JP2002370997A - 乾燥による皮膚傷害の予防または修復 - Google Patents

乾燥による皮膚傷害の予防または修復

Info

Publication number
JP2002370997A
JP2002370997A JP2001180429A JP2001180429A JP2002370997A JP 2002370997 A JP2002370997 A JP 2002370997A JP 2001180429 A JP2001180429 A JP 2001180429A JP 2001180429 A JP2001180429 A JP 2001180429A JP 2002370997 A JP2002370997 A JP 2002370997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hairless
animal
amino acid
plants
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001180429A
Other languages
English (en)
Inventor
Chika Katagiri
千華 片桐
Junko Nomura
淳子 野村
Hiroshi Fujita
宏志 藤田
Tetsuji Hirao
哲二 平尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP2001180429A priority Critical patent/JP2002370997A/ja
Publication of JP2002370997A publication Critical patent/JP2002370997A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥による皮膚傷害を予防または修復するた
めの製剤の提供。 【解決手段】 生薬として用いられることのある植物由
来の調製物を有効成分とする乾燥による皮膚傷害の予防
または修復剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚傷害の予防ま
たは修復のための製剤および評価系に関する。
【0002】本発明は、就中、スキンケアの技術分野に
属する。
【0003】
【従来の技術】角層水分量の保持に角層中の天然保湿因
子(Natural Moisturizing Factor :NMF)が重要な働き
をしていることはよく知られている(Blank I.H. J.I.D
ermatol., 18 433 (1952); Blank I.H. J.I.Dermatol.,
21, 259 (1953))。1955年から1957年にかけ
て、NMFの組成が報告され(Spier HW and Pascher G, A
rch. Klin. n. exp. Dermatol. 199, 411 (1955); 201,
181 (1955); 203, 234(1956);204, 140 (1957))、NMF
の40%がアミノ酸類であることが明らかになった。ヒ
トの角層アミノ酸含有量の部位差は、足底や大腿と比較
して頬部でアミノ酸が低く、外界の刺激を受ける部位で
はアミノ酸含有量が低いことが分かっている(Wolfersb
erger MG et al. J. Invest. Dermatol., 60, 278 (197
3))。また、近年、老人性乾皮症、アトピー性疾患など
の乾燥肌において角層中のアミノ酸含有量が減少してい
ること(Horii I. et al., Br. J. Dermatol., 121, 58
7-591 (1989), Tanaka M. et al., Br. J. Dermato
l., 139, 618-621 (1998))が明らかになってきてい
る。また、界面活性剤で惹起した人為的な肌荒れにおい
ても、角層アミノ酸含有量が低下することが報告されて
おり(Denda M. et al. Arch. Dermatol Res., 284, 36
3-367 (1992))、 乾燥肌における角層水分量の低下の
原因が、角層アミノ酸含有量の低下にあると考えられて
いる。
【0004】乾燥(低湿度)によって肌荒れ等の皮膚傷
害を生じることは良く知られている。しかしながら、低
湿度によって生じる乾燥肌のメカニズムに関しては十分
に研究されていない。また、さらに健全な皮膚の乾燥に
よるアミノ酸産生の低下に基づく皮膚傷害を抑制すると
の観点に立った薬剤の研究もほとんどなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新た
な見地に基づく皮膚傷害の予防または修復のための製
剤、ならびにかかる製剤の効能の評価系を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低湿度乾
燥皮膚モデルにおいて、乾燥と角層水分量に関与する因
子について検討した結果、角層アミノ酸が乾燥により低
下し、そしてこのような低下が一定の生薬調製物によっ
て抑制できることを見い出した。さらに、特定環境下で
作製した乾燥皮膚モデル動物が角層アミノ酸含有量の低
下に基づく皮膚傷害のモデルとして適し、かようなモデ
ルの角層アミノ酸含有量の低下の抑制または回復に資す
る物質が有効に皮膚傷害を予防または修復しうることを
見い出した。本発明はこのような知見に基づくものであ
る。
【0007】したがって、本発明は、角層アミノ酸含有
量の低下を抑制または回復しうる生薬調製物を有効成分
とする皮膚傷害の予防または修復剤を提供する。
【0008】別の態様の本発明としては、乾燥による皮
膚傷害を予防または修復しうるか否かについての物質の
評価方法であって、(A)乾燥により低下した角層アミ
ノ酸含有量が身体のホメオスタシス維持能のみでは有意
には回復しない状態にある皮膚傷害モデル動物を用意
し、(B)該モデル動物の角層アミノ酸含有量が低下す
る前、後または途中のいずれかの時期に被験物を該モデ
ル動物の背部、側部または腹部の皮膚に塗布し、(C)
被験物の塗布によって低下が抑制されるかまたは低下が
回復する該モデル動物の角層アミノ酸含有量を、該被験
物の皮膚傷害の予防または修復能の指標とする、ことを
特徴とする評価方法、を提供する。
【0009】さらに別の態様の本発明として、ヘアレス
かつ胸腺存在の表現型を有するヘアレスマウス、ヘアレ
スかつ胸腺存在の表現型を有するヘアレスラットおよび
ヘアレスかつ胸腺存在の表現型を有するヘアレスモルモ
ットからなる群より選ばれる動物を、(a)相対湿度が
約80%以上の環境下で飼育し、次いで(b)相対湿度
が約10%以下の環境下において該動物の角層アミノ酸
含有量が有意に低下するまで飼育する、ことを特徴とす
る皮膚傷害モデル動物の作製方法、ならびに該作製方法
で得ることのできる皮膚傷害モデル動物を提供する。
【0010】
【発明の好ましい態様】本発明において、「角層アミノ
酸」とは、上述の所謂、天然保湿因子(NMF)を構成
するアミノ酸およびその誘導体を主体とするものと理解
されている。また、本発明にいう、「角層アミノ酸含有
量の低下」は、後述する皮膚傷害モデル動物を用いるこ
とにより容易に確認することができる。このような角層
アミノ酸含有量の低下を抑制または回復しうるとは、乾
燥(低湿度)環境下にさらされることによってもたらさ
れる角層アミノ酸含有量の低下を防止しうるか、或いは
ひとたび低下した該含有量が乾燥環境下にさらされない
場合の状態近くまで上昇することを意味する。
【0011】本明細書において「生薬」とは、医薬品も
しくは民間薬またはその原料として植物由来の素材に乾
燥、切断、粉砕や抽出等の操作を施して得たものを称
し、本発明の目的に沿うものであれば、植物の科または
属を問わない。しかし、限定されるものでないが、具体
的には、生薬として、マメ科(Leguminosae)のエイセ
ンハードティア属(Eysenhardtia)植物、特に、エイセ
ンハードティア・ポリスタキア(Eysenhardtia polista
chya)に由来するパロアズル[palo azul)(南
米)];キク科(Compositae)のバッカリス属(Baccha
ris)植物、特に、バッカリス・ジェニステロイズ(Bac
charis genistelloids)に由来する生薬カルクエジャ
[carqueja(南米)]、アキロクリネ属(Achyroclin
e)植物、特に、アキロクリネ・サチュレオイデス(Ach
yrocline satureoides)に由来する生薬マセラミスタ
[macelamista(南米)]、およびノコギリソウ属(Ach
illea)植物、特に、セイヨウノコギリソウ(Achillea
millefolium L.)に由来する生薬セイヨウノコギリソ
ウ;シソ科(Labiatae)のハナハッカ属(Origanum)植
物、特に、マヨラナ(Origanum majorana L.)に由来す
る生薬マジヨラムエキスおよびタツナミソウ属(Scutel
laria)植物、特に、コガネバナ(Scutellaria baicale
nsis Georgi)に由来する生薬オウゴン;バラ科(Rosac
eae)のバラ属(Rosa)植物、特に、イザヨウバラ(Ros
a roxburghii)に由来する生薬イザヨウバラ果実および
サクラ属(Prunus)植物、特に、サトザクラ(Prunus l
annesiana(Can.)Wilson var. Spciosa(Koidz)Makin
o)に由来する生薬サクラリーフエキス;マンサク科(H
amamelidaceae)のマンサク属(Hamamelis)植物、特
に、ハマメリス(Hamamelis virginiana L.)に由来す
る生薬ハマメリス;ならびにイチヤクソウ科(Pyrolace
ae)のイチヤクソウ属(Pyrola)植物、特に、イチヤク
ソウ(Pyrola japonicus Klenze)に由来する生薬イチ
ヤクソウ等を挙げることができる。
【0012】なお、以上の植物からの相当する生薬調製
物の調製は、それ自体既知の方法、例えば、廣川薬用植
物大事典、編集者木島正夫他、昭和55年、株式会社廣
川書店発行に記載の方法に準じて行うことができる。
【0013】これらの生薬調製物による角層アミノ酸含
有量の低下を抑制または回復する作用効果、或いは該作
用効果を介する皮膚傷害の予防または修復作用は、別の
態様の本発明である、上記評価方法によって確認するこ
とができる。該評価方法は、本発明者らが作製したモデ
ル動物を用いて行うことができる。モデル動物は、被験
物の皮膚への塗布および塗布後の皮膚の評価に都合よい
ようにヘアレス動物を用いるのがよい。ヘアレス動物の
例は、ヘアレスマウス、ヘアレスラットおよびヘアレス
モルモットを挙げることができる。説明を簡略化する目
的で、以下、マウスを例にとり説明するが、これらの説
明は本発明で使用できるラットおよびモルモットを理解
する上で参考にできる。
【0014】最初に毛のない突然変異として発見された
マウス、すなわちヌードマウスは、表現型としてヘアー
レスかつ胸腺欠損をもつものである。しかし、皮膚傷害
の予防または修復を評価するのに用いることができるた
めには、ヘアレスであること以外は、少なくとも健常な
動物と変わらない身体のホメオスタシス維持能を有して
いることが望まれる。したがって、本発明で用いること
のできるマウスからは、所謂、ヌードマウスは排除され
る。また、都合よくは、ヘアレスは剃毛や脱毛等により
無毛となったのでなく、表現型がヘアレスであるもので
ある。
【0015】こうして、本発明の評価系では、ヘアレス
かつ胸腺存在の表現型を有するマウス、ラットまたはモ
ルモットが都合よく用いられる。例えばこのようなマウ
スは、本発明の目的に沿う限り限定されるものでない
が、好ましくは、テンプル大学Skin and Cancer Hospit
al(米国、フィラデルフィア)の Dr.Don Forbes から
分与された Skn:HR−1系統(アルビノ系)をSPF
化し、これらの近交系の中から繁殖力のよいものとして
選ばれたヘアレスかつ胸腺存在の表現型のものを使用す
る。上記、Skn:HR−1系統は、由来不明のヘアレス
マウスと近交系のCBA/Manマウスとの交配を介し
てテンプル大学で確立された系である。これに習い、当
業者は、他の利用可能なヘアレスマウスを用いて、本発
明で使用できるヘアレスかつ胸腺存在の表現型を有する
マウス系統を確立できるであろう。なお、本発明で実施
例で使用する該表現型を有するマウスは、例えば、HR
−1ヘアレスマウスとして、埼玉県八潮市八条に居所を
有する株式会社星野試験動物飼育所より入手可能であ
る。ヘアレスラットは、日本エス・エル・シーよりHW
Yとして、また、チャールズリバーよりICO:OFA
−hr/hrとして入手可能である。ヘアレスモルモッ
トとしては、自家繁殖によるCHRを用いることができ
る。
【0016】本発明者らは、上記のごときヘアレスかつ
胸腺存在の表現型を有する動物(例えば、マウス、ラッ
トまたはモルモット)を、正常湿度(相対湿度40〜7
0%)下で飼育した後、相対湿度が約10%以下の低湿
度下で飼育した場合は低湿度飼育後に、一旦、低下した
角層アミノ酸含有量が、その後約3日目頃から自然に回
復する(理解に拘束されるものでないが、ホメオスタシ
ス維持能によると思われる。)にもかかわらず、該動物
の初発飼育を相対湿度が約80%以上の高湿度環境下で
行い、次いで相対湿度が約10%以下の低湿度下で飼育
した場合には、角層アミノ酸含有量は、一旦低下した角
層アミノ酸含有量は、回復することなく、実質的に低下
したまま保持されることを見出した。すなわち、初発飼
育を高湿度環境下で行い、次いで低湿度環境下で飼育し
ている動物は、該動物が有する生来の乾燥による皮膚傷
害からの治癒能力では回復しえない皮膚傷害が惹起され
るのである。そして、こうして惹起される皮膚傷害は、
皮膚傷害の治療薬としてその効果が認められている薬
物、例えば、ある種のステロイド類により治癒でき、ヒ
トにおいて認められる一定の皮膚傷害によく一致する症
状を示す。
【0017】したがって、上記のような動物のうち、例
えばマウスの飼育系やかかる飼育系で作製できるモデル
マウスは、皮膚傷害モデルとして適する。なお、限定さ
れるものでないが、マウスは、通常、4週齢〜50週
齢、好ましくは6週齢〜20週齢の、雄性または雌性マ
ウスを、実験マウスの飼育に用いられており、市販され
ている通常の飼育飼料(例えば、マウス用飼料CRF−
1:オリエンタル酵母製)を用いて、「実験動物施設の
建築および設備」(平成8年版ガイドライン、日本建築
学会編)に準じて飼育できる。
【0018】本発明により提供される上記生薬調製物を
有効成分とする製剤は、かかるモデル動物における角層
アミノ酸含有量の低下を抑制または回復する作用効果を
有し、現に、ヒトの皮膚傷害、特に乾燥による皮膚傷害
を予防または修復する効能を有することが確認された。
なお、角層のアミノ酸含有量の測定は、本発明の目的を
達成しうるものであれば、如何なる方法によってもよい
が、好ましくは、後述する試験例を参照に適当な改変を
行った方法により、測定することができる。
【0019】上記皮膚傷害を予防または修復する効能を
有する製剤は、無処置の場合(すなわち、如何なる薬物
も投与されていない対照)には、低湿度飼育開始後、少
なくとも約3日間は、例えば、上記モデルマウスの角層
アミノ酸含有量が、有意に回復することなく、低いレベ
ルのままの状態にあるのを、使用態様により、そのよう
な角層アミノ酸含有量が低いレベルになるのを抑制する
か、または一旦低下したレベルを回復することができ
る。
【0020】したがって、本発明によれば、上述のよう
な皮膚傷害モデル動物、特に、モデルマウスを用いる被
験物の乾燥による皮膚傷害を予防または修復しうるかの
評価方法が提供される。かような評価方法は、一定の薬
物や手段が皮膚傷害の予防または修復効果を有するか否
かの評価や、また、機能未知の薬物や手段から皮膚傷害
の予防または修復に効能を示すもののスクリーニングに
有用である。
【0021】該評価方法において、モデル動物への被験
物の塗布は、角層アミノ酸含有量が低下する前後、すな
わち、高湿度飼育前、飼育期間中、ならびに低湿度飼育
開始時、該飼育中のいずれかの1以上の時期に1回以上
行うことができる。一般に、被験物による皮膚傷害の予
防効果を評価する場合には、低湿度飼育開始前に、そし
て皮膚傷害の治療効果を評価する場合には、上記のいず
れの期間、好ましくは低湿度飼育後に被験物を塗布する
ことができる。被験物の塗布は、通常、モデル動物の角
層アミノ酸含有量に悪影響を及ぼさない溶媒または流体
中に被験物を溶解または分散させて、塗布すればよい。
塗布する部位は、限定されるものでないが、モデル動物
の背部、側部または腹部の一定の皮膚領域であることが
できる。かような塗布により、塗布しない場合には、通
常、低下し、また、低下したまま回復しない角層アミノ
酸含有量が、有意に抑制または回復する場合には、塗布
した被験物は乾燥による皮膚傷害を予防または修復しう
るので、かような角層アミノ酸含有量が被験物の有する
効能の尺度(または指標)としうる。
【0022】本発明によれば、上述のように、動物の飼
育条件のうち相対湿度を変動させることにより、確実
に、上述のような角層アミノ酸含有量を低下せしめ、そ
して低下したままに維持することができるので、皮膚傷
害モデル動物の作製方法も提供される。また、本発明に
よれば、動物が本来有しているホメオスタシス維持能の
みでは有意には角層アミノ酸含有量が回復しない状態に
あるモデル動物も提供される。かようなモデル動物は、
都合よくは、上記モデル動物の作製方法に従って作製す
ることができる。
【0023】本発明に従う、皮膚傷害の予防または修復
剤は、さらなる有効成分として保湿作用を有するポリオ
ール(それらの誘導体を含む)の1種以上を含むことが
できる。限定されるものでないが、かようなポリオール
およびそれらの誘導体は、1分子当たりの2個以上の水
酸基を有する化合物およびそれらの誘導体、例えば、エ
チレンオキシド付加物等を挙げることができる。かかる
ポリオールの具体的なものとしては、グリセリン、1,
3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、ジグリセリン、エリスリトール、グルコン
酸、1,2,6−ヘキサントリオール、イノシトール、
ラクチトール、マルチトール、マンニトール、キシリト
ール等を挙げることができる。
【0024】本発明は、さらなる有効成分または添加剤
として、ベタイン(またはグリシルベタインとも称され
ている)およびその誘導体、ならびに相当するスルテイ
ン(ベタインのカルボキシルがスルホにいれ替ってい
る)であって、化粧粧の有効成分または添加剤として用
いられているものを含むことができる。これらの具体的
なものとしては、International Cosmetic Ingredient
Dictionary and Handbook、7.Ed.,Editors,J.A.We
nninger et al.,Published by The Cosmetic,Toiletr
y,and Fragrance Association,Washington,DC 20036
-4702、1997に記載されているものを挙げることができ
る。
【0025】本発明の調製剤には、上記の有効成分の他
に、化粧品および/または皮膚科用製剤に常用されてい
る他の有効成分を含めてもよい。
【0026】本発明の製剤では、例えば、生薬調製物、
必要によりポリオールおよびベタイン類を、それぞれ、
製剤の総重量あたり、0.0001〜20重量%、好ま
しくは0.001〜0.1重量%とすることができる。
いずれにしても、それぞれ特有の使用態様について後述
する試験方法または評価方法に従って得られる結果をも
とに、さらには試験的にボランティア等で実使用した結
果などを勘案すれば、皮膚科学分野の専門家は上記有効
成分が効能を発揮するのに最適の使用量を容易に決定で
きるであろう。
【0027】本発明の製剤は化粧料、医薬品、医薬部外
品、外皮に適用されるものをさし、従ってその剤型も水
溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系、軟膏系、
クリーム系、水−油2層系、水−油−粉末3層系など、
幅広い形態をとり得る。すなわち基礎化粧品であれば、
洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス
(美容液)、パック、マスクなどの形態に、上記の多様
な剤型において広く適用可能である。メーキャップ化粧
品であれば、ファンデーション等の形態に広く適用可能
である。さらに、医薬品または医薬部外品であれば、各
種の軟膏等の形態に広く適用可能である。そして、これ
らの剤型および形態に本発明皮膚外用剤のとり得る形態
が限定されるものでは無い。
【0028】上記製剤の基剤成分は、これらの剤型およ
び形態に応じて、選ぶことができ、そして基剤成分もし
くは添加剤としては、液体油脂、固体油脂、ロウ類、エ
ステル油、炭化水素油、シリコーン樹脂、シリコーン、
陰イオン性界面活性剤、アニオン系水溶性高分子、陽イ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活
性剤、低級アルコール、ステロール類、水溶性高分子、
金属イオン封鎖剤、中和剤、pH調整剤、抗菌剤、香
料、色素等を挙げることができる。
【0029】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、これらの例は本発明を限定することを有するもの
では無い。 角層アミノ酸の測定試験: (1)低湿度乾燥皮膚モデルマウス 薬剤は低湿度にて飼育後連日、背部に塗布した。 (2)角層水分量の測定と角層アミノ酸分析 角層水分量は Skicon-200 (IBS, Hamamatsu, Japan)を
用いて測定した。角層サンプルはマウス背部皮膚約5×
7cm2の範囲をテープストリッピングを6回行って採
取した。アミノ酸はトルエンによってテープより採取し
て、水溶性画分を抽出してhigh-speed amino acid anal
yzer (HITACHI model L-8800)を用いて測定した。 (3)結果 (3−1)低湿度乾燥皮膚モデルマウス(雄性、6−1
0週齢)の、低湿度飼育により角層水分量の低下を図1
示す。正常湿度(湿度40−70%:○)から低湿度へ
移行させて飼育した場合に、図に示すように角層水分量
は低下することが明らかである。さらに、高湿度(湿度
80%以上:●)から低湿度へ移行させた場合には角層
水分量の低下が更に顕著であり、湿度変動が大きいほ
ど、角層水分量の保持能力が低下することが明らかであ
る。 (3−2)上記飼育方法による角層アミノ酸量の経時的
な変動を図2に示す。正常湿度(湿度40−70%:
○)から低湿度へ移行させて飼育した場合に、図に示す
ように角層アミノ酸量は低湿度1日目に有意に低下し、
その後、正常レベルまで回復する。さらに、高湿度(湿
度80%以上:●)から低湿度へ移行させた場合には角
層アミノ酸量の低下が更に顕著であり、低湿度にて飼育
後7日経過しても角層アミノ酸レベルは回復することな
く、低い値を示している。また、その低下はより顕著で
ある。これら結果より、湿度変動が大きいほど、角層ア
ミノ酸量の産生能力が低下することが明らかである、湿
度の低下という外部環境の変化が皮膚機能に傷害を与え
ていることが新たに明らかとなった。
【0030】また、 (3−3)低湿度による角層アミノ酸量の低下を抑制す
る作用を、低湿度乾燥皮膚モデルへの薬剤特に、エイセ
ンハードティア・ポリスタキア(Eysenhardtia polista
chya)に由来する生薬パロアズルの塗布および希釈剤
(水)の塗布により評価した結果を図4に示す。また、
該パロアズルの他に、イブキジャコウソウ(Thymus ser
phyllum Linne subsp. serphyllum)に由来するイブキ
ジャコウエキスおよびラベンダー(Lavandula officina
lls)に由来するラベンダー油を用いた結果を図3に示
す。
【0031】これらの結果より、低湿度による角層アミ
ノ酸低下を抑制する薬剤は、低湿度による角層水分量の
低下を抑制可能であることが明らかである。
【0032】これらの図から、本発明に従う製剤は、乾
燥によりうける皮膚傷害、例えば角層水分量の低下を、
角層水分を保持するために必須なアミノ酸量を維持する
ことにより有意に抑制できることが確認される。
【0033】以下、本発明に従う調製剤の処方例を示す
(数値は、特記しない限り、配合剤総重量当りの重量%
を意味する。)。 処方例1 ベヘニルアルコール 1.0 ステアリルアルコール 2.0 スクワラン 10.0 テトラオクタン酸ペンタエリスチル 5.0 ラノリン 5.0 キシリトール 5.0 パラベン 0.3 ポリオキシエチレンベヘニルアルコール 1.0 グリセリン 10.0 生薬抽出物(パロアズル) 0.5 アセチルヒアルロン酸ナトリウム 0.1 精製水 残部 処方例2 スクワラン 10.0 ミリスチン酸イソプロピル 20.0 デカメチルシクロペンタンヘキサン 35.0 アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.05 ソルビタンモノオレート 5.0 ジブロピレングリコール 3.0 生薬抽出物(カルクエジァ) 1.0 精製水 残部 処方例3 流動パラフィン 10.0 オクタメチルシクロテトラシロキサン 5.0 1,3−ブチルグリコール 10.0 グリセリン 3.0 生薬抽出物(セイヨウノコギリソウ) 0.1 キシリトール 2.0 トリメチルグリシン 0.5 カルボキシルビニルポリマー 0.15 キサンタンガム 0.25 ステアリン酸 1.5 セチルアルコール 0.5 ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.0 グリセリンモノステアリン酸エステル 1.0 エタノール 3.0 香料 適量 精製水 残部 処方例4 セトステアリルアルコール 3.5 スクワラン 20.0 ミツロウ 3.0 ラノリン 5.0 パラベン 0.3 生薬抽出物(マジョラム) 0.5 ポリオキシエチレン(20)ソノビタン モノパルミチン酸エステル 2.0 ステアリンモノグリセリド 2.0 グリセリン 3.0 ビタミンA 2.0 香料 適量 精製水 残部 処方例5 タルク 3.0 二酸化チタン 5.0 ベンガラ 0.5 黄酸化鉄 1.4 黒酸化鉄 1.0 モノステアリンポリオキシエチレンソルビタン 0.9 トリエタノールアミン 1.0 プロピレングリコール 5.0 グリセリン 3.0 生薬抽出物(イチヤクソウ) 1.0 ステアリン酸 2.2 イソヘキサデシルアルコール 7.0 モノステアリン酸グリセリン 2.0 ラノリン 2.0 パラフィン 8.0 パラベン 適量 香料 適量
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う乾燥皮膚モデルマウスの低湿度飼
育による角層水分量の低下を示すグラフである。白ヌキ
丸印(・・・○・・・)は、正常湿度から低湿度への変化を、
そして黒丸印(−●−)は、高湿度から低湿度への変化
を伴う場合である。
【図2】本発明に従う乾燥皮膚モデルマウスの初発飼育
湿度の相違による角層アミノ酸含有量の変動を対比する
グラフである。グラフ中の印は、図1と同じ意味を有す
る。
【図3】本発明に従う薬物の塗布による乾燥皮膚モデル
マウスの角層アミノ酸含有量の低下を抑制する効果を示
すグラフである。
【図4】本発明に従う乾燥皮膚モデルへの薬物(生薬パ
ロアズル)の塗布による角層水分量の低下抑制効果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/047 A61K 31/047 A61P 17/02 A61P 17/02 17/16 17/16 (72)発明者 藤田 宏志 神奈川県横浜市金沢区福浦2−12−1 株 式会社資生堂リサーチセンター (72)発明者 平尾 哲二 神奈川県横浜市金沢区福浦2−12−1 株 式会社資生堂リサーチセンター Fターム(参考) 4C088 AB12 AB26 AB38 AB51 AB52 AB59 BA08 MA02 MA63 NA14 ZA89 4C206 AA01 CA05 KA18 MA02 MA83 NA14 ZA89

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角層アミノ酸含有量の低下を抑制または
    回復しうる生薬調製物を有効成分とする皮膚傷害の予防
    または修復剤
  2. 【請求項2】 皮膚傷害が皮膚の乾燥によりもたらされ
    る請求項1記載の予防または修復剤。
  3. 【請求項3】 生薬調製物が、マメ科のエイセンハード
    ティア属(Eysenhardtia)植物、キク科のバッカリス属
    Baccharis)、アキロクリネ属(Achyrocline)および
    ノコギリソウ属(Achillea)植物、シソ科のハナハッカ
    属(Origanum)およびタツナミソウ属(Scutellaria
    植物、バラ科のバラ属(Rosa)およびサクラ属(Prunu
    s)植物、マンサク科のマンサク属(Hamamelis)植物、
    ならびにイチヤクソウ科のイチヤクソウ属(Pyrola)植
    物からなる群より選ばれる植物に由来する請求項1また
    は2記載の予防または修復剤。
  4. 【請求項4】 生薬調製物に加えて保湿作用を有するポ
    リオールも有効成分とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の予防または修復剤。
  5. 【請求項5】 マメ科のエイセンハードティア属(Eyse
    nhardtia)植物、キク科のバッカリス属(Bacchari
    s)、アキロクリネ属(Achyrocline)およびノコギリソ
    ウ属(Achillea)植物、シソ科のハナハッカ属(Origan
    um)およびタツナミソウ属(Scutellaria)植物、バラ
    科のバラ属(Rosa)およびサクラ属(Prunus)植物、マ
    ンサク科のマンサク属(Hamamelis)植物、ならびにイ
    チヤクソウ科のイチヤクソウ属(Pyrola)植物からなる
    群より選ばれる植物に由来する生薬調製物を有効成分と
    する角層アミノ酸含有量の低下を抑制または回復するた
    めの化粧用または皮膚科用配合剤。
  6. 【請求項6】 乾燥による皮膚傷害を予防または修復し
    うるか否かについての物質の評価方法であって、(A)
    乾燥により低下した角層アミノ酸含有量が生体のホメオ
    スタシス維持能のみでは有意には回復しない状態にある
    皮膚傷害モデル動物を用意し、(B)該モデル動物の角
    層アミノ酸含有量が低下する前、後または途中のいずれ
    かの時期に、被験物を該モデル動物の背部、側部または
    腹部の皮膚に塗布し、(C)被験物の塗布によって低下
    が抑制されるかまたは低下が回復する該モデル動物の角
    層アミノ酸含有量を、該被験物の皮膚傷害の予防または
    修復能の指標とする、ことを特徴とする評価方法。
  7. 【請求項7】 モデル動物が、ヘアレスかつ胸腺存在の
    表現型を有するヘアレスマウス、ヘアレスかつ胸腺存在
    の表現型を有するヘアレスラットおよびヘアレスかつ胸
    腺存在の表現型を有するヘアレスモルモットからなる群
    より選ばれる動物を相対湿度が約80%以上の環境下で
    飼育し、次いで相対湿度が約10%以下の環境下におい
    て該動物の角層アミノ酸含有量が有意に低下するまで飼
    育することによって作製される請求項6記載の評価方
    法。
  8. 【請求項8】 ヘアレスかつ胸腺存在の表現型を有する
    ヘアレスマウス、ヘアレスかつ胸腺存在の表現型を有す
    るヘアレスラットおよびヘアレスかつ胸腺存在の表現型
    を有するヘアレスモルモットからなる群より選ばれる動
    物を、(a)相対湿度が約80%以上の環境下で飼育
    し、次いで(b)相対湿度が約10%以下の環境下にお
    いて該動物の角層アミノ酸含有量が有意に低下するまで
    飼育する、ことを特徴とする皮膚傷害モデル動物の作製
    方法。
  9. 【請求項9】 低下した角層アミノ酸含有量が、無処置
    の場合には少なくとも3日間は有意に回復しないままの
    状態にある請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の方法で得るこ
    とのできる皮膚傷害モデル動物。
  11. 【請求項11】 動物がマウスである請求項10記載の
    皮膚傷害モデル動物。
JP2001180429A 2001-06-14 2001-06-14 乾燥による皮膚傷害の予防または修復 Withdrawn JP2002370997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180429A JP2002370997A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 乾燥による皮膚傷害の予防または修復

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001180429A JP2002370997A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 乾燥による皮膚傷害の予防または修復

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002370997A true JP2002370997A (ja) 2002-12-24

Family

ID=19020850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001180429A Withdrawn JP2002370997A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 乾燥による皮膚傷害の予防または修復

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002370997A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5004045B2 (ja) * 2004-02-27 2012-08-22 株式会社坂本バイオ 抗菌剤及び抗菌性組成物
JP2012188399A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Kao Corp 皮膚保湿剤
WO2023112717A1 (ja) * 2021-12-17 2023-06-22 株式会社 資生堂 Pad1の産生促進薬剤及び新薬剤評価方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5004045B2 (ja) * 2004-02-27 2012-08-22 株式会社坂本バイオ 抗菌剤及び抗菌性組成物
JP2012188399A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Kao Corp 皮膚保湿剤
WO2023112717A1 (ja) * 2021-12-17 2023-06-22 株式会社 資生堂 Pad1の産生促進薬剤及び新薬剤評価方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3782779B2 (ja) 皮膚外用剤
TWI352595B (en) Cosmetic and cosmeceutical compositions for restor
JP7275103B2 (ja) ネフェリウム・ラパセウム(Nephelium lappaceum)抽出物の新規な美容的使用
JPH08119825A (ja) ヒドロキシチロソール、皮膚外用剤又は浴用剤への応用
JPH1045533A (ja) レチノール長鎖不飽和脂肪酸エステルを有する化粧品組成物
TW200826971A (en) Compositions and methods of their use for improving the condition and appearance of skin
JP2004515523A (ja) 皮膚の老化の兆候を予防するための、少なくとも一のサポゲニン、またはこれを含有する天然抽出物の使用
DE10033717A1 (de) Kosmetische und dermatologische Zubereitung zur Beseitigung von Sebum
JP2000319155A (ja) マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、及びこれを含有して成る老化防止用皮膚外用剤
EP1179338A1 (de) Kosmetische und dermatologische Zubereitung mit einem Gehalt an Cyclodextrinen zur Beseitigung von Sebum
JP2003313135A (ja) 皮膚外用剤
JP3667291B2 (ja) 皮膚外用剤
JP4056570B2 (ja) レモングラスの抽出物含有化粧料
JP2002370997A (ja) 乾燥による皮膚傷害の予防または修復
JPH09118612A (ja) 皮膚外用剤
US7008929B2 (en) Sapogenin-based treatment
JP2001288068A (ja) 皮膚化粧料
JP5291365B2 (ja) ケラチン状態改善剤
JP2002128632A (ja) 化粧料
JP2000109417A (ja) くすみ改善用の化粧料
JPH11158054A (ja) 皮膚外用剤
JP2000096050A (ja) ヒアルロン酸産生促進剤
JP4592911B2 (ja) 化粧料
JP4045160B2 (ja) 皮膚外用剤
JP2000226311A (ja) 抗老化剤

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070131