JP2002344249A - 歪み補償装置 - Google Patents

歪み補償装置

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JP2002344249A
JP2002344249A JP2001144732A JP2001144732A JP2002344249A JP 2002344249 A JP2002344249 A JP 2002344249A JP 2001144732 A JP2001144732 A JP 2001144732A JP 2001144732 A JP2001144732 A JP 2001144732A JP 2002344249 A JP2002344249 A JP 2002344249A
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transmission
distortion
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circuit
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Katsuya Yamamoto
勝也 山本
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電話端末等の電力増幅回路の非線形歪み
をプレディストータ法で補償する場合、高周波送信信号
の検出に包絡線検波回路及びアナログ−デジタル変換回
路を用いることなくプレディストーション信号制御信号
を得る。 【解決手段】 ベースバンド領域の高周波送信信号と送
信信号の指定送信電力レベル信号や受信部で測定される
パイロット信号受信レベルに基づいて高周波送信信号の
包絡線レベルを包絡線検波回路なしに演算し、プレディ
ストーション制御信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば無線通信シ
ステムの基地局又は端末局の送信部等の携帯電話機の電
力増幅回路で発生する非線形歪みを補償する場合に適用
して好適な歪み補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より無線通信機の送信部の電力増幅
回路の非線形歪みを補償する処理としては、いくつかの
方式が提案され実用化されている。一般的には、負帰還
法、プレディストータ法、フィードフォワード法があげ
られる。
【0003】負帰還法は、送信電力増幅回路の出力信号
を再び帰還させ、負帰還回路で非線形歪みを補償する方
法である。具体的には、帰還信号を同相、直交成分に分
解するカーテシアンループ(Cartesian Lo
op)法が例としてあげられる。負帰還法は、負帰還回
路での安定性の点で問題がある。
【0004】プレディストータ法とは、送信電力増幅回
路で発生する歪みを打ち消すために、入力信号に前もっ
て歪ませた信号成分を加える方法である。プレディスト
ータ法は、負帰還法とは異なり、開ループ制御であるの
で安定性に優れているが、前もって歪ませた信号(プレ
ディストーション信号)成分は、電力増幅回路の特性パ
ラメータに依存して適用化しなければならない点が問題
となる。
【0005】フィードフォワード法は、送信電力増幅回
路で発生する歪みを検出し、この歪み成分を増幅して送
信電力増幅回路の出力信号から減算する方法である。プ
レディストータ法と同様に開ループ制御であるので安定
性に優れているが、振幅歪み補償するために追加した電
力増幅回路の非線形性や、電力効率が問題となる。
【0006】上述の3つの非線形の歪み補償方法のう
ち、今日ではプレディストータ法が、安定性や電力効率
の点で注目されている。従来、提案されてきたプレディ
ストータ法においては、非線形歪みの特性を送信信号の
振幅歪み特性と位相歪み特性とで表現し、これらの逆特
性をデータとしてROMなどの記憶手段に保持して、非
線形歪みを補償するようにしている。
【0007】すなわち、従来のプレディストータ法にお
いては、送信用の電力増幅回路の非線形特性を測定し
て、非線形歪みを解析し、多項式近似によって非線形歪
みを高精度に近似している。そして、この高精度近似式
から逆歪み特性の高精度近似式を生成し、その逆歪み特
性の高精度近似式を用いて歪み補償データを作成し、R
OMなどに保持させて、入力信号レベルに応じて、その
保持されたROMを対応したアドレスのデータを読み出
して、その読み出したデータからプレディストーション
信号を生成させて入力信号に加算させている。
【0008】上述のプレディストータ法では電力増幅回
路への入力信号である高周波信号のレベルを検出するた
めに図6で示す様な包絡線検波回路1が用いられてい
る。
【0009】図6で入力端子Tinには送信信号のベー
スバンド領域の高周波信号S1 が供給され、遅延回路9
を介して主系路のプレディストータされる電力増幅回路
に供給されると共に包絡線検波回路1で高周波信号S1
の包絡線レベルを検出した後にアナログ−デジタル変換
回路(ADC1 )2を介してデジタライズし、プレディ
ストーション制御信号を形成するプレディストーション
信号成形回路に供給される様に成されている。
【0010】上述の包絡線検波回路1として用いる回路
は、例えばダイオードCD1 のアノード端子を入力と
し、カソード端子を出力とし、このカソード端子と接地
との間に抵抗R2 とコンデンサC1 とを並列接続する。
高周波信号S1 を入力端子Tinに入力すると、包絡線
のみがコンデンサC1 の両端に現れる。ダイオードCD
1 の小信号部分の非直線性を改善するために、バイアス
抵抗R1 を介してバイアス電圧Vbiasを加える。図
7は、図6の包絡線検波回路1で得られる高周波信号電
力S1 に対する包絡線検出回路1の出力電圧S2 を示す
入力−出力特性曲線である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に、従来で
は、包絡線検波回路1を用いて、高周波信号の入力信号
レベルを検波するため歪み補償装置内には必ずこの包絡
線検波回路が必要となるため、高周波部である歪み補償
装置を高IC化、小型モジュール化や低消費電力化の実
現が困難であった。更に、図7の入出力特性曲線T1
2 ,T3 に示す様に包絡線検出回路1の出力は低レベ
ル入力時に温度により変動して正確な検波が出来ない弊
害があった。
【0012】本発明は叙上の課題を解消するために成さ
れたものであり、本発明が解決しようとする課題はプレ
ディストータ法により電力増幅回路の歪み補償を行なう
場合に、包絡区線検波回路を用いることなく、送信高周
波信号の入力レベルを検出し、上記課題を解決した歪み
補償装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明
は歪み補償すべき電力増幅手段12をプレディストーシ
ョンするように成された歪み補償装置であって、主系路
に設けた電力増幅手段12の位相又は/及び振幅を制御
するプレディストーション用の制御信号をベースバンド
領域の高周波送信信号及び歪み補償装置の送信信号の指
定送信信号等の送信電力レベル信号により生成する生成
手段30より成ることを特徴とする歪み補償装置とした
ものである。
【0014】請求項2に係わる本発明の生成手段30は
ベースバンド領域の高周波送信入力信号が供給される変
調手段31と、この変調手段31からの変調出力が入力
され、指定送信信号等の制御信号によって送信電力レベ
ル信号が制御される自動利得制御手段と、指定送信信号
を電力の大きさ(真数)に変換した信号とベースバンド
領域の高周波送信入力信号が入力される送信包絡線信号
演算手段32とより成ることを特徴とする請求項1記載
の歪み補償装置としたものである。
【0015】請求項3に係わる本発明の送信電力レベル
信号は受信部で測定されるパイロット受信レベル或は基
地局から継続的に受信部へ送信される電力アップ/ダウ
ン指定によって決定されるパワーコントロール信号であ
ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の歪み補
償装置としたものである。
【0016】請求項4に係わる本発明は送信電力レベル
信号のレベルを電力の大きさに変換するための変換記憶
手段33を有し、この変換記憶手段33を介して、指定
送信電力レベル信号のレベルに対応する乗算係数を得
て、送信包絡線信号演算手段32に入力する様に成した
ことを特徴とする請求項2記載の歪み補償装置としたも
のである。
【0017】請求項5に係わる本発明の送信包絡線信号
演算手段32は変換記憶手段33からの演算係数(TX
−G)及び前記ベースバンド領域の高周波送信入力信号
の送信信号である直交チャンネルの和の2乗(TX−I
2 +TX−Q2 )との積に基づいて、送信包絡線信号の
アドレスデータを演算する様に成したことを特徴とする
請求項4記載の歪み補償装置としたものである。
【0018】本発明の上記請求項1乃至請求項5記載の
歪み補償装置によれば、包絡線検波回路及びADC1
用いることなく歪み補償回路を主系路以外に有さずに、
プレディストーションを実行出来て、歪み補償装置の小
型化や低消費電力化並びに温度依存性の無いものが得ら
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明について、図面を参照して
以下詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の一形態
例を示すブロック図である。まず、図2により全体的な
回路の構成を説明する。
【0020】図2において、振幅補正系路として、包絡
線の変動を有し、ベースバンド領域の高周波送信入力信
号(以下高周波信号と記す)S1 をプレディストーショ
ン制御信号生成回路(以下生成回路と記す)30の第1
の入力端子Tin1 に入力する。
【0021】上述の高周波信号S1 は例えばIS−95
方式CDMA(符号分割多元接続)携帯電話端末の場合
はベースバンド直交変調部の入力であるI(同期成分)
チャンネル、Q(直交成分)チャンネルの送信信号(T
X−I,TX−Q)である。
【0022】生成回路30の第2の入力端子Tin2
は送信信号の指定送信電力レベル信号S2 が入力され
る。この指定送信電力レベル信号S2 は、例えば、IS
−95方式CDMA携帯電話端末の場合は図示していな
い受信部で測定されるパイロット信号受信レベルや基地
局から継続的に移動局へ送信される電力アップ/ダウン
指摘によって決定されるパワーコントロール信号(P−
CTL)である。
【0023】生成回路30の第1の出力端子Tout1から
は主系路に配されたプレディストーションされるべき電
力増幅回路12の入力となる高周波入力信号S17が供給
される。
【0024】生成回路30の第2の出力端子Tout2から
はプレディストーション用の制御信号としてアドレスデ
ータS3 が出力される。
【0025】このアドレスデータS3 が入力され、電力
増幅回路12の歪み振幅補正用として予め格納されたデ
ータが、アドレスデータS3 に対応した振幅補正データ
4として出力される第1の振幅補正用メモリ3と、こ
の振幅補正データS4 をアナログ信号S5 に変換する第
1のデジタル−アナログ変換器(DAC1 )4と、この
アナログ信号S5 のデジタル雑音を除去する第1の低域
通過濾波器(LPF1)5とを有する。
【0026】また同様に、位相補正系路として、アドレ
スデータS3 が入力され、電力増幅回路12の歪み位相
補正用として予め格納されたデータS6 がアドレスデー
タS 3 に対応した位相補正データとして出力される第2
の位相補正用のメモリ6と、この位相補正データS6
アナログ信号S7 に変換する第2のデジタル−アナログ
変換器(DAC2 )7と、このアナログ信号S7 のデジ
タル雑音を除去する第2の低域通過濾波器(LPF2
8とを有し、LPF1 ・5及びLPF2 ・8の出力S8
及びS9 は利得可変回路10及び移相回路11の端子T
2 及びTc3に入力される。
【0027】次に、主たる系路として、高周波信号S17
を入力し、通過時間の遅延量を調節できる遅延回路9
と、この遅延回路9の出力S10を入力し制御端子Tc2
に加えられる信号S8 の電圧に依存して、通過利得が可
変される利得可変回路10と、この利得可変回路10の
出力S11を入力し、制御端子Tc3 に加えられる信号S
9 により、その通過位相を可変する移相回路11とを有
する。
【0028】そして、この移相回路11の出力S12は、
歪みを補償すべき電力増幅回路12に入力される。
【0029】電力増幅回路12の出力端子Tout には非
線形歪みが補償された送信信号S13が出力される。
【0030】次に、本発明の歪み補償装置の動作を説明
する。図2に示した様に歪み補償装置は、補償される電
力増幅回路12を有する主系路と、振幅補正の系路と、
位相補正の系路の3つの信号系路から構成されている。
【0031】図2において、歪み補償装置の生成回路3
0の入力端子Tin1 には、携帯電話機に使用されてい
る帯域制限を受けたπ/4シフトQPSK、あるいは0
度のQPSK等の直交位相変調信号の高周波信号S1
供給される。この高周波信号S1 は高周波搬送波をベー
スバンド信号成分で変調し時間的に緩やかに変動する包
絡線成分を含むみIS−95方式CDMA電話端末では
ベースバンド直交変調部からの入力であるIチャンネル
及びQチャンネル送信信号(TX−I,TX−Q)であ
る。
【0032】生成回路30の第2の入力端子Tin2
供給される送信信号の指定送信電力レベルS2 及び第1
の入力端子Tout1に供給される高周波信号S1 に基づい
て電力増幅回路12への高周波信号S17の包絡線の大き
さ(レベル)を演算して、出力端子Tout2から補正系路
の振幅補正用メモリ3及び位相補正用メモリ6にアドレ
スデータS3 を供給する。
【0033】高周波信号S1 の包絡線のレベル示すアド
レスデータS3 は振幅補正系路と位相補正系路とに2分
割される。振幅補正系路に入ったアドレスデータS
3 は、第1の振幅補正用メモリ3のアドレスとして入力
される。第1の振幅補正用メモリ3は、振幅補正用とし
て予め格納された逆歪み補正データで、アドレスに対応
した振幅補正データS4 を出力する。この振幅補正デー
タS4 は第1のDAC1 ・4によりアナログ信号S5
変換され、第1のLPF1 ・5を通過し、信号S8とな
って利得可変回路10の制御端子Tc2 に入力される。
【0034】位相補正系路に入ったアドレスデータS3
は、振幅補正系路と同じ構成の第2の位相補正用メモリ
をアクセスし、予め位相補正用メモリ6に格納されてい
る逆歪み位相補正データS6 を出力させる。このデータ
6 は第2のDAC2 ・7によりアナログ信号S7 に変
換され、第2のLPF2 ・8を通過し、信号S9 となっ
て移相回路11の制御端子Tc3 に入力される。
【0035】生成回路30の第2の出力端子Tout2から
出力された高周波信号S17のもう一方は、主たる系路に
入り、遅延回路9を通過し、遅延された信号S10とな
る。この信号S10は、利得可変回路10に入力され、そ
の振幅の補正を受け、S11となった後、移相回路11に
入り、位相補正を受け、信号S12となり、歪みを補正す
べき電力増幅回路12に入力される。ここで、主たる系
路を進む高周波信号S10の包絡線信号と、補正系路で得
られるアドレスデータS3 は、利得可変回路10及び移
相回路11で時間的に同一になる必要がある。遅延回路
9は、この時間を同一にするためのものである。
【0036】上述の第1の振幅補正用メモリ3に格納さ
れる振幅補正データを考慮すると、生成回路30に供給
される高周波信号S1 は V=Vi(t)・cos(ωt)‥‥(1) で表現できる。ここで、Vは、高周波信号電圧の一般的
表示であり、Viは、前記包絡線成分、ωは、高周波成
分の角周波数を表す。 (1)式から包絡線電圧をVi(t)とし、利得可変回
路10の出力信号S11の包絡線電圧をVpd(t)と
し、この可変利得回路10の制御端子Tc2 に加えられ
る制御信号S8 の電圧をVc(t)とすると第1の振幅
補正用メモリ3に格納される電圧はこのVc(t)であ
る。今、利得可変回路10の利得G(vc)を、変換係
数をaとして、 G(vc)=1+a・Vc(t)‥‥(2) で表したとすると、 Vpd(t)=Vi(t)・G(vc)‥‥(3) となっていることから、(3)式を(2)式に代入し
て、 Vpd(t)=Vi(t)・{1+a・Vc(t)} となり、これより、 Vc(t)=(1/a)・{Vpd(t)/Vi(t)−1}‥‥(4) が得られる。
【0037】歪みを補正すべき電力増幅回路12の包絡
線電圧Vpd(t)は、図3に示す入出力特性の振幅特
性曲線21の入力電力Aを理想化した振幅特性22の入
力電力A′に交換することで入力電力Aに歪みを付加す
る様に入出力特性を測定することにより求めることが可
能である。よって、その包絡線電圧Vpd(t)を用い
て上述の(4)式を計算して得た結果を予め第1の振幅
補正用メモリ3に格納する。
【0038】次に、第2の位相補正用メモリ11に格納
される位相補正データについて説明する。位相補正デー
タは、振幅補正に比べて簡単である。図4に示す電力増
幅回路12の振幅/位相(AM/PM)特性23を測定
により求め、図4中に示される位相偏移24の値の符号
を逆にしたものを位相補正データとして格納すればよ
い。
【0039】上述の様に振幅補正用メモリ3及び位相補
正メモリ6に格納した電力増幅回路12で発生する歪み
に対し、逆歪みとなる各メモリに格納した歪み成分によ
って、相殺する様に成されることになる。
【0040】ここで、振幅歪み補償の原理を図3で説明
しておく。前記した(1)式に表される高周波信号は電
力増幅回路12で増幅される際に歪みを受ける。
【0041】即ち、図3に示すように入力電力の増加に
つれ、出力電力も増加するが、その増幅率は徐々に減じ
て行く。即ち利得抑圧を生じており、この特性が原因で
歪みを生ずることになる。図3の振幅特性曲線21にお
いて、入力電力が図3のAで示す値の場合、出力電力は
Bで示す値となるが、電力増幅回路12の振幅特性22
が線形ならば、その出力電力はB′となるはずである。
そこで、入力電力Aの代わりに入力電力A′を用いれ
ば、その出力電力はB′となり、予め入力電圧に歪みを
付加することで出力電力に振幅歪みが生じないことにな
る。このように入力電力Aを入力電力A′に変換するこ
とにより、歪みは改善されることになる。
【0042】プレディストーションと言う技術は、この
入力電力Aを入力電力A′に変換する操作を行なわせる
技術である。ここで、本来歪みのない入力電力Aを入力
電力A′に変換することにより、入力電力Aに歪みを付
加したことになる点に注意を要する。この付加された歪
みは、電力増幅回路12にて発生する歪みと相殺され、
結果として歪みが改善されたと考えられ、電力増幅回路
で発生する非線形歪みに対して、逆歪みとも言うべき歪
みとなっている。次に、本発明の実施に当たり使用でき
る各構成要素の具体例を図1及び図2について説明す
る。図1及び図2で、プレディストーション制御信号生
成回路30にはベースバンド領域の送信入力信号である
I及びQチャンネルの送信信号S 1(以下TX−I及び
TX−Qと記す)が入力端子Tin1 を介して入力され
て直交変調部31及び送信包絡線信号演算部32へ供給
される。
【0043】入力端子Tin2 からは送信信号の指定送
信電力レベル信号S2 の例えば基地局から継続的に移動
局へ送信される電力アップ/ダウン指定によって決定さ
れるパワーコントロール信号(以下P−CTLと記す)
が第3及び第4のメモリ33及び34に供給される。
【0044】信号S2 即ち、P−CTLは通常dBm
(対数)単位で指定するので、送信信号の大きさを電力
mW(真数)単位表現に変換するために、例えば第4の
メモリ33にdB/真数変換テーブルを用意して、指定
送信レベル(dBm)に対応する乗算係数(TX−G)
S18を得る。例えば、0dBmを基準値1にすれば乗
算係数S18は、10P-CTL/10の値でよい。
【0045】第3のメモリ34には例えばP−CTLの
送信電力レベルをアドレスとしたAGC(自動利得制御
回路)制御電圧信号S15が格納されている。
【0046】この第3のメモリ34のAGC制御信号S
15は第3のDAC3 ・35でデジタル−アナログ変換さ
れ、アナログ信号S16をAGC36に供給して、AGC
36を制御している。
【0047】一般の歪み補償装置のベースバンド部では
高周波送信信号はベースバンド領域の送信入力信号S1
を元にして、直交変調部31で直交変調した送信信号S
14をAGC36に供給している。
【0048】AGC36は指定された送信電力レベル信
号S2 (P−CTL)に従ってAGC36によって電力
レベルが制御される。AGC36は通常、周波数・温度
などの非線形特性や固体差を持つ。そこでこれらを補償
するために、送信電力レベルS2 をアドレスとしてAG
C制御電圧信号S15を第3のメモリ34に保持してい
る。
【0049】第3のメモリ34から取り出したAGC制
御電圧信号S15をD/A変換した信号S16でAGC調整
されたAGC36の出力信号S17が主系路の遅延回路
9、利得可変回路10、移相回路11を介して電力増幅
回路12に供給される。
【0050】送信包絡線信号演算部32には第4のメモ
リ33からの真数表現の乗算係数(TX−G)S18と高
周波信号S1 からのTX−I及びTX−Qの送信信号が
入力される。これら乗算係数TX−G,Iチャンネル信
号TX−I、Qチャンネル信号TX−Qを用いて TX−G・(TX−I2 +TX−Q2 )‥‥(5) を用いて演算を行ないAGC36の出力信号S17の包絡
線の大きさを演算した後ビット変換してアドレスデータ
3 を補正系路の振幅補正用メモリ3及び位相補正用メ
モリ6に供給している。この乗算演算は例えばハードウ
ェアを用いてベースバンド部の生成回路30で容易に実
現可能である。
【0051】次に利得可変回路10の具体例を図2で説
明する。この利得可変回路10の1実施例では2重ゲー
トFETを用いた例であり、2重ゲートFET1 は、ソ
ース接地回路構成としている。第1ゲートには、入力整
合回路10aを接続し、高周波信号S17を遅延回路9を
介して遅延信号S10として入力し、入力整合回路10a
を通過して、2重ゲートFET1 の第1のゲートに入力
される。2重ゲートFET1 のドレインには、出力整合
回路10bを接続し、制御された高周波信号S 11が位相
回路11へ出力される。2重ゲートFET1 の第2のゲ
ートには、抵抗R3 及び、コンデンサC2 を接続し、制
御端子Tc2 を介して、制御電圧Vcを印加する。2重
ゲートFET1 の相互コンダクタンスは、第2ゲートに
印加される電圧に依存することを利用して、その利得を
制御するものである。
【0052】又、図2の移相回路11の1実施例は利得
可変回路10からの出力信号S11を2つのコイルを直列
接続したインダクタンスL1 及びL2 を介して出力信号
12を出力する。インダクタンスL1 及びL2 の接続点
にコンデンサC5 とバリキャップダイオード等の可変容
量素子Vc1 を直列接続したものを接地間に接続し、コ
ンデンサC5 と可変容量素子Vc1 との接続点に抵抗R
7 を介して制御端子Tc3 に接続する。制御端子Tc3
に位相補正メモリ6から印加される信号S9 の電圧によ
り位相回路11の入出力端子間を通過する高周波信号S
1 の位相は偏移することで図4のAM/PM特性23は
直線化される。
【0053】図5は、移相回路11の特性の一例であ
る。図中には、この移相特性を得る場合の各素子の具体
的定数の例を示す。この定数は周波数に依存して異なる
が、概ね、制御電圧0.5Vから3.0Vの範囲で、1
0度から40度の偏移が起こっている。
【0054】更に、図2に用いる遅延回路9としての具
体的回路の1実施例はコイルから成るインダクタンスL
3 を入出力端間に接続し、高周波信号S17を供給し、出
力端子より遅延信号S10を出力する。インダクタンスL
3 の出力端子側には抵抗R9とバラクタダイオード等の
可変容量ダイオードVD1 を直列接続し、可変容量ダイ
オードVD1 の一端を接地している。
【0055】本発明の歪み補償装置による歪み補償効果
の様子を図6に示す。図6の曲線27の信号の種類は1
S−95方式(CDMA−ONE)で、コード変調は0
QPSK,1.2288Mcpsで歪み補正を行なう電
力増幅回路12に、この信号を入力させたときの歪みの
発生状態を示し、曲線28は、同一の条件で、本発明の
実施例を適用し、歪み補償が行なわれている様子を示
す。歪みは、メインローブに近接するスペクトラムで、
約50dBの改善が見られ、また、サイドロープ近傍の
周波数帯域において、ほぼ完全に補償されているのがわ
かる。
【0056】上述の構成で図1は電力増幅回路12の前
段に利得可変回路10と移相回路11の直列回路を設け
たが移相回路11を出力端子Tout と電力増幅回路12
との間、即ち電力増幅回路12の後段に接続させてもよ
い。
【0057】
【発明の効果】本発明の歪み補償装置は、歪みを補償し
ようとする電力増幅回路の入力の一部をとり、その包絡
線成分を検出し、デジタル化して、プレディストーショ
ンを高周波信号に加えることを特徴としているので歪み
補償が完全に行なわれる。又、従来のプレディストーシ
ョンのように、ベースバンド部分に付加する手段を要さ
ない。このため、ベースバンドから電力増幅回路にいた
る経路に如何なるフィルタを設置しても、歪み補償の効
果には、なんら影響を与えない。また、メモリ内に格納
される補償データは、歪みを補償しようとする電力増幅
回路のAM/AM、AM/PM特性にのみ依存するた
め、電力増幅回路が使用されるシステムが、例えば、P
DC(Personal Digital Cellu
lar)、PHS(Personal Handy P
hone System)、CDMA等に依存しないも
のが得られる。即ち、本発明の歪み補償装置は、電力増
幅回路周辺以外との信号の接続を有さずに、デジタルで
のプレディストーションを実行し、携帯電話システムに
も依存せず開ループ制御の回路安定性を持ち、一方では
従来は必要であった包絡線検波回路やADCが不要にな
るため、歪み補償装置の小型化が可能になり、温度の依
存性も回避出来る。また、この検波回路を持たないこと
で、歪み補償装置の電力効率の改善も可能になると言う
極めて大きい効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレディストーション制御信号生成回
路の1形態例を示すブロック図である。
【図2】本発明の歪み補償回路の1形態例を示すブロッ
ク図である。
【図3】電力増幅回路の入出力特性図である。
【図4】電力増幅回路のAM/AM及び振幅/位相(A
M/PM)特性図である。
【図5】本発明に用いる位相回路の移送特性図である。
【図6】本発明と従来の電力増幅回路のスペクトル特性
比較図である。
【図7】従来の歪み補償装置の包絡検波回路説明用ブロ
ック図である。
【図8】従来の電力増幅回路の入出力特性図である。
【符号の説明】
1‥‥包絡線検波回路、3‥‥振幅補正用メモリ、6‥
‥位相補正用メモリ、9‥‥遅延回路、10‥‥利得可
変回路、11‥‥移相回路、12‥‥電力増幅回路、3
1‥‥直交変調部、32‥‥送信包絡線信号演算部、3
3‥‥dB/真数変換テーブル用メモリ、34‥‥AG
C制御電圧用メモリ、36‥‥AGC
フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA41 CA21 GN03 GN07 HA09 HA19 HA25 HA29 KA15 KA16 KA29 KA33 KA34 KA53 KA55 MA14 MA20 SA14 TA01 TA02 TA03 5J091 AA01 AA41 CA21 HA09 HA19 HA25 HA29 KA15 KA16 KA29 KA33 KA34 KA53 KA55 MA14 MA20 SA14 TA01 TA02 TA03 5K004 AA05 FE10 FF05 5K060 BB07 CC04 DD04 EE01 FF06 HH06 KK06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歪み補償すべき電力増幅手段をプレディ
    ストーションするように成された歪み補償装置であっ
    て、 主系路に設けた上記電力増幅手段の位相又は/及び振幅
    を制御するプレディストーション用の制御信号をベース
    バンド領域の高周波送信信号及び該歪み補償装置の送信
    信号の指定送信信号等の送信電力レベル信号により生成
    する生成手段より成ることを特徴とする歪み補償装置。
  2. 【請求項2】 前記生成手段はベースバンド領域の高周
    波送信入力信号が供給される変調手段と、 上記変調手段からの変調出力が入力され、前記指定送信
    信号の制御信号等によって送信電力レベル信号が制御さ
    れる自動利得制御手段と、 上記送信電力レベル信号を電力の大きさ(真数)に変換
    した信号と上記ベースバンド領域の高周波送信入力信号
    が入力される送信包絡線信号演算手段とより成ることを
    特徴とする請求項1記載の歪み補償装置。
  3. 【請求項3】 前記送信電力レベル信号は受信部で測定
    されるパイロット受信レベル或は基地局から継続的に受
    信部へ送信される電力アップ/ダウン指定によって決定
    されるパワーコントロール信号であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の歪み補償装置。
  4. 【請求項4】 前記送信電力レベル信号のレベルを電力
    の大きさに変換するための変換記憶手段を有し、該変換
    記憶手段を介して、該送信電力レベル信号の指定レベル
    に対応する乗算係数を得て、前記送信包絡線信号演算手
    段に入力する様に成したことを特徴とする請求項2記載
    の歪み補償装置。
  5. 【請求項5】 前記送信包絡線信号演算手段は前記変換
    記憶手段からの前記乗算係数(TX−G)及び前記ベー
    スバンド領域の高周波送信入力信号の送信信号である直
    交チャンネルの和の2乗(TX−I2 +TX−Q2 )と
    の積に基づいて、送信包絡線信号のアドレスデータを演
    算する様に成したことを特徴とする請求項4記載の歪み
    補償装置。
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