JP2002372166A - 温度応動弁 - Google Patents

温度応動弁

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物の堆積を防止できる温度応動弁を提供す
る。 【解決手段】 弁ケーシング3,4で入口1と弁室5と
出口2を形成し、弁室5と出口2の間に弁体嵌合孔7と
該弁体嵌合孔7よりも小径の弁口8を設け、弁ケーシン
グ4にねじ結合した調節棒17に弁軸嵌合孔18を設
け、一端側が弁体嵌合孔7に変位自在に嵌合し先端に弁
口8を開閉する弁体13を設けた弁軸12の他端側を弁
軸嵌合孔18に変位自在に嵌合して配置し、弁軸12の
周りに感温部材としてのバイメタル積層体26を配置
し、バイメタル積層体26の変形作用で弁軸12を軸方
向に変位させて弁体13で弁口8を開閉するものにおい
て、調節棒17の回転に伴って弁軸12が回転するよう
に、調節棒17に設けた上下方向の切割22に弁軸12
に固定した連結棒23を嵌合し、弁口8が開口する弁体
嵌合孔7の奥壁14に対面する弁軸12の部位に刃物1
5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被制御流体で加熱
冷却され、その温度に応じて変形する感温部材により弁
口を開閉する温度応動弁に関する。本発明の温度応動弁
は所定温度以上あるいは以下の流体を系外に排出した
り、複数の流体を混合して所定温度の流体にしたりする
場合に用いられ、特に所定温度以下の復水を自動的に排
出する温調トラップとして用いる場合に好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の温度応動弁の基本的構成は、弁ケ
ーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間
に弁体嵌合孔と該弁体嵌合孔よりも小径の弁口を設け、
弁軸嵌合孔を有する調節棒を弁ケーシングにねじ結合
し、一端側が弁体嵌合孔に変位自在に嵌合し先端に弁口
を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変
位自在に嵌合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置
し、感温部材の変形作用で弁軸を軸方向に変位させて弁
体で弁口を開閉するものである。この一例が実公平3−
28225号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の温度応
動弁においては、弁口が開口する弁体嵌合孔の奥壁に流
体中のゴミやスケール等の異物が付着堆積し、弁口が次
第に狭められて排出流量の減少、ひいては弁口が詰まっ
てしまうという問題点があった。
【0004】従って、本発明の技術的課題は、異物の堆
積を防止できる温度応動弁を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために講じた本発明の技術的手段は、弁ケーシング
で入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口の間に弁体嵌
合孔と該弁体嵌合孔よりも小径の弁口を設け、弁軸嵌合
孔を有する調節棒を弁ケーシングにねじ結合し、一端側
が弁体嵌合孔に変位自在に嵌合し先端に弁口を開閉する
弁体を設けた弁軸の他端側を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌
合して配置し、弁軸の周りに感温部材を配置し、感温部
材の変形作用で弁軸を軸方向に変位させて弁体で弁口を
開閉するものにおいて、調節棒の回転に伴って回転する
ように弁軸を調節棒に連結し、弁口が開口する弁体嵌合
孔の奥壁に対面する弁軸の部位に刃物を設けた温度応動
弁にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、調節棒の回転に伴って
回転するように弁軸を調節棒に連結し、弁口が開口する
弁体嵌合孔の奥壁に対面する弁軸の部位に刃物を設けた
ものであるので、調節棒を回転させて弁軸を回転させる
ことにより、弁口が開口する弁体嵌合孔の奥壁に付着し
た異物を弁棒に設けた刃物で削除することができる。
【0007】
【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する(図1乃至図2参照)。入口1と出口2を有する
本体3に蓋4をねじ結合して内部に弁室5を有する弁ケ
ーシングを形成する。弁室5には入口1が通孔6を通し
て連通し、出口2が弁体嵌合孔7と弁口8と通孔9を通
して連通する。弁体嵌合孔7と弁口8は本体3にねじ結
合した弁座部材10に形成する。弁口8は弁体嵌合孔7
よりも小径に形成する。
【0008】弁室5内に入口1から流入する流体の流れ
方向を規制し、流体中の異物を捕捉するスクリーン11
を配置する。弁口8に対向して弁軸12を配置する。弁
軸12の下端には弁口8を開閉する円錐状の弁体13を
一体に設ける。弁軸12の弁体13の上方に弁体嵌合孔
7に変位自在に嵌合する二面幅から成る刃物15を一体
に設ける。二面幅から成る刃物15は弁室5内の流体を
弁口8側に通過させ、その下端で弁口8が開口する弁体
嵌合孔7の奥壁14に付着した異物を削除する。
【0009】弁軸12の上端側は蓋4にOリング16を
介して進退調節可能にねじ結合した調節棒17の弁軸嵌
合孔18に変位自在に嵌合する。弁体嵌合孔7と弁口8
と弁軸嵌合孔18は同一軸上に形成する。調節棒17の
上部は蓋4から突出し、その上端面にドライバー等の工
具の先端が嵌る切割19を設ける。調節棒17の突出部
にはロックナット20を取付けて緩み止めを行い、キャ
ップ21で覆う。調節棒17は、図2に示すように上下
方向の切割22を有し、弁軸12の上部に貫通して固定
した連結棒23が切割22に嵌合する。これにより、弁
軸12が調節棒17の回転に伴って回転する。
【0010】弁軸12の中央部にばね受け24を固定
し、断面ほぼU字状で中央孔と上端の外側に鍔部を設け
た中間部材25を、中央孔を弁軸12に変位自在にばね
受け24の下端面に当接させて嵌合する。弁軸12の周
りで、調節棒17の下端面と中間部材25の鍔部の間に
感温部材としてのバイメタル積層体26と平座金27を
配置する。バイメタル積層体26はバイメタルディスク
を湾曲方向を変えて組み合わせた2枚で一対とし、それ
を複数対重ねたものである。ばね受け24の上端面と平
座金27の下端面の間にばね受け24を弁口8方向に付
勢する弁体付勢ばね28を配置する。中間部材25の鍔
部と弁室5の底壁の間に復帰ばね29を配置する。
【0011】流体は入口1から通孔6とスクリーン11
を通って弁室5に入り、バイメタル積層体26の周りを
流れ、弁体嵌合孔7と弁口8から通孔9を通って出口2
に流出する。バイメタル積層体26は周囲の流体の温度
が上昇して高温に加熱されると、各バイメタルディスク
が湾曲してその度合が大きくなり、平座金27と中間部
材25を介して復帰ばね29を圧縮しながら積層方向に
伸張する。これに伴い、中間部材25と弁軸12が弁口
8方向に変位し、次第に弁口8の開度が小さくなり、終
わりには弁体13が弁口8を閉じる。弁体13が弁口8
を閉じた後、更に高温の流体が弁室5に流入すると、バ
イメタル積層体26は復帰ばね29と弁体付勢ばね28
を圧縮しながら更に伸張する。このとき、中間部材25
は弁口8方向に変位するが、弁軸12は変位しない。弁
室5の流体の温度が低下すれば、バイメタル積層体26
は湾曲力が小さくなり、復帰ばね29で中間部材25を
介して押し戻される。これに伴い、中間部材25と弁軸
12が弁口8から離れる方向に変位し、弁口8が開けら
れて弁室5の流体が出口2に排出される。
【0012】排出すべき流体の温度を変更する場合、調
節棒17を回転させる。調節棒17をねじ込めば排出す
べき流体の温度が低くなり、調節棒17をねじ上げれば
排出すべき流体の温度が高くなる。また、調節棒17を
ねじ込んで弁軸12を回転させることにより、弁軸12
に設けた刃物15の下端で弁口8が開口する弁体嵌合孔
7の奥壁14に付着した異物を削除する。
【0013】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、調節棒を
回転させて弁軸を回転させることにより、弁口が開口す
る弁体嵌合孔の奥壁に付着した異物を弁棒に設けた刃物
で削除することができるので、排出流量の減少や弁口の
詰りを生じることがないという優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度応動弁の断面図。
【図2】図1の調節棒の側面図。
【符号の説明】
1 入口 2 出口 3 本体 4 蓋 5 弁室 7 弁体嵌合孔 8 弁口 10 弁座部材 12 弁軸 13 弁体 14 弁体嵌合孔の奥壁 15 刃物 17 調節棒 18 弁軸嵌合孔 22 切割 23 連結棒 26 バイメタル積層体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ケーシングで入口と弁室と出口を形成
    し、弁室と出口の間に弁体嵌合孔と該弁体嵌合孔よりも
    小径の弁口を設け、弁軸嵌合孔を有する調節棒を弁ケー
    シングにねじ結合し、一端側が弁体嵌合孔に変位自在に
    嵌合し先端に弁口を開閉する弁体を設けた弁軸の他端側
    を弁軸嵌合孔に変位自在に嵌合して配置し、弁軸の周り
    に感温部材を配置し、感温部材の変形作用で弁軸を軸方
    向に変位させて弁体で弁口を開閉するものにおいて、調
    節棒の回転に伴って回転するように弁軸を調節棒に連結
    し、弁口が開口する弁体嵌合孔の奥壁に対面する弁軸の
    部位に刃物を設けたことを特徴とする温度応動弁。
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