JP2002361607A - 木材防腐用柿渋組成物 - Google Patents
木材防腐用柿渋組成物Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/30—Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
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- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 環境にやさしいとされる天然資源の柿渋をべ
ースとした褐色腐朽(赤ぐされ)防止機能と白色腐朽
(白ぐされ)防止機能を有する木材防腐用柿渋組成物を
提供する。 【解決手段】 柿渋液と生漆或いはカシューナットシェ
ルオイル及び天然精油との混合液からなることを特徴と
する木材防腐用柿渋組成物。
ースとした褐色腐朽(赤ぐされ)防止機能と白色腐朽
(白ぐされ)防止機能を有する木材防腐用柿渋組成物を
提供する。 【解決手段】 柿渋液と生漆或いはカシューナットシェ
ルオイル及び天然精油との混合液からなることを特徴と
する木材防腐用柿渋組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柿渋液を含有する
高性能の木材防腐用組成物に関する。
高性能の木材防腐用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】日本における柿渋の歴史は古く、130
0年前から番傘、提灯、型紙、紙衣、染織工芸品、漆器
の下地、魚網、醸造用木桶、家具、建物などに防水や防
腐材として使用されてきた。戦後は合成樹脂塗料の開発
によって需要が減退したが、最近ではシックハウス症侯
群や生活環境における揮発性有機化合物(VOC)の問
題が指摘されるようになり、エコロジカルな天然塗料と
して見直される動向にある。しかし、柿渋はシブオール
を主成分とするタンニンであり、乾燥する以前の雨など
による溶出を防止するため弁柄や松煙を混入して不溶化
を促進する方法がとられている。
0年前から番傘、提灯、型紙、紙衣、染織工芸品、漆器
の下地、魚網、醸造用木桶、家具、建物などに防水や防
腐材として使用されてきた。戦後は合成樹脂塗料の開発
によって需要が減退したが、最近ではシックハウス症侯
群や生活環境における揮発性有機化合物(VOC)の問
題が指摘されるようになり、エコロジカルな天然塗料と
して見直される動向にある。しかし、柿渋はシブオール
を主成分とするタンニンであり、乾燥する以前の雨など
による溶出を防止するため弁柄や松煙を混入して不溶化
を促進する方法がとられている。
【0003】一方、木材は、土木、建築、家具の必需品
であるが、日本における需要の約80%は輸入に依存し
ている。しかし、産出国の森林面積の減少や資源保護と
森林保全政策によって伐採や輸出入が規制されるように
なり、入手難の時代が到来しつつある。したがって限ら
れた供給に対する需要のバランスを維持するため、塗装
による木材の耐久性向上対策は極めて重要な意味をもつ
ものである。また建築内装材の塗装による健康障害を防
止するためにも安全にして堅牢な表面処理材の開発が望
まれている。
であるが、日本における需要の約80%は輸入に依存し
ている。しかし、産出国の森林面積の減少や資源保護と
森林保全政策によって伐採や輸出入が規制されるように
なり、入手難の時代が到来しつつある。したがって限ら
れた供給に対する需要のバランスを維持するため、塗装
による木材の耐久性向上対策は極めて重要な意味をもつ
ものである。また建築内装材の塗装による健康障害を防
止するためにも安全にして堅牢な表面処理材の開発が望
まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環境にやさ
しいとされる天然資源の柿渋をべースとした褐色腐朽
(赤ぐされ)防止機能と白色腐朽(白ぐされ)防止機能
を有する木材防腐用柿渋組成物を提供することをその課
題とする。
しいとされる天然資源の柿渋をべースとした褐色腐朽
(赤ぐされ)防止機能と白色腐朽(白ぐされ)防止機能
を有する木材防腐用柿渋組成物を提供することをその課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、以下に示す木材防腐用
柿渋組成物が提供される。 (1)柿渋液と生漆との混合液からなることを特徴とす
る木材防腐用柿渋組成物。 (2)柿渋液とカシューナットシェルオイルとの混合液
からなることを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 (3)柿渋液と天然精油との混合液からなることを特徴
とする木材防腐用柿渋組成物。 (4)該天然精油が、オレンジオイル、丁字油、樟脳
油、ヒバ油及び桧油の中から選ばれる少なくとも1種で
ある前記(3)の組成物。 (5)柿渋液と、木酢液又は竹酢液との混合液からなる
ことを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 (6)柿渋液と、キトサンを溶解する酸性水溶液との混
合液からなることを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、以下に示す木材防腐用
柿渋組成物が提供される。 (1)柿渋液と生漆との混合液からなることを特徴とす
る木材防腐用柿渋組成物。 (2)柿渋液とカシューナットシェルオイルとの混合液
からなることを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 (3)柿渋液と天然精油との混合液からなることを特徴
とする木材防腐用柿渋組成物。 (4)該天然精油が、オレンジオイル、丁字油、樟脳
油、ヒバ油及び桧油の中から選ばれる少なくとも1種で
ある前記(3)の組成物。 (5)柿渋液と、木酢液又は竹酢液との混合液からなる
ことを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 (6)柿渋液と、キトサンを溶解する酸性水溶液との混
合液からなることを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の組成物は、柿渋液を含有
する。柿渋液は、従来公知のものである。このものは、
渋柿をクラッシャーなどで破砕してスクリュープレスで
搾汁し、フィルタープレスなどで濾過して容器に入れ、
醗酵させて加熱殺菌した後熟成させて得られる。渋柿圧
搾液の醗酵は自然醗酵法やアルコール醗酵法によって行
われており、いずれの方法によるものも使用できるが、
柿酵母を用いたアルコール醗酵処理により異臭の少ない
柿渋液の使用が好ましい。この柿渋液は、不揮発分が
5.6〜6%程度の低固形分の液であり、水分が多く脂
質成分との相溶性に劣るが、界面活性剤の存在下での高
速攪拌により脂質成分を混入させることができる。この
場合、混合液は、その脂質成分が液滴粒子として分散し
たエマルジョンを形成する。
する。柿渋液は、従来公知のものである。このものは、
渋柿をクラッシャーなどで破砕してスクリュープレスで
搾汁し、フィルタープレスなどで濾過して容器に入れ、
醗酵させて加熱殺菌した後熟成させて得られる。渋柿圧
搾液の醗酵は自然醗酵法やアルコール醗酵法によって行
われており、いずれの方法によるものも使用できるが、
柿酵母を用いたアルコール醗酵処理により異臭の少ない
柿渋液の使用が好ましい。この柿渋液は、不揮発分が
5.6〜6%程度の低固形分の液であり、水分が多く脂
質成分との相溶性に劣るが、界面活性剤の存在下での高
速攪拌により脂質成分を混入させることができる。この
場合、混合液は、その脂質成分が液滴粒子として分散し
たエマルジョンを形成する。
【0007】本発明の第1の組成物は、柿渋液と生漆の
混合液(W/O/W型エマルジョン)からなる。この混
合液において、生漆は、液滴粒子として存在する。この
混合液は、柿渋液に生漆を添加し、高速攪拌することに
よって得ることができる。混合液中の生漆からなる液滴
粒子の平均粒径は、通常、5〜100μm、好ましくは
5〜10μm程度である。また、混合液中の生漆の含有
量は、1〜20%、好ましくは2〜5%である。この混
合液を木材表面に塗布し、乾燥すると、生漆成分を含む
柿渋被膜が形成される。
混合液(W/O/W型エマルジョン)からなる。この混
合液において、生漆は、液滴粒子として存在する。この
混合液は、柿渋液に生漆を添加し、高速攪拌することに
よって得ることができる。混合液中の生漆からなる液滴
粒子の平均粒径は、通常、5〜100μm、好ましくは
5〜10μm程度である。また、混合液中の生漆の含有
量は、1〜20%、好ましくは2〜5%である。この混
合液を木材表面に塗布し、乾燥すると、生漆成分を含む
柿渋被膜が形成される。
【0008】本発明の第2の組成物は、柿渋液とカシュ
ーナットシェルオイルとの混合液(W/O/W型エマル
ジョン)からなる。この混合液において、カシューナッ
トシェルオイルは、液滴粒子として存在する。この混合
液は、柿渋液にカシューナットシェルオイルを添加し、
高速攪拌することによって得ることができる。混合液中
のカシューナットシェルオイルからなる液滴粒子の平均
粒径は、通常、10〜100μm、好ましくは10〜1
5μmである。また、その含有量は、混合液中、1〜2
0%、好ましくは2〜5%程度である。この混合液を作
る場合、カシューナットシェルオイルとしては、油中水
滴型エマルジョン、即ち、カシューナットシェルオイル
中に水を加え、高速攪拌することにより得られるエマル
ジョンを用いることができる。この場合、水中には、界
面活性剤、例えば、アラビアゴム等を好ましく用いるこ
とができる。この混合液を木材表面に塗布し、乾燥する
と、カシューナットシェルオイル成分を含む柿渋被膜が
形成される。
ーナットシェルオイルとの混合液(W/O/W型エマル
ジョン)からなる。この混合液において、カシューナッ
トシェルオイルは、液滴粒子として存在する。この混合
液は、柿渋液にカシューナットシェルオイルを添加し、
高速攪拌することによって得ることができる。混合液中
のカシューナットシェルオイルからなる液滴粒子の平均
粒径は、通常、10〜100μm、好ましくは10〜1
5μmである。また、その含有量は、混合液中、1〜2
0%、好ましくは2〜5%程度である。この混合液を作
る場合、カシューナットシェルオイルとしては、油中水
滴型エマルジョン、即ち、カシューナットシェルオイル
中に水を加え、高速攪拌することにより得られるエマル
ジョンを用いることができる。この場合、水中には、界
面活性剤、例えば、アラビアゴム等を好ましく用いるこ
とができる。この混合液を木材表面に塗布し、乾燥する
と、カシューナットシェルオイル成分を含む柿渋被膜が
形成される。
【0009】本発明の第3の組成物は、柿渋液と天然精
油との混合液からなる。この混合液において、天然精油
は溶解状又は液滴粒子として存在する。この混合液は、
柿渋液に天然精油を添加し、高速攪拌することによって
得ることができる。混合液中に天然精油からなる液滴粒
子を含む場合、その平均粒径は、通常、10〜100μ
m、好ましくは10〜15μmである。また、天然精油
の含有量は、混合液中、1〜20%、好ましくは2〜5
%程度である。この混合液には、天然精油の分散を向上
させるために、エチルアルコール等の分散剤を添加する
ことができる。この分散剤の含有量は、混合液中、1〜
20%、好ましくは2〜5%である。天然精油として
は、カワラタケ菌の繁殖を防止する効果を有するもので
あればどのようなものでもよく、従来公知の各種のもの
を用いることができる。このようなものには、例えば、
オレンジオイル、丁字油、樟脳油、ヒバ油及び桧油等が
挙げられる。この混合液を木材表面に塗布し、乾燥する
と、天然精油成分を含む柿渋被膜が形成される。
油との混合液からなる。この混合液において、天然精油
は溶解状又は液滴粒子として存在する。この混合液は、
柿渋液に天然精油を添加し、高速攪拌することによって
得ることができる。混合液中に天然精油からなる液滴粒
子を含む場合、その平均粒径は、通常、10〜100μ
m、好ましくは10〜15μmである。また、天然精油
の含有量は、混合液中、1〜20%、好ましくは2〜5
%程度である。この混合液には、天然精油の分散を向上
させるために、エチルアルコール等の分散剤を添加する
ことができる。この分散剤の含有量は、混合液中、1〜
20%、好ましくは2〜5%である。天然精油として
は、カワラタケ菌の繁殖を防止する効果を有するもので
あればどのようなものでもよく、従来公知の各種のもの
を用いることができる。このようなものには、例えば、
オレンジオイル、丁字油、樟脳油、ヒバ油及び桧油等が
挙げられる。この混合液を木材表面に塗布し、乾燥する
と、天然精油成分を含む柿渋被膜が形成される。
【0010】本発明の第4の組成物は、柿渋液と木酢液
又は竹酢液との混合液からなる。この混合液において、
木酢液又は竹酢液は、溶液状で存在する。この混合液
は、柿渋液に木酢液又は竹酢液を添加し、攪拌すること
によって得ることができる。混合液中の木酢液又は竹酢
液の含有量は、混合液中、1〜5%、好ましくは2〜3
%程度である。この混合液中には、界面活性剤として、
アラビアゴム等を添加することもできる。この混合液を
木材表面に塗布し、乾燥すると、木酢成分又は竹酢成分
を含む柿渋被膜が形成される。
又は竹酢液との混合液からなる。この混合液において、
木酢液又は竹酢液は、溶液状で存在する。この混合液
は、柿渋液に木酢液又は竹酢液を添加し、攪拌すること
によって得ることができる。混合液中の木酢液又は竹酢
液の含有量は、混合液中、1〜5%、好ましくは2〜3
%程度である。この混合液中には、界面活性剤として、
アラビアゴム等を添加することもできる。この混合液を
木材表面に塗布し、乾燥すると、木酢成分又は竹酢成分
を含む柿渋被膜が形成される。
【0011】本発明の第5の組成物は、柿渋液とキトサ
ンを溶解する酸性水溶液との混合液からなる。この混合
液において、キトサンは、溶液状で存在する。この混合
液は、柿渋液にキトサンを溶解する酸性水溶液を添加
し、攪拌することによって得ることができる。この場合
の酸性水溶液には、酢酸水溶液や塩酸水溶液等が包含さ
れる。混合液中のキトサンの含有量は、0.1〜1.0
%、好ましくは0.5〜1.0%程度である。この混合
液を木材表面に塗布し、乾燥すると、キトサンを含む柿
渋被膜が形成される。
ンを溶解する酸性水溶液との混合液からなる。この混合
液において、キトサンは、溶液状で存在する。この混合
液は、柿渋液にキトサンを溶解する酸性水溶液を添加
し、攪拌することによって得ることができる。この場合
の酸性水溶液には、酢酸水溶液や塩酸水溶液等が包含さ
れる。混合液中のキトサンの含有量は、0.1〜1.0
%、好ましくは0.5〜1.0%程度である。この混合
液を木材表面に塗布し、乾燥すると、キトサンを含む柿
渋被膜が形成される。
【0012】本発明の組成物は、液状を示し、木材表面
に対する防腐用塗布液として適用される。本発明の組成
物の適用対象となる木材には、丸太を切断ないし切削し
て形成した柱、板、ブロック、その他の切断品や切削品
等が包含される。
に対する防腐用塗布液として適用される。本発明の組成
物の適用対象となる木材には、丸太を切断ないし切削し
て形成した柱、板、ブロック、その他の切断品や切削品
等が包含される。
【0013】また、本発明の組成物は、前記のように木
材に対してすぐれた防腐効果を示す他、白蟻やその他の
昆虫に対してすぐれた防虫効果を示すものである。
材に対してすぐれた防腐効果を示す他、白蟻やその他の
昆虫に対してすぐれた防虫効果を示すものである。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下において示すカワラタケ菌及びオオウ
ズラタケ菌の繁殖防止効果は、(社)日本木材保存協会
規格第1号1992の「塗布・吹付け・浸せき処理用木
材防腐剤の防腐効力試験方法」に準じて、カワラタケ菌
(Trametes versicolor)及びオオウズラタケ菌(Fomi
topsis palustris)を供試菌として培養瓶で培養させ、
この中に木材片に塗装した試験体を入れ、その重量を測
定することにより評価した。この場合、その重量の減少
率が小さくなると、木材の白ぐされ(及び赤ぐされ)防
止に対する有効性が認められる。
する。なお、以下において示すカワラタケ菌及びオオウ
ズラタケ菌の繁殖防止効果は、(社)日本木材保存協会
規格第1号1992の「塗布・吹付け・浸せき処理用木
材防腐剤の防腐効力試験方法」に準じて、カワラタケ菌
(Trametes versicolor)及びオオウズラタケ菌(Fomi
topsis palustris)を供試菌として培養瓶で培養させ、
この中に木材片に塗装した試験体を入れ、その重量を測
定することにより評価した。この場合、その重量の減少
率が小さくなると、木材の白ぐされ(及び赤ぐされ)防
止に対する有効性が認められる。
【0015】実施例1 渋柿の圧搾汁を発酵させた柿渋液100部に中国産生漆
2部を加えて自動乳鉢に入れ、3時間捏練攪拌した。こ
れにより、柿渋組成物は低粘度の塗装可能な流動体とな
った。これを厚さ5mm、幅20mm、長さ40mmの
杉辺材の柾目の試験片に刷毛塗りし、20日間自然乾燥
したものは茶褐色透明な漆調塗膜になった。これをカワ
ラタケ菌を培養した容器中に入れ、8週問後に重量の減
少率を測定したところ、無処理の木片の減少率を100
とした場合10%以下であった。
2部を加えて自動乳鉢に入れ、3時間捏練攪拌した。こ
れにより、柿渋組成物は低粘度の塗装可能な流動体とな
った。これを厚さ5mm、幅20mm、長さ40mmの
杉辺材の柾目の試験片に刷毛塗りし、20日間自然乾燥
したものは茶褐色透明な漆調塗膜になった。これをカワ
ラタケ菌を培養した容器中に入れ、8週問後に重量の減
少率を測定したところ、無処理の木片の減少率を100
とした場合10%以下であった。
【0016】実施例2 渋柿の圧搾汁を発酵させた柿渋液100部にカシューナ
ットシェルオイルとアラビヤゴムの10%水溶液からな
る油中水滴型エマルションを10部加え、実施例1と同
様の処理と試験をしたところ、重量減少率は無処理の木
片の減少率を100とした場合10%以下であった。尚
この乾燥塗膜は茶褐色透明な漆調を示した。
ットシェルオイルとアラビヤゴムの10%水溶液からな
る油中水滴型エマルションを10部加え、実施例1と同
様の処理と試験をしたところ、重量減少率は無処理の木
片の減少率を100とした場合10%以下であった。尚
この乾燥塗膜は茶褐色透明な漆調を示した。
【0017】実施例3 渋柿の圧搾汁を発酵させた柿渋液100部に、丁字油と
エチルアルコールの等量混合液を10部加え、実施例1
と同様の処理と試験をしたところ、重量減少率は無処理
の木片の減少率を100とした場合5%以下であった。
尚、この乾燥塗膜は赤褐色透明な柿渋調を示した。
エチルアルコールの等量混合液を10部加え、実施例1
と同様の処理と試験をしたところ、重量減少率は無処理
の木片の減少率を100とした場合5%以下であった。
尚、この乾燥塗膜は赤褐色透明な柿渋調を示した。
【0018】実施例4 渋柿の圧搾汁を発酵させた柿渋液100部に木酢液を2
部加え、実施例1と同様の処理と試験をしたところ、重
量減少率は無処理の木片の減少率を100とした場合1
0%以下であった。尚、この乾燥塗膜は赤褐色透明な柿
渋調を示した。
部加え、実施例1と同様の処理と試験をしたところ、重
量減少率は無処理の木片の減少率を100とした場合1
0%以下であった。尚、この乾燥塗膜は赤褐色透明な柿
渋調を示した。
【0019】実施例5 渋柿の圧搾汁を発酵させた柿渋液100部にキトサンの
1%酢酸水溶液1部を加え、実施例1と同様の処理と試
験をしたところ、重量減少率は無処理の木片の減少率を
100とした場合10%以下であった。尚、この乾燥塗
膜は赤褐色透明な柿渋調を示した。
1%酢酸水溶液1部を加え、実施例1と同様の処理と試
験をしたところ、重量減少率は無処理の木片の減少率を
100とした場合10%以下であった。尚、この乾燥塗
膜は赤褐色透明な柿渋調を示した。
【0020】
【発明の効果】本発明は、褐色腐朽に有効な伝統的柿渋
をべースにし、各種の天然物を混合することによって白
色腐朽の防止効果も得られる組成物を提供するものであ
り、木材資源の耐久性を向上させるばかりでなく環境に
やさしい材料としての価値を高めるものである。本発明
の組成物を木材に塗装することにより、本発明の組成物
による抗菌作用や物理的作用により塗装被膜が木材を保
護し、褐色腐朽(赤ぐされ)と白色腐朽(白ぐされ)の
両方の発生を抑制して、その木材の耐久性を向上させ
る。
をべースにし、各種の天然物を混合することによって白
色腐朽の防止効果も得られる組成物を提供するものであ
り、木材資源の耐久性を向上させるばかりでなく環境に
やさしい材料としての価値を高めるものである。本発明
の組成物を木材に塗装することにより、本発明の組成物
による抗菌作用や物理的作用により塗装被膜が木材を保
護し、褐色腐朽(赤ぐされ)と白色腐朽(白ぐされ)の
両方の発生を抑制して、その木材の耐久性を向上させ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮腰 哲雄 東京都町田市薬師台1丁目10番10号 (72)発明者 山本 幸一 茨城県つくば市並木2−2−16 (72)発明者 吉川 栄治 千葉県市川市宮久保1丁目26番6号 Fターム(参考) 2B230 AA01 BA01 BA18 CB30 DA02 EB03 4H011 AA02 BA06 BB08 BB22 DH10
Claims (6)
- 【請求項1】 柿渋液と生漆との混合液からなることを
特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 - 【請求項2】 柿渋液とカシューナットシェルオイルと
の混合液からなることを特徴とする木材防腐用柿渋組成
物。 - 【請求項3】 柿渋液と天然精油との混合液からなるこ
とを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 - 【請求項4】 該天然精油が、オレンジオイル、丁字
油、樟脳油、ヒバ油及び桧油の中から選ばれる少なくと
も1種である請求項3の組成物。 - 【請求項5】 柿渋液と木酢液又は竹酢液との混合液か
らなることを特徴とする木材防腐用柿渋組成物。 - 【請求項6】 柿渋液と、キトサンを溶解する酸性溶液
との混合液からなることを特徴とする木材防腐用柿渋組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001173947A JP2002361607A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 木材防腐用柿渋組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001173947A JP2002361607A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 木材防腐用柿渋組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002361607A true JP2002361607A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19015311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001173947A Pending JP2002361607A (ja) | 2001-06-08 | 2001-06-08 | 木材防腐用柿渋組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002361607A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008115352A (ja) * | 2006-10-12 | 2008-05-22 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 高耐水性樹脂層形成剤 |
JP2008297341A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Isamu Hatake | ホルムアルデヒド削減機能、消臭機能、抗紫外線機能、抗菌機能、防腐機能、耐水機能を具えた多機能塗料 |
-
2001
- 2001-06-08 JP JP2001173947A patent/JP2002361607A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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