JP2002500050A - 差次的に発現された遺伝子の固相選択 - Google Patents

差次的に発現された遺伝子の固相選択

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、差次的に発現された遺伝子をモニターおよび単離するための方法ならびに材料を提供する。本発明の方法に従って、比較される供給源由来の、異なって標識されたDNA集団が、固相支持体(例えば、微粒子)上のクローン化された参照DNAを競合的にハイブリダイズされ、差次的な発現ライブラリーを提供する。これは、好ましい実施態様において、蛍光活性化セルソーティング(FACS)によって操作され得る。微粒子上において異なる蛍光標識の相対シグナル強度をモニターすることは、参照DNAに対する発現レベルの定量的な分析を可能にする。本発明はまた、稀な遺伝子を同定および単離するための方法を提供する。目的の相対シグナル強度を有する微粒子の集団は、FACSによって単離され得、そして付着されたDNAは、配列決定(例えば、大規模並行サイン配列決定(massively parallel signature sequencing)(MPSS)、または簡便なDNA配列決定プロトコルを用いて)することによって同定され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1998年8月6日に提出された、同時係属中の米国特許出願番号
09/130,446号の一部継続出願であり、米国特許出願番号09/130,4
46号は、1998年1月9日に提出された同時係属中の米国特許出願番号09
/005,222号の一部継続出願である。これらの出願は、本明細書中で参考と
して援用される。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、一般に、差次的に発現された遺伝子を同定するための方法に関し、
そして、より詳細には、例えば、蛍光活性化フローソーティングによって、物理
的に操作され得る差次的な発現ライブラリーを提供するために、差次的に発現さ
れたDNAと固相支持体上のクローン化された参照DNA配列とを競合的にハイ
ブリダイズする方法に関する。
【0003】 (背景) ヒトゲノムを解読するためならびに疾患および宿主の差次的な遺伝子発現に関
連する他の生理学的状態を支配する遺伝的な根拠を理解するために所望されるこ
とは、DNAを分析および配列決定するための改良された方法の開発の重要な原
動力になっている。Adamsら、編、Automated DNA Sequ
encing and Anaysis(Academic Press、Ne
w York、1994)。ヒトゲノムは、約105の遺伝子を含み、その約1 5〜30%−または約20〜40メガベース−が、任意の所定の組織において活
性であると推定される。このような大多数の発現された遺伝子は、特に、比較的
低レベルで発現される大多数の遺伝子を参照すると利用可能な技術による発現パ
ターンにおいて変化を追跡することを困難にする:ほとんど30%のmRNAは
、各々が全体の0.5%未満で作製され、そして代表的には、細胞あたり14コ
ピー未満で平均化されている、何千もの別の種からなることが推測される。Sa
mbrookら、Molecular Cloning、第2版(Cold S
pring Harbor Laboratory Press、New Yo
rk、1989)。このような低量のmRNA上での発現においてさらなる重要
な変化は、大量の配列の圧倒的な量の存在下において検出することを困難であり
得る。
【0004】 種々の技術は、広範に異なる遺伝子発現を分析するために利用可能であり、こ
れらの技術は、簡便さ、費用、および感度において広範に異なる。一般的に使用
される低分解能技術は、差次的な表示、指数化、サブトラクションハイブリダイ
ゼーション、および多数のDNAフィンガープリント技術(例えば、Vosら、
Nucleic Acids Research、23:4407〜4414(
1995);Hubankら、Nucleic Acids Research
、22:5640〜5648(1994);Lingoら、Science、2
57:967〜971(1992);Erlanderら、国際特許出願 PC
T/US94/13041;McClellandら、米国特許第5,437,9
75号;Unrauら、Gene、145:163〜169(1994)など)
を含む。高分解能技術は、発現された配列タグ(EST)の分析(例えば、Ad
amsら、(上記に言及される);Analysis of concaten
ated fragments of expressed sequence
s (SAGE)、例えば、Velculescuら、Science、270
:484〜486(1995);Zhangら、Science、276:12
68〜1272(1997);Velculescuら、Cell、88:24
3〜251(1997));および発現された遺伝子から相補的なポリヌクレオ
チドを捕獲するためのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの微小アレイ
(microarray)の使用(例えば、Schenaら、Science、
270:467〜469(1995);DeRisiら、Science、27
8:680〜686(1997);Cheeら、Science、274:61
0〜614(1996)など)を含む。
【0005】 後者の2つの高分解能技術は、遺伝子発現を分析するための潜在的な確固とし
たシステムとして見込みがある;しかし、両方のアプローチで注意が向けられる
必要がある技術的問題がまだ存在する。微小アレイ系において、モニターされる
遺伝子は、公知であり、そしてあらかじめ単離されていなければならず、これは
、異なる微小アレイ、または「DNAチップ」が各々の特殊化された使用のため
、および試験されるあらゆる異なる型の生物または種のために作製されなければ
ならないことを意味する。流動で送達されたcDNAから構築された微小アレイ
に関しては、有意な可変性の程度(例えば、2〜5倍)は、同じハイブリダイゼ
ーション条件下で生成されるシグナルにおいて存在し(AtlasTM cDNA
Expression System Users Manual(Clon
tech Laboratories、Palo Alto、1998)、そし
てこの系は、容易に再使用可能ではない。合成オリゴヌクレオチドの微小アレイ
に関しては、このようなアレイを作製するための著しい設定費用および高価なチ
ップ読み出し機器は、このようなシステムが多くの潜在的な使用者の財力を越え
ていると推定される。配列タグ系において、特別な機器は必要ないが、高価なD
NAシークエンサーの設置ベースが、使用され得、さらに慣用的な発現分析は、
有意な配列決定試行(例えば、数千の配列決定反応またはそれ以上)を必要とし
;II型タグ生成酵素の選択が限定され;そして現在のプロトコルにおいて配列
タグの長さ(9つのヌクレオチド)が独特に標識され得るcDNAの数を厳密に
限定する。大きなセットの遺伝子を発現する生物(例えば、哺乳動物細胞)につ
いて、全発現遺伝子について異なる9つのヌクレオチドタグの可能性が極度に低
いことが、示され得る(例えば、Feller、An Introductio
n to Probability Theory and Its Appl
ications、第2版、第I巻(John Wiley & Sons、N
ew York、1971)。
【0006】 任意の供給源由来の既知の遺伝子かまたは未知の遺伝子のいずれかの分析を可
能にする遺伝子発現を分析するための簡便かつ高感度な技術についての必要性が
あることが、上記から明白である。このような技術の利用可能性は、医薬および
科学的研究だけでなく、多数の適用分野(例えば、農作物および家畜の開発、害
虫の管理、薬物の開発、診断薬、疾患管理など)においてもまた、直接の適用が
見出される。
【0007】 (発明の要旨) 従って、本発明者の発明の目的は、差示的に発現される遺伝子を同定および単
離するための方法を提供すること;異なる光学的シグナルを生成する標識に基づ
いてポリヌクレオチドを同定および単離する方法を提供すること;多くの遺伝子
の遺伝子発現を同時にプロフィールするための方法を提供すること;遺伝子発現
が、任意の所定の条件下で増加するかまたは減少するか否かに従って、その遺伝
子を同定および分離する方法を提供すること;希少遺伝子を同定するための方法
を提供すること;ならびに遺伝子発現によって単離された多くの遺伝子を、大量
に並行サイン(parallel signature)配列決定する方法を提
供することを含むが、これらに限定されない。
【0008】 本発明は、遺伝子発現を比較されるべき細胞供給源または組織供給源由来のポ
リヌクレオチドの、差示的に標識された集団を提供することにより、これらの目
的そして他の目的を達成する。遺伝子発現の比較において、複数の集団の差示的
に標識されたポリヌクレオチドは、固相支持体上にクローニングされたの参照D
NAに、競合的にハイブリダイズする。好ましくは、その固相支持体は、微小粒
子であり、それは、その競合的ハイブリダイゼーション後に、蛍光活性化細胞分
類(FACS)、またはその微小粒子上の標識ポリヌクレオチドにより生成され
る光学的シグナルに応答性のある他の分類方法により操作され得る、差示的発現
のライブラリーを提供する。微小粒子上の差示的標識の相対的シグナル強度をモ
ニターすることにより、差示的な集団における特定の遺伝子の相対的な発現の定
量化が可能となる。
【0009】 本発明の1つの局面において、目的の相対的シグナル強度を有する微小粒子の
集団を、FACSにより単離し、そして付着したポリヌクレオチドを配列決定し
て、希少遺伝子または差示的に発現される遺伝子の同定を決定する。
【0010】 好ましくは、本発明の方法を、以下の工程により実行する:a)クローンの亜
集団における別々の固相支持体に付着される核酸配列の参照集団を提供する工程
;b)各々の複数の異なる細胞または組織からの発現される遺伝子のポリヌクレ
オチドの集団を提供する工程で、その異なる細胞または組織からの発現される遺
伝子のポリヌクレオチドは、異なる光生成標識を有する、工程;c)各々の複数
の異なる細胞または組織からの発現される遺伝子のポリヌクレオチドの集団に、
その参照集団を競合的にハイブリダイズし、参照集団の配列と各々の異なる細胞
または組織からのポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成する工程で、すなわち
、そのポリヌクレオチドは、その各々の固相支持体上に、その異なる細胞または
組織におけるそのポリヌクレオチドに対応する遺伝子の相対的な発現に直接的に
関係する比で、二重鎖で存在する、工程。およびd)そこに付着される二重鎖の
光生成標識により生成される、相対的な光学的シグナル検出する工程。さらに好
ましくは、その方法は、検出されたその相対的な光学的シグナルに従って、それ
ぞれの固相支持体を分類する工程を含む。好ましくは、核酸の参照集団は、分析
される複数の異なる細胞または組織の遺伝子に由来する。本明細書で使用される
、語句「発現された遺伝子のポリヌクレオチド」は、転写により産生される任意
のRNA(特にmRNAを含む)、および任意のRNAの逆転写により産生され
るDNA(特にmRNAの逆転写により産生されるcDNAを含む)を含むこと
が意味される。
【0011】 本発明は、差示的に発現される遺伝子を、その配列のいずれの以前の分析また
は知識も必要とせずに、分離および同定するための組成物、方法、およびキット
を提供することにより、当該分野における欠点を克服する。本発明はまた、差示
的に調節される遺伝子を、分析用の調節されない遺伝子から分離することを可能
にし、それにより目的の遺伝子についての情報を得るための大多数の調節されな
い遺伝子の分析の必要性を排除する。
【0012】 (定義) オリゴヌクレオチドタグに関連して、本明細書で使用される「相補体」または
「タグ相補体」とは、オリゴヌクレオチドタグが特異的にハイブリダイズして、
完全に適合される二重鎖または三重鎖を形成するオリゴヌクレオチドをいう。特
異的ハイブリダイゼーションが三重鎖を生じる実施態様において、そのオリゴヌ
クレオチドタグは、二本鎖または一本鎖のいずれであるよう選択され得る。従っ
て、三重鎖が形成される場合、用語「相補体」は、一本鎖オリゴヌクレオチドタ
グの二本鎖相補体か、二本鎖オリゴヌクレオチドタグの一本鎖相補体のいずれか
を含むことを意味される。
【0013】 本明細書で使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、天然または改変された
モノマーあるいは連鎖の直鎖状オリゴマーを含み、それらは、モノマー−モノマ
ー相互作用(例えば、ワトソン−クリック型塩基対形成、塩基スタッキング、フ
ーグスティーンまたは逆フーグスティーン型塩基対形成など)の規則的なパター
ンにより標的ポリヌクレオチドに特異的に結合し得る、デオキシリボヌクレオシ
ド、リボヌクレオシド、それらのアノマー形態、ペプチド核酸(PNA)などを
含む。通常モノマーは、ホスホジエステル結合またはそのアナログにより連結さ
れ、少数(例えば、3〜4)のモノマー単位から、何十(例えば、40〜60)
のモノマー単位の大きさに渡るオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオ
チドが、「ATGCCTG」のような文字配列により表示される場合はいつも、
そのヌクレオチドは左から右へ5’→3’の順序であり、そして他に表示がない
場合、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジン、「G」
はデオキシグアノシン、そして「T」はチミジンを示すことが、理解される。通
常、本発明のオリゴヌクレオチドは、4つの天然のヌクレオチドを含むが;しか
し、それらはまた非天然のヌクレオチドアナログを含む。天然または非天然のヌ
クレオチドを有するオリゴヌクレオチドが使用され得る場合(例えば、酵素によ
るプロセッシングが必要な場合)、通常天然ヌクレオチドからなるオリゴヌクレ
オチドが必要とされることは、当業者に明らかである。
【0014】 二重鎖に関連して「完全に適合される」とは、二重鎖を構成するポリ−または
オリゴヌクレオチド鎖が、他のそれらと、各鎖の全てのヌクレオチドが、もう一
方の鎖におけるヌクレオチドとワトソン−クリック塩基対形成を起こすように、
二重鎖構造を形成することを意味する。その用語はまた、使用され得るヌクレオ
シドアナログ(例えば、デオキシイノシン、2−アミノプリン塩基を有するヌク
レオシドなど)の対形成も含む。三重鎖に関して、その用語は、三重鎖が、完全
に適合される二重鎖および全てのヌクレオチドが完全に適合される二重鎖の塩基
対とフーグスティーンまたは逆フーグスティーン結合を起こす第三の鎖からなる
ことを意味する。逆に、タグとオリゴヌクレオチドとの間の二重鎖における「不
適合」とは、二重鎖または三重鎖におけるヌクレオチド対または三重体が、ワト
ソン−クリックおよび/またはフーグスティーンおよび/または逆フーグスティ
ーン結合を起こさないことを意味する。
【0015】 本明細書で使用される、「ヌクレオシド」は、2’−デオキシ形態および2’
−ヒドロキシ形態(例えば、KornbergおよびBaker、DNA Re
plication、第2版(Freeman,San Francisco,
1992)に記載されるような)を含む、天然ヌクレオシドを含む。ヌクレオシ
ドに関連して「アナログ」は、改変された塩基部分および/または改変された糖
部分を有する合成ヌクレオシド(例えば、Scheit、Nucleotide
Analogs(John Wiley,New York,1980);U
hlmanおよびPeyman、Chemical Reviews,90:5
43−584(1990)などに記載される)を含み、それらは、特異的なハイ
ブリダイゼーションが可能である条件のみを含む。そのようなアナログは、結合
特性を増強する、複雑性を減少する、特異性を増加するなどのために設計される
合成ヌクレオシドを含む。
【0016】 ポリヌクレオチドに関連して本明細書で使用される「配列決定」または「ヌク
レオチド配列を決定すること」は、そのポリヌクレオチドの部分的配列ならびに
全長配列の情報の決定を含む。つまり、その用語は、配列比較、フィンガープリ
ンティング、および類似の標的ポリヌクレオチドについての情報のレベル化、な
らびに標的ヌクレオチドにおけるヌクレオシド(通常各ヌクレオチド)の発現同
定および順序付けを含む。その用語はまた、標的ポリヌクレオチド内の4つの型
のヌクレオチドのうち1、2、または3つの同定、順序付け、および位置の決定
を含む。例えば、いくつかの実施態様において、配列決定は、標的ヌクレオチド
「CATCGC」内の単一型のヌクレオチド(例えば、シトシン)の順序および
位置の同定によりもたらされ得、それによって、その配列は、2進法のコード(
例えば、「C−(非C)−(非C)−C−(非C)−C...」に対して「10
0101...」など)のように表される。
【0017】 本明細書に使用される、ヌクレオチドの集団に関する用語「複雑性」は、その
集団に存在する異なる種のポリヌクレオチドの数を意味する。
【0018】 本明細書に使用される、遺伝子に関する用語「相対的な遺伝子発現」または「
相対的発現」とは、異なる細胞型または組織型の同じ遺伝子発現産物(通常、m
RNA)の相対的な存在度をいう。
【0019】 (発明の詳細な説明) 本発明は、目的の単一のまたは複数の細胞型および/または組織型における相
対的な遺伝子発現の分析のための組成物、方法、およびキットを提供する。本発
明の方法は、動物、植物、および真菌、細菌、マイコプラズマ、シアノバクテリ
ア、藻類などのような微生物由来のポリヌクレオチドに適用され得る。好ましく
は、ポリヌクレオチドは、動物、植物、または発酵プロセスに関連する微生物に
由来し、最も好ましくは、脊椎動物および農業植物由来である。複数とは、通常
、疾患の組織型または細胞型および健常な組織型または細胞型のような、または
刺激またはストレス(例えば、栄養素、温度などの変化)に供される細胞型なら
びに組織型および非ストレスまたは非刺激状態下に対応する細胞型または組織型
のような、細胞型または組織型の対を含む。別の実施態様において、複数とは、
異なる生物体由来の細胞および組織のような、相同遺伝子を有する細胞型または
組織型の対を含み得る。複数とはまた、同じ細胞または組織(例えば、候補薬物
に生物体を曝露した後の肝臓細胞、異なる発生状態での試験動物の器官細胞など
)の経時的な発現パターンの比較に必要とされるような、2つ以上の細胞型また
は組織型を含み得る。好ましくは、複数とは、2または3つの細胞型または組織
型;そしてより好ましくは、2つの細胞型または組織型である。
【0020】 本発明の方法は、代表的にクローンの亜集団における別々の固相支持体に付着
する核酸配列の参照集団を提供する工程、発現される遺伝子のポリヌクレオチド
の少なくとも1つの集団を提供する工程、発現される遺伝子のポリヌクレオチド
の集団に参照核酸集団をハイブリダイズする工程、および固相支持体に付着され
る二重鎖により生成される相対的な光学的シグナルに従って、それぞれの固相支
持体を検出する、そして好ましくは分類する工程を含む。
【0021】 図10Aは、微小粒子上の参照核酸集団を構築するための発明の実施態様を図
示し、そして図10Bは、そのような参照ライブラリーを使用して、2つの細胞
集団の遺伝子発現を比較するための実施態様を図示する。メッセンジャーRNA
(mRNA)を、細胞集団(1000)および(1002)から、従来のプロト
コールを使用して抽出し(1004)、それぞれ、ポリヌクレオチド(1006
)および(1008)の2つの集団を与える。この抽出反応は、別々に実行され
得るか、または細胞型の混合物に対して実行され得る。好ましくは、その反応は
、別々に実行され、そのため2つの集団由来のmRNAの相対的な量をより容易
に制御し得る。mRNA(1006)およびmRNA(1008)の部分が、結
合され(1010)、そしてcDNAライブラリー(1012)は、Brenn
erら、米国特許第5,846,719号に記載される手順に従って、オリゴヌ
クレオチドタグのレパートリーを保持するベクター内に構築される。好ましくは
、mRNAの同量の部分(すなわち等モル量)が、mRNAの各集団から取得さ
れる。ライブラリー(1012)由来のベクターのサンプルを取得し、そして例
えば、ポリメラーゼ連鎖反応、トランスフェクションおよびクローニングなどに
より増幅し、その後、ベクターに保持されるタグcDNA結合体(1014)を
切り出すか、またはコピーして(1011)、次いで単離する。次いでロードさ
れた微小粒子を形成し、そして以下のような競合的ハイブリダイゼーションでの
使用のために調整した(1018)。オリゴヌクレオチドタグa、b、c、およ
びdで示される、単離されたタグcDNA結合体(1014)を、それぞれこれ
らのタグ相補体a’、b’、c’、およびd’(1016)を保持する微小粒子
に特異的にハイブリダイズさせる。タグcDNA結合体を、タグ相補体に連結し
、この結果二本鎖タグcDNA結合体の少なくとも一本鎖は、微小粒子に共有結
合的に付着される。タグcDNA結合体を保持する微小粒子を、タグcDNA結
合体を保持しない微小粒子から、好ましくは、蛍光活性化細胞分類装置(FAC
S)、または類似の装置を使用して分離する。非共有結合的に付着された鎖を、
融解除去し、微小粒子から分離して参照核酸集団を保持する微小粒子(1020
)を作製する。
【0022】 図10bに図示されるように、細胞の遺伝子発現(1050)を、各細胞型由
来のmRNA(1056)および(1058)を別々に抽出する(1054)こ
とにより、細胞(1052)の遺伝子発現と、比較し得る。従来のプロトコール
を使用した、cDNAライブラリー(1062)および(1064)の構築後、
一本鎖核酸プローブを、それぞれのcDNA集団(1062)および(1064
)から生成し、好ましくは、そのプローブを、光学的に識別可能な蛍光色素F(
1068)およびR(1066)(例えば、ローダミンおよびフルオレッセイン
)で標識する。等量の標識ポリヌクレオチドを混合し、そして微小粒子に保持さ
れる相補鎖にハイブリダイズ(1072)させて、二重鎖(1074)を形成さ
せる。ハイブリダイゼーションが完了後、それによって形成される二重鎖を保持
する微小粒子(1074)は、所定の基準(例えば、蛍光比、蛍光強度、および
/またはその類似のもの)により分類され得る(1076)。そのような方法で
、目的の亜集団が、単離され得、さらに分析され得る(例えば、そのアップレギ
ュレートされた遺伝子またはダウンレギュレートされた遺伝子に対応する亜集団
)。
【0023】 本発明に従う分析のために、メッセンジャーRNA(mRNA)を、従来のプ
ロトコール(例えば、Sambrookら、Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual、第2版(Cold Sprin
g Harbor Laboratory、New York)に記載されるよ
うな)を使用して、目的の細胞または組織から抽出する。好ましくは、比較され
るべきmRNAの集団を、参照DNA集団へのハイブリダイゼーションに先立っ
て、従来のプロトコール(例えば、Schenaら、Science 270:
467−470(1995);DeRisiら、Science 278:68
0−686(1997);または類似のもの)を使用して、標識ヌクレオチド三
リン酸の存在下で逆転写により標識cDNAの集団に転換する。
【0024】 本発明の重要な特徴は、発現レベルが変化するか、または試験される他の細胞
または組織の遺伝子の発現レベルと異なる遺伝子が、調節されない遺伝子か、ま
たは研究されるいかなるストレスまたは条件に対する応答においても変化される
別の遺伝子から別々に分析され得ることである。以下に記載のように、好ましい
実施態様において、目的の細胞または組織由来の遺伝子産物を、別々の微小粒子
に対するクローンの亜集団に付着されるDNA配列からなる参照集団で競合的に
ハイブリダイズする。結果として、差示的な発現を示す比で標識遺伝子産物を保
持する微小粒子は、操作され得、そして発現での変化を示さない比の標識遺伝子
産物(例えば、「ハウスキーピング」遺伝子、構造タンパク質をコードする遺伝
子など)を保持する微小粒子とは別々に分析され得る。
【0025】 本発明の別の重要な特徴は、分析される核酸(例えば、ゲノムDNAまたはc
DNA、mRNA、RNA転写物などのような遺伝子産物)の正体を、分析の前
に知る必要がないことである。相対的な活性を決定した後、発現される遺伝子に
由来するcDNAを、多くの異なる配列決定アプローチを使用して、固相支持体
(好ましくは、微小粒子)上で直接的に配列決定することにより同定し得る。同
定のために、cDNAの一部のみが配列決定される必要がある。多くの場合、そ
の部分は、9または10個のヌクレオチドと同じくらい小さくあり得る(例えば
、Velcuescuら(上記に引用))。好ましくは、差示的に発現される遺
伝子の全体の亜集団を、MPSS、または同様の並行分析技術を使用して同時に
配列決定する。好ましい実施態様において、これは、各々のDNA配列がクロー
ンの亜集団における別々の微小粒子に付着されるように、DNA配列の参照集団
を提供することにより便利に達成される。本明細書で使用される、語句「クロー
ンの亜集団」とは、目的の集団から選択される単一の種のポリヌクレオチドの複
数のコピーのことをいう(例えば、遺伝子発現が分析される細胞または組織から
抽出されるmRNAから構築されるcDNAライブラリー)。そのようなクロー
ンの亜集団は、ポリヌクレオチドの別々の増幅および従来の付着化学(atta
chment chemistries)による付着を含む、多くの方法で形成
され得る(例えば、Hermansen、Bioconjugate Tech
niques(Academic Press、New York、1996)
)。以下により十分に説明されるように、クローンの亜集団を、好ましくは、B
renner、米国特許第5,604,097号およびBrennerら米国特
許第5,846,719号(本明細書に参考として援用される)に開示される、
いわゆる「固相クローニング」により形成する。要するに、そのようなクローン
の亜集団を、タグDNA結合体の増幅されたサンプルを、1以上の固相支持体(
例えば、別々の、かつ連結しない微小粒子)上にハイブリダイズすることによっ
て形成し、それにより、個々の微小粒子または大きい支持体の異なる領域は、同
じDNAの複数の付着されたコピーを有する。
【0026】 タグDNA結合体のDNA成分は、cDNA、ゲノムDNA、cDNAまたは
ゲノムDNAのフラグメント、あるいは合成DNA(例えば、オリゴヌクレオチ
ドのような)であり得る。好ましくは、タグDNA結合体は、cDNAまたはゲ
ノムDNA(「gDNA」)のフラグメントである。クローンの亜集団における
cDNAまたはgDNAのコピー数は、いくつかの因子に依存する異なる実施態
様において広範に変化し得、そのいくつかの因子としては、固相支持体上のタグ
相補体の密度、使用される微小粒子の大きさおよび組成物、ハイブリダイゼーシ
ョン反応の継続時間、タグレパートリーの複雑性、個々のタグの濃度、タグDN
Aサンプルの大きさ、光学的シグナルの生成のための標識方法、粒子分類方法、
シグナル検出系などが挙げられる。
【0027】 これらの因子に関連する設計選択を作製するガイダンスは、本明細書に引用さ
れる参照に表示されるような、フローサイトメトリー、蛍光顕微鏡、分子生物学
、ハイブリダイゼーション技術、および関連する学問分野の文献において、容易
に利用可能である。好ましくは、クローンの亜集団におけるcDNAまたはgD
NAのコピー数は、微小粒子のFACS検出および/または分類を可能にするの
に十分であり、ここで蛍光シグナルは、微小粒子に付着されるcDNAにより保
持される1以上の蛍光色素分子により生成される。代表的に、この数は、フルオ
レッセインのような蛍光分子を使用する場合、数千(例えば、3,000〜5,
000)ぐらいに低くあり得、ローダミン6Gのようなローダミン色素を使用す
る場合、数百(例えば、800〜8000)ぐらいに低くあり得る。より好まし
くは、ロードされた微小粒子がはFACSまたは類似の装置により、検出され、
および/または分類される場合、クローンの亜集団は、cDNAまたはgDNA
の少なくとも104コピーのからなり;最も好ましくは、そのような実施態様に おいて、クローンの亜集団は、cDNAまたはgDNAの少なくとも105コピ ーのからなる。
【0028】 比較するべき細胞または組織由来の標識cDNAまたはRNAを、従来のハイ
ブリダイゼーション条件(例えば、Schenaら、(上記に引用);DeRi
siら(上記に引用);またはShalon,Ph.D.Thesisタイトル
「DNAマイクロアレイ」Stanford University(1995
)に開示されるような)を使用して、参照DNA集団のDNA配列に対して競合
的にハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション後、光学的シグナルが、cD
NAまたはRNAのそれぞれ2つの標識種により生成され、それにより、相対的
光学的シグナルが、それぞれの微小粒子について決定される。好ましくは、その
ような光学的シグナルは、蛍光活性細胞分類装置、または類似の装置で生成され
、そして測定される。それら装置は、微小粒子を分類し、そして、どの相対的な
光学的シグナルが、所定の範囲の値に落ちるかを累算し得る。所望の範囲の相対
的な光学的シグナルを生成するcDNAまたはRNAでロードされた微小粒子は
単離され得、そしてMPSS(以下により詳細に記載される)のような、配列決
定により同定され得る。
【0029】 好ましくは、RNA由来のcDNAまたは他のDNA分子のクローン亜集団は
、図3aおよび図3bに例示されるプロセスを使用して微粒子に付着される。初
めに、図3aに例示されるように、mRNA(300)は、目的の細胞または組
織供給源から従来の技法を用いて抽出され、そしてベクター(316)中への挿
入に適切な末端を有するcDNA(309)へ変換される。好ましくは、5’ビ
オチン(305)およびポリ(dT)領域(306)を有するプライマー(30
2)は、cDNA(309)の第一鎖が、4つのデオキシリボヌクレオシドトリ
ホスフェートの存在下において、逆転写酵素で合成されるために、mRNA鎖(
300)とアニーリングされる。好ましくは、5−メチルデオキシシチジントリ
ホスフェートは、cDNA(309)がプライマー(302)に対応する領域を
除いて、半メチル化されるために、第一鎖合成におけるデオキシシトシントリホ
スフェートの代わりに用いられる。これは、プライマー(302)が支持体から
cDNAを解離するために非メチル化制限部位を含むことを可能にする。プライ
マー(302)におけるビオチンの使用は、本発明に重大ではなく、そして他の
分子捕捉技法、または部分(例えば、三重鎖捕捉など)が用いられ得る。プライ
マー(302)の領域(303)は、好ましくは、cDNA(309)の第二鎖
の合成で制限部位r2(304)の形成を生じるヌクレオチドの配列を含む。ス トレプトアビジン支持体(例えば、Dynabeads M−280(Dyna
l,Oslo,Norway)など)にビオチン化cDNAを結合することによ
って単離した後、cDNA(309)は、好ましくは、(Cの)半メチル化には
非感受性で、そして部位r1(307)を認識する制限エンドヌクレアーゼで切 断される。好ましくは、r1は、実質的に全てのcDNAが切断されること、お よび同一の規定された末端が全てのcDNAにおいて生成されることを保証する
4塩基認識部位(例えば、DpnIIなどのような酵素に相当する)である。洗
浄後、次いで、このcDNAは、r2を認識する制限エンドヌクレア−ゼを用い て切断され、例えば、エタノール沈殿、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの
標準的な技法を用いて精製されるフラグメント(308)を放出する。適切な緩
衝液中に再懸濁後、フラグメント(308)は、タグ(310)ならびに末端(
312)および末端(314)を有するクローニング部位を保有するベクター(
316)中へ定方向的にライゲーションされる。好ましくは、ベクター(316
)は、クローニング部位において「スタッファー(sutaffer)」フラグ
メントを用いて調製され、クローニングのために完全に切断されたベクターの単
離を援助する。
【0030】 タグ−cDNA結合体の調製は、上記の方法に限定されないが、従来の分子生
物学的技法を用いる多様な方法で、容易に達成され得る。例えば、cDNAは、
従来の方法で調製され得、そしてゲル電気泳動によって単離され得る。この方法
は、ある部分ではあまり好ましくない。なぜならば、参照集団(referen
ce population)の大きさの分布を偏らせるからである。このタグ
は、アダプターのライゲーションによってか、オリゴdTプライマーおよびラン
ダムプライマーを用いるPCRによってか、またはRACE技法(Bertli
ngら(1993)PCR Methods Appl.3:95−99;Fr
ohman,M.A.(1993)Methods Enzymol.218:
340−356;MarathonTMCDNA Amplification
Kit,Clontech Laboratories,Inc.)によって付
着され得る。上記に記載のような、ベクターへのクローニングによるタグの付着
は、(代表的にはほんのμg量を生成するにすぎないRACEに対して)大量の
参照集団を生成する能力、ならびにタグの配列を確認する能力を含む、いくつか
の理由のために好ましい。
【0031】 タグ−cDNA結合体のライブラリーの形成の後、宿主細胞のサンプルは、培
養培地の単位容積あたりの組換え体の数を決定するために通常プレートされる。
さらなるプロセシングのために得られたサンプルのサイズは、好ましくは、ライ
ブラリー構築物において使用されるタグレパートリーのサイズに依存する。Br
ennerら、米国特許第5,846,719号およびBrennerら、米国
特許第5,604,097号に教示されるように、サンプルは、好ましくは、「
ダブルス(doubles)」(すなわち、同一のタグおよび異なるcDNAを
保有する二つ以上の結合体)の選択を最小化するためにタグレパートリーのサイ
ズの約1%に等しい多くの結合体を含む。したがって、8つの語の最小クロスハ
イブリッド形成セットから選択された8つの4−ヌクレオチド「語」の連鎖から
なるタグレパートリーのために、サイズのレパートリーは、88、または約1. 7×107タグである。したがって、このようなレパートリーとともに、約1. 7×105結合体含有ベクターのサンプルは、好ましくは、図3bに例示される ような増幅およびさらなるプロセシングのために選択される。
【0032】 好ましくは、タグ−cDNA結合体は、以下の配列の要素を含むベクター(3
30)中に保有される:第1のプライマー結合部位(332)、制限部位r3( 334)、オリゴヌクレオチドタグ(336)、接合部(338)、cDNA (340)、制限部位r4(342)、および第2のプライマー結合部位(34 4)。タグ−cDNA結合体を含有するベクターのサンプルが得られた後、以下
の工程が実施される:タグ−cDNA結合体が、好ましくは、5−メチルデオキ
シシチジントリホスフェイトの存在下において、ビオチニル化プライマー(34
8)および標識化プライマー(346)を用いることによって、従来のポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)でベクター(330)から増幅される工程、その後、生
じたアンプリコンが、ストレプトアビジン捕捉によって単離される工程。制限部
位r3は、好ましくは、PacI、NotI、FesI、PmeI、SwaIな ど、まれな切断をする(rare−cutting)制限エンドヌクレアーゼに
対応し、これらは捕捉されたアンプリコンを、アンプリコンのcDNA内の部位
で生じる切断が最小限の確率で、支持体から遊離されることを可能にする。適切
なDNAポリメラーゼがdGTPとともに用いられる場合、以下の配列として例
示されるジャンクション(338)は、DNAポリメラーゼ「ストリッピング」
反応を生じ、Gトリプレットで停止される。
【0033】 5’・・・GGGCCC・・・ 3’・・・CCCGGG・・・ 簡潔に言えば、「ストリッピング」反応において、DNAポリメラーゼの3’→
5’エキソヌクレア−ゼ活性(好ましくは、T4 DNAポリメラーゼ)は、B
renner、米国特許第5,604,097;およびKuijperら、Ge
ne、112:147−155(1992)によって教示されるように、一本鎖
のタグ−cDNA結合体のタグを与えるために用いられる。分類がタグとタグ相
補体との間の二重鎖の形成によって達成される好ましい実施態様において、タグ
−cDNA結合体のタグは、第一に4つの天然のヌクレオチドのうち3つのみを
含む語を選択することにによって、次いで、DNAポリメラーゼの3’→5’エ
キソヌクレア−ゼ活性を有する3’→5’方向においてタグ−cDNA結合体由
来の3つのヌクレオチド型を優先的に消化することによって一本鎖にされる。好
ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドタグは、A、G、およびTのみを
含むように設計される;したがって、(二重鎖タグ−cDNA結合体を含む)タ
グ相補体は、A、G、およびTのみからなる。遊離したタグ−cDNA結合体が
、dGTPの存在下でT4 DNAポリメラーゼと処理される場合、タグの相補
鎖は、第一のGで「ストリッピング」される。この点において、DNAポリメラ
ーゼによるdGの取り込みは、DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を
平衡化し、「ストリッピング」反応を効果的に停止する。上記の記載から、当業
者が、同様の目的を行う(すなわち、タグを一本鎖にする)ために、多くの代替
的設計の選択をし得ることは明らかである。このような選択は、異なる酵素、タ
グを作りあげる語の異なる組み合わせなどの選択を含み得る。
【0034】 「ストリッピング」反応がクエンチされる場合、結果は、一本鎖タグ(357
)を有する二重鎖(356)である。単離後、工程(358)が、実施される:
タグ−cDNA結合体が、微粒子に付着したタグ相補体へハイブリダイズされ、
充填(fill−in)反応が、タグ−cDNA結合体の相補鎖と微粒子(36
0)に付着したタグ相補体(362)の5’末端との間の任意のギャップを埋め
るために行われ、そしてタグ−cDNA結合体の相補鎖は、リガーゼで処理する
ことによってタグ相補体(362)の5’末端(363)と共有的に結合される
。この実施態様は、もちろん、(例えば、T4 ポリヌクレオチドキナーゼなど
のようなキナーゼによって)タグ相補体の5’末端がリン酸化されることを必要
とする。「ストリッピング」反応が、常には最初のGで停止しないので、充填反
応が好ましくは実行される。好ましくは、充填反応は、T4 DNAポリメラー
ゼのような、5’→3’エキソヌクレア−ゼ活性および鎖置換活性を欠失したD
NAポリメラーゼを用いる。また好ましくは、Gトリプレットを超えて伸長され
る「ストリッピング」に備えて、4つ全てのdNTPは、充填反応に用いられる
【0035】 以下にさらに説明されるように、タグ−cDNA結合体は、タグ相補体の全て
のレパートリーとハイブリダイズされる。つまり、微粒子の集団の中に、レパー
トリー全体のあらゆるタグ配列を有する微粒子が存在する。従って、タグ−cD
NA結合体は、およそ約1%の微粒子上のみのタグ相補体とハイブリダイズする
。タグ−cDNAがハイブリダイズされた微粒子は、本明細書中で「ロードされ
た微粒子」といわれる。より大きい有効性のために、ロードされた微粒子は、好
ましくは、さらなるプロセシングのためにロードされていない微粒子から分離さ
れる。このような分離は、蛍光活性化セルソーター(FACS)か、または多数
の個々の微粒子の迅速な操作および分類を可能にする同様の機器の使用によって
容易に達成される。図3bに例示される実施態様において、蛍光標識物(例えば
、FAM(フルオレセイン誘導体、Haugland,Handbook of
Fluorescent Probes and Research Che
micals,第6版、(Molecular Probes,Eugene,
OR,1996)))が、プライマー(346)を経由して付着される。
【0036】 このタグ−cDNAは、上記で議論された多くの工程を省略するか、または改
変する手順によって微粒子上のタグ相補体へ付着され得る。例えば、ベクター(
330)からタグ−cDNAを増幅するかわりに、タグ−cDNAは、微粒子上
のタグ相補体への直接的な、制限消化、ストリッピング化、およびライゲーショ
ン化によって、ベクターから切断され得る。この手順は、(1)タグ−cDNA
をビオチンおよびFAMで標識する工程、(2)タグ−cDNAを増幅する工程
、および(3)ストレプトアビジン捕捉によってアンプリコンを単離する工程、
を省略する。所望される場合、ロードされた微粒子は、FAM標識化プライマー
とハイブリダイズすることによって単離され得る。
【0037】 図3cに示すように、FACS、または類似の分類(380)後、ロードされ
た微粒子(360)は、単離され、標識(345)を除去するために処理され、
そして非共有的に付着した鎖をメルトオフ(melt off)するために処理
される。標識(345)は、競合的にハイブリダイズされた鎖の標識と干渉しな
いように、除去されるか、または非活性化される。好ましくは、タグcDNA結
合体は、プライマー結合部位(344)に隣接するタグ−cDNA結合体を切断
する制限エンドヌクレア−ゼ認識部位r1(342)で処理され、それによって 「ボトム」鎖(すなわち、微粒子にその5’遠位端を有する鎖)によって保有さ
れる標識(345)を除去する。 好ましくは、この切断は、突出した鎖(385)を有する二重鎖タグ−cDNA
結合体(384)を有する微粒子(360)を生じる。次いで、3’−標識化ア
ダプター(386)は、アニーリングされ、そして突出した鎖(385)にライ
ゲーションされる。この後、ロードされた微粒子は、3’−標識によって再分類
され、そして3’−標識を有する鎖はメルトオフされ、差示的に発現される遺伝
子由来の変性cDNAまたはmRNAを受容できるcDNA(392)の共有的
に付着した一本鎖を解離する。好ましくは、この3’−標識化鎖は、水酸化ナト
リウム処理で、または同様の試薬を用いる処理でメルトオフされる。
【0038】 gDNAのクローン亜集団は、類似の様式で微粒子に付着され得る。第一に、
ゲノムDNAは、目的の細胞または組織供給源から従来の技法を用いて単離され
、そして好ましくは、4塩基認識で認識で切断する少なくとも1つの制限エンド
ヌクレア−ゼ(例えば、DpnII、Sau3AI、AciI、AluI、Bf
aI、BstUI、HaeIII、HhaI、HinP1I、HpaII、Mb
oI、MseI、MspI、NlaIII、RsaI、TaqαI、Tsp50
9Iなどのような)で切断される。好ましくは、この切断フラグメントは、少な
くとも1つの塩基のオーバーハングを有する。あるいは、ゲノムDNAフラグメ
ントは、単離されたゲノムDNAを剪断するか、または超音波処理するかによっ
て調製され得る。次いで、タグは、タグ配列を含むプライマーを用いるランダム
プライマーPCR、またはcDNA参照集団に関する上記の記載に類似した様式
でのタグを含むベクター中へのクローニングを含む、多くの方法でgDNAと連
結され得る。FAMのような標識は、微粒子のローディングをモニターするため
に付着され得る。いくつかの例において、微粒子上への指向性の付着は、例えば
、TATAボックス、または共通配列に相補的な配列のような共通配列を有する
プライマーと共にgDNAを増幅することによって達成され得る。遺伝子発現を
評価するためにgDNA参照集団を用いる場合、gDNAライブラリーにおいて
非コード配列およびイントロンを減少することが所望され得る。例えば、約60
×106個の微粒子の大きなgDNAライブラリーは、プローブとしてcDNA プールを使用して、選択することによって約30,000〜40,000へ減少
され得る。
【0039】 (同定および固相クローニングのためのオリゴヌクレオチドタグ) 本発明の重要な特徴は、固相支持体(好ましくは、微粒子)に付着した参照D
NA集団を構築するためのオリゴヌクレオチドの最小クロスハイブリッド形成セ
ットのメンバーであるオリゴヌクレオチドタグを使用することである。最小クロ
スハイブリッド形成セットのオリゴヌクレオチドの配列は、同一のセットのあら
ゆる他のメンバーの配列と、少なくとも2つのヌクレオチドだけ異なる。従って
、このようなセットの各々のメンバーは、2つより少ないミスマッチを有する任
意の他のメンバーの相補体と二重鎖(または三重鎖)を形成し得ない。オリゴヌ
クレオチドタグの相補体(本明細書で「タグ相補体」と言う)は、天然のヌクレ
オチドまたは非天然のヌクレオチドアナログを含み得る。オリゴヌクレオチドタ
グが分類(同様に、参照DNA集団の構築)に用いられる場合、タグ相補体は、
好ましくは、固相支持体に付着される。オリゴヌクレオチドタグは、それらの対
応するタグ相補体を用いる場合、分子、特に発現した遺伝子に由来するcDNA
またはmRNAのようなポリヌクレオチドの分類、追跡、または標識のためのハ
イブリダイゼーションの特異性を増強する手段を提供する。
【0040】 オリゴヌクレオチドタグおよびタグ相補体の最小クロスハイブリッド形成セッ
トは、クロスハイブリッド形成が、最小化されると考えられる所望されたセット
の大きさおよび程度(または言い換えれば、特異性が増大したと考えられる程度
)に依存して組み合わせか、または個別にのいずれかで合成され得る。例えば、
Brennerら、米国特許第5,604,097号に開示されたように構築し
た場合、最小クロスハイブリッド形成セットは、少なくとも4つのヌクレオチド
によりお互いに区別される個々に合成された10マー配列のセット(このような
セットは、332の最大サイズを有する)からなり得る。あるいは、オリゴヌク
レオチドタグの最小クロスハイブリッド形成セットはまた、それ自身が最小クロ
スハイブリッド形成セットから選択されるサブユニットから、組み合わせて組立
てられ得る。例えば、少なくとも3つのヌクレオチドにより相互に区別される最
小クロスハイブリッド形成12マーのセットは、3つのヌクレオチドによってお
互いに各々区別される、最小クロスハイブリッド形成4マーのセットから選択さ
れる、3つのサブユニットを組み合わせることによって合成され得る。このよう
な実施態様は、、12マー、93(すなわち729)の最大サイズセットを与え る。
【0041】 組み合わせて合成される場合、オリゴヌクレオチドタグは、その長さに沿った
個々の位置でランダム化され得る。しかし、好ましくは、オリゴヌクレオチドタ
グは、複数のサブユニットからなり、各サブユニットは3〜9ヌクレオチド長の
オリゴヌクレオチドからなり、ここで各サブユニットは、同一の最小クロスハイ
ブリット形成セットから選択される。このような実施態様において、利用可能な
オリゴヌクレオチドの数は、1タグあたりのサブユニットの数、およびサブユニ
ットの長さに依存する。オリゴヌクレオチドタグはまた、オリゴヌクレオチドの
どちらか一方の末端にさらなるヌクレオチドを有する複数のサブユニットからな
り得る。さらなるヌクレオチドは、ランダムであり得るかおよび/または制限部
位を含み得る。このような構造は、オリゴヌクレオチドの末端にミスマッチを有
する二重鎖または三重鎖の不安定性を保証する。好ましくは、このオリゴヌクレ
オチドは少なくとも一端において、レア切断制限エンドヌクレア−ゼのための認
識部位を含む。好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドは、1つの末端
にATリッチ制限部位(例えば、PacI部位)を含む。Bsp120部位が、
もう一方の末端に好ましい部位である。
【0042】 1つ以上の固相支持体に付着したオリゴヌクレオチドタグの相補体は、それぞ
れタグを含有するポリヌクレオチドの混合物からポリヌクレオチドを分類するた
めに用いられる。このようなタグ相補体は、ビーズ(好ましくは、微視的な)の
ような固相支持体の表面上か、または単一支持体の合成位置のアレイ上の特定の
位置で、同一な配列の集団、または実質的に同一な配列の集団が特定の領域で生
成するように、合成される。言い換えれば、ビーズの場合は各支持体の表面、ま
たはアレイの場合は各領域の表面が、特定の配列を有するタグ相補体の1つの型
のみの複製によって体化される。このようなビーズまたは領域の集団は、それぞ
れに異なる配列を有するタグ相補体のレパートリーを含む。オリゴヌクレオチド
タグおよびタグ相補体に関して本明細書中で用いられる場合、用語「レパートリ
ー」とは、固相クローニング(分類)または同定のために使用される、異なるオ
リゴヌクレオチドタグまたはタグ相補体の総数を意味する。レパートリーは、個
別に合成されるオリゴヌクレオチドの最小クロスハイブリット形成セットのセッ
トからなり得るか、または最小クロスハイブリット形成オリゴヌクレオチドの同
一のセットからそれぞれ選択されたオリゴヌクレオチドの連結からなり得る。後
者の場合、レパートリーは、好ましくは、組み合わせて合成される。
【0043】 好ましくは、タグ相補体は、微粒子上に組み合わせて合成され、そのために各
微粒子は、同一のタグ相補体の多くのコピーに付着された。以下の模範的参考に
開示されたコントロールドポアガラス(controlled pore gl
ass)(CGP)、高クロスリンク化ポリスチレン、アクリルコポリマー、セ
ルロース、ナイロン、デキストラン、ラテックス、ポリアクロレインなどからで
きた微粒子を含む、広範な種々の微粒子支持体が、本発明で用いられ得る:Me
th. Enzymol.,第A節,11−147頁、第44巻(Academ
ic Press,New York,1976);米国特許第4,678,8
14号;同第4,413,070号;および同第4,046,720号;および
Pon、第19章、Agrawal編中、Methods in Molecu
lar Biology、第20巻、(Humana Press,Totow
a,NJ,1993)。さらに、微粒子支持体は、市販のヌクレオシド由来GP
G、および(例えば、PE Applied Biosystems,Fost
er,City,CAより入手可能な)ポリスチレンビーズ;磁気ビーズ誘導体
;ポリエチレングリコールとグラフト化したポリスチレン(例えば、Tenta
GelTM,Rapp Polymere,Tubingen Germany
);などを含む。微粒子はまた、Nilsenら、米国特許第5,175,27
0号により開示されるようなデンドリメリック(dendrimeric)構造
からなり得る。一般的に、微粒子のサイズと形は、重大な意味を持たない;しか
し、微粒子は、直径で数(例えば、1〜2)μm〜数百(例えば、200〜10
00)μmのサイズ範囲内が好ましい。なぜならばこれらは、最小限の試薬およ
びサンプルの使用法でオリゴヌクレオチドタグの大きなレパートリーの構築およ
び操作を容易にするからである。好ましくは、Bangs Laborator
ies(Carmel,IN)から入手可能なグリシダルメタクリレート(gl
ycidal metacrylate)(GMA)ビーズは、本発明における
微粒子として用いられる。このような微粒子は、種々のサイズにおいて有用であ
り、そしてタグおよび/またはタグ相補体を合成するための種々の関連群ととも
に入手可能である。より好ましくは、直径5μmのGMAビーズが使用される。
【0044】 好ましい実施態様において、分類されるか、または固相支持体上にクローン化
されるべきポリヌクレオチドは、異なるポリヌクレオチドが異なるタグを有する
ように付着されたオリゴヌクレオチドタグをそれぞれ有する。この状態は、ポリ
ヌクレオチドの集団より実質的に多いタグのレパートリーを使用することによっ
て、およびタグ化ポリヌクレオチドの全集団からタグ化ポリヌクレオチドの十分
に小さいサンプルを得ることによって達成される。このようなサンプリングの後
、支持体およびポリヌクレオチドの集団が、オリゴヌクレオチドタグとそれらの
それぞれの相補体との特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で混合
される場合、同一のポリヌクレオチドは、特定のビーズまたは領域上で分類する
。もちろん、サンプリングされたタグ−ポリヌクレオチド結合体は、好ましくは
、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、プラスミド中へのクローニング、RNA転
写など、によって)増幅され、次の分析のために十分な材料を提供する。
【0045】 オリゴヌクレオチドタグは、本発明の特定の実施態様における2つの異なる目
的のために使用される:オリゴヌクレオチドタグは、Brenner、米国特許
第5,604,097号;および国際特許出願PCT/US96/09513に
記載されたような固相クローニングを実施するために使用される、ここで多数(
例えば、数千から数十万)のポリヌクレオチドは、分析のために混合物から1つ
以上の固相支持体上の同一のポリヌクレオチドのクローン亜集団へ分類され、そ
してそれらは、例えば、Albrechtら、国際特許出願PCT/US97/
09472に開示されるような、数十から数千の数の範囲に達するアダプターを
コードするようなポリヌクレオチドを同定するための標識を送達する(または許
容する)ために使用される。前者の使用に関して、代表的には、多数、またはレ
パートリーのタグが必要とされ、そのために個々のオリゴヌクレオチドタグの合
成は困難である。これらの実施態様において、このタグの組み合わせの合成が好
ましい。他方、例えば、2から数十の範囲における複数の種類または亜集団の(
例えば、アダプターをコードした)ポリヌクレオチドに対する標識を送達するた
めに極端に多くのレパートリーのタグが、必要とされない場合、最小クロスハイ
ブリダイズ形成セットのオリゴヌクレオチドタグは、個別に合成、および組み合
わせで合成され得る。
【0046】 数百から数千(またはさらに数万)のオリゴヌクレオチドを含むセットは、例
えば、Frankら米国特許第4,689,405号;Frankら、Nucl
eic Acids Research,11:4365−4377(1983
);Matsonら、Anal.Biochem.,224:110−116(
1995);Fodorら、国際特許出願PCT/US93/04145;Pe
aseら、Proc.Natl.Acad.Sci.,91:5022−502
6(1994);Southernら、J.Biotechnology,35
:217−227(1994)、Brennan、国際特許出願PCT/US9
4/05896;Lashkariら、Proc.Natl.Acad.Sci
.,92:7912−7915(1995);などに開示されるような種々の並
行合成のアプローチによって直接合成され得る。
【0047】 好ましくは、混合物におけるタグ相補体は(組み合わせで合成されていようと
、個別に合成されていようと)、お互いに類似した二重鎖または三重鎖安定性を
有するように選択される。従って完全にマッチしたハイブリットは、類似したま
たは実質的に一致した融点温度を有する。これは、ミスマッチタグ相補鎖が、ハ
イブリダイゼーション工程において(例えば、ストリンジェントな条件下の洗浄
によって)完全にマッチしたタグ相補鎖からもっと容易に識別されることを可能
にする。組み合わせで合成されたタグ相補体のために、最小クロスハイブリダイ
ズ形成セットは、このセットにおける全ての他のサブユニットのように二重鎖安
定性へほぼ同等に寄与するサブユニットから構築され得る。このような選択を実
行するための手引きは、最適なPCRプライマーの選択および二重鎖安定性の算
出に関する公開された技法によって提供される(例えば、Rychlikら、N
ucleic Acids Research,17:8543−8551(1
989)および18:6409−6412(1990);Breslauerら
、Proc.Natl.Acad.Sci.,83:3746−3750(19
86);Wetmur,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol
.,26:227−259(1991);など)。オリゴヌクレオチドの最小ク
ロスハイブリダイズ形成セットは、GC含有量、ミスマッチの分布、理論的融点
温度などのようなさらなる基準によってスクリーニングされ得、最小クロスハイ
ブリット形成セットでもあるサブセットを形成する。
【0048】 本発明のオリゴヌクレオチドタグおよびそれらの相補体は、自動DNA合成機
(例えば、Applied Biosystems,Inc.(Foster
City,California)モデル392または394DNA/RNA合
成機)で、ホスホロアミダイト化学(例えば、以下の参考に開示される:Bea
ucageおよびIyer,Tetrahedron,48:2223−231
1(1992);Molkoら、米国特許第4,980,460号、Koste
rら、米国特許第4,725,677号;Caruthersら、米国特許第4
,415,732号;同第4,458,066号;および同第4,973,67
9号;など)のような標準的な化学を用いて、容易に合成される。
【0049】 分類のためのオリゴヌクレオチドタグは、12から60ヌクレオチドまたは塩
基対の長さの範囲であり得る。好ましくは、オリゴヌクレオチドタグは、18か
ら40ヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲であり得る。より好ましくは、オ
リゴヌクレオチドタグは、25から40ヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲
であり得る。サブユニットの好ましいおよびより好ましい数に関して、それらの
範囲は、以下に表され得る:
【0050】
【表12】 最も好ましくは、分類のためのオリゴヌクレオチドタグは、一本鎖であり、ワト
ソン−クリック対合を介してタグ相補体と特異的にハイブリダイゼーションを生
じる。
【0051】 好ましくは、選別するための一本鎖オリゴヌクレオチドタグのレパートリーは
、少なくとも100のメンバーを含み;より好ましくは、このようなタグのレパ
ートリーは、少なくとも1000のメンバーを含み;そして最も好ましくは、こ
のようなタグのレパートリーは、少なくとも10,000のメンバーを含む。
【0052】 好ましくは、標識を送達するための一本鎖タグ相補物の長さは、8と20との
間である。より好ましくは、この長さは、9と15との間である。
【0053】 特異的なハイブリダイゼーションが三重鎖形成を介して生じる実施態様におい
て、タグ配列のコードは、二重鎖形成タグと同じ原理に従う;しかし、サブユニ
ット配列の選択にはさらなる制約が存在する。一般に、Hoogsteen型の
結合を介する第3の鎖の会合は、二本鎖標的におけるホモピリミジン−ホモプリ
ントラック(track)に沿って最も安定である。通常、塩基三本鎖は、T−
*TまたはC−G*Cモチーフにおいて形成する(ここで、「−」は、ワトソン
/クリック対形成を示し、そして「*」はHoogsteen型の結合を示す) ;しかし、他のモチーフもまた、可能である。例えば、Hoogsteen塩基
対形成は、条件および鎖の組成に依存して、第3の鎖(Hoogsteen鎖)
と第3の鎖が結合するプリンに富んだ二重鎖との間での平行および逆平行の配向
を許容する。特定の実施態様で所望されるような三重鎖の安定性を最大化するか
、さもなければ調節するために、適切な配列、配向、条件、ヌクレオシド型(例
えば、リボースヌクレオシドを用いるかまたはデオキシリボースヌクレオシドを
用いるか)、塩基改変(例えば、メチル化シトシンなど)を選択することについ
ては、参考文献中に広範なガイダンスが存在する。一本鎖または二重鎖タグをそ
れらの一本鎖の相補物または二重鎖の相補物にアニーリングするための条件は、
周知である(例えば、Jiら、Anal.Chem.65:1323〜1328
(1993);Cantorら、米国特許第5,482,836号など)。選別
する際の三重鎖タグの使用は、その相補物にアニーリングするためにタグを曝露
する、ポリメラーゼを伴なう「ストリッピング」反応を必要としない利点を有す
る。
【0054】 選別するための例示的なタグライブライリーを以下(配列番号1)に示す。
【0055】
【化1】 オリゴヌクレオチドタグのフランキング領域を操作し、上記で例示されるように
、都合のよいクローニングベクターへの挿入またはクローニングベクターからの
除去のための制限部位を含み得る。必要に応じて、左または右のプライマーを、
ビオチンを付着するように合成し(従来の試薬を使用、例えば、Clontec
h Laboratories、Palo Alto、CAから入手可能)、増
幅および/または切断後の精製を容易にし得る。好ましくは、タグ−フラグメン
ト結合体を作製するために、上記のライブラリーを従来のクローニングベクター
(例えば、pUC19など)に挿入する。必要に応じて、タグライブラリーを含
むベクターは、例えば、BamHIおよびBbsIで完全に消化されたフラグメ
ントの単離を容易にする、「スタッファー」領域(「XXX・・・XXX」)を
含み得る。
【0056】 本発明の重要な局面は、各微小粒子または各領域が、実質的に、1つの種類の
付着した配列のみを有するような;すなわち、DNA配列が、クローンの亜集団
中に存在するような、例えば、cDNAライブラリーから固相支持体上の微小粒
子または別々の領域への、DNA配列の集団の選別および付着である。この目的
は、実質的に全ての異なるDNA配列が、付着した異なるタグを有することを保
証することにより達成される。この条件は、次々に、分析のために十分な全体の
タグ−DNA配列の結合体のサンプルのみを採取することによりもたらされる(
同一DNA配列が異なるタグを有することが認容される。なぜなら、それは、単
に、同じDNA配列が、作動中であるかまたは2回分析されることを生じるから
である)。このようなサンプル採取は、このタグがDNA配列に付着された後、
明白に実行され得るか(例えば、より大きい混合物から少量を採取することによ
って);それは、DNA配列およびタグをプロセスするために使用される技術の
二次効果として固有に実行され得るか;またはサンプル採取は、明白およびプロ
セスシング工程の固有部としての両方で実行され得るかのいずれかである。
【0057】 n個のタグ−DNA配列結合体のサンプルを、反応混合物から無作為に抽出す
る場合(サンプル容量を採取することによって作用し得るように)、同じタグを
有する結合体を抽出する確率は、ポワソン分布(P(r)=e-λ(λ)r/r 、ここで、rは同じタグを有する結合体の数であり、そしてλ=np、ここで
pは、所定のタグが選択される確率である)により記載される。n=106かつ p=1/(1.67×107)の場合(例えば、Brennerらに記載される 8個の4塩基のワードをタグとして用いた場合)、λ=0.0149およびP(
2)=1.13×10-4である。従って、100万個の分子のサンプルは、好ま
しい十分の範囲内で二本鎖の期待される数を生じる。このようなサンプルは、タ
グ−フラグメント結合体を含む混合物の系列希釈により容易に得られる。
【0058】 本明細書中で使用されるように、タグを分子、特にポリヌクレオチドに付着す
ることに関する、用語「実質的に全て」は、本質的に二重鎖がないタグ−分子結
合体の集団を得るために用いられるサンプル採取の手順の統計学的性質を反映す
ることを意味する。好ましくは、少なくとも95%のDNA配列が、唯一の付着
したタグを有する。
【0059】 好ましくは、DNA配列は、タグライブラリーを保有する従来のクローニング
ベクター中にこの配列を挿入することによってオリゴヌクレオチドタグに結合す
る。例えば、それらの5’末端にBsp120I部位を有するcDNAを構築し
、そしてBsp120Iおよび別の酵素(例えば、Sau3AまたはDpn I
I)での消化後、式Iのタグを保有するpUC19に定方向で挿入し、あらゆる
可能なタグ−cDNA対形成を含む、タグ−cDNAライブラリーを形成し得る
。サンプルを、増幅および選別のためにこのライブラリーから採取する。サンプ
ル採取を、このライブラリーの系列希釈によってか、またはコロニーからプラス
ミド含有細菌宿主を単純に採集することによって達成し得る。増幅後、このタグ
−cDNA結合体をプラスミドから切り出し得る。
【0060】 オリゴヌクレオチドタグを、例えば、上記のように一本鎖にすることによって
、特異的ハイブリダイゼーションのために調製した後、このポリヌクレオチドを
、タグとそれらの相補物との間の完全に適合した二重鎖の形成に好ましい条件下
で、このタグの相補的な配列を含む微小粒子と混合する。これらの条件を作製す
るために参考文献中に広範なガイダンスが存在する。このようなガイダンスを提
供する例示的な参考文献は、Wetmur、Critical Reviews
in Biochemistry and Molecular Biolo
gy、26:227〜259(1991);Sambrookら、Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manual、第2版(
Cold Spring Harbor Laboratory、New Yo
rk、1989)などを含む。好ましくは、このハイブリダイゼーション条件は
、完全に適合した配列のみが安定な二重鎖を形成するように十分にストリンジェ
ントである。このような条件下で、それらのタグを介して特異的にハイブリダイ
ズされるポリヌクレオチドが、微小粒子に付着された相補的な配列に連結され得
る。最終的に、この微小粒子を、非連結性および/または非適合性タグを有する
ポリヌクレオチドを除去するために洗浄する。
【0061】 タグのそれらの相補物に対するハイブリダイゼーションの特異性は、サンプル
中の高いパーセントのタグが唯一であり、かつサンプル中の実質的に全てのタグ
の最も近接する隣接物が、少なくとも2ワードで異なる程度に十分に小さいサン
プルを採取することによって、増強され得る。この後者の条件は、用いられてい
るレパートリーの約0.1%以下のサイズである、多数のタグ−ポリヌクレオチ
ド結合体を含むサンプルを採取することによって満たされ得る。例えば、タグが
8つのワードで構築される場合、88または約1.67×107のタグおよびタグ
相補物のレパートリーが産生される。上記のようなタグ−DNA配列結合体のラ
イブラリーにおいて、0.1%のサンプルは、約16,700の異なるタグが存
在することを意味する。これを、微小粒子のレパートリー等価物、またはこの例
においては、1.67×107微小粒子のサンプル上に直接充填した場合、サン プルにされた微小粒子のほんの低密度なサブセットが充填される。好ましくは、
充填された微小粒子を、DNA配列を蛍光的に標識し、そして変性した後に、従
来のプロトコルを使用して、蛍光活性化セルソーティング(FACS)機器によ
って充填されていない微小粒子から分離し得る。充填し、そしてFACS分離し
た後、この標識を、この付着したDNA配列の使用または他の分析の前に切断し
得る。
【0062】 参照DNA集団は、異なる試験集団における頻度が比較されるべきである、任
意のセットのDNA配列からなり得る。好ましくは、複数の細胞中または組織中
の遺伝子発現の分析における使用のための参照DNA集団は、遺伝子発現が比較
されている、細胞または組織の各々に由来するcDNAライブラリーを生成する
ことによって構築される。これは、種々の細胞および/または組織から抽出され
るmRNAをプールすることによって達成され得るか、あるいは別々に構築され
たcDNAライブラリーのcDNAをプールすることによって達成され得るかの
いずれかである。あるいは、参照DNA集団は、ゲノムDNAから構築され得る
。この目的は、分析されている任意の細胞中または組織中に可能に発現され得る
全ての配列を含むDNA配列の1セットを得ることである。一旦、参照DNA集
団を構成するDNA配列が得られると、それらは、固相クローニングのためにオ
リゴヌクレオチドタグに結合しなければならない。好ましくは、このDNA配列
は、上記のように、適切なタグのレパートリーを保有するベクターに挿入され、
タグ−DNA配列結合体のライブラリーを形成し得るように調製される。結合体
のサンプルを、このライブラリーから採取し、増幅し、そして微小粒子上に充填
する。このサンプルは、全ての異なる型のDNA配列が充填された微小粒子上に
表される確率が高いように十分に大きいことが重要である。例えば、比較されて
いる複数の細胞の中で、全体で約25,000個の遺伝子を発現する場合、この
数の約5倍のサンプル、すなわち約125,000個のタグ−DNA配列結合体
は、全ての可能なDNA配列が約99%の確率で充填された微小粒子中に表され
ることを保証するように採取されるべきである(例えば、Sambrookら(
上記))。
【0063】 別の実施態様において、参照集団は、細胞周期タンパク質、シグナル伝達経路
タンパク質、癌遺伝子産物、腫瘍サプレッサー、キナーゼ、ホスファターゼ、転
写因子、増殖因子レセプター、増殖因子、細胞外マトリックスタンパク質、プロ
テアーゼ、細胞骨格タンパク質、膜レセプター、Rb経路タンパク質、p53経
路タンパク質、代謝に関与するタンパク質、ストレスに対する細胞応答に関与す
るタンパク質、サイトカイン、DNA損傷および修復に関与するタンパク質、な
らびにアポトーシスに関与するタンパク質からなる群から選択されるタンパク質
の特定のセット(単数)またはセット(複数)をコードするポリヌクレオチドの
1セットを含み得る。このようなポリヌクレオチドは、代表的には、固体支持体
当たりに唯一の配列を有するオリゴヌクレオチドを介して固相支持体に付着され
るが、このようなポリヌクレオチドはまた、各固相支持体に共通である配列(例
えば、ポリアデニル化オリゴヌクレオチド)を有するオリゴヌクレオチドを介し
て固相支持体に付着され得る。
【0064】 好ましくは、タグ−DNA配列結合体をサンプルにした後、Brennerら
(上記)に開示されるように、それらを、蛍光的に標識されたプライマーを使用
してPCRにより増幅し、微小粒子のタグ相補物上に充填するために有意な材料
を提供し、そして充填されていない微小粒子から充填された微小粒子を区別する
手段を提供する。好ましくは、このPCRプライマーはまた、この蛍光標識が、
研究されている細胞または組織由来の標識されたDNA鎖の競合的なハイブリダ
イゼーションの前に、cDNAの末端から切断され得るように、二本鎖産物中に
おいてレアカッティング(rare−cutting)制限エンドヌクレアーゼ
(例えば、PacI)の制限部位の生成を可能にする配列を含む。このような充
填の後、特異的にハイブリダイズしたタグ−DNA配列結合体を、タグ相補物に
連結し、そしてこの充填された微小粒子を、FACSによって充填されていない
微小粒子から分離する。この蛍光標識を、充填された微小粒子のDNA鎖から切
断し、そして非共有結合で付着した鎖を、従来のプロトコルを使用して、熱、ホ
ルムアミド、NaOH、および/または同様の手段を用いて変性することによっ
て除去する。次いで、この微小粒子は、競合的ハイブリダイゼーションのために
用意される。
【0065】 (競合的ハイブリダイゼーションおよび光生成標識) 分析されている細胞および/または組織由来の遺伝子発現産物(例えば、mR
NAまたはcDNA)を単離する。この発現産物を、供給源を区別するために標
識する。好ましくは、各供給源由来の産物は、任意の他の供給源の産物(例えば
、唯一および区別可能な発光頻度を有する各々)により含まれる標識とは異なる
標識を含む。あるいは、1つの供給源の産物は、未標識のままおかれ得る。この
発現産物を、従来の技術(例えば、DeRisiら(上記)など)によって標識
し得る。好ましくは、光生成標識を、抽出されたmRNAから逆転写されたcD
NAに組込み、またはオリゴヌクレオチドタグを、同定のために標識されたタグ
相補物を提供するために付着する。蛍光標識、比色定量標識、化学発光標識、お
よび電気発光標識を含む、多数の光生成標識が入手可能である。一般に、このよ
うな標識は、吸収頻度、発光頻度、強度、シグナル寿命、またはこのような特徴
の組合せを含み得る光学シグナルを生じる。好ましくは、蛍光標識を、蛍光的に
標識されたヌクレオシド三リン酸の直接的な組込みによってか、あるいは捕捉部
分(例えば、ビオチン化ヌクレオシド三リン酸またはオリゴヌクレオチドタグ)
の組込みによる間接的な適用によってのいずれかで、続いて蛍光シグナルを生成
し得る部分(例えば、ストレプトアビジン−蛍光色素結合体または蛍光的に標識
されたタグ相補物)と複合体化することによって用いる。好ましくは、蛍光標識
から検出される光学シグナルは、1つ以上の特徴的な発光頻度での強度である。
蛍光色素およびDNA鎖にそれらを付着させるかまたは組み込むための手段の選
択は、周知である。例えば、DeRisiら(上記)、Matthewsら、A
nal.Biochem.、第169巻、1〜25頁(1988);Haugl
and、Handbook of Fluorescent Probes a
nd Research Chemicals(Molecular Prob
es,Inc.、Eugene、1992);KellerおよびManak、
DNA Probes、第2版(Stockton Press、New Yo
rk、1993);ならびにEckstein、編集者、Oligonucle
otides and Analogues:A Practical App
roach(IRL Press、Oxford、1991);Wetmur、
Critical Reviews in Biochemistry and
Molecular Biology、26:227〜259(1991);
Juら、Proc.Natl.Acad.Sci.、92:4347〜4351
(1995)ならびにJuら、Nature Medicine、2:246〜
249(1996)など。
【0066】 好ましくは、光生成標識は、それらの各光学シグナルが存在する標識されたD
NA鎖の量と関連し得るように、そして異なる光生成標識により生成されたこの
光学シグナルが比較され得るように、選択される。蛍光標識の発光強度の測定は
、この設計目的を満たす好ましい手段である。蛍光色素の所定の選択について、
それらの発光強度を標識されたDNA鎖のそれぞれの量と関連付けることは、異
なる色素、量子収率、発光バンド幅、吸収極大、吸収バンド幅、励起光源の性質
などを含む、いくつかの因子の考慮を必要とする。蛍光強度測定を作製するため
の、そしてそれらを分析物の量に関連付けるためのガイダンスは、化学および分
子分析に関する参考文献中で入手可能である。例えば、Guilbault、編
集者、Practical Fluorescence、第2版(Marcel
Dekker、New York、1990);Pesceら、編集者、Fl
uorescence Spectroscopy(Marcel Dekke
r、New York、1971);Whiteら、Fluorescence
Analysis:A Practical Approach(Marce
l Dekker、New York、1970)など。本明細書中で使用され
るように、用語「相対的な光学シグナル」とは、相補的な参照DNA鎖と二重鎖
を形成する、同一な配列、または実質的に同一な配列の、異なって標識されたD
NA鎖の比率に関連し得る、異なる光生成標識からのシグナルの比率を意味する
。好ましくは、相対的な光学シグナルは、2つ以上の異なる蛍光色素の蛍光強度
の比率である。
【0067】 多数の細胞または組織由来の標識されたDNA鎖の間の競合的ハイブリダイゼ
ーションは、従来のハイブリダイゼーション反応において、各々の供給源由来の
等量の標識されたDNA鎖を参照DNA集団で充填された微小粒子に適用するこ
とによって実行される。競合的ハイブリダイゼーション反応に加えられた特定量
の標識されたDNA鎖は、本発明の実施態様に依存して広範に変動する。このよ
うな量の選択に影響する因子は、使用される微小粒子量、使用される微小粒子型
、微小粒子上の参照DNA鎖の充填、標識されたDNA鎖集団の複雑性などを含
む。ハイブリダイゼーションは、同一または実質的に同一である配列を有する、
異なって標識されたDNA鎖が、同じ相補的な参照DNA鎖にハイブリダイズす
るように競合するという点で競合的である。競合的ハイブリダイゼーション条件
は、相補的な参照DNA鎖と二重鎖を形成する標識されたDNA鎖の割合が、そ
れらの各集団中の同一配列の競合するDNA鎖の量と比較したその集団中のDN
A鎖の量を反映し、そして好ましくは、正比例するように選択される。従って、
同一配列を有する第1および第2の異なって標識されたDNA鎖は、例えば、第
1の標識されたDNA鎖が1ng/μlの濃度で、そして第2の標識されたDN
A鎖が2ng/μlの濃度であるように、相補的な参照DNA鎖とのハイブリダ
イゼーションで競合している場合、平衡状態では、参照DNAと形成された二重
鎖の1/3が第1の標識されたDNA鎖を含み、そして二重鎖の2/3が第2の
標識されたDNA鎖を含むことが期待される。ハイブリダイゼーション条件を選
択するためのガイダンスは、KellerおよびManak(上記);Wetm
ur、(上記);Hamesら、編集者、Nucleic Acid Hybr
idization:A Practical Approach(IRL P
ress、Oxford、1985)などを含む、多数の参考文献中で提供され
る。
【0068】 本発明の別の局面は、微小粒子の混合物を含む、差示的に発現された遺伝子を
分析するためのキットである。ここで、各々の微小粒子は、それに付着された同
一な一本鎖の核酸分子の集団を有し、この一本鎖核酸分子は、各微小粒子で異な
っており、そして少なくとも1つの細胞または組織供給源のmRNAに由来する
ポリヌクレオチドを含む。好ましくは、上記核酸分子の各々は、さらに、上記ポ
リヌクレオチドと並置して、そして上記微小粒子と上記ポリヌクレオチドとの間
に位置したオリゴヌクレオチドタグを含む。このキットは、さらに、上記細胞ま
たは組織供給源の少なくとも1つ由来のcDNA分子の集団、cDNA集団を標
識するための試薬、競合的ハイブリダイゼーションを実施するための試薬などを
含む。所望される場合、キット中のcDNA分子を、蛍光的な標識型で提供する
。このキットは、競合的ハイブリダイゼーションを実施するためのさらなる成分
(例えば、ハイブリダイゼーション緩衝液、PCR緩衝液、および標準物質など
)を含み得る。このキットは、さらに、各々の成分に対する少なくとも1つの容
器またはいくつかの容器を含み得、そして差示的に発現された遺伝子を分析する
際の使用のための印刷された取扱説明書を含み得る。
【0069】 本発明はまた、それに付着されたオリゴヌクレオチドタグ相補物を有する複数
の微小粒子を含む、参照集団を調製するためのキットを提供し、ここで上記オリ
ゴヌクレオチドタグ相補物の配列は、各微小粒子で異なっている。このキットは
、さらに、タグ相補物に相補的な配列を有するタグのライブラリーを含む複数の
ベクターを含み得る。このキットは、さらに、少なくとも1つの細胞または組織
供給源、好ましくはcDNA由来のポリヌクレオチドの集団を含み得る。ポリヌ
クレオチドの集団が含まれる場合、好ましくは、ポリヌクレオチドの集団は、上
記複数の微小粒子から分離された容器中に含まれる。このキットはまた、参照集
団を調製するための試薬、例えば、アダプター、標識、ポリメラーゼ、dNTP
、標識dNTP、PCR緩衝液など、ならびに参照集団を調製するための印刷さ
れた取扱説明書を含み得る。
【0070】 (上方制御された遺伝子産物および/または下方制御された遺伝子産物を有す
る微小粒子のフローソーティング) 標識されたポリヌクレオチドを、微小粒子上の参照集団に競合的にハイブリダ
イズした後、この微小粒子を、微小粒子および付着された配列の化学的および/
または物理的性質に依存する多数の方法で分析および/または選別し得る。例え
ば、目的の微小粒子を、微小マニュピレータにより機械的に分離し得、磁気微小
粒子は、磁場を調節するかまたは操作することによって選別し得、荷電した微小
粒子を、電気泳動などによって操作し得る。以下の参考文献は、微小粒子を分析
および/または分類する手段を選択するためのガイダンスを提供する:Pace
、米国特許第4,908,112号;Saurら、米国特許第4,710,47
2号;Senyeiら、米国特許第4,230,685号;Wildingら、
米国特許第5,637,469号;Pennimanら、米国特許第4,661
,225号、Karnaukhovら、米国特許第4,354,114号;Ab
bottら、米国特許第5,104,791号;Gavinら、PCT公開WO
97/40383など。好ましくは、蛍光的に標識されたDNA鎖を含む微小粒
子を、市販のFACS機器(例えば、Van Dillaら、Flow Cyt
ometry:Instrumentation and Data Anal
ysis(Academic Press、New York、1985);F
ulwylerら、米国特許第3,710,933号;Grayら、米国特許第
4,361,400号;Dolbeareら、米国特許第4,812,394号
など)によって、都合よく区別し、そして選別する。参照の鎖に競合的にハイブ
リダイズした蛍光的に標識されたDNA鎖について、好ましくは、このFACS
機器は、複数の蛍光チャネル能力を有する。好ましくは、1つ以上の高い強度の
光源(例えば、レーザー、水銀アークランプなど)での励起では、各微小粒子は
、微小粒子により運ばれる各細胞または組織タイプ由来の標識されたDNA鎖の
量に関連した、蛍光シグナル、通常、蛍光強度を生成する。実施例1の図1aに
示されるように、各微小粒子の蛍光強度を、二次元グラフにプロットする場合、
等しい発現レベルを示す微小粒子は、グラフの対角線(100)上かまたはその
近傍である。上方制御および下方制御された遺伝子は、対角線から離れた領域(
off−diagonal region)に出現する。このような微小粒子は
、図1bに示されるように一方または両方の対角線から離れた領域(112)を
囲むようにソーティングパラメーターをグラフ規定することによって、市販のF
ACS機器によって容易に選別される。従って、微小粒子は、それらの相対的な
光学シグナルに従い分類され得、そして所望される場合、異なる細胞または組織
供給源中での遺伝子発現における差異に対応する、所定の範囲の値内で、シグナ
ルを生成するそれらの微小粒子を蓄積することによって、さらなる分析のために
収集され得る。
【0071】 (ポリヌクレオチドが由来する核酸配列の存在比に従う微粒子のフローソーテ
ィング) 蛍光標識されたDNA鎖を含む微粒子はまた、それらが由来する遺伝子産物の
存在比に従って分類および識別され得る。核酸配列の存在比は、関連する遺伝子
発現を決定するために、上記に記載される方法によって決定され得、そして微粒
子に結合されたポリヌクレオチドによって生成された光学的なシグナルの強度レ
ベルと相関され得る。より低い強度は、より珍しい核酸配列の指標である(例え
ば、珍しい遺伝子産物)。珍しい遺伝子は、mRNAをコードする遺伝子であり
、これは、1細胞あたり約100コピー以下で存在し、より好ましくは約50コ
ピー未満から約25コピー未満まで、最も好ましくは細胞あたり約10コピー未
満である。珍しい遺伝子は、実施例9および10に示される、低い蛍光強度を有
する微粒子を収集することによって単離され得る。収集された微粒子は、代表的
には、総微粒子の約5%未満、より好ましくは約2.5%、1%、〜0.5%以
内、最も好ましくは約0.1%未満を含む。
【0072】 あるいは、ハイブリダイゼーション速度は、核酸配列の存在比に比例するので
、より少ない存在比の核酸配列は、細胞または組織供給源においてより低い存在
比で存在する核酸配列が、ハイブリダイズされない状態で残存するハイブリダイ
ゼーション条件を設定することによって単離され得る。適切なハイブリダイゼー
ション条件は、規格化されたcDNAライブラリーを産生するために使用される
条件を含む(Patanjaliら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,88:1943−1947(1991))。例えば、大量なDNA種の
ハイブリダイゼーションに最大期間を許容した後、ハイブリダイズしていないD
NAを収集することによって、珍しい遺伝子を単離し得る。
【0073】 反復配列は、マッピングおよび多型分析をしばしば複雑にする。反復配列は、
トランスポゾン、レトロトランスポゾン、レトロウイルス、Alu配列のような
短散在反復エレメント(SINE)、サテライトDNA,ミニサテライトDNA
、メガサテライトDNAなどのゲノムにおける存在に起因して存在する。反復配
列は、上記に記載したように、より遅くハイブリダイズするDNA種から迅速に
ハイブリダイズするDNA種を識別することによって、DNA集団から除去され
得る。好ましくは、ハイブリダイズしない集団は、非反復核酸配列に由来するポ
リヌクレオチド中に実質的に富化される。
【0074】 本発明の別の局面は、上記に記載および使用のための印刷された指示書ように
調製された微粒子を含む核酸配列の存在比について、核酸配列を分析および/ま
たは単離するためのキットである。
【0075】 (大規模並行サイン配列決定(massively parallel si
gnature sequencing(MPSS))によって識別された遺伝
子の同定) 発現された遺伝子は、MPSSによって並列して同定され得る。MPSSは、
以下の2つの技術の組み合わせである:並列処理のためにDNAフラグメントを
タグ化し、そして識別するための技術(例えば、Brennerら、国際特許出
願PCT/US96/09513号)、およびDNAフラグメント末端を段階的
に配列決定するための別の技術(例えば、Brenner、米国特許第5,59
9,675号およびAlbrechtら、国際特許出願PCT/US97/09
472)。標的ポリヌクレオチドの第1の制限エンドヌクレアーゼでの初期消化
の後、制限フラグメントを、以下およびBrennerら、国際特許出願PCT
/US96/09513に記載されるようにオリゴヌクレオチドタグに連結し、
その結果、得られたタグフラグメント結合体をサンプリングし、増幅し、そして
オリゴヌクレオチドタグの、それらのタグ相補体との特異的なハイブリダイゼー
ションによって別個の固相支持体上で識別し得る。
【0076】 一旦、DNAフラグメントの増幅サンプルが、固相支持体上で識別され、実質
的に同一なフラグメントの均一集団を形成すると、フラグメントの末端は、好ま
しくは、アダプターに基づいた方法(連結、同定、および切断の反復サイクルを
含むDNA配列決定(例えば、Brenner,米国特許第5,599,675
号に記載される方法))を用いて配列決定される。さらに好ましくは、配列決定
方法に使用されるアダプターの各々は、Albrechtら、国際特許出願PC
T/US97/09472に教示されるように、突出鎖(protruding
strand)、およびオリゴヌクレオチドの最小の交差ハイブリダイズする
セットから選択されたオリゴヌクレオチドタグを有する。このようなアダプター
は、本明細書中で「コード化アダプター(encoded adaptor)」
と呼ばれる。コード化アダプターの突出鎖がフラグメントの相補的突出鎖と完全
に一致した二重鎖を形成するコード化アダプターが、リガンドである。連結後、
突出鎖のヌクレオチドの同一性および順序が決定されるか、あるいは標識化され
たタグ相補体または連結されたアダプター上の対応タグに対する「デコーダー(
de−coder)」と特異的にハイブリダイズすることによって「解読」され
る。
【0077】 好ましい配列決定方法は、以下からなる工程で行われる:(a)コード化アダ
プターをフラグメントの末端に連結する工程であって、このコード化アダプター
は、ヌクレアーゼのヌクレアーゼ認識部位を有し、その切断部位は、その認識部
位から分離している、工程;(b)フラグメントの末端に連結されたコード化ア
ダプターの同一性によって、フラグメントの末端の1つ以上のヌクレオチドを同
定する工程;(c)フラグメントが1つ以上のヌクレオチド程度短縮されるよう
に、コード化アダプターのヌクレアーゼ認識部位を認識するヌクレアーゼでフラ
グメントを切断する工程;および(d)フラグメントの末端の上記ヌクレオチド
配列が決定されるまで、上記工程(a)から(c)を繰り返す工程。この同定工
程において、タグ相補体の連続的なセット、あるいは「デコーダー」は、フラグ
メントの末端に連結されたコード化アダプターに保有される各タグに特異的にハ
イブリダイズされる。ポリヌクレオチドの突出鎖におけるヌクレオチドの型およ
び配列は、以下に記載されるように、特異的にハイブリダイズされるデコーダー
に保有される標識およびデコーダーに由来するセットによって同定される。
【0078】 (従来の配列決定による識別された遺伝子の同定) 微粒子によって保有される遺伝子産物は、従来のDNA配列決定プロトコルを
使用して識別後(例えば、FACSによって)、同定され得る。このような配列
決定のための適切なテンプレートは、差示的に発現された遺伝子産物を保有する
識別された微粒子から開始するいくつかの異なる方法において生成され得る。例
えば、単離された微粒子に付着された参照DNAは、サイクル配列決定(cyc
le sequencing)によって標識された伸長産物を生成するために使
用され得る(例えば、Brenner、国際特許出願PCT/US95/126
78によって教示されるように)。この実施態様において、プライマー結合部位
(400)は、(図4aに示されるように)参照DNA(402)中にタグ相補
体(406)に対して遠位に操作される。例えば、別のマイクロタイターウェル
などに分類することによって微粒子を単離した後、差示発現された鎖を溶解する
。プライマー(404)を加え、そして標識された伸長産物を形成するように、
従来のサンガー配列決定反応を実行する。次いで、これらの産物は、配列決定に
ために、電気泳動などの技術よって分離される。同様の実施態様において、配列
決定のテンプレートは、個々の微粒子を識別することなく産生され得る。プライ
マー結合部位(400)および(420)は、プライマー(404)および(4
22)を使用するPCRによってテンプレートを生成するために使用され得る。
次いで、このテンプレートを含む、得られた単位複製配列は、従来の配列決定ベ
クター(例えば、M13)中にクローン化される。形質移入の後、宿主をプレー
トし、そして配列決定のために個々のクローンを選択する。
【0079】 別の実施態様において、図4bに例証されるように、プライマー結合部位(4
12)は、競合的にハイブリダイズされた鎖(410)中に操作され得る。この
部位は、参照DNA(402)中に相補鎖を有する必要はない。識別の後、参照
配列(402)の競合的にハイブリダイズされた鎖(410)は溶解され、そし
ては、プライマー(414)および(416)を使用して、例えば、PCRによ
って増幅され、この参照配列(402)は、より容易な操作のため、ビオチンで
標識化および/または誘導体化され得る。次いで、この溶解されそして増幅され
た鎖は従来の配列決定ベクター(例えば、M13)にクローン化され、これは宿
主をトランスフェクトするために使用され、順々にプレートされる。個々のコロ
ニーが、配列決定のために選ばれる。
【0080】 (実施例1:タグ化cDNAライブラリーの構築、サンプリング、およびタグ
化cDNAの微粒子上へのローディング) この実施例において、微粒子上にロードするためのタグ化参照DNAを調製す
るための好ましいプロトコルが、記載される。手短には、目的の各細胞または目
的の各組織からのcDNAを調製し、そして式1のタグエレメントを含むベクタ
ーに直接的にクローン化する。好ましくは、このような細胞または組織から抽出
されたmRNAを、通常同じ比率で、第1鎖合成より先に組み合わせる。mRN
Aを標準的なプロトコルを使用して得、この後、第1鎖および第2鎖の合成を例
示されるように実行し、そして得たcDNAを、式1のタグエレメントまたは同
様のタグエレメントを含むベクターに挿入する。次いで、このタグcDNA結合
体を含むベクターを使用して、適切な宿主(代表的には、従来の細菌宿主)に形
質転換し、その後、宿主培養物からの細胞サンプルをさらに拡張し、そしてベク
ターDNAを抽出する。好ましくは、このタグcDNA結合体をPCRによって
ベクターから増幅し、そしてタグ相補体で誘導される微粒子上にロードするため
に、以下に記載されるように処理する。非共有結合的に付着した鎖を溶解した後
、cDNAを含む微粒子を、競合的にハイブリダイズされる遺伝子産物を受容す
るように、本発明に従って用意する。示した工程に関連する特定の手引きは、S
ambrookら(上記に引用される);Ausbelら、編者、Curren
t Protocols in Molecular Biology(Joh
n Wiliey & Sons,New York,1995);および分子
生物学技術についての同様の手引きにおいて利用可能である。
【0081】 約5μgのmRNAのペレットを、10μlの5×SuperScript緩
衝液(250mM Tris−HCl(pH8.3)、375mM KCl、お
よび15mM MgCl2)(GIBCO/BRL)(または同様の逆転写酵素 緩衝液)、5μlの0.1Mジチオスレイトール(DTT)、2.5μlの3d
NTP/メチル−dCTP混合物(10μMの各dATP、dGTP、dTTP
、および5−メチル−dCTP、例えば、Pharmacia Biotech
から入手可能)、1μl RNasin、12μlの以下に示される0.25μ
g/μlの逆転写酵素プライマー、および14.5μlのH2Oからなる、45 μl(最終容量)の第1鎖プレミックス(pre−mix)中に再懸濁する。
【0082】
【化2】 逆転写プライマー(配列番号2) 室温下で15分間のインキュベートした後、5mlの200U/μl Sup
erScriptを添加し、そしてこの混合液を42℃で1時間インキュベート
した。1時間のインキュベートの後、上記の混合液(総量約50μl)を、氷上 で、80μlの5×第2鎖緩衝液(94mM Tris−Cl(pH6.9)、
453mM KCl、23mM MgCl2、および50mM (NH42SO4 )からなる、第2鎖プレミックス(容量336μl)に添加し、約386μlの
総反応容量を得る。別に、4μlの0.8U/μl RNase H(3.2ユ
ニット)および10μlの10unit/μl E.coli DNAポリメラ
ーゼI(100ユニット)を組み合わせ、そしてこの組み合わせた酵素混合液を
、上記の第2鎖反応混合液に添加する。その後、総反応容量を5秒間、微量遠心
し、次いで16℃で1時間および室温で1時間インキュベートし、以下の二重鎖
cDNA(配列番号3)を得る:
【0083】
【化3】 ここでXは、cDNA中のヌクレオチドを示し、VはA、C、またはGを表し、
そしてBはC、G、またはTを表す。逆転写プライマー配列は、cDNA中にB
sm BI部位を与えるために選択され、この酵素は、Bsm BIでの消化に
5’−GCATオーバーハングを生じることに留意のこと。
【0084】 フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿の後、このcDNAをD
pn II(New England Biolsbs,Beverely,M
A)で消化するために、製造者の推奨緩衝液中に再懸濁し、次いで、アビジン化
ビーズ(Dynal、Oslo、Norway)上でビオチン化フラグメントを
捕獲する。洗浄後、この捕獲されたフラグメントを、Bsm BIで消化し、以
下のcDNA(配列番号4)を放出し、これをエタノールで沈殿する。
【0085】
【化4】 従来のクローニングベクター(例えば、BlueScript II、pBCな
ど(Stratagene Cloning System、La Jolla
、CA))を操作し、以下のエレメントの配列(配列番号5)を有する(これら
は式1で示される配列である)。
【0086】
【化5】 Bbs IおよびBam HIで消化した後、このベクターを電気泳動によって
精製し、連結のためにcDNAと合わせる。Bbs I消化が、cDNAのBs
m BI−消化末端と適合する末端を生じるようにベクターを操作していること
に注意のこと。連結後、適切な宿主細菌を形質転換し、そして後に使用するため
に培養を拡張する。
【0087】 拡大された培養物からの宿主細胞サンプルを、挿入されたcDNAを有するベ
クターを保有する画分を決定するためにプレートする。その後、約1.7×10 5 の挿入物含有細胞に一致する培養物のアリコートを回収し、そして別々に培養 中で拡大する。これは、式Iに示される型のタグの約1%の貯蔵量を示す。
【0088】 好ましくは、このタグ−cDNA結合体を、以下のような従来のプロトコルを
使用して、PCRによってベクターから増幅する。8つの複製PCRの各々につ
いて、以下の反応成分を組み合わせる:1μlのベクターDNA(1つのライブ
ラリーについて125ng/μl、単一クローンについて109コピー);10 μlの10×Klentaq Buffer(Clontech Labora
tories,Palo Alto,CA);0.25μlビオチン化20マー
「正方向」PCRプライマー(1nmol/μl);0.25μlのFAM標識
20マー「逆方向」PCRプライマー(1nmol/μl);1μlの25mM
dATP、dGTP、dTTP、および5−メチル−dCTP(総dNTP濃
度100mM);5μlのDMSO;2μlの50×Klentaq酵素;およ
び80.5μlのH2O(総容量100μlについて)。PCRを、MJR D NA Engine(MJ Reserch)または同様の熱サイクラーにおい
て以下のプロトコルで行う:1)94℃、4分間;2)94℃、30秒;3)6
7℃、3分間;4)工程2および3の8サイクル;5)94℃、30秒;6)6
4℃、3分間;7)工程5および6の22サイクル;8)67℃、3分間;およ
び9)4℃で保持。
【0089】 8つのPCR混合液をプールし、そして室温で700μlのフェノールを加え
る。その後、組み合わせた混合溶液を20〜30秒間ボルテックスし、次いで、
高速(例えば、Eppendorf卓上遠心機などの機器において14,000
rpm)で3分間遠心分離する。この上清を除去し、そして新しいチューブ中で
700μlのクロロホルム(24:1のクロロホルム:イソ−アミルアルコール
の混合物)と合わせ、20〜30秒間ボルテックスし、そして1分間遠心分離す
る。その後、この上清を新しいチューブに移し、そして80μlの3M酢酸ナト
リウムおよび580μlのイソプロパノールと組み合わせる。20分間の遠心分
離の後、この上清を除去し、そして1mlの70%エタノールを加える。この混
合液を5〜10分間遠心分離し、その後、このエタノールを除去し、沈殿したD
NAをスピードバック(speed back)で真空乾燥する。
【0090】 再懸濁の後、このcDNAを、製造者の推奨プロトコルを使用して、アビジン
化磁気ビーズ(Dynal)で精製し、そしてまた製造者の推奨プロトコル(N
ew England Biolabs,Beverly,Mt)を使用して、
Pac I(1μgのDNAあたり1ユニットの酵素)で消化する。この切断さ
れたDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、次いでエタノール沈殿する。
タグ−cDNA結合体のタグを、1μgのストレプトアビジン−精製DNAあた
り2ユニットのT4 DNAポリメラーゼ(New England Biol
abs)を組み合わせることによって、一本鎖を生じる。150μgのストレプ
トアビジン−精製DNAを200μlのH2Oに再懸濁し、以下の反応成分と組 み合わせる。最終反応容量を300μlにする:30μlの10NEB緩衝液、
番号2(New England Biolabs);9μlの100mM d
GTP;30μlのT4 DNAポリメラーゼ(10ユニット/μl);および
31μlのH2O。1時間、37℃インキュベートした後、この反応溶液を、2 0μlの0.5M EDTAを添加することによって停止し、そして20分間、
75℃でこの反応溶液をインキュベートすることによって、T4DNAポリメラ
ーゼを不活性化する。タグ−cDNA結合体をフェノール/クロロホルム抽出法
で精製し、そしてエタノール沈殿する。
【0091】 タグ相補体を有する5μmのGMAビーズを、自動化DNA合成機(Gene
Assembler Special/4 Primers,Pharmac
ia Biotech,Bjorkgatan、Swedenまたは同様の装置
)で、従来のホスホルアミダイド化学を使用する組み合わせ合成(combin
atorial synthesis)によって調製した。ここで、核酸を3’
から5’の方に縮合する。好ましい実施態様において、28ヌクレオチド「スペ
ーサー」配列を合成し、次いでタグ相補体配列(タグ相補体中の全32ヌクレオ
チドについて各4ヌクレオチドの8「ワード」)、および3つのC’s配列を合
成する。従って、このビーズを63マーのオリゴヌクレオチドで誘導体化する。
この「スペーサー」配列の長さは重要ではない;しかし、このビーズ表面の近傍
は、タグ相補体または捕獲配列を処置するために使用される酵素の活性に影響し
得る。従って、このようなプロセシングを使用する場合、このような表面効果を
避けるのに十分な長さのスペーサーが望ましい。好ましくは、このスペーサーは
10〜30ヌクレオチドである。Pac I部位を含む以下の配列(配列番号6
)は、本発明の実施態様に使用される。
【0092】
【化6】 好ましくは、タグ−cDNA結合体は、少なくともタグ相補体の完全なレパー
トリーに一致する番号のビーズ上でタグ相補体にハイブリダイズする。本発明の
実施態様の場合、これは88、または約1.6×107ビーズである。所定の容量
におけるビーズの番号は、血球計算板器を用いて容易に推定される。
【0093】 タグ−cDNA結合体のハイブリダイゼーションの前に、このタグ相補体の5
’末端を、好ましくは、ポリヌクレオチドキナーゼ処置によってリン酸化する。
手短には、100μlのH2O中に懸濁された2.5×108のビーズを、100
μlの10×NEB緩衝液、番号2(New England Biolabs
,Beverly,MA)、10μlの100mM ATP、1μlの10%
Tween 20、17μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/
μl)、および722μlのH2Oと組み合わせ、最終容量を1000μlにす る。ボルテックスしながら、2時間、37℃でインキュベートした後、ボルテッ
クスを続けたまま、20分間温度を65℃に上昇し、キナーゼを不活性化する。
インキュベートの後、ビーズを遠心沈降およびそれらを0.01% Tween
20を含む1mlのTE(Sambrookら、Molecular Clo
ning、第2版、Cold Spring Harbor Laborato
ry)中に再懸濁することによって、2回洗浄する。
【0094】 タグ−cDNA結合体のタグ相補体へのハイブリダイゼーションのために、上
記のように調製したタグ−cDNA結合体を、50μlのH2O中に懸濁し、得 られた混合液を40μlの2.5×ハイブリダイゼーション緩衝液と組み合わせ
る。その後、この組み合わせた混合液を、従来のプロトコルを使用してS−Xス
ピンカラム(0.22μm)を通して濾過し、タグ−cDNA結合体を含む濾液
を得る(1.25mlの0.1M NaPO4(pH7.2)、1.25mlの 5M NaCl、0.25mlの0.5%Tween 20、1.50mlの2
5%硫酸デキストラン、および0.75mlのH2Oからなる5mlの2.5× ハイブリダイゼーション緩衝液)。10μlのTE/Tween緩衝液(0.0
1%Tween 20を含むTE)中の約1.8×107のビーズを遠心分離し 、その結果、ビーズをペレット化し、そしてTE/Tweenを除去する。この
ビーズに、25μlの1×ハイブリダイゼーション緩衝液(10mMのNaPO 4 (pH7.2)、500mMのNaCl、0.01%Tween 20、3% 硫酸デキストラン)を加え、この混合液をボルテックスし、ビーズを十分に再懸
濁する。その後、この混合液を遠心分離し、その結果、ビーズをペレット化し、
そして上清を除去する。
【0095】 上記の濾液中のタグ−cDNA結合体を75℃で3分間インキュベートし、ビ
ーズと組み合わせる。その後、この混合液をボルテックスし、このビーズを十分
に再懸濁する。得られた混合液を、約3日間(60時間)ボルテックスしながら
75℃でさらにインキュベートする。ハイブリダイゼーションの後、この混合液
を2分間遠心分離し、そして上清を除去する。その後、このビーズを、500μ
lのTE/Tweenで2回洗浄し、そして0.01%Tween 20を含む
、500μlの1×NEB緩衝液、番号2中に再懸濁する。このビーズをこの溶
液中で64℃、30分間インキュベートする。その後、この混合液を遠心分離し
、その結果、ビーズをペレット化し、そして上清を除去し、そしてこのビーズを
500μlのTE/Tweenに再懸濁する。
【0096】 ロードされたビーズを、高速セルソーター、好ましくは、488nmで作動す
るアルゴンイオンレーザーを装備するMoFloフローサイトメーター(Cyt
omation,Inc.,Ft.Collin,CO)、または同様の装置を
使用して、ロードされていないビーズから識別する。識別の後、このロードされ
たビーズを、以下の反応成分と合わせることによってフィルイン(fill−i
n)反応に供する:10μlの10×NEB緩衝液、番号2、0.4μlの25
mM dNTP、1μlの1%Tween 20、2μlのT4 DNAポリメ
ラーゼ(10ユニット/ml)、および86.6μlのH2O、最終反応容量1 00μl。ボルテックスしながら12℃で30分間インキュベートした後、この
反応混合液を遠心分離し、その結果ビーズをペレット化し、そして上清を除去す
る。ペレット化されたビーズを、15μlの10×NEB緩衝液、番号2、1.
5μlの1%Tween 20、1.5μlの100mM ATP、1μlのT
4 DNAリガーゼ(400ユニット/1ml)、および131μlのH2Oか らなる連結緩衝液中に再懸濁し、最終反応容量150μlを得る。この連結反応
混合液をボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートする。その後、ビ
ーズをペレット化し、そして1mM CaCl2を含む1×リン酸緩衝化生理食 塩水(PBS)で1回洗浄する。ビーズを45μlのPBS(1mMのCaCl 2 を含む)中に再懸濁し、6μlのプロナーゼ溶液(10mg/ml、Boeh ringer Mannheim、Indianapolis、IN)と組み合
わせる。その後、この混合液を攪拌しながら37℃で1時間インキュベートする
。遠心分離後、ロードしたビーズをTE/Tweenで2回洗浄し、次いで1×
NEB Dpn II緩衝液(New England Biolabs、Be
rverly、MA)で1回洗浄する。
【0097】 ビーズにロードされたタグ−cDNA結合体をDpn IIで切断し、3’−
標識を保有する相補的なアダプターを連結する4つの核酸突出鎖を産生する。従
って、ロードされたビーズを、以下の成分からなる反応混合液に添加し、最終反
応容量100μlを得る:10μlの10×NEB Dpn II緩衝液、1μ
lの1%Tween、4μlのDpn II(50ユニット/ml)、および8
5μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら37℃で一晩インキュベー トし、その後、このビーズをペレット化し、上清を除去し、そしてこのビーズを
1×NEB緩衝液、番号3で1回洗浄する。自己連結を防ぐために、タグ−cD
NA結合体の突出鎖を、ホスファターゼ(例えば、子ウシ腸ホスファターゼ(C
IP))で処理し、5’リン酸を除去する。従って、ロードされたビーズは、以
下の成分から成る反応混合液に添加し、最終反応容量100μlを得る:10μ
lの10×NEB緩衝液、番号3、1μlの1%Tween 20、5μlのC
IP(10ユニット/μl)、および84μlのH2O。得られた混合液をボル テックスしながら37℃で1時間インキュベートし、その後、このビーズをペレ
ット化し、1mM CaCl2を含むPBSで1回洗浄し、上記に記載したよう にプロナーゼで処理し、TE/Tweenで2回洗浄し、そして1×NEB緩衝
液、番号2で1回洗浄する。
【0098】 以下の3’−標識アダプター(配列番号7)を、従来の試薬(例えば、Clo
ntech Laboratories(Palo Alto、CA)を使用し
て調製する:
【0099】
【化7】 ここで、「p」は5’リン酸基であり、そして「FAM]は、市販されている3
’リンカー基(Clontech Laboratories)の近傍の上位鎖
(top strand)の最後のヌクレオチドの3’炭素に付着したフルオレ
ッセン色素である。この連結を以下の反応混合液中で実行し、最終反応容量50
μlを得る:5μlの10×NEB緩衝液、番号2、0.5μlの1%Twee
n 20、0.5μlの100mM ATP、5mlの3’−標識アダプター(
100pmol/μl)、2.5μlのT4 DNAリガーゼ(400ユニット
/μl)、および36.5μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら1 6℃で一晩インキュベートし、その後、このビーズを1mM CaCl2を含む PBSで1回洗浄し、そして上記に記載したようにプロナーゼで処理する。この
初期連結の後、アダプターとタグ−cDNA結合体との間に残存するニックを、
以下に記載のように、キナーゼおよびリガーゼの両方で同時処置することによっ
て塞ぐ。ロードされたビーズを以下の成分から成る反応溶液中に再懸濁する:最
終反応容量の150μlに対して、15μlの10×NEB緩衝液、番号2、1
.5μlの1%Tween 20、1.5μlの100mM ATP、2μlの
T4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/μl)、1μlのT4 DNA
リガーゼ(400ユニット/μl)、および129μlのH2O。この混合液を ボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートし、その後、このビーズを
、上記に記載したようにしてプロナーゼで処理された1mM CaCl2を含む PBSで1回洗浄し、そしてTE/Tweenで2回洗浄する。
【0100】 この標識鎖を、好ましくは、150mM NaOHでの処置によって溶解した
後、ビーズ上の参照DNAを、差示的発現遺伝子産物の競合的なハイブリダイゼ
ーションのために準備する。
【0101】 (実施例2:微粒子に付着させた酵母参照DNA集団の調製) 本実施例において、YJM920 MATa Gal+SUC2 CUP1株
のSaccharomyces cerevisiae細胞を、本質的にWod
ickaら(上述)により記載されるようにリッチ培地(rich mediu
m)培養および最小培地培養に別々に増殖させる。両方の条件下で増殖させた細
胞から抽出されたmRNAを、タグ化し、採取し、増幅し、標識化し、そして微
粒子上にロードした参照cDNA集団を樹立するために用いる。ロードした微粒
子を、FACSにより単離し、標識を取り除き、そしてロードしたDNAの非共
有結合鎖を、溶解し、そして取り除く。
【0102】 酵母細胞を、YPD(酵母抽出物/ペプトン/グルコース、Bufferad
、Newark、NJ)からなるリッチ培地または最小培地(アミノ酸を含まな
い酵母窒素塩基、およびグルコースの、Bufferad)のいずれかで30℃
で増殖させる。細胞密度を、二連の希釈物由来の細胞を数えることにより測定し
、そして1mlあたりの生細胞の数を、mRNA抽出のために細胞を集める直前
にYPDアガー上に培養物を希釈したものをプレ−ティングすることにより推定
する。中間対数期の細胞(1〜5×107細胞/ml)を、ペレットにし、AE 緩衝溶液(50mM NaAc、pH5.2、10mM EDTA)で2回洗浄
し、ドライアイス−エタノールバス中で凍結させ、そして−80℃で保存する。
【0103】 mRNAを、参照DNAライブラリー構築および競合ハイブリダイゼーション
のためのDNA調製の両方のために以下のように抽出する。総RNAを、総RN
Aを沈降する直前にクロロホルムイソアミルアルコール抽出物を添加して、Sc
hmittら、Nucleic Acid Research、18:3091
−3092(1990)に記載されるようなホットフェノール法を用いて凍結さ
せた細胞ペレットから、抽出する。Phase−Lock Gel(5Prim
e−3Prime、Inc.、Boulder、CO)を、RNA回収率を増加
させ、有機界面からの、材料とRNAの潜在的な夾雑を減少させるために、全て
の有機抽出物に用いる。Poly(A)+RNAを、オリゴ−dT選択工程(O ligotex、Qiagen、Chatsworth、CA)を用いて、総R
NAから精製する。
【0104】 リッチ培地および最小培地上で増殖させた細胞からの、各5μgずつのmRN
Aを、式Iのタグレパートリーを含むpUC19に、cDNAライブラリー構築
のために混合する。式Iのタグレパートリーを、Eco RIおよびBam H
Iで消化し、そして同様に消化したpUC19に挿入する。mRNAを、第二鎖
合成時の式Iのものと同一であるBsm BI部位を生成する配列を含むオリゴ
−dTプライマーを用いる市販のキット(Strategene、La Jol
la,CA)で逆転写する。得られたcDNAを、Bsm BIおよびDpn
IIで切断し、Bsm BIおよびBam HIで消化した後にタグを含むpU
C19に挿入する。トラスフェクションおよびコロニー形成させた後、pUC1
9形質転換体の密度を、約30,000のタグ−cDNA結合体を含むサンプル
を、獲得し得かつ培養物に展開し得るように決定する。あるいは、タグ−cDN
A結合体のサンプルを、約30,000のクローンを拾うことにより得、次いで
混合しそして培養物に展開する。
【0105】 プラスミドの標準的なミニプレップから、タグ−cDNA結合体を、デオキシ
シトシントリホスフェートを5−メチルデオキシシトシントリホスフェートで置
換したPCRにより増幅する。pUC19中の隣接する配列に特異的な以下の1
9−マーの正方向プライマーおよび逆方向プライマー(配列番号8および配列番
号9)を反応に用いる:
【0106】
【化8】 ここで、「FAM」は、アミノ結合(例えば、アミノリンカーII(Perki
n−Elmer、Applied Biosystem Division、F
oster City、CA))を介した逆方向プライマーの5’末端に結合し
たフルオレセイン(Clontech Laboratories、Palo
Alto、CA)のNHSエステルである。逆方向プライマーを、Not I部
位が、二本鎖産物中に再構成されるように選択する。PCR増幅の後、タグ−c
DNA結合体を、アビジン結合(avidinate)されたビーズ(例えば、
M−280 Dynabeads(Dynal、Oslo、Norway))上
に単離する。
【0107】 洗浄後、ビーズに結合したcDNAを、Pac Iで消化し、タグ−cDNA
結合を放出させ、オリゴヌクレオチドタグを一本鎖にするために、脱離反応を行
なう。反応を終了させた後、タグ−cDNA結合体を、フェノール−クロロホル
ム抽出により精製し、そして各タグ相補体が、5’ホスフェートを有するタグ相
補体を有する5.5 Om GMAビーズと組み合わせる。ハイブリダイゼーシ
ョンを、それらの相補体と完全にマッチした二重鎖を形成するタグのみが連結さ
れるように、温度に安定なリガーゼの存在下、ストリンジェント条件下で行なう
。GMAビーズを洗浄し、そしてロードしたGMAビーズを、ロードしたビーズ
を同定するために蛍光標識したcDNAを用いるFACSソーティングにより濃
縮する。単離したビーズを蛍光標識を取り除くためにPac Iで処理し、その
後ビーズを非共有結合鎖を取り除くために従来のプロトコルを用いてNaOH溶
液中で加熱する。数回洗浄した後、GMAビーズを、競合ハイブリダイゼーショ
ンのために用意した。
【0108】 (実施例3:異なる増殖条件下に曝露した酵母のアップレギュレートおよびダ
ウンレギュレートされた遺伝子の単離および同定) 本実施例において、mRNAを、各培養物中の細胞から抽出し、そして標識さ
れたポリヌクレオチドの2つの集団を、蛍光標識ヌクレオシド三リン酸の存在下
での逆転写酵素により、単回のpoly(dT)プライマーの伸長により産生す
る。次いで、等量の各々標識されたポリヌクレオチドを、競合ハイブリダイゼー
ションのための参照DNA集団を有する実施例1のGMAビーズと組み合わせ、
その後、ビーズをFACSにより分析し、そして対角線にのっていない領域のビ
ーズをMPSS分析のために集積する。
【0109】 蛍光ヌクレオシド三リン酸Cy3−dUTPまたはCY5−dUTP(Ame
rsham)を、別々の反応でpoly(dT)16プライマーを用いて、実施例
1に記載したように得た、1μgのpoly(A)+RNAでの逆転写中にcD NA中に組み込む。プライマーおよびRNAを70℃まで10分間加熱した後、
反応混合物を、氷上に移し、そして200U SuperScriptII(G
ibco)、緩衝液、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、および蛍光ヌクレオ
シド三リン酸からなる予め混合した溶液を、以下の濃度で添加する:500μM
のdATP、dCTP、およびdGTP;200μMのdTTP;および各々1
00mMのCy3−dUTPまたはCY5−dUTP。42℃で2時間インキュ
ベーションした後、組み込まれなかった蛍光ヌクレオチドを、470μlの10
mM tris−HCl(pH 8.0)/1 mM EDTAでの反応混合物
の1度目の希釈、引き続いてCentricon−30コンセントレーター(A
micon)を用いる約5μlまでの濃縮により取り除く。両方の反応物から精
製した標識cDNAを組み合わせ、そして10μgのpoly(dA)および0
.3μlの10%SDSを含む11μlの3.5×SSC中に再懸濁する。ハイ
ブリダイゼーションに先立って、溶液を2分間沸騰させ、そして室温まで冷却し
、その後、溶液をGMAビーズに添加し、そして62℃で、約8〜12時間イン
キュベートする。2×SSCおよび0.2%SDSで2回洗浄後、GMAビーズ
を、NEB−2緩衝液(New England Biolabs、Bever
ly、MA)中に再懸濁し、そして分析およびソーティングするためにCoul
ter EPICS Elite ESP フローサイトメーター中にロードす
る。二次元蛍光強度等高プロットにおいて、GMAビーズは、図1aに示すよう
なパターンを生じる。ソーティングパラメーターを、対角線にのっていない領域
(112)のGMAビーズを識別するように、図1bに示すように設定し、そし
てMPSS分析のために収集する。
【0110】 標識されたcDNA鎖を、GMAビーズから溶解し、そして遠心分離により取
り除く。数回洗浄した後、プライマーを式Iに示すプライマー結合部位にアニー
ルさせ、そして上述したDpn II部位を含むGMAビーズ上に二本鎖DNA
を再構築するために従来の重合反応で伸長させる。Dpn IIでの消化後、タ
グ−cDNA結合体をロードしたビーズを、Albrechtら、(上述)に記
載されるように、MPSS分析のための機器中に配置する。
【0111】 64のコードアダプターの以下の16のセット(配列番号10〜配列番号25
)の先端鎖を、標準的な方法を用いて自動DNA合成装置(モデル392App
lied Biosystems、Foster City)で各々別々に合成
する。全てのアダプターについて同じである、後部鎖を別々に合成し、次いでそ
れぞれ先端鎖にハイブリダイズさせる。
【0112】
【化9】 ここでNは、dA、dC、dG、またはdTのいずれかであり;pはリン酸基で
あり;そして小文字で示されるヌクレオチドは、12マーのオリゴヌクレオチド
タグである。それぞれのタグは、6ヌクレオチドずつ互いに異なっている。各ア
ダプターの等しいモル量を、1000pmol/μLの濃度の混合物を形成する
ようにNEB#2制限緩衝液(New England Biolabs、Be
verly、MA)に組み合わせる。
【0113】 16タグ相補体の各々を、アミノ誘導されたオリゴヌクレオチドとして別々に
合成し、そしてポリエチレングリコールリンカー(Clonetech Lab
oratories、Palo Alto、CA)を介してタグ相補体の5’末
端に結合するフルオレセイン分子(Molecular Probes、Eug
ene、ORより入手可能なフルオレセインのNHS−エステルを用いる)でそ
れぞれ標識する。タグ相補体の配列は、単に、上記に列挙したタグの12マーの
相補体である。
【0114】 アダプターの標的ポリヌクレオチドへのライゲーションを、5μlのビーズ(
20mg)、3μLのNEB 10×リガーゼ緩衝液、5μのアダプター混合物
(25nM)、2,5μLのNEB T4 DNAリガーゼ(2000単位/μ
L)、および14.5μLの蒸留水からなる混合物中で行なう。混合物を、16
℃で30分間インキュベートし、その後ビーズをTE(pH8.0)で3回洗浄
する。
【0115】 遠心分離してTEを取り除いた後、連結したアダプターの3’ホスフェートを
、製造者のプロトコルを用いて、仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)(
New England Biolabs、Beverly、MA)でポリヌク
レオチド−ビーズ混合物を処理することにより取り除く。3’ホスフェートを取
り除いた後、CIPを、タンパク分解性消化(例えば、プロナーゼTM(Boe
ringer Mannhiem、Indianapolis、IN)から入手
可能)または等価のプロテアーゼを製造者のプロトコルにしたがって用いて、不
活化し得る。次いで、ポリヌクレオチド−ビーズ混合物を洗浄し、T4ポリヌク
レオチドキナーゼおよびT4 DNAリガーゼ(New England Bi
olabs、Beverly、MA)の混合物で処理し、標的ポリヌクレオチド
とアダプターとの間のギャップに5’ホスフェートを付加し、そして標的ポリヌ
クレオチドへのアダプターのライゲーションを完全にする。次いで、ビーズ−ポ
リヌクレオチド混合物を、TEで洗浄する。
【0116】 これとは別に、標識されたタグ相補体の各々を、ポリヌクレオチド−ビーズ混
合物に、オリゴヌクレオチドタグとそれぞれのそれらの相補体との間にのみ完全
にマッチした二重鎖が形成され得るような条件下で添加する。その後、混合物を
ストリンジェント条件下で洗浄し、そして蛍光シグナルの存在または不在を測定
する。タグ相補体を、25nMのタグ相補体、50mMのNaCl、3mMのM
g、10mMのTris−HCl(pH8.5)、からなる溶液に20℃で添加
し、10分間インキュベートし、次いで同じ溶液(タグ相補体を除く)で、55
℃で10分間洗浄する。
【0117】 4つのヌクレオチドを上述のように同定した後、コードアダプターを、ポリヌ
クレオチドから製造者のプロトコルを用いてBbv Iを用いて切断する。最初
のライゲーションおよび同定の後、ライゲーション、同定および切断のサイクル
を標的ポリヌクレオチドの16末端ヌクレオチドの配列を得るために、3回反復
する。
【0118】 好ましくは、ハイブリダイズしたコードアダプターの分析を、i)ロードした
微粒子を、フローチャンバー内の平面のアレイに配置させる、ii)プロセス試
薬のフローチャンバーへのプログラムされた送達を可能にする、iii)粒子の
アレイからの光学的シグナルを同時に検出する機器で行なう。このような好まし
い機器を、図2に概略図で示し、そしてさらに詳しくは、Bridghamら、
国際特許出願PCT/US98/11224に開示される。手短に言えば、フロ
ーチャンバー(500)を、ガラスプレート(506)中の液体注入口(502
)および排出口(504)を有するキャビティを、標準的な微細加工技術(例え
ば、Ekstromら、国際特許出願PCT/SE91/00327;Brow
n、米国特許第4,911,782号;Harrisonら、Anal.Che
m.64:1926−1932(1992);など)を用いてエッチングするこ
とにより調製する。フローチャンバー(500)の次元は、ロードした微粒子(
508)(例えば、GMAビーズ)が、100,000〜200,000のビー
ズの密接にパッキングされた平面の単層でキャビティ(510)に配置し得るよ
うな次元である。キャビティ(510)は、エッチングされたガラスプレート(
506)(例えば、Pomerantz、米国特許第3,397,279号)上
のガラスカバースリップ(512)のアノード結合による注入口および排出口を
有する閉鎖したチャンバー内に作製する。試薬を、自動DNAおよびペプチド合
成機(例えば、Bridghamら、米国特許第4,668,479号;Hoo
dら、米国特許第4,252,769号;Barstowら、米国特許第5,2
03,368号;Hunkapillerら、米国特許第4,703,913号
;など)上で一般に用いられるマイクロプロセッサーにより制御されるバルブブ
ロック(522)を介してシリンジポンプ(514〜520)からフローチャン
バー中で計測される。
【0119】 ライゲーション、同定および切断の3サイクルを、フローチャンバー(500
)内で、約100,000フラグメントの各末端に12ヌクレオチドの配列を与
えるために行なう。フラグメントのヌクレオチドを、上述のコードアダプターに
タグ相補体をハイブリダイズすることにより同定する。特異的にハイブリダイズ
するタグ相補体を、レーザー、水銀アークランプなどであり得る光源(526)
からイルミネーションビーム(524)を用いてそれらの蛍光標識を励起させる
ことにより検出する。イルミネーションビーム(524)は、フィルター(52
8)を通過し、そしてフローチャンバー(500)内のコードアダプターに特異
的にハイブリダイズするタグ相補体上の蛍光標識を励起させる。得られる蛍光(
530)を、共焦点顕微鏡(532)により収集し、フィルター(534)を通
過させ、そしてCCDカメラ(536)に方向付ける。このカメラは、ワークス
テーション(538)による処理および解析のためのビーズアレイの電気的画像
を作製する。好ましくは、各ライゲーションおよび切断の工程の後、cDNAを
、プロナーゼTMまたは類似の酵素で処理する。約0.75単位/mLのコード
アダプターおよびT4DNAリガーゼ(Promega、Madison、WI
)を、16℃で約20〜30分間、毎分約1〜2μlの流速でフローチャンバー
内を通し、その後、3’ホスフェートを、アダプターから取り除き、そしてcD
NAを、15〜20分間、毎分1〜2μLの流速を用いて、37℃でフローチャ
ンバー内を、0.02単位/μLのアルカリホスファターゼ(New Engl
and Bioscience、Beverly、MA)および7単位/μLの
T4 DNAキナーゼ(New England Bioscience、Be
verly、MA)の混合物を通過させることにより、第2鎖のライゲーション
のために調製する。ライゲーションを、20〜30分間フローチャンバーを通過
させるT4 DNAリガーゼ(0.75単位/mL、Promega)により行
なう。25nMの濃度のタグ相補体を、10分間20℃で、毎分1〜2μLの流
速でフローチャンバーを通過させ、その後、タグ相補体により運搬される蛍光標
識を、イルミネートし、そして蛍光を収集する。タグ相補体を、55℃で10分
間、毎分1〜2μLの流速で、フローチャンバーにハイブリダイゼーション緩衝
液を通すことにより、コードアダプターから溶解する。コードアダプターを、3
7℃で20分間、毎分1〜2μLの流速で、1単位/μLのBbv I(New
England Biosciences、Beverly、MA)を通過さ
せることによりcDNAから切断する。
【0120】 (実施例4:フルオレセインおよびCY5を用いて標識されたDNAの異なる
比率でロードされる微粒子のFACS分析) この実施例において、異なる比率の別の仕方で標識されたcDNAの検出の感
度を、単一のクローンからなる、参照DNA集団の構築、次いで異なる蛍光染色
により標識された異なる比率の相補鎖を、参照DNA集団に競合的にハイブリダ
イズされることにより試験した。参照DNA集団は、「88.11」と命名され
たcDNAクローンからなった。これは、受託番号TIB 202のアメリカン
タイプカルチャーコレクション(Rockville、Maryland)から
入手可能な、ヒト単球細胞株THP−1の発現遺伝子の87塩基対フラグメント
である。88.11のヌクレオチド配列は、GenBank Expresse
d Sequence Tagライブラリーにおける多くの部分と高い相同性を
有する(例えば、gbAA830602(98%))。88.11cDNAのみ
からなる参照DNA集団を、全ての微粒子が付着された同一のタグ相補体を有す
るという微粒子の特別な集団が調製されることを除いて、実施例1に記載される
ように調製した。この対応するオリゴヌクレオチドタグを、88.11cDNA
に付着した。従って、タグおよびタグ相補体の単一特異的集団のみが、実験に関
与した。競合ハイブリダイゼーションの後、ロードした微粒子を、上記のCyt
omation、Inc.(Ft.Collins、CO)FACS機器で分析
した。
【0121】 88.11cDNAをまた、タグ336を含まないことを除いて実施例1と同
一のベクター(図3bの330)にクローニングした。10μgのベクターDN
Aを、Dpn IIのアイソジマーであるSau 3A(図3bの342)で完
全に切断することにより線状化し、その後精製された直線DNAの2つの1μg
のアリコートを得た。各1μgのアリコートから約20μgの標識された一本鎖
DNA生成物が、プライマー結合部位332に特異的なプライマーを用いる線状
増幅の反復サイクルにより生成された。1つのアリコートにおいて、生成物を、
ローダミンR110標識化dUTP(PE Applied Biosyste
ms、Foster City、CA)の取り込みにより標識化し;そしてもう
一方のアリコートにおいて、生成物をCY5標識化dUTP(Amersham
Corporation、Arlington Heights、IL)の取
り込みにより標識化した。標識された生成物の量を、2つの生成物の7つの5μ
g量を1:1、2:1、1:2、4:1、1:4、8:1および1:8の割合で
形成するために、組み合わせた。5μg量の標識された生成物を、別々に、65
℃で0.2%のSDSを有する50μlの4×SSC中で一晩、1.6×105 の粒子(88.11cDNAを結合させたGMAビーズ)にハイブリダイズさせ
、その後氷冷したTE/Tween緩衝液(上記で定義)での10mlまでの希
釈により反応を終了させた。ロードした微粒子を、遠心分離し、65℃で15分
間0.2%SDSを有する0.5mlの1×SSC中に懸濁することにより洗浄
し、遠心分離し、そして55℃で15分間0.2%SDSを有する0.5mlの
0.1×SSC中に懸濁して再度洗浄した。2回目の洗浄後、微粒子を、遠心分
離し、そしてFACS分析のために0.5mlのTE/Tween溶液中に再懸
濁した。
【0122】 その結果を、図5a〜5eに示す。ここで、各図の垂直方向の軸は、CY5蛍
光に対応し、そして水平方向の軸は、ローダミンR110蛍光に対応する。図5
aにおいて、相補的参照鎖にハイブリダイズした全てのR110標識化DNAま
たは全てのCY5標識化DNAのいずれかを有する微粒子の集団を組み合わせた
。550および552の等高線は、FACS機器の検出システムにより、明確に
識別され、そして両方の集団の微粒子は、容易に検出可能なシグナルを産生した
。図5bは、R110標識化鎖およびCY5標識化鎖が、同じ比率でハイブリダ
イズされる場合を示す。期待されるように、得られた等高線は、グラフの対角線
上に位置し、そして非調節遺伝子について予期される位置と対応する。図5c〜
図5eは、競合ハイブリダイゼーションの3対の分析を示す:i)R110標識
化鎖およびCY5標識化鎖が、2:1の濃度比および1:2の濃度比でハイブリ
ダイズされる、ii)R110標識化鎖およびCY5標識化鎖が、4:1の濃度
比および1:4の濃度比でハイブリダイズされる、ならびにiii)R110標
識化鎖およびCY5標識化鎖が、8:1の濃度比および1:8の濃度比でハイブ
リダイズされる。図5cのデータは、2の因子によりアップレギュレートされる
遺伝子またはダウンレギュレートされる遺伝子が、本実施態様において検出可能
であるが、有意な重複が、調節遺伝子および非調節遺伝子により生成されるシグ
ナル間に存在し得ることを示唆する。図5dおよび5eは、4またはそれ以上の
因子により、アップレギュレートされる遺伝子またはダウンレギュレートされる
遺伝子が、非調節遺伝子に関して容易 に検出可能であることを示唆する。
【0123】 (実施例5:刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞から示差的に発
現された遺伝子のFACS分析) 本実施例において、微小粒子に付着した参照DNA集団を、以下に示されるよ
うに刺激されたTHP−1細胞由来のcDNAから構築した。次いで、刺激され
たTHP−1細胞および非刺激THP−1細胞の両方に由来する等濃度の標識c
DNAを、実施例1に記載のように参照DNA集団と競合的にハイブリダイズし
、そして標識cDNAを運搬する微小粒子をFACS装置で分析した。THP−
1細胞をホルボール12−ミリステート13−酢酸(PMA)およびリポ多糖(
LPS)での処理により刺激した。
【0124】 THP−1細胞を、10%のウシ胎仔血清(FBS)(Gibco,No.2
6140−038)、100単位(unit)/mlのペニシリン、100μg
/mlのストレプトマイシン(Gibco,No.15140−122)、およ
び0.5μMのβメルカプトエタノール(Sigma,No.M3148)を補
った50mlのDMEM/F12培地(Gibco,No.11320−033
)を含むT−165フラスコ(Costar,No.3151)中で増殖した。
培養は、1×105細胞/mlを接種し、そして1×106の最大密度まで増殖し
た。培養の細胞集団の倍増時間は、約36時間であった。細胞を以下のようにP
MAで処理した:フラスコからの細胞(約5×107細胞)を1200rpmで 5分間、遠心分離(Beckman GS−6Rモデル)し、そしてDMSO(
Gibco No.21985−023)中の5μlの1.0mM PMA(S
igma,No.P−8139)を含む、または5μlのDMSO(非刺激の集
団の場合)を含む50mlの新鮮培養培地(抗生物質なし)中に再懸濁し、その
後この細胞を48時間培養した。48時間の培養の後、培地および非定着細胞を
実験フラスコから吸引し(すなわち、刺激された細胞を含んでいる)、そして新
鮮培地(抗生物質なし)を加えた(この新鮮培地は、リン酸緩衝化生理食塩水(
PBS)に10μlの5mg/ml LPS(Sigma,No.L−4130
)を含有している)。非刺激細胞の培養物を、4℃で1200rpm、5分間遠
心分離(Beckman GS−6Rモデル)して、ペレットを形成し、次いで
これを10μlのPBSを含む新鮮増殖培地の50mlに再懸濁した。刺激細胞
、および非刺激細胞の両方の培養物を4時間37℃でインキュベートし、その後
、細胞を以下のように回収した:培地を培養物から吸引し、そして定着した細胞
を温めたPBSで2回洗浄し、その後10mlのPBSを添加し、そして細胞を
セルスケーパーで取り出した。取り出した細胞を収集し、そしてその濃度を血球
計算器で決定し、その後それらを1200rpmで5分間、遠心分離(Beck
man GS−6Rモデル)して、ペレットを形成し、これを直ちにRNA抽出
のために用いた。
【0125】 mRNAを、mRNA単離のためのFastTrack2.0kit(No.
K1593−02、Invitrogen,Inc.San Diego,CA
)を用いて約5×106の細胞から抽出した。製造業者のプロトコールに有意な 変化なく従った。微小粒子に付着した参照DNA集団を、実施例1に記載のよう
に刺激細胞から抽出したmRNAから構築した。別のcDNAライブラリーを、
刺激細胞および非刺激細胞から抽出したmRNAから構築した。ライブラリーの
ために用いたベクターは、オリゴヌクレオチドタグを含まないことを除いては、
実施例1のベクターと同一であった(図3bの336)。実施例4のプロトコー
ルに従って、ローダミンR110標識された1本鎖DNAの約2.5μgを刺激
細胞由来のcDNAライブラリーから作製し、そしてCY5標識された一本鎖D
NAの約2.5μgを非刺激細胞由来のcDNAライブラリーから作製した。2
.5μgのアリコートの2つを混合し、そして9.34×105の微小粒子上の 参照DNAに対して競合的にハイブリダイズした。反応条件およびプロトコール
は実施例4に記載した。
【0126】 ハイブリダイゼーション後、この微小粒子を、上記のようにCytotnat
ion,Inc.のMoFlo FACS装置で選別した。図6は、2つの蛍光
性色素について異なる蛍光強度の値を有する微小粒子の周波数の従来のFACS
カウンタープロット600を含む。上方制御された遺伝子に対応する約10,0
00の微小粒子(図6のソートウインドウ602)を単離し、そして下方制御さ
れた遺伝子に対応する約12,000の微小粒子(図6のソートウインドウ60
4)を単離した。上記のように、標識した鎖をメルトオフ(melt off)
した後、微小粒子により運搬されるcDNAを市販のPCRクローニングキット
(Clontech Laboratories,Palo Alto,CA)
を用いて増幅し、製造業者の推薦するクローニングベクターにクローニングした
。形質転換、宿主培養の増殖、およびプレーティングをした後、上方制御された
cDNAの87のコロニーを選び出(pick)し、そして下方制御したcDN
Aの73のコロニーを選び出した。これらのコロニーから抽出したプラスミドに
より運搬されるcDNAをPE Applied Biosystemsの37
3モデル、自動DNAシーケンサーの従来のプロトコールを用いて配列決定した
。同定した配列を表1および2に列挙した。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】 (実施例6:刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞由来の示差的発
現遺伝子のFACS分析) (実験:Comp 11) 微小粒子に付着した参照DNA集団を刺激THP−1細胞由来のcDNAから
構築した。刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞由来のcDNAを、
以下のように競合的ハイブリダイゼーションのために調製した。THP−1非刺
激プローブライブラリー(U3A−TL)およびTHP−1刺激プローブライブ
ラリー(S3A−TL)のそれぞれ20μgを、直線PCR(linear P
CR)のためのベクターを調製するために50単位のSau3Aで消化した。こ
のDNAをフェノール/クロロホルム抽出により精製し、PCRにより蛍光標識
した。補正の目的ために、CY5およびR110の両方をそれぞれの条件を標識
するために用いた。
【0129】 U3A−TLのDNAをCY5で標識し、そしてS3A−TLのDNAをR1
10で標識した。簡略に言えば、反応混合物には以下を含む:80μlの10×
PCR緩衝液;16μlのビオチン化プライマー(B−プライマー、125pm
ole/:l);16μlのdNTPs(6.25mM);4μgのテンプレー
ト;16μlのKlentaq酵素;64μlのR110 dUTPまたは6.
4μlのCY5 dUTP;および総容量800μlにするための水。この混合
物を8つのアリコートに分配し、次いで、以下のプロトコールに従って34サイ
クルのPCRを実施した:1)94℃3分;2)94℃30秒;3)62℃30
秒;4)72℃1分;そして5)72℃10分。このPCR反応物を精製し、そ
して着色したヌクレオチドを沈殿することにより除去した。
【0130】 (参照集団) Comp11のビーズライブラリーは、THP−1刺激ライブラリー由来の百
万クローンの複雑性を有する2,667,369のビーズからなる。このビーズ
は、図3に概説で上記したように調製した。FITCシグナルのためのPMT2
平均の開始は、19.5であった。ビーズ上の二本鎖DNAを中度のボルテック
スで、15分間の室温(RT)での2.5mlの150mM NaOH洗浄で変
性した。変性化の効率を、2.2(すなわち、11.3%の残余の蛍光)である
残りのFITCシグナル平均を測定することにより決定した。このビーズを0.
5mlの4×SCC 0.1%SDS中で2回洗浄した。
【0131】 (競合的ハイブリダイゼーション) 100,000のビーズをCY5で標識した刺激プローブライブラリー(S3
A−TL)、およびR110で標識した同じライブラリーのそれぞれの直線PC
R産物の10μgでハイブリダイズした。936,542のビーズをCY5刺激
プローブの10μgおよびR110非刺激プローブの10μgでハイブリダイズ
した。このビーズを、4×SSC/0.1%SDSの最終緩衝液組成物の50μ
l中に集めた。このサンプルを3分間80℃に熱し、プローブを添加し、そして
温度を65℃に変更した。ハイブリダイゼーションは、ボルテックスしながら1
6時間持続した。このビーズを10mlのTE Tweenに氷急冷した。回収
したサンプルを1×SSC/0.1%SDSで2回リンスし、0.5mlの1×
SSC/0.1%SDSに再懸濁し、そして15分間、65℃で洗浄した。この
ビーズを0.1×SSC/0.1%SDS中でリンスし、そして15分間、0.
1×SSC/0.1%SDS中で55℃で洗浄した。このサンプルをTE Tw
eenでリンスし、そして両方のサンプルの10,000事象をBD Facs
Caliberで分析した。10,163ビーズ(1.15%)(1:1の対角
線から外れた最も鮮明なCY5)を選別した。11,977ビーズ(1.35%
)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なR110)を選別した。このビーズを
PCR反応物にプールし、TAクローン化し、そしてTA配列決定した。同定さ
れた配列を表3および4に列挙する。
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】 (実施例7:刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞由来の示差的発
現遺伝子のFACS分析) (実験:Comp 14) 別の実験において、参照DNA集団調整物および競合的ハイブリダイゼーショ
ンを実施例6に記載のように行った。9150ビーズ(0.89%)(1:1の
対角線から外れた最も鮮明なCY5)を選別した。11085ビーズ(1.15
%)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なR110)を選別した。同定された
配列を表5および6に列挙する。
【0134】
【表5】
【0135】
【表6】 (実施例8:刺激されたTHP−1細胞または刺激されないTHP−1細胞よ
り示差的に発現された遺伝子のFACS分析) (実験:Comp15) 別々の実験において、刺激されたTHP−1細胞および刺激されないTHP−
1細胞由来のcDNAを、実施例6に記載のように、競合的ハイブリダイゼーシ
ョンのために調製した。THP−1刺激されたライブラリーおよびTHP−1刺
激されないライブラリー(それぞれ50%)由来の100万クローンの複雑性を
有する、2,570,000ビーズからなるComp15ビーズライブラリーを
除いて、実施例6に記載のように、参照DNA集団を調製した。13,988ビ
ーズ(0.87%)(1:1対角線から離れた最も明るいCY5)を選別した。
17,393ビーズ(1.08%)(1:1対角線から離れた最も明るいR11
0)を選別した。同定された配列を表7および8に列挙する。
【0136】
【表7】
【0137】
【表8】 (実施例9:刺激されたTHP−1細胞由来の希遺伝子の単離) (実験:Cot3) この実施例において、低い相対強度のビーズを収集することによって、希遺伝
子(rare gene)を、刺激されたTHP−1細胞から単離する。ビーズ
ライブラリーおよびプローブライブラリーを、ホルボールエステルで処理したT
HP−1培養細胞から調製されるmRNAから構築した。6つのビーズライブラ
リー(160K複雑性)をBP11組み合せタグ化ビーズに2回ロードした。計
1,260,000ビーズを選別した。このビーズを充填し、連結した。ビーズ
鎖の先端鎖を、室温で15分間穏かにボルテックスしながら、2.5mlの15
0mM NaOHで洗浄して除去した。このビーズを、0.5mlの4×SSC
/0.1%SDS中で2回洗浄した。100,000ビーズを、50ngのCY
5標識化プローブ(刺激されたTHP−1細胞由来)を用いて、4×SSC/0
.1%SDS中、65℃で、一晩ハイブリダイズした。回収したサンプルを、1
×SSC/0.1%SDSで2回すすぎ、0.5mlの1×SSC/0.1%S
DS中に再懸濁し、そして65℃で15分間洗浄した。次いで、このビーズを0
.1×SSC/0.1%SDSですすぎ、そして0.1×SSC/0.1%SD
S中55℃で15分間洗浄した。98,880クローンを分析し、そしてフロー
サイトメトリによって選別した。サンプルCT003Eは、ほとんどどのCY5
プローブにもハイブリダイズしない126クローンを含んだ。サンプルCT00
3Fは、対角線へ移動するのに十分なプローブを見出さなかった1557クロー
ンを含んだ。これらのビーズは、本発明者らのプローブライブラリーにおいて、
最も少ない頻度のコピーを含んだ。各ゲートからの50クローン(図7を参照の
こと)を配列分析のために選抜した。この同定された配列を表9に列挙する。
【0138】
【表9】 (実施例10:ヒト骨髄由来の希遺伝子の単離) ビーズライブラリーおよびプローブライブラリーを市販の骨髄由来mRNAか
ら構築した。BP 12組み合せタグ化ビーズに、6つのビーズライブラリー(
160K複雑性)を2回ロードした。それらは、混合物216、217、218
および219を形成した。計3,150,000ビーズを選別した。このビーズ
を充填しそして連結した。混合物217の先端鎖をNaOHで除去した。CY5
ヌクレオチドを用いてCT1骨髄プローブを直線状に増幅し、次いで精製した。
200,000ビーズを、5ngおよび50ngのプローブを用いて65℃で一
晩、ハイブリダイズした。5nGハイブリダイゼーションから生じた180,0
00クローンを問い合わせて、そして選別した。サンプルCT001は、ほとん
どどのCY5プローブもハイブリダイズしない996クローンを含んだ。CT0
02サンプルは、対角線に移動するのに十分なプローブを見出さなかった199
8クローンを含んだ。これらのビーズは。本発明者らのプローブライブラリーに
おいて最も少ない頻度のコピーを含んだ。各ゲート由来の200クローン(図8
を参照のこと)を配列分析のために選抜した。
【0139】 (実施例11:正常なヒト筋肉組識およびグルコース欠乏ヒト筋肉組識由来の
示差的に発現された遺伝子のFACS分析) 2つの状態における筋肉組識から調製したmRNAより、ビーズライブラリー
およびプローブライブラリーを構築した:グルコース正常(基本)およびグルコ
ース欠乏(クランプ)。グルコース正常状態由来の6つのビーズライブラリー(
160K複雑性)を、BP 12組み合わせタグ化ビーズにロードし、混合物2
37を形成した。計810,000のビーズを選別した。このビーズを充填し、
そして連結した。このビーズを、DpnII酵素を用いて消化し、そして共有結
合的に付着させたDNA鎖に対して逆の鎖上で、FITCと共にアダプターと連
結させた。混合物217の先端鎖をNaOHで除去した。CT1グルコース正常
プローブ(13,510,000複雑性)を、CY5ヌクレオチドを用いて線状
に増幅し、次いで精製した。CT2グルコース星型プローブ(starred
probe)(7,132,000複雑性)をR110ヌクレオチドを用いて線
状に増幅し、次いで精製した。250,000ビーズを5ugの各プローブを用
いて65℃で一晩、ハイブリダイズした。230,000クローンを問い合わせ
、そして選別した。サンプルUP001は、アップレギュレートされる968ク
ローンを含んだ。サンプルDN001は、ダウンレギュレートされる1652ク
ローンを含んだ。各ゲートからの1000クローン(図9を参照のこと)を、配
列分析のために選抜した。同定された配列を表10および11に列挙する。
【0140】
【表10】
【0141】
【表11】 本明細書中に言及される全ての刊行物および特許明細書は、各個々の刊行物ま
たは特許明細書が、特定のおよび個々に参考として援用されるように示されるの
と同じ程度まで、本明細書中において参考として援用される。
【0142】 本発明は、今や十分に記載されている。多くの変更および改変が、添付の特許
請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者に
は明らかである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aおよび図1Bは、2つの異なる蛍光色素でラベルされた競合的にハイブ
リダイズされるDNA鎖をロードされた微小粒子のFACS分析を示す。
【図2】 図2は、配列決定のための制限フラグメントでロードされた微小粒子の平面ア
レイを観察するための、フローチャンバーおよび検出装置の略図である。
【図3A】 図3Aは、単離されたメッセンジャーRNA(mRNA)のcDNAへの転換
、およびそのcDNAのタグ含有ベクター内への挿入のための好ましい模式図を
示す。
【図3B】 図3Bは、ベクターからのタグcDNA結合体の増幅、およびその増幅された
結合体の微小粒子状へのロードのための好ましい模式図を示す。
【図3C】 図3Cは、クローニングおよび配列決定のための分類されたcDNAを単離す
るための好ましい模式図を示す。
【図4A】 図4Aは、FACS分類により単離された差示的に発現されるcDNAのクロ
ーニングのための、代替的手順を示す。
【図4B】 図4Bは、FACS分類により単離された差示的に発現されるcDNAのクロ
ーニングのための、代替的手順を示す。
【図5】 図5A〜Eは、所定の比の2つの差示的に標識されたcDNAを保持する微小
粒子のフロー分析のデータを示す。
【図6】 図6は、刺激されたTHP−1細胞および刺激されないTHP−1細胞由来の
差示的に標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図7】 図7は、刺激されたTHP−1細胞中の低い存在度のmRNAに由来する、標
識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図8】 図8は、ヒト骨髄中の低い存在度のmRNAに由来する、標識されたcDNA
を保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図9】 図9は、グルコース正常筋肉組織およびグルコース飢餓筋肉組織に由来する、
差示的に標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図10A】 図10Aは、微小粒子上の参照核酸集団の構築のための、本発明の実施態様を
示す。
【図10B】 図10Bは、図10Aの参照ライブラリーを使用して、2つの細胞集団の遺伝
子発現を比較するための実施態様を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月5日(2000.2.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】 種々の技術は、広範に異なる遺伝子発現を分析するために利用可能であり、こ
れらの技術は、簡便さ、費用、および感度において広範に異なる。一般的に使用
される低分解能技術は、差次的な表示、指数化、サブトラクションハイブリダイ
ゼーション、および多数のDNAフィンガープリント技術(例えば、Vosら、
Nucleic Acids Research、23:4407〜4414(
1995);Hubankら、Nucleic Acids Research
、22:5640〜5648(1994);Lingoら、Science、2
57:967〜971(1992);Erlanderら、国際特許公開 WO
95/13369;McClellandら、米国特許第5,437,975号;
Unrauら、Gene、145:163〜169(1994)など)を含む。
高分解能技術は、発現された配列タグ(EST)の分析(例えば、Adamsら
、(上記に言及される);Analysis of concatenated
fragments of expressed sequences (S
AGE)、例えば、Velculescuら、Science、270:484
〜486(1995);Zhangら、Science、276:1268〜1
272(1997);Velculescuら、Cell、88:243〜25
1(1997));および発現された遺伝子から相補的なポリヌクレオチドを捕
獲するためのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの微小アレイ(mic
roarray)の使用(例えば、Schenaら、Science、270:
467〜469(1995);DeRisiら、Science、278:68
0〜686(1997);Cheeら、Science、274:610〜61
4(1996)など)を含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】 好ましくは、RNA由来のcDNAまたは他のDNA分子のクローン亜集団は
、図3aおよび図3bに例示されるプロセスを使用して微粒子に付着される。初
めに、図3aに例示されるように、mRNA(300)は、目的の細胞または組
織供給源から従来の技法を用いて抽出され、そしてベクター(316)中への挿
入に適切な末端を有するcDNA(309)へ変換される。好ましくは、5’ビ
オチン(305)およびポリ(dT)領域(306)を有するプライマー(30
2)は、cDNA(309)の第一鎖が、4つのデオキシリボヌクレオシドトリ
ホスフェートの存在下において、逆転写酵素で合成されるために、mRNA鎖(
300)とアニーリングされる。好ましくは、5−メチルデオキシシチジントリ
ホスフェートは、cDNA(309)がプライマー(302)に対応する領域を
除いて、半メチル化されるために、第一鎖合成におけるデオキシシトシントリホ
スフェートの代わりに用いられる。これは、プライマー(302)が支持体から
cDNAを解離するために非メチル化制限部位を含むことを可能にする。プライ
マー(302)におけるビオチンの使用は、本発明に重大ではなく、そして他の
分子捕捉技法、または部分(例えば、三重鎖捕捉など)が用いられ得る。プライ
マー(302)の領域(303)は、好ましくは、cDNA(309)の第二鎖
の合成で制限部位r2(304)の形成を生じるヌクレオチドの配列を含む。ス トレプトアビジン支持体(例えば、DYNABEADS M−280(Dyna
l,Oslo,Norway)など)にビオチン化cDNAを結合することによ
って単離した後、cDNA(309)は、好ましくは、(Cの)半メチル化には
非感受性で、そして部位r1(307)を認識する制限エンドヌクレアーゼで切 断される。好ましくは、r1は、実質的に全てのcDNAが切断されること、お よび同一の規定された末端が全てのcDNAにおいて生成されることを保証する
4塩基認識部位(例えば、DpnIIなどのような酵素に相当する)である。洗
浄後、次いで、このcDNAは、r2を認識する制限エンドヌクレア−ゼを用い て切断され、例えば、エタノール沈殿、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの
標準的な技法を用いて精製されるフラグメント(308)を放出する。適切な緩
衝液中に再懸濁後、フラグメント(308)は、タグ(310)ならびに末端(
312)および末端(314)を有するクローニング部位を保有するベクター(
316)中へ定方向的にライゲーションされる。好ましくは、ベクター(316
)は、クローニング部位において「スタッファー(sutaffer)」フラグ
メントを用いて調製され、クローニングのために完全に切断されたベクターの単
離を援助する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】 オリゴヌクレオチドタグは、本発明の特定の実施態様における2つの異なる目
的のために使用される:オリゴヌクレオチドタグは、Brenner、米国特許
第5,604,097号;および国際特許公開WO96/41011に記載され
たような固相クローニングを実施するために使用される、ここで多数(例えば、
数千から数十万)のポリヌクレオチドは、分析のために混合物から1つ以上の固
相支持体上の同一のポリヌクレオチドのクローン亜集団へ分類され、そしてそれ
らは、例えば、Albrechtら、国際特許公開WO97/46704に開示
されるような、数十から数千の数の範囲に達するアダプターをコードするような
ポリヌクレオチドを同定するための標識を送達する(または許容する)ために使
用される。前者の使用に関して、代表的には、多数、またはレパートリーのタグ
が必要とされ、そのために個々のオリゴヌクレオチドタグの合成は困難である。
これらの実施態様において、このタグの組み合わせの合成が好ましい。他方、例
えば、2から数十の範囲における複数の種類または亜集団の(例えば、アダプタ
ーをコードした)ポリヌクレオチドに対する標識を送達するために極端に多くの
レパートリーのタグが、必要とされない場合、最小クロスハイブリダイズ形成セ
ットのオリゴヌクレオチドタグは、個別に合成、および組み合わせで合成され得
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】 数百から数千(またはさらに数万)のオリゴヌクレオチドを含むセットは、例
えば、Frankら米国特許第4,689,405号;Frankら、Nucl
eic Acids Research,11:4365−4377(1983
);Matsonら、Anal.Biochem.,224:110−116(
1995);Fodorら、国際特許公開WO93/22684;Peaseら
、Proc.Natl.Acad.Sci.,91:5022−5026(19
94);Southernら、J.Biotechnology,35:217
−227(1994)、Brennan、国際特許公開WO94/27719;
Lashkariら、Proc.Natl.Acad.Sci.,92:791
2−7915(1995);などに開示されるような種々の並行合成のアプロー
チによって直接合成され得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】 (大規模並行サイン配列決定(massively parallel si
gnature sequencing(MPSS))によって識別された遺伝
子の同定) 発現された遺伝子は、MPSSによって並列して同定され得る。MPSSは、
以下の2つの技術の組み合わせである:並列処理のためにDNAフラグメントを
タグ化し、そして識別するための技術(例えば、Brennerら、国際公開第
WO96/41011号)、およびDNAフラグメント末端を段階的に配列決定
するための別の技術(例えば、Brenner、米国特許第5,599,675
号およびAlbrechtら、国際特許公開第WO97/46704号)。標的
ポリヌクレオチドの第1の制限エンドヌクレアーゼでの初期消化の後、制限フラ
グメントを、以下およびBrennerら、国際公開第WO96/41011号
に記載されるようにオリゴヌクレオチドタグに連結し、その結果、得られたタグ
フラグメント結合体をサンプリングし、増幅し、そしてオリゴヌクレオチドタグ
の、それらのタグ相補体との特異的なハイブリダイゼーションによって分離固相
支持体上で識別し得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】 一旦、DNAフラグメントの増幅サンプルが、固相支持体上で識別され、実質
的に同一なフラグメントの均一集団を形成すると、フラグメントの末端は、好ま
しくは、アダプターに基づいた方法(連結、同定、および切断の反復サイクルを
含むDNA配列決定(例えば、Brenner,米国特許第5,599,675
号に記載される方法))を用いて配列決定される。さらに好ましくは、配列決定
方法に使用されるアダプターの各々は、Albrechtら、国際特許公開第W
O97/46704に教示されるように、突出鎖(protruding st
rand)、およびオリゴヌクレオチドの最小の交差ハイブリダイズするセット
から選択されたオリゴヌクレオチドタグを有する。このようなアダプターは、本
明細書中で「コード化アダプター(encoded adaptor)」と呼ば
れる。コード化アダプターの突出鎖がフラグメントの相補的突出鎖と完全に一致
した二重鎖を形成するコード化アダプターが、リガンドである。連結後、突出鎖
のヌクレオチドの同一性および順序が決定されるか、あるいは標識化されたタグ
相補体または連結されたアダプター上の対応タグに対する「デコーダー(de−
coder)」と特異的にハイブリダイズすることによって「解読」される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正内容】
【0078】 (従来の配列決定による識別された遺伝子の同定) 微粒子によって保有される遺伝子産物は、従来のDNA配列決定プロトコルを
使用して識別後(例えば、FACSによって)、同定され得る。このような配列
決定のための適切なテンプレートは、差示的に発現された遺伝子産物を保有する
識別された微粒子から開始するいくつかの異なる方法において生成され得る。例
えば、単離された微粒子に付着された参照DNAは、サイクル配列決定(cyc
le sequencing)によって標識された伸長産物を生成するために使
用され得る(例えば、Brenner、国際公開第WO96/12039号によ
って教示されるように)。この実施態様において、プライマー結合部位(400
)は、(図4aに示されるように)参照DNA(402)中にタグ相補体(40
6)に対して遠位に操作される。例えば、別のマイクロターターウェルなどに分
類することによって微粒子を単離した後、差示発現された鎖を溶解する。プライ
マー(404)を加え、そして標識された伸長産物を形成するように、従来のサ
ンガー配列決定反応を実行する。次いで、これらの産物は、配列決定にために、
電気泳動などの技術よって分離される。同様の実施態様において、配列決定のテ
ンプレートは、個々の微粒子を識別することなく産生され得る。プライマー結合
部位(400)および(420)は、プライマー(404)および(422)を
使用するPCRによってテンプレートを生成するために使用され得る。次いで、
このテンプレートを含む、得られた単位複製配列は、従来の配列決定ベクター(
例えば、M13)中にクローン化される。形質移入の後、宿主をプレートし、そ
して配列決定のために個々のクローンを選択する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】 約5μgのmRNAのペレットを、10μlの5×SUPERSCRIPT緩
衝液(250mM Tris−HCl(pH8.3)、375mM KCl、お
よび15mM MgCl2)(GIBCO/BRL)(または同様の逆転写酵素 緩衝液)、5μlの0.1Mジチオスレイトール(DTT)、2.5μlの3d
NTP/メチル−dCTP混合物(10μMの各dATP、dGTP、dTTP
、および5−メチル−dCTP、例えば、Pharmacia Biotech
から入手可能)、1μl RNasin、12μlの以下に示される0.25μ
g/μlの逆転写酵素プライマー、および14.5μlのH2Oからなる、45 μl(最終容量)の第1鎖プレミックス(pre−mix)中に再懸濁する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】
【化2】 転写プライマー(配列番号2) 室温下で15分間のインキュベートした後、5mlの200U/μl SUP
ERSCRIPTを添加し、そしてこの混合液を42℃で1時間インキュベート
した。1時間のインキュベートの後、上記の混合液(総量約50μl)を、氷上 で、80μlの5×第2鎖緩衝液(94mM Tris−Cl(pH6.9)、
453mM KCl、23mM MgCl2、および50mM (NH42SO4 )からなる、第2鎖プレミックス(容量336μl)に添加し、約386μlの
総反応容量を得る。別に、4μlの0.8U/μl RNase H(3.2ユ
ニット)および10μlの10unit/μl E.coli DNAポリメラ
ーゼI(100ユニット)を組み合わせ、そしてこの組み合わせた酵素混合液を
、上記の第2鎖反応混合液に添加する。その後、総反応容量を5秒間、微量遠心
し、次いで16℃で1時間および室温で1時間インキュベートし、以下の二重鎖
cDNA(配列番号3)を得る:
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正内容】
【0085】
【化4】 従来のクローニングベクター(例えば、BLUESCRIPT II、pBCな
ど(Stratagene Cloning System、La Jolla
、CA))を操作し、以下のエレメントの配列(配列番号5)を有する(これら
は式1で示される配列である)。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】 タグ−cDNA結合体のハイブリダイゼーションの前に、このタグ相補体の5
’末端を、好ましくは、ポリヌクレオチドキナーゼ処置によってリン酸化する。
手短には、100μlのH2O中に懸濁された2.5×108のビーズを、100
μlの10×NEB緩衝液、番号2(New England Biolabs
,Beverly,MA)、10μlの100mM ATP、1μlの10%
TWEEN 20、17μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/
μl)、および722μlのH2Oと組み合わせ、最終容量を1000μlにす る。ボルテックスしながら、2時間、37℃でインキュベートした後、ボルテッ
クスを続けたまま、20分間温度を65℃に上昇し、キナーゼを不活性化する。
インキュベートの後、ビーズを遠心沈降およびそれらを0.01% TWEEN
20を含む1mlのTE(Sambrookら、Molecular Clo
ning、第2版、Cold Spring Harbor Laborato
ry)中に再懸濁することによって、2回洗浄する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】 タグ−cDNA結合体のタグ相補体へのハイブリダイゼーションのために、上
記のように調製したタグ−cDNA結合体を、50μlのH2O中に懸濁し、得 られた混合液を40μlの2.5×ハイブリダイゼーション緩衝液と組み合わせ
る。その後、この組み合わせた混合液を、従来のプロトコルを使用してSPIN
−Xスピンカラム(0.22μm)を通して濾過し、タグ−cDNA結合体を含
む濾液を得る(1.25mlの0.1M NaPO4(pH7.2)、1.25 mlの5M NaCl、0.25mlの0.5%TWEEN 20、1.50m
lの25%硫酸デキストラン、および0.75mlのH2Oからなる5mlの2 .5×ハイブリダイゼーション緩衝液)。10μlのTE/TWEEN緩衝液(
0.01%TWEEN 20を含むTE)中の約1.8×107のビーズを遠心 分離し、その結果、ビーズをペレット化し、そしてTE/TWEENを除去する
。このビーズに、25μlの1×ハイブリダイゼーション緩衝液(10mMのN
aPO4(pH7.2)、500mMのNaCl、0.01%TWEEN 20 、3%硫酸デキストラン)を加え、この混合液をボルテックスし、ビーズを十分
に再懸濁する。その後、この混合液を遠心分離し、その結果、ビーズをペレット
化し、そして上清を除去する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】 上記の濾液中のタグ−cDNA結合体を75℃で3分間インキュベートし、ビ
ーズと組み合わせる。その後、この混合液をボルテックスし、このビーズを十分
に再懸濁する。得られた混合液を、約3日間(60時間)ボルテックスしながら
75℃でさらにインキュベートする。ハイブリダイゼーションの後、この混合液
を2分間遠心分離し、そして上清を除去する。その後、このビーズを、500μ
lのTE/TWEENで2回洗浄し、そして0.01%TWEEN 20を含む
、500μlの1×NEB緩衝液、番号2中に再懸濁する。このビーズをこの溶
液中で64℃、30分間インキュベートする。その後、この混合液を遠心分離し
、その結果、ビーズをペレット化し、そして上清を除去し、そしてこのビーズを
500μlのTE/TWEENに再懸濁する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】 ロードされたビーズを、高速セルソーター、好ましくは、488nmで作動す
るアルゴンイオンレーザーを装備するMoFloフローサイトメーター(Cyt
omation,Inc.,Ft.Collin,CO)、または同様の装置を
使用して、ロードされていないビーズから識別する。識別の後、このロードされ
たビーズを、以下の反応成分と合わせることによってフィルイン(fill−i
n)反応に供する:10μlの10×NEB緩衝液、番号2、0.4μlの25
mM dNTP、1μlの1%TWEEN 20、2μlのT4 DNAポリメ
ラーゼ(10ユニット/ml)、および86.6μlのH2O、最終反応容量1 00μl。ボルテックスしながら12℃で30分間インキュベートした後、この
反応混合液を遠心分離し、その結果ビーズをペレット化し、そして上清を除去す
る。ペレット化されたビーズを、15μlの10×NEB緩衝液、番号2、1.
5μlの1%TWEEN 20、1.5μlの100mM ATP、1μlのT
4 DNAリガーゼ(400ユニット/1ml)、および131μlのH2Oか らなる連結緩衝液中に再懸濁し、最終反応容量150μlを得る。この連結反応
混合液をボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートする。その後、ビ
ーズをペレット化し、そして1mM CaCl2を含む1×リン酸緩衝化生理食 塩水(PBS)で1回洗浄する。ビーズを45μlのPBS(1mMのCaCl 2 を含む)中に再懸濁し、6μlのプロナーゼ溶液(10mg/ml、Boeh ringer Mannheim、Indianapolis、IN)と組み合
わせる。その後、この混合液を攪拌しながら37℃で1時間インキュベートする
。遠心分離後、ロードしたビーズをTE/TWEENで2回洗浄し、次いで1×
NEB Dpn II緩衝液(New England Biolabs、Be
rverly、MA)で1回洗浄する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】 ビーズにロードされたタグ−cDNA結合体をDpn IIで切断し、3’−
標識を保有する相補的なアダプターを連結する4つの核酸突出鎖を産生する。従
って、ロードされたビーズを、以下の成分からなる反応混合液に添加し、最終反
応容量100μlを得る:10μlの10×NEB Dpn II緩衝液、1μ
lの1%TWEEN、4μlのDpn II(50ユニット/ml)、および8
5μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら37℃で一晩インキュベー トし、その後、このビーズをペレット化し、上清を除去し、そしてこのビーズを
1×NEB緩衝液、番号3で1回洗浄する。自己連結を防ぐために、タグ−cD
NA結合体の突出鎖を、ホスファターゼ(例えば、子ウシ腸ホスファターゼ(C
IP))で処理し、5’リン酸を除去する。従って、ロードされたビーズは、以
下の成分から成る反応混合液に添加し、最終反応容量100μlを得る:10μ
lの10×NEB緩衝液、番号3、1μlの1%TWEEN 20、5μlのC
IP(10ユニット/μl)、および84μlのH2O。得られた混合液をボル テックスしながら37℃で1時間インキュベートし、その後、このビーズをペレ
ット化し、1mM CaCl2を含むPBSで1回洗浄し、上記に記載したよう にプロナーゼで処理し、TE/TWEENで2回洗浄し、そして1×NEB緩衝
液、番号2で1回洗浄する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正内容】
【0099】
【化7】 ここで、「p」は5’リン酸基であり、そして「FAM]は、市販されている3
’リンカー基(Clontech Laboratories)の近傍の上位鎖
(top strand)の最後のヌクレオチドの3’炭素に付着したフルオレ
ッセン色素である。この連結を以下の反応混合液中で実行し、最終反応容量50
μlを得る:5μlの10×NEB緩衝液、番号2、0.5μlの1%TWEE
N 20、0.5μlの100mM ATP、5mlの3’−標識アダプター(
100pmol/μl)、2.5μlのT4 DNAリガーゼ(400ユニット
/μl)、および36.5μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら1 6℃で一晩インキュベートし、その後、このビーズを1mM CaCl2を含む PBSで1回洗浄し、そして上記に記載したようにプロナーゼで処理する。この
初期連結の後、アダプターとタグ−cDNA結合体との間に残存するニックを、
以下に記載のように、キナーゼおよびリガーゼの両方で同時処置することによっ
て塞ぐ。ロードされたビーズを以下の成分から成る反応溶液中に再懸濁する:最
終反応容量の150μlに対して、15μlの10×NEB緩衝液、番号2、1
.5μlの1%TWEEN 20、1.5μlの100mM ATP、2μlの
T4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/μl)、1μlのT4 DNA
リガーゼ(400ユニット/μl)、および129μlのH2O。この混合液を ボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートし、その後、このビーズを
、上記に記載したようにしてプロナーゼで処理された1mM CaCl2を含む PBSで1回洗浄し、そしてTE/TWEENで2回洗浄する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】
【化8】 ここで、「FAM」は、アミノ結合(例えば、アミノリンカーII(Perki
n−Elmer、Applied Biosystem Division、F
oster City、CA))を介した逆方向プライマーの5’末端に結合し
たフルオレセイン(Clontech Laboratories、Palo
Alto、CA)のNHSエステルである。逆方向プライマーを、Not I部
位が、二本鎖産物中に再構成されるように選択する。PCR増幅の後、タグ−c
DNA結合体を、アビジン結合(avidinate)されたビーズ(例えば、
M−280 DYNABEADS(Dynal、Oslo、Norway))上
に単離する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正内容】
【0109】 蛍光ヌクレオシド三リン酸Cy3−dUTPまたはCY5−dUTP(Ame
rsham)を、別々の反応でpoly(dT)16プライマーを用いて、実施例
1に記載したように得た、1μgのpoly(A)+RNAでの逆転写中にcD NA中に組み込む。プライマーおよびRNAを70℃まで10分間加熱した後、
反応混合物を、氷上に移し、そして200U SUPERSCRIPTII(G
ibco)、緩衝液、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、および蛍光ヌクレオ
シド三リン酸からなる予め混合した溶液を、以下の濃度で添加する:500μM
のdATP、dCTP、およびdGTP;200μMのdTTP;および各々1
00mMのCy3−dUTPまたはCY5−dUTP。42℃で2時間インキュ
ベーションした後、組み込まれなかった蛍光ヌクレオチドを、470μlの10
mM tris−HCl(pH 8.0)/1 mM EDTAでの反応混合物
の1度目の希釈、引き続いてCENTRICON−30コンセントレーター(A
micon)を用いる約5μlまでの濃縮により取り除く。両方の反応物から精
製した標識cDNAを組み合わせ、そして10μgのpoly(dA)および0
.3μlの10%SDSを含む11μlの3.5×SSC中に再懸濁する。ハイ
ブリダイゼーションに先立って、溶液を2分間沸騰させ、そして室温まで冷却し
、その後、溶液をGMAビーズに添加し、そして62℃で、約8〜12時間イン
キュベートする。2×SSCおよび0.2%SDSで2回洗浄後、GMAビーズ
を、NEB−2緩衝液(New England Biolabs、Bever
ly、MA)中に再懸濁し、そして分析およびソーティングするためにCoul
ter EPICS Elite ESP フローサイトメーター中にロードす
る。二次元蛍光強度等高プロットにおいて、GMAビーズは、図1aに示すよう
なパターンを生じる。ソーティングパラメーターを、対角線にのっていない領域
(112)のGMAビーズを識別するように、図1bに示すように設定し、そし
てMPSS分析のために収集する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正内容】
【0118】 好ましくは、ハイブリダイズしたコードアダプターの分析を、i)ロードした
微粒子を、フローチャンバー内の平面のアレイに配置させる、ii)プロセス試
薬のフローチャンバーへのプログラムされた送達を可能にする、iii)粒子の
アレイからの光学的シグナルを同時に検出する機器で行なう。このような好まし
い機器を、図2に概略図で示し、そしてさらに詳しくは、Bridghamら、
国際特許公開WO98/53300に開示される。手短に言えば、フローチャン
バー(500)を、ガラスプレート(506)中の液体注入口(502)および
排出口(504)を有するキャビティを、標準的な微細加工技術(例えば、Ek
stromら、国際特許公開WO91/16966;Brown、米国特許第4
,911,782号;Harrisonら、Anal.Chem.64:192
6−1932(1992);など)を用いてエッチングすることにより調製する
。フローチャンバー(500)の次元は、ロードした微粒子(508)(例えば
、GMAビーズ)が、100,000〜200,000のビーズの密接にパッキ
ングされた平面の単層でキャビティ(510)に配置し得るような次元である。
キャビティ(510)は、エッチングされたガラスプレート(506)(例えば
、Pomerantz、米国特許第3,397,279号)上のガラスカバース
リップ(512)のアノード結合による注入口および排出口を有する閉鎖したチ
ャンバー内に作製する。試薬を、自動DNAおよびペプチド合成機(例えば、B
ridghamら、米国特許第4,668,479号;Hoodら、米国特許第
4,252,769号;Barstowら、米国特許第5,203,368号;
Hunkapillerら、米国特許第4,703,913号;など)上で一般
に用いられるマイクロプロセッサーにより制御されるバルブブロック(522)
を介してシリンジポンプ(514〜520)からフローチャンバー中で計測され
る。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正内容】
【0121】 88.11cDNAをまた、タグ336を含まないことを除いて実施例1と同
一のベクター(図3bの330)にクローニングした。10μgのベクターDN
Aを、Dpn IIのアイソジマーであるSau 3A(図3bの342)で完
全に切断することにより線状化し、その後精製された直線DNAの2つの1μg
のアリコートを得た。各1μgのアリコートから約20μgの標識された一本鎖
DNA生成物が、プライマー結合部位332に特異的なプライマーを用いる線状
増幅の反復サイクルにより生成された。1つのアリコートにおいて、生成物を、
ローダミンR110標識化dUTP(PE Applied Biosyste
ms、Foster City、CA)の取り込みにより標識化し;そしてもう
一方のアリコートにおいて、生成物をCY5標識化dUTP(Amersham
Corporation、Arlington Heights、IL)の取
り込みにより標識化した。標識された生成物の量を、2つの生成物の7つの5μ
g量を1:1、2:1、1:2、4:1、1:4、8:1および1:8の割合で
形成するために、組み合わせた。5μg量の標識された生成物を、別々に、65
℃で0.2%のSDSを有する50μlの4×SSC中で一晩、1.6×105 の粒子(88.11cDNAを結合させたGMAビーズ)にハイブリダイズさせ
、その後氷冷したTE/TWEEN緩衝液(上記で定義)での10mlまでの希
釈により反応を終了させた。ロードした微粒子を、遠心分離し、65℃で15分
間0.2%SDSを有する0.5mlの1×SSC中に懸濁することにより洗浄
し、遠心分離し、そして55℃で15分間0.2%SDSを有する0.5mlの
0.1×SSC中に懸濁して再度洗浄した。2回目の洗浄後、微粒子を、遠心分
離し、そしてFACS分析のために0.5mlのTE/TWEEN溶液中に再懸
濁した。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正内容】
【0131】 (競合的ハイブリダイゼーション) 100,000のビーズをCY5で標識した刺激プローブライブラリー(S3
A−TL)、およびR110で標識した同じライブラリーのそれぞれの直線PC
R産物の10μgでハイブリダイズした。936,542のビーズをCY5刺激
プローブの10μgおよびR110非刺激プローブの10μgでハイブリダイズ
した。このビーズを、4×SSC/0.1%SDSの最終緩衝液組成物の50μ
l中に集めた。このサンプルを3分間80℃に熱し、プローブを添加し、そして
温度を65℃に変更した。ハイブリダイゼーションは、ボルテックスしながら1
6時間持続した。このビーズを10mlのTE TWEENに氷急冷した。回収
したサンプルを1×SSC/0.1%SDSで2回リンスし、0.5mlの1×
SSC/0.1%SDSに再懸濁し、そして15分間、65℃で洗浄した。この
ビーズを0.1×SSC/0.1%SDS中でリンスし、そして15分間、0.
1×SSC/0.1%SDS中で55℃で洗浄した。このサンプルをTE TW
EENでリンスし、そして両方のサンプルの10,000事象をBD Facs
Caliberで分析した。10,163ビーズ(1.15%)(1:1の対角
線から外れた最も鮮明なCY5)を選別した。11,977ビーズ(1.35%
)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なR110)を選別した。このビーズを
PCR反応物にプールし、TAクローン化し、そしてTA配列決定した。同定さ
れた配列を表3および4に列挙する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 3832 Bay Center Plac e, Hayward, Califor nia 94545 U.S.A. (72)発明者 ブレナー, シドニー イギリス国 シービー2 3ピージェイ ケンブリッジ, エドワーズ パセージ ビー ストリート 17 (72)発明者 ダブリッジ, ロバート アメリカ合衆国 カリフォルニア 94002, ベルモント, ホリー ロード 825 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA07 AA10 AA11 AA20 CA01 CA09 CA20 EA04 HA08 HA11 HA14 4B063 QA01 QA13 QA18 QA19 QA20 QQ02 QQ04 QQ05 QQ06 QQ07 QQ08 QQ42 QQ52 QQ53 QR08 QR56 QR59 QR62 QR83 QS25 QS34 QX02

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 差次的な遺伝子発現を分析する方法であって、以下の工程: クローン亜集団において別個の固相支持体に付着された核酸配列の参照集団を
    提供する工程; 第1の細胞または組織供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチドの集
    団および異なる細胞または組織供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチ
    ドの少なくとも1つの集団を提供する工程であって、該各々の供給源由来の発現
    された遺伝子のポリヌクレオチドが、任意の他の供給源のポリヌクレオチドによ
    って含まれる標識と異なる光生成標識を含む、工程; 該ポリヌクレオチドが、該供給源においてこれらの対応する遺伝子の相対的な
    発現に直接関連した比で該各々の固相支持体上に二重鎖として存在するように、
    該参照核酸集団と該各々の供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチドの
    集団を競合的にハイブリダイズして、該参照核酸集団の該核酸配列と該各々の供
    給源のポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成する工程;および 該各々の固相支持体に付着された該二重鎖の該光生成標識によって生成された
    相対的な光学シグナルを検出する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記核酸配列がDNA配列である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、前記参照配列集団を提供す
    る工程がさらに以下の工程: 少なくとも1つの前記供給源から抽出されたmRNAおよびオリゴヌクレオチ
    ドタグのレパートリーから、少なくとも1つのタグ−cDNA結合体の集団を形
    成する工程; 該タグ−cDNA結合体のサンプルを取り出す工程;および 該サンプルの該タグ−cDNA結合体を増幅する工程、 を包含する、方法。
  4. 【請求項4】 前記タグ−cDNA結合体の集団が、前記各々の供給源から
    抽出されたmRNAから形成され、前記方法が、前記サンプルを取り出す前に該
    各々の供給源由来の該タグ−cDNA結合体の集団とを合わせる工程をさらに包
    含する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記サンプルが、実質的に全て異なるcDNAが異なるオリ
    ゴヌクレオチドタグを有する、前記総タグ−cDNA結合体に対して十分小さい
    、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記参照集団を提供する工程が、前記タグ−cDNA結合体
    の前記オリゴヌクレオチドタグとそれらのそれぞれの相補体とを特異的にハイブ
    リダイズすることによって、前記別個の固相支持体に対して該サンプルの該タグ
    −cDNA結合体を付着する工程をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記増幅する工程が、ポリメラーゼ連鎖反応において前記サ
    ンプルの前記タグ−cDNA結合体を複製する工程を包含する、請求項6に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記増幅する工程が、クローニングベクター中に前記タグ−
    cDNA結合体を挿入し、そしてそれを用いて宿主細胞にトランスフェクトする
    ことによって前記サンプルの前記タグ−cDNA結合体を複製する工程を包含す
    る、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記サンプルが、前記レパートリーにおいて前記オリゴヌク
    レオチドタグの1%未満かまたは等しい、多くのオリゴヌクレオチドタグを含む
    、請求項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記参照DNA集団が、分析されたすべての前記供給源の
    前記発現された遺伝子由来である、請求項2に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記相対的な光学シグナルに従って、各々の固相支持体を
    識別する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記異なる光生成標識が、異なる蛍光標識である、請求項
    2に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記発現された遺伝子のポリヌクレオチドの集団が、cD
    NAの集団である、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、以下の工程: 前記供給源での遺伝子発現における差異に対応する値の1つ以上の所定の範囲
    内の値で前記相対的な光学シグナルを有する前記各々の固相支持体を蓄積する工
    程;および 該各々のポリヌクレオチドの一部のヌクレオチド配列を決定することによって
    前記各々の固相支持体上の前記ポリヌクレオチドを同定する工程、 をさらに包含する、方法。
  15. 【請求項15】 前記相対的な光学シグナルが蛍光強度の比であって、ここ
    で前記ポリヌクレオチドの集団が2つの供給源に由来する、請求項14に記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 前記ポリヌクレオチドの部分が、少なくとも10ヌクレオ
    チドの配列である、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記同定する工程が、大規模に並行サイン配列決定するこ
    とによって少なくとも1万の前記ポリヌクレオチドを同時配列決定する工程を包
    含する、請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 複数の異なる細胞または組織において差次的に発現された
    遺伝子由来のポリヌクレオチドを単離する方法であって、該方法が、以下の工程
    : クローン亜集団において別個の微粒子に付着されたDNA配列の参照DNA集
    団を提供する工程; 該各々の複数の異なる細胞または組織において発現された遺伝子由来のポリヌ
    クレオチドの集団を提供する工程であって、各々のポリヌクレオチドが、該ポリ
    ヌクレオチドが由来する該細胞または組織の光学シグナル表示を生成し得る光生
    成標識を有する、工程; 該ポリヌクレオチドが、該異なる細胞または組織においてこれらの対応する遺
    伝子の相対的な発現に直接関連した比で該各々の微粒子上に二重鎖として存在す
    るように、該各々の複数の異なる細胞または組織において発現された遺伝子のポ
    リヌクレオチドの集団を該参照DNA集団と競合的にハイブリダイズして、該参
    照DNA集団の該DNA配列と該各々の異なる細胞または組織由来のポリヌクレ
    オチドとの間で二重鎖を形成する工程;および 該各々の微粒子上にハイブリダイズされた該ポリヌクレオチドの集団によって
    生成された光学シグナルに基づいて微粒子を識別することによって、該異なる細
    胞または組織において差次的に発現された遺伝子に対応するポリヌクレオチドを
    単離する工程、 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 前記参照DNA集団が、分析された前記複数の異なる細胞
    または組織において発現された遺伝子に由来する、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記複数の異なる細胞または組織が2つであり、ここで前
    記光学シグナルが蛍光シグナルである、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記ポリヌクレオチドの集団が異なる蛍光標識で標識され
    る、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記ポリヌクレオチドの集団がcDNAの集団である、請
    求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記競合的にハイブリダイズする工程が、実質的に全ての
    前記二重鎖が完全に一致した二重鎖を生じるハイブリダイゼーション条件を提供
    する工程を包含する、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記単離する工程が、前記各々の粒子上にハイブリダイズ
    された前記cDNAの集団によって生成された蛍光強度の比に基づいて前記微粒
    子を識別する工程を包含する、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記単離する工程が、蛍光活性化セルソーターを用いて前
    記微粒子を識別する工程を包含する、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記単離されたcDNAの各々の一部のヌクレオチド配列
    を決定することによって、該単離されたcDNAを同定する工程をさらに包含す
    る、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 遺伝子産物の相対量を決定する方法であって、以下の工程
    : クローン亜集団において別個の固相支持体に付着されたDNA配列の参照DN
    A集団を提供する工程; 少なくとも1つの細胞または組織供給源において発現された遺伝子由来のポリ
    ヌクレオチドの集団を提供する工程であって、該ポリヌクレオチドが光生成標識
    を有する、工程; 該ポリヌクレオチドと該参照DNA集団をハイブリダイズして、該参照DNA
    の該DNA配列と該ポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成する工程;および 該別個の固相支持体に付着された該二重鎖の該光生成標識によって生成された
    該光学シグナルに従って各々の固相支持体を識別する工程、 を包含し、ここで、該遺伝子産物の相対量が二重鎖から得られる該光学シグナル
    の相対強度レベルに相関し、ここでより低い強度が稀な遺伝子産物を示す、方法
  28. 【請求項28】 より低い相対強度を有する固相支持体を単離する工程をさ
    らに包含し、ここで、該単離された固相支持体が、提供される総固相支持体の多
    くても約5%を包含する、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記単離された固相支持体が、提供される総固相支持体の
    多くても約0.5%を包含する、請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 ポリヌクレオチドが由来している前記核酸配列の量に基づ
    いてポリヌクレオチドを単離する方法であって、以下の工程: クローン亜集団において別個の微粒子に付着されたDNA配列の参照DNA集
    団を提供する工程; 少なくとも1つの細胞または組織供給源の細胞に存在する核酸配列由来のポリ
    ヌクレオチドの集団を提供する工程であって、各々のポリヌクレオチドが光学シ
    グナルを生成し得る光生成標識を有する、工程; 該ポリヌクレオチド集団と該参照DNA集団とを競合的にハイブリダイズして
    、該参照DNA集団の該DNA配列と該ポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成
    する工程であって、該ハイブリダイズする工程が、該ポリヌクレオチドの該量に
    比例したハイブリダイゼーション割合を提供する条件下で行われ、ここで、あま
    り豊富でないポリヌクレオチドがハイブリダイズされずに残っている、工程; ハイブリダイスされた集団とハイブリダイズされない集団とに該ポリヌクレオ
    チドを識別する工程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 前記ポリヌクレオチドが、前記ハイブリダイズされない集
    団が稀な遺伝子産物由来のポリヌクレオチドを包含するような条件下で、前記参
    照DNA集団とハイブリダイズされる、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ポリヌクレオチドが、前記ハイブリダイズされない集
    団が非反復核酸配列由来のポリヌクレオチドに実質的に富化されるような条件下
    で、前記参照DNA集団とハイブリダイズされる、請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 微粒子の混合物を含む組成物であって、各々の微粒子が該
    微粒子に付着された同一の一本鎖核酸分子の集団を有し、該一本鎖核酸分子が各
    々の微粒子上で異なっており、そして少なくとも1つの細胞または組織供給源の
    mRNA由来のポリペプチドと近位でオリゴヌクレオチドタグを包含する、組成
    物。
  34. 【請求項34】 前記核酸分子がDNAである、請求項33に記載の組成物
  35. 【請求項35】 前記ポリヌクレオチドが複数の細胞または組織供給源由来
    である、請求項34に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 前記混合物が、少なくとも100の異なる微粒子を含む、
    請求項35に記載の組成物。
  37. 【請求項37】 前記混合物が、少なくとも1000の異なる微粒子を含む
    、請求項35に記載の組成物。
  38. 【請求項38】 前記混合物が、少なくとも104の異なる微粒子を含む、 請求項35に記載の組成物。
  39. 【請求項39】 前記オリゴヌクレオチドタグが、約12〜約60ヌクレオ
    チドの長さである、請求項35に記載の組成物。
  40. 【請求項40】 前記オリゴヌクレオチドタグが、約18〜約40ヌクレオ
    チドの長さである、請求項35に記載の組成物。
  41. 【請求項41】 前記オリゴヌクレオチドタグが、約25〜約40ヌクレオ
    チドの長さである、請求項35に記載の組成物。
  42. 【請求項42】 微粒子の混合物を含む組成物であって、各々の微粒子が、
    該微粒子に対して付着された同一の一本鎖核酸分子の集団を有し、該一本鎖核酸
    分子が各々の微粒子上で異なっており、そして該各々の異なる核酸分子が以下:
    細胞周期タンパク質、シグナル伝達経路タンパク質、オンコジーン遺伝子産物、
    腫瘍サプレッサー、キナーゼ、ホスファターゼ、転写因子、成長因子レセプター
    、成長因子、細胞外マトリックスタンパク質、プロテアーゼ、骨格タンパク質、
    膜レセプター、Rb経路タンパク質、p53経路タンパク質、代謝に関与するタ
    ンパク質、ストレスに対する細胞性応答に関与するタンパク質、サイトカイン、
    DNA損傷および修復に関与するタンパク質、ならびにアポトーシスに関与する
    タンパク質からなる群から選択されるタンパク質をコードするポリヌクレオチド
    を含む、組成物。
  43. 【請求項43】 前記各々の核酸分子が、前記ポリヌクレオチドの近位で、
    かつ前記微粒子と該ポリヌクレオチドとの間に位置されるオリゴヌクレオチドタ
    グをさらに包含する、請求項42に記載の組成物。
  44. 【請求項44】 前記各々の微粒子が、前記組成物において任意の他の微粒
    子のオリゴヌクレオチドタグと異なる配列を有するオリゴヌクレオチドタグのセ
    ットを含む、請求項43に記載の組成物。
  45. 【請求項45】 前記ポリヌクレオチドがキナーゼをコードする、請求項4
    2に記載の組成物。
  46. 【請求項46】 前記ポリヌクレオチドが細胞周期タンパク質をコードする
    、請求項42に記載の組成物。
  47. 【請求項47】 前記ポリヌクレオチドがシグナル伝達経路タンパク質をコ
    ードする、請求項42に記載の組成物。
  48. 【請求項48】 前記ポリヌクレオチドがアポトーシスに関与するタンパク
    質をコードする、請求項42に記載の組成物。
  49. 【請求項49】 前記ポリヌクレオチドが代謝に関与するタンパク質をコー
    ドする、請求項42に記載の組成物。
  50. 【請求項50】 参照集団を調製するためのキットであって、以下: 付着されたオリゴヌクレオチドタグ相補体を有する複数の微粒子であって、該
    オリゴヌクレオチドタグ相補体配列が各々の微粒子上で異なっている微粒子を含
    む、キット。
  51. 【請求項51】 タグのライブラリーを含む複数のベクターをさらに包含し
    、該タグが前記タグ相補体に相補的な配列を有する、請求項50に記載のキット
  52. 【請求項52】 少なくとも1つの細胞または組織供給源由来のポリヌクレ
    オチド集団をさらに含む、請求項51に記載のキット。
  53. 【請求項53】 前記ポリヌクレオチドがcDNAである、請求項52に記
    載のキット。
  54. 【請求項54】 前記ポリヌクレオチドの集団が、前記複数の微粒子とは別
    個の容器中に含まれる、請求項52に記載のキット。
  55. 【請求項55】 前記参照集団を調製するための少なくとも1つの試薬をさ
    らに含む、請求項51に記載のキット。
  56. 【請求項56】 差次的に発現された遺伝子を分析するためのキットであっ
    て、以下: 各々の微粒子が、該微粒子に付着された同一の一本鎖核酸分子の集団を有し、
    該一本鎖核酸分子が各々の微粒子上で異なっており、そして少なくとも1つの細
    胞または組織供給源のmRNA由来のポリヌクレオチドを含む、微粒子の混合物
    を含む、キット。
  57. 【請求項57】 前記各々の核酸分子が、前記ポリヌクレオチドの近位で、
    かつ前記微粒子と該ポリヌクレオチドとの間に位置されるオリゴヌクレオチドタ
    グをさらに包含する、請求項56に記載のキット。
  58. 【請求項58】 差次的に発現された遺伝子を分析することにおける使用の
    ための印刷された取扱説明書をさらに包含する、請求項56に記載のキット。
  59. 【請求項59】 容器をさらに包含する、請求項56に記載のキット。
  60. 【請求項60】 少なくとも1つの前記細胞または組織供給源由来のcDN
    A分子の集団をさらに包含する、請求項56に記載のキット。
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US09/130,446 1998-08-06
US09/130,446 US6083081A (en) 1997-08-07 1998-08-06 Lapping control sensor for magnetoresistive effect head, lapping control method using the sensor and manufacturing method of the sensor
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CN114428050A (zh) * 2022-01-27 2022-05-03 南京大学 一种适用于荧光探针检测细胞内源性因子的流式细胞检测方法

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