JP4344086B2 - 差次的に発現された遺伝子の固相選択 - Google Patents

差次的に発現された遺伝子の固相選択 Download PDF

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Description

【0001】
本出願は、1998年8月6日に提出された、同時係属中の米国特許出願番号09/130,446号の一部継続出願であり、米国特許出願番号09/130,446号は、1998年1月9日に提出された同時係属中の米国特許出願番号09/005,222号の一部継続出願である。これらの出願は、本明細書中で参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、差次的に発現された遺伝子を同定するための方法に関し、そして、より詳細には、例えば、蛍光活性化フローソーティングによって、物理的に操作され得る差次的な発現ライブラリーを提供するために、差次的に発現されたDNAと固相支持体上のクローン化された参照DNA配列とを競合的にハイブリダイズする方法に関する。
【0003】
(背景)
ヒトゲノムを解読するためならびに疾患および宿主の差次的な遺伝子発現に関連する他の生理学的状態を支配する遺伝的な根拠を理解するために所望されることは、DNAを分析および配列決定するための改良された方法の開発の重要な原動力になっている。Adamsら、編、Automated DNA Sequencing and Anaysis(Academic Press、New York、1994)。ヒトゲノムは、約105の遺伝子を含み、その約15〜30%−または約20〜40メガベース−が、任意の所定の組織において活性であると推定される。このような大多数の発現された遺伝子は、特に、比較的低レベルで発現される大多数の遺伝子を参照すると利用可能な技術による発現パターンにおいて変化を追跡することを困難にする:ほとんど30%のmRNAは、各々が全体の0.5%未満で作製され、そして代表的には、細胞あたり14コピー未満で平均化されている、何千もの別の種からなることが推測される。Sambrookら、Molecular Cloning、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、1989)。このような低量のmRNA上での発現においてさらなる重要な変化は、大量の配列の圧倒的な量の存在下において検出することを困難であり得る。
【0004】
種々の技術は、広範に異なる遺伝子発現を分析するために利用可能であり、これらの技術は、簡便さ、費用、および感度において広範に異なる。一般的に使用される低分解能技術は、差次的な表示、指数化、サブトラクションハイブリダイゼーション、および多数のDNAフィンガープリント技術(例えば、Vosら、Nucleic Acids Research、23:4407〜4414(1995);Hubankら、Nucleic Acids Research、22:5640〜5648(1994);Lingoら、Science、257:967〜971(1992);Erlanderら、国際特許公開 WO95/13369;McClellandら、米国特許第5,437,975号;Unrauら、Gene、145:163〜169(1994)など)を含む。高分解能技術は、発現された配列タグ(EST)の分析(例えば、Adamsら、(上記に言及される);Analysis of concatenated fragments of expressed sequences (SAGE)、例えば、Velculescuら、Science、270:484〜486(1995);Zhangら、Science、276:1268〜1272(1997);Velculescuら、Cell、88:243〜251(1997));および発現された遺伝子から相補的なポリヌクレオチドを捕獲するためのオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの微小アレイ(microarray)の使用(例えば、Schenaら、Science、270:467〜469(1995);DeRisiら、Science、278:680〜686(1997);Cheeら、Science、274:610〜614(1996)など)を含む。
【0005】
後者の2つの高分解能技術は、遺伝子発現を分析するための潜在的な確固としたシステムとして見込みがある;しかし、両方のアプローチで注意が向けられる必要がある技術的問題がまだ存在する。微小アレイ系において、モニターされる遺伝子は、公知であり、そしてあらかじめ単離されていなければならず、これは、異なる微小アレイ、または「DNAチップ」が各々の特殊化された使用のため、および試験されるあらゆる異なる型の生物または種のために作製されなければならないことを意味する。流動で送達されたcDNAから構築された微小アレイに関しては、有意な可変性の程度(例えば、2〜5倍)は、同じハイブリダイゼーション条件下で生成されるシグナルにおいて存在し(AtlasTM cDNA Expression System Users Manual(Clontech Laboratories、Palo Alto、1998)、そしてこの系は、容易に再使用可能ではない。合成オリゴヌクレオチドの微小アレイに関しては、このようなアレイを作製するための著しい設定費用および高価なチップ読み出し機器は、このようなシステムが多くの潜在的な使用者の財力を越えていると推定される。配列タグ系において、特別な機器は必要ないが、高価なDNAシークエンサーの設置ベースが、使用され得、さらに慣用的な発現分析は、有意な配列決定試行(例えば、数千の配列決定反応またはそれ以上)を必要とし;II型タグ生成酵素の選択が限定され;そして現在のプロトコルにおいて配列タグの長さ(9つのヌクレオチド)が独特に標識され得るcDNAの数を厳密に限定する。大きなセットの遺伝子を発現する生物(例えば、哺乳動物細胞)について、全発現遺伝子について異なる9つのヌクレオチドタグの可能性が極度に低いことが、示され得る(例えば、Feller、An Introduction to Probability Theory and Its Applications、第2版、第I巻(John Wiley & Sons、New York、1971)。
【0006】
任意の供給源由来の既知の遺伝子かまたは未知の遺伝子のいずれかの分析を可能にする遺伝子発現を分析するための簡便かつ高感度な技術についての必要性があることが、上記から明白である。このような技術の利用可能性は、医薬および科学的研究だけでなく、多数の適用分野(例えば、農作物および家畜の開発、害虫の管理、薬物の開発、診断薬、疾患管理など)においてもまた、直接の適用が見出される。
【0007】
(発明の要旨)
従って、本発明者の発明の目的は、差示的に発現される遺伝子を同定および単離するための方法を提供すること;異なる光学的シグナルを生成する標識に基づいてポリヌクレオチドを同定および単離する方法を提供すること;多くの遺伝子の遺伝子発現を同時にプロフィールするための方法を提供すること;遺伝子発現が、任意の所定の条件下で増加するかまたは減少するか否かに従って、その遺伝子を同定および分離する方法を提供すること;希少遺伝子を同定するための方法を提供すること;ならびに遺伝子発現によって単離された多くの遺伝子を、大量に並行サイン(parallel signature)配列決定する方法を提供することを含むが、これらに限定されない。
【0008】
本発明は、遺伝子発現を比較されるべき細胞供給源または組織供給源由来のポリヌクレオチドの、差示的に標識された集団を提供することにより、これらの目的そして他の目的を達成する。遺伝子発現の比較において、複数の集団の差示的に標識されたポリヌクレオチドは、固相支持体上にクローニングされたの参照DNAに、競合的にハイブリダイズする。好ましくは、その固相支持体は、微小粒子であり、それは、その競合的ハイブリダイゼーション後に、蛍光活性化細胞分類(FACS)、またはその微小粒子上の標識ポリヌクレオチドにより生成される光学的シグナルに応答性のある他の分類方法により操作され得る、差示的発現のライブラリーを提供する。微小粒子上の差示的標識の相対的シグナル強度をモニターすることにより、差示的な集団における特定の遺伝子の相対的な発現の定量化が可能となる。
【0009】
本発明の1つの局面において、目的の相対的シグナル強度を有する微小粒子の集団を、FACSにより単離し、そして付着したポリヌクレオチドを配列決定して、希少遺伝子または差示的に発現される遺伝子の同定を決定する。
【0010】
好ましくは、本発明の方法を、以下の工程により実行する:a)クローンの亜集団における別々の固相支持体に付着される核酸配列の参照集団を提供する工程;b)各々の複数の異なる細胞または組織からの発現される遺伝子のポリヌクレオチドの集団を提供する工程で、その異なる細胞または組織からの発現される遺伝子のポリヌクレオチドは、異なる光生成標識を有する、工程;c)各々の複数の異なる細胞または組織からの発現される遺伝子のポリヌクレオチドの集団に、その参照集団を競合的にハイブリダイズし、参照集団の配列と各々の異なる細胞または組織からのポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成する工程で、すなわち、そのポリヌクレオチドは、その各々の固相支持体上に、その異なる細胞または組織におけるそのポリヌクレオチドに対応する遺伝子の相対的な発現に直接的に関係する比で、二重鎖で存在する、工程。およびd)そこに付着される二重鎖の光生成標識により生成される、相対的な光学的シグナル検出する工程。さらに好ましくは、その方法は、検出されたその相対的な光学的シグナルに従って、それぞれの固相支持体を分類する工程を含む。好ましくは、核酸の参照集団は、分析される複数の異なる細胞または組織の遺伝子に由来する。本明細書で使用される、語句「発現された遺伝子のポリヌクレオチド」は、転写により産生される任意のRNA(特にmRNAを含む)、および任意のRNAの逆転写により産生されるDNA(特にmRNAの逆転写により産生されるcDNAを含む)を含むことが意味される。
【0011】
本発明は、差示的に発現される遺伝子を、その配列のいずれの以前の分析または知識も必要とせずに、分離および同定するための組成物、方法、およびキットを提供することにより、当該分野における欠点を克服する。本発明はまた、差示的に調節される遺伝子を、分析用の調節されない遺伝子から分離することを可能にし、それにより目的の遺伝子についての情報を得るための大多数の調節されない遺伝子の分析の必要性を排除する。
【0012】
(定義)
オリゴヌクレオチドタグに関連して、本明細書で使用される「相補体」または「タグ相補体」とは、オリゴヌクレオチドタグが特異的にハイブリダイズして、完全に適合される二重鎖または三重鎖を形成するオリゴヌクレオチドをいう。特異的ハイブリダイゼーションが三重鎖を生じる実施態様において、そのオリゴヌクレオチドタグは、二本鎖または一本鎖のいずれであるよう選択され得る。従って、三重鎖が形成される場合、用語「相補体」は、一本鎖オリゴヌクレオチドタグの二本鎖相補体か、二本鎖オリゴヌクレオチドタグの一本鎖相補体のいずれかを含むことを意味される。
【0013】
本明細書で使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、天然または改変されたモノマーあるいは連鎖の直鎖状オリゴマーを含み、それらは、モノマー−モノマー相互作用(例えば、ワトソン−クリック型塩基対形成、塩基スタッキング、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン型塩基対形成など)の規則的なパターンにより標的ポリヌクレオチドに特異的に結合し得る、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、それらのアノマー形態、ペプチド核酸(PNA)などを含む。通常モノマーは、ホスホジエステル結合またはそのアナログにより連結され、少数(例えば、3〜4)のモノマー単位から、何十(例えば、40〜60)のモノマー単位の大きさに渡るオリゴヌクレオチドを形成する。オリゴヌクレオチドが、「ATGCCTG」のような文字配列により表示される場合はいつも、そのヌクレオチドは左から右へ5’→3’の順序であり、そして他に表示がない場合、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジン、「G」はデオキシグアノシン、そして「T」はチミジンを示すことが、理解される。通常、本発明のオリゴヌクレオチドは、4つの天然のヌクレオチドを含むが;しかし、それらはまた非天然のヌクレオチドアナログを含む。天然または非天然のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドが使用され得る場合(例えば、酵素によるプロセッシングが必要な場合)、通常天然ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドが必要とされることは、当業者に明らかである。
【0014】
二重鎖に関連して「完全に適合される」とは、二重鎖を構成するポリ−またはオリゴヌクレオチド鎖が、他のそれらと、各鎖の全てのヌクレオチドが、もう一方の鎖におけるヌクレオチドとワトソン−クリック塩基対形成を起こすように、二重鎖構造を形成することを意味する。その用語はまた、使用され得るヌクレオシドアナログ(例えば、デオキシイノシン、2−アミノプリン塩基を有するヌクレオシドなど)の対形成も含む。三重鎖に関して、その用語は、三重鎖が、完全に適合される二重鎖および全てのヌクレオチドが完全に適合される二重鎖の塩基対とフーグスティーンまたは逆フーグスティーン結合を起こす第三の鎖からなることを意味する。逆に、タグとオリゴヌクレオチドとの間の二重鎖における「不適合」とは、二重鎖または三重鎖におけるヌクレオチド対または三重体が、ワトソン−クリックおよび/またはフーグスティーンおよび/または逆フーグスティーン結合を起こさないことを意味する。
【0015】
本明細書で使用される、「ヌクレオシド」は、2’−デオキシ形態および2’−ヒドロキシ形態(例えば、KornbergおよびBaker、DNA Replication、第2版(Freeman,San Francisco,1992)に記載されるような)を含む、天然ヌクレオシドを含む。ヌクレオシドに関連して「アナログ」は、改変された塩基部分および/または改変された糖部分を有する合成ヌクレオシド(例えば、Scheit、Nucleotide Analogs(John Wiley,New York,1980);UhlmanおよびPeyman、Chemical Reviews,90:543−584(1990)などに記載される)を含み、それらは、特異的なハイブリダイゼーションが可能である条件のみを含む。そのようなアナログは、結合特性を増強する、複雑性を減少する、特異性を増加するなどのために設計される合成ヌクレオシドを含む。
【0016】
ポリヌクレオチドに関連して本明細書で使用される「配列決定」または「ヌクレオチド配列を決定すること」は、そのポリヌクレオチドの部分的配列ならびに全長配列の情報の決定を含む。つまり、その用語は、配列比較、フィンガープリンティング、および類似の標的ポリヌクレオチドについての情報のレベル化、ならびに標的ヌクレオチドにおけるヌクレオシド(通常各ヌクレオチド)の発現同定および順序付けを含む。その用語はまた、標的ポリヌクレオチド内の4つの型のヌクレオチドのうち1、2、または3つの同定、順序付け、および位置の決定を含む。例えば、いくつかの実施態様において、配列決定は、標的ヌクレオチド「CATCGC」内の単一型のヌクレオチド(例えば、シトシン)の順序および位置の同定によりもたらされ得、それによって、その配列は、2進法のコード(例えば、「C−(非C)−(非C)−C−(非C)−C...」に対して「100101...」など)のように表される。
【0017】
本明細書に使用される、ヌクレオチドの集団に関する用語「複雑性」は、その集団に存在する異なる種のポリヌクレオチドの数を意味する。
【0018】
本明細書に使用される、遺伝子に関する用語「相対的な遺伝子発現」または「相対的発現」とは、異なる細胞型または組織型の同じ遺伝子発現産物(通常、mRNA)の相対的な存在度をいう。
【0019】
(発明の詳細な説明)
本発明は、目的の単一のまたは複数の細胞型および/または組織型における相対的な遺伝子発現の分析のための組成物、方法、およびキットを提供する。本発明の方法は、動物、植物、および真菌、細菌、マイコプラズマ、シアノバクテリア、藻類などのような微生物由来のポリヌクレオチドに適用され得る。好ましくは、ポリヌクレオチドは、動物、植物、または発酵プロセスに関連する微生物に由来し、最も好ましくは、脊椎動物および農業植物由来である。複数とは、通常、疾患の組織型または細胞型および健常な組織型または細胞型のような、または刺激またはストレス(例えば、栄養素、温度などの変化)に供される細胞型ならびに組織型および非ストレスまたは非刺激状態下に対応する細胞型または組織型のような、細胞型または組織型の対を含む。別の実施態様において、複数とは、異なる生物体由来の細胞および組織のような、相同遺伝子を有する細胞型または組織型の対を含み得る。複数とはまた、同じ細胞または組織(例えば、候補薬物に生物体を曝露した後の肝臓細胞、異なる発生状態での試験動物の器官細胞など)の経時的な発現パターンの比較に必要とされるような、2つ以上の細胞型または組織型を含み得る。好ましくは、複数とは、2または3つの細胞型または組織型;そしてより好ましくは、2つの細胞型または組織型である。
【0020】
本発明の方法は、代表的にクローンの亜集団における別々の固相支持体に付着する核酸配列の参照集団を提供する工程、発現される遺伝子のポリヌクレオチドの少なくとも1つの集団を提供する工程、発現される遺伝子のポリヌクレオチドの集団に参照核酸集団をハイブリダイズする工程、および固相支持体に付着される二重鎖により生成される相対的な光学的シグナルに従って、それぞれの固相支持体を検出する、そして好ましくは分類する工程を含む。
【0021】
図10Aは、微小粒子上の参照核酸集団を構築するための発明の実施態様を図示し、そして図10Bは、そのような参照ライブラリーを使用して、2つの細胞集団の遺伝子発現を比較するための実施態様を図示する。メッセンジャーRNA(mRNA)を、細胞集団(1000)および(1002)から、従来のプロトコールを使用して抽出し(1004)、それぞれ、ポリヌクレオチド(1006)および(1008)の2つの集団を与える。この抽出反応は、別々に実行され得るか、または細胞型の混合物に対して実行され得る。好ましくは、その反応は、別々に実行され、そのため2つの集団由来のmRNAの相対的な量をより容易に制御し得る。mRNA(1006)およびmRNA(1008)の部分が、結合され(1010)、そしてcDNAライブラリー(1012)は、Brennerら、米国特許第5,846,719号に記載される手順に従って、オリゴヌクレオチドタグのレパートリーを保持するベクター内に構築される。好ましくは、mRNAの同量の部分(すなわち等モル量)が、mRNAの各集団から取得される。ライブラリー(1012)由来のベクターのサンプルを取得し、そして例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、トランスフェクションおよびクローニングなどにより増幅し、その後、ベクターに保持されるタグcDNA結合体(1014)を切り出すか、またはコピーして(1011)、次いで単離する。次いでロードされた微小粒子を形成し、そして以下のような競合的ハイブリダイゼーションでの使用のために調整した(1018)。オリゴヌクレオチドタグa、b、c、およびdで示される、単離されたタグcDNA結合体(1014)を、それぞれこれらのタグ相補体a’、b’、c’、およびd’(1016)を保持する微小粒子に特異的にハイブリダイズさせる。タグcDNA結合体を、タグ相補体に連結し、この結果二本鎖タグcDNA結合体の少なくとも一本鎖は、微小粒子に共有結合的に付着される。タグcDNA結合体を保持する微小粒子を、タグcDNA結合体を保持しない微小粒子から、好ましくは、蛍光活性化細胞分類装置(FACS)、または類似の装置を使用して分離する。非共有結合的に付着された鎖を、融解除去し、微小粒子から分離して参照核酸集団を保持する微小粒子(1020)を作製する。
【0022】
図10bに図示されるように、細胞の遺伝子発現(1050)を、各細胞型由来のmRNA(1056)および(1058)を別々に抽出する(1054)ことにより、細胞(1052)の遺伝子発現と、比較し得る。従来のプロトコールを使用した、cDNAライブラリー(1062)および(1064)の構築後、一本鎖核酸プローブを、それぞれのcDNA集団(1062)および(1064)から生成し、好ましくは、そのプローブを、光学的に識別可能な蛍光色素F(1068)およびR(1066)(例えば、ローダミンおよびフルオレッセイン)で標識する。等量の標識ポリヌクレオチドを混合し、そして微小粒子に保持される相補鎖にハイブリダイズ(1072)させて、二重鎖(1074)を形成させる。ハイブリダイゼーションが完了後、それによって形成される二重鎖を保持する微小粒子(1074)は、所定の基準(例えば、蛍光比、蛍光強度、および/またはその類似のもの)により分類され得る(1076)。そのような方法で、目的の亜集団が、単離され得、さらに分析され得る(例えば、そのアップレギュレートされた遺伝子またはダウンレギュレートされた遺伝子に対応する亜集団)。
【0023】
本発明に従う分析のために、メッセンジャーRNA(mRNA)を、従来のプロトコール(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory、New York)に記載されるような)を使用して、目的の細胞または組織から抽出する。好ましくは、比較されるべきmRNAの集団を、参照DNA集団へのハイブリダイゼーションに先立って、従来のプロトコール(例えば、Schenaら、Science 270:467−470(1995);DeRisiら、Science 278:680−686(1997);または類似のもの)を使用して、標識ヌクレオチド三リン酸の存在下で逆転写により標識cDNAの集団に転換する。
【0024】
本発明の重要な特徴は、発現レベルが変化するか、または試験される他の細胞または組織の遺伝子の発現レベルと異なる遺伝子が、調節されない遺伝子か、または研究されるいかなるストレスまたは条件に対する応答においても変化される別の遺伝子から別々に分析され得ることである。以下に記載のように、好ましい実施態様において、目的の細胞または組織由来の遺伝子産物を、別々の微小粒子に対するクローンの亜集団に付着されるDNA配列からなる参照集団で競合的にハイブリダイズする。結果として、差示的な発現を示す比で標識遺伝子産物を保持する微小粒子は、操作され得、そして発現での変化を示さない比の標識遺伝子産物(例えば、「ハウスキーピング」遺伝子、構造タンパク質をコードする遺伝子など)を保持する微小粒子とは別々に分析され得る。
【0025】
本発明の別の重要な特徴は、分析される核酸(例えば、ゲノムDNAまたはcDNA、mRNA、RNA転写物などのような遺伝子産物)の正体を、分析の前に知る必要がないことである。相対的な活性を決定した後、発現される遺伝子に由来するcDNAを、多くの異なる配列決定アプローチを使用して、固相支持体(好ましくは、微小粒子)上で直接的に配列決定することにより同定し得る。同定のために、cDNAの一部のみが配列決定される必要がある。多くの場合、その部分は、9または10個のヌクレオチドと同じくらい小さくあり得る(例えば、Velcuescuら(上記に引用))。好ましくは、差示的に発現される遺伝子の全体の亜集団を、MPSS、または同様の並行分析技術を使用して同時に配列決定する。好ましい実施態様において、これは、各々のDNA配列がクローンの亜集団における別々の微小粒子に付着されるように、DNA配列の参照集団を提供することにより便利に達成される。本明細書で使用される、語句「クローンの亜集団」とは、目的の集団から選択される単一の種のポリヌクレオチドの複数のコピーのことをいう(例えば、遺伝子発現が分析される細胞または組織から抽出されるmRNAから構築されるcDNAライブラリー)。そのようなクローンの亜集団は、ポリヌクレオチドの別々の増幅および従来の付着化学(attachment chemistries)による付着を含む、多くの方法で形成され得る(例えば、Hermansen、Bioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996))。以下により十分に説明されるように、クローンの亜集団を、好ましくは、Brenner、米国特許第5,604,097号およびBrennerら米国特許第5,846,719号(本明細書に参考として援用される)に開示される、いわゆる「固相クローニング」により形成する。要するに、そのようなクローンの亜集団を、タグDNA結合体の増幅されたサンプルを、1以上の固相支持体(例えば、別々の、かつ連結しない微小粒子)上にハイブリダイズすることによって形成し、それにより、個々の微小粒子または大きい支持体の異なる領域は、同じDNAの複数の付着されたコピーを有する。
【0026】
タグDNA結合体のDNA成分は、cDNA、ゲノムDNA、cDNAまたはゲノムDNAのフラグメント、あるいは合成DNA(例えば、オリゴヌクレオチドのような)であり得る。好ましくは、タグDNA結合体は、cDNAまたはゲノムDNA(「gDNA」)のフラグメントである。クローンの亜集団におけるcDNAまたはgDNAのコピー数は、いくつかの因子に依存する異なる実施態様において広範に変化し得、そのいくつかの因子としては、固相支持体上のタグ相補体の密度、使用される微小粒子の大きさおよび組成物、ハイブリダイゼーション反応の継続時間、タグレパートリーの複雑性、個々のタグの濃度、タグDNAサンプルの大きさ、光学的シグナルの生成のための標識方法、粒子分類方法、シグナル検出系などが挙げられる。
【0027】
これらの因子に関連する設計選択を作製するガイダンスは、本明細書に引用される参照に表示されるような、フローサイトメトリー、蛍光顕微鏡、分子生物学、ハイブリダイゼーション技術、および関連する学問分野の文献において、容易に利用可能である。好ましくは、クローンの亜集団におけるcDNAまたはgDNAのコピー数は、微小粒子のFACS検出および/または分類を可能にするのに十分であり、ここで蛍光シグナルは、微小粒子に付着されるcDNAにより保持される1以上の蛍光色素分子により生成される。代表的に、この数は、フルオレッセインのような蛍光分子を使用する場合、数千(例えば、3,000〜5,000)ぐらいに低くあり得、ローダミン6Gのようなローダミン色素を使用する場合、数百(例えば、800〜8000)ぐらいに低くあり得る。より好ましくは、ロードされた微小粒子がはFACSまたは類似の装置により、検出され、および/または分類される場合、クローンの亜集団は、cDNAまたはgDNAの少なくとも104コピーのからなり;最も好ましくは、そのような実施態様において、クローンの亜集団は、cDNAまたはgDNAの少なくとも105コピーのからなる。
【0028】
比較するべき細胞または組織由来の標識cDNAまたはRNAを、従来のハイブリダイゼーション条件(例えば、Schenaら、(上記に引用);DeRisiら(上記に引用);またはShalon,Ph.D.Thesisタイトル「DNAマイクロアレイ」Stanford University(1995)に開示されるような)を使用して、参照DNA集団のDNA配列に対して競合的にハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション後、光学的シグナルが、cDNAまたはRNAのそれぞれ2つの標識種により生成され、それにより、相対的光学的シグナルが、それぞれの微小粒子について決定される。好ましくは、そのような光学的シグナルは、蛍光活性細胞分類装置、または類似の装置で生成され、そして測定される。それら装置は、微小粒子を分類し、そして、どの相対的な光学的シグナルが、所定の範囲の値に落ちるかを累算し得る。所望の範囲の相対的な光学的シグナルを生成するcDNAまたはRNAでロードされた微小粒子は単離され得、そしてMPSS(以下により詳細に記載される)のような、配列決定により同定され得る。
【0029】
好ましくは、RNA由来のcDNAまたは他のDNA分子のクローン亜集団は、図3aおよび図3bに例示されるプロセスを使用して微粒子に付着される。初めに、図3aに例示されるように、mRNA(300)は、目的の細胞または組織供給源から従来の技法を用いて抽出され、そしてベクター(316)中への挿入に適切な末端を有するcDNA(309)へ変換される。好ましくは、5’ビオチン(305)およびポリ(dT)領域(306)を有するプライマー(302)は、cDNA(309)の第一鎖が、4つのデオキシリボヌクレオシドトリホスフェートの存在下において、逆転写酵素で合成されるために、mRNA鎖(300)とアニーリングされる。好ましくは、5−メチルデオキシシチジントリホスフェートは、cDNA(309)がプライマー(302)に対応する領域を除いて、半メチル化されるために、第一鎖合成におけるデオキシシトシントリホスフェートの代わりに用いられる。これは、プライマー(302)が支持体からcDNAを解離するために非メチル化制限部位を含むことを可能にする。プライマー(302)におけるビオチンの使用は、本発明に重大ではなく、そして他の分子捕捉技法、または部分(例えば、三重鎖捕捉など)が用いられ得る。プライマー(302)の領域(303)は、好ましくは、cDNA(309)の第二鎖の合成で制限部位r2(304)の形成を生じるヌクレオチドの配列を含む。ストレプトアビジン支持体(例えば、DYNABEADS M−280(Dynal,Oslo,Norway)など)にビオチン化cDNAを結合することによって単離した後、cDNA(309)は、好ましくは、(Cの)半メチル化には非感受性で、そして部位r1(307)を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断される。好ましくは、r1は、実質的に全てのcDNAが切断されること、および同一の規定された末端が全てのcDNAにおいて生成されることを保証する4塩基認識部位(例えば、DpnIIなどのような酵素に相当する)である。洗浄後、次いで、このcDNAは、r2を認識する制限エンドヌクレア−ゼを用いて切断され、例えば、エタノール沈殿、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などの標準的な技法を用いて精製されるフラグメント(308)を放出する。適切な緩衝液中に再懸濁後、フラグメント(308)は、タグ(310)ならびに末端(312)および末端(314)を有するクローニング部位を保有するベクター(316)中へ定方向的にライゲーションされる。好ましくは、ベクター(316)は、クローニング部位において「スタッファー(sutaffer)」フラグメントを用いて調製され、クローニングのために完全に切断されたベクターの単離を援助する。
【0030】
タグ−cDNA結合体の調製は、上記の方法に限定されないが、従来の分子生物学的技法を用いる多様な方法で、容易に達成され得る。例えば、cDNAは、従来の方法で調製され得、そしてゲル電気泳動によって単離され得る。この方法は、ある部分ではあまり好ましくない。なぜならば、参照集団(reference population)の大きさの分布を偏らせるからである。このタグは、アダプターのライゲーションによってか、オリゴdTプライマーおよびランダムプライマーを用いるPCRによってか、またはRACE技法(Bertlingら(1993)PCR Methods Appl.3:95−99;Frohman,M.A.(1993)Methods Enzymol.218:340−356;MarathonTMCDNA Amplification Kit,Clontech Laboratories,Inc.)によって付着され得る。上記に記載のような、ベクターへのクローニングによるタグの付着は、(代表的にはほんのμg量を生成するにすぎないRACEに対して)大量の参照集団を生成する能力、ならびにタグの配列を確認する能力を含む、いくつかの理由のために好ましい。
【0031】
タグ−cDNA結合体のライブラリーの形成の後、宿主細胞のサンプルは、培養培地の単位容積あたりの組換え体の数を決定するために通常プレートされる。さらなるプロセシングのために得られたサンプルのサイズは、好ましくは、ライブラリー構築物において使用されるタグレパートリーのサイズに依存する。Brennerら、米国特許第5,846,719号およびBrennerら、米国特許第5,604,097号に教示されるように、サンプルは、好ましくは、「ダブルス(doubles)」(すなわち、同一のタグおよび異なるcDNAを保有する二つ以上の結合体)の選択を最小化するためにタグレパートリーのサイズの約1%に等しい多くの結合体を含む。したがって、8つの語の最小クロスハイブリッド形成セットから選択された8つの4−ヌクレオチド「語」の連鎖からなるタグレパートリーのために、サイズのレパートリーは、88、または約1.7×107タグである。したがって、このようなレパートリーとともに、約1.7×105結合体含有ベクターのサンプルは、好ましくは、図3bに例示されるような増幅およびさらなるプロセシングのために選択される。
【0032】
好ましくは、タグ−cDNA結合体は、以下の配列の要素を含むベクター(330)中に保有される:第1のプライマー結合部位(332)、制限部位r3(334)、オリゴヌクレオチドタグ(336)、接合部(338)、cDNA
(340)、制限部位r4(342)、および第2のプライマー結合部位(344)。タグ−cDNA結合体を含有するベクターのサンプルが得られた後、以下の工程が実施される:タグ−cDNA結合体が、好ましくは、5−メチルデオキシシチジントリホスフェイトの存在下において、ビオチニル化プライマー(348)および標識化プライマー(346)を用いることによって、従来のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)でベクター(330)から増幅される工程、その後、生じたアンプリコンが、ストレプトアビジン捕捉によって単離される工程。制限部位r3は、好ましくは、PacI、NotI、FesI、PmeI、SwaIなど、まれな切断をする(rare−cutting)制限エンドヌクレアーゼに対応し、これらは捕捉されたアンプリコンを、アンプリコンのcDNA内の部位で生じる切断が最小限の確率で、支持体から遊離されることを可能にする。適切なDNAポリメラーゼがdGTPとともに用いられる場合、以下の配列として例示されるジャンクション(338)は、DNAポリメラーゼ「ストリッピング」反応を生じ、Gトリプレットで停止される。
【0033】
5’・・・GGGCCC・・・
3’・・・CCCGGG・・・
簡潔に言えば、「ストリッピング」反応において、DNAポリメラーゼの3’→5’エキソヌクレア−ゼ活性(好ましくは、T4 DNAポリメラーゼ)は、Brenner、米国特許第5,604,097;およびKuijperら、Gene、112:147−155(1992)によって教示されるように、一本鎖のタグ−cDNA結合体のタグを与えるために用いられる。分類がタグとタグ相補体との間の二重鎖の形成によって達成される好ましい実施態様において、タグ−cDNA結合体のタグは、第一に4つの天然のヌクレオチドのうち3つのみを含む語を選択することにによって、次いで、DNAポリメラーゼの3’→5’エキソヌクレア−ゼ活性を有する3’→5’方向においてタグ−cDNA結合体由来の3つのヌクレオチド型を優先的に消化することによって一本鎖にされる。好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドタグは、A、G、およびTのみを含むように設計される;したがって、(二重鎖タグ−cDNA結合体を含む)タグ相補体は、A、G、およびTのみからなる。遊離したタグ−cDNA結合体が、dGTPの存在下でT4 DNAポリメラーゼと処理される場合、タグの相補鎖は、第一のGで「ストリッピング」される。この点において、DNAポリメラーゼによるdGの取り込みは、DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を平衡化し、「ストリッピング」反応を効果的に停止する。上記の記載から、当業者が、同様の目的を行う(すなわち、タグを一本鎖にする)ために、多くの代替的設計の選択をし得ることは明らかである。このような選択は、異なる酵素、タグを作りあげる語の異なる組み合わせなどの選択を含み得る。
【0034】
「ストリッピング」反応がクエンチされる場合、結果は、一本鎖タグ(357)を有する二重鎖(356)である。単離後、工程(358)が、実施される:タグ−cDNA結合体が、微粒子に付着したタグ相補体へハイブリダイズされ、充填(fill−in)反応が、タグ−cDNA結合体の相補鎖と微粒子(360)に付着したタグ相補体(362)の5’末端との間の任意のギャップを埋めるために行われ、そしてタグ−cDNA結合体の相補鎖は、リガーゼで処理することによってタグ相補体(362)の5’末端(363)と共有的に結合される。この実施態様は、もちろん、(例えば、T4 ポリヌクレオチドキナーゼなどのようなキナーゼによって)タグ相補体の5’末端がリン酸化されることを必要とする。「ストリッピング」反応が、常には最初のGで停止しないので、充填反応が好ましくは実行される。好ましくは、充填反応は、T4 DNAポリメラーゼのような、5’→3’エキソヌクレア−ゼ活性および鎖置換活性を欠失したDNAポリメラーゼを用いる。また好ましくは、Gトリプレットを超えて伸長される「ストリッピング」に備えて、4つ全てのdNTPは、充填反応に用いられる。
【0035】
以下にさらに説明されるように、タグ−cDNA結合体は、タグ相補体の全てのレパートリーとハイブリダイズされる。つまり、微粒子の集団の中に、レパートリー全体のあらゆるタグ配列を有する微粒子が存在する。従って、タグ−cDNA結合体は、およそ約1%の微粒子上のみのタグ相補体とハイブリダイズする。タグ−cDNAがハイブリダイズされた微粒子は、本明細書中で「ロードされた微粒子」といわれる。より大きい有効性のために、ロードされた微粒子は、好ましくは、さらなるプロセシングのためにロードされていない微粒子から分離される。このような分離は、蛍光活性化セルソーター(FACS)か、または多数の個々の微粒子の迅速な操作および分類を可能にする同様の機器の使用によって容易に達成される。図3bに例示される実施態様において、蛍光標識物(例えば、FAM(フルオレセイン誘導体、Haugland,Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals,第6版、(Molecular Probes,Eugene,OR,1996)))が、プライマー(346)を経由して付着される。
【0036】
このタグ−cDNAは、上記で議論された多くの工程を省略するか、または改変する手順によって微粒子上のタグ相補体へ付着され得る。例えば、ベクター(330)からタグ−cDNAを増幅するかわりに、タグ−cDNAは、微粒子上のタグ相補体への直接的な、制限消化、ストリッピング化、およびライゲーション化によって、ベクターから切断され得る。この手順は、(1)タグ−cDNAをビオチンおよびFAMで標識する工程、(2)タグ−cDNAを増幅する工程、および(3)ストレプトアビジン捕捉によってアンプリコンを単離する工程、を省略する。所望される場合、ロードされた微粒子は、FAM標識化プライマーとハイブリダイズすることによって単離され得る。
【0037】
図3cに示すように、FACS、または類似の分類(380)後、ロードされた微粒子(360)は、単離され、標識(345)を除去するために処理され、そして非共有的に付着した鎖をメルトオフ(melt off)するために処理される。標識(345)は、競合的にハイブリダイズされた鎖の標識と干渉しないように、除去されるか、または非活性化される。好ましくは、タグcDNA結合体は、プライマー結合部位(344)に隣接するタグ−cDNA結合体を切断する制限エンドヌクレア−ゼ認識部位r1(342)で処理され、それによって「ボトム」鎖(すなわち、微粒子にその5’遠位端を有する鎖)によって保有される標識(345)を除去する。
好ましくは、この切断は、突出した鎖(385)を有する二重鎖タグ−cDNA結合体(384)を有する微粒子(360)を生じる。次いで、3’−標識化アダプター(386)は、アニーリングされ、そして突出した鎖(385)にライゲーションされる。この後、ロードされた微粒子は、3’−標識によって再分類され、そして3’−標識を有する鎖はメルトオフされ、差示的に発現される遺伝子由来の変性cDNAまたはmRNAを受容できるcDNA(392)の共有的に付着した一本鎖を解離する。好ましくは、この3’−標識化鎖は、水酸化ナトリウム処理で、または同様の試薬を用いる処理でメルトオフされる。
【0038】
gDNAのクローン亜集団は、類似の様式で微粒子に付着され得る。第一に、ゲノムDNAは、目的の細胞または組織供給源から従来の技法を用いて単離され、そして好ましくは、4塩基認識で認識で切断する少なくとも1つの制限エンドヌクレア−ゼ(例えば、DpnII、Sau3AI、AciI、AluI、BfaI、BstUI、HaeIII、HhaI、HinP1I、HpaII、MboI、MseI、MspI、NlaIII、RsaI、TaqαI、Tsp509Iなどのような)で切断される。好ましくは、この切断フラグメントは、少なくとも1つの塩基のオーバーハングを有する。あるいは、ゲノムDNAフラグメントは、単離されたゲノムDNAを剪断するか、または超音波処理するかによって調製され得る。次いで、タグは、タグ配列を含むプライマーを用いるランダムプライマーPCR、またはcDNA参照集団に関する上記の記載に類似した様式でのタグを含むベクター中へのクローニングを含む、多くの方法でgDNAと連結され得る。FAMのような標識は、微粒子のローディングをモニターするために付着され得る。いくつかの例において、微粒子上への指向性の付着は、例えば、TATAボックス、または共通配列に相補的な配列のような共通配列を有するプライマーと共にgDNAを増幅することによって達成され得る。遺伝子発現を評価するためにgDNA参照集団を用いる場合、gDNAライブラリーにおいて非コード配列およびイントロンを減少することが所望され得る。例えば、約60×106個の微粒子の大きなgDNAライブラリーは、プローブとしてcDNAプールを使用して、選択することによって約30,000〜40,000へ減少され得る。
【0039】
(同定および固相クローニングのためのオリゴヌクレオチドタグ)
本発明の重要な特徴は、固相支持体(好ましくは、微粒子)に付着した参照DNA集団を構築するためのオリゴヌクレオチドの最小クロスハイブリッド形成セットのメンバーであるオリゴヌクレオチドタグを使用することである。最小クロスハイブリッド形成セットのオリゴヌクレオチドの配列は、同一のセットのあらゆる他のメンバーの配列と、少なくとも2つのヌクレオチドだけ異なる。従って、このようなセットの各々のメンバーは、2つより少ないミスマッチを有する任意の他のメンバーの相補体と二重鎖(または三重鎖)を形成し得ない。オリゴヌクレオチドタグの相補体(本明細書で「タグ相補体」と言う)は、天然のヌクレオチドまたは非天然のヌクレオチドアナログを含み得る。オリゴヌクレオチドタグが分類(同様に、参照DNA集団の構築)に用いられる場合、タグ相補体は、好ましくは、固相支持体に付着される。オリゴヌクレオチドタグは、それらの対応するタグ相補体を用いる場合、分子、特に発現した遺伝子に由来するcDNAまたはmRNAのようなポリヌクレオチドの分類、追跡、または標識のためのハイブリダイゼーションの特異性を増強する手段を提供する。
【0040】
オリゴヌクレオチドタグおよびタグ相補体の最小クロスハイブリッド形成セットは、クロスハイブリッド形成が、最小化されると考えられる所望されたセットの大きさおよび程度(または言い換えれば、特異性が増大したと考えられる程度)に依存して組み合わせか、または個別にのいずれかで合成され得る。例えば、Brennerら、米国特許第5,604,097号に開示されたように構築した場合、最小クロスハイブリッド形成セットは、少なくとも4つのヌクレオチドによりお互いに区別される個々に合成された10マー配列のセット(このようなセットは、332の最大サイズを有する)からなり得る。あるいは、オリゴヌクレオチドタグの最小クロスハイブリッド形成セットはまた、それ自身が最小クロスハイブリッド形成セットから選択されるサブユニットから、組み合わせて組立てられ得る。例えば、少なくとも3つのヌクレオチドにより相互に区別される最小クロスハイブリッド形成12マーのセットは、3つのヌクレオチドによってお互いに各々区別される、最小クロスハイブリッド形成4マーのセットから選択される、3つのサブユニットを組み合わせることによって合成され得る。このような実施態様は、、12マー、93(すなわち729)の最大サイズセットを与える。
【0041】
組み合わせて合成される場合、オリゴヌクレオチドタグは、その長さに沿った個々の位置でランダム化され得る。しかし、好ましくは、オリゴヌクレオチドタグは、複数のサブユニットからなり、各サブユニットは3〜9ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドからなり、ここで各サブユニットは、同一の最小クロスハイブリット形成セットから選択される。このような実施態様において、利用可能なオリゴヌクレオチドの数は、1タグあたりのサブユニットの数、およびサブユニットの長さに依存する。オリゴヌクレオチドタグはまた、オリゴヌクレオチドのどちらか一方の末端にさらなるヌクレオチドを有する複数のサブユニットからなり得る。さらなるヌクレオチドは、ランダムであり得るかおよび/または制限部位を含み得る。このような構造は、オリゴヌクレオチドの末端にミスマッチを有する二重鎖または三重鎖の不安定性を保証する。好ましくは、このオリゴヌクレオチドは少なくとも一端において、レア切断制限エンドヌクレア−ゼのための認識部位を含む。好ましい実施態様において、オリゴヌクレオチドは、1つの末端にATリッチ制限部位(例えば、PacI部位)を含む。Bsp120部位が、もう一方の末端に好ましい部位である。
【0042】
1つ以上の固相支持体に付着したオリゴヌクレオチドタグの相補体は、それぞれタグを含有するポリヌクレオチドの混合物からポリヌクレオチドを分類するために用いられる。このようなタグ相補体は、ビーズ(好ましくは、微視的な)のような固相支持体の表面上か、または単一支持体の合成位置のアレイ上の特定の位置で、同一な配列の集団、または実質的に同一な配列の集団が特定の領域で生成するように、合成される。言い換えれば、ビーズの場合は各支持体の表面、またはアレイの場合は各領域の表面が、特定の配列を有するタグ相補体の1つの型のみの複製によって体化される。このようなビーズまたは領域の集団は、それぞれに異なる配列を有するタグ相補体のレパートリーを含む。オリゴヌクレオチドタグおよびタグ相補体に関して本明細書中で用いられる場合、用語「レパートリー」とは、固相クローニング(分類)または同定のために使用される、異なるオリゴヌクレオチドタグまたはタグ相補体の総数を意味する。レパートリーは、個別に合成されるオリゴヌクレオチドの最小クロスハイブリット形成セットのセットからなり得るか、または最小クロスハイブリット形成オリゴヌクレオチドの同一のセットからそれぞれ選択されたオリゴヌクレオチドの連結からなり得る。後者の場合、レパートリーは、好ましくは、組み合わせて合成される。
【0043】
好ましくは、タグ相補体は、微粒子上に組み合わせて合成され、そのために各微粒子は、同一のタグ相補体の多くのコピーに付着された。以下の模範的参考に開示されたコントロールドポアガラス(controlled pore glass)(CGP)、高クロスリンク化ポリスチレン、アクリルコポリマー、セルロース、ナイロン、デキストラン、ラテックス、ポリアクロレインなどからできた微粒子を含む、広範な種々の微粒子支持体が、本発明で用いられ得る:Meth. Enzymol.,第A節,11−147頁、第44巻(Academic Press,New York,1976);米国特許第4,678,814号;同第4,413,070号;および同第4,046,720号;およびPon、第19章、Agrawal編中、Methods in Molecular Biology、第20巻、(Humana Press,Totowa,NJ,1993)。さらに、微粒子支持体は、市販のヌクレオシド由来GPG、および(例えば、PE Applied Biosystems,Foster,City,CAより入手可能な)ポリスチレンビーズ;磁気ビーズ誘導体;ポリエチレングリコールとグラフト化したポリスチレン(例えば、TentaGelTM,Rapp Polymere,Tubingen Germany);などを含む。微粒子はまた、Nilsenら、米国特許第5,175,270号により開示されるようなデンドリメリック(dendrimeric)構造からなり得る。一般的に、微粒子のサイズと形は、重大な意味を持たない;しかし、微粒子は、直径で数(例えば、1〜2)μm〜数百(例えば、200〜1000)μmのサイズ範囲内が好ましい。なぜならばこれらは、最小限の試薬およびサンプルの使用法でオリゴヌクレオチドタグの大きなレパートリーの構築および操作を容易にするからである。好ましくは、Bangs Laboratories(Carmel,IN)から入手可能なグリシダルメタクリレート(glycidal metacrylate)(GMA)ビーズは、本発明における微粒子として用いられる。このような微粒子は、種々のサイズにおいて有用であり、そしてタグおよび/またはタグ相補体を合成するための種々の関連群とともに入手可能である。より好ましくは、直径5μmのGMAビーズが使用される。
【0044】
好ましい実施態様において、分類されるか、または固相支持体上にクローン化されるべきポリヌクレオチドは、異なるポリヌクレオチドが異なるタグを有するように付着されたオリゴヌクレオチドタグをそれぞれ有する。この状態は、ポリヌクレオチドの集団より実質的に多いタグのレパートリーを使用することによって、およびタグ化ポリヌクレオチドの全集団からタグ化ポリヌクレオチドの十分に小さいサンプルを得ることによって達成される。このようなサンプリングの後、支持体およびポリヌクレオチドの集団が、オリゴヌクレオチドタグとそれらのそれぞれの相補体との特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で混合される場合、同一のポリヌクレオチドは、特定のビーズまたは領域上で分類する。もちろん、サンプリングされたタグ−ポリヌクレオチド結合体は、好ましくは、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、プラスミド中へのクローニング、RNA転写など、によって)増幅され、次の分析のために十分な材料を提供する。
【0045】
オリゴヌクレオチドタグは、本発明の特定の実施態様における2つの異なる目的のために使用される:オリゴヌクレオチドタグは、Brenner、米国特許第5,604,097号;および国際特許公開WO96/41011に記載されたような固相クローニングを実施するために使用される、ここで多数(例えば、数千から数十万)のポリヌクレオチドは、分析のために混合物から1つ以上の固相支持体上の同一のポリヌクレオチドのクローン亜集団へ分類され、そしてそれらは、例えば、Albrechtら、国際特許公開WO97/46704に開示されるような、数十から数千の数の範囲に達するアダプターをコードするようなポリヌクレオチドを同定するための標識を送達する(または許容する)ために使用される。前者の使用に関して、代表的には、多数、またはレパートリーのタグが必要とされ、そのために個々のオリゴヌクレオチドタグの合成は困難である。これらの実施態様において、このタグの組み合わせの合成が好ましい。他方、例えば、2から数十の範囲における複数の種類または亜集団の(例えば、アダプターをコードした)ポリヌクレオチドに対する標識を送達するために極端に多くのレパートリーのタグが、必要とされない場合、最小クロスハイブリダイズ形成セットのオリゴヌクレオチドタグは、個別に合成、および組み合わせで合成され得る。
【0046】
数百から数千(またはさらに数万)のオリゴヌクレオチドを含むセットは、例えば、Frankら米国特許第4,689,405号;Frankら、Nucleic Acids Research,11:4365−4377(1983);Matsonら、Anal.Biochem.,224:110−116(1995);Fodorら、国際特許公開WO93/22684;Peaseら、Proc.Natl.Acad.Sci.,91:5022−5026(1994);Southernら、J.Biotechnology,35:217−227(1994)、Brennan、国際特許公開WO94/27719;Lashkariら、Proc.Natl.Acad.Sci.,92:7912−7915(1995);などに開示されるような種々の並行合成のアプローチによって直接合成され得る。
【0047】
好ましくは、混合物におけるタグ相補体は(組み合わせで合成されていようと、個別に合成されていようと)、お互いに類似した二重鎖または三重鎖安定性を有するように選択される。従って完全にマッチしたハイブリットは、類似したまたは実質的に一致した融点温度を有する。これは、ミスマッチタグ相補鎖が、ハイブリダイゼーション工程において(例えば、ストリンジェントな条件下の洗浄によって)完全にマッチしたタグ相補鎖からもっと容易に識別されることを可能にする。組み合わせで合成されたタグ相補体のために、最小クロスハイブリダイズ形成セットは、このセットにおける全ての他のサブユニットのように二重鎖安定性へほぼ同等に寄与するサブユニットから構築され得る。このような選択を実行するための手引きは、最適なPCRプライマーの選択および二重鎖安定性の算出に関する公開された技法によって提供される(例えば、Rychlikら、Nucleic Acids Research,17:8543−8551(1989)および18:6409−6412(1990);Breslauerら、Proc.Natl.Acad.Sci.,83:3746−3750(1986);Wetmur,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.,26:227−259(1991);など)。オリゴヌクレオチドの最小クロスハイブリダイズ形成セットは、GC含有量、ミスマッチの分布、理論的融点温度などのようなさらなる基準によってスクリーニングされ得、最小クロスハイブリット形成セットでもあるサブセットを形成する。
【0048】
本発明のオリゴヌクレオチドタグおよびそれらの相補体は、自動DNA合成機(例えば、Applied Biosystems,Inc.(Foster City,California)モデル392または394DNA/RNA合成機)で、ホスホロアミダイト化学(例えば、以下の参考に開示される:BeaucageおよびIyer,Tetrahedron,48:2223−2311(1992);Molkoら、米国特許第4,980,460号、Kosterら、米国特許第4,725,677号;Caruthersら、米国特許第4,415,732号;同第4,458,066号;および同第4,973,679号;など)のような標準的な化学を用いて、容易に合成される。
【0049】
分類のためのオリゴヌクレオチドタグは、12から60ヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲であり得る。好ましくは、オリゴヌクレオチドタグは、18から40ヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲であり得る。より好ましくは、オリゴヌクレオチドタグは、25から40ヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲であり得る。サブユニットの好ましいおよびより好ましい数に関して、それらの範囲は、以下に表され得る:
【0050】
【表12】
Figure 0004344086
最も好ましくは、分類のためのオリゴヌクレオチドタグは、一本鎖であり、ワトソン−クリック対合を介してタグ相補体と特異的にハイブリダイゼーションを生じる。
【0051】
好ましくは、選別するための一本鎖オリゴヌクレオチドタグのレパートリーは、少なくとも100のメンバーを含み;より好ましくは、このようなタグのレパートリーは、少なくとも1000のメンバーを含み;そして最も好ましくは、このようなタグのレパートリーは、少なくとも10,000のメンバーを含む。
【0052】
好ましくは、標識を送達するための一本鎖タグ相補物の長さは、8と20との間である。より好ましくは、この長さは、9と15との間である。
【0053】
特異的なハイブリダイゼーションが三重鎖形成を介して生じる実施態様において、タグ配列のコードは、二重鎖形成タグと同じ原理に従う;しかし、サブユニット配列の選択にはさらなる制約が存在する。一般に、Hoogsteen型の結合を介する第3の鎖の会合は、二本鎖標的におけるホモピリミジン−ホモプリントラック(track)に沿って最も安定である。通常、塩基三本鎖は、T−A*TまたはC−G*Cモチーフにおいて形成する(ここで、「−」は、ワトソン/クリック対形成を示し、そして「*」はHoogsteen型の結合を示す);しかし、他のモチーフもまた、可能である。例えば、Hoogsteen塩基対形成は、条件および鎖の組成に依存して、第3の鎖(Hoogsteen鎖)と第3の鎖が結合するプリンに富んだ二重鎖との間での平行および逆平行の配向を許容する。特定の実施態様で所望されるような三重鎖の安定性を最大化するか、さもなければ調節するために、適切な配列、配向、条件、ヌクレオシド型(例えば、リボースヌクレオシドを用いるかまたはデオキシリボースヌクレオシドを用いるか)、塩基改変(例えば、メチル化シトシンなど)を選択することについては、参考文献中に広範なガイダンスが存在する。一本鎖または二重鎖タグをそれらの一本鎖の相補物または二重鎖の相補物にアニーリングするための条件は、周知である(例えば、Jiら、Anal.Chem.65:1323〜1328(1993);Cantorら、米国特許第5,482,836号など)。選別する際の三重鎖タグの使用は、その相補物にアニーリングするためにタグを曝露する、ポリメラーゼを伴なう「ストリッピング」反応を必要としない利点を有する。
【0054】
選別するための例示的なタグライブライリーを以下(配列番号1)に示す。
【0055】
【化1】
Figure 0004344086
オリゴヌクレオチドタグのフランキング領域を操作し、上記で例示されるように、都合のよいクローニングベクターへの挿入またはクローニングベクターからの除去のための制限部位を含み得る。必要に応じて、左または右のプライマーを、ビオチンを付着するように合成し(従来の試薬を使用、例えば、Clontech Laboratories、Palo Alto、CAから入手可能)、増幅および/または切断後の精製を容易にし得る。好ましくは、タグ−フラグメント結合体を作製するために、上記のライブラリーを従来のクローニングベクター(例えば、pUC19など)に挿入する。必要に応じて、タグライブラリーを含むベクターは、例えば、BamHIおよびBbsIで完全に消化されたフラグメントの単離を容易にする、「スタッファー」領域(「XXX・・・XXX」)を含み得る。
【0056】
本発明の重要な局面は、各微小粒子または各領域が、実質的に、1つの種類の付着した配列のみを有するような;すなわち、DNA配列が、クローンの亜集団中に存在するような、例えば、cDNAライブラリーから固相支持体上の微小粒子または別々の領域への、DNA配列の集団の選別および付着である。この目的は、実質的に全ての異なるDNA配列が、付着した異なるタグを有することを保証することにより達成される。この条件は、次々に、分析のために十分な全体のタグ−DNA配列の結合体のサンプルのみを採取することによりもたらされる(同一DNA配列が異なるタグを有することが認容される。なぜなら、それは、単に、同じDNA配列が、作動中であるかまたは2回分析されることを生じるからである)。このようなサンプル採取は、このタグがDNA配列に付着された後、明白に実行され得るか(例えば、より大きい混合物から少量を採取することによって);それは、DNA配列およびタグをプロセスするために使用される技術の二次効果として固有に実行され得るか;またはサンプル採取は、明白およびプロセスシング工程の固有部としての両方で実行され得るかのいずれかである。
【0057】
n個のタグ−DNA配列結合体のサンプルを、反応混合物から無作為に抽出する場合(サンプル容量を採取することによって作用し得るように)、同じタグを有する結合体を抽出する確率は、ポワソン分布(P(r)=e-λ(λ)r/r 、ここで、rは同じタグを有する結合体の数であり、そしてλ=np、ここでpは、所定のタグが選択される確率である)により記載される。n=106かつp=1/(1.67×107)の場合(例えば、Brennerらに記載される8個の4塩基のワードをタグとして用いた場合)、λ=0.0149およびP(2)=1.13×10-4である。従って、100万個の分子のサンプルは、好ましい十分の範囲内で二本鎖の期待される数を生じる。このようなサンプルは、タグ−フラグメント結合体を含む混合物の系列希釈により容易に得られる。
【0058】
本明細書中で使用されるように、タグを分子、特にポリヌクレオチドに付着することに関する、用語「実質的に全て」は、本質的に二重鎖がないタグ−分子結合体の集団を得るために用いられるサンプル採取の手順の統計学的性質を反映することを意味する。好ましくは、少なくとも95%のDNA配列が、唯一の付着したタグを有する。
【0059】
好ましくは、DNA配列は、タグライブラリーを保有する従来のクローニングベクター中にこの配列を挿入することによってオリゴヌクレオチドタグに結合する。例えば、それらの5’末端にBsp120I部位を有するcDNAを構築し、そしてBsp120Iおよび別の酵素(例えば、Sau3AまたはDpn II)での消化後、式Iのタグを保有するpUC19に定方向で挿入し、あらゆる可能なタグ−cDNA対形成を含む、タグ−cDNAライブラリーを形成し得る。サンプルを、増幅および選別のためにこのライブラリーから採取する。サンプル採取を、このライブラリーの系列希釈によってか、またはコロニーからプラスミド含有細菌宿主を単純に採集することによって達成し得る。増幅後、このタグ−cDNA結合体をプラスミドから切り出し得る。
【0060】
オリゴヌクレオチドタグを、例えば、上記のように一本鎖にすることによって、特異的ハイブリダイゼーションのために調製した後、このポリヌクレオチドを、タグとそれらの相補物との間の完全に適合した二重鎖の形成に好ましい条件下で、このタグの相補的な配列を含む微小粒子と混合する。これらの条件を作製するために参考文献中に広範なガイダンスが存在する。このようなガイダンスを提供する例示的な参考文献は、Wetmur、Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology、26:227〜259(1991);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory、New York、1989)などを含む。好ましくは、このハイブリダイゼーション条件は、完全に適合した配列のみが安定な二重鎖を形成するように十分にストリンジェントである。このような条件下で、それらのタグを介して特異的にハイブリダイズされるポリヌクレオチドが、微小粒子に付着された相補的な配列に連結され得る。最終的に、この微小粒子を、非連結性および/または非適合性タグを有するポリヌクレオチドを除去するために洗浄する。
【0061】
タグのそれらの相補物に対するハイブリダイゼーションの特異性は、サンプル中の高いパーセントのタグが唯一であり、かつサンプル中の実質的に全てのタグの最も近接する隣接物が、少なくとも2ワードで異なる程度に十分に小さいサンプルを採取することによって、増強され得る。この後者の条件は、用いられているレパートリーの約0.1%以下のサイズである、多数のタグ−ポリヌクレオチド結合体を含むサンプルを採取することによって満たされ得る。例えば、タグが8つのワードで構築される場合、88または約1.67×107のタグおよびタグ相補物のレパートリーが産生される。上記のようなタグ−DNA配列結合体のライブラリーにおいて、0.1%のサンプルは、約16,700の異なるタグが存在することを意味する。これを、微小粒子のレパートリー等価物、またはこの例においては、1.67×107微小粒子のサンプル上に直接充填した場合、サンプルにされた微小粒子のほんの低密度なサブセットが充填される。好ましくは、充填された微小粒子を、DNA配列を蛍光的に標識し、そして変性した後に、従来のプロトコルを使用して、蛍光活性化セルソーティング(FACS)機器によって充填されていない微小粒子から分離し得る。充填し、そしてFACS分離した後、この標識を、この付着したDNA配列の使用または他の分析の前に切断し得る。
【0062】
参照DNA集団は、異なる試験集団における頻度が比較されるべきである、任意のセットのDNA配列からなり得る。好ましくは、複数の細胞中または組織中の遺伝子発現の分析における使用のための参照DNA集団は、遺伝子発現が比較されている、細胞または組織の各々に由来するcDNAライブラリーを生成することによって構築される。これは、種々の細胞および/または組織から抽出されるmRNAをプールすることによって達成され得るか、あるいは別々に構築されたcDNAライブラリーのcDNAをプールすることによって達成され得るかのいずれかである。あるいは、参照DNA集団は、ゲノムDNAから構築され得る。この目的は、分析されている任意の細胞中または組織中に可能に発現され得る全ての配列を含むDNA配列の1セットを得ることである。一旦、参照DNA集団を構成するDNA配列が得られると、それらは、固相クローニングのためにオリゴヌクレオチドタグに結合しなければならない。好ましくは、このDNA配列は、上記のように、適切なタグのレパートリーを保有するベクターに挿入され、タグ−DNA配列結合体のライブラリーを形成し得るように調製される。結合体のサンプルを、このライブラリーから採取し、増幅し、そして微小粒子上に充填する。このサンプルは、全ての異なる型のDNA配列が充填された微小粒子上に表される確率が高いように十分に大きいことが重要である。例えば、比較されている複数の細胞の中で、全体で約25,000個の遺伝子を発現する場合、この数の約5倍のサンプル、すなわち約125,000個のタグ−DNA配列結合体は、全ての可能なDNA配列が約99%の確率で充填された微小粒子中に表されることを保証するように採取されるべきである(例えば、Sambrookら(上記))。
【0063】
別の実施態様において、参照集団は、細胞周期タンパク質、シグナル伝達経路タンパク質、癌遺伝子産物、腫瘍サプレッサー、キナーゼ、ホスファターゼ、転写因子、増殖因子レセプター、増殖因子、細胞外マトリックスタンパク質、プロテアーゼ、細胞骨格タンパク質、膜レセプター、Rb経路タンパク質、p53経路タンパク質、代謝に関与するタンパク質、ストレスに対する細胞応答に関与するタンパク質、サイトカイン、DNA損傷および修復に関与するタンパク質、ならびにアポトーシスに関与するタンパク質からなる群から選択されるタンパク質の特定のセット(単数)またはセット(複数)をコードするポリヌクレオチドの1セットを含み得る。このようなポリヌクレオチドは、代表的には、固体支持体当たりに唯一の配列を有するオリゴヌクレオチドを介して固相支持体に付着されるが、このようなポリヌクレオチドはまた、各固相支持体に共通である配列(例えば、ポリアデニル化オリゴヌクレオチド)を有するオリゴヌクレオチドを介して固相支持体に付着され得る。
【0064】
好ましくは、タグ−DNA配列結合体をサンプルにした後、Brennerら(上記)に開示されるように、それらを、蛍光的に標識されたプライマーを使用してPCRにより増幅し、微小粒子のタグ相補物上に充填するために有意な材料を提供し、そして充填されていない微小粒子から充填された微小粒子を区別する手段を提供する。好ましくは、このPCRプライマーはまた、この蛍光標識が、研究されている細胞または組織由来の標識されたDNA鎖の競合的なハイブリダイゼーションの前に、cDNAの末端から切断され得るように、二本鎖産物中においてレアカッティング(rare−cutting)制限エンドヌクレアーゼ(例えば、PacI)の制限部位の生成を可能にする配列を含む。このような充填の後、特異的にハイブリダイズしたタグ−DNA配列結合体を、タグ相補物に連結し、そしてこの充填された微小粒子を、FACSによって充填されていない微小粒子から分離する。この蛍光標識を、充填された微小粒子のDNA鎖から切断し、そして非共有結合で付着した鎖を、従来のプロトコルを使用して、熱、ホルムアミド、NaOH、および/または同様の手段を用いて変性することによって除去する。次いで、この微小粒子は、競合的ハイブリダイゼーションのために用意される。
【0065】
(競合的ハイブリダイゼーションおよび光生成標識)
分析されている細胞および/または組織由来の遺伝子発現産物(例えば、mRNAまたはcDNA)を単離する。この発現産物を、供給源を区別するために標識する。好ましくは、各供給源由来の産物は、任意の他の供給源の産物(例えば、唯一および区別可能な発光頻度を有する各々)により含まれる標識とは異なる標識を含む。あるいは、1つの供給源の産物は、未標識のままおかれ得る。この発現産物を、従来の技術(例えば、DeRisiら(上記)など)によって標識し得る。好ましくは、光生成標識を、抽出されたmRNAから逆転写されたcDNAに組込み、またはオリゴヌクレオチドタグを、同定のために標識されたタグ相補物を提供するために付着する。蛍光標識、比色定量標識、化学発光標識、および電気発光標識を含む、多数の光生成標識が入手可能である。一般に、このような標識は、吸収頻度、発光頻度、強度、シグナル寿命、またはこのような特徴の組合せを含み得る光学シグナルを生じる。好ましくは、蛍光標識を、蛍光的に標識されたヌクレオシド三リン酸の直接的な組込みによってか、あるいは捕捉部分(例えば、ビオチン化ヌクレオシド三リン酸またはオリゴヌクレオチドタグ)の組込みによる間接的な適用によってのいずれかで、続いて蛍光シグナルを生成し得る部分(例えば、ストレプトアビジン−蛍光色素結合体または蛍光的に標識されたタグ相補物)と複合体化することによって用いる。好ましくは、蛍光標識から検出される光学シグナルは、1つ以上の特徴的な発光頻度での強度である。蛍光色素およびDNA鎖にそれらを付着させるかまたは組み込むための手段の選択は、周知である。例えば、DeRisiら(上記)、Matthewsら、Anal.Biochem.、第169巻、1〜25頁(1988);Haugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(Molecular Probes,Inc.、Eugene、1992);KellerおよびManak、DNA Probes、第2版(Stockton Press、New York、1993);ならびにEckstein、編集者、Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach(IRL Press、Oxford、1991);Wetmur、Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology、26:227〜259(1991);Juら、Proc.Natl.Acad.Sci.、92:4347〜4351(1995)ならびにJuら、Nature Medicine、2:246〜249(1996)など。
【0066】
好ましくは、光生成標識は、それらの各光学シグナルが存在する標識されたDNA鎖の量と関連し得るように、そして異なる光生成標識により生成されたこの光学シグナルが比較され得るように、選択される。蛍光標識の発光強度の測定は、この設計目的を満たす好ましい手段である。蛍光色素の所定の選択について、それらの発光強度を標識されたDNA鎖のそれぞれの量と関連付けることは、異なる色素、量子収率、発光バンド幅、吸収極大、吸収バンド幅、励起光源の性質などを含む、いくつかの因子の考慮を必要とする。蛍光強度測定を作製するための、そしてそれらを分析物の量に関連付けるためのガイダンスは、化学および分子分析に関する参考文献中で入手可能である。例えば、Guilbault、編集者、Practical Fluorescence、第2版(Marcel Dekker、New York、1990);Pesceら、編集者、Fluorescence Spectroscopy(Marcel Dekker、New York、1971);Whiteら、Fluorescence Analysis:A Practical Approach(Marcel Dekker、New York、1970)など。本明細書中で使用されるように、用語「相対的な光学シグナル」とは、相補的な参照DNA鎖と二重鎖を形成する、同一な配列、または実質的に同一な配列の、異なって標識されたDNA鎖の比率に関連し得る、異なる光生成標識からのシグナルの比率を意味する。好ましくは、相対的な光学シグナルは、2つ以上の異なる蛍光色素の蛍光強度の比率である。
【0067】
多数の細胞または組織由来の標識されたDNA鎖の間の競合的ハイブリダイゼーションは、従来のハイブリダイゼーション反応において、各々の供給源由来の等量の標識されたDNA鎖を参照DNA集団で充填された微小粒子に適用することによって実行される。競合的ハイブリダイゼーション反応に加えられた特定量の標識されたDNA鎖は、本発明の実施態様に依存して広範に変動する。このような量の選択に影響する因子は、使用される微小粒子量、使用される微小粒子型、微小粒子上の参照DNA鎖の充填、標識されたDNA鎖集団の複雑性などを含む。ハイブリダイゼーションは、同一または実質的に同一である配列を有する、異なって標識されたDNA鎖が、同じ相補的な参照DNA鎖にハイブリダイズするように競合するという点で競合的である。競合的ハイブリダイゼーション条件は、相補的な参照DNA鎖と二重鎖を形成する標識されたDNA鎖の割合が、それらの各集団中の同一配列の競合するDNA鎖の量と比較したその集団中のDNA鎖の量を反映し、そして好ましくは、正比例するように選択される。従って、同一配列を有する第1および第2の異なって標識されたDNA鎖は、例えば、第1の標識されたDNA鎖が1ng/μlの濃度で、そして第2の標識されたDNA鎖が2ng/μlの濃度であるように、相補的な参照DNA鎖とのハイブリダイゼーションで競合している場合、平衡状態では、参照DNAと形成された二重鎖の1/3が第1の標識されたDNA鎖を含み、そして二重鎖の2/3が第2の標識されたDNA鎖を含むことが期待される。ハイブリダイゼーション条件を選択するためのガイダンスは、KellerおよびManak(上記);Wetmur、(上記);Hamesら、編集者、Nucleic Acid Hybridization:A Practical Approach(IRL Press、Oxford、1985)などを含む、多数の参考文献中で提供される。
【0068】
本発明の別の局面は、微小粒子の混合物を含む、差示的に発現された遺伝子を分析するためのキットである。ここで、各々の微小粒子は、それに付着された同一な一本鎖の核酸分子の集団を有し、この一本鎖核酸分子は、各微小粒子で異なっており、そして少なくとも1つの細胞または組織供給源のmRNAに由来するポリヌクレオチドを含む。好ましくは、上記核酸分子の各々は、さらに、上記ポリヌクレオチドと並置して、そして上記微小粒子と上記ポリヌクレオチドとの間に位置したオリゴヌクレオチドタグを含む。このキットは、さらに、上記細胞または組織供給源の少なくとも1つ由来のcDNA分子の集団、cDNA集団を標識するための試薬、競合的ハイブリダイゼーションを実施するための試薬などを含む。所望される場合、キット中のcDNA分子を、蛍光的な標識型で提供する。このキットは、競合的ハイブリダイゼーションを実施するためのさらなる成分(例えば、ハイブリダイゼーション緩衝液、PCR緩衝液、および標準物質など)を含み得る。このキットは、さらに、各々の成分に対する少なくとも1つの容器またはいくつかの容器を含み得、そして差示的に発現された遺伝子を分析する際の使用のための印刷された取扱説明書を含み得る。
【0069】
本発明はまた、それに付着されたオリゴヌクレオチドタグ相補物を有する複数の微小粒子を含む、参照集団を調製するためのキットを提供し、ここで上記オリゴヌクレオチドタグ相補物の配列は、各微小粒子で異なっている。このキットは、さらに、タグ相補物に相補的な配列を有するタグのライブラリーを含む複数のベクターを含み得る。このキットは、さらに、少なくとも1つの細胞または組織供給源、好ましくはcDNA由来のポリヌクレオチドの集団を含み得る。ポリヌクレオチドの集団が含まれる場合、好ましくは、ポリヌクレオチドの集団は、上記複数の微小粒子から分離された容器中に含まれる。このキットはまた、参照集団を調製するための試薬、例えば、アダプター、標識、ポリメラーゼ、dNTP、標識dNTP、PCR緩衝液など、ならびに参照集団を調製するための印刷された取扱説明書を含み得る。
【0070】
(上方制御された遺伝子産物および/または下方制御された遺伝子産物を有する微小粒子のフローソーティング)
標識されたポリヌクレオチドを、微小粒子上の参照集団に競合的にハイブリダイズした後、この微小粒子を、微小粒子および付着された配列の化学的および/または物理的性質に依存する多数の方法で分析および/または選別し得る。例えば、目的の微小粒子を、微小マニュピレータにより機械的に分離し得、磁気微小粒子は、磁場を調節するかまたは操作することによって選別し得、荷電した微小粒子を、電気泳動などによって操作し得る。以下の参考文献は、微小粒子を分析および/または分類する手段を選択するためのガイダンスを提供する:Pace、米国特許第4,908,112号;Saurら、米国特許第4,710,472号;Senyeiら、米国特許第4,230,685号;Wildingら、米国特許第5,637,469号;Pennimanら、米国特許第4,661,225号、Karnaukhovら、米国特許第4,354,114号;Abbottら、米国特許第5,104,791号;Gavinら、PCT公開WO97/40383など。好ましくは、蛍光的に標識されたDNA鎖を含む微小粒子を、市販のFACS機器(例えば、Van Dillaら、Flow Cytometry:Instrumentation and Data Analysis(Academic Press、New York、1985);Fulwylerら、米国特許第3,710,933号;Grayら、米国特許第4,361,400号;Dolbeareら、米国特許第4,812,394号など)によって、都合よく区別し、そして選別する。参照の鎖に競合的にハイブリダイズした蛍光的に標識されたDNA鎖について、好ましくは、このFACS機器は、複数の蛍光チャネル能力を有する。好ましくは、1つ以上の高い強度の光源(例えば、レーザー、水銀アークランプなど)での励起では、各微小粒子は、微小粒子により運ばれる各細胞または組織タイプ由来の標識されたDNA鎖の量に関連した、蛍光シグナル、通常、蛍光強度を生成する。実施例1の図1aに示されるように、各微小粒子の蛍光強度を、二次元グラフにプロットする場合、等しい発現レベルを示す微小粒子は、グラフの対角線(100)上かまたはその近傍である。上方制御および下方制御された遺伝子は、対角線から離れた領域(off−diagonal region)に出現する。このような微小粒子は、図1bに示されるように一方または両方の対角線から離れた領域(112)を囲むようにソーティングパラメーターをグラフ規定することによって、市販のFACS機器によって容易に選別される。従って、微小粒子は、それらの相対的な光学シグナルに従い分類され得、そして所望される場合、異なる細胞または組織供給源中での遺伝子発現における差異に対応する、所定の範囲の値内で、シグナルを生成するそれらの微小粒子を蓄積することによって、さらなる分析のために収集され得る。
【0071】
(ポリヌクレオチドが由来する核酸配列の存在比に従う微粒子のフローソーティング)
蛍光標識されたDNA鎖を含む微粒子はまた、それらが由来する遺伝子産物の存在比に従って分類および識別され得る。核酸配列の存在比は、関連する遺伝子発現を決定するために、上記に記載される方法によって決定され得、そして微粒子に結合されたポリヌクレオチドによって生成された光学的なシグナルの強度レベルと相関され得る。より低い強度は、より珍しい核酸配列の指標である(例えば、珍しい遺伝子産物)。珍しい遺伝子は、mRNAをコードする遺伝子であり、これは、1細胞あたり約100コピー以下で存在し、より好ましくは約50コピー未満から約25コピー未満まで、最も好ましくは細胞あたり約10コピー未満である。珍しい遺伝子は、実施例9および10に示される、低い蛍光強度を有する微粒子を収集することによって単離され得る。収集された微粒子は、代表的には、総微粒子の約5%未満、より好ましくは約2.5%、1%、〜0.5%以内、最も好ましくは約0.1%未満を含む。
【0072】
あるいは、ハイブリダイゼーション速度は、核酸配列の存在比に比例するので、より少ない存在比の核酸配列は、細胞または組織供給源においてより低い存在比で存在する核酸配列が、ハイブリダイズされない状態で残存するハイブリダイゼーション条件を設定することによって単離され得る。適切なハイブリダイゼーション条件は、規格化されたcDNAライブラリーを産生するために使用される条件を含む(Patanjaliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:1943−1947(1991))。例えば、大量なDNA種のハイブリダイゼーションに最大期間を許容した後、ハイブリダイズしていないDNAを収集することによって、珍しい遺伝子を単離し得る。
【0073】
反復配列は、マッピングおよび多型分析をしばしば複雑にする。反復配列は、トランスポゾン、レトロトランスポゾン、レトロウイルス、Alu配列のような短散在反復エレメント(SINE)、サテライトDNA,ミニサテライトDNA、メガサテライトDNAなどのゲノムにおける存在に起因して存在する。反復配列は、上記に記載したように、より遅くハイブリダイズするDNA種から迅速にハイブリダイズするDNA種を識別することによって、DNA集団から除去され得る。好ましくは、ハイブリダイズしない集団は、非反復核酸配列に由来するポリヌクレオチド中に実質的に富化される。
【0074】
本発明の別の局面は、上記に記載および使用のための印刷された指示書ように調製された微粒子を含む核酸配列の存在比について、核酸配列を分析および/または単離するためのキットである。
【0075】
(大規模並行サイン配列決定(massively parallel signature sequencing(MPSS))によって識別された遺伝子の同定)
発現された遺伝子は、MPSSによって並列して同定され得る。MPSSは、以下の2つの技術の組み合わせである:並列処理のためにDNAフラグメントをタグ化し、そして識別するための技術(例えば、Brennerら、国際公開第WO96/41011号)、およびDNAフラグメント末端を段階的に配列決定するための別の技術(例えば、Brenner、米国特許第5,599,675号およびAlbrechtら、国際特許公開第WO97/46704号)。標的ポリヌクレオチドの第1の制限エンドヌクレアーゼでの初期消化の後、制限フラグメントを、以下およびBrennerら、国際公開第WO96/41011号に記載されるようにオリゴヌクレオチドタグに連結し、その結果、得られたタグフラグメント結合体をサンプリングし、増幅し、そしてオリゴヌクレオチドタグの、それらのタグ相補体との特異的なハイブリダイゼーションによって分離固相支持体上で識別し得る。
【0076】
一旦、DNAフラグメントの増幅サンプルが、固相支持体上で識別され、実質的に同一なフラグメントの均一集団を形成すると、フラグメントの末端は、好ましくは、アダプターに基づいた方法(連結、同定、および切断の反復サイクルを含むDNA配列決定(例えば、Brenner,米国特許第5,599,675号に記載される方法))を用いて配列決定される。さらに好ましくは、配列決定方法に使用されるアダプターの各々は、Albrechtら、国際特許公開第WO97/46704に教示されるように、突出鎖(protruding strand)、およびオリゴヌクレオチドの最小の交差ハイブリダイズするセットから選択されたオリゴヌクレオチドタグを有する。このようなアダプターは、本明細書中で「コード化アダプター(encoded adaptor)」と呼ばれる。コード化アダプターの突出鎖がフラグメントの相補的突出鎖と完全に一致した二重鎖を形成するコード化アダプターが、リガンドである。連結後、突出鎖のヌクレオチドの同一性および順序が決定されるか、あるいは標識化されたタグ相補体または連結されたアダプター上の対応タグに対する「デコーダー(de−coder)」と特異的にハイブリダイズすることによって「解読」される。
【0077】
好ましい配列決定方法は、以下からなる工程で行われる:(a)コード化アダプターをフラグメントの末端に連結する工程であって、このコード化アダプターは、ヌクレアーゼのヌクレアーゼ認識部位を有し、その切断部位は、その認識部位から分離している、工程;(b)フラグメントの末端に連結されたコード化アダプターの同一性によって、フラグメントの末端の1つ以上のヌクレオチドを同定する工程;(c)フラグメントが1つ以上のヌクレオチド程度短縮されるように、コード化アダプターのヌクレアーゼ認識部位を認識するヌクレアーゼでフラグメントを切断する工程;および(d)フラグメントの末端の上記ヌクレオチド配列が決定されるまで、上記工程(a)から(c)を繰り返す工程。この同定工程において、タグ相補体の連続的なセット、あるいは「デコーダー」は、フラグメントの末端に連結されたコード化アダプターに保有される各タグに特異的にハイブリダイズされる。ポリヌクレオチドの突出鎖におけるヌクレオチドの型および配列は、以下に記載されるように、特異的にハイブリダイズされるデコーダーに保有される標識およびデコーダーに由来するセットによって同定される。
【0078】
(従来の配列決定による識別された遺伝子の同定)
微粒子によって保有される遺伝子産物は、従来のDNA配列決定プロトコルを使用して識別後(例えば、FACSによって)、同定され得る。このような配列決定のための適切なテンプレートは、差示的に発現された遺伝子産物を保有する識別された微粒子から開始するいくつかの異なる方法において生成され得る。例えば、単離された微粒子に付着された参照DNAは、サイクル配列決定(cycle sequencing)によって標識された伸長産物を生成するために使用され得る(例えば、Brenner、国際公開第WO96/12039号によって教示されるように)。この実施態様において、プライマー結合部位(400)は、(図4aに示されるように)参照DNA(402)中にタグ相補体(406)に対して遠位に操作される。例えば、別のマイクロターターウェルなどに分類することによって微粒子を単離した後、差示発現された鎖を溶解する。プライマー(404)を加え、そして標識された伸長産物を形成するように、従来のサンガー配列決定反応を実行する。次いで、これらの産物は、配列決定にために、電気泳動などの技術よって分離される。同様の実施態様において、配列決定のテンプレートは、個々の微粒子を識別することなく産生され得る。プライマー結合部位(400)および(420)は、プライマー(404)および(422)を使用するPCRによってテンプレートを生成するために使用され得る。次いで、このテンプレートを含む、得られた単位複製配列は、従来の配列決定ベクター(例えば、M13)中にクローン化される。形質移入の後、宿主をプレートし、そして配列決定のために個々のクローンを選択する。
【0079】
別の実施態様において、図4bに例証されるように、プライマー結合部位(412)は、競合的にハイブリダイズされた鎖(410)中に操作され得る。この部位は、参照DNA(402)中に相補鎖を有する必要はない。識別の後、参照配列(402)の競合的にハイブリダイズされた鎖(410)は溶解され、そしては、プライマー(414)および(416)を使用して、例えば、PCRによって増幅され、この参照配列(402)は、より容易な操作のため、ビオチンで標識化および/または誘導体化され得る。次いで、この溶解されそして増幅された鎖は従来の配列決定ベクター(例えば、M13)にクローン化され、これは宿主をトランスフェクトするために使用され、順々にプレートされる。個々のコロニーが、配列決定のために選ばれる。
【0080】
(実施例1:タグ化cDNAライブラリーの構築、サンプリング、およびタグ化cDNAの微粒子上へのローディング)
この実施例において、微粒子上にロードするためのタグ化参照DNAを調製するための好ましいプロトコルが、記載される。手短には、目的の各細胞または目的の各組織からのcDNAを調製し、そして式1のタグエレメントを含むベクターに直接的にクローン化する。好ましくは、このような細胞または組織から抽出されたmRNAを、通常同じ比率で、第1鎖合成より先に組み合わせる。mRNAを標準的なプロトコルを使用して得、この後、第1鎖および第2鎖の合成を例示されるように実行し、そして得たcDNAを、式1のタグエレメントまたは同様のタグエレメントを含むベクターに挿入する。次いで、このタグcDNA結合体を含むベクターを使用して、適切な宿主(代表的には、従来の細菌宿主)に形質転換し、その後、宿主培養物からの細胞サンプルをさらに拡張し、そしてベクターDNAを抽出する。好ましくは、このタグcDNA結合体をPCRによってベクターから増幅し、そしてタグ相補体で誘導される微粒子上にロードするために、以下に記載されるように処理する。非共有結合的に付着した鎖を溶解した後、cDNAを含む微粒子を、競合的にハイブリダイズされる遺伝子産物を受容するように、本発明に従って用意する。示した工程に関連する特定の手引きは、Sambrookら(上記に引用される);Ausbelら、編者、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiliey & Sons,New York,1995);および分子生物学技術についての同様の手引きにおいて利用可能である。
【0081】
約5μgのmRNAのペレットを、10μlの5×SUPERSCRIPT緩衝液(250mM Tris−HCl(pH8.3)、375mM KCl、および15mM MgCl2)(GIBCO/BRL)(または同様の逆転写酵素緩衝液)、5μlの0.1Mジチオスレイトール(DTT)、2.5μlの3dNTP/メチル−dCTP混合物(10μMの各dATP、dGTP、dTTP、および5−メチル−dCTP、例えば、Pharmacia Biotechから入手可能)、1μl RNasin、12μlの以下に示される0.25μg/μlの逆転写酵素プライマー、および14.5μlのH2Oからなる、45μl(最終容量)の第1鎖プレミックス(pre−mix)中に再懸濁する。
【0082】
【化2】
Figure 0004344086
転写プライマー(配列番号2)
室温下で15分間のインキュベートした後、5mlの200U/μl SUPERSCRIPTを添加し、そしてこの混合液を42℃で1時間インキュベートした。1時間のインキュベートの後、上記の混合液(総量約50μl)を、氷上で、80μlの5×第2鎖緩衝液(94mM Tris−Cl(pH6.9)、453mM KCl、23mM MgCl2、および50mM (NH42SO4)からなる、第2鎖プレミックス(容量336μl)に添加し、約386μlの総反応容量を得る。別に、4μlの0.8U/μl RNase H(3.2ユニット)および10μlの10unit/μl E.coli DNAポリメラーゼI(100ユニット)を組み合わせ、そしてこの組み合わせた酵素混合液を、上記の第2鎖反応混合液に添加する。その後、総反応容量を5秒間、微量遠心し、次いで16℃で1時間および室温で1時間インキュベートし、以下の二重鎖cDNA(配列番号3)を得る:
【0083】
【化3】
Figure 0004344086
ここでXは、cDNA中のヌクレオチドを示し、VはA、C、またはGを表し、そしてBはC、G、またはTを表す。逆転写プライマー配列は、cDNA中にBsm BI部位を与えるために選択され、この酵素は、Bsm BIでの消化に5’−GCATオーバーハングを生じることに留意のこと。
【0084】
フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿の後、このcDNAをDpn II(New England Biolsbs,Beverely,MA)で消化するために、製造者の推奨緩衝液中に再懸濁し、次いで、アビジン化ビーズ(Dynal、Oslo、Norway)上でビオチン化フラグメントを捕獲する。洗浄後、この捕獲されたフラグメントを、Bsm BIで消化し、以下のcDNA(配列番号4)を放出し、これをエタノールで沈殿する。
【0085】
【化4】
Figure 0004344086
従来のクローニングベクター(例えば、BLUESCRIPT II、pBCなど(Stratagene Cloning System、La Jolla、CA))を操作し、以下のエレメントの配列(配列番号5)を有する(これらは式1で示される配列である)。
【0086】
【化5】
Figure 0004344086
Bbs IおよびBam HIで消化した後、このベクターを電気泳動によって精製し、連結のためにcDNAと合わせる。Bbs I消化が、cDNAのBsm BI−消化末端と適合する末端を生じるようにベクターを操作していることに注意のこと。連結後、適切な宿主細菌を形質転換し、そして後に使用するために培養を拡張する。
【0087】
拡大された培養物からの宿主細胞サンプルを、挿入されたcDNAを有するベクターを保有する画分を決定するためにプレートする。その後、約1.7×105の挿入物含有細胞に一致する培養物のアリコートを回収し、そして別々に培養中で拡大する。これは、式Iに示される型のタグの約1%の貯蔵量を示す。
【0088】
好ましくは、このタグ−cDNA結合体を、以下のような従来のプロトコルを使用して、PCRによってベクターから増幅する。8つの複製PCRの各々について、以下の反応成分を組み合わせる:1μlのベクターDNA(1つのライブラリーについて125ng/μl、単一クローンについて109コピー);10μlの10×Klentaq Buffer(Clontech Laboratories,Palo Alto,CA);0.25μlビオチン化20マー「正方向」PCRプライマー(1nmol/μl);0.25μlのFAM標識20マー「逆方向」PCRプライマー(1nmol/μl);1μlの25mM dATP、dGTP、dTTP、および5−メチル−dCTP(総dNTP濃度100mM);5μlのDMSO;2μlの50×Klentaq酵素;および80.5μlのH2O(総容量100μlについて)。PCRを、MJR DNA Engine(MJ Reserch)または同様の熱サイクラーにおいて以下のプロトコルで行う:1)94℃、4分間;2)94℃、30秒;3)67℃、3分間;4)工程2および3の8サイクル;5)94℃、30秒;6)64℃、3分間;7)工程5および6の22サイクル;8)67℃、3分間;および9)4℃で保持。
【0089】
8つのPCR混合液をプールし、そして室温で700μlのフェノールを加える。その後、組み合わせた混合溶液を20〜30秒間ボルテックスし、次いで、高速(例えば、Eppendorf卓上遠心機などの機器において14,000rpm)で3分間遠心分離する。この上清を除去し、そして新しいチューブ中で700μlのクロロホルム(24:1のクロロホルム:イソ−アミルアルコールの混合物)と合わせ、20〜30秒間ボルテックスし、そして1分間遠心分離する。その後、この上清を新しいチューブに移し、そして80μlの3M酢酸ナトリウムおよび580μlのイソプロパノールと組み合わせる。20分間の遠心分離の後、この上清を除去し、そして1mlの70%エタノールを加える。この混合液を5〜10分間遠心分離し、その後、このエタノールを除去し、沈殿したDNAをスピードバック(speed back)で真空乾燥する。
【0090】
再懸濁の後、このcDNAを、製造者の推奨プロトコルを使用して、アビジン化磁気ビーズ(Dynal)で精製し、そしてまた製造者の推奨プロトコル(New England Biolabs,Beverly,Mt)を使用して、Pac I(1μgのDNAあたり1ユニットの酵素)で消化する。この切断されたDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、次いでエタノール沈殿する。タグ−cDNA結合体のタグを、1μgのストレプトアビジン−精製DNAあたり2ユニットのT4 DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)を組み合わせることによって、一本鎖を生じる。150μgのストレプトアビジン−精製DNAを200μlのH2Oに再懸濁し、以下の反応成分と組み合わせる。最終反応容量を300μlにする:30μlの10NEB緩衝液、番号2(New England Biolabs);9μlの100mM dGTP;30μlのT4 DNAポリメラーゼ(10ユニット/μl);および31μlのH2O。1時間、37℃インキュベートした後、この反応溶液を、20μlの0.5M EDTAを添加することによって停止し、そして20分間、75℃でこの反応溶液をインキュベートすることによって、T4DNAポリメラーゼを不活性化する。タグ−cDNA結合体をフェノール/クロロホルム抽出法で精製し、そしてエタノール沈殿する。
【0091】
タグ相補体を有する5μmのGMAビーズを、自動化DNA合成機(Gene Assembler Special/4 Primers,Pharmacia Biotech,Bjorkgatan、Swedenまたは同様の装置)で、従来のホスホルアミダイド化学を使用する組み合わせ合成(combinatorial synthesis)によって調製した。ここで、核酸を3’から5’の方に縮合する。好ましい実施態様において、28ヌクレオチド「スペーサー」配列を合成し、次いでタグ相補体配列(タグ相補体中の全32ヌクレオチドについて各4ヌクレオチドの8「ワード」)、および3つのC’s配列を合成する。従って、このビーズを63マーのオリゴヌクレオチドで誘導体化する。この「スペーサー」配列の長さは重要ではない;しかし、このビーズ表面の近傍は、タグ相補体または捕獲配列を処置するために使用される酵素の活性に影響し得る。従って、このようなプロセシングを使用する場合、このような表面効果を避けるのに十分な長さのスペーサーが望ましい。好ましくは、このスペーサーは10〜30ヌクレオチドである。Pac I部位を含む以下の配列(配列番号6)は、本発明の実施態様に使用される。
【0092】
【化6】
Figure 0004344086
好ましくは、タグ−cDNA結合体は、少なくともタグ相補体の完全なレパートリーに一致する番号のビーズ上でタグ相補体にハイブリダイズする。本発明の実施態様の場合、これは88、または約1.6×107ビーズである。所定の容量におけるビーズの番号は、血球計算板器を用いて容易に推定される。
【0093】
タグ−cDNA結合体のハイブリダイゼーションの前に、このタグ相補体の5’末端を、好ましくは、ポリヌクレオチドキナーゼ処置によってリン酸化する。手短には、100μlのH2O中に懸濁された2.5×108のビーズを、100μlの10×NEB緩衝液、番号2(New England Biolabs,Beverly,MA)、10μlの100mM ATP、1μlの10% TWEEN 20、17μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/μl)、および722μlのH2Oと組み合わせ、最終容量を1000μlにする。ボルテックスしながら、2時間、37℃でインキュベートした後、ボルテックスを続けたまま、20分間温度を65℃に上昇し、キナーゼを不活性化する。インキュベートの後、ビーズを遠心沈降およびそれらを0.01% TWEEN 20を含む1mlのTE(Sambrookら、Molecular Cloning、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory)中に再懸濁することによって、2回洗浄する。
【0094】
タグ−cDNA結合体のタグ相補体へのハイブリダイゼーションのために、上記のように調製したタグ−cDNA結合体を、50μlのH2O中に懸濁し、得られた混合液を40μlの2.5×ハイブリダイゼーション緩衝液と組み合わせる。その後、この組み合わせた混合液を、従来のプロトコルを使用してSPIN−Xスピンカラム(0.22μm)を通して濾過し、タグ−cDNA結合体を含む濾液を得る(1.25mlの0.1M NaPO4(pH7.2)、1.25mlの5M NaCl、0.25mlの0.5%TWEEN 20、1.50mlの25%硫酸デキストラン、および0.75mlのH2Oからなる5mlの2.5×ハイブリダイゼーション緩衝液)。10μlのTE/TWEEN緩衝液(0.01%TWEEN 20を含むTE)中の約1.8×107のビーズを遠心分離し、その結果、ビーズをペレット化し、そしてTE/TWEENを除去する。このビーズに、25μlの1×ハイブリダイゼーション緩衝液(10mMのNaPO4(pH7.2)、500mMのNaCl、0.01%TWEEN 20、3%硫酸デキストラン)を加え、この混合液をボルテックスし、ビーズを十分に再懸濁する。その後、この混合液を遠心分離し、その結果、ビーズをペレット化し、そして上清を除去する。
【0095】
上記の濾液中のタグ−cDNA結合体を75℃で3分間インキュベートし、ビーズと組み合わせる。その後、この混合液をボルテックスし、このビーズを十分に再懸濁する。得られた混合液を、約3日間(60時間)ボルテックスしながら75℃でさらにインキュベートする。ハイブリダイゼーションの後、この混合液を2分間遠心分離し、そして上清を除去する。その後、このビーズを、500μlのTE/TWEENで2回洗浄し、そして0.01%TWEEN 20を含む、500μlの1×NEB緩衝液、番号2中に再懸濁する。このビーズをこの溶液中で64℃、30分間インキュベートする。その後、この混合液を遠心分離し、その結果、ビーズをペレット化し、そして上清を除去し、そしてこのビーズを500μlのTE/TWEENに再懸濁する。
【0096】
ロードされたビーズを、高速セルソーター、好ましくは、488nmで作動するアルゴンイオンレーザーを装備するMoFloフローサイトメーター(Cytomation,Inc.,Ft.Collin,CO)、または同様の装置を使用して、ロードされていないビーズから識別する。識別の後、このロードされたビーズを、以下の反応成分と合わせることによってフィルイン(fill−in)反応に供する:10μlの10×NEB緩衝液、番号2、0.4μlの25mM dNTP、1μlの1%TWEEN 20、2μlのT4 DNAポリメラーゼ(10ユニット/ml)、および86.6μlのH2O、最終反応容量100μl。ボルテックスしながら12℃で30分間インキュベートした後、この反応混合液を遠心分離し、その結果ビーズをペレット化し、そして上清を除去する。ペレット化されたビーズを、15μlの10×NEB緩衝液、番号2、1.5μlの1%TWEEN 20、1.5μlの100mM ATP、1μlのT4 DNAリガーゼ(400ユニット/1ml)、および131μlのH2Oからなる連結緩衝液中に再懸濁し、最終反応容量150μlを得る。この連結反応混合液をボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートする。その後、ビーズをペレット化し、そして1mM CaCl2を含む1×リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で1回洗浄する。ビーズを45μlのPBS(1mMのCaCl2を含む)中に再懸濁し、6μlのプロナーゼ溶液(10mg/ml、Boehringer Mannheim、Indianapolis、IN)と組み合わせる。その後、この混合液を攪拌しながら37℃で1時間インキュベートする。遠心分離後、ロードしたビーズをTE/TWEENで2回洗浄し、次いで1×NEB Dpn II緩衝液(New England Biolabs、Berverly、MA)で1回洗浄する。
【0097】
ビーズにロードされたタグ−cDNA結合体をDpn IIで切断し、3’−標識を保有する相補的なアダプターを連結する4つの核酸突出鎖を産生する。従って、ロードされたビーズを、以下の成分からなる反応混合液に添加し、最終反応容量100μlを得る:10μlの10×NEB Dpn II緩衝液、1μlの1%TWEEN、4μlのDpn II(50ユニット/ml)、および85μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら37℃で一晩インキュベートし、その後、このビーズをペレット化し、上清を除去し、そしてこのビーズを1×NEB緩衝液、番号3で1回洗浄する。自己連結を防ぐために、タグ−cDNA結合体の突出鎖を、ホスファターゼ(例えば、子ウシ腸ホスファターゼ(CIP))で処理し、5’リン酸を除去する。従って、ロードされたビーズは、以下の成分から成る反応混合液に添加し、最終反応容量100μlを得る:10μlの10×NEB緩衝液、番号3、1μlの1%TWEEN 20、5μlのCIP(10ユニット/μl)、および84μlのH2O。得られた混合液をボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートし、その後、このビーズをペレット化し、1mM CaCl2を含むPBSで1回洗浄し、上記に記載したようにプロナーゼで処理し、TE/TWEENで2回洗浄し、そして1×NEB緩衝液、番号2で1回洗浄する。
【0098】
以下の3’−標識アダプター(配列番号7)を、従来の試薬(例えば、Clontech Laboratories(Palo Alto、CA)を使用して調製する:
【0099】
【化7】
Figure 0004344086
ここで、「p」は5’リン酸基であり、そして「FAM]は、市販されている3’リンカー基(Clontech Laboratories)の近傍の上位鎖(top strand)の最後のヌクレオチドの3’炭素に付着したフルオレッセン色素である。この連結を以下の反応混合液中で実行し、最終反応容量50μlを得る:5μlの10×NEB緩衝液、番号2、0.5μlの1%TWEEN 20、0.5μlの100mM ATP、5mlの3’−標識アダプター(100pmol/μl)、2.5μlのT4 DNAリガーゼ(400ユニット/μl)、および36.5μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら16℃で一晩インキュベートし、その後、このビーズを1mM CaCl2を含むPBSで1回洗浄し、そして上記に記載したようにプロナーゼで処理する。この初期連結の後、アダプターとタグ−cDNA結合体との間に残存するニックを、以下に記載のように、キナーゼおよびリガーゼの両方で同時処置することによって塞ぐ。ロードされたビーズを以下の成分から成る反応溶液中に再懸濁する:最終反応容量の150μlに対して、15μlの10×NEB緩衝液、番号2、1.5μlの1%TWEEN 20、1.5μlの100mM ATP、2μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10ユニット/μl)、1μlのT4 DNAリガーゼ(400ユニット/μl)、および129μlのH2O。この混合液をボルテックスしながら37℃で1時間インキュベートし、その後、このビーズを、上記に記載したようにしてプロナーゼで処理された1mM CaCl2を含むPBSで1回洗浄し、そしてTE/TWEENで2回洗浄する。
【0100】
この標識鎖を、好ましくは、150mM NaOHでの処置によって溶解した後、ビーズ上の参照DNAを、差示的発現遺伝子産物の競合的なハイブリダイゼーションのために準備する。
【0101】
(実施例2:微粒子に付着させた酵母参照DNA集団の調製)
本実施例において、YJM920 MATa Gal+SUC2 CUP1株のSaccharomyces cerevisiae細胞を、本質的にWodickaら(上述)により記載されるようにリッチ培地(rich medium)培養および最小培地培養に別々に増殖させる。両方の条件下で増殖させた細胞から抽出されたmRNAを、タグ化し、採取し、増幅し、標識化し、そして微粒子上にロードした参照cDNA集団を樹立するために用いる。ロードした微粒子を、FACSにより単離し、標識を取り除き、そしてロードしたDNAの非共有結合鎖を、溶解し、そして取り除く。
【0102】
酵母細胞を、YPD(酵母抽出物/ペプトン/グルコース、Bufferad、Newark、NJ)からなるリッチ培地または最小培地(アミノ酸を含まない酵母窒素塩基、およびグルコースの、Bufferad)のいずれかで30℃で増殖させる。細胞密度を、二連の希釈物由来の細胞を数えることにより測定し、そして1mlあたりの生細胞の数を、mRNA抽出のために細胞を集める直前にYPDアガー上に培養物を希釈したものをプレ−ティングすることにより推定する。中間対数期の細胞(1〜5×107細胞/ml)を、ペレットにし、AE緩衝溶液(50mM NaAc、pH5.2、10mM EDTA)で2回洗浄し、ドライアイス−エタノールバス中で凍結させ、そして−80℃で保存する。
【0103】
mRNAを、参照DNAライブラリー構築および競合ハイブリダイゼーションのためのDNA調製の両方のために以下のように抽出する。総RNAを、総RNAを沈降する直前にクロロホルムイソアミルアルコール抽出物を添加して、Schmittら、Nucleic Acid Research、18:3091−3092(1990)に記載されるようなホットフェノール法を用いて凍結させた細胞ペレットから、抽出する。Phase−Lock Gel(5Prime−3Prime、Inc.、Boulder、CO)を、RNA回収率を増加させ、有機界面からの、材料とRNAの潜在的な夾雑を減少させるために、全ての有機抽出物に用いる。Poly(A)+RNAを、オリゴ−dT選択工程(Oligotex、Qiagen、Chatsworth、CA)を用いて、総RNAから精製する。
【0104】
リッチ培地および最小培地上で増殖させた細胞からの、各5μgずつのmRNAを、式Iのタグレパートリーを含むpUC19に、cDNAライブラリー構築のために混合する。式Iのタグレパートリーを、Eco RIおよびBam HIで消化し、そして同様に消化したpUC19に挿入する。mRNAを、第二鎖合成時の式Iのものと同一であるBsm BI部位を生成する配列を含むオリゴ−dTプライマーを用いる市販のキット(Strategene、La Jolla,CA)で逆転写する。得られたcDNAを、Bsm BIおよびDpn IIで切断し、Bsm BIおよびBam HIで消化した後にタグを含むpUC19に挿入する。トラスフェクションおよびコロニー形成させた後、pUC19形質転換体の密度を、約30,000のタグ−cDNA結合体を含むサンプルを、獲得し得かつ培養物に展開し得るように決定する。あるいは、タグ−cDNA結合体のサンプルを、約30,000のクローンを拾うことにより得、次いで混合しそして培養物に展開する。
【0105】
プラスミドの標準的なミニプレップから、タグ−cDNA結合体を、デオキシシトシントリホスフェートを5−メチルデオキシシトシントリホスフェートで置換したPCRにより増幅する。pUC19中の隣接する配列に特異的な以下の19−マーの正方向プライマーおよび逆方向プライマー(配列番号8および配列番号9)を反応に用いる:
【0106】
【化8】
Figure 0004344086
ここで、「FAM」は、アミノ結合(例えば、アミノリンカーII(Perkin−Elmer、Applied Biosystem Division、Foster City、CA))を介した逆方向プライマーの5’末端に結合したフルオレセイン(Clontech Laboratories、Palo Alto、CA)のNHSエステルである。逆方向プライマーを、Not I部位が、二本鎖産物中に再構成されるように選択する。PCR増幅の後、タグ−cDNA結合体を、アビジン結合(avidinate)されたビーズ(例えば、M−280 DYNABEADS(Dynal、Oslo、Norway))上に単離する。
【0107】
洗浄後、ビーズに結合したcDNAを、Pac Iで消化し、タグ−cDNA結合を放出させ、オリゴヌクレオチドタグを一本鎖にするために、脱離反応を行なう。反応を終了させた後、タグ−cDNA結合体を、フェノール−クロロホルム抽出により精製し、そして各タグ相補体が、5’ホスフェートを有するタグ相補体を有する5.5 Om GMAビーズと組み合わせる。ハイブリダイゼーションを、それらの相補体と完全にマッチした二重鎖を形成するタグのみが連結されるように、温度に安定なリガーゼの存在下、ストリンジェント条件下で行なう。GMAビーズを洗浄し、そしてロードしたGMAビーズを、ロードしたビーズを同定するために蛍光標識したcDNAを用いるFACSソーティングにより濃縮する。単離したビーズを蛍光標識を取り除くためにPac Iで処理し、その後ビーズを非共有結合鎖を取り除くために従来のプロトコルを用いてNaOH溶液中で加熱する。数回洗浄した後、GMAビーズを、競合ハイブリダイゼーションのために用意した。
【0108】
(実施例3:異なる増殖条件下に曝露した酵母のアップレギュレートおよびダウンレギュレートされた遺伝子の単離および同定)
本実施例において、mRNAを、各培養物中の細胞から抽出し、そして標識されたポリヌクレオチドの2つの集団を、蛍光標識ヌクレオシド三リン酸の存在下での逆転写酵素により、単回のpoly(dT)プライマーの伸長により産生する。次いで、等量の各々標識されたポリヌクレオチドを、競合ハイブリダイゼーションのための参照DNA集団を有する実施例1のGMAビーズと組み合わせ、その後、ビーズをFACSにより分析し、そして対角線にのっていない領域のビーズをMPSS分析のために集積する。
【0109】
蛍光ヌクレオシド三リン酸Cy3−dUTPまたはCY5−dUTP(Amersham)を、別々の反応でpoly(dT)16プライマーを用いて、実施例1に記載したように得た、1μgのpoly(A)+RNAでの逆転写中にcDNA中に組み込む。プライマーおよびRNAを70℃まで10分間加熱した後、反応混合物を、氷上に移し、そして200U SUPERSCRIPTII(Gibco)、緩衝液、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、および蛍光ヌクレオシド三リン酸からなる予め混合した溶液を、以下の濃度で添加する:500μMのdATP、dCTP、およびdGTP;200μMのdTTP;および各々100mMのCy3−dUTPまたはCY5−dUTP。42℃で2時間インキュベーションした後、組み込まれなかった蛍光ヌクレオチドを、470μlの10mM tris−HCl(pH 8.0)/1 mM EDTAでの反応混合物の1度目の希釈、引き続いてCENTRICON−30コンセントレーター(Amicon)を用いる約5μlまでの濃縮により取り除く。両方の反応物から精製した標識cDNAを組み合わせ、そして10μgのpoly(dA)および0.3μlの10%SDSを含む11μlの3.5×SSC中に再懸濁する。ハイブリダイゼーションに先立って、溶液を2分間沸騰させ、そして室温まで冷却し、その後、溶液をGMAビーズに添加し、そして62℃で、約8〜12時間インキュベートする。2×SSCおよび0.2%SDSで2回洗浄後、GMAビーズを、NEB−2緩衝液(New England Biolabs、Beverly、MA)中に再懸濁し、そして分析およびソーティングするためにCoulter EPICS Elite ESP フローサイトメーター中にロードする。二次元蛍光強度等高プロットにおいて、GMAビーズは、図1aに示すようなパターンを生じる。ソーティングパラメーターを、対角線にのっていない領域(112)のGMAビーズを識別するように、図1bに示すように設定し、そしてMPSS分析のために収集する。
【0110】
標識されたcDNA鎖を、GMAビーズから溶解し、そして遠心分離により取り除く。数回洗浄した後、プライマーを式Iに示すプライマー結合部位にアニールさせ、そして上述したDpn II部位を含むGMAビーズ上に二本鎖DNAを再構築するために従来の重合反応で伸長させる。Dpn IIでの消化後、タグ−cDNA結合体をロードしたビーズを、Albrechtら、(上述)に記載されるように、MPSS分析のための機器中に配置する。
【0111】
64のコードアダプターの以下の16のセット(配列番号10〜配列番号25)の先端鎖を、標準的な方法を用いて自動DNA合成装置(モデル392Applied Biosystems、Foster City)で各々別々に合成する。全てのアダプターについて同じである、後部鎖を別々に合成し、次いでそれぞれ先端鎖にハイブリダイズさせる。
【0112】
【化9】
Figure 0004344086
ここでNは、dA、dC、dG、またはdTのいずれかであり;pはリン酸基であり;そして小文字で示されるヌクレオチドは、12マーのオリゴヌクレオチドタグである。それぞれのタグは、6ヌクレオチドずつ互いに異なっている。各アダプターの等しいモル量を、1000pmol/μLの濃度の混合物を形成するようにNEB#2制限緩衝液(New England Biolabs、Beverly、MA)に組み合わせる。
【0113】
16タグ相補体の各々を、アミノ誘導されたオリゴヌクレオチドとして別々に合成し、そしてポリエチレングリコールリンカー(Clonetech Laboratories、Palo Alto、CA)を介してタグ相補体の5’末端に結合するフルオレセイン分子(Molecular Probes、Eugene、ORより入手可能なフルオレセインのNHS−エステルを用いる)でそれぞれ標識する。タグ相補体の配列は、単に、上記に列挙したタグの12マーの相補体である。
【0114】
アダプターの標的ポリヌクレオチドへのライゲーションを、5μlのビーズ(20mg)、3μLのNEB 10×リガーゼ緩衝液、5μのアダプター混合物(25nM)、2,5μLのNEB T4 DNAリガーゼ(2000単位/μL)、および14.5μLの蒸留水からなる混合物中で行なう。混合物を、16℃で30分間インキュベートし、その後ビーズをTE(pH8.0)で3回洗浄する。
【0115】
遠心分離してTEを取り除いた後、連結したアダプターの3’ホスフェートを、製造者のプロトコルを用いて、仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)(New England Biolabs、Beverly、MA)でポリヌクレオチド−ビーズ混合物を処理することにより取り除く。3’ホスフェートを取り除いた後、CIPを、タンパク分解性消化(例えば、プロナーゼTM(Boeringer Mannhiem、Indianapolis、IN)から入手可能)または等価のプロテアーゼを製造者のプロトコルにしたがって用いて、不活化し得る。次いで、ポリヌクレオチド−ビーズ混合物を洗浄し、T4ポリヌクレオチドキナーゼおよびT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs、Beverly、MA)の混合物で処理し、標的ポリヌクレオチドとアダプターとの間のギャップに5’ホスフェートを付加し、そして標的ポリヌクレオチドへのアダプターのライゲーションを完全にする。次いで、ビーズ−ポリヌクレオチド混合物を、TEで洗浄する。
【0116】
これとは別に、標識されたタグ相補体の各々を、ポリヌクレオチド−ビーズ混合物に、オリゴヌクレオチドタグとそれぞれのそれらの相補体との間にのみ完全にマッチした二重鎖が形成され得るような条件下で添加する。その後、混合物をストリンジェント条件下で洗浄し、そして蛍光シグナルの存在または不在を測定する。タグ相補体を、25nMのタグ相補体、50mMのNaCl、3mMのMg、10mMのTris−HCl(pH8.5)、からなる溶液に20℃で添加し、10分間インキュベートし、次いで同じ溶液(タグ相補体を除く)で、55℃で10分間洗浄する。
【0117】
4つのヌクレオチドを上述のように同定した後、コードアダプターを、ポリヌクレオチドから製造者のプロトコルを用いてBbv Iを用いて切断する。最初のライゲーションおよび同定の後、ライゲーション、同定および切断のサイクルを標的ポリヌクレオチドの16末端ヌクレオチドの配列を得るために、3回反復する。
【0118】
好ましくは、ハイブリダイズしたコードアダプターの分析を、i)ロードした微粒子を、フローチャンバー内の平面のアレイに配置させる、ii)プロセス試薬のフローチャンバーへのプログラムされた送達を可能にする、iii)粒子のアレイからの光学的シグナルを同時に検出する機器で行なう。このような好ましい機器を、図2に概略図で示し、そしてさらに詳しくは、Bridghamら、国際特許公開WO98/53300に開示される。手短に言えば、フローチャンバー(500)を、ガラスプレート(506)中の液体注入口(502)および排出口(504)を有するキャビティを、標準的な微細加工技術(例えば、Ekstromら、国際特許公開WO91/16966;Brown、米国特許第4,911,782号;Harrisonら、Anal.Chem.64:1926−1932(1992);など)を用いてエッチングすることにより調製する。フローチャンバー(500)の次元は、ロードした微粒子(508)(例えば、GMAビーズ)が、100,000〜200,000のビーズの密接にパッキングされた平面の単層でキャビティ(510)に配置し得るような次元である。キャビティ(510)は、エッチングされたガラスプレート(506)(例えば、Pomerantz、米国特許第3,397,279号)上のガラスカバースリップ(512)のアノード結合による注入口および排出口を有する閉鎖したチャンバー内に作製する。試薬を、自動DNAおよびペプチド合成機(例えば、Bridghamら、米国特許第4,668,479号;Hoodら、米国特許第4,252,769号;Barstowら、米国特許第5,203,368号;Hunkapillerら、米国特許第4,703,913号;など)上で一般に用いられるマイクロプロセッサーにより制御されるバルブブロック(522)を介してシリンジポンプ(514〜520)からフローチャンバー中で計測される。
【0119】
ライゲーション、同定および切断の3サイクルを、フローチャンバー(500)内で、約100,000フラグメントの各末端に12ヌクレオチドの配列を与えるために行なう。フラグメントのヌクレオチドを、上述のコードアダプターにタグ相補体をハイブリダイズすることにより同定する。特異的にハイブリダイズするタグ相補体を、レーザー、水銀アークランプなどであり得る光源(526)からイルミネーションビーム(524)を用いてそれらの蛍光標識を励起させることにより検出する。イルミネーションビーム(524)は、フィルター(528)を通過し、そしてフローチャンバー(500)内のコードアダプターに特異的にハイブリダイズするタグ相補体上の蛍光標識を励起させる。得られる蛍光(530)を、共焦点顕微鏡(532)により収集し、フィルター(534)を通過させ、そしてCCDカメラ(536)に方向付ける。このカメラは、ワークステーション(538)による処理および解析のためのビーズアレイの電気的画像を作製する。好ましくは、各ライゲーションおよび切断の工程の後、cDNAを、プロナーゼTMまたは類似の酵素で処理する。約0.75単位/mLのコードアダプターおよびT4DNAリガーゼ(Promega、Madison、WI)を、16℃で約20〜30分間、毎分約1〜2μlの流速でフローチャンバー内を通し、その後、3’ホスフェートを、アダプターから取り除き、そしてcDNAを、15〜20分間、毎分1〜2μLの流速を用いて、37℃でフローチャンバー内を、0.02単位/μLのアルカリホスファターゼ(New England Bioscience、Beverly、MA)および7単位/μLのT4 DNAキナーゼ(New England Bioscience、Beverly、MA)の混合物を通過させることにより、第2鎖のライゲーションのために調製する。ライゲーションを、20〜30分間フローチャンバーを通過させるT4 DNAリガーゼ(0.75単位/mL、Promega)により行なう。25nMの濃度のタグ相補体を、10分間20℃で、毎分1〜2μLの流速でフローチャンバーを通過させ、その後、タグ相補体により運搬される蛍光標識を、イルミネートし、そして蛍光を収集する。タグ相補体を、55℃で10分間、毎分1〜2μLの流速で、フローチャンバーにハイブリダイゼーション緩衝液を通すことにより、コードアダプターから溶解する。コードアダプターを、37℃で20分間、毎分1〜2μLの流速で、1単位/μLのBbv I(New England Biosciences、Beverly、MA)を通過させることによりcDNAから切断する。
【0120】
(実施例4:フルオレセインおよびCY5を用いて標識されたDNAの異なる比率でロードされる微粒子のFACS分析)
この実施例において、異なる比率の別の仕方で標識されたcDNAの検出の感度を、単一のクローンからなる、参照DNA集団の構築、次いで異なる蛍光染色により標識された異なる比率の相補鎖を、参照DNA集団に競合的にハイブリダイズされることにより試験した。参照DNA集団は、「88.11」と命名されたcDNAクローンからなった。これは、受託番号TIB 202のアメリカンタイプカルチャーコレクション(Rockville、Maryland)から入手可能な、ヒト単球細胞株THP−1の発現遺伝子の87塩基対フラグメントである。88.11のヌクレオチド配列は、GenBank Expressed Sequence Tagライブラリーにおける多くの部分と高い相同性を有する(例えば、gbAA830602(98%))。88.11cDNAのみからなる参照DNA集団を、全ての微粒子が付着された同一のタグ相補体を有するという微粒子の特別な集団が調製されることを除いて、実施例1に記載されるように調製した。この対応するオリゴヌクレオチドタグを、88.11cDNAに付着した。従って、タグおよびタグ相補体の単一特異的集団のみが、実験に関与した。競合ハイブリダイゼーションの後、ロードした微粒子を、上記のCytomation、Inc.(Ft.Collins、CO)FACS機器で分析した。
【0121】
88.11cDNAをまた、タグ336を含まないことを除いて実施例1と同一のベクター(図3bの330)にクローニングした。10μgのベクターDNAを、Dpn IIのアイソジマーであるSau 3A(図3bの342)で完全に切断することにより線状化し、その後精製された直線DNAの2つの1μgのアリコートを得た。各1μgのアリコートから約20μgの標識された一本鎖DNA生成物が、プライマー結合部位332に特異的なプライマーを用いる線状増幅の反復サイクルにより生成された。1つのアリコートにおいて、生成物を、ローダミンR110標識化dUTP(PE Applied Biosystems、Foster City、CA)の取り込みにより標識化し;そしてもう一方のアリコートにおいて、生成物をCY5標識化dUTP(Amersham Corporation、Arlington Heights、IL)の取り込みにより標識化した。標識された生成物の量を、2つの生成物の7つの5μg量を1:1、2:1、1:2、4:1、1:4、8:1および1:8の割合で形成するために、組み合わせた。5μg量の標識された生成物を、別々に、65℃で0.2%のSDSを有する50μlの4×SSC中で一晩、1.6×105の粒子(88.11cDNAを結合させたGMAビーズ)にハイブリダイズさせ、その後氷冷したTE/TWEEN緩衝液(上記で定義)での10mlまでの希釈により反応を終了させた。ロードした微粒子を、遠心分離し、65℃で15分間0.2%SDSを有する0.5mlの1×SSC中に懸濁することにより洗浄し、遠心分離し、そして55℃で15分間0.2%SDSを有する0.5mlの0.1×SSC中に懸濁して再度洗浄した。2回目の洗浄後、微粒子を、遠心分離し、そしてFACS分析のために0.5mlのTE/TWEEN溶液中に再懸濁した。
【0122】
その結果を、図5a〜5eに示す。ここで、各図の垂直方向の軸は、CY5蛍光に対応し、そして水平方向の軸は、ローダミンR110蛍光に対応する。図5aにおいて、相補的参照鎖にハイブリダイズした全てのR110標識化DNAまたは全てのCY5標識化DNAのいずれかを有する微粒子の集団を組み合わせた。550および552の等高線は、FACS機器の検出システムにより、明確に識別され、そして両方の集団の微粒子は、容易に検出可能なシグナルを産生した。図5bは、R110標識化鎖およびCY5標識化鎖が、同じ比率でハイブリダイズされる場合を示す。期待されるように、得られた等高線は、グラフの対角線上に位置し、そして非調節遺伝子について予期される位置と対応する。図5c〜図5eは、競合ハイブリダイゼーションの3対の分析を示す:i)R110標識化鎖およびCY5標識化鎖が、2:1の濃度比および1:2の濃度比でハイブリダイズされる、ii)R110標識化鎖およびCY5標識化鎖が、4:1の濃度比および1:4の濃度比でハイブリダイズされる、ならびにiii)R110標識化鎖およびCY5標識化鎖が、8:1の濃度比および1:8の濃度比でハイブリダイズされる。図5cのデータは、2の因子によりアップレギュレートされる遺伝子またはダウンレギュレートされる遺伝子が、本実施態様において検出可能であるが、有意な重複が、調節遺伝子および非調節遺伝子により生成されるシグナル間に存在し得ることを示唆する。図5dおよび5eは、4またはそれ以上の因子により、アップレギュレートされる遺伝子またはダウンレギュレートされる遺伝子が、非調節遺伝子に関して容易
に検出可能であることを示唆する。
【0123】
(実施例5:刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞から示差的に発現された遺伝子のFACS分析)
本実施例において、微小粒子に付着した参照DNA集団を、以下に示されるように刺激されたTHP−1細胞由来のcDNAから構築した。次いで、刺激されたTHP−1細胞および非刺激THP−1細胞の両方に由来する等濃度の標識cDNAを、実施例1に記載のように参照DNA集団と競合的にハイブリダイズし、そして標識cDNAを運搬する微小粒子をFACS装置で分析した。THP−1細胞をホルボール12−ミリステート13−酢酸(PMA)およびリポ多糖(LPS)での処理により刺激した。
【0124】
THP−1細胞を、10%のウシ胎仔血清(FBS)(Gibco,No.26140−038)、100単位(unit)/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(Gibco,No.15140−122)、および0.5μMのβメルカプトエタノール(Sigma,No.M3148)を補った50mlのDMEM/F12培地(Gibco,No.11320−033)を含むT−165フラスコ(Costar,No.3151)中で増殖した。培養は、1×105細胞/mlを接種し、そして1×106の最大密度まで増殖した。培養の細胞集団の倍増時間は、約36時間であった。細胞を以下のようにPMAで処理した:フラスコからの細胞(約5×107細胞)を1200rpmで5分間、遠心分離(Beckman GS−6Rモデル)し、そしてDMSO(Gibco No.21985−023)中の5μlの1.0mM PMA(Sigma,No.P−8139)を含む、または5μlのDMSO(非刺激の集団の場合)を含む50mlの新鮮培養培地(抗生物質なし)中に再懸濁し、その後この細胞を48時間培養した。48時間の培養の後、培地および非定着細胞を実験フラスコから吸引し(すなわち、刺激された細胞を含んでいる)、そして新鮮培地(抗生物質なし)を加えた(この新鮮培地は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に10μlの5mg/ml LPS(Sigma,No.L−4130)を含有している)。非刺激細胞の培養物を、4℃で1200rpm、5分間遠心分離(Beckman GS−6Rモデル)して、ペレットを形成し、次いでこれを10μlのPBSを含む新鮮増殖培地の50mlに再懸濁した。刺激細胞、および非刺激細胞の両方の培養物を4時間37℃でインキュベートし、その後、細胞を以下のように回収した:培地を培養物から吸引し、そして定着した細胞を温めたPBSで2回洗浄し、その後10mlのPBSを添加し、そして細胞をセルスケーパーで取り出した。取り出した細胞を収集し、そしてその濃度を血球計算器で決定し、その後それらを1200rpmで5分間、遠心分離(Beckman GS−6Rモデル)して、ペレットを形成し、これを直ちにRNA抽出のために用いた。
【0125】
mRNAを、mRNA単離のためのFastTrack2.0kit(No.K1593−02、Invitrogen,Inc.San Diego,CA)を用いて約5×106の細胞から抽出した。製造業者のプロトコールに有意な変化なく従った。微小粒子に付着した参照DNA集団を、実施例1に記載のように刺激細胞から抽出したmRNAから構築した。別のcDNAライブラリーを、刺激細胞および非刺激細胞から抽出したmRNAから構築した。ライブラリーのために用いたベクターは、オリゴヌクレオチドタグを含まないことを除いては、実施例1のベクターと同一であった(図3bの336)。実施例4のプロトコールに従って、ローダミンR110標識された1本鎖DNAの約2.5μgを刺激細胞由来のcDNAライブラリーから作製し、そしてCY5標識された一本鎖DNAの約2.5μgを非刺激細胞由来のcDNAライブラリーから作製した。2.5μgのアリコートの2つを混合し、そして9.34×105の微小粒子上の参照DNAに対して競合的にハイブリダイズした。反応条件およびプロトコールは実施例4に記載した。
【0126】
ハイブリダイゼーション後、この微小粒子を、上記のようにCytotnation,Inc.のMoFlo FACS装置で選別した。図6は、2つの蛍光性色素について異なる蛍光強度の値を有する微小粒子の周波数の従来のFACSカウンタープロット600を含む。上方制御された遺伝子に対応する約10,000の微小粒子(図6のソートウインドウ602)を単離し、そして下方制御された遺伝子に対応する約12,000の微小粒子(図6のソートウインドウ604)を単離した。上記のように、標識した鎖をメルトオフ(melt off)した後、微小粒子により運搬されるcDNAを市販のPCRクローニングキット(Clontech Laboratories,Palo Alto,CA)を用いて増幅し、製造業者の推薦するクローニングベクターにクローニングした。形質転換、宿主培養の増殖、およびプレーティングをした後、上方制御されたcDNAの87のコロニーを選び出(pick)し、そして下方制御したcDNAの73のコロニーを選び出した。これらのコロニーから抽出したプラスミドにより運搬されるcDNAをPE Applied Biosystemsの373モデル、自動DNAシーケンサーの従来のプロトコールを用いて配列決定した。同定した配列を表1および2に列挙した。
【0127】
【表1】
Figure 0004344086
【0128】
【表2】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
(実施例6:刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞由来の示差的発現遺伝子のFACS分析)
(実験:Comp 11)
微小粒子に付着した参照DNA集団を刺激THP−1細胞由来のcDNAから構築した。刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞由来のcDNAを、以下のように競合的ハイブリダイゼーションのために調製した。THP−1非刺激プローブライブラリー(U3A−TL)およびTHP−1刺激プローブライブラリー(S3A−TL)のそれぞれ20μgを、直線PCR(linear PCR)のためのベクターを調製するために50単位のSau3Aで消化した。このDNAをフェノール/クロロホルム抽出により精製し、PCRにより蛍光標識した。補正の目的ために、CY5およびR110の両方をそれぞれの条件を標識するために用いた。
【0129】
U3A−TLのDNAをCY5で標識し、そしてS3A−TLのDNAをR110で標識した。簡略に言えば、反応混合物には以下を含む:80μlの10×PCR緩衝液;16μlのビオチン化プライマー(B−プライマー、125pmole/:l);16μlのdNTPs(6.25mM);4μgのテンプレート;16μlのKlentaq酵素;64μlのR110 dUTPまたは6.4μlのCY5 dUTP;および総容量800μlにするための水。この混合物を8つのアリコートに分配し、次いで、以下のプロトコールに従って34サイクルのPCRを実施した:1)94℃3分;2)94℃30秒;3)62℃30秒;4)72℃1分;そして5)72℃10分。このPCR反応物を精製し、そして着色したヌクレオチドを沈殿することにより除去した。
【0130】
(参照集団)
Comp11のビーズライブラリーは、THP−1刺激ライブラリー由来の百万クローンの複雑性を有する2,667,369のビーズからなる。このビーズは、図3に概説で上記したように調製した。FITCシグナルのためのPMT2平均の開始は、19.5であった。ビーズ上の二本鎖DNAを中度のボルテックスで、15分間の室温(RT)での2.5mlの150mM NaOH洗浄で変性した。変性化の効率を、2.2(すなわち、11.3%の残余の蛍光)である残りのFITCシグナル平均を測定することにより決定した。このビーズを0.5mlの4×SCC 0.1%SDS中で2回洗浄した。
【0131】
(競合的ハイブリダイゼーション)
100,000のビーズをCY5で標識した刺激プローブライブラリー(S3A−TL)、およびR110で標識した同じライブラリーのそれぞれの直線PCR産物の10μgでハイブリダイズした。936,542のビーズをCY5刺激プローブの10μgおよびR110非刺激プローブの10μgでハイブリダイズした。このビーズを、4×SSC/0.1%SDSの最終緩衝液組成物の50μl中に集めた。このサンプルを3分間80℃に熱し、プローブを添加し、そして温度を65℃に変更した。ハイブリダイゼーションは、ボルテックスしながら16時間持続した。このビーズを10mlのTE TWEENに氷急冷した。回収したサンプルを1×SSC/0.1%SDSで2回リンスし、0.5mlの1×SSC/0.1%SDSに再懸濁し、そして15分間、65℃で洗浄した。このビーズを0.1×SSC/0.1%SDS中でリンスし、そして15分間、0.1×SSC/0.1%SDS中で55℃で洗浄した。このサンプルをTE TWEENでリンスし、そして両方のサンプルの10,000事象をBD FacsCaliberで分析した。10,163ビーズ(1.15%)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なCY5)を選別した。11,977ビーズ(1.35%)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なR110)を選別した。このビーズをPCR反応物にプールし、TAクローン化し、そしてTA配列決定した。同定された配列を表3および4に列挙する。
【0132】
【表3】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
【0133】
【表4】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
(実施例7:刺激THP−1細胞および非刺激THP−1細胞由来の示差的発現遺伝子のFACS分析)
(実験:Comp 14)
別の実験において、参照DNA集団調整物および競合的ハイブリダイゼーションを実施例6に記載のように行った。9150ビーズ(0.89%)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なCY5)を選別した。11085ビーズ(1.15%)(1:1の対角線から外れた最も鮮明なR110)を選別した。同定された配列を表5および6に列挙する。
【0134】
【表5】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
【0135】
【表6】
Figure 0004344086
(実施例8:刺激されたTHP−1細胞または刺激されないTHP−1細胞より示差的に発現された遺伝子のFACS分析)
(実験:Comp15)
別々の実験において、刺激されたTHP−1細胞および刺激されないTHP−1細胞由来のcDNAを、実施例6に記載のように、競合的ハイブリダイゼーションのために調製した。THP−1刺激されたライブラリーおよびTHP−1刺激されないライブラリー(それぞれ50%)由来の100万クローンの複雑性を有する、2,570,000ビーズからなるComp15ビーズライブラリーを除いて、実施例6に記載のように、参照DNA集団を調製した。13,988ビーズ(0.87%)(1:1対角線から離れた最も明るいCY5)を選別した。17,393ビーズ(1.08%)(1:1対角線から離れた最も明るいR110)を選別した。同定された配列を表7および8に列挙する。
【0136】
【表7】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
【0137】
【表8】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
(実施例9:刺激されたTHP−1細胞由来の希遺伝子の単離)
(実験:Cot3)
この実施例において、低い相対強度のビーズを収集することによって、希遺伝子(rare gene)を、刺激されたTHP−1細胞から単離する。ビーズライブラリーおよびプローブライブラリーを、ホルボールエステルで処理したTHP−1培養細胞から調製されるmRNAから構築した。6つのビーズライブラリー(160K複雑性)をBP11組み合せタグ化ビーズに2回ロードした。計1,260,000ビーズを選別した。このビーズを充填し、連結した。ビーズ鎖の先端鎖を、室温で15分間穏かにボルテックスしながら、2.5mlの150mM NaOHで洗浄して除去した。このビーズを、0.5mlの4×SSC/0.1%SDS中で2回洗浄した。100,000ビーズを、50ngのCY5標識化プローブ(刺激されたTHP−1細胞由来)を用いて、4×SSC/0.1%SDS中、65℃で、一晩ハイブリダイズした。回収したサンプルを、1×SSC/0.1%SDSで2回すすぎ、0.5mlの1×SSC/0.1%SDS中に再懸濁し、そして65℃で15分間洗浄した。次いで、このビーズを0.1×SSC/0.1%SDSですすぎ、そして0.1×SSC/0.1%SDS中55℃で15分間洗浄した。98,880クローンを分析し、そしてフローサイトメトリによって選別した。サンプルCT003Eは、ほとんどどのCY5プローブにもハイブリダイズしない126クローンを含んだ。サンプルCT003Fは、対角線へ移動するのに十分なプローブを見出さなかった1557クローンを含んだ。これらのビーズは、本発明者らのプローブライブラリーにおいて、最も少ない頻度のコピーを含んだ。各ゲートからの50クローン(図7を参照のこと)を配列分析のために選抜した。この同定された配列を表9に列挙する。
【0138】
【表9】
Figure 0004344086
Figure 0004344086
Figure 0004344086
(実施例10:ヒト骨髄由来の希遺伝子の単離)
ビーズライブラリーおよびプローブライブラリーを市販の骨髄由来mRNAから構築した。BP 12組み合せタグ化ビーズに、6つのビーズライブラリー(160K複雑性)を2回ロードした。それらは、混合物216、217、218および219を形成した。計3,150,000ビーズを選別した。このビーズを充填しそして連結した。混合物217の先端鎖をNaOHで除去した。CY5ヌクレオチドを用いてCT1骨髄プローブを直線状に増幅し、次いで精製した。200,000ビーズを、5ngおよび50ngのプローブを用いて65℃で一晩、ハイブリダイズした。5nGハイブリダイゼーションから生じた180,000クローンを問い合わせて、そして選別した。サンプルCT001は、ほとんどどのCY5プローブもハイブリダイズしない996クローンを含んだ。CT002サンプルは、対角線に移動するのに十分なプローブを見出さなかった1998クローンを含んだ。これらのビーズは。本発明者らのプローブライブラリーにおいて最も少ない頻度のコピーを含んだ。各ゲート由来の200クローン(図8を参照のこと)を配列分析のために選抜した。
【0139】
(実施例11:正常なヒト筋肉組識およびグルコース欠乏ヒト筋肉組識由来の示差的に発現された遺伝子のFACS分析)
2つの状態における筋肉組識から調製したmRNAより、ビーズライブラリーおよびプローブライブラリーを構築した:グルコース正常(基本)およびグルコース欠乏(クランプ)。グルコース正常状態由来の6つのビーズライブラリー(160K複雑性)を、BP 12組み合わせタグ化ビーズにロードし、混合物237を形成した。計810,000のビーズを選別した。このビーズを充填し、そして連結した。このビーズを、DpnII酵素を用いて消化し、そして共有結合的に付着させたDNA鎖に対して逆の鎖上で、FITCと共にアダプターと連結させた。混合物217の先端鎖をNaOHで除去した。CT1グルコース正常プローブ(13,510,000複雑性)を、CY5ヌクレオチドを用いて線状に増幅し、次いで精製した。CT2グルコース星型プローブ(starred probe)(7,132,000複雑性)をR110ヌクレオチドを用いて線状に増幅し、次いで精製した。250,000ビーズを5ugの各プローブを用いて65℃で一晩、ハイブリダイズした。230,000クローンを問い合わせ、そして選別した。サンプルUP001は、アップレギュレートされる968クローンを含んだ。サンプルDN001は、ダウンレギュレートされる1652クローンを含んだ。各ゲートからの1000クローン(図9を参照のこと)を、配列分析のために選抜した。同定された配列を表10および11に列挙する。
【0140】
【表10】
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【0141】
【表11】
Figure 0004344086
本明細書中に言及される全ての刊行物および特許明細書は、各個々の刊行物または特許明細書が、特定のおよび個々に参考として援用されるように示されるのと同じ程度まで、本明細書中において参考として援用される。
【0142】
本発明は、今や十分に記載されている。多くの変更および改変が、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aおよび図1Bは、2つの異なる蛍光色素でラベルされた競合的にハイブリダイズされるDNA鎖をロードされた微小粒子のFACS分析を示す。
【図2】 図2は、配列決定のための制限フラグメントでロードされた微小粒子の平面アレイを観察するための、フローチャンバーおよび検出装置の略図である。
【図3A】 図3Aは、単離されたメッセンジャーRNA(mRNA)のcDNAへの転換、およびそのcDNAのタグ含有ベクター内への挿入のための好ましい模式図を示す。
【図3B】 図3Bは、ベクターからのタグcDNA結合体の増幅、およびその増幅された結合体の微小粒子状へのロードのための好ましい模式図を示す。
【図3C】 図3Cは、クローニングおよび配列決定のための分類されたcDNAを単離するための好ましい模式図を示す。
【図4A】 図4Aは、FACS分類により単離された差示的に発現されるcDNAのクローニングのための、代替的手順を示す。
【図4B】 図4Bは、FACS分類により単離された差示的に発現されるcDNAのクローニングのための、代替的手順を示す。
【図5】 図5A〜Eは、所定の比の2つの差示的に標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図6】 図6は、刺激されたTHP−1細胞および刺激されないTHP−1細胞由来の差示的に標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図7】 図7は、刺激されたTHP−1細胞中の低い存在度のmRNAに由来する、標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図8】 図8は、ヒト骨髄中の低い存在度のmRNAに由来する、標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図9】 図9は、グルコース正常筋肉組織およびグルコース飢餓筋肉組織に由来する、差示的に標識されたcDNAを保持する微小粒子のフロー分析のデータを示す。
【図10A】 図10Aは、微小粒子上の参照核酸集団の構築のための、本発明の実施態様を示す。
【図10B】 図10Bは、図10Aの参照ライブラリーを使用して、2つの細胞集団の遺伝子発現を比較するための実施態様を示す。
【配列表】
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Claims (27)

  1. 差次的な遺伝子発現を分析する方法であって、以下の工程:
    クローン亜集団において別個の固相微粒子支持体に付着された核酸配列の参照集団を提供する工程;
    第1の細胞または組織供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチドの集団および異なる細胞または組織供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチドの少なくとも1つの集団を提供する工程であって、該各々の供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチドが、任意の他の供給源のポリヌクレオチドによって含まれる標識と異なる光生成標識を含む、工程;
    該異なる供給源の同じ遺伝子からのポリヌクレオチドが該参照核酸集団の同じ相補的な配列とハイブリダイズし、かつ該ポリヌクレオチドが、該供給源においてこれらの対応する遺伝子の相対的な発現に直接関連した比で該各々の固相支持体上に二重鎖として存在するように、該参照核酸集団と該各々の供給源由来の発現された遺伝子のポリヌクレオチドの集団を競合的にハイブリダイズして、該参照核酸集団の該核酸配列と該各々の供給源のポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成する工程;および
    該各々の固相支持体に付着された該二重鎖の該光生成標識によって生成された相対的な光学シグナルに従って、該支持体を分離する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記核酸配列がDNA配列である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記参照配列集団を提供する工程がさらに以下の工程:
    少なくとも1つの前記供給源から抽出されたmRNAおよびオリゴヌクレオチドタグのレパートリーから、少なくとも1つのタグ−cDNA結合体の集団を形成する工程であって;
    ここで、該レパートリーは、最小の交差ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのセットのメンバーからなり、ここで任意のメンバーの配列は、少なくとも2つのヌクレオチドが任意の他のメンバーの配列とは異なる、工程;
    該タグ−cDNA結合体のサンプルを取り出す工程;および
    該サンプルの該タグ−cDNA結合体を増幅する工程、
    を包含する、方法。
  4. 前記タグ−cDNA結合体の集団が、前記各々の供給源から抽出されたmRNAから形成され、前記方法が、前記タグ−cDNA結合体を形成する前に該各々の供給源由来の該mRNAを合わせる工程をさらに包含する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記サンプルが、多くのタグ−ポリヌクレオチド結合体を含み、該多くのタグ−ポリヌクレオチド結合体は、前記レパートリーにおける前記オリゴヌクレオチドタグの数の1%以下である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記参照集団を提供する工程が、前記タグ−cDNA結合体の前記オリゴヌクレオチドタグと前記支持体上のそれらのそれぞれの相補体とを特異的にハイブリダイズすることによって、前記別個の固相微粒子支持体に対して該サンプルの該タグ−cDNA結合体を付着する工程をさらに包含する、請求項3に記載の方法。
  7. 前記増幅する工程が、ポリメラーゼ連鎖反応において前記サンプルの前記タグ−cDNA結合体を複製する工程を包含する、請求項3に記載の方法。
  8. 前記増幅する工程が、クローニングベクター中に前記タグ−cDNA結合体を挿入し、そしてそれを用いて宿主細胞にトランスフェクトすることによって前記サンプルの前記タグ−cDNA結合体を複製する工程を包含する、請求項3に記載の方法。
  9. 前記異なる光生成標識が、異なる蛍光標識である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記分離工程が、FACS分離工程を包含する、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、以下の工程:
    値の1つ以上の所定の範囲内の値で前記相対的な光学シグナルを有する前記各々の固相支持体を別個の容器に蓄積する工程;および
    該各々のポリヌクレオチドの一部のヌクレオチド配列を決定することによって該蓄積された固相支持体上の前記ポリヌクレオチドを同定する工程、
    をさらに包含する、方法。
  12. 前記相対的な光学シグナルが蛍光強度の比であって、ここで前記ポリヌクレオチドの集団が2つの供給源に由来する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ポリヌクレオチドの一部が、少なくとも10ヌクレオチドの配列である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記同定する工程が、大規模に並行サイン配列決定することによって少なくとも1万の前記ポリヌクレオチドを同時配列決定する工程を包含し、該配列決定する工程は、以下の工程:
    (a)各支持体に結合したポリヌクレオチドの遊離末端にコード化アダプターを連結する工程であって、該コード化アダプターは、以下:
    (i)該遊離末端と完全に一致した二重鎖を形成する突出鎖、
    (ii)最小の交差ハイブリダイズするセットのオリゴヌクレオチドから選択されるオリゴヌクレオチドタグであって、ここで該セットの任意のメンバーの配列は、少なくとも2つのヌクレオチドが該セットの任意の他のメンバーの配列とは異なる、オリゴヌクレオチドタグ、および
    (iii)ヌクレアーゼのヌクレアーゼ認識部位であって、その切断部位は、該認識部位とは別である、ヌクレアーゼ認識部位、
    を含む、工程、
    (b)該コード化アダプターの該オリゴヌクレオチドタグに、標識タグ相補体を特異的にハイブリダイズさせる工程、
    (c)該ポリヌクレオチドの遊離末端におけるヌクレオチドの型および配列を、該タグ相補体が保有する標識に従って同定する工程、
    (d)該コード化アダプターの該ヌクレアーゼ認識部位を認識するヌクレアーゼで、フラグメントを切断し、その結果該フラグメントは、1以上のヌクレオチドだけ短くなる、工程;ならびに
    (e)該連結する工程、ハイブリダイズする工程、および同定する工程を、該ポリヌクレオチドの末端のヌクレオチド配列の所望の長さが決定されるまで、反復する工程、
    を包含する、請求項11に記載の方法。
  15. 遺伝子産物の相対量を決定する方法であって、以下の工程:
    クローン亜集団において別個の固相微粒子支持体に付着されたDNA配列の参照DNA集団を提供する工程;
    第1の細胞または組織供給源の細胞に存在する遺伝子由来のポリヌクレオチドの集団および異なる細胞または組織供給源の細胞に存在する遺伝子由来のポリヌクレオチドの少なくとも1つの集団を提供する工程であって、該各供給源からの遺伝子由来のポリヌクレオチドは、光学シグナルを生成することができかつ任意の他の供給源の遺伝子由来のポリヌクレオチドの標識とは異なる光生成標識を有する、工程;
    該ポリヌクレオチドと該参照DNA集団をハイブリダイズして、該参照DNAの該DNA配列と該ポリヌクレオチドとの間で二重鎖を形成する工程;
    該別個の固相微粒子支持体に付着された該二重鎖の該光生成標識によって生成された該光学シグナルに従って各々の固相支持体を分離する工程;および
    二重鎖から得られる該光学シグナルの相対強度レベルから該遺伝子産物の相対量を決定する工程、
    を包含する、方法。
  16. より低い相対強度を有する固相支持体を単離する工程をさらに包含し、ここで、該単離された固相支持体が、提供される総固相支持体の5以下を構成する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記単離された固相支持体が、提供される総固相支持体の0.5%以下構成する、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項15に記載の方法であって、さらに以下の工程:
    ハイブリダイスされた集団とハイブリダイズされない集団とに該ポリヌクレオチドを分離する工程、
    を包含する、方法。
  19. 差次的に発現された遺伝子を分析するためのキットであって、以下:
    各々の微粒子が、該微粒子に付着された同一の一本鎖核酸分子の集団を有し、該一本鎖核酸分子が各々の微粒子上で異なっており、そして複数の細胞または組織供給源のmRNA由来のポリヌクレオチドを含む、微粒子の混合物を含む、キット。
  20. 前記各々の核酸分子が、前記微粒子と該ポリヌクレオチドとの間に位置されるオリゴヌクレオチドタグをさらに包含し、ここで各オリゴヌクレオチドタグは、最小のハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのセットのメンバーであり、ここで該セットの任意のメンバーの配列は、少なくとも2つのヌクレオチドが該セットの任意の他のメンバーの配列とは異なる、請求項19に記載のキット。
  21. 差次的に発現された遺伝子を分析することにおける使用のための印刷された取扱説明書をさらに包含する、請求項19に記載のキット。
  22. 少なくとも1つの前記細胞または組織供給源由来のcDNA分子の集団をさらに包含する、請求項19に記載のキット。
  23. 前記混合物が、少なくとも1000の異なる微粒子を含む、請求項19に記載のキット。
  24. 前記混合物が、少なくとも10の異なる微粒子を含む、請求項23に記載のキット。
  25. 各々の前記オリゴヌクレオチドタグが、12〜60ヌクレオチドの長さである、請求項20に記載のキット。
  26. 各々の前記オリゴヌクレオチドタグが、18〜40ヌクレオチドの長さである、請求項20に記載のキット。
  27. 前記オリゴヌクレオチドタグが、25〜40ヌクレオチドの長さである、請求項20に記載のキット。
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