JP2002368708A - マルチキャリアディジタルプリディストーション装置 - Google Patents

マルチキャリアディジタルプリディストーション装置

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JP2002368708A
JP2002368708A JP2001173404A JP2001173404A JP2002368708A JP 2002368708 A JP2002368708 A JP 2002368708A JP 2001173404 A JP2001173404 A JP 2001173404A JP 2001173404 A JP2001173404 A JP 2001173404A JP 2002368708 A JP2002368708 A JP 2002368708A
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distortion compensation
compensation signal
distortion
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Kazuyuki Hori
一行 堀
Shohei Murakami
昌平 村上
Masamitsu Nishikido
正光 錦戸
Toshiaki Kurokawa
敏晃 黒河
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチキャリア変調信号に適したプリディスト
ーション手段を提供する。 【解決手段】プリディストータで生成する歪補償信号の
うち、マルチキャリア変調信号と隣接チャネル漏洩歪補
償信号と相互変調歪補償信号を、それぞれ上記ディジタ
ルベースバンドI,Q入力信号に基づき、ベースバンド
周波数帯域において、独立した複数のプリディストータ
によって演算処理を行い、複数組の互いに直交する中間
周波搬送波を用いて直交変調を行い、直交変調出力を加
算合成することによって生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低歪電力増幅器、と
りわけ無線送信機として好適な歪補償型電力増幅器に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信基地局等に搭載される
無線送信機においては、高多重伝送を行うため、従来の
ような単一組のベースバンドI,Q変調信号と単一の高
周波搬送波からなるシングルキャリア変調信号に代わ
り、複数組のベースバンドI,Q変調信号と複数の高周
波搬送波からなるマルチキャリア変調信号を送信する必
要性が増している。このような無線送信機では、装置の
電力効率向上のために、できるだけ高出力で運転するこ
と、伝送特性の劣化を抑えるために、入出力特性におい
て特に高い線形性を確保することの両立が要求される。
【0003】図2に一般的な無線送信機の構成を示す。
図2は、入力された信号を高周波搬送波によって無線周
波数帯へと周波数変換する周波数変換器200と、周波
数変換によって生じるイメージ成分を除去する送信フィ
ルタ201と、電力増幅を行う電力増幅器202と、電
力増幅器202の出力に含まれる高調波歪成分を除去す
る送信フィルタ203から構成されている。
【0004】一般に、周波数変換器200と電力増幅器
202では、高出力領域で非線形性が顕著となる問題を
有している。このため、周波数変換器200と電力増幅
器202の総合の入出力特性は、図3の300に示すよ
うな非線形関数になっていると考えられる。
【0005】このような無線送信機でマルチキャリア変
調信号を送信する場合に発生する非線形歪の周波数スペ
クトラムの一例として、等離調3キャリア変調信号の場
合を図4に示す。図4のように、所望の等離調3キャリ
ア変調信号400に加えて、非線形歪として隣接チャネ
ル漏洩歪401と相互変調歪402と、高調波歪403
が発生する。このうち、高調波歪403は等離調3キャ
リア変調信号400から十分に離れた周波数帯に発生す
るので、適切な送信フィルタ203を使用することで除
去することができる。しかし、隣接チャネル漏洩歪40
1と相互変調歪402はマルチキャリア変調信号に極め
て近接した周波数帯に発生するので、送信フィルタ20
3による除去が困難となる。
【0006】そこで、無線送信機の非線形性を補償して
歪を低減する一つの方法として、プリディスト−ション
方式が各種考案されている。プリディストーションは、
従来の代表的な歪補償技術であるフィードフォワード方
式と比較して、電力増幅器202の出力に挿入される損
失分が小さいという特徴があり、装置の効率向上に好適
である。
【0007】プリディストーション方式では、まず、図
3の300に示した無線送信機の非線形入出力特性z=
g(y)をあらかじめ把握しておき、次に、希望する出
力信号zに対して、g(y)の逆関数g−1(z)に基
づき、歪補償信号y=g−1(z)を生成し、これを無
線送信機の入力とすることにより、非線形歪を補償す
る。
【0008】この場合の希望出力信号と歪補償信号の周
波数スペクトラムの状況について、図5および図6に示
す例を用いて説明する。まず、希望出力信号zの一例と
して、図5の500に示す等離調3キャリア変調信号z
(t)+z(t)+z(t)を仮定する。各キャ
リアにおける変調信号成分は、ベースバンドI,Q信号
が直交変調されたものであるとすれば、数1〜数3のよ
うに表現できる。
【0009】
【数1】
【数2】
【数3】 以上より、無線送信機の非線形入出力関数z=g(y)
に対して、y=g−1(z(t)+z(t)+z
(t))が、増幅器に入力すべき歪補償信号となる。
【0010】歪補償信号の周波数スペクトラムの概形を
図6に示す。g−1(z)もまた非線形関数であるか
ら、図6の周波数スペクトラムには等離調3キャリア変
調信号600に加えて、隣接チャネル漏洩歪補償信号6
01と、相互変調歪補償信号602と、高調波歪補償信
号603が含まれる。このことを具体的に示すために、
−1(z)が数4のように線形利得で正規化され、原
点対称で1次、3次の項を用いて近似的に表記できると
仮定する。
【0011】
【数4】 数4に含まれる3乗の項を展開すると、数5に示す結果
が得られる。数5右辺の{ }内、第1,2,3,5,
9,10項は等離調3キャリア変調信号と同じ周波数に
スペクトルを持つことから隣接チャネル漏洩歪補償信号
601に相当し、第4,6,7,8,11,12項は相
互変調歪補償信号602に相当する。残りの第13〜2
2項は高調波歪補償信号603に相当する。
【0012】
【数5】 なお、高調波歪補償信号603は主として高調波歪成分
の補償に寄与するが、高調波歪成分は送信フィルタ20
3によって除去するという前提を置くならば、歪補償信
号は必ずしも高調波歪補償信号603を含む必要はな
く、数4と数5より、数6に示す信号が歪補償信号とし
て得られればよいことになる。
【0013】
【数6】 次に、上記のような数式で表現される歪補償信号の従来
の実現方法について説明する。従来、無線送信機の非線
形入出力特性の逆特性g−1(z)の実現には、ダイオ
ードなどの素子の非線形特性が近似的に用いられてきた
が、近年のLSI技術の進歩によりプロセッサの処理能
力が各段に向上したため、ディジタル信号処理技術をプ
リディストーションに利用することで、より精密に実現
することが可能となってきた。このため、ディジタルプ
リディストーション方式は、非線形素子を用いた従来の
プリディストーションと比べて歪を大きく低減すること
が可能である。ただし、現在のディジタル信号処理技術
では無線周波数帯の高周波信号を直接処理することは困
難であるため、比較的低いディジタル中間周波数帯もし
くはベースバンド帯域での処理において実現され、最終
的には周波数変換器200での周波数変換によって無線
周波数帯の歪補償信号を得る。
【0014】まず第1の方法として、ディジタル中間周
波数帯でのプリディストーションの原理について、図7
を用いて説明する。ディジタル中間周波数帯において、
ディジタル信号処理により所望のマルチキャリア変調信
号をあらかじめ生成しておき、プリディストータ700
で上記数4の非線形演算を行い、歪補償信号を生成す
る。次にDA変換器701でアナログ信号に変換した
後、低域通過フィルタ702でエイリアス成分を阻止
し、図2の無線送信機へ信号を供給する。
【0015】なお、プリディストータ700は、記憶装
置に上記数4の関数対応をあらかじめテーブルの形で記
憶しておき、入力信号の値に応じて逐一出力値をテーブ
ルから読み出すことでも、ディジタルベースバンドI,
Q信号を直接演算することでも、実現することができ
る。どちらの手法でプリディストータ700を実現する
にせよ、プリディストータ700での演算内容そのもの
は極めて単純である。
【0016】しかしながら、この場合はマルチキャリア
変調信号を非線形演算することが原因で高調波歪補償信
号が発生してしまう点が問題となる。すなわち、プリデ
ィストータ700のナイキスト周波数を高調波歪補償信
号よりも高い値に設定しておかないと、エイリアス成分
がマルチキャリア変調信号帯域に落ち込み、正しい歪補
償信号を得ることができなくなる。さらに、補償の精度
を向上させるため高次の逆関数を適用するならば、次数
の増加に伴ってより高い周波数帯域に高次高調波歪補償
信号が発生することになるので、結果的にプリディスト
ータ700には極めて高い処理速度が要求されることに
なる。
【0017】次に第2の方法として、ベースバンド帯域
でのディジタルプリディストーションの原理について図
8を用いて説明する。従来技術の一例は特開平11−2
39190に開示されている。図8では、ベースバンド
入力信号は単一組のI,Q信号であるため、数6におい
てI,QとI,Qがゼロであるとして式の整理
を行うと、数7に示すように極めて簡単な形に変形でき
る。
【0018】
【数7】 以上より、i,qはI,Qの関数となってい
る。したがって、数7の関数関係に従って歪補償信号y
(t)を実現することができる。なお、プリディストー
タ800は、数4の関数対応を記憶装置にあらかじめテ
ーブルの形で記憶しておき、入力信号の値に応じて逐一
出力値をテーブルから読み出すことによっても、図9の
900に示すようにディジタルベースバンドI,Q信号
を直接演算することによっても実現することができる。
どちらの場合においても、電力増幅器202の非線形特
性300を把握することにより、数4における係数a3
あるいはテーブルを定めることができる。なお、直交変
調部801に関しては、必要に応じてディジタル信号処
理でもアナログ回路でも実現することができるが、後者
の場合はDA変換器801とフィルタ802はプリディ
ストータ800と直交変調部801の中間に配置する必
要がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
ディジタル中間周波数帯におけるディジタルプリディス
トーションでは、簡単な演算で実現できるためマルチキ
ャリア変調信号の歪補償に好適であるが、非線形歪補償
演算によって高調波歪補償信号が発生するため、プリデ
ィストータの動作周波数を高く設定しなければならない
点が課題となり、ベースバンド周波数帯におけるディジ
タルプリディストーションでは、従来の構成では単一組
のI,Q信号からなるシングルキャリア変調信号しか歪
補償をすることができず、マルチキャリア変調信号には
適していないという点が課題となっていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の技術課題を解決するために考案されたものであり、複
数組のディジタルベースバンドI,Q入力信号から、後
段に接続される無線送信機の非線形入出力関数とは逆の
非線形関数に基づくディジタル演算によってプリディス
トーション処理された、マルチキャリア変調信号と、隣
接チャネル漏洩歪補償信号と、相互変調歪補償信号と、
高調波歪補償信号からなる歪補償信号を生成し、これを
DA変換器によってアナログ信号に変換し、低域通過特
性を有するフィルタでエイリアス成分を取り除いた上で
無線送信機へと供給することで、無線送信機で周波数変
換および電力増幅を行う際に発生する非線形歪を相殺
し、出力マルチキャリア変調信号に含まれる非線形歪を
低減するディジタルプリディストータにおいて、前記歪
補償信号のうち、マルチキャリア変調信号と、隣接チャ
ネル漏洩歪補償信号と、相互変調歪補償信号をそれぞ
れ、上記ディジタルベースバンドI,Q入力信号に基づ
き、ベースバンド周波数帯域において、独立した複数の
プリディストータによって演算処理を行い、複数組の互
いに直交する中間周波搬送波を用いて直交変調を行い、
直交変調出力を加算合成することによって生成すること
により、前記歪補償信号に高調波歪補償信号が含まれな
いようにしたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例の無線送
信機を示す。本実施例は、無線送信機で等離調3キャリ
ア変調信号を送信する場合に、無線送信機の非線形入出
力特性の逆関数が数4のように1次項と3次項で近似的
に表現できる場合について説明するものである。
【0022】まず、第1プリディストータ101では、
3組のベースバンドディジタル信号のうち、I
,I,Qを用いて、数8に記載の演算を行い、
,q 信号を生成し、ディジタル中間周波搬送波ω
−3δωによって直交変調することにより、信号s
を得る。
【0023】
【数8】 次に、第2プリディストータ102では、3組のベース
バンドディジタル信号I,Q,I,Q,I
を用いて、数9に記載の演算を行いi,q信号
を生成し、ディジタル中間周波搬送波ω−2δωによ
って直交変調することにより、信号sを得る。
【0024】
【数9】 次に、第3プリディストータ103では、3組のベース
バンドディジタル信号I,Q,I,Q,I
を用いて、数10に記載の演算を行い、i ,q
信号を生成し、ディジタル中間周波搬送波ω−δωに
よって直交変調することにより、信号sを得る。
【0025】
【数10】 次に、第4プリディストータ104では、3組のベース
バンドディジタル信号I,Q,I,Q,I
を用いて、数11に記載の演算を行い、i ,q
信号を生成し、ディジタル中間周波搬送波ωによって
直交変調することにより、信号sを得る。
【0026】
【数11】 次に、第5プリディストータ105では、3組のベース
バンドディジタル信号I,Q,I,Q,I
を用いて、数12に記載の演算を行い、i ,q
信号を生成し、ディジタル中間周波搬送波ω+δωに
よって直交変調することにより、信号sを得る。
【0027】
【数12】 次に、第6プリディストータ106では、3組のベース
バンドディジタル信号I,Q,I,Q,I
を用いて、数13に記載の演算を行い、i ,q
信号を生成し、ディジタル中間周波搬送波ω+2δω
によって直交変調することにより、信号sを得る。
【0028】
【数13】 最後に、第7プリディストータ107では、3組のベー
スバンドディジタル信号のうち、I,Q,I,Q
を用いて、数14に記載の演算を行い、i,q
号を生成し、ディジタル中間周波搬送波ω+3δωに
よって直交変調することにより、信号sを得る。
【0029】
【数14】 以上の手続きによって発生させたs〜sの総和を求
めると、数6と等しくなっている。したがって、図1の
構成を用いて、第1〜第7プリディストータ101〜1
07において、数8〜数14に記載した演算処理を行う
ことで、高調波歪補償信号を発生させることなく歪補償
信号を得ることができるため、プリディストータの動作
周波数の増大を防止することができる。
【0030】なお、第1〜第7プリディストータ101
〜107は、数8〜数14の関数対応を記憶装置にあら
かじめテーブルの形で記憶しておき、入力信号の値に応
じて逐一出力値をテーブルから読み出すことによって
も、図10の1001〜1007に示すように、ディジ
タルベースバンドI,Q信号を直接演算することによっ
ても実現することができる。
【0031】ここで、図10の1001〜1007に示
すプリディストータを自乗器、加算器、乗算器、定数倍
器といった基本的な機能ブロックを用いて構成した一例
を、紙面の都合上図11〜図14に分割して示す。図1
1〜14のプリディストータは自乗器(SQR)110
1〜1106、1331〜1336と、加算器1111
〜1113、1141〜1143、1171〜117
6、1221〜1226、1381〜1398、140
1〜1410と、乗算器1151〜1156、1201
〜1208、1301〜1327と、定数倍器1121
〜1126、1131〜1136、1161〜116
6、1211〜1216、1231〜1236、134
1〜1370とから構成されており、各機能ブロックを
図示のように結線することによって、前記数8から数1
4に示す演算を実現することができる。
【0032】どちらの場合においても、電力増幅器20
2の非線形特性300を把握することにより、数4にお
ける係数aあるいはテーブルを定めることができる。
なお、直交変調部111〜117に関しては、必要に応
じてディジタル信号処理でもアナログ回路でも実現する
ことができるが、後者の場合はDA変換器130とフィ
ルタ140は第1〜第7プリディストータ101〜10
7と直交変調部111〜117の中間に配置する必要が
ある。
【0033】次に、本発明による第2の実施例を、図1
5を用いて説明する。前記第1の実施例では、無線送信
機の非線形入出力特性は既知であると仮定したが、実際
の運用時には温度変化、経時変化などが原因で不明であ
ることが多く、数6において隣接チャネル漏洩歪補償信
号と相互変調歪補償信号の発生量を制御する変数a
具体的な値を指定できない場合がある。そこで、本実施
例では図1と同じ構成部分1500に、後段に接続され
る無線送信機の出力マルチキャリア変調信号の一部を取
り出し、無線送信機出力に残留した歪信号成分を観測す
る残留歪観測手段1510と、上記残留歪信号成分の電
力が最小となるように歪補償信号に含まれる隣接チャネ
ル漏洩歪補償信号と相互変調歪補償信号の発生量を自動
的に調整する制御装置1520を付加する。
【0034】上記残留歪観測手段1510は、無線送信
機の出力送信信号の一部を取り出す分配器1511と、
分配器1511の出力をディジタルIF周波数帯に周波
数変換する周波数変換器1512と、周波数変換による
イメージ成分を除去するフィルタ1513と、フィルタ
1513出力をディジタル信号に変換するAD変換器1
514と、減算器1515から構成される。残留歪観測
手段1510では、減算によって出力送信信号と希望出
力信号との差分を演算し、数15で示される残留歪信号
errを抽出する。
【0035】
【数15】 制御装置1520の構成ならびに処理の一例を、図16
を用いて説明する。制御装置1520では、例えば勾配
法として知られる処理手順に従って残留歪成分を最小と
することができる。
【0036】残留歪電力errは係数aの特定の最
適値1303に対して最小となるため、図17のような
概形を示す。そこで、勾配計算部1610では、a
適当な初期値1701を与え、その点でのaに対する
勾配1700を数16に基づいて計算する。数16に含
まれるg’(y)は、無線送信機の入出力特性における
微係数を表しているが、前述の理由で具体的な関数形を
知ることはできないから、線形利得すなわち1で近似的
に代用する。その結果、勾配は残留歪信号errと、隣
接チャネル歪補償信号と、相互変調歪補償信号から近似
的に計算できる。
【0037】
【数16】 次に、係数更新部1620は数17に従って任意の微小
比例係数μを用いて係数aを更新値1702へ変更す
る。
【0038】以上説明した手順を繰り返し行うことによ
って、係数aは徐々に最適値へと接近していく。最適
値近傍では、数16に示す勾配1700がゼロに近づく
ため、係数aの更新量は徐々に小さくなり、十分な回
数の繰り返しの後にaは最適値1703に収束する。
【0039】
【数17】 以上説明したように、本発明の第2の実施例によれば、
無線送信機の非線形特性の具体的な関数形が未知である
ような場合においても、歪補償信号の発生量を制御する
係数を自動的に定めることが可能となる。
【0040】最後に、本発明を適用した無線通信基地局
の一例について、図18を用いて説明する。図18は、
本発明の第1または第2の実施例で説明したディジタル
プリディストータ1802と、ディジタルプリディスト
ータ出力歪補償信号を周波数変換および電力増幅する無
線送信機1803と、アンテナを共有するデュプレクサ
1804と、送受信を行うアンテナ1805と、受信信
号の復調を行う受信機1806と、複数組のベースバン
ドI,Q信号の変復調を行うベースバンド信号処理部1
801から構成されている。本発明のプリディストータ
1802をベースバンド信号処理部1801と無線送信
機1803の間に配置することにより、無線送信機18
03で発生する非線形歪を補償するので、良好な送信特
性を呈する無線通信基地局を提供することが可能とな
る。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、マルチキャリア変調信
号を送信する無線送信機の非線形歪を補償するディジタ
ルプリディストータにおいて、従来技術のディジタル中
間周波数帯におけるディジタルプリディストーションの
ように非線形演算を行う過程で高調波歪補償信号が発生
しないため、プリディストータの動作周波数を著しく増
加させることなく、歪補償信号を生成することができ
る。また、従来のベースバンド周波数帯におけるディジ
タルプリディストーションのように、シングルキャリア
変調信号にしか対応できないという問題を解決でき、マ
ルチキャリア変調信号に適した歪補償信号を生成するこ
とが可能となる。
【0042】また、本発明によれば無線送信機の非線形
入出力特性の関数形が不明な場合であっても、隣接チャ
ネル歪補償信号と相互変調歪補償信号の発生量を自動的
に最適化することが可能である。
【0043】なお、本発明は本実施例に記載した内容に
限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範
囲で種々の変形および拡張が可能である。例えば、本実
施例では3キャリア等離調変調信号の3次非線形逆関数
を利用したディジタルプリディストータの例を示した
が、変調信号のキャリア数および逆関数g−1(z)の
次数を増加させる場合においてもプリディストータと直
交変調器を適宜追加させることによって容易に対応可能
であり、プリディストータで実行する演算内容に関して
は、数5の計算例からの拡張によって容易に導くことが
できる。
【0044】また、制御装置の動作も本実施例に記載し
た勾配法に限定されるものではなく、例えば摂動法によ
っても同様の機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の無線機の構成を示すブ
ロック図。
【図2】従来例の無線送信機の構成を示すブロック図。
【図3】無線送信機の入出力特性図。
【図4】無線送信機で発生する非線形歪の一例を示す説
明図。
【図5】希望出力信号のスペクトラム図。
【図6】歪補償信号のスペクトラム図。
【図7】ディジタル中間周波数帯でのディジタルプリデ
ィストーションを示すブロック図。
【図8】ベースバンドディジタルプリディストーション
を示すブロック図。
【図9】演算を用いたプリディストータのブロック図。
【図10】本発明の一実施例における演算を用いたプリ
ディストータのブロック図。
【図11】本発明のプリディストータの構成例を示すブ
ロック図。
【図12】本発明のプリディストータの構成例を示すブ
ロック図。
【図13】本発明のプリディストータの構成例を示すブ
ロック図。
【図14】本発明のプリディストータの構成例を示すブ
ロック図。
【図15】本発明の第2の実施例の無線機の構成を示す
ブロック図。
【図16】図15の制御装置の構成例を示すブロック
図。
【図17】残留歪電力の概形を示す特性図。
【図18】本発明の第3の実施例による無線通信基地
局。
【符号の説明】
101…第1プリディストータ、102…第2プリディ
ストータ、103…第3プリディストータ、104…第
4プリディストータ、105…第5プリディストータ、
106…第6プリディストータ、107…第7プリディ
ストータ、111〜117…直交変調器、120…加算
器、130…DA変換器、140…フィルタ、200…
周波数変換器、201…送信フィルタ、202…電力増
幅器、203…送信フィルタ、300…無線送信機の非
線形入出力特性、117…直交変調器、400…等離調
3キャリア変調信号、401…隣接チャネル漏洩歪、4
02…相互変調歪、403…高調波歪、500…等離調
3キャリア変調信号、600…等離調3キャリア変調信
号、601…隣接チャネル漏洩歪補償信号、602…相
互変調歪補償信号、603…高調波歪補償信号、700
…プリディストータ、701…DA変換器、702…フ
ィルタ、800…プリディストータ、801…直交変調
器、801…DA変換器、802…フィルタ、900…
プリディストータ、1001…第1プリディストータ、
1002…第2プリディストータ、1003…第3プリ
ディストータ、1004…第4プリディストータ、10
05…第5プリディストータ、1006…第6プリディ
ストータ、1007…第7プリディストータ、1011
〜1017…係数、1021〜1027…係数、103
1〜1033…加算器、1041〜1043…加算器、
1101〜1106、1331〜1336…自乗器、1
111〜1113、1141〜1143、1171〜1
176、1221〜1226、1381〜1398、1
401〜1410…加算器、1151〜1156、12
01〜1208、1301〜1327…乗算器、112
1〜1126、1131〜1136、1161〜116
6、1211〜1216、1231〜1236、134
1〜1370…定数倍器、1500…本発明の第1実施
例、1510…残留歪検出手段、1511…分配器、1
512…周波数変換器、1513…フィルタ、1514
…AD変換器、1515…減算器、1520…制御装
置、1610…勾配計算部、1620…係数更新部、、
1700…勾配、1701…初期値、1702…更新
値、1703…最適値、1801…ベースバンド信号処
理部、1802…プリディストータ、1803…無線送
信機、1804…デュプレクサ、1805…アンテナ、
1806…受信機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦戸 正光 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所通信事業部内 (72)発明者 黒河 敏晃 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所通信事業部内 Fターム(参考) 5K004 AA01 AA05 AA08 BA02 BC01 FF05 JF04 5K022 DD01 DD13 DD19 DD24 5K060 BB07 CC04 CC11 DD04 FF06 HH01 KK06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数組のディジタルベースバンドI,Q入
    力信号から、出力端子に接続される無線送信機の非線形
    入出力関数の逆関数に基づく非線形ディジタル演算によ
    ってプリディストーション処理された、マルチキャリア
    変調信号と、隣接チャネル漏洩歪補償信号と、相互変調
    歪補償信号と、高調波歪補償信号からなる歪補償信号を
    生成し、これをDA変換器によってアナログ信号に変換
    し、低域通過特性を有するフィルタでエイリアス成分を
    取り除いた上で前記無線送信機へと出力することで、無
    線送信機で周波数変換および電力増幅を行う際に発生す
    る非線形歪を相殺し、出力マルチキャリア変調信号に含
    まれる非線形歪を低減するディジタルプリディストーシ
    ョン装置(プリディストータ)において、前記歪補償信
    号のうち、マルチキャリア変調信号と、隣接チャネル漏
    洩歪補償信号と、相互変調歪補償信号をそれぞれ、上記
    ディジタルベースバンドI,Q入力信号に基づき、ベー
    スバンド周波数帯域において、独立した複数のプリディ
    ストータによって演算処理を行い、複数組の互いに直交
    する中間周波搬送波を用いて直交変調を行い、直交変調
    出力を加算合成することによって生成することにより、
    前記歪補償信号に高調波歪補償信号が含まれないことを
    特徴とするディジタルプリディストータ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載したディジタルプリディス
    トータにおいて、後段に接続される無線送信機の出力マ
    ルチキャリア変調信号の一部を取り出し、無線送信機出
    力に残留した歪信号成分を観測する残留歪検出手段と、
    上記残留歪信号成分の電力が最小となるように歪補償信
    号に含まれる隣接チャネル漏洩歪補償信号と相互変調歪
    補償信号の発生量を自動的に調整する制御装置を付加す
    ることを特徴とするディジタルプリディストータ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載したディジ
    タルプリディストータと、ディジタルプリディストータ
    出力歪補償信号を周波数変換および電力増幅する無線送
    信機と、アンテナを共有するデュプレクサと、送受信を
    行うアンテナと、受信信号の復調を行う受信機と、ベー
    スバンドI,Q信号の変復調を行うベースバンド信号処
    理部からなる無線基地局。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7383028B2 (en) 2004-01-14 2008-06-03 Hitachi Communication Technologies, Ltd. Timing adjustment method for wireless communication apparatus
JP2008258704A (ja) * 2007-04-02 2008-10-23 Hitachi Kokusai Electric Inc 増幅装置
JP6056956B2 (ja) * 2013-03-15 2017-01-11 日本電気株式会社 通信装置及びその歪み抑制方法

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