JP2002365353A - 磁気共鳴装置 - Google Patents

磁気共鳴装置

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JP2002365353A
JP2002365353A JP2001170801A JP2001170801A JP2002365353A JP 2002365353 A JP2002365353 A JP 2002365353A JP 2001170801 A JP2001170801 A JP 2001170801A JP 2001170801 A JP2001170801 A JP 2001170801A JP 2002365353 A JP2002365353 A JP 2002365353A
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resonance apparatus
magnetic resonance
magnetic
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JP2001170801A
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Toru Yasuda
徹 安田
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N24/00Investigating or analyzing materials by the use of nuclear magnetic resonance, electron paramagnetic resonance or other spin effects
    • G01N24/08Investigating or analyzing materials by the use of nuclear magnetic resonance, electron paramagnetic resonance or other spin effects by using nuclear magnetic resonance
    • G01N24/085Analysis of materials for the purpose of controlling industrial production systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料を破壊せずに試料内の不純物分布を高い
分解能で測定することができる磁気共鳴装置を提供す
る。 【解決手段】 磁気共鳴装置100は、試料1を冷却し
て保持するクライオスタット10と、磁場強度が試料1
の基準軸に対して勾配を有するように傾斜した磁場を試
料1に印加するコイル21および22と、磁場が印加さ
れた試料1を磁場に対して移動させる駆動機構30と、
磁場が印加された試料1に電磁波を照射するアンテナ4
1および42と、電磁波が照射された試料1から放出さ
れる電磁波を検出するアンテナ41および42とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気共鳴装置に
関し、特に、半導体内に分布した不純物の濃度分布を測
定するための磁気共鳴装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体としてのシリコン基板上にトラン
ジスタを形成する場合には、所定の領域にリン、砒素、
ホウ素などの不純物をイオン化して高速で基板に注入
し、その後注入時のダメージを回復させるためにアニー
ルを行なう。この不純物の三次元的な濃度分布はトラン
ジスタの性能に大きく影響する。したがって、半導体装
置の製造に際して、実際の装置中で不純物がどのように
分布しているかを知ることは、高品質の半導体装置を製
造する上で大変重要である。
【0003】不純物の濃度分布を求める方法として、以
下の方法が知られている。 (1) シミュレーション 通常、半導体装置中の不純物濃度分布は、製造プロセス
のパラメータおよび実測した物理量からシミュレーショ
ンを行なって測定している。以下に、半導体装置の製造
プロセスにおけるパラメータと、そこから不純物の濃度
分布をシミュレーションで求める手順を示す。
【0004】半導体装置中に不純物を導入する方法に
は、大きく分けて注入と拡散の2つがある。
【0005】不純物を注入する場合には、不純物原子を
含むソースガス中で放電を起こし、生じたイオンの中か
ら目的のイオンのみを質量分析器で分離した後、そのイ
オンを電場で加速して半導体基板に注入する。このと
き、電場の強さで注入されるイオンの速さがわかる。ま
た、イオンビームの電流値をモニタすることにより注入
されたイオンの数を知ることができる。さらに、イオン
ビームと半導体基板とのなす角により、不純物が半導体
基板に侵入する方向がわかる。
【0006】不純物を注入することを望まない領域に
は、予めイオンの侵入を阻止できるようにフォトレジス
トなどを半導体基板表面にマスクとして形成しておくこ
とにより、所望の領域にのみイオンを注入することがで
きる。
【0007】以上のような注入パラメータに従って半導
体装置中の不純物の濃度分布を求めるためには、半導体
基板を構成するシリコン中のイオン注入深さのイオン速
度依存性(いわゆる核阻止能)を知ればよい。この値
は、不純物の核種によって異なり、実験で求める必要が
ある。このためには、さまざまな速度で注入したイオン
の表面からの深さを、二次イオン質量分析法などにより
分析する必要がある。
【0008】拡散法により不純物をドープする場合に
は、不純物を含んだ雰囲気で半導体基板を加熱処理する
ことにより行なわれる。これは、物質が、その濃度差に
応じて濃度の高い領域から低い領域へ移動する現象を利
用し、不純物を濃度の高い半導体基板表面から内部へ導
入する方法である。熱拡散の程度は、半導体基板の温度
とその温度に保持する時間とによりコントロールするこ
とができる。このような拡散パラメータからデバイス中
の不純物濃度分布を求めるためには、シリコン中の不純
物の拡散係数を求める必要がある。この拡散係数は、実
験的に求められる。
【0009】以上に述べたように、一度何らかの方法で
不純物のシリコン中での物性に関する物理量(上述のケ
ースでは核阻止能または拡散係数)を調べれば、製造プ
ロセスでのパラメータから、シリコン中での不純物の三
次元的な濃度分布をシミュレーションで求めることがで
きる。
【0010】(2) 二次イオン質量分析法(SIM
S:Secondary Ion Mass Spectroscopy) 半導体基板中の不純物濃度分布を実際に確認する場合に
は、二次イオン質量分析法(SIMS)を用いる。SI
MSでは、Ar+などの一次イオンを100eV〜30
keVのエネルギで半導体基板表面へ照射し、スパッタ
リング現象によりシリコン基板表面から放出された粒子
のうちの荷電粒子(二次イオン)を質量分析することで
元素の種類と量とを同定する。一次イオンビームを表面
に沿って走査することで二次元的な不純物の分布を求め
ることができる。
【0011】観察面に露出した原子は観察によって除去
され常に新しい表面を露出させながら観察が行なわれる
ため、深さ方向での不純物濃度の情報も得ることができ
る。
【0012】SIMSの二次元方向の分解能は一次イオ
ンビームの収束系に依存する。収束性のよいGaイオン
ビームは、直径が20nm程度まで収束することができ
るが、一次イオンビームの直径を絞ることによりスパッ
タリングされるイオンの数が減るため感度が低下する。
【0013】また、深さ方向の分解能は一次イオンのエ
ネルギが低いほどよく、最高で分解能は1nm程度であ
る。しかしながら、低エネルギのイオンビームを十分な
電流密度で得るのは困難なため、これによっても二次イ
オン強度は低下する。
【0014】また、低エネルギでのスパッタリングはマ
トリックス効果が大きく影響するため、定量的な分析が
困難である。したがって十分な検出感度を持った実用的
な応用では、その空間分解能は数百nm程度である。こ
のため、この用途のために用いられる装置は、IMA
(Ino Microprobe Analyzer)と呼ばれることがある。
また、装置内に電子顕微鏡を組込み、位置情報の精度を
向上させたものもある。
【0015】(3) 電子顕微鏡 電子顕微鏡には、大きく分けて走査型および透過型の2
つのタイプがある。
【0016】走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Ele
ctron Microscope)は、細く収束した電子ビームを試料
に二次元的に走査照射し、試料表面から発生する二次電
子を捕獲しその強度分布から試料表面の形状を再構成す
る方法である。
【0017】材質表面により二次電子の放出のしやすさ
が異なるため、材質の違いがコントラストとなって画像
に現れる。像の分解能は数nmと高く、焦点深度も深い
ため凹凸のある試料の形状を評価するのに有利である。
【0018】また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transm
ission Electron Microscopy)は、薄膜(厚みが数nm
〜数十nm)の試料に高速の電子線を照射し、試料を透
過した電子線を捕集して試料の原子配列または格子欠陥
を観察する方法である。エネルギが200keV程度の
電子線を用いることにより0.2nm程度の分解能が得
られる。
【0019】これらの電子顕微鏡の応用技術として、走
査オージェ電子顕微鏡またはX線を励起源に用いた光電
子顕微鏡、放出X線を検出する電子プローブマイクロア
ナリシスまたはこれらに磁気共鳴現象を組合せたような
さまざまな手法が開発および提案されている。
【0020】(4) 磁気共鳴イメージング(MRI:
Magnetic resonance Imaging)法 1 磁気共鳴イメージング(MRI)法によれば、非破
壊でマトリックス中の観察対象原子核の密度を観察でき
る。従来のMRIでは、水素原子核を検出対象とし、人
体などの生体試料中の水分子の分布を観察している。人
体などを検出対象とするため、ある程度の大きさの試料
を扱うように構成されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】まず、シミュレーショ
ンによる不純物濃度分布を求める方法では、不純物の注
入および拡散現象は、実際には、半導体基板内の結晶欠
陥の程度や内部応力などの半導体基板の状態によって異
なる場合がある。そのため、シミュレーションで求めた
不純物濃度分布が必ずしも正しいとは限らないという問
題があった。
【0022】次に、SIMSによる方法では、観察によ
り試料が破壊されるため、非破壊での観察ができないと
いう問題があった。
【0023】さらに、電子顕微鏡のうち、SEMでは、
表面の情報しか得られず、また元素の種類を同定できな
いという問題があった。
【0024】さらに、TEMでは、電子線が透過する厚
さの試料しか観測することができないという問題があっ
た。
【0025】また、MRIでは、空間分解能が低く、そ
の分解能はせいぜい10μm程度であった。
【0026】そこで、この発明は上述のような問題点を
解決するためになされたものであり、試料を破壊するこ
となく試料の全域において不純物濃度分布を高い分解能
で測定することができる磁気共鳴装置を提供することを
目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明の一つの局面に
従った磁気共鳴装置は、磁気モーメントを持つ原子核を
含む試料を冷却して保持する保持手段と、磁場強度が試
料の基準軸に対して勾配を有するように傾斜した磁場を
試料に印加する磁場印加手段と、磁場が印加された試料
を磁場に対して移動させる駆動手段と、磁場が印加され
た試料に電磁波を照射する照射手段と、電磁波が照射さ
れた試料から放出される電磁波を検出する検出手段とを
備える。
【0028】このように構成された磁気共鳴装置では、
試料は、保持手段により冷却して保持される。この試料
に磁場が印加された状態で照射手段から電磁波が照射さ
れるため、それにより放出される電磁波の強度が増加す
る。その結果、分解能を向上させるために十分な信号強
度を得ることができ、磁気共鳴装置の分解能を向上させ
ることができる。また、試料を破壊することなく試料内
の原子核の分布を知ることができる。さらに、駆動手段
が試料を磁場に対して移動させることができるため、試
料全体に傾斜した磁場が印加される。そのため、試料の
表面だけでなく試料の内部での原子核の分布を知ること
ができる。
【0029】また好ましくは、磁場印加手段は、試料に
磁場を印加して原子核をゼーマン分裂させる。
【0030】また好ましくは、照射手段と検出手段と
は、共通のアンテナ素子を含む。この場合、アンテナ素
子は照射手段および検出手段として機能するので構成部
品を減らすことができる。
【0031】また好ましくは、照射手段はメーザを含
む。この場合、メーザは、一般的に帯域幅が狭く高出力
であるため、メーザを用いることにより分解能を向上さ
せることができる。
【0032】また好ましくは、磁気共鳴装置は、駆動手
段の動作を制御する制御手段をさらに備える。
【0033】また好ましくは、駆動手段は互いに一次独
立な3つの軸に沿って試料を移動させることが可能であ
る。この場合、駆動手段が互いに一次独立な3つの軸に
沿って試料を移動させるため、一次独立な3つの軸上で
の試料内の不純物濃度分布を知ることができる。その結
果、試料内での三次元的な不純物濃度分布を知ることが
できる。
【0034】また好ましくは、磁気共鳴装置は、試料の
近傍で磁場強度を増加させるように磁場印加手段近傍に
設けられた反磁性体をさらに備える。この場合、反磁性
が試料の近傍で磁場強度を増加させるため、分解能をさ
らに向上させることができる。
【0035】また好ましくは、試料は、不純物がドープ
された半導体であり、磁気共鳴装置は検出手段が検出し
た電磁波に応じて半導体内の不純物濃度を測定する。
【0036】この発明の別の局面に従った磁気共鳴装置
は、磁気モーメントを持つ原子核を含む試料を冷却して
保持する保持手段と、磁場強度が試料の基準軸に対して
勾配を有するように傾斜した磁場を掃引して試料に印加
する磁場印加手段と、磁場が印加された試料に電磁波を
照射する照射手段と、電磁波が照射された試料から放出
される電磁波を検出する検出手段とを備える。
【0037】このように構成された磁気共鳴装置では、
試料は、保持手段により冷却して保持される。この試料
に磁場が印加された状態で照射手段から電磁波が照射さ
れるため、それにより放出される電磁波の強度が増加す
る。その結果、分解能を向上させるために十分な信号強
度を得ることができ、磁気共鳴装置の分解能を向上させ
ることができる。また、試料を破壊することなく試料内
の原子核の分布を知ることができる。さらに、傾斜磁場
が掃引して印加されるため、試料全体に傾斜した磁場が
印加される。そのため、試料の表面だけでなく試料の内
部での原子核の分布を知ることができる。。
【0038】また好ましくは、磁場印加手段は、試料に
磁場を印加して原子核をゼーマン分裂させる。
【0039】また好ましくは、照射手段と検出手段と
は、共通のアンテナ素子を含む。この場合、アンテナ素
子は照射手段および検出手段として機能するので構成部
品を減らすことができる。
【0040】また好ましくは、照射手段はメーザを含
む。この場合、メーザは、一般的に帯域幅が狭く高出力
であるため、メーザを用いることにより分解能を向上さ
せることができる。
【0041】また好ましくは、磁気共鳴装置は、磁場印
加手段が試料に印加する磁場の強度を調整する制御手段
をさらに備える。
【0042】また好ましくは、磁場印加手段は、第1軸
に沿って設けられた1対の第1のコイルと、第1軸に対
して一次独立な第2軸に沿って設けられた1対の第2の
コイルと、第1軸および第2軸に対して一次独立な第3
軸に沿って設けられた1対の第3のコイルとを含む。こ
の場合、駆動手段が互いに一次独立な3つの軸に沿って
磁場を掃引して印加することができるため、一次独立な
3つの軸上での試料内の不純物濃度分布を知ることがで
きる。その結果、試料内での三次元的な不純物濃度分布
を知ることができる。
【0043】また好ましくは、磁気共鳴装置は、試料の
近傍で磁場強度を増加させるように磁場印加手段近傍に
設けられた反磁性体をさらに備える。この場合、反磁性
が試料の近傍で磁場強度を増加させるため、分解能をさ
らに向上させることができる。
【0044】また好ましくは、試料は不純物がドープさ
れた半導体であり、磁気共鳴装置は検出手段が検出した
電磁波に応じて半導体内の不純物濃度を測定する。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0046】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に従った磁気共鳴装置のブロック図である。図
1を参照して、この発明の実施の形態1に従った磁気共
鳴装置100は、磁気モーメントを持つ原子核を含む試
料1を冷却して保持する保持手段としてのクライオスタ
ット10と、磁場強度が試料1の基準軸に対して勾配を
有するように傾斜した磁場を試料1に印加する磁場印加
手段としてのコイル21および22と、磁場が印加され
た試料1を磁場に対して移動させる駆動手段としての駆
動機構30と、磁場が印加された試料1に電磁波を照射
する照射手段としてのアンテナ41および42と、電磁
波が照射された試料1から放出される電磁波を検出する
検出手段としてのアンテナ41および42とを備える。
【0047】コイル21および22は、試料1に磁場を
印加して原子核をゼーマン分裂させる。照射手段と検出
手段とは、共通のアンテナ41および42を含む。ま
た、磁気共鳴装置100は、駆動機構30の動作を制御
する制御手段としてのコントローラ50をさらに備え
る。
【0048】駆動機構30は、互いに一次独立な3つの
軸に沿って試料1を移動させることが可能である。試料
1は不純物がドープされた半導体であり、磁気共鳴装置
100は、検出手段としてのアンテナ41および42が
検出した電磁波に応じて半導体内の不純物濃度を測定す
る。
【0049】装置の中央にクライオスタット10が位置
する。クライオスタット10は駆動機構30上に載置さ
れており、駆動機構30に固定されている。駆動機構3
0は、クライオスタット10およびクライオスタット1
0が保持する試料1を三次元的に移動することが可能で
ある。
【0050】クライオスタット10を挟むように、1対
のアンテナ41および42が設けられている。アンテナ
41および42は、互いに向かい合うように設けられ、
試料1に対して電磁波を照射し、かつ試料1から放出さ
れる電磁波を検知する。アンテナ41および42として
は、ループアンテナが用いられる。
【0051】アンテナ41および42の両側には、1対
のコイル21および22が設けられる。コイル21およ
び22内に所定の電流が流れることにより磁場が発生す
る。コイル21および22は試料1に対して磁場を印加
する。
【0052】コントローラ50は、クライオスタット1
0、コイル21および22、駆動機構30およびアンテ
ナ41および42に接続されてこれらに所定の信号を送
る。信号解析装置60は、クライオスタット10、駆動
機構30、アンテナ41および42に接続される。また
信号解析装置60とコントローラ50とは接続されてい
る。
【0053】信号解析装置60はディスプレイ70に接
続される。信号解析装置60に集められた信号は信号解
析装置60内で加工されてディスプレイ70上に画面と
して表示される。
【0054】図2は、図1で示す磁気共鳴装置を詳細に
示す図である。図2の(A)は、磁気共鳴装置の断面図
であり、図2の(B)は、コイルとアンテナとの斜視図
であり、図2の(C)は、コイルの平面図である。図2
を参照して、この発明に従った磁気共鳴装置100の構
造について詳細に説明する。
【0055】(1) コイル21および22 現在最も強い磁場が得られる磁石は空心超電導磁石であ
る。コイル21および22は電磁石を構成し、コイル2
1および22の巻数ならびにコイル21および22に流
す電流に比例して強い磁力が得られる。
【0056】超電導体からなるコイル21および22の
線材としてはNb3Snを用いることができる。このコ
イル21および22に250A程度の電流を流すと、磁
場強度が20T程度の磁場が実現できる。さらに強力な
磁場を得るためには酸化物超電導体をコイル21および
22の材質として用いることができる。コイル21およ
び22は液体ヘリウムを満たした断熱容器の中に置かれ
るが、液体ヘリウムの蒸発をなるべく少なくするため
に、さらに全体が液体窒素で満たされた断熱容器に入れ
られる。
【0057】一般のMRI装置の場合、観察したい試料
の領域が大きく、その全体に対して均一性のよい磁場を
印加しなければならない。そのため、通常メインの磁石
は直径10cm以上とする必要があり、その他に均一性
を調整するための「シム」と呼ばれる電磁石が併設され
る。しかし、本発明においては超強磁場が印加される領
域は面積が1cm2以下でもよいため、シムは必要な
い。
【0058】それよりも試料1の領域での磁束密度を高
めるためにコイル21および22の直径D(図2の
(C)参照)およびコイル21および22の間隔t(図
2の(B)参照)をなるべく小さくすることが望まし
い。観察対象がシリコン基板からなる試料1上に塗布さ
れたフォトレジストに含まれる水素原子核のように空間
密度が高い場合には直径が30cm程度のコイルを用い
てもよいが、シリコン基板中に注入された砒素などのよ
うに少量の原子核を観察する場合は図2の(C)で示す
ように直径Dが1cm以下のコイルとすることが有利で
ある。
【0059】また、磁場の強さはコイル21および22
から離れるほど弱くなる。これは、磁力線が空間に広が
り、その密度が下がるためである。したがって試料1か
らコイル21および22までの距離は近い方がよい。ま
た、磁場の減衰を避けるために、2つの異なる極性の磁
極(コイル)を、試料1を保持する領域を挟むように配
置し、その間隔は可能な限り狭くするのが有利である。
シリコン基板を試料1とする場合、その厚みは10mm
以下であるが、試料1の温度管理などのためにある程度
の構造物が設置できるだけの広さがある方がよい。コイ
ル21および22の間隔tは10cm以下程度とし、試
料1とコイル21および22との距離を5cm以下とす
ることが好ましい。
【0060】また、超強磁場を印加するための電磁石は
パルス動作でもよく、この場合は連続動作に比べてより
強い磁場を発生させることが可能である。
【0061】また、試料には、傾斜磁場を印加して磁場
強度を三次元的に走査する必要がある。このためには、
2組もしくはそれ以上の電磁石(コイル)により電気的
に磁場強度を変える方法と、磁場を固定して物理的に試
料の位置を動かす方法の2つがある。装置構成的には、
前者の方法、すなわち2組またはそれ以上の電磁石によ
り電気的に磁気強度を変える方法を採用し、信号解析に
より観察原子の空間分布を求める方が装置構成がシンプ
ルとなり好ましい。強磁場領域の間隔を狭めることで、
100mT/m以上の磁場勾配を実現することができ
る。コイル21がコイル22に向い合う面の面積(磁極
面積)を750cm2以下とすることが好ましい。
【0062】(2) 保持手段(クライオスタット1
0) MRI信号は、その原理より、試料を低温にした方が強
い信号強度が得られる。しかし、従来のMRI装置は生
体中の水分子に含まれる水素原子を主な観察対象として
いるため、試料を極低温にすることができなかった。本
発明では、観察対象としてシリコン基板中のリン、砒素
などを想定しているため、保持手段を液体窒素または液
体ヘリウムなどで冷却できる構造とすることができる。
通常このような目的のために使用する恒温槽は、クライ
オスタット10である。
【0063】クライオスタット10は3層構造となって
おり、3つの壁体11、12および13により構成され
る。壁体11および12に囲まれた領域が断熱層であ
り、壁体12および13の間の中間層が冷媒層であり、
壁体13に取囲まれる領域が試料室である。
【0064】試料室内に試料1が設けられる。試料室内
には液体または気体のヘリウム16が充填されている。
ヒータ91が設けられる。このヒータ91は試料室の外
に設けられてもよい。試料室内にはヘリウム導入管83
およびヘリウム排出管84が設けられる。ヘリウム導入
管83は、冷媒としての液体または気体のヘリウム16
を試料室内に導入する。ヘリウム排出管84はヘリウム
を試料室から外部へ排出する。
【0065】ヘリウム導入管83およびヘリウム排出管
84には、それぞれバルブ88および89が設けられ
る。バルブ88および89の開閉は、コントローラ50
により制御される。
【0066】試料室内には温度センサ92が設けられ、
温度センサ92は信号解析装置60に接続される。
【0067】試料室を構成する壁体13としては、熱伝
導性のよい材質が好ましいが、試料1裏面に直接触れる
ために試料1を汚染しない程度の純度を持つ必要があ
る。汚染物質が付着したまま試料1を高温にした場合に
は、試料1中に汚染物質が拡散してしまう可能性がある
からである。ただし、この装置中では、通常室温よりも
低温に保たれる。
【0068】壁体12および13の間には液体窒素15
が充填されている。試料室内にはヘリウム16が充填さ
れている。液体窒素は液体窒素導入管81により導入さ
れ液体窒素排出管82により排出される。なお、液体窒
素導入管81および液体窒素排出管82には、それぞれ
バルブ86および87が設けられる。バルブ86および
87はコントローラ50に接続されている。壁体11と
壁体12との間は真空となっている。
【0069】クライオスタット10内は極低温になるた
めに、その中に水分または酸素があると凍結または液化
する。したがって、予めこれらの分子が取除けるように
排気ポンプを備えておくことが好ましい。試料室内の気
体はヘリウムで置換をしておくと安定して測定がしやす
い。また、試料1を液体ヘリウム温度まで冷却する場合
は、ヘリウム導入管83から試料室内に液体ヘリウムを
流し込むこともできる。また、試料1を温度100K以
下とすることが好ましい。試料1の面のうちX軸および
Z軸が紙面と平行となり、Y軸が紙面に対して垂直とな
る。
【0070】(3) 照射手段および検出手段(アンテ
ナ41および42) 通常、MRIにおいて核磁気共鳴現象を励起するのはル
ープ状のアンテナ41および42から放出される電磁波
としてのラジオ波である。このアンテナ41および42
は共鳴信号を受信する検出手段としてのアンテナとして
も併用される。MRIの空間分解能はこのラジオ波が持
つ周波数幅に反比例し、周波数分布が狭いほど分解能は
高い。周波数幅の狭い電磁波を得る手段としてメーザが
あるが、メーザは原理的に単一周波数でありエネルギ密
度も高くパルス動作も容易な電磁波であるため、MRI
の励起源として有利である。
【0071】信号解析装置60としては、従来の他のM
RI装置と同様のものを使用することができる。MRI
信号の測定手法には、飽和回復法や反転回復法などのモ
ードがあるが、本発明でもこれらを同様に用いることが
できる。
【0072】生体を観察対象とするMRIでは、対象を
固定できないために観察時間の長い測定を行なうことが
できないが、非生物を扱う場合には、繰返し測定の結果
を積算することにより信号のS/N比を向上させること
ができる。
【0073】以上のような改良を施すことにより従来の
MRI装置に比べてはるかに感度が向上し、シリコンの
マトリックス中で1cm3当り1016個のリンまたはホ
ウ素などの原子が分布している場合に、三次元的な分布
を0.1μm程度の空間分解能で観察できる。
【0074】(4) 駆動機構 駆動機構30はクライオスタット10を支持し、クライ
オスタット10を、一次独立な3方向に移動させること
ができる。これにより、試料1内の不純物濃度分布を三
次元的に測定することができる。
【0075】次に、MRIの原理について説明する。ス
ピン量子数がIであり、磁気モーメントμを持つ原子核
は、磁場Bとの相互作用して、縮重していたエネルギ準
位が2I+1に分裂する。これはゼーマン分裂(Zeema
n)分裂と呼ばれる。代表的な観察対象である水素原子
核(陽子数が1)の場合、スピン量子数Iは1/2であ
り、磁場中では、2つのエネルギ準位に分裂する。
【0076】図3は、ゼーマン分裂を示す模式図であ
る。図3を参照して、磁場がない状態では、水素原子核
110は単一のエネルギ準位であるのに対し、磁場があ
る状態では、水素原子核110は、2つのエネルギ準位
に分裂する。2つの準位のうち、核スピンの配向が磁場
Bと同じ向きの低エネルギ側の準位をαとし、反対の向
きの高エネルギ側の準位をβとする。αスピンの数Nα
とβスピンの数Nβの比率はボルツマン分布則に従い、
Nβ/Nα=exp(−E/kT)となる。ここで、k
はボルツマン定数であり、Tは絶対温度である。またE
は2μBで示されるエネルギである。
【0077】ゼーマン分裂した状態の原子核に振動数ν
の電磁波を照射すると、そのエネルギhνがEに等しい
場合に共鳴現象が起こる。hはプランク定数である。こ
の共鳴現象により、電磁波が共鳴信号(NMR(Nuclea
r magnetic resonance)信号)として放出される。共鳴
信号の強度は、励起可能な原子核の数(Nα−Nβ)/
2に比例する。上式は以下のように変形できる。
【0078】 Nα−Nβ=Nα(1−Nβ/Nα) =Nα(1−exp(E/kT)) =Nα(1−exp(−2μB/kT)) この式より、磁場強度が強くかつ低温であるほど強い信
号が得られることがわかる。
【0079】プロトン(水素原子核)について、Nα−
Nβを見積もると、磁束密度Bが2.35T(100M
Hz相当)でT=300Kのとき、Nα−Nβ=0.0
0001であり、βスピンが10万個あるときにαスピ
ンが10万+1個の割合である。同様に、B=23.5
T(1GHz相当)でT=300KのときNα−Nβ=
0.00016である。また、B=2.35T(100
MHz相当)でT=4.2Kのとき、Nα−Nβ=0.
00114となり、これらの磁場強度および温度の範囲
では励起可能な原子核数、すなわち信号強度が、ほぼ磁
場強度に比例し、絶対温度に反比例することがわかる。
【0080】また、励起可能な原子核がいくらたくさん
存在したとしても、実際に励起しなければ信号が得られ
ない。したがって、S/N比の高い信号を得るために
は、十分な強度の電磁波を照射しなければならない。
【0081】上述のような手法によりNMR信号を得る
ためには、印加する磁場強度と電磁波の周波数を微小空
間のみで共鳴条件が成立するように設定し、この微小空
間を三次元的に掃引すれば信号強度の三次元画像が得ら
れる。これがMRIの原理である。
【0082】通常、MRIでは、試料に傾斜磁場を印加
し狭い帯域周波数の電磁波を照射することにより共鳴条
件が面状の領域でのみ成立するようにする。そしてこの
面状の領域を試料に対して縦横に掃引して得られた信号
を計算機で解析することにより三次元的な画像を再構成
する。
【0083】図4はMRIの原理を説明するための図で
ある。図4を参照して、たとえばX軸方向に傾斜aを有
する磁場の強度が直線121で表わされるとする。この
磁場中の磁場強度B0の位置で共鳴条件hν0=2μB0
が成立するとする。共鳴信号を放出するのに寄与する原
子核は、X軸に対して垂直な面に分布する。また、入射
した電磁波が単一周波数ではなく、その周波数に若干の
ばらつきがあり、周波数の幅(上限値−下限値)がdν
とすると、共鳴条件を満たす位置の幅dX1は、以下の
式で表わされる。
【0084】dX1=h・dν/2aμ したがって、周波数の幅dνが狭いほど共鳴信号に寄与
する原子核の分布は薄くなり、空間分解能が高くなる。
また、直線122で示すように、磁場の勾配が急になる
ほど共鳴信号に寄与する原子核の分布は薄くなり、空間
分解能が高くなる。
【0085】したがって、MRIの空間分解能を向上さ
せるためには、以下の方法がある。 (1) 試料に印加する磁場の傾斜を強くする。
【0086】(2) 照射する電磁波の周波数幅を狭く
する。上述のように、MRIの空間分解能を向上させる
ことにより、共鳴条件の成立する空間に存在する原子核
の数が少なくなる。これにより、共鳴信号の強度の低下
を招く。したがって、分解能の高いMRI装置を実現す
るためには、十分な信号強度を確保する必要がある。こ
のためには、以下の方法がある。
【0087】(1) 磁場強度を強くする。具体的に
は、電磁石構成するコイルに流す電流を増やす、磁極間
の距離を短くする、試料を磁極に近づけるなどの方法が
ある。
【0088】(2) 試料を低温にする。具体的には、
試料室を断熱材料で覆い内部を液体窒素、液体ヘリウム
で冷却する。
【0089】(3) 照射する電磁波を強くする。具体
的には、電磁波源としてメーザを用いるなどがある。こ
のとき、メーザは単一波長で発振するために周波数帯域
が狭く、空間分解能を向上させる効果もある。
【0090】次に、三次元的な不純物分布を測定するた
めの方法について説明する。図5は、試料と、X、Yお
よびZ軸との関係を示す斜視図である。図6は、試料
と、XおよびZ軸との関係を示す側面図である。図7〜
図9は、第1工程で試料に印加される磁場強度を説明す
るための図である。
【0091】図5〜図9を参照して、まず第1工程で
は、Z=0の面で磁場強度がB0となり、共鳴条件が成
立するように試料に傾斜磁場を印加する。この磁場は、
基準軸としてのZ軸に対して傾斜している。Z=0で表
わされる平面上で共鳴条件が成立する。この状態でアン
テナ41および42から電磁波を照射すると、Z=0の
平面上で共鳴が起き、アンテナ41および42が共鳴信
号を受信する。これにより、Z=0面での積算した信号
強度を求めることができる。
【0092】図10〜12は、第2工程で試料に印加さ
れる磁場強度を説明するための図である。図10〜図1
2を参照して、第2工程では、Z=dZの面上で共鳴条
件が成立するように駆動機構30がクライオスタット1
0および試料1を図2で示す状態からZ軸方向に僅かに
移動させる。これにより、Z=dZの面上で共鳴が成立
する。これにより共鳴信号が得られてZ=dZ平面での
積算した信号強度がアンテナ41および42により観測
される。
【0093】図13は、駆動機構により位置を変化させ
た試料を示す図である。なお、図13ではコントローラ
50、信号解析装置60およびディスプレイなどの付属
する機器を省略している。図13を参照して、駆動機構
30が試料1を移動させる。これにより、試料1の面の
うちX軸およびZ軸が紙面と平行となり、Y軸が紙面に
対して垂直となる。X軸がコイル22からコイル21へ
向かう方向に延びる。図14〜図16は、第3工程で試
料に印加される磁場強度を説明するための図である。図
14〜図16を参照して、第3工程では、X=X0の面
で磁場強度がB0となり、共鳴条件が成立するように試
料1に傾斜磁場を印加する。この磁場は、基準軸として
のX軸に対して傾斜している。X=X0で表わされる平
面上で共鳴条件が成立する。この状態でアンテナ41お
よび42から電磁波を照射すると、X=X0の平面上で
共鳴が起き、アンテナ41および42が共鳴信号を受信
する。これにより、X=X0面での積算した信号強度を
求めることができる。
【0094】図17〜19は、第4工程で試料に印加さ
れる磁場強度を説明するための図である。図17〜図1
9を参照して、第4工程では、X=X0+dXの面上で
共鳴条件が成立するように駆動機構30がクライオスタ
ット10および試料1を図13で示す状態からX軸方向
に僅かに移動させる。これにより、X=X0+dXの面
上で共鳴が成立する。これにより共鳴信号が得られてX
=X0+dX平面での積算した信号強度がアンテナ41
および42により観測される。
【0095】図20は、駆動機構により位置を変化させ
た試料を示す図である。なお、図20ではコントローラ
50、信号解析装置60およびディスプレイなどの付属
する機器を省略している。図20を参照して、駆動機構
30が試料1を移動させる。これにより、試料1の面の
うちX軸およびY軸が紙面と平行となり、Z軸が紙面に
対して垂直となる。Y軸がコイル22からコイル21へ
向かう方向に延びる。図21〜図23は、第5工程で試
料に印加される磁場強度を説明するための図である。図
21〜図23を参照して、第5工程では、Y=Y0の面
で磁場強度がB0となり、共鳴条件が成立するように試
料1に傾斜磁場を印加する。この磁場は、基準軸として
のY軸に対して傾斜している。Y=Y0で表わされる平
面上で共鳴条件が成立する。この状態でアンテナ41お
よび42から電磁波を照射すると、Y=Y0の平面上で
共鳴が起き、アンテナ41および42が共鳴信号を受信
する。これにより、Y=Y0面での積算した信号強度を
求めることができる。
【0096】図24〜26は、第6工程で試料に印加さ
れる磁場強度を説明するための図である。図24〜図2
6を参照して、第6工程では、Y=Y0+dYの面上で
共鳴条件が成立するように駆動機構30がクライオスタ
ット10および試料1を図20で示す状態からY軸方向
に僅かに移動させる。これにより、Y=Y0+dYの面
上で共鳴が成立する。これにより共鳴信号が得られてY
=Y0+dY平面での積算した信号強度がアンテナ41
および42により観測される。このようにして三次元的
に試料を移動させることにより試料1内での不純物の三
次元的な分布を、試料1を破壊せずに求めることができ
る。さらに、試料1を冷却しているために、精度よく不
純物の分布を求めることができる。
【0097】(実施の形態2)図27は、この発明の実
施の形態2に従った磁気共鳴装置のブロック図である。
図27を参照して、この発明の実施の形態2に従った磁
気共鳴装置100は、磁気モーメントを持つ原子核を含
む試料1を冷却して保持する保持手段としてのクライオ
スタット10と、磁場強度が試料1の基準軸に対して勾
配するように傾斜した磁場を掃引して試料1に印加する
磁場印加手段としてのコイル21、22、23、24、
25および26と、磁場が印加された試料1に電磁波を
照射する照射手段としてのアンテナ41および42と、
電磁波が照射された試料1から放出される電磁波を検出
する検出手段としてのアンテナ41および42とを備え
る。磁場印加手段としてのコイル21および22は試料
1に磁場を印加して原子核をゼーマン分裂させる。照射
手段と検出手段とは、共通のアンテナ41および42を
含む。磁気共鳴装置100は、磁場印加手段としてのコ
イル21、22、23、24、25および26が試料1
に印加する磁場の強度を調整する制御手段としてのコン
トローラ50をさらに備える。試料1は、不純物がドー
プされた半導体であり、磁気共鳴装置100は、アンテ
ナ41および42が検出した電磁波に応じて半導体内の
不純物濃度を測定する。
【0098】コイル21、22、23、24、25およ
び26により生じる磁場の強度はコントローラ50によ
り変更することができる。すなわち、コントローラ50
は、それぞれのコイル21〜26に流す電流を調整して
コイル21〜26が発生させる磁場の強度を変化させる
ことができる。そのため、それぞれのコイル21〜26
は、試料1に対して磁場を掃引して印加することができ
る。
【0099】図28は、図27で示すコイルの斜視図で
ある。図28を参照して、クライオスタット10近傍に
コイルが設けられる。コイル23および24を結ぶ軸が
X軸であり、コイル26および25を結ぶ軸がY軸であ
り、コイル21および22を結ぶ軸がZ軸である。磁場
印加手段は、第1軸としてのX軸に沿って設けられた1
対の第1のコイルとしてのコイル23および24と、X
軸に対して一次独立な第2軸としてのY軸に沿って設け
られた1対の第2のコイルとしてのコイル25および2
6と、X軸およびY軸に対して一次独立な第3軸として
のZ軸に沿って設けられた1対の第3のコイルとしての
コイル21および22とを含む。図28では、X、Y、
Zはそれぞれ直交しているが、これらの3軸は必ずしも
直交する必要はなく、これらの3軸が一次独立であれば
よい。
【0100】クライオスタット10と、コイル21およ
び22との間に、図示しないアンテナが設けられてい
る。
【0101】図29〜図31は、第1工程で試料に印加
される磁場強度を説明するための図である。図29〜図
31を参照して、まず第1工程では、X=X0の面で磁
場強度がB0となり、共鳴条件が成立するように試料に
傾斜磁場を印加する。なお、図29〜図31で示すよう
な磁場は、コイル21にコイル23よりも大きな電流を
流し、コイル25および26に等しい電流を流し、さら
にコイル21および22に等しい電流を流すことで実現
することができる。この磁場は、基準軸としてのX軸に
対して傾斜している。X=X0で表わされる平面上で共
鳴条件が成立する。この状態でアンテナ41および42
から電磁波を照射すると、X=X0の平面上で共鳴が起
き、アンテナ41および42が共鳴信号を受信する。こ
れにより、X=X0面での積算した信号強度を求めるこ
とができる。
【0102】図32〜34は、第2工程で試料に印加さ
れる磁場強度を説明するための図である。図32〜図3
4を参照して、第2工程では、X=X0+dXの面上で
共鳴条件が成立するようにコイル23および24が試料
1に掃引して磁場を印加する。これにより、X=X0
dXの面上で共鳴が成立する。これにより共鳴信号が得
られてX=X0+dX平面での積算した信号強度がアン
テナ41および42により観測される。
【0103】同様の手法により、Y軸方向の傾斜磁場お
よびZ軸方向の傾斜磁場を試料1に掃引して印加するこ
とにより、Y軸に垂直な面およびZ軸に垂直な面上での
不純物の分布を求めることができる。
【0104】このように構成されたこの発明の実施の形
態2に従った磁気共鳴装置でも、実施の形態1に従った
磁気共鳴装置と同様の効果がある。
【0105】(実施の形態3)図35は、この発明の実
施の形態3に従った磁気共鳴装置のブロック図である。
図35を参照して、この発明の実施の形態3に従って磁
気共鳴装置100では、照射手段としてメーザ140を
用いている点で、実施の形態1に従った磁気共鳴装置1
00と異なる。メーザ140は単一波長の電磁波をクラ
イオスタット10内の試料1に照射する。メーザ140
はコントローラ50に接続される。コントローラ50か
ら所定の信号が入力されると、メーザ140は単一波長
の電磁波を試料1に照射する。
【0106】このように構成された磁気共鳴装置100
では、実施の形態1に従った磁気共鳴装置100と同様
の効果がある。さらに、メーザ140が単一波長の電磁
波を試料1に照射するため、不純物濃度分布の分解能が
さらに向上するという効果がある。
【0107】(実施の形態4)図36は、この発明の実
施の形態4に従った磁気共鳴装置の断面図である。図3
6を参照して、この発明の実施の形態4に従った磁気共
鳴装置100では、試料1の近傍で磁場強度を増加させ
るようにコイル21および22近傍に設けられた反磁性
体(超電導体)151が設けられている点で、実施の形
態1に従った磁気共鳴装置100と異なる。
【0108】試料1に印加される磁場の強度は、試料1
を通過する磁力線の密度で表わされるため、試料1の外
側を通過する磁力線を試料1へ集めることができれば、
さらに磁場強度が大きくなり信号強度を増すことができ
る。このためには、磁力線が、強い反磁性物質を透過で
きないことを利用することができる。これは、マイスナ
ー効果と呼ばれる現象であり、超電導体でしばしば現れ
る現象である。現在知られている超電導体は、極低温で
しかマイスナー効果を示さないが、本発明における試料
室では極低温に保持する機構を備えるため、これを利用
することができる。すなわち、試料室周辺に超電導物質
を配置し、これを極低温にすることにより超電導物質が
置かれている空間を通過するはずであった磁力線を試料
1へ寄せ集めることができる。これは、反磁性体中の透
磁率が0になる現象を利用したものであり、超電導物質
であればあらゆる物質を用いることができる。比較的高
温でマイスナー効果を示す物質として、Y−Ba−Ca
−O系またはビスマス系のセラミックスが知られてい
る。もちろん、常温で強い反磁性を示す物質を使用すれ
ば極低温にする必要はない。
【0109】このように構成された、この発明の実施の
形態4に従った磁気共鳴装置100でも、実施の形態1
に従った磁気共鳴装置100と同様の効果がある。さら
に、磁力線を試料1に集めることができるため、さらに
分解能を向上させることができる。
【0110】(実施の形態5)図37は、この発明の実
施の形態5に従った磁気共鳴装置のブロック図である。
図37を参照して、この発明の実施の形態5に従った磁
気共鳴装置100では、コイル21および22の近傍に
反磁性体171および172が設けられており、照射手
段としてメーザ140が設けられている点で、実施の形
態2に従った磁気共鳴装置100と異なる。
【0111】このように構成された磁気共鳴装置100
でも、実施の形態4に従った磁気共鳴装置100と同様
の効果がある。さらに、メーザ140が単一波長の電磁
波を試料1に照射するため、不純物濃度分布の分解能が
さらに向上するという効果がある。
【0112】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0113】
【発明の効果】この発明に従えば、試料を破壊すること
なく、試料内の原子核の分布を高い分解能で求めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に従った磁気共鳴装
置のブロック図である。
【図2】 図1で示す磁気共鳴装置を詳細に示す図であ
り、図2の(A)は、磁気共鳴装置の断面図であり、図
2の(B)は、コイルとアンテナとの斜視図であり、図
2の(C)は、コイルの平面図である。
【図3】 ゼーマン分裂を示す模式図である。
【図4】 MRIの原理を説明するための図である。
【図5】 試料と、X、YおよびZ軸との関係を示す斜
視図である。
【図6】 試料と、XおよびZ軸との関係を示す斜視図
である。
【図7】 第1工程で試料に印加される磁場強度を説明
するための図である。
【図8】 第1工程で試料に印加される磁場強度を説明
するための図である。
【図9】 第1工程で試料に印加される磁場強度を説明
するための図である。
【図10】 第2工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図11】 第2工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図12】 第2工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図13】 駆動機構により位置を変化させた試料を示
す図である。
【図14】 第3工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図15】 第3工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図16】 第3工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図17】 第4工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図18】 第4工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図19】 第4工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図20】 駆動機構により位置を変化させた試料を示
す図である。
【図21】 第5工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図22】 第5工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図23】 第5工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図24】 第6工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図25】 第6工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図26】 第6工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図27】 この発明の実施の形態2に従った磁気共鳴
装置のブロック図である。
【図28】 図27で示すコイルの斜視図である。
【図29】 第1工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図30】 第1工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図31】 第1工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図32】 第2工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図33】 第2工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図34】 第2工程で試料に印加される磁場強度を説
明するための図である。
【図35】 この発明の実施の形態3に従った磁気共鳴
装置のブロック図である。
【図36】 この発明の実施の形態4に従った磁気共鳴
装置の断面図である。
【図37】 この発明の実施の形態5に従った磁気共鳴
装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 試料、10 クライオスタット、21,22,2
3,24,25,26コイル、30 駆動機構、41,
42 アンテナ、50 コントローラ、100磁気共鳴
装置、140 メーザ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気モーメントを持つ原子核を含む試料
    を冷却して保持する保持手段と、 磁場強度が試料の基準軸に対して勾配を有するように傾
    斜した磁場を試料に印加する磁場印加手段と、 磁場が印加された試料を磁場に対して移動させる駆動手
    段と、 磁場が印加された試料に電磁波を照射する照射手段と、 電磁波が照射された試料から放出される電磁波を検出す
    る検出手段とを備えた、磁気共鳴装置。
  2. 【請求項2】 前記磁場印加手段は、試料に磁場を印加
    して原子核をゼーマン分裂させる、請求項1に記載の磁
    気共鳴装置。
  3. 【請求項3】 前記照射手段と前記検出手段とは、共通
    のアンテナ素子を含む、請求項1または2に記載の磁気
    共鳴装置。
  4. 【請求項4】 前記照射手段はメーザを含む、請求項1
    から3のいずれか1項に記載の磁気共鳴装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段の動作を制御する制御手段
    をさらに備えた、請求項1から4のいずれか1項に記載
    の磁気共鳴装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段は、互いに一次独立な3つ
    の軸に沿って試料を移動させることが可能である、請求
    項1から5のいずれか1項に記載の磁気共鳴装置。
  7. 【請求項7】 試料の近傍で磁場強度を増加させるよう
    に前記磁場印加手段近傍に設けられた反磁性体をさらに
    備えた、請求項1から6のいずれか1項に記載の磁気共
    鳴装置。
  8. 【請求項8】 前記試料は不純物がドープされた半導体
    であり、前記磁気共鳴装置は、前記検出手段が検出した
    電磁波に応じて前記半導体内の不純物濃度を測定する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の磁気共鳴装置。
  9. 【請求項9】 磁気モーメントを持つ原子核を含む試料
    を冷却して保持する保持手段と、 磁場強度が試料の基準軸に対して勾配を有するように傾
    斜した磁場を掃引して試料に印加する磁場印加手段と、 磁場が印加された試料に電磁波を照射する照射手段と、 電磁波が照射された試料から放出される電磁波を検出す
    る検出手段とを備えた、磁気共鳴装置。
  10. 【請求項10】 前記磁場印加手段は、試料に磁場を印
    加して原子核をゼーマン分裂させる、請求項9に記載の
    磁気共鳴装置。
  11. 【請求項11】 前記照射手段と前記検出手段とは、共
    通のアンテナ素子を含む、請求項9または10に記載の
    磁気共鳴装置。
  12. 【請求項12】 前記照射手段はメーザを含む、請求項
    9から11のいずれか1項に記載の磁気共鳴装置。
  13. 【請求項13】 前記磁場印加手段が試料に印加する磁
    場の強度を調整する制御手段をさらに備えた、請求項9
    から12のいずれか1項に記載の磁気共鳴装置。
  14. 【請求項14】 前記磁場印加手段は、第1軸に沿って
    設けられた1対の第1のコイルと、前記第1軸に対して
    一次独立な第2軸に沿って設けられた1対の第2のコイ
    ルと、前記第1軸および前記第2軸に対して一次独立な
    第3軸に沿って設けられた1対の第3のコイルとを含
    む、請求項9から13のいずれか1項に記載の磁気共鳴
    装置。
  15. 【請求項15】 試料の近傍で磁場強度を増加させるよ
    うに前記磁場印加手段近傍に設けられた反磁性体をさら
    に備えた、請求項9から14のいずれか1項に記載の磁
    気共鳴装置。
  16. 【請求項16】 前記試料は不純物がドープされた半導
    体であり、前記磁気共鳴装置は、前記検出手段が検出し
    た電磁波に応じて前記半導体内の不純物濃度を測定す
    る、請求項9から15のいずれか1項に記載の磁気共鳴
    装置。
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