JP2002355022A - 水素製造装置、及び水素製造方法 - Google Patents

水素製造装置、及び水素製造方法

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reaction vessel
hydrogen
microorganism
reaction
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Fumiaki Taguchi
文章 田口
Yasunori Sukai
保徳 須貝
Akira Koikeda
章 小池田
Yasuhiro Kudo
靖博 工藤
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Densei Kk
Densei Communication Inc
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Densei Kk
Densei Communication Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機材料から水素を製造すると共に、水素発
生後の有機材料を微生物によって分解処理し、該有機材
料の排出が無い水素製造装置及び水素製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 有機材料から水素を発生させる水素製造
装置1において、有機材料を投入すると共に、内部にク
ロストリジウム属の微生物が投入される第1の反応容器
2と、第1の反応容器2を真空吸引するためのポンプ1
2と、第1の反応容器内2における有機材料からの水素
の生成が終了した後に、該有機材料を投入すると共に、
内部に有機材料を水と二酸化炭素に分解する第2の微生
物が投入される第2の反応容器20と、を具備してい
る。さらに、第1の反応容器2から第2の反応容器20
に有機材料を落下させる回転バー14も設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物を用いて水
素を発生させると共に、水素発生後の余った廃棄物を二
酸化炭素と水とに分解する水素製造装置及び水素製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から微生物を用いた水素製造方法が
種々知られている。また、水素生成微生物は、水素生成
量の大小を別にすれば、意外と多く自然界に存在し、種
々のものが利用されている。具体的には、特開平7−7
5588号公報には、汚泥コンポスト内の嫌気性微生物
を利用して有機排水と汚泥コンポストとの接触によって
水素を製造している。
【0003】また、特開平7−218469号公報に
は、発生した水素ガスの量を測定する技術が開示され、
その水素ガス生成のための微生物として嫌気性のクロス
トリジウム属菌や光合成微生物のロドスビリウム等が示
されている。さらに、特開平10−84984号公報に
は、光合成菌のロドシュードモナス・パルスとリスR−
1株を使用して食品工場等から出る糖廃液を嫌気処理し
た後の嫌気処理から水素を発生させる技術が開示されて
いる。
【0004】また、特開平11−69989号公報に
は、でんぷんを栄養源として供給し、でんぷん質化性か
つ有機酸を生成可能なビブリオ・フルビアリスと、有機
酸質化性かつ水素生産可能なロドビウム・マリナムを共
生させた共生菌群を培養し、水素を発生させる技術が開
示されている。さらに、特開平11−130402号公
報には、採取した植物に付着した土着の微生物とその採
取植物の栄養素や基質を利用して水素を製造する方法が
示されている。
【0005】また、1994年の「用水と排水」(Vo
l.36 No.3の37〜44P)には、本出願の発
明者の一人が共同研究者の一人として発表した論文であ
る「シロアリから分離した水素生成菌による廃棄物処理
と水素産生」があり、これには廃棄物を処理して水素を
回収するためには、水素発酵の反応速度が早く、地下埋
没型発酵槽を利用できるなどの理由から非光合成微生
物、その中でも特に嫌気性クロストリジウム(Clostrid
ium)属の微生物を用いるのが良いことが示されてい
る。
【0006】また、この論文には、シロアリから分離さ
れた水素生成菌のうちで水素生成量が一番多い菌株であ
るクロストリジウム バイジェリンキー(Clostridium
beijerinckii)を利用して各種の糖(グルコース、ス
ターチ等)とから水素を生成したデータが示されてい
る。さらに、この論文には、水素生成に及ぼす培養温度
の影響や培養液のpHの影響がデータとして開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した各
水素の発生方法では、水素の発生量があまり多くなく、
実用化に適したものとなっていない。すなわち、水素製
造のためには高価な工業用酵素や添加物を用いたり、時
間を要するため、全体コストが掛かるものとなってい
る。また、光合成微生物を用いて水素を製造する方法に
よれば、光合成を良好に行うために多くの面積が必要と
なり、装置自体が大型化してしまう、といった問題も有
している。
【0008】また、でんぷん単体では工業用酵素や添加
物を用いないと、微生物による分解が効率良く進まな
い、といった問題も有している。また、セルロースを分
解するに際しても、微生物では完全に分解できないとい
う問題も有している。
【0009】それ故、本願出願人は、特願平11−34
2183号にて、クロストリジウム属の微生物を有機材
料の中に投入することによる、新規な水素の製造方法を
提唱しているが、かかる水素製造方法においては、水素
の製造が終了した後の有機材料をどのように処理するか
が問題となり、かかる水素製造に使用した有機材料の排
出を無くすることが最も望ましい。
【0010】本発明は上記の事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、有機材料から水素を製
造すると共に、水素発生後の有機材料を微生物によって
分解処理し、該有機材料の排出が無い水素製造装置及び
水素製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の水素製造装置は、有機材料から水素を発生
させる水素製造装置において、有機材料を投入すると共
に、内部にクロストリジウム属の微生物が投入される第
1の反応容器と、第1の反応容器を真空吸引するための
吸引手段と、第1の反応容器内における有機材料からの
水素の生成が終了した後に、該有機材料を投入すると共
に、内部に有機材料を水と二酸化炭素に分解する第2の
微生物が投入される第2の反応容器と、を具備すること
としたものである。
【0011】このようにしたことで、第1の反応容器中
において、クロストリジウム属の微生物が有機材料を分
解して水素を製造することができる。この場合、クロス
トリジウム属の微生物を用いたことにより、従来の水素
の製造方法と比較して、水素の発生量を増大させること
ができる。また、工業用酵素を添加しなくても水素を発
生させることが可能となるため、低コストでの水素発生
が可能となる。更に加えて、水素発生後の残りの有機材
料を第2の反応容器中に投入し、該有機材料の投入後に
第2の微生物を投入することにより、有機材料を水と二
酸化炭素に分解することができる。このように、第2の
反応容器中での有機材料の分解により、ほとんど排出物
(ゴミ)が生じない、理想的な生ゴミ処理装置とするこ
とができる。また、第2の微生物を繰り返し利用するこ
とで、ほとんどコストが掛からない。
【0012】また、他の発明は、上述の発明に加えて更
に、第2の反応容器には、この内部での温度を調節する
温度調節手段が接続されることとしたものである。この
ようにしたことで、第2の反応容器内を適温に保つこと
ができ、第2の反応容器内での第2の微生物による反応
を適切なものとすることができる。それによって、第2
の反応容器内において、有機材料の分解を効率的に行う
ことが可能となる。
【0013】さらに、他の発明は、上述の各発明に加え
て更に、第1の反応容器内には、該第1の反応容器内に
存する有機材料を撹拌することで、クロストリジウム属
の微生物による有機材料の分解により水素の製造を促進
させる第1の撹拌手段が設けられることとしたものであ
る。このようにすれば、有機材料及び微生物が適度に混
合し、反応が促進される。それによって、より多くの水
素を得ることが可能となる。
【0014】また、他の発明は、上述の各発明に加えて
更に、第2の反応容器内には、この第2の反応容器内に
存する有機材料を撹拌することにより該有機材料の分解
を促進させる第2の撹拌手段が設けられることとしたも
のである。このように、第2の撹拌手段を設けることに
よって、第2の反応容器内において有機材料と第2の微
生物が適度に混合し、反応が促進される。それによっ
て、有機材料が水と二酸化炭素に分解される速度を速め
ることが可能となる。
【0015】さらに、他の発明は、上述の各発明に加え
て更に、第1の反応容器は、第2の反応容器の上方、若
しくは側方に設けられていると共に、該第1の反応容器
と第2の反応容器の境界部分には、第1の反応容器内で
の水素の生成が終了した有機材料を第2の反応容器内に
落下、若しくは移送させるための落下・移送手段が設け
られることとしたものである。このように、落下・移送
手段を設けたことにより、第1の反応容器内での水素の
生成が終了した有機材料を即座に第2の反応容器内に落
下又は移送させ、水と二酸化炭素に分解させることがで
きる。すなわち、水素生成と、水素生成後に生じた残り
の排出物としての有機材料の処理を、一つの装置内にお
ける一連の動作で行うことが可能となる。そして、第2
の反応容器内での有機材料の分解により、水と二酸化炭
素のみが排出されるため、ここからゴミが排出される、
といったことがなくなる。
【0016】また、他の発明は、上述の各発明に加えて
更に、第2の反応容器内には、菌床が設けられることと
したものである。このように、第2の反応容器中に菌床
を設けることにより、第2の微生物を長期間生息させる
ことができる。このため、微生物による有機材料の処理
が終了した後でも、即座に該第2の微生物を死滅させる
ことがなく、再び水素生成が終了した有機材料を投入す
ることにより、該有機材料の分解処理を行うことが可能
となる。
【0017】さらに、他の発明は、上述の各発明に加え
て更に、吸引手段、温度調節手段、第1の撹拌手段、第
2の撹拌手段及び落下・移送手段の少なくとも1つは制
御手段によって制御されることとしたものである。この
ように、制御手段を設け、これによって吸引手段や温度
調節手段、更には第1の撹拌手段、第2の撹拌手段、落
下・移送手段を制御することで、一々人手でこれらを制
御する必要が無く、最適な水素製造装置にすることが可
能となる。
【0018】また、他の発明は、上述の各発明に加えて
更に、第1の反応容器への有機材料の投下に先だって、
有機材料を粉砕する粉砕手段が設けられていることとし
たものである。このようにすれば、クロストリジウム属
の微生物が有機材料の表面に付着し易くなり、該有機材
料の分解処理を促進することが可能となる。
【0019】また、他の発明は、有機材料から水素を発
生させる水素製造方法において、有機材料とクロストリ
ジウム属の微生物を第1の反応容器内に投入すると共
に、有機材料と微生物とを反応させ、水素を生成する水
素生成工程と、水素生成工程後の残りの有機材料を第2
の反応容器内に投入すると共に、内部に有機材料を水と
二酸化炭素に分解する第2の微生物が投入され、その有
機材料を処理する有機材料処理工程と、を具備するもの
である。
【0020】このようにしたことで、有機材料投入工程
にて第1の反応容器内に有機材料を投入することで、ク
ロストリジウム属の微生物が有機材料を分解して水素を
製造することができる。この場合、クロストリジウム属
の微生物を用いたことにより、従来の水素の製造方法と
比較して、水素の発生量を増大させることができる。ま
た、工業用酵素を添加しなくても水素を発生させること
が可能となるため、低コストでの水素発生が可能とな
る。更に加えて、水素発生後の残りの有機材料を第2の
反応容器中に投入し、該有機材料の投入後に第2の微生
物を投入することにより、有機材料を水と二酸化炭素に
分解することができる。このように、第2の反応容器中
での有機材料の分解により、ほとんど排出物(ゴミ)が
生じない、理想的な生ゴミ処理装置とすることができ
る。また、第2の微生物を繰り返し利用することで、ほ
とんどコストが掛からない。
【0021】さらに、他の発明は、上述の水素製造方法
の発明に加えて更に、有機材料は、でんぷん質材料、青
物野菜類、根菜類、果実類、穀物類、家畜の内臓、家畜
の血液、魚のあら、ホタテのウロ、及び紙屑のうち、少
なくとも1つ以上から選択されたものとしている。この
ような有機材料においては、良好に水素を生成すること
が可能である。
【0022】また、他の発明は、上述の各発明に加えて
更に、有機材料として成分の異なる複数の材料を選択し
た場合、クロストリジウム属の微生物を投入する工程の
前もしくは、後または前後に、それらの有機材料を撹拌
する第1の撹拌工程を具備することとしたものである。
このように、第1の撹拌工程で有機材料を撹拌すること
により、夫々の有機材料と微生物とが適度に混合した状
態となり、反応が促進される。それによって、より多く
の水素を得ることが可能となる。
【0023】さらに、他の発明は、上述の発明に加えて
更に、反応促進用の酵素や栄養分を投入する場合と同様
の効果を得るために、でんぷん質材料と青物野菜類、で
んぷん質材料とホタテのウロのように、成分の異なる異
質な有機材料を少なくとも二つ以上混合することとした
ものである。このようにすれば、青物野菜等の有機材料
が反応促進用の酵素代わりとなって、でんぷん質材料単
体の場合と比較して、反応が促進される。
【0024】また、他の発明は、紙屑に代表されるセル
ロースを成分とする有機材料から水素を発生させる水素
製造方法において、有機材料を投入する投入工程と、ク
ロストリジウム属の微生物を投入する第1の微生物投入
工程と、投入工程と第1の微生物投入工程後、反応が収
束したと認められる時点で再びクロストリジウム属の微
生物を投入する再微生物投入工程と、有機材料と上記微
生物との反応分解を促進するため両者を撹拌する撹拌工
程と、を具備するものである。
【0025】このように、クロストリジウム属の微生物
を、一旦反応が収束した後に再度投入することにより、
セルロースを完全に分解でき、従来難しかったセルロー
スを成分とする有機材料からより多くの水素を得ること
が可能となる。
【0026】また、他の発明は、上述の発明に加えて更
に、再微生物投入工程後も、有機材料の分解が進行する
まで再微生物投入工程を繰り返し行うこととしたもので
ある。このようにすれば、クロストリジウム属の微生物
の再投入により、水素発生のピークが再出現し、これを
繰り返すことによってより完全に有機材料を分解して水
素を生成することができる。
【0027】さらに、他の発明は、上述の各発明に加え
て更に、第1の微生物投入工程後若しくは再微生物投入
工程後の少なくとも一方で、酵素を投入する酵素投入工
程を具備することとしたものである。このように、第1
の微生物投入工程後若しくは再微生物投入工程後の少な
くとも一方で、酵素を投入する酵素投入工程を具備する
ことにより、分解反応を一層促進させることができる。
【0028】また、他の発明は、上述の各発明に加えて
更に、撹拌工程に使用する撹拌手段の少なくとも一部に
磁性材料または多穴質の吸着性部材を設けることとした
ものである。このようにしたことで、分解・反応の妨げ
となる有機材料中に存する水銀等の金属の随伴物やコピ
ー用トナー成分を、空気中に拡散させずに捕捉すること
が可能となり、分解・反応の妨げを防ぐことができる。
【0029】さらに、他の発明は、上述の各発明に加え
て更に、有機材料の投入直後またはクロストリジウム属
の微生物の投入直後に、各材料が投入される第1の反応
容器内の圧力をごくわずか陰圧にすることとしたもので
ある。このように、有機材料または微生物の投入直後
に、容器内の圧力をごくわずか陰圧にすることにより、
嫌気性が増し、容器内部での反応がより促進されるもの
となる。
【0030】
【発明の実施の形態】(第一の実施の形態)以下、本発
明の第一の実施の形態について、図1及び図2に基づい
て説明する。図1は、本発明の水素製造装置1の構成を
示す。この図において、水素製造装置1は第1の反応容
器2を有している。第1の反応容器2には、クロストリ
ジウム属の微生物(以下、必要に応じて、微生物Aとす
る。)を投入する微生物投入口3が設けられている。ま
た、水素製造のための材料を投入する材料投入口4が設
けられている。
【0031】第1の反応容器2の上部壁面には、水道水
を投入するための水道水投入口5が設けられている。か
かる水道水投入口5から投入された水道水によって、第
1の反応容器2、及び後述する第2の反応容器20の内
部に存する有機材料は、泥状又は半流動体状となる。
【0032】第1の反応容器2の内部には、第1の撹拌
手段としてのフィン7が設けられている。フィン7は、
第1の反応容器2内部に投入された有機材料を撹拌し、
反応促進の役割を果たすものである。フィン7の一例と
しては、図1に示すように、第1の反応容器2の内部を
均一に撹拌するため、この第1の反応容器2の内部に回
転軸8を挿通させ、この回転軸8から所定間隔毎に直交
する方向に撹拌突起9を突出形成したものがある。この
ようにすれば、回転軸8の回転駆動に伴って反応容器2
に存する有機材料が撹拌される。なお、回転軸8を回転
駆動させるために、第1の反応容器2の外方には、モー
タ10が設けられている。
【0033】しかしながら、第1の反応容器2の内部を
良好に撹拌できれば、フィン7は、いかなる形状であっ
ても構わない。また、フィン7は、この実施の形態では
ステンレス製であるが、全体が磁性材料またはセラミッ
ク等の多穴質の吸着性部材としても良い。このような材
質とすると、第1の反応容器2に入れられる有機材料中
に水銀などの金属やコピー用トナーが混じっているとき
に、それらを拡散させず捕捉することが可能となる。
【0034】なお、かかる回転軸8の回転による撹拌を
良好にするために、第1の反応容器2の形状を回転軸8
が設けられる方向が長手となる形状としても構わない。
また、撹拌は、フィン7で撹拌する以外に、例えば第1
の反応容器2全体を揺動したり、第1の反応容器2全体
を回転させることによって行っても構わない。
【0035】モータ10の上方には、第1の反応容器2
の内部を負圧にするためのポンプ12が設けられてい
る。ポンプ12は水素排出口13に接続されていて、該
所定時間が経過して水素が発生した場合、第1の反応容
器2の内部から水素を吸引するものである。
【0036】また、第1の反応容器2の内部の底面に
は、所定の幅を有する長板状の回転バー14が設けられ
ている。回転バー14は、有機材料の落下をガイドする
落下・移送ガイド手段としての役割を果たすものであ
る。また、回転バー14の上部には有機材料が載置され
ると共に、該回転バー14は、その長手方向と同一の方
向に延出する回転軸15に取り付けられている。かかる
回転軸15の一端側は、第1の反応容器2の内部から外
部に突出してモータ16に取り付けられている。このた
め、回転バー14は、モータ16の駆動によって回転駆
動される。
【0037】すなわち、回転バー14がモータ16によ
って回転駆動されると、長板状の回転バー14の傾斜角
度が徐々に大きくなる。これと共に、長板状の回転バー
14によって塞がれていた、第2の反応容器20に連通
する不図示の開口部が開放する。それによって、モータ
16が回転駆動を行うと、この回転バー14上に載置さ
れている有機材料が、下方に設けられている第2の反応
容器20の内部に落下する構成である。
【0038】なお、第1の反応容器2から第2の反応容
器20に有機材料を落下させる手段は、上述の回転バー
14を用いる場合に限られず、他の例としては、液送ポ
ンプを利用する方法、機械的に反応容器ごと入れ替えて
しまう方法、及び人手による方法等がある。
【0039】第2の反応容器20は、上述した第1の反
応容器2が上部に位置している。この第2の反応容器2
0は、内部に第2の微生物(以下、必要に応じて微生物
Bとする。)としての好気性の微生物を投入するため、
ポンプにて内部を真空吸引する必要がない構成である。
第2の反応容器20の上方には、該第2の反応容器20
の内部に微生物Bを投入するための微生物投入口21が
設けられている。
【0040】さらに、第2の反応容器20の下方には、
該第2の反応容器20の内部に存する水分を排出するた
めの水分排出口22が設けられている。それによって、
第2の反応容器20中に存する有機材料の水分が外部に
排出され、また、微生物Bが有機材料を分解して生じた
水分をも外部に排出することが可能となる。また、第2
の反応容器20の上方には、内部で発生する二酸化炭素
等のガスを外部に排出するためのガス排出口23が設け
られている。
【0041】第2の反応容器20内部にも、第2の撹拌
手段としてのフィン24が設けられている。フィン24
は、第2の反応容器20内部に投入された有機材料を撹
拌し、反応促進の役割を果たすものである。第2の反応
容器20の内部に設けられているフィン24の一例とし
ては、上下左右に均等に撹拌可能とするため、例えば2
枚羽根からなるフィン24の場合に、そのうち一枚の羽
根は、中心線から斜め上方に傾斜するように設け、もう
一枚の羽根が、中心線から斜め下方に傾斜するように設
けている。
【0042】しかしながら、上述の第1の反応容器2の
フィン7について述べたのと同様に、第2の反応容器2
0内部を良好に撹拌できれば、フィン24は、いかなる
形状であっても構わない。また、フィン24は、上述し
たフィン7の場合と同様に、ステンレス製としている
が、全体が磁性材料またはセラミック等の多穴質の吸着
性部材としても良い。また、第2の反応容器20の下方
には、フィン24に直結するモータ25が設けられてい
る。
【0043】第2の反応容器20の外方には、第1の反
応容器2の内部での反応の様子や、第2の反応容器20
の内部での反応の様子に応じて、種々の制御を行う制御
手段としての制御装置26が設けられている。この制御
装置26は、第1の反応容器2や第2の反応容器20の
内部での反応時間や反応進行時の温度、或いはpHの検
出を行うことを可能としている。
【0044】それによって、反応の進行具合に応じて、
フィン7,24を回転させるモータ10,25の作動を
行ったり停止させたりする。また、第1の反応容器中2
において、反応が終了した、と判断された場合には、モ
ータ16を作動させて回転バー14を回転駆動させる。
それによって、水素発生後の残りの有機材料を第2の反
応容器20の内部に落下させることができる。
【0045】なお、全ての反応が終了した場合、制御装
置は、ブザーやランプ等の手段を用いて外部に反応が収
束したことを伝達可能となっている。
【0046】以上のような水素製造装置1を用いて水素
を製造する方法を、以下に説明する。
【0047】まず、第1の反応容器2内部に、有機材料
を投入する。ここで投入される有機材料は、例えば、ジ
ャガイモ等のでんぷん質材料とキャベツに代表される青
物野菜類とを混ぜたものや、とうもろこしの芯に代表さ
れる穀物類、ホタテの廃棄物の一つであるウロや、家畜
の内臓、或いは紙屑等である。しかしながら、上述の有
機材料は例示であり、この他に植物性廃棄物等の植物性
有機材料或いは動物性廃棄物等の動物性有機材料を用い
ることが可能である。
【0048】また、でんぷん質材料を分解させる場合、
単体で反応を進行させても良いが、でんぷん質材料と青
物野菜類、或いはホタテのウロ等の様に、成分の異なる
異質な有機材料を混合すれば、これら青物野菜類やホタ
テのウロが酵素の代わりになり、反応が促進する結果と
なる。このように、同種の材料ではなく、種類が異なる
異質な材料を組み合わせると、反応促進上好ましいもの
となる。
【0049】これら有機材料を投入した後または事前
に、嫌気性微生物であるクロストリジウム属の微生物
(微生物A)の投入を行う。この微生物Aには、例え
ば、クロストリジウム バイジェリンキー(Clostridiu
m beijerinkii )AM21B株(文献;Journal of Fermenta
tion and Bioengineering 73:244-245,1992)や、クロ
ストリジウム sp(Clostridium sp.)No.2株(文献;C
anadian Journal of Microbiology 40:228-233,199
4)、或いはクロストリジウム sp(Clostridium sp.)
X53株(文献;Journal of Fermentation and Bioengine
ering 81:178-180,1996)等がある。しかしながら、ク
ロストリジウム属の微生物Aは、これには限定されず、
他にも種々の菌株が適用可能である。
【0050】また、微生物Aを投入した後に、反応容器
2内部をポンプ等で吸引して若干陰圧(負圧)にしても
構わない。この場合は、反応がより促進されるものとな
る。更に、反応容器2内部のpHを調整しても構わな
く、この場合、pHは4.0から8.0とするのが望ま
しい。
【0051】その後に、第1の反応容器2内部の温度を
所定の温度に調整しながら、モータ10を作動させてフ
ィン7を第1の反応容器2内部で回転駆動させ、微生物
Aと有機材料の撹拌を行う。それにより、第1の反応容
器2の下方に、有機材料の反応・分解で水素が生成され
蓄積されても、部分的な過飽和状態を作り出すことがな
く、反応・分解を良好に進行させることが可能となる。
【0052】なお、第1の反応容器2内部での温度は、
25度から45度までの範囲であれば反応がまずまず進
行するが、微生物Aの増殖、水素の発生量を考慮する
と、好ましくは30度から42度までに調整するのが良
い。
【0053】有機材料の分解による反応で生成された水
素は、水素排出口13から排出されて外部に設けられた
水素貯蔵合金やガスボンベ等の水素貯留部に貯留され
る。また、すぐに水素を燃焼室に導いて、エネルギとし
て燃焼させても構わない。さらには、燃料電池に接続し
て発電に利用しても良い。
【0054】反応が収束すると、制御装置26がこれを
感知してフィン7の撹拌動作を停止させる。そして、例
えばブザーやランプ、或いは表示手段によって反応が収
束したことを外部に知らせる。
【0055】なお、反応時間と水素発生量につき、知見
として得られた関係について、その一例を図2に示す。
図2の横軸は反応時間、縦軸は水素発生量である。選択
する有機物によって、異なる面はあるが、ある程度以上
に菌濃度を増殖させた菌液5リットルと有機物の粉砕液
5リットルを混合すると、反応を始めてから約1時間程
度で急速に水素発生量が多くなり、約3〜5時間前後で
水素発生量はピークに達し、その後、緩やかに水素発生
量が下がっている。
【0056】この関係より、制御装置26で何をどの程
度の量入れたのかを検知したり、予め設定することによ
り、反応終了時点で自動的にフィン7の撹拌動作を停止
させることが可能となる。以上のようにして、水素の製
造がなされる。
【0057】なお、かかる水素製造の実験結果について
は、後述する。
【0058】続いて、制御装置26が水素製造の終了を
検知すると、該制御装置26によってモータ16が回転
駆動される。それによって、回転バー14が回転駆動さ
れ、この回転バー14上に載置されている有機材料が第
2の反応容器20内部に落下する。
【0059】第2の反応容器20の内部に有機材料を落
下させた後に、この有機材料を二酸化炭素と水とに分解
する、後述する微生物Bを投下する。そして、かかる微
生物Bの投下後、制御装置26での検知により、必要に
応じて第2の反応容器20の内部をフィン24によって
撹拌する。この場合、第2の反応容器20の内部を約4
5度に設定しておく。すると、約数時間後に有機材料の
分解が始まり、該有機材料から水と二酸化炭素が生成さ
れる。
【0060】なお、有機材料は、微生物Bによって二酸
化炭素と水とに完全に分解される。それによって、第2
の反応容器20の内部には、分解後に残留物が存しな
い。
【0061】以上のようにして、有機材料から水素が得
られ、また水素製造後の残りの有機材料の分解を完全に
行うことができる。
【0062】続いて、本実施の形態の水素製造の実験結
果について、以下に説明する。なお、この実験は、図1
の装置を小型化した実験装置に基づいて行った。
【0063】まず、反応実験で用いる微生物Aの前培養
を行った。この前培養方法は、300mlの三角フラス
コに0.1%のグルコースを含むPY培地100mlに
菌を接種し、37℃の嫌気性グローブボックス(米国ホ
ーマー製、形式1024)内で一晩培養した。ここで、
PY液体培地の組成は、1lの水に10g のpeptone,5g
のyeast extract,500mg のL-cystein・HCl,8mg のCaC
l,8mg のMgSO4 ,40mg のKH2 PO4 ,400mg のNaHCO3
,80mg のNaCl が含まれるものであり、炭素源は含ま
れていない。
【0064】次に、前培養したもので、水素を発生でき
るかを以下の手順で確認した。まず、1000mlの三
角フラスコに基質液900mlと前培養菌液100ml
を加え、発生するガスの排出口、pHコントラーの差込
口、pH調整用NaOH液流入口などをつけたゴム栓をし
た。そして、37℃の恒温槽で保温し、撹拌した。
【0065】これらの方法で発生したガスは、10%Na
OH液を通して二酸化炭素を除いたガスを水上置換法でメ
スシリンダーに集めて定量した。高速ガスクロマトグラ
フィーによる分析及び燃焼試験の爆発音から、発生した
ガスが水素ガスであることを確認した。
【0066】以上の結果に基づき、本発明に関わる実験
結果を順に説明する。
【0067】実験結果1;ジャガイモの場合
【0068】PY液体培地(糖分不含)900mlに対
してでんぷんを10g加え、クロストリジウム バイジ
ェリンキー(Clostridium beijerinkii )AM21B株の菌
液100mlを混合して37度で撹拌した。保温開始2
〜3時間後から、泡状に水素ガスの発生が認められ、6
時間後に1時間当たりの水素発生量が最高値(450m
l)に達した。そして、24時間での水素発生総量が3
000mlとなった。
【0069】実験結果2;バナナの場合
【0070】ミキサーで乳状にしたバナナ10g(還元
糖として3g)を900mlの脱イオン水が入れてある
三角フラスコに移し、クロストリジウム sp(Clostrid
iumsp.)No.2株の前培養菌液100mlを加え、37度
で撹拌した。保温開始2時間後から細かい泡状の水素ガ
スの発生が認められ、5〜6時間後に1時間当たりの水
素発生量が最高値(550ml)に達した。そして、2
4時間での水素発生総量が1500mlとなった。
【0071】実験例3;青物野菜の場合
【0072】精製水にホウレンソウ200gを加えてミ
キサーで撹拌し、ジュース状にした。続いて、精製水を
加えて900mlまで増量し、これに前培養したクロス
トリジウム バイジェリンキー(Clostridium beijerin
kii )AM21B株の菌液100mlを混合し、37度で撹
拌した。保温開始3〜4時間後から水素ガスの発生が認
められ、5〜6時間後に1時間当たりの水素発生量が最
高値(385ml)に達した。そして、24時間での水
素発生総量が2000mlとなった。
【0073】実験例4;とうもろこしの芯の場合
【0074】とうもろこしの芯をミキサーで粉砕し、乾
燥させた。続いて、3g%の乾燥とうもろこし芯を含む
PY液体培地900mlに前培養したクロストリジウム
sp(Clostridium sp.)F53株の菌液100mlを混合
し、培養液のpHをpH6.0、培養温度を40度に保
ち撹拌した。保温開始3時間後から泡状に水素ガスの発
生が認められ、7時間後に1時間当たりの水素発生量が
最高値(350ml)に達した。そして、24時間での
水素発生量が1200mlとなった。
【0075】実験例5;ホタテのウロの場合
【0076】ホタテのウロ100gをミキサーで軽く切
り刻み、精製水を加えて900mlにした。そして、前
培養したクロストリジウム バイジェリンキー(Clostr
idium beijerinkii )AM21B株の菌液100mlを混合
し、37度で撹拌した。保温開始3時間後から水素ガス
の発生が認められ、7〜8時間後に1時間当たりの水素
発生量が最高値(298ml)に達した。そして、24
時間での水素発生総量が980mlとなった。
【0077】実験例6;ジャガイモと青物野菜の混合物
の場合
【0078】ホウレンソウ汁を20%だけ含む900m
l水溶液に、でんぷんを10g加え、クロストリジウム
バイジェリンキー(Clostridium beijerinkii )AM21
B株の前培養液100mlを混合し、37度で撹拌し
た。撹拌開始後3〜4時間後から水素ガスの発生が認め
られ、7〜8時間後に1時間当たりの水素発生量が最高
値(400ml)に達した。そして、24時間での水素
発生総量は、3850mlとなった。
【0079】実験例7;植物と動物の混合廃棄物の場合
【0080】ホタテのウロ50gとホウレンソウ200
gを加えてミキサーでジュース状にし、900mlまで
精製水を加えて増量した。そして、クロストリジウム
バイジェリンキー(Clostridium beijerinkii )AM21B
株の前培養菌液100mlを混合し、37度で撹拌し
た。保温開始3〜4時間後から水素ガスの発生が認めら
れ、6〜8時間後に1時間当たりの水素発生量が最高値
(350ml)に達した。そして、24時間での水素発
生総量は、2500mlとなった。
【0081】以上のような実験結果より、本実施の形態
の水素製造方法では、従来行われていた水素製造方法に
比べて、水素の発生量がはるかに多く、また、複数の異
なる成分の有機材料を混合させることにより、工業用酵
素や添加物などを必要としないため、低コストで水素を
発生させることが可能となる。また、水素の発生に際し
ても、石油、天然ガスなどの化石燃料を用いることがな
く、余分な二酸化炭素を発生させることがない。すなわ
ち、水素の製造をクリーンに行える方法の中では、水素
発生量の多さなどから実用化に最も適した方法となって
いる。
【0082】すなわち、本実施の形態の方法としての、
撹拌による混合と微生物Aと有機材料の併用によれば、
10gのグルコースから、約8時間で水素総生産量40
00mlを得ることが十分可能と考えられる。また、光
合成微生物を用いる場合と比較して、水素製造装置1が
大型化せずに済む、といった利点も有している。
【0083】また、以下に、水素製造後の残りの有機材
料に対して上述の水素製造のためのクロストリジウム属
の微生物とは異なる、第2の微生物(細菌;以下、必要
に応じて微生物Bと称する。)を投下し、該有機材料を
分解して水及び二酸化炭素を生成する実験結果について
説明する。この実験に先立って、微生物Bを育成すると
共に、該微生物Bを分離する必要がある。このために、
生ゴミ処理機の内部にて微生物Bを育成した後に、該微
生物Bを分離した。以下に、その詳細を説明する。
【0084】まず、微生物Bの分離に用いる生ゴミ処理
機についてであるが、市販されている家庭用生ゴミ処理
機を購入し、この家庭用生ゴミ処理機の一部を改良し
て、新たに回転時間の調整ができるタイマーと、温度制
御装置を取り付けている。この生ゴミ処理機は、予め容
器内の温度を45度または50度に設定し、日中は1時
間回転と加熱を行い、その後1時間運転と加熱を中止し
ている。このような動作を、午後8時から連続10時間
の運転を行うように設定した。
【0085】パンダの糞中に含まれる通常の腸内細菌、
大腸菌、プロテウス菌、シュードモナス、ブドウ球菌等
の増殖を抑制する目的として、通常の細菌が炭素源とし
て利用できないキシロースとメチルセルロースを添加し
て、新規な細菌相の育成を計った。具体的には、植物約
400グラムに相当する20グラムのキシロース、20
グラムのメチルセルロース、及び乾燥を防ぐ程度の水を
補給した。すると、糞中に含まれていた笹の葉が細かく
なり、笹の葉、キシロースやメチルセルロースを分解す
る菌相が旺盛になり、日中の容器内の温度が発行により
60度を超えて、かかる60度を超え出した時期から微
生物Bの分離を開始した。
【0086】ここで、分離される微生物Bの望ましい性
質としては、 1.できるだけ高い温度でも、活発に生育できる菌が望
ましい。すなわち、高温菌である。 2.生ゴミの投入を中断する時が数週間あったとして
も、死滅しない微生物が望ましい。すなわち、耐久型の
微生物である。
【0087】3.生でんぷん、魚の骨、動物の脂やセル
ロース等を分解できる微生物が望ましい。現状では、生
でんぷんを分解できる微生物は極めて少ない。単に37
度程度の温度でたんぱく質を分解する微生物は珍しくな
いが、60度を超える高い温度にも絶えるプロテアーゼ
を産生する微生物は珍しい。なお、PCR法に用いられ
る高温耐熱性酵素は例外であり、ここで分離される新規
な微生物Bは、これではない。 4.生ゴミを分解しても、酢酸や酪酸等の有機酸や硫化
水素、インドール、アンモニア等の臭気のある物質をあ
まり産生しない微生物が望ましい。菌床が酸性になって
しまうと、微生物Bの生育や活動度が低下する可能性が
あるためである。
【0088】5.生ゴミを分解して二酸化炭素と水のみ
を産生する微生物が望ましい。 6.酸素の供給が多くても少なくても、増殖する通性嫌
気性菌が望ましい。
【0089】そして、上述の望ましい特性を備える新規
な微生物Bとしては、バチルス属の微生物が、概ねこの
範疇に入る、と考えられる。そのためには、好気性(増
殖に酵素を必要とする。)のグラム陽性の桿菌で、芽胞
を形成する微生物を選択的に分離し、その上で「たんぱ
く分解酵素、生でんぷん分解酵素及び卵黄溶解酵素」を
産生する菌株を、目的とする微生物Bの第一次候補とし
て分離することを考えた。
【0090】なお、動物の脂質は、植物の油と違い、温
度が低いと固形化し、その成分としては主にトリグリセ
ライド等である。卵黄もまたトリグリセライドを多く含
む。卵黄反応とは、レシチナーゼの作用で、卵黄中の油
脂成分が分解される反応と考えられている。また、菌床
のpHは、4.0〜8.0であることが望ましい。しか
しながら、このpHを調整することは、本発明において
は絶対条件ではない。
【0091】続いて、上述の如き特質を兼ね備える、新
規な微生物Bを分離するために、以下のような培地を用
いている。
【0092】1.動物の脂を分解する微生物を効率良く
分離するために、食塩添加量を3%以下の適当濃度にし
(通常は2%程度)、さらに卵黄を加えた寒天培地を作
成してこれを用いた。卵黄(主成分はレシチン等)を分
解する微生物(主にレシチナーゼを含む、俗に言うリパ
ーゼ等)は、不透明な卵黄培地において、卵黄を透明に
することができる筈である。
【0093】2.たんぱく質の肉を分解する微生物を効
率良く分離するために、食塩添加量を3%以下の適当濃
度にして、これにカゼインを加えた寒天培地を作成して
用いた。たんぱく分解酵素を産生する微生物は、白濁し
たガゼインを透明にすることができる筈である。
【0094】3.たんぱく質の肉を分解する微生物を効
率良く分離するために、乾燥させた動物の肝臓片を用い
たクックドミート液体培地(メルク社製)を購入して用
いた。たんぱく分解酵素を産生する微生物は、塊として
入れてある肝臓片を分解する筈である。
【0095】4.加熱していない生でんぷんを分解する
微生物を効率良く分離するために、適当濃度に生でんぷ
んを加えた液体培地を作成して用いた。でんぷん分解酵
素を産生する微生物は、白く沈殿している生でんぷんを
溶解する筈である。
【0096】5.上述の培地に生ゴミ処理機の菌床を用
いて、定法に従って培地に接種した。さらに、この菌床
を接種した培地を、37度、45度、55度で夫々数日
間保存し、新規な微生物の発育の促進を試みた。
【0097】以上のような培地と温度の組み合わせによ
って、新規な微生物Bを増殖させた。寒天培地で発育し
陽性の反応を示した集落は、各々の培地を用いて純粋培
養が得られるまで、分離培養を繰り返した。得られた集
落の菌株は、元の液体培地に接種し、そこで陽性を示す
菌株を選択した。
【0098】そして、まずたんぱく質分解酵素、でんぷ
ん分解酵素又は卵黄溶解酵素(レシチナーゼと考えられ
る。)を産生する菌250株が得られた。また、分離し
た250菌株の各々について、増殖温度域を調べた。そ
の結果、分離された菌株は、以下のような3種類に分類
された。
【0099】a.37度から45度までの間で増殖し、
それ以上の温度域ではあまり増殖しない菌株 b.45度から55度までの温度域で良く増殖する菌株 c.55度から60度までの温度域で良く増殖し、それ
以下の温度ではあまり増殖しない菌株
【0100】その中で、45度と55度の温度域で良く
増殖する菌株、及び55度から60度までの温度域で良
く増殖し、それ以下の温度域ではあまり増殖しない菌株
を選択し、その中で活性の強い29菌株を最終的に選択
した。更に、実用に向けて最優秀と思われる5菌株を選
び出し、以下に述べる試験に供した。ここで、試験の結
果判明した、新規な5菌株の主な特筆すべき性状は、以
下の通りである。
【0101】なお、以下の菌株の性状の説明中、「O/
F試験+/+」とは、ブドウ糖を酸化的に分解すること
/酵素を必要とせず発酵で分解すること、を示す。ま
た、「嫌気で発育+」は、酸素が存在しなくても発育す
ることを示す。さらに、「クエン酸利用+」は、クエン
酸を炭素源として利用する(この場合は、酢酸も分解す
ると期待できる。)ことを示す。また、「硝酸塩還元性
+」は、硝酸塩を還元する能力があることを示す。「硫
化水素−」と「インドール−」は、硫化水素やインドー
ル等の有害物を作らないことを示す。
【0102】菌株1.Bacillus amyloliquefaciens 14
8(受託番号;FERM P−18349) 増殖する温度は20度〜50度の範囲であり、増殖最適
温度は45度付近となっている。この菌株の性状として
は、好気性有芽胞桿菌であり、卵黄反応が陽性である。
また酸素が多いと二酸化炭素を発生し、でんぷんを強力
に分解する。また、ゲラチン、カゼイン及びレシチンを
も分解する。これに加え、他の性状としては、O/F試
験+/+であり、嫌気で発育+であり、クエン酸利用+
であり、硝酸塩還元性+であり、硫化水素−であり、イ
ンドール−というのがある。
【0103】かかる菌株1においては、アミラーゼ反応
は強陽性(生でんぷん)であり、アミラーゼ活性の温度
と活性値との関係は、45度で260単位、50度と5
5度で330単位、さらには、60度で256単位、6
5度で76単位となっている。これより、アミラーゼ活
性の最適反応温度は50〜55度付近となっていて、産
生活性値は高単位である。また、55度でのアミラーゼ
活性の熱安定性は、0分で100%、30分間で30
%、60分間で21%残存する。さらに、アミラーゼ活
性の30分加熱に対する抵抗性は、保温前は100%、
55度で30%、60度で5%残存する。
【0104】また、プロテアーゼ反応は強陽性(カゼイ
ン、ゼラチンと肝臓片)であり、プロテアーゼ活性の温
度と活性値の関係は、45度で35単位、50度で35
単位、55度で47単位、60度で43単位、65度で
28単位となっている。これより、最適反応温度は55
度付近となっていて、産生活性値は中程度である。ま
た、55度でのプロテアーゼ活性の熱安定性は、0分で
100%、30分間で79%、60分間で68%、3時
間で38%、5時間で35%残存する。さらに、プロテ
アーゼ活性の30分加熱に対する抵抗性は、保温前は1
00%、50度で79%、55度で59%、60度で2
0%残存する。また、リパーゼ反応は強陽性(レシチ
ン、卵黄とラード)である。
【0105】菌株2.Bacillus amyloliquefaciens 24
14(受託番号;FERM P−18347) 増殖する温度は、20度〜50度の範囲であり、増殖最
適温度は45度付近となっている。この菌株の性状して
は、好気性有芽胞桿菌であり、卵黄反応は陽性であり、
生でんぷんを分解し、さらにゲラチンとカゼイン、及び
レシチンも分解する。これに加え、他の性状としては、
O/F試験+/+であり、嫌気で発育+であり、クエン
酸利用+であり、硝酸塩還元性+であり、硫化水素−で
あり、インドール−というのがある。
【0106】かかる菌株2においては、生でんぷん分解
反応(アミラーゼ反応)は強陽性であり、アミラーゼ活
性の温度と活性値との関係は、45度で160単位、5
0度で256単位、55度で305単位、60度で12
3単位、65度で70単位となっている。これより、ア
ミラーゼ活性の最適反応温度は55度となっていて、産
生活性値は高単位である。また、55度でのアミラーゼ
活性の熱安定性は、0分で100%、30分間で29
%、60分間で18%残存する。さらに、アミラーゼ活
性の30分加熱に対する抵抗性は、保温前は100%、
55度で29%、60度で5%残存する。
【0107】また、プロテアーゼ反応は強陽性(カゼイ
ン、ゼラチンと肝臓片)であり、プロテアーゼ活性の温
度と活性値の関係は、45度で42単位、50度で50
単位、55度で51単位、60度で46単位、65度で
41単位となっている。これより、該プロテアーゼ活性
の最適反応温度は55度であり、産生活性値は中程度と
なっている。また、55度でのプロテアーゼ活性の熱安
定性は、0分で100%、30分間で70%、60分間
で66%、3時間で42%、5時間で41%残存する。
さらに、プロテアーゼ活性の30分間加熱に対する抵抗
性は、保温前は100%、55度で60%、60度で4
0%、65度で28%残存する。また、リパーゼ反応は
強陽性(レシチン、卵黄とラード)である。
【0108】菌株3.Bacillus subtilis 237(受託番
号;FERM P−18350) 増殖する温度は20度〜50度の範囲であり、増殖最適
温度は45度付近となっている。この菌株の性状として
は、好気性有芽胞桿菌であり、卵黄反応は陽性であり、
生でんぷんを分解し、さらにゲラチンとカゼイン、及び
レシチンも分解する。これに加え、他の性状としては、
O/F試験+/+であり、嫌気で発育+であり、クエン
酸利用−であり、硝酸塩還元性−であり、硫化水素−で
あり、インドール−というのがある。
【0109】かかる菌株3においては、生でんぷん分解
反応(アミラーゼ反応)は強陽性であり、アミラーゼ活
性の温度と活性値との関係は、45度で112単位、5
0度で210単位、55度と60度で239単位、65
度で92単位となっている。これより、アミラーゼ活性
の最適反応温度は55度〜60度付近となっていて、産
生活性値は高単位である。また、55度でのアミラーゼ
活性の熱安定性は、0分で100%、30分間で45
%、60分間で30%残存する。さらに、アミラーゼ活
性の30分加熱に対する抵抗性は、保温前は100%、
55度で46%、60度で12%残存する。
【0110】また、プロテアーゼ反応は強陽性(カゼイ
ン、ゼラチンと肝臓片)であり、プロテアーゼ活性の温
度と活性値の関係は、45度で31単位、50度で35
単位、55度で25単位、60度で20単位、65度で
10単位となっている。これより、プロテアーゼ活性の
最適反応温度は50度であり、産生活性値は中程度であ
る。また、55度でのプロテアーゼ活性の熱安定性は、
0分で100%、30分間で55%、60分間で44
%、3時間で33%、5時間で12%残存する。さら
に、プロテアーゼ活性の30分加熱に対する抵抗性は、
保温前は100%、55度で55%、60度で44%、
65度で27%残存する。また、リパーゼ反応は陽性
(レシチン、卵黄とラード)である。
【0111】菌株4.Bacillus licheniformis 136
(受託番号;FERM P−18346) 増殖する温度は20度〜55度の範囲であり、増殖最適
温度は55度付近となっている。この菌株の性状として
は、通好気性有芽胞桿菌である。卵黄反応は陽性であ
り、レシナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼ(気質;酸
性)を産生する。これに加え、他の性状としては、O/
F試験+/+であり、嫌気で発育+であり、クエン酸利
用+であり、硝酸塩還元性+であり、硫化水素−であ
り、インドール−というのがある。
【0112】かかる菌株4においては、生でんぷん分解
反応(アミラーゼ反応)は強陽性であり、アミラーゼ活
性の温度と活性値との関係は、45度で21単位、50
度で23単位、55度で20単位、60度で32単位、
65度で22単位となっている。これより、アミラーゼ
活性の最適反応温度は60度付近であり、産生活性値は
低単位である。また、60度でのアミラーゼ活性の熱安
定性は、0分で100%、30分間で68%、60分間
で63%、3時間で59%残存する。さらに、アミラー
ゼ活性の30分加熱に対する抵抗性は、保温前は100
%、60度で73%、65度で73%、70度で63
%、75度で59%残存する。
【0113】また、プロテアーゼ反応は陽性(カゼイ
ン、ゼラチンと肝臓片)であり、プロテアーゼ活性の温
度と活性値の関係は、45度で9単位、50度で15単
位、55度で14単位、60度で23単位、65度で2
2単位となっている。これより、プロテアーゼ活性の最
適反応温度は60度であり、産生活性値は中程度であ
る。また、60度でのプロテアーゼ活性の熱安定性は、
0分で100%、30分間で90%、60分間で44
%、3時間で43%、5時間で14%残存する。さら
に、プロテアーゼ活性の30分加熱に対する抵抗性は、
保温前は100%、60度で91%、65度で88%、
70度で87%、75度で13%残存する。また、リパ
ーゼ反応は強陽性(レシチン、卵黄とラード)である。
【0114】菌株5.Bacillus licheniformis 2530
(受託番号;FERM P−18348) 増殖する温度は20度〜60度の範囲であり、増殖最適
温度は55度付近となっている。この菌株の性状して
は、好気性有芽胞桿菌であり、極めて強い耐熱性芽胞を
形成し、卵黄反応は陽性であり、ゲラチンとカゼイン、
及びレシチンを分解する。これに加え、他の性状として
は、O/F試験+/+であり、嫌気で発育+であり、ク
エン酸利用−であり、硝酸塩還元性−であり、硫化水素
−であり、インドール−というのがある。
【0115】かかる菌株5においては、生でんぷん分解
反応(アミラーゼ反応)は強陽性であり、アミラーゼ活
性の温度と活性値との関係は、45度で7単位、50度
と55度で9単位、60度で13単位、65度で11単
位となっている。これより、アミラーゼ活性の最適反応
温度は60度付近となっていて、産生活性値は低単位で
ある。また、60度でのアミラーゼ活性の熱安定性は、
0分で100%、30分間で80%、60分間で45
%、3時間で36%残存する。さらに、アミラーゼ活性
の30分加熱に対する抵抗性は、保温前は100%、6
0度で45%、65度で40%、70度で36%残存す
る。
【0116】また、プロテアーゼ反応は強陽性(カゼイ
ン、ゼラチンと肝臓片)であり、プロテアーゼ活性の温
度と活性値の関係は、45度で6単位、50度で9単
位、55度で13単位、60度で20単位、65度で1
3単位となっている。これより、プロテアーゼの最適反
応温度は60度であり、産生活性値は低単位である。ま
た、60度でのプロテアーゼ活性の熱安定性は、0分で
100%、30分間で62%、60分間で36%、3時
間で8%残存する。さらに、プロテアーゼ活性の30分
加熱に対する抵抗性は、保温前は100%、60度で6
2%、65度で48%、70度で10%残存する。ま
た、リパーゼ反応は陽性(レシチン、卵黄とラード)で
ある。
【0117】なお、上述した酵素についての酵素の定量
法は、夫々以下に示す通りである。まず、アミラーゼの
定量法は、生でんぷんを気質として、ネオ・アミラーゼ
ー「第一」を用いてα−アミラーゼを測定した。また、
リパーゼの定量法としては、レシチンを気質として、ネ
スコートVNリパーゼ「キット」を用いて、レシチナー
ゼを測定した。さらに、プロテアーゼの定量法として
は、カゼインを気質として、Lowry法を用いてチロ
シンを定量し、チロシン標準極性より活性値を計算し
た。
【0118】なお、今回の実験に際しては、上述の菌株
を用いて行っているが、上述の新規な菌株はあくまでも
例示である。本発明の作用効果を得るためには、上述の
菌株を用いる場合には限られず、生でんぷん分解酵素、
たんぱく質分解酵素と脂質分解酵素の3種類を産生する
菌株で、その産生される酵素は耐熱性であれば、如何な
る菌株を用いても構わない。また、上述の5菌株に限ら
れず、これらの生でんぷん分解酵素、たんぱく質分解酵
素、及び脂質分解酵素の3種類を産生する菌株が、微生
物Bに対応する。
【0119】続いて、本実験に用いる生ゴミ処理機につ
いてであるが、市販されている家庭用生ゴミ処理機を購
入し、この生ゴミ処理機に付属している菌床に付着して
いる微生物の排除を行った。微生物の排除は、高圧蒸気
を施して滅菌した後、熱風乾燥機内に放置して完全に乾
燥させた。そして、上述の微生物の育成・分離の際に用
いた生ゴミ処理機と同様な、タイマーと温度制御装置を
装備している生ゴミ処理機において、上述した5菌株を
各々100ミリリットルのトリプトソイブイヨン(日水
製薬製)に接種して、55度のフラン器で一晩増菌させ
た。
【0120】生ゴミ処理機に菌床素材を2.5キロ加
え、一晩培養した各100ミリリットル菌液にを適当な
間隔で菌床素材に降りかけて吸収させた。その後に、2
0グラムのキシロース粉末を均等に混合し、電源を入れ
て約4時間連続で過熱(設定温度45度)すると共に、
空気が良く混ざりこむように撹拌させた。引き続く4時
間は、加熱と回転を止めた。再度加熱と撹拌を4時間連
続で行い、電源を切って翌朝まで放置した。この状態に
て、生ゴミの処理の実験を行った。
【0121】(実験例1;新規に分離した5菌株による
野菜と魚の生ゴミの処理例)まず、キャベツや白菜等の
捨てる外側の部分500グラムと、イワシ、サバやカツ
オ等の頭、骨と皮等、500グラムを上述の生ゴミ処理
機に投入した。そして、生ゴミ処理機を作動させ、回転
と保温を1時間行うと共に、その1時間後に回転を行う
駆動部と保温を行う熱源の電源が切れるように設定す
る。そして、昼の12時から午後8時まで、回転と保
温、及びこれらの休止を1時間毎に繰り返した。その
間、作動と休止の度毎に、容器内の温度を記録した。午
後8時に電源を切った時に最後の温度を測定し、そのま
ま翌朝の9時まで回転を中止した状態に保った。
【0122】生ゴミを投入すると、当初は温度が下が
り、約40度付近となった。また、回転と保温を止める
と温度は上昇し始め、5時間〜6時間後には容器内の温
度が55度を超え、さらに翌朝には60度前後になって
いた。翌朝、容器内を見ると、大量の水滴が容器の蓋部
と上部に付着しており、蓋部に手を触れると流れた。こ
のようにして、日曜日と祭日を除く月曜日から土曜日ま
での間、1キロの野菜と魚を総計50日間投入し続け
た。
【0123】ここで、当初の菌床は2.5キログラムで
あり、容器内の温度は月曜日の朝に最低温度となって室
温前後であり、それ以外の通常の朝の容器内の温度は最
高値を記録して67度となった。また、日中の平均温度
は50度前後を示した。生ゴミ投入50日間で、投入総
量は50キログラムとなった。また、50日後の菌床が
2.5キログラム前後であったことより、生ゴミ処理機
における新規な5菌株における生ゴミの分解率は、ほぼ
100%であると考えられ、残渣として魚の骨がごく一
部残ったのみであった。
【0124】(実験例2;新規に分離した5菌株による
魚を主体とした生ゴミの処理例)まず、キャベツや白菜
等の捨てる外側の部分200グラムと、イワシ、サバや
カツオ等の頭、骨と皮等、800グラムを上述の生ゴミ
処理機に投入した。そして、上述の実験例1と同様にし
て生ゴミ処理を行った。
【0125】その結果、最初温度は下がり約40度付近
となった。また、回転と保温を止めると温度は上昇し始
め、5時間〜6時間後には55度を超え、さらに翌朝に
は60度前後になっていた。翌朝、容器内を見ると、大
量の水滴が容器の蓋部と上部に付着しており、蓋部に手
を触れると流れた。このようにして、日曜日と祭日を除
く月曜日から土曜日までの間、1キロの野菜と魚を総計
50日間投入し続けた。
【0126】ここで、容器内の温度は月曜日の朝に最低
温度となって35度前後であり、それ以外の通常の朝の
容器内の温度は最高値を記録して60度となった。ま
た、日中の平均温度は50度前後を示した。生ゴミ投入
50日間で、投入総量は50キログラムとなった。ま
た、50日後の菌床は、生ゴミ投入当初が2.5キログ
ラム前後であったものが4.5キログラムになったこと
より、生ゴミ処理機における新規な5菌株における生ゴ
ミの分解率は、98%程度であると考えられ、残渣とし
て魚の骨がごく一部残っていた。しかしながら、これら
の残渣の重量を正確に測定できれば、分解率はほぼ10
0%に達すると考えられる。
【0127】(実験例3;新規に分離した5菌株による
揚げ物を主体とした生ゴミの処理例)まず、キャベツや
白菜等の捨てる外側の部分200グラムと、イワシ、サ
バやカツオ等の頭、骨と皮等、300グラム、及びコロ
ッケや揚げたマッシュドポテト500グラムを、毎日上
述の生ゴミ処理機に投入した。そして、上述の実験例
1、実験例2と同様にして生ゴミ処理を行った。
【0128】この場合、多少油が多過ぎたためか、菌床
が少しダンゴ状になる傾向が見られた。また、通常の朝
の温度は最高値60度を示すと共に、日中の平均温度は
50度前後を示した。生ゴミ投入50日間で、投入総量
は50キログラムとなった。また、50日後の菌床は、
生ゴミ投入当初が2.5キログラム前後であったものが
4.5キログラムになったことより、生ゴミ処理機にお
ける新規な5菌株における生ゴミの分解率は、98%程
度であると考えられる。また、残渣としては、魚の骨が
ごく一部残っていた。
【0129】(実験例4;新規に分離した5菌株による
でんぷんを主体とした生ゴミの処理例)まず、キャベツ
や白菜等の捨てる外側の部分200グラムと、イワシ、
サバやカツオ等の頭、骨と皮等、300グラム、及び生
うどんと生ジャガイモ500グラムを、毎日上述の生ゴ
ミ処理機に投入した。そして、上述の実験例1、実験例
2と同様にして生ゴミ処理を行った。
【0130】この場合、目測による観測では、でんぷん
を主体とする生ゴミの処理が一番効率良く行われてい
た。菌床は、常に乾燥気味であり、菌床の色も多少明る
い色を呈していた。生ゴミ投入50日間で、投入総量は
50キログラムとなった。また、50日後の菌床は、
2.5キログラム前後となっていた。これより、でんぷ
んを主体とする生ゴミの分解率は、100%と考えられ
る。
【0131】以上の実験例1〜実験例5に示した実験結
果より、上述した新規な微生物を用いることによって、
有機材料としての生ゴミを、ほぼ100%近く分解でき
ることが分かった。また、分解の際に、ほとんど異臭が
生じず、しかも水と二酸化炭素のみを生成するため、分
解後に残渣もほとんど生じない、ということが分かっ
た。
【0132】以上から、上述した菌株1〜菌株5の微生
物を、水素製造装置1における第2の反応容器20内に
投入した場合には、水素製造後の有機材料を、二酸化炭
素と水とに分解することができる。そして、分解後に
は、例えば魚の骨等の微量な残渣しか残らず、ほとんど
全ての有機材料を分解することができる。このように、
第2の反応容器20中での有機材料の分解により、ほと
んど排出物(ゴミ)が生じない、理想的な水素発生兼生
ゴミ処理装置とすることができる。
【0133】しかも、上述の菌株を用いることで、最も
最適な発酵温度が60度前後である生ゴミ処理を行うこ
とができる。なお、発酵温度は60度前後が最適である
が、30〜70度の範囲内であれば良い。
【0134】また、微生物Bを活用することから、従来
の生ゴミの処理のように、焼いたり埋めたりする、とい
った手間を省くことが可能である。しかも、微生物Bは
繰り返し活用することができる。特に、第2の反応容器
20中に微生物Bが存する菌床を設置する場合には、こ
の菌床が存する限り繰り返し何度でも該微生物Bによる
有機材料の分解を行うことが可能となる。しかも、繰り
返し用いても、有機材料の分解にほとんどコストが掛か
らない。
【0135】さらに、上述の水素製造装置1では、第1
の反応容器2と第2の反応容器20の間に、回転バー1
4が設けられている。これと共に、回転バー14は、モ
ータ16によって回転駆動される構成である。このた
め、第1の反応容器2内での水素生成が終了した有機材
料を、モータ16の駆動によって簡単に第2の反応容器
20内に落とし込むことが可能となる。それによって、
第1の反応容器2での水素の生成から、第2の反応容器
20内での有機材料の処理に速やかに移行することが可
能となる。また、かかるモータ16の作動を制御装置2
6にて制御することにより、水素の生成や、生成後の有
機材料の処理を、自動的に行わせることが可能となる。
【0136】また、第1の反応容器2、及び第2の反応
容器20内に、共にフィン7,24を具備している。こ
のため、これらフィン7,24によって第1の反応容器
2、及び第2の反応容器20内を撹拌することが可能と
なり、微生物A又は微生物Bを含む有機材料が適度に混
合される。それにより、有機材料の分解反応を促進する
ことが可能となる。
【0137】なお、ポンプ12による真空吸引で、第1
の反応容器2内は若干負圧に設定されている。それによ
って、第1の反応容器2内では、嫌気性微生物であるク
ロストリジウム属の微生物Aが生息して、有機材料から
水素を良好に発生することを可能としている。しかしな
がら、水素の生成が終了した有機材料を第2の反応容器
20内に移行させても、第2の反応容器20内は真空吸
引されず、第2の反応容器20中には、好気性の新規な
微生物Bが投入される。そのため微生物Aが存続するこ
とができず、第1の反応容器2と第2の反応容器20と
を明確に区別することができる。
【0138】さらに、制御装置26により、モータ1
0,16,25を制御すると共に、フィン7,24を制
御することで、第1の反応容器2及び第2の反応容器2
0における有機材料の分解を、促進させることができ
る。
【0139】なお、第2の反応容器20の温度を適温に
保つ温度調節手段を設ける場合には、有機材料の分解を
最適に調整することが可能となる。この場合も、制御装
置26に温度調節手段を接続すれば、該第2の反応容器
20内を最適な温度に自動的に調節することが可能とな
る。
【0140】(第二の実施の形態)
【0141】以下、本発明の第二の実施の形態につい
て、図3及び図4に基づいて説明する。なお、この第二
の実施の形態で用いる水素製造装置の構成は、上述の第
一の実施の形態で述べた構成と同様である。
【0142】本実施の形態で述べる水素製造方法は、ま
ず反応容器2の内部にセルロースを成分とする有機材料
を投入する。この有機材料は、例えばシュレッダー等で
粉砕された紙屑や、チップや木材カス等である。この後
に、クロストリジウム属の微生物(微生物A)の投入を
行う。なお、本実施の形態でも、微生物Aを投入した後
に、反応容器2内部を若干陰圧にしても構わない。ま
た、微生物Aを入れた後に、セルロースを成分とする有
機材料を入れるようにしても良い。
【0143】その後に、フィン7を作動させて有機材料
の撹拌を行う。そしてこれに伴って、制御装置26で有
機材料の量や材質から反応時間を算出する。また、反応
時間の計測を開始する。
【0144】ここで、セルロースを成分とする有機材料
の反応時間と水素発生量につき、知見として得られた関
係を図4に示す。制御装置26での反応時間の計測によ
り、反応が収束する時間に到達したら、再び微生物Aの
投入を行う。そして、再びフィン7を作動させて有機材
料の撹拌を行う。この再投入時にも陰圧としても良い。
【0145】この動作を、必要な回数だけ繰り返し行っ
て、有機材料の完全な分解を行う。そして、反応が収束
すれば、制御装置26でこれを感知して、フィン7の撹
拌動作を停止させる。なお、通常は2回、または3回の
微生物の投入によって有機材料の完全な分解が行われ
る。
【0146】なお、本実施の形態では、工業用酵素等の
酵素を添加しなくても、反応が進行するが、より水素発
生量を多くするために、工業用酵素を投入する方が好ま
しい。特に1回目の反応時よりも、2回目以降の反応時
に工業用酵素を投入する方がより大きな効果がある。
【0147】以上の水素製造方法の実験結果について、
以下に説明する。この実験に当たっても、図1の装置を
小型化した実験装置を用いた。
【0148】実験例8;コピー用紙の場合
【0149】シュレッダーで切り刻んだ使用済みコピー
用紙10gを含む糖分不含PY液体培地900mlに前
培養したクロストリジウム sp(Clostridium sp.)No.
2株の菌液100mlを混合し、37℃で撹拌した。開
始3〜4時間後から水素ガスの発生が認められ、7時間
後(第1回目の投入によるもの)と12時間後(第2回
目の投入によるもの)に1時間当たりの水素発生量の大
小2つのピークが存在した。そして、24時間での水素
発生総量は1500mlとなった。
【0150】実験例9;コピー用紙とセルラーゼを併用
した場合
【0151】シュレッダーで切り刻んだ使用済みコピー
用紙10gを含む糖分不含PY液体培地900mlに一
晩培養したクロストリジウム sp(Clostridium sp.)N
o.2株の菌液100mlを混合し、37度で撹拌した。
水素発生がほぼ終了した時点で、工業用セルラーゼ(E
−CEL)粉末を2mg/mlに添加し、37℃で継続
して撹拌した。培養開始3〜4時間後から水素ガスの発
生が認められ、7時間後(第1回目の投入によるもの)
と12時間後(第2回目の投入によるもの)に1時間当
たりの水素発生量の大小2つのピークが存在した。その
後時間の経過と共に、水素発生総量が減少し、24時間
での水素発生総量が1500mlとなった。水素発生が
ほぼ終了した時点、すなわちまた、培養開始18時間後
に工業用セルラーゼを添加したら、再度水素ガスの発生
が始まって1200mlさらに増量し、24時間での水
素発生総量が2700mlとなった。
【0152】以上のような実験結果より、本実施の形態
の水素製造方法では、従来は難しいとされていた、有機
材料の分解により水素を生成することが可能となる。
【0153】このため、回収した紙屑等から水素を発生
させることが可能となり、資源の有効活用を図ることが
可能となる。また、工業用酵素等の酵素を添加すること
により、一層多くの水素を発生させることが可能とな
る。その例として、工業用酵素を添加すれば、実験から
97〜98%セルロースを成分とする有機材料を完全に
分解できることが知見できている。
【0154】この第二の実施の形態のように構成にする
ことで、セルロースを成分とする有機材料から水素を良
好に生成することが可能となる。これと共に、セルロー
スを成分とする有機材料をも、第2の反応容器20に
て、水と二酸化炭素とに分解することが可能となる。そ
れによって、水素製造のためにセルロースを主成分とす
る有機材料を用いた場合でも、排出物の発生を極力抑制
することが可能となる。
【0155】(第三の実施の形態)以下、本発明の第三
の実施の形態について、図5及び図6に基づき説明す
る。図5に示す水素製造装置は、上述した第一の実施の
形態で述べた水素製造装置と基本的な構成は類似してい
るが、細部の構成が異なるものである。以下、この実施
の形態における水素製造装置の構成について述べる。
【0156】本実施の形態の水素製造装置30では、水
分取入口31と有機材料・微生物投入口32が上端側に
設けられていて、ここから夫々水分、及び有機材料や微
生物Aが投入される。ここで、有機材料・微生物投入口
32から投入された有機材料は、導入管路33を介して
第1の反応容器34に導かれるが、この導入管路33の
中途部には弁35が設けられている。そして、この弁3
5によって仕切られることにより、導入管路33の幅が
広く形成されている部分には、粉砕槽36が形成され
る。
【0157】粉砕槽36は、投入された有機材料を粉砕
して分解し易くするためのものであり、この内部に粉砕
手段としての粉砕刃37が設けられている。そして、こ
の粉砕刃37が駆動することにより、有機材料が所定の
大きさまで粉砕される。それにより、第1の反応容器3
4に有機材料が投入された場合に、反応・分解が促進さ
れる。また、粉砕刃37は、粉砕槽36とは別途の位置
に設けられている粉砕用モータ38によって駆動力が与
えられる。
【0158】そして、粉砕槽36内部で所定だけ粉砕さ
れた有機材料、及び導入された水分は、弁35の開放に
より第1の反応容器34内部に導入される。なお、第1
の反応容器34に第1の撹拌手段としてのフィン40、
このフィン40を駆動させるためのモータ41が設けら
れている点は、上述の第一の実施の形態で述べたのと同
様である。また、第1の反応容器34には、該第1の反
応容器34内部で発生した水素を外部で取り出すための
水素排出管路42が設けられている。
【0159】この水素排出管路42の中途部には、バル
ブ43が設けられていると共に、さらに水酸化ナトリウ
ムが蓄えられている水酸化ナトリウム溶液部44が設け
られている。そのため、この水酸化ナトリウム溶液部4
4によって、第1の反応容器34内部で水素と共に発生
した二酸化炭素を吸収する。そして、この水酸化ナトリ
ウム部44を通過した水素が、水素製造装置30の外部
に排出される。なお、水酸化ナトリウム溶液部44に
は、エアポンプ45が管路46を介して接続されてい
て、能力以上のガスが発生した場合には、強制的に吸引
排出する構成を採用している。
【0160】また、第1の反応容器34には、温度調節
手段としてのヒータ47が取り付けられている。ヒータ
47は、第1の反応容器内部34を適温に保ち、該第1
の反応容器34の内部における分解反応を促進させるた
めのものである。
【0161】この第1の反応容器34には、吸引管路4
8が接続されている。吸引管路48は、第1の反応容器
内34で水素生成が終了した有機材料を吸引・排出する
ためのものである。かかる吸引力を吸引管路48に与え
るため、該吸引管路48の中途部には、落下・移送ガイ
ド手段としてのポンプ49が設けられている。また、ポ
ンプ49を通過した有機材料は、脱水器50内部に導入
される。脱水器50では、有機材料に含まれている余分
な水分が取り除かれる。なお、落下・移送ガイド手段と
しての機能を果たすものはポンプ49には限られず、吸
引管路48も該当する。
【0162】なお、取り除かれた水分は、第2の反応容
器51とは別途の経路である水分排出管路52を介し
て、外部に排出される。また、この水分排出管路52の
中途部には、排出される水分の流量を調節するためのバ
ルブ53が設けられている。それによって、脱水器50
を通過する有機材料に含まれる水分量を調節することを
可能としている。
【0163】脱水器50を通過した有機材料は、第2の
反応容器51内部に導入される。この第2の反応容器5
1は、上述した第1の反応容器34とは全く別個に設け
られたものであり、第1の反応容器34内部で水素の発
生が終了した有機材料がポンプ49の吸引力によって第
2の反応容器51内部に汲み取られる。
【0164】第2の反応容器51には、フィン54及び
このフィン54を回転駆動させるためのモータ55が設
けられている。また、上述した第1の反応容器34で述
べたのと同様に、第2の反応容器51には、温度調節手
段としてのヒータ56が取り付けられている。それによ
って、第2の反応容器51を適温に保ち、該第2の反応
容器51の内部における分解反応を促進させることを可
能としている。
【0165】第2の反応容器51には、二酸化炭素排出
管路57、及び水分排出管路58が接続されている。そ
れによって、第2の反応容器内部51で発生する二酸化
炭素、及び水分を外部に排出することを可能としてい
る。また、水分排出管路58には、バルブ59が中途部
に設けられている。それによって、第2の反応容器51
内部から排出される水分の量を調節することを可能とし
ている。
【0166】なお、本実施の形態の水素製造装置30に
おいても、制御装置60が設けられている。制御装置6
0は、モータ38,41,55、ポンプ49、エアポン
プ45及びヒータ47,56を適宜に制御駆動するもの
である。
【0167】以上のような構成の水素製造装置30で
は、以下のフロー(図6参照)のようにして、水素の発
生が為される。
【0168】まず、有機材料を有機材料・微生物投入口
32から投入する(ステップ1)。また、併せて水分取
入口31から水分も投入する。この有機材料の投入と共
に、又は投入に前後して、上述の第一の実施の形態で述
べたクロストリジウム属の微生物Aを投入する。なお、
微生物Aの投入は、初回のみであり、次回の投入では、
基本的には新たに微生物Aの投入は行わない。また、微
生物Aの投入は嫌気性のため、次に述べるように、第1
の反応容器34内部を負圧に吸引排気した後に投入する
のが望ましい。
【0169】なお、有機材料の投入に際しては、モータ
38を駆動させ、粉砕刃37を駆動させて有機材料を粉
砕するのが望ましい。しかしながら、粉砕刃37を駆動
させずに、直接第1の反応容器34に有機材料を投入す
るようにしても構わない。
【0170】そして、これらの投入が完了した後に、ポ
ンプ(図示省略)を作動させて、第1の反応容器34内
部を吸引排気し、該第1の反応容器34内部を負圧にす
る(ステップ2)。そして、ポンプにて、負圧の状態を
維持する。すると、投入された微生物Aが、有機材料を
分解する水素発酵を始める。この場合、水素発酵を促進
させるために、モータ41及びヒータ47を制御駆動さ
せる(ステップ3)。それによって、フィン40が適宜
の回転速度、及び駆動時間に制御駆動され、さらにはヒ
ータ47により第1の反応容器34内部を適宜の温度に
設定することが可能となる。
【0171】なお、水素発酵により発生した水素は、水
素排出管路42を介して外部に排出されるが、その際
に、水酸化ナトリウム溶液部44を通過させることによ
り、水素と共に発生した二酸化炭素が吸収される。
【0172】そして、水素発酵が終了したかどうかを、
水素発生量等によって検知する(ステップ4)。なお、
この水素発生量を検知するために、不図示の検知手段を
具備する構成としても良い。また、水素発酵が終了した
か否かの検知は、水素発生量には限られず、他の要素
(例えば温度変化等)によって検知しても構わない。
【0173】上述の検知により水素発酵が終了したと判
断された場合には、まず第2の反応容器51が有機材料
の処理可能であるか否かの確認を行う(ステップ5)。
また、上述の確認により、水素発酵が終了していないと
判断された場合には、ステップ3の水素発酵を継続す
る。有機材料の処理が可能か否かは、初回においては微
生物Bの菌床が設置されているか等の、確認を行う。ま
た、次回以降は、菌床がそのまま第2の反応容器51中
に存する状態となる。
【0174】第2の反応容器51が有機材料処理可能で
あると判断された場合、ポンプ49を作動させて、第1
の反応容器34の有機材料のうち、その半分を第2の反
応容器51に向けて汲み上げる。そして、第2の反応容
器51に該有機材料を吐出する(ステップ6)。なお、
ポンプ49を作動させて第2の反応容器51に汲み上げ
る有機材料の分量は半分には限られず、適宜に調整可能
である。
【0175】また、ポンプ49を作動させて第1の反応
容器51の有機材料を汲み上げた後に、第1の反応容器
51中に新たな有機材料を投入する(ステップ6A)。
このステップ6A以降のフローは、上述したステップ1
〜ステップ6と同様である。
【0176】第2の反応容器51に有機材料が投入され
ると、第2の反応容器51に存する微生物Aが、有機材
料を分解し始め、有機材料から水と二酸化炭素とを生成
する。この場合、水分は水分排出管路58を介して排出
され、二酸化炭素は二酸化炭素排出管路57を介して排
出される。また、水素発酵を促進させるために、モータ
55及びヒータ56を制御駆動させる(ステップ7)。
それによって、フィン54が適宜の回転速度、及び駆動
時間に制御駆動され、さらにはヒータ56により第2の
反応容器内部を適宜の温度に設定することが可能とな
る。
【0177】また、例えば前回投入された有機材料が、
まだ第2の反応容器51中に存していて、まだ第2の反
応容器51における前回投入分の有機材料の分解反応が
終了してないときは、第2の反応容器51が有機材料処
理可能ではないと判断する。この場合、ポンプ49は作
動させずに、第2の反応容器51中に存する処理中の有
機材料の処理を継続する。
【0178】第2の反応容器51における有機材料の分
解が進行すると、該有機材料の分解反応が終了したか否
かを判断する(ステップ8)。そして、有機材料の処理
が終了したと判断された場合には、第2の反応容器51
は再び有機材料の処理が可能な状態となる。また、ステ
ップ8において、有機材料の分解反応が終了していない
と判断された場合には、ステップ7に戻るフィードバッ
ク制御を行う。
【0179】以上のような水素製造装置30によれば、
上述した第一の実施の形態及び第二の実施の形態で述べ
た水素製造装置1と同様に、第1の反応容器34中で水
素を生成した後の残りの有機材料を、第2の反応容器5
1中で水と二酸化炭素に分解処理することが可能とな
る。それによって、ほとんど排出物(ゴミ)が生じな
い、理想的な水素発生兼生ゴミ処理装置とすることがで
きる。
【0180】また、水素発酵が終了した有機材料のう
ち、半分だけ第2の反応容器にポンプを介して移送する
ため、第1の反応容器34中に残った微生物Aにより新
たに投下される有機材料の分解処理を行うことが可能で
ある。すなわち、一度微生物Aを投入すれば、基本的に
微生物Aを追加投入することがなく、繰り返し何度でも
有機材料を投入して分解処理を行うことが可能となる。
そのため、微生物Aを投入するために要するコスト、及
び時間を削減することが可能となる。
【0181】さらに、有機材料を第1の反応容器34に
投入するに先だって、粉砕槽で該有機材料を細かく粉砕
する。このため、有機材料が第1の反応容器34中で微
生物Aによって分解処理され易くなり、該微生物Aによ
る分解処理に要する時間を短縮化させることが可能とな
る。
【0182】以上、本発明の各実施の形態と各実験結果
について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可
能となっている。以下それについて述べる。
【0183】上記各実施の形態では、ステンレス製のフ
ィン7,24,40,54により撹拌を行う構成として
いるが、これ以外に例えば磁性材料又はセラミックス等
の多穴質の吸着性材質からなる羽根や撹拌棒を用いて撹
拌する構成としても構わない。この場合、有機材質中に
存する水銀等の金属の随伴物やコピー用トナー成分を、
拡散させずに捕捉することが可能となる。
【0184】また、有機材料は、上述のものに限られな
い。上述の有機材料は、あくまでも例示であり、これ以
外に可能性としては種々のものがあり、また現実に利用
が考えられるものとしては、魚、肉類、果物類、根菜類
等がある。また、とうもろこしの芯や皮、麦わら、稲わ
ら、もみがら等の穀物類、お茶殻、コーヒーかすとして
も良い。さらに、有機材料の形態はいかなるものでも良
く、泥状又は液状であっても構わない。また、ジャガイ
モ等のでんぷん質材料の場合、切り刻んでも水分が発生
しない場合もあるが、水分が発生するものもあり、ま
た、他に水分の発生するものを粉砕又は切り刻む等して
添加すれば、水分の発生も効果を奏し、良好に反応を行
える。
【0185】撹拌は、連続的に行うもの以外に、間欠的
に行うもの(回転、休止を繰り返すもの)としても良
い。また、有機材料の混合は、フィン7,40による撹
拌によるものの外に、投入前に十分混合させておくこと
で、より好ましいものとなっている。また、第一の実施
の形態において、微生物投入口3と材料投入口4を別々
に設けず、第三の実施の形態のように、有機材料・微生
物投入口32として、兼用させるようにしても良い。
【0186】また、上述の各実施の形態では、水素製造
装置1にフィン7,24,40,54を設ける構成とし
ているが、かかるフィン7,24、40,54を省略す
る構成としても構わない。これらフィン7,24、4
0,54を省略しても、多少上述の水素製造装置1に比
較して作用効果が劣るものの、本願発明の当初の目的で
ある、水素の製造と、製造後の排出物の発生を防ぐ、と
いった目的を達成することが可能である。同様に、回転
バー14を設ける構成とはせずに、人手で有機材料を第
2の反応容器20に移行させるようにしても構わない。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水素製造
装置及び水素製造方法によると、第1の反応容器中にお
いて、クロストリジウム属の微生物が有機材料を分解し
て水素を製造することができる。この場合、クロストリ
ジウム属の微生物を用いたことにより、従来の水素の製
造方法と比較して、水素の発生量を増大させることがで
きる。また、工業用酵素を添加しなくても水素を発生さ
せることが可能となるため、低コストでの水素発生が可
能となる。
【0188】更に加えて、水素発生後の残りの有機材料
を第2の反応容器中に投入し、該有機材料の投入後に第
2の微生物を投入することにより、有機材料を水と二酸
化炭素に分解することができる。このように、第2の反
応容器中での有機材料の分解により、ほとんど排出物
(ゴミ)が生じない、理想的な生ゴミ処理装置とするこ
とができる。また、第2の微生物を繰り返し利用するこ
とで、ほとんどコストが掛からない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一及び第二の実施の形態に係る水素
製造装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1の水素製造装置において、有機材料とクロ
ストリジウム属の微生物を反応させた場合の反応時間と
水素発生量の関係の一例を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施の形態に係る水素製造方法
を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係る水素製造方法
において、セルロースを成分とする有機材料にクロスト
リジウム属の微生物を反応させた場合の反応時間と水素
発生量の関係を示す図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態に係る水素製造装置
の構成を示す側面断面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態に係る水素製造方法
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,30…水素製造装置 2,34…第1の反応容器 3…微生物投入口 7,40…フィン(第1の撹拌手段) 10,16,25…モータ 12…ポンプ(吸引手段) 14…回転バー(落下・移送ガイド手段) 20,51…第2の反応容器 24,54…フィン(第2の撹拌手段) 26…制御装置(制御手段) 37…粉砕刃(粉砕手段) 49…ポンプ(落下・移送ガイド手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 1/20 B09B 3/00 ZABA (C12P 3/00 D C12R 1:145) Z (72)発明者 須貝 保徳 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 (72)発明者 小池田 章 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 (72)発明者 工藤 靖博 北海道札幌市厚別区下野幌テクノパーク1 丁目2番1号 株式会社電制内 Fターム(参考) 4B029 AA01 BB01 CC01 DB01 4B064 AA01 CA02 CD21 CD24 CD25 DA16 4B065 AA23X BB18 BB22 BB23 BB26 BD44 CA01 CA55 4D004 AA02 AA03 AA04 AA12 AC05 BA03 CA04 CA15 CA18 CB05 CB13 CB27 CB28 CB45 CC07 DA02 DA13 DA20 4G040 BA02 BA03 BB03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機材料から水素を発生させる水素製造
    装置において、 上記有機材料を投入すると共に、内部にクロストリジウ
    ム属の微生物が投入される第1の反応容器と、 上記第1の反応容器を真空吸引するための吸引手段と、 上記第1の反応容器内における有機材料からの水素の生
    成が終了した後に、該有機材料を投入すると共に、内部
    に上記有機材料を水と二酸化炭素に分解する第2の微生
    物が投入される第2の反応容器と、 を具備することを特徴とする水素製造装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の反応容器には、この内部での
    温度を調節する温度調節手段が接続されることを特徴と
    する請求項1記載の水素製造装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の反応容器内には、該第1の反
    応容器内に存する有機材料を撹拌することで、上記クロ
    ストリジウム属の微生物による有機材料の分解により水
    素の製造を促進させる第1の撹拌手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の水素製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の反応容器内には、この第2の
    反応容器内に存する有機材料を撹拌することにより該有
    機材料の分解を促進させる第2の撹拌手段が設けられて
    いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に
    記載の水素製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の反応容器は、前記第2の反応
    容器の上方、若しくは側方に設けられていると共に、該
    第1の反応容器と第2の反応容器の境界部分には、前記
    第1の反応容器内での水素の生成が終了した有機材料を
    前記第2の反応容器内に、落下若しくは移送させるため
    の落下・移送手段が設けられていることを特徴とする請
    求項1から4のいずれか1項に記載の水素製造装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の反応容器内には、菌床が設け
    られることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項
    に記載の水素製造装置。
  7. 【請求項7】 前記吸引手段、前記温度調節手段、前記
    第1の撹拌手段、前記第2の撹拌手段及び前記落下・移
    送手段の少なくとも1つは制御手段によって制御される
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の水素製造装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第1の反応容器への有機材料の投下
    に先だって、前記有機材料を粉砕する粉砕手段が設けら
    れていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1
    項に記載の水素製造装置。
  9. 【請求項9】 有機材料から水素を発生させる水素製造
    方法において、 上記有機材料とクロストリジウム属の微生物を第1の反
    応容器内に投入すると共に、上記有機材料と上記微生物
    とを反応させ、水素を生成する水素生成工程と、 上記水素生成工程後の残りの有機材料を第2の反応容器
    内に投入すると共に、内部に上記有機材料を水と二酸化
    炭素に分解する第2の微生物が投入され、その有機材料
    を処理する有機材料処理工程と、 を具備することを特徴とする水素製造方法。
  10. 【請求項10】 前記有機材料は、でんぷん質材料、青
    物野菜類、根菜類、果実類、穀物類、家畜の内臓、家畜
    の血液、魚のあら、ホタテのウロ、及び紙屑のうち、少
    なくとも1つ以上から選択されたものであることを特徴
    とする請求項9記載の水素製造方法。
  11. 【請求項11】 前記有機材料として成分の異なる複数
    の材料を選択した場合、前記クロストリジウム属の微生
    物を投入する工程の前もしくは、後または前後に、それ
    らの有機材料を撹拌する第1の撹拌工程を具備すること
    を特徴とする請求項9又は10に記載の水素製造方法。
  12. 【請求項12】 反応促進用の酵素や栄養分を投入する
    場合と同様の効果を得るために、でんぷん質材料と青物
    野菜類、でんぷん質材料とホタテのウロのように、成分
    の異なる異質な前記有機材料を少なくとも二つ以上混合
    することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項
    に記載の水素製造方法。
  13. 【請求項13】 紙屑に代表されるセルロースを成分と
    する有機材料から水素を発生させる水素製造方法におい
    て、 上記有機材料を投入する有機材料投入工程と、 上記有機材料の投入と共に、又はその投入前若しくは投
    入後にクロストリジウム属の微生物を投入する第1の微
    生物投入工程と、 上記有機材料投入工程と上記第1の微生物投入工程後、
    反応が収束したと認められる時点で再びクロストリジウ
    ム属の微生物を投入する再微生物投入工程と、 上記有機材料と上記微生物との反応分解を促進するため
    両者を撹拌する撹拌工程と、 を具備することを特徴とする水素製造方法。
  14. 【請求項14】 前記再微生物投入工程後も、前記有機
    材料の分解が進行するまで前記再微生物投入工程を繰り
    返し行うことを特徴とする請求項13記載の水素製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記第1の微生物投入工程後若しくは
    再微生物投入工程後の少なくとも一方で、酵素を投入す
    る酵素投入工程を具備することを特徴とする請求項13
    又は14に記載の水素製造方法。
  16. 【請求項16】 前記撹拌工程に使用する撹拌手段の少
    なくとも一部に磁性材料または多穴質の吸着性部材を設
    けたことを特徴とする請求項11又は13記載の水素製
    造方法。
  17. 【請求項17】 前記有機材料の投入直後または前記ク
    ロストリジウム属の微生物の投入直後に、各材料が投入
    される第1の反応容器内の圧力をごくわずか陰圧にする
    ことを特徴とする請求項9から16のいずれか1項に記
    載の水素製造方法。
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