JP2002355297A - 滅菌確認用インジケータ及び医療機器 - Google Patents
滅菌確認用インジケータ及び医療機器Info
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Abstract
細い管状部分を有する医療機器に適し、信頼性の高い滅
菌確認用インジケータを開発することを課題とする。 【解決手段】 本発明の滅菌確認用インジケータは、綿
糸等に滅菌履歴によって変色する滅菌用インジケータ組
成物を浸漬し、その全体を樹脂によって被覆したもので
ある。滅菌確認用インジケータ10は、尿道カテーテル
20の排尿口22から挿入される。医師が梱包を解いて
滅菌確認用インジケータ10を抜き出した時、滅菌確認
用インジケータ10の色が斑であれば滅菌が十分ではな
いことが分かる。一方、滅菌確認用インジケータ10が
一様に変色していれば、内部まで確実に滅菌が行われた
証拠であるから、医師は、安心して導尿カテーテル20
を使用することができる。
Description
ジケータに関するものであり、特にカテーテルや吸入チ
ューブ、カニューラ等の細い管状部分を有する機器に適
するものである。また本発明は、カテーテル、吸入チュ
ーブ、カニューラ等の細い管状部分を有する医療機器に
関するものである。
テル等の医療機器は、感染症を防ぐため、今日ではほと
んど使い捨てである。これらの医療機器は、出荷時に滅
菌処理がされ、滅菌状態を保ったままの状態で密閉包装
される。また密閉包装した状態で高温下に晒し、滅菌さ
れる場合もある。そして使用時に医師が開封し、所定の
用途に使用する。ところでこれらの医療機器には、出荷
時に滅菌処理されたことを示すために滅菌確認用インジ
ケータが付されている場合が多い。ここで滅菌確認用イ
ンジケータとは、機器が例えば一定の高温や、滅菌用の
ガスに一定時間の間、晒されたことを示すものであり、
不可逆的な変色性を有する部材である。すなわち従来技
術の滅菌確認用インジケータは、カードやラベル又はテ
ープ状の部材であり、その表面に不可逆的な熱変色性イ
ンキや、滅菌用のガスと反応して不可逆的に変色するイ
ンキによって印刷が施されている。
記した様にカードやラベル又はテープ状であり、医療機
器に直接貼付けられたり、密閉包装の中に同封される。
医師や看護士は、密閉包装を開封する際にカード、ラベ
ルやテープの色を確認し、所定の色に変色していれば滅
菌処理が完了しているものと信じて手術等に使用する。
機器の内、縫合針や縫合糸等の機器は、表面だけが滅菌
されれば足りる。そのためカード状やラベル状又はテー
プ状の滅菌確認用インジケータを滅菌包装の外に貼付し
たり、またその中に同封しておいて、そのカード等が変
色しておれば、縫合針等の表面も滅菌用ガス等に晒され
たものと信用できる。しかしながらカテーテルや吸入チ
ューブ、カニューラ等の細い管状部分を有する機器で
は、たとえ表面が滅菌ガスに晒されても、当該ガスが管
状部分を通過したかどうかは分からない。そのため従来
技術の滅菌確認用インジケータは、カテーテルや吸入チ
ューブ等に対しては信頼性が低く、単なる目安に過ぎな
い。そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目
し、カテーテルや吸入チューブ、カニューラ等の細い管
状部分を有する機器に適し、信頼性の高い滅菌確認用イ
ンジケータを開発することを課題とするものである。ま
た加えて、本発明は、滅菌履歴の信頼性が高い医療機器
の開発を課題とするものである。
決するための請求項1に記載の発明は、線状物に、滅菌
履歴によって変色する滅菌用インジケータ組成物を付着
してなることを特徴とする滅菌確認用インジケータであ
る。
であるからカテーテル等の細管に挿入することができ
る。そのためカテーテル等の内部が高熱に晒されたか否
か、あるいはカテーテル等の内部に滅菌ガスが通過した
か否かを確実に知ることができる。
糸状の繊維であることを特徴とする請求項1に記載の滅
菌確認用インジケータである。
物に糸状の繊維が使用されている。そのため滅菌用イン
ジケータ組成物が容易に付着する。
脂によって被覆したことを特徴とする請求項1又は2に
記載の滅菌確認用インジケータである。
が樹脂によって被覆されている。そのため滅菌確認用イ
ンジケータは表面が保護され、繊維くずや滅菌用インジ
ケータ組成物が離脱しない。従って滅菌確認用インジケ
ータは、医療機器の内部を汚染しない。
全部が管によって構成される医療機器において、管の内
部に請求項1又は3のいずれかに記載の滅菌確認用イン
ジケータが内蔵されたことを特徴とする医療機器であ
る。
る部分を持つが、その内部に線状の滅菌確認用インジケ
ータが内蔵されている。そのため管状の部分の内部が滅
菌されたか否かを確実に知ることができ、信頼性が高
い。
いて説明する。図1は、本発明の実施形態の滅菌確認用
インジケータの斜視図である。図2は、本発明の実施形
態の滅菌確認用インジケータの拡大断面図である。図3
は、本発明の他の実施形態の滅菌確認用インジケータの
斜視図である。図4は、本発明のさらに他の実施形態の
滅菌確認用インジケータの斜視図である。図5は、本発
明の実施形態の導尿カテーテルの斜視図である。図6
は、本発明の実施形態の留置型尿道カテーテルの正面図
及び排尿口近傍の断面図である。図7は、本発明の実施
形態の滅菌確認用インジケータを注射器に応用した例を
示す説明図である。
ータは、線状物に滅菌履歴によって変色する滅菌用イン
ジケータ組成物を付着してなるものである。ここで線状
物としては、糸状の繊維を使用することが推奨される。
例えば、線状物として、綿、カボック、パンヤ、麻等の
植物性天然繊維を素材とした糸、あるいは絹、羊毛等の
動物性天然繊維を素材とした糸が使用可能である。また
ガラス繊維糸、石綿糸、炭素繊維等の無機繊維糸も活用
可能である。さらには、レーヨン、ポリノジック、キュ
プラ、リヨセル等の再生繊維を使用した糸でもよい。ま
たナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ
ウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリク
ラール等の合成繊維を素材とした糸を使用することもで
きる。また他に、アセテート、トリアセテート、プロミ
ックス等の半合成繊維を活用することができる。さらに
これらの混紡糸やこれらの改良化学繊維を素材とした糸
も使用可能である。さらにステンレスワイヤー等の金属
線や金属繊維で作られた糸を使用することもできる。さ
らに紙を紙縒り状に巻いた様なものを活用する場合もあ
る。
ジケータ組成物には、エチレンオキサイドガスによって
不可逆的に変色するものと、滅菌温度の水蒸気によって
不可逆的に変色するものが公知であり、このいずれにつ
いても本発明に採用することができる。
に変色する滅菌用インジケータ組成物には、例えばニコ
チン酸アミドとフェノール性水酸基を有する化合物とを
含有しているものが挙げられる。またニコチン酸アミ
ド、イソニコチン酸、タルク、メジウム(東洋インキ
(株)製)を含有するものも採用可能である。ここでフ
ェノール性水酸基を有する化合物には、例えばビスフェ
ノールA、ビスフェノールB、tert−ブチルフェノ
ール、α−ナフトール、β−ナフトール、p−クロロフ
ェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノ
ール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、p−オキ
シ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル、p−オ
キシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸ブチル、サ
リチル酸、サリチルアニリド、サリチルアミド、サリチ
ル酸フェニル、2,2−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、4,4−メチレンジ
フェノール、4,4−チオ−ビス(6−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、没食子酸、没食子酸メチ
ル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチ
ル、没食子酸ヘキシル、没食子酸ドデシル、没食子酸オ
クチル、またはこれらの金属塩、例えばナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、
ニッケル塩、コバルト塩が挙げられる。
に変色する滅菌用インジケータ組成物には、酸化ビスマ
ス、チオ尿素、タルク、メジウム(東洋インキ(株)
製)を含むオートクレーブ用グラビアインキが挙げられ
る。また滅菌温度の水蒸気によって不可逆的に変色する
滅菌用インジケータ組成物は、有機酸およびその金属塩
の少なくとも一種とモノアゾ染料とを含有、または遷移
金属化合物と硫黄とを含有していてもよい。モノアゾ染
料としては、例えばC.I.(カラーインデックス)デ
ィスチャージレッド88、C.I.ディスチャージレッ
ド117、C.I.ディスチャージレッド137、C.
I.ディスチャージバイオレット43が挙げられる。
イドガスの両方で変色させるために、滅菌用インジケー
タ組成物が、モノアゾ染料として例えば、C.I.ディ
スチャージレッド58、C.I.ディスチャージレッド
88、C.I.ディスチャージレッド110、C.I.
ディスチャージレッド117、C.I.ディスチャージ
レッド137、C.I.ディスチャージバイオレット4
3、ディスチャージブルー102を含んでいてもよい。
有機酸としては例えば、アクリル酸、アジピン酸、L−
アスパラギン酸、アゼライン酸、安息香酸、アントラニ
ル酸、イソフタル酸、イタコン酸、ウンデシレン酸、ク
エン酸、グルタコン酸、クレソチン酸、サリチル酸、シ
アヌル酸、ジグリコール酸、DL−酒石酸、スルファニ
ル酸、セバシン酸、ソルビン酸、テレフタル酸、ナフテ
ン酸、ニコチン酸、馬尿酸、バルビツール酸、ピバリン
酸、ピルビン酸、フタル酸、フマル酸、ベンジル酸、マ
レイン酸、マロン酸、メタクリル酸、メタニル酸が挙げ
られる。これら有機酸の金属塩としては、カルシウム
塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩が挙げられる。
染料、アゾ染料、ロイコ染料のインジケータを含んでい
てもよい。またさらに滅菌用インジケータ組成物は、蒸
気滅菌、エチレンオキサイドガス、乾熱滅菌、放射線滅
菌、ホルマリン殺菌等の滅菌処理に応じて、指標となる
インジケータの少なくとも一種類を適宜選択し、滅菌用
インジケータ組成物に含ませてもよい。
物の組み合わせは任意であるが、線状物は滅菌用インジ
ケータ組成物の変色反応に影響を与えないものが選択さ
れる。また滅菌用インジケータ組成物によって変質して
しまうような線状物は選択するべきではない。一般的に
線状物としては綿糸が適する。
ータは、線状物に滅菌履歴によって変色する滅菌用イン
ジケータ組成物を付着してなるものであるが、線状物に
滅菌用インジケータ組成物を付着させる方法としては、
適当な溶媒に滅菌用インジケータ組成物を溶解または分
散させ、これに線状物を浸漬させた後、これを取り出
し、乾燥させる方策が考えられる。溶媒としては、水又
は公知の有機溶媒が活用可能である。また刷毛で塗り付
けたり、スプレーで塗布することによって線状物に滅菌
用インジケータ組成物を付着させることもできる。
エキサイトガスが通過する樹脂によって被覆することも
推奨される。糸状物の全体を、被覆する樹脂としては、
例えば付着ウレタン化ポリエーテル、ウレタン化ポリエ
ステル、およびウレタン化ポリエステルポリオールから
選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。ポリ
プロピレンによって糸状物の全体を被覆してもよい。上
記した様に糸状物の全体を、樹脂で被覆すると、糸状物
から滅菌確認用インジケータ組成物が離脱することを防
止することができる。
糸状物の全体を、樹脂で被覆した例を示すものであり、
綿等の糸2に滅菌用インジケータ組成物3が付着され、
その全体をウレタン化ポリエステルポリオールの樹脂5
によって被覆している。
態は、図1の様に糸巻6に滅菌確認用インジケータ1を
巻き取った長尺状のものが考えられる。図1の様に長尺
状とすることにより、滅菌確認用インジケータ1を任意
の長さに切り取って使用することができる。またさらに
図3に示した滅菌確認用インジケータ10の様に端部に
手持ち部11を設けることも推奨される。当該手持ち部
11は、滅菌確認用インジケータ10の引き抜きを容易
にするものである。また滅菌確認用インジケータ10の
手持ち部11は、滅菌確認用インジケータ10の抜き忘
れを防止する機能もある。
〜1.5mm程度であり、より好ましくは1.0mm前
後であり、0.8〜1.2mm程度である。滅菌確認用
インジケータ10は、カテーテル16等への挿入を容易
にするためにある程度の剛性を持つことが望ましい。具
体的な数値を上げると、10cmの長さの滅菌確認用イ
ンジケータ10を水平に保持して、折れない程度の剛性
をもつことが推奨される。
めの方策として、図4に示す滅菌確認用インジケータ1
2の様に、滅菌確認用インジケータ12の本体部分(糸
状の部位)13を小径のチューブ15の中に予め挿入し
ておいてもよい。図4に示す滅菌確認用インジケータ1
2は、剛性を有するチューブ15と共にカテーテル16
等の中に挿入し、その後、カテーテル16等からチュー
ブ15だけを引き抜く。
10,12は、カテーテルやカニューラ等の開口から挿
入し、末尾まで滅菌確認用インジケータを至らしめる。
図5は、導尿カテーテル20に本実施形態の滅菌確認用
インジケータ10を応用したものである。すなわち導尿
カテーテル20は、ゴム又は樹脂で作られたチューブで
あり、先端部の近傍の側面に導尿口21が設けられてお
り、当該導尿口21は、入口側の排尿口22と連通して
いる。そして滅菌確認用インジケータ10は、図5の様
に排尿口22から挿入され、滅菌確認用インジケータ1
0の先端は、導尿口21の近傍に至っている。
0を挿入した導尿カテーテル20は、所定の梱包袋に挿
入される。ここで梱包袋は、水蒸気やエチレンエキサイ
トガスが通過するが、菌の通過を許さない樹脂によって
作られている。そして滅菌確認用インジケータ10が挿
入され、さらに梱包された状態で導尿カテーテル20が
滅菌処理がされる。ここで水蒸気やエチレンエキサイト
ガスが、十分に導尿カテーテル20の内部まで行き渡る
と、滅菌確認用インジケータ10は所定の変色を示す。
これに対して水蒸気等が行き渡らない部分があると、変
色が十分に進まない。そのため医師が梱包を解いて滅菌
確認用インジケータ10を抜き出した時、滅菌確認用イ
ンジケータ10の色が斑であれば滅菌が十分ではないこ
とが分かる。一方、滅菌確認用インジケータ10が一様
に変色していれば、内部まで確実に滅菌が行われた証拠
であるから、医師は、安心して導尿カテーテル20を使
用することができる。なお、色の変化の確認は、目視に
よって行うこともできるが、色度計によって定量的に判
定することが推奨される。すなわち色度計によって滅菌
確認用インジケータ1,10,12の色の変化を定量的
に判定することにより、滅菌条件を把握することができ
る。
の管であるが、図6の様に膀胱内に留置するタイプの尿
道カテーテル30や、血管内に挿入するカテーテルで
は、導尿のための管路32の他に、バルーン31等に流
体を供給するための管路33を持つ。すなわち、ある種
の医療機器では、複数の管路をもつものがある。この様
に複数の管路を有する医療機器に本発明の滅菌確認用イ
ンジケータを使用する場合は、双方の管路に滅菌確認用
インジケータを挿入することが望ましい。
ーテル等の様な長い管状のものを例示したが、勿論、他
の医療機器にも本発明を適用することができる。例え
ば、図7の様に注射器35の針挿入孔36に短く切った
滅菌確認用インジケータ37を挿入し、針挿入孔36の
滅菌状態を確認することもできる。
インジケータは、線状であるからカテーテル等の細管に
挿入することができる。そのためカテーテル等の内部が
高熱に晒されたか否か、あるいはカテーテル等の内部に
滅菌ガスが通過したか否かを確実に知ることができる。
そのため医師は、安心してカテーテル等を使用すること
ができ、処置が迅速である。また医療事故を減少させる
ことができる効果がある。
り、安心してカテーテル等を使用することができ、処置
が迅速である。また医療事故を減少させることができる
効果がある。
斜視図である。
拡大断面図である。
タの斜視図である。
ジケータの斜視図である。
ある。
面図及び排尿口近傍の断面図である。
注射器に応用した例を示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 線状物に、滅菌履歴によって変色する滅
菌用インジケータ組成物を付着してなることを特徴とす
る滅菌確認用インジケータ。 - 【請求項2】 線状物は、糸状の繊維であることを特徴
とする請求項1に記載の滅菌確認用インジケータ。 - 【請求項3】 表面を樹脂によって被覆したことを特徴
とする請求項1又は2に記載の滅菌確認用インジケー
タ。 - 【請求項4】 一部又は全部が管によって構成される医
療機器において、管の内部に請求項1又は3のいずれか
に記載の滅菌確認用インジケータが内蔵されたことを特
徴とする医療機器。
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-
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- 2001-05-30 JP JP2001163216A patent/JP4647135B2/ja not_active Expired - Fee Related
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