JP2002367505A - 電界放出ディスプレイにおけるエミッターの製造方法 - Google Patents
電界放出ディスプレイにおけるエミッターの製造方法Info
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Abstract
上させ、かつ大量の気体を吸収放出することを防止し、
高電場動作においてカーボンナノチューブ材が剥がれて
脱落する現象を改善し、電界放出ディスプレイの信頼性
と寿命を延ばすことができる、電界放出ディスプレイに
おけるエミッターの製造方法を提供する。 【解決手段】 基板を提供するステップと、第1金属お
よび導電ペーストを混合するとともに、基板上に導電電
極を形成するステップと、導電電極上にカーボンナノチ
ューブ膜を形成するステップと、カーボンナノチューブ
膜表面に第2金属膜を形成して、前記カーボンナノチュ
ーブ膜が気体を吸収および放出することを防止するステ
ップと、電極中のガラス材料の軟化温度まで加熱して、
電極自体の基板およびカーボンナノチューブに対する付
着性を増加させるステップとを具備する。
Description
ィスプレイ(Field Emission Display=FED)における
エミッター(Emitter)の製造方法に関し、特に、電界
放出ディスプレイにおけるカーボンナノチューブ(Carb
on Nano Tube=CNT)の製造方法に関する。
anel Display)技術には、伝統的な陰極線管(Cathode
Ray Tube=CRT)、薄膜トランジスター液晶ディスプレ
イ(ThinFilm Transistor Liquid Crystal Display=TFT
-LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display
Panel=PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)等があ
る。電界放出ディスプレイは、画像形成に対する画素回
路のスイッチング動作が、液晶ディスプレイより速いの
で、光学反応時間(Optical Response Time)が比較的
短い。つまり、比較的高品質なディスプレイ効果を有し
ている。また、電界放出ディスプレイは、厚さが薄く
(約2〜10mm)、重量がより軽く(約0.2kg以下)、視野
角がより広く(約80度以上)、輝度が比較的大きく(約
150Cd/m2以上)、動作温度範囲に比較的幅があり(約-5
0℃〜80℃の間)、省エネルギー(約1ワット以下)等の
長所がある。従って、電界放出ディスプレイは、21世
紀に向けて潜在競争力の有る平面パネルディスプレイ技
術の1つと見なされている。
基板から構成され、その中間にスペーサー(Spacers)
を有する。上面のガラス板には、蛍光体(Phosphors)
が塗布され、陽極板と呼ばれる。ゲート板は、電子ビー
ムを放出する電界放出アレイ(Field Emission Array=
FEA)とすることができる。ゲート(Gate)を離れる電
界放出電子が陽極板およびゲート板上の正電圧差によっ
て加速されて、蛍光体に衝突し、いわゆる陰極蛍光(Ca
tholuminescence)を発生させる。
電界放出アレイの多くは、チップエミッター(Tip Emit
ter)に属する。それは、マトリクスアドレッシング(M
atrix Addressing)機能を有する画素によって構成さ
れ、各画素中に数百もの微小チップが含まれている。こ
のチップ構造の大きさは、約1μm(チップ底部を指
す)で、曲率半径が約0.1μmより小さい。チップの材
料は、例えば、モリブデン、タングステンまたはプラチ
ナといった金属、あるいはシリコンまたはダイアモンド
のような半導体とすることができる。そのうちでも、1
976年にCharlesSpindtが提案したモリブデンをチッ
プとする製造プロセス方法が主なものであった。しか
し、Charles Spindtが提案したチップ構造の欠点は、蒸
着器設備および引き剥がし技術につき困難性が存在して
おり、例えば、蒸着器によって提供された電子ビーム
が、さまざまな傾斜角度のチップ構造をもたらすものと
なり、しかも計器があまりにも巨大であり、制御が容易
でないだけでなく、再現性が低く、コストがかかるの
で、量産が難しいものであった。
イとして、カーボンナノチューブ(Carbon Nano Tube=
CNT)型エミッターがあり、厚膜プロセスを利用するこ
とよって、プロセスを簡略化し、コストを低下させるこ
とができる。
ーボンナノチューブ型エミッターとするものを示すと、
従来技術にかかるカーボンナノチューブ型エミッターの
製造は、通常、基板100の上にスクリーン印刷により
銀電極102を形成してから、カーボンナノチューブ膜
104で銀電極102表面を被覆すれば、カーボンナノ
チューブ型エミッターの製作が完了する。このうち、カ
ーボンナノチューブ104の形成方法には、カーボンナ
ノチューブ材と導電性を有するエポキシ(Epoxy)との
混合、あるいは化学気相堆積法(Chemical Vapor Depos
ition = CVD)によって、アセチレン、エチレンまたは
メタン/水素を反応ガスとして、鉄/コバルト/ニッケ
ルの触媒の上に高温雰囲気でカーボンナノチューブ10
4を解離成長させるものである。別なカーボンナノチュ
ーブ104を形成させる方法としては、カーボンナノチ
ューブ材と銀ペースト(Silver Paste)とを混合してペ
ーストとし、スクリーン印刷技術によって基板100上
に塗布するものがある。素子が約2〜6V/μmの高い電
界であって初めて電子を放出することができるので、陰
極および陽極(図示せず)の間に極めて大きな電場が印
加される。もしも銀電極上のカーボンナノチューブ材と
銀電極との付着性が良くなければ、カーボンナノチュー
ブ材が脱落してしまう。脱落したカーボンナノチューブ
粒子と、大きな電界が誘発する高速電子とが、同時に陽
極上の蛍光体に衝突すれば、蛍光体が脱落し、素子の寿
命を短縮させることになってしまう。
ューブ材の入手源について言えば、アーク放電方式によ
って得られるカーボンナノチューブ材は、生産効率が低
いだけでなく、付着性も良くないものである。もしも熱
分解化学気相堆積またはプラズマ強化化学気相堆積(PE
CVD)によるならば、高純度のカーボンナノチューブを
得ることができるものの、同様に、付着性が良くないと
いう欠点を有するものである。
あるので、極めて大きな表面積を有するから、大量の気
体を吸収することとなり、これらの吸収された気体によ
って、素子が後工程で高真空パッケージされる時に問題
を引き起こすことになり、また、不必要なアーク放電現
象を発生させ、ディスプレイのパーフォーマンスに悪影
響を与えることになる。
解点のすず、亜鉛、アルミニウム等の金属と銀ペースト
とを混合してから塗布する、あるいは先に銀膜を塗布し
てから化学コーティングまたは電気めっき等の方法で金
属膜を塗布して、カーボンナノチューブ材の付着性を有
効に増進させる、電界放出ディスプレイにおけるエミッ
ターの製造方法を提供することにある。この発明の第2
の目的は、カーボンナノチューブの表面上に金属膜を形
成して、カーボンナノチューブ表面を被覆することで、
カーボンナノチューブ表面が大量の気体を吸収して放出
するという欠点を有効に改善する、電界放出ディスプレ
イにおけるエミッターの製造方法を提供することにあ
る。この発明の第3の目的は、カーボンナノチューブ材
を形成した後、電極中にあるガラス材料の軟化温度まで
温度を上昇させて、ガラス材料の軟化により、基材とカ
ーボンナノチューブ材との間の付着性を改善する、電界
放出ディスプレイにおけるエミッターの製造方法を提供
することにある。
の目的を達成するために、この発明にかかる電界放出デ
ィスプレイにおけるエミッターの製造方法は、すず、亜
鉛、アルミニウムまたはアルミニウム/シリコン合金の
ような低い共溶点の硬ろう付け合金等とガラス材料を含
む銀ペーストとを混合した後にスクリーン印刷する、あ
るいは別々に基板上にスクリーン印刷して電極とするも
のである。次に、電極上にカーボンナノチューブ膜を成
長させるが、この膜は、スクリーン印刷を利用して、ア
ーク方式で作られたカーボンナノチューブ材で電極上を
被覆することができ、電極上に触媒膜を形成してカーボ
ンナノチューブを形成させることもできる。カーボンナ
ノチューブを形成した後、温度を電極中のガラス材料の
軟化温度まで上昇させ、ガラス材料の軟化によって、電
極と基板とカーボンナノチューブ材との間の付着性を増
進させ、最後に、カーボンナノチューブ上に金属膜を形
成し、カーボンナノチューブが気体を吸収することを防
止する機能を持たせるものである。
形態を図面に基づいて説明する。図2から図4におい
て、この発明にかかる電界放出アレイをカーボンナノチ
ューブ型エミッターとするものの製造フローを示す。先
ず、図2において、基板200を提供するが、基板20
0を例えばガラス基板とする。基板200上に電極20
2を形成するが、例えば銀電極とする。電極202の形
成方法は、例えば、低い溶解点のすず、亜鉛、アルミニ
ウム金属、あるいは硬ろう付け合金材質のアルミニウム
/シリコン(Al/Si)合金とガラス材を含む銀ペースト
とを混合して、スクリーン印刷で基板200上に塗布す
るものである。別な電極200の形成方法としては、先
ず銀ペーストをスクリーン印刷によって基板200上に
塗布してから、電気めっき、真空蒸着または真空スパッ
タリングにより、低い溶解点のすず、亜鉛、アルミニウ
ム金属、あるいは硬ろう付け合金材質のアルミニウム/
シリコン合金を銀ペースト上に形成することもできる。
電極202上にカーボンナノチューブ材膜204を形成
するが、カーボンナノチューブ材膜204の形成方法と
しては、例えば化学気相堆積方式によってカーボンナノ
チューブ材膜204を成長させるものがあり、カーボン
ナノチューブ材膜204の成長させる前に、先にカーボ
ンナノチューブ材膜204の成長に必要な触媒膜を形成
することができる。また、カーボンナノチューブ材膜2
04は、アーク放電あるいは化学気相堆積によって得た
粉末を調製してペーストとしてから、スクリーン印刷で
カーボンナノチューブ材膜204を電極202上に形成
することもできる。電極202が、低い溶解点のすず、
亜鉛、アルミニウム金属、あるいは硬ろう付け合金材質
のアルミニウム/シリコン合金であるので、電極202
が、基板200とカーボンナノチューブ膜204との間
において、いずれも比較的良好な付着性を有するものと
なり、ディスプレイのパーフォーマンス(Performanc
e)につき、大きく改善できるものとなる。
204の表面上を金属膜206で被覆する。金属膜20
6の材質は、例えば、ニッケル、銅などのカーボンナノ
チューブ204と比較的良い付着性を有する金属であ
り、金属膜206の形成方法は、例えば、電気めっき、
または化学めっき膜方式である。形成されたカーボンナ
ノチューブ材膜204は、かなり大きな表面積を有する
ので、容易に大量の気体を吸収し、これらの吸収された
気体が、後に素子を高真空パッケージする時に問題を発
生させることとなり、また、不必要なアーク放電現象を
引き起こすことになるので、ディスプレイのパーフォー
マンスに悪影響を与えるものとなる。従って、この金属
膜206を形成することにより、カーボンナノチューブ
材膜204を内部に含み込み、カーボンナノチューブ材
膜204に大量の気体を吸収させないようにすることが
でき、後工程の高真空パッケージ時の歩留り向上に有利
なものとなる。最後に、電極202およびカーボンナノ
チューブ材膜204を有する基板200を高温加熱雰囲
気中に置くが、例えば、高温ファーナス中において焼結
を行うものとする。
実施形態にかかる電界放出アレイであり、そのエミッタ
ーをカーボンナノチューブ型とするものの製造方法を示
す。先ず基板を提供する(S300)が、この基板を例
えばガラス基板とする。次に、基板上に電極を形成する
(S302)が、この電極の材質を例えば銀電極とし、
銀電極を形成する方法としては、例えば、ガラス材料と
銀ペーストとを混合した後、スクリーン印刷によって基
板上に塗布することで、電極と基板との間の付着性を比
較的良好なものとするものである。
カーボンナノチューブ材を形成する。またカーボンナノ
チューブ材の形成方法としては、例えば、化学気相堆積
方式によってカーボンナノチューブ材を成長させる(S
306)。そのうち、カーボンナノチューブ材の形成
(S306)は、例えば、高温雰囲気で分裂分解してカ
ーボンナノチューブ材に成長させる。また、カーボンナ
ノチューブ材の形成(S306)は、アーク放電あるい
は化学気相堆積によって得た粉末を調製してペーストと
してから、スクリーン印刷でカーボンナノチューブ材を
電極上に形成することもできる。
306)前に、先にカーボンナノチューブ材の成長に必
要な触媒を形成させる(S304)ことができ、電極と
カーボンナノチューブ材との間に比較的良好な付着性を
持たせることができる。そのうち、触媒の形成(S30
4)は、例えば、アセチレン、エチレンあるいはメタン
/水素を反応気体として、鉄、コバルト/ニッケルの触
媒上で高温雰囲気のもと分裂分解してカーボンナノチュ
ーブ材の成長させるものである。
提供(S300)から、電極の形成(S302)、触媒
の形成(S304)、カーボンナノチューブ材の形成
(S306)まで、この技術に習熟した者であれば必要
性に応じて変更することができるから、この発明につい
ての上述した製造過程は、一例の説明に過ぎず、この発
明の製造過程を限定するものではない。
て、基板の提供(S300)から、電極の形成(S30
2)、触媒の形成(S304)、カーボンナノチューブ
材の形成(S306)まで、電極と基板およびカーボン
ナノチューブ材の間の付着性をいくらか増進させるもの
の、改善の余地がまだある。従って、この実施形態で
は、カーボンナノチューブ材を形成(S306)してか
ら、電極内のガラス材料の軟化温度まで加熱する(S3
08)。加熱された温度により、もともと電極中に存在
するガラス材料を軟化させることができ、軟化後のガラ
ス材料が、電極自体の基板およびカーボンナノチューブ
材に対する付着力を大幅に向上させることができる。
により開示したが、もとより、この発明を限定するため
のものではなく、当業者であれば容易に理解できるよう
に、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更
ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特
許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等
な領域を基準として定めなければならない。
放出ディスプレイにおけるエミッターの製造方法は、少
なくとも、以下のような長所を有するものである。1.
この発明は、低い溶解点のすず、亜鉛、アルミニウム金
属、あるいは硬ろう付け合金材質のアルミニウム/シリ
コン合金材質と銀ペーストとを混合し、後に形成される
カーボンナノチューブ材膜と電極との間に比較的良い付
着性を備えさせるので、高電場動作におけるカーボンナ
ノチューブ材膜の脱落を有効に改善し、これにより電界
放出ディスプレイの寿命を延ばすことができる。2.こ
の発明は、カーボンナノチューブ材膜をカーボンナノチ
ューブ材膜との付着性が良い金属膜で外部から被覆し
て、カーボンナノチューブ材膜が大量の気体を吸収およ
び放出することを有効に防止することができるので、後
工程の高真空パッケージの歩留りを向上させることがで
きる。3.この発明は、電極の材質を変更するととも
に、カーボンナノチューブ材膜を外部から被覆する金属
膜を組み合わせることで、電界放出ディスプレイの信頼
性と、後工程の高真空パッケージの歩留りと、素子の寿
命とを同時に向上させることができる。4.この発明に
おいて、電極中のガラス材料が、電極を形成する前に、
加熱により軟化するので、電極と基板とカーボンナノチ
ューブ材との間に比較的良い付着性を備えるものとな
り、カーボンナノチューブ材が高電場動作において剥が
れて脱落する現象を改善し、電界放出ディスプレイの信
頼性ならびに寿命を延ばすことができる。従って、産業
上の利用価値が高い
ボンナノチューブ型エミッターを示す説明断面図であ
る。
ボンナノチューブ型エミッターの製造方法を示す説明断
面図である。
ボンナノチューブ型エミッターの製造方法を示す説明断
面図である。
ボンナノチューブ型エミッターの製造方法を示す説明断
面図である。
ボンナノチューブ型エミッターの製造方法を示すフロー
チャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板を提供するステップと、 金属および導電ペーストを混合して前記基板上に電極を
形成するものであって、前記金属の材質が、すず、亜
鉛、アルミニウムまたはその他の低い溶解点の金属から
なるグループの1つから選択されるステップと、 前記電極上にカーボンナノチューブ膜を形成するステッ
プとを具備する電界放出ディスプレイにおけるエミッタ
ーの製造方法。 - 【請求項2】 基板を提供するステップと、 第1金属および導電ペーストを混合するとともに、前記
基板上に電極を形成するステップと、 前記電極上にカーボンナノチューブ膜を形成するステッ
プと、 前記カーボンナノチューブ膜表面に第2金属膜を形成し
て、前記カーボンナノチューブ膜が気体を吸収ならびに
放出することを防止するステップとを具備する電界放出
ディスプレイにおけるエミッターの製造方法。 - 【請求項3】 基板を提供するステップと、 前記基板上に電極を形成するものであって、前記電極中
にガラス材料を混合させるステップと、 前記電極上にカーボンナノチューブ材を形成するステッ
プと、 加熱を行って、前記ガラス材料を軟化させるステップと
を具備する電界放出ディスプレイにおけるエミッターの
製造方法。
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JP (1) | JP3706329B2 (ja) |
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