JP2002360250A - ヒトgタンパク質レセプターhibef51 - Google Patents

ヒトgタンパク質レセプターhibef51

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JP2002360250A
JP2002360250A JP2002149809A JP2002149809A JP2002360250A JP 2002360250 A JP2002360250 A JP 2002360250A JP 2002149809 A JP2002149809 A JP 2002149809A JP 2002149809 A JP2002149809 A JP 2002149809A JP 2002360250 A JP2002360250 A JP 2002360250A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒトのGタンパク質共役型7−膜貫通レセプタ
ーポリペプチド、このようなポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドの使用、ならびにこのようなポリペプ
チドおよびポリヌクレオチドの産生の方法、ならびにこ
のようなポリペプチドの作用を阻害する方法を提供する
こと。 【解決手段】以下からなる群から選択されるメンバーを
含む単離されたポリヌクレオチド:図1A〜Eに記載の
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;ATCC
受託番号 において含まれるDNAによりコードされる
成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(a)または(b)のポリヌクレオチドにハイブリダイ
ズし得、そして(a)または(b)のポリヌクレオチド
と少なくとも70%同一であるポリヌクレオチド;およ
び、(a)、(b)、または(c)のポリヌクレオチド
のポリヌクレオチドフラグメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチドにより
コードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチ
ドおよびポリペプチドの使用、ならびにこのようなポリ
ヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に関する。より
詳細には、本発明のポリペプチドは、ヒトの7−膜貫通
レセプターである。この膜貫通レセプターはGタンパク
質共役型レセプターである。本発明はまた、このような
ポリペプチドの作用を阻害することに関する。
【0002】
【従来の技術】多数の医学的に重要な生物学的プロセス
が、Gタンパク質および/またはセカンドメッセンジャ
ー(例えば、cAMP)を含むシグナル伝達経路に関与
するタンパク質により媒介されることは、十分に確立さ
れている(Lefkowitz,Nature,35
1:353−354(1991))。本明細書中では、
これらのタンパク質を、Gタンパク質を用いた経路に関
与するタンパク質またはPPGタンパク質という。これ
らのタンパク質のいくつかの例としては、GPCレセプ
ター(例えば、アドレナリン作用性薬剤およびドーパミ
ンに対するGPCレセプター(Kobilka,B.
K.ら,PNAS,84:46−50(1987);K
obilka,B.K.ら,Science,238:
650−656(1987);Bunzow,J.R.
ら,Nature,336:783−787(198
8)))、Gタンパク質それ自体、エフェクタータンパ
ク質(例えば、ホスホリパーゼC、アデニルシクラー
ゼ、およびホスホジエステラーゼ)、ならびにアクチュ
エータータンパク質(actuator protei
n)(例えば、プロテインキナーゼAおよびプロテイン
キナーゼC)(Simon,M.I.ら,Scienc
e,252:802−8(1991))が挙げられる。
【0003】例えば、シグナル伝達の1つの形態では、
ホルモン結合の効果は、細胞内における酵素アデニル酸
シクラーゼの活性化である。ホルモンによる酵素の活性
化は、ヌクレオチドGTPの存在に依存し、そしてGT
Pはまた、ホルモン結合に影響を与える。Gタンパク質
は、ホルモンレセプターをアデニル酸シクラーゼに連結
させる。Gタンパク質は、ホルモンレセプターにより活
性化されると、GTPを結合型GDPに変換することが
示された。次いで、GTPを有する形態は、活性化され
たアデニル酸シクラーゼに結合する。GTPのGDPへ
の加水分解は、Gタンパク質それ自体により触媒され、
Gタンパク質をその基底の不活性な形態に戻す。従っ
て、Gタンパク質は、シグナルをレセプターからエフェ
クターに中継する中間物として、およびシグナルの持続
時間を制御する時計としての2つの役割を果たす。
【0004】Gタンパク質共役型レセプターの膜タンパ
ク質遺伝子スーパーファミリーは、7つの推定上の膜貫
通ドメインを有するものとして特徴づけられている。こ
れらのドメインは、細胞外または細胞質ループにより結
合された膜貫通αヘリックスを表すと考えられている。
Gタンパク質共役型レセプターは、ホルモン、ウイル
ス、増殖因子および神経レセプターのような広範囲の生
物学的に活性なレセプターを含む。
【0005】Gタンパク質共役型レセプターは、少なく
とも8つの分岐した親水性ループを結合する、約20〜
30アミノ酸のこれらの7つの保存された疎水性の範囲
を含むものとして特徴づけられている。共役型レセプタ
ーのGタンパク質ファミリーの例として、ドーパミンレ
セプターが挙げられる。これは、精神病的および神経学
的障害を処置するために使用される神経弛緩性薬物に結
合する。このファミリーのメンバーの他の例としては、
カルシトニン、アドレナリン作用性、エンドセリン、c
AMP、アデノシン、ムスカリン様、アセチルコリン、
セロトニン、ヒスタミン、トロンビン、キニン、卵胞刺
激ホルモン、オプシンおよびロドプシン、臭気物質、サ
イトメガロウイルスレセプターなどが挙げられる。
【0006】大部分のGPRは、機能的なタンパク質構
造を安定化させると考えられているジスルフィド結合を
形成する最初の2つの細胞外ループの各々において単一
の保存されたシステイン残基を有する。7つの膜貫通領
域はTM1、TM2、TM3、TM4、TM5、TM
6、およびTM7と命名されている。TM3はまたシグ
ナル伝達に関連付けられている。
【0007】システイン残基のリン酸化および脂質化
(パルミチル化またはファルネシル化)は、いくつかの
GPRのシグナル伝達に影響を与え得る。大部分のGP
Rは、第3の細胞質ループおよび/またはカルボキシ末
端内に潜在的なリン酸化部位を含有する。いくつかのG
PR(例えば、β−アドレノレセプター)について、プ
ロテインキナーゼAおよび/または特異的なレセプター
キナーゼによるリン酸化は、レセプター脱感作を媒介す
る。
【0008】GPRのリガンド結合部位は、いくつかの
GPR膜貫通ドメインにより形成される親水性受口(s
ocket)を含有すると考えられており、この受口は
GPRの親水性残基により囲まれている。各GPR膜貫
通ヘリックスの疎水性側は内側に向いており、そしてイ
オン化リガンド結合部位を形成すると仮定されている。
TM3は、リガンド結合部位(例えば、TM3のアスパ
ラギン酸残基を含む)を有するとして、いくつかのGP
Rにおいて関連付けられている。さらに、TM5のセリ
ン、TM6のアスパラギン、およびTM6のまたはTM
7のフェニルアラニンまたはチロシンはまた、リガンド
結合に関連付けられている。
【0009】GPRは、ヘテロ三量体のGタンパク質に
より種々の細胞内の酵素、イオンチャンネルおよびトラ
ンスポーターに細胞内で共役され得る(Johnson
ら、Endoc.,Rev.,10:317−331
(1989)を参照のこと)。異なるGタンパク質のα
サブユニットは、細胞内で種々の生物学的機能を調節す
るための特定のエフェクターを優先的に刺激する。GP
Rの細胞質残基のリン酸化は、いくつかのGPRのGタ
ンパタ質共役の調節のための重要な機構として同定され
ている。
【0010】Gタンパク質共役型レセプターは、哺乳動
物宿主内の多数の部位において見出されている。例え
ば、ドーパミンは中枢神経系における重要な神経伝達物
質であり、そしてGタンパク質共役型レセプターのリガ
ンドである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの局面に
よれば、新規の成熟レセプターポリペプチド、ならびに
それらの生物学的に活性で、かつ診断または治療に有用
なフラグメント、アナログおよび誘導体が提供される。
本発明のレセプターポリペプチドはヒト起源である。
【0012】本発明の別の局面によれば、本発明のレセ
プターポリペプチドをコードする単離された核酸分子が
提供され、この核酸分子は、mRNA、DNA、cDN
A、ゲノムDNA、ならびにそれらのアンチセンスアナ
ログ、および生物学的に活性で、かつ診断または治療に
有用なそれらのフラグメントを含む。
【0013】本発明のさらなる局面によれば、本発明の
レセプターポリペプチドをコードする核酸配列を含む組
換え原核生物宿主細胞および/または組換え真核生物宿
主細胞を、前記ポリペプチドの発現およびその後の前記
タンパク質の回収を促進する条件下で、培養する工程を
包含する組換え技術によってこのようなレセプターポリ
ペプチドを産生するためのプロセスが提供される。
【0014】本発明のなおさらなる局面によれば、この
ようなレセプターポリペプチドに対する抗体が提供され
る。
【0015】本発明の別の局面によれば、本発明のレセ
プターポリペプチドに結合し、そしてそれを活性化する
またはその活性化を阻害する化合物のスクリーニング方
法が提供される。
【0016】本発明のなお別の実施態様によれば、上気
道症状(例えば、アレルギー性鼻炎、枯草熱、急性コリ
ーザおよび副鼻腔炎)の防止および/または処置におい
て有用である本発明のレセプターポリペプチドに結合
し、そしてそれを活性化する化合物を宿主に投与して、
子宮性阻害を促進する、血小板凝集を刺激する、脂質代
謝を調節する、および膵臓からのグルコース媒介性イン
シュリン放出を阻害するプロセスが提供される。
【0017】本発明の別の局面によれば、本発明のレセ
プターポリペプチドを、遺伝子治療を介して投与して、
ポリペプチドの過小発現またはレセプターポリペプチド
に対するリガンドの過小発現に関連する症状を処置する
方法が提供される。
【0018】本発明のなお別の実施態様によれば、高血
圧および他の心筋性疾患ならびに血管収縮に関する他の
疾患の防止および/または処置において有用である、本
発明のレセプターポリペプチドに結合し、そしてその活
性化を阻害する化合物を宿主に投与するプロセスが提供
される。
【0019】本発明のさらに別の局面によれば、本発明
のポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする
のに十分な長さの核酸分子を含む核酸プローブが提供さ
れる。
【0020】本発明のなお別の局面によれば、このよう
なポリペプチドをコードする核酸配列における変異に関
連する疾患を検出するための、およびレセプターポリペ
プチドの可溶性形態の変化されたレベルを検出するため
の診断的アッセイが提供される。
【0021】本発明のなおさらなる局面によれば、この
ようなレセプターポリペプチド、またはこのようなポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドを、科学的研
究、DNAの合成およびDNAベクターの製造に関する
インビトロの目的のために利用するためのプロセスが提
供される。
【0022】本発明のこれらおよび他の局面は、本明細
書中の教示から当業者に明らかであるはずである。
【0023】
【課題を解決するための手段】1つの局面において、本
発明は、以下からなる群から選択されるメンバーを含む
単離されたポリヌクレオチド: (a) 配列番号2に記載のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド; (b) ATCC受託番号 において含まれるDNAに
よりコードされる成熟ポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド; (c) (a)または(b)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズし得、そして(a)または(b)のポリヌク
レオチドと少なくとも70%同一であるポリヌクレオチ
ド;および (d) (a)、(b)、または(c)のポリヌクレオ
チドのポリヌクレオチドフラグメントに関する。
【0024】好ましい実施形態において、上記ポリヌク
レオチドは、配列番号2に記載のポリペプチドをコード
し得る。
【0025】別の局面において、本発明は、上記ポリヌ
クレオチドを含むベクターに関する。
【0026】別の局面において、本発明は、上記ベクタ
ーで形質転換されたか、またはトランスフェクトされた
宿主細胞に関する。
【0027】別の局面において、本発明は、上記宿主細
胞から、上記ポリヌクレオチドによりコードされるポリ
ペプチドを発現する工程を包含する、ポリペプチドを産
生するためのプロセスに関する。
【0028】別の局面において、本発明は、上記ベクタ
ーで細胞を形質転換するか、またはトランスフェクトす
る工程を包含する、ポリペプチドを発現し得る細胞を産
生するためのプロセスに関する。
【0029】別の局面において、本発明は、以下からな
る群から選択されるレセプターポリペプチド: (i) 配列番号2の推定アミノ酸配列を有するポリペ
プチド、ならびにそのフラグメント、アナログ、および
誘導体;および(ii) ATCC受託番号 のcDN
Aによりコードされるポリペプチド、ならびにこのポリ
ペプチドのフラグメント、アナログ、および誘導体に関
する。
【0030】好ましい実施形態において、上記ポリペプ
チドが配列番号2の推定アミノ酸配列を有し得る。
【0031】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドに対する抗体に関する。
【0032】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドを活性化する化合物に関する。
【0033】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドの活性化を阻害する化合物に関する。
【0034】さらに別の局面において、本発明は、上記
アンタゴニストおよびキャリアを含む、組成物に関す
る。
【0035】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドを活性化する化合物の治療有効量を患者に投与す
る工程を包含する、上記ポリペプチドを活性化する必要
性を有する患者を処置するための方法に関する。
【0036】好ましい実施形態において、上記化合物が
ポリペプチドであり得、そして化合物の治療有効量が、
患者にアゴニストをコードするDNAを提供し、そして
インビボでアゴニストを発現することにより投与され得
る。
【0037】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドの活性化を阻害する化合物の治療有効量を患者に
投与する工程を包含する、上記ポリペプチドを阻害する
必要性を有する患者を処置するための方法に関する。
【0038】好ましい実施形態において、前記化合物が
ポリペプチドであり得、そして化合物の治療有効量が、
患者にアンタゴニストをコードするDNAを提供し、そ
してインビボでアンタゴニストを発現することにより投
与され得る。
【0039】別の局面において、本発明は、上記レセプ
ターポリペプチドに結合し、そして該レセプターポリペ
プチドを活性化する化合物を同定するための方法であっ
て:細胞表面上でレセプターポリペプチドを発現する細
胞と化合物とを、化合物の該レセプターポリペプチドへ
の結合を許容するのに十分な条件下で接触させる工程で
あって、レセプターは、化合物のレセプターポリペプチ
ドへの結合に応答して検出可能なシグナルを提供し得る
第2の成分と会合される、工程;および化合物がレセプ
ター結合し得るか否かを、第2の成分により生成される
シグナルを検出することにより同定する工程、を包含す
る、方法に関する。
【0040】別の局面において、本発明は、上記ポリペ
プチドに結合し、そして該ポリペプチドの活性化を阻害
する化合物を同定するための方法であって:細胞表面上
でレセプターポリペプチドを発現する細胞と、レセプタ
ーポリペプチドに結合することが公知のリガンドおよび
スクリーニングされるべき化合物とを、レセプターポリ
ペプチドへの結合を許容する条件下で接触させる工程で
あって、レセプターは、化合物のレセプターポリペプチ
ドへの結合に応答して検出可能なシグナルを提供し得る
第2の成分と会合される、工程;およびリガンドとポリ
ペプチドとの相互作用から生成されるシグナルが存在し
ないことを検出することにより、化合物がポリペプチド
の活性化を阻害するか否かを決定する工程、を包含す
る、方法に関する。
【0041】別の局面において、本発明は、上記レセプ
ターポリペプチドに結合する化合物を同定するために、
該化合物をスクリーニングするための方法であって:細
胞表面上でレセプターを発現する細胞と、化合物および
レセプターに結合することが公知の分析上検出可能なリ
ガンドとを、レセプターへの結合を許容する条件下で接
触させる工程;およびリガンドの該レセプターへの結合
を決定する工程、を包含する、方法に関する。
【0042】別の局面において、本発明は、患者におい
て上記ポリペプチドの過小発現に関する疾患または疾患
に対する感受性を診断するためのプロセスであって、患
者に由来するサンプル中の該ポリペプチドをコードする
核酸配列における変異を決定する工程を包含する、プロ
セスに関する。
【0043】別の局面において、本発明は、宿主由来の
サンプル中の上記ポリペプチドの存在を分析する工程を
包含する、診断プロセスに関する。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の1つの局面によれば、図
1の推定アミノ酸配列を有する成熟ポリペプチド、また
は1995年6月1日にATCC受託番号第 号として
寄託されたクローンのcDNAによりコードされる成熟
ポリペプチドをコードする単離された核酸(ポリヌクレ
オチド)が提供される。
【0045】本発明のポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドは、骨格筋、心臓および脳に見出され得る。
本発明のポリヌクレオチドは、ヒト幼児脳由来のcDN
Aライブラリーにおいて発見された。これは構造的にG
タンパク質共役型レセプターファミリーに関連する。こ
れは、349アミノ酸残基のタンパク質をコードするオ
ープンリーディングフレームを含む。このタンパク質
は、ヒトα2Aアドレナリン作用性レセプターに最も高
い程度の相同性を示し、331アミノ酸の領域にわたっ
て25.387%の同一性および51.084%の類似
性を有する。
【0046】本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形
態またはDNA(このDNAは、cDNA、ゲノムDN
A、および合成DNAを含む)の形態であり得る。DN
Aは二本鎖または一本鎖であり得、そして一本鎖の場合
には、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であ
り得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、
図1(配列番号1)に示すコード配列または寄託したク
ローンのコード配列と同一であり得るか、あるいはその
コード配列が、遺伝コードの重複または縮重の結果とし
て、図1(配列番号1)のDNAまたは寄託したcDN
Aと同じ成熟ポリペプチドをコードする異なるコード配
列であり得る。
【0047】図1(配列番号2)の成熟ポリペプチドま
たは寄託したcDNAによりコードされる成熟ポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドは、以下を含み得
る:成熟ポリペプチドのコード配列のみ;成熟ポリペプ
チドのコード配列およびリーダー配列または分泌配列あ
るいはプロタンパク質配列のようなさらなるコード配
列;成熟ポリペプチドのコード配列(および必要に応じ
てさらなるコード配列)ならびに非コード配列(例え
ば、イントロンあるいは成熟ポリペプチドのコード配列
の5’および/または3’非コード配列)。
【0048】従って、用語「ポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド」は、ポリペプチドのコード配列のみ
を含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列
および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを
含む。
【0049】本発明はさらに、図1(配列番号2)の推
定アミノ酸配列を有するポリペプチドまたは寄託したク
ローンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフ
ラグメント、アナログ、および誘導体をコードする本明
細書中上記のポリヌクレオチドの改変体に関する。ポリ
ヌクレオチドの改変体は、ポリヌクレオチドの天然に存
在する対立遺伝子改変体またはポリヌクレオチドの天然
に存在しない改変体であり得る。
【0050】従って、本発明は、図1に示すものと同じ
成熟ポリペプチド、または寄託したクローンのcDNA
によりコードされるものと同じ成熟ポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチド、ならびにそのようなポリヌク
レオチドの改変体を含む。この改変体は、図1(配列番
号2)のポリペプチドまたは寄託したクローンのcDN
Aによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘
導体またはアナログをコードする。このようなヌクレオ
チド改変体は、欠失改変体、置換改変体、および付加ま
たは挿入改変体を含む。
【0051】本明細書中上記で示したように、ポリヌク
レオチドは、図1(配列番号1)に示すコード配列また
は寄託したクローンのコード配列の天然に存在する対立
遺伝子改変体であるコード配列を有し得る。当該分野で
公知なように、対立遺伝子改変体は、1つ以上のヌクレ
オチドの置換、欠失または付加を有し得るポリヌクレオ
チド配列の別の形態であり、これはコードされるポリペ
プチドの機能を実質的に変化させない。
【0052】ポリヌクレオチドはまた、本発明の全長ポ
リペプチドのTMおよび細胞内ドメインから切断された
ポリペプチドの細胞外部分であるレセプターポリペプチ
ドの可溶性形態をコードし得る。
【0053】本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明
のポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列にイン
フレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー
配列は、細菌宿主の場合には、マーカーに融合された成
熟ポリペプチドの精製を提供する、pQE−9ベクター
により供給されるヘキサヒスチジンタグであり得る。あ
るいは、例えばマーカー配列は、哺乳動物宿主(例え
ば、COS−7細胞)が使用される場合は、赤血球凝集
素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフルエン
ザ赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応
する(Wilson,I.ら、Cell,37:767
(1984))。
【0054】用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖を産生
することに関与するDNAのセグメントを意味し;これ
は、コード領域の前および後(リーダーおよトレイラー
(trailer))の領域ならびに個々のコードセグ
メント(エクソン)の間の介在配列(イントロン)を含
む。
【0055】全長レセプター遺伝子のフラグメントは、
全長遺伝子を単離するため、およびこの遺伝子に対する
高い配列類似性または類似した生物学的活性を有する他
の遺伝子を単離するために、cDNAライブラリーのハ
イブリダイゼーションプローブとして使用され得る。こ
のタイプのプローブは、好ましくは、少なくとも30塩
基を有し、そして例えば、50塩基以上を有し得る。プ
ローブはまた、全長の転写物に対応するcDNAクロー
ンおよびゲノムクローン、または調節およびプロモータ
ー領域、エキソン、ならびにイントロンを含む完全レセ
プター遺伝子を含有するクローンを同定するために使用
され得る。スクリーニングの例は、既知のDNA配列を
使用し、オリゴヌクレオチドプローブを合成することに
より、遺伝子のコード領域を単離することを含む。本発
明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識されたオ
リゴヌクレオチドは、ヒトcDNA、ゲノムDNA、ま
たはmRNAのライブラリーをスクリーニングして、ラ
イブラリーのどのメンバーにプローブがハイブリダイズ
するかを決定するために使用される。
【0056】本発明はさらに、配列間に少なくとも70
%、好ましくは少なくとも90%、およびより好ましく
は95%の同一性が存在する場合、本明細書中上記の配
列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本
発明は特に、本明細書中上記のポリヌクレオチドにスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレ
オチドに関する。本明細書中で用いられる用語「ストリ
ンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーションが、配
列間に少なくとも95%、そして好ましくは少なくとも
97%の同一性が存在する場合のみに生じることを意味
する。好ましい実施態様において、本明細書中上記のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド
は、図1(配列番号1)のcDNAまたは寄託したcD
NA(単数または複数)によりコードされる成熟ポリペ
プチドと実質的に同じ生物学的機能または活性のいずれ
かを保持するポリペプチドをコードする。
【0057】あるいは、このポリヌクレオチドは、本発
明のポリヌクレオチドにハイブリダイズし、本明細書中
上記したように、それに対して同一性を有し、そして活
性を保持てもよいかまたはしなくてもよい、少なくとも
20塩基、好ましくは30塩基、そしてより好ましくは
少なくとも50塩基を有し得る。例えばそのようなポリ
ヌクレオチドは、配列番号1のポリヌクレオチドのため
のプローブとして(例えば、このポリヌクレオチドの回
収のためのプローブ、または診断用プローブ)あるいは
PCRプライマーとして用いられ得る。
【0058】従って、本発明は、配列番号2のポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも
70%、好ましくは少なくとも90%の同一性およびよ
り好ましくは95%の同一性を有するポリヌクレオチド
ならびにそのフラグメント(このフラグメントは、少な
くとも30塩基および好ましくは少なくとも50塩基を
有する)ならびにこのようなポリヌクレオチドによりコ
ードされるポリペプチドに関する。
【0059】本明細書中でいう寄託物(単数または複
数)は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関
するブダペスト条約の下に維持される。これらの寄託物
は、当業者に対する便宜として提供されるにすぎず、そ
して米国特許法第112条の下で寄託が必要とされるこ
とを認めたわけではない。寄託物に含まれるポリヌクレ
オチドの配列、ならびにそれによりコードされるポリペ
プチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用
され、そして本明細書中の配列の任意の記載とのいかな
る対立の場合にも管理している。寄託物を製造し、使用
し、または販売するためには実施許諾が必要とされ得、
そしてそのような実施許諾は本明細書によって与えられ
るわけではない。
【0060】本発明はさらに、図1(配列番号2)の推
定アミノ酸配列を有するか、または寄託したcDNAに
よりコードされるアミノ酸配列を有するレセプターポリ
ペプチド、ならびにそのようなポリペプチドのフラグメ
ント、アナログおよび誘導体に関する。
【0061】用語「フラグメント」、「誘導体」、およ
び「アナログ」は、図1(配列番号2)のポリペプチド
または寄託したcDNAにコードされるポリペプチドを
いう場合、そのようなポリペプチドと実質的に同じ生物
学的機能または活性(すなわち、レセプターとしての機
能)を保持するか、あるいは、ポリペプチドがレセプタ
ーとして機能しないとしても、リガンドまたはレセプタ
ーを結合する能力を保持するか(例えば、このレセプタ
ーの可溶性形態)のいずれかであるポリペプチドを意味
する。アナログは、膜貫通ドメインおよび細胞内部分か
ら切断されて可溶性の活性ペプチドを産生し得る細胞外
部分を含む。
【0062】本発明のポリペプチドは、組換えポリペプ
チド、天然のポリペプチドまたは合成ポリペプチドであ
り得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。
【0063】図1(配列番号2)のポリペプチドまたは
寄託したcDNAによりコードされるポリペプチドのフ
ラグメント、誘導体、またはアナログは、(i)1つ以
上のアミノ酸残基が保存アミノ酸残基または非保存アミ
ノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換され、
そしてこのような置換されるアミノ酸残基は遺伝的コー
ドによりコードされ得るアミノ酸残基であってもよく、
またはそうでなくてもよいもの、あるいは(ii)1つ
以上のアミノ酸残基が置換基を含有するもの、あるいは
(iii)成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期
を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコー
ル)のような別の化合物と融合されているもの、あるい
は(iv)その中で成熟ポリペプチドの精製のために使
用されるさらなるアミノ酸が成熟ポリペプチドに融合さ
れているもの、あるいは(v)ポリペプチドのフラグメ
ントが可溶性であるもの(すなわち、膜に結合しない
が、なお膜結合型レセプターに対するリガンドを結合す
る)であり得る。このようなフラグメント、誘導体およ
びアナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内
にあると考えられる。
【0064】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そし
て好ましくは均質に精製される。
【0065】本発明のポリペプチドは、配列番号2のポ
リペプチド(特に成熟ポリペプチド)ならびに少なくと
も70%の類似性(好ましくは少なくとも70%の同一
性)を配列番号2のポリペプチドに対して有し、そして
より好ましくは少なくとも90%の類似性(より好まし
くは少なくとも90%の同一性)を配列番号2のポリペ
プチドに対して有し、そしてなおより好ましくは少なく
とも95%の類似性(なおより好ましくは少なくとも9
5%の同一性)を配列番号2のポリペプチドに対して有
するポリペプチドを含み、そしてまた一般に少なくとも
30%のアミノ酸およびより好ましくは少なくとも50
アミノ酸を含むこのようなポリペプチドの部分を有する
このようなポリペプチドの部分を含む。
【0066】当業者に公知なように、2つのポリペプチ
ド間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配
列およびその保存されたアミノ酸置換を第2のポリペプ
チドの配列と比較することにより決定される。
【0067】本発明のポリペプチドのフラグメントまた
は部分は、ペプチド合成により対応する全長ポリペプチ
ドを産生するために使用され得る。従って、このフラグ
メントは全長ポリペプチドを産生するための中間体とし
て使用され得る。本発明のポリヌクレオチドのフラグメ
ントまたは部分は、本発明の全長ポリヌクレオチドを合
成するために使用され得る。
【0068】用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖を産生
することに関与するDNAのセグメントを意味する;こ
れは、コード領域の前および後(リーダーおよトレイラ
ー)の領域ならびに個々のコードセグメント(エクソ
ン)の間の介在配列(イントロン)を含む。
【0069】用語「単離された」は、物質がその本来の
環境(例えば、天然に存在する場合は、天然の環境)か
ら取り出されていることを意味する。例えば、生存する
動物の中に存在する天然に存在するポリヌクレオチドま
たはポリペプチドは単離されていないが、天然の系にお
いて共存する物質の幾らかまたは全てから分離されてい
る同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離さ
れている。このようなポリヌクレオチドはベクターの一
部であり得、そして/またはこのようなポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり得、かつ
そのようなベクターまたは組成物がその天然の環境の一
部ではない点で、なお単離されている状態であり得る。
【0070】本発明のポリペプチドは、配列番号2のポ
リペプチド(特に成熟ポリペプチド)ならびに少なくと
も70%の類似性(好ましくは70%の同一性)を配列
番号2のポリペプチドに対して有し、そしてより好まし
くは90%の類似性(より好ましくは90%の同一性)
を配列番号2のポリペプチドに対して有し、そしてなお
より好ましくは95%の類似性(なおより好ましくは9
0%の同一性)を配列番号2のポリペプチドに対して有
するポリペプチドを含み、そしてまた一般に少なくとも
30アミノ酸およびより好ましくは少なくとも50アミ
ノ酸を含むこのようなポリペプチドの部分を有するこの
ようなポリペプチドの部分を含む。
【0071】当業者に公知なように、2つのポリペプチ
ド間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配
列およびその保存されたアミノ酸置換を第2のポリペプ
チドの配列と比較することにより決定される。
【0072】本発明のポリペプチドのフラグメントまた
は部分は、ペプチド合成により対応する全長ポリペプチ
ドを産生するために使用され得る。従って、このフラグ
メントは全長ポリペプチドを産生するための中間体とし
て使用され得る。本発明のポリペプチドのフラグメント
または部分は、本発明の全長ポリヌクレオチドを合成す
るために使用され得る。
【0073】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
を含むベクター、本発明のベクターを用いて遺伝子操作
される宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリ
ペプチドの産生に関する。
【0074】宿主細胞は、本発明のベクター(これは、
例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであ
り得る)を用いて遺伝子操作される(形質導入される
か、または形質転換されるか、またはトランスフェクト
される)。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス
粒子、ファージなどの形態であり得る。操作された宿主
細胞は、プロモーターを活性化するか、形質転換体を選
択するか、または本発明の遺伝子を増幅するために適切
に改変した従来の栄養培地中において培養され得る。培
養条件(例えば、温度、pHなど)は、発現のために選
択される宿主細胞に以前使用された条件であり、そして
当業者には明らかである。
【0075】本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術
によりポリペプチドを産生するために用いられ得る。従
って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発
現するための種々の発現ベクターのいずれか1つに含ま
れ得る。このようなベクターは、染色体DNA配列、非
染色体DNA配列、および合成DNA配列を包含する。
このようなベクターは、例えば、SV40の誘導体;細
菌性プラスミド;ファージDNA;バキュロウイルス;
酵母プラスミド;プラスミドおよびファージDNAの組
み合わせに由来するベクター、ウイルスDNA(例え
ば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、およ
び仮性狂犬病)である。しかし、宿主において複製可能
で、かつ存続可能である限り、他の任意のベクターも使
用され得る。
【0076】適切なDNA配列は、種々の手順によりベ
クターに挿入され得る。一般に、DNA配列は、当該分
野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部
位に挿入される。このような手順および他の手順は、当
業者の範囲内であると考えられる。
【0077】発現ベクター中のDNA配列は、mRNA
の合成を指示する適切な発現制御配列(プロモーター)
に作動可能に連結される。このようなプロモーターの代
表的な例としては、以下が挙げられ得る:LTRまたは
SV40プロモーター、E.coli lacまたはt
rp、λファージPLプロモーター、および原核生物細
胞または真核生物細胞あるいはそれらのウイルス内で遺
伝子の発現を制御することが知られている他のプロモー
ター。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソー
ム結合部位および転写ターミネーターを含有する。ベク
ターはまた、発現を増幅するための適切な配列を含有し
得る。
【0078】さらに、発現ベクターは、好ましくは、形
質転換された宿主細胞の選択のための表現型特性(例え
ば、真核細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダクター
ゼまたはネオマイシン耐性、あるいは例えばE.col
iにおけるテトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐
性)を提供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を含有す
る。
【0079】本明細書中上記のような適切なDNA配列
ならびに適切なプロモーター配列または制御配列を含有
するベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタン
パク質を発現させるために用いられ得る。
【0080】適切な宿主の代表的な例としては、以下が
挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coli、St
reptomyces、Salmonella typ
himurium);真菌細胞(例えば酵母);昆虫細
胞(例えば、DrosophilaおよびSpodop
tera Sf9);動物細胞(例えば、CHO、CO
SまたはBowes黒色腫);アデノウイルス;植物細
胞など。適切な宿主の選択は、本明細書中の教示から当
業者の範囲内であると考えられる。
【0081】さらに詳細には、本発明はまた、上記で広
範に記載した1つ以上の配列を含む組換え構築物を包含
する。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクタ
ーまたはウイルスベクター)を包含し、このベクターの
中に、本発明の配列が正方向または逆方向に挿入されて
いる。この実施態様の好ましい局面において、構築物は
さらに、配列に作動可能に連結された調節配列(例え
ば、プロモーターを包含する)を含む。非常に多数の適
切なベクターおよびプロモーターが当業者には公知であ
り、そして市販されている。以下のベクターが例として
提供される。細菌性:pQE70、pQE60、pQE
−9(Qiagen)、pbs、pD10、phage
script、psiX174、pbluescrip
t SK,pbsks,pNH8A、pNH16a、p
NH18A、pNH46A(Stratagene);
ptrc99a、pKK223−3、pKK233−
3、pDR540、pRIT5(Pharmaci
a)。真核性:pWLNEO、pSV2CAT、pOG
44、pXT1、pSG(Stratagene);p
SVK3、pBPV,pMSG、pSVL(Pharm
acia)。しかし、他の任意のプラスミドまたはベク
ターも、それらが宿主において複製可能で、かつ存続可
能である限り、使用され得る。
【0082】プロモーター領域は、CAT(クロラムフ
ェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択マ
ーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の
遺伝子から選択され得る。2つの適切なベクターは、P
KK232−8およびPCM7である。特によく知られ
た細菌性プロモーターは、lacI、lacZ、T3、
T7、gpt、λPR、PLおよびtrpを包含する。真
核生物プロモーターは、CMV即時型、HSVチミジン
キナーゼ、初期SV40および後期SV40、レトロウ
イルス由来のLTR、およびマウスメタロチオネインI
を包含する。適切なベクターおよびプロモーターの選択
は、十分に当業者のレベル内である。
【0083】さらなる実施態様では、本発明は上記の構
築物を含有する宿主細胞に関する。宿主細胞は、高等真
核生物細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核生
物細胞(例えば、酵母細胞)であり得るか、あるいは宿
主細胞は原核生物細胞(例えば、細菌細胞)であり得
る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムト
ランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トラ
ンスフェクション、またはエレクトロポレーションによ
り達成され得る(Davis,L.,Dibner,
M.,Battey,I.,Basic Method
s in Molecular Biology,(1
986))。
【0084】宿主細胞中の構築物を用いて、従来の方法
で、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生し
得る。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来のペプ
チド合成機により合成的に産生され得る。
【0085】成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、
細菌、または他の細胞中で適切なプロモーターの制御下
で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA
構築物に由来するRNAを使用して、このようなタンパ
ク質を産生するために用いられ得る。原核生物宿主およ
び真核生物宿主で使用される適切なクローニングベクタ
ーおよび発現ベクターは、Sambrookら,Mol
ecular Cloning: A Laborat
ory Manual,第2版,Cold Sprin
g Harbor,N.Y.,(1989)(この開示
は、本明細書中に参考として援用される)に記載されて
いる。
【0086】本発明のポリペプチドをコードするDNA
の高等真核生物による転写は、ベクターにエンハンサー
配列を挿入することにより増大される。エンハンサーは
DNAのシス作用エレメントであり、通常は約10〜約
300bpであり、これはプロモーターに作用してその
転写を増大させる。例として、複製起点のbp100〜
270の後期側のSV40エンハンサー、サイトメガロ
ウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の
後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイル
スエンハンサーが挙げられる。
【0087】一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞
の形質転換を可能とする複製起点および選択マーカー
(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およ
びS.cerevisiaeのTRP1遺伝子)、なら
びに下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子由来
のプロモーターを含有する。このようなプロモーター
は、中でも解糖酵素(例えば、3−ホスホグリセリン酸
キナーゼ(PGK))、α因子、酸性ホスファターゼ、
または熱ショックタンパク質などをコードするオペロン
に由来し得る。異種構造配列は、翻訳開始配列および翻
訳終結配列、ならびに好ましくは、翻訳タンパク質をペ
リプラズム腔または細胞外培地への分泌を指向し得るリ
ーダー配列と適切な相内で組立てられる。必要に応じ
て、異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された組換
え産物の安定化または簡略化された精製)を与えるN末
端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得る。
【0088】細菌の使用に有用な発現ベクターは、機能
的なプロモーターと作動可能な読み取り相で、適切な翻
訳開始シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に所望のタ
ンパク質をコードする構造DNA配列を挿入することに
より構築される。ベクターは、1つ以上の表現型選択マ
ーカー、およびベクターの維持を確実にし、かつ所望さ
れる場合は宿主内での増幅を提供するための複製起点を
含有する。形質転換のために適切な原核生物宿主は、
E.coli、Bacillus subtilis、
Salmonella typhimurium、なら
びにPseudomonas属、Streptomyc
es属、およびStaphylococcus属内の種
々の種を包含するが、他の種もまた選択対象として用い
られ得る。
【0089】代表的な、しかし限定しない例として、細
菌の使用に有用な発現ベクターは、周知のクローニング
ベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝
的エレメントを含む市販のプラスミドに由来する選択マ
ーカーおよび細菌性の複製起点を含有し得る。このよう
な市販のベクターは、例えば、pKK223−3(Ph
armacia Fine Chemicals,Up
psala,Sweden)およびGEMI(Prom
ega Biotec,Madison,WI,US
A)を含む。これらのpBR322「骨格」部分は、適
切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み
合わされる。
【0090】適切な宿主株の形質転換および適切な細胞
密度までの宿主株の増殖に続いて、選択されたプロモー
ターは適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘
導)により誘導され、そして細胞はさらなる期間培養さ
れる。
【0091】細胞は、代表的には遠心分離により回収さ
れ、物理的手段または化学的手段により破砕され、そし
て得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持され
る。
【0092】タンパク質の発現において用いられる微生
物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破
砕、または細胞溶解剤の使用を包含する任意の便利な方
法により破砕され得る。このような方法は当業者に周知
である。
【0093】種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換
えタンパク質を発現するために用いられ得る。哺乳動物
発現系の例には、Gluzman,Cell,23:
175(1981)に記載されるサル腎臓線維芽細胞の
COS−7株、および適合性のベクターを発現し得る他
の細胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeL
a、およびBHK細胞株)が含まれる。哺乳動物発現ベ
クターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハ
ンサー、ならびに任意の必要なリボソーム結合部位、ポ
リアデニル化部位、スプライスドナー部位およびスプラ
イスアクセプター部位、転写終結配列、および5’フラ
ンキング非転写配列をまた含有する。SV40スプライ
ス部位に由来するDNA配列、およびポリアデニル化部
位は、必要な非転写遺伝的エレメントを提供するために
使用され得る。
【0094】レセプターポリペプチドは、以下を含む方
法により組換え細胞培養物から回収され、そして精製さ
れ得る:硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イ
オンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセ
ルロースクロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒド
ロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチ
ンクロマトグラフィー。必要に応じて、タンパク質の再
折りたたみ(refolding)工程が、成熟タンパ
ク質の配置を完全にするために使用され得る。最終的
に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が、最終
的な精製工程に用いられ得る。
【0095】本発明のポリペプチドは、天然の精製され
た産物、または化学合成手順の産物であり得るか、ある
いは原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、培養物
中の細菌、酵母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細
胞)から組換え技術により産生され得る。組換え産生手
順に用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチド
は、グリコシル化され得るか、またはグリコシル化され
ないかもしれない。本発明のポリペプチドはまた、最初
のメチオニンアミノ酸残基を含み得る。
【0096】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、ヒトの疾患に対する処置および診断の発見のた
めの試験薬および試験物質として使用され得る。
【0097】本発明のレセプターは、本発明のレセプタ
ーポリペプチドに結合し、そして活性化する化合物(ア
ゴニスト)、または本発明のレセプターポリペプチドに
結合し、そして活性化を阻害する化合物(アンタゴニス
ト)をスクリーニングするためのプロセスにおいて使用
され得る。
【0098】一般的に、このようなスクリーニング手順
は、その表面でレセプターを発現する適切な細胞を提供
することを含む。特に、本発明のレセプターをコードす
るポリヌクレオチドは、細胞をトランスフェクトし、そ
れにより、本発明のレセプターを発現させるのに用いら
れる。このようなトランスフェクションは、本明細書の
上記のような手順により達成され得る。
【0099】1つのこのようなスクリーニング手順は、
本発明のレセプターを発現するためにトランスフェクト
されるメラニン保有細胞の使用を含む。このようなスク
リーニング技術は、PCT WO 92/01810
(1992年2月6日公開)に記載されている。
【0100】従って、例えば、このようなアッセイは、
レセプターリガンドおよびスクリーニングされるべき化
合物の両方と、レセプターをコードするメラニン保有細
胞とを接触させることにより、レセプターアンタゴニス
トをスクリーニングするために使用され得る。リガンド
により生じるシグナルの阻害は、化合物がこのレセプタ
ーの潜在的なアンタゴニストであること、すなわち、レ
セプターの活性化を阻害することを示す。
【0101】このスクリーニングは、このような細胞と
スクリーニングされる化合物とを接触させ、そしてその
ような化合物がシグナルを生じるか、すなわち、このよ
うな化合物がレセプターを活性化するかを決定すること
によりアゴニストを決定するために用いられ得る。
【0102】他のスクリーニング技術は、例えば、Sc
ience、第246巻、181〜296頁(1989
年10月)に記載されるように、レセプターの活性化に
より引き起こされる細胞外のpH変化を測定する系にお
いて、レセプターを発現する細胞(例えば、トランスフ
ェクトCHO細胞)の使用を含む。例えば、潜在的なア
ゴニストまたはアンタゴニストは、レセプターを発現す
る細胞と接触され得、そしてセカンドメッセンジャー応
答(例えば、シグナル伝達またはpH変化)は、潜在的
アゴニストまたはアンタゴニストが有効であるか否かを
決定するために測定され得る。
【0103】別のこのようなスクリーニング技術は、レ
セプターをコードするRNAをXenopus卵母細胞
に導入し、一時的にレセプターを発現させることを含
む。次いでそのレセプター卵母細胞は、アンタゴニスト
をスクリーニングする場合にはレセプターリガンドおよ
びスクリーニングされる化合物と接触され得、続いて、
カルシウムシグナルの阻害の検出が行われる。
【0104】別のスクリーニング技術は、そのレセプタ
ーがホスホリパーゼCまたはDと連結しているレセプタ
ーの発現を包含する。このような細胞の代表例として
は、内皮細胞、平滑筋細胞、胎児腎細胞などが挙げられ
得る。アンタゴニストまたはアゴニストのスクリーニン
グは、本明細書中上記のように、レセプターの活性化ま
たはホスホリパーゼの2次シグナルに由来するレセプタ
ーの活性化の阻害の検出により達成され得る。
【0105】別の方法は、細胞表面にレセプターを有す
る細胞への標識リガンドの結合の阻害を決定することに
よる、本発明のレセプターポリペプチドの活性化を阻害
する化合物のスクリーニングを包含する。このような方
法は、細胞がその表面にレセプターを発現するようにレ
セプターをコードするDNAで真核細胞をトランスフェ
クトする工程、および標識形態の公知のリガンドの存在
下で細胞と潜在的なアンタゴニストとを接触させる工程
を包含する。リガンドは、例えば、放射能により標識さ
れ得る。標識リガンドがレセプターに結合する量は、例
えば、レセプターの放射能の測定により測定される。レ
セプターに結合する標識リガンドの減少により決定され
るように潜在的なアンタゴニストがレセプターに結合す
る場合、標識リガンドのレセプターへの結合は阻害され
る。
【0106】一般に、スクリーニング手順により決定さ
れるGタンパク質共役型レセプターに対するアンタゴニ
ストは、種々の治療目的に用いられ得る。例えば、この
ようなアンタゴニストは、高血圧、狭心症、心筋梗塞、
潰瘍、喘息、アレルギー、精神病、うつ病、片頭痛(m
igraine)、嘔吐、発作、摂食障害、片頭痛(m
igraine headaches)、ガン、および
良性前立腺肥大の処置のために用いられている。
【0107】Gタンパク質共役型レセプターに対するア
ゴニストはまた、治療目的(例えば、喘息、パーキンソ
ン病、急性心不全、低血圧、尿停留(urinary
retention)、および骨粗鬆症の治療)のため
に有用である。
【0108】Gタンパク質共役型レセプターアンタゴニ
ストの例は、抗体、またはいくつかの場合には、オリゴ
ヌクレオチドを含む。それらは、Gタンパク質共役型レ
セプターに結合するが、Gタンパク質共役型レセプター
の活性を阻害するようなセカンドメッセンジャー応答を
惹起しない。抗体は、一般に抗体の抗原結合部位に会合
する独特の決定基を認識する抗イディオタイプ抗体を包
含する。潜在的なアンタゴニストもまた、Gタンパク質
共役型レセプターのリガンドに密接に関連するタンパク
質、すなわち、リガンドのフラグメントを含み、これは
生物学的機能を欠失しており、そしてGタンパク質共役
型レセプターに結合するときに応答を惹起しない。
【0109】潜在的なアンタゴニストはまた、アンチセ
ンス技術の使用によって調製されたアンチセンス構築物
を含む。アンチセンス技術は、三重らせん形成もしくは
アンチセンスDNAまたはRNAを介して遺伝子発現を
制御するために用いられ得、これらの方法の両方は、ポ
リヌクレオチドがDNAまたはRNAに結合することに
基づいている。例えば、本発明の成熟ポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド配列の5’コード部分は、長
さが約10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌ
クレオチドを設計するために用いられる。DNAオリゴ
ヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域に相補的
であるように設計され(三重らせん−Leeら、Nuc
l.Acids Res.,6:3073(197
9);Cooneyら、Science,241:45
6(1988);およびDervanら、Scienc
e,251: 1360(1991)を参照のこと)、
それにより、転写およびGタンパク質共役型レセプター
の産生を阻害する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオ
チドはインビボでmRNAにハイブリダイズし、そして
mRNA分子のGタンパク質共役型レセプターへの翻訳
をブロックする(アンチセンス−Okano、J.Ne
urochem.,56:560(1991);Oli
godeoxynucleotides as Ant
isense Inhibitors of Gene
Expression,CRC Press,Boc
a Raton,FL(1988))。上記のオリゴヌ
クレオチドはまた、細胞に送達され得、それによって、
アンチセンスRNAまたはDNAが、Gタンパク質共役
型レセプターの産生を阻害するためにインビボで発現さ
れ得る。
【0110】別の潜在的なアンタゴニストは、Gタンパ
ク質共役型レセプターに結合する小分子である。これ
は、正常な生物学的活性が妨げられるようにリガンドへ
の接近を不可能にする。小分子の例は、小ペプチドまた
はペプチド様分子を含むが、これらに限定されない。
【0111】潜在的なアンタゴニストはまた、可溶性形
態のGタンパク質共役型レセプター(例えば、このレセ
プターのフラグメント)を含む。これはリガンドに結合
し、そしてこのリガンドが膜結合Gタンパク質共役型レ
セプターと相互作用することを妨げる。
【0112】Gタンパク質共役型レセプター、およびア
ンタゴニストまたはアゴニストは、適切な薬学的キャリ
アと組み合わせて用いられ得る。このような組成物は、
治療的有効量のポリペプチド、および薬学的に受容可能
なキャリアまたは賦形剤を含む。このようなキャリアと
しては、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロー
ス、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組
み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。処方
は、投与の様式に合わせるべきである。
【0113】本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1
つまたはそれ以上の成分で満たされた1つ以上の容器を
含む薬学的パックまたはキットを提供する。このような
容器(単数または複数)に関して、薬剤または生物学的
製品の製造、使用、または販売を統制する政府機関によ
り規定された形式の製品表示をし得、この製品表示は、
ヒトへの投与についての製造、使用、または販売におけ
る機関による認可を表す。さらに、薬学的組成物は、他
の治療化合物と併用して用いられ得る。
【0114】薬学的組成物は、例えば、局所、静脈内、
腹膜腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内、または皮内経路によ
る便利な様式で投与され得る。薬学的組成物は、特定の
症状の処置および/または予防に有効な量で投与され
る。一般に、薬学的組成物は少なくとも約10μg/k
g体重の量で投与され、そして多くの場合、それらは1
日に約8mg/kg体重を超えない量で投与される。多
くの場合、投薬量は、1日に約10μg/kg体重から
約1mg/kg体重であり、投与経路、症状などが考慮
される。
【0115】Gタンパク質共役型レセプターポリペプチ
ド、およびアンタゴニストまたはアゴニスト(これらは
ポリペプチドである)は、本発明に従って、インビボで
のこのようなポリペプチドの発現により用いられ得る。
これはしばしば「遺伝子治療」と呼ばれる。
【0116】従って、例えば、患者由来の細胞は、ポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAまたは
RNA)を用いてエキソビボで操作され得、次いで、操
作された細胞はこのポリペプチドで処置されるべき患者
に提供される。このような方法は当該分野で周知であ
る。例えば、細胞は、本発明のポリペプチドをコードす
るRNAを含有するレトロウイルス粒子の使用により、
当該分野で公知の手順によって操作され得る。
【0117】同様に、細胞は、インビボでのポリペプチ
ドの発現のために、例えば、当該分野で公知の手順によ
りインビボで操作され得る。当該分野で公知のように、
本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレ
トロウイルス粒子を産生するための産生細胞は、インビ
ボで細胞を操作するため、およびインビボでのポリペプ
チドの発現のために患者に投与され得る。このような方
法により本発明のポリペプチドを投与するためのこれら
の方法および他の方法は、本発明の教示から当業者には
明らかなはずである。例えば、細胞を操作するための発
現ビヒクルは、レトロウイルス以外のもの(例えば、ア
デノウイルス)であり得る。これは、適切な送達ビヒク
ルと組み合わせた後、インビボで細胞を操作するために
使用され得る。
【0118】本明細書中上記のレトロウイルスプラスミ
ドベクターが由来し得るレトロウイルスとしては、モロ
ニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス
肉腫ウイルスのようなレトロウイルス、ハーベイ肉腫ウ
イルス、ニワトリ白血症ウイルス、テナガザル白血病ウ
イルス、ヒト免疫不全症ウイルス、アデノウイルス、骨
髄増殖性肉腫ウイルス、および哺乳動物腫瘍ウイルスが
挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施態様
において、レトロウイルスプラスミドベクターは、モロ
ニーマウス白血病ウイルスに由来する。
【0119】ベクターは、1つ以上のプロモーターを含
む。使用され得る適切なプロモーターとしては、Mil
lerら、Biotechniques、第7巻、第9
号、980−990(1989)に記載のレトロウイル
スLTR;SV40プロモーター;およびヒトサイトメ
ガロウイルス(CMV)プロモーター、または他の任意
のプロモーター(例えば、真核生物細胞プロモーター
(ヒストン、pol III、およびβ−アクチンプロ
モーターを含むが、これらに限定されない))が挙げら
れるが、これらに限定されない。使用され得る他のウイ
ルスプロモーターとしては、アデノウイルスプロモータ
ー、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、およびB
19パルボウイルスプロモーターが挙げられるが、これ
らに限定されない。適切なプロモーターの選択は、本明
細書中に含まれる教示から当業者に明らかである。
【0120】本発明のポリペプチドをコードする核酸配
列は、適切なプロモーターの制御下にある。使用され得
る適切なプロモーターとしては、アデノウイルスプロモ
ーター(例えば、アデノウイルス主要後期プロモータ
ー);または異種プロモーター(例えば、サイトメガロ
ウイルス(CMV)プロモーター);RSウイルス(R
SV)プロモーター;誘導性プロモーター(例えば、M
MTプロモーター、メタロチオネインプロモーター);
ヒートショックプロモーター;アルブミンプロモータ
ー;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモータ
ー;ウイルスチミジンキナーゼプロモーター(例えば、
単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター);レトロ
ウイルスLTR(本明細書上記に記載の改変レトロウイ
ルスLTRを含む);βアクチンプロモーター:および
ヒト成長ホルモンプロモーターが挙げられるが、これら
に限定されない。プロモーターはまた、ポリペプチドを
コードする遺伝子を制御する天然のプロモーターであり
得る。
【0121】レトロウイルスプラスミドベクターは、パ
ッケージング細胞株に形質導入し、プロデューサー細胞
株を形成するために使用される。トランスフェクトされ
得るパッケージング細胞の例としては、Miller、
Human Gene Therapy、第1巻、5−
14頁(1990)(その全体が参考として本明細書中
に援用される)に記載のPE501、PA317、ψ−
2、ψ−AM、PA12、T19−14X、VT−19
−17−H2、ψCRE、ψCRIP、GP+E−8
6、GP−envAm12、およびDAN細胞株が挙げ
られるが、これらに限定されない。ベクターは、当該分
野で公知の任意の手段によりパッケージング細胞を形質
導入し得る。このような手段としては、エレクトロポレ
ーション、リポソームの使用、およびCaPO沈澱が
挙げられるが、これらに限定されない。1つの代替とし
て、レトロウイルスプラスミドベクターは、リポソーム
にカプセル化され得るか、または脂質に結合され得、次
いで宿主に投与され得る。
【0122】プロデューサー細胞株は、ポリペプチドを
コードする核酸配列(単数または複数)を含む感染性レ
トロウイルスベクター粒子を産生する。次いで、このよ
うなレトロウイルスベクター粒子は、インビトロまたは
インビボのいずれかで、真核生物細胞を形質導入するた
めに使用され得る。形質導入された真核生物細胞は、ポ
リペプチドをコードする核酸配列(単数または複数)を
発現する。形質導入され得る真核生物細胞としては、胚
芽幹細胞、胚芽肉腫細胞ならびに造血幹細胞、肝細胞、
線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチノサイト、内皮細胞、お
よび気管支上皮細胞が挙げられるが、これらに限定され
ない。
【0123】Gタンパク質共役型レセプターは、哺乳動
物宿主において遍在し、そして多くの病理学を含む多く
の生物学的機能を担う。従って、Gタンパク質共役型レ
セプターを刺激する化合物、およびGタンパク質共役型
レセプターを拮抗する化合物を見出すことが所望され
る。
【0124】本発明はさらに、細胞の表面上のヒトGタ
ンパク質共役型レセプターと特異的に相互作用し、そし
て結合する化合物を同定する方法を提供する。この方法
は、Gタンパク質共役型レセプターをコードする単離さ
れたDNA分子を含有する哺乳動物細胞と複数の化合物
とを接触させる工程、哺乳動物細胞に結合するこれらの
化合物を決定する工程、そしてそれによって本発明のヒ
トGタンパク質共役型レセプターと特異的に相互作用
し、そして結合する化合物を同定する工程を包含する。
【0125】本発明はまた、Gタンパク質共役型レセプ
ターをコードするmRNAの存在を検出することによ
り、細胞の表面におけるGタンパク質共役型レセプター
の発現を検出する方法を提供する。この方法は、細胞か
ら全mRNAを得る工程、およびそのように得られたm
RNAと、ヒトGタンパク質共役型レセプターをコード
する核酸分子の配列内に含まれる配列と特異的にハイブ
リダイズし得る少なくとも15ヌクレオチドの核酸分子
を含有する核酸プローブとを、ハイブリダイズする条件
下で接触させる工程、プローブにハイブリダイズしたm
RNAの存在を検出する工程、およびそれによって細胞
によるGタンパク質共役型レセプターの発現を検出する
工程を包含する。
【0126】本発明はまた、変異したGタンパク質共役
型レセプター遺伝子の存在に関連する疾患または疾患に
対する感受性を検出するための診断アッセイの一部とし
てのGタンパク質共役型レセプター遺伝子の使用に関連
する。このような疾患は、細胞の形質転換(例えば、腫
瘍およびガン)に関連する。
【0127】ヒトGタンパク質共役型レセプター遺伝子
における変異を有する個体は、種々の技術によりDNA
レベルで検出され得る。診断のための核酸は、患者の細
胞(例えば、血液、尿、唾液、組織生検物質、および剖
検物質)より得られ得る。ゲノムDNAは、検出のため
に直接使用され得るか、または分析前にPCRを用いる
ことにより酵素的に増幅され得る(Saikiら、Na
ture、324:163−166(1986))。R
NAあるいはcDNAはまた、同じ目的のために使用さ
れ得る。例として、Gタンパク質共役型レセプタータン
パク質をコードする核酸に相補的なPCRプライマー
が、Gタンパク質共役型レセプター変異を同定および解
析するために使用され得る。例えば、欠失および挿入
は、正常な遺伝子型との比較における増幅された産物の
サイズの変化により検出され得る。点変異は、放射性標
識されたGタンパク質共役型レセプターRNAまたは、
あるいは、放射性標識されたGタンパク質共役型レセプ
ターアンチセンスDNA配列に、増幅されたDNAをハ
イブリダイズさせることにより同定され得る。完全に対
合した配列は、RNaseA消化または融解温度の差に
より、誤対合した二本鎖と区別され得る。
【0128】DNA配列の差異に基づいた遺伝子試験
は、変性剤を含むかまたは含まないゲルにおけるDNA
フラグメントの電気泳動移動度における変化の検出によ
り達成され得る。小さな配列欠失および挿入は、高分解
能ゲル電気泳動によって視覚化され得る。異なる配列の
DNAフラグメントは、変性ホルムアミド勾配ゲルにお
いて区別され得る。ここでゲル中の異なるDNAフラグ
メントの移動度は、それらの特異的融解温度または部分
的融解温度に従って異なる位置にゲル内で遅延される
(例えば、Myersら、Science,230:1
242(1985)を参照のこと)。
【0129】特定の位置での配列の変化はまた、ヌクレ
アーゼ保護アッセイ(例えば、RNase保護およびS
1保護または化学的切断法(例えば、cottonら、
PNAS、USA、85:4397−4401(198
5)))により明らかにされ得る。
【0130】従って、特定のDNA配列の検出は、ハイ
ブリダイゼーション、RNase保護、化学的切断、直
接的なDNA配列決定、または制限酵素の使用(例え
ば、制限断片長多型(RFLP))およびゲノムDNA
のサザンブロッティングのような方法によって達成され
得る。
【0131】より慣習的なゲル電気泳動およびDNA配
列決定に加えて、変異はまたインサイチュ分析により検
出され得る。
【0132】本発明はまた、種々の組織における本発明
のレセプターポリペプチドの可溶形態の変化したレベル
を検出するための診断アッセイに関する。宿主に由来す
るサンプル中の可溶レセプターポリペプチドのレベルを
検出するために使用されるアッセイは、当業者に周知で
あり、そしてラジオイムノアッセイ、競合結合アッセ
イ、ウェスタンブロット分析、および好ましくはELI
SAアッセイを含む。
【0133】ELISAアッセイは、Gタンパク質共役
型レセプターポリペプチドの抗原に特異的な抗体、好ま
しくはモノクローナル抗体を調製する工程を最初に含
む。さらに、このモノクローナル抗体に対するレセプタ
ー抗体が調製される。放射能、蛍光、またはこの実施例
において西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素のような検出
可能な試薬がレセプター抗体に付着される。ここでサン
プルは、宿主から取り出され、そして固体支持体(例え
ば、サンプル中のタンパク質に結合するポリスチレンデ
ィッシュ)上でインキュベートされる。次いで、ディッ
シュ上の任意の遊離のタンパク質結合部位は、非特異的
タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)とインキュ
ベートすることにより被覆される。次いで、モノクロー
ナル抗体は、ディッシュ内でインキュベートされ、この
間、モノクローナル抗体は、ポリスチレンディッシュに
付着された任意のGタンパク質共役型レセプタータンパ
ク質に付着する。全ての非結合モノクローナル抗体は、
緩衝液により洗い流される。ここで西洋ワサビペルオキ
シダーゼに連結されたレセプター抗体はディッシュ内に
入れられ、これによりGタンパク質レセプターに結合し
た任意のモノクローナル抗体へレポーター抗体が結合す
る。次いで、付着されなかったレポーター抗体は洗い流
される。次いで、ペルオキシダーゼ基質は、ディッシュ
に添加され、そして所定の期間における発色量が、標準
曲線と比較した場合の所定容量の患者サンプルに存在す
るGタンパク質共役型レセプターの測定値である。
【0134】本発明はまた、レセプターに結合し得るこ
とが知られていないリガンドが、このようなレセプター
に結合し得るか否かを決定するための方法を提供する。
この方法は、レセプターに対するリガンドの結合を許容
する条件下で、レセプターを発現する哺乳動物細胞とリ
ガンドとを接触させる工程、レセプターに結合するリガ
ンドの存在を検出する工程、これによりリガンドがレセ
プターに結合するか否かを決定する工程を包含する。ア
ゴニストおよび/またはアンタゴニストを決定するため
の本明細書上記の系はまた、レセプターに結合するリガ
ンドを決定するために使用され得る。
【0135】本発明はまた、レセプターをコードするm
RNAの存在を検出することにより、細胞の表面上の本
発明のレセプターポリペプチドの発現を検出する方法を
提供する。この方法は、細胞から全mRNAを得る工
程、そしてそのように得られたmRNAと、レセプター
をコードする核酸分子の配列内に含まれる配列と特異的
にハイブリダイズし得る少なくとも10ヌクレオチドの
核酸分子を含む核酸プローブとを、ハイブリダイズする
条件下で接触させる工程、プローブにハイブリダイズし
たmRNAの存在を検出する工程、それにより細胞によ
るレセプターの発現を検出する工程を包含する。
【0136】本発明はまた、本発明のレセプターポリペ
プチドに関連するレセプターを同定するための方法を提
供する。これらの関連するレセプターは、本発明のレセ
プターポリペプチドに対する相同性により、低ストリン
ジェンシークロスハイブリダイゼーションにより、また
は関連する天然のリガンドまたは合成のリガンドと相互
作用するレセプターおよび/または本発明のレセプター
ポリペプチドの遺伝的または薬理学的妨害後に、類似の
挙動を誘発するレセプターを同定することにより、同定
され得る。
【0137】本発明の配列はまた、染色体の同定に有益
である。この配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置
を特異的に標的化し、そしてその位置にハイブリダイズ
し得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定す
る必要性がある。現在、染色体位置の標識化に利用可能
な実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識
化試薬はほとんどない。本発明のDNAの染色体へのマ
ッピングは、これらの配列と疾患に関連する遺伝子との
相関における重要な第1工程である。
【0138】簡潔に述べれば、配列は、cDNAからP
CRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製す
ることにより染色体にマップされ得る。cDNAのコン
ピューター解析が、ゲノムDNA内で1より多いエキソ
ンにまたがらない、従って増幅プロセスを複雑化するプ
ライマーを迅速に選択するために使用される。次いで、
これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞
ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用される。プ
ライマーに対応するヒト遺伝子を含むハイブリッドのみ
が増幅フラグメントを生じる。
【0139】体細胞ハイブリッドのPCRマッピング
は、特定の染色体に特定のDNAを割り当てるための迅
速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを
本発明と共に使用して、特定の染色体由来のフラグメン
トのパネルまたは類似の様式の大きなゲノムクローンの
プールを用いて、部分的局在性の決定(subloca
lization)が達成され得る。染色体にマップす
るために同様に使用され得る他のマッピングストラテジ
ーは、インサイチュハイブリダイゼーション、標識化フ
ロー選別した(flow−sorted)染色体を用い
るプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAラ
イブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションに
よる前選択を包含する。
【0140】cDNAクローンの中期染色体スプレッド
への蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FIS
H)は、1工程で正確な染色体位置を提供するために使
用され得る。この技術は、50または60塩基という短
いcDNAを用いて使用され得る。この技術の総説につ
いては、Vermaら,Human Chromoso
mes: a Manual of Basic Te
chniques,Pergamon Press,N
ew York(1988)を参照のこと。
【0141】一旦配列が正確な染色体位置にマップされ
ると、配列の染色体上での物理的な位置を遺伝子地図の
データと相関させ得る。このようなデータは、例えば、
V.McKusick,Mendelian Inhe
ritance in Man(Johns Hopk
ins University Welch Medi
cal Libraryからオンラインで入手可能であ
る)において見出される。次いで、同じ染色体領域にマ
ップされる遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析(物
理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。
【0142】次に、罹患個体と非罹患個体との間のcD
NA配列またはゲノム配列における差異を決定する必要
がある。変異がいくつかまたは全ての罹患個体に観察さ
れるが、いずれの正常な個体には観察されない場合、こ
の変異は疾患の原因因子であるようである。
【0143】物理的マッピング技術および遺伝子マッピ
ング技術の現在の解像度では、疾患に関連する染色体領
域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500と
の間の潜在的原因遺伝子の1つであり得る。(これは、
1メガベースのマッピング解像度、および20kbあた
り1遺伝子と仮定する)。
【0144】このポリペプチド、そのフラグメントまた
は他の誘導体、またはそれらのアナログ、あるいはそれ
らを発現する細胞は、それらに対する抗体を産生させる
ための免疫原として使用され得る。これらの抗体は、例
えば、ポリクローナル抗体、またはモノクローナル抗体
であり得る。本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗体、お
よびヒト化抗体、ならびにFabフラグメント、または
Fab発現ライブラリーの産物を包含する。当該分野で
公知の種々の手順が、このような抗体およびフラグメン
トの産生のために使用され得る。
【0145】本発明の配列に対応するポリペプチドに対
して生成される抗体は、動物へのポリペプチドの直接注
射により、または動物へのポリペプチドの投与により得
られることができる。この動物は、好ましくは非ヒトで
ある。次いで、このようにして得られた抗体は、ポリペ
プチド自体に結合する。このようにして、ポリペプチド
のフラグメントのみをコードする配列でさえも、天然の
ポリペプチド全体に結合する抗体を生成するために使用
され得る。次いで、このような抗体は、そのポリペプチ
ドを発現する組織からポリペプチドを単離するために使
用され得る。
【0146】モノクローナル抗体の調製のために、細胞
株の連続培養により産生される抗体を提供する任意の技
術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術
(KohlerおよびMilstein,1975,N
ature,256: 495−497)、トリオーマ
技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor
ら,1983,Immunology Today
4: 72)、およびヒトモノクローナル抗体を産生す
るためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら,19
85,Monoclonal Antibodies
and CancerTherapy,Alan R.
Liss,Inc.,77−96頁)が挙げられる。
【0147】単鎖抗体を産生するために記載された技術
(米国特許第4,946,778号)を、本発明の免疫
原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を生成するため
に適合させ得る。また、トランスジェニックマウスが、
本発明の免疫原性のポリペプチド産物に対するヒト化抗
体を発現するために使用され得る。
【0148】本発明を以下の実施例を参照にしてさらに
記載する;しかし、本発明はこのような実施例に限定さ
れないことが理解されるべきである。すべての部分また
は量は、他に明記しない限り重量基準である。
【0149】以下の実施例の理解を容易にするために、
頻繁に現れる特定の方法および/または用語が記載され
る。
【0150】「プラスミド」は、小文字のpの前および
/またはそれに続く大文字および/または数字を示すこ
とにより明示される。本明細書中の出発プラスミドは、
市販されており、制限無く公的に入手可能であるか、ま
たは公開された手順に従って入手可能なプラスミドから
構築され得る。さらに、記載されるプラスミドと等価の
プラスミドが当該分野において公知であり、そして当業
者には明らかである。
【0151】DNAの「消化」は、DNA中の特定の配
列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触媒反応的に
切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制
限酵素は、市販されており、そしてそれらの反応条件、
補因子、および他の必要条件は当業者に公知のものが使
用された。分析目的のためには、典型的には1μgのプ
ラスミドまたはDNAフラグメントが、約2単位の酵素
と共に約20μlの緩衝溶液中で使用される。プラスミ
ド構築のためのDNAフラグメントを単離する目的のた
めには、代表的には5〜50μgのDNAが、20〜2
50単位の酵素を用いてより大きな容量中で消化され
る。特定の制限酵素のための適切な緩衝液および基質量
は、製造者により特定される。37℃で約1時間のイン
キュベーション時間が通常使用されるが、これは供給者
の説明書に従って変わり得る。消化後、反応物をポリア
クリルアミドゲル上で直接電気泳動して所望のフラグメ
ントを単離する。
【0152】切断フラグメントのサイズ分離は、Goe
ddel,D.ら,NucleicAcids Re
s.,8: 4057(1980)により記載された8
%ポリアクリルアミドゲルを使用して行われる。
【0153】「オリゴヌクレオチド」は、一本鎖ポリデ
オキシヌクレオチドまたは2つの相補的なポリデオキシ
ヌクレオチド鎖のいずれかをいい、これらは化学的に合
成され得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、
5’リン酸を有さず、従ってキナーゼの存在下でATP
と共にリン酸を添加しなければ、別のオリゴヌクレオチ
ドと連結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸
化されていないフラグメントに連結する。
【0154】「連結」は、2つの二本鎖核酸フラグメン
トの間でリン酸ジエステル結合を形成するプロセスをい
う(Maniatis,Tら、前出、146頁)。他に
提供しなければ、連結は公知の緩衝液および条件を使用
して、ほぼ等モル量の連結されるべきDNAフラグメン
ト0.5μgあたり10単位のT4 DNAリガーゼ
(「リガーゼ」)を用いて達成され得る。
【0155】他に記載しない限り、Graham,F.
およびVan der Eb,A.,Virolog
y,52:456−457(1973)の方法に記載さ
れるように、形質転換を実施した。
【0156】
【実施例】(実施例1 Gタンパク質共役型レセプター
の細菌発現および精製)レセプターをコードするDNA
配列(ATCC受託番号 )を、プロセシングされたレ
セプタータンパク質(シグナルペプチド配列を除く)の
5’側およびこの配列、ならびにレセプター遺伝子の
3’側のベクター配列に対応するPCRオリゴヌクレオ
チドプライマーを用いて最初に増幅する。レセプターに
対応するさらなるヌクレオチドを、それぞれ5’および
3’配列に添加した。5’オリゴヌクレオチドプライマ
ーは、配列5’−CGGAATTCCTCCATGAA
CTCCACCTTGGATを有し、これはEcoRI
制限酵素部位、それに続くプロセシングされたタンパク
質コドンの推定末端アミノ酸から始まる18ヌクレオチ
ドのレセプターコード配列を含む。3’配列、5’−C
GGAAGCTTCGTCAGATATGACATCC
ATTは、HidIII部位に相補的な配列を含み、そ
して続いてレセプターの18ヌクレオチドを含む。制限
酵素部位は、細菌発現ベクターpQE−9(Qiage
n,Inc.9259 Eton Avenue,Ch
atsworth,CA,91311)上の制限酵素部
位に対応する。pQE−9は、抗生物質耐性(Am
r)、細菌の複製起点(ori)、IPTG調節可能
プロモーターオペレーター(P/O)、リボソーム結合
部位(RBS)、6−Hisタグ、および制限酵素部位
をコードする。次いで、pQE−9をEcoRIおよび
HindIIIで消化した。増幅した配列をpQE−9
内に連結し、そしてヒスチジンタグおよびRBSをコー
ドする配列とともにインフレームで挿入した。次いで、
連結混合物を用いて、Qiagenから商標M15/r
ep 4の下で入手可能なE.coli株を、Samb
rook,J.ら、Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual,Co
ld Spring Laboratory Pres
s,(1989)に記載の手順により形質転換した。M
15/rep4はプラスミドpREP4の多数のコピー
を含有する。これは、lacIリプレッサーを発現し、
そしてまたカナマイシン耐性(Kanr)を付与する。
形質転換体をLBプレート上で増殖するそれらの能力に
より同定する。そしてアンピシリン/カナマイシン耐性
コロニーを選択した。プラスミドDNAを単離し、そし
て制限酵素分析により確認した。
【0157】所望の構築物を含むクローンを、Amp
(100μg/ml)とKan(25μg/ml)との
両方を補充したLB培地中の液体培養で一晩(O/N)
増殖させた。O/N培養物を用いて1:100〜1:2
50の比で大規模な培養物に接種する。細胞を、600
の光学密度(O.D.600)が0.4と0.6との間に
なるまで増殖させた。次いで、IPTG(「イソプロピ
ル−B−D−チオガラクトピラノシド」)を加えて1m
Mの最終濃度にした。IPTGは、lacIリプレッサ
ーを不活性化することにより、P/Oの解放(clea
r)を誘導して遺伝子発現の増加を導く。細胞をさらに
3〜4時間増殖させた。次いで、細胞を遠心分離により
収集した。細胞ペレットをカオトロピック薬剤6Mグア
ニジンHCl中で可溶化した。明澄化後、可溶化レセプ
ターを、6−Hisタグを含有するタンパク質により堅
く結合され得る条件下で、ニッケル−キレートカラムに
おけるクロマトグラフィーによりこの溶液から精製した
(Hochuli,E.ら、J.Chromatogr
aphy 411: 177−184(1984))。
レセプタータンパク質を6MグアニジンHCl(pH
5.0)中でカラムから溶出し、そして再生の目的で、
3MグアニジンHCl,100mMリン酸ナトリウム、
10mMグルタチオン(還元型)、および2mMグルタ
チオン(酸化型)に調整した。この溶液中での12時間
のインキュベーションの後、タンパク質を10mMリン
酸ナトリウムに対して透析した。
【0158】(実施例2 COS細胞中での組換えレセ
プターの発現)プラスミド、Gタンパク質共役型レセプ
ターHAの発現を、ベクターpcDNAI/Amp(I
nvitrogen)から誘導する。ベクターpcDN
AI/Ampは以下を含有する:1)SV40複製起
点、2)アンピシリン耐性遺伝子、3)E.coli複
製起点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロン、
およびポリアデニル化部位が続くCMVプロモーター。
レセプター前駆体全体およびその3’末端にインフレー
ムで融合されたHAタグをコードするDNAフラグメン
トを、ベクターのポリリンカー領域にクローン化した。
それゆえ、組換えタンパク質発現はCMVプロモーター
下に支配される。HAタグは、先に記載された(I.W
ilson、H.Niman、R.Heighten、
A Cherenson、M. Connolly、お
よびR.Lerner、1984,Cell 37,7
67)ようなインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由
来のエピトープに対応する。本発明者らの標的タンパク
質へのHAタグの融合により、HAエピトープを認識す
る抗体を用いる組換えタンパク質の容易な検出が可能に
なる。
【0159】プラスミド構築ストラテジーを以下に記載
する: レセプターをコードするDNA配列(ATCC
受託番号第 号)を、以下の2つのプライマーを用いて
クローン化された最初のESTにおけるPCRにより構
築した:5’プライマー(5’−GTCCAAGCTT
GCCACCATGAACTCCACCTTGGAT−
3’)(配列番号5)は、HindIII部位、それに
続く開始コドンから始まるレセプターコード配列の18
ヌクレオチドを含む;3’配列、5’−CTAGCTC
GAGTCAAGCGTACTCTGGGACGTCG
TATGGGTAGCAGATATGACATCCAT
TAAG−3’(配列番号6)は、XhoI部位、翻訳
停止コドン、HAタグ、およびレセプターコード配列の
最後の18ヌクレオチド(停止コドンは含まない)に相
補的な配列を含む。それゆえ、PCR産物は、Hind
III部位、インフレームで融合したHAタグが続くレ
セプターコード配列、HAタグに隣接する翻訳終結停止
コドン、およびXhoI部位を含む。PCR増幅DNA
フラグメントおよびベクター(pcDNAI/Amp)
を、HindIIIおよびXhoI制限酵素を用いて消
化し、そして連結した。連結混合物を、E.coli
SURE株(Stratagene Cloning
Systems,11099 North Torre
y Pines Road,La Jolla,CA
92037より入手可能)に形質転換し、形質転換培養
物をアンピシリン培地プレートに播種し、そして耐性コ
ロニーを選択した。プラスミドDNAを形質転換体から
単離し、そして正しいフラグメントの存在を制限酵素分
析で調べた。組換えレセプターの発現のために、COS
細胞をDEAE−DEXTRAN法(J.Sambro
ok、E.Frisch、T.Maniatis、Mo
lecular Cloning: A Labora
tory Manual,Cold Spring L
aboratory Press,(1989))によ
り発現ベクターでトランスフェクトした。レセプターH
Aタンパク質の発現を、放射性標識および免疫沈降法に
より検出した(E.Harlow,D.Lane,An
tibodies: A Laboratory Ma
nual,Cold Spring Harbor L
aboratory Press,(1988))。細
胞を、トランスフェクションの2日後、35S−システイ
ンで8時間標識した。次いで培養培地を回収し、そして
細胞を界面活性剤(RIPA緩衝液(150mM Na
Cl、1% NP−40、0.1% SDS、1% N
P−40、0.5% DOC、50mM Tris(p
H7.5))で溶解した(Wilson,I.ら、同上
37:767(1984))。細胞溶解物および培養
培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて
沈降させた。沈降したタンパク質を15% SDS−P
AGEゲルにおいて分析した。
【0160】(実施例3 バキュロウイルス発現系を用
いるGタンパク質共役型レセプターのクローニングおよ
び発現)全長のレセプタータンパク質をコードするDN
A配列(ATCC受託番号第号)を、この遺伝子の5’
配列および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチ
ドプライマーを用いて増幅した:5’プライマーは、配
列5’−CGGGATCCCTCCATGAACTCC
ACCTTGGAT(配列番号7)を有し、そしてBa
mHI制限酵素部位(太字)と、それに続く真核生物細
胞における翻訳の開始に効率的なシグナルに類似する4
つのヌクレオチド(J.Mol.Biol.1987,
196,947−950,Kozak,M.)、および
すぐ後ろにこのレセプター遺伝子の最初の18ヌクレオ
チド(翻訳の開始コドン「ATG」に下線を付する)を
含有する。
【0161】3’プライマーは、配列5’−CGGGA
TCCCGCTCAGATATGAGATCCATT−
3’(配列番号8)を有し、そして制限エンドヌクレア
ーゼBamHIの切断部位およびこのレセプター遺伝子
の3’非翻訳配列に相補的な18ヌクレオチドを含む。
増幅した配列を、市販のキット(「Geneclea
n」 BIO 101 Inc.,La Jolla,
Ca.)を用いて、1%アガロースゲルから単離した。
次いで、このフラグメントをエンドヌクレアーゼBam
HIで消化し、次いで実施例1に記載のように精製し
た。このフラグメントを、F2と呼ぶ。
【0162】ベクターpRG1(pVL941ベクター
の改変体、下記)を、バキュロウイルス発現系を用いる
レセプタータンパク質の発現のために用いる(総説につ
いて、Summers,M.D.およびSmih,G.
E.1987,A manual of method
s for baculovirus vectors
and insect cell culture
procedures,Texas Agricult
ural Experimental Station
Bulletin No.1555を参照のこと)。
この発現ベクターは、Autographa cali
fornica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の
強力なポリヘドリンプロモーター、それに続く制限エン
ドヌクレアーゼBamHIの認識部位を含む。シミアン
ウイルス(SV)40のポリアデニル化部位を、効率的
なポリアデニル化のために用いる。組換えウイルスを容
易に選択するために、E.coli由来のβ−ガラクト
シダーゼ遺伝子をポリヘドリンプロモーターと、それに
続くポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルと同
方向に挿入する。ポリヘドリン配列を、コトランスフェ
クトした野生型ウイルスDNAの細胞媒介性相同組換え
のためにウイルス配列に両端で隣接させる。多くの他の
バキュロウイルスベクターが、pRG1の代わりに用い
られ得る。例えば、pAc373、pVL941、およ
びpAcIM1である(Luckow,V.A.および
Summers,M.D.、Virology,17
0:31−39)。
【0163】プラスミドを制限酵素BamHIで消化
し、次いで当該分野で公知の手順により仔ウシ腸ホスフ
ァターゼを用いて脱リン酸化した。次いで、DNAを、
実施例1に記載のように、1%アガロースゲルから単離
した。このベクターDNAをV2と呼ぶ。
【0164】フラグメントF2および脱リン酸化したプ
ラスミドV2を、T4 DNAリガーゼを用いて連結し
た。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換
し、そして酵素BamHIを用いて、レセプター遺伝子
を有するプラスミド(pBac receptor)を
含む細菌を同定した。クローン化フラグメントの配列
を、DNA配列決定により確認した。
【0165】5μgのプラスミドpBac recep
torを、リポフェクション法(Felgnerら P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,84:
7413−7417(1987))を用いて、1.0μ
gの市販の線状化したバキュロウイルス(「Bacul
oGoldTMbaculovirus DNA」,Ph
armingen,SanDiego,CA.)ととも
にコトランスフェクトした。
【0166】1μgのBaculoGoldTMウイルス
DNAおよび5μgのプラスミドpBac recep
torを、50μlの無血清Grace培地(Life
Technologies Inc.,Gaithe
rsburg,MD)を含むマイクロタイタープレート
の無菌ウェル中で混合した。その後、10μlのリポフ
ェクチンおよび90μlのGrace培地を添加し、混
合し、そして室温にて15分間インキュベートした。次
いで、そのトランスフェクション混合物を、血清を含ま
ないGrace培地1mlを含有する35mm組織培養
プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC C
RL 1711)に滴下して加えた。プレートを、新た
に加えられた溶液を混合するために、前後に振動させ
た。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベート
した。5時間後、トランスフェクション溶液をプレート
から除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1m
lのGrace昆虫培地を添加した。プレートをインキ
ュベーターに戻し、そして27℃で4日間培養を続け
た。
【0167】4日後、上清を回収し、そしてSumme
rsおよびSmith(前出)による記載と同様にプラ
ークアッセイを行った。改変法として、青く染色された
プラークの容易な単離を可能にする、「Blue Ga
l」(Life Technologies In
c.,Gaithersburg)を有するアガロース
ゲルを用いた。(「プラークアッセイ」の詳細な記述は
また、Life Technologies In
c.、Gaithersburgが配布する昆虫細胞培
養およびバキュロウイルス学の使用者ガイド(9〜10
頁)においても見い出され得る)。
【0168】ウイルスの連続希釈物を細胞に加えた4日
後、青く染色されたプラークをエッペンドルフピペット
のチップで拾った。次いで、組換えウイルスを含む寒天
を、200μlのGrace培地を含むエッペンドルフ
チューブ中で再懸濁した。寒天を、短かい遠心分離によ
り除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清
を、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染
させるために用いた。4日後、これらの培養ディッシュ
の上清を収集し、次いで4℃で保存した。
【0169】Sf9細胞を、10%熱不活化FBSを補
充したGrace培地中で増殖させた。細胞を、感染多
重度(MOI)2で、組換えバキュロウイルスV−レセ
プターで感染させた。6時間後、培地を除去し、そして
メチオニンおよびシステインを除いたSF900 II
培地(Life Technologies In
c.,Gaithersburg)に置き換えた。42
時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCiの
35Sシステイン(Amersham)を添加した。細胞
をさらに16時間インキュベートし、その後細胞を遠心
分離により収集し、そして標識されたタンパク質をSD
S−PAGEおよびオートラジオグラフィーにより可視
化した。
【0170】(実施例4 ヒト組織におけるGタンパク
質共役型レセプターの発現パターン)ノーザンブロット
分析を、ヒト組織におけるレセプターの発現レベルを調
べるために行った。全細胞RNAサンプルを、RNAz
olTMBシステム(Biotecx Laborato
ries,Inc.6023 South LoopE
ast,Houston,TX 77033)を用いて
単離した。それぞれの特定したヒト組織から単離した約
10μgの全RNAを、1%アガロースゲルで分離し、
そしてナイロンフィルター上にブロットした(Samb
rook,Fritsch,およびManiatis,
Molecular Cloning,Cold Sp
ring Harbor Press,(198
9))。標識反応を、Stratagene Prim
e−Itキットに従って50ngのDNAフラグメント
を用いて行った。標識したDNAを、Select−G
−50カラムを用いて精製した(5 Prime−3
Prime,Inc.5603Arapahoe Ro
ad,Boulder,CO 80303)。次いで、
フィルターを、1,000,000cpm/mlで放射
能標識した全長レセプター遺伝子と、0.5M NaP
4(pH7.4)および7% SDS中で65℃にて
一晩ハイブリダイズさせた。室温にて2回、そして60
℃にて2回、0.5×SSC、0.1%SDSを用いて
洗浄した後、次いでフィルターを増感スクリーンを用い
て−70℃にて一晩感光させた。レセプターに対するメ
ッセージRNAは、骨格筋において豊富である。
【0171】(実施例5 遺伝子療法を介しての発現)
線維芽細胞を、皮膚生検により被験体から得る。得られ
た組織を、組織培養培地中に置き、そして小片に分け
る。組織の小塊(small chunk)を、組織培
養フラスコの湿潤表面に置き、およそ10片をそれぞれ
のフラスコ中に置く。フラスコの上下を逆さにし、密閉
し、そして室温にて一晩置く。室温にて24時間後、フ
ラスコを逆さにし、そして組織の塊をフラスコの底に固
着したままにし、そして新鮮な培地(例えば、10%F
BS、ペニシリン、およびストレプトマイシンを有する
HamのF12培地)を添加する。次いで、これを37
℃にておよそ1週間インキュベートする。この時点で、
新鮮な培地を添加し、その後数日毎に取り替える。さら
に2週間培養後、線維芽細胞の単層が出現する。単層を
トリプシン処理し、そしてより大きなフラスコ中に掻き
落とす。
【0172】モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復
に隣接するpMV−7(Kirschmeier,P.
T.ら,DNA,7: 219−25(1988))
を、EcoRIおよびHindIIIで消化し、その後
仔ウシ腸ホスファターゼを用いて処理する。線状ベクタ
ーをアガロースゲルで分画し、そしてガラスビーズを用
いて精製する。
【0173】本発明のポリペプチドをコードするcDN
Aを、それぞれ5’末端配列および3’末端配列に対応
するPCRプライマーを用いて増幅する。5’プライマ
ーはEcoRI部位を含み、そして3’プライマーはさ
らにHindIII部位を含む。T4 DNAリガーゼ
の存在下で、等量のモロニーマウス肉腫ウイルスの線状
骨格ならびに増幅したEcoRIおよびHindIII
フラグメントを一緒に加える。得られた混合物を、2つ
のフラグメントの連結に適切な条件下で維持する。連結
混合物を用いて細菌HB101を形質転換し、次いでこ
れを、ベクターが適切に挿入された目的の遺伝子を有す
ることを確認する目的のために、カナマイシンを含有す
る寒天上にプレーティングする。
【0174】アンホトロピックなpA317またはGP
+am12パッケージング細胞を、10%仔ウシ血清
(CS)、ペニシリン、およびストレプトマイシンを有
するDulbecco改変Eagle培地(DMEM)
中でコンフルエントな密度になるまで組織培養物中で増
殖させる。次いで、遺伝子を含むMSVベクターを培地
に添加し、そしてパッケージング細胞をベクターを用い
て形質導入する。この時、パッケージング細胞は、遺伝
子を含有する感染性のウイルス粒子を産生する(この
時、パッケージング細胞は、プロデューサー細胞と呼ば
れる)。
【0175】新鮮な培地を、形質導入したプロデューサ
ー細胞に添加し、その後、培地を、コンフルエントなプ
ロデューサー細胞の10cmプレートから収集する。感
染性のウイルス粒子を含有する使用済みの培地を、ミリ
ポアフィルターを通して濾過して、剥離したプロデュー
サー細胞を除去し、次いでこの培地を用いて線維芽細胞
を感染させる。培地を、サブコンフルエントな線維芽細
胞のプレートから除去し、そして迅速にプロデューサー
細胞からの培地と置き換える。この培地を除去し、そし
て新鮮な培地で置き換える。ウイルスの力価が高い場
合、実質的に全ての線維芽細胞が感染し、そして選択は
必要ない。力価が非常に低い場合、選択マーカー(例え
ば、neoまたはhis)を有するレトロウイルスベク
ターを使用することが必要である。
【0176】次いで、操作された線維芽細胞を、単独
で、またはcytodex3マイクロキャリアービーズ
上でコンフルエントになるまで増殖させた後のいずれか
で宿主に注入する。この時、線維芽細胞は、タンパク質
産物を産生する。
【0177】本発明の多数の改変および変更が、上記の
教示を参照して可能であり、従って、添付する請求の範
囲の範囲内で、本発明は特記した以外の方法で実施され
得る。
【0178】以下の図面は、本発明の実施態様の例示で
あり、そして請求の範囲により包含される本発明の範囲
を限定することを意味しない。
【0179】ヒトGタンパク質共役型レセプターポリペ
プチド、およびこのようなポリペプチドをコードするD
NA(RNA)、ならびに組換え技術によりこのような
ポリペプチドを産生するための手順を開示する。このよ
うなポリペプチドを利用して、このようなポリペプチド
に対するアンタゴニストおよびアゴニストを同定するた
めの方法、ならびにアゴニストおよびアンタゴニストを
治療的に用いて、レセプターポリペプチドの過小発現お
よび過剰発現それぞれに関する症状を処置するための方
法もまた開示する。レセプター核酸配列における変異を
検出するための診断方法および宿主由来のサンプル中の
可溶性形態のレセプターのレベルを検出するための診断
方法もまた開示する。
【0180】
【発明の効果】本発明に従って、ヒトのGタンパク質共
役型7−膜貫通レセプターポリペプチド、このようなポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドの使用、なら
びにこのようなポリペプチドおよびポリヌクレオチドの
産生の方法、ならびにこのようなポリペプチドの作用を
阻害する方法を提供し得る。
【0181】
【配列表】
【0182】
【表1A】
【0183】
【表1B】
【0184】
【表1C】
【0185】
【表1D】
【0186】
【表1E】
【図面の簡単な説明】
【図1A】図1Aは、本発明のGタンパク質共役型レセ
プターのcDNA配列、および対応する推定アミノ酸配
列を示す。アミノ酸の標準1文字略語を使用する。配列
決定を、373自動DNAシーケンサー(Applie
d Biosystems,Inc.)を用いて行っ
た。
【図1B】図1Bは、図1Aの続きの、本発明のGタン
パク質共役型レセプターのcDNA配列、および対応す
る推定アミノ酸配列を示す。
【図1C】図1Cは、図1Bの続きの、本発明のGタン
パク質共役型レセプターのcDNA配列、および対応す
る推定アミノ酸配列を示す。
【図1D】図1Dは、図1Cの続きの、本発明のGタン
パク質共役型レセプターのcDNA配列、および対応す
る推定アミノ酸配列を示す。
【図1E】図1Eは、図1Dの続きの、本発明のGタン
パク質共役型レセプターのcDNA配列、および対応す
る推定アミノ酸配列を示す。
【図2A】図2Aは、本発明のGタンパク質共役型レセ
プターとヒトアドレナリン作用性α2Aレセプターとの
アミノ酸アラインメントを示す。
【図2B】図2Bは、図2Aの続きの、本発明のGタン
パク質共役型レセプターとヒトアドレナリン作用性α2
Aレセプターとのアミノ酸アラインメントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 A61P 9/00 7/02 9/10 9/00 9/12 9/10 15/00 9/12 27/16 15/00 29/00 27/16 37/08 29/00 C12N 15/00 ZNAA 37/08 A61K 37/02 (71)出願人 597018381 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 リ イ アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ガイザースバーグ, ホワード ランデ ィング ドライブ 16125 (72)発明者 マーク ディー. アダムス アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ノース ポトマック,ダフィーフ ドライ ブ 15205 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA63 CA04 DA02 DA06 EA02 EA04 GA13 HA01 4C084 AA02 AA06 AA13 BA03 CA53 DC50 NA14 ZA072 ZA342 ZA362 ZA392 ZA422 ZA532 ZA812 ZB132 ZC332 ZC352 4C086 AA01 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA07 ZA34 ZA36 ZA39 ZA42 ZA53 ZA81 ZB13 ZC33 ZC35

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる群から選択されるメンバー
    を含む単離されたポリヌクレオチド: (a) 図1A〜Eに記載のポリペプチドをコードする
    ポリヌクレオチド; (b) ATCC受託番号 において含まれるDNAに
    よりコードされる成熟ポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド; (c) (a)または(b)のポリヌクレオチドにハイ
    ブリダイズし得、そして(a)または(b)のポリヌク
    レオチドと少なくとも70%同一であるポリヌクレオチ
    ド;および(d) (a)、(b)、または(c)のポ
    リヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメント。
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