JP2002338680A - 低分子量エピハロヒドリン系重合体の製造方法 - Google Patents

低分子量エピハロヒドリン系重合体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低分子量エピハロヒドリン系重合体を
高重合収率で製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 エピハロヒドリン系単量体を、周期表
第4〜15族元素のハロゲン化物を主成分とする触媒を
用いて重合して、重合転化率が20〜85重量%になっ
た時点で、重合反応液に(A)周期表第1族元素、亜
鉛、アルミニウム、又はスズのアルキル化合物と(B)
リン酸化合物と(C)ルイス塩基化合物との混合物を添
加して更に重合を続行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低分子量のエピハ
ロヒドリン系重合体を高重合収率で製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】低分子量エピハロヒドリン系重合体は、
ゴムや樹脂の可塑剤のほかに、耐候性、耐薬品性、難燃
性、接着性、及び耐油性を有したポリマー改質剤及び該
改質剤の原料として使用されている。
【0003】一般に、低分子量のエピハロヒドリン系重
合体を重合するのに用いられる触媒としては、周期表第
4〜15族元素のハロゲン化物などに代表されるカチオ
ン重合触媒が使用されている。
【0004】例えば、特開平4−198319号公報で
は、エピハロヒドリンを2価以上の多価アルコールの存
在下でSbClを重合触媒としてカチオン重合させる
ことにより液状のエピハロヒドリン重合体を製造する方
法が記載されている。しかし、カチオン重合触媒を用い
た場合、重合生長反応とともにジオキサンなどが副生す
るため、エピハロヒドリン重合体の重合収率が低下し未
反応単量体が多く残留する。
【0005】通常、重合反応液中に残留する未反応単量
体は、(1)触媒を追加添加して重合転化率を高めるこ
とによって減らしたり、(2)重合終了後、重合反応液
を常圧または減圧蒸留により留去したりしている。しか
し、(1)の方法の場合、未反応単量体を少量まで減ら
すのに多量の触媒を添加するため、触媒をろ過して除去
する工程が必要になる。(2)の方法の場合、重合工程
とは別に未反応単量体を除去するための設備が必要にな
るなどの問題がある。
【0006】このため、低分子量エピハロヒドリン系重
合体を高重合収率で製造できる方法が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低分
子量エピハロヒドリン系重合体を、触媒を多量に用いる
ことなく高重合収率で製造する方法を提供することにあ
る。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、鋭意検討した結果、特定の二種の触
媒を用いてエピハロヒドリン系単量体を二段階で重合す
ることにより、上記目的を達成することができることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0009】かくして本発明によれば、エピハロヒドリ
ン系単量体を、周期表第4〜15族元素のハロゲン化物
を主成分とする触媒を用いて重合して、重合転化率が2
0〜85重量%になった時点で、重合反応液に(A)周
期表第1族元素、亜鉛、アルミニウム、又はスズのアル
キル化合物と(B)リン酸化合物と(C)ルイス塩基化
合物との混合物を添加して更に重合を続行することを含
む低分子量エピハロヒドリン系重合体の製造方法が提供
される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、エピハロヒドリン系単
量体を、周期表第4〜15族元素のハロゲン化物を主成
分とする触媒を用いて重合して、重合転化率が20〜8
5重量%になった時点で、重合反応液に(A)周期表第
1族元素、亜鉛、アルミニウム、又はスズのアルキル化
合物と(B)リン酸化合物と(C)ルイス塩基化合物と
の混合物を添加して更に重合を続行することにより低分
子量エピハロヒドリン系重合体を得るものである。
【0011】本発明の方法が適用できるエピハロヒドリ
ン系単量体は、エピハロヒドリン単量体及びエピハロヒ
ドリン単量体と共重合可能なエポキシ化合物の混合物で
ある。
【0012】本発明の方法が適用できるエピハロヒドリ
ン単量体としては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、メチルエピクロルヒドリンなどが挙げられる。
その中でもエピクロルヒドリンが好ましい。
【0013】エピハロヒドリン単量体は、エピハロヒド
リン単量体と共重合可能な他のエポキシ化合物と共重合
してもよい。共重合可能なエポキシ化合物としては、ア
ルキレンオキシド類、脂環状エポキシド類、芳香族置換
エポキシド類、脂肪族グリシジルエーテル類、芳香族グ
リシジルエーテル類、及びカルボン酸グリシジルエステ
ル類が挙げられる。
【0014】具体的には、アルキレンオキシド類として
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテンオ
キシド、イソブチレンオキシド、ブタジエンモノオキシ
ドなど;脂環状エポキシド類としては、シクロヘキセン
オキシド、ビニルシクロヘキセンオキシドなど;芳香族
置換エポキシド類としては、スチレンオキシド、α−メ
チルスチレンオキシドなど;脂肪族グリシジルエーテル
類としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなど;芳香族
グリシジルエーテル類としては、フェニルグリシジルエ
ーテル、クロロエチルグリシジルエーテルなど;カルボ
ン酸グリシジルエステル類としては、酢酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
【0015】これらのエポキシ化合物の使用割合は、特
に限定されないが、エピハロヒドリン系単量体20〜9
8モル%、エピハロヒドリン系単量体と共重合可能なエ
ポキシ化合物80〜2モル%である。
【0016】本発明の方法においては、触媒として周期
表第4〜15族元素のハロゲン化物を用いて重合反応を
開始する。
【0017】重合反応は、窒素ガスやアルゴンガス等の
不活性なガス雰囲気で、無溶媒又は有機溶媒中で、エピ
ハロヒドリン系単量体に周期表第4〜15族元素のハロ
ゲン化物を添加することにより開始される。重合温度
は、通常0〜100℃、好ましくは30〜70℃、さら
に好ましくは40〜60℃である。反応温度が低すぎる
場合、重合収率が低くなることがあり、逆に反応温度が
高すぎる場合は重合反応が発熱反応であるため、急激な
温度上昇が生じやすい。
【0018】本発明の方法で使用できる周期表第4〜1
5族元素のハロゲン化物を構成する周期表第4〜15族
元素としては、Ti、Zr、Fe、Zn、B、Al、S
n、P、Sbなどを挙げることができる。ハロゲンとし
ては、F、Cl、Br、Iを挙げることができる。周期
表第4〜15族元素のハロゲン化物としては、TiCl
4、ZrCl、FeCl3、FeBr3、ZnCl2、B
3、BCl3、AlCl3、SnCl4、SbCl5、P
5、SbFなどを挙げることができる。
【0019】周期表第4〜15族元素のハロゲン化物の
量は、エピハロヒドリン系単量体100重量部に対し
て、0.5〜2重量部、好ましくは0.8〜1.5重量
部である。なお、上記ハロゲン化物は、そのまま使用し
ても良いし、有機溶媒に希釈して使用してもよい。上記
ハロゲン化物の添加方法は、一度に全量添加しても良い
が、重合反応が発熱反応であるため、温度が急激に上が
らないように、分割して添加するのが好ましい。
【0020】有機溶媒を用いる場合、有機溶媒は重合反
応に対して不活性なものであれば限定されない。具体的
には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化
水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチル
シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシク
ロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタ
ン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘ
キサン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶媒;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ
−テル系溶媒;又はこれらの二種以上の混合溶媒を挙げ
ることができる。
【0021】エピハロヒドリン系単量体を、周期表第4
〜15族元素のハロゲン化物を主成分とする触媒を用い
て重合して、重合転化率が20〜85重量%になった時
点で、重合反応液に(A)周期表第1族元素、亜鉛、ア
ルミニウム、又はスズのアルキル化合物(以下、化合物
(A)という)と(B)リン酸化合物と(C)ルイス塩
基化合物との混合物を添加する。
【0022】化合物(A)と(B)リン酸化合物と
(C)ルイス塩基化合物との混合物は、重合転化率が2
0〜85重量%、好ましくは25〜80重量%、さらに
好ましくは30〜75重量%になった時に重合反応液に
添加する。重合転化率が20重量%より低い時に該混合
物を添加した場合、高分子量重合体が生成し、低分子量
重合体の重合収率が低下する。
【0023】なお重合反応は、重合転化率が95重量%
以上になったときに終了するのが好ましく、未反応単量
体の除去操作が容易になる。
【0024】本発明の方法で使用する(A)周期表第1
族元素、亜鉛、アルミニウム、又はスズのアルキル化合
物(以下、化合物(A)という)と(B)リン酸化合物
と(C)ルイス塩基化合物との混合物は、アルゴンなど
の希ガス又は窒素ガス雰囲気下で、有機溶媒中又は無溶
媒で、攪拌しながら混合することにより得られる。有機
溶媒としては、前記したような重合反応に使用するもの
を用いることができる。
【0025】化合物(A)の量は、エピハロヒドリン系
単量体100重量部に対し0.3〜1重量部、好ましく
は0.5〜1重量部である。また、(B)リン酸化合物
及び(C)ルイス塩基化合物の量は、化合物(A)に対
して、(B)リン酸化合物はモル比で0.01〜50
倍、好ましくは0.05〜10倍、(C)ルイス塩基化
合物はモル比で0.001〜10倍、好ましくは0.0
1〜5倍の割合である。
【0026】化合物(A)と(B)リン酸化合物と
(C)ルイス塩基化合物とを混合するときの温度は、通
常−50〜150℃の間であれば特に限定されない。ま
た、圧力は大気圧〜10気圧であればよく、さらに混合
時間は10分〜2日間の間であれば特に限定されない。
【0027】本発明で使用できる化合物(A)は、一般
式[1]で表される化合物である。
【0028】一般式[1]:RMX (式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基である。Mは
周期表第1族元素、亜鉛、アルミニウム又はスズ元素を
表す。Xは、それぞれ独立に水素、ハロゲン元素、ハイ
ドロキシ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、アシルオ
キシ基、アルキルチオ基、アリルチオ基、アルコキシカ
ルボニル基置換アルキルチオ基、ヒドロキシ置換アルキ
ルチオ基、アシルオキシ置換アルコキシ基、アルコキシ
カルボニル置換アシルオキシ基又はヒドロキシ置換アシ
ルオキシ基である。mは1〜4までの整数、nは0〜3
までの整数であり、(m+n)は1〜4の整数でM元素
の原子価数によって決まる。) Rは炭素数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基又はアリル基である。
これらの中でもRがアルキル基であるものが好ましく、
炭素数1〜4のアルキル基がさらに好ましい。
【0029】本発明の方法で使用できる(B)リン酸化
合物は、リン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、亜リン酸、
二亜リン酸、次リン酸、又は縮合リン酸のいずれかであ
る。使用するリン酸化合物が縮合リン酸である場合は、
含有量が65%以上であることが好ましい。
【0030】本発明の方法で使用できる(C)ルイス塩
基化合物は、窒素、燐、酸素、又は硫黄原子の少なくと
も1つを有する化合物であれば特に限定されない。例え
ば、第三級アミン及び環状アミン類、ニトリル類、ニト
ロ化合物類、チオエーテル類、メルカプタン類、ジスル
フィド類、エーテル類、アルコール類、チオフェン類、
オキサゾール類、イミダゾール類、チアゾール類、オキ
サジン類、イソシアネート類、スルフェンアミド類、ジ
チオ酸塩類、ホスフィン類、水、並びにアセチルアセト
ンなどが挙げられる。中でも、第三級アミン及び環状ア
ミン類、チオエーテル類、メルカプタン類、ジスルフィ
ド類、イミダゾール類、オキサジン類、イソシアネート
類、スルフェンアミド類、ジチオ酸塩類、ジスルフィド
類、及びDBU塩類は、これを使用すると重合活性が高
くなるので好ましい。
【0031】これらの化合物の具体例としては、第三級
アミン及び環状アミン類では、トリエチルアミン、トリ
−n−アミルアミン、エチレンイミン、ピペリジン、ピ
ロール、ピロリジン、2−ピロリドン、モルホリン、ジ
ケトピペラジン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7(以下、DBUという);チオエー
テル類では、ジフェニルチオエーテル、ジメチルスルフ
ィド、ジエチルスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド;メルカプタン類では、チオフェノール、エ
チルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−ヘキ
シルメルカプタン、p−t−ブチルチオフェノール;ジ
スルフィド類では、ジメチルジスルフィド、ジフェニル
ジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テ
トラエチルチウラムジスルフィド、テトラ−n−ブチル
チウラムジスルフィド;イミダゾール類では、イミダゾ
ール、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミ
ダゾール、2−メルカプトイミダゾリン;イソシアネー
ト類では、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネ
ート、トルエン−2,4−ジイソシアネート;オキサジ
ン類では、モルホリン、4,4‘−ジチオジモルホリ
ン;スルフェンアミド類では、シクロヘキシルベンゾチ
アジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレンベンゾ
チアゾール−2−スルフェンアミド、ジシクロヘキシル
ベンゾチアジルスルフェンアミド;ジチオ酸塩類では、
ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチ
オカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸セレ
ン、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ピペリジンペンタ
メチレンジチオカルバミン酸、ピコリンピペコリルジチ
オカルバミン酸、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム;ジスルフィド類では、ジメチルジスルフィド、ジフ
ェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラ−n−
ブチルチウラムジスルフィド;DBU塩類では、炭酸
塩、2−エチルヘキサン塩、オレイン酸塩、p−トルエ
ンスルホン酸塩、ギ酸塩、フェノール塩が挙げられる。
【0032】本発明の方法で得られる重合反応終了後の
反応溶液は、必要に応じてアルカリ化合物や酸化防止剤
等を添加してもよい。
【0033】アルカリ化合物の添加は、重合触媒として
使用したハロゲン化物が水と接触して、有毒なハロゲン
化ガスを発生するのを防止するために、このハロゲン化
物を安全なハロゲン塩に変換するのが目的である。アル
カリ化合物の添加量は、重合反応で使用したハロゲン化
物中のハロゲンに対してモル比で1倍〜6倍の範囲であ
る。なお使用するアルカリ化合物は、特に限定されな
い。また、生成したハロゲン塩は、触媒として使用して
いるハロゲン化物の量が少ないので除去しなくてもよ
い。
【0034】酸化防止剤の添加は、重合体中にラジカル
が発生し、ゲル化もしくは分子切断が起きるのを防止す
るのが目的である。使用できる酸化防止剤としては、従
来から使用されている公知の安定剤のいずれでもよく、
具体的にはフェノール系、有機ホスフェート系、有機ホ
スファイト系、アミン系、イオウ系など種々の公知の酸
化防止剤が挙げられる。酸化防止剤の添加方法は、その
まま重合溶液に添加しても、前記有機溶媒に溶解させて
添加してもよく、特に限定されない。酸化防止剤は、通
常エピハロヒドリン系単量体100重量部に対して、
0.001〜1重量部の範囲で使用される。
【0035】本発明の方法により得られる低分子量エピ
ハロヒドリン系重合体は、(1)上記反応溶液を直接乾
燥させる方法、(2)上記反応溶液に高温高圧のスチー
ムを吹き込んで溶媒等を除去した後、残りの液相と重合
体層を分離させ、上澄み液を除去し、下層の重合体層を
乾燥させる方法などにより得ることができる。
【0036】本発明の方法によって得られる低分子量エ
ピハロヒドリン系重合体は、テトラヒドロフラン(TH
F)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)により測定した数平均分子量(Mn)が
ポリスチレン換算値で400〜20,000、好ましく
は500〜17,000;重量平均分子量(Mw)がポ
リスチレン換算値で800〜120,000、好ましく
は1,000〜100,000の範囲のものである。
【0037】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。
【0038】重合体の分子量は、テトラヒドロフラン
(THF)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として
測定した。
【0039】(実施例1)攪拌機付き反応容器にSnC
1重量部とトルエン3重量部とを混合して触媒溶液
を調製した。この溶液を触媒溶液(A)とする。
【0040】上の反応容器とは別の反応容器にトリイソ
ブチルアルミニウム0.5重量部とリン酸0.086重
量部とDBUのギ酸塩0.075重量部(モル比でトリ
イソブチルアルミニウム:リン酸:DBUのギ酸塩=
1:0.35:0.15)とジエチルエーテル2重量部
とを添加し、窒素雰囲気下で、60℃で1時間攪拌して
触媒溶液を調製した。この溶液を触媒溶液(B)とす
る。
【0041】上の2つとは異なる攪拌機付き反応容器に
エピクロルヒドリン100重量部及びトルエン43重量
部を仕込み、窒素雰囲気下にて攪拌しながらこの混合溶
液を50℃に昇温した。そしてその反応容器に前記の触
媒溶液(A)0.8重量部(SnCl0.2重量部相
当)を添加して重合を開始した。この後触媒溶液(A)
を数回に分けて添加し、2時間重合反応を行った。この
時の重合転化率は75重量%であった。この反応容器に
前記の触媒溶液(B)0.24重量部を添加した。この
後、この重合反応液に触媒溶液(B)を数回に分けて添
加し、2時間反応させた。この時の重合転化率は99重
量%以上であった。
【0042】重合終了後、重合溶液に10%水酸化ナト
リウム水溶液を40重量部添加した。次に、ビスフェノ
ール系酸化防止剤(大内新興社製、商品名:ノクラック
300=4,4'チオビス(6−tert−ブチル−3−
メチルフェノール)を0.5重量部添加した。
【0043】この重合溶液に高温高圧のスチームを吹き
込んで溶媒等を除去した後、残りの液相と重合体層を分
離させ、残りの液相を除去した。そして残った重合体層
を80℃で24時間乾燥させて重合体を得た。
【0044】こうして得られたエピハロヒドリン系重合
体の重合収率は99%で、分子量は、Mn2,200、
Mw15,000であった。
【0045】(比較例1)実施例1で触媒溶液(B)の
かわりに触媒溶液(A)を続けて使用した他は同様にし
て重合反応を行った。この時のエピハロヒドリン重合体
の分子量は、Mn2,300、Mw16,000であっ
た。この時の重合転化率は85重量%であった。しか
し、触媒を多量に添加しているため(SnCl4重量
部)、触媒を除去する工程が必要であった。
【0046】(比較例2)実施例1で触媒溶液(B)の
かわりに、トリイソブチルアルミニウム0.5部とリン
酸0.086重量部をジエチルエーテル2重量部に添加
し、窒素雰囲気下60℃で1時間攪拌して得られた触媒
溶液を用いた他は、同様にして重合反応を行った。得ら
れたエピハロヒドリン重合体の分子量は、Mn2,50
0、Mw18,000であった。また、この時の重合体
の重合収率は85%であった。
【0047】(比較例3)実施例1で重合転化率が17
重量%(この時のSnCl4の添加量は0.1重量部)
のとき、触媒溶液(B)を添加した他は、実施例1と同
様に重合反応を行った。このときの重合体の重合収率は
90%であったが、エピハロヒドリン重合体の分子量
は、Mnで72,000、Mwで720,000であっ
た。
【0048】以上、本発明の方法によれば、低分子量の
エピハロヒドリン系重合体を高重合収率で得ることがで
きた。
【0049】
【発明の効果】以上、本発明の方法によれば、低分子量
エピハロヒドリン系重合体を高重合収率で得ることがで
きるので、低分子量重合体を単独に製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エピハロヒドリン系単量体を、周期
    表第4〜15族元素のハロゲン化物を主成分とする触媒
    を用いて重合して、重合転化率が20〜85重量%にな
    った時点で、重合反応液に(A)周期表第1族元素、亜
    鉛、アルミニウム、又はスズのアルキル化合物と(B)
    リン酸化合物と(C)ルイス塩基化合物との混合物を添
    加して更に重合を続行することを含む低分子量エピハロ
    ヒドリン系重合体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003040210A1 (fr) * 2001-11-06 2003-05-15 Zeon Corporation Polyether et procede de production de ce polyether
JP2004182774A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 Nippon Zeon Co Ltd ポリエーテル重合体組成物の製造方法、ポリエーテル重合体組成物及び固体電解質フィルム。
JP2008303390A (ja) * 2007-05-09 2008-12-18 Synztec Co Ltd 導電性ゴム部材及びその製造方法
WO2018230320A1 (ja) * 2017-06-16 2018-12-20 株式会社大阪ソーダ ポリエーテル重合体

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