JP2002373789A - 有機発光ダイオード及びその製造方法 - Google Patents

有機発光ダイオード及びその製造方法

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JP2002373789A JP2001170873A JP2001170873A JP2002373789A JP 2002373789 A JP2002373789 A JP 2002373789A JP 2001170873 A JP2001170873 A JP 2001170873A JP 2001170873 A JP2001170873 A JP 2001170873A JP 2002373789 A JP2002373789 A JP 2002373789A
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Chun Hui Tsai
君▲徽▼ 蔡
Raisei Chin
來成 陳
Choki Ho
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規の層状構造及び劣化せず長期使用可能な
有機発光ダイオードを提供する。 【解決手段】 インジウム−スズ酸化物(ITO)層をコ
ートしたガラス基板により支持された有機発光ダイオー
ドであって、前記インジウム−スズ酸化物(ITO)層を
コートしたガラス基板を被覆するアモルファスシリコン
(α−Si)抵抗層と、前記アモルファスシリコン(α−
Si)抵抗層を被覆し、有機発光層に被覆されるポリアニ
リン(PANI)層と、前記有機発光層を被覆する導電電極
層とからなるので、新規の層状構造及び劣化せず長期使
用可能な有機発光ダイオードを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機発光ダイオー
ド(Organic Light−Emitting Diode)の構造と製造方
法に関するもので、特に、改良した層状構造及び使用寿
命が長く確実な発光性能を有し、フラットパネルディス
プレイアプリケーションに適用出来る有機発光LEDデバ
イス(Organic Light−Emitting LED Device)の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機発光ダイオード(LED)の長期的使
用の確実性が十分でないため、フラットパネル装置の製
造は技術的困難に直面している。有機LEDを形成するた
めに、活性有機発光層(Active Organic Luminescent L
ayer)は、透明陽極(Transparent Anode)、即ちホー
ル注入コンタクト(Hole−Injecting Contact)として
のインジウム−スズ酸化物(Indium/Tin Oxide)(IT
O)層と、電子注入コンタクト(Electron Injecting Co
ntacts)としての低仕事関数金属(Low Work Function
Metal)との間に挟まれ、図1で示される。活性有機層
は導電性高分子(Conductive Polymer)である。しか
し、一般的な有機LEDの使用寿命に限りがあるため、有
機LEDをディスプレイアプリケーションに適用するのは
困難である。層状構造の整合性が完全ではないため、有
機発光素子を一定時間使用しただけで、しばしば表示品
質の劣化と輝度の減少が生じる。このことについては後
述する。
【0003】図5は公知の発光ダイオードの層状構造を
示している。有機発光層3は、インジウム−スズ酸化物
(ITO)層2をコートしたガラス基板(Glass Substrat
e)1の上に蒸着されている。インジウム−スズ酸化物
(ITO)層2は陽極電極として、有機発光層3を被覆す
る金属層4は陰極電極であり、−3Vから−9Vのマイナ
ス電圧に接続されることにより、有機発光層3の発光機
能を促す。有機発光層3は厚さ100nm以下の単層又
は複合層構造である。有機発光層3は極薄のため、塵粒
が偶然に層上又は下に落ちた時、損傷やピンホールの欠
陥が生じやすい。ピンホールが有機発光層3に現れた
時、陽極電極、即ちインジウム−スズ酸化物(ITO)層
2は、陰極電極の金属層4までショート現象を生じる。
ディスプレイ装置の製造技術を熟知する者は、極薄の有
機発光層を用いた発光ダイオードの技術によるディスプ
レイ装置の製造において、発光フラットパネル装置の故
障という困難に直面している。
【0004】米国特許NO.5,798,170の“Long Operati
ng Life for Polymer Light Emitting Diodes”(Zhang
et al,August,25,1998)では、長時間使用時のぼや
け、拡散、劣化を改善した発光ダイオードが開示されて
いる。図6及び図7で示されるように、該特許では、カ
ルシウムなどの相対低仕事関数金属でありうる電子注入
陰極コンタクト(Electronic Injecting Cathode Conta
ct)12を備えるポリマー発光ダイオード素子(Polyme
r Light−Emitting Diode Device)20を開示する。電
子注入陰極コンタクト12は、基板18に支持された半
導電(Semi−Conductive)の複合発光ポリマー薄膜(Lu
minescent Conjugated Polymer Film)14の上に堆積
される。
【0005】基板18は高仕事関数、即ち高イオン化ポ
テンシャル(High Ionization Potential)を備える透
明導電層16に部分的に被覆され、電子放出陽極電極
(Electron Withdrawing Anode Electrode)として機能
する。発光ダイオードの構造はポリアニリン(Polyanil
ine,PANI)及びエメラルディン塩基(Emeraldine Sal
t)を含む層15を複合発光ポリマー薄膜14と透明導
電層16との間に挿入することにより改良されている。
図7はPANI層15を電子放出陽極電極として用いた該特
許の素子10のもう一つの実施例で、PANI層15は高導
電性のエメラルディン塩基を含む。ある一定のシート抵
抗(Sheet Resistance)を備えるエメラルディン塩基の
薄膜層15は素子の性能を安定させ、非発射の黒点(Da
rk Non−Emitting Spots)の形成における効率損失の
低下を防ぐことが出来るため、長期使用が可能になる。
【0006】Zhangらが開示するように、エメラルディ
ン塩基の様々なレベルの抵抗を含むPANI層の使用は有効
的ではあるが、PANI層は中間層としての機能を果たすの
に適当ではない。この問題はPANI層の厚さ及び密度分布
の高レベルの均一性が正確に制御できないことにより起
こる。またピンホールの問題も生じうる。これらの問題
点により、Zhangらの提案するPANI層を使用しても、陽
極電極と陰極電極との間のショート及び素子の故障とい
った問題を完全には解決することが出来ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これにより、フラット
パネルディスプレイ装置の設計及び有機発光ダイオード
を用いた製造技術は、改善の余地がある。特に、この技
術はピンホール問題に対する脆弱性を減少できる層状構
造を有する有機発光ダイオードを提供する必要がある。
この層状構造は陽極電極と陰極電極との間に伝導する大
きい電流による損傷から素子を保護する電流制限能力
(Current Limiting Capability)も提供する。この
外、発光素子は電流分布層(Current Distribution Lay
er)に電流密度の不均一な分布を減少させるよう更に要
求することにより、電流密度の不均一な分布によって生
じる素子の性能の劣化を最小限に抑える。
【0008】本発明は新規の層状構造及び劣化せず長期
使用可能な有機発光ダイオードの製造方法を提供するこ
とを目的とする。ピンホールに対する脆弱性や電流密度
の不均一分布といった欠点が減少され、前述の公知技術
における困難や制限を克服する。
【0009】特に、本発明は新規の中間無機層を有する
改良された層状構造を提供することを目的とする。この
中間無機層は塵粒によって生じる薄膜の損傷に対して強
い抵抗を備えているため、改良した層状構造はピンホー
ルの損傷の欠点を減少させることが出来る。
【0010】本発明は電流制限層として機能する中間無
機層を有する有機発光ダイオードに用いる新規の改良さ
れた層状構造を提供することを更なる目的とする。最大
電流密度を超過することにより生じる装置の損傷を防止
することが出来る。
【0011】本発明は電流分布層として機能する中間無
機層を有する有機発光ダイオードに用いる新規の改良さ
れた層状構造を提供することを更なる目的とする。長期
使用の後、電流密度分布の不均一により生じる素子の性
能の劣化は、発光ダイオードの表面全体に電流密度を更
に均一に分布することにより減少する。
【0012】
【課題を解決するための手段】つまり、好ましい具体例
において、本発明は有機発光ダイオード(LED)を有す
る。以下の説明は数字記号で表示する。図2で、有機発
光ダイオードはインジウム−スズ酸化物(ITO)層11
0でコートされ、ガラス基板105に支持されている。
有機発光ダイオードはインジウム−スズ酸化物(ITO)
層をコートしたガラス基板105を被覆しているアモル
ファスシリコン(α−Si)抵抗層(Amorphous−Silicon
(α−Si)Resistive Layer)115を有する。
【0013】有機発光ダイオード100はアモルファス
シリコン(α−Si)抵抗層115を被覆し、有機発光層
125に被覆されたポリアニリン(PANI)層120を更
に備える。有機発光ダイオード100は発光層125を
被覆する導電電極層(Conductive Eelectrode Layer)
130を更に有する。
【0014】具体例において、アモルファスシリコン
(α−Si)抵抗層115は電流制限層として、ガラス基
板105にコートしたインジウム−スズ酸化物(ITO)
層110と導電電極層130との間に伝導する電流密度
を、最大許容電流密度1000mA/cm2以下に制限す
る。もう一つの具体例において、アモルファスシリコン
(α−Si)抵抗層115は電流分布層として、ガラス基
板110にコートしたインジウム−スズ酸化物(ITO)
層と導電電極層との間に伝導する電流を分布する。この
ように、最大電流密度と最小電流密度の差を最大許容電
流密度の差1000mA/cm2以下にする。つまり、本発
明は電流制限層として機能する無機層115を有する有
機発光ダイオード(LED)100を開示する。
【0015】上述した本発明の目的、特徴及び長所をよ
り一層明瞭にするため、以下に本発明の好ましい実施の
形態を挙げ、図を参照にしながらさらに詳しく説明す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の有機発光ダイオー
ド100の断面図である。有機発光ダイオード100は
ガラス基板105上に形成されている。インジウム−ス
ズ酸化物(ITO)層110はガラス基板105の上に形
成されている。無機抵抗層(InorganicResistive Laye
r)115はインジウム−スズ酸化物(ITO)層110を
被覆する。無機抵抗層115はITO層110を完全に被
覆する。PANI又はPEDT/PSS(Polyethylene Dioxythiop
hene Polystyrene Sulphonate)層120は無機抵抗層
115の上に形成されている。その後、有機発光層12
5はPANI層120をコートし、Ca/Al又はMg/Ag層13
0により被覆されて、有機発光ダイオードの電極として
機能する。
【0017】具体例において、無機抵抗層115はアモ
ルファスシリコンの層である。この抵抗層は、アモルフ
ァスインジウム−スズ酸化物(ITO)層又はインジウム
/酸化ジルコニウム(IZO)層(Indium/Zicronium Oxi
de Layer)、又は外のタイプの薄膜抵抗層でもよい。シ
ート抵抗は103 〜108 ohms/cm2の間である。スパ
ッタリング蒸着(Sputtering Deposition)、PVD(Plas
ma−Vapor Deposition)又はPECVD(Plasma Enhanced C
hemical Vaporization Deposition)工程が施され、薄
膜抵抗層115を形成する。この無機抵抗層を加える目
的は、電流を制限して素子を保護するためである。
【0018】陽極電極と陰極電極との間でショートが発
生する状況の下、電流は最大許容電流以下に制限され
る。この電流を制限する抵抗層により、陽極電極が陰極
電極までショートしても、ショート回路電流は最大許容
電流以下に制限されるため、発光ダイオードの構成素子
が損傷するのを防ぐことが出来る。同時に、ショート地
点を通過する電流が最大許容電流以下に制限されるの
で、ディスプレイの輝度と均一性は不利な影響を受けな
い。
【0019】更に、抵抗層115は保護機能として作用
するほか、陽極電極と陰極電極との間の電流分布の均一
性を高める。無機層が電流制限層及び分布層となること
により、LED素子の表面全体の電流密度の分布が均一に
なる。均一な電流密度が達成されるので、ディスプレイ
の均一性が改善される。ディスプレイの輝度も改善され
る。更に、均一的な電流密度分布も改善され、不均一な
電流密度分布での継続使用により生じる劣化が減少する
ため、LED素子の使用寿命を延ばすことが出来る。
【0020】図1で示されるように、本発明は有機発光
ダイオード(LED)を開示する。有機発光ダイオードは
インジウム−スズ酸化物(ITO)層110をコートした
ガラス基板105により支持される。有機発光ダイオー
ドはITO層110をコートしたガラス基板105を被覆
するアモルファスシリコン(α−Si)抵抗層115を有
する。有機発光ダイオード100はアモルファスシリコ
ン(α−Si)抵抗層115を被覆し、有機発光層125
に被覆されるポリアニリン(PANI)層120を更に有す
る。有機発光ダイオード100は有機発光層125を被
覆する導電電極層130を更に有する。
【0021】具体例において、アモルファスシリコン
(α−Si)抵抗層115は電流制限層として、ガラス基
板105にコートしたITO層と導電電極層130との間
に伝導する電流密度を、最大許容電流密度1000mA/
cm2以下に制限する。
【0022】もう一つの具体例で、アモルファスシリコ
ン(α−Si)抵抗層115は電流分布層として、ガラス
基板110をコートしたITO層と導電電極層との間に伝
導する電流を分布する。最大電流密度と最小電流密度の
差を最大許容電流密度の差1000mA/cm2以下にす
る。つまり、本発明は電流制限層として機能する無機層
115を有する有機発光ダイオード(LED)100を開
示する。
【0023】図2(a)から図2(e)は、図1の発光
ダイオードの製造工程を示す図である。図2(a)で示
されるように、ITO層110は、スパッタリング蒸着工
程により、ガラス基板105上に形成される。次に、図
2(b)で示されるように、PVD又はPECVD工程が施さ
れ、無機α−Si層115がITO層110の上に形成され
る。スピンオン工程により、PANI層120が無機α−Si
層115の上に形成される。
【0024】図2(c)で示されるように、PANI層12
0の形成において、塵粒123で汚染されることによ
り、ピンホール122が形成される。図2(d)で示さ
れるように、その後スピンオン工程により、有機発光層
125が形成される。有機発光層125が形成される過
程で、ピンホールが更に形成される。図2(e)で示さ
れるように、その後、陰極金属層130が蒸着によって
形成される。陰極金属層130はピンホール122を充
填し、無機α−Si層115と接触する。特定の抵抗を備
える無機α−Si層115は電流制限層として電流を最大
電流以下に制限するのに用いられ、発光ダイオードへの
損傷を防ぎ、図で示されるような塵粒の汚染が引き起こ
す問題を解決する。
【0025】図3は本発明の有機発光ダイオード200
のもう一つの具体例を示す断面図である。基本的な層状
構造は実質的に図1と同じである。唯一の相違は多数の
ITO島が無機α−Si層の上に形成されていることであ
る。有機発光ダイオード200はガラス基板205の上
に形成される。インジウム−スズ酸化物(ITO)層21
0はガラス基板205の上に形成される。無機α−Si抵
抗層215はITO層210を被覆する。無機α−Si抵抗
層215は、インジウム−スズ酸化物(ITO)層210
を完全に被覆する。その後、複数のITO島225は無機
α−Si抵抗層215の表面に形成される。PANI又はPEDT
/PSS層220は、ITO島220の上部と各ITO島の間に
形成される。その後、有機発光層230はPANI層220
の上にコートされると共に、Ca/Al又はMg/Ag235に
より被覆されて発光ダイオードの電極として機能する。
【0026】上述したように、本発明はITO層をコート
したガラス基板上に有機発光ダイオード(LED)を形成
する方法を更に開示する。本方法は、(a)前記インジ
ウム−スズ酸化物(ITO)層をコートした前記ガラス基
板を被覆するアモルファスシリコン(α−Si)抵抗層を
形成する工程と、(b)前記アモルファスシリコン(α
−Si)抵抗層を被覆し、前記有機発光層に被覆されるポ
リアニリン(PANI)層を形成する工程と、(c)前記有
機発光層を被覆する導電電極層を形成する工程と、から
なる。好ましい具体例において、アモルファスシリコン
(α−Si)抵抗層を形成する工程は電流制限層を形成し
て、ガラス基板にコートしたITO層と導電電極層との間
に伝導する電流密度を、最大許容電流密度以下に制限す
る工程を含む。
【0027】もう一つの具体例において、アモルファス
シリコン(α−Si)抵抗層を形成する工程は、電流分布
層として形成する工程からなり、ガラス基板にコートし
たITO層と導電電極層との間に伝導する電流を分布し、
最大電流密度と最小電流密度との差を最大許容電流密度
の差以下にする工程を含む。もう一つの具体例におい
て、電流制限層としてアモルファスシリコン(α−Si)
抵抗層を形成する工程は、電流制限層を形成して、ガラ
ス基板にコートしたITO層と導電電極層との間の電流密
度を最大許容電流密度1000mA/cm2以下にする工程
を含む。
【0028】もう一つの具体例において、アモルファス
シリコン(α−Si)抵抗層を形成する工程は、電流分布
層として形成し、ガラス基板にコートしたITO層と導電
電極層との間に伝導する電流を分布する工程を含み、最
大電流密度と最小電流密度との間の差を最大許容電流密
度1000mA/cm2以下にする工程を含む。もう一つの
具体例において、本方法は、アモルファスシリコン(α
−Si)抵抗層の上で未結合の島となると共にPANI層によ
り被覆される第2ITO層を形成する工程を更に含む。
【0029】もう一つの具体例において、無機抵抗層2
15はアモルファスシリコンの層でもよい。この抵抗層
はアモルファスインジウム−スズ酸化物(ITO)又はイ
ンジウム−ジルコニウム酸化物(IZO)層、又は外のタ
イプの薄膜抵抗層でもよい。シート抵抗は103〜108
ohms/cm2の間である。ITO島は四角形か六角形で形成す
ることが出来る。ITO島の厚さは10〜100ミクロン
の範囲内である。隣接した島の間の距離は、α−Si抵抗
層215の厚さの10倍又はそれ以上である。
【0030】図4(a)から図4(f)は、図3の発光
ダイオード製造工程を示す図である。図4(a)で、IT
O層210はスパッタリング蒸着工程により、ガラス基
板205の上に形成される。その後、図4(b)でPVD
又はPECVD工程により、ITO層210上に無機α−Si層2
15が形成される。図5Cで、ITO島225は無機α−Si
層215の上に形成され、パターン化して、複数のITO
島を形成する。図4(d)で、スピンオン工程により、
PANI層220がITO島225の上を被覆する。
【0031】また、図2(c)で示されるように、PANI
層120を形成する工程において、塵粒により、ピンホ
ールが形成され(図示しない)、そして、図4(e)で
示されるように、スピンオン工程が再び施され、有機発
光層230が形成される。有機発光層225(図示しな
い)を形成する工程でピンホールが更に生じる。その
後、蒸着工程により陰極金属層235を形成する。陰極
金属層はピンホールを充填し、無機α−Si層215と接
触する。
【0032】特定の抵抗により、無機α−Si層は電流制
限層として、電流を最大電流以下に制限し、発光ダイオ
ードへの損傷を回避することができる。ITO層はα−Si
層より高い仕事関数を備えるため、ITO層からPANI層
へ、ホール注入するのにより大きい仕事関数が必要であ
る。従って、ITO島225が形成され、ホール注入の仕
事関数の差を補う。
【0033】上述の説明により、本発明は有機発光ダイ
オード(LED)の製造方法を更に開示する。本方法は、
有機LED中、無機層を電流制限層として形成する工程を
含む。具体例において、無機層を形成する工程は、α−
Si抵抗層を形成する工程を含む。もう一つの具体例にお
いて、本方法は、有機発光ダイオードを支持するインジ
ウム−スズ酸化物(ITO)をコートしたガラス基板を形
成する工程を更に含む。さらに、ITO層をコートしたガ
ラス基板を被覆する無機層を形成する工程を含む。
【0034】もう一つの具体例で、本方法は、無機層を
被覆するPANI層と、PANI層を被覆する有機発光層とを形
成する工程と、有機発光層を被覆する導電電極層を形成
する工程とを含む。もう一つの具体例で、本方法は、無
機層の上で未結合の島となると共に、PANI層により被覆
される第2ITO層を形成する工程を更に含む。
【0035】
【発明の効果】無機α−Si抵抗層は、電流を制限して素
子を保護するのに用いられる。陽極電極と陰極電極との
間でショートが発生する状況の下、電流は最大許容電流
以下に制限される。この電流制限の抵抗層は、陽極電極
が陰極電極までショートしても、ショート回路電流は最
大許容電流以下に制限されるため、発光ダイオードの構
成素子への損傷は回避される。同時に、ショート地点を
通過する電流が最大許容電流に制限されるので、ディス
プレイの輝度と均一性は不利な影響を受けない。
【0036】更に、抵抗層115は保護機能としても作
用し、陽極電極と陰極電極との間の電流分布の均一性を
高める。無機抵抗層が電流制限層及び分布層となるた
め、LED素子の表面全体において、電流密度の均一な分
布を実現することが出来る。より均一的な電流密度分布
により、ディスプレイの均一性と輝度が改善される。更
に不均一な電流密度分布を持続的に操作することにより
生じる劣化を減少させて、LED素子の使用寿命を延ばす
ことが出来る。ITO/α−Si抵抗層/ITO構造は、仕事関
数をα−Si及び有機物との間において適合させ、動作電
圧を減少させる利点がある。
【0037】本発明では好ましい実施例を前述の通り開
示したが、本発明は決して本実施例に限定するものでは
なく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神
と領域を脱しない範囲内で各種の設計変更を加えること
ができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲
で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の有機発光ダイオードの断面図
である。
【図2】図2(a)〜(e)は、図1に示す有機発光ダ
イオードの製造工程を示す一連の断面図である。
【図3】図3は、本発明の有機発光ダイオードの他の実
施の形態を示す断面図である。
【図4】図4(a)〜(f)は、図3の有機発光ダイオ
ードの製造工程を示す断面図である。
【図5】図5は、公知の有機発光ダイオードを示す断面
図である。
【図6】図6は、他の公知の有機発光ダイオードの断面
図である。
【図7】図7は、別の公知の有機発光ダイオードの断面
図である。
【符号の説明】
2 インジウム−スズ酸化物(ITO)層 3 有機発光層 4 陰極電極の金属層 12 電子注入陰極コンタクト 14 複合発光ポリマー薄膜 15、120、220 ポリアニリン(PANI)層 16 透明導電層 18 ガラス基板 20 ポリマー発光ダイオード素子 100、200 有機発光ダイオード 105、205 ガラス基板 110、210 インジウム−スズ酸化物(ITO)層 115、215 アモルファスシリコン抵抗層 125、230 有機発光層 225 ITO島 130、235 導電電極層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウム−スズ酸化物(ITO)層をコ
    ートしたガラス基板により支持された有機発光ダイオー
    ドであって、 前記インジウム−スズ酸化物(ITO)層をコートしたガ
    ラス基板を被覆するアモルファスシリコン(α−Si)抵
    抗層と、前記アモルファスシリコン(α−Si)抵抗層を
    被覆し、有機発光層に被覆されるポリアニリン(PANI)
    層と、前記有機発光層を被覆する導電電極層とからなる
    ことを特徴とする有機発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 前記アモルファスシリコン(α−Si)抵
    抗層を電流制限層として、前記ガラス基板にコートした
    前記インジウム−スズ酸化物(ITO)層と前記導電電極
    層との間に伝導する電流密度を最大許容電流密度以下に
    制限することを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダ
    イオード。
  3. 【請求項3】 前記アモルファスシリコン(α−Si)抵
    抗層を電流分布層として、前記ガラス基板にコートした
    前記インジウム−スズ酸化物(ITO)層と前記導電電極
    層との間に伝導する電流を分布して、最大電流密度と最
    小電流密度との間の差を最大許容電流密度の差以下にす
    ることを特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオー
    ド。
  4. 【請求項4】 未結合の島として形成され、前記アモル
    ファスシリコン(α−Si)抵抗層の上に分布すると共
    に、前記ポリアニリン(PANI)層により被覆される第2
    インジウム−スズ酸化物(ITO)層を更に有することを
    特徴とする請求項1に記載の有機発光ダイオード。
  5. 【請求項5】 電流制限層として機能する無機層を有す
    ることを特徴とする有機発光ダイオード。
  6. 【請求項6】 前記無機層はアモルファスシリコン(α
    −Si)抵抗層であることを特徴とする請求項5に記載の
    有機発光ダイオード。
  7. 【請求項7】 前記有機発光ダイオードを支持するイン
    ジウム−スズ酸化物(ITO)層をコートしたガラス基板
    と、 前記インジウム−スズ酸化物(ITO)層をコートした前
    記ガラス基板を被覆する前記無機層と、を更に有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード。
  8. 【請求項8】 前記無機層を被覆し、有機発光層に被覆
    されるポリアニリン(PANI)層と、 前記有機発光層を被覆する導電電極層とを更に有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の有機発光ダイオード。
  9. 【請求項9】 未結合の島として形成され、前記無機層
    の上に分布すると共に、前記ポリアニリン(PANI)層に
    より被覆される第2インジウム−スズ酸化物(ITO)層
    を更に有することを特徴とする請求項8に記載の有機発
    光ダイオード。
  10. 【請求項10】 インジウム−スズ酸化物(ITO)層を
    コートしたガラス基板に有機発光ダイオードを形成する
    方法であって、 前記インジウム−スズ酸化物(ITO)層をコートした前
    記ガラス基板を被覆するアモルファスシリコン(α−S
    i)抵抗層を形成する工程と、前記アモルファスシリコ
    ン(α−Si)抵抗層を被覆し、前記有機発光層に被覆さ
    れるポリアニリン(PANI)層を形成する工程と、前記有
    機発光層を被覆する導電電極層を形成する工程とからな
    ることを特徴とする有機発光ダイオードの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記アモルファスシリコン(α−Si)
    抵抗層を形成する工程は、前記アモルファスシリコン
    (α−Si)抵抗層を電流制限層として形成し、前記ガラ
    ス基板にコートした前記インジウム−スズ酸化物(IT
    O)層と前記導電電極層との間に伝導する電流密度を最
    大許容電流密度以下に制限する工程を含むことを特徴と
    する請求項10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記アモルファスシリコン(α−Si)
    抵抗層を形成する前記工程は、電流分布層として形成
    し、前記ガラス基板にコートした前記インジウム−スズ
    酸化物(ITO)層と前記導電電極層との間に伝導する電
    流を分布して、最大電流密度と最小電流密度との間の差
    を最大許容電流密度の差以下にする工程を含むことを特
    徴とする請求項10に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記アモルファスシリコン(α−Si)
    抵抗層を電流分布層として形成する工程は、前記電流制
    限層を形成し、前記ガラス基板にコートした前記インジ
    ウム−スズ酸化物(ITO)層と前記導電電極層との間に
    伝導する電流密度を最大許容電流密度1000mA/cm2
    以下に制限する工程を含むことを特徴とする請求項11
    に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記アモルファスシリコン(α−Si)
    抵抗層を形成する前記工程は、電流分布層として形成
    し、前記ガラス基板にコートした前記インジウム−スズ
    酸化物(ITO)層と前記導電電極層との間に伝導する電
    流を分布して、最大電流密度と最小電流密度との間の差
    を最大許容電流密度1000mA/cm2 以下に制限する工
    程を含むことを特徴とする請求項12に記載の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 未結合の島として形成され、前記アモ
    ルファスシリコン(α−Si)抵抗層の上に分布すると共
    に、前記ポリアニリン(PANI)層により被覆される第2
    インジウム−スズ酸化物(ITO)層を形成する工程を更
    に含むことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 電流制限層として無機層を形成する工
    程を含むことを特徴とする有機発光ダイオードを製造す
    る製造方法。
  17. 【請求項17】 前記無機層を形成する工程は、アモル
    ファスシリコン(α−Si)抵抗層を形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記有機発光ダイオードを支持するイ
    ンジウム−スズ酸化物(ITO)層をコートしたガラス基
    板を形成する工程と、前記インジウム−スズ酸化物(IT
    O)層をコートした前記ガラス基板を被覆する前記無機
    層を形成する工程とを更に含むことを特徴とする請求項
    16に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記無機層を被覆し、有機発光層に被
    覆されるポリアニリン(PANI)層を形成する工程と、前
    記有機発光層を被覆する導電電極層を形成する工程とを
    更に含むことを特徴とする請求項16に記載の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 未結合の島として形成され、前記アモ
    ルファスシリコン(α−Si)抵抗層の上に分布すると共
    に、前記ポリアニリン(PANI)層により被覆される第2
    インジウム−スズ酸化物(ITO)層を形成する工程を更
    に含むことを特徴とする請求項19に記載の製造方法。
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