JP2002337194A - 射出成形装置及び射出成形方法 - Google Patents

射出成形装置及び射出成形方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノズルの流路6の先端の温度上昇を抑制し、型
開き時に糸引き等の不具合を生じるおそれがなく、外観
品質の高い樹脂成形品を製造する射出成形装置を提供す
る。 【解決手段】ノズルの流路6先端を開閉するバルブピン
11の基端側にバルブとして機能する大径部11bを設
ける

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブゲートへの
樹脂の供給を制御することにより温度上昇を抑制し、糸
引き等の不具合のない射出成形を行う射出成形装置及び
射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のホットランナ式の射出成形装置
1’を図7に示す。この射出成形装置1’は、型及び型
締装置、射出装置、駆動源及び制御装置を有し、図外の
射出装置(ホッパ、射出プランジャ等)から供給された
溶融樹脂をホットランナブロック9のランナ10を介し
て溶融状態のままゲートへ搬送し、ゲートの開閉に応じ
て溶融樹脂をキャビティ内へ射出する。所定量の溶融樹
脂が射出されると、射出中又は保圧処理完了後の適当な
タイミングにおいてバルブピン11がバルブゲート4を
閉じ、冷却後に成形品が得られる。
【0003】なお、ゲートの開閉方式としてはゲート内
まで延びたスピアーチップを用いた加熱制御方式又は機
械的にゲートを開閉するバルブゲート方式とがあるが、
図7に示した射出成形装置1’ではバルブゲート方式が
採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示すようにノズルの流路6の先端部分のノズル径はノズ
ルの流路6の一般部分のノズル径よりも細いため、この
流路の狭まる部分を溶融樹脂が通過するときに圧力が上
昇し、これに伴いバルブゲート4付近の温度が著しく上
昇してしまう。特に、図8に示したゲートノズル61を
複数有する大型成形品(バンパー等)の成形をする装置
にあっては樹脂の射出時間が長くなるため、複数のゲー
トノズル61のうち所定のゲートノズル61のゲートだ
けを閉鎖した場合、ゲートが開いているノズルの流路6
の先端に樹脂が集中して流れ込むことから圧力がさらに
上昇して、バルブゲート4付近の温度はさらに高温とな
ってしまう。このようにバルブゲート4付近の温度が高
い状態で型開きを行うと、成形品とゲートチップ5との
間に糸引き現象が生じ、この糸が成形品に付着すると製
品の外観品質の低下を招くという問題があった。
【0005】また、この問題に関し、ゲート部分の温度
制御を目的とした従来技術として特開平5−17766
4号公報に記載されたものがあるが、この技術はバルブ
ゲート4部分に空気断熱層を形成して断熱性を向上させ
るものであって、バルブゲート4付近の温度が高温とな
ってしまう問題は依然解決されていない。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、バルブゲートへの樹脂供給
を制御することにより、ノズル先端の温度上昇を抑制し
た射出成形装置及び射出成形方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、請求項1記載の発明によれば、相対的に接近
する成形型により形成されるキャビティ内部に向けて溶
融樹脂を射出するノズルと、前記ノズルの先端へ向けて
前記溶融樹脂を案内するランナと、前記ノズル先端を開
閉する第1のバルブと、第1のバルブの上流に設けら
れ、前記ノズルへ向けて案内される溶融樹脂の流量を制
御する第2のバルブとを有する射出成形装置が提供され
る。この発明において、前記第2のバルブは前記ランナ
の流路を全開又は全閉してもよい(請求項2)。さら
に、上記目的を達成するために、請求項7記載の発明に
よれば、溶融樹脂をランナを介して送り込み、相対的に
接近する成形型により形成されるキャビティ内部に向け
て所定量の溶融樹脂をノズルを介して射出し、前記射出
の終了に相前後して前記ノズルの先端に送り込まれる前
記溶融樹脂の流量を制御し、前記ノズルの射出口を閉塞
する射出成形方法が提供される。
【0008】この発明では、ノズル先端を開閉する第1
のバルブの他に、この第1のバルブの上流(樹脂供給源
側)にノズルの流路の流量を制御する第2のバルブを設
けた。この第2のバルブは、ノズル先端(第1のバル
ブ)へ向けて供給される溶融樹脂の流量をノズルの流路
の上流側で制御する。この発明において、ノズルの流路
の流量を制御するとは、ランナによって案内された溶融
樹脂の流量を第2のバルブを境に変化させること、すな
わち、供給された溶融樹脂のうち一部又は全部をノズル
の先端へ送ることをいう。具体的には、第2のバルブ
は、ノズルの流路の一部又は全部を堰きとめたり、ノズ
ルの流路の一部又は全部を開閉することによりノズルの
流路の流量を制御する。
【0009】このような構成により、新たな冷却手段を
設けることなく、射出の際にノズルの先端に流れ込む溶
融樹脂の流量を制御してノズル先端にかかる圧力を減少
させ、ノズルの先端の温度上昇を抑制し、型開き時に糸
引き等の不具合を生じるおそれがなく、外観品質の高い
樹脂成形品を製造する射出成形装置を提供することがで
きる。特に、ノズル先端が閉じられ、ノズル先端の樹脂
圧が高まる射出終了時において、ノズル先端の温度上昇
を効果的に抑制することができる。
【0010】(2)上記発明において、請求項3記載の
発明によれば、前記ノズルの流路に挿入され、挿入方向
に沿った往復運動により前記ノズルの先端を開閉するバ
ルブピンを備え、前記第1のバルブは前記バルブピンの
先端の小径部であり、前記第2のバルブは前記バルブピ
ンの基端側の大径部である射出成形装置が提供される。
この請求項3記載の発明において、前記第2のバルブは
前記溶融樹脂を受け入れるリリーフ部を有することがさ
らに好ましい(請求項4)。
【0011】この発明において、小径部及び大径部はノ
ズル先端を開閉できればそれらの大きさ及び形状が限定
されることはなく、大径部が設けられるバルブピンの基
端側とはバルブピンの2つの端部のうち射出側ではない
側をいい、その位置は限定されない。さらに、大径部は
溶融樹脂を受け入れるリリーフ部を有することが好まし
いが、これは、大径部が動作してノズルの流路の流量を
制御するときにノズル先端側の樹脂を圧する場合があ
り、このような状況において溶融樹脂を受け入れるリリ
ーフ部を大径部に設けることにより、流量を制御する際
に新たに生じる樹脂圧を逃がしてノズル先端へかかる圧
力の発生を防止することができるからである。
【0012】この発明では、ノズルの流路にはバルブピ
ンが挿入され、その往復運動によりバルブピンの先端の
小径部はノズル先端を開閉し、バルブピンの基端側の大
径部はその位置に応じてノズルの流路の連絡領域を狭め
たり、全閉又は全開することにより溶融樹脂の流量を制
御する。このとき、大径部の位置はバルブピンの動きに
連動するため、大径部による流量の制御は小径部による
ノズル先端の開閉に関連づけられる。すなわち、第1の
バルブ(小径部)と、第2のバルブ(大径部)との位置
関係によって、第1のバルブの開閉タイミングと第2の
バルブの開閉タイミングとを調節することができる。こ
の位置調節を行えば、第1のバルブを閉じる前又は同時
に第2のバルブを閉じることができ、第1のバルブと第
2のバルブとの間に収容されるべき樹脂の量を一定に保
つことができる。
【0013】これにより、あらたな冷却装置等を設ける
ことなく、上記発明と同様の効果を奏し、ノズルの先端
の温度上昇を抑制し、型開き時に糸引き等の不具合を生
じるおそれがなく、外観品質の高い樹脂成形品を製造す
る射出成形装置を提供することができる。
【0014】(3)上記目的を達成するために、請求項
5記載の発明によれば、前記第1のバルブがノズル先端
を開閉するタイミングに応じて、前記第2のバルブの動
作タイミングを制御する制御部を有する射出成形装置が
提供される。
【0015】上記発明において、第1のバルブの他にそ
の上流に第2のバルブを設けたことから、これらの間に
密閉可能な空間が形成される。この第1のバルブと第2
のバルブとの間に収容されている溶融樹脂の量を一定と
することで、第1のバルブにかかる圧力を一定に維持す
るべく、制御部は第2のバルブの動作タイミングを第1
のバルブの開閉のタイミングに応じて制御する。
【0016】第1のバルブの開閉のタイミングに対する
第2のバルブの開閉のタイミングは、溶融樹脂の物性
や、溶融温度、射出条件に応じて適宜設定されるが、第
1のバルブが閉じられる前又は同時に第2のバルブを閉
じることが好ましい。なぜなら、このような制御によれ
ば、第1のバルブと第2のバルブとの間に収容されるべ
き樹脂の量及び圧力が一定に保たれ、ノズル先端の温度
を一定にすることができるからであり、加えて、第1の
バルブを相当時間先に閉じた場合には、その後に溶融樹
脂が流入してノズル先端の圧力を上昇させてしまうこと
からも上記制御を行うことが好ましい。
【0017】(4)上記目的を達成するために、請求項
1〜5に記載の発明に関し、請求項6記載の発明によれ
ば、前記一つのランナに前記ノズルが複数設けられてい
る射出成形装置が提供される。
【0018】本発明では、一のキャビティに複数のノズ
ルが設けられており、この複数のノズルは一のランナ又
は互いに連絡するランナから溶融樹脂の供給を受ける。
一般に、複数設けられたノズルの開閉はそれぞれ独立に
制御されることから、複数のノズルのうち一部分のノズ
ルは閉じ、他の部分のノズルは開いた状態で射出が行わ
れることがある。このとき共通のランナから送り込まれ
た溶融樹脂はゲートの開いたノズルに集中し、このノズ
ルの先端の圧力を著しく上昇させる。このため、請求項
6に係る発明によれば、各ノズル先端の圧力上昇ひいて
は温度上昇を抑制し、型開き時に糸引き等の不具合を生
じるおそれがなく、外観品質の高い樹脂成形品を製造す
る射出成形装置を提供することができる。
【0019】
【発明の効果】請求項1〜6係る発明によれば、射出の
際にノズルの先端に流れ込む溶融樹脂の流量を制御して
ノズル先端にかかる圧力を減少させ、ノズルの先端の温
度上昇を抑制し、型開き時に糸引き等の不具合を生じる
おそれがなく、外観品質の高い樹脂成形品を製造する射
出成形装置を提供することができる。特に、ノズル先端
の樹脂圧が高まる射出終了時、又は複数のノズルのうち
一部分のノズルが射出を行う場合においてノズル先端の
温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1から図3までは、本実施形態に
係る射出成形装置1の溶融樹脂の射出時の状態(図
1)、溶融樹脂の射出停止直前の状態(図2)、溶融樹
脂の射出停止時(図3)の状態を示す図、図4は第2の
バルブ(大径部)11bの第1の例を示す図、図5は第
2のバルブ(大径部)11bの第2の例を示す図、図6
(a)〜(b)は大径部11bに設けられたリリーフ部
11cを説明するための図である。
【0021】本実施形態に係る射出成形装置1は、樹脂
を可塑化、計量及び射出の機能を有するホッパ、射出シ
リンダ、プランジャ、ノズル等を有するが、図1から図
3では射出の機能を有するゲートノズル61を中心とし
て示す。
【0022】まず、図1を参照して本実施形態に係る射
出成形装置1の全体構成を説明すると、本実施形態に係
る射出成形装置1は、少なくとも溶融樹脂を案内するラ
ンナ10と、このランナ10と連通するゲートノズル6
1と、このゲートノズル61が嵌め込まれた固定型22
と、この固定型22と一対となってキャビティ3を形成
する可動型21を有している。この一対の可動型21及
び固定型22を型締めすることによって、その間には密
閉可能なキャビティ3が形成される。本例では、堅型式
の射出成形装置1とし、ゲートノズル61が嵌め込まれ
た固定型22を固定としたので図外の型締め装置により
可動型21が固定型22に対して上下に移動させられ
る。もちろん、成形型2は横型であっても良く、また固
定型22を可動型21に対して移動させてもよい。ちな
みに、図1に示したキャビティ3は板状のものである
が、実際は自動車のボディ等の成形品の形状に応じて型
どられる。
【0023】このキャビティ3を形成する固定型22に
は複数のバルブゲート4が形成され、これを介して図外
のホッパ、加熱シリンダ等から供給された溶融樹脂がキ
ャビティ3へ充填される。この溶融樹脂をバルブゲート
4へ案内するのはホットランナブロック9の内部に設け
られたランナ10である。このランナ10はノズルの流
路6と連通し、射出に必要な量の樹脂を送り込む。
【0024】溶融樹脂を射出するゲートノズル61は、
その先端にあるバルブゲート4をキャビティ3の開口部
に臨ませた状態で固定型に埋め込まれており、固定され
たゲートノズル61の中心部にはノズルの流路6が配置
され、ノズルの流路6の中心にはバルブピン11が挿入
されている。バルブピン11は図1中に示したピンスト
ロークqの範囲を往復運動し、この往復運動によってバ
ルブゲート4は開閉されるが、このバルブピン11を駆
動するのはシリンダー13から送り込まれた圧縮空気で
ある。なお、ピンストロークqの長さは、流路の全閉状
態を確保するため、ノズルの流路6の径より若干長くし
た。
【0025】ところで、この射出成形装置1は、図1に
示したとおり、ノズルの流路6の先端が一般部分より細
く形成されているため、射出の際に溶融樹脂がこのノズ
ルの流路6の狭くなっている部分に集中してその圧力を
上昇させる。特に、各バルブゲート4が閉鎖された直後
のノズルの流路6の先端の圧力は著しく上昇し、ノズル
の流路6の先端バルブゲート4及びゲートチップ5の温
度は過度に上昇する。このような温度上昇は、ここで示
したゲートノズル61が単一の場合のみならず、固定型
22に複数のゲートノズル61が埋め込まれた射出成形
装置1においても当然に起きるが、特に、複数のゲート
ノズル61のうち一部のゲートノズル61のゲートノズ
ル4が射出を行い、一部のゲートノズル61のゲートノ
ズル4が閉鎖されるようにコントロールされる場合は、
開かれた一部分のバルブゲート4に樹脂が集中し、その
バルブゲート4の圧力がより高くなることから、温度上
昇の抑制の要請が特に高いといえ、図1〜3に示した単
一の射出成形装置1は、ゲートノズル61を複数有する
射出成形装置1(図8参照)にも用いることができる。
【0026】次に、本実施形態で特に設けられた第2の
バルブについて説明する。本実施形態ではバルブピン1
1の基端側にバルブピン11を太く構成した部分、すな
わち大径部11bを第2のバルブとし、バルブピン11
の先端部分の比較的細い部分小径部11aを第1のバル
ブとした。大径部11bは、ノズルの流路6の先端へ向
けて供給される溶融樹脂の流量をノズルの流路6の上流
側で制御する。この発明において、ノズルの流路6の流
量を制御するとは、ランナ10によって案内された溶融
樹脂の流量を大径部11bを境に変化させること、すな
わち、供給された溶融樹脂のうち一部又は全部をノズル
の流路6の先端へ送ることをいう。この大径部11bが
ノズルの流路6の先端に送り込まれる溶融樹脂の流量を
制御することによって、当該ノズルの流路6の先端、す
なわち小径部11aにかかる圧力上昇を抑制し、結果と
して温度上昇を抑制する。大径部11bの形態は特に限
定されないが、本実施形態の大径部11bはバルブピン
11の一部を太く一体に構成したものであるが、円筒形
状又はリング状の部材をバルブピン11と同軸に軸支し
てもよく、その形状は限定されない。なお、本実施形態
ではノズルの流路6とランナ10とが略T字に交差して
連絡しているが、ノズルの流路6とランナ10とはこの
ような構成に限定されることなく連絡することができ
る。
【0027】この小径部11aと大径部11bとの作用
を図1から図3を参照しつつ説明する。これらは、溶融
樹脂の射出時の状態(図1)、溶融樹脂の射出停止直前
の状態(図2)、溶融樹脂の射出停止時(図3)の状態
を示す図であり、バルブピン11の先端部にある小径部
11aとバルブピン1の基端側にある大径部11bの位
置に注目して説明すると、図1に示した射出時において
は、バルブピン11はバルブゲート4から後退し、小径
部11aはバルブゲート4を開放するとともに大径部1
1bはランナ10とノズルの流路6との連絡路を開放し
ている。この状態においては、溶融樹脂はゲートノズル
4まで達し、キャビティ3に向けて射出される。
【0028】続いて、図2に示した射出停止前において
は、バルブピン11はバルブゲート4に近づき、小径部
11aはバルブゲート4を閉じる直前に位置しており、
大径部11bはランナ10とノズルの流路6との連絡路
を閉じる直前である。この状態においては、大径部11
bによって溶融樹脂が堰きとめられ、大径部11bと小
径部11aとの間に新たな溶融樹脂が送り込まれること
はなく、この部分の圧力が上昇させられることはない。
これによりノズルの流路6の先端の温度上昇を抑制する
ことができるとともに、部材間の繋目等からの樹脂漏れ
を防止することができる。
【0029】このように、大径部11bはノズルの流路
6の中心軸に設けられたバルブピン11とともに往復運
動をし、その往復運動の大径部11bの位置に応じてノ
ズルの流路6とランナ10との連絡流路を狭め又は全閉
することによりノズルの流路6の先端へ流入する溶融樹
脂の流量を制御する。このとき、大径部11bの位置
は、バルブピン11の動きに連動し、大径部11bによ
る流量の制御は、小径部11aの動き、すなわちバルブ
ゲート4の開閉と関連づけられる。これにより、小径部
11aと大径部11bとの位置関係(距離)によって、
第1のバルブの開閉タイミングと第2のバルブの開閉タ
イミングとを調節することができる。この位置調節を行
えば、図2において説明したバルブゲート4を閉じる前
又はほぼ同時に大径部11bがノズルの流路6の流量を
制御をすることができ、小径部11aと大径部11bと
の間に収容される樹脂量、圧力ひいては温度を一定に保
つことができる。逆にバルブゲート4を先に閉じた場合
には、バルブゲート4が閉じられた後に溶融樹脂がノズ
ルの流路6の先端側に流入して圧力を上昇させ、ノズル
の流路6の先端の温度が上昇してしまうこととなる。本
実施形態では、本発明に係る第1のバルブと第2のバル
ブの開閉のタイミングを小径部11aと大径部11bと
の位置関係において制御したが、もちろん、これらのタ
イミングを制御する制御部15を設け電気信号等により
開閉のタイミングを制御してもよい。なお、小径部11
aの開閉のタイミングに対する大径部11bの開閉のタ
イミングは、溶融樹脂の物性や、溶融温度、射出条件に
応じて適宜設定されることが好ましい。
【0030】図3に示した射出停止時においては、小径
部11aはバルブゲート4を全閉するとともに、大径部
11bはランナ10とノズルの流路6との連絡路を全閉
している。これにより、小径部11aと大径部11bと
の間に形成されるノズルの流路6の領域は閉じられ、新
たな溶融樹脂が供給されることなく、ノズルの流路6先
端の圧力の上昇は生じない。ここで、図3の大径部11
bとノズルの流路6との関係を見てみると、大径部11
bがランナ10とノズルの流路6の連絡領域を越えて圧
縮代r分だけノズルの流路6に嵌入しており、この嵌入
した部分が少なからずノズルの流路6中の溶融樹脂を圧
縮している。
【0031】これに対し、本実施形態においては、特
に、大径部11bに溶融樹脂を受け入れるリリーフ部1
1cを設けた。この特に設けたリリーフ部11cを有す
る大径部11bの例を図4及び図5に示した。図4に示
されたリリーフ部11cは、大径部11bの径(図中b
−b)をノズルの流路6(a−a)の径よりも若干細く
した隙間により構成され、小径部11aと大径部11b
との間にある溶融樹脂をランナ10等のノズルの流路6
と連通する他の領域へ流動させ、大径部11bが与えた
圧力を逃がす。さらに、図5に示されたリリーフ部11
cは、大径部11bに形成された溝により構成され、小
径部11aと大径部11bとの間にある溶融樹脂を受け
入れ、同様に大径部11bが与えた圧力を逃がす。
【0032】この隙間や溝で構成されるリリーフ部11
cの具体的形状の例を、図6の(a)(b)及び(c)
に示した。図6(a)に示したリリーフ部11cは、大
径部11bの径をノズルの流路6の径よりも細くして隙
間を形成しており、その隙間の幅t1は約1mm以下とし
た。図6(b)及び(c)に示したリリーフ部11c
は、大径部11bに溝を形成しており、図6(b)のt
2で示した溝の深さ又は図6(c)のt3で示した溝の
幅も約1mm以下とした。このように1mm以下としたの
は、1mm以上とするとこの隙間から新たな溶融樹脂が流
入してノズルの流路6先端を圧してしまうが、1mm以下
とした場合にはその樹脂の粘性により溶融樹脂がこの隙
間又は溝を通過することができず大径部11b(第2の
ゲート)がノズルの流路6を狭めた後、ノズルの流路6
先端にさらなる圧力がかかるおそれがなく、他方、ノズ
ルの流路6に嵌入する大径部11bの体積(圧縮代rに
ノズル断面積を乗じたもの)はさほど大きくないことか
ら、1mm以下の隙間又は溝がこれを受け入れることがで
きると考えられるからである。このように、リリーフ部
11cは、大径部11bが動作することにより生じるあ
らたな温度上昇を防止し、ノズルの流路6の先端の温度
を厳密に管理することができる。
【0033】このように、本実施形態に係る射出成形装
置1は、新たな冷却装置等を設けることなく、射出の際
にノズルの流路6の先端に流れ込む溶融樹脂の流量を制
御してノズルの流路6の先端にかかる圧力を減少させ、
ノズルの流路6の先端の温度上昇を抑制する。特に、細
長いバルブピン11を採用する射出成形装置1ではヒー
ターの埋設や冷却穴の追加はスペース面及び機械加工の
面からも困難であったが、本実施形態ではそのような設
備を設けることなく、型開き時に糸引き等の不具合を生
じるおそれがなく、外観品質の高い樹脂成形品を製造す
る射出成形装置1を提供することができる。特に、ノズ
ルの流路6の先端の樹脂圧が高まる射出終了時、又は複
数のノズルのうち一部分のゲートノズル61が射出を行
う場合においてノズルの流路6の先端の温度上昇を効果
的に抑制することができる。
【0034】さらに、一つのランナに複数のゲートノズ
ル61が設けられている大型成形品用の射出成形装置1
では、複数のバルブゲート4のうち開いたバルブゲート
4に溶融樹脂が集中し圧力及び温度が特に著しく上昇す
るが、本実施形態において特に設けた第1のバルブ11
aと第2のバルブ11bとによる溶融樹脂の流量制御に
より、ノズルの流路6の先端の圧力及び温度上昇を効果
的に抑制し、外観品質の高い樹脂成形品を製造する射出
成形装置1を提供することができる。
【0035】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素および各数値
は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等
物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る射出成形装置の溶融樹脂の射
出時の状態を示す図である。
【図2】本実施形態に係る射出成形装置の溶融樹脂の射
出停止直前の状態を示す図である。
【図3】本実施形態に係る射出成形装置の溶融樹脂の射
出停止時の状態を示す図である。
【図4】本実施形態に係る第2のバルブ(大径部)の第
1の例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る第2のバルブ(大径部)の第
2の例を示す図である。
【図6】図6(a)〜(b)は大径部のリリーフ部の例
を示す図である。
【図7】従来の射出成形装置を示す図である。
【図8】従来の複数のノズルを有する射出成形装置を示
す図である。
【符号の説明】
1、1’…射出成形装置 2…型 21…可動型 22…固定型 3…キャビティ 4…バルブゲート 5…ゲートチップ 6…ノズルの流路 61…ゲートノズル 7…断熱リング 8…カラー 9…ホットランナブロック 10…ランナ 11…バブルピン 11a…小径部、第1のバルブ 11b…大径部、第2のバルブ 11c…リリーフ部 12…バブルピンブッシュ 13…シリンダー 14…ヒータ 15…制御部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に接近する成形型により形成される
    キャビティ内部に向けて溶融樹脂を射出するノズルと、 前記ノズルの先端へ向けて前記溶融樹脂を案内するラン
    ナと、 前記ノズル先端を開閉する第1のバルブと、 第1のバルブの上流に設けられ、前記ノズルへ向けて案
    内される溶融樹脂の流量を制御する第2のバルブとを有
    する射出成形装置。
  2. 【請求項2】前記第2のバルブは、前記ランナの途中を
    全開又は全閉する請求項1記載の射出成形装置。
  3. 【請求項3】前記ノズルの流路に挿入され、挿入方向に
    沿った往復運動により前記ノズルの先端を開閉するバル
    ブピンを備え、 前記第1のバルブは前記バルブピンの先端の小径部であ
    り、前記第2のバルブは前記バルブピンの基端側の大径
    部である請求項1又は2記載の射出成形装置。
  4. 【請求項4】前記第2のバルブは、前記溶融樹脂を受け
    入れるリリーフ部を有する請求項3記載の射出成形装
    置。
  5. 【請求項5】前記第1のバルブがノズル先端を開閉する
    タイミングに応じて、前記第2のバルブの動作タイミン
    グを制御する制御部を有する請求項1〜4記載の射出成
    形装置。
  6. 【請求項6】前記1つのランナに前記ノズルが複数設け
    られている請求項1〜5記載の射出成形装置。
  7. 【請求項7】溶融樹脂をランナを介して送り込み、 相対的に接近する成形型により形成されるキャビティ内
    部に向けて所定量の溶融樹脂をノズルを介して射出し、 前記射出の終了に相前後して前記ノズルの先端に送り込
    まれる前記溶融樹脂の流量を制御し、 前記ノズルの射出口を閉塞する射出成形方法。
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