JP2002365766A - 写真要素 - Google Patents

写真要素

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JP2002365766A
JP2002365766A JP2002126622A JP2002126622A JP2002365766A JP 2002365766 A JP2002365766 A JP 2002365766A JP 2002126622 A JP2002126622 A JP 2002126622A JP 2002126622 A JP2002126622 A JP 2002126622A JP 2002365766 A JP2002365766 A JP 2002365766A
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Glenn M Brown
モンロー ブラウン グレン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強靱で耐汚染性を有する写真要素を提供する
こと。 【解決手段】 表側から裏側に向かって順に、(a)少な
くとも60μmの厚さおよび50〜200mNの曲げ剛性を有す
る無孔性の不透水性透明支持体;(b)前記支持体の片面
上に重ねられた少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層;
(c)乳剤層により形成される画像のための背景の不透明
度および白色度を有効に付与するための反射性層;並び
に(d)前記反射性層上に存在する、0.5〜10μmの厚さお
よび少なくとも0.54g/m2(50mg/ft2)の乾燥レイダウンを
有する処理液が浸透可能な透明または不透明な保護層で
あって、30〜95固形分質量%の水分散性ポリマーと5〜
70固形分質量%の水溶性ポリマーを含むコーティング組
成物から作られ、水溶性ポリマーの30質量%超が写真処
理の間に洗い落とされるような保護層を含んでなり、前
記反射性層と前記保護層の合計光反射率が80%超である
写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強靱で、耐汚染性
を有する透明な観察面と、処理液が浸透可能な耐汚染性
を有する裏側とを具備する写真要素を提供する。特に、
本発明は、引掻きや汚れから保護する透明な支持体を通
して観察される写真プリントをもたらす。この写真要素
の透明支持体の反対側には、処理液が浸透可能なオーバ
ーコートが存在し、このオーバーコートは写真処理され
た製品において耐水性となる。1つの態様において、こ
のオーバーコートと画像形成層の間に存在する別個の白
色層または散乱層が画像にとって適切な背景を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真要素は、親水性乳剤中
に感光性ハロゲン化銀を含む。そのハロゲン化銀を光ま
たは他の化学放射線に暴露し、そして露光されたハロゲ
ン化銀を現像してハロゲン化銀を元素状の銀に還元する
ことによって、当該要素に画像を形成する。カラー写真
要素において、幾つかの様々なプロセスのうちの1つに
よるハロゲン化銀現像の結果として色素像が形成され
る。ハロゲン化銀現像の副生成物であるハロゲン化銀現
像主薬酸化体をカプラーと呼ばれている色素形成化合物
と反応させることが最も一般的である。銀および未反応
のハロゲン化銀を、次に、写真要素から除去して色素像
を残す。
【0003】いずれの場合においても、画像の形成は、
水溶液による液体処理を一般的に伴う。この水溶液は、
写真要素の表面に浸透してハロゲン化銀およびカプラー
に接触する必要がある。従って、ゼラチンおよび類似の
天然または合成の親水性ポリマーがハロゲン化銀写真要
素に一般的に好ましいバインダーであることが分かって
いる。残念なことに、ハロゲン化銀結晶と水性処理液と
の接触を促進するようにゼラチンまたは類似のポリマー
を配合した場合に、得られるコーティングの指紋や汚れ
に対する抵抗性は、特に画像形成された写真要素がさま
ざまな機会および状況で通常遭遇するであろう取扱いま
たは環境を鑑みると、望まれるほどではない。従って、
画像形成された要素に指紋の跡が永久的に残る場合があ
る。画像形成された要素は、食品や飲物といった一般的
家庭用品、例えばコーヒーのこぼれたもので容易に汚れ
得る。
【0004】水または水溶液による損傷から画像を保護
するゼラチン系写真システム用保護層を提供しようとす
る試みが長年にわたってなされている。米国特許第2,
173,480号明細書には、乾燥前の写真処理の最終
工程として、湿ったフィルムにコロイド懸濁物を適用す
る方法が記載されている。写真処理完了後に画像上に保
護層を溶剤塗布する方法が一連の特許文献、例えば米国
特許第2,259,009号、第2,331,746
号、第2,798,004号、第3,113,867
号、第3,190,197号、第3,415,670号
および第3,733,293号の各明細書に記載されて
いる。米国特許第5,376,434号明細書には、画
像を担持しているゼラチン含有層上にラテックスを塗布
し乾燥させることにより写真プリント上に形成された保
護層が記載されている。様々なラミネーション技術が周
知であり産業界で実践されている。米国特許第3,39
7,980号、第3,697,277号および第4,9
99,266号の各明細書には、処理された画像上に保
護層としてポリマーシートフィルムを積層する方法が記
載されている。
【0005】画像形成後に適用する必要のある保護コー
ティングは、コーティング法による場合でも積層法によ
る場合でも(幾つかは先に述べた通り)、最終的な画像
形成された製品のコストを著しく高める。処理装置を変
更する必要があり、処理作業を行う人員を、保護コーテ
ィングを適用できるように訓練する必要がある。多くの
特許が、現像に先立って写真要素に適用できる耐水性保
護コーティングに関するものである。例えば、米国特許
第2,706,686号明細書には、耐水性および耐指
紋性を付与する目的で、処理液に対する透水性の程度が
高い多孔質層で感光性層を露光に先立って被覆すること
により写真乳剤用のラッカー仕上げを形成することが記
載されている。処理後、ラッカー層を溶融させ合体させ
て連続的な不浸透性コーティングにする。より最近にな
って、Bohan 等の米国特許第5,853,926号明細
書に、写真要素用の保護コーティングが開示された。こ
の保護コーティングの形成は、ポリマー粒子と軟質ポリ
マーラテックスバインダーを含んでなる水性コーティン
グの適用を伴う。このコーティングは、写真処理液の適
切な拡散を可能にし、露光および処理後にコーティング
作業を必要としない。しかしながら、これもまた、連続
的で不透水性の保護コーティングを形成するには、疎水
性ポリマー粒子を溶融させる必要がある。米国特許第
5,856,051号明細書には、オーバーコート配合
物において、バインダーとしてゼラチンを含む疎水性粒
子の使用が開示されている。この発明は、写真製品に組
み込むことができる水性塗布可能な耐水性保護オーバー
コートであって、写真処理液が適切に拡散することがで
き、露光および処理後にコーティング作業を必要としな
い保護オーバーコートを示した。しかしながら、これも
また、保護オーバーコートを耐水性にするために現像所
による溶融が必要である。
【0006】米国特許出願第09/235,436号明
細書には、酸官能基を有するウレタン−ビニルコポリマ
ーを含む、処理液が浸透可能なオーバーコートの使用が
開示されている。一般譲渡された米国特許出願第09/
235,437号および米国特許出願第09/448,
213号(代理人事件番号80220)明細書には、処
理性を改良しコーティング欠陥を減少させるためにゼラ
チンまたはポリビニルアルコール等の第2のポリマーを
使用することが開示されている。一般譲渡された米国特
許出願第09/621,267号(代理人事件番号80
609)明細書には、処理液が浸透可能なオーバーコー
トであって、高温で合体して耐水性保護オーバーコート
になる様々な水に分散したポリマーを含むオーバーコー
トの使用が開示されている。
【0007】このように、画像形成層の写真現像を可能
にしたままプリントの画像側に保護性を付与するため
に、ポリマーラテックスオーバーコートがコーティング
されてきた。しかしながら、これらのオーバーコート
は、しばしば完全なまたは望ましい保護性を付与するこ
とができない。具体的に述べると、それらは処理の間に
いくぶん損傷を受けやすい。
【0008】反射光により観察するカラー画像(「カラ
ーペーパー」)を生成させるための従来の写真要素で
は、不透明支持体層、例えば、ポリエチレン等のポリマ
ーをコーティングすることにより片面または両面を疎水
性にすることができる紙が伝統的に使用されている。不
透明支持体層は、反射光で観察するための生成しようと
する画像のための色味のついた、好ましくは白色の光反
射性の画像背景を一般的に提供する。対照的に、Trautw
eilerの米国特許第4,355,099号明細書には、
透明支持体と画像形成層とゼラチンベースの保護層を含
んで成る画像形成層が開示されている。写真層を露光
し、そして得られた画像を透明支持体層をとおして観察
するが、現像に必要な処理液は、活性なコーティングさ
れた側から写真層に滲入し、そして処理後に画像形成要
素が主たる支持体に結合する。主たる支持体へのこの材
料(保護層)の結合を促進するため、透明な層状支持体
は厚さ50μm以下の薄い補助的な支持体である。1つ
の特定の態様において、生成した画像が主たる支持体の
反射特性と無関係であるように写真層上に反射性層を配
置することができる。Trautweilerの写真要素は、伝統
的なゼラチンオーバーコートの欠点の幾つか、すなわち
前述の水や汚れに対する影響の受けやすさを解消する。
Trautweilerの画像形成要素の1つの欠点は、その処理
に使用される方法が必然的に、非常に面倒な主たる支持
体への材料の結合を伴う点にある。
【0009】Schon 等の米国特許第4,480,027
号明細書には、透明な支持体と画像形成層と反射性層と
をこの順序で有する画像形成要素が開示されている。こ
の反射性層は、アルカリ性現像液に対して透過性のもの
でなくてはならない。必須ではないが、この特許明細書
には反射性層がバインダーとしてゼラチンを含んで成る
ことができることが開示されている。Schon 等は、この
画像形成要素の画像側で汚染試験を行った(この場合に
は、画像形成要素は透明支持体により保護される)。Sc
hon 等は、反射性層側での汚染試験は行わなかった。Sc
hon等およびTrautweilerの特許明細書には、積層を行な
うという場合を除いて、両面で処理可能であり耐汚染性
を示す画像形成要素は教示していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】画像形成層の写真現像
を可能にしたままプリントの画像側に保護性を付与する
ためのポリマーラテックスオーバーコートが画像形成要
素にこれまでオーバーコートされてきた。しかしなが
ら、これらのオーバーコートは、処理の間に幾分損傷を
受けやすく、好ましくない外観をもたらすことがある。
オーバーコートのいかなる引掻き傷も見えるであろう
し、オーバーコートが汚れや水から画像を保護するのを
妨げることがある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、強靱で、耐汚
染性を有する透明な観察面と、処理液が浸透可能な耐汚
染性の裏側を具備する写真要素を提供する。得られる写
真プリントは、引掻きや汚れからの保護性を備えた透明
支持体を通して観察される。透明支持体の反対側の写真
要素の側には、処理液が浸透可能な保護コーティングが
存在する。この保護コーティングは、写真処理された製
品において耐水性になる。保護コーティング用の配合物
は、水溶性ポリマー中に分散された少なくとも1種の水
分散性ポリマー(またはラテックス)を含む。現像の間
または後で、乾燥前に、水溶性ポリマーをかなりの程度
除去し、残留する水分散性ポリマーの合着を促進させ、
耐水性かつ耐汚染性を有する連続的な保護オーバーコー
トを形成する。保護層が画像のための不透明背景を提供
し、および/またはポリマーコーティング層と画像形成
層の間に白色もしくは散乱層を設けることもできる。
【0012】このポリマーコーティングは、プリントの
裏側に水と汚れに対する保護性を付与する。プリントの
裏側から画像を観察しないため、プリントの裏側での軽
度の引掻き傷または損傷は重要視されない。観察面を形
成する透明支持体は、強靱で、耐汚染性を有し、潜在的
な損傷を伴わずにきれいに拭くことができるものであ
る。処理を完了した後、プリントの裏側も耐汚染性にす
る。これらの種類のポリマーフィルムに固有の些細な欠
点(blemishes)は画像品質に影響を及ぼさず、プリン
トの耐久性は維持される。本発明の別の側面は、上記の
画像形成要素に画像を形成し、そしてオーバーコートを
耐水性コーティングにする方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、処理された写真要素の
耐水性、耐汚染性および耐摩耗性を改良するする単純で
費用のかからない方法を提供する。写真要素に関して
「表」または「表側」とは、画像捕獲または画像現像の
前または後に、潜像を捕獲するか現像画像を観察する写
真要素の側を意味する。同様に、写真要素に関して
「裏」または「裏側」とは、画像捕獲または画像現像の
前または後に、潜像を捕獲するかまたは現像画像を観察
する側から離れている写真要素の側を意味する。
【0014】「耐水性」なる用語は、本明細書におい
て、通常の写真処理および乾燥の後に、水を吸収せず、
または水性の汚れが写真要素の画像形成側を変色させる
ことを妨げるもしくは最低限に抑えることを意味する。
「非架橋ゼラチン」なる用語は、水溶性であるゼラチン
を意味する。水分散性ポリマーを乾燥させることおよび
/または合体(coalescence)を促進させることに関し
て、本明細書において使用する「高温」なる語句は、3
0〜80℃、好ましくは45〜60℃の温度を意味す
る。対照的に、溶融(fusing)は、典型的には、圧力ロ
ールまたはベルトと、溶融前の画像形成された要素の乾
燥を必要とする。溶融は、典型的には水の沸点を超え
る、通常は100℃を超える高い温度を一般的に必要と
する。トップコートまたはオーバーコートなる用語は、
支持体から最も離れている支持体のコーティングされる
側にある層を意味する。
【0015】前述のように、本発明は、強靱で、耐汚染
性を有する透明な観察面と、処理液が浸透可能な耐汚染
性の裏側を具備する写真要素を提供する。得られる写真
プリントは、引掻きや汚れからの保護性を備えた透明支
持体を通して観察される。透明支持体の反対側の写真要
素の側には、処理液が浸透可能なコーティングが存在す
る。このコーティングは、写真処理された製品において
耐水性になる。オーバーコート配合物は、水溶性ポリマ
ー中に分散された少なくとも1種の水分散性ポリマー
(またはラテックス)を含む。現像の間または後で、乾
燥前に、水溶性ポリマーをかなりの程度除去し、残留す
る水分散性ポリマーの合体を促進させ、耐水性かつ耐汚
染性を有する連続的な保護コーティングを形成する。画
像のDminを有効に提供するように、ポリマーコーティ
ング層と画像形成層の間に白色または散乱層を設けるこ
とが好ましい。しかしながら、独立した反射性層の必要
性をなくすために、保護コーティングが反射性粒子を含
んでもよい。
【0016】画像の反対側にある保護コーティングには
幾つかの利点がある。ポリマーオーバーコートは、軽度
の引掻き傷や他の表面の損傷が重要視されないプリント
の裏側に水や汚れに対する保護性を付与する。対照的
に、観察面を形成する透明支持体は強靱であり、防汚性
を有し、潜在的な損傷なしに濡れた布で拭くことができ
るものである。画像上に使用される伝統的なオーバーコ
ートと比較して、透明支持体を清浄にするためにより有
効なクリーニング剤を使用することができる。処理を完
了した後、プリントの裏も防汚性にする。これらの種類
のポリマーフィルムに固有の些細な欠点は画像品質に影
響を及ぼさず、プリントの耐久性は維持される。さら
に、保護オーバーコートが透明である必要はないため、
より広範囲の材料(濁りのある材料を包含する)の選択
が可能である。オーバーコート材料はより多孔度の高い
ものであることができ、また、より大きなサイズの粒子
を含むことができる。さらに、保護オーバーコートは、
耐汚染性および耐水性を提供するものであるが、反射性
オーバーコート(例えばさらなる保護性を提供する二酸
化チタン)と組み合わせて更に使用することができる。
いかなる欠陥または表面損傷をも隠蔽する中間反射性層
を通しては、軽度の摩耗、引掻き傷または擦り傷は見え
ない。
【0017】本発明の1つの態様によれば、透明支持体
上に画像形成パック(imaging pack)をコーティング
し、次いで白色/反射性層およびポリマーラテックス保
護層をコーティングすることによって、保護されたプリ
ントを作製することができる。ポリマーコーティングお
よび反射性層は両方とも写真薬剤が拡散でき、プリント
画像の形成が可能なものである。写真処理後、ポリマー
層は、プリントの裏に汚れおよび水に対する保護性を付
与する。透明な支持体を通してプリントを観察し、その
支持体は、プリント表面に対する実質的な保護性(擦り
傷、汚染、洗い落ち性等に対する)を提供する。従っ
て、プリントの両側が、こぼれ屑から保護され、一方、
表の観察側は、引掻き傷のような物理的損傷から良好に
保護される。
【0018】従って、本発明の1つの態様において、写
真要素は、当該写真要素の表側から裏側に順に、透明支
持体と、前記支持体の上に重ねられた少なくとも1つの
ハロゲン化銀乳剤層と、白色または散乱反射性層と、写
真処理を妨げない処理液が浸透可能な保護コーティング
組成物(好ましくは写真要素の裏側用のトップコート)
とを含んで成る。典型的には、このコーティングは、水
分散性のポリマー粒子を含む。本発明の材料は、ラテッ
クスの形態にあるコーティング配合物に導入されても、
慣用的な分散体のようにバインダーとして機能する水溶
性ポリマー中に導入されてもよい。処理の間に実質的に
洗い落とされる水溶性成分の存在によって、写真処理を
許容可能な速度で行なうことができる。水溶性成分の洗
い落ちによって、最終製品での水分散性材料の合体が促
進される(この合体は乾燥に通常付随する高温によりさ
らに促進される)。
【0019】本発明の1つの態様において、画像形成要
素の裏側に適用される保護層用のコーティング組成物
は、オーバーコートの乾燥レイダウンを基準にして30
〜95質量%の、平均粒度0.01〜10μmの水分散
性ポリマー粒子を含む。この水分散性ポリマーは、−4
0〜80℃の間のTg (ガラス転移温度)により特徴づ
けられる。
【0020】本発明の別の態様において、写真要素は、
表側から裏側に向かって順に、(a)透明支持体、
(b)前記支持体の上に重ねられた少なくとも1つのハ
ロゲン化銀乳剤層、前記ハロゲン化銀乳剤層の上に重ね
られた(c)白色反射性層であって、バインダーとは異
なる屈折率を有する粒子または顔料を含む白色反射性
層、および(d)処理液が浸透可能な保護トップコート
であって、5固形分質量%未満の架橋ゼラチンを含む実
施的にゼラチンフリーのオーバーコート配合物から調製
された少なくとも0.54g/m2(50mg/ft2
のレイダウンを有する保護トップコートを含んで成る。
一般的に、このオーバーコート組成物は好ましくは水溶
性の親水性ポリマーを含み、この親水性ポリマーは処理
の間のその洗い落としが容易になるように、また、少な
くとも部分的には水分散性ポリマー粒子の合体を促進す
るように、典型的には架橋されていない。ある態様にお
いて、反射性層は、反射性の粒子かまたは中空のもしく
はボイドを有する球体を含む。好ましい態様において、
反射性層は、ゼラチン中に二酸化チタンを含む。この反
射性層は、単独でまたは保護トップコートとの組み合わ
せで、形成/現像された画像に対する背景を形成するた
めの有効な不透明度および白色度を与えるべきである。
【0021】本発明の別の態様において、適用された裏
側のトップコート組成物は、写真処理の間に水溶性ポリ
マーの30質量%超が洗い落ちるように約30〜95固
形分質量%の、10μm未満の平均粒度および−40〜
80℃の間のTg を有する水分散性ポリマー粒子と、5
〜70固形分質量%の水溶性の親水性ポリマーを含む。
ただし、架橋されていない水溶性ポリマーに対する水分
散性の疎水性ポリマー粒子の質量比は60:40〜8
5:15であり、そのためにオーバーコートは、処理後
に溶融なしでも耐水性オーバーコートを形成する。オー
バーコートは、Dmin、不透明度および白色度に寄与す
る追加の粒子、例えば反射性粒子を含んでよい。
【0022】前述のように、写真要素の裏側で保護層を
形成するトップコートは、不透明、半透明または透明な
ものであることができ、適切に設計された場合には、別
個の反射性層の必要性を最低限に抑えるかまたは排除す
ることができる。水溶性ポリマーの30質量%を洗い落
とせることに関し、これは、いかなる常用のRA4写真
処理法、例えばコダックRA4処理に対しても求めるこ
とができる。RA4なる用語の中のRAとは、Handbook
of Photographic Science and Engineeringの添付の第
438頁および第460頁に示されているようなラピッ
ドアクセス処理を意味する。この用語の中の「4」なる
数字は、この場合、処理にかかる時間を意味する。RA
4処理は、米国および世界中においてミニラボで一般的
に使用されている。RA4処理は、RA4処理用に設計
されたいかなる印画紙も任意のRA4処理に従って世界
中のどこでも処理でき、満足な結果をもたらすという限
りで一様である。
【0023】1つの態様において、反射性層は、反射性
の粒子か、中空のもしくはボイドを有する球体を含む。
好ましい態様において、反射性層は、ゼラチン中に二酸
化チタンを含む。図1を参照すると、透明支持体3と、
画像生成のための任意の他の補助層と共に感光性材料を
構成する複数の写真乳剤または画像形成層5(場合に応
じてカラーユニット層を含む)と、反射性のベースまた
は層7(白色顔料が添加されていてもよい)と、保護層
9とを含む複合写真画像形成要素1の断面図が示されて
いる。反射性層は、乳剤層により形成される画像のため
の背景不透明度および白色度を与えるためのものであ
る。いかなる場合でも、反射性層と保護層の全光反射率
は80%超、好ましくは90%超である。
【0024】図2の態様において、透明またはクリアー
な支持体13と、画像生成のための任意の他の補助層と
共に感光性材料層を構成する複数の写真乳剤または画像
形成層15とを含む複合写真画像形成要素11の断面図
が示されている。この態様において、ポリマー保護層1
7は、不透明であり、白色顔料入りである。この場合
に、保護層単独の光反射率は80%超、好ましくは90
%超である。従って、この態様において、独立した1つ
または複数の反射性層は必要でない。
【0025】本発明のカラー写真要素用の透明支持体
は、60〜250μm、好ましくは70〜200μm、
より好ましくは80〜150μmの厚さを有する耐汚染
性であり無孔性の不透水性透明材料であることが好まし
い。この支持体の厚さが薄すぎる場合には、その強度は
非常に低くなり、引掻き傷が貫通しやすくなるであろ
う。この透明支持体層は、写真に使用されている普通の
透明支持体、例えばセルロースエステル、ポリエチレン
テレフタレート、PEN、アセテート、ポリカーボネー
トまたは他の皮膜形成性ポリマーのフィルムのいずれか
ら成っていてもよい。本発明の写真要素に使用される透
明支持体層は主たる支持体層としての機能も果たすた
め、本発明の写真要素に使用される透明支持体層は十分
な剛さと寸法安定性を有するものでなくてはならず、5
0〜250ミリニュートンの曲げ剛性を示すことが好ま
しい。曲げ剛性は、LORENTZEN & WETTRE STIFFNESS TES
TER, MODEL 16Dを使用して求められる。この装置からの
出力は、長さ20mmおよび幅38.1mmの試料の片
持ち梁で支えられ固定されてない端部を未荷重位置から
15度の角度で曲げるのに必要とした力(ミリニュート
ン単位)である。この条件は、概して、60μm以上の
厚さを有する普通の透明層支持体を使用することによっ
て満たされる。しかしながら、いかなる個々の場合に使
用される個々の厚さは、主に支持体材料の性質およびそ
の光学的特性に依存する。例えば、90μmを超える厚
さも、セルローストリアセテート箔を使用する場合に満
足な結果をもたらし、一方、ポリエチレンテレフタレー
ト箔を使用する場合には70μmを超える厚さが非常に
適切である。透明支持体として好ましい材料はPETま
たはPENである。
【0026】支持体層の支持特性とは別のもう1つの重
要な特徴は、支持体層が十分な透明性を有するべき点に
ある。本発明の画像形成要素を使用して生成されるカラ
ー画像は支持体層を通して観察することを要するため、
支持体が光学的に透明であり、様々な方向から観察して
もカラー画像が妨害されずに見えるものでなくてはなら
ない。特に、あらゆる画像点が、全反射の臨海角未満の
あらゆる観察角で観察者の両目に見えるものでなくては
ならない。本発明の画像形成要素の光に対する安定性を
改良するために、本発明の画像形成要素に適用される層
状支持体または透明補助層に既知の方式で紫外線吸収剤
を備えてよい。透明支持体を、艶消表面または他の望ま
しい表面形態および特性を含む所定の平滑性または光沢
を与えるように型押ししてもよい。例えば、非常に滑ら
かな透明支持体は、画像形成された要素に光沢のある表
面を与えるであろうし、テキスチャーを有する表面は画
像形成要素に艶消面またはテキスチャーを有する表面等
を与える。透明支持体は、紫外線吸収性を付与して紫外
線により誘発される退色から画像を保護するために、紫
外線吸収剤を含んでよい。他の可能な添加剤としては、
殺生物剤、滑剤、顔料等が挙げられる。
【0027】本発明の写真要素の感光性要素は、少なく
とも1つのハロゲン化銀乳剤層と、このハロゲン化銀乳
剤層と以下で詳しく述べるように関連する少なくとも1
つのカラーカプラーを含む。「関連する」なる用語は、
ハロゲン化銀乳剤層とカラーカプラーの空間的配置が、
発色現像の間に形成される銀像と発色のために生じた色
素の像様分布との間に像様対応が生じるような方式でハ
ロゲン化銀乳剤層とカラーカプラーが発色現像の間に相
互作用することができるようなものであることを意味す
る。カラーカプラーは、この目的のために感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層中に存在する必要はなく、ハロゲン化銀乳
剤層に隣接するバインダーの非感光性層中に同等に存在
することができる。典型的には、本発明のカラー写真要
素は、分光感度がそれぞれ異なる少なくとも3つのハロ
ゲン化銀乳剤層とそれらと関連するカラーカプラーを概
して含む。本明細書で使用する「関連する」なる用語
は、ハロゲン化銀乳剤層の分光感度と、関連するカラー
カプラーから発色現像により生成した色素の色との間の
関係も含む。一般的に、画像色素の色は、関連するハロ
ゲン化銀乳剤層に記録される光の色の補色である。分光
感度がそれぞれ異なる様々なハロゲン化銀乳剤層は、必
ずしも特定の順序で配列するする必要はなく、その配置
は個々の層の特定の要件および特性(例えば現像動力
学)に依存する。従って、例えば、赤増感ハロゲン化銀
乳剤層を透明支持体のすぐ隣に配置するか、またはハロ
ゲン化銀乳剤から最も離して、すなわち光反射性不透明
層のすぐ隣に配置することができる。他の乳剤層につい
ても同様なことが言える。
【0028】前述のように、反射性層は、反射性粒子ま
たは中空のもしくはボイドを有する球体を含む。好まし
い態様において、反射性層は、ゼラチン中に二酸化チタ
ンを含む。この反射性層は、単独でまたは保護オーバー
コートとの組み合わせで、画像のための有効な不透明
性、反射性および白色度を与えるべきである。光反射性
の不透明層(図1に示すようなもの)は、感光性画像形
成層の下方に配置される。この光反射性の不透明層は、
水性アルカリ溶液が浸透可能なものでなくてはならな
い。その主な機能は、感光性要素中に生成するカラー画
像に対して審美的に好ましい背景を与えることである。
この背景は、光顔料(light pigment)、特に白色顔
料、例えばTiO2またはBaSO4を含む層状バインダ
ーにより周知の方式で得ることができる。この目的に適
切なものは、例えば、1平方メートル当たり1〜50g
のTiO2を含むバインダーから作られたゼラチン含有
層である。仕上がった画像の反射力は、白色顔料または
他の反射性材料を含めることにより特定の要件に都合良
く合わせることができる。二酸化チタンおよび硫酸バリ
ウムに加えて、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン、酸化ジ
ルコニウム、硫酸鉛、炭酸鉛等の他の白色顔料も可能で
ある。
【0029】形成された画像に写真品質の白色度を有効
に与えるために反射性層を使用することが好ましい。こ
の反射性層は、白色度を与えるそれらの機能に関係して
画像形成要素の画像形成層の最も近くに存在する。全て
の下層(保護層を包含する、独立した反射性層の不在ま
たは存在下)は、80%超、好ましくは90%超、最も
好ましくは95%超の光反射率を与えることが好まし
い。
【0030】画像形成層の下方の不透明支持体の白色度
を評価するため、L*UVO(紫外線フィルターアウ
ト)を求めるためにHUNTER分光光度計CIEシステムD
65の手順を使用することができる。この試験におい
て、標準的なカラー印画紙からなる対照試料を使用して
結果を比較できる。例えば、92.95のL*UVO値
は典型的なものであると見なせる。不透明支持体の不透
明度は、HUNTER分光光度計CIEシステムD65によっ
ても求められる。不透明度は、試料の光散乱力と光吸収
力を合計したものの1つの尺度である。HUNTER分光光度
計は、白色反射性タイルと黒色吸光性タイルを背景にし
て試料の表面を照らし、拡散性または隠蔽力を示す周知
の光源である。100%の値は、全く吸収されず、反射
光だけが測定されたことを意味する。写真画像形成要素
は、後述するようなさらなる補助的な層および成分を含
んでもよい。
【0031】画像形成要素の配列は、慣用的に行なわれ
ているようにシアン、マゼンタおよびイエローの順序で
配列する。この順序は、現在では写真の幾つかの理由か
ら最適なものであると見なされているが、イエローの現
像性(感度)を改良するために変更を加えてもよい。本
発明に係る層の配列によって、従来の画像形成要素では
それらの不十分な透明性またはそれら自身の色もしくは
他の有害な因子のためにそれらの写真有効性にかかわら
ず使用できなかった添加剤を含めることも可能になっ
た。そのような添加剤としては、酸化防止剤、現像主
薬、帯電防止剤、高温処理のための安定化剤、処理の間
もしくは後の反応により画像形成要素を疎水性にするこ
とにより画像形成要素をシールする物質、または写真活
性な物質を入れたミクロカプセルが挙げられる。そのよ
うな添加剤は、本発明の画像形成要素では写真活性でな
い層、例えば、特に、透明層支持体から離れた位置にあ
る光反射性の不透明層の側に配置されたバインダーの層
中に含まれてもよい。
【0032】本発明は、最終消費者がしばしば手で触れ
たり粗末に扱ったりする画像形成要素または材料(写真
プリントを包含する)の画像形成側のための改良された
オーバーコート配合物を提供する。1つの態様におい
て、画像形成要素中に残留する水分散性ポリマー材料
を、写真材料を写真処理した後、好ましくは乾燥工程の
間に、十分に高い温度で合体させることにより耐水性層
が容易に得られる。オーバーコート(適用したままの)
中での5質量%未満の架橋ゼラチンまたは他の架橋親水
性ポリマーの使用が、そのような乾燥工程の間に適切に
合体させるのに十分である。写真要素中の下層から若干
のゼラチンが、例えば製造または写真処理の間にオーバ
ーコートに移行することがあることに注意されたい。し
かしながら、そのような移行は限られており、定義の上
では組成配合物または適用されたオーバーコート中には
含まれない。1つの態様において、ゼラチンの5固形分
質量%未満、より好ましくは3固形分質量%未満はオー
バーコート組成物中に含まれる。オーバーコート配合物
中に実質的にゼラチンが含まれないことが最も好まし
い。しかしながら、1つの態様において、乳剤層に架橋
可能なゼラチンが適用される。このゼラチンは写真要素
の製造中に架橋するが、最終製品において実質的に非架
橋のゼラチンに分解および変換される。最終製品におい
ては、ゼラチンの少なくとも95%が水溶性である。
【0033】本発明において使用されるポリマー粒子の
分散体は、水系媒体中に安定化させることのできる任意
の組成を有するラテックスまたはポリマーである。その
ようなポリマーは概して縮合ポリマーまたは付加ポリマ
ーとして類別される。縮合ポリマーとしては、例えば、
ポリエステル類、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリ
ウレア類、ポリエーテル類、ポリカーボネート類、ポリ
酸無水物類、およびこれらのタイプのものの組み合わせ
からなるポリマーが挙げられる。付加ポリマーは、例え
ば、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニル複素環式
化合物、スチレン類、オレフィン類およびハロゲン化オ
レフィン類、不飽和酸およびそれらから誘導されるエス
テル類、不飽和ニトリル類、アクリルアミド類およびメ
タクリルアミド類、ビニルケトン類、多官能性モノマー
等のビニル型モノマーの重合から形成されるポリマーま
たはこれらのモノマーの様々な組み合わせから形成され
るコポリマーである。そのようなラテックスポリマー
は、周知の遊離基乳化重合方法を使用して水性媒体中で
調製でき、先に述べたモノマーの1つの種類から作られ
るホモポリマーまたは先に述べたモノマーの2種以上か
ら作られるコポリマーから成ることができる。水不溶性
ホモポリマーを形成するモノマーを含んで成るポリマー
が好ましく、そのようなモノマーのコポリマーも同様に
好ましい。ポリマー組成物全体が、ラテックスを形成す
るのに十分に水不溶性である場合に、好ましいポリマー
は、水溶性ホモポリマーを与えるモノマーを含んでいて
もよい。付加型ポリマーに好適なモノマーは、引用によ
りその記載が本明細書に含まれていることにする米国特
許第5,594,047号明細書にさらに列挙されてい
る。乳化重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、イオン
重合(カチオン、アニオン)、原子移動遊離基重合(at
omic transfer radical polymerization)、および重合
の技術分野で知られている他の重合方法によりポリマー
を調製することができる。オーバーコートにおいて使用
すべき水分散性粒子の選択は、耐水性に加えて、保護オ
ーバーコートに持たせようとする材料の特性に基づいて
行なわれる。
【0034】水分散性ポリマーは、溶融が必要でないよ
うに選ばれるのが好ましく、これは前述の従来技術、例
えば米国特許第5,856,051号明細書と比較して
潜在的に重要な利点である。いったん水溶性ポリマーを
除去(これは、場合に応じて、まず加水分解し、次いで
タンパク質分解酵素により分解することができる)し、
そして写真処理の間に除去(任意の追加の洗浄を伴う)
すると、選択された水分散性粒子が溶融なしで合体する
(かなりの量の架橋ゼラチン等の存在下では水分散性粒
子は合体しない)。
【0035】本発明の好ましい態様において、水分散性
ポリマーは、コーティングに先立って水分散性を与える
のに十分な数のイオン化したまたはイオン化可能な基ま
たは部分を有する実質的にアモルファスな熱可塑性ポリ
マーである。耐水性に加えて、最終的に完成した製品中
のポリマー分散体は、良好な耐薬品性および耐汚染性、
湿潤摩耗抵抗、耐指紋性、強靱性、弾性、耐久性および
/または様々なオイルに対する抵抗性等のさらなる都合
良い特性を与える。
【0036】カルボン酸イオン性基の場合に、好ましく
は5以上である酸価によってそのポリマーを特徴づける
ことができ、そのポリマーは7を超えるpHの水に対し
て比較的透過性である。好ましくはこの酸価は40以下
であり、より好ましくは30以下である。好ましくは、
現像液のpHは8超、好ましくは9超である。イオン化
したまたはイオン化可能な基を含む水で稀釈できる水分
散性のポリマー粒子は、枝分かれしていても、枝分かれ
していないものであっても、架橋したものであっても、
未架橋のものであってよい。
【0037】本発明によると、保護オーバーコートは、
上記の水分散性ポリマーに加えて、少なくとも1種の水
溶性の親水性ポリマーを含むことが好ましい。添加する
ことのできるそのような水溶性ポリマーの例としては、
ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、ポリ(N
−ビニルアミド)、ポリアクリルアミド、ポリエステ
ル、ポリ(エチレンオキシド)、デキストラン、スター
チ、未架橋ゼラチン、ホエー、アルブミン、ポリ(アク
リル酸)、ポリ(エチルオキサゾリン)、アルギネー
ト、ガム類、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(オキシメチ
レン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(エチレングリ
コールメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシ−エチルメ
タクリレート)、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ
(スチレンスルホン酸)、ポリ(エチレンスルホン
酸)、ポリ(ビニルリン酸)およびポリ(マレイン酸)
等が挙げられる。そのような材料は、Robert l. Davids
onによる“Handbook of Water-Soluble Gums and Resin
s”(McGraw-Hill Book Company, 1980)またはBruno Jir
gensonsによる“Organic Colloids”(Elsvier Publishi
ng Company, 1958)に記載されている。好ましい態様に
おいて、ポリマーはポリビニルアルコールである。ポリ
ビニルアルコールについては、比較的均一なコーティン
グを生じること、および下方に存在する乳剤への現像主
薬の拡散速度を高めることが判っている。
【0038】好ましい水溶性の親水性ポリマーはポリビ
ニルアルコールである。本明細書において「ポリビニル
アルコール」なる用語は、ビニルアルコールのモノマー
単位を主構成要素として有するポリマーを意味する。ポ
リビニルアルコールは、典型的には、ポリ酢酸ビニルの
実質的な加水分解により製造される。そのような「ポリ
ビニルアルコール」としては、例えば、酢酸ビニルポリ
マーの酢酸エステル部分を加水分解(鹸化)することに
より得られるポリマー(正確には、ビニルアルコールと
酢酸ビニルのコポリマーが形成されているポリマー)、
並びにトリフルオロビニルアセテートポリマーを鹸化す
ることにより得られるポリマー、ビニルホルメートポリ
マー、ビニルピバレートポリマー、tert−ブチルビニル
エーテルポリマー、トリメチルシリルビニルエーテルポ
リマー等(「ポリビニルアルコール」の詳細について
は、例えばthe Poval Societyにより編集されKobunshi
Kankoukaiにより出版(1992,日本)された“World of
PVA”およびNagano等により編集されKobunshi Kankouka
iにより出版(1981,日本)された“Poval”を参照でき
る)が挙げられる。ポリビニルアルコールにおける加水
分解度(鹸化度)は好ましくは少なくとも約70%、よ
り好ましくは少なくとも約80%である。加水分解度
(百分率)は、モル%を意味する。例えば、90%の加
水分解度は、ポリマーの全ての共重合したモノマー単位
の90モル%がビニルアルコール単位であるポリマーを
意味する。全モノマー単位の残りは、エチレン、酢酸ビ
ニル、ビニルトリフルオロアセテートおよびそのような
コポリマーについて周知の他のコモノマー単位のような
モノマー単位からなる。重量平均分子量(MW)が15
0,000未満、好ましくは100,000未満であ
り、加水分解度が70%を超えるポリビニルアルコール
が最も好ましい。このMWが100,000を超える場
合には、加水分解度は95%未満である。25,000
〜75,000の重量平均MWを有するポリビニルアル
コールの場合には、85〜90%の加水分解度が好まし
い。これらの好ましい条件が、生産性と加工性の改善を
もたらすことが見いだされた。コーティングを湿潤性の
容易に処理可能なものにし、そして相当の量では、処理
中にコーティングからゆっくりとではなく直ちに出るた
めに最終的な耐水性の製品を与えるように、ポリビニル
アルコールが選ばれる。ポリビニルアルコールの最適な
量は、水分散性ポリマーの乾燥被覆量に依存する。本発
明の1つの好ましい態様において、ポリビニルアルコー
ルは、水分散性ポリマーの1〜60質量%、好ましくは
水分散性ポリマーの5〜50質量%、最も好ましくは水
分散性ポリマーの10〜45質量%の量でオーバーコー
ト中に存在する。
【0039】理論に束縛されるわけではないが、水溶性
ポリマーと水分散性ポリマーは、溶融を必要とせず好ま
しくは約60℃以下のほんの少し高い温度で耐水性オー
バーコートの形成を可能にする混和性混合物を形成する
と考えられる。(a)架橋ゼラチンおよび他のそのよう
な架橋ポリマーが実質的に存在しないこと、(b)親水
性の水溶性ポリマーと相溶性混合物を形成すると考えら
れる水分散性ポリマーの選択、および(c)処理の間に
除去され水分散性ポリマーが合体して耐水性オーバーコ
ートを形成すると考えられる水溶性ポリマーの選択、と
いった幾つかの理由から溶融は必要でないと考えられ
る。
【0040】場合に応じて、本発明に係るコーティング
組成物は、水分散性ポリマーの酸基を架橋させるのに好
適な架橋剤を含んでもよい。そのような添加剤は、下方
の支持体に対するオーバーコート層の付着性を改良する
とともに層の凝集強さに寄与する。架橋剤、例えばエポ
キシ化合物、多官能性アジリジン類、メトキシアルキル
メラミン類、トリアジン類、ポリイソシアネート類、カ
ルボジイミド類、多価金属カチオン等の全てが考えられ
る。架橋剤を添加したら、過剰の架橋剤は処理溶液の浸
透性を低下させるために、過剰量を使用しないように注
意を払う必要がある。水分散性成分と任意の追加のポリ
マーとの混合物に架橋剤を添加することができる。
【0041】水溶性ポリマーの最適な量は、水分散性ポ
リマーの乾燥被覆量に依存する。例えば、ポリウレタン
ポリマーとポリビニルアルコールの組み合わせの場合、
ポリウレタンポリマーの被覆量が1.08g/m2(1
00mg/ft2)以下であるときには、ポリウレタン
の質量を基準に約20質量%以下のポリビニルアルコー
ルが良好な結果を与え、一方、より高い被覆量、例えば
1.88g/m2(175mg/ft2)では、約25質
量%を超えるポリビニルアルコールが比較的良好な結果
を与える。
【0042】1つの好ましい態様において、本発明の水
分散性ポリマーはポリウレタン、好ましくはセグメント
化ポリウレタンである。ポリウレタンは、ポリオールモ
ノマーとポリイソシアネートモノマーを含む混合物の重
合反応生成物である。好ましいセグメント化ポリウレタ
ンは、下記構造式(I)により表される。
【0043】
【化1】
【0044】この式中、R1は、好ましくは2の原子価
を有する炭化水素[より好ましくは置換または未置換の
環式または非環式の脂肪族または芳香族基(最も好まし
くは下記構造式:
【0045】
【化2】
【0046】のうちの1つにより表される)を含む]で
あり、Aはポリオール、例えば、a)コハク酸、アジピ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル
酸等のジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレ
ン−1,2−グリコール、プロピレン−1,3−グリコ
ール、ジエチレングリコール、ブタン−1,4−ジオー
ル、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−
ジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパ
ン−1,3−ジオールまたは様々な異性体ビス−ヒドロ
キシメチルシクロヘキサン等のジオールとのエステル化
により得られるジヒドロキシポリエステル;b)ポリラ
クトン、例えばε−カプロラクトンと上記ジオールのう
ちの1つとのポリマー;c)例えば上記ジオールのうち
の1つとジアリールカーボネートまたはホスゲンとを反
応させることにより得られるポリカーボネート;または
d)ポリエーテル、例えばスチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキシドま
たはエピクロロヒドリンのポリマーまたはコポリマーで
あり、R3はホスホネート、カルボキシレートまたはス
ルホネート基であり;そしてR2は約500未満の分子
量を有するジアミンまたはジオールである。
【0047】本発明において有用な好適な周知のジアミ
ン連鎖延長剤としては、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシレンジアミン、
フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジ
アミン、3,3’−ジニトロベンジデン、エチレンメチ
レンビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジクロロ
−4,4’−ビフェニルジアミン、2,6−ジアミノピ
リジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、および
ジエチレントリアミンとアクリレートもしくはその加水
分解生成物との付加物が挙げられる。有用な連鎖延長剤
としては、ヒドラジン、置換ヒドラジン、例えばジメチ
ルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレン−ビス−ヒドラ
ジン、カルボジヒドラジン;ジカルボン酸とスルホン酸
のヒドラジド、例えばアジピン酸モノもしくはジヒドラ
ジド、オキサル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラ
ジド、酒石酸ジヒドラジド、1,3−フェニレンジスル
ホン酸ジヒドラジド、ω−アミノカプロン酸ジヒドラジ
ド;ラクトン類とヒドラジンとを反応させることにより
生成するヒドラジド類、例えばγ−ヒドロキシ酪酸ヒド
ラジド、ビス−セミカルバジド、上記のグリコール類等
のグリコール類のビス−ヒドラジドカルボン酸エステル
も挙げられる。適切な周知のジオール連鎖延長剤は、A
について先に示したグリコール類のいずれであってもよ
い。R3はホスホネート、カルボキシレートまたはスル
ホネート基である。
【0048】構造式Iの反復単位の数は2〜200、好
ましくは20〜100に及びうる。剛性セグメント(右
側の括弧内)の量は好ましくは40〜70質量%であ
る。OR2O反復単位に対するOR3O反復単位の質量比
は0〜0.1である。本発明において使用される水分散
性ポリウレタンは“Polyurethane Handbook,”Hanser P
ublishers, Munich Vienna, 1985に記載されているよう
に調製できる。
【0049】本明細書で使用する、「ポリウレタン」な
る用語は、少なくとも1種がポリウレタンである少なく
とも2種のポリマーを含んでなるIPNおよび準IPN
に加えて分岐または非分岐コポリマーも包含する。IP
Nは、異種ポリマー間の共有結合またはグラフトを実質
的に含まない(実質的に含んでもよい)網目状になって
いる2種以上のポリマーの均質複合体である。代わり
に、これらのポリマー均質混合物は、それらポリマーの
うちの少なくとも1種を他のポリマーの存在下で合成し
た場合に生成する永久的な絡み合いによりまとまってい
る。IPN中のポリマーの分子相互貫入が通常存在する
ために、IPNはブレンドよりも相分離する傾向が低
い。そのような相互貫入高分子網目構造およびその開発
は、L. H. Sperlingによる“Interpenetrating Polymer
Networks and Related Materials,”Plenum Press, Ne
w York, 1981に、D. R. PaulおよびL. H. Sperling編集
“Multicomponent Polymer Materials”ACS Adv. In Ch
em. No. 211の第21〜56頁に、そしてG. C. Eastmond,
A. Ledwith, S. RussoおよびP. Sigwalt編集“Comprehe
nsive Polymer Science”, Volume 6,“Polymer Reacti
ons”Pergamon Press, Elmsford, N.Y., 1989の第423〜
436頁に記載されている。理想的な構造は最適な相互貫
入を含むが、実際には相分離が実際の分子相互貫入を制
限する場合があると認識されている。IPNは、「相互
貫入相」および/または「相互貫入網目構造」を有する
ものと表すことができる。2種以上の構成成分の合成ま
たは架橋が同時に起こる場合、その系を同時(simultan
eous)相互貫入網目構造と呼ぶことができる。一方、合
成および/または架橋が別々に行われる場合、その系を
逐次(sequential)相互貫入網目構造と呼ぶことができ
る。構成要素である2種以上のポリマーを密接に接触し
た状態で含んでなるポリマー系であって、少なくとも1
種のポリマーが架橋を施したものであり、そして少なく
とも1種の他のポリマーが線状であるものは準相互貫入
高分子網目構造と呼ばれる。例えば、この種のポリマー
系は、J. M. Sturge, V. Walworth およびA.Shepp編集
“Imaging Processes and Materials-Neblette’s Eigh
th Eddition”, Van Nostrand Reinhold, New York, 19
89の第7章に開示されているような硬化した光重合可能
な系でこれまで形成されている。
【0050】本発明の1つの態様によるとに、水分散性
ポリマーは、酸官能基のようなpH感受性基を含み、5
以上、好ましくは40以下、より好ましくは30以下の
酸価、最も好ましくは10〜25の酸価を有する。ポリ
マー中の任意選択のビニルポリマーの質量割合は0%か
ら80%までの間の様々な値をとるこができ、この範囲
は、ビニルポリマーの量が実質的に0よりも大きい場合
にウレタンポリマーとビニルポリマーの相互貫入網目構
造を包含する。
【0051】本発明のもう1つの態様において、水分散
性ポリマーは、ポリウレタンとビニルポリマーを含んで
なるIPNまたは準IPNであるポリウレタン含有成分
である。「ビニルポリマー」なる用語は、エチレン系不
飽和モノマーの反応生成物である付加ポリマーを意味す
る。特に好ましいビニルポリマーはアクリル樹脂であ
る。ビニル樹脂、特にアクリル樹脂は、良好な付着性、
不黄変性といった長所を有し、高光沢が得られるように
調節でき、そしてガラス転移温度が広範囲におよび、最
低のフィルム形成温度を有する。ポリウレタンコポリマ
ーの存在下でのビニルモノマーの重合によって、同一の
ラテックス粒子中に相互貫入または準相互貫入網目構造
粒子として2種のポリマーが存在し、水、有機溶剤およ
び環境条件に対する改良された抵抗性、改良された引張
強さおよび弾性率がもたらされる。カルボン酸基のよう
な基の存在は、7よりも高いpHで処理液がコーティン
グに浸透する経路を提供する。高pHであってもオーバ
ーコートが下方の支持体に対する良好な付着性を有し、
オーバーコートの耐水性がより高くなるように、酸価が
40以下に保たれることが好ましい。
【0052】好ましいIPNは、相互に貫入しているポ
リウレタンとビニルポリマーを含んでなる。そのような
IPNは、2種のポリマー鎖間に実質的に化学結合が存
在しないにも関わらず、往々にして当業界でウレタン−
ビニルコポリマーまたはハイブリッドコポリマーとも呼
ばれている。そのようなIPNは、ポリウレタンプレポ
リマーまたは連鎖延長したポリウレタンの存在下で1種
以上のビニルポリマーを重合させることにより通常製造
される。2種よりも多くのポリマーで構成することも可
能であるし、ポリマー鎖の各々が分岐したものであって
も線状のものであってもよい。そのようなIPNにおい
て、ビニル成分に対するポリウレタン成分の質量比が
1:20〜20:1であることが好適である。ビニル成
分に対するポリウレタン成分の好ましい質量比は約4:
1〜約1:4、より好ましくは約1:1〜1:4であ
る。
【0053】ポリウレタンが5以上、好ましくは40以
下、より好ましくは30以下の酸価を有することが好ま
しい。酸価は一般的に滴定により求められ、1gのポリ
マーを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の
ミリグラム数として定義される。ポリウレタン含有成分
(コポリマー1種の場合)の水性分散体の調製は当該技
術分野で周知である。好ましい調製方法において、第1
工程は、好適なジオールまたはポリオールと化学量論的
に過剰のジイソシアネートまたはポリイソシアネートと
の反応により中程度の分子量のイソシアネート末端プレ
ポリマーを形成する工程である。次に、概して、連鎖延
長に先立ってプレポリマー中に導入されたかまたは連鎖
延長剤の一部として導入された水可溶化/分散基により
水に分散させる。従って、外部添加型界面活性剤を使用
せずに往々にして小さな粒度の安定な分散体を生成させ
ることができる。次に、水溶液中のプレポリマーを、ジ
アミンまたはジオールを使用して連鎖延長し、「十分に
反応した」ポリウレタンを形成させる。
【0054】ポリウレタン含有成分中にビニルポリマー
が存在する場合に、そのようなウレタン−ビニルIPN
コポリマーは、例えばポリウレタンプレポリマーまたは
連鎖延長したポリウレタンの存在下で1種以上のビニル
モノマーを重合させることにより製造することができ
る。ビニルモノマーに対する連鎖延長したポリウレタン
の好ましい質量比は先に述べたように約4:1〜約1:
4であり、最も好ましくは約1:1〜1:4である。本
発明のポリウレタン分散体の製造に有用なポリオールと
しては、1種以上のジオール(例えばエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘ
キサンジオールまたはこれらのうちの任意のものの混合
物)と1種以上のジカルボン酸またはジカルボン酸無水
物(コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸
およびこれらの酸の無水物)から製造されるポリエステ
ルポリオール類;カプロラクトン等のラクトン類とジオ
ールの反応により製造されるポリラクトンジオール類;
ポリエステル化プロセス中にエタノールアミン等のアミ
ノアルコール類を含めることにより製造されるポリエス
テルアミド含有ポリオール類;例えばエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドまたはテトラヒドロフランから
製造されるポリエーテルポリオール類;ジオールとジア
リールカーボネートの反応により製造されるポリカーボ
ネートポリオール類;並びにエチレン系不飽和モノマー
から製造されるヒドロキシル末端ポリオレフィン類が挙
げられる。そのようなポリオールの組み合わせも有用で
ある。先に述べたように、ポリシロキサンポリオールも
ポリウレタンの形成に有用である。例えば、そのような
モノマーに関して、引用によりここにその記載が含まれ
ていることにするAndersonの米国特許第5,876,9
81号明細書を参照されたい。本発明に対してポリエス
テルポリオールが好ましい。
【0055】プレポリマーの製造に有用なポリイソシア
ネートは、脂肪族であっても、芳香族であっても芳香族
脂肪族であってもよい。好適なポリイソシアネートの例
には、以下に掲げるものの1種以上が含まれる:トルエ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、2,
3−ジメチルエチレンジイソシアネート、1−メチルト
リメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレ
ンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソ
シアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシ
クロヘキシル)メタン、4,4’−ジイソシアナトジフ
ェニルエーテル、テトラメチルキシレンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等。
メチレンビス(イソシアナトシクロヘキサン)が好まし
い。プレポリマーの好適な部分が、塩の形態にあるかま
たはプレポリマー形成中もしくは後または分散体の形成
中に好適な塩基性物質により好ましくは中和されて塩を
形成する少なくとも1種の比較的非反応性のペンダント
基も含むことが好ましい。これは、7を超えるpHでオ
ーバーコートを通り抜ける処理液の浸透性と水への分散
性を付与することを助ける。イソシアネート基と反応性
であるとともにアニオンを形成することのできる基を有
する好適な化合物としては、限定するわけではないが、
ジヒドロキシプロピオン酸、ジメチロールプロピオン
酸、ジヒドロキシコハク酸およびジヒドロキシ安息香酸
が挙げられる。他の好適な化合物は、単糖類、例えばグ
ルコン酸、サッカリン酸、ムチン酸、グルクロン酸等を
酸化させることにより製造できるポリヒドロキシ酸が挙
げられる。そのようなカルボン酸含有反応物は好ましく
はα,α−ジメチロールアルカン酸、特に2,2−ジメ
チロールプロピオン酸である。
【0056】前記酸を中和して水分散性を得るためのア
ニオン基を形成することに使用できる好適な第3級アミ
ンはトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルア
ニリン、ジエチルアニリン、トリフェニルアミン等であ
る。プレポリマーを場合に応じて連鎖延長するのに好適
な連鎖延長剤は、例えば活性水素含有分子、例えばポリ
オール、アミノアルコール、アンモニア、第1級または
第2級の脂肪族、芳香族、脂環式芳香族脂肪族または複
素環式アミン、特にジアミンである。プレポリウレタン
の連鎖延長に好適なジアミンとしては、エチレンジアミ
ン、ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、ヒド
ラジン、アミノエチルエタノールアミン等が挙げられ
る。
【0057】本発明の1つの態様に従うと、ポリウレタ
ンプレポリマーまたは連鎖延長したポリウレタンの存在
下でビニル付加モノマーを重合させることによりウレタ
ン−ビニルIPNを製造することができる。ビニルモノ
マー中の水分散性ポリウレタンプレポリマーの溶液は、
プレポリマーを水中に分散させる前に、プレポリマーを
1種以上のビニルモノマー中に溶解させることにより製
造できる。プレポリマーを溶解させることのできる好適
なビニルモノマーは、1つ以上の重合可能なエチレン系
不飽和基を含む。好ましいモノマーはプレポリマー形成
の際の温度条件下で液体であるが、有機溶剤との併用で
固体モノマーを使用する可能性は除外されない。
【0058】本発明に有用なビニルポリマーとしては、
例えば、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエス
テル、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、ヘキシルアクリレート、n−オクチ
ルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、ノニルアクリレート、ベンジ
ルメタクリレート等;前記酸のヒドロキシアルキルエス
テル、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート;前記酸のニトリルおよびアミ
ド、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルおよ
びメタクリルアミド;ビニルアセテート;ビニルプロピ
オネート;塩化ビニリデン;塩化ビニル;並びにビニル
芳香族化合物、例えばスチレン、t−ブチルスチレンお
よびビニルトルエン;ジアルキルマレエート、ジアルキ
ルイタコネート、ジアルキルメチレン−マロネート、イ
ソプレンおよびブタジエン等、の1種以上のエチレン系
不飽和モノマーを共重合させることにより得られるもの
が挙げられる。カルボン酸基を含有する好適なエチレン
系不飽和モノマーとしては、アクリルモノマー、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸;モノメチルイタコネート、
モノエチルイタコネートおよびモノブチルイタコネート
を包含するモノアルキルイタコネート、モノメチルマレ
エート、モノエチルマレエートおよびモノブチルマレエ
ートを包含するモノアルキルマレエート;シトラコン
酸;並びにスチレンカルボン酸が挙げられる。好適なポ
リエチレン系不飽和モノマーとしては、ブタジエン、イ
ソプレン、アリルメタクリレート、アルキルジオールの
ジアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレート
およびヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベン
ゼン等が挙げられる。
【0059】当該技術分野で周知の技術を使用してプレ
ポリマー/ビニルモノマー溶液を分散させることができ
る。この溶液を攪拌しながら水に添加することが好まし
く、代わりに、攪拌しながらこの溶液に水を添加しても
よい。1種または複数種のビニルモノマーの重合は、高
温で遊離基開始剤により引き起こされる。過硫酸塩(例
えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等)、過酸化
物(例えば過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒド
ロペルオキシド、過酸化第3級ブチル等)、アゾ化合物
(例えばアゾビスシアノ吉草酸、アゾイソブチロニトリ
ル等)およびレドックス開始剤(例えば過酸化水素−鉄
(II)塩、過硫酸カリウム−硫酸水素ナトリウム等)
の任意の種類の遊離基を使用できる。好ましい遊離基開
始剤は、好ましくは油層に分配するもの、例えばアゾ型
開始剤である。当該技術分野で周知の一般的な連鎖移動
剤またはそれらの混合物、例えばアルキルメルカプタン
を使用してポリマー分子量を制御することができる。
【0060】様々な方法で重合を実施することができ
る。1つの方法において、ポリウレタンプレポリマーを
膨潤させるために、ビニルモノマー(同種または異種の
ビニルモノマーまたはビニルモノマー混合物)の全てを
添加する。次に、その混合物を水中に分散させた後、油
溶性遊離基開始剤を使用してモノマーを重合させる。第
2の代法において、水中に分散させることに先立ってビ
ニルポリマーのいくらかを添加してプレポリマーを膨潤
させる。残りのモノマーは、重合プロセスの間に系に供
給する。他の方法としては、共重合プロセスの間に全て
のビニルモノマーを供給することが挙げられる。
【0061】本発明を実施する際に使用されるポリウレ
タン含有成分の市販入手可能なものの幾つかの例には、
Avecia製のNeoPac(商標)R-9000, R-9699およびR-903
0、BFGoodrich(オハイオ州アクロン所在)製Sancure
(商標)AU4010、並びにAir Products製のFlexthane
(商標)620, 630, 790および791がある。本発明を実施
する際に有用な市販入手可能なポリウレタン含有コポリ
マーの1つの例はNeoRez(商標)R9679である。本発明
の別の態様によれば、水分散性ポリマーは基本的に実質
的にアモルファスの熱可塑性ポリエステルポリマーであ
って、イオン性の基または部分がコーティングに先立っ
て水分散性を付与するのに十分な数で存在するものであ
る。ポリエステル分散体は、良好な耐薬品性および耐汚
染性、湿潤摩耗抵抗、優れた耐指紋性、強靱性、弾性お
よび耐久性等の有利な特性を与える。さらに、このポリ
エステルは、優れた引張強さおよび曲げ強さ並びに様々
なオイルに対する抵抗性を示す。
【0062】ポリエステルアイオノマーの調製法は、米
国特許第3,018,272号、第3,563,942
号、第3,734,874号、第3,779,993
号、第3,929,489号、第4,307,174
号、第4,395,475号、第5,939,355号
および第3,929,489号明細書に記載されてお
り、これらの開示は引用により本明細書に含まれている
ことにする。本発明において有用な実質的にアモルファ
スなポリエステルは、ジカルボン酸類またはそれらの機
能上等価なものから典型的に誘導されるジカルボン酸反
復単位と、ジオール類から典型的に誘導されるジオール
反復単位とを含む。一般的に、そのようなポリエステル
は、先に引用した特許明細書に記載されているように1
種以上のジオールと1種以上のジカルボン酸またはそれ
らの機能上等価なもの(例えば酸無水物、ジエステル類
または二酸ハロゲン化物)とを、引用した特許文献に詳
しく記載されているように反応させることにより調製さ
れる。そのようなジオール類、ジカルボン酸類およびそ
れらの機能上等価なものは、当該技術分野でしばしばポ
リマー前駆体と呼ばれる。当該技術分野で知られている
ように、カルボニルオキシ基よりもむしろカルボニルイ
ミノ基を連結基として使用できることに注意されたい。
この修飾は、1種以上のジアミン類またはアミノアルコ
ール類と1種以上のジカルボン酸類またはそれらの機能
上等価なものとを反応させることにより容易に達成でき
る。所望であれば、ジオール類とジアミン類の混合物を
使用してよい。
【0063】本発明において有用なポリエステルを調製
するための条件は、前述のように当該技術分野で知られ
ている。ポリマー前駆体は、典型的には、約125℃〜
約300℃の温度で、適切な触媒の存在下に、ジカルボ
ン酸1モル当たりジオールが少なくとも1モルである比
率で縮合させる。縮合圧力は、典型的には、約0.1m
mHgから約1気圧まで、またはそれ以上の圧力であ
る。縮合の間に、例えば蒸留または他の適切な技術によ
って、低分子量副生成物を除去することができる。得ら
れる縮合ポリマーは、適切な条件の下で重縮合してポリ
エステルを形成する。重縮合は、通常、約150℃〜約
300℃の温度およびほぼ真空に近い圧力で行なわれる
が、より高い圧力を使用してもよい。
【0064】本発明の組成物において有用なポリエステ
ルアイオノマーは、少なくとも1個のイオン性部分(イ
オン性基と呼ぶこともできる)、官能基または基を含
む。本発明の好ましい態様において、イオン性基を含む
反復単位は、反復単位の全モル数に基づいて約1〜約1
2モル%の量でポリエステルアイオノマー中に存在す
る。そのようなイオン性部分は、イオン性ジオール反復
単位および/またはイオン性ジカルボン酸反復単位によ
り与えられるが、後者のほうが好ましい。そのようなイ
オン性部分は陰イオン性または陽イオン性であることが
できるが、それらが陰イオン性であることが好ましい。
例示的な陰イオン性基としては、カルボン酸、スルホン
酸およびジスルホニルイミノ並びにそれらの塩、さらに
当業者に知られている他のものが挙げられる。スルホン
酸イオン性基またはその塩が好ましい。ある種のイオン
性酸成分は次の構造:
【0065】
【化3】
【0066】(式中、MはH,Na,KまたはNH4
ある)を有する。イオン性ジカルボン酸反復単位は、5
−ソジオスルホベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−
ソジオスルホシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、
5−(4−ソジオスルホフェノキシ)ベンゼン−1,3
−ジカルボン酸、5−(4−ソジオスルホフェノキシ)
シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、それらの類似
の化合物および機能上等価なもの、並びに英国特許明細
書1,470,059号(1977年4月14日公開)
に記載されている他のものから得ることができる。本発
明の画像形成された要素における保護オーバーコートに
適切な他のポリエステルアイオノマーは、引用により本
明細書に含まれていることにする米国特許第4,90
3,039号および第4,903,040号明細書に開
示されている。本発明の実施化に有用であることが判っ
た別の種類のイオン性ジカルボン酸は、次式により表さ
れる単位を有するものである。
【0067】
【化4】
【0068】この式中、各mおよびnは0または1であ
り、かつ、mとnの合計は1であり、各Xはカルボニル
であり、Qは次式:
【0069】
【化5】
【0070】により表され、Q’は次式:
【0071】
【化6】
【0072】により表される。ただし、Yは、アリーレ
ン(例えばフェニレン、ナフタレン、キシリレン等)ま
たはアリーリジン(例えば、フェネニル、ナフチリジン
等)等の二価芳香族基であり、Zはアリール、アラルキ
ルまたはアルカリール(例えば、フェニル、p−メチル
フェニル、ナフチル等)等の一価芳香族基、または炭素
原子数1〜12のアルキル、例えばメチル、エチル、イ
ソプロピル、n−ペンチル、ネオペンチル、2−クロロ
ヘキシル等であり、好ましくは炭素原子数1〜6のアル
キルであり、Mは可溶化カチオン、好ましくは一価カチ
オン、例えばアルカリ金属またはアンモニウムカチオン
である。
【0073】先に示したような保護層は、クリアー、す
なわち透明、半透明、または不透明であることができ
る。しかしながら、ポリマートップコートが色補正のた
めまたは特別な効果を得るためにある色を有することが
できる。従って、色または色合いを付与する色素をポリ
マーに含めることができる。さらに、オーバーコートに
様々な望ましい特性を付与する添加剤をポリマーに含め
てもよい。個々の層の機能に応じて他の配合物をコーテ
ィング組成物に含めることができる。そのような配合物
としては、界面活性剤、乳化剤、コーティング助剤、滑
剤、艶消粒子、レオロジー調節剤、架橋剤、かぶり防止
剤、無機充填剤、例えば導電性および非導電性金属酸化
物粒子、顔料、磁性粒子、殺生物剤等が挙げられる。コ
ーティング組成物は、少量の有機溶剤を含んでもよい。
好ましくは有機溶剤の濃度は全コーティング組成物の1
質量%未満である。本発明は、揮発性有機溶液からまた
はポリマーのメルトから望ましいポリマー材料をコーテ
ィングすることを除外するものではない。
【0074】コーティング助剤の例としては、界面活性
剤、粘度調節剤等が挙げられる。界面活性剤には、コー
ティング調製物の表面張力を、周縁撤退(edge-withdra
wal)、忌避性、および他のコーティング欠陥を抑制す
るのに十分に低下させる任意の表面活性作用のある物質
が包含される。これらには、アルキルオキシポリエーテ
ル若しくはポリグリシドール誘導体またはアルキルフェ
ノキシポリエーテルまたはポリグリシドール誘導体およ
びそれらの硫酸塩、例えばOlin Matheson Corporation
から入手可能なノニルフェノキシポリ(グリシドール)
スルフェートまたはナトリウムオクチルフェノキシポリ
(エチレンオキシド)スルフェート;有機スルフェート
またはスルホネート、例えばドデシル硫酸ナトリウム、
ドデシルスルホン酸ナトリウム、ナトリウムビス(2−
エチルヘキシル)スルホスクシネート(AEROSOL OT(商
標))、並びにアルキルカルボキシレート塩、例えばデ
カン酸ナトリウムが包含される。
【0075】保護層の表面特性は、連続相を形成するポ
リマーの物理的特性、固体の不融性粒子の存在または不
在に大きく依存する。しかしながら、オーバーコートの
表面特性は、表面を場合に応じて溶融させる条件によっ
ても調節できる。例えば、接触溶融では、ポリマーを溶
融させて連続オーバーコート層を形成するために使用さ
れる溶融要素の表面特性は、望ましい平滑度、テキスチ
ャーまたは模様を要素の裏面に付与するように選ぶこと
ができる。
【0076】当該技術分野で周知の艶消粒子を本発明の
コーティング組成物に使用してもよく、そのような艶消
剤はResearch Disclosure, No. 308119(1989年1
2月出版)の第1008〜1009頁に記載されてい
る。ポリマー艶消粒子が使用される場合には、コートさ
れた層に対する艶消粒子の改良された付着性を高めるた
めに、そのポリマーは、分子間架橋によりまたは架橋剤
との反応によりバインダーポリマーと共有結合を形成す
ることのできる反応性官能基を含んでもよい。好適な反
応性官能基としては、ヒドロキシル、カルボキシル、カ
ルボジイミド、エポキシド、アジリジン、ビニルスルホ
ン、スルフィン酸、活性メチレン、アミノ、アミド、ア
リル等が挙げられる。
【0077】本発明に係る写真要素の滑り摩擦を減少さ
せるために、水分散性ポリマーは、フッ素化成分または
シロキサン系成分を含んでよく、および/またはコーテ
ィング組成物は滑剤または滑剤の組み合わせを含んでよ
い。典型的な滑剤として以下のものがあげられる:
(1)例えば米国特許第3,489,567号、第3,
080,317号、第3,042,522号、第4,0
04,927号および第4,047,958号並びに英
国特許第955,061号および第1,143,118
号の各明細書に開示されているシリコーン系材料;
(2)米国特許第2,454,043号、第2,73
2,305号、第2,976,148号、第3,20
6,311号、第3,933,516号、第2,58
8,765号、第3,121,060号、第3,50
2,473号、第3,042,222号および第4,4
27,964号並びに英国特許第1,263,722
号、第1,198,387号、第1,430,997
号、第1,466,304号、第1,320,757
号、第1,320,565号および第1,320,75
6号並びにドイツ特許第1,284,295号および第
1,284,294号の各明細書に開示されている高級
脂肪酸およびそれらの誘導体、高級アルコールおよびそ
れらの誘導体、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステ
ル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸の多価アルコールエ
ステル等;(3)液状パラフィンおよびパラフィンまた
はワックス様物質、例えばカルナバワックス、天然およ
び合成ワックス、石油ワックス、ミネラルワックス、シ
リコーン−ワックスコポリマー等;(4)ポリ(テトラ
フルオロエチレン)、ポリ(トリフルオロクロロエチレ
ン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(トリフルオロクロ
ロエチレン−co−塩化ビニル)、ペルフルオロアルキ
ル側基等を含むポリ(メタ)アクリレートまたはポリ
(メタ)アクリルアミド等のペルフルオロ含有物質また
はフルオロ含有物質またはフルオロクロロ含有物質。本
発明に有用な滑剤は、Research Disclosure, No. 30811
9(1989年12月)の第1006頁にさらに詳しく
記載されている。
【0078】本発明のコーティング組成物は、多くの周
知技術のうちの任意のもの、例えばディップコーティン
グ、ロッドコーティング、ブレードコーティング、エア
ナイフコーティング、グラビアコーティングおよびリバ
ースロールコーティング、押出コーティング、スライド
コーティング、カーテンコーティング等により適用でき
る。コーティング後、一般的に、単なる蒸発により層を
乾燥させる。この乾燥は、対流加熱のような周知の技術
により促進することができる。周知のコーティングおよ
び乾燥方法は、Research Disclosure, No. 308119(1
989年12月)の第1007〜1008頁にさらに詳
しく記載されている。好ましくは、商用の態様は同時押
出を伴う。
【0079】保護コーティングのレイダウンは、その用
途の分野に依存する。写真要素の場合、ポリウレタン含
有コポリマーのレイダウンは好適には少なくとも0.5
4g/m(50mg/ft2)、好ましくは1.08
〜5.38g/m2(100〜500mg/ft2)、最
も好ましくは1.61〜3.23g/m2(150〜3
00mg/ft2)である。現像性を向上させるため
に、レイダウンの増加につれてオーバーコート中のポリ
ビニルアルコールの量を増加させることが都合よい場合
がある。
【0080】写真要素の製造の際に、支持体にコーティ
ング組成物を適用した後、コーティング組成物を好適な
時間、例えば2〜4分間乾燥させてよい。亀裂が生成す
る場合、特にポリビニルアルコールの割合が低い場合ま
たは代わりのフィルム形成性ポリマーを使用した場合に
亀裂が生成する場合、乾燥工程の温度および/または湿
度を調節してこの亀裂生成の問題を解消または抑制する
ことが都合よいであろう。理論に束縛されるわけではな
いが、限られた加水分解度を有するポリビニルアルコー
ルの割合が高いほど、乾燥中にポリビニルアルコールが
水の放出を阻止する傾向が減少すると考えられる。これ
は、その他の状況では、過度に短時間のフィルム形成お
よび乾燥の場合に起こりうる。すなわち、本発明の1つ
の態様に従うポリビニルアルコールは、フィルム形成を
遅らせることによって、乾燥中の水の放出を可能にす
る。水の放出が阻止される場合には、オーバーコートの
均質性に悪影響が及ぶ場合がある。
【0081】写真要素は、個々の写真要素の要件に応じ
て様々な構成のうちの任意の構成をとっている多層写真
要素に含まれた導電性層を含むことができる。好ましく
は、導電性層は、支持体上の写真層とは反対側にある磁
気記録層の下にある下引き層またはタイ層(tie layer
)として存在する。しかしながら、オーバーコート後
の導電性層の抵抗率の増加を最低限に抑えるために、導
電性層に透明磁気記録層以外の層(例えば耐摩耗性バッ
キング層、カール調節層、ペロイド等)をオーバーコー
トすることができる。さらに、支持体の写真層と同じ側
にまたは支持体の両側に追加の導電性層を備えることも
できる。任意選択の導電性下引き層を、ハレーション防
止色素または顔料を含有するゼラチン下引き層の下方ま
たは上方に適用してもよい。代わりに、ハレーション防
止機能と帯電防止機能の両方を、導電性粒子、ハレーシ
ョン防止色素およびバインダーを含有する1つの層に併
せ持たせることもできる。そのようなハイブリッド層
は、典型的には支持体の増感乳剤層と同じ側にコートさ
れる。追加の任意選択の層が存在してもよい。追加の導
電性層を写真要素の最外層、例えば画像形成層の上にあ
る保護層として使用することができる。増感乳剤層上に
導電性層が適用される場合には、バリヤー層や接着促進
層等の任意の中間層を導電性オーバーコート層と写真層
の間に適用する必要はないが、それらは場合に応じて存
在していてもよい。他の添加剤、例えば寸法安定性を改
善するポリマー格子、硬膜剤または架橋剤、界面活性
剤、艶消剤、滑剤および様々な他の周知の添加剤が、上
記層のいずれにまたは全てに存在していてもよい。
【0082】透明磁気記録層の下にある導電性層は典型
的には1×1010Ω/□未満、好ましくは1×109Ω
/□未満、より好ましくは1×108Ω/□未満の内部
抵抗率を示す。本発明の写真要素は、構造および組成の
点で幅広く変えることができる。例えば、支持体の種
類、画像形成層の数および組成、並びに写真要素に含め
る補助層の数および種類の観点で多様に変えることがで
きる。特に、写真要素は、スチルフィルム、映画フィル
ム、X線フィルム、グラフィックアーツフィルム、ペー
パープリントまたはマイクロフィッシュであることがで
きる。Research Disclosure, Item 36230(1994年
6月)に記載されているようなスモールフォーマットフ
ィルムに本発明の導電性層を使用することも特に考えら
れる。写真要素は、単純な黒白またはモノクローム要素
であっても、ネガーポジプロセスまたはリバーサルプロ
セスでの使用に向くように作られた多層および/または
多色要素であってもよい。一般的に、写真要素は、フィ
ルム支持体の片面に、ゼラチン水溶液中にハロゲン化銀
結晶の分散体を含む1層以上の層と場合に応じて1層以
上の下引き層をコーティングすることにより製造され
る。コーティングプロセスは、1つの層または複数の層
を支持体に適用する連続運転塗布機で行うことができ
る。多色要素の場合に、米国特許第2,761,791
号および第3,508,947号明細書に記載されてい
るように複合フィルム支持体に複数の層を同時にコート
することができる。さらなる有用なコーティングおよび
乾燥法はResearch Disclosure, Vol. 176, Item 17643
(1978年12月)に記載されている。
【0083】本発明に従って保護される写真要素は、黒
白要素(例えば銀像を生じるもの、または色素形成カプ
ラーの混合物から中性色調画像を生じるもの)、単色要
素または多色要素であることができるハロゲン化銀写真
要素から得られるものであってよい。多色要素は典型的
には、スペクトルの3つの主領域のそれぞれに感受性の
色素画像形成ユニットを含む。画像形成された要素は、
ネガティブフィルム画像、リバーサルフィルム画像およ
び映画プリントのように透過によって観察する画像形成
された要素であっても、ペーパープリントのように反射
によって観察する画像形成された要素であってもよい。
ペーパープリントおよび映画プリントの場合に遭遇する
処理量のために、それらは本発明における使用に好まし
い画像形成された写真要素である。
【0084】本発明に係る画像形成された要素にオーバ
ーコートを適用する主な目的は物理的損傷から要素を保
護することであるが、オーバーコートの適用によって退
色または黄変から画像を保護することもできる。このこ
とは、特に、酸素の作用により退色または黄変を受けや
すい画像を含む要素についていえる。例えば、ピラゾロ
ンカプラーおよびピラゾロアゾールカプラーから誘導さ
れた色素の退色は、少なくとも部分的には酸素の存在に
よって起こると考えられているため、要素への酸素の透
過に対してバリヤーとして機能するオーバーコートの適
用はそのような退色を抑制する。
【0085】保護しようとする画像が形成される写真要
素は、Research Disclosure, Item37038およびResearch
Disclosure, Item 38957に示されている構造および成
分を有することができる。本発明において有用な他の構
造が一般譲渡された米国特許出願第09/299,39
5号(1999年4月26日出願)および米国特許出願
第09/299,548号(1999年4月26日出
願)の各明細書に開示されている。これらの開示は、引
用によりここに含まれていることにする。具体的な写真
要素は、Research Disclosure, Item 37038の第96〜
98頁にカラーペーパー要素1および2として示されて
いるものであることができる。典型的な多色写真要素
は、少なくとも1つのシアン色素形成カプラーを関連し
て有する少なくとも1つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を
含んでなるシアン色素像形成ユニットと、少なくとも1
つのマゼンタ色素形成カプラーを関連して有する少なく
とも1つの緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含んでなるマゼ
ンタ色素像形成ユニットと、少なくとも1つのイエロー
色素形成カプラーを関連して有する少なくとも1つの青
感性ハロゲン化銀乳剤層を含んでなるイエロー色素像形
成ユニットを担持している支持体を含む。
【0086】本発明の要素は、追加の層、例えばフィル
ター層、中間層、オーバーコート層、下引き層等を含ん
でいてもよい。透明(例えばフィルム支持体)であって
も反射性(例えばペーパー支持体)であってもよい支持
体上にこれらの全てをコーティングすることができる。
本発明に従って保護される写真要素は、Research Discl
osure, Item 34390(1992年11月)に記載されて
いるような磁気画像形成要素、または米国特許第4,2
79,945号および第4,302,523号の各明細
書に記載されているような透明支持体の下側に磁性粒子
含有層のような透明磁気記録層を含んでもよい。
【0087】好適なハロゲン化銀乳剤およびそれらの調
製並びに化学増感および分光増感方法はResearch Discl
osure, Item 37038および38957の第I〜V節に記載され
ている。他にも、引用によりその開示がここに含まれて
いることにする米国特許出願第09/299,395号
(1999年4月26日出願)および米国特許出願第0
9/299,548号(1999年4月26日出願)に
記載がある。カラー材料および現像調節剤はResearch D
isclosure, Item 37038および38957の第V〜XX節に記載
されている。ビヒクルはResearch Disclosure, Item 37
038および38957の第II節に記載されており、そして種々
の添加剤、例えば増白剤、カブリ防止剤、安定化剤、光
吸収剤および散乱剤、硬膜剤、コーティング助剤、可塑
剤、滑剤および艶消剤はResearch Disclosure, Item 37
038および38957の第VI〜X節および第XI〜XIV節に記載
されている。処理方法および処理剤はResearch Disclos
ure, Item 37038および38957の第XIX〜XX節に記載され
ており、露光方法はResearchDisclosure, 37038および3
8957の第XVI節に記載されている。
【0088】写真要素は、典型的には、乳剤の形態にあ
るハロゲン化銀を具備する。写真乳剤は一般的に、乳剤
を写真要素を構成する1つの層としてコーティングする
ためのビヒクルを含む。有用なビヒクルとしては、タン
パク質のような天然に産出する物質と、タンパク質誘導
体、セルロース誘導体(例えばセルロースエステル)、
ゼラチン(例えば、牛骨または皮ゼラチンのようなアル
カリ処理ゼラチンまたは豚皮ゼラチンのような酸処理ゼ
ラチン)、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラチ
ン、フタル酸化ゼラチン等)の両方が挙げられる。親水
性透水性コロイドもビヒクルまたはビヒクルエキステン
ダーとして有用である。親水性透水性コロイドとして
は、合成ポリマー解膠剤、キャリヤー、および/または
バインダー、例えばポリ(ビニルアルコール)、ポリ
(ビニルラクタム)、アクリルアミドポリマー、ポリビ
ニルアセタール、アルキルアクリレートおよびアルキル
メタクリレート並びにスルホアルキルアクリレートおよ
びスルホアルキルメタクリレートのポリマー、加水分解
したポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリビニルピ
リジン、メタクリルアミドコポリマー等が挙げられる。
【0089】写真要素は、種々の技術を使用して像様露
光される。典型的な露光は、スペクトルの可視領域内の
光を暴露するものであり、典型的にはレンズを通してラ
イブ像を露光するものである。露光は、発光素子(例え
ばLED、CRT等)による保存画像(例えばコンピュ
ーター保存画像)であってもよい。例えばT. H. James
編集のThe Theory of the Photographic Process, 4th
Edition, Macmillan, New York, 1977に記載されている
多くの周知の現像処理用組成物のうちの任意のものを使
用する多くの周知の写真現像処理法のうちの任意の方法
により、写真要素において画像を現像することができ
る。カラーネガ要素を現像する場合に、発色現像主薬
(すなわちカラーカプラーと発色画像色素を形成するも
の)により要素を処理し、次に酸化剤および溶剤により
処理して銀およびハロゲン化銀を除去する。カラーリバ
ーサル要素またはカラーペーパー要素を現像する場合
に、黒白現像剤(すなわち、カプラー化合物により呈色
色素を形成しない現像剤)によりまず処理し、続いて現
像可能な未露光ハロゲン化銀(通常、化学または光カブ
リ)に処理し、続いてカラー現像剤により処理する。現
像に続いて銀またはハロゲン化銀を除去するための漂白
−定着が行われ、洗浄、次いで乾燥が行われる。
【0090】本発明に係る写真要素を処理する方法の1
つの態様では、写真要素を、7を超える、好ましくは8
を超える、より好ましくは9を超えるpHを有するアル
カリ性水溶液中で現像する。これによって、現像主薬が
保護コーティングに浸透する。pHを下げた後、例えば
漂白定着液中で、保護コーティングは比較的耐水性にな
る。本発明の1つの態様に係るポリビニルアルコールの
添加によって、この方法は促進される。ポリビニルアル
コールが処理中の表面の湿潤性を改善すると同時に処理
中にポリビニルアルコールのいくらかが洗い落とされ
て、最終製品の耐水性がより向上することが見いだされ
た。最終製品の親水性の水溶性ポリマーが減少して比較
的耐水性が高くなるように、原量の好適には少なくとも
30%、好ましくは50%を超える、より好ましくは7
5%を超えるオーバーコート中のポリビニルアルコール
(PVA)が、露光済み写真要素の処理中に洗い落とさ
れる。処理液が浸透可能な層が溶融性である必要はない
が、任意選択の溶融は写真要素の裏面の耐水性をさらに
改善する場合がある。
【0091】本発明は、水性のこぼれたもの、指紋、退
色および黄変に対する優れた抵抗性を含む優れた物理的
特性とともに、引っ掻き、摩耗、ブロッキングおよびフ
ェロタイピングに対する抵抗性を提供するのに必要な強
靱さや優れた透明性を与えるために、写真要素で使用す
ることに特に都合よい。本発明を以下の例により例示す
る。特に断らない限り、ここに示されている分子量は、
後述するサイズ排除クロマトグラフィーにより求められ
た重量平均分子量である。
【0092】
【実施例】ポリマー材料の特性ガラス転移温度および融点 乾燥ポリマー材料のガラス転移温度(Tg)および融点
(Tm)の両方を、20℃/分の昇温速度を用いて示差
走査熱量測定(DSC)により求めた。本明細書におい
て、Tgは、ガラス転移温度の屈曲点と定義し、Tmは
融点のピークと定義する。
【0093】ポリマーの調製:P1(ポリウレタン分散体): モノマーフィードの質量
基準での割合が33.0%のポリカーボネートポリオー
ル、4.4%のジメチロールプロピオン酸、9.5%の
ブタンジオール、4.3%のジエチレングリコールおよ
び48.9%のイソホロンジイソシアネートとなるよう
に、連鎖延長剤として1,4−ブタンジオールの一部を
ジエチレングリコールに置き換えたことを除き、P3の
場合と同様な調製スキームを用いた。テトラヒドロフラ
ンを減圧下で除去することにより固形分19.5%の水
性分散体を得た。ガラス転移温度は、DSCにより求め
た場合に55℃であり、重量平均分子量は19,100
であった。P2(ポリウレタン−アクリルコポリマー分散体):
燥した反応器に96gのジオール(Millester(商標)9
-55, MW2000,Polyurethane Corporation of America
製)、87gのメチレンビス(4−シクロヘキシル)イ
ソシアネート(Desmodur(商標)W)および0.02g
のジブチル錫ジラウレート(Aldrich)を入れた。混合
物をアルゴンブランケットのもとで攪拌しながら94℃
に90分間保ち、その後に、反応器に14gのジメチロ
ールプロピオン酸を加え、そして混合物を94℃で1.
5時間攪拌した。この1.5時間経過時点に24gのメ
チルメタクリレートを加え、そして同じ温度で1時間攪
拌した。得られたプレポリマーを40℃未満に冷却し、
そして113gのn−ブチルアクリレートおよび188
gのメチルメタクリレートからなるビニルモノマー混合
物に溶解させ、次に、11gのトリエチルアミンおよび
2.5gの開始剤(AIBN)により処理した。この混
合物に1000mlの脱酸素処理した水を加え、次に2
0gの水中の10gのエチレンジアミンを加えた。この
分散体を65℃に加熱し、そしてその温度に保ったまま
2時間攪拌し、さらに80℃で10時間加熱した。ウレ
タン−アクリルコポリマーの得られた分散体の酸価は1
1であった。P3(ポリエステルアイオノマー分散体): AQ−55
(商標)(ポリエステルアイオノマー分散体)を、East
man Chemical Co.から買い入れたままのものを使用し
た。この材料のTgは55℃であった。P4(NEOREZ A6092): NEOREZ A6092(商標)は、Avec
iaにより製造されたアクリルポリマーであり、買い入れ
たままのものを使用した。P5(NEOPAC R9699): NEOPAC R9699(商標)は、Avec
iaにより製造されたウレタン−アクリルポリマーであ
り、買い入れたままのものを使用した。
【0094】追加の材料: (1)AIRVOL 203(商標)ポリビニルアルコール(PV
A)は、Air Productsから入手した。このポリビニルア
ルコールは87〜89%加水分解(この場合の加水分解
とは、単量体単位中のアセテート基がヒドロキシ基に変
換されることを意味する)されたもので、12,000
の数平均分子量および35,000の重量平均分子量を
有していた。 (2)前記ポリウレタン−アクリルコポリマー分散体に
対して使用した多官能性アジリジン架橋剤であるCX-100
(商標)は、Neo Resins(Aveciaの一部門)から入手し
た。 (3)アルカリにより膨潤可能なポリマーであるACUSOL
ASE-60(商標)を増粘剤として使用した。 反射性層の材料:以下の3つのそれぞれ異なる種類の材
料を白色反射性材料において不透明化剤としてコーティ
ングした:ROPAQUE OP96(商標)は、Rohm and Haasに
より製造された中空ポリマー(スチレン/アクリル)球
体である。この球体の粒度は0.5μmであった。ROPA
QUE HP-543(商標)は、粒度0.5μmおよび気孔率4
3%の同様な種類のポリマービーズである。二酸化チタ
ンは白色顔料である。これらの3種の材料全てをバイン
ダーとしてのゼラチンとともにコーティングした。
【0095】写真試料の作製:青色光感受性層、中間
層、緑色光感受性層、UV層、赤色光感受性層、UV層
およびオーバーコートを印画紙支持体上に順にコーティ
ングすることにより試料を作製した。各個々の層中に存
在する成分は後述する。
【0096】青感性乳剤(ブルーEM−1):グルタリ
ルジアミノフェニルジスルフィド、ゼラチン解膠剤およ
びチオエーテル熟成剤を入れたよく攪拌した反応器に、
ほぼ等モル濃度の硝酸銀溶液と塩化ナトリウム溶液を加
えることにより高塩化物ハロゲン化銀乳剤を析出させ
た。ハロゲン化銀粒子の形成中の析出の大部分にわたっ
てペンタクロロニトロシルオスミウム酸(II)セシウ
ムドーパントを添加し、次にヘキサシアノルテニウム酸
(II)カリウム、(5−メチルチアゾール)−ペンタ
クロロイリジウム酸カリウム、少量のKI溶液を添加
し、そしてドーパントを用いずに殻形成した。得られた
乳剤は、エッジ長0.6μmの立方体形粒子を含んでい
た。硫化金のコロイド懸濁物を添加し、60℃まで傾斜
加熱し、その間に青増感色素BSD−4、ヘキサクロロ
イリジウム酸カリウム、リップマン臭化物および1−
(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラ
ゾールを加えることによって、この乳剤を最適に増感し
た。
【0097】緑感性乳剤(グリーンEM−1):ゼラチ
ン解膠剤およびチオエーテル熟成剤を入れたよく攪拌し
た反応器に、ほぼ等モル濃度の硝酸銀溶液と塩化ナトリ
ウム溶液を加えることにより高塩化物ハロゲン化銀乳剤
を析出させた。ハロゲン化銀粒子の形成中の析出の大部
分にわたってペンタクロロニトロシルオスミウム酸(I
I)セシウムドーパントを添加し、次に(5−メチルチ
アゾール)−ペンタクロロイリジウム酸カリウムを添加
した。得られた乳剤は、エッジ長0.3μmの立方体形
粒子を含んでいた。グルタリルジアミノフェニルジスル
フィド、硫化金のコロイド懸濁物を添加し、55℃まで
傾斜加熱し、その間にヘキサクロロイリジウム酸カリウ
ムをドープしたリップマン臭化物と、緑増感色素GSD
−1の液晶性懸濁物と、1−(3−アセトアミドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールを加えることによっ
て、この乳剤を最適に増感した。
【0098】赤感性乳剤(レッドEM−1):ゼラチン
解膠剤およびチオエーテル熟成剤を入れたよく攪拌した
反応器に、ほぼ等モル濃度の硝酸銀溶液と塩化ナトリウ
ム溶液を加えることにより高塩化物ハロゲン化銀乳剤を
析出させた。ハロゲン化銀粒子の形成中に、ヘキサシア
ノルテニウム酸(II)カリウムおよび(5−メチルチ
アゾール)−ペンタクロロイリジウム酸カリウムを添加
した。得られた乳剤は、エッジ長0.4μmの立方体形
粒子を含んでいた。グルタリルジアミノフェニルジスル
フィド、チオ硫酸ナトリウム、ビス{2−[3−(2−
スルホベンズアミド)フェニル]−メルカプトテトラゾ
ール}金(I)三カリウムを添加し、64℃まで傾斜加
熱し、その間に1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾールと、ヘキサクロロイリジウム
酸カリウムと、臭化カリウムを加えることによって、こ
の乳剤を最適に増感した。次に、この乳剤を40℃に冷
却し、pHを6.0に調節し、そして赤増感色素SRD
−1を添加した。当該技術分野でよく知られている方法
によりカプラー分散体を乳化させた。ポリエチレンをラ
ミネートした印画紙上に以下の画像形成層を順にコーテ
ィングした。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】例1 この例は、透明支持体上に本発明に係る反射性層とポリ
マーオーバーコートをコーティングした画像形成要素を
例示するものである。コーティング配合物を、ROPAQUE
が15%およびゼラチンが10%となるように調製し
た。TiO2コーティング配合物を、TiO2が37%お
よびゼラチンが4.5%である分散体を使用して、Ti
2が20%およびゼラチンが10%になるように調製
した。同時コーティング法を使用した。上記の6つの画
像形成層と同時にポリマーオーバーコートを白色/反射
性層上にコーティングした。コーティング全体を冷却セ
ットし、乾燥させ、そして巻いた。コーティングを70
°Fおよび相対湿度50%で1週間温置した。その後、
温置および試験に先立ってコーティングをRA4処理薬
剤で処理した。全てのゼラチンコーティングが、ゼラチ
ンの量に対して2%のレベルでBVSM架橋剤を含んで
いた。これらのゼラチン含有層は、支持体に最も近い方
から順に以下の層から成っていた:1)青感性層、2)
中間層、3)緑感性層、4)M/C中間層、5)赤感性
層、6)紫外線吸収層、および7)白色/反射性層。Ai
r Productsにより製造されたポリビニルアルコールAIRV
OL203(商標)を用いて全てのポリマーオーバーコート
をコーティングした。PVAレベルはポリマーに対して
35%であった。コーティングOC−1〜OC−13で
使用した支持体は0.178mm(7/1000イン
チ)の厚さを有するPETであった。コーティングOC
−14は、6つの画像形成層からなり、反射性紙支持体
上にポリマーオーバーコート層(P2)をコーティング
したものであった。OC−15は6つの画像形成層から
なり、反射性紙支持体上に上記のゼラチンSOC層をコ
ーティングしたものであった。
【0106】
【表7】
【0107】処理の説明:全てのコーティングを白色光
下で行なったため、処理を、発色現像主薬を含まない現
像液を使用して行なった。この処理は、Dmin処理され
たコーティングを得るために行なった。処理工程は、次
の通りである(全ての溶液が40℃)。 1.現像液(発色現像主薬を含まない)中に45秒間 2.RA4漂白/定着液中に45秒間 3.90〜120秒間の水洗 上記の第3工程の後に乾燥を行なった。4つの乾燥条件
を用いた: 1)コーティングを処理し、約160°Fのキャビネッ
ト内で乾燥させた。 2)水洗後(コーティングは濡れていた)、コーティン
グを乾燥機に直接通した。ローラーによってコーティン
グを乾燥機内の対流セクションにまず送り、次に輻射セ
クションに送った。標準的な設定値は2.54cm/秒
(1インチ/秒)(滞留時間:約5秒間)であった。条
件2では、輻射セクションはオフ状態であり、対流セク
ションは145°Fに設定した。 3)コーティングを、185°Fに設定した同じ乾燥機
に通した。 4)コーティングを、対流セクションを185°Fに設
定し、輻射セクションを400°F超に設定した同じ乾
燥機に通した。
【0108】汚染試験:処理したコーティングに汚染剤
(主としてフルーツポンチ)を適用した。10分後、汚
染剤をすすぎ落とし、そしてコーティングを乾燥させ
た。ステータスAフィルター(反射)を具備するXrite-
10(商標)濃度計を用いてDminおよび汚染度(stain i
ntensity)を読み取った。全てのコーティングについ
て、プリントの裏側、すなわちポリマー層側に汚染剤を
適用した。観察側を通してのESTARポリエステルの汚染
作用は全てのコーティングで同様であったため、汚染剤
を観察側に適用したコーティングの1つについてのデー
タを報告する。汚染濃度(stain density)の測定値か
らDminを引くことにより汚染度を計算した。
【0109】
【表8】
【0110】データから判るように、観察側を通した中
性Dminは、本発明の場合に、コンベンショナルな画像
形成要素のDminに近かった。汚染度(反対側に付いた
染み)を、汚染濃度の測定値からDminを引くことによ
り計算した。
【0111】
【表9】
【0112】
【表10】
【0113】透明支持体から最も離れているポリマー層
の存在は、ある程度の耐汚染性を与える。この耐汚染性
の程度は、前記ポリマー層の透水性に依存し、換言すれ
ば、処理後の乾燥条件により影響を受ける。乾燥条件が
かなり厳しい場合には、ポリマー層は不浸透性になり、
画像形成要素は優れた耐汚染性を有する。
【0114】
【表11】
【0115】ESTARポリエステルを透かして見る観察側
は汚染剤に対して完全に耐性がある。ESTARポリエステ
ルは、反射性層に隣接し且つポリエステル支持体から最
も離れている不浸透性ポリマーと組み合わさって、画像
形成要素全体を耐汚染性にする。さらに、比較的耐引掻
性のあるこのポリエステルも、画像形成要素を耐引掻性
にし、特に観察側を耐引掻性にする。ポリマー側の引掻
き傷は観察側からは見えない。従って、ポリマー層が完
全に耐引掻性であるかどうかは重要でない。この汚染試
験を、裏側に反射性層を有するとともに隣接するポリマ
ー層が不浸透性になっていない(処理されていない)ES
TARポリエステル上にコーティングされた画像形成要素
に対しても行なった。非観察側に汚染剤を適用し、そし
て両側で汚染度を読み取った。
【0116】
【表12】
【0117】この結果から分かるように、反射性支持体
から最も離れている不浸透性層が存在しない限り、画像
形成要素は汚染剤からの影響を受ける。従って、透明支
持体上(観察側)にコーティングされた画像形成要素
(先行技術に開示されている支持体から最も離れている
不浸透性層(裏側に存在)を有しないもの)は、完全に
は耐汚染性でない。この汚染試験を、ポリマー層を有し
ないコンベンショナルな反射性支持体上にコーティング
された同じ画像形成要素に対しても行なった。汚染剤を
観察側(被覆側)に適用した。
【0118】
【表13】
【0119】反射性支持体上にコーティングされたコン
ベンショナルな画像形成要素は耐汚染性でなかった。同
じ画像形成要素に適する不浸透性ポリマーオーバーコー
トを開示している先行技術は、若干の耐汚染性を与える
が、観察側で引掻きの影響を受けやすいものである。さ
らに、以下のように結論づけることができた:(1)透
明支持体上のコーティングされた白色/反射性層を用い
て、現行の印画紙コーティングと同等のDminおよび反
射性を達成できること;(2)浸透性コーティング(す
なわち、PVAが損なわれていない未処理のポリマーオ
ーバーコート)がゼラチン層として機能し、未保護のプ
リントとは違って耐汚染性をもたらすこと;(3)プリ
ントを保護するための不浸透性バッキング(被覆側)を
得ることができ、熱処理によってその保護性が高まるこ
と;および(4)プリントのPET支持体側に汚染が生
じないこと。本発明を本発明の特定の好ましい態様を参
照して詳しく説明したが、本発明の精神および範囲の中
で様々な変更および改良を加えることができることが当
然に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ポジ写真プリントを作製する際の中間
材料として有用な本発明に係る写真要素の1つの態様の
断面図である。
【図2】図2は、ポジ写真プリントを作製する際の中間
材料として有用な本発明に係る写真要素の第2の態様の
断面図であり、この態様において、独立した反射性層は
存在しない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 11/16 G03C 11/16 (72)発明者 ロイド アンソニー ロボ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14580, ウェブスター,アッピアン ドライブ 1160 Fターム(参考) 2H016 AF00 2H023 FA01 FA12 FD00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表側から裏側に向かって順に、 (a)少なくとも60μmの厚さおよび50〜200ミ
    リニュートンの曲げ剛性を有する無孔性の不透水性透明
    支持体; (b)前記支持体の片面上に重ねられた少なくとも1つ
    のハロゲン化銀乳剤層; (c)乳剤層により形成される画像のための背景の不透
    明度および白色度を有効に提供するための反射性層;並
    びに (d)前記反射性層上に存在する、0.5〜10μmの
    厚さおよび少なくとも0.54g/m2(50mg/f
    2)の乾燥レイダウンを有する処理液が浸透可能な透
    明または不透明な保護層であって、30〜95固形分質
    量%の水分散性ポリマーと5〜70固形分質量%の水溶
    性ポリマーを含むコーティング組成物から作られ、水溶
    性ポリマーの30質量%超が写真処理の間に洗い落とさ
    れるような保護層;を含んでなり、前記反射性層と前記
    保護層の合計光反射率が80%超である写真要素。
  2. 【請求項2】 表側から裏側に向かって順に、 (a)60〜250μmの厚さおよび50〜250ミリ
    ニュートンの曲げ剛性を有する無孔性の不透水性透明支
    持体; (b)前記支持体の片面上に重ねられた少なくとも1つ
    のハロゲン化銀乳剤層;並びに (c)少なくとも0.54g/m2(50mg/ft2
    のレイダウンを有する処理液が浸透可能なゼラチンを含
    有しない反射性層であって、30〜95固形分質量%の
    10μm未満の平均粒度および−40℃〜80℃の間の
    gを有する粒子の形態にある水分散性ポリマーと5〜
    70固形分質量%の水溶性ポリマーを含むコーティング
    組成物から水溶性ポリマーの30質量%超が写真処理の
    間に洗い落とされるように作られたものであり、乳剤層
    により形成される画像のための背景の不透明度および白
    色度を提供するために当該反射性層中に分散された反射
    性粒子をさらに含む反射性層;を含んでなる写真要素。
  3. 【請求項3】 (a)請求項1または2記載の写真要素
    を用意し、 (b)前記写真要素を、7を超えるpHを有する現像液
    中で現像して写真プリントを得、そして (c)前記写真プリントを60℃を超える温度で乾燥さ
    せて最終製品において前記オーバーコートを耐水性にす
    ること、を含む写真プリントの作製方法。
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