JP2002345474A - Dnaライゲーション反応を用いる均一サンドイッチ系高感度測定方法 - Google Patents

Dnaライゲーション反応を用いる均一サンドイッチ系高感度測定方法

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JP2002345474A
JP2002345474A JP2001155466A JP2001155466A JP2002345474A JP 2002345474 A JP2002345474 A JP 2002345474A JP 2001155466 A JP2001155466 A JP 2001155466A JP 2001155466 A JP2001155466 A JP 2001155466A JP 2002345474 A JP2002345474 A JP 2002345474A
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Takao Matsuba
隆雄 松葉
Norihiko Ishiguro
敬彦 石黒
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定対象物質に標識物質が近接したことを示す
情報を増幅してS/N比を高めることが可能であり、し
かも標識物質の結合が容易である、高感度かつ簡便な測
定方法を提供すること。 【解決手段】(ア)試料、(イ)測定対象物質と特異的
に結合する物質であって標識核酸と結合したもの及び
(ウ)測定対象物質と特異的に結合する物質であって標
識核酸と結合したものを接触させ、結合体を生成し、
(イ)及び(ウ)の標識核酸を連結し、連結された核酸
の、少なくとも連結部分を含む部分を増幅し又は標識核
酸が連結されたことを示す核酸の合成を生起し、増幅さ
れた核酸を検出し、その結果を測定対象物質の存在又は
存在量と関連付けることからなる測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば抗原等の、
抗体、ペプチド、核酸、ストレプトアビジン、レセプタ
ー等と特異的に結合し得る測定対象物質を均一系で高感
度に測定する測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ベッドサイドやオンサイトで検体中の測
定対象物質(例えば抗原)の濃度を簡便に測定し得る測
定系の要望は強い。抗原等の測定系として免疫測定が一
般的であり、例えば抗体により抗原を挟みこみ検体中の
抗原量を定量するサンドイッチ法や、抗体と標識抗原の
結合を測定検体中の抗原がどの程度阻害するかで抗原を
定量する競合法が普及している。
【0003】しかしながら上記測定系にはB/F分離が
必要で、操作性に関してより一層の簡便化が求められて
おり、B/F分離を伴わない測定方法がいくつか提案さ
れている。例えば抗原を認識する2種類の抗体を別々の
蛍光色素で標識し、両色素が抗原に結合して接近したこ
とを蛍光波長の高波長シフトで検出する方法が提案され
ている(FRET)。しかしながら、抗原抗体反応は平
衡反応であるから、ある値以上にシグナルが増加するこ
とはなく、十分なS/N比が得られずに高感度分析とし
ては不向きであった。また他の方法としては、次のよう
な方法も提案されている。
【0004】まず酵素の活性部位近傍を低分子抗原で標
識し、該抗原を認識する抗体を結合させて酵素活性を押
さえておく。そして該酵素を含む反応系内に該抗原が入
ってきたときには抗体が酵素からはずれ、酵素活性が発
現することを利用する方法である(Rudenstei
n、K.E.、Ullman、E.F.、1972、B
iochemistry Biophysics Re
search Communications、47、
846−851)。また、抗体と、酵素阻害物質で標識
した抗原とを反応させる方法も提案されており、既に試
薬が市販されている(酵素阻害物質標識イムノアッセ
イ、Abbot社、商品名;TETRAZYME)。こ
の方法は、抗原抗体反応で両者が結合すると、立体障害
のために酵素阻害作用は発揮されないが、遊離の抗原に
抗体が消費されると酵素阻害作用が発生することを利用
して遊離抗原を測定するものである。
【0005】上記2つの方法は、原理的には活性化した
酵素によりシグナルが増幅される系ではあるが、前者は
抗体で酵素活性が押さえられるように酵素活性部位周辺
を抗原で標識しなければならず、後者も酵素阻害物質と
抗原とを結合しなければならないが、かかる結合は困難
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、FR
ETでは抗体が近接したことを示す情報を増幅してS/
N比を高めることができず、また他の方法においては酵
素の特定の場所に抗原を導入するのが非常に困難である
という課題がある。そこで本願発明は、測定対象物質に
標識物質が近接したことを示す情報を増幅してS/N比
を高めることが可能であり、しかも標識物質の結合が容
易である、高感度かつ簡便な測定方法を提供するもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた本願請求項1の発明は、 A;以下(ア)から(ウ)を接触させ、試料中に測定対
象物質が存在する場合には測定対象物質、(イ)及び
(ウ)からなる結合体を生成し、 (ア)試料 (イ)測定対象物質と特異的に結合する物質であって標
識核酸と結合したもの (ウ)測定対象物質と特異的に結合する物質であって標
識核酸と結合したもの (ここで前記(イ)及び(ウ)の測定対象物質と特異的
に結合する物質は同時に測定対象物質と結合可能であ
り、また(イ)及び(ウ)の標識核酸は同一又は異なる
配列を有し、かつ、互いに連結され得る末端を有するも
のである) B;(イ)及び(ウ)の標識核酸を連結し、 C;このようにして連結された核酸の、少なくとも連結
部分を含む部分を増幅し又は標識核酸が連結されたこと
を示す核酸の合成を生起し、 D;増幅された核酸を検出し、その結果を測定対象物質
の存在又は存在量と関連付ける、 との工程からなる、測定対象物質の測定方法である。
【0008】本願請求項2の発明は前記請求項1の発明
に係り、前記(イ)及び(ウ)の標識核酸が共に一本鎖
DNA、一本鎖RNA又は二重鎖DNAであることを特
徴とする。本願請求項3の発明は前記請求項2の発明に
係り、前記標識核酸が共に二重鎖DNAであり、そして
その連結され得る末端は平滑末端であることを特徴とす
る。本願請求項4の発明は前記請求項1の発明に係り、
前記標識核酸の連結が酵素によって実施されることを特
徴とする。そして本願請求項5の発明は前記請求項1の
発明に係り、前記測定対象物質と特異的に結合する物質
が抗体、ペプチド、核酸、ストレプトアビジン又はレセ
プターから選ばれることを特徴とする。以下本発明を詳
細に説明する。
【0009】抗原結合能をもった抗原認識分子を核酸で
標識しておき、抗原を介して抗原認識分子同士を近接さ
せ、結果的に標識核酸を近接させた状態で核酸のライゲ
ーション反応を起こさせると、抗原が存在する場合と存
在しない場合でライゲーション効率に差が出ることが見
出された。通常核酸のライゲーション反応は核酸濃度が
高いほど進行しやすいため、遺伝子組替え技術のなかで
は、核酸を連結させる場合に高濃度の核酸で反応を行な
ったり、ポリエチレングリコールを反応系に添加し、核
酸同士を会合させて連結反応を行っている。しかしなが
ら、上記知見では、抗原認識物質が抗原を介して近接す
ることで標識核酸も近接し、核酸が局所的に高濃度にな
った結果、核酸のライゲーション効率が高くなったもの
である。この結果、抗原が存在しない場合には核酸の局
所的な濃度上昇が起こらないため、ライゲーション効率
は低いままである。
【0010】上記知見を利用すれば、ライゲーション反
応等によって標識核酸が連結されたか否かを検出するこ
とにより、試料中に抗原(測定対象物質)の存在又はそ
の存在量を測定することが可能となる。しかしながら、
連結された標識核酸は微量であるため、そのままでは検
出が困難である。そこで本願発明では、連結されていな
い標識核酸は増幅せず、連結された標識核酸のみを増幅
等することで、ライゲーション等による標識核酸の連結
という情報を増幅するものである。
【0011】本願発明で使用する測定対象物質と特異的
に結合する物質(以下「認識物質」とする)は、抗体、
ペプチド、核酸、ストレプトアビジン、レセプター等が
具体例としてあげられるが、測定対象物質と特異的に結
合可能であり、かつ、前記(イ)及び(ウ)が同時に測
定対象物質と結合可能であれば特に制限はない。測定対
象物質は、前記認識物質により特異的に結合され得る物
質の全てを含むが、代表的なものとして例えばハプテ
ン、低分子抗原、蛋白質、ウイルス粒子、細胞、バクテ
リア、菌体等を例示することができる。むろん本願発明
では核酸をも測定対象物質として測定可能であるが、配
列が既知の核酸に対しては、単に当該核酸に後述するよ
うな増幅方法を適用することによっても測定が可能であ
る。
【0012】上記(イ)及び(ウ)における認識物質と
結合させる標識核酸は同一又は異なる配列を有し、か
つ、互いに連結され得る末端を有するものであれば一本
鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖DNA又は二本鎖RN
Aの中から自由に選ぶことができ、その長さ等に特に制
限はない。これら標識核酸は最終的に後述するような方
法により増幅可能な核酸であれば制限はないため、例え
ばDNA−RNAキメラ遺伝子なども利用することがで
きる。なお標識核酸の安定性を考えると、特に二本鎖D
NAが好ましい。また夾雑物として核酸を含有する試料
中の測定対象物質に対して本願発明を適用する場合に
は、連結された標識核酸を夾雑核酸から分離した後に後
述する増幅を行う場合を除き、前記標的核酸は、後述す
る増幅等により少なくともそれら夾雑核酸とは区別し得
るような核酸が増幅されるようにデザインする。
【0013】上記(イ)及び(ウ)における認識物質と
結合させる標識核酸の連結される末端は、互いに相互作
用しないものであることが好ましい。例えばかかる末端
が相補的である一本鎖DNA等を使用すると、測定対象
物質が存在しない状態でも核酸同士の相互作用により近
接し、ライゲーション反応等が進行する可能性があるか
らである。従って本願発明における好適な標識核酸の末
端はかかる相互作用を低減し得るものである。例えば好
適な標識核酸として平滑末端を有する二本鎖DNAを例
示できる。また他にも、上記のような相互作用が生じて
もライゲーション反応等が生じないような立体構造を有
する核酸を使用することが例示できる。なお二本鎖DN
Aを標識核酸とする場合には、ライゲーション等により
それらを連結する際の効率を高めるため、各5’末端を
リン酸化しておくことが好ましい。
【0014】上記(ア)試料、(イ)測定対象物質と特
異的に結合する物質であって標識核酸と結合したもの及
び(ウ)測定対象物質と特異的に結合する物質であって
標識核酸と結合したものを接触させることにより、試料
中に測定対象物質が存在した場合には測定対象物質、
(イ)及び(ウ)の結合体が生成する。(ア)、(イ)
及び(ウ)の接触は、同時、順次、或いは2つを同時に
接触させた後、1つを接触させる等すれば良い。
【0015】前記結合体が生成すると、前記(イ)及び
(ウ)の標識核酸が近接する。そこでこれら標識核酸を
連結する。連結方法としては酵素を用いる方法、ハイブ
リダイズさせる方法、化学的に結合させる方法等が例示
できるが、操作の容易性等の観点から酵素を用いて核酸
をライゲーションする方法が好ましい。かかる酵素とし
ては、例えばT4−DNA Ligase、E.Col
i DNA Ligase等の公知酵素を例示できる。
標識核酸の連結を完了した後は、測定対象物質と(イ)
又は(ウ)は遊離した状態となっていても支障はない。
従って、例えば標識核酸として二本鎖核酸を用い、後述
する増幅において該核酸をいったん一本鎖状態とするた
めに加温処理するような場合であっても、該処理によっ
て結合体から(イ)又は(ウ)が遊離することに留意す
る必要がない。
【0016】連結した標識核酸(以下「連結核酸」とす
る)の増幅方法は、連結核酸中の少なくとも連結部分を
含む部分を増幅するか、または、連結核酸が生成された
ことを示す核酸(以下「レポーター核酸」とする)の合
成を生起し得るものであれば特に制限されない。例えば
PCR法やNASBA法等の核酸増幅方法を用いて該部
分(及び/又は該部分の相補的な核酸)を実施しても良
いし、また例えば標識核酸としてともに二本鎖DNAで
あって、一方にはRNA合成を生起し得るプロモーター
遺伝子の一部が含まれ、他方には該プロモーター遺伝子
の残りの部分とその下流側に接続されたレポーター核酸
が含まれるような標識核酸を用いたり、或いは一方には
RNA合成を生起し得るプロモーター遺伝子が含まれ、
他方にはレポーター核酸が含まれるような標識核酸を用
い、生成される連結核酸においては該レポーター核酸
(RNA)が生成されるようにしておき、連結核酸の生
成後にRNAポリメラーゼを作用させる等しても良い。
より具体的には、例えば連結核酸としてMRSAのme
cA遺伝子が生成するような標識核酸を用いた場合で
は、例えば本願出願人が特願平12−179394号に
開示したような増幅方法を使用することができる。また
前記プロモーター遺伝子としては例えばT3、T7、S
P6プロモーター等を例示でき、レポーター遺伝子とし
ては例えばルシフェラーゼ遺伝子等を例示することがで
きるが、これら以外であっても適宜使用することができ
る。
【0017】以上のようにして連結核酸中の少なくとも
連結部分を含む部分を増幅するか、または、連結核酸が
生成されたことを示すレポーター核酸の合成を生起した
後に、増幅された核酸又は合成されたレポーター核酸を
検出し、その結果から試料中に測定対象物質が存在した
か否か、更にはその存在量を測定する。前記検出方法と
しては、例えば、電気泳動による検出方法、カラムクロ
マトグラフィーで分離した後に検出する方法等、通常行
われている方法であれば特に制限なく使用することがで
きるが、検出に当たって増幅された核酸等の分離を必要
としない検出方法を使用することが特に好ましい。この
特に好ましい検出方法として、増幅等された核酸の検出
をリアルタイムで行うことのできるリアルタイムモニタ
リング方法がある。かかる方法では前記増幅等をリアル
タイムで検出できるため、検出時間の短縮と定量が可能
になる。例えば本出願人らが特開平8−211050号
に開示した方法を例示できる。
【0018】以上のようにして検出を行った結果の関連
付けは、該結果を既知濃度の測定対象物質含有試料につ
いて同様の操作を行った結果と比較等することにより行
う。かかる関連付けは、例えば核酸測定や免疫測定の分
野において公知の工程である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本願発明をさらに詳細に説明
するために実施例を示すが、本願発明はこれら実施例に
限定されるものではない。
【0020】実施例1 ビオチン化核酸の調製 ビオチン標識した2種類の核酸を次のように調製した。
まずpUC118(商品名、宝酒造(株)製)を鋳型
に、PCR法でビオチン標識核酸を調製した。プライマ
ーとして使用した核酸としては5’末端をビオチン化し
た配列番号1及び2を用い、PCR反応で増幅後、高速
液体クロマトグラフィーで精製した(カラム:G300
0SWXL(商品名、東ソー(株)製)、溶離液:10
mM Tris HCl pH7.0、150mM N
aCl、流速:1ml/min、検出:260nmの吸
収)。その後、制限酵素(PvuII)でビオチン化さ
れていない側の末端を切断することで、5’末端がリン
酸化されている、平滑末端二本鎖DNA(全長173b
p)を得た。
【0021】次にアセテートキナーゼ遺伝子を鋳型にも
う一つのビオチン化核酸をPCR法で調製した。プライ
マーとして5’末端をビオチン化した配列番号3及び
5’末端をリン酸化した配列番号4の核酸を用いてPC
R反応で増幅後に、高速液体クロマトグラフィーで精製
した(179bp)。なお2種類の核酸は、エタノール
沈殿を行った後に、260nmの吸収から濃度を検定し
た。
【0022】実施例2 ライゲーション反応の初期条件
の決定 上記で調製したDNAを用いてライゲーション反応の条
件設定を行った。まず10mM MgCl2、1mM
DTT、1mM ATPを含む10mM Tris−H
Cl緩衝液に、ビオチン化DNAフラグメントを900
nMから7.2nMになるように加え、更にT4 DN
A Ligase(商品名、宝酒造(株)製)をそれぞ
れ100から3.7U/assayになるように添加
し、16℃で45分間反応させた(反応液量30マイク
ロリットル)。その後、電気泳動することで核酸を分離
し、ライゲーション効率を測定した。
【0023】結果を図1に示した。その結果、(1)高
DNA濃度(900、180nM)ではDNAを近接さ
せなくてもライゲーション反応は進行していること、
(2)3.7Uの酵素量では少なすぎること、が分かっ
た(900nMと180nMを比較してもバンドの濃さ
は変化していないため)。
【0024】そこで初期条件として、アッセイあたりの
酵素量は33.3Uとし、反応温度及び時間は16℃、
45分とした。
【0025】実施例3 ストレプトアビジンダイナビー
ズを用いたライゲーション効率の向上 実施例2で求めた条件を基本にして、核酸濃度を72p
M、7.2pMの2種類に変化させ、さらにストレプト
アビジン固定化ダイナビーズ(商品名、DYNAL社
製)を10、1、0.1、0.01マイクログラム添加
し、ライゲーション反応を起こさせた。終濃度が1mM
になるようにビオチンを添加した後、95℃で5分間加
熱し、ストレプトアビジンに結合している核酸を溶液中
に遊離させた。その後、ライゲーション産物を1マイク
ロリットルとり、2種類のPCRプライマー(配列番号
1及び配列番号3)を用いてライゲーション産物を25
サイクルのPCR反応で増幅した。その後、PCR産物
を電気泳動することで増幅バンドの強度比を比較した。
【0026】結果を図2に示した。その結果、ビーズの
添加によりライゲーション効率が向上していることが示
された。
【0027】実施例4 ストレプトアビジンを用いたラ
イゲーション効率の向上 担体に固定化されていないストレプトアビジンでのライ
ゲーション効率を評価した。まず、核酸濃度を72pM
から7.2aMまで変化させた条件でライゲーション反
応を行い、ストレプトアビジンが無い条件でのライゲー
ション効率を観察した。
【0028】結果を図3に示した。この結果より、核酸
濃度7.2pMでライゲーション反応を行い、30サイ
クルのPCR反応を行った後に電気泳動でバンドを検出
する測定系を基本条件にして、ストレプトアビジンの添
加でライゲーション効率が向上するかを調べた。
【0029】ストレプトアビジンの添加量を30pmo
lから3×10-7amolまで変化させ、ライゲーショ
ン効率がどのように変化するかを調べた。その結果を図
4に示した。この図からも明らかなように、3fmol
から3amolの間でライゲーション効率が向上してい
ることが示された。ストレプトアビジンの濃度が高いと
ころでライゲーション効率が低下するのは、ビオチン化
抗体よりストレプトアビジンの比率が高すぎるために、
近接効果が出ていないためである。
【0030】実施例5 抗ビオチン抗体測定系の構築 前項の反応条件で抗ビオチン抗体の濃度を種々変化させ
た時の、ライゲーション効率の変化を観察した。その結
果を図5に示した。この図から明らかな様に、抗ビオチ
ン抗体を18amolから1.8pmolの範囲で添加
することで、ライゲーション効率が向上している事が明
らかになった。
【0031】実施例6 ビオチン標識核酸の濃度の影響 ビオチン化核酸の濃度を変化させた場合の検出下限界の
変化を観察した。ビオチン化核酸濃度を0.72pMか
ら72pMに変化させて、その他は実施例4と同一条件
でライゲーション効率の変化を調べた。電気泳動の写真
を図6に泳動の写真からバンドの強度を読み取りグラフ
にしたものを図7に示した。
【0032】その結果、ビオチン化核酸の濃度を高くし
た方が、低濃度域の抗ビオチン抗体を感度よく測定でき
ることが示された。
【0033】実施例7 ライゲーション時間の影響 ライゲーション反応の経時変化を調べた。まずDNA濃
度72pMで抗ビオチン濃度1.8fmolのときの条
件でライゲーション反応の経時変化を観察した。その結
果をまとめて図8に示した。その結果10分程度でライ
ゲーション反応は終了していることが明らかとなった。
【0034】実施例8 リアルタイムモニタリング法に
よる抗ビオチン抗体の検出 ライゲーション反応が起こった遺伝子の検出方法とし
て、遺伝子の増幅方法として特願2000−15797
2号、均一系での特定核酸の検出方法として特開平8−
211050号公報、そしてメシチリン耐性ブドウ球菌
遺伝子の検出方法として特願2000−179394号
を用い、ライゲーションされた核酸を均一系で短時間の
うちに検出する方法を試みた。ビオチン化された遺伝子
をプロモーター遺伝子領域とレポーター遺伝子領域にわ
け合成し近接効果でライゲーション反応をおこさせ、ラ
イゲーション反応が起こったものからのみRNAの生産
が始まるような遺伝子断片の調製を行った。
【0035】ビオチン化遺伝子断片は次のように作製し
た。まずpUC118を鋳型に、PCR法でビオチン標
識核酸を調製した。プライマーとして使用した核酸の配
列は5’末端をビオチン化した配列番号1と5’末端を
リン酸化した配列番号5を用いてPCR反応で増幅後、
高速液体クロマトグラフィーで精製し(カラム:G30
00SWXL(商品名、東ソー(株)製)、溶離液:1
0mM Tris HCl pH7.0、150mM
NaCl、流速:1ml/min、検出:260nmの
吸収)、平滑末端の二本鎖DNA(全長217bp)を
得た。
【0036】次にメシチリン耐性遺伝子mecA遺伝子
を鋳型にもう一つのビオチン化核酸をPCR法で調製し
た。プライマーとして使用した核酸は、5’末端をビオ
チン化した配列番号6と5’末端をリン酸化した配列番
号7を用いてPCR反応で増幅後に、高速液体クロマト
グラフィーで精製した(209bp)。また2種類の核
酸は、エタノール沈殿を行った後に、260nmの吸収
から濃度を検定した。
【0037】ビオチン化DNA濃度を60pM、抗ビオ
チン抗体を180fmolから1.8amolまで変化
させてライゲーション反応を行なった後に、特願200
0−157972号、特開平8−211050号公報、
そして特願2000−179394号で開示された方法
で連結された核酸を検出した。横軸に反応系に加えた抗
ビオチン抗体の濃度をとり、縦軸に蛍光強度比が1.2
を超える時間を取った結果を図9に示した。また、ライ
ゲーションされた遺伝子を配列番号6と7で示すオリゴ
マーを用いて、PCR反応で増幅法させたあとに、電気
泳動で増幅バンドを検出する方法で測定した結果もあわ
せて図10に示した。
【0038】このグラフから明らかなように、リアルタ
イムモニタリング法によっても、短時間でPCR検出と
同じ感度で測定できることがわかった。
【0039】
【発明の効果】上記説明した本願発明の測定方法では、
測定対象物質の存在に起因して(イ)及び(ウ)の測定
対象物質と特異的に結合する物質であって標識核酸と結
合したものが近接し、この結果、標識核酸の連結率が向
上して連結核酸の生成数が大きくなり、最終的には測定
対象物質に比例して連結核酸等の増幅や連結核酸が生成
されたことを示す核酸の合成が促進される。従って、F
RETでは抗体が近接したことを示す情報を増幅してS
/N比を高めることができないという課題は本願発明で
は解決されており、また他の方法に存在していた酵素の
特定の場所に抗原を導入するのが非常に困難であるとい
う課題も解決されている。
【0040】以上のように本願発明は、測定対象物質に
標識物質が近接したことを示す情報を増幅してS/N比
を高めることが可能であり、しかも標識物質の結合が容
易であるという優れた特徴を有した、高感度かつ簡便な
測定方法である。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> TOSOH Corporation <120>DNAライゲーション反応を用いる均一サンドイッチ系高感度測定方法 <130> 211-0468 <160> 10 <210> 1 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をビオチン化したプライマー <400> 1 caggaaacag ctatgac 17 <210> 2 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をビオチン化したプライマー <400> 2 gctatagcct cttcgctatt acgccagctg 30 <210> 3 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をビオチン化したプライマー <400> 3 gccctgcctt acaacctg 18 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をリン酸化したプライマー <400> 4 gcatttaccg ttgcggatag c 21 <210> 5 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をリン酸化したプライマー <400> 5 gtattagaat tcgatcggtg cgggcctctt c 31 <210> 6 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をビオチン化したプライマー <400> 6 ttctttttta tcttcggtta atttattata ttcttc 36 <210> 7 <211> 42 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> 5’末端をリン酸化したプライマー <400> 7 gactcactat agggagacta actattgatg ctaaagttca aa 42
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の結果を示す図であり、DNA濃度と
酵素量を変化させてライゲーション効率を比較した図で
ある。
【図2】実施例3の結果を示す図であり、DNAの濃度
とDynabeadsの量を変化させて、PCRサイク
ルを変えて、ライゲーション産物の量を比較したもので
ある。
【図3】実施例4の結果を示したもので、核酸濃度とP
CRサイクル数の最適値を調べたものである。
【図4】実施例4の結果を示したもので、反応系のスト
レプトアビジンの濃度を変化させて、ライゲーション効
率の変化を見たものである。
【図5】実施例5の結果を示したもので、反応系のDN
Aの濃度と抗ビオチン抗体の濃度を変化させて、PCR
で増幅したときの結果を示したものである。
【図6】実施例6の結果を示したもので、反応系のビオ
チン化核酸の濃度を変化させて、ライゲーション効率の
変化を見たものである。
【図7】実施例6の結果を示したもので、図6のバンド
の濃さを読み取り、バンドの強度比という形でグラフに
したものである。横軸に、反応系に存在する抗ビオチン
抗体の量を縦軸にPCR産物の強度比を取っている。
【図8】ライゲーション反応の経時変化を見たものであ
【図9】実施例8の結果を示したものである。
【図10】実施例8で得られたライゲーション産物をP
CRで増幅し、電気泳動で分離した結果を示したもので
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程からなる、測定対象物質の測定
    方法; A;以下(ア)から(ウ)を接触させ、試料中に測定対
    象物質が存在する場合には測定対象物質、(イ)及び
    (ウ)からなる結合体を生成し、 (ア)試料 (イ)測定対象物質と特異的に結合する物質であって標
    識核酸と結合したもの (ウ)測定対象物質と特異的に結合する物質であって標
    識核酸と結合したもの (ここで前記(イ)及び(ウ)の測定対象物質と特異的
    に結合する物質は同時に測定対象物質と結合可能であ
    り、また(イ)及び(ウ)の標識核酸は同一又は異なる
    配列を有し、かつ、互いに連結され得る末端を有するも
    のである) B;(イ)及び(ウ)の標識核酸を連結し、 C;このようにして連結された核酸の、少なくとも連結
    部分を含む部分を増幅し又は標識核酸が連結されたこと
    を示す核酸の合成を生起し、 D;増幅された核酸を検出し、その結果を測定対象物質
    の存在又は存在量と関連付ける。
  2. 【請求項2】(イ)及び(ウ)の標識核酸は共に一本鎖
    DNA、一本鎖RNA、二本鎖DNA又は二本鎖RNA
    であることを特徴とする、請求項1の測定方法。
  3. 【請求項3】前記標識核酸は共に二重鎖DNAであり、
    そしてその連結され得る末端は平滑末端であることを特
    徴とする、請求項2の測定方法。
  4. 【請求項4】前記標識核酸の連結は酵素によって実施さ
    れることを特徴とする、請求項1の測定方法。
  5. 【請求項5】前記測定対象物質と特異的に結合する物質
    は抗体、ペプチド、核酸、ストレプトアビジン又はレセ
    プターから選ばれることを特徴とする、請求項1の測定
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017118860A (ja) * 2015-02-27 2017-07-06 東ソー株式会社 増幅反応を利用した測定方法

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