JP2002371217A - 活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成物、それを用いたグラビアインキ及びその印刷物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成物、それを用いたグラビアインキ及びその印刷物

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JP2002371217A
JP2002371217A JP2001179787A JP2001179787A JP2002371217A JP 2002371217 A JP2002371217 A JP 2002371217A JP 2001179787 A JP2001179787 A JP 2001179787A JP 2001179787 A JP2001179787 A JP 2001179787A JP 2002371217 A JP2002371217 A JP 2002371217A
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JP
Japan
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gravure ink
active energy
energy ray
curable
monomer
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JP2001179787A
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English (en)
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Toshiaki Tanaka
利明 田中
Katsuhiko Kawaguchi
勝彦 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、紫外線、電子線を照射する
ことにより重合する、常温で低粘度かつ無溶剤、低皮膚
刺激性の活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成
物、それを用いたグラビアインキ及びその印刷物に関す
るものである。 【解決手段】 ラジカル重合性モノマーが単官能又は
2官能モノマーのいずれか又は双方と、3官能以上の多
官能モノマーを特定量組み合わせたものを含有し、光重
合開始剤、熱重合禁止剤、助剤からなる、常温で低粘
度、かつ無溶剤、低皮膚刺激性で、グラビアインキとし
て使用可能であることを特徴とする活性エネルギー線硬
化性グラビアインキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線、電子線を
照射することにより重合する、常温で低粘度かつ無溶
剤、低皮膚刺激性の活性エネルギー線硬化性グラビアイ
ンキ組成物、それを用いたグラビアインキ及びその印刷
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のグラビア印刷は、樹脂をエステル
系またはケトン系の揮発性有機溶剤に溶解したビヒクル
を使用した溶剤型インキが使用されてきた。しかしこれ
らの印刷用インキは、有機溶剤の揮発による大気汚染、
作業環境の悪化、または火災発生の危険性等の安全性に
関する問題点を有しており、その対策としてインキの脱
溶剤化、水性化が検討され、一部で実用化されている。
【0003】しかし、オフセット印刷、スクリーン印刷
等において利用されている紫外線、電子線等を利用した
活性エネルギー線硬化性インキは、フレキソ印刷におい
て一部紫外線硬化性インキが利用されているのみで、出
版、包装グラビア印刷用インキとして利用された事例は
全くない状況である。
【0004】活性エネルギー線硬化性材料を利用したグ
ラビア印刷の例としては、放射線硬化性樹脂組成物をグ
ラビアコータ等によりコーティングし、油性インキのオ
ーバーコート等の用途が挙げられる。このクリアー系グ
ラビアニスとして利用を可能とする放射線硬化性樹脂組
成物については、これまでに数多く提案されている。
【0005】グラビア印刷の分野において、紫外線硬化
性インキの利用を試みた例としては、通常の紫外線硬化
性インキを使用したグラビア印刷方法に関して提案され
ている。すなわち、印刷機上に設けたタンクに貯留した
通常の紫外線硬化性インキを、加温装置を用いて加温
し、溶剤型等のグラビアインキと同程度にまで低粘度化
することにより、ドクターにより余剰インキを掻き取り
印刷を行い、用紙に転移した該インキを紫外線照射装置
を用いて硬化するというものである(特開平6−220
385号公報、特開平03−213340号公報、特開
平03−213341号公報、特開平03−21503
9号公報、特開平03−215040号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
紫外線硬化性インキを使用する上記提案では、インキ粘
度が高いため、加温なしではドクターによるインキの掻
き取り性が劣り、印刷基材の非画線部にインキが付着し
て汚れとなる「版かぶり」が発生するため、十分なグラ
ビア印刷品質を得ることができない。
【0007】また、良好なドクター掻き取り性を得るた
めには、印刷機上に加温装置を設置する必要があると同
時に、印刷時までその温度を保持しなければならず、イ
ンキ特性値の安定性を欠く要因となる。さらに、加温の
際に電力量が必要になるのに加え、その際に発生する熱
によってカール等の印刷基材に与える影響も懸念される
ところである。
【0008】さらに、上記提案では、通常の紫外線硬化
性インキを常温で利用しようとした提案もなされてい
る。すなわち、インキ中に溶剤を添加して低粘度化し、
印刷を試みた事例も記載されているが、良好なドクター
の掻き取り性を得るには至っていない。
【0009】活性エネルギー線硬化性インキの粘度は使
用するモノマーの粘度によって左右されるため、インキ
の低粘度化には条件を満たす材料の選択、すなわち、重
合性モノマーの選択が重要かつ不可欠となるが、インキ
に要求される特徴、例えば硬化速度、粘度、皮膚刺激性
等すべての特徴を満足するラジカル重合性モノマーは少
ない。特に、グラビアインキに要求されるインキ流動性
を得るためには、単官能モノマーあるいは2官能の低粘
度モノマー成分が必要となるが、これらは低分子量で、
皮膚刺激値が高いものが多く、これらを含んだインキは
安全性に欠け、取り扱い等で十分な注意が必要となる。
【0010】一方、こうした要求に対して、低分子量モ
ノマーの改良がなされ、一部で低粘度かつ低皮膚刺激性
のラジカル重合性モノマーも市販されてきている。
【0011】本発明は、このような従来の問題を解決す
ることを目的とするためのもので、紫外線、電子線等の
活性エネルギー線の照射により硬化性に富み、常温で低
粘度のインキ特性を有し、グラビア印刷機上での良好な
ドクターの掻き取り性が可能となり、加温等の装置及び
工程を必要とせずに浸透性あるいは非浸透性基材に対し
てグラビア印刷が可能で、かつ無溶剤、低皮膚刺激性の
材料を使用した安全性の高い活性エネルギー線硬化性グ
ラビアインキ組成物、それを用いたグラビアインキ及び
その印刷物を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、低粘度かつ皮膚刺激
性の極めて低いラジカル重合性モノマーが単官能モノマ
ー又は2官能モノマーのいずれか又は双方と、3官能以
上の多官能モノマーを特定量組み合わることにより、常
温で低粘度のインキ特性を有し、加温等の装置及び工程
を必要とせずに浸透性あるいは非浸透性基材に対してグ
ラビア印刷が可能で、かつ無溶剤、低皮膚刺激性の材料
を使用した安全性の高い活性エネルギー線硬化性グラビ
アインキ組成物、それを用いたグラビアインキ及びその
印刷物を提供するという目的を達することを見出した。
【0013】本発明は上記課題を解決するために、ラジ
カル重合性モノマーが単官能モノマー又は2官能モノマ
ーのいずれか又は双方と、3官能以上の多官能モノマー
を特定量組み合わせたものを含有し、光重合開始剤、熱
重合禁止剤、助剤からなる、常温で低粘度、かつ無溶
剤、低皮膚刺激性なグラビアインキとして使用可能であ
ることを特徴とする活性エネルギー線硬化性グラビアイ
ンキ組成物である。
【0014】また、本発明の前記活性エネルギー線硬化
性グラビアインキ組成物の粘度が20℃において50〜
250mPa・sであることを特徴とする活性エネルギ
ー線硬化性グラビアインキ組成物である。
【0015】また、本発明の前記単官能モノマー又は前
記2官能モノマーのいずれか又は双方と、前記3官能以
上の多官能モノマーの組成比が、95:5〜70:30
(重量部:重量部)であることを特徴とする活性エネル
ギー線硬化性グラビアインキ組成物である。
【0016】また、本発明の前記単官能モノマー、前記
2官能モノマー及び前記3官能以上の多官能モノマー
は、皮膚刺激性(Primary Skin Irritation Index)が
1.0以下であることを特徴とする活性エネルギー線硬
化性グラビアインキ組成物である。
【0017】また、本発明は、前記活性エネルギー線硬
化性グラビアインキ組成物にオリゴマーを含有したこと
を特徴とした活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組
成物である。
【0018】また、本発明は、前記活性エネルギー線硬
化性グラビアインキ組成物に顔料を練合してなることを
特徴とするグラビアインキである。
【0019】また、本発明は、前記グラビアインキを基
材上に印刷してなることを特徴とするグラビア印刷物で
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で使用するラジカル重合性
モノマーは、低粘度かつ低皮膚刺激性のものに限定し、
単官能モノマー又は2官能モノマーのいずれか又は双方
を主に、3官能以上の多官能モノマーを補足的に併用
し、それらを特定量の比率で組み合わせたものである。
これにラジカル開始能を有する光重合開始剤、熱重合禁
止剤、助剤からなる、常温で低粘度、かつ無溶剤、低皮
膚刺激性で、グラビア印刷用インキとして使用可能であ
ることを特徴とする活性エネルギー線硬化性グラビアイ
ンキ組成物を得る。
【0021】一般的に利用可能なラジカル重合性モノマ
ーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリプロピレンジ
アクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、
1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ジシクロペンタニルアクリレート等があるが、粘
度が高いもの、または粘度が低くても皮膚刺激性が高い
ものは不適である。本発明に使用可能な単官能モノマー
成分としては、ベンジルアクリレート、イソボニルアク
リレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール
アクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリ
レート等である。また、2官能モノマー成分としては、
1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、ネオペン
チルグリコールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールオリゴアクリレート、ジエチレングリコールオ
リゴアクリレート等で、好ましくは1,4−ブタンジオ
ールオリゴアクリレートである。
【0022】かかる2官能モノマー成分と併用する3官
能以上の多官能モノマー成分としては、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、PO変性グリ
セロールトリアクリレート等がある。
【0023】単官能モノマー又は2官能モノマーのいず
れか又は双方と、3官能以上の多官能モノマーの組成比
は、95:5〜70:30で、好ましくは90:10で
ある。多官能モノマーが過剰になると粘度が上昇し、ド
クター掻き取り性に欠け、印刷適性上問題を有し、単官
能モノマー又は2官能モノマーの成分が過剰になると粘
度が低くなりすぎて塗工紙等の浸透性基材に対する硬化
性を損なう問題が生じる。
【0024】また、ラジカル重合開始能を有する光重合
開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−
1−(−4−モルフォリノフェニル)ブタノン、2−メ
チル−1[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリ
ノプロパン−1−オン、2、2−ジメトキシ−1,2−
ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロ
ヘキシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホス
フィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン等
を3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の範囲で
適宜組み合わせて用いることである。
【0025】本発明の活性エネルギー線硬化性グラビア
インキ組成物中に用いる熱重合禁止剤としては、ハイド
ロキノン、パラメトキシフェノール、フェノチアジン、
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム
等が挙げられるが、好ましくはN−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミンアルミニウムである。
【0026】本発明の活性エネルギー線硬化性グラビア
インキ組成物中に用いる助剤は、顔料分散剤、レベリン
グ剤、消泡剤、艶消剤、ワックス、帯電防止剤、光安定
剤、酸化防止剤、無機充填剤、紫外線吸収剤、粘度調整
剤、光増感剤等を用いることができる。
【0027】本発明に使用するオリゴマーは、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、変性熱可塑性アクリル樹脂を使用することがで
きる。この中で、ジアリルフタレート樹脂又は変性熱可
塑性アクリル樹脂等を使用することが好ましく、更に、
配合割合は1〜10重量部、好ましくは3〜8重量部、
配合することが好ましい。本発明の活性エネルギー線硬
化性グラビアインキ組成物にオリゴマーを配合すること
により、硬化収縮の低減を図ることができる。
【0028】本発明の紫外線硬化性グラビアインキは、
本発明の活性エネルギー線硬化性グラビア組成物に、公
知のグラビアインキと同様に、ボールミル、アトライ
タ、サンドミル、ビーズミル等の分散機を使用し、一般
的な無機顔料及び有機顔料を練合することにより製造す
ることができる。更に、分散機で練合する際に、必要に
応じて、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、艶消剤、
ワックス、帯電防止剤、光安定剤、酸化防止剤、無機充
填剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、光増感剤等の助剤を
加えてもよい。
【0029】また、電子線硬化性インキについては、光
重合開始剤が不要であることを除けば紫外線硬化性イン
キと同様の配合で利用可能である。
【0030】本発明の活性エネルギー線硬化性グラビア
インキ組成物の硬化に用いられる活性エネルギー線とし
ては、例えば、電子線、X線、紫外線、可視光線等が挙
げられるが、特に好ましくは、紫外線を用いることであ
る。
【0031】紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極型ラ
ンプ等が挙げられるが、好ましくは無電極型ランプを用
いることである。
【0032】また、本発明のグラビアインキを使用して
得られる印刷物品質は、溶剤型インキ等では得ることが
困難な光沢が非常に高く、盛りのある、階調再現性に優
れた印刷物品質が得ることができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。
【0034】(実施例1)攪拌機を取り付けたガラス製
セパラブルフラスコに、2官能モノマーとして1,4−
ブタンジオールオリゴアクリレート(大阪有機化学工業
社製ビスコート195D)を68.5重量部、3官能以
上の多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート(日本化薬社製DPHA−2C)を4.
0重量部、変性熱可塑性アクリル樹脂(サンノプコ社製
DA9100)8.0重量部、熱重合禁止剤N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.1重量
部を仕込み、90℃で30分撹拌しながら加熱溶解した
後、顔料分散剤(アビシア社製ソルスパース3200
0、5000)を0.4重量部加えて作製したビヒクル
に、着色顔料カーミン6Bを10重量部、光重合開始剤
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア
369、イルガキュア907)9.0重量部をビーズミ
ルで2時間練合分散させ、実施例1の紫外線硬化性グラ
ビアインキを得た。
【0035】(実施例2)実施例1において、2官能モ
ノマーと3官能以上の多官能モノマーの配合割合を変化
させ、得られたインキを実施例2とした。すなわち、攪
拌機を取り付けたガラス製セパラブルフラスコに、2官
能モノマーとして1,4−ブタンジオールオリゴアクリ
レート(大阪有機化学工業社製ビスコート195D)を
65.5重量部、3官能以上の多官能モノマーとしてジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社
製DPHA−2C)を7.0重量部、変性熱可塑性アク
リル樹脂(サンノプコ社製DA9100)8.0重量
部、熱重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンアルミニウム0.1重量部を仕込み、90℃で30
分撹拌しながら加熱溶解した後、顔料分散剤(アビシア
社製ソルスパース32000、5000)を0.4重量
部加えて作製したビヒクルに、着色顔料カーミン6Bを
10重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製イルガキュア369、イルガキュア90
7)9.0重量部をビーズミルで2時間練合分散させ、
実施例2の紫外線硬化性グラビアインキを得た。
【0036】(実施例3)実施例1において、2官能モ
ノマーと3官能以上の多官能モノマーの配合割合を変化
させ、得られたインキを実施例3とした。すなわち、攪
拌機を取り付けたガラス製セパラブルフラスコに、2官
能モノマーとして1,4−ブタンジオールオリゴアクリ
レート(大阪有機化学工業社製ビスコート195D)を
57.5重量部、3官能以上の多官能モノマーとしてジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社
製DPHA−2C)を15.0重量部、変性熱可塑性ア
クリル樹脂(サンノプコ社製DA9100)8.0重量
部、熱重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンアルミニウム0.1重量部を仕込み、90℃で30
分撹拌しながら加熱溶解した後、顔料分散剤(アビシア
社製ソルスパース32000、5000)を0.4重量
部加えて作製したビヒクルに、着色顔料カーミン6Bを
10重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製イルガキュア369、イルガキュア90
7)9.0重量部をビーズミルで2時間練合分散させ、
実施例3の紫外線硬化性グラビアインキを得た。
【0037】(実施例4)攪拌機を取り付けたガラス製
セパラブルフラスコに、単官能モノマーとしてフェノキ
シジエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業
社製P−200A)を57.5重量部、3官能以上の多
官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート(日本化薬社製DPHA−2C)を15.0重
量部、変性熱可塑性アクリル樹脂(サンノプコ社製DA
9100)8.0重量部、熱重合禁止剤N−ニトロソフ
ェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.1重量部を
仕込み、90℃で30分撹拌しながら加熱溶解した後、
顔料分散剤(アビシア社製ソルスパース32000、5
000)を0.4重量部加えて作製したビヒクルに、着
色顔料カーミン6Bを10重量部、光重合開始剤(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア36
9、イルガキュア907)9.0重量部をビーズミルで
2時間練合分散させ、実施例4の紫外線硬化性グラビア
インキを得た。
【0038】(実施例5)攪拌機を取り付けたガラス製
セパラブルフラスコに、単官能モノマーとしてフェノキ
シジエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業
社製P−200A)を5.5重量部、2官能モノマーと
して1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート(大阪
有機化学工業社製ビスコート195D)を60.5重量
部、3官能以上の多官能モノマーとしてジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート(日本化薬社製DPHA−
2C)を7.0重量部、変性熱可塑性アクリル樹脂(サ
ンノプコ社製DA9100)8.0重量部、熱重合禁止
剤N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウ
ム0.1重量部を仕込み、90℃で30分撹拌しながら
加熱溶解した後、顔料分散剤(アビシア社製ソルスパー
ス32000、5000)を0.4重量部加えて作製し
たビヒクルに、着色顔料カーミン6Bを10重量部、光
重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イ
ルガキュア369、イルガキュア907)9.0重量部
をビーズミルで2時間練合分散させ、実施例5の紫外線
硬化性グラビアインキを得た。
【0039】(比較例1)実施例1において、2官能モ
ノマーと3官能以上の多官能モノマーの配合割合を変化
させ、得られたインキを比較例1とした。2官能モノマ
ーについては過剰にした配合した。すなわち、攪拌機を
取り付けたガラス製セパラブルフラスコに、2官能モノ
マーとして1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート
(大阪有機化学工業社製ビスコート195D)を76.
5重量部、3官能以上の多官能モノマーとしてジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製DP
HA−2C)を2.0重量部、変性熱可塑性アクリル樹
脂(サンノプコ社製DA9100)2.0重量部、熱重
合禁止剤N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアル
ミニウム0.1重量部を仕込み、90℃で30分撹拌し
ながら加熱溶解した後、顔料分散剤(アビシア社製ソル
スパース32000、5000)を0.4重量部加えて
作製したビヒクルに、着色顔料カーミン6Bを10重量
部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
社製イルガキュア369、イルガキュア907)9.0
重量部をビーズミルで2時間練合分散させ、比較例1の
紫外線硬化性グラビアインキを得た。
【0040】(比較例2)実施例1において、2官能モ
ノマーと3官能以上の多官能モノマーの配合割合を変化
させ、得られたインキを比較例2とした。3官能以上の
多官能モノマーについては過剰にした配合した。すなわ
ち、攪拌機を取り付けたガラス製セパラブルフラスコ
に、2官能モノマーとして1,4−ブタンジオールオリ
ゴアクリレート(大阪有機化学工業社製ビスコート19
5D)を36.3重量部、3官能以上の多官能モノマー
としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日
本化薬社製DPHA−2C)を36.2重量部、変性熱
可塑性アクリル樹脂(サンノプコ社製DA9100)
8.0重量部、熱重合禁止剤N−ニトロソフェニルヒド
ロキシルアミンアルミニウム0.1重量部を仕込み、9
0℃で30分撹拌しながら加熱溶解した後、顔料分散剤
(アビシア社製ソルスパース32000、5000)を
0.4重量部加えて作製したビヒクルに、着色顔料カー
ミン6Bを10重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製イルガキュア369、イルガキ
ュア907)9.0重量部をビーズミルで2時間練合分
散させ、比較例2の紫外線硬化性グラビアインキを得
た。
【0041】(比較例3)一般的な紫外線硬化性インキ
用材料として使用されるラジカル重合性モノマー及びオ
リゴマーを用いて実施例2と同様の配合でインキを得
た。すなわち、攪拌機を取り付けた丸底フラスコに、ポ
リエチレングリコールジアクリレート(日本化薬社製P
EG400DA)を65.5重量部、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(日本化薬社製DPHA)を
7.0重量部、ジアリルフタレート樹脂(大曹社製DA
P(K))8.0重量部、熱重合禁止剤N−ニトロソフ
ェニルヒドロキシルアミンアルミニウム0.1重量部を
仕込み、90℃で30分加熱溶解した後、顔料分散剤
(アビシア社製ソルスパース32000、5000)を
0.4重量部加えて作製したビヒクルに、着色顔料カー
ミン6Bを10重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製イルガキュア369、イルガキ
ュア907)9.0重量部をビーズミルで2時間練合分
散させ、比較例3の紫外線硬化性グラビアインキを得
た。詳細は表1に示す。
【0042】実施例1〜5及び比較例1〜3の組成物に
ついて、下記の条件により粘度測定及び硬化性、印刷適
性等の評価を行った。
【0043】粘度測定は、二重円筒型回転粘度計(HA
AKE社製)を使用し、20℃においてせん断速度10
0/Sで測定した。結果は表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】印刷は、常温下(25℃)で、印刷速度4
5m/分で行い、250線/インチの図柄の版面を用い
て塗工紙、フィルム等の印刷基材に印刷を行い、その直
後に250W/cmの超高圧水銀灯スポットキュア(ウ
シオ電機社製UIS−25102AA−01A)を用い
て印刷面から3cmの距離から紫外線照射した。
【0046】得られた印刷物の硬化性とドクターの掻き
取り性の評価を行った。結果は表2に示す。硬化性は、
印刷物をメチルエチルケトンに浸し、未硬化部分の溶出
の度合いで評価した。評価基準は、以下のとおりであ
る。結果は表2に示す。 ○:溶出なし △:わずかに溶出あり ×:溶出あり
【0047】ドクター掻き取り性は、非画線部の版かぶ
りの程度を目視により評価した。評価基準は、以下のと
おりである。結果は表2に示す。 ○:版かぶりなし △:わずかに版かぶりあり ×:版かぶりあり
【0048】
【表2】
【0049】表1、2に示すように、単官能モノマー又
は2官能モノマーのいずれか又は双方と、3官能以上の
多官能モノマーの組成比(95:5〜70:30)の配
合割合で作製された活性エネルギー線硬化性インキは、
20℃においてインキ粘度を50〜250mPa・sに
保持でき、インキの硬化性に富み、かつ、良好なドクタ
ー掻き取り性が得られた。
【0050】
【発明の効果】本発明の活性エネルギー線硬化性グラビ
アインキ組成物は、紫外線、電子線等の活性エネルギー
線の照射により硬化性に富み、常温で低粘度、かつ無溶
剤、低皮膚刺激性で安全性の高いグラビアインキとして
使用できる活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成
物を提供することができる。
【0051】また、本発明によれば、20℃においてイ
ンキ粘度を50〜250mPa・sに保持できるため、
印刷機上にインキ加温装置等が必要なく、良好なドクタ
ーの掻き取り性が可能となる。また、本発明の活性エネ
ルギー線硬化性グラビアインキ組成物は、無溶剤のた
め、機械設計上防爆設備が必要なく、グラビア印刷を行
うことができる。さらに、インキ粘度等の変化が極めて
少ないため印刷機上におけるインキの安定性が得られ
る。
【0052】活性エネルギー線を照射しない限りインキ
が硬化、乾燥することがないため、洗浄作業も良好で作
業環境の改善にも効果が期待できる。インキの加温、あ
るいは溶剤添加等を施さずに良好な印刷適性を有し、硬
化速度が速く、PETフィルムのような非浸透性基材を
はじめ、塗工紙等の浸透性基材に対しても、オーバーコ
ーティングが不要のグラビア印刷を可能にするものであ
る。
【0053】また、本発明の活性エネルギー線硬化性グ
ラビアインキ組成物においては、印刷上必要な流動性を
得るための処置、すなわち、インキの加温、あるいは溶
剤添加等を必要とせず、良好な印刷適性が得られ、その
上、硬化速度が速く、PETフィルムのような非浸透性
基材をはじめ、塗工紙等の浸透性基材に対して直接グラ
ビア印刷を可能にし、油性あるいは溶剤型インキのオー
バーコーティング等が不要になり、生産工程の削減にも
貢献できる。
【0054】また、本発明のグラビアインキを使用して
得られる印刷物品質は、溶剤型インキ等では得ることが
困難な光沢が非常に高く、盛りのある、階調再現性に優
れた印刷物品質が得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA03 AA06 BA03 BC00 DA39 DA45 DA53 4J027 AA02 AB10 AC04 AC06 BA07 BA11 BA17 BA19 BA21 BA23 BA26 BA27 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CA07 CA10 CA34 CB10 CC04 CC05 CC06 CC08 CD08 4J039 AD20 AD21 BB01 BC16 BC17 BC29 BC54 BC56 BC59 BE01 BE16 BE20 BE22 BE24 BE26 BE33 CA01 DA05 EA04 EA10 EA33 EA42 EA45 FA02 GA03 4J100 AL08P AL63Q AL66P AL67Q BA02P BA02Q BA04P BA08P BC08P BC28P BC43P BC45P CA04 CA05 DA09 DA71 JA07 JA37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性モノマーが単官能モノマ
    ー又は2官能モノマーのいずれか又は双方と、3官能以
    上の多官能モノマーを特定量組み合わせたものを含有
    し、光重合開始剤、熱重合禁止剤、助剤からなる、常温
    で低粘度、かつ無溶剤、低皮膚刺激性なグラビアインキ
    として使用可能であることを特徴とする活性エネルギー
    線硬化性グラビアインキ組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記活性エネル
    ギー線硬化性グラビアインキ組成物の粘度が20℃にお
    いて50〜250mPa・sであることを特徴とする活
    性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載において、前記単官
    能モノマー又は前記2官能モノマーのいずれか又は双方
    と、前記3官能以上の多官能モノマーの組成比が、9
    5:5〜70:30(重量部:重量部)であることを特
    徴とする活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載において、前記
    単官能モノマー、前記2官能モノマー及び前記3官能以
    上の多官能モノマーは、皮膚刺激性が1.0以下である
    ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性グラビアイン
    キ組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又4記載において、前
    記活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成物にオリ
    ゴマーを含有したことを特徴とした活性エネルギー線硬
    化性グラビアインキ組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の前記
    活性エネルギー線硬化性グラビアインキ組成物に顔料を
    練合してなることを特徴とするグラビアインキ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の前記グラビアインキを基
    材上に印刷してなることを特徴とするグラビア印刷物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012224A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Hitachi Maxell Ltd 顔料分散組成物の製造方法
JP2014145053A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Hitachi Maxell Ltd 顔料分散体及びエネルギー線硬化型インクジェット用インク

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