリーのメンバーを識別する、上
    記方法。
  46. 【請求項46】 第一及び第二生体分子が、それぞれ独立して、タンパク質
    又は核酸分子である、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 第二生体分子が固体支持体上に固定されている、請求項45
    に記載の方法。
  48. 【請求項48】 固体支持体が、クロマトグラフィーカラム中に包含される
    水不溶性マトリックスである、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 一般式X(Y)n(式中、Xはスキャホールドであり、nは2〜
    約6であり、そしてYはそれぞれ独立して、側部分である)を有する化合物の質量
    コード化セットを製造する装置であって、側部分前駆体セットから側部分前駆体
    サブセットを選択するためのディジタルプロセッサアセンブリーを含み、該サブ
    セットが、該サブセットに由来するn個の側部分の少なくとも約250の異なったコ
    ンビネーションが存在するような充分に多数の側部分前駆体を含み、このとき該
    サブセットに由来するn個の側部分の該コンビネーションの少なくとも約90%が 、該サブセットに由来するn個の側部分の他のすべてのコンビネーションの分子 質量合計と異なる分子質量合計を有する、上記装置。
  50. 【請求項50】 ディジタルプロセッサアセンブリーが、ディジタルプロセ
    ッサによって行われるルーチンを用いて以下を行う、請求項49に記載の装置: (a)側部分前駆体セットからの、二つの異なった側部分前駆体のあらゆるセ ットの選抜であって、該選抜が、2個セットそれぞれについて、該二つの側部分 前駆体が等しい分子質量を有する場合、その二つの内の一方を除去して残りのセ
    ットを形成するような方法で行われるもの; (b)残りのセットからの、4個の側部分前駆体のあらゆるセットの選抜であっ
    て、ある与えられた4個セットについて、与えられた4個セット中の第一の二つの
    前駆体の分子質量の合計が、与えられた4個の側部分前駆体セット中の第二の二 つの前駆体の分子質量の合計と等しい場合、4個の側部分前駆体の一つを除去す ることを含み、該選抜が、残りセットを形成するもの; (c)残りセットからの、6個の異なった側部分前駆体のあらゆるセットの選抜
    であって、ある与えられた6個セットについて、与えられた6個セット中の第一の
    3個の前駆体の分子質量の合計が、与えられた6個セット中の第二の3個の前駆体 の分子質量の合計と等しい場合、6個の側部分前駆体の一つを除去することを含 み、該選抜が、側部分前駆体の作業選択セットであってそこから望ましいサブセ
    ットを選択するためのものを形成するもの;そして (d)作業選択セットからの、望ましいサブセットの選抜であって、以下によ り、選択されたサブセットを与えるもの: (i)選択されたサブセットの候補を該作業選択セットから抜粋し、 (ii)抜粋されたサブセットの候補から、n個の側部分前駆体の可能な すべてのコンビネーションを生じさせ、そして (iii)生じたコンビネーションが、許容しうる質量重複%を有するか どうかを確認し、そしてそのような場合、選抜されたサブセットの候補を選択さ
    れたサブセットとして選択すること。
JP2000527513A 1998-01-05 1999-01-04 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法 Ceased JP2002500205A (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US7045698P 1998-01-05 1998-01-05
US60/070,456 1998-01-05
US09/024,592 1998-02-17
US09/024,592 US6207861B1 (en) 1998-01-05 1998-02-17 Method for producing and screening mass coded combinatorial libraries for drug discovery and target validation
PCT/US1999/000024 WO1999035109A1 (en) 1998-01-05 1999-01-04 Method for producing mass-coded combinatorial libraries
CA2313957A CA2313957C (en) 1998-01-05 2000-07-14 Method for producing mass-coded combinatorial libraries

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010206977A Division JP2011039067A (ja) 1998-01-05 2010-09-15 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002500205A true JP2002500205A (ja) 2002-01-08

Family

ID=27171304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000527513A Ceased JP2002500205A (ja) 1998-01-05 1999-01-04 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6207861B1 (ja)
EP (1) EP1045819A1 (ja)
JP (1) JP2002500205A (ja)
CA (1) CA2313957C (ja)
WO (1) WO1999035109A1 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6528098B2 (en) * 1996-10-22 2003-03-04 Advanced Viral Research Corp. Preparation of a therapeutic composition
WO2000047999A1 (en) * 1999-02-12 2000-08-17 Cetek Corporation High throughput size-exclusive method of screening complex biological materials for affinity ligands
EP1254367A4 (en) * 2000-02-03 2006-07-05 Nanoscale Combinatorial Synthe METHOD FOR IDENTIFYING STRUCTURES BY MASS DETERMINATION
US20010031475A1 (en) * 2000-02-23 2001-10-18 Gallop Mark A. Self-encoded combinatorial synthesis of compound multiplets
NZ524980A (en) 2000-09-01 2005-10-28 Biogen Idec Inc Novel CD40:CD154 binding interruptor compounds and use thereof to treat immunological complications
US20020077491A1 (en) * 2000-09-05 2002-06-20 Shipps Gerald W. Methods for forming combinatorial libraries combining amide bond formation with epoxide opening
WO2002046128A2 (en) 2000-12-06 2002-06-13 Pharmacore, Inc. Quaternary amino acids on solid supports
WO2002051775A2 (en) * 2000-12-22 2002-07-04 Neogenesis Pharmaceuticals, Inc. Methods for forming combinatorial libraries using reductive amination
JP2005506039A (ja) * 2000-12-29 2005-03-03 ネオジェネシス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド アフィニティ選択に基づいた疎水性タンパク質のスクリーニング
EP1383799A4 (en) * 2001-04-10 2008-08-06 Transtech Pharma Inc PROBES, SYSTEMS AND METHODS FOR DISCOVERING MEDICAMENTS
US6691046B2 (en) * 2001-05-10 2004-02-10 Neogenesis Drug Discovery, Inc. Method and apparatus for identifying unknown compounds in complex chemical mixtures using mass spectrometry and mass differential analysis
US20040017884A1 (en) * 2002-07-25 2004-01-29 Havrilla George J. Flow method and apparatus for screening chemicals using micro x-ray fluorescence
DE10125258A1 (de) * 2001-05-23 2003-01-09 November Ag Molekulare Medizin Verfahren zur Bestimmung des Bindeverhaltens von an Ziel-Molekülen spezifisch bindenden Liganden
US20040019432A1 (en) * 2002-04-10 2004-01-29 Sawafta Reyad I. System and method for integrated computer-aided molecular discovery
US7519145B2 (en) * 2002-07-25 2009-04-14 Los Alamos National Security, Llc Flow method and apparatus for screening chemicals using micro x-ray fluorescence
MXPA05009723A (es) * 2003-03-10 2006-02-17 Schering Corp Analisis de ligando.
MXPA05010062A (es) * 2003-03-21 2006-03-08 Schering Corp Metodo de deteccion selectiva de ligandos objetivo.
WO2004099774A2 (en) * 2003-05-07 2004-11-18 Cellzome Ag Processes for the identification of medical targets by screening an active agent for binding interactions
JP4727577B2 (ja) 2003-07-03 2011-07-20 ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン 同位体組成および質量分析システムおよび方法
US20050164167A1 (en) * 2004-01-28 2005-07-28 Buscher Benjamin A. Method of discovery and development of broad-spectrum antiviral drugs
JP2008542369A (ja) * 2005-06-03 2008-11-27 アドバンスト バイラル リサーチ コープ. Avr118を用いて苦痛緩和医療を提供する方法
US8956824B2 (en) 2006-12-04 2015-02-17 British Columbia Cancer Agency Branch Methods for identifying allosteric modulators of ship polypeptides

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997008190A2 (en) * 1995-08-30 1997-03-06 Smithkline Beecham Plc Compounds

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5565324A (en) 1992-10-01 1996-10-15 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Complex combinatorial chemical libraries encoded with tags
US5585277A (en) 1993-06-21 1996-12-17 Scriptgen Pharmaceuticals, Inc. Screening method for identifying ligands for target proteins
GB9315847D0 (en) 1993-07-30 1993-09-15 Isis Innovation Tag reagent and assay method
AU1562895A (en) 1994-01-12 1995-08-01 Massachusetts Institute Of Technology Process for making xanthene or cubane based compounds, and protease inhibitors
EP0754238A4 (en) 1994-04-05 1998-01-28 Pharmagenics Inc DETERMINATION AND IDENTIFICATION OF ACTIVE SUBSTANCES IN SUBSTANCE LIBRARIES
US5891742A (en) 1995-01-19 1999-04-06 Chiron Corporation Affinity selection of ligands by mass spectroscopy
WO1996030392A1 (en) 1995-03-28 1996-10-03 Novartis Ag Process for the production of combinatorial compound libraries
GB9515070D0 (en) 1995-07-22 1995-09-20 Zeneca Ltd Label
US6475807B1 (en) 1996-04-08 2002-11-05 Smithkline Beecham Corporation Mass-based encoding and qualitative analysis of combinatorial libraries

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997008190A2 (en) * 1995-08-30 1997-03-06 Smithkline Beecham Plc Compounds

Also Published As

Publication number Publication date
EP1045819A1 (en) 2000-10-25
CA2313957A1 (en) 2002-01-14
CA2313957C (en) 2011-05-17
US6207861B1 (en) 2001-03-27
WO1999035109A1 (en) 1999-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002500205A (ja) 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法
JP2011039067A (ja) 質量コード化コンビナトリアルライブラリーの製造方法
EP1502102B1 (en) Compounds and methods for analyzing the proteome
JP3422493B2 (ja) 質量分光学によるリガンドの親和力選択
US20120021967A1 (en) Synthetic antibodies
US20030119059A1 (en) Complex combinatorial chemical libraries encoded with tags
CN102159949A (zh) 多配位体捕获剂及相关组合物,方法和系统
CA2551593A1 (en) Affinity screening using "one-bead-one-compound" libraries
US6503759B1 (en) Complex combinatorial chemical libraries encoded with tags
KR20140029411A (ko) 리간드 라이브러리를 사용한 진단 및 치료 방법들
EP3384041A1 (en) System and method for identification of protease substrates
JP2003527605A (ja) 生物学的物質マイクロアレイの作製および使用方法
JP2003523502A (ja) プロテオームの調査
WO2011047257A1 (en) Compositions and methods for producing cyclic peptoid libraries
Hlavac et al. Practical aspects of combinatorial solid-phase synthesis
US20120220482A1 (en) Compositions and methods for screening peptoid libraries
EP1604209B1 (en) Screening assay
EP1728776A2 (en) Method for identifying a member of a mass-coded combinatorial library
WO2023100976A1 (ja) ペプチドを固定化したビーズライブラリー
WO1998035923A1 (en) Process for creating molecular diversity
Ambre et al. Combinatorial Chemistry: Role in Lead Discovery
NANDAN et al. PREMLATA K. AMBRE, ANISH N. GOMATAM
Wingren et al. Antibody-based microarrays: from focused assays to proteome-scale analysis
WO2004008151A2 (en) New combinatorial peptide libraries containing markers and methods for their preparation and utilization
JP2004510134A (ja) 物質ライブラリーを用いて標的分子の適切なエフェクターを製造し決定する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100315

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100615

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100622

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100714

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100722

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100813

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100820

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110831

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20111216