JP2002372494A - ゴム組成物の評価方法 - Google Patents

ゴム組成物の評価方法

Info

Publication number
JP2002372494A
JP2002372494A JP2001180525A JP2001180525A JP2002372494A JP 2002372494 A JP2002372494 A JP 2002372494A JP 2001180525 A JP2001180525 A JP 2001180525A JP 2001180525 A JP2001180525 A JP 2001180525A JP 2002372494 A JP2002372494 A JP 2002372494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber composition
container
heating
evaluating
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001180525A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Kurimoto
英一 栗本
Yutaka Iizaka
裕 飯坂
Shinsuke Kawaji
伸介 川治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Inoac Elastomer Co Ltd
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Inoac Elastomer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoue MTP KK, Inoac Corp, Inoac Elastomer Co Ltd filed Critical Inoue MTP KK
Priority to JP2001180525A priority Critical patent/JP2002372494A/ja
Publication of JP2002372494A publication Critical patent/JP2002372494A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム組成物の評価方法としてフォギング試験
を採用することで、促進的な試験を可能とすると共に、
製品に必要とされる所要形状への成形も必要とせず、容
易、確実かつ短時間で実施し得ると共に、定性および定
量的な評価も可能であるゴム組成物の評価方法を提供す
る。 【解決手段】 内部に試験体としてのゴム組成物が収納
可能であり、透光性を有する蓋部材12aにより密閉可
能な容器12を加熱・保温部14により加熱して所要の
温度に保温し得るフォギング試験装置10を用い、前記
容器12の内部に前記ゴム組成物を所要量収納し、前記
加熱・保温部14により該ゴム組成物を所定温度に加熱
して一定時間保持させることで前記有機物を揮発させ、
揮発して前記容器12中に充満した前記有機物を前記蓋
部材12aに付着させ、前記蓋部材12aに付着した有
機物の量を光透過率の測定により算出し、その算出値か
ら有機物の滲出程度を評価するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴム組成物の評
価方法に関し、更に詳細には、該ゴム組成物の成形等に
際して混合される各種添加物のブリード等により発生す
る不具合を、具体的に数値化し得るゴム組成物の評価方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にレーザープリンタやコピー機等に
使用される、転写ローラ、紙送りローラまたは静電ロー
ラに代表される各種ローラや分離パット等の材質とし
て、所定の弾性を有すると共に、耐摩擦性、導電性およ
び硬さ等を所定の物性値に設定可能であり、高い成形性
を有するゴム組成物が好適に使用されている。
【0003】前述の各種ローラの役割は、紙等の印刷媒
体の供給や、印刷用トナーの保持および転写等を行なう
ことであり、基本的に紙や他のローラに対し接触して作
動する構成となっている。この作動に際しては、常に前
記各ローラ同士の密着による給紙不良、駆動不良、ロー
ラと分離パットとの密着による紙送り不良或いは静電ロ
ーラまたは転写ローラによる印刷媒体の汚染といった問
題が起こり得る。
【0004】これは前記ゴム組成物を構成する原料ゴム
に対して、成形時の製造容易性等を向上させる目的で所
要量混合されている軟化剤等の有機分や可塑材等が前記
各種ローラ表面にブリード(滲出)してしまった結果であ
り、通常使用においては、前述した如き紙詰まり等の大
きな問題の発生原因となり得る。
【0005】このようなブリードによる各種弊害は、前
記可塑材等を使用しなければならないゴム組成物では完
全に回避することは困難であるが、該可塑材等の添加物
量、種類、その他原料の組成および混合方法等の要因に
よって低減することは可能である。そして最終的に使用
されるゴム組成物は、以下のような方法により前述した
ブリードの量等の影響が確認される。
【0006】材質となる前記ゴム組成物を使用して、
使用されるローラ部材等を作製し、実際の製品としてこ
れらを組み立てて使用し、その使用状態への影響等、す
なわち印刷を行ない、その際の印刷状況を観察する。 材質となる前記ゴム組成物を使用して、使用されるロ
ーラ部材等を作製し、感光体等の接触する他部材に所定
の力で圧接させて、所定時間経過後に該ローラ部材およ
び感光体を離間させ、その際に必要とされる力をバネば
かり等により測定・観察する。 前記ゴム組成物から所要のシート状物を作製し、接触
する他部材の材質からなるシート状物に所定の力で圧接
させて、所定時間経過後に該両シート部材を離間させ、
その際に必要とされる力をバネばかり等により測定・観
察する。と密着させて、その使用状態への影響等を観察
する。 JIS K 6229(ゴム−溶剤抽出物の定量)に準拠
した方法により、ゴム組成物の抽出量を測定する。 ゴム組成物の原料から、ブリードを起こす可能性があ
る物質をスクリーニングして使用しないようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述の
〜に係る方法については、以下の欠点が指摘される。
すなわちの方法の場合には、一つの製品を製造し得る
全ての部材を揃える必要があり、およびの方法の場
合には、試験体をシート状物にすると共に、対応する他
の部材が必要であり、かつシート状物とする必要もあ
る。の方法の場合、得られる試験結果である抽出量
と、実際のブリード量との間には、必ずしも相関性がな
い場合があり、予め組成および使用部位条件に応じて、
該相関性を確認する必要がある。ゴム組成物の原料の
段階において、ブリードを起こすであろう物質をスクリ
ーニングしても、ゴムの架橋反応等による副生成物が新
たな該ブリードの原因となることも考えられる。
【0008】また前述の評価方法は、ブリードに関する
評価を迅速かつ容易に行なうため、通常使用条件下では
なく、より過酷な使用条件下、すなわち温度20〜60
℃、相対湿度80〜95%および時間24時間から2週
間といった、所謂温熱条件下で実施される。
【0009】前述の温熱条件下での評価の場合、前記ゴ
ム組成物の長時間に亘る使用後のブリード状態を該時間
を実際に経過させる必要がある通常条件下の評価試験に
較べて、短時間での評価は可能であるが、前述した各評
価方法においては、最短でも24時間程度の評価時間が
必要となる欠点が指摘される。また、、および
の方法においては、結果としての○(適)または×(不適)
については評価可能であるが、数値化した定量的な評価
は不可能であり、更に全ての方法において、ブリードし
た物質の定性試験が困難である点も問題視される。
【0010】
【発明の目的】この発明は、従来の技術に係るゴム組成
物から作製される各種部材の滲出程度、すなわちブリー
ドに関する評価方法に内在していた問題に鑑み、これを
好適に解決するべく提案されたものであって、ゴム組成
物の評価方法としてフォギング試験を採用することで、
促進的な試験を可能とすると共に、製品に必要とされる
所要形状への成形も必要とせず、容易、確実かつ短時間
で実施し得ると共に、定性および定量的な評価も可能で
あるゴム組成物の評価方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明のゴム組成物の評価方法
は、内部に試験体としてのゴム組成物が収納可能であ
り、透光性を有する蓋部材により密閉可能な容器と、該
容器を加熱して所要の温度に保温し得る加熱・保温部と
からなるフォギング試験装置を用い、前記容器の内部に
前記ゴム組成物を所要量収納し、前記加熱・保温部によ
り該ゴム組成物を所定温度に加熱して一定時間保持させ
ることで前記有機物を揮発させ、揮発して前記容器中に
充満した前記有機物を前記蓋部材に付着させ、前記蓋部
材に付着した有機物の量を該蓋部材における光透過率の
測定により算出し、その算出値から有機物の滲出程度を
評価するようにしたことを特徴とする。
【0012】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の別の発明のゴム組成物の評価方法は、内部に
試験体としてのゴム組成物が収納可能であり、透光性を
有する蓋部材により密閉可能な容器と、該容器を加熱し
て所要の温度に保温し得る加熱・保温部とからなるフォ
ギング試験装置を用い、最終製品として適合性を有する
ゴム組成物の有機物の滲出程度と、該滲出程度の評価を
最適に行ない得る温度とを予め確認した後、前記容器の
内部に前記ゴム組成物を所要量収納し、前記加熱・保温
部により該ゴム組成物を前記温度に加熱して一定時間保
持させることで前記有機物を揮発させ、揮発して前記容
器中に充満した前記有機物を前記蓋部材に付着させ、前
記蓋部材に付着した有機物の量を該蓋部材における光透
過率の測定により算出し、その算出値から得られる有機
物の滲出程度と、前記最終製品としての適合性が確認さ
れているゴム組成物の有機物の滲出程度とを比較するこ
とで、最終製品としての適合性を評価するようにしたこ
とを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明に係るゴム組成物の評
価方法につき、好適な実施例を挙げて、以下説明する。
本願の発明者は、ヘッドランプカバー等のゴム組成物か
らなる自動車部材の熱等によるヘッドランプに対する影
響を評価する一方法、すなわちフォギングを評価する尺
度としてヘイズ値を測定・数値化するための、所謂フォ
ギング試験方法を採用することで、該ヘッドランプカバ
ーと同様のゴム組成物から作製されるレーザープリンタ
やコピー機等に使用される各種ローラからの可塑材等の
滲出程度(ブリード)を容易かつ確実に評価し得ることを
知見したものである。
【0014】前述したフォギング試験方法は、例えば図
1に示すようなフォギング試験装置10によって実施さ
れる。このフォギング試験装置10は、密閉可能なピー
カの如き容器12およびオイルバスの如き加熱・保温部
14から基本的に構成される。
【0015】前記容器12は、その内部に試験体となる
ゴム組成物を載置し、かつ加熱により該ゴム組成物から
発生するブリードを生じさせ得る有機物を保持する、所
謂密閉容器である。また前記容器12は、その上部をガ
ラスプレートやポリカーボネイトの如き着脱可能であっ
て、所要の透光性を有する蓋部材12aによって密閉さ
れている。ここで透光性は霞み度(詳細は後述)を指し、
本発明においては、該霞み度が0.5%以下であること
が望ましい。殊に前記蓋部材12aとしてガラスプレー
トを使用する場合には、前記容器12との間に高い密閉
性を確保すべく、磨り合わせ等の加工が所要位置に施さ
れる。
【0016】前記霞み度は、以下の式に従って算出す
る。 ・霞み度(%)=(T4/T3)×100 ・T3=(T2/T1)×100 ・T4=(T4−(T3×(T2/T1))/T3)×100 なおここでT1は蓋部材12aに対する入射光量、T2
は全透過光量、T3は装置による散乱光量、T4は装置
および試験体から散乱される光量を夫々表す。また霞み
度は、前記蓋部材12aの少なくとも4点以上の部分で
測定し、この測定データの最大値、最小値および平均値
を記録し、該平均値を該霞み度として採用する。
【0017】前記加熱・保温部14は、前記試験体を所
定の温度に加熱し、かつ保温することで所要の促進的な
評価試験等を行なうためのものである。本実施例では、
高い保温性および恒温性を発現し、かつ150〜160
℃といった高い温度に対しても充分に対応可能なシリコ
ーンオイルまたはグリセリン等を使用したオイルバスが
使用されている。また前記シリコーンオイル等の熱媒体
を効率的に熱制御すべく、撹拌装置14a並びに温度計
および加熱ヒーター等の機能を有する温度制御手段14
bを有している。
【0018】また前記フォギング試験装置10は、同一
の条件下で再現性の高い実験を繰り返し効率よく行なう
ために、図2に示す如く、各部分の寸法等が決定されて
いる。前記蓋部材12aの大きさは、47mm×47m
m、厚さ3mm程度に、前記容器12の大きさは、容積
500ml、内部径φ70mm、取出口径φ40mm、
全高170mm程度に、また前記加熱・保温部14の大
きさは該容器12を載置した際にその高さが該容器12
底部から140mm程度となるように夫々設定される。
【0019】
【評価方法】次に前記フォギング試験装置10を使用し
た評価方法を、図3を参照にして説明する。本評価方法
は、試験体作製工程S1、洗浄工程S2、加熱・保温工
程S3および測定工程S4から基本的になる。なおこれ
ら各工程は基本的に、雰囲気温度23±2℃、相対湿度
50±5%の条件下で実施され、これ以外の条件下で評
価試験を行なう際には、評価条件の一つとして記録をす
る等の留意が必要である。
【0020】前記試験体作製工程S1は,実施される評
価試験に使用される試験体を評価すべきゴム組成物から
作製する工程である。前記試験体の作製は、一般には部
材からの切り出し等により行なわれ、その際の重量は1
0g±0.2gに設定される。また実際の評価試験に際
しては、前記試験体を少なくとも24時間デシケータ内
で充分に除湿させる必要がある。
【0021】前記洗浄工程S2は、試験に先立って、使
用される容器12等全ての機器から有機物等の試験結果
に影響を与える物質を除去する工程であり、具体的に
は、アセトンまたはエチルアセテート等を使用して、試
験に供される機器の拭き取り洗浄およびすすぎ洗浄を実
施するものである。本工程S2を実施することにより、
油脂等の物質による評価試験結果の変動を回避し得る。
またヘイズ値測定の対象物となる前記蓋部材12aにつ
いては、正確な測定のために10回を越えて再利用して
はいけない。
【0022】続いて実施される加熱・保温工程S3は、
前記試験体作製工程S1で準備された試験体を容器12
内に収納、蓋部材12aで密閉状態とし、該容器12を
前記加熱・保温部14により所定温度に加熱して、所定
時間保持することで、該試験体からブリードし得る有機
物等を揮発させる工程である。このとき前記加熱・保温
部14の熱媒体の量は、前記容器12を底面から少なく
とも110±5mmの高さとなるよう使用される(図2
参照)。
【0023】前記加熱・保温部14により、前記容器1
2内に収納される試験体であるゴム組成物からブリード
し得る有機物が順次揮発し、該容器12中に充満する。
そして充満した前記揮発物は、温度の低いところ、すな
わち蓋部材12a内側に揮発量に比例して付着すること
になる。
【0024】最終的に実施される測定工程S4は、前記
加熱・保温工程S3で蓋部材12aに付着したブリード
し得る有機物の量を、ヘイズ値を利用することで測定す
る工程である。具体的には、JIS A 7105の5.
5項に記載の測定法Aに準拠した積分球式光線透過率測
定装置を使用して光透過率等を測定し、ここからヘイズ
値を算出するものである。
【0025】前述の揮発した有機物によるヘイズ値、す
なわち曇りは、ある一定量を超えると飽和状態から過飽
和状態へと移行し、その結果濡れ状態となる。この場
合、前記積分球式光線透過率測定装置によっての測定は
不可能となるが、過剰な曇り状態であると捉えることが
できる。
【0026】また図4に示す如く、前述した評価工程に
先立ち予備測定工程S0を実施するようにしてもよい。
本予備測定工程S0は、試験体となるゴム組成物から製
造される各種ローラ等の有機物の滲出程度を、例えば前
述した従来のに係る評価方法、すなわち材質となる前
記ゴム組成物から使用されるローラ部材等を作製し、感
光体等の接触する他部材に所定の力で圧接させ、所定時
間経過後に該ローラ部材および感光体を離間させて、そ
の際に必要とされる力をバネばかり等により測定・観察
する方法等により確認すると共に、更に前記フォギング
試験を最適に行ない得る滲出程度となるような温度(後
述の[0028]に説明)を確認するための工程である。
【0027】本予備測定工程S0は、必ずしも必須な工
程ではないが、本工程S0を実施することで予め特定種
類の部材等としての最終製品への適応性が容易に評価可
能となる。すなわち前記ヘイズ値による定量的な評価だ
けではなく、ある種類の最終製品として適応可であるの
か、不可なのか、といった評価を容易に判断することが
できる。具体的には確認段階S01を実施することで、
ある特定の最終製品を前述した従来のに係る評価方法
等で適応可か、不可かを確認し、該可または不可の境界
上の確認済みのゴム組成物について前述の試験体作製工
程S1、洗浄工程S2、加熱・保温工程S3および測定
工程S4に夫々対応した試験体作製段階S02、洗浄段
階S03、加熱・保温段階S04および測定段階S05
を経て算出されるヘイズ値と、別に算出される試験体と
してのゴム組成物のヘイズ値とを比較(比較工程S5)す
ればよい。この比較工程S5により、最終製品としての
適応性を評価したヘイズ値と、試験体としてのゴム組成
物のヘイズ値とを比較することで、評価したゴム組成物
の最終製品に対する適合性を容易に評価し得る。
【0028】またこの際、前記境界上のヘイズ値が20
〜30となる、すなわち最適温度を確認することで、よ
り正確な評価が可能となる。これは前記ヘイズ値の特質
によるもので、該ヘイズ値が40以上と大きくなってし
まった場合には、揮発した有機物による曇りがひどくな
り、その結果測定値における誤差が大きくなってしまっ
たり、更には該曇りがひどくなると、所謂濡れ状態にな
ってしまい定量的な評価が不可能となることがあるため
である。また前記ヘイズ値が10程度以下と小さ過ぎる
場合も、やはり測定値における誤差が大きくなる傾向に
あり、やはり正確な評価が困難となるため留意が必要で
ある。前記ヘイズ値は加熱温度に比例して変化するの
で、大きい場合に後述の加熱・保温工程S3における加
熱温度を低くし、小さい場合には逆に高くすればよい。
本予備測定工程S0が実施された際には、前記加熱・保
温工程S3における加熱温度は、前述の最適温度に設定
される。
【0029】なおここでは、試験体としてゴム組成物に
限定した説明をしたが、揮発し得る有機物を含有する、
例えばプラスチック成形体や各種材質からなる複合品、
繊維製品である表皮材または樹脂発泡体である各種フォ
ーム等に対しても同様の評価方法が適用可能である。
【0030】
【実験例】以下に本発明に係るゴム組成物の評価方法の
好適な実験例を示すが、本発明に係るゴム組成物の評価
方法はこれらの実験例に限定されるものではない。
【0031】(実験方法)試験体として、下記の表1に記
載のゴム組成物(A、BおよびCの3種類)のブリード試
験を、本発明に係る評価方法を実験例として、従来の
に係る評価方法、すなわち材質となる前記ゴム組成物
を使用してローラ部材等を作製し、感光体等の接触する
他部材に所定の力で圧接させて、所定時間経過後に該ロ
ーラ部材および感光体を離間させ、その際に必要とされ
る力をバネばかり等により測定・観察する方法を基準比
較例として、従来のに係る評価方法、すなわちJI
SK 6229(ゴム−溶剤抽出物の定量)に準拠した方
法により、ゴム組成物の抽出量を測定する方法を比較例
として夫々実施した。また本発明に係る蓋部材として
は、ガラス板を採用した。夫々のブリード評価のため
に、実験例についてはガラス板状態の確認およびヘイズ
値の測定、基準比較例のについてはバネばかりでの数
値測定(実際には、密着状態が速やかに開放される(OK)
か否か(NG)で評価)が、比較例のについては抽出量の
測定が実施され、更に夫々の測定に必要とされる測定時
間についても計測した。ここでについては、評価に時
間が掛かる一方で、間違えのない評価が下せることを鑑
みて基準比較例とした。
【0032】前述の実験例は、容量500mlおよび厚
さ5mmで、かつ前述の規定の数値寸法であるビーカー
底面に試験体を載置し気密を保つようにして、前記蓋部
材としてガラス板を密閉的に載置し、そしてシリコーン
オイルを使用したオイルバスからなる加熱・保温部によ
り温度160℃、8時間として実施された。
【0033】
【表1】
【0034】(実験結果)実験例として実施した本発明に
係る評価試験により、確認された蓋部材の状態、得られ
たヘイズ値と、比較例に係るブリード評価と、各評価に
必要とされた時間とを併せて表1に示す。この結果か
ら、まず比較例に係る評価は、基準比較例と異なり、抽
出量による評価と実際のブリードとの間に必ずしも相関
性がないことが分かった。その一方で実験例に係る評価
は基準比較例と同様の評価となっており、このゴム組成
物の場合、そのヘイズ値が50以上の場合にはブリード
が大きくローラ等には使用し得ないことが確認された。
また評価が得られるまで時間で見た場合、実験例に係る
評価方法は、基準比較例および比較例に較べて半分以下
の時間で評価が得られる。更に基準比較例では定量的な
評価は困難であるが、実施例に関しては容易に可能であ
った。
【0035】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係るゴム
組成物の評価方法によれば、フォギング試験装置により
測定されるゴム組成物のヘイズ値を評価することで、実
際に使用する製品に組み込んだり、温熱条件下で24時
間以上といった長時間に亘る試験を行なう手間を回避
し、前準備等をせずに容易、確実かつ短時間で実施し得
ると共に、評価が客観的な数値として定量的に示される
ゴム組成物の評価方法を提供し得る。また評価に際し
て、ブリードするであろう物質も採取可能であるので、
該物質の定性も容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るフォギング試験装
置を示す概略断面図である。
【図2】実施例に係るフォギング試験装置における各部
の寸法数値を示す概略図である。
【図3】実施例に係るフォギング試験装置を使用したゴ
ム組成物の評価方法の手順を示す工程図である。
【図4】実施例に係るフォギング試験装置を使用したゴ
ム組成物の評価方法に予備測定工程を加えた手順を示す
工程図である。
【符号の説明】
10 フォギング試験装置 12 容器 12a 蓋部材 14 加熱・保温部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯坂 裕 岐阜県揖斐郡池田町本郷680番地 イノア ックエラストマー株式会社内 (72)発明者 川治 伸介 岐阜県揖斐郡池田町本郷680番地 イノア ックエラストマー株式会社内 Fターム(参考) 2G050 AA02 BA10 CA01 DA01 EA01 EB07 2G059 AA03 BB15 CC12 DD04 DD15 DD16 DD20 EE01 JJ16 KK01 NN07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に試験体としてのゴム組成物が収納
    可能であり、透光性を有する蓋部材(12a)により密閉可
    能な容器(12)と、該容器(12)を加熱して所要の温度に保
    温し得る加熱・保温部(14)とからなるフォギング試験装
    置(10)を用い、 前記容器(12)の内部に前記ゴム組成物を所要量収納し、 前記加熱・保温部(14)により該ゴム組成物を所定温度に
    加熱して一定時間保持させることで前記有機物を揮発さ
    せ、 揮発して前記容器(12)中に充満した前記有機物を前記蓋
    部材(12a)に付着させ、 前記蓋部材(12a)に付着した有機物の量を該蓋部材(12a)
    における光透過率の測定により算出し、その算出値から
    有機物の滲出程度を評価するようにしたことを特徴とす
    るゴム組成物の評価方法。
  2. 【請求項2】 前記フォギング試験装置(10)を用いた有
    機物の滲出程度の評価に先立って、評価すべきゴム組成
    物の有機物の滲出程度を予備測定し、この結果により前
    記ゴム組成物の加熱温度を決定するようにした請求項1
    記載のゴム組成物の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物に施される加熱は、16
    0℃、8時間の条件である請求項1または2記載のゴム
    組成物の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記試験体としてのゴム組成物の重量
    は、10g±0.2gに設定される請求項1〜3の何れ
    かに記載のゴム組成物の評価方法。
  5. 【請求項5】 前記ゴム組成物の評価は、雰囲気温度2
    3±2℃、相対湿度50±5%の条件下で実施される請
    求項1〜4の何れかに記載のゴム組成物の評価方法。
  6. 【請求項6】 内部に試験体としてのゴム組成物が収納
    可能であり、透光性を有する蓋部材(12a)により密閉可
    能な容器(12)と、該容器(12)を加熱して所要の温度に保
    温し得る加熱・保温部(14)とからなるフォギング試験装
    置(10)を用い、 最終製品として適合性を有するゴム組成物の有機物の滲
    出程度と、該滲出程度の評価を最適に行ない得る温度と
    を予め確認した後、 前記容器(12)の内部に前記ゴム組成物を所要量収納し、 前記加熱・保温部(14)により該ゴム組成物を前記温度に
    加熱して一定時間保持させることで前記有機物を揮発さ
    せ、 揮発して前記容器(12)中に充満した前記有機物を前記蓋
    部材(12a)に付着させ、 前記蓋部材(12a)に付着した有機物の量を該蓋部材(12a)
    における光透過率の測定により算出し、その算出値から
    得られる有機物の滲出程度と、前記最終製品としての適
    合性が確認されているゴム組成物の有機物の滲出程度と
    を比較することで、最終製品としての適合性を評価する
    ようにしたことを特徴とするゴム組成物の評価方法。
  7. 【請求項7】 前記ゴム組成物に施される加熱の保持時
    間は、8時間である請求項6載のゴム組成物の評価方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ゴム組成物の重量は、10g±0.
    2gに設定される請求項6または7記載のゴム組成物の
    評価方法。
  9. 【請求項9】 前記ゴム組成物の評価は、雰囲気温度2
    3±2℃、相対湿度50±5%の条件下で実施される請
    求項6〜8の何れかに記載のゴム組成物の評価方法。
JP2001180525A 2001-06-14 2001-06-14 ゴム組成物の評価方法 Pending JP2002372494A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180525A JP2002372494A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 ゴム組成物の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180525A JP2002372494A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 ゴム組成物の評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002372494A true JP2002372494A (ja) 2002-12-26

Family

ID=19020934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001180525A Pending JP2002372494A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 ゴム組成物の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002372494A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006120859A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Komatsu Electronic Metals Co Ltd 半導体ウェーハ収納用ケースの評価方法
CN104359825A (zh) * 2014-10-29 2015-02-18 中国电器科学研究院有限公司 模拟评价湿热地区海上风电机组钢结构涂料环境耐久性的测评方法
KR101538037B1 (ko) * 2014-06-02 2015-07-21 한국세라믹기술원 X선 분석 장치 및 극 미세 두께를 갖는 그래핀에 대한 x선 분석방법
KR20210086100A (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 넥센타이어 주식회사 황 기반 타이어 재료 분석 방법 및 타이어 제조 방법
CN114324840A (zh) * 2021-12-13 2022-04-12 天津六0九电缆有限公司 一种快速判定电缆料喷霜的试验方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006120859A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Komatsu Electronic Metals Co Ltd 半導体ウェーハ収納用ケースの評価方法
JP4571843B2 (ja) * 2004-10-21 2010-10-27 Sumco Techxiv株式会社 半導体ウェーハ収納用ケースの評価方法
KR101538037B1 (ko) * 2014-06-02 2015-07-21 한국세라믹기술원 X선 분석 장치 및 극 미세 두께를 갖는 그래핀에 대한 x선 분석방법
CN104359825A (zh) * 2014-10-29 2015-02-18 中国电器科学研究院有限公司 模拟评价湿热地区海上风电机组钢结构涂料环境耐久性的测评方法
KR20210086100A (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 넥센타이어 주식회사 황 기반 타이어 재료 분석 방법 및 타이어 제조 방법
KR102284797B1 (ko) 2019-12-31 2021-08-03 넥센타이어 주식회사 황 기반 타이어 재료 분석 방법 및 타이어 제조 방법
CN114324840A (zh) * 2021-12-13 2022-04-12 天津六0九电缆有限公司 一种快速判定电缆料喷霜的试验方法
CN114324840B (zh) * 2021-12-13 2024-01-23 天津六0九电缆有限公司 一种快速判定电缆料喷霜的试验方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4079266B2 (ja) トナーの接着力測定装置及び測定方法
Oyen Spherical indentation creep following ramp loading
EP2960055B1 (en) System and method for forming bonded substrates
JP2002372494A (ja) ゴム組成物の評価方法
US20120118071A1 (en) Methods and apparatus for detecting cross-linking in a polymer
JP2019520548A5 (ja)
US9546935B1 (en) Dried specimen storage slides, systems and methods
EP2131250A3 (en) Image processing apparatus, control method therefor, program, and storage medium
Berthe et al. Passive infrared thermography measurement of transverse cracking evolution in cross‐ply laminates
EP3250919A1 (en) Methods and devices for quantitating blood samples
CN110355121B (zh) 光学清洁盒
JP2011174865A (ja) 呈色測定装置および方法
US20130141246A1 (en) Display Of A System State Of A Treatment Device For Microscopic Samples
CN111133298B (zh) 样本容器及其使用方法
US10722699B2 (en) Plug for osmometry sample cup
CN102012381A (zh) 家具热塑性塑料封边条的热变形温度测定方法
WO2008052836A1 (de) Verfahren zur erkennung von verunreinigungen auf einer oberfläche
JP2022541543A (ja) 組織学研究室用消耗品に印刷するためのプリンタ
Millar et al. An improved direct shear characterisation technique for soft gelatinous and elastomeric materials
JP2010217007A (ja) 印刷物の堅牢性評価装置、印刷物の堅牢性評価方法
US7894767B2 (en) Methods and devices for evaluating print quality
US20110244591A1 (en) Coloration analyzing apparatus and method
JP4963288B2 (ja) 材料のポアソン比測定方法
US20130098174A1 (en) Method for measuring particles adhering to a body
US4750369A (en) Method and device for determining the environmental stress cracking resistance of plastic articles