JP2002374599A - 音響再生装置及び立体音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置及び立体音響再生装置

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JP2002374599A
JP2002374599A JP2001179270A JP2001179270A JP2002374599A JP 2002374599 A JP2002374599 A JP 2002374599A JP 2001179270 A JP2001179270 A JP 2001179270A JP 2001179270 A JP2001179270 A JP 2001179270A JP 2002374599 A JP2002374599 A JP 2002374599A
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JP2001179270A
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Yasushige Nakayama
靖茂 中山
Tetsuo Umeda
哲夫 梅田
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然な間接音を生成し、自然な距離感制御を
行うことを目的とする。 【解決手段】 遅延素子16〜16は、音源信号S
に対して、所定の遅延を与え、更に、増幅器18〜1
で増幅されて、スピーカ19〜19から出力さ
れた音波が、空間のある位置に焦点を結ぶようにする。
また、位相制御素子17〜17は、音源信号Sに対
して、所定の移相を与え、更に、増幅器18〜18
で増幅されたそれらの信号の和がゼロとなるようにす
る。これにより、焦点位置に、スピーカ19〜19
からの音波が集まるが、それらが打ち消し合うので、焦
点位置における音源信号3の直接音のエネルギーはゼロ
である。間接音のみを聴取することができる。この間接
音は、室が作り出したもので人工的に遅延素子や残響付
加装置で作り出したものと比べ自然さが損なわれること
無く、聴取者に間接音のエネルギーを高めた音を聞かせ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響再生装置及び
立体音響再生装置に関し、特に自然な間接音を生成し、
自然な距離感制御を可能とした音響再生装置及び立体音
響再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音像の距離感を制御する従来の技術とし
ては、例えば、以下に示す四つの技術がある。
【0003】第一の従来技術としては、音響信号に残響
を付加する残響付加装置を使用して残響を加えることに
よって音像の距離感を制御する技術がある。
【0004】例えば、図1に示す技術では、残響付加装
置1は、遅延素子2〜2(Lは、2以上の自然数で
ある。)から構成されている。残響付加装置1は、音源
信号を遅延させて残響信号(間接音に相当する。)を生
成するものである。入力端子INに印加された音源信号
Sが遅延素子2によってτだけ遅延されてSτ
なり、音源信号Sが遅延素子2によってτだけ遅延
されてSτとなり、・・・音源信号Sが遅延素子2
によってτだけ遅延されるSτとなる。遅延素子2
〜2の遅延量を適宜選択することにより、残響付加
装置1の出力S は、 S=Sτ+Sτ+・・・Sτ となる。このSは、擬似的な残響信号であり、可変抵
抗器6により、残響信号のレベルとなるように、S
に調整されて、加算器3に印加される。
【0005】従って、音源信号Sは、加算器3により、
残響信号S’が加算され、「S+S’」が増幅器4
で増幅されて、スピーカ5を駆動する。
【0006】音源信号S又は残響信号S’のレベルを
制御することにより、音像の距離感を制御できる。図1
では、可変抵抗器6を制御することにより、音像の距離
感を制御している。
【0007】また、第二の従来技術として、頭部伝達関
数を模擬して音像の距離感を制御する技術がある。
【0008】ここで、聴取者は耳の鼓膜で音波を知覚す
るが、知覚される音波は聴取者の頭の形状を反映したも
のであり、この特性を表したものが頭部伝達関数であ
る。
【0009】すなわち、頭部伝達関数は、音源と聴取者
の鼓膜の間を伝播する音波の周波数特性などの伝達特性
を示したものであり、聴取者の音像に対する距離感や方
向感を示したものと考えることができる。
【0010】したがって、頭部伝達関数を擬似的に制御
することによって、聴取者の音像に対する距離感を制御
することができる。
【0011】また、第三の従来技術として、2チャンネ
ルステレオを使用して左右のスピーカから出力される音
波の位相を反転させることによって、音像の距離感を作
り出す技術がある。
【0012】さらに第四の従来技術として、図2に示す
ように、特開平9−121400に記載された技術があ
る。この技術は、可変抵抗器13、電気系統14及びス
ピーカ11〜11(Kは、2以上の自然数である。)
から構成されている。電気系統14は、遅延素子群15
、15、加算器10〜10、増幅器9〜9
を有している。
【0013】遅延素子群15は、焦点用遅延素子7
〜7を有し、入力端子INに印加された音源信号Sに
対して、それぞれの焦点用遅延素子7〜7により、
所定の遅延を与え、スピーカ11〜11から出力さ
れた音波が、空間のある位置に焦点を結ぶようにする。
このように焦点用遅延素子7〜7の遅延量が設定さ
れているので、音源信号Sのうち、遅延素子群15
経由した音波は、空間のある位置に焦点を結ぶ。これに
より、焦点位置に、音源信号Sの直接音を与えることが
できる。
【0014】一方、遅延素子群15は、遅延素子8
〜8を有し、入力端子INに印加された音源信号Sを
それぞれの遅延素子8〜8で、例えば、ランダムに
遅延を与える。遅延素子8〜8により、それぞれ、
遅延された音源信号Sは、増幅器9〜9で増幅され
て、スピーカ11〜11に印加されるが、スピーカ
11〜11から出力された音波は、遅延素子8
の遅延がランダムであるので、空間のある位置に焦
点を結ぶことはない。これにより、焦点位置には、音源
信号がランダムに遅延されて到達するので、焦点位置に
擬似的に、関接音(図1の残響音に相当する。)を与え
ることができる。
【0015】ここで、回線13a、遅延素子群15
加算器10〜10、増幅器9〜9及びスピーカ
11〜11から構成されている信号の系統を直接音
用系統と表現し、回線13b、遅延素子群15、加算
器10〜10、増幅器9 〜9及びスピーカ11
〜11から構成されている信号の系統を間接音用系
統と表現すると、直接音用系統から出力される直接音の
レベルと、間接音用系統から出力される間接音のレベル
との比を、可変抵抗器13により制御することにより、
音像の距離感の制御をすることができる。
【0016】つまり、音像の距離感は、もっぱら直接音
と間接音とのエネルギー比に依存している。そこで、可
変抵抗器13を制御して、直接音用系統から出力される
直接音のレベルを高めれば、焦点近傍での直接音の比が
高まり、音像が聴取者にとって近く知覚される。一方、
可変抵抗器13を制御して、間接音用系統から出力され
る間接音のレベルを高めれば、焦点近傍での間接音の比
が高まり、音像は焦点からスピーカ側に後退し、聴取者
にとって音像が遠ざかっているように知覚される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した第一
の従来技術のように残響付加装置によって残響を付加す
る場合、実際の部屋の反響を反映したものとは異なる音
質を残響として付加するため、不自然な音質となる問題
点があった。
【0018】また、各聴取者の頭部形状が異なるため、
聴取者毎に頭部伝達関数が異なる。したがって、第二の
従来技術では、設定された特定の頭部伝達関数を有する
聴取者のみが、マッチした距離感を感じることができる
が、多数の聴取者に対して万人向けの伝達関数を設定す
ることは困難である。
【0019】また、第三の従来技術では、広がり感が増
し聴覚上距離感が増したように感じられるが、いわゆる
中抜けの状態となり定位がはっきりしないという問題が
あった。
【0020】また、第四の従来技術では、複数のスピー
カを用いて、直接音と間接音を生成しているので、第一
の従来技術に比して自然に感じられる。
【0021】しかしながら、間接音用系統から出力され
る間接音は、人工的に合成した擬似間接音であり、実際
の間接音と比して違和感が生じる。つまり、ランダムに
遅延された擬似間接音は、本来の間接音である直接音が
部屋の壁、天井、床等に当たり、そこで発生される反射
音とは異なり、音として自然さが失われている。
【0022】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので
あり、自然な間接音を生成し、自然な距離感制御を行う
ことを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するた
めの手段を採用している。
【0024】請求項1に記載された発明は、音源信号と
該音源信号を音波として放射するN(Nは、2以上の自
然数)個のスピーカを有し、各スピーカの前方の段に
は、前記音源信号を所定量遅延させる遅延素子と、前記
音源信号を所定量移相させる位相制御素子とを設け、前
記N個の遅延素子により、所定の空間位置に、放射され
た音波が焦点を結び、更に、前記N個の位相制御素子に
より、前記焦点での前記音波の大きさをゼロとすること
を特徴とする音響再生装置(例えば、実施例における音
像遠方定位音響再生装置)である。
【0025】請求項1に記載された発明によれば、各ス
ピーカの前方の段には、音源信号を所定量遅延させる遅
延素子と、音源信号を所定量移相させる位相制御素子と
を設け、N個の遅延素子により、所定の空間位置に、放
射された音波が焦点を結び、更に、N個の位相制御素子
により、焦点での前記音波の大きさをゼロとすること
で、自然な間接音のみ音場空間に存在させることができ
る。
【0026】また、請求項1記載の音響再生装置(例え
ば、実施例における音像遠方定位音響再生装置)によれ
ば、自然さを損なわず、且つ、効果的に直接音のエネル
ギーを抑圧することができ、焦点近傍の聴取者に対し間
接音のエネルギーが優勢な音を聞かせ、その結果、聴感
上音が、スピーカの位置より遠くの位置から放射された
ようにすることができる。
【0027】請求項2に記載された発明は、M(Mは、
2以上の自然数)個のスピーカから出力される音波の直
接音と間接音のレベル比であって、聴取者の位置におけ
る音波の直接音と間接音のレベル比を調整することによ
り音像の定位を変化させる音響再生装置において、各ス
ピーカの前方の段には、音源信号を所定量遅延させる遅
延素子と、前記音源信号を所定量移相させる位相制御素
子とを設け、前記遅延素子及び前記位相制御素子を制御
することにより、音像の定位を変化させることを特徴と
する音響再生装置(例えば、実施例における距離感制御
音響再生装置)である。
【0028】請求項2に記載された発明によれば、各ス
ピーカの前方の段には、音源信号を所定量遅延させる遅
延素子と、音源信号を所定量移相させる位相制御素子と
を設け、遅延素子及び位相制御素子を制御することによ
り、自然な間接音を生成し、音像の定位を変化させるこ
とにより、音像を近くから遠方まで制御することが可能
である。
【0029】また、近くから遠くへ音像を制御する際
に、自然さを損なわず、連続的に且つ距離感変化を大き
く制御することができる。
【0030】請求項3に記載された発明は、請求項2記
載の音響再生装置において、音源信号を二つの系統に分
配する分配器を有し、前記各スピーカには、二つの系統
からの音源信号が同時に印加され、前記二つの系統の
内、一方の系統は、前記各スピーカから放射された音波
が所定の空間位置に焦点を結び、更に、前記焦点での前
記音波の大きさがゼロとなるように設定されたM個の遅
延素子と、M個の位相制御素子とを有し、前記二つの系
統の内、他方の系統は、前記各スピーカから放射された
音波が所定の空間位置に焦点を結ぶように設定されたM
個の遅延素子を有し、前記分配器における二つの系統へ
の分配比を変更することにより、音像の定位を変化させ
ることを特徴とする。
【0031】請求項3記載の発明は、請求項2記載の音
響再生装置を具体的に規定したものである。
【0032】請求項4に記載された発明は、聴取者の受
聴位置を取り囲むように、請求項2又は3記載の音響再
生装置を複数備えたことを特徴とする立体音響再生装置
である。
【0033】請求項4記載の立体音響再生装置によれ
ば、距離感制御と同時に左右方向の制御が可能となり、
焦点を含む2次元平面内の任意の位置に音像を定位する
ことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。
【第1の実施例】図3に第1の実施例である音像遠方定
位音響再生装置を示す。図3の装置は、音源信号S、複
数の遅延素子16〜16、複数の位相制御素子17
〜17及び複数の増幅器18〜18及び複数の
スピーカ19〜19からなる。
【0035】遅延素子16〜16は、それぞれ、所
定の遅延を、入力した信号に与えて出力する。図3で
は、音源信号Sに対して、それぞれの遅延素子16
16により、所定の遅延を与え、更に、増幅器18
〜18で増幅されて、スピーカ19〜19から出
力された音波が、空間のある位置に焦点を結ぶようにす
る。
【0036】また、位相制御素子17〜17は、そ
れぞれ、所定の移相を、入力した信号に与えて出力す
る。図3では、音源信号Sに対して、それぞれの位相制
御素子17〜17により、所定の移相を与え、更
に、増幅器18〜18で増幅されたそれらの信号の
和がゼロ(互いに打ち消しあって、ゼロとなる)となるよ
うにする。
【0037】遅延素子16〜16によって焦点位置
に、スピーカ19〜19からの音波が集まるが、そ
れらの音波が打ち消し合うように、位相制御素子17
〜17の移相量が設定されているので、焦点位置にお
ける音源信号Sの直接音のエネルギーはゼロとなる。
【0038】一方、同時に、スピーカ19〜19
ら放射された音波は、室の壁や床などに複数回反射を繰
り返して減衰し、そのいくつかは焦点に間接音として到
達する。
【0039】また、直接音が抑圧されているのは焦点の
みであり、焦点から少し離れた点では小さいながら直接
音が存在する。そのため焦点から少し離れた位置で聴取
することで音像の定位感がなくなることが無く、しっか
りとした定位が得られる。
【0040】上述した音像遠方定位音響再生装置によれ
ば、焦点位置及びその近傍では直接音が抑圧され、部屋
の壁等の反射により作られた間接音のみが存在する。従
って、焦点近傍で受聴する限り、聴感上音像が遠方へ定
位したように感じられる。
【0041】なお、この音像遠方定位音響再生装置にお
ける間接音は、室が作り出したもので人工的に遅延素子
や残響付加装置で作り出したものと比べ自然さが損なわ
れること無く、聴取者に間接音のエネルギーを高めた音
を聞かせることができる。
【0042】本装置により音像を遠方へ定位させた際の
インパルス応答(A)と、アレイと同じ距離においた単
体のスピーカ(B)のインパルス応答を、聴取位置で測
定したものをそれぞれ図4に示す。図4における横軸
は、直接音が測定用のマイクに到達した時点を基準とし
た時を0としたときの時間(単位は1/48K(秒))を示し、
縦軸は、任意スケールによるインパルス応答強度を示
す。
【0043】図4によれば、単体のスピーカ(B)で
は、時刻0において、直接音によるインパルス応答が観
測されるのに対して、音像遠方定位音響再生装置(A)
では、時刻0における直接音によるインパルス応答が消
滅しており、直接音が抑圧されていることが分かる。
【第2の実施例】図5に第2の実施例である距離感制御
音響再生装置を示す。
【0044】図5は、可変抵抗器21、系統1(2
)、系統2(26)、加算器29〜29、増幅
器24〜24及びスピーカ25〜25(Mは、
2以上の自然数である。)から構成されている。系統1
は、遅延素子22〜22及び位相制御素子23
23を有し、系統2は、遅延素子27〜27を有
している。なお、可変抵抗器21は、音源信号Sを、系
統1及び系統2に、分配しており、分配器とも言える。
【0045】ここで、系統1、増幅器24〜24
びスピーカ25〜25は、図3の音像遠方定位音響
再生装置と同じ動作を行う。
【0046】つまり、可変抵抗器21を経た音源信号S
に対して、遅延素子22〜22により、所定の遅延
を与え、増幅器24〜24で増幅されて、スピーカ
25 〜25から出力された音波が、空間のある位置
に焦点を結ぶようにする。
【0047】また、可変抵抗器21を経た音源信号Sに
対して、位相制御素子23〜23 により、所定の移
相を与え、更に、増幅器24〜24で増幅されたそ
れらの信号の和がゼロ(互いに打ち消しあって、ゼロと
なる)となるようにする。
【0048】これにより、系統1を経由した音源信号に
ついては、焦点位置に、スピーカ19〜19からの
音波が集まるが、それらが打ち消し合うので、焦点位置
における音源信号Sの直接音のエネルギーはゼロであ
る。このとき、系統1を経由した音源信号に基づいて、
焦点位置では、間接音のみが存在する。
【0049】また、系統2、増幅器24〜24及び
スピーカ25〜25は、図2の電気系統の焦点用遅
延素子7〜7と同じ動作を行う。
【0050】つまり、可変抵抗器21を経た音源信号S
に対して、遅延素子27〜27により、所定の遅延
を与え、増幅器24〜24で増幅されて、スピーカ
25 〜25から出力された音波が、空間のある位置
に焦点を結ぶようにする。このように遅延素子27
27の遅延量が設定されているので、音源信号Sのう
ち、系統2を経由した音波は、空間のある位置に焦点を
結ぶ。これにより、焦点位置に、音源信号Sの直接音を
与えることができる。
【0051】系統1の遅延素子22〜22と系統2
の遅延素子27〜27において、それぞれ、対応す
る遅延素子(22と27、22と27、・・・
22 と27)は、同一の遅延量を与えるので、系統
1における焦点と系統2における焦点位置とは、同じ焦
点位置となる。これにより、同じ焦点位置に、系統1に
よって主に間接音が与えられ、系統2によって主に直接
音が与えられる。
【0052】従って、可変抵抗器21によって、系統1
と系統2への分配を制御することにより、聴取者にとっ
て手前からスピーカの後ろまで任意の位置に音像がある
ものとして知覚させることができる。
【0053】つまり、系統1が優勢になるような音源分
配を行った場合、間接音が相対的に強調されて放射され
る一方、直接音が抑圧されて放射されるので、焦点近傍
で聴取した場合に音像の距離感が遠方へ定位したように
聞こえる。また、逆に系統2が優勢になるような音源分
配を行った場合、直接音が強調されて放射される一方、
間接音が相対的に抑圧されて放射されるので、焦点近傍
で聴取した場合、音像の距離感が聴取者近傍へ定位した
かのように聞こえる。
【0054】なお、音源分配装置(可変抵抗器21)を連
続的に操作することにより遠い音像から近くの音像まで
滑らかに制御することが可能となる。
【0055】また、遠方音像系統の音は部屋で作られた
間接音のみであるため、既存の発明よりも距離感の変化
が自然さを損なわずに大きくすることができる。
【第3の実施例】第3の実施例は、図5の距離感制御音
響再生装置を、複数(図6では、3つで構成されている
が、2上であれば、3に限定されない。)用いて、聴取
者を取り囲むように配置し、それぞれの距離感制御音響
再生装置の入力に左右方向(後方)に応じた音声信号を
入力するようにした立体音響再生装置である。
【0056】第1の距離感制御音響再生装置は、入力端
子IN、分配器31、距離感制御音響再生本体装置
32及びスピーカ3311〜3314から構成されて
いる。第2の距離感制御音響再生装置は、入力端子IN
、分配器31、距離感制御音響再生本体装置32
及びスピーカ3321〜3324から構成されている。
第3の距離感制御音響再生装置は、入力端子IN、分
配器31、距離感制御音響再生本体装置32及びス
ピーカ3331〜3334から構成されている。なお、
図6では、スピーカが、距離感制御音響再生本体装置
に、それぞれ4つ接続されているが、これに限定されな
いで実施可能である。
【0057】図6において、所定の音源信号が、入力端
子IN〜INに印加され、分配器31〜分配器3
で適宜分配され、距離感制御音響再生本体装置32
〜距離感制御音響再生本体装置32を介してスピー
カ3311〜3334から立体音が放射される。
【0058】この実施例の立体音響再生装置により、距
離感制御音響再生装置同士の中間にも音像低位が可能で
距離及び左右方向の任意の位置に音像を定位することが
可能となる。
【0059】また、この実施例の立体音響再生装置によ
り、距離感制御だけではなく左右方向の音像制御が可能
となる。
【0060】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
種々の効果を奏することができる。
【0061】請求項1記載の音響再生装置によれば、各
スピーカの前方の段には、音源信号を所定量遅延させる
遅延素子と、音源信号を所定量移相させる位相制御素子
とを設け、N個の遅延素子により、所定の空間位置に、
放射された音波が焦点を結び、更に、N個の位相制御素
子により、焦点での前記音波の大きさをゼロとすること
により、自然な間接音のみ音場空間に存在させることが
できる。
【0062】また、自然さを損なわず且つ効果的に直接
音のエネルギーを抑圧することができ、焦点近傍の聴取
者に対し間接音のエネルギーが優勢な音を聞かせ、その
結果、聴感上音が、スピーカの位置より遠くの位置から
放射されたようにすることができる。
【0063】また、請求項2又は3記載の音響再生装置
によれば、各スピーカの前方の段には、音源信号を所定
量遅延させる遅延素子と、音源信号を所定量移相させる
位相制御素子とを設け、遅延素子及び位相制御素子を制
御することにより、自然な間接音を生成し、音像の定位
を変化させることにより、音像を近くから遠方まで制御
することが可能である。
【0064】また、近くから遠くへ音像を制御する際
に、自然さを損なわず、連続的に且つ距離感変化を大き
く制御することができる。
【0065】また、請求項4記載の立体音響再生装置に
よれば、距離感制御と同時に左右方向の制御が可能とな
り、焦点を含む2次元平面内の任意の位置に音像を定位
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の従来技術を説明するための図である。
【図2】第四の従来技術を説明するための図である。
【図3】音像遠方定位音響再生装置の構成例を説明する
ための図である。
【図4】聴取点でのインパルス応答と等距離に設置した
単体のスピーカのインパルス応答を説明するための図で
ある。
【図5】距離感制御音響再生装置の構成例を説明するた
めの図である。
【図6】立体音響再生装置の構成例を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 残響付加装置 2、8、16、22、27 遅延素子 3、10、29 加算器 4、9、18、24 増幅器 5、11、19、25、33 スピーカ 6 可変抵抗器 7 焦点用遅延素子 13、21、31 可変抵抗器(分配器) 14 電気系統 15 遅延素子群 17、23 位相制御素子 26 系統 32 距離感制御音響再生本体装置 S 音源信号 IN 入力端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源信号と該音源信号を音波として放射
    するN(Nは、2以上の自然数)個のスピーカを有し、 各スピーカの前方の段には、前記音源信号を所定量遅延
    させる遅延素子と、前記音源信号を所定量移相させる位
    相制御素子とを設け、 前記N個の遅延素子により、所定の空間位置に、放射さ
    れた音波が焦点を結び、更に、前記N個の位相制御素子
    により、前記焦点での前記音波の大きさをゼロとするこ
    とを特徴とする音響再生装置。
  2. 【請求項2】 M(Mは、2以上の自然数)個のスピーカ
    から出力される音波の直接音と間接音のレベル比であっ
    て、聴取者の位置における音波の直接音と間接音のレベ
    ル比を調整することにより音像の定位を変化させ音響再
    生装置において、 各スピーカの前方の段には、音源信号を所定量遅延させ
    る遅延素子と、前記音源信号を所定量移相させる位相制
    御素子とを設け、 前記遅延素子及び前記位相制御素子を制御することによ
    り、音像の定位を変化させることを特徴とする音響再生
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の音響再生装置において、 音源信号を二つの系統に分配する分配器を有し、前記各
    スピーカには、二つの系統からの音源信号が同時に印加
    され、 前記二つの系統の内、一方の系統は、前記各スピーカか
    ら放射された音波が所定の空間位置に焦点を結び、更
    に、前記焦点での前記音波の大きさがゼロとなるように
    設定されたM個の遅延素子と、M個の位相制御素子とを
    有し、 前記二つの系統の内、他方の系統は、前記各スピーカか
    ら放射された音波が所定の空間位置に焦点を結ぶように
    設定されたM個の遅延素子を有し、 前記分配器における二つの系統への分配比を変更するこ
    とにより、音像の定位を変化させることを特徴とする音
    響再生装置。
  4. 【請求項4】 聴取者の受聴位置を取り囲むように、請
    求項2又は3記載の音響再生装置を複数備えたことを特
    徴とする立体音響再生装置。
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