JP2002363604A - 永久磁石合金粉末とその製造方法 - Google Patents
永久磁石合金粉末とその製造方法Info
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 永久磁石としての高磁気特性を持つように、
結晶粒径および結晶相が制御されたフレーク状合金粉末
を提供すること。 【解決手段】 希土類金属−遷移金属−ボロン系合金
を、双ロール法で、冷却凝固することによって得られる
フレーク状合金の粉末において、平均粒径が20〜15
0μmであり、冷却ロールに接触した面間の厚さが10
0μm以下であり、また、形状異方性に関する粒径は、
長軸方向で100〜200μmであり、短軸方向で5〜
50μmである合金粉末とする。また、合金溶湯をタン
ディッシュを介して、ノズルより噴出させて連続的に冷
却ロールに供給する際、前記合金溶湯が冷却ロールに衝
突する位置は、2つの冷却ロールがほぼ接する位置か
ら、冷却ロール回転軸のまわりに40〜50°の角度だ
け回転した位置にするとよい。
結晶粒径および結晶相が制御されたフレーク状合金粉末
を提供すること。 【解決手段】 希土類金属−遷移金属−ボロン系合金
を、双ロール法で、冷却凝固することによって得られる
フレーク状合金の粉末において、平均粒径が20〜15
0μmであり、冷却ロールに接触した面間の厚さが10
0μm以下であり、また、形状異方性に関する粒径は、
長軸方向で100〜200μmであり、短軸方向で5〜
50μmである合金粉末とする。また、合金溶湯をタン
ディッシュを介して、ノズルより噴出させて連続的に冷
却ロールに供給する際、前記合金溶湯が冷却ロールに衝
突する位置は、2つの冷却ロールがほぼ接する位置か
ら、冷却ロール回転軸のまわりに40〜50°の角度だ
け回転した位置にするとよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石特性に優れた
結晶組織を有する希土類金属−遷移金属−ボロン系永久
磁石用のフレーク状合金粉末に関する。
結晶組織を有する希土類金属−遷移金属−ボロン系永久
磁石用のフレーク状合金粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】高速急冷法は、金属溶湯を冷却基体表面
に衝突させて急冷し、薄帯、フレーク状、粉末状などの
金属を得る方法であり、単ロール法、双ロール法、ディ
スク法等に分類される。
に衝突させて急冷し、薄帯、フレーク状、粉末状などの
金属を得る方法であり、単ロール法、双ロール法、ディ
スク法等に分類される。
【0003】これらの高速急冷法のうち、単ロール法で
は、冷却媒体として、1個の冷却ロールを用いる。そし
て、合金溶湯をノズルから噴出し、ノズルに対して、回
転している冷却ロールの表面に衝突させ、この表面との
接触により合金を一方向から冷却し、通常、薄帯状の急
冷合金を得る。また、機械的に制御する部分が少なく、
安定性が高く、経済的で、保守も容易であるために汎用
されている。
は、冷却媒体として、1個の冷却ロールを用いる。そし
て、合金溶湯をノズルから噴出し、ノズルに対して、回
転している冷却ロールの表面に衝突させ、この表面との
接触により合金を一方向から冷却し、通常、薄帯状の急
冷合金を得る。また、機械的に制御する部分が少なく、
安定性が高く、経済的で、保守も容易であるために汎用
されている。
【0004】また、双ロール法は、一対の冷却ロールを
用い、これらの冷却ロール間に合金溶湯を挟んで、対向
する二方向から冷却する方法である。
用い、これらの冷却ロール間に合金溶湯を挟んで、対向
する二方向から冷却する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の単ロ
ール法では、得られるフレーク状合金粉末の厚さは制御
できないため、厚さが大きくばらつき、形状のそろった
フレーク状合金粉末を得ることが困難であった。また、
単ロール法では、一般に冷却ロール表面に接触する側
(以下、ロール面側)の冷却速度を最適範囲に設定する
と、その反対側(以下、フリー面側という)の冷却速度
が不十分となり、ロール面側では、望ましい結晶粒径と
なるが、フリー側では粗大粒となって、高い保磁力が得
られなくなる。
ール法では、得られるフレーク状合金粉末の厚さは制御
できないため、厚さが大きくばらつき、形状のそろった
フレーク状合金粉末を得ることが困難であった。また、
単ロール法では、一般に冷却ロール表面に接触する側
(以下、ロール面側)の冷却速度を最適範囲に設定する
と、その反対側(以下、フリー面側という)の冷却速度
が不十分となり、ロール面側では、望ましい結晶粒径と
なるが、フリー側では粗大粒となって、高い保磁力が得
られなくなる。
【0006】一方、フリー面側の結晶粒径が望ましい範
囲で冷却すると、ロール面側の冷却速度が極端に大きく
なり、ロール面側は殆どアモルファス状態となって高い
磁気特性が得られない。このため、従来は、急冷合金の
全体として、望ましい粒径の結晶粒が最も多くなるよう
に冷却ロールの周速度を設定し、これを最適周速度とし
ている。
囲で冷却すると、ロール面側の冷却速度が極端に大きく
なり、ロール面側は殆どアモルファス状態となって高い
磁気特性が得られない。このため、従来は、急冷合金の
全体として、望ましい粒径の結晶粒が最も多くなるよう
に冷却ロールの周速度を設定し、これを最適周速度とし
ている。
【0007】しかし、上記のように決定された最適周速
度は極めて狭い範囲にあり、厳密な制御が必要であり、
低コストにて生産することが困難である。
度は極めて狭い範囲にあり、厳密な制御が必要であり、
低コストにて生産することが困難である。
【0008】さらに、上記の最適周速度で冷却を行った
場合でも、ロール面側とフリー面側とでは、冷却速度が
違うために、急冷フレーク合金の厚さ方向の結晶粒径に
10倍程度前後の差が生じ、所望の結晶粒径が得られる
領域が極端に狭くなってしまい、フレーク状合金の厚さ
方向で、各種磁気特性が不均一となってしまう。
場合でも、ロール面側とフリー面側とでは、冷却速度が
違うために、急冷フレーク合金の厚さ方向の結晶粒径に
10倍程度前後の差が生じ、所望の結晶粒径が得られる
領域が極端に狭くなってしまい、フレーク状合金の厚さ
方向で、各種磁気特性が不均一となってしまう。
【0009】このため、急冷フレーク状合金を粉砕した
とき、得られる磁石粉末中には高磁気特性の磁石粒子と
低磁気特性の磁石粒子とが混在することとなり、磁石全
体として高磁気特性が得られない。
とき、得られる磁石粉末中には高磁気特性の磁石粒子と
低磁気特性の磁石粒子とが混在することとなり、磁石全
体として高磁気特性が得られない。
【0010】一方、双ロール法では、フリー面が存在し
ないので、フレークの対向する表面での結晶粒径は、ほ
ぼ同等となる。しかし、ロール面付近とフレークの厚さ
方向の中央付近での冷却速度が異なるため、単ロール法
と同様に結晶粒径の違いが問題となる。
ないので、フレークの対向する表面での結晶粒径は、ほ
ぼ同等となる。しかし、ロール面付近とフレークの厚さ
方向の中央付近での冷却速度が異なるため、単ロール法
と同様に結晶粒径の違いが問題となる。
【0011】そこで、本発明は、永久磁石としての高磁
気特性を持つように、結晶粒径および結晶相が制御され
たフレーク状合金粉末を提供することを課題とする。
気特性を持つように、結晶粒径および結晶相が制御され
たフレーク状合金粉末を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために、双ロール構造の回転冷却体を用い、合
金溶湯と冷却ロールとが衝突あるいは接触する位置が、
2つの冷却ロールがほぼ接する位置から、冷却ロール回
転軸のまわりに40〜50°の角度だけ回転した位置と
なるように合金溶湯を冷却ロールに衝突させることによ
って、希土類金属−遷移金属−ボロン系の永久磁石材料
を製造する。
解決するために、双ロール構造の回転冷却体を用い、合
金溶湯と冷却ロールとが衝突あるいは接触する位置が、
2つの冷却ロールがほぼ接する位置から、冷却ロール回
転軸のまわりに40〜50°の角度だけ回転した位置と
なるように合金溶湯を冷却ロールに衝突させることによ
って、希土類金属−遷移金属−ボロン系の永久磁石材料
を製造する。
【0013】この方法を用いる事で、フレーク状合金粉
末の両面を交互に、急冷することができる。このように
合金溶湯を冷却ロールに交互にぶつけることで、冷却ロ
ール周速度の厳密な制御を必要とせず、厚みの変動を制
御することができる。
末の両面を交互に、急冷することができる。このように
合金溶湯を冷却ロールに交互にぶつけることで、冷却ロ
ール周速度の厳密な制御を必要とせず、厚みの変動を制
御することができる。
【0014】また、この方法では、ロールギャップを広
くとる事ができるために、双ロール法の問題点である振
動や湯詰まりなどの事故を防止できるという利点もあ
る。
くとる事ができるために、双ロール法の問題点である振
動や湯詰まりなどの事故を防止できるという利点もあ
る。
【0015】この方法により、一定厚さのフレーク状合
金粉末の希土類金属−遷移金属−ボロン系の永久磁石材
料を製造することができ、永久磁石材料内の広い範囲で
所望の結晶粒径を実現することができる。また、良好な
結晶相を同時に実現できるので、高い磁気特性の永久磁
石材料を製造することができる。
金粉末の希土類金属−遷移金属−ボロン系の永久磁石材
料を製造することができ、永久磁石材料内の広い範囲で
所望の結晶粒径を実現することができる。また、良好な
結晶相を同時に実現できるので、高い磁気特性の永久磁
石材料を製造することができる。
【0016】即ち、本発明の永久磁石合金粉末は、R−
T−Bからなる合金(ただし、Rは希土類元素のうちの
少なくとも1種を表し、Tは遷移金属元素のうちの少な
くとも1種を表し、Bはホウ素を表す)を主成分とする
永久磁石合金を、双ロール法で、冷却凝固することによ
って得られるフレーク状合金の粉末であって、平均粒径
が20〜150μmであり、冷却ロールに接触した面間
の厚さが100μm以下であり、また、形状異方性に関
する粒径は、長軸方向で100〜200μmであり、短
軸方向で5〜50μmであることを特徴とする。
T−Bからなる合金(ただし、Rは希土類元素のうちの
少なくとも1種を表し、Tは遷移金属元素のうちの少な
くとも1種を表し、Bはホウ素を表す)を主成分とする
永久磁石合金を、双ロール法で、冷却凝固することによ
って得られるフレーク状合金の粉末であって、平均粒径
が20〜150μmであり、冷却ロールに接触した面間
の厚さが100μm以下であり、また、形状異方性に関
する粒径は、長軸方向で100〜200μmであり、短
軸方向で5〜50μmであることを特徴とする。
【0017】また、前記フレーク状合金の主相結晶粒内
において、包晶核であるα-Feは15μm以下の粒径で
あり、微細分散されているとよい。
において、包晶核であるα-Feは15μm以下の粒径で
あり、微細分散されているとよい。
【0018】また、本発明の永久磁石合金粉末の製造方
法においては、前記双ロール法によって、前記フレーク
状合金を製造するために、合金溶湯をタンディッシュを
介して、ノズルより噴出させて連続的に冷却ロールに供
給する際、前記合金溶湯が冷却ロールに衝突する位置
は、2つの冷却ロールがほぼ接する位置から、冷却ロー
ル回転軸のまわりに40〜50°の角度だけ回転した位
置とするのがよい。
法においては、前記双ロール法によって、前記フレーク
状合金を製造するために、合金溶湯をタンディッシュを
介して、ノズルより噴出させて連続的に冷却ロールに供
給する際、前記合金溶湯が冷却ロールに衝突する位置
は、2つの冷却ロールがほぼ接する位置から、冷却ロー
ル回転軸のまわりに40〜50°の角度だけ回転した位
置とするのがよい。
【0019】
【作用】 本発明では、フレーク状合金粉末の希土類
金属−遷移金属−ボロン系永久磁石材料を双ロール法に
より製造する。その際、希土類金属−遷移金属−ボロン
系の合金溶湯の冷却ロールへの衝突位置と、2つの冷却
ロールがほぼ接する位置の間の角度を40〜50°とす
る事で、フレーク状合金粉末の両面を交互に冷却するこ
とができる。その結果、冷却ロールの周速度の管理を厳
密に行うことなく、一定の厚さで、所望の結晶粒径の含
有率が高く、結晶相が良好な、永久磁石材料を量産でき
る。
金属−遷移金属−ボロン系永久磁石材料を双ロール法に
より製造する。その際、希土類金属−遷移金属−ボロン
系の合金溶湯の冷却ロールへの衝突位置と、2つの冷却
ロールがほぼ接する位置の間の角度を40〜50°とす
る事で、フレーク状合金粉末の両面を交互に冷却するこ
とができる。その結果、冷却ロールの周速度の管理を厳
密に行うことなく、一定の厚さで、所望の結晶粒径の含
有率が高く、結晶相が良好な、永久磁石材料を量産でき
る。
【0020】ここで、合金溶湯が冷却ロールに衝突する
位置と、2つの冷却ロールがほぼ接する位置の間の角度
を40〜50°とするのは、50°を越えると、反対側
の冷却ロールに合金溶湯が効率よく飛散しないからであ
り、40°未満では、両面からの冷却が効率よく行われ
ないからである。
位置と、2つの冷却ロールがほぼ接する位置の間の角度
を40〜50°とするのは、50°を越えると、反対側
の冷却ロールに合金溶湯が効率よく飛散しないからであ
り、40°未満では、両面からの冷却が効率よく行われ
ないからである。
【0021】
【実施例】次に、実施例を示し、本発明をさらに詳しく
説明する。
説明する。
【0022】(実施例1)Nd33.0wt%、B1.0
wt%、Fe66.0wt%の各金属元素を配合した粉末
を、Arガス雰囲気中で高周波溶解法により溶解物とし
た。次いで、得られた溶解物の温度を1400℃に保持
した後、図1に示す装置を用いて、以下の方法に従っ
て、永久磁石用フレーク状合金粉末を得た。ここで、図
1は、本発明によるフレーク状合金粉末の製造装置の概
要を示す図であって、11はチャンバー、12はタンデ
ィッシュ、13は誘導コイル、14aと14bは冷却ロ
ール、15はノズル、16は合金粉末飛翔室、17は合
金粉末回収室、そして、18aと18bは冷却ロール回
転軸を示している。
wt%、Fe66.0wt%の各金属元素を配合した粉末
を、Arガス雰囲気中で高周波溶解法により溶解物とし
た。次いで、得られた溶解物の温度を1400℃に保持
した後、図1に示す装置を用いて、以下の方法に従っ
て、永久磁石用フレーク状合金粉末を得た。ここで、図
1は、本発明によるフレーク状合金粉末の製造装置の概
要を示す図であって、11はチャンバー、12はタンデ
ィッシュ、13は誘導コイル、14aと14bは冷却ロ
ール、15はノズル、16は合金粉末飛翔室、17は合
金粉末回収室、そして、18aと18bは冷却ロール回
転軸を示している。
【0023】得られたフレーク状合金粉末をSEMおよ
びEDXにて分析した結果を表1に記す。なお、フレー
ク状合金粉末の厚さは、冷却ロールに接触した面間の厚
さを示している。
びEDXにて分析した結果を表1に記す。なお、フレー
ク状合金粉末の厚さは、冷却ロールに接触した面間の厚
さを示している。
【0024】
【表1】
【0025】次に、得られたフレーク状永久磁石合金
を、24〜250メッシュに粉砕し、アルコール中にお
いて、さらに3μm程度まで微粉砕した。次いで、得ら
れた微粉末を、30kOe(2,388kA/m)の条件
下で磁気プレスした後、1040℃にて2時間焼結し、
10×10×15mmの永久磁石を得た。得られた永久
磁石の磁気特性を表2に示す。
を、24〜250メッシュに粉砕し、アルコール中にお
いて、さらに3μm程度まで微粉砕した。次いで、得ら
れた微粉末を、30kOe(2,388kA/m)の条件
下で磁気プレスした後、1040℃にて2時間焼結し、
10×10×15mmの永久磁石を得た。得られた永久
磁石の磁気特性を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】(比較例1)実施例1と同様の組成のフレ
ーク状合金を、単ロール法により作製し、得られたフレ
ーク状合金を実施例1と同様に分析し、さらに永久磁石
を製造した。合金鋳塊の分析を表1に、磁石特性を表2
に示す。
ーク状合金を、単ロール法により作製し、得られたフレ
ーク状合金を実施例1と同様に分析し、さらに永久磁石
を製造した。合金鋳塊の分析を表1に、磁石特性を表2
に示す。
【0028】これらの結果から、実施例の双ロール法で
は、フレーク状合金粉末の両面を冷却することで、単ロ
ール法のように、フリー面での結晶の粗大化、あるいは
α-Fe相が析出ということが起きず、また、Ndリッチ
相が主相を取り囲むように均一に分布することが分か
る。そのために、比較例の単ロール法と比べた場合、同
じ組成でフレーク状合金粉末を作製した場合、双ロール
法の方は、残留磁束密度 Br、保磁力 iHC、最大エ
ネルギー積 BHmaxにおいて、高特性になるのであ
る。
は、フレーク状合金粉末の両面を冷却することで、単ロ
ール法のように、フリー面での結晶の粗大化、あるいは
α-Fe相が析出ということが起きず、また、Ndリッチ
相が主相を取り囲むように均一に分布することが分か
る。そのために、比較例の単ロール法と比べた場合、同
じ組成でフレーク状合金粉末を作製した場合、双ロール
法の方は、残留磁束密度 Br、保磁力 iHC、最大エ
ネルギー積 BHmaxにおいて、高特性になるのであ
る。
【0029】(実施例2)まず、以下の3種類の配合比
率で金属元素を配合した。即ち、Nd が31.5wt
%、33.0wt%、または36.0wt%であり、Bが
1.0wt%であり、残部がFeとなる配合比率であ
る。なお、Nd が33.0wt%の場合は、実施例1の
場合と同じ配合比率である。その配合粉末を、Arガス
雰囲気中でアルミナるつぼを使用して、高周波溶解法に
より溶解物とした。得られた溶解物の温度を1400℃
に保持した後、図1に示す装置を用いて、以下の方法に
従って、永久磁石用フレーク状合金粉末を得た。このフ
レーク状合金粉末をSEMおよびEDXにて分析した結
果を表3に記す。なお、結晶粒径は、略して、粒径とも
記述されている。
率で金属元素を配合した。即ち、Nd が31.5wt
%、33.0wt%、または36.0wt%であり、Bが
1.0wt%であり、残部がFeとなる配合比率であ
る。なお、Nd が33.0wt%の場合は、実施例1の
場合と同じ配合比率である。その配合粉末を、Arガス
雰囲気中でアルミナるつぼを使用して、高周波溶解法に
より溶解物とした。得られた溶解物の温度を1400℃
に保持した後、図1に示す装置を用いて、以下の方法に
従って、永久磁石用フレーク状合金粉末を得た。このフ
レーク状合金粉末をSEMおよびEDXにて分析した結
果を表3に記す。なお、結晶粒径は、略して、粒径とも
記述されている。
【0030】
【表3】
【0031】次に、得られたフレーク状永久磁石合金
を、24〜250メッシュに粉砕し、アルコール中にお
いて、さらに3μm程度まで微粉砕した。次いで、得ら
れた微粉末を、30kOe(2,388kA/m)の条件
下で磁気プレスした後、1040℃にて2時間焼結し、
10×10×15mmの永久磁石を得た。この永久磁石
の磁気特性を表4に示す。なお、Fe組成の記述におい
て示されたbalは、残部がFeであることを示している。
を、24〜250メッシュに粉砕し、アルコール中にお
いて、さらに3μm程度まで微粉砕した。次いで、得ら
れた微粉末を、30kOe(2,388kA/m)の条件
下で磁気プレスした後、1040℃にて2時間焼結し、
10×10×15mmの永久磁石を得た。この永久磁石
の磁気特性を表4に示す。なお、Fe組成の記述におい
て示されたbalは、残部がFeであることを示している。
【0032】
【表4】
【0033】(比較例2)実施例2と同様の組成の合金
溶融物を高周波溶解法により溶解し、金型鋳造法によ
り、永久磁石用合金鋳塊を得た。この合金鋳塊を実施例
2と同様に分析し、さらに永久磁石を作製した。その合
金鋳塊の分析結果を表3に、磁石特性を表5に示にす。
溶融物を高周波溶解法により溶解し、金型鋳造法によ
り、永久磁石用合金鋳塊を得た。この合金鋳塊を実施例
2と同様に分析し、さらに永久磁石を作製した。その合
金鋳塊の分析結果を表3に、磁石特性を表5に示にす。
【0034】
【表5】
【0035】これらの結果より、Nd量を減少させた場
合、一般的な鋳造法では、α-Fe相が析出しやすくなる
ため、iHcなどの磁気特性が劣化してしまうが、本発
明の双ロール式の場合、急冷することができるため、α
-Fe相が析出することがなく、さらに、希土類金属のN
dに富んだ相が主相を均一に取り囲むように分布するた
めに、特性の劣化が起こりにくいことが分かる。また、
鋳造法に比べ、好ましい結晶粒径の大きさにすること
で、磁気特性の優れた磁石を製造できる。
合、一般的な鋳造法では、α-Fe相が析出しやすくなる
ため、iHcなどの磁気特性が劣化してしまうが、本発
明の双ロール式の場合、急冷することができるため、α
-Fe相が析出することがなく、さらに、希土類金属のN
dに富んだ相が主相を均一に取り囲むように分布するた
めに、特性の劣化が起こりにくいことが分かる。また、
鋳造法に比べ、好ましい結晶粒径の大きさにすること
で、磁気特性の優れた磁石を製造できる。
【0036】また、フレーク状合金の平均粒径は20〜
150μmが好ましく、さらにフレーク状合金の厚さは
100μm以下が好ましく、形状異方性に関しては、長
軸方向において100〜200μmであり、短軸方向で
は5〜50μmのときに、優れた磁気特性が得られてい
る。
150μmが好ましく、さらにフレーク状合金の厚さは
100μm以下が好ましく、形状異方性に関しては、長
軸方向において100〜200μmであり、短軸方向で
は5〜50μmのときに、優れた磁気特性が得られてい
る。
【0037】ところで、数10μm以上のα-Fe相が析
出すると、磁気特性は低下するが、包晶核であるα-Fe
相が、15μm以下の粒径であり、微細分散されていれ
ば、磁気特性を、非実用的な程度にまで低下させること
はない。
出すると、磁気特性は低下するが、包晶核であるα-Fe
相が、15μm以下の粒径であり、微細分散されていれ
ば、磁気特性を、非実用的な程度にまで低下させること
はない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた磁気特性を有する永久磁石材料を高い量産性にて
製造することができる。
優れた磁気特性を有する永久磁石材料を高い量産性にて
製造することができる。
【図1】本発明によるフレーク状合金粉末の製造装置の
概要を示す図。
概要を示す図。
11 チャンバー 12 タンディッシュ 13 誘導コイル 14a,14b 冷却ロール 15 ノズル 16 合金粉末飛翔室 17 合金粉末回収室 18a,18b 冷却ロール回転軸
Claims (3)
- 【請求項1】 R−T−Bからなる合金(ただし、Rは
希土類元素のうちの少なくとも1種を表し、Tは遷移金
属元素のうちの少なくとも1種を表し、Bはホウ素を表
す)を主成分とする永久磁石合金を、双ロール法で、冷
却凝固することによって得られるフレーク状合金の粉末
において、平均粒径が20〜150μmであり、冷却ロ
ールに接触した面間の厚さが100μm以下であり、ま
た、形状異方性に関する粒径は、長軸方向で100〜2
00μmであり、短軸方向で5〜50μmであることを
特徴とする永久磁石合金粉末。 - 【請求項2】 前記フレーク状合金の主相結晶粒内にお
いて、包晶核であるα-Feは15μm以下の粒径であ
り、微細分散されていることを特徴とする請求項1に記
載の永久磁石合金粉末。 - 【請求項3】 前記双ロール法によって、前記フレーク
状合金を製造するために、合金溶湯をタンディッシュを
介して、ノズルより噴出させて連続的に冷却ロールに供
給する際、前記合金溶湯が冷却ロールに衝突する位置
は、2つの冷却ロールがほぼ接する位置から、冷却ロー
ル回転軸のまわりに40〜50°の角度だけ回転した位
置であることを特徴とする請求項1または2に記載の永
久磁石合金粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001168343A JP2002363604A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 永久磁石合金粉末とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001168343A JP2002363604A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 永久磁石合金粉末とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002363604A true JP2002363604A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19010584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001168343A Pending JP2002363604A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 永久磁石合金粉末とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002363604A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011143455A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Toyota Motor Corp | 磁石材料の製造方法および製造装置 |
CN112170857A (zh) * | 2020-09-30 | 2021-01-05 | 宁波中科毕普拉斯新材料科技有限公司 | 一种微细合金粉末的制备方法 |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001168343A patent/JP2002363604A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011143455A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Toyota Motor Corp | 磁石材料の製造方法および製造装置 |
CN112170857A (zh) * | 2020-09-30 | 2021-01-05 | 宁波中科毕普拉斯新材料科技有限公司 | 一种微细合金粉末的制备方法 |
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