JP2002341901A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JP2002341901A JP2001151659A JP2001151659A JP2002341901A JP 2002341901 A JP2002341901 A JP 2002341901A JP 2001151659 A JP2001151659 A JP 2001151659A JP 2001151659 A JP2001151659 A JP 2001151659A JP 2002341901 A JP2002341901 A JP 2002341901A
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誠規 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力信号に異常が生じても、その異常が生じな
かった場合に近い信号処理結果を得ることができ、しか
も信号の急激な変化を防止する機構を挿入しなくても、
入力点を除外する処理の前後で信号が突変しない信号処
理を行い得る信頼性の高い信号処理装置を提供する。 【解決手段】複数の入力信号の異常の発生をそれぞれ検
出する複数の入口変換機構30〜30と、複数の入
力信号の全体に共通的な入力変化の現在値を、複数の入
口変換機構からの複数の信号に基づいて算出する基準信
号演算機構40と、複数の入力信号のうちの異常の生じ
た入力信号を仮想的に復元する複数の信号補償機構60
〜60と、数の信号補償機構からの信号から所定条
件に合致する単一の信号を選択する信号選択機構50と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一内容の信号を
複数入力する入力冗長化のための信号処理、バラツキの
ある多数の類似の入力信号から目的の信号を演算出力す
る多入力信号処理等に適用される信号処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の多入力信号処理に使用される信号
処理装置は、図15に示すように、複数の入口変換機構
(SC)30〜30(nは2以上の整数、以下本明
細書において同じ)と、信号選択機構(AUC)50と
から構成されている。この信号処理装置では、入力点信
号IN(i=1,2,・・・,n、以下本明細書にお
いて同じ)が異常になった場合に、入口変換機構30
は、後段の信号選択機構50で無効信号として取り扱わ
れるように、異常となった入力点の値を例えば「0」に
リセットし、以て異常になった入力信号(以下では、単
に「入力点」と呼ぶ場合もある)を除外する手法が採ら
れている。
【0003】このため、異常になった入力点が有してい
た、類似の入力点の中における傾向も失われ、信号選択
機構50から正しい結果が得られない場合がある。例え
ば、異常を生じた入力点の持つ傾向が類似の入力点の中
における最大値であった場合には、最大値を選択する方
式が採用された信号選択機構50では、2番目に高い入
力点の値が選択されてしまい、実際には入力の最大値は
変化していないにも拘わらず2番目に低い値に突然切り
替わる突変が起こる。その結果、例えば信号処理装置の
出力が連続温度制御などに使用されている場合には、温
度が低下したと誤った判断がなされて温度が過剰に上げ
られ、制御対象である機械が損傷する事態が発生するこ
とが考えられる。
【0004】また、このような信号の突変が後段の処理
で問題となる場合には、信号の急激な変化を防止する防
止機構を挿入する必要があるが、この防止機構を実現す
るための処理によって信号の遅れが生じるという問題も
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解消するためになされたもので、その目的は、
入力信号に異常が生じても、その異常が生じなかった場
合に近い信号処理結果を得ることができ、しかも信号の
急激な変化を防止する機構を挿入しなくても、入力点を
除外する処理の前後で信号が突変しない信号処理を行い
得る信頼性の高い信号処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様に係る信号処理装置は、複数の
入力信号の異常の発生をそれぞれ検出する複数の入口変
換機構と、前記複数の入力信号の全体に共通的な入力変
化の現在値を、前記複数の入口変換機構からの複数の信
号に基づいて算出する基準信号演算機構と、前記複数の
入力信号のうちの異常の生じた入力信号を仮想的に復元
する複数の信号補償機構と、前記複数の信号補償機構か
らの信号から所定条件に合致する単一の信号を選択する
信号選択機構、とを備えている。
【0007】この信号処理装置において、前記複数の信
号補償機構の各々は、前記複数の入力信号を記憶する記
憶機構を備え、前記入口変換機構で異常の発生が検出さ
れた場合に、前記記憶機構に記憶されている、異常が検
出される直前の入力信号の持つ傾向値と、前記基準信号
演算機構からの入力変化の現在値とを用いて異常が発生
した入力信号を復元するように構成できる。
【0008】また、前記信号選択機構は、指定条件とし
て、前記複数の信号補償機構からの信号の中から最大、
最小又は中間の値を有する単一の信号を選択し、又は前
記複数の信号補償機構からの信号の平均の値を有する単
一の信号を算出して出力するように構成できる。
【0009】また、本発明の第1の態様に係る信号処理
装置における前記基準信号演算機構は、前記複数の入口
変換機構からの複数の信号の平均値を演算することによ
り前記入力変化の現在値を求めるように構成できる。
【0010】この場合、前記複数の信号補償機構の各々
は、前記基準信号演算機構で得られた平均値と前記複数
の入口変換機構からの信号との偏差を求める偏差抽出機
構と、前記偏差抽出機構で求められた偏差を入力信号の
持つ傾向値として記憶し、且つ異常が検出されない場合
に前記偏差抽出機構で求められた偏差を出力し、異常が
検出された場合に、既に記憶されている偏差を出力する
偏差記憶機構と、前記偏差記憶機構からの偏差と前記基
準信号演算機構からの平均値とに基づき入力信号を仮想
的に復元する信号復元機構と、異常が検出されない場合
に入力信号を出力し、異常が検出された場合に、前記信
号復元機構で仮想的に復元された信号を出力する仮想信
号切替機構、とから構成できる。
【0011】また、この信号処理装置は、前記信号補償
機構は、固定偏差値を発生する固定偏差発生機構を備
え、前記信号復元機構は、前記固定偏差値発生機構で発
生された固定値を用いて平均値との偏差を算出するよう
に構成できる。この場合、前記複数の信号補償機構の各
々は、入力信号とは別の第2の信号による関数値を発生
する偏差補償値発生機構と、前記偏差補償値発生機構か
らの関数値と前記基準信号演算機構からの平均値とに基
づき入力信号を仮想的に復元する信号復元機構と、異常
が検出されない場合に入力信号を出力し、異常が検出さ
れた場合に、前記信号復元機構で仮想的に復元された信
号を出力する仮想信号切替機構、とから構成できる。
【0012】また、本発明の第2の態様に係る信号処理
装置は、複数の入力信号の異常の発生をそれぞれ検出す
る複数の入口変換機構と、前記複数の入力信号の全体に
共通的な入力変化の現在値を、第3の信号を用いて、目
的とする現在値との理論的又は実験式による相関関係式
から模擬的に求める模擬基準信号演算機構と、前記複数
の入力信号のうちの異常の生じた入力信号を仮想的に復
元する複数の信号補償機構と、前記複数の信号補償機構
からの信号から所定条件に合致する単一の信号を選択す
る信号選択機構、とを備えている。
【0013】この信号処理装置における前記複数の信号
補償機構の各々は、前記複数の入力信号を記憶する記憶
機構を備え、前記入口変換機構で異常の発生が検出され
た場合に、前記記憶機構に記憶されている、異常が検出
される直前の入力信号の持つ傾向値と、前記模擬基準信
号演算機構で得られる第3の信号からの関数値から成る
模擬基準値とを用いて異常が発生した入力信号を復元す
るように構成できる。
【0014】また、前記信号選択機構は、指定条件とし
て、前記複数の信号補償機構からの信号の中から最大、
最小又は中間の値を有する単一の信号を選択し、又は前
記複数の信号補償機構からの信号の平均の値を有する単
一の信号を算出して出力するように構成できる。
【0015】また、本発明の第2の態様に係る信号処理
装置における前記複数の信号補償機構の各々は、前記模
擬基準信号演算機構で得られた模擬基準値と前記複数の
入口変換機構からの信号との偏差を求める偏差抽出機構
と、前記偏差抽出機構で求められた偏差を入力信号の持
つ傾向値として記憶し、且つ異常が検出されない場合に
前記偏差抽出機構で求められた偏差を出力し、異常が検
出された場合に、既に記憶されている偏差を出力する偏
差記憶機構と、前記偏差記憶機構からの偏差と前記擬基
準信号演算機構からの模擬基準値とに基づき入力信号を
仮想的に復元する信号復元機構と、異常が検出されない
場合に入力信号を出力し、異常が検出された場合に、前
記信号復元機構で仮想的に復元された信号を出力する仮
想信号切替機構、とから構成できる。
【0016】この場合、前記信号補償機構は、固定偏差
値を発生する固定偏差発生機構を備え、前記信号復元機
構は、前記固定偏差値発生機構で発生された固定値を用
いて前記擬基準信号演算機構からの模擬基準値との偏差
を算出するように構成できる。
【0017】また、前記複数の信号補償機構の各々は、
入力信号とは別の第2の信号による関数値を発生する偏
差補償値発生機構と、前記偏差補償値発生機構からの関
数値と前記擬基準信号演算機構からの模擬基準値とに基
づき入力信号を仮想的に復元する信号復元機構と、異常
が検出されない場合に入力信号を出力し、異常が検出さ
れた場合に、前記信号復元機構で仮想的に復元された信
号を出力する仮想信号切替機構、とから構成できる。
【0018】以上のように、本発明によれば、異常入力
点を除外した時にも該当入力点の持っていた傾向を引き
継いだ最も正しいと考えられる信号選択処理結果の値
を、且つ意図しない突変を生じることなく、更に応答遅
れを招くこともない信頼性の高い信号処理装置を提供で
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0020】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
係る信号処理装置は、異常な入力値を排除するために、
異常の生じた入力点の値を仮想的に復元した値と入替え
る信号補償機構(詳細後述)を備えている点に特徴があ
る。
【0021】本発明の実施の形態1に係る信号処理装置
は、図1に示すように、入口変換機構(SC)30
30、基準信号演算機構(BAS)40、信号補償機
構(COM)60〜60及び信号選択機構(AU
C)50から構成されている。以下、上記信号処理装置
を構成する各要素の詳細を図面を参照しながら説明す
る。
【0022】先ず、入口変換機構30〜30の構成
及び動作を説明する。入口変換機構30〜30は、
入力点信号IN〜INをそれぞれ整形し、信号X
〜X として信号補償機構60〜60にそれぞれ送
ると共に、信号X〜Xは、基準信号演算機構40に
送る。
【0023】入口変換機構30〜30の各々は同一
の構成であるので、以下では、その中の1回路である入
口変換機構30(1≦i≦n)を、図2に示したブロ
ック図を参照しながら説明する。入口変換機構30
は、信号整形機構31、信号異常検出機構32、保持
機構33及び切替機構34から構成されている。
【0024】信号整形機構31は、後段の処理機構が取
扱い可能なように、入力点信号IN の形態、レンジ等
を整形する。この信号整形機構31で整形された信号は
信号異常検出機構32及び切替機構34に供給される。
【0025】信号異常検出機構32は、信号整形機構3
1からの信号に基づいて入力点信号INが正常である
かどうかを判定し、入力点信号INが異常であること
を判定した場合は入力状態信号Bの値を「0」に変更
して切替機構34に供給すると共に外部に送出する。な
お、入力状態信号Bの値が「1」であれば入力点信号
INが正常であることを表す。
【0026】切替機構34は、受け取った入力状態信号
の値が「0」であれば、入力点信号INが異常で
ある旨を判定し、接点を信号整形機構31側から保持機
構33側に切り換える。保持機構33は、入力信号が異
常時に出力すべき値を保持している。この値としては、
例えば、「0」を用いることができる。従って、入力点
信号INが異常であるときは、切替機構34は、例え
ば「0」を出力する。これにより、後段の信号選択機構
50で異常な入力信号の値が無効になるように設定され
る。
【0027】次に、基準信号演算機構40の構成及び動
作を、図3に示したブロック図を参照しながら説明す
る。基準信号演算機構40は、信号X〜Xの平均値
Aを算出し、信号補償機構60〜60に送る。この
基準信号演算機構40は、この実施の形態1では、平均
演算機構(AVE)から構成されている。
【0028】この基準信号演算機構40は、入口変換機
構30〜30からの信号X〜Xを入力し、その
平均演算を行った結果を平均値Aとして出力する。な
お、平均演算の方法は、以下に示す以外にも可能であ
り、次の平均演算式に示される処理結果が得られれば何
れの方法であってもよい。 A=(X+X+・・・+X)/m ここで、Aは平均値、Xは各入力点信号の値、mは正
常な入力点信号の数を示す。
【0029】この基準信号演算機構40は、第1加算機
構41、第2加算機構42及び除算機構43から構成さ
れている。第1加算機構41は、信号X〜Xの各々
を加算して合計を算出し、除算機構43に供給する。こ
の際、上述したように、異常の発生により入力点信号が
「0」に変更されていれば、第1加算機構41における
合計処理では、異常な入力点信号の値は加算結果には影
響せず実質的に除外される。
【0030】第2加算機構42では、入力点信号IN
に対応する入力状態信号Bの値の合計を出力する。入
力状態信号Bは、正常な場合にB=1に設定される
ので、入力状態信号Bの合計は入力点信号IN〜I
の中の正常な入力点信号の数と等しくなる。即ち、
この第2加算機構42の出力mは正常な入力点信号IN
〜INの数である。除算機構43は、第1加算機構
41の出力を第2加算機構42からの出力mで除算す
る。これにより、上述した平均演算式に示す処理を行う
ことが出来る。
【0031】以上により、基準信号演算機構40では、
異常な入力点を除いた正常な入力点の信号のみを用いた
平均値Aが得られる。
【0032】次に、信号選択機構50の構成及び動作
を、図4に示したブロック図を参照しながら説明する。
この信号選択機構50は、信号補償機構60〜60
から出力される信号Y〜Yの中から所定の条件に従
って1つを選択し、出力OUTとして送出する。この信
号選択機構50では、指定条件として、多点入力のうち
から最大、最小又は中間の値をとる単一の出力信号を選
択するか、又は平均の値をとる単一の出力信号を演算で
求める。
【0033】図4は、最大値又は最小値をとる構成例を
示している。前段からの信号Y〜Yのうちの最大値
又は最小値を選択し、出力OUTとして外部に送出す
る。なお、条件として中間値を選択する場合には、信号
〜Yの中から値の大きい方から数えてp番目で且
つ小さい方から数えてもp番目に位置する信号を出力O
UTとして送出する。入力点数が偶数の場合にはp番目
では一つに定まらないので、小さい方から数えてp+1
番目又はp−1番目のどちらかの信号を出力OUTとし
て送出する。
【0034】次に、本発明の特徴である信号補償機構6
〜60の構成及び動作を説明する。信号補償機構
60〜60は、異常が生じた入力点信号IN〜I
に対応する信号X〜Xを復元し、信号Y〜Y
として信号選択機構50に送る。信号補償機構60
〜60の各々は同一の構成であるので、以下では、そ
の中の1回路である信号補償機構60を、図5に示す
ブロック図を参照しながら説明する。
【0035】この信号補償機構60では、異常の生じた
入力点信号の復元に、異常が生じる直前の状態で記憶さ
れている当該入力点の持つ傾向値と、類似の多点入力信
号全体に対して共通的な入力変化の現在値とを用いて信
号補償が行われる。そして入力点の持つ傾向値として
は、多点入力信号全体に対して共通的な入力変化の現在
値と、各入力点信号との偏差が用いられる。また、補正
の基準値となる多点入力信号全体に対して共通的な入力
変化の現在値には、現在入力されている複数の入力点信
号の平均値が用いられる。
【0036】この信号補償機構60は、偏差抽出機構6
1、偏差記憶機構62、信号復元機構63及び仮想信号
切替機構64から構成されている。
【0037】偏差抽出機構61は、前段の入口変換機構
30で処理された信号Xと、基準信号演算機構40
からの平均値Aとの偏差演算を行って偏差値OF算出
し、偏差記憶機構62に供給する。
【0038】偏差記憶機構62は、対応する入力点の入
力状態信号Bが正常(B=1)である場合は、偏差
値OFを記憶すると同時に、出力OFi[old]として送
出する。入力状態信号Bが異常(B=0)である場
合は、入力された偏差値OF を記憶せず、その時点で
記憶されている以前の偏差値OFを出力OFi[old]
して送出する。
【0039】信号復元機構63は、偏差記憶機構62か
らの偏差値OFi[old]に再び基準信号演算機構40から
の平均値Aを加算することにより、異常が生じた入力点
の信号を用いずに偏差記憶機構62内に記憶されている
異常が生じる前の偏差値FO を用いて仮想的に信号X
を復元させる。偏差値OFは入力点Xと平均値A
との偏差であるから、偏差記憶機構62に記憶されてい
る偏差値OFi[old]に再びその時の平均値Aを加算すれ
ば入力点信号INの値を再現できる。
【0040】しかし、現実には各入力点の値にはバラツ
キが有るので、異常が生じて除外した入力点のバラツキ
分だけ平均値自体が変動してしまう。従って異常発生後
の平均値をaとすれば、異常発生前の平均値Aは、平均
値の変動分ΔA=A−aだけ補正を加えなければ正しい
入力値は復元されない。
【0041】この関係を入力点数=5として、そのうち
の入力点1が異常を生じた場合を例にあげて、図6示し
た概念図を参照しながら説明をする。図6において、X
は各入力点、1、2、3、4及び5の信号の値、Aは
入力点1〜5の平均値、aは異常が発生した入力点を除
く入力点2〜5の平均値、X1[com]は復元すべき入力点
1の値(仮想値)、OFは入力点1の値Xと平均値
との偏差、OFは値X1[com]と平均値aとの偏差、O
1[old]は入力点1に異常が発生する直前に記憶され
た偏差OF、ΔAは入力点1に異常が発生する前後で
の平均値の変動分である。
【0042】入力点1に異常が発生するまでは、5点の
各入力点の信号の値X〜X5は少しずつ増加してい
る。今、入力点1の値Xが5点の内で最大の傾向を示
しており、5点の平均値Aとの間にOFなる偏差があ
るとする。次に、入力点1に異常が生じて入力点1の信
号値Xが無効となると、残りの入力点2から入力点5
までの4点の平均値aは、例えば図6に示されるよう
に、僅かではあるがΔA=A−aだけ変動する。従っ
て、異常となっている復元すべき入力点1の信号値X
1[com]は、新たな平均値Aに更に異常発生前後で変動し
た平均値の変動分ΔA=A−aだけ補正を加え、その
後、記憶されている偏差値OF1[old]を加算する必要が
ある。
【0043】以上のことを式を示して説明する。図6で
使用した記号を用いると、 X=A+OF…式(1) X1[com]=a+OF…式(2) OF=ΔA+OF1[old]…式(3) ΔA=A−a…式(4) となり、異常発生後の復元すべき仮想的な入力点1の値
1[com]は、上記式(2)、(3)及び(4)から、 X1[com]=a+ΔA+OF1[old] =a+(A−a)+OF1[old] =A+OF1[old]…式(5) となり、異常発生前の入力点1の値Xを示す式(1)
と同じ形態となる。
【0044】従って、異常発生の直前で記憶されたOF
1[old]は異常発生直前のOFであることから、異常発
生と同時に入力点1の値Xを復元した仮想的な入力点
1の値X1[com]に切替ても、変動を生じることなく切替
が可能であることが判る。
【0045】次に異常発生による平均値の変動につい
て、図6で使用した記号を用いて説明する。
【0046】全入力点の数をm(m=5)、入力点の異
常となる直前の値をXaとすれば、平均値A及びaはそ
れぞれ次のように表される。なお、ここの説明において
は入力点1を異常とするので、異常発生直前はX=X
aであり異常発生後にX=0となる。
【0047】 ΔA=A−a…式(4) A=(X+X+・・・+X)/m…式(6) a=(0+X+・・・+X)/(m−1) =(X+X+・・・+X−Xa)/(m−1)…式(7)
【0048】ところで式(1)から、X=A+OF
…式(8)であることから式(4)は、式(6)、
(7)及び(8)から次のように変形される。 ΔA=A−a=[(A*m+ΣOF)/m]−[{(A*(m−1)+ΣO F−OF}/(m−1)] =[A+ΣOF/m]−[A+{ΣOF−OF}/(m−1)] =[ΣOF/m]−[{ΣOF−OF}/(m−1)]…式(9 )
【0049】ところで、式(6)と(8)式を見直す
と、 A=(X+X+・・・+X)/m =(A*m+ΣOF)/m=A+ΣOF/m…式(10) の関係にあるので、 ΣOF=0…式(11) である。従って、先の式(9)は、 ΔA=A−a=OF/(m−1)…式(12) だけ異常の前後で平均値が変動することがわかる。
【0050】従って、先に説明した復元すべき仮想的な
入力点1の値X1[com]を厳密に求める場合には、式
(3)のΔAに式(12)の補正値を代入すればよい。
即ち、 X1[com]=a+OF…式(2) OF=ΔA+OF1[old]…式(3) であるから、 X1[com]=a+OF=a+ΔA+OF1[old] =a+OF/(m−1)+OF1[old]…式(13) この式(13)に説明される厳密な補正を行った信号復
元機構63の構成が、図5に示されている。
【0051】この図5では、信号復元機構63内の式
(13)に対応する厳密な補正に使用する入力点数mと
して正常入力点数m−1などを用いる構成を示してい
る。用途によってはこれを常に全入力点数mに固定して
構成を簡素化することも可能である。この場合、先の説
明で使用した全入力点数m=5の例では、1つの入力点
が異常となった場合に、厳密にはOFa/4とすべきをO
a/5となり、OFa/20だけ補正量が不足することにな
るが、この影響は補正量のわずか5%である。この程度
が問題にならない用途では、常に全入力点数mに固定し
て構成を簡素化することも可能である。
【0052】更に、この異常発生前後での平均値の変動
量ΔAも無視して、 X1[com]=a+OF=a+OF1[old]…式(14) とすれば、更に構成を簡素化できる。
【0053】各入力点の偏差が小さい場合にはΔAも十
分小さくなるので、省略することが可能な用途もある。
この場合の構成を図7に示す。
【0054】仮想信号切替機構64は、該当入力点の入
力状態信号Bが正常(B=1)である場合は、上述
した信号復元機構63をバイパスして入口変換機構30
で処理された信号Xをそのまま後段の信号選択機構
50に出力する。
【0055】従来の信号処理装置では、図15に示すよ
うに、このような信号補償機構60を備えていないの
で、異常となった入力点を除外する処置を行うと、その
入力点が持っていた傾向も失われてしまい、信号選択機
構50は正しい結果を受けることができなくなる。
【0056】これに対し、本発明の実施の形態1に係る
信号処理装置によれば、従来は不可能であった、入力点
の持つ傾向を出来るだけ保持した信号選択処理が可能と
なる。例えば、信号選択処理が最大値を選択する方式で
あって異常となった入力点の持つ傾向が最大値であった
場合に、誤って突然2番目の値に切替わってしまうこと
を防止できる。
【0057】以上説明したように、本発明の実施の形態
1に係る信号処理装置は、信号補償機構60を備えるこ
とにより信号選択機構50は、入力異常が生じた場合に
も入力点の持つ傾向を失うことなく、真実に近い信号を
受けることが出来る。
【0058】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
係る信号処理装置は、上述した実施の形態1に係る信号
処理装置において、信号補償機構60における補正の精
度を更に高めるために、異常の生じた入力点の値を仮想
的に復元する方法として、平均値との偏差値を記憶した
後に入力点信号とは別の第2の信号Zを用いてそれを補
正するようにしたものである。
【0059】この実施の形態2に係る信号処理装置の信
号補償機構は、図8に示すように、偏差記憶機構62と
信号復元機構63との間に新たに偏差補償機構66が追
加されて構成されている。
【0060】偏差補償機構66は、偏差記憶機構62か
らの出力OFi[old]に別の第2の信号Zに基づく更なる
補正を加えて出力OFi[com]として送出する。この出力
OF i[com]は、信号復元機構63での当該入力点の持つ
傾向値として用いられる。
【0061】偏差補償機構66は、第2の信号Zと偏差
値OFとの関係が理論式又は実験等によって既知の場
合に、その相関関係式に従って偏差記憶機構62からの
OF i[old]に基づいて補正演算を行う。
【0062】一例として、多点入力信号が対応する多穴
ノズルから噴射される燃料による過熱温度である加熱装
置を例に挙げて説明する。多穴ノズルの穴径のバラツキ
によって噴射される燃料量にもバラツキが生じることと
なり計測される過熱温度もそれに対応してバラツキが生
じる。噴射される総燃料量が増加すればそれに比例して
各ノズル穴から噴射される燃料量のバラツキも増加する
こととなり、計測温度のバラツキは総燃料量に比例して
変化する。従って、第2の信号Zとして総燃料量を用い
れば、信号異常が発生した後に加熱装置の総然料量を変
化させた運転状態においても偏差値を実態により近く復
元させることが可能となり、より高精度で異常信号を復
元できる。
【0063】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
係る信号処理装置は、上述した実施の形態1に係る信号
処理装置の信号補償機構60における処理を簡素化した
ものである。即ち、異常の生じた入力点の値を仮想的に
復元する方法として、平均値との偏差を類似の多点入力
信号から求める代わりに、固定値OF[fix]を用いるこ
とにより処理を簡素化したものである。
【0064】この信号処理装置の信号補償機構は、図9
に示すように、固定偏差発生機構67、信号復元機構6
3及び仮想信号切替機構64から構成されている。信号
復元機構63は、先に説明した式(14)と類似の式で
ある下式(15)の処理を行って異常となった入力信号
を復元する。
【0065】 X1[com]=a+OF=a+OF1[old]…式(14) Xi[com]=a+OF=a+OFi[fix]‥…式(15) ここで、固定値OFi[fix]は予め設定されている固定偏
差発生機構67からの出力である。
【0066】以上のように構成される信号処理装置は、
例えば次のような装置に適用できる。同一雰囲気の温度
を計測している同一仕様の複数のセンサからの入力信号
である場合に、各センサが持っている固有のバラツキ特
性によって各入力信号間に偏差が生じているならば、こ
の偏差値は予め既定の値となる。従って、その偏差値を
固定偏差発生機構67の固定値OF[fix]として設定し
ておけばよい。
【0067】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
係る信号処理装置は、上述した実施の形態1に係る信号
処理装置において、信号補償機構60の構成を変形した
ものである。
【0068】この実施の形態4に係る信号処理装置の信
号補償機構60は、図10に示すように、偏差補償値発
生機構68、信号復元機構63及び仮想信号切替機構6
4から構成されている。
【0069】この信号処理装置では、上述した図9に示
した構成とは異なり、信号補償機構60で異常の生じた
入力点の値を仮想的に復元する方法として、平均値との
偏差を類似の多点入力信号から求める代わりに、入力信
号とは別の第2の信号Zを用いる。信号復元機構63は
式(16)の処理を行って異常となった入力信号の復元
をする。 Xi[com]=a+OF=a+OF[exp]‥…式(16) ここで、OF[exp]は偏差補償値発生機構68で第2の
信号Zを用いて生成される可変量の出力である。このO
[exp]は、第2の信号Zと偏差値OFとの関係が理
論式又は実験等によって既知の場合に、その相関関係式
に従って生成する。
【0070】以上のように構成される信号処理装置は、
例えば次のような装置に適用できる。先の説明と同様に
同一雰囲気の温度を計測している同一仕様の複数のセン
サからの入力信号である場合に、各センサが持っている
固有のバラツキ特性によって各入力信号間に偏差が生じ
ているならば、この偏差値は予め既定の値となる。但
し、その特性が受信計器室温度によって非直線の関係と
なっている場合には固定値では不十分であり、受信計器
室温度を第2の信号Zとした非直線の補正関係式から発
生させる可変値とする必要がある。偏差補償値発生機構
68の出力OF[e xp]は、この様な第2の信号Zの関数
設定された出力とする。
【0071】(実施の形態5)この実施の形態5に係る
信号処理装置は、実施の形態1に係る信号処理装置の基
準信号演算機構の代わりに、第3の信号を用いる模擬基
準信号演算機構(SIM)が用いられている。
【0072】この実施の形態5に係る信号処理装置で
は、類似の多点入力信号全体に対して共通的な入力変化
の現在値を、多点入力信号を用いることなく別の第3の
信号Wを用いて、目的とする現在値との理論的又は実験
式による相関関係式から演算で模擬的に求める。異常の
生じた入力点信号の復元には、異常が生じる直前の状態
で記憶されている当該入力点の持つ傾向値と、この模擬
基準信号演算機構80で現在値として得られる第3の信
号からの関数値とが用いられる。
【0073】この信号処理装置は、図11に示すよう
に、入口変換機構(SC)30〜30、模擬基準信
号演算機構(SIM)80、信号補償機構(COM)7
〜70及び信号選択機構(AUC)50から構成
されている。
【0074】この信号処理装置の信号補償機溝70は、
図12に示すように、異常の生じた入力点の値を仮想的
に復元する方法として、模擬基準信号演算機構80から
の模擬基準値と当該入力点信号との偏差を当該入力点の
持つ傾向値とし、異常が生じると直前の状態で当該入力
点の偏差値の記憶を固定し、その後に変化して行く現在
値として模擬基準信号演算機構80からの模擬基準値と
合成して当核入力点の信号を仮想的に復元する。
【0075】信号補償機構70は、偏差抽出機構71、
偏差記憶機構72、信号復元機構73及び仮想信号切替
機構74から構成されている。この信号補償機構70
は、図1に示した信号補償機構60と類似しているが、
現在値に平均値Aを用いる代わりに。模擬基準信号演算
機構80からの別の第3の信号Wを用いて模擬的に求め
られた模擬基準値Cを用いる点が異なっている。従って
式(2)の関係が下式(17)のように変わる。 X1[com]=a+OF…式(2) OF=ΔA+OF1[old]…式(3) Xi[com]=C+OFi[old]…式(17)
【0076】模擬基準信号演算機構80では、第3の信
号Wと多点入力信号Ixとの間の相関関係が理論式によ
って既知の場合にはそれに従って、又は実験等で得られ
た相関関係式に従って演算して生成する。なお、この第
3の信号Wは単数とは限らず、必要な目的精度を得るの
に必要な複数の異なる種類の信号を用いる。
【0077】一例として、先の説明にも用いた多穴ノズ
ルから噴射される燃料による過熱温度である加熱装置を
例として説明を行う。多穴ノズルから噴射される総燃料
量によって全体としての加熱温度が定まり、従って多点
入力信号として計測される過熱温度の基準量は総燃料量
と関係することが容易に判る。従って、第3の信号とし
て、燃料噴射量と燃焼用空気の温度、及び燃焼用空気量
や更に必要な精度によって燃料の発熱量などを別の第3
の信号として用いて燃暁による加熱量の計算を行うこと
で、模擬基準信号Cとしての基準加熱温度を求められ
る。
【0078】(実施の形態6)本発明の実施の形態6に
係る信号処理装置は、上述した実施の形態5に係る信号
処理装置の信号補償機構60における処理を簡素化した
ものである。即ち、異常の生じた入力点の値を仮想的に
復元する方法として、平均値との偏差を類似の多点入力
信号から求める代わりに、固定値OF[fix]を用いるこ
とにより処理を簡素化したものである。
【0079】本発明の実施の形態6に係る信号処理装置
を説明する。この信号処理装置で使用される信号補償機
構60は、図13に示すように、固定偏差発生機構7
7、信号復元機構73及び仮想信号切替機構から構成さ
れている。
【0080】この信号補償機構60では、異常の生じた
入力点の値を仮想的に復元する方法として、模擬基準値
との偏差を類似の多点入力信号から求める代わりに、固
定値OF[fix]を用いることにより処理を簡素化する。
信号復元機構73は先に説明の(17)式と類似の(1
8)式の処理を行って異常となった入力信号の復元をす
る。 Xi[com]=C+OFi[old]…式(17) Xi[com]=C+OF[fix]…式(18) ここで、固定値OF[fix]は予め設定されている固定偏
差発生機構77からの出力である。
【0081】以上のように構成される信号処理装置は、
実施の形態3と同様の装置に適用できる。
【0082】(実施の形態7)本発明の実施の形態7に
係る信号処理装置は、上述した実施の形態6に係る信号
処理装置において、信号補償機構60の構成を変形した
ものである。
【0083】この信号処理装置で使用される信号補償機
構60の構成を図14に示す。この信号処理装置では、
先に図13を参照して説明した場合とは異なり、信号補
償機構60で異常の生じた入力点の値を仮想的に復元す
る方法として、模擬基準値との偏差を類似の多点入力信
号から求める代わりに入力信号とは別の第2の信号Zを
用いる。信号復元機構73は式(19)の処理を行って
異常となった入力信号の復元をする。 Xi[COM]=C+OF[exp]…式(19) ここで、OF[exp]は偏差補償値発生機構78で第2の
信号Zを用いて生成される可変量の出力である。
【0084】以上のように構成される信号処理装置は、
実施の形態4と同様の装置に適用できる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、入
力信号に異常が生じても、その異常が生じなかった場合
に近い信号処理結果を得ることができ、しかも信号の急
激な変化を防止する機構を挿入しなくても、入力点を除
外する処理の前後で信号が突変しない信号処理を行い得
る信頼性の高い信号処理装置を提供できる。
【0086】即ち、信号処理の対象となる多数の入力信
号源のいずれかの入力点信号に異常が生じたとき、その
入力点の持つ傾向をできるだけ保持した信号の復元が可
能となり、真実に近い信号選択処理の結果が得られる。
【0087】また、急激な変化を防止する機構などの挿
入によって処理が遅れてしまうことなく、異常発生で入
力点の除外前後で信号選択処理の結果が突変しない信号
処理が得られ、信頼性の向上と処理性能の向上が出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る信号処理装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した入口変換機構の一構成例を示すブ
ロック図である。
【図3】図1に示した基準信号演算機構(平均演算機
構)の一構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示した信号選択機構の一構成例を示すブ
ロック図である。
【図5】図1に示した信号補償機構の一構成例を示すブ
ロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る信号処理装置の信号
補償機構において、入力点1が異常を生じた場合の信号
の変動状況を概念的に示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る信号処理装置の信
号補償機構を簡素化した構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る信号処理装置の信
号補償機構の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る信号処理装置の信
号補償機構の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る信号処理装置の
信号補償機構の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態5に係る信号処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る信号処理装置の
信号補償機構の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係る信号処理装置の
信号補償機構の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態7に係る信号処理装置の
信号補償機構の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の信号処理装置を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
30〜30 入口変換機構 31 信号整形機構 32 信号異常検出機構 33 保持機構 34 切替機構 40 基準信号演算機構 41 第1加算機構 42 第2加算機構42 43 除算機構 50 信号選択機構 67、77 固定偏差発生機構 60〜60、70〜70 信号補償機構 61、71 偏差抽出機構 62 偏差記憶機構 63、73 信号復元機構 64、74 仮想信号切替機構 66 偏差補償機構 72 偏差記憶機構 68、78 偏差補償値発生機構 80 模擬基準信号演算機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L061 BA03 BA07 5H209 AA06 BB02 DD02 GG04 SS02 TT02 TT03 TT04 5K014 AA01 FA06 FA07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入力信号の異常の発生をそれぞれ
    検出する複数の入口変換機構と、 前記複数の入力信号の全体に共通的な入力変化の現在値
    を、前記複数の入口変換機構からの複数の信号に基づい
    て算出する基準信号演算機構と、 前記複数の入力信号のうちの異常の生じた入力信号を仮
    想的に復元する複数の信号補償機構と、 前記複数の信号補償機構からの信号から所定条件に合致
    する単一の信号を選択する信号選択機構、とを備えた信
    号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の信号補償機構の各々は、 前記複数の入力信号を記憶する記憶機構を備え、 前記入口変換機構で異常の発生が検出された場合に、前
    記記憶機構に記憶されている、異常が検出される直前の
    入力信号の持つ傾向値と、前記基準信号演算機構からの
    入力変化の現在値とを用いて異常が発生した入力信号を
    復元する請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記信号選択機構は、指定条件として、
    前記複数の信号補償機構からの信号の中から最大、最小
    又は中間の値を有する単一の信号を選択し、又は前記複
    数の信号補償機構からの信号の平均の値を有する単一の
    信号を算出して出力する、請求項2に記載の信号処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記基準信号演算機構は、前記複数の入
    口変換機構からの複数の信号の平均値を演算することに
    より前記入力変化の現在値を求める、請求項1に記載の
    信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の信号補償機構の各々は、 前記基準信号演算機構で得られた平均値と前記複数の入
    口変換機構からの信号との偏差を求める偏差抽出機構
    と、 前記偏差抽出機構で求められた偏差を入力信号の持つ傾
    向値として記憶し、且つ異常が検出されない場合に前記
    偏差抽出機構で求められた偏差を出力し、異常が検出さ
    れた場合に、既に記憶されている偏差を出力する偏差記
    憶機構と、 前記偏差記憶機構からの偏差と前記基準信号演算機構か
    らの平均値とに基づき入力信号を仮想的に復元する信号
    復元機構と、 異常が検出されない場合に入力信号を出力し、異常が検
    出された場合に、前記信号復元機構で仮想的に復元され
    た信号を出力する仮想信号切替機構、とを備えた請求項
    4に記載の信号処理装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の信号補償機構の各々は、偏差
    補償機構を更に備え、 前記偏差補償機構は、前記偏差記憶機構からの偏差を、
    入力信号とは別の第2の信号を用いて補正する請求項5
    に記載の信号処理装置。
  7. 【請求項7】 前記信号補償機構は、固定偏差値を発生
    する固定偏差発生機構を備え、 前記信号復元機構は、前記固定偏差値発生機構で発生さ
    れた固定値を用いて平均値との偏差を算出する、請求項
    6に記載の信号処理装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の信号補償機構の各々は、 入力信号とは別の第2の信号による関数値を発生する偏
    差補償値発生機構と、 前記偏差補償値発生機構からの関数値と前記基準信号演
    算機構からの平均値とに基づき入力信号を仮想的に復元
    する信号復元機構と、 異常が検出されない場合に入力信号を出力し、異常が検
    出された場合に、前記信号復元機構で仮想的に復元され
    た信号を出力する仮想信号切替機構、とを備えた請求項
    4に記載の信号処理装置。
  9. 【請求項9】 複数の入力信号の異常の発生をそれぞれ
    検出する複数の入口変換機構と、 前記複数の入力信号の全体に共通的な入力変化の現在値
    を、第3の信号を用いて、目的とする現在値との理論的
    又は実験式による相関関係式から模擬的に求める模擬基
    準信号演算機構と、 前記複数の入力信号のうちの異常の生じた入力信号を仮
    想的に復元する複数の信号補償機構と、 前記複数の信号補償機構からの信号から所定条件に合致
    する単一の信号を選択する信号選択機構、とを備えた信
    号処理装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の信号補償機構の各々は、 前記複数の入力信号を記憶する記憶機構を備え、 前記入口変換機構で異常の発生が検出された場合に、前
    記記憶機構に記憶されている、異常が検出される直前の
    入力信号の持つ傾向値と、前記模擬基準信号演算機構で
    得られる第3の信号からの関数値から成る模擬基準値と
    を用いて異常が発生した入力信号を復元する、請求項9
    に記載の信号処理装置。
  11. 【請求項11】 前記信号選択機構は、指定条件とし
    て、前記複数の信号補償機構からの信号の中から最大、
    最小又は中間の値を有する単一の信号を選択し、又は前
    記複数の信号補償機構からの信号の平均の値を有する単
    一の信号を算出して出力する、請求項10に記載の信号
    処理装置。
  12. 【請求項12】 前記複数の信号補償機構の各々は、 前記模擬基準信号演算機構で得られた模擬基準値と前記
    複数の入口変換機構からの信号との偏差を求める偏差抽
    出機構と、 前記偏差抽出機構で求められた偏差を入力信号の持つ傾
    向値として記憶し、且つ異常が検出されない場合に前記
    偏差抽出機構で求められた偏差を出力し、異常が検出さ
    れた場合に、既に記憶されている偏差を出力する偏差記
    憶機構と、 前記偏差記憶機構からの偏差と前記擬基準信号演算機構
    からの模擬基準値とに基づき入力信号を仮想的に復元す
    る信号復元機構と、 異常が検出されない場合に入力信号を出力し、異常が検
    出された場合に、前記信号復元機構で仮想的に復元され
    た信号を出力する仮想信号切替機構、とを備えた請求項
    11に記載の信号処理装置。
  13. 【請求項13】 前記信号補償機構は、固定偏差値を発
    生する固定偏差発生機構を備え、 前記信号復元機構は、前記固定偏差値発生機構で発生さ
    れた固定値を用いて前記擬基準信号演算機構からの模擬
    基準値との偏差を算出する、請求項12に記載の信号処
    理装置。
  14. 【請求項14】 前記複数の信号補償機構の各々は、 入力信号とは別の第2の信号による関数値を発生する偏
    差補償値発生機構と、 前記偏差補償値発生機構からの関数値と前記擬基準信号
    演算機構からの模擬基準値とに基づき入力信号を仮想的
    に復元する信号復元機構と、 異常が検出されない場合に入力信号を出力し、異常が検
    出された場合に、前記信号復元機構で仮想的に復元され
    た信号を出力する仮想信号切替機構、とを備えた請求項
    13に記載の信号処理装置。
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