JP2002355042A - 細胞質雄性不稔から可稔への回復に関与する遺伝子 - Google Patents
細胞質雄性不稔から可稔への回復に関与する遺伝子Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 Rf遺伝子、特には、ダイコン由来のRf1
遺伝子を単離してその構造を同定すること。 【解決手段】 下記の何れかのDNA。 (1)植物由来の特定な塩基配列を有するDNA; (2)植物由来の特定な塩基配列において1から複数個
の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基配
列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回
復することに関与するDNA;又は (3)植物由来の特定な塩基配列を有するDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞質
雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与する
DNA。
遺伝子を単離してその構造を同定すること。 【解決手段】 下記の何れかのDNA。 (1)植物由来の特定な塩基配列を有するDNA; (2)植物由来の特定な塩基配列において1から複数個
の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基配
列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回
復することに関与するDNA;又は (3)植物由来の特定な塩基配列を有するDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞質
雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与する
DNA。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞質雄性不稔から可
稔への回復に関与する遺伝子に関する。より詳細には、
本発明は、一代雑種(以下、F1と略す)品種開発のた
めに利用される細胞質雄性不稔形質(以下、cmsと略
すことがある)の回復に関与する遺伝子、当該遺伝子を
含有するベクター及び形質転換体に関するものである。
稔への回復に関与する遺伝子に関する。より詳細には、
本発明は、一代雑種(以下、F1と略す)品種開発のた
めに利用される細胞質雄性不稔形質(以下、cmsと略
すことがある)の回復に関与する遺伝子、当該遺伝子を
含有するベクター及び形質転換体に関するものである。
【0002】
【従来技術】禾穀類、野菜などの農作物では、1)雑種
強勢による優れた農業形質、2)収穫物の均一性、3)
次世代で遺伝形質が分離するため品種育成者の利益が保
護される、などの特徴のもと、F1品種の開発が盛んで
あり、多くの主要作物で実用化されている。
強勢による優れた農業形質、2)収穫物の均一性、3)
次世代で遺伝形質が分離するため品種育成者の利益が保
護される、などの特徴のもと、F1品種の開発が盛んで
あり、多くの主要作物で実用化されている。
【0003】F1品種の種子を生産するための方法の一
つとしては、細胞質雄性不稔(cms)系統とその雄性
不稔を回復する(以下、Rfと略すことがある)系統か
らなるcms−Rf採種システムがあり、例えばイネ、
ソルガム、トウモロコシ等の禾穀類や例えばひまわりな
どの油量作物で開発されているが、これらはいずれも、
交配あるいは細胞融合の手法を用いて開発されたもので
ある。
つとしては、細胞質雄性不稔(cms)系統とその雄性
不稔を回復する(以下、Rfと略すことがある)系統か
らなるcms−Rf採種システムがあり、例えばイネ、
ソルガム、トウモロコシ等の禾穀類や例えばひまわりな
どの油量作物で開発されているが、これらはいずれも、
交配あるいは細胞融合の手法を用いて開発されたもので
ある。
【0004】一方、アブラナ科では、自家不和合性を用
いたF1採種システムが広く利用されているが、ナタネ
に関しては、安定な自家不和合性のないため、cms系
統とRf系統を利用したF1採種システムが求められて
いる。
いたF1採種システムが広く利用されているが、ナタネ
に関しては、安定な自家不和合性のないため、cms系
統とRf系統を利用したF1採種システムが求められて
いる。
【0005】これに対して、近年、コセナダイコン由来
の細胞質雄性不稔(コセナcms)やオグラダイコン由
来の細胞質雄性不稔(オグラcms)をナタネで利用す
る研究がなされている。両cms遺伝子に関しては細胞
質小器官であるミトコンドリアのゲノムにコードされて
おり、塩基配列についても知られているが、ダイコン
は、分子生物学的な研究が進んでおらず、遺伝子単離に
必要なマーカーもほとんど知られていない状態であるた
め、核からの遺伝子の単離が困難であり、Rfに関して
は、ダイコンの稔性回復系統から交配あるいは細胞融合
の手法を使いナタネに導入されているのみである。
の細胞質雄性不稔(コセナcms)やオグラダイコン由
来の細胞質雄性不稔(オグラcms)をナタネで利用す
る研究がなされている。両cms遺伝子に関しては細胞
質小器官であるミトコンドリアのゲノムにコードされて
おり、塩基配列についても知られているが、ダイコン
は、分子生物学的な研究が進んでおらず、遺伝子単離に
必要なマーカーもほとんど知られていない状態であるた
め、核からの遺伝子の単離が困難であり、Rfに関して
は、ダイコンの稔性回復系統から交配あるいは細胞融合
の手法を使いナタネに導入されているのみである。
【0006】さらに、Rf遺伝子に関しては、植物の各
cms系統により、1つ又は複数の回復遺伝子があるこ
とが知られており、ダイコンではRf1及びRf2が同
時に存在することが稔性回復に必要であるが、ナタネで
はRf1遺伝子単独で稔性を回復できるということまで
は知られている(育種学雑誌 47(別1)P186,
1997、育種学雑誌48(別1)P197、199
8)が、その制御機構はほとんど解明されていない。ま
た、その塩基配列についても、トウモロコシのcmsの
一つであるT―サイトプラズムに対する回復遺伝子の一
つであるRf2遺伝子のみについては同定、単離されて
いるが、他の植物でRf遺伝子の塩基配列については、
全く知られていない。
cms系統により、1つ又は複数の回復遺伝子があるこ
とが知られており、ダイコンではRf1及びRf2が同
時に存在することが稔性回復に必要であるが、ナタネで
はRf1遺伝子単独で稔性を回復できるということまで
は知られている(育種学雑誌 47(別1)P186,
1997、育種学雑誌48(別1)P197、199
8)が、その制御機構はほとんど解明されていない。ま
た、その塩基配列についても、トウモロコシのcmsの
一つであるT―サイトプラズムに対する回復遺伝子の一
つであるRf2遺伝子のみについては同定、単離されて
いるが、他の植物でRf遺伝子の塩基配列については、
全く知られていない。
【0007】
【発明が解決するための課題】交配あるいは細胞融合に
よりRf1遺伝子を導入したナタネ回復系統とその系統
を父親として作出されたF1品種は、グルコシノレート
(以下GSLと略す)含量が、規制値より高くなること
がわかり、実用上問題となっている。GSLの生合成に
関与するダイコン由来の遺伝子がRf1遺伝子の近傍に
存在し、遺伝的に強連鎖しているため、ナタネの回復系
統(Rf系統)ではGSLの含量が上昇すると考えられ
ている。GSLはナタネの搾油かすに含まれ、それを飼
料として動物に与えたとき、甲状腺肥大をもたらすこと
が知られているため、ナタネ種子のGSL含量は育種段
階では北米で、18μmole/g ヨーロッパでは20μmole/g
以下にすることが求められている。
よりRf1遺伝子を導入したナタネ回復系統とその系統
を父親として作出されたF1品種は、グルコシノレート
(以下GSLと略す)含量が、規制値より高くなること
がわかり、実用上問題となっている。GSLの生合成に
関与するダイコン由来の遺伝子がRf1遺伝子の近傍に
存在し、遺伝的に強連鎖しているため、ナタネの回復系
統(Rf系統)ではGSLの含量が上昇すると考えられ
ている。GSLはナタネの搾油かすに含まれ、それを飼
料として動物に与えたとき、甲状腺肥大をもたらすこと
が知られているため、ナタネ種子のGSL含量は育種段
階では北米で、18μmole/g ヨーロッパでは20μmole/g
以下にすることが求められている。
【0008】さらに、近年では、除草剤耐性等の機能を
遺伝子組換えにより付加した植物の開発も活溌であり、
これらの植物を効率的に創出するためには、交配あるい
は細胞融合により得られたナタネ回復系の存在のみでは
不十分であり、Rf遺伝子、特には、ダイコン由来のR
f1遺伝子の単離が望まれていた。
遺伝子組換えにより付加した植物の開発も活溌であり、
これらの植物を効率的に創出するためには、交配あるい
は細胞融合により得られたナタネ回復系の存在のみでは
不十分であり、Rf遺伝子、特には、ダイコン由来のR
f1遺伝子の単離が望まれていた。
【0009】即ち、本発明は、Rf遺伝子、特には、ダ
イコン由来のRf1遺伝子を単離してその構造を同定す
ることを解決すべき課題とした。さらに、本発明は、単
離したRf遺伝子を利用してナタネ回復系統を確立する
手段を提供することを解決すべき課題とした。
イコン由来のRf1遺伝子を単離してその構造を同定す
ることを解決すべき課題とした。さらに、本発明は、単
離したRf遺伝子を利用してナタネ回復系統を確立する
手段を提供することを解決すべき課題とした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ダイコンからRf
1遺伝子をクローニングすることに成功し、本課題を解
決するに至った。すなわち、本発明によれば、下記の何
れかのDNAが提供される。 (1)配列番号1に記載の塩基配列を有するDNA; (2)配列番号1に記載の塩基配列において1から複数
個の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基
配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に
回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞
質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与す
るDNA。
を解決するために鋭意検討した結果、ダイコンからRf
1遺伝子をクローニングすることに成功し、本課題を解
決するに至った。すなわち、本発明によれば、下記の何
れかのDNAが提供される。 (1)配列番号1に記載の塩基配列を有するDNA; (2)配列番号1に記載の塩基配列において1から複数
個の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基
配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に
回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞
質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与す
るDNA。
【0011】本発明の別の側面によれば、下記の何れか
のDNAが提供される。 (1)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA; (2)配列番号2に記載の塩基配列において1から複数
個の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基
配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に
回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞
質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与す
るDNA。
のDNAが提供される。 (1)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA; (2)配列番号2に記載の塩基配列において1から複数
個の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基
配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に
回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞
質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与す
るDNA。
【0012】本発明のさらに別の側面によれば、下記の
何れかのタンパク質をコードするDNAが提供される。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。本発
明において好ましくは、細胞質雄性不稔個体は、コセナ
ダイコン及び/又はオグラダイコンの細胞質雄性不稔遺
伝子又はそのホモログを有する。
何れかのタンパク質をコードするDNAが提供される。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。本発
明において好ましくは、細胞質雄性不稔個体は、コセナ
ダイコン及び/又はオグラダイコンの細胞質雄性不稔遺
伝子又はそのホモログを有する。
【0013】本発明のさらに別の側面によれば、下記の
何れかのタンパク質が提供される。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。本発
明において好ましくは、細胞質雄性不稔個体は、コセナ
ダイコン及び/又はオグラダイコンの細胞質雄性不稔遺
伝子又はそのホモログを有する。
何れかのタンパク質が提供される。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。本発
明において好ましくは、細胞質雄性不稔個体は、コセナ
ダイコン及び/又はオグラダイコンの細胞質雄性不稔遺
伝子又はそのホモログを有する。
【0014】本発明のさらに別の側面によれば、本発明
のDNAを含有するベクターが提供される。本発明のさ
らに別の側面によれば、本発明のDNA又は本発明のベ
クターを有する形質転換体が提供される。形質転換体は
好ましくは形質転換植物である。本発明のさらに別の側
面によれば、本発明のDNAを用いることを特徴とす
る、細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復する方法
が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、細胞
質雄性不稔遺伝子を有し、かつ、本発明のDNAを有す
る細胞に、さらに本発明のDNAの一部又は全部を誘導
型プロモーターと共に導入することにより、雄性不稔回
復遺伝子の発現を制御することが可能となった形質転換
体が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上
記した形質転換体を利用することによる細胞質雄性不稔
系統の維持方法が提供される。
のDNAを含有するベクターが提供される。本発明のさ
らに別の側面によれば、本発明のDNA又は本発明のベ
クターを有する形質転換体が提供される。形質転換体は
好ましくは形質転換植物である。本発明のさらに別の側
面によれば、本発明のDNAを用いることを特徴とす
る、細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復する方法
が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、細胞
質雄性不稔遺伝子を有し、かつ、本発明のDNAを有す
る細胞に、さらに本発明のDNAの一部又は全部を誘導
型プロモーターと共に導入することにより、雄性不稔回
復遺伝子の発現を制御することが可能となった形質転換
体が提供される。本発明のさらに別の側面によれば、上
記した形質転換体を利用することによる細胞質雄性不稔
系統の維持方法が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。(1)本発明のDNAの態様 本発明のDNAは、下記の何れかのDNAに関する。 (1)配列番号1又は配列番号2に記載の塩基配列を有
するDNA; (2)配列番号1又は配列番号2に記載の塩基配列にお
いて1から複数個の塩基が欠失、付加及び/または置換
されている塩基配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の
不稔性を可稔に回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号1又は配列番号2に記載の塩基配列を有
するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズし、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復す
ることに関与するDNA。
て詳細に説明する。(1)本発明のDNAの態様 本発明のDNAは、下記の何れかのDNAに関する。 (1)配列番号1又は配列番号2に記載の塩基配列を有
するDNA; (2)配列番号1又は配列番号2に記載の塩基配列にお
いて1から複数個の塩基が欠失、付加及び/または置換
されている塩基配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の
不稔性を可稔に回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号1又は配列番号2に記載の塩基配列を有
するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズし、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復す
ることに関与するDNA。
【0016】さらに本発明のDNAは、下記の何れかの
タンパク質をコードするDNAに関する。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。
タンパク質をコードするDNAに関する。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。
【0017】本明細書では、本発明のDNAを、本発明
の遺伝子と称する場合もある。配列番号1で示される塩
基配列は、6459個の塩基から成るゲノムDNA塩基
配列であり、配列番号2で示される塩基配列は、配列番
号1より推定されるコード配列である。配列番号3は、
配列番号2で示される塩基配列がコードするアミノ酸配
列である。
の遺伝子と称する場合もある。配列番号1で示される塩
基配列は、6459個の塩基から成るゲノムDNA塩基
配列であり、配列番号2で示される塩基配列は、配列番
号1より推定されるコード配列である。配列番号3は、
配列番号2で示される塩基配列がコードするアミノ酸配
列である。
【0018】本明細書において「1から複数個の塩基が
欠失、付加及び/または置換されている塩基配列」と
は、例えば1〜20個、好ましくは1〜15個、より好
ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個の任意
の数の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩
基配列のことを言う。本明細書において、「1から複数
個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されている
アミノ酸配列」とは、例えば1〜20個、好ましくは1
〜15個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましく
は1〜5個の任意の数のアミノ酸が欠失、付加または置
換されているアミノ酸配列のことを言う。
欠失、付加及び/または置換されている塩基配列」と
は、例えば1〜20個、好ましくは1〜15個、より好
ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個の任意
の数の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩
基配列のことを言う。本明細書において、「1から複数
個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されている
アミノ酸配列」とは、例えば1〜20個、好ましくは1
〜15個、より好ましくは1〜10個、さらに好ましく
は1〜5個の任意の数のアミノ酸が欠失、付加または置
換されているアミノ酸配列のことを言う。
【0019】本明細書において「ストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNA」とは、DNAをプロ
ーブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション
法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザ
ンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることに
より得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロ
ニーあるいはプラーク由来のDNAまたは該DNAの断
片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0M
のNaCl存在下65℃でハイブリダイゼーションを行
った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSCの組成
は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナト
リウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄する
ことにより同定できるDNA等を挙げることができる。
件下でハイブリダイズするDNA」とは、DNAをプロ
ーブとして使用し、コロニーハイブリダイゼーション
法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザ
ンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることに
より得られるDNAの塩基配列を意味し、例えば、コロ
ニーあるいはプラーク由来のDNAまたは該DNAの断
片を固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0M
のNaCl存在下65℃でハイブリダイゼーションを行
った後、0.1〜2×SSC溶液(1×SSCの組成
は、150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナト
リウム)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄する
ことにより同定できるDNA等を挙げることができる。
【0020】ハイブリダイゼーションは、Molecular Cl
oning: A laboratory Mannual, 2ndEd., Cold Spring H
arbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989. 以
後"モレキュラークローニング第2版" と略す)等に記
載されている方法に準じて行うことができる。
oning: A laboratory Mannual, 2ndEd., Cold Spring H
arbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989. 以
後"モレキュラークローニング第2版" と略す)等に記
載されている方法に準じて行うことができる。
【0021】ストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズするDNAとしては、プローブとして使用するDNA
の塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げら
れる。ここで言う一定以上の相同性とは、例えば70%
以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以
上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95
%以上、最も好ましくは97%以上である。なお。ここ
で言う一定以上の相同性を有するDNAとしては、上記
した相同性を有するポリヌクレオチドおよびその相補鎖
ポリヌクレオチドの両方を包含する。
ズするDNAとしては、プローブとして使用するDNA
の塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げら
れる。ここで言う一定以上の相同性とは、例えば70%
以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以
上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95
%以上、最も好ましくは97%以上である。なお。ここ
で言う一定以上の相同性を有するDNAとしては、上記
した相同性を有するポリヌクレオチドおよびその相補鎖
ポリヌクレオチドの両方を包含する。
【0022】本発明のDNAは、細胞質雄性不稔個体の
不稔性を可稔に回復することに関与することができるD
NAである。より具体的には、本発明のDNAを遺伝子
組換えの手法を用い導入した形質転換植物(Rf系統)
を細胞質雄性不稔系統(cms系統)の個体と交配させ
ることにより、稔性の回復されたF1種子を得ることが
できる。上記、cms系統として好ましくは、コセナc
ms及びオグラcmsが挙げられる。
不稔性を可稔に回復することに関与することができるD
NAである。より具体的には、本発明のDNAを遺伝子
組換えの手法を用い導入した形質転換植物(Rf系統)
を細胞質雄性不稔系統(cms系統)の個体と交配させ
ることにより、稔性の回復されたF1種子を得ることが
できる。上記、cms系統として好ましくは、コセナc
ms及びオグラcmsが挙げられる。
【0023】(2)本発明のDNAの取得方法 本発明のDNAの取得方法は特に限定されない。本明細
書中に開示した配列番号1または配列番号2に記載の塩
基配列、並びに配列番号3に記載したアミノ酸配列の情
報に基づいて、当業者に公知の一般的育種手法及び一般
的遺伝子工学的手法を利用することにより、本発明のD
NAを単離することができる。
書中に開示した配列番号1または配列番号2に記載の塩
基配列、並びに配列番号3に記載したアミノ酸配列の情
報に基づいて、当業者に公知の一般的育種手法及び一般
的遺伝子工学的手法を利用することにより、本発明のD
NAを単離することができる。
【0024】具体的には、本発明の遺伝子が発現される
適当な植物起源、具体的にはダイコンの品種、近縁種を
含むRaphanus属の植物、より具体的にはコセナ
ダイコン、オグラダイコン、紅園ダイコン、又はこれら
のダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus属の
植物の細胞質雄性不稔回復遺伝子を含んだゲノムDNA
が交配や細胞融合の手法により移入されたブラシカ属の
植物、より具体的にはRfナタネから得ることができ
る。例えば、Rf遺伝子の近傍に位置するDNAマーカ
ーを単離し、このDNAマーカーとRf遺伝子の遺伝距
離の関係を示したゲノムの地図を作製し、ゲノムの地図
を出発点としてRf領域のポジショナルクローニング法
(クロモゾームウオーキングとも言う)によって、本発
明の遺伝子を単離、取得できる。
適当な植物起源、具体的にはダイコンの品種、近縁種を
含むRaphanus属の植物、より具体的にはコセナ
ダイコン、オグラダイコン、紅園ダイコン、又はこれら
のダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus属の
植物の細胞質雄性不稔回復遺伝子を含んだゲノムDNA
が交配や細胞融合の手法により移入されたブラシカ属の
植物、より具体的にはRfナタネから得ることができ
る。例えば、Rf遺伝子の近傍に位置するDNAマーカ
ーを単離し、このDNAマーカーとRf遺伝子の遺伝距
離の関係を示したゲノムの地図を作製し、ゲノムの地図
を出発点としてRf領域のポジショナルクローニング法
(クロモゾームウオーキングとも言う)によって、本発
明の遺伝子を単離、取得できる。
【0025】この手法はゲノムDNA上に適当なDNA
マーカーを見いだし、Rf遺伝子とDNAマーカーの遺
伝距離を測ることでゲノムの地図を作製することから始
める。DNAマーカーは父親由来のゲノムと母親由来の
ゲノムとを識別する必要があり、一般的には数100b
pの長さからなる。またDNAマーカーは遺伝子と同一
染色体上に座乗している必要があり、遺伝子との距離が
近いために遺伝様式がほぼ同様となるようなもの、つま
り遺伝的に強く連鎖しているマーカーほど望ましい。
マーカーを見いだし、Rf遺伝子とDNAマーカーの遺
伝距離を測ることでゲノムの地図を作製することから始
める。DNAマーカーは父親由来のゲノムと母親由来の
ゲノムとを識別する必要があり、一般的には数100b
pの長さからなる。またDNAマーカーは遺伝子と同一
染色体上に座乗している必要があり、遺伝子との距離が
近いために遺伝様式がほぼ同様となるようなもの、つま
り遺伝的に強く連鎖しているマーカーほど望ましい。
【0026】DNAマーカー単離法には、以前よりRF
LP法が使われていたが、近年はPCRを用いた簡便な
方法であるRAPD法やAFLP(Amplified fragment
length polymorphism)法(Nucleic Acids Research,
1995, Vol.23, No.21, 4407-4414)が利用されている。
特に、AFLP法は遺伝的に強く連鎖するマーカーを得
る手段として有効である。マーカーとの遺伝距離を測る
材料として、通常、Rf1遺伝子を持たない劣性ホモ個
体とRf1遺伝子をホモに有する優性ホモ個体を交配し
たF1世代を自家受粉して得られるF2集団やF1世代と
この親である目的の遺伝子を持たない劣性ホモ個体を交
配して得られるBC1集団を用いることができる。
LP法が使われていたが、近年はPCRを用いた簡便な
方法であるRAPD法やAFLP(Amplified fragment
length polymorphism)法(Nucleic Acids Research,
1995, Vol.23, No.21, 4407-4414)が利用されている。
特に、AFLP法は遺伝的に強く連鎖するマーカーを得
る手段として有効である。マーカーとの遺伝距離を測る
材料として、通常、Rf1遺伝子を持たない劣性ホモ個
体とRf1遺伝子をホモに有する優性ホモ個体を交配し
たF1世代を自家受粉して得られるF2集団やF1世代と
この親である目的の遺伝子を持たない劣性ホモ個体を交
配して得られるBC1集団を用いることができる。
【0027】上記劣性ホモ個体としては、細胞質雄性不
稔系統のダイコンの品種、近縁種を含むRaphanu
s属植物、より具体的には細胞質雄性不稔系統のコセナ
ダイコンやオグラダイコン、又は、コセナダイコン由来
の細胞質雄性不稔(コセナcms)やオグラダイコン由
来の細胞質雄性不稔(オグラcms)が移入されたブラ
シカ属植物、より具体的にはcmsナタネを使用するこ
とができる。
稔系統のダイコンの品種、近縁種を含むRaphanu
s属植物、より具体的には細胞質雄性不稔系統のコセナ
ダイコンやオグラダイコン、又は、コセナダイコン由来
の細胞質雄性不稔(コセナcms)やオグラダイコン由
来の細胞質雄性不稔(オグラcms)が移入されたブラ
シカ属植物、より具体的にはcmsナタネを使用するこ
とができる。
【0028】上記優性ホモ個体としては、Rf系統であ
るダイコンの品種、近縁種を含むRaphanus属の
植物、より具体的には細胞質雄性不稔回復系統のコセナ
ダイコン、オグラダイコン、園紅ダイコン、又は、これ
らのダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus属
植物の細胞質雄性不稔回復遺伝子を含んだゲノムDNA
が交配や細胞融合の手法により移入されたブラシカ属の
植物、より具体的にはRfナタネを使用することができ
る。
るダイコンの品種、近縁種を含むRaphanus属の
植物、より具体的には細胞質雄性不稔回復系統のコセナ
ダイコン、オグラダイコン、園紅ダイコン、又は、これ
らのダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus属
植物の細胞質雄性不稔回復遺伝子を含んだゲノムDNA
が交配や細胞融合の手法により移入されたブラシカ属の
植物、より具体的にはRfナタネを使用することができ
る。
【0029】これらの両親を交配して得られたF1世代
を自家受粉して得られるF2集団や、F1世代と劣性ホモ
個体を交配して得られるBC1集団は、通常は100個体
以上、より好ましくは1000個体以上解析することが
望ましく、個体数が増すほどゲノムの地図の精度が上が
り、DNAマーカーから目的の遺伝子までの物理的距離
が短くなる。Rf遺伝子の場合も同様に、より物理的距
離が短いDNAマーカーを得ることが可能になる。
を自家受粉して得られるF2集団や、F1世代と劣性ホモ
個体を交配して得られるBC1集団は、通常は100個体
以上、より好ましくは1000個体以上解析することが
望ましく、個体数が増すほどゲノムの地図の精度が上が
り、DNAマーカーから目的の遺伝子までの物理的距離
が短くなる。Rf遺伝子の場合も同様に、より物理的距
離が短いDNAマーカーを得ることが可能になる。
【0030】DNAマーカーとRf遺伝子の遺伝距離を
測る材料としては、例えば、cms系統コセナダイコン
(Raphanus sativus cv. Kosena)とRf系統である園紅
ダイコン(Raphanus sativus cv. Yuanhong)とをN. Koiz
uka, et al. Theor Appl Genet, 100:949-955, 2000に
記載の方法に準じ、交配したダイコンF1世代を自家受
粉して得られる数千個のF2集団を用いることができ
る。これらを解析することにより、Rf遺伝子を挟むよ
うな形で、両側にそれぞれ0.2cM程度の遺伝距離で離れ
た位置に連鎖するDNAマーカーを単離することがで
き、これにより図1に示すようなマーカーとRf遺伝子
の遺伝距離を示したゲノムの地図を作成するこができ
る。
測る材料としては、例えば、cms系統コセナダイコン
(Raphanus sativus cv. Kosena)とRf系統である園紅
ダイコン(Raphanus sativus cv. Yuanhong)とをN. Koiz
uka, et al. Theor Appl Genet, 100:949-955, 2000に
記載の方法に準じ、交配したダイコンF1世代を自家受
粉して得られる数千個のF2集団を用いることができ
る。これらを解析することにより、Rf遺伝子を挟むよ
うな形で、両側にそれぞれ0.2cM程度の遺伝距離で離れ
た位置に連鎖するDNAマーカーを単離することがで
き、これにより図1に示すようなマーカーとRf遺伝子
の遺伝距離を示したゲノムの地図を作成するこができ
る。
【0031】ゲノムの地図作成に続いては、その位置に
対応するゲノムDNAをクローン化し、目的の遺伝子を
挟むDNAマーカー間を繋ぐことが必要になる。通常は
DNAマーカーと目的遺伝子との物理距離が離れている
ため、ゲノムDNA断片を持つクローンを複数個繋げる
ことによって、DNAマーカーから目的遺伝子領域をカ
バーすることになる。このDNAマーカー間を、ゲノム
DNA断片を持つクローンで繋ぐ行程がコンティグの作
製である。Rf遺伝子の場合も同様に、よりRf遺伝子
に近い位置に存在するDNAマーカー間を、Rf遺伝子
領域をカバーするように、ゲノムDNA断片を持つクロ
ーンを複数個繋ぐことによってコンティグを作製するこ
とができる。
対応するゲノムDNAをクローン化し、目的の遺伝子を
挟むDNAマーカー間を繋ぐことが必要になる。通常は
DNAマーカーと目的遺伝子との物理距離が離れている
ため、ゲノムDNA断片を持つクローンを複数個繋げる
ことによって、DNAマーカーから目的遺伝子領域をカ
バーすることになる。このDNAマーカー間を、ゲノム
DNA断片を持つクローンで繋ぐ行程がコンティグの作
製である。Rf遺伝子の場合も同様に、よりRf遺伝子
に近い位置に存在するDNAマーカー間を、Rf遺伝子
領域をカバーするように、ゲノムDNA断片を持つクロ
ーンを複数個繋ぐことによってコンティグを作製するこ
とができる。
【0032】ゲノムDNA断片をもつクローンの集合体
はゲノミックライブラリーを作製することで得られる。
通常は、クローニングできるゲノムDNAの長さによっ
て、いくつかの種類のベクターが使用され、例えば、約
20kbまでの断片をクローニングできるラムダファー
ジベクター、比較的長い断片(〜40kb)がクローニ
ングできるコスミドベクター、より長い100kb以上
の断片をクローニングできるBAC(Bacterial artifi
cial chromosome)ベクター等を利用したライブラリー
が挙げられる。
はゲノミックライブラリーを作製することで得られる。
通常は、クローニングできるゲノムDNAの長さによっ
て、いくつかの種類のベクターが使用され、例えば、約
20kbまでの断片をクローニングできるラムダファー
ジベクター、比較的長い断片(〜40kb)がクローニ
ングできるコスミドベクター、より長い100kb以上
の断片をクローニングできるBAC(Bacterial artifi
cial chromosome)ベクター等を利用したライブラリー
が挙げられる。
【0033】いずれのライブラリーも、クローニングさ
れた断片の平均長にライブラリーの集団数を乗じた値
が、ライブラリーに供与されたゲノムの全長(ゲノムサ
イズ)に対して4から5倍程度の値に成ることが重要で
ある。ダイコンのゲノムサイズは約500Mbpと考え
られているので、ラムダファージベクターで平均長20
kbの場合、集団数は1.0×105個から1.25×
105個となり、コスミドライブラリーで平均長が40
kbの場合は、集団数は5.0×104個から6.25
×104個となる。ナタネのゲノムサイズは約1000
Mbpと考えられているので、ラムダファージベクター
で平均長20kbの場合、集団数は2.0×105個か
ら2.5×105個となり、コスミドライブラリーで平
均長が40kbの場合は、集団数は1.0×105個か
ら1.25×105個となる。
れた断片の平均長にライブラリーの集団数を乗じた値
が、ライブラリーに供与されたゲノムの全長(ゲノムサ
イズ)に対して4から5倍程度の値に成ることが重要で
ある。ダイコンのゲノムサイズは約500Mbpと考え
られているので、ラムダファージベクターで平均長20
kbの場合、集団数は1.0×105個から1.25×
105個となり、コスミドライブラリーで平均長が40
kbの場合は、集団数は5.0×104個から6.25
×104個となる。ナタネのゲノムサイズは約1000
Mbpと考えられているので、ラムダファージベクター
で平均長20kbの場合、集団数は2.0×105個か
ら2.5×105個となり、コスミドライブラリーで平
均長が40kbの場合は、集団数は1.0×105個か
ら1.25×105個となる。
【0034】ライブラリーに供与するゲノムDNAは、
目的の遺伝子を含む生物からゲノムDNAを常法により
抽出すればよい。Rf遺伝子の場合、Rf系統であるダ
イコンの品種、近縁種を含むRaphanus属の植
物、より具体的には細胞質雄性不稔回復系統のコセナダ
イコン、オグラダイコン、園紅ダイコン、又は、これら
のダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus属植
物の細胞質雄性不稔回復遺伝子を含んだゲノムDNAが
交配や細胞融合の手法により移入されたブラシカ属の植
物、より具体的にはRfナタネが利用できる。一般的に
は、F2集団やBC1集団を作製した時に利用した親と同
じRf系統の植物からゲノムDNAを抽出し、ゲノミッ
クライブラリーを作製することが最も望ましいと考えら
れる。ゲノムDNAはCTAB法(Murray, M. G. and
Thompson, W. F. (1980) NucleicAcids Res., 8, 432
1)のような常法に従い、調製することができる。
目的の遺伝子を含む生物からゲノムDNAを常法により
抽出すればよい。Rf遺伝子の場合、Rf系統であるダ
イコンの品種、近縁種を含むRaphanus属の植
物、より具体的には細胞質雄性不稔回復系統のコセナダ
イコン、オグラダイコン、園紅ダイコン、又は、これら
のダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus属植
物の細胞質雄性不稔回復遺伝子を含んだゲノムDNAが
交配や細胞融合の手法により移入されたブラシカ属の植
物、より具体的にはRfナタネが利用できる。一般的に
は、F2集団やBC1集団を作製した時に利用した親と同
じRf系統の植物からゲノムDNAを抽出し、ゲノミッ
クライブラリーを作製することが最も望ましいと考えら
れる。ゲノムDNAはCTAB法(Murray, M. G. and
Thompson, W. F. (1980) NucleicAcids Res., 8, 432
1)のような常法に従い、調製することができる。
【0035】コンティグの作製は最初に、Rf遺伝子の
両側に位置するDNAマーカーを保持するクローンを単
離する。ゲノミックライブラリーから、常法により、ラ
ムダファージライブラリーの場合は、プラークハイブリ
ダイエーション法を用いて、コスミドライブラリーとB
ACライブラリーの場合はコロニーハイブリダイゼーシ
ョン法を用いて単離する。次にその単離したクローンの
末端領域を指標にして、そのクローンに隣接するクロー
ンを単離する事によってコンティグを作製する。作成
後、コンティグの塩基配列を、常法により決定する。
両側に位置するDNAマーカーを保持するクローンを単
離する。ゲノミックライブラリーから、常法により、ラ
ムダファージライブラリーの場合は、プラークハイブリ
ダイエーション法を用いて、コスミドライブラリーとB
ACライブラリーの場合はコロニーハイブリダイゼーシ
ョン法を用いて単離する。次にその単離したクローンの
末端領域を指標にして、そのクローンに隣接するクロー
ンを単離する事によってコンティグを作製する。作成
後、コンティグの塩基配列を、常法により決定する。
【0036】近年のゲノムプロジェクトの進展から、ゲ
ノムDNAの塩基配列から機能する遺伝子を推定する技
術が発達してきた。「Genscan」に代表される遺伝子発
見プログラムは、かなりの確度で遺伝子を推定すること
ができる。また「BLAST」に代表されるホモロジー検索
プログラムは、他の遺伝子やタンパク質の類似性を推定
することができる。この様な解析ソフトウエアーを利用
して、目的の遺伝子を推定し、単離することが行われて
いる。Rf遺伝子の場合も、同様にコンティグのゲノム
DNA配列を同様の解析ソフトウエアーを用いることに
より単離、同定することが可能だと考えられる。また解
析すると、ゲノムDNA塩基配列上のプロモーター部
分、イントロンを含んだ構造遺伝子部分、ターミネータ
ー部分が明示される。また同時に、イントロンを含んだ
構造遺伝子に対して、イントロンが除かれたタンパク質
に翻訳される形の遺伝子とその遺伝子に対するアミノ酸
配列が明示される。この様にしてコンティグ上のRf遺
伝子をかなりの確度で推定することが可能である。
ノムDNAの塩基配列から機能する遺伝子を推定する技
術が発達してきた。「Genscan」に代表される遺伝子発
見プログラムは、かなりの確度で遺伝子を推定すること
ができる。また「BLAST」に代表されるホモロジー検索
プログラムは、他の遺伝子やタンパク質の類似性を推定
することができる。この様な解析ソフトウエアーを利用
して、目的の遺伝子を推定し、単離することが行われて
いる。Rf遺伝子の場合も、同様にコンティグのゲノム
DNA配列を同様の解析ソフトウエアーを用いることに
より単離、同定することが可能だと考えられる。また解
析すると、ゲノムDNA塩基配列上のプロモーター部
分、イントロンを含んだ構造遺伝子部分、ターミネータ
ー部分が明示される。また同時に、イントロンを含んだ
構造遺伝子に対して、イントロンが除かれたタンパク質
に翻訳される形の遺伝子とその遺伝子に対するアミノ酸
配列が明示される。この様にしてコンティグ上のRf遺
伝子をかなりの確度で推定することが可能である。
【0037】この様にして得られるプロモーター部分と
イントロンを含んだ構造遺伝子部分とターミネーター部
分は、上述のゲノムの地図とDNAマーカーの関係やD
NAマーカーとコンティグの関係に基づいた存在位置か
らRf遺伝子その物かどうかの確認ができる。
イントロンを含んだ構造遺伝子部分とターミネーター部
分は、上述のゲノムの地図とDNAマーカーの関係やD
NAマーカーとコンティグの関係に基づいた存在位置か
らRf遺伝子その物かどうかの確認ができる。
【0038】上述の手法で推定されるタンパク質に翻訳
される形の遺伝子としては、具体的には、配列番号2で
示されるDNAが挙げられ、該DNA配列をもとに、一
般的な遺伝子工学的手法によってcDNAを単離するこ
とも可能である。
される形の遺伝子としては、具体的には、配列番号2で
示されるDNAが挙げられ、該DNA配列をもとに、一
般的な遺伝子工学的手法によってcDNAを単離するこ
とも可能である。
【0039】具体的には、本発明の遺伝子が発現される
適当な植物起源、具体的には、ダイコンの品種、近縁種
を含むRaphanus属の植物、より具体的にはコセ
ナダイコン、オグラダイコン、紅園ダイコン、又は、こ
れらのダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus
属の植物のゲノムDNAが交配や細胞融合の手法により
移入されたブラシカ属の植物、より具体的にはRfナタ
ネより、常法に従ってcDNAライブラリーを調製し、
該ライブラリーから、本発明の遺伝子に特有の適当なD
NA断片をプローブとして、又は本発明の遺伝子の翻訳
産物に対する抗体を用いて所望のクローンを選抜するこ
とにより、本発明の遺伝子に相当するcDNAを単離す
ることができる。
適当な植物起源、具体的には、ダイコンの品種、近縁種
を含むRaphanus属の植物、より具体的にはコセ
ナダイコン、オグラダイコン、紅園ダイコン、又は、こ
れらのダイコンの品種や近縁種を含むRaphanus
属の植物のゲノムDNAが交配や細胞融合の手法により
移入されたブラシカ属の植物、より具体的にはRfナタ
ネより、常法に従ってcDNAライブラリーを調製し、
該ライブラリーから、本発明の遺伝子に特有の適当なD
NA断片をプローブとして、又は本発明の遺伝子の翻訳
産物に対する抗体を用いて所望のクローンを選抜するこ
とにより、本発明の遺伝子に相当するcDNAを単離す
ることができる。
【0040】上記において、cDNAの起源としては、
本発明の遺伝子を発現する各種の細胞、組織やこれらに
由来する培養細胞が例示される。また、これらからの全
RNAの分離、mRNAの分離や精製、cDNAの取得
とそのクローニングなどはいずれも常法に従って実施す
ることができる。本発明の遺伝子をcDNAライブラリ
ーからスクリーニングする方法も、特に制限されず、通
常の方法に従うことができる。
本発明の遺伝子を発現する各種の細胞、組織やこれらに
由来する培養細胞が例示される。また、これらからの全
RNAの分離、mRNAの分離や精製、cDNAの取得
とそのクローニングなどはいずれも常法に従って実施す
ることができる。本発明の遺伝子をcDNAライブラリ
ーからスクリーニングする方法も、特に制限されず、通
常の方法に従うことができる。
【0041】ここで用いられるプローブとしては、本発
明の遺伝子の塩基配列に関する情報をもとにして化学合
成されたDNAなどが一般的に使用できるが、すでに取
得された本発明の遺伝子やその断片も良好に使用でき
る。また、本発明の遺伝子の塩基配列情報に基づき設定
したセンスプライマー、アンチセンスプライマーをスク
リーニング用プローブとして用いることもできる。
明の遺伝子の塩基配列に関する情報をもとにして化学合
成されたDNAなどが一般的に使用できるが、すでに取
得された本発明の遺伝子やその断片も良好に使用でき
る。また、本発明の遺伝子の塩基配列情報に基づき設定
したセンスプライマー、アンチセンスプライマーをスク
リーニング用プローブとして用いることもできる。
【0042】前記プローブとして用いられるセンスプラ
イマーとアンチセンスプライマーのヌクレオチド配列
は、配列番号3で示されるアミノ酸配列をコードするD
NAに対応する部分ヌクレオチド配列であって、少なく
とも15個以上の連続した塩基、好ましくは20個以上
の連続した塩基、より好もしくは30個以上の連続した
塩基、もっとも好ましくは50個以上の連続した塩基を
有するものが挙げられる。あるいは前記配列を有する陽
性クローンそれ自体をプローブとして用いることもでき
る。
イマーとアンチセンスプライマーのヌクレオチド配列
は、配列番号3で示されるアミノ酸配列をコードするD
NAに対応する部分ヌクレオチド配列であって、少なく
とも15個以上の連続した塩基、好ましくは20個以上
の連続した塩基、より好もしくは30個以上の連続した
塩基、もっとも好ましくは50個以上の連続した塩基を
有するものが挙げられる。あるいは前記配列を有する陽
性クローンそれ自体をプローブとして用いることもでき
る。
【0043】本発明の遺伝子の取得に際しては、PCR
法によるDNA/RNA増幅法や5‘−RACE法等に
代表されるRACE法等、遺伝子の単離に通常用いられ
る手法を組み合わせて行えばよい。
法によるDNA/RNA増幅法や5‘−RACE法等に
代表されるRACE法等、遺伝子の単離に通常用いられ
る手法を組み合わせて行えばよい。
【0044】かかるPCR法の採用に際して使用される
プライマーは、本発明によって明らかにされた本発明の
遺伝子の配列情報に基づいて適時設定でき、これは常法
に従って合成できる。なお、増幅させたDNA/RNA
断片の単離精製は、前記の通り常法に従うことができ、
例えばゲル電気泳動法などで行うことができる。
プライマーは、本発明によって明らかにされた本発明の
遺伝子の配列情報に基づいて適時設定でき、これは常法
に従って合成できる。なお、増幅させたDNA/RNA
断片の単離精製は、前記の通り常法に従うことができ、
例えばゲル電気泳動法などで行うことができる。
【0045】また、上記で得られる本発明の遺伝子ある
いは各種DNA断片は、常法に従って、その塩基配列を
決定することができる。このようにして得られる本発明
の遺伝子によれば、例えば該遺伝子の一部または全部の
塩基配列を利用することにより、個体もしくは各種組織
における本発明遺伝子の存在と発現の有無を特徴的に検
出することができる。
いは各種DNA断片は、常法に従って、その塩基配列を
決定することができる。このようにして得られる本発明
の遺伝子によれば、例えば該遺伝子の一部または全部の
塩基配列を利用することにより、個体もしくは各種組織
における本発明遺伝子の存在と発現の有無を特徴的に検
出することができる。
【0046】前述した通り、本発明の遺伝子としては、
例えば配列番号3に示されるアミノ酸配列をコードする
DNAを挙げることができるが、特にこれに限定される
ことなく、当該遺伝子の相同物も包含される。ここで遺
伝子の相同物とは、本発明遺伝子(またはその遺伝子産
物)と配列相同性を有し、上記構造的特徴、および上記
したようなその生物学的機能の類似性により一つの遺伝
子ファミリーと認識される一連の関連遺伝子を意味し、
該遺伝子の対立遺伝子も当然含まれる。
例えば配列番号3に示されるアミノ酸配列をコードする
DNAを挙げることができるが、特にこれに限定される
ことなく、当該遺伝子の相同物も包含される。ここで遺
伝子の相同物とは、本発明遺伝子(またはその遺伝子産
物)と配列相同性を有し、上記構造的特徴、および上記
したようなその生物学的機能の類似性により一つの遺伝
子ファミリーと認識される一連の関連遺伝子を意味し、
該遺伝子の対立遺伝子も当然含まれる。
【0047】例えば、本発明の遺伝子は、配列番号1も
しくは配列番号2で示される特定の塩基配列を有する遺
伝子に限らず、配列番号3で示した各アミノ酸残基に対
する任意のコドンを組み合わせて選択した塩基配列を有
することも可能である。コドンの選択は、常法に従うこ
とができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻度などを
考慮することができる。
しくは配列番号2で示される特定の塩基配列を有する遺
伝子に限らず、配列番号3で示した各アミノ酸残基に対
する任意のコドンを組み合わせて選択した塩基配列を有
することも可能である。コドンの選択は、常法に従うこ
とができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻度などを
考慮することができる。
【0048】また、前記の通り、本発明の遺伝子は、配
列番号1又は配列番号2に示される塩基配列を有するD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAをも包含する。このようなDNAは、配列番号1
又は配列番号2に示される塩基配列を有するDNAと一
定以上の相同性を有するDNAである。
列番号1又は配列番号2に示される塩基配列を有するD
NAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする
DNAをも包含する。このようなDNAは、配列番号1
又は配列番号2に示される塩基配列を有するDNAと一
定以上の相同性を有するDNAである。
【0049】上記した一定以上の相同性を有するDNA
とは、配列番号1又は2で示される塩基配列あるいは配
列番号3で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列
と少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも9
0%の同一性、より好ましくは少なくとも95%、さら
にもっとも好ましくは少なくとも97%の同一性を有す
るポリヌクレオチドおよびその相補鎖ポリヌクレオチド
を言う。
とは、配列番号1又は2で示される塩基配列あるいは配
列番号3で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列
と少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも9
0%の同一性、より好ましくは少なくとも95%、さら
にもっとも好ましくは少なくとも97%の同一性を有す
るポリヌクレオチドおよびその相補鎖ポリヌクレオチド
を言う。
【0050】より具体的には、例えば、0.1%SDS
を含む0.2×SSC中50℃または0.1%SDSを
含む1×SSC中60℃のストリンジェントな条件下
で、配列番号1もしくは配列番号2に示される塩基配列
のDNAとハイブリダイズする塩基配列を有するDNA
を例示することができる。
を含む0.2×SSC中50℃または0.1%SDSを
含む1×SSC中60℃のストリンジェントな条件下
で、配列番号1もしくは配列番号2に示される塩基配列
のDNAとハイブリダイズする塩基配列を有するDNA
を例示することができる。
【0051】また、本発明のDNAのうち、特に配列番
号1に記載の塩基配列において1から複数個の塩基が欠
失、付加及び/または置換されている塩基配列を有し、
かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復すること
に関与するDNA;配列番号2に記載の塩基配列におい
て1から複数個の塩基が欠失、付加及び/または置換さ
れている塩基配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するDNA;及び配列
番号3に記載のアミノ酸配列において1から複数個のア
ミノ酸が欠失、付加及び/または置換されているアミノ
酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔
に回復することに関与するタンパク質をコードするDN
A:については、化学合成、遺伝子工学的手法、突然変
異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製すること
ができる。例えば、配列番号1又は2に記載の塩基配列
を有するDNAを利用し、これらDNAに変異を導入す
ることにより変異遺伝子を取得することができる。
号1に記載の塩基配列において1から複数個の塩基が欠
失、付加及び/または置換されている塩基配列を有し、
かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復すること
に関与するDNA;配列番号2に記載の塩基配列におい
て1から複数個の塩基が欠失、付加及び/または置換さ
れている塩基配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するDNA;及び配列
番号3に記載のアミノ酸配列において1から複数個のア
ミノ酸が欠失、付加及び/または置換されているアミノ
酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔
に回復することに関与するタンパク質をコードするDN
A:については、化学合成、遺伝子工学的手法、突然変
異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製すること
ができる。例えば、配列番号1又は2に記載の塩基配列
を有するDNAを利用し、これらDNAに変異を導入す
ることにより変異遺伝子を取得することができる。
【0052】変異遺伝子を得るための方法として、例え
ばランダム突然変異体、標的のある突然変異体、合成遺
伝子を用いた方法など(新遺伝子工学ハンドブック、実
験医学 別冊、羊土社、1996参照)等の公知の方法を用
いることができる。具体的には、配列番号1又は2の塩
基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触
作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的
手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の
一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の
変異を導入できる手法であることから有用であり、モレ
キュラークローニング第2版等に記載の方法に準じて行
うことができる。
ばランダム突然変異体、標的のある突然変異体、合成遺
伝子を用いた方法など(新遺伝子工学ハンドブック、実
験医学 別冊、羊土社、1996参照)等の公知の方法を用
いることができる。具体的には、配列番号1又は2の塩
基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触
作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的
手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の
一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の
変異を導入できる手法であることから有用であり、モレ
キュラークローニング第2版等に記載の方法に準じて行
うことができる。
【0053】(3)本発明のDNAを含有するベクター 本発明のDNAは適当なベクター中に組み込んで組み換
えベクターとして使用することができる。ベクターの種
類は発現ベクターでも非発現ベクターでもよく、目的に
応じて選ぶことができる。クローニングベクターとして
は、大腸菌K12株中で自律複製できるものが好ましく、
ファージベクター、プラスミドベクター等いずれでも使
用できる、大腸菌の発現用ベクターをクローニングベク
ターとして用いてもよい。具体的には、ZAP Express
〔ストラタジーン社製、Strategies, 5, 58 (1992)〕、
pBluescrlpt II SK(+)〔Nuclelc Acids Research, 17,
9494(1989)〕、Lambda ZAP II(ストラタジーン社製)、
λgt10、λgt11〔DNA Cloning, A Practical Approa
ch, 1,49(1985)〕、λTriplEx(クローンテック社製)、
λExCell(ファルマシア社製)、pT7T318U(ファルマシア
社製)、pcD2〔Mo1. Cen. Bio1., 3, 280 (1983)〕、pMW
218(和光純薬社製)、pUC118(宝酒造社製)、pEG400〔J.B
ac., 172, 2392 (1990)〕、pQE-30 (QIAGEN社製)等をあ
げることができる。
えベクターとして使用することができる。ベクターの種
類は発現ベクターでも非発現ベクターでもよく、目的に
応じて選ぶことができる。クローニングベクターとして
は、大腸菌K12株中で自律複製できるものが好ましく、
ファージベクター、プラスミドベクター等いずれでも使
用できる、大腸菌の発現用ベクターをクローニングベク
ターとして用いてもよい。具体的には、ZAP Express
〔ストラタジーン社製、Strategies, 5, 58 (1992)〕、
pBluescrlpt II SK(+)〔Nuclelc Acids Research, 17,
9494(1989)〕、Lambda ZAP II(ストラタジーン社製)、
λgt10、λgt11〔DNA Cloning, A Practical Approa
ch, 1,49(1985)〕、λTriplEx(クローンテック社製)、
λExCell(ファルマシア社製)、pT7T318U(ファルマシア
社製)、pcD2〔Mo1. Cen. Bio1., 3, 280 (1983)〕、pMW
218(和光純薬社製)、pUC118(宝酒造社製)、pEG400〔J.B
ac., 172, 2392 (1990)〕、pQE-30 (QIAGEN社製)等をあ
げることができる。
【0054】発現ベクターは宿主との組み合わせを考え
て選択することができ、好ましくは宿主細胞において自
立複製可能ないしは染色体中への組込みが可能で、本発
明の遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有して
いるものが用いられる。細菌を宿主細胞として用いる場
合は、DNAを発現させるための発現ベクターは該細菌
中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボ
ソーム結合配列、上記DNAおよび転写終結配列より構
成された組換えベクターであることが好ましい。プロモ
ーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
て選択することができ、好ましくは宿主細胞において自
立複製可能ないしは染色体中への組込みが可能で、本発
明の遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有して
いるものが用いられる。細菌を宿主細胞として用いる場
合は、DNAを発現させるための発現ベクターは該細菌
中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、リボ
ソーム結合配列、上記DNAおよび転写終結配列より構
成された組換えベクターであることが好ましい。プロモ
ーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
【0055】細菌用の発現ベクターとしては、例えば、
pBTrP2、pBTac1、pBTac2(いずれもべ一リンガーマンハ
イム社より市販)、pKK233-2(Pharmacia社製)、pSE280(I
nvitrogen社製)、pGEMEX-1(Promega社製)、pQE-8(QIAGE
N社製)、pQE-30(QIAGEN社製)、pKYP10(特開昭58-11060
0)、pKYP200〔Agrc.Biol.Chem., 48, 669(1984)〕、PLS
A1〔Agrc. Blo1. Chem., 53, 277(1989)〕、pGEL1〔Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 4306 (1985)〕、pBlues
crlptII SK+、pBluescriptII SK(-)(Stratagene社製)、
pTrS30(FERMBP-5407)、pTrS32(FERM BP-5408)、pGEX(Ph
armacia社製)、pET-3(Novagen社製)、pTerm2(US468619
1、US4939094、US5160735)、pSupex、pUB110、pTP5、pC
194、pUC18〔Gene, 33, 103(1985)〕、pUC19〔Gene, 3
3, 103(1985)〕、pSTV28(宝酒造社製)、pSTV29(宝酒造
社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63-233798)、
pEG400〔J. Bacterio1., 172, 2392(1990)〕、pQE-30(Q
IAGEN社製)等を例示することができる。細菌用のプロモ
ーターとしては、例えば、trpプロモーター(P trp)、la
cプロモーター(P lac)、PLプロモーター、PRプロモータ
ー、PSEプロモーター等の、大腸菌やファージ等に由来
するプロモーター、SP01プロモーター、SP02プロモータ
ー、penPプロモーター等を挙げることができる。
pBTrP2、pBTac1、pBTac2(いずれもべ一リンガーマンハ
イム社より市販)、pKK233-2(Pharmacia社製)、pSE280(I
nvitrogen社製)、pGEMEX-1(Promega社製)、pQE-8(QIAGE
N社製)、pQE-30(QIAGEN社製)、pKYP10(特開昭58-11060
0)、pKYP200〔Agrc.Biol.Chem., 48, 669(1984)〕、PLS
A1〔Agrc. Blo1. Chem., 53, 277(1989)〕、pGEL1〔Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 82, 4306 (1985)〕、pBlues
crlptII SK+、pBluescriptII SK(-)(Stratagene社製)、
pTrS30(FERMBP-5407)、pTrS32(FERM BP-5408)、pGEX(Ph
armacia社製)、pET-3(Novagen社製)、pTerm2(US468619
1、US4939094、US5160735)、pSupex、pUB110、pTP5、pC
194、pUC18〔Gene, 33, 103(1985)〕、pUC19〔Gene, 3
3, 103(1985)〕、pSTV28(宝酒造社製)、pSTV29(宝酒造
社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63-233798)、
pEG400〔J. Bacterio1., 172, 2392(1990)〕、pQE-30(Q
IAGEN社製)等を例示することができる。細菌用のプロモ
ーターとしては、例えば、trpプロモーター(P trp)、la
cプロモーター(P lac)、PLプロモーター、PRプロモータ
ー、PSEプロモーター等の、大腸菌やファージ等に由来
するプロモーター、SP01プロモーター、SP02プロモータ
ー、penPプロモーター等を挙げることができる。
【0056】酵母用の発現ベクターとして、例えば、YE
p13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、Ycp5O(ATCC3741
9)、pHS19、pHS15等を例示することができる。酵母用の
プロモーターとしては、例えば、PHO5プロモーター、PG
Kプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、g
al1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショック
タンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プ
ロモーター等のプロモーターを挙げることができる。
p13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、Ycp5O(ATCC3741
9)、pHS19、pHS15等を例示することができる。酵母用の
プロモーターとしては、例えば、PHO5プロモーター、PG
Kプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、g
al1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショック
タンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、CUP1プ
ロモーター等のプロモーターを挙げることができる。
【0057】動物細胞用の発現ベクターとして、例え
ば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107
〔特開平3-22979; Cytotechnology, 3, 133,(1990)〕、
pAS3-3(特開平2-227075)、pCDM8〔Nature, 329, 840,(1
987)〕、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、pREP4(Invit
rogen社製)、pAGE103〔J.Blochem., 101, 1307(198
7)〕、pAGE210等を例示することができる。動物細胞用
のプロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイル
ス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモータ
ー、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモ
ーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショッ
クプロモーター、SRαプロモーター等を挙げることがで
きる。
ば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107
〔特開平3-22979; Cytotechnology, 3, 133,(1990)〕、
pAS3-3(特開平2-227075)、pCDM8〔Nature, 329, 840,(1
987)〕、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、pREP4(Invit
rogen社製)、pAGE103〔J.Blochem., 101, 1307(198
7)〕、pAGE210等を例示することができる。動物細胞用
のプロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイル
ス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモータ
ー、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモ
ーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショッ
クプロモーター、SRαプロモーター等を挙げることがで
きる。
【0058】植物細胞用の発現ベクターとしては、例え
ば、pIG121-Hm〔Plant Cell Report, 15, 809-814(199
5)〕、pBI121〔EMBO J. 6, 3901-3907(1987)〕等を例示
することができ、植物細胞用のプロモーターとしては、
例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモー
ター〔Mol.Gen.Genet (1990) 220, 389-392〕等が挙げ
られる。なお、植物の形質転換についての詳細は別途後
述する。
ば、pIG121-Hm〔Plant Cell Report, 15, 809-814(199
5)〕、pBI121〔EMBO J. 6, 3901-3907(1987)〕等を例示
することができ、植物細胞用のプロモーターとしては、
例えば、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモー
ター〔Mol.Gen.Genet (1990) 220, 389-392〕等が挙げ
られる。なお、植物の形質転換についての詳細は別途後
述する。
【0059】(4)本発明のDNAを有する形質転換体 本発明のDNAを有する形質転換体は、上記した組み換
えベクター(好ましくは発現ベクター)を宿主に導入す
ることにより作製することができる。細菌の宿主細胞の
具体例としては、Escherichia属、Corynebacterium属、
Brevibacterium属、Bacillus属、Microbacterium属、Se
rratia属、Pseudomonas属、Agrobacterium属、Alicyclo
bacillus属、Anabaena属、Anacystis属、Arthrobacter
属、Azobacter属、Chromatium属、Erwinia属、Methylob
acterium属、Phormidium属、Rhodobacter属、Rhodopseu
domonas属、Rhodospiri11um属、Scenedesmun属、Strept
omyces属、Synnecoccus属、Zymomonas属等に属する微生
物をあげることができる。細菌宿主へ組換えベクターを
導入する方法としては、例えば、カルシウムイオンを用
いる方法やプロトプラスト法等を挙げることができる。
えベクター(好ましくは発現ベクター)を宿主に導入す
ることにより作製することができる。細菌の宿主細胞の
具体例としては、Escherichia属、Corynebacterium属、
Brevibacterium属、Bacillus属、Microbacterium属、Se
rratia属、Pseudomonas属、Agrobacterium属、Alicyclo
bacillus属、Anabaena属、Anacystis属、Arthrobacter
属、Azobacter属、Chromatium属、Erwinia属、Methylob
acterium属、Phormidium属、Rhodobacter属、Rhodopseu
domonas属、Rhodospiri11um属、Scenedesmun属、Strept
omyces属、Synnecoccus属、Zymomonas属等に属する微生
物をあげることができる。細菌宿主へ組換えベクターを
導入する方法としては、例えば、カルシウムイオンを用
いる方法やプロトプラスト法等を挙げることができる。
【0060】酵母宿主の具体例としては、サッカロミセ
ス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisae)、シゾサッ
カロミセス・ボンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ク
リュイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、
トリコスポロン・プルランス(Trichosporon pu11ulan
s)、シュワニオミセス・アルビウス(Schwanniomyces a1
1uvius)等を挙げることができる。酵母宿主への組み換
えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入す
る方法であればいずれも用いることができ、例えば、エ
レクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リ
チウム法等を挙げることができる。
ス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisae)、シゾサッ
カロミセス・ボンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ク
リュイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、
トリコスポロン・プルランス(Trichosporon pu11ulan
s)、シュワニオミセス・アルビウス(Schwanniomyces a1
1uvius)等を挙げることができる。酵母宿主への組み換
えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入す
る方法であればいずれも用いることができ、例えば、エ
レクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リ
チウム法等を挙げることができる。
【0061】動物細胞宿主としては、ナマルバ細胞、CO
S1細胞、COS7細胞、CHO細胞等を挙げることができる。
動物細胞への組み換えベクターの導入方法としては、動
物細胞にDNAを導入できるいかなる方法も用いること
ができ、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸
カルシウム法、リポフェクション法等を用いることがで
きる。植物細胞を用いた形質転換体については後述す
る。
S1細胞、COS7細胞、CHO細胞等を挙げることができる。
動物細胞への組み換えベクターの導入方法としては、動
物細胞にDNAを導入できるいかなる方法も用いること
ができ、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸
カルシウム法、リポフェクション法等を用いることがで
きる。植物細胞を用いた形質転換体については後述す
る。
【0062】(5)本発明のタンパク質の産生 本発明は、下記の何れかのタンパク質に関する。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質;
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質;
【0063】本発明のタンパク質は、例えば、本発明の
遺伝子を有する形質転換体を培養し、培養物中に本発明
のタンパク質を生成蓄積させ、該培養物より該タンパク
質を採取することにより取得することができる。
遺伝子を有する形質転換体を培養し、培養物中に本発明
のタンパク質を生成蓄積させ、該培養物より該タンパク
質を採取することにより取得することができる。
【0064】本発明の遺伝子を有する形質転換体を培養
する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従っ
て行うことができる。本発明の形質転換体が大腸菌等の
原核生物、酵母菌等の真核生物である場合、これら微生
物を培養する培地は、該微生物が資化し得る炭素源、窒
素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的
に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれでも
よい。培養は、振盪培養または深部通気撹拌培養などの
好気的条件下で行うことが好ましく、培養温度は通常15
〜40℃であり、培養時間は、通常16時間〜7日間であ
る。培養中pHは、3.0〜9.0に保持する。pHの
調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、
炭酸カルシウム、アンモニアなどを用いて行う。また培
養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等
の抗生物質を培地に添加してもよい。
する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従っ
て行うことができる。本発明の形質転換体が大腸菌等の
原核生物、酵母菌等の真核生物である場合、これら微生
物を培養する培地は、該微生物が資化し得る炭素源、窒
素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的
に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれでも
よい。培養は、振盪培養または深部通気撹拌培養などの
好気的条件下で行うことが好ましく、培養温度は通常15
〜40℃であり、培養時間は、通常16時間〜7日間であ
る。培養中pHは、3.0〜9.0に保持する。pHの
調整は、無機あるいは有機の酸、アルカリ溶液、尿素、
炭酸カルシウム、アンモニアなどを用いて行う。また培
養中必要に応じて、アンピシリンやテトラサイクリン等
の抗生物質を培地に添加してもよい。
【0065】動物細胞を宿主細胞として得られた形質転
換体を培養する培地としては、一般に使用されているRP
M11640培地〔The JouRNAl of the American Medical
Association,199,519(1967)〕、EagleのMEM培地〔Scie
nce, 122, 501(1952)〕、DMEM培地〔Virology, 8, 396
(1959)〕、199培地〔Proceeding of the Society forth
e Biological Medicine, 73, 1(1950)〕またはこれら培
地に牛胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養
は、通常pH6〜8、30〜40℃、5%CO 2存在下
等の条件下で1〜7日間行う。また、培養中必要に応じ
て、カナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添
加してもよい。
換体を培養する培地としては、一般に使用されているRP
M11640培地〔The JouRNAl of the American Medical
Association,199,519(1967)〕、EagleのMEM培地〔Scie
nce, 122, 501(1952)〕、DMEM培地〔Virology, 8, 396
(1959)〕、199培地〔Proceeding of the Society forth
e Biological Medicine, 73, 1(1950)〕またはこれら培
地に牛胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養
は、通常pH6〜8、30〜40℃、5%CO 2存在下
等の条件下で1〜7日間行う。また、培養中必要に応じ
て、カナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添
加してもよい。
【0066】植物細胞を宿主細胞として得られた形質転
換体を培養する培地としては、MS培地、R2P培地
等、その植物種に応じて通常用いられる培地が用いられ
る。培養は、通常pH6〜8、15〜35℃等の条件下
で1〜21日間行う。また、培養中必要に応じて、カナ
マイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加
してもよい。
換体を培養する培地としては、MS培地、R2P培地
等、その植物種に応じて通常用いられる培地が用いられ
る。培養は、通常pH6〜8、15〜35℃等の条件下
で1〜21日間行う。また、培養中必要に応じて、カナ
マイシン、ハイグロマイシン等の抗生物質を培地に添加
してもよい。
【0067】形質転換体の培養物から、細胞質雄性不稔
個体の不稔性を可稔に回復することに関与する本発明の
タンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単
離、精製法を用いればよい。例えば、本発明のタンパク
質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了
後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、
超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモ
ゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞
抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することによ
り得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、
即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機
溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファ
ロース、DIAION HPA-75(三菱化成社製)等レジンを用い
た陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF
(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換ク
ロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセ
ファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィ
ー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロ
マトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点
電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合
わせて用い、精製標品を得ることができる。
個体の不稔性を可稔に回復することに関与する本発明の
タンパク質を単離精製するには、通常のタンパク質の単
離、精製法を用いればよい。例えば、本発明のタンパク
質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了
後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、
超音波破砕機、フレンチプレス、マントンガウリンホモ
ゲナイザー、ダイノミル等により細胞を破砕し、無細胞
抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することによ
り得られた上清から、通常のタンパク質の単離精製法、
即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機
溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファ
ロース、DIAION HPA-75(三菱化成社製)等レジンを用い
た陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF
(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換ク
ロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセ
ファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィ
ー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロ
マトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点
電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合
わせて用い、精製標品を得ることができる。
【0068】また、該タンパク質が細胞内に不溶体を形
成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠
心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の
方法により該タンパク質を回収後、該タンパク質の不溶
体をタンパク質変性剤で可溶化する。該可溶化液を、タ
ンパク質変性剤を含まないあるいはタンパク質変性剤の
濃度がタンパク質が変性しない程度に希薄な溶液に希
釈、あるいは透析し、該タンパク質を正常な立体構造に
構成させた後、上記と同様の単離精製法により精製標品
を得ることができる。
成して発現した場合は、同様に細胞を回収後破砕し、遠
心分離を行うことにより得られた沈殿画分より、通常の
方法により該タンパク質を回収後、該タンパク質の不溶
体をタンパク質変性剤で可溶化する。該可溶化液を、タ
ンパク質変性剤を含まないあるいはタンパク質変性剤の
濃度がタンパク質が変性しない程度に希薄な溶液に希
釈、あるいは透析し、該タンパク質を正常な立体構造に
構成させた後、上記と同様の単離精製法により精製標品
を得ることができる。
【0069】本発明のタンパク質あるいはその糖修飾体
等の誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に
該タンパク質あるいはその糖鎖付加体等の誘導体を回収
することができる。即ち、該培養物を上記と同様の遠心
分離等の手法により処理することにより可溶性画分を取
得し、該可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用
いることにより、精製標品を得ることができる。
等の誘導体が細胞外に分泌された場合には、培養上清に
該タンパク質あるいはその糖鎖付加体等の誘導体を回収
することができる。即ち、該培養物を上記と同様の遠心
分離等の手法により処理することにより可溶性画分を取
得し、該可溶性画分から、上記と同様の単離精製法を用
いることにより、精製標品を得ることができる。
【0070】また、本発明のタンパク質は、Fmoc法(フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブ
チルオキシカルボニル法)等の化学合成法によっても製
造することができる。また、桑和貿易(米国Advanced Ch
em Tech社製)、パーキンェルマージャバン(米国Perkin
−Elmer社製)、ファルマシアバイオテク(スウェーデンP
harmacia Biotech社製)、アロカ(米国Protein Technolo
gy Instrument社製)、クラボウ(米国Synthecell-Vega社
製〉、日本パーセプティブ・リミテッド(米国PerSeptiv
e社製)、島津製作所等のペプチド合成機を利用し合成す
ることもできる。
ルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブ
チルオキシカルボニル法)等の化学合成法によっても製
造することができる。また、桑和貿易(米国Advanced Ch
em Tech社製)、パーキンェルマージャバン(米国Perkin
−Elmer社製)、ファルマシアバイオテク(スウェーデンP
harmacia Biotech社製)、アロカ(米国Protein Technolo
gy Instrument社製)、クラボウ(米国Synthecell-Vega社
製〉、日本パーセプティブ・リミテッド(米国PerSeptiv
e社製)、島津製作所等のペプチド合成機を利用し合成す
ることもできる。
【0071】(6)本発明のDNAを有する植物の形質
転換体 配列番号1に記載された塩基配列は、植物ゲノム本来の
塩基配列を抜き出した形の塩基配列である。この塩基配
列は、遺伝子の発現に必要なプロモーターとターミネー
ターを作動可能な形で含んでいる。導入するベクター
は、直接導入法の場合は一般的なクローニングベクタ
ー、たとえばコスミドpWE15(STRATAGENE社製)などに
当該遺伝子をクローニングすることができる。アグロバ
クテリウムを利用する場合は、一般的な植物形質転換用
ベクター、たとえばpBI121(Clontec社製)などにクロ
ーニングすることができる。
転換体 配列番号1に記載された塩基配列は、植物ゲノム本来の
塩基配列を抜き出した形の塩基配列である。この塩基配
列は、遺伝子の発現に必要なプロモーターとターミネー
ターを作動可能な形で含んでいる。導入するベクター
は、直接導入法の場合は一般的なクローニングベクタ
ー、たとえばコスミドpWE15(STRATAGENE社製)などに
当該遺伝子をクローニングすることができる。アグロバ
クテリウムを利用する場合は、一般的な植物形質転換用
ベクター、たとえばpBI121(Clontec社製)などにクロ
ーニングすることができる。
【0072】また、この配列から一部のイントロンを抜
き出した塩基配列のDNAや、ほとんどすべてのイント
ロンを抜き出した塩基配列のDNA、又は配列番号2で
示されるDNA、配列番号3で示されるタンパク質をコ
ードするDNAを植物細胞に導入してもよい。
き出した塩基配列のDNAや、ほとんどすべてのイント
ロンを抜き出した塩基配列のDNA、又は配列番号2で
示されるDNA、配列番号3で示されるタンパク質をコ
ードするDNAを植物細胞に導入してもよい。
【0073】さらに、プロモーターとターミネーター部
分を既知の植物細胞中で機能するプロモーターやターミ
ネーターと置換してもよい。尚、上記配列番号2で示さ
れるDNAや配列番号3で示されるタンパク質をコード
するDNAを植物細胞に導入する場合には、このDNA
の他にプロモーターとターミネーターが必要である。通
常よく使用される一般的な発現ベクターとしては、pBI1
21(clonetec社製)が挙げられるが、このベクターはプロ
モーターにカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロ
モーター、ターミネーターにA. tumefacienceのTiプラ
スミドに存在するノパリン合成酵素のターミネーターが
使用されている。また発現に必要なプロモーターとして
は、上記カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモ
ーターに限らずに、植物に広く存在するrbcSプロモ
ーター等を用いてもよく、より好ましくは花粉の生育期
に発現する種類のプロモーター例えばTA29プロモーター
が、さらに好ましくは当該遺伝子の上流に配位された本
来のプロモーターが用いられる。ターミネーターについ
ても、上記ノパリン合成酵素のターミネーターに限ら
ず、カリフラワーモザイクウイルスの35Sターミネー
ター等を用いることができ、より好ましくは当該遺伝子
の下流に配位された本来のターミネーターが用いられ
る。
分を既知の植物細胞中で機能するプロモーターやターミ
ネーターと置換してもよい。尚、上記配列番号2で示さ
れるDNAや配列番号3で示されるタンパク質をコード
するDNAを植物細胞に導入する場合には、このDNA
の他にプロモーターとターミネーターが必要である。通
常よく使用される一般的な発現ベクターとしては、pBI1
21(clonetec社製)が挙げられるが、このベクターはプロ
モーターにカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロ
モーター、ターミネーターにA. tumefacienceのTiプラ
スミドに存在するノパリン合成酵素のターミネーターが
使用されている。また発現に必要なプロモーターとして
は、上記カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモ
ーターに限らずに、植物に広く存在するrbcSプロモ
ーター等を用いてもよく、より好ましくは花粉の生育期
に発現する種類のプロモーター例えばTA29プロモーター
が、さらに好ましくは当該遺伝子の上流に配位された本
来のプロモーターが用いられる。ターミネーターについ
ても、上記ノパリン合成酵素のターミネーターに限ら
ず、カリフラワーモザイクウイルスの35Sターミネー
ター等を用いることができ、より好ましくは当該遺伝子
の下流に配位された本来のターミネーターが用いられ
る。
【0074】本発明者らは以下の実施例において、配列
番号1に示された、ゲノムに存在する本来のプロモータ
ーからターミネーターまでに含まれるイントロンを含ん
だRf遺伝子のDNAを、本来の形で植物に導入するた
めに、植物形質転換用ベクターを作製した。コンティグ
の一部であるTo3-2クローンから配列番号1に示された
塩基配列を制限酵素によって切り出した後、適当なクロ
ーニングベクターにサブクローンした後、植物形質転換
用ベクターpKM424にサブクローニングした断片を導入
し、当該断片を植物に導入可能なベクターを得た。この
ベクターを植物形質転換用アグロバクテリウム細菌に導
入した。このベクターを保持したアグロバクテリウム細
菌を植物に感染させることによって当該DNA 断片が
植物ゲノム中に組み込まれる。
番号1に示された、ゲノムに存在する本来のプロモータ
ーからターミネーターまでに含まれるイントロンを含ん
だRf遺伝子のDNAを、本来の形で植物に導入するた
めに、植物形質転換用ベクターを作製した。コンティグ
の一部であるTo3-2クローンから配列番号1に示された
塩基配列を制限酵素によって切り出した後、適当なクロ
ーニングベクターにサブクローンした後、植物形質転換
用ベクターpKM424にサブクローニングした断片を導入
し、当該断片を植物に導入可能なベクターを得た。この
ベクターを植物形質転換用アグロバクテリウム細菌に導
入した。このベクターを保持したアグロバクテリウム細
菌を植物に感染させることによって当該DNA 断片が
植物ゲノム中に組み込まれる。
【0075】本発明の遺伝子が適用される植物は、例え
ばナタネ、ヒマワリ、ダイズ、パーム椰子等の油量作
物、例えばイネ、トウモロコシ、コムギ等の禾穀類、例
えば、タバコ、ペチュニア等の花卉類、例えばトマト、
ブロッコリー、キャベツ、白菜、人参等の各種の野菜類
などが例示される。このうち、ナタネ、キャベツ、白
菜、ブロッコリー等のブラシカ属の植物やトマトなどが
好ましく、特に好ましくは、ナタネ、キャベツ、白菜、
ブロッコリーが挙げられ、最も好ましくは、ナタネであ
る。
ばナタネ、ヒマワリ、ダイズ、パーム椰子等の油量作
物、例えばイネ、トウモロコシ、コムギ等の禾穀類、例
えば、タバコ、ペチュニア等の花卉類、例えばトマト、
ブロッコリー、キャベツ、白菜、人参等の各種の野菜類
などが例示される。このうち、ナタネ、キャベツ、白
菜、ブロッコリー等のブラシカ属の植物やトマトなどが
好ましく、特に好ましくは、ナタネ、キャベツ、白菜、
ブロッコリーが挙げられ、最も好ましくは、ナタネであ
る。
【0076】本明細書において、形質転換植物源として
は、種子、芽生え、苗、カルス、培養細胞、植物体など
が挙げられ、例えば、ナタネの場合には芽生えまたはプ
ロトプラスト;ダイズの場合には芽生え、カルスまたは
培養細胞;ヒマワリの場合には芽生え;パーム椰子の場
合にはカルスまたは培養細胞;イネの場合には、芽生
え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;トウモロ
コシには、芽生え、苗、カルス、培養細胞またはプロト
プラスト;コムギの場合には、芽生え、カルスまたは培
養細胞;キャベツ、ブロッコリーの場合には、芽生え、
カルス、培養細胞またはプロトプラスト;ニンジンの場
合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラス
ト等と言ったように、当業者が通常行うように、対象植
物によって適宜好ましい部位を選択して行えばよい。
は、種子、芽生え、苗、カルス、培養細胞、植物体など
が挙げられ、例えば、ナタネの場合には芽生えまたはプ
ロトプラスト;ダイズの場合には芽生え、カルスまたは
培養細胞;ヒマワリの場合には芽生え;パーム椰子の場
合にはカルスまたは培養細胞;イネの場合には、芽生
え、カルス、培養細胞またはプロトプラスト;トウモロ
コシには、芽生え、苗、カルス、培養細胞またはプロト
プラスト;コムギの場合には、芽生え、カルスまたは培
養細胞;キャベツ、ブロッコリーの場合には、芽生え、
カルス、培養細胞またはプロトプラスト;ニンジンの場
合には、芽生え、カルス、培養細胞またはプロトプラス
ト等と言ったように、当業者が通常行うように、対象植
物によって適宜好ましい部位を選択して行えばよい。
【0077】植物への形質転換法は常法に従って行うこ
とができ、例えば、ベクターを一度アグロバクテリウム
に導入した後に、アグロバクテリウムを植物細胞に感染
させることで、ベクターを植物に導入する方法や、エレ
クトロポーレイション法、DEAEデキストラン法、リ
ン酸カルシウム法、ポリエチレングリコール法、パーテ
ィクルガン法などを用いてベクターを細胞へ直接導入す
る方法等を挙げることができる。
とができ、例えば、ベクターを一度アグロバクテリウム
に導入した後に、アグロバクテリウムを植物細胞に感染
させることで、ベクターを植物に導入する方法や、エレ
クトロポーレイション法、DEAEデキストラン法、リ
ン酸カルシウム法、ポリエチレングリコール法、パーテ
ィクルガン法などを用いてベクターを細胞へ直接導入す
る方法等を挙げることができる。
【0078】例えば、ナタネの場合に好ましい遺伝子導
入法としては、下記に記載された方法が挙げられる。ス
クロース等の糖類を炭素源として含んだ MS培地で無菌
発芽させたナタネ品種の下胚軸を2,4−ジクロロフェ
ノキシ酢酸、及びスクロースを含むB5培地上で前培養
する。YEB培地で増殖させたアグロバクテリウムを遠心
により集菌し、スクロースを含んだMS培地に再懸濁を行
う。この懸濁液に、先のナタネ下胚軸を加え振とうさせ
た後、取り出した下胚軸を元の前培養培地に戻し3日間
共存培養した後、ゼアチン、ベンジルアミノプリン等の
植物ホルモン、カルベニシリン、及びカナマイシンを含
む選択培地に移して選抜を行う。 これにより、得られ
た緑色の再生芽を、ベンジルアミノプリン等の植物ホル
モンを任意に含んだ伸長培地、引き続いてナフタレン酢
酸、ベンジルアミノプリン等の植物ホルモンを任意に含
んだ発根培地で培養することで再生個体を得ることがで
き、この個体をcms系統の個体と交配することによ
り、稔性が回復されたF1雑種を得ることができる。
入法としては、下記に記載された方法が挙げられる。ス
クロース等の糖類を炭素源として含んだ MS培地で無菌
発芽させたナタネ品種の下胚軸を2,4−ジクロロフェ
ノキシ酢酸、及びスクロースを含むB5培地上で前培養
する。YEB培地で増殖させたアグロバクテリウムを遠心
により集菌し、スクロースを含んだMS培地に再懸濁を行
う。この懸濁液に、先のナタネ下胚軸を加え振とうさせ
た後、取り出した下胚軸を元の前培養培地に戻し3日間
共存培養した後、ゼアチン、ベンジルアミノプリン等の
植物ホルモン、カルベニシリン、及びカナマイシンを含
む選択培地に移して選抜を行う。 これにより、得られ
た緑色の再生芽を、ベンジルアミノプリン等の植物ホル
モンを任意に含んだ伸長培地、引き続いてナフタレン酢
酸、ベンジルアミノプリン等の植物ホルモンを任意に含
んだ発根培地で培養することで再生個体を得ることがで
き、この個体をcms系統の個体と交配することによ
り、稔性が回復されたF1雑種を得ることができる。
【0079】このように植物に本発明のDNAを導入す
ることにより、細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回
復することが可能になる。尚、上記再生個体は、cms
系統のナタネと交配し、その子孫の稔性を調査すること
で、発現の確認ができるが、cms細胞質を持つナタネ
を原料として形質転換を行った場合には、上記のように
根を形成した形質転換体(再生個体)を通常の肥料を含
む土壌に移し開花させることで、稔性を調査でき、時間
的にも操作的にも簡便で好ましい。また、上記形質転換
において、用いる細胞としてcms細胞質を有するナタ
ネの細胞又は組織、好ましくは胚軸、子葉、葉、花粉、
培養細胞、カルス、プロトプラストを利用して上述のよ
うに形質転換を行った場合には、上記の方法で得られる
植物体(再生個体)を通常の肥料を含む土壌に移し開花
させることで、稔性が回復された植物個体を得ることが
できる。すなわち、cms細胞を用い、該cms細胞に
上述の遺伝子導入法で本発明のDNAを導入し、該DN
Aが核に組み込まれている細胞をカナマイシン等の抗生
物質耐性あるいは除草剤耐性選抜マーカーを指標にして
選抜した後、前述のような伸長培地及び発根培地で培養
することにより該DNAが核に組み込まれた植物体を得
ることができる。この植物体は、不稔形質が回復され可
稔となる。さらに、cms細胞質を有し、かつ、本発明
のDNAを有する細胞に、さらに誘導型プロモーターと
共に本発明の遺伝子の一部又は全部を導入することで、
本発明のDNAの発現を特異的にしかも一時的に制御す
ることで、ハイブリッド種子生産に必要な雄性不稔性維
持系統(維持系統)を必要としない新しいハイブリッド
種子生産システムを作ることができる。すなわち、通
常、cms系統のナタネは不稔であるため、cms系統
を増殖、維持するためには、別途、cms及びRfが関
与していない維持系統というものが必要であり、従来、
ハイブリッド種子の生産のためにはRf系統、cms系
統、維持系統という3つの系統の植物を必要としたが、
本発明により、Rf遺伝子が単離・同定されたため、ハ
イブリッド生産の際に、化学物質によるプロモーターの
誘導を行い、回復遺伝子の発現を制御すると言う方法を
用いることにより、維持系統が無くとも増殖、維持が可
能となるcms系統が構築できる。具体的には、外部か
ら誘導するプロモーター、例えば、薬剤感受性のあるプ
ロモーターを有するベクターに、本発明の遺伝子の一部
または全長をアンチセンスあるいはセンスの向きで組み
込み、該ベクターを用いて、cms細胞質を有し、か
つ、本発明のDNAを有する細胞を形質転換する。cm
s細胞質を有し、かつ、本発明のDNAを有する細胞と
しては、上述の方法に従い、cms細胞質を有する細胞
を本発明のDNAで形質転換したものだけでなく、cm
s系統とRf系等を交配して得られたものでもよい。上
述の誘導可能なプロモーターとしては、例えば、特開平
6−46697で知られており、ベクターの作成及び形
質転換の方法としては上述と同様の手法が挙げられる。
上記方法により得られるcms細胞質を有し、かつ、本
発明のDNAを有する細胞であって、さらに誘導型プロ
モーターと共に本発明のDNAの一部又は全部が組み込
まれた形質転換体は、通常、プロモーターが誘導されて
いないため、元々存在するRf遺伝子により植物は可稔
性を示し、該系統の維持も自家受粉により行うことがで
きるが、ハイブリッド生産の際には、この植物にプロモ
ーターを誘導させる能力を有する化学物質を作用させ、
プロモーターが誘導されることによりRf遺伝子の発現
が阻害される。これにより、その植物は雄性不稔となる
ため、ハイブリッド種子生産時にcms系統として使用
することができる。従って、この方法を用いることで、
cms系統であっても増殖、維持が自家受粉で行えるこ
とになるので、従来はハイブリッド種子の生産のために
3つの系統が必要であったものが、維持系統は必要なく
なり、生産コストを大幅に減少させることが可能にな
る。以下、実施例について更に詳しく説明するが、本発
明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。
ることにより、細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回
復することが可能になる。尚、上記再生個体は、cms
系統のナタネと交配し、その子孫の稔性を調査すること
で、発現の確認ができるが、cms細胞質を持つナタネ
を原料として形質転換を行った場合には、上記のように
根を形成した形質転換体(再生個体)を通常の肥料を含
む土壌に移し開花させることで、稔性を調査でき、時間
的にも操作的にも簡便で好ましい。また、上記形質転換
において、用いる細胞としてcms細胞質を有するナタ
ネの細胞又は組織、好ましくは胚軸、子葉、葉、花粉、
培養細胞、カルス、プロトプラストを利用して上述のよ
うに形質転換を行った場合には、上記の方法で得られる
植物体(再生個体)を通常の肥料を含む土壌に移し開花
させることで、稔性が回復された植物個体を得ることが
できる。すなわち、cms細胞を用い、該cms細胞に
上述の遺伝子導入法で本発明のDNAを導入し、該DN
Aが核に組み込まれている細胞をカナマイシン等の抗生
物質耐性あるいは除草剤耐性選抜マーカーを指標にして
選抜した後、前述のような伸長培地及び発根培地で培養
することにより該DNAが核に組み込まれた植物体を得
ることができる。この植物体は、不稔形質が回復され可
稔となる。さらに、cms細胞質を有し、かつ、本発明
のDNAを有する細胞に、さらに誘導型プロモーターと
共に本発明の遺伝子の一部又は全部を導入することで、
本発明のDNAの発現を特異的にしかも一時的に制御す
ることで、ハイブリッド種子生産に必要な雄性不稔性維
持系統(維持系統)を必要としない新しいハイブリッド
種子生産システムを作ることができる。すなわち、通
常、cms系統のナタネは不稔であるため、cms系統
を増殖、維持するためには、別途、cms及びRfが関
与していない維持系統というものが必要であり、従来、
ハイブリッド種子の生産のためにはRf系統、cms系
統、維持系統という3つの系統の植物を必要としたが、
本発明により、Rf遺伝子が単離・同定されたため、ハ
イブリッド生産の際に、化学物質によるプロモーターの
誘導を行い、回復遺伝子の発現を制御すると言う方法を
用いることにより、維持系統が無くとも増殖、維持が可
能となるcms系統が構築できる。具体的には、外部か
ら誘導するプロモーター、例えば、薬剤感受性のあるプ
ロモーターを有するベクターに、本発明の遺伝子の一部
または全長をアンチセンスあるいはセンスの向きで組み
込み、該ベクターを用いて、cms細胞質を有し、か
つ、本発明のDNAを有する細胞を形質転換する。cm
s細胞質を有し、かつ、本発明のDNAを有する細胞と
しては、上述の方法に従い、cms細胞質を有する細胞
を本発明のDNAで形質転換したものだけでなく、cm
s系統とRf系等を交配して得られたものでもよい。上
述の誘導可能なプロモーターとしては、例えば、特開平
6−46697で知られており、ベクターの作成及び形
質転換の方法としては上述と同様の手法が挙げられる。
上記方法により得られるcms細胞質を有し、かつ、本
発明のDNAを有する細胞であって、さらに誘導型プロ
モーターと共に本発明のDNAの一部又は全部が組み込
まれた形質転換体は、通常、プロモーターが誘導されて
いないため、元々存在するRf遺伝子により植物は可稔
性を示し、該系統の維持も自家受粉により行うことがで
きるが、ハイブリッド生産の際には、この植物にプロモ
ーターを誘導させる能力を有する化学物質を作用させ、
プロモーターが誘導されることによりRf遺伝子の発現
が阻害される。これにより、その植物は雄性不稔となる
ため、ハイブリッド種子生産時にcms系統として使用
することができる。従って、この方法を用いることで、
cms系統であっても増殖、維持が自家受粉で行えるこ
とになるので、従来はハイブリッド種子の生産のために
3つの系統が必要であったものが、維持系統は必要なく
なり、生産コストを大幅に減少させることが可能にな
る。以下、実施例について更に詳しく説明するが、本発
明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【0080】
【実施例】実施例1:細胞質雄性不稔回復遺伝子に連鎖
するDNAマーカーの単離とゲノム地図の作製 稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)を単離するために、ま
ず、Rf遺伝子の近傍に位置するDNAマーカーを単離
し、このDNAマーカーとRf遺伝子の遺伝距離の関係
を示したゲノムの地図を作製する必要がある。それの出
発点としてRf領域のポジショナルクローニングを行っ
た。
するDNAマーカーの単離とゲノム地図の作製 稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)を単離するために、ま
ず、Rf遺伝子の近傍に位置するDNAマーカーを単離
し、このDNAマーカーとRf遺伝子の遺伝距離の関係
を示したゲノムの地図を作製する必要がある。それの出
発点としてRf領域のポジショナルクローニングを行っ
た。
【0081】DNAマーカー単離法には、AFLP(Am
plified fragment length polymorphism)法(Nucleic A
cids Research, 1995, Vol.23, No.21 4407-4414)に準
じた、GIBCO BRL社のAFLP Analys
is System I AFLP Starter
Primer Kitに従ってAFLPを行った。マー
カーとの遺伝距離を測定する材料として、cms系統コ
セナダイコン(Raphanus sativus cv. Kosena)の1個体
((KC2/KA1)-1)とRf系統である園紅ダイコ
ン(Raphanus sativus cv. Yuanhong)の1個体(Yua
n10−3)とをN. Koizuka, et al. Theor Appl Gene
t, 100:949-955 2000に記載の方法に準じ、交配したダ
イコンF1世代8個体を自家受粉して得られた約210
0個体のF2集団を用いた。その結果、Rf遺伝子を挟
むような形で、両側にそれぞれ0.2cM程度の遺伝距離で
離れた位置に連鎖するマーカーを5つ単離した。各DN
AマーカーとRf遺伝子の遺伝的距離を示したゲノムの
地図を図1に示す。
plified fragment length polymorphism)法(Nucleic A
cids Research, 1995, Vol.23, No.21 4407-4414)に準
じた、GIBCO BRL社のAFLP Analys
is System I AFLP Starter
Primer Kitに従ってAFLPを行った。マー
カーとの遺伝距離を測定する材料として、cms系統コ
セナダイコン(Raphanus sativus cv. Kosena)の1個体
((KC2/KA1)-1)とRf系統である園紅ダイコ
ン(Raphanus sativus cv. Yuanhong)の1個体(Yua
n10−3)とをN. Koizuka, et al. Theor Appl Gene
t, 100:949-955 2000に記載の方法に準じ、交配したダ
イコンF1世代8個体を自家受粉して得られた約210
0個体のF2集団を用いた。その結果、Rf遺伝子を挟
むような形で、両側にそれぞれ0.2cM程度の遺伝距離で
離れた位置に連鎖するマーカーを5つ単離した。各DN
AマーカーとRf遺伝子の遺伝的距離を示したゲノムの
地図を図1に示す。
【0082】実施例2:ゲノム地図を基にしたコンティ
グの作製とRf遺伝子の解析 ゲノム地図作成に続いてはその位置に対応するゲノムD
NAをクローン化し、Rf遺伝子を挟むDNA マーカ
ー間を繋ぐ事が必要になる。ここで、DNAマーカーと
Rf遺伝子との距離が離れているため、ゲノムDNA断
片を持つクローンを複数個繋げる事によって、DNAマ
ーカーからRf遺伝子領域をカバーするコンティグを作
製した。
グの作製とRf遺伝子の解析 ゲノム地図作成に続いてはその位置に対応するゲノムD
NAをクローン化し、Rf遺伝子を挟むDNA マーカ
ー間を繋ぐ事が必要になる。ここで、DNAマーカーと
Rf遺伝子との距離が離れているため、ゲノムDNA断
片を持つクローンを複数個繋げる事によって、DNAマ
ーカーからRf遺伝子領域をカバーするコンティグを作
製した。
【0083】ゲノムDNA断片をもつクローンの集合体
をゲノミックライブラリーといい、我々は2種類のライ
ブラリーを作製した。DNA供与体として、F2集団を
作製した時に利用した親と同じ園紅ダイコンより、常法
に従い、CTAB法(Murray, M.G. and Thompson, W. F.
(1980) Nucleic Acids Res., 8, 4321)によりゲノムD
NAを調製した。ライブラリーは、ラムダベクターとし
てλDASHIIベクター(STRATAGENE社製)を用いて、平均
長20kb、集団数1.5×105個のラムダファージライブラリ
ーを作製した。また、コスミドベクターとしてpWEB::TN
Cベクター(EPICENTRE TECHNOLOGIES社製)を用いて、平
均長40kb、集団数5.5×104個のコスミドライブラリーを
作製した。
をゲノミックライブラリーといい、我々は2種類のライ
ブラリーを作製した。DNA供与体として、F2集団を
作製した時に利用した親と同じ園紅ダイコンより、常法
に従い、CTAB法(Murray, M.G. and Thompson, W. F.
(1980) Nucleic Acids Res., 8, 4321)によりゲノムD
NAを調製した。ライブラリーは、ラムダベクターとし
てλDASHIIベクター(STRATAGENE社製)を用いて、平均
長20kb、集団数1.5×105個のラムダファージライブラリ
ーを作製した。また、コスミドベクターとしてpWEB::TN
Cベクター(EPICENTRE TECHNOLOGIES社製)を用いて、平
均長40kb、集団数5.5×104個のコスミドライブラリーを
作製した。
【0084】コンティグの作製は最初に、Rf遺伝子の
両側に位置するDNAマーカーを指標に、上記で作製し
たラムダファージライブラリーから、プラークハイブリ
ダイエーション法を用いて、ラムダクローンを単離し
た。またコスミドライブラリーから、コロニーハイブリ
ダイゼーション法を用いてコスミドクローンを単離し、
図1に示すような両端のDNAマーカー間をカーバーす
るコンティグを完成した。コンティグの一部を成すコス
ミドクローンNIT7/2とTO3-2は常法により、塩基配列を
決定した。
両側に位置するDNAマーカーを指標に、上記で作製し
たラムダファージライブラリーから、プラークハイブリ
ダイエーション法を用いて、ラムダクローンを単離し
た。またコスミドライブラリーから、コロニーハイブリ
ダイゼーション法を用いてコスミドクローンを単離し、
図1に示すような両端のDNAマーカー間をカーバーす
るコンティグを完成した。コンティグの一部を成すコス
ミドクローンNIT7/2とTO3-2は常法により、塩基配列を
決定した。
【0085】続いて、上記コンティグの一部を成すコス
ミドクローンNIT7/2とTO3-2の塩基配列を、「Genscan」
(三菱スペースソフトウエア社製)を用いて、ダイコン
とゲノムDNA 配列が似通っており、最近全ゲノム配
列が決定されたシロイヌナズナに対するパラメーターを
加味して解析した。その結果、Rf遺伝子を発現すると
思われるプロモーター部分とイントロンを含んだ構造遺
伝子部分とターミネーター部分を発見した。さらに、イ
ントロンが除かれたタンパク質に翻訳される形の遺伝子
とその遺伝子に対するアミノ酸配列を得た。この様に得
られたプロモーター部分とイントロンを含んだ構造遺伝
子部分とターミネーター部分は、上述のゲノムの地図と
DNAマーカーの関係やDNAマーカーとコンティグの
関係から、その存在する位置的に考えて、Rf遺伝子そ
の物だと言える。
ミドクローンNIT7/2とTO3-2の塩基配列を、「Genscan」
(三菱スペースソフトウエア社製)を用いて、ダイコン
とゲノムDNA 配列が似通っており、最近全ゲノム配
列が決定されたシロイヌナズナに対するパラメーターを
加味して解析した。その結果、Rf遺伝子を発現すると
思われるプロモーター部分とイントロンを含んだ構造遺
伝子部分とターミネーター部分を発見した。さらに、イ
ントロンが除かれたタンパク質に翻訳される形の遺伝子
とその遺伝子に対するアミノ酸配列を得た。この様に得
られたプロモーター部分とイントロンを含んだ構造遺伝
子部分とターミネーター部分は、上述のゲノムの地図と
DNAマーカーの関係やDNAマーカーとコンティグの
関係から、その存在する位置的に考えて、Rf遺伝子そ
の物だと言える。
【0086】実施例3:ゲノミックDNA領域のサブク
ローニング 「Genscan」で推定されたプロモーターからターミネー
ターを十分に含む、配列番号1に記載された1から64
59塩基までのSwaI断片(6459bp)を、フラグメント回収
用アガロース(FMC社製)を用いたゲル電気泳動によりベ
クターと分離した。DNA断片を含むゲルをゲル分解酵
素(Epicentre Technologies社製)により消化してDNA
を回収した。Taq DNA polymerase(宝酒造社製)を
用いて3'末端にdAを付加し、pGEM-T easyベクター(Prom
ega社製)にサブクローニングして、cds7/pGEM-Teasyを
得た。以下、詳細に記述する。
ローニング 「Genscan」で推定されたプロモーターからターミネー
ターを十分に含む、配列番号1に記載された1から64
59塩基までのSwaI断片(6459bp)を、フラグメント回収
用アガロース(FMC社製)を用いたゲル電気泳動によりベ
クターと分離した。DNA断片を含むゲルをゲル分解酵
素(Epicentre Technologies社製)により消化してDNA
を回収した。Taq DNA polymerase(宝酒造社製)を
用いて3'末端にdAを付加し、pGEM-T easyベクター(Prom
ega社製)にサブクローニングして、cds7/pGEM-Teasyを
得た。以下、詳細に記述する。
【0087】100μlの1×H制限酵素緩衝液(50mM Tris-H
Cl(pH7.5), 10mM MgCl2, 1mM Dithiothreitol, 100mM N
aCl)中に、1μg のNIT7/2コスミドDNAと10 unitの制
限酵素SwaI(宝酒造社製)を加え、25℃にて1時間加温
した。加温後、11μlの10×loading緩衝液(1% SDS, 50%
Glycetrol, 0.05% Bromophenol Blue)を加えた。
Cl(pH7.5), 10mM MgCl2, 1mM Dithiothreitol, 100mM N
aCl)中に、1μg のNIT7/2コスミドDNAと10 unitの制
限酵素SwaI(宝酒造社製)を加え、25℃にて1時間加温
した。加温後、11μlの10×loading緩衝液(1% SDS, 50%
Glycetrol, 0.05% Bromophenol Blue)を加えた。
【0088】1.2gの低融点アガロースSeaPlaqueGTG aga
rose(FMC社製)と、150ml の1×TAE(40mM Tris-acetat
e, 1mM EDTA) 緩衝液を混和後、100℃に加熱してアガロ
ースを溶かし、45℃まで攪拌しながら冷却した。14×15
cmのゲルトレイに30mm幅×1mm厚のコームを設置し、冷
却したゲルを流し込み固めた。ゲルコームにloadingDye
を加えたDNAを流し込み、1×TAE、30V/30cmの電圧で1
8時間電気泳動した。
rose(FMC社製)と、150ml の1×TAE(40mM Tris-acetat
e, 1mM EDTA) 緩衝液を混和後、100℃に加熱してアガロ
ースを溶かし、45℃まで攪拌しながら冷却した。14×15
cmのゲルトレイに30mm幅×1mm厚のコームを設置し、冷
却したゲルを流し込み固めた。ゲルコームにloadingDye
を加えたDNAを流し込み、1×TAE、30V/30cmの電圧で1
8時間電気泳動した。
【0089】電気泳動したゲルを、0.5μg/mlエチジウ
ムブロミド/1×TAE溶液に移し、30分染色した。ゲルを
365nmの長波紫外線を放射したトランスイルミネーター
の上に乗せ、目的の4126bpの断片を、滅菌したメスを用
いて切り出した。さらにゲルを約1mm角の断片になるよ
うに刻み、あらかじめ秤量した2mlのマイクロチューブ
に移し、ゲルの重さを秤量した。
ムブロミド/1×TAE溶液に移し、30分染色した。ゲルを
365nmの長波紫外線を放射したトランスイルミネーター
の上に乗せ、目的の4126bpの断片を、滅菌したメスを用
いて切り出した。さらにゲルを約1mm角の断片になるよ
うに刻み、あらかじめ秤量した2mlのマイクロチューブ
に移し、ゲルの重さを秤量した。
【0090】ゲルの重さ50mgに対して1μl の50×GELas
e Buffer(2M Bis-Tris(pH6.0), 2MNaCl )を加えた。ゲ
ルの入ったチューブを68℃に加温したドライヒートブロ
ックに入れ、時々チューブを上下にしながら攪拌し、10
分間加温して、ゲルを完全に溶かした。このチューブを
45℃のドライヒートブロックに移し、時々チューブを上
下にしながら攪拌し、5分間加温した。このチューブ
に、ゲルの重さ200mgに対して1unitのGELase (Epicentr
e Technologies社製)を加えて45℃のドライヒートブロ
ックで、時々チューブを上下にしながら攪拌し、30分間
加温した。
e Buffer(2M Bis-Tris(pH6.0), 2MNaCl )を加えた。ゲ
ルの入ったチューブを68℃に加温したドライヒートブロ
ックに入れ、時々チューブを上下にしながら攪拌し、10
分間加温して、ゲルを完全に溶かした。このチューブを
45℃のドライヒートブロックに移し、時々チューブを上
下にしながら攪拌し、5分間加温した。このチューブ
に、ゲルの重さ200mgに対して1unitのGELase (Epicentr
e Technologies社製)を加えて45℃のドライヒートブロ
ックで、時々チューブを上下にしながら攪拌し、30分間
加温した。
【0091】ゲル容積に対して、1/3容量の10M 酢酸ア
ンモニウム(pH7.0)を加え攪拌し、15000rpm, 5分間遠心
した。上精を新しい2mlのマイクロチューブに移し、上
精に対して2容量のエタノールを加えた。チューブを攪
拌後、15000rpm、4℃で20分間遠心した。上精を除き、
さらに1mlの70%エタノールを静かに加え、15000rpm、4℃
で5分間遠心した。上精を除き、遠心真空乾燥機を用い
て、沈殿を5分間乾燥させた。沈殿に20μl のTE緩衝液
(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)を加え、完全に溶か
した。
ンモニウム(pH7.0)を加え攪拌し、15000rpm, 5分間遠心
した。上精を新しい2mlのマイクロチューブに移し、上
精に対して2容量のエタノールを加えた。チューブを攪
拌後、15000rpm、4℃で20分間遠心した。上精を除き、
さらに1mlの70%エタノールを静かに加え、15000rpm、4℃
で5分間遠心した。上精を除き、遠心真空乾燥機を用い
て、沈殿を5分間乾燥させた。沈殿に20μl のTE緩衝液
(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)を加え、完全に溶か
した。
【0092】回収した20μlのDNA溶液に、55μlの滅
菌水、10μlの10×PCR 緩衝液(100mM Tris-HCl(pH8.3),
500mM KCl) 、6μlの25mM MgCl2、8μlの2.5mM dNTP m
ix、1μlの5 unit/μl のrTaq DNA polymerase(宝
酒造社製)を加えて混和後、72℃で30分間加温して、3'
末端にdAを付加した。
菌水、10μlの10×PCR 緩衝液(100mM Tris-HCl(pH8.3),
500mM KCl) 、6μlの25mM MgCl2、8μlの2.5mM dNTP m
ix、1μlの5 unit/μl のrTaq DNA polymerase(宝
酒造社製)を加えて混和後、72℃で30分間加温して、3'
末端にdAを付加した。
【0093】限外ろ過フィルターユニット:Microcon-50
(ミリポア社製)に、上記反応液を移し、5000rpm、4℃
で20分間遠心した。トラップの水を捨て、再度100μlの
滅菌水を加えて、5000rpm、4℃で20分間遠心した。フィ
ルターユニットを取り外し、向きを逆さにして新しいマ
イクロチューブに装着した。3000rpm、4℃、5分間遠心し
て、フィルターユニットのDNA を回収した。
(ミリポア社製)に、上記反応液を移し、5000rpm、4℃
で20分間遠心した。トラップの水を捨て、再度100μlの
滅菌水を加えて、5000rpm、4℃で20分間遠心した。フィ
ルターユニットを取り外し、向きを逆さにして新しいマ
イクロチューブに装着した。3000rpm、4℃、5分間遠心し
て、フィルターユニットのDNA を回収した。
【0094】5μlの精製されたクローニング断片、1μl
の50ng/μl pGEM-T easyベクター(Promega社製)、6
μl のDNA Ligation Kit Ver.2(宝酒造社製)のI溶液
を混和後、16℃で30分間インキュベートした。
の50ng/μl pGEM-T easyベクター(Promega社製)、6
μl のDNA Ligation Kit Ver.2(宝酒造社製)のI溶液
を混和後、16℃で30分間インキュベートした。
【0095】限外ろ過フィルターユニット:Microcon-50
(ミリポア社製)に、上記反応液を100μlの滅菌水とと
もに移し、5000rpm、4℃で20分間遠心した。トラップの
水を捨て、再度100μlの滅菌水を加えて、5000rpm、4℃
で20分間遠心した。フィルターユニットを取り外し、向
きを逆さにして新しいマイクロチューブに装着した。30
00rpm、4℃、5分間遠心して、フィルターユニットのDN
A を回収した。
(ミリポア社製)に、上記反応液を100μlの滅菌水とと
もに移し、5000rpm、4℃で20分間遠心した。トラップの
水を捨て、再度100μlの滅菌水を加えて、5000rpm、4℃
で20分間遠心した。フィルターユニットを取り外し、向
きを逆さにして新しいマイクロチューブに装着した。30
00rpm、4℃、5分間遠心して、フィルターユニットのDN
A を回収した。
【0096】回収したDNAをチューブごと氷上に立て
冷却した。30μlのエレクトロポレーション用大腸菌DH1
0B(Gibco BRL社製)をチューブに入れ、軽く混ぜた。
予め氷上で冷やしたエレクトロポレーション用(電極間
隔1mm)キュベット(USA Scientific Plastics社製)に、
DNA と混和した大腸菌を移した。Electro Cell Mani
pulator 600(BTX社製)を用いて、1.25kv、129Ω、50μF
の条件でエレクトロポレーションを行い、その後直ちに
37℃に温めた500μlのSOC培地(Gibco BRL社製)をキュベ
ットに加えた。大腸菌を10mlの培養チューブに移し、37
℃で1時間振とう培養した。100μg/mlのAmpiciline(和
光純薬社製)、20μg/mlのX-Gal(宝酒造社製)、1mMのIPT
G(宝酒造社製)を加えたLB寒天培地(1%Bacto-Tryptone,
0.5%Bacto-Yeast Extract, 1%NaCl, 1.5% Bacto-Agar)
に、培養した大腸菌を拡げ、18時間以上37℃で培養した
冷却した。30μlのエレクトロポレーション用大腸菌DH1
0B(Gibco BRL社製)をチューブに入れ、軽く混ぜた。
予め氷上で冷やしたエレクトロポレーション用(電極間
隔1mm)キュベット(USA Scientific Plastics社製)に、
DNA と混和した大腸菌を移した。Electro Cell Mani
pulator 600(BTX社製)を用いて、1.25kv、129Ω、50μF
の条件でエレクトロポレーションを行い、その後直ちに
37℃に温めた500μlのSOC培地(Gibco BRL社製)をキュベ
ットに加えた。大腸菌を10mlの培養チューブに移し、37
℃で1時間振とう培養した。100μg/mlのAmpiciline(和
光純薬社製)、20μg/mlのX-Gal(宝酒造社製)、1mMのIPT
G(宝酒造社製)を加えたLB寒天培地(1%Bacto-Tryptone,
0.5%Bacto-Yeast Extract, 1%NaCl, 1.5% Bacto-Agar)
に、培養した大腸菌を拡げ、18時間以上37℃で培養した
【0097】寒天培地上に現れた白いコロニーを、100
μg/mlのAmpiciIlinを加えた2ml のLB培地にて、37℃で
18時間以上培養した。培養した大腸菌から、定法により
プラスミドDNAを抽出した。プラスミドDNAに目的
の断片がクローニングされていることを制限酵素EcoRI
(宝酒造社製)で切断して確認し、cds7/pGEM-T easyとし
た。
μg/mlのAmpiciIlinを加えた2ml のLB培地にて、37℃で
18時間以上培養した。培養した大腸菌から、定法により
プラスミドDNAを抽出した。プラスミドDNAに目的
の断片がクローニングされていることを制限酵素EcoRI
(宝酒造社製)で切断して確認し、cds7/pGEM-T easyとし
た。
【0098】cds7/pGEM-T easyを保持した大腸菌DH10B
を、100μg/mlのAmpiciIlinを加えた100mlのLB 培地に
て、37℃で18時間培養した。アルカリSDS法により、Qia
gen Midiキット(キアゲン社製)を用いて精製した。
を、100μg/mlのAmpiciIlinを加えた100mlのLB 培地に
て、37℃で18時間培養した。アルカリSDS法により、Qia
gen Midiキット(キアゲン社製)を用いて精製した。
【0099】実施例4:植物形質転換用ベクターの作製 cds7/pGEM-Teasyを制限酵素EcoRIで切断後、フラグメン
ト回収用アガロースを用いたゲル電気泳動によりベクタ
ーと分離し、回収されたDNA断片を植物形質転換用ベ
クターpKM424のEcoRI部位にクローニングして、植物形
質転換用ベクターcds7/pKM424とした。以下に詳細を示
す。
ト回収用アガロースを用いたゲル電気泳動によりベクタ
ーと分離し、回収されたDNA断片を植物形質転換用ベ
クターpKM424のEcoRI部位にクローニングして、植物形
質転換用ベクターcds7/pKM424とした。以下に詳細を示
す。
【0100】100μlの1×H制限酵素緩衝液(50mM Tris-H
Cl(pH7.5), 10mM MgCl2, 1mM Dithiothreitol, 100mM N
aCl)中に、1μg のcds7/pGEM-T easy DNAと10 unit
の制限酵素EcoRI(宝酒造社製)を加え、37℃にて1時間
加温した。以下、上記のSwaI断片を取り出した同様の方
法で、cds7/pGEM-T easyからcds7を含むEcoRI断片を分
離回収した。
Cl(pH7.5), 10mM MgCl2, 1mM Dithiothreitol, 100mM N
aCl)中に、1μg のcds7/pGEM-T easy DNAと10 unit
の制限酵素EcoRI(宝酒造社製)を加え、37℃にて1時間
加温した。以下、上記のSwaI断片を取り出した同様の方
法で、cds7/pGEM-T easyからcds7を含むEcoRI断片を分
離回収した。
【0101】100μlの1×H制限酵素緩衝液(50mM Tris-H
Cl(pH7.5), 10mM MgCl2, 1mM Dithiothreitol, 100mM N
aCl)中に、1μgの植物形質転換用ベクターpKM424と10 u
nitの制限酵素EcoRI(宝酒造社製)を加え、37℃にて1
時間加温した。加温後、100μl の1M Tris-HCl(pH8.0)
と、1 unitのBacterial Alkaline Phosphatase(宝酒造
社製)を加えて混和後、50℃で1時間加温して脱リン酸化
した。
Cl(pH7.5), 10mM MgCl2, 1mM Dithiothreitol, 100mM N
aCl)中に、1μgの植物形質転換用ベクターpKM424と10 u
nitの制限酵素EcoRI(宝酒造社製)を加え、37℃にて1
時間加温した。加温後、100μl の1M Tris-HCl(pH8.0)
と、1 unitのBacterial Alkaline Phosphatase(宝酒造
社製)を加えて混和後、50℃で1時間加温して脱リン酸化
した。
【0102】200μlのTE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0),
1mM EDTA)で飽和したフェノール・クロロホルムを加
え、激しく攪拌した。15000rpm、 5分間遠心後、上精を
新しいチューブに移す。同様の操作をもう一度繰り返
し、タンパク質を取り除いた。20μlの3M酢酸ナトリウ
ム(pH5.6)と500μlのエタノールを加えて攪拌後、-80℃
にて5分間冷却して、15000rpm、4℃で15分間遠心した。
上精を除き、さらに1mlの70%エタノールを静かに加え、
15000rpm、4℃で5分間遠心した。上精を除き、遠心真空
乾燥機を用いて、沈殿を5分間乾燥させた。沈殿に100μ
lのTE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)を加
え、完全に溶かし、10ng/μlの濃度とした。
1mM EDTA)で飽和したフェノール・クロロホルムを加
え、激しく攪拌した。15000rpm、 5分間遠心後、上精を
新しいチューブに移す。同様の操作をもう一度繰り返
し、タンパク質を取り除いた。20μlの3M酢酸ナトリウ
ム(pH5.6)と500μlのエタノールを加えて攪拌後、-80℃
にて5分間冷却して、15000rpm、4℃で15分間遠心した。
上精を除き、さらに1mlの70%エタノールを静かに加え、
15000rpm、4℃で5分間遠心した。上精を除き、遠心真空
乾燥機を用いて、沈殿を5分間乾燥させた。沈殿に100μ
lのTE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0), 1mM EDTA)を加
え、完全に溶かし、10ng/μlの濃度とした。
【0103】10μlの精製されたEcoRI断片、1μlの脱リ
ン酸化されたpKM424ベクター、11μl のDNA Ligatio
n Kit Ver.2(宝酒造社製)I溶液を混和後、16℃で30分間
インキュベートした。
ン酸化されたpKM424ベクター、11μl のDNA Ligatio
n Kit Ver.2(宝酒造社製)I溶液を混和後、16℃で30分間
インキュベートした。
【0104】限外ろ過フィルターユニット:Microcon-50
(ミリポア社製)に、上記反応液を100μlの滅菌水とと
もに移し、5000rpm、4℃で20分間遠心した。トラップの
水を捨て、再度100μlの滅菌水を加えて、5000rpm、4℃
で20分間遠心した。フィルターユニットを取り外し、向
きを逆さにして新しいマイクロチューブに装着した。30
00rpm、4℃、5分間遠心して、フィルターユニットのDN
A を回収した。
(ミリポア社製)に、上記反応液を100μlの滅菌水とと
もに移し、5000rpm、4℃で20分間遠心した。トラップの
水を捨て、再度100μlの滅菌水を加えて、5000rpm、4℃
で20分間遠心した。フィルターユニットを取り外し、向
きを逆さにして新しいマイクロチューブに装着した。30
00rpm、4℃、5分間遠心して、フィルターユニットのDN
A を回収した。
【0105】回収したDNAをチューブごと氷上に立て
冷却した。30μlのエレクトロポレーション用大腸菌DH1
0B(Gibco BRL社製)をチューブに入れ、軽く混ぜた。
予め氷上で冷やしたエレクトロポレーション用(電極間
隔1mm)キュベット(USA Scientific Plastics社製)に、
DNA と混和した大腸菌を移した。Electro Cell Mani
pulator 600(BTX社製)を用いて、1.25kv、129Ω、50μF
の条件でエレクトロポレーションを行い、その後直ちに
37℃に温めた500μlのSOC培地(Gibco BRL社製)をキュベ
ットに加えた。大腸菌を10mlの培養チューブに移し、37
℃で1時間振とう培養した。50μg/mlのSpectinomycin(S
igma社製)を加えたLB寒天培地(1%Bacto-Tryptone, 0.5%
Bacto-Yeast Extract, 1%NaCl, 1.5% Bacto-Agar)に、
培養した大腸菌を拡げ、18時間以上37℃で培養した
冷却した。30μlのエレクトロポレーション用大腸菌DH1
0B(Gibco BRL社製)をチューブに入れ、軽く混ぜた。
予め氷上で冷やしたエレクトロポレーション用(電極間
隔1mm)キュベット(USA Scientific Plastics社製)に、
DNA と混和した大腸菌を移した。Electro Cell Mani
pulator 600(BTX社製)を用いて、1.25kv、129Ω、50μF
の条件でエレクトロポレーションを行い、その後直ちに
37℃に温めた500μlのSOC培地(Gibco BRL社製)をキュベ
ットに加えた。大腸菌を10mlの培養チューブに移し、37
℃で1時間振とう培養した。50μg/mlのSpectinomycin(S
igma社製)を加えたLB寒天培地(1%Bacto-Tryptone, 0.5%
Bacto-Yeast Extract, 1%NaCl, 1.5% Bacto-Agar)に、
培養した大腸菌を拡げ、18時間以上37℃で培養した
【0106】寒天培地上に現れたコロニーを、50μg/ml
のSpectinomycinを加えた2mlの LB培地にて、37℃で18
時間以上培養した。培養した大腸菌から、定法によりプ
ラスミドDNAを抽出した。プラスミドDNAに目的の
断片がクローニングされていることを制限酵素BamHI(宝
酒造社製)で切断して確認し、cds7/pKM424とした。
のSpectinomycinを加えた2mlの LB培地にて、37℃で18
時間以上培養した。培養した大腸菌から、定法によりプ
ラスミドDNAを抽出した。プラスミドDNAに目的の
断片がクローニングされていることを制限酵素BamHI(宝
酒造社製)で切断して確認し、cds7/pKM424とした。
【0107】cds7/pKM424を保持した大腸菌DH10Bを、50
μg/mlのSpectinomycinを加えた250ml のLB 培地にて、
37℃で18時間培養した。アルカリSDS法により、Qiagen
Midiキット(キアゲン社)を用いて精製した。
μg/mlのSpectinomycinを加えた250ml のLB 培地にて、
37℃で18時間培養した。アルカリSDS法により、Qiagen
Midiキット(キアゲン社)を用いて精製した。
【0108】実施例5:アグロバクテリウムへの植物形
質転換用ベクターの導入 アグロバクテリウムのコンピテントセルを調製し、得ら
れたcds7/pKM424ベクターを、調製した植物形質転換用
アグロバクテリウムEHA101に導入した。
質転換用ベクターの導入 アグロバクテリウムのコンピテントセルを調製し、得ら
れたcds7/pKM424ベクターを、調製した植物形質転換用
アグロバクテリウムEHA101に導入した。
【0109】アグロバクテリウムEHA101のエレクトロポ
レーション用コンピテントセルを以下の方法で作製し
た。アグロバクテリウムEHA101を、LB寒天培地上でスト
リークして、28℃で24時間以上培養し、シングルコロニ
ーを得た。20mlのLB培地の入った50ml遠心管に直径1mm
程度のコロニーを植菌し、28℃で40時間振とう培養し
た。40時間後、遠心管の蓋を一度開閉して、さらに4時
間同様に培養した。培養液を1500xg, 4℃で遠心して集
菌した。上精を捨てたチューブに40mlの氷冷した滅菌10
%グリセロールを入れ、菌体を再懸濁し、1500xg, 4℃で
遠心して集菌した。この操作を2回繰り返した。得られ
た菌体に氷冷した500μlの滅菌10%グリセロールを加
え、再懸濁した。滅菌したマイクロチューブに100μl
ずつ菌体を分注し、液体窒素で凍結後、-80℃フリーザ
ーに保存した。
レーション用コンピテントセルを以下の方法で作製し
た。アグロバクテリウムEHA101を、LB寒天培地上でスト
リークして、28℃で24時間以上培養し、シングルコロニ
ーを得た。20mlのLB培地の入った50ml遠心管に直径1mm
程度のコロニーを植菌し、28℃で40時間振とう培養し
た。40時間後、遠心管の蓋を一度開閉して、さらに4時
間同様に培養した。培養液を1500xg, 4℃で遠心して集
菌した。上精を捨てたチューブに40mlの氷冷した滅菌10
%グリセロールを入れ、菌体を再懸濁し、1500xg, 4℃で
遠心して集菌した。この操作を2回繰り返した。得られ
た菌体に氷冷した500μlの滅菌10%グリセロールを加
え、再懸濁した。滅菌したマイクロチューブに100μl
ずつ菌体を分注し、液体窒素で凍結後、-80℃フリーザ
ーに保存した。
【0110】アグロバクテリウムEHA101のエレクトロポ
レーション用コンピテントセルを氷水上で溶かした。予
め冷やした1.5mlチューブに40μlのエレクトロコンピ
テントセルを入れ、100ngのcds7/pKM424のプラスミドD
NAを加えて軽く混和した。予め氷上で冷やしたエレク
トロポレーション用(電極間隔1mm)キュベット(USASci
entific Plastics社製)にDNA と混和したアグロバク
テリウムを移す。Electro Cell Manipulator 600(BTX社
製)を用いて、1.44kv、129Ω、50μFの条件でエレクト
ロポレーションを行い、その後直ちに30℃に温めた500
μlのSOC培地(Gibco BRL社製)をキュベットに加えた。
アグロバクテリウムを10mlの培養チューブに移し、30℃
で1時間振とう培養する。50μg/ml Kanamycin(和光純
薬社製),25μg/ml Chloramphenicol(和光純薬社製),
50μg/ml Spectinomycin(Sigma社製), 2.5μg/ml Tetr
acycline(Sigma社製)を加えた2xLB寒天培地(2% Bacto-T
ryptone, 1% Bacto-Yeast Extract, 1%NaCl, 1.5% Bact
o-Agar)に、培養したアグロバクテリウムを拡げ、24時
間以上30℃で培養した。
レーション用コンピテントセルを氷水上で溶かした。予
め冷やした1.5mlチューブに40μlのエレクトロコンピ
テントセルを入れ、100ngのcds7/pKM424のプラスミドD
NAを加えて軽く混和した。予め氷上で冷やしたエレク
トロポレーション用(電極間隔1mm)キュベット(USASci
entific Plastics社製)にDNA と混和したアグロバク
テリウムを移す。Electro Cell Manipulator 600(BTX社
製)を用いて、1.44kv、129Ω、50μFの条件でエレクト
ロポレーションを行い、その後直ちに30℃に温めた500
μlのSOC培地(Gibco BRL社製)をキュベットに加えた。
アグロバクテリウムを10mlの培養チューブに移し、30℃
で1時間振とう培養する。50μg/ml Kanamycin(和光純
薬社製),25μg/ml Chloramphenicol(和光純薬社製),
50μg/ml Spectinomycin(Sigma社製), 2.5μg/ml Tetr
acycline(Sigma社製)を加えた2xLB寒天培地(2% Bacto-T
ryptone, 1% Bacto-Yeast Extract, 1%NaCl, 1.5% Bact
o-Agar)に、培養したアグロバクテリウムを拡げ、24時
間以上30℃で培養した。
【0111】寒天培地上に現れたコロニーを、50μg/ml
のKanamycin, 25μg/ml のChloramphenicol, 50μg/ml
の Spectinomycin, 2.5μg/ml のTetracyclineを加えた
2mlのLB培地にて、30℃で24時間以上培養する。培養し
たアグロバクテリウムから、定法によりプラスミドDN
Aを抽出し、cds7/pKM424がアグロバクテリウムに導入
されていることを制限酵素BamHI(宝酒造社製)で切断し
て確認した。確認されたクローンは、24時間培養した培
養液に滅菌80%グリセロールを等量加えて混和後、-80℃
に保存し、ナタネの形質転換に用いた。
のKanamycin, 25μg/ml のChloramphenicol, 50μg/ml
の Spectinomycin, 2.5μg/ml のTetracyclineを加えた
2mlのLB培地にて、30℃で24時間以上培養する。培養し
たアグロバクテリウムから、定法によりプラスミドDN
Aを抽出し、cds7/pKM424がアグロバクテリウムに導入
されていることを制限酵素BamHI(宝酒造社製)で切断し
て確認した。確認されたクローンは、24時間培養した培
養液に滅菌80%グリセロールを等量加えて混和後、-80℃
に保存し、ナタネの形質転換に用いた。
【0112】
【発明の効果】本発明により、Rf遺伝子、具体的に
は、ダイコン由来のRf1遺伝子が単離され、その構造
が同定された。また本発明により単離したRf遺伝子を
利用してナタネ回復系統を確立する手段を提供すること
が可能になった。
は、ダイコン由来のRf1遺伝子が単離され、その構造
が同定された。また本発明により単離したRf遺伝子を
利用してナタネ回復系統を確立する手段を提供すること
が可能になった。
【0113】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mitsubishi Chemical Corporation <120> A gene which is involved in recovery of cytoplasm male fertility f rom sterility <130> A11144MA <160> 3
【0114】 <210> 1 <211> 6459 <212> DNA <213> Raphanus sativus <400> 1 atttaaatat tttgctaata acctattggt attataatct aaaattttgt caatctcatt 60 atagatgatc taattaacta aaaggtggta aaaacaatga aataatttat aacaacattt 120 catttgtaaa agctgatata ccaaaatatt ttcattaaat tcaataaaat aaattaacat 180 attagtttaa ttgtgttttc atatatgtga agcacattca tttagacaac ataatttttc 240 atataaaatt taagattgtt tagaaatgaa atgttgaaat aaataagtga aatacatctt 300 ataataaaaa aactaaacaa ttaaatattt tttataataa aaagctaaac aattaaaaaa 360 ctaaacaatt aaagattaaa caataaataa ttgacattaa agacatctaa aatgaaatat 420 aatgaaagat ttctttaaaa aaaatacatc atatttttat tatgaaatat ataatacagt 480 tacaaaaaaa atcaataaaa tcgaaataaa atctagataa tttttcaata gaaaaatgac 540 attttctatt aattgtttag tttttctcaa taaaatcaca gccatgaaaa ctagaatttt 600 agatggatat aagatgtttt aatagaaaat agacattata ttatcttgta ttattcaaag 660 attttttaaa aactaaatta ttaaaagata atgaaatata atttaaacaa ttaaaagata 720 atgaaatatt tttttaaaaa ccaaacaata aaattgaaat ctaacctaga taatttttcc 780 cattagatta cttttaagaa atcaattttt aaattttaat aaacattttt agtatttata 840 cttttaataa ttaataaatg atatatagta tttttgtatg atattaagca ttcattttaa 900 tcatttttag tgtataaata ttacatttag gtgtcatatg tataaatttc ataaacaggg 960 gcttggaatg tacatgagcg taattgtttc ttattcttca gttgaagaaa aaatgatttt 1020 tcttcttcag ttaatttaat tgtaaaggtg gtggtgtaga aaagaatgag agagaaaaaa 1080 gaagatgaga ggaaaagaag gagagggaga tgattttcgt agatgatggt tggtggtgtg 1140 gaaaagaagg agagagaaaa agaaggaaag agaaaaagaa tgagagaggt ggtgtgacaa 1200 attaaagaat gagagatgtg atgtgacaaa ttttatttta gatatatttt aattgaaatg 1260 gcaaagatgt aaataatgaa tctaacaaag gtcccaaagg atatttagac ataagtttac 1320 atgggcaaat gcaaaaagtt gcccaattgg ctaatttaaa cttgaggtcg cccaattccc 1380 tatttcaaac ttgtgatttg cccaatttgc caattttttc ttcttttatt catcctccaa 1440 ctgatatcct gcaaaacaaa cacaccaaac cgtttatgca agcttccctg atgctacagc 1500 aaaagctgca gctcttctcc agaaacttaa aggtaagcaa cgaaatttga aaacaaaatt 1560 gttgaatgac atacccacac tcatctgcag atcctcaagc attgccactg ccctttttag 1620 ttcctcttta ctccataaac cagtcagcat attgcggata gtaatggtat caggatacac 1680 accacttgcc atcatctcct ggaaaatatc tagagcccca ttaatattac ccactttacg 1740 aaaaccatga atcaaagtga tgtaagtaat tgcgttagca actatccctc ttcgacccat 1800 ctcgcagaaa agctccagcc catcatcaac ccttcctgcc ttacagtatc cattaatgag 1860 tgtagtaaag gtcactacgt ttggagagaa gctcttgcta cccatcgaat caaacatttg 1920 tgtagcctca tctaggcggc tttgcttgca taaaccatgg atcactgagt tataggtgat 1980 agtatctggg actatacctc tgtgtggcat ctcctcgtat aattcctcgg cctctaaaaa 2040 cttcccttca ttgatcaagc cactgatcaa tatattgtaa gtttgaacat caggttccac 2100 accattaaag gggtgactag catcaatatc catcttactc ttctgcatag ccttaaacat 2160 ttccaatgca tcttttagtt tcccattatc gcagagaccg tccagcaaag tgttacaagt 2220 aacgacatta gggcacacac cactagagac catctcctgt agaaggtctt gagcagcatt 2280 aagatcgccc acctgacaga acccgtgaat aagagtggtg taagtaattg tgttagcaac 2340 taatcctgct tcagtcatct catggagaag ttttattcca tcatctaccc tcttagctct 2400 acagtatccg gctatgagag tattgaaagt gattatgtcc ggagagcagc ccttggtagc 2460 catcaaataa aacatgtgct cagcagcatc aagacgattc tgtttgcaaa atccatcgat 2520 cattgaacta tatgtgattg tactagggat tatacccctt ggaagcatct catcgtataa 2580 ttcttcagcc tcaaagaatt tgccttcctt gacaaatgca ttgatcaaag cattataagt 2640 tacaacatca gggctgatct tcttcctttc taacatttct tgcaacaact gctgggcttc 2700 actccatcta ccagagctac aaaatccatt aatcatacag ctgtaggtaa ataaattggg 2760 aaagattccc ttgtcttgca tttcactgaa aagattttga gcatcggtat gacgtccgtc 2820 tttccaaagg ccagattacc acattgggtt tgatgtggct cacctcctcc atcttcctca 2880 gaagattcaa tgcagacaca gtgtctccca tcttacacat cccatccacg attgttccat 2940 aagtaatctg gttaggctgg agaccatctt ctagcatccg atcaagcaga gctacagctt 3000 cgacaactcg accctcacgg caaagaccgt tcatcagcgt ggtgaaggtt acgacatttg 3060 gtttacacat ttgatgaaac aaatccaagg cttcagagat cctgtcttcc acacataatc 3120 cgtggagcag ggtgctgaag gtaacaacag tgggatgaaa accaagcttg gtgatcttac 3180 caaatgtaga caaagcaaac ggcagcttag agcagctgca gaaacacttc atcaggatgg 3240 tgaagctgta tgcgttacat ggaacccgcc tcatttccat cttcctatgg agagaaatca 3300 caacatcgag ccttcccatc ctcaccacaa ctcccatcaa tttacagaaa tcaattactg 3360 aaggtaaagg acgagatcgt accatatcac cgaacaaatc aatcgcatct tctaaccctt 3420 tgatttcgtg aaatccgctt cgcagcttca aactctctcc tccaaaacca ctctctccat 3480 ccctgctttt cttggccaga gcatgacgaa tcgatctcgt acagaacaat ctagccgcag 3540 acacagcagg agaagaagaa gatccggatc tataaaccct agccaacatt tttgcttcgc 3600 ctgaactttg ttcttcgtcg atctctaaaa ccactctcga ctgagtggct agtaaaccgg 3660 ttccatttga tttacaacaa ccggttcaat ttgaattata caatttccgg ttcagagttg 3720 aacccactca gcgcgtcggt cccgtcaagc taataatttc tttaaaaaaa aaaaaaattc 3780 tctcctcttt gggcagttaa caataactaa actgatcaac caatgttcca atgtaacaaa 3840 aaaaaaacat tatcctataa aagtagttaa acattaccct ataaaagtag gttgaaagat 3900 tttcaccgaa atcaagttaa atagaacgat aataccgact gattaagctg gtctgacaca 3960 ttctatgtta tagaattttc caattctgac tatgagtacc aaaagagaat aaaccaaaaa 4020 aaaaagactt tcttattcga agtaattgct ggaatgctgg attaggtaag gtcacatctt 4080 ccttttgtaa cttcactctg actctcctac aaagacatgt tcacaaatta caaaccaact 4140 cattcttgtt atgagaaatg aaagacagca aaatggagtt tcaaatgctt tgcagcaatc 4200 ttattaatct caatgcactt taggttttca catgtatcac tgaaactgct ttttcaccag 4260 gtagctacaa tttttctttg aattactaac catttcttgg tattcggcat cctaattctc 4320 atcaacaaag caatcaacaa agagcaatca acaagagcag attaatgccc tgctaataca 4380 aataccagca gaccatcctg ataccttaaa agtgctcaat aagttattgg cattaaccaa 4440 ctacctaaac tcccattttg atgttaaact acctaatctg aaatattcag aatgaatttt 4500 tgggaatcct atttccctcc tgctcgaccc tatttgctca gagctcataa ttggcatcat 4560 aattatatcc gcaatatttt ccaggttacg tcaaatcaac caagttacaa agaaaatgat 4620 gaacatatta aaactaataa caactttagg aatctatatt tttataagag ctcagcttac 4680 ttcagttgag tactgatctt acgtcaacaa gtggatcaga tcttttttgt cataggctca 4740 tagcagacaa atcaattcac ctcacaactc ttctctcgag ggttaagaaa tcatgttgag 4800 gaagcttttg tccaatctcc catcatataa catattagtg agtaaaccaa aggttgaagc 4860 atcttcagaa aacccgcaac ctctcatttc tttgatgagt tctgctgata cagaaatgtc 4920 accatttcta agatgtgctc tgattagcac attataggta cggtcatctc aaagagaccc 4980 atcttctttc atttttataa ataagtcatc cgcttcctgt agtatagacg ttttgtaccc 5040 aatcctgaga ttatcgtatt gtatgttata acatcgggct gcaatccttt gaggctgagg 5100 ctattgaata aatgttgtac gtcttccact ttcccagcct cgcacatccc ttcaatgata 5160 atgttgtaag tgaagatata aacttctatt tgaggctgag gcctgaaaaa aattggatat 5220 tttcaaatac ttaggatatt ttggataaaa catattagga taattttgga tgaatcaaat 5280 attttataat aatttagttt ttcaaatatt ttagatattt ttaatagatt tttaaatttt 5340 atatatattt tttgttatgt aattatgtta tatgtatgta atatatatat atatatatat 5400 accctttcga ttatatattc aagtgttcgt tcggtttcaa ttctgttcgg ttatttcgaa 5460 tatataaatt tagcaatcat tcgaatattt aagagtttta gtccagttta attatgggta 5520 ttttgatttg gatccgtccg gttcagttat aggtatttct attcagttcc gattcatttc 5580 ttgggttcca atttttttgc ccagaactac taattagcaa gacataccaa atgaacactt 5640 attatctatt tcgttactga agcatctaag actcactgga acttggctgg aaaatatgtt 5700 tacaaatgcg atcaaatata tatgcacaaa ttttttaaaa aaaaaactac acaaagacag 5760 ccatccccta gtctatattt gagaagtgat ttgccacatg tcttctctac aatcgttttc 5820 acaaaaaaat tatgacgtgg ctattaagat tgatgacatg tcatatggtt aaatatgaca 5880 tggacaatta catttaatgc tgatatattt ttttggaaat atttttagaa tatggcaata 5940 actcatatat tatgtttaat attgatttat atttttggta aactttgtgg aatatggtaa 6000 taaatcataa atcatcacta aaataaatat attcaaatat gatattttga atttcaaaat 6060 attatataat ttatttttat aattataaaa attttattat ctaaattatt ctaaattttt 6120 tcggaatttt aaaaaaaaaa tcgtaatatc attagtttct tttaggtatc tacaaattat 6180 gtaaatatta tttagtttta atttttgata actatacaat tttatatgat tttttagtaa 6240 ttttgtacaa gttgatttaa tacatttaac caaatgaaat aaatattttt ttaatctacg 6300 atttgaactt tatatatatc attcttaaat ataatttaaa attaaaaaaa atattttctc 6360 ttaattttat gcttaattaa tgatatttat attagttgtt ggtcaaaaat taaaatatat 6420 aatattatta aattacattt ttaaatataa aatttaaat 6459
【0115】 <210> 2 <211> 1965 <212> DNA <213> Raphanus sativus <400> 2 atg ttg gct agg gtt tat aga tcc gga tct tct tct tct cct gct gtg 48 Met Leu Ala Arg Val Tyr Arg Ser Gly Ser Ser Ser Ser Pro Ala Val 1 5 10 15 tct gcg gct aga ttg ttc tgt acg aga tcg att cgt cat gct ctg gcc 96 Ser Ala Ala Arg Leu Phe Cys Thr Arg Ser Ile Arg His Ala Leu Ala 20 25 30 aag aaa agc agg gat gga gag agt ggt ttt gga gga gag agt ttg aag 144 Lys Lys Ser Arg Asp Gly Glu Ser Gly Phe Gly Gly Glu Ser Leu Lys 35 40 45 ctg cga agc gga ttt cac gaa atc aaa ggg tta gaa gat gcg att gat 192 Leu Arg Ser Gly Phe His Glu Ile Lys Gly Leu Glu Asp Ala Ile Asp 50 55 60 ttg ttc ggt gat atg gta cga tct cgt cct tta cct tca gta att gat 240 Leu Phe Gly Asp Met Val Arg Ser Arg Pro Leu Pro Ser Val Ile Asp 65 70 75 80 ttc tgt aaa ttg atg gga gtt gtg gtg agg atg gga agg ctc gat gtt 288 Phe Cys Lys Leu Met Gly Val Val Val Arg Met Gly Arg Leu Asp Val 85 90 95 gtg att tct ctc cat agg aag atg gaa atg agg cgg gtt cca tgt aac 336 Val Ile Ser Leu His Arg Lys Met Glu Met Arg Arg Val Pro Cys Asn 100 105 110 gca tac agc ttc acc atc ctg atg aag tgt ttc tgc agc tgc tct aag 384 Ala Tyr Ser Phe Thr Ile Leu Met Lys Cys Phe Cys Ser Cys Ser Lys 115 120 125 ctg ccg ttt gct ttg tct aca ttt ggt aag atc acc aag ctt ggt ttt 432 Leu Pro Phe Ala Leu Ser Thr Phe Gly Lys Ile Thr Lys Leu Gly Phe 130 135 140 cat ccc act gtt gtt acc ttc agc acc ctg ctc cac gga tta tgt gtg 480 His Pro Thr Val Val Thr Phe Ser Thr Leu Leu His Gly Leu Cys Val 145 150 155 160 gaa gac agg atc tct gaa gcc ttg gat ttg ttt cat caa atg tgt aaa 528 Glu Asp Arg Ile Ser Glu Ala Leu Asp Leu Phe His Gln Met Cys Lys 165 170 175 cca aat gtc gta acc ttc acc acg ctg atg aac ggt ctt tgc cgt gag 576 Pro Asn Val Val Thr Phe Thr Thr Leu Met Asn Gly Leu Cys Arg Glu 180 185 190 ggt cga gtt gtc gaa gct gta gct ctg ctt gat cgg atg cta gaa gat 624 Gly Arg Val Val Glu Ala Val Ala Leu Leu Asp Arg Met Leu Glu Asp 195 200 205 ggt ctc cag cct aac cag att act tat gga aca atc gtg gat ggg atg 672 Gly Leu Gln Pro Asn Gln Ile Thr Tyr Gly Thr Ile Val Asp Gly Met 210 215 220 tgt aag atg gga gac act gtg tct gca ttg aat ctt ctg agg aag atg 720 Cys Lys Met Gly Asp Thr Val Ser Ala Leu Asn Leu Leu Arg Lys Met 225 230 235 240 gag gag gtg agc cac atc aaa ccc aat gtg gta atc tgg cct ttg gaa 768 Glu Glu Val Ser His Ile Lys Pro Asn Val Val Ile Trp Pro Leu Glu 245 250 255 aga cgg acc tgt atg att aat gga ttt tgt agc tct ggt aga tgg agt 816 Arg Arg Thr Cys Met Ile Asn Gly Phe Cys Ser Ser Gly Arg Trp Ser 260 265 270 gaa gcc cag cag ttg ttg caa gaa atg tta gaa agg aag aag atc agc 864 Glu Ala Gln Gln Leu Leu Gln Glu Met Leu Glu Arg Lys Lys Ile Ser 275 280 285 cct gat gtt gta act tat aat gct ttg atc aat gca ttt gtc aag gaa 912 Pro Asp Val Val Thr Tyr Asn Ala Leu Ile Asn Ala Phe Val Lys Glu 290 295 300 ggc aaa ttc ttt gag gct gaa gaa tta tac gat gag atg ctt cca agg 960 Gly Lys Phe Phe Glu Ala Glu Glu Leu Tyr Asp Glu Met Leu Pro Arg 305 310 315 320 ggt ata atc cct agt aca atc aca tat agt tca atg atc gat gga ttt 1008 Gly Ile Ile Pro Ser Thr Ile Thr Tyr Ser Ser Met Ile Asp Gly Phe 325 330 335 tgc aaa cag aat cgt ctt gat gct gct gag cac atg ttt tat ttg atg 1056 Cys Lys Gln Asn Arg Leu Asp Ala Ala Glu His Met Phe Tyr Leu Met 340 345 350 gct acc aag ggc tgc tct ccg gac ata atc act ttc aat act ctc ata 1104 Ala Thr Lys Gly Cys Ser Pro Asp Ile Ile Thr Phe Asn Thr Leu Ile 355 360 365 gcc gga tac tgt aga gct aag agg gta gat gat gga ata aaa ctt ctc 1152 Ala Gly Tyr Cys Arg Ala Lys Arg Val Asp Asp Gly Ile Lys Leu Leu 370 375 380 cat gag atg act gaa gca gga tta gtt gct aac aca att act tac acc 1200 His Glu Met Thr Glu Ala Gly Leu Val Ala Asn Thr Ile Thr Tyr Thr 385 390 395 400 act ctt att cac ggg ttc tgt cag gtg ggc gat ctt aat gct gct caa 1248 Thr Leu Ile His Gly Phe Cys Gln Val Gly Asp Leu Asn Ala Ala Gln 405 410 415 gac ctt cta cag gag atg gtc tct agt ggt gtg tgc cct aat gtc gtt 1296 Asp Leu Leu Gln Glu Met Val Ser Ser Gly Val Cys Pro Asn Val Val 420 425 430 act tgt aac act ttg ctg gac ggt ctc tgc gat aat ggg aaa cta aaa 1344 Thr Cys Asn Thr Leu Leu Asp Gly Leu Cys Asp Asn Gly Lys Leu Lys 435 440 445 gat gca ttg gaa atg ttt aag gct atg cag aag agt aag atg gat att 1392 Asp Ala Leu Glu Met Phe Lys Ala Met Gln Lys Ser Lys Met Asp Ile 450 455 460 gat gct agt cac ccc ttt aat ggt gtg gaa cct gat gtt caa act tac 1440 Asp Ala Ser His Pro Phe Asn Gly Val Glu Pro Asp Val Gln Thr Tyr 465 470 475 480 aat ata ttg atc agt ggc ttg atc aat gaa ggg aag ttt tta gag gcc 1488 Asn Ile Leu Ile Ser Gly Leu Ile Asn Glu Gly Lys Phe Leu Glu Ala 485 490 495 gag gaa tta tac gag gag atg cca cac aga ggt ata gtc cca gat act 1536 Glu Glu Leu Tyr Glu Glu Met Pro His Arg Gly Ile Val Pro Asp Thr 500 505 510 atc acc tat aac tca gtg atc cat ggt tta tgc aag caa agc cgc cta 1584 Ile Thr Tyr Asn Ser Val Ile His Gly Leu Cys Lys Gln Ser Arg Leu 515 520 525 gat gag gct aca caa atg ttt gat tcg atg ggt agc aag agc ttc tct 1632 Asp Glu Ala Thr Gln Met Phe Asp Ser Met Gly Ser Lys Ser Phe Ser 530 535 540 cca aac gta gtg acc ttt act aca ctc att aat gga tac tgt aag gca 1680 Pro Asn Val Val Thr Phe Thr Thr Leu Ile Asn Gly Tyr Cys Lys Ala 545 550 555 560 gga agg gtt gat gat ggg ctg gag ctt ttc tgc gag atg ggt cga aga 1728 Gly Arg Val Asp Asp Gly Leu Glu Leu Phe Cys Glu Met Gly Arg Arg 565 570 575 ggg ata gtt gct aac gca att act tac atc act ttg att cat ggt ttt 1776 Gly Ile Val Ala Asn Ala Ile Thr Tyr Ile Thr Leu Ile His Gly Phe 580 585 590 cgt aaa gtg ggt aat att aat ggg gct cta gat att ttc cag gag atg 1824 Arg Lys Val Gly Asn Ile Asn Gly Ala Leu Asp Ile Phe Gln Glu Met 595 600 605 atg gca agt ggt gtg tat cct gat acc att act atc cgc aat atg ctg 1872 Met Ala Ser Gly Val Tyr Pro Asp Thr Ile Thr Ile Arg Asn Met Leu 610 615 620 act ggt tta tgg agt aaa gag gaa cta aaa agg gca gtg gca atg ctt 1920 Thr Gly Leu Trp Ser Lys Glu Glu Leu Lys Arg Ala Val Ala Met Leu 625 630 635 640 gag gat ctg cag atg agt gtg gga tat cag ttg gag gat gaa taa 1965 Glu Asp Leu Gln Met Ser Val Gly Tyr Gln Leu Glu Asp Glu Stop 645 650 655
【0116】 <210> 3 <211> 654 <212> PRT <213> Raphanus sativus <400> 3 Met Leu Ala Arg Val Tyr Arg Ser Gly Ser Ser Ser Ser Pro Ala Val 1 5 10 15 Ser Ala Ala Arg Leu Phe Cys Thr Arg Ser Ile Arg His Ala Leu Ala 20 25 30 Lys Lys Ser Arg Asp Gly Glu Ser Gly Phe Gly Gly Glu Ser Leu Lys 35 40 45 Leu Arg Ser Gly Phe His Glu Ile Lys Gly Leu Glu Asp Ala Ile Asp 50 55 60 Leu Phe Gly Asp Met Val Arg Ser Arg Pro Leu Pro Ser Val Ile Asp 65 70 75 80 Phe Cys Lys Leu Met Gly Val Val Val Arg Met Gly Arg Leu Asp Val 85 90 95 Val Ile Ser Leu His Arg Lys Met Glu Met Arg Arg Val Pro Cys Asn 100 105 110 Ala Tyr Ser Phe Thr Ile Leu Met Lys Cys Phe Cys Ser Cys Ser Lys 115 120 125 Leu Pro Phe Ala Leu Ser Thr Phe Gly Lys Ile Thr Lys Leu Gly Phe 130 135 140 His Pro Thr Val Val Thr Phe Ser Thr Leu Leu His Gly Leu Cys Val 145 150 155 160 Glu Asp Arg Ile Ser Glu Ala Leu Asp Leu Phe His Gln Met Cys Lys 165 170 175 Pro Asn Val Val Thr Phe Thr Thr Leu Met Asn Gly Leu Cys Arg Glu 180 185 190 Gly Arg Val Val Glu Ala Val Ala Leu Leu Asp Arg Met Leu Glu Asp 195 200 205 Gly Leu Gln Pro Asn Gln Ile Thr Tyr Gly Thr Ile Val Asp Gly Met 210 215 220 Cys Lys Met Gly Asp Thr Val Ser Ala Leu Asn Leu Leu Arg Lys Met 225 230 235 240 Glu Glu Val Ser His Ile Lys Pro Asn Val Val Ile Trp Pro Leu Glu 245 250 255 Arg Arg Thr Cys Met Ile Asn Gly Phe Cys Ser Ser Gly Arg Trp Ser 260 265 270 Glu Ala Gln Gln Leu Leu Gln Glu Met Leu Glu Arg Lys Lys Ile Ser 275 280 285 Pro Asp Val Val Thr Tyr Asn Ala Leu Ile Asn Ala Phe Val Lys Glu 290 295 300 Gly Lys Phe Phe Glu Ala Glu Glu Leu Tyr Asp Glu Met Leu Pro Arg 305 310 315 320 Gly Ile Ile Pro Ser Thr Ile Thr Tyr Ser Ser Met Ile Asp Gly Phe 325 330 335 Cys Lys Gln Asn Arg Leu Asp Ala Ala Glu His Met Phe Tyr Leu Met 340 345 350 Ala Thr Lys Gly Cys Ser Pro Asp Ile Ile Thr Phe Asn Thr Leu Ile 355 360 365 Ala Gly Tyr Cys Arg Ala Lys Arg Val Asp Asp Gly Ile Lys Leu Leu 370 375 380 His Glu Met Thr Glu Ala Gly Leu Val Ala Asn Thr Ile Thr Tyr Thr 385 390 395 400 Thr Leu Ile His Gly Phe Cys Gln Val Gly Asp Leu Asn Ala Ala Gln 405 410 415 Asp Leu Leu Gln Glu Met Val Ser Ser Gly Val Cys Pro Asn Val Val 420 425 430 Thr Cys Asn Thr Leu Leu Asp Gly Leu Cys Asp Asn Gly Lys Leu Lys 435 440 445 Asp Ala Leu Glu Met Phe Lys Ala Met Gln Lys Ser Lys Met Asp Ile 450 455 460 Asp Ala Ser His Pro Phe Asn Gly Val Glu Pro Asp Val Gln Thr Tyr 465 470 475 480 Asn Ile Leu Ile Ser Gly Leu Ile Asn Glu Gly Lys Phe Leu Glu Ala 485 490 495 Glu Glu Leu Tyr Glu Glu Met Pro His Arg Gly Ile Val Pro Asp Thr 500 505 510 Ile Thr Tyr Asn Ser Val Ile His Gly Leu Cys Lys Gln Ser Arg Leu 515 520 525 Asp Glu Ala Thr Gln Met Phe Asp Ser Met Gly Ser Lys Ser Phe Ser 530 535 540 Pro Asn Val Val Thr Phe Thr Thr Leu Ile Asn Gly Tyr Cys Lys Ala 545 550 555 560 Gly Arg Val Asp Asp Gly Leu Glu Leu Phe Cys Glu Met Gly Arg Arg 565 570 575 Gly Ile Val Ala Asn Ala Ile Thr Tyr Ile Thr Leu Ile His Gly Phe 580 585 590 Arg Lys Val Gly Asn Ile Asn Gly Ala Leu Asp Ile Phe Gln Glu Met 595 600 605 Met Ala Ser Gly Val Tyr Pro Asp Thr Ile Thr Ile Arg Asn Met Leu 610 615 620 Thr Gly Leu Trp Ser Lys Glu Glu Leu Lys Arg Ala Val Ala Met Leu 625 630 635 640 Glu Asp Leu Gln Met Ser Val Gly Tyr Gln Leu Glu Asp Glu 645 650
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Rfマーカー遺伝地図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 りつ子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 株式会社植物工学研究所内 (72)発明者 肥塚 信也 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 株式会社植物工学研究所内 (72)発明者 酒井 隆子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 株式会社植物工学研究所内 (72)発明者 早川 孝彦 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 株式会社植物工学研究所内 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD20 CA06 CA17 CA19 CB03 CD02 CD07 CD09 CG01 CG05 4B024 AA08 BA79 CA03 CA04 DA01 EA04 FA02 GA14 HA12 4B065 AA88X AA88Y AA89X AB01 AC14 BA02 CA24 CA53 4H045 AA10 BA10 CA30 EA05 FA74
Claims (12)
- 【請求項1】 下記の何れかのDNA。 (1)配列番号1に記載の塩基配列を有するDNA; (2)配列番号1に記載の塩基配列において1から複数
個の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基
配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に
回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号1に記載の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞
質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与す
るDNA。 - 【請求項2】 下記の何れかのDNA。 (1)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA; (2)配列番号2に記載の塩基配列において1から複数
個の塩基が欠失、付加及び/または置換されている塩基
配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不稔性を可稔に
回復することに関与するDNA;又は (3)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ細胞
質雄性不稔個体の不稔性を可稔に回復することに関与す
るDNA。 - 【請求項3】 下記の何れかのタンパク質をコードする
DNA。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。 - 【請求項4】 細胞質雄性不稔個体が、コセナダイコン
及び/又はオグラダイコンの細胞質雄性不稔遺伝子又は
そのホモログを有するものである、請求項1から3の何
れか1項に記載のDNA。 - 【請求項5】 下記の何れかのタンパク質。 (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列を有するタンパ
ク質;又は (2)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から
複数個のアミノ酸が欠失、付加及び/または置換されて
いるアミノ酸配列を有し、かつ細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復することに関与するタンパク質。 - 【請求項6】 細胞質雄性不稔個体が、コセナダイコン
及び/又はオグラダイコンの細胞質雄性不稔遺伝子又は
そのホモログを有するものである、請求項5に記載のタ
ンパク質。 - 【請求項7】 請求項1から4の何れかに記載のDNA
を含有するベクター。 - 【請求項8】 請求項1から4の何れかに記載のDNA
又は請求項7に記載のベクターを有する形質転換体。 - 【請求項9】 形質転換植物である、請求項8に記載の
形質転換体。 - 【請求項10】 請求項1から4の何れかに記載のDN
Aを用いることを特徴とする、細胞質雄性不稔個体の不
稔性を可稔に回復する方法。 - 【請求項11】 細胞質雄性不稔遺伝子を有し、かつ、
請求項1から4の何れかに記載のDNAを有する細胞
に、さらに請求項1から4の何れかに記載のDNAの一
部又は全部を誘導型プロモーターと共に導入することに
より、雄性不稔回復遺伝子の発現を制御することが可能
となった形質転換体。 - 【請求項12】 請求項11に記載の形質転換体を利用
することによる細胞質雄性不稔系統の維持方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128023A JP2002355042A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 細胞質雄性不稔から可稔への回復に関与する遺伝子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128023A JP2002355042A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 細胞質雄性不稔から可稔への回復に関与する遺伝子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002355042A true JP2002355042A (ja) | 2002-12-10 |
Family
ID=18976790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001128023A Pending JP2002355042A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 細胞質雄性不稔から可稔への回復に関与する遺伝子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002355042A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1532252A2 (en) * | 2002-07-12 | 2005-05-25 | McGILL UNIVERSITY | Nuclear fertility restorer genes and methods of use in plants |
CN111534524A (zh) * | 2019-07-05 | 2020-08-14 | 湖南杂交水稻研究中心 | 水稻野败型细胞质雄性不育恢复基因rf3及其应用 |
-
2001
- 2001-04-25 JP JP2001128023A patent/JP2002355042A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1532252A2 (en) * | 2002-07-12 | 2005-05-25 | McGILL UNIVERSITY | Nuclear fertility restorer genes and methods of use in plants |
EP1532252A4 (en) * | 2002-07-12 | 2007-03-07 | Univ Mcgill | FERTILITY RE-ESTABLISHING GENES AND METHODS OF USE IN PLANTS |
CN111534524A (zh) * | 2019-07-05 | 2020-08-14 | 湖南杂交水稻研究中心 | 水稻野败型细胞质雄性不育恢复基因rf3及其应用 |
CN111534524B (zh) * | 2019-07-05 | 2023-09-01 | 湖南杂交水稻研究中心 | 水稻野败型细胞质雄性不育恢复基因rf3及其应用 |
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