JP2002371141A - 繊維強化成形材料、成形体およびそれらの製造方法 - Google Patents

繊維強化成形材料、成形体およびそれらの製造方法

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JP2002371141A JP2001181712A JP2001181712A JP2002371141A JP 2002371141 A JP2002371141 A JP 2002371141A JP 2001181712 A JP2001181712 A JP 2001181712A JP 2001181712 A JP2001181712 A JP 2001181712A JP 2002371141 A JP2002371141 A JP 2002371141A
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Eisuke Wadahara
英輔 和田原
Soichi Ishibashi
壮一 石橋
Haruo Ohara
春夫 尾原
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、含浸性が良好で、外観品位に優れ
る成形体を生産性良く得られるだけでなく、優れた取り
扱い性(ドレープ性、持ち運び性、賦型性等)を有する
繊維強化成形材料、それを成形してなる成形体、および
それらの製造方法を提供せんとするものである。 【解決手段】 本発明の繊維強化成形材料1は、少なく
とも強化繊維2と樹脂3からなり、該強化繊維2が該樹
脂3により密閉された空間4内に配置され、かつ該空間
4内の気圧が大気圧より低いものである。また、本発明
の成形体は、かかる繊維強化成形材料1を成形してなる
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性高く成形体
が得られ、優れた取り扱い性を有する繊維強化成形材
料、それを成形してなる成形体およびそれらの製造方法
に関するものである。より具体的には、樹脂の含浸が良
好で、外観品位に優れる成形体を生産性よく得られるだ
けでなく、優れた取り扱い性(ドレープ性、持ち運び
性、賦型性等)を有する繊維強化成形材料、それを成形
してなる成形体およびそれらの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複合材料のマトリックス樹脂として熱硬
化性樹脂(例えばエポキシ樹脂等)を用いたもの(以
下、FRPと記す)は、従来から航空機、スポーツ用途
に用いられている。この様な用途では、一般的にオート
クレーブ、RTM、RFI成形法等により成形されてい
る。また、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂(例え
ばポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等)を用いたも
の(以下、FRTPと記す)は、後加工性(賦型加工、
接着加工等)、クリーンな作業環境、優れた耐衝撃性等
のメリットがあり使用されている。FRTPは、強化繊
維への熱可塑性樹脂の含浸が難しく、成形材料ひいては
成形体の高い生産性(低コスト)が達成できない点、成
形材料の取り扱い性に劣る点等のため、FRPに比べて
広く用いられることはなかった。FRTP用成形材料
は、樹脂を含浸させるタイミングによって次の3つに分
類することができる。 (α)成形前に含浸させておき、成形時には賦型のみを
行う方法(プリプレグ法)。 (β)成形前に部分的に含浸させておき、成形時にさら
に含浸させる方法(セミ・プリプレグ法)。 (γ)成形前には含浸させずに、成形時に一気に含浸さ
せる方法(ノン・プリプレグ法)。 ここで、プリプレグ法によるFRTP用成形材料は、成
形体における樹脂の含浸性に優れ、得られた成形体の力
学特性、外観品位に優れるが、成形材料が非常に硬くド
レープ性に乏しくなるために、成形時に賦型しにくいだ
けでなく、輸送時や成形作業時の取り扱い性も悪くなる
という問題点があった。また、セミ・プリプレグ法やノ
ン・プリプレグ法による成形材料は、成形材料自体はド
レープ性(しなやかさ)を有しており取り扱い性に優れ
るが、成形時に樹脂を含浸させるため、その含浸が不十
分となり易く、得られた成形体の力学特性、外観品位に
劣るといった問題点があった。すなわち、FRTP用成
形材料においては、樹脂の含浸方法として、好ましい方
法の選択が難しかった。この問題を改善するため、強化
繊維への樹脂の含浸に関して様々な提案が行われてお
り、例えば次の方法が挙げられる。 (I) 溶融した樹脂を強制的に含浸させる方法(ホット
メルト法:特開昭61−40113号公報等)。 (II)樹脂を溶媒に溶解して低粘度化させ含浸させる方
法(ウェット法)。 (III)重合前のモノマーを含浸させた後に重合する方法
(RIM法:特開平9−208689号公報等)。 (IV)樹脂をエマルジョン、スラリー化して含浸させる
方法(スラリー法:特開昭59−178218号公報
等)。 (V) 繊維にフィルムを挟んだ後に溶融して含浸させる
方法(フィルム法:特開平11−315470号公報
等)。 (VI)繊維に粉末樹脂を担持させた後に溶融して含浸さ
せる方法(パウダー法:特開平1−209124号公報
等)。 (VII) 繊維に繊維状樹脂を混繊、交織、交絡、牽切
紡、捲回被覆した後に溶融して含浸させる方法(ファイ
バー法:特開昭63−165541号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】FRP用成形材料は、
その取り扱い性には優れ、含浸性も良好であるが、成形
体の生産性が低いという問題があった。また、FRTP
用成形材料は、例えば特開昭61−40113号公報、
特開平9−208689号公報、特開昭59−1782
18号公報、特開平11−315470号公報、特開平
1−209124号公報、特開昭63−165541号
公報あるいはウェット法等に記載の方法によっても、そ
の取り扱い性と樹脂の含浸性との両立という面から、い
まだ不十分なものであった。ここで問題となっている強
化繊維への樹脂の含浸とは、成形材料(更には強化繊維
束間)に存在する空間(空気)を樹脂で満たすことであ
る。すなわち、「樹脂の含浸」とは「樹脂と成形材料中
の空気との置換」と換言できる。しかしながら従来の方
法では、「樹脂と空気を置換する」ことに関する考察は
見られず、考慮されていなかった。つまり、従来の方法
では、含浸性が良好で、外観品位に優れた成形体を生産
性よく得られないだけでなく、優れた取り扱い性を有す
る成形材料を得ることができなかった。本発明は、かか
る従来技術の問題点の解決を目的とするものであり、具
体的には含浸性が良好で、外観品位に優れた成形体を生
産性良く得られるだけでなく、優れた取り扱い性(ドレ
ープ性、持ち運び性、賦型性等)を有する繊維強化成形
材料、それを成形してなる成形体およびそれらの製造方
法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の繊維強化成形材料は、少なくと
も強化繊維(2)と樹脂(3)からなる繊維強化成形材
料(1)であって、該強化繊維(2)が該樹脂(3)に
より密閉された空間(4)内に配置され、かつ該空間
(4)内の気圧が大気圧より低いものであることを特徴
とする。また、本発明の成形体は、かかる繊維強化成形
材料(1)を成形してなることを特徴とする。また、本
発明の繊維強化成形材料(1)の製造方法は、樹脂
(3)に覆われた空間(4)内に強化繊維(2)を配置
し、次いで空間(4)内を大気圧より低い圧力に減圧し
て、しかる後に該圧力以下に保ったまま樹脂(3)を密
閉することを特徴とする。また、本発明の成形体の好ま
しい製造方法は、下記(ア)〜(カ)の工程を含むこと
を特徴とする。 (ア)成形型を樹脂(3)が離型可能な温度に温調する
型準備工程。 (イ)繊維強化成形材料(1)を成形型内に配置するセ
ット工程。 (ウ)繊維強化成形材料(1)を樹脂(3)が溶融・流
動可能な温度に成形型を昇温する昇温工程。 (エ)繊維強化成形材料(1)に強化繊維(2)が実質
的に折損しない範囲の圧力を加え、樹脂(3)を強化繊
維(2)に含浸させ、かつ賦形する含浸・賦形工程。 (オ)成形型を樹脂(3)が離型可能な温度まで降温す
る降温工程。 (カ)成形体を成形型から取り出す取出工程。また、本
発明の成形体のより好ましい製造方法は、下記(サ)〜
(ソ)の工程を含むことを特徴とする。 (サ)成形型を樹脂(3)が離型可能な温度に温調する
型準備工程。 (シ)繊維強化成形材料(1)を樹脂(3)が溶融・流
動可能な温度に加熱する加熱工程。 (ス)繊維強化成形材料(1)を成形型内に配置するセ
ット工程。 (セ)繊維強化成形材料(1)に強化繊維(2)が実質
的に折損しない範囲の圧力を加え、樹脂(3)を強化繊
維(2)に含浸させ、かつ賦形する含浸・賦形工程。 (ソ)成形体を成形型から取り出す取出工程。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維強化成形材料1は、少なくとも強化繊維2
と樹脂3とからなり、該強化繊維2が該樹脂3により密
閉された空間4内に配置され、かつ該空間4の気圧が大
気圧より低いものであることを特徴とする。
【0006】より具体的に説明するため、最初に図を使
用して説明する。ただし、本発明は、この例に限定され
るものではない。図1は本発明の繊維強化成形材料1の
好ましい一態様の斜視図である。強化繊維2は、樹脂3
により密閉された大気圧より低い空間4内に配置されて
いる。図2は本発明の繊維強化成形材料1の好ましい一
態様の断面図である。また、図3は従来の繊維強化成形
材料Dの一例の断面図である。図2から、本発明の繊維
強化成形材料1における空間4は大気圧より低いため、
樹脂3は強化繊維2に密着されるだけでなく、強化繊維
2の束が占める容積はコンパクト化されている。したが
って、本発明の繊維強化成形材料1においては、樹脂3
が強化繊維2に含浸するために必要な距離を低減させる
ことにより、含浸を容易にする効果が発現する。
【0007】本発明において、強化繊維2が配置される
空間4の気圧は、大気圧より低い圧力である必要がある
が、好ましくは−50kPa以下、より好ましくは−7
5kPa以下、更に好ましくは−90kPa以下であ
る。より高い真空度であると、一層樹脂3の含浸が容易
となるので好ましい。
【0008】一方、図3から、従来の繊維強化成形材料
Dにおける空間Eは大気圧と実質的に同一であるため、
樹脂3は強化繊維2に密着されないだけでなく、強化繊
維2の束が占める容積も大きくなっている。
【0009】更に、本発明の繊維強化成形材料1は、空
間4の気圧が大気圧より低いことにより、従来の繊維強
化成形材料Dに比べて、樹脂3と成形材料中(ひいては
強化繊維中)に存在する気体との置換が促進される。す
なわち、強化繊維2への樹脂3の含浸が容易となる効果
も発現する。これらの効果により、本発明の繊維強化成
形材料1は、より短い時間またはより低い圧力の負荷で
樹脂3の含浸が達成できるために、含浸度が高く、力学
特性(特に弾性率)、ボイド等のない外観品位(特に表
面平滑性)に優れる成形体を、生産性よく得ることがで
きる。
【0010】上記した以外にも、本発明の繊維強化成形
材料1は、繊維強化成形材料1中に気体(空気の場合は
酸素)を少なくできることから、樹脂の酸化や変質を最
小限に抑制し、本来の樹脂の色相を有する外観品位を損
なわない成形体を得られるという効果をも発現する。
【0011】また、本発明の繊維強化成形材料1は、成
形材料の時点では、樹脂3が含浸されていない(または
一部しか樹脂が含浸されていない)ため、繊維強化成形
材料1がドレープ性(しなやかさ)を有し、持ち運び
性、賦型性に優れ、取り扱い性にも優れている。
【0012】本発明で用いる強化繊維2とは、樹脂3を
補強する役割を果たす繊維全般を指し、例えば金属繊
維、有機繊維(マトリックスである樹脂3として用いる
樹脂より高い耐熱性を有する有機繊維全般を指し、たと
えばアラミド繊維、PBO繊維等)、無機繊維(ガラス
繊維、炭素繊維、シリコンカーバイド繊維、シリコンナ
イトライド繊維等)が挙げられる。また、それらをニッ
ケル、イッテルビウム、金、銀、銅などの金属を少なく
とも1層以上被覆して構成された金属被覆強化繊維も含
まれる。更に本発明では、前記強化繊維を2種類以上併
用することもできる。中でも力学的特性、比重、価格の
バランスに優れる炭素繊維が好ましい。
【0013】ここで炭素繊維とは、例えば、PAN系、
ピッチ系、セルロース系、炭化水素による気相成長系炭
素繊維や黒鉛繊維、またはこれらを2種類以上ブレンド
して構成されたものを指す。かかる炭素繊維としては、
強度と弾性率などの力学的特性と価格とのバランスに優
れるPAN系炭素繊維が好ましく用いられる。
【0014】また、本発明で用いる強化繊維2は、優れ
た力学的特性、取り扱い性等を付与するために、サイジ
ング剤を予め付与することができる。かかるサイジング
剤としては、例えばシラン系、アルミネート系、チタネ
ート系等のカップリング剤、エポキシ系、ウレタン系、
エーテル系、エステル系、アミド系、アクリル系、オレ
フィン系、ビニル系、スチレン系、シリコン系、フッ素
系、シリコン系、フェノール系樹脂および液晶性樹脂等
が挙げられ、これらは、用いるマトリックス樹脂である
樹脂3に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0015】本発明で用いる強化繊維2は、布帛および
/またはストランドであることが取り扱い性の点から好
ましい。これらの形態は、成形方法により適宜選択する
ことができる。かかる布帛とは、例えば織物、編物、組
物、不織布、一方向に引き揃えられたシート、ならびに
これらを積層したもの等が挙げられる。
【0016】強化繊維2が布帛である場合、樹脂3の含
浸の点から、布帛の厚みは3mm以下(より好ましくは
1mm以下、更に好ましくは0.5mm以下、とりわけ
0.3mm以下)であるのが好ましく、この点から最も
好ましい布帛としては、強化繊維束が扁平状に織られた
扁平織物を挙げることができる。また、強化繊維2がス
トランドの場合、樹脂3の含浸の面から、実質的に無撚
のものであるのが好ましい。
【0017】本発明で使用する樹脂3は樹脂であればと
くに限定されず、天然樹脂、合成樹脂のいずれを用いて
も良い。好ましくは合成樹脂であり、熱硬化性樹脂およ
び/または熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0018】樹脂3が熱硬化性樹脂の場合は、例えば不
飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノ
ール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド等
や、これらの共重合体、変性体および2種類以上ブレン
ドした樹脂、更にエラストマーやゴム成分、硬化剤、硬
化促進剤、触媒等を添加した樹脂等を使用することがで
き、マトリックス樹脂として用いる樹脂と相溶性に優れ
るものを適宜選択して使用することができる。
【0019】樹脂3は好ましくは熱可塑性樹脂であり、
かかる熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液
晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィンや、ス
チレン系樹脂の他や、ポリオキシメチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリメチレンメタクリレート、
ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリレ
ート、ポリエーテルニトリル、フェノール(ノボラック
型など)フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン
などのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフ
ィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド
系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系等
の熱可塑エラストマー、ポリ乳酸系、酢酸セルロース
系、ポリカプロラクトン系、脂肪族ポリエステル系等の
生分解性樹脂等や、これらの共重合体、変性体、および
2種類以上ブレンドした樹脂等を使用することができ
る。また、更に耐衝撃性向上のために、その他のエラス
トマーもしくはゴム成分を添加した樹脂であってもよ
い。
【0020】本発明で用いる樹脂3としては、前述の熱
可塑性樹脂の中から適宜選択して使用することができる
が、より好ましいものとしては、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂および液晶性樹脂の中から
選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であり、特に好
ましくは、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂および
ポリカーボネート樹脂の中から選ばれる少なくとも1種
の熱可塑性樹脂である。
【0021】樹脂3は、強化繊維2に、予め粒子状で担
持されているのがより好ましい形態である。また、繊維
状またはフィブリル状で混繊、交織、交絡、牽切、捲回
被覆のいずれか1種以上されているのもより好ましい形
態といえる。更に、これら樹脂3は、液状のものであっ
てもよい。
【0022】樹脂3の含浸を容易にするために、本発明
に使用する強化繊維2には、前記樹脂3と同一および/
または異なる樹脂が予め含浸されているのが好ましい一
態様である。含浸形態としては、強化繊維2の表面を覆
っている状態や、強化繊維同士の隙間に挿入されている
状態で、隣り合う強化繊維2同士が完全に固着されてい
ない形態(例えば、部分的に強化繊維2同士が固着され
ている形態)であるのが好ましい。含浸に使用する樹脂
量はとくに限定されず、後の工程で樹脂3の含浸が助長
される最小限の量を選択するのが好ましい。
【0023】更に、樹脂3の含浸を容易にするために、
本発明に使用する強化繊維2に、樹脂前駆体が予め含浸
されているのも好ましい一態様である。ここで、樹脂前
駆体は、強化繊維2に予め粒子状で担持されているのが
より好ましい形態である。また、繊維状またはフィブリ
ル状で混繊、交織、交絡、牽切、捲回被覆のいずれか1
種以上されているのもより好ましい形態といえる。ま
た、これら樹脂前駆体は、液状のものであってもよい。
【0024】かかる樹脂前駆体とは、成形時に樹脂を形
成できる前駆体であればとくに限定されないが、例えば
RIM用樹脂前駆体(例えばポリアミド6、ポリアミド
12、ポリウレタン、ポリウレア、ポリジシクロペンタ
ジエンを形成する触媒等を含むもの)、環状オリゴマー
(ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂等を形成する触媒等を含むもの)等が好ましく用い
られる。
【0025】本発明で用いる樹脂3は、樹脂3の含浸性
を一層高めるために、適度な変形ができる厚みであるの
がよく、厚みにすると1mm以下(より好ましくは0.
5mm以下、更に好ましくは0.1mm以下)であるの
が好ましい。また、空間4を減圧するためには樹脂3は
ある程度の強度も必要であり、厚みにすると0.1μm
以上(より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10
μm以上)であるのが好ましい。なお、樹脂3の厚み
は、好ましくは上述の範囲内で、所望の強化繊維配合率
を達成するために適宜選択することができる。
【0026】本発明の繊維強化成形材料1は、そのまま
成形に供してもよいが、繊維強化成形材料1をマトリッ
クス樹脂として用いる樹脂3のビカット軟化温度−50
℃以上、ビカット軟化温度+200℃以下の範囲内で予
め熱処理したものであるのが好ましい。この熱処理によ
り、空間4内で樹脂3が軟化するため、強化繊維2に部
分的に樹脂3を予備含浸(または接着)させることが可
能となり、成形時の樹脂3の含浸を一層容易にすること
ができる。また、強化繊維2を布帛の形態で使用する場
合は、特に布帛くずれ(織物の目ズレ等)を防止するこ
とができる。
【0027】ここでビカット軟化温度とは、ASTM
D 1525に基づいたものを指し、具体的には、ビカ
ット軟化温度測定装置に試験片をおき、その中央に平坦
に仕上げられた先端を有する直径1mmの針をのせ、針
の上部に荷重(1kg)を負荷した状態で、50℃/1
hの昇温速度で昇温し、針が試験片に1mm侵入した温
度を指す。
【0028】本発明の繊維強化成形材料1は、その目的
に応じて更に、充填材、導電性付与材、難燃剤、難燃助
剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結
晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、
紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振
剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤等の任意の添加
剤を、単独でも、2種類以上ブレンドしたものでも使用
することができる。
【0029】また、かかる充填材などは、膨潤化剤によ
り膨潤されていてもよいし、有機化剤により有機化され
ていてもよい。膨潤化剤、有機化剤としては、イオン交
換などにより充填材などを膨潤化または有機化し得るも
のなら特に制限はなく、具体的にはε−カプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、12−アミノラウリン
酸、アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。特にポ
リアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などに膨潤化また
は有機化された充填材が配合されていると、充填材のナ
ノオーダーでの分散が可能となり、より少ない配合量で
所望の特性が得られるため好ましい。
【0030】本発明の少なくとも強化繊維2と樹脂3か
らなる繊維強化成形材料1の製造方法は、樹脂3に覆わ
れた空間4内に強化繊維2を配置し、次いで空間4内を
大気圧より低い圧力に減圧して、しかる後に該圧力以下
に保ったまま樹脂3を密閉することを特徴とする。この
ことにより、本発明の課題を達成できるのは、上述の通
りである。
【0031】ここで、上記減圧に際して、少なくとも樹
脂3をビカット軟化温度−50℃〜ビカット軟化温度+
200℃の範囲内で熱処理しながら減圧すると、樹脂3
が強化繊維2に沿った状態での変形が一層容易になるた
め、好ましい製造方法といえる。また、本発明の繊維強
化成形材料1を、樹脂3のビカット軟化温度−50℃〜
ビカット軟化温度+200℃の範囲内で熱処理するのは
好ましい製造方法の一態様である。すなわち、熱処理に
より樹脂3には空間4と大気との気圧差が圧力として負
荷されて樹脂3が強化繊維2に部分的に予備含浸(また
は接着)されるからである。
【0032】次に本発明の成形体について説明する。本
発明の成形体は、上述の繊維強化成形材料1を成形して
なることを特徴とする。各構成要素については、上述の
説明の通りである。
【0033】本発明の繊維強化成形材料1の成形方法と
しては、例えば射出成形(射出圧縮成形、ガスアシスト
射出成形、インサート成形等)、ブロー成形、回転成
形、真空成形、押出成形、プレス成形(ホットプレス成
形、コールドプレス成形等)、トランスファー成形(R
IM成形等)、フィラメントワインディング成形、オー
トクレーブ成形等の各種成形方法を使用することができ
る。
【0034】より好ましい成形方法としては、生産性の
高いプレス成形が挙げられ、中でもホットプレス成形よ
り成形サイクルを早くできる(成形体の成形時間を短く
できる)コールドプレス成形がより好ましく用いられ
る。
【0035】ここで、ホットプレス成形とは、樹脂3が
溶融・流動可能な温度に温調された成形型を用いて繊維
強化成形材料1をプレスし、その後に成形型を樹脂3が
離型可能な温度まで冷却する成形方法を指す。より具体
的には、下記(ア)〜(カ)の工程を含む方法で本発明
の繊維強化成形材料1を成形し本発明の成形体を製造す
るのが好ましい。 (ア)成形型を樹脂3が離型可能な温度以上に温調する
型準備工程。 (イ)繊維強化成形材料1を成形型内に配置するセット
工程。 (ウ)繊維強化成形材料1を樹脂3が溶融・流動可能な
温度に成形型を昇温する昇温工程。 (エ)繊維強化成形材料1に強化繊維2が実質的に折損
しない範囲の圧力を加え、樹脂3を強化繊維2に含浸さ
せ、かつ賦形する含浸・賦形工程。 (オ)成形型を樹脂3が離型可能な温度まで降温する降
温度工程。 (カ)成形体を成形型から取り出す取出工程。 ここで、成形材料1は、(イ)セット工程の前に樹脂3
が離型可能な温度以上、かつ樹脂3が溶融・流動可能な
温度以下の範囲に予熱されていると成形サイクルがより
短くできるためより好ましい。
【0036】また、コールドプレス成形とは、繊維強化
成形材料1を樹脂3が溶融・流動可能な温度に加熱して
おき、マトリックス樹脂である樹脂3が離型可能な温度
に温調されている成形型にてプレスする成形方法を指
す。より具体的には、下記(サ)〜(ソ)の工程を含む
方法で本発明の繊維強化成形材料1を成形し本発明の成
形体を製造するのが好ましい。 (サ)成形型を樹脂3が離型可能な温度に温調する型準
備工程。 (シ)繊維強化成形材料1を樹脂3が溶融・流動可能な
温度に加熱する加熱工程。 (ス)繊維強化成形材料1を成形型内に配置するセット
工程。 (セ)繊維強化成形材料1に強化繊維2が実質的に折損
しない範囲の圧力を加え、樹脂3を強化繊維2に含浸さ
せ、かつ賦形する含浸・賦形工程。 (ソ)成形体を成形型から取り出す取出工程。
【0037】本発明の成形体の用途としてはとくに限定
されないが、優れた力学的特性(特に弾性率)、外観品
位から、電子・電気機器用、OA機器用、精密機器用、
自動車用の部材等、具体的にはハウジング、ケーシン
グ、カバー、トレー等に好ましく使用される。
【0038】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。
【0039】実施例1 図1を使用し説明する。まず、(熱可塑性)樹脂3から
なる長方形のフィルムを2枚重ね合わせ、その3辺をヒ
ートシールしてあり、残り1辺が解放されている袋状の
フィルム[25cm×16cm]を用意した。次いで、
強化繊維2を袋状のフィルムの寸法に合わせてカットし
てから強化繊維2が屈曲しないようにその袋状のフィル
ム内に配置した(本実施例1は、図1とは強化繊維2の
形状が異なる)。その後、袋状のフィルムの残りの1辺
に真空ポンプの吸引口Cを配置し、市販のシーリング材
料を用いてその1辺をシールした。更に、真空ポンプを
用いて吸引口から袋状のフィルム内を減圧し、気圧が充
分低くなって(真空度が充分高くなって)から吸引口が
配置されている1辺を、吸引口から減圧できなくなる位
置にて減圧しながらヒートシールし、繊維強化成形材料
1を得た。ここで、強化繊維2としては、PAN系炭素
繊維束[平均単繊維直径=7μm、TEX=800、ビ
スフェノールAエチレンオキサイド付加物がサイジング
剤として0.2重量%付着]からなる織物[織物厚み=
0.2mm、目付=193g/cm2 ]を用いた。ま
た、(熱可塑性)樹脂3からなる袋状のフィルムとして
は、飛竜袋BNタイプ[旭化成ポリフレックス(株)
製、厚み=75μm]を用いた。得られた繊維強化成形
材料は、織物の目ズレもなく、ドレープ性、持ち運び
性、賦型性等の取り扱い性に非常に優れたものであっ
た。このように用意された繊維強化成形材料1を4枚積
層したものを100℃×5minの条件で予熱して、1
00℃の2枚の鏡面板の間に配置し、10℃/minに
て210℃まで昇温してからプレス成形機を用いて1.
5MPaの圧力下で2分間保持し、そのプレス圧を維持
しながら20℃/minにて100℃まで降温してから
成形体を取り出した。得られた成形体は、熱可塑性樹脂
の含浸が良好で、非常に綺麗な外観品位を有していた。
また、成形後の熱可塑性樹脂の色相も、成形前のものに
くらべて変化が無かった。
【0040】実施例2 強化繊維2として織物[織物厚み=0.4mm、目付=
390g/cm2 ]を使用した以外は、全て実施例1と
同様にして繊維強化成形材料1を得て成形した。得られ
た繊維強化成形材料1は織物の目ズレもなく、ドレープ
性、持ち運び性、賦型性等の取り扱い性に非常に優れた
ものであった。また、得られた成形体は、熱可塑性樹脂
の含浸が良好で、非常に綺麗な外観品位を有していた。
【0041】実施例3 強化繊維2として無撚りのストランドを一方向に引き揃
えたシート[シート厚み=0.2mm、目付=200g
/cm2 ]を使用した以外は、全て実施例1と同様にし
て繊維強化成形材料1を得て成形した。得られた繊維強
化成形材料は織物の目ズレもなく、ドレープ性、持ち運
び性、賦型性等の取り扱い性に非常に優れたものであっ
た。また、得られた成形体は、熱可塑性樹脂の含浸が良
好で、非常に綺麗な外観品位を有していた。
【0042】実施例4 実施例1の繊維強化成形材料1を4枚積層したものを予
め250℃×10minに加熱しておき、直ちに100
℃の2枚の鏡面板の間に配置し、プレス成形機を用いて
1.5MPaの圧力下で2分間保持し、成形体を取り出
した。得られた成形体は、熱可塑性樹脂の含浸が良好
で、非常に綺麗な外観品位を有していた。更に、実施例
1に較べて、成形型の昇温、降温工程を省略できること
により、さらに成形サイクルを短くでき、より生産性良
く成形体を製造することができた。
【0043】比較例1 図3を使用し説明する。まず、(熱可塑性)樹脂3から
なる長方形のフィルムを2枚重ね合わせ、その3辺をヒ
ートシールしてある袋状のフィルム[25cm×16c
m]のヒートシール部をそれぞれカットして、袋状のフ
ィルムを2枚のフィルムに分離する。次いで、強化繊維
をその2枚のフィルムで挟み、繊維強化成形材料Dを得
た。ここで、強化繊維、熱可塑性樹脂からなる袋状フィ
ルムとしては、実施例2と同一のものを用いた。また、
成形条件は実施例1と同一とした。得られた繊維強化成
形材料Dは、ドレープ性は有しているものの、鏡面板の
間に配置する時に織物の目ズレが発生した。また、フィ
ルムと織物がバラバラになりやすいため、賦型性、持ち
運び性も悪く、取り扱い性に非常に劣った。また、得ら
れた成形体は、熱可塑性樹脂の含浸が充分でなく、成形
体の表面に織物中に形成されている直径1mm以上のボ
イドが転写されて凸凹になっており、劣悪な外観品位を
有していた。また、成形後の熱可塑性樹脂の色相が、成
形前のものにくらべて黄色に変色し(本来、透明か半透
明薄白色)、外観上問題となった。これは成形材料中に
存在する空気がプレスにより圧縮されたことにより、
(熱可塑性)樹脂3が酸化したことによると推察され
る。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、含浸性が良好で、外観
品位に優れる成形体を生産性良く得られるだけでなく、
優れた取り扱い性(ドレープ性、持ち運び性、賦型性
等)、を有する繊維強化成形材料、それを成形してなる
成形体およびそれらの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化成形材料1の好ましい一態様
の斜視図である。
【図2】本発明の繊維強化成形材料1の好ましい一態様
の断面図である。
【図3】従来の繊維強化成形材料Dの一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1:本発明の繊維強化成形材料 2:強化繊維 3:樹脂 4:本発明の空間 A:ヒートシールによるシール部分 B:シーリング材料によるシール部分 C:真空ポンプの吸引口 D:従来の繊維強化成形材料 E:従来の空間
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 77:00 B29K 77:00 81:00 81:00 105:08 105:08 C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA08 AB10 AB22 AB23 AB28 AB33 AC08 AC15 AD04 AD37 AD41 AD44 AD45 AD46 AH21 AJ04 AK05 AK14 AL02 AL11 AL16 4F204 AD16 AM28 FA01 FB01 FB12 FB23 FF01 FF05 FF50 FN11 FN30

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも強化繊維(2)と樹脂(3)
    からなる繊維強化成形材料(1)であって、該強化繊維
    (2)が該樹脂(3)により密閉された空間(4)内に
    配置され、かつ該空間(4)内の気圧が大気圧より低い
    ものであることを特徴とする繊維強化成形材料。
  2. 【請求項2】 空間(4)内の気圧が−50kPa以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化成形
    材料。
  3. 【請求項3】 強化繊維(2)に、樹脂(3)と同一お
    よび/または異なる樹脂が含浸されていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の繊維強化成形材料。
  4. 【請求項4】 強化繊維(2)に、樹脂前駆体が含浸さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の繊
    維強化成形材料。
  5. 【請求項5】 強化繊維(2)に、粒子状の樹脂(3)
    または樹脂前駆体が担持されていることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化成形材料。
  6. 【請求項6】 強化繊維(2)に、繊維状もしくはフィ
    ブリル状の樹脂(3)および樹脂前駆体の内の1種以上
    が、混繊、交織、交絡、牽切、捲回被覆のいずれか1種
    以上されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の繊維強化成形材料。
  7. 【請求項7】 樹脂(3)が熱可塑性樹脂であることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化成
    形材料。
  8. 【請求項8】 樹脂前駆体がRIM用樹脂前駆体または
    環状オリゴマーであることを特徴とする請求項4に記載
    の繊維強化成形材料。
  9. 【請求項9】 繊維強化成形材料(1)が樹脂(3)の
    ビカット軟化温度−50℃〜ビカット軟化温度+200
    ℃の範囲内で熱処理したものであることを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化成形材料。
  10. 【請求項10】 強化繊維(2)が布帛であることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化成形
    材料。
  11. 【請求項11】 布帛の厚みが3mm以下であることを
    特徴とする請求項10に記載の繊維強化成形材料。
  12. 【請求項12】 強化繊維(2)がストランドであるこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強
    化成形材料。
  13. 【請求項13】 樹脂(3)の厚みが0.1μm〜1m
    mの範囲内であることを特徴とする請求項1〜12のい
    ずれかに記載の繊維強化成形材料。
  14. 【請求項14】 樹脂(3)が、ポリアミド樹脂、ポリ
    エステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンサ
    ルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド
    樹脂、ポリカーボネート樹脂および液晶性樹脂から選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜
    13のいずれかに記載の繊維強化成形材料。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかの繊維強化
    成形材料を成形してなる成形体。
  16. 【請求項16】 成形体の成形方法がプレス成形である
    ことを特徴とする請求項15に記載の成形体。
  17. 【請求項17】 少なくとも強化繊維(2)と樹脂
    (3)からなる繊維強化成形材料(1)の製造方法であ
    って、樹脂(3)に覆われた空間(4)内に強化繊維
    (2)を配置し、次いで空間(4)内を大気圧より低い
    圧力に減圧して、しかる後に該圧力以下に保ったまま樹
    脂(3)を密閉する繊維強化成形材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 減圧に際し、少なくとも樹脂(3)を
    ビカット軟化温度−50℃〜ビカット軟化温度+100
    ℃の範囲内で熱処理しながら減圧することを特徴とする
    請求項17に記載の繊維強化成形材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 繊維強化成形材料(1)を樹脂(3)
    のビカット軟化温度−50℃〜ビカット軟化温度+20
    0℃の範囲内で熱処理することを特徴とする請求項17
    または18に記載の繊維強化成形材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 下記(ア)〜(カ)の工程を含むこと
    を特徴とする請求項15に記載の成形体の製造方法。 (ア)成形型を樹脂(3)が離型可能な温度に温調する
    型準備工程。 (イ)繊維強化成形材料(1)を成形型内に配置するセ
    ット工程。 (ウ)繊維強化成形材料(1)を樹脂(3)が溶融・流
    動可能な温度に成形型を昇温する昇温工程。 (エ)繊維強化成形材料(1)に強化繊維(2)が実質
    的に折損しない範囲の圧力を加え、樹脂(3)を強化繊
    維(2)に含浸させ、かつ賦形する含浸・賦形工程。 (オ)成形型を樹脂(3)が離型可能な温度まで降温す
    る降温工程。 (カ)成形体を成形型から取り出す取出工程。
  21. 【請求項21】 下記(サ)〜(ソ)の工程を含む方法
    ことを特徴とする請求項15に記載の成形体の製造方
    法。 (サ)成形型を樹脂(3)が離型可能な温度に温調する
    型準備工程。 (シ)繊維強化成形材料(1)を樹脂(3)が溶融・流
    動可能な温度に加熱する加熱工程。 (ス)繊維強化成形材料(1)を成形型内に配置するセ
    ット工程。 (セ)繊維強化成形材料(1)に強化繊維(2)が実質
    的に折損しない範囲の圧力を加え、樹脂(3)を強化繊
    維(2)に含浸させ、かつ賦形する含浸・賦形工程。 (ソ)成形体を成形型から取り出す取出工程。
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