JP2002337115A - 建材用ボードおよびその製造方法 - Google Patents

建材用ボードおよびその製造方法

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JP2002337115A
JP2002337115A JP2001149618A JP2001149618A JP2002337115A JP 2002337115 A JP2002337115 A JP 2002337115A JP 2001149618 A JP2001149618 A JP 2001149618A JP 2001149618 A JP2001149618 A JP 2001149618A JP 2002337115 A JP2002337115 A JP 2002337115A
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urea resin
bast fiber
building
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Kanji Ichiyanagi
完治 一柳
Yasutaka Yasutake
康隆 安武
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植
物を原料とし、ホルムアルデヒド放出量がE0タイプで
あり、かつ防菌・防虫・防蟻効果の持続性が高く、物性
的に優れた建材ボードを工業的有利に提供する。 【解決手段】アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊
維植物の粉砕物に、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量
%以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリ
ア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少
なくとも1種とを分散し、成型後、加熱加圧して成る建
材用ボード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材用ボードおよ
びその製造方法に関し、さらに詳しくはアオイ科または
シナノキ科に属する靭皮繊維植物を原料とし、ホルムア
ルデヒド放出量がE0タイプであり、かつ防菌・防虫・
防蟻効果の持続性が高い建材ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】木材は古くから建築資材の主原料であ
り、とりわけ近年においては合板、パーティクルボード
類などの製造において多量の木材資源が消費されてい
る。しかし、木材資源は有限であり、膨大な木材の消費
は地球規模での自然破壊をまねき、温暖化、砂漠化、生
体系の破壊などの問題が深刻になりつつある。木材資源
を植樹や植林によって確保しようとする努力はなされて
いるものの、成長するには数十年を待たねばならず、早
期の問題解決にはなっていない。
【0003】このために、木材に代わる天然建築資材の
開発が全世界的に強く要望されている。これまでに木材
に代わる植物素材として、リグノセルロース材料、例え
ばアオイ科に属するケナフの利用が進められようとして
いる。ケナフは東南アジア、中国などを中心に栽培され
ている一年生植物であり、一年に二〜三回の収穫も可能
であって短期サイクルで計画的に供給できるという有利
性がある。これまで、ケナフはその靭皮を繊維用品に利
用し、芯部は廃棄されていたが、最近になって建築資材
へ利用することが試みられている。
【0004】例えば、特開平2000−246709号
公報には、接着剤を分散させたケナフ等のリグノセルロ
ース材料を加工して得た多数のパーティクルからなるパ
ーティクル層の両面を、接着剤を分散させた多数本のリ
グノ長繊維からなる繊維層で積層し、熱や圧力を加える
ことによって板状に成形した3層よりなる長繊維複合ボ
ードが開示されている。また、特許第3034956号
特許公報には、リグノセルロース物質を加熱加圧してボ
ードを成形するときに、リグノセルロース物質の30重
量%以上をアオイ科靭皮繊維植物とし、接着剤に由来す
る成分を含有させずに、曲げ強度と比重との関係がある
値に特定されたボードが提案されている。この公報に
は、アオイ科靭皮繊維植物を20重量%以上含有させ、
5重量%以下の接着剤を添加し、180〜250℃で加
熱加圧するボードの製造方法も開示されている。ホルム
アルデヒド硬化剤を添加するときは3重量%以下にする
ことが好ましいとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、アオイ
科靭皮繊維植物をボード類の原料として利用する試みが
なされているものの、実用面からはいくつかの課題が残
されている。例えば特開平2000−246709号公
報は、パーティクル層の両面を繊維層で積層する複合ボ
ードに関するものであって、このように積層構造するこ
とによって強度を保持しつつ軽量化を図るとされている
が、その分だけ製造工程が複雑になっている。また加熱
加圧成形条件も150℃、50kgf/cm2のような
比較的、高温下で行なわれているが、ボードの表面仕上
りの面を考慮すればなるべく低い温度で処理することが
望ましく、また強度的にも十分であることを要する。
【0006】また特許第3034956号特許公報で
は、接着剤を使用せずに、あるいは仮に接着剤を使用し
たとしても少量にすることによって、製品からホルムア
ルデヒドが発生しないことが謳われている。しかし、こ
のように接着剤を無添加あるいは使用量を減らしている
ために、ボードを製造するには180〜250℃の高温
下で加熱加圧する必要あると考えられ、そのために製品
の表面に焦げを生ずる恐れがある。またホルムアルデヒ
ド系硬化剤としては通常のものが使用されており、遊離
ホルムアルデヒドの発生を防ぐために、添加量はできる
だけ少量に抑えざるを得ないものと考えられる。
【0007】ところで、合板、集成材、単版積層材、パ
ーティクルボード、中繊維板(MDF)、一般木工など
の製造用接着剤の一つとして、ユリア樹脂木材接着剤が
用いられている。この接着剤は、JIS K 6801
-1987によると、尿素とホルムアルデヒドとを主剤とし
て製造した合成樹脂を主成分とする液状のものに限ると
規定されている。最近、ホルムアルデヒドは、いわゆる
シックハウス症候群の原因物質の一つであるとみられて
おり、パーティクルボード類の場合、JIS A 59
08-199 4の規定によって、ホルムアルデヒドの放出量
がE0タイプでは0.5mg/L以下、E1タイプでは
1.5mg/L以下、E2タイプでは5.0mg/L以
下であることを要する。
【0008】一方、ユリア樹脂木材接着剤は製造後、木
材加工メーカーが使用するまでは液状に保つ必要上、ホ
ルムアルデヒド量を多くして供給されている。このため
に、ユリア樹脂木材接着剤を用いて、例えばE0タイプ
の建材ボードを得ようとすれば、その使用量や製造条件
にはおのずと制限がある。アオイ科あるいはシナノキ科
の靭皮繊維植物を原料とするボード類の場合も、E0
イプ製品であっても工業的有利に製造できる技術の開発
が望まれている。
【0009】次に、建築用材料は、保存性および衛生面
から、防菌(特に防黴)、防虫および防蟻加工を施すこ
とが望ましいが、アオイ科またはシナノキ科の靭皮繊維
植物を原料とするボード類にあっては、この面から検討
したという従来技術は見当たっていない。そこで、本発
明の目的は、アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊
維植物を原料とし、ホルムアルデヒド放出量がE0タイ
プであることを容易に達成されたものであって、しかも
防菌・防虫・防蟻効果が持続性よく発揮される建材ボー
ドと、その製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、まずアオイ科またはシナノキ科に属
する靭皮繊維植物粉砕し、粉砕物同士を接着するに適し
た接着剤の検索を進めた。その結果、ホルムアルデヒド
と尿素のモル比が1.05付近で最終メチロール化して
得られるユリア樹脂木材接着剤を、その調製後、早い時
期に粉砕物に分散して加熱加圧すれば、130℃付近の
比較的に低温下であっても、十分な接着力を発揮し、E
0タイプのボードが得られることを見出した。さらに、
前記ユリア樹脂木材接着剤と共に防菌・防虫・防蟻剤を
添加し、粉砕物に分散しておけば建材として使用後も、
これらの効果が長く持続して発揮することも見出した。
本発明は、これらの知見に基きさらに検討して完成され
たものである。
【0011】すなわち、本発明の建材ボードは、アオイ
科またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物の粉砕物に遊
離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であり粘度が
0.1〜0.3Pa.S(パスカル)であるユリア樹脂
木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくと
も1種とを分散し、成型後、加熱加圧して成ることを特
徴とする。前記の防黴剤、防虫剤および防蟻剤として
は、その主成分が有機ヨード化合物および有機窒素化合
物であって防黴剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも1
種の作用を有する化合物が好ましく用いられる。とりわ
け、前記有機ヨード化合物として3−ヨード−2−プロ
ピニルブチルカーバメイトと、また前記有機窒素化合物
として1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]
−4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾール
−2−アミンとを混合物として用いることが好ましい。
これらの混合物は、防菌剤(とりわけ防黴効果)、防虫
剤および防蟻剤のいずれの作用も有する。
【0012】前記アオイ科に属する靭皮繊維植物として
はケナフ芯部を主材とする粉砕物を、また前記シナノキ
科に属する靭皮繊維植物としてはジュート芯部を主材と
する粉砕物を用いることが好ましい。本発明の建材用ボ
ードの製造は、アオイ科またはシナノキ科に属する靭
皮繊維植物を粉砕する工程、遊離ホルムアルデヒドが
0.5重量%以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.S
であるユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および
防蟻剤の少なくとも1種とを、前記粉砕物に分散する工
程、前記の分散処理された粉砕物をボード状に成型
し、加熱加圧する工程、に付することを特徴とする。
【0013】前記粉砕工程後に、靭皮繊維部含量を10
重量%以下にするための分離工程を設けることにより、
芯部を主材とする建材ボードを製造することができる。
前記ユリア樹脂木材接着剤は、ホルムアルデヒド(F)
と尿素(U)のF/Uモル比が1.03〜1.07にお
いて最終メチロール化を行って調製されたものであるこ
とが好ましい。また前記ユリア樹脂木材接着剤は調製
後、60℃におけるゲル化時間が60〜90分間である
ものをそのゲル化時間の前に、液状で分散することが好
ましい。
【0014】前記の加熱加圧工程は、125〜135
℃、15〜25kg/cm2の条件で実施することが好
ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、アオイ科に属す
る靭皮繊維植物としてケナフが好ましく、またシナノキ
科に属する靭皮繊維植物としてジュートが好ましい。こ
れらの靭皮繊維植物は、収穫後10%程度の含水率まで
乾燥し、粉砕物(パーティクル)として本発明に供す
る。この発明で利用する部位は、芯部を主材することが
好ましいが、その場合であっても靭皮繊維部をある程
度、例えば10重量%程度までは含んでいてもよい。も
ともと、これらの靭皮繊維植物は、その靭皮繊維が繊維
類の製造に用いられ、芯部は廃棄されてきたが、本発明
によればこの芯部を有効利用できる。
【0016】前記粉砕物の調製は、乾燥物を例えば10
00mm程度に裁断し、メッシュ寸法45mm×45m
m程度で粉砕(クラッシュ)する。これによって、靭皮
繊維部分は毛玉状になるので、芯部粉砕物から容易に篩
別できる。また、石、土などの異物も除去される。本発
明において、芯部を主材とする場合であっても、10重
量%程度までの靭皮繊維部分を含むことは何ら差し支え
がない。従来、靭皮繊維部と芯部の分離は、水に浸漬
後、靭皮繊維部を剥離していたが、この方法によると靭
皮繊維部に含まれるペクチンが腐敗し、水が汚染されて
腐敗集臭が発生し、芯部へも悪影響を及ぼす。上記の乾
式粉砕篩別法によれば、従来のような浸漬法による悪影
響は認められないので有利である。
【0017】次に、本発明におけるユリア樹脂木材接着
材は、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であ
り、粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるものが使用さ
れる。遊離ホルムアルデヒドは、0.3重量%以下であ
ればより好ましく、0.2重量%以下であればさらに好
ましい。このユリア樹脂木材接着材は、ホルムアルデヒ
ド(F)と尿素(U)のF/Uモル比が1.03〜1.
07において最終メチロール化を行って調製されたもの
であることが好ましい。また、この接着剤は、60℃に
おけるゲル化時間が60〜90分であり、固形分は約6
3〜67重量%であるものが好ましく使用される。
【0018】このユリア樹脂木材接着材は次のようにし
て調製できる。ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)と
を、F/Uの初期モル比1.45〜1.55の範囲、好
ましくは約1.5の割合で混合し、pH8付近の弱アル
カリ性下でメチロール化反応を十分に行う。次いで、p
Hを徐々に降下させると同時に縮合反応を進める。pH
5.5付近の弱酸性下で適度な縮合度(例えば、約85
℃20〜30分反応させる)に達したところで、中性な
し弱アルカリ性に調整した後、尿素をF/Uモル比の最
終目標値が1.05となるように加えて、最終メチロー
ル化反応を行い、pH8付近の弱アルカリ性にして冷却
することにより目的物であるユリア樹脂木材接着材が得
られる。反応時間の合計は、120分ぐらいである。
【0019】このようにして得られるユリア樹脂木材接
着剤は、60℃におけるゲル化時間が60〜90分であ
り、前記粉砕物への分散は調製後なるべく早い時期、少
なくともゲル化が起る前に分散する。本発明において
は、前記ユリア樹脂木材接着剤と共に防黴剤、防虫剤お
よび防蟻剤の少なくとも1種を分散する。防菌剤(とり
わけ防黴剤)、防虫剤および防蟻剤は、これらの作用を
個別に有する薬剤をそれぞれ添加してもよいし、2種ま
たは3種の作用を合わせて有する薬剤を添加してもよ
い。通常、これらの作用を合わせて有する有機窒素系化
合物および/または有機ヨード化合物を添加する。とり
わけ、前記有機ヨード化合物として3−ヨード−2−プ
ロピニルブチルカーバメイトと、また前記有機窒素化合
物として1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチ
ル]−4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾ
ール−2−アミンとを混合物として用いることが好まし
い。
【0020】前記ユリア樹脂木材接着剤と防菌剤、防虫
剤および防蟻剤は、前記粉砕物に対して分散する際に
は、予め混合製剤としてから分散してもよいし、個々に
分散してもよい。この分散工程においては、必要に応じ
て、建材ボードの品質向上に有用な添加物を同時に分散
してもよい。このような添加物としては、例えば防湿剤
(例、液化パラフィン)などが挙げられる。前記ユリア
樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤は、い
ずれもそれの作用が発揮されるように、適宜の量を選択
して、前記粉砕物に分散する。一般に、前記ユリア樹脂
木材接着剤は前記粉砕物に対して約7〜13重量%、好
ましくは10重量%を、また防菌剤、防虫剤および防蟻
剤はそれの合計量として前記粉砕物に対して約0.1〜
0.2重量%、好ましくは0.15重量%程度を添加す
る。また防湿剤を添加する場合、その添加量は前記粉砕
物に対して1重量%程度を目安とすればよい。本発明に
おいては、前記したようなユリア樹脂木材接着剤を用い
ることによって、例えば10重量%程度と従来に比して
多い目の添加量であっても、E0タイプの建材ボードを
製造することができる。
【0021】上記の粉砕物、ユリア樹脂木材接着剤、防
菌剤、防虫剤および防蟻剤とを用いて、建材ボードを作
製する。最初に、前記粉砕物の所定量をミキサーに投入
する。前記粉砕物は、例えば2100mm×1100m
m×25mmのボードでは1枚当たり11.55kg
を、1920mm×1018mm×25mmのボードで
は1枚当たり9.77kgを目安に用いる。次いで、前
記ユリア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻
剤と、さらに必要に応じて他の添加物を加えて、混合
し、前記粉砕物全体に十分、分散する。
【0022】前記のとおり混合された材料を、パレット
(規定寸法の成形冶具)に流し込み、予備加圧(無加熱
下の加圧)して成型(フォーミング)する。この時のプ
レス圧は、10kg/cm2程度とする。予備加圧後の
パレットを、加熱加圧して前記粉砕物の砕片同士を接着
させて、ボード形成させる。この時の条件としては、加
熱温度は125〜135℃、プレス圧は15〜25kg
/cm2、プレス時間は2.5〜5分間である。また、
予備加圧して得られた成型物にドライスチームを吹き付
けて、ホットプレスすることにより接着効果が向上す
る。本発明においては、上記のように加熱温度が135
℃付近という従来に比して低い温度であっても実用的に
十分な強度を有するボードが得られる。このために加圧
時に焦げなどを発生することがなく、表面仕上りが良好
である。
【0023】かくして得られたボードは、適宜、冷却工
程、定寸裁断工程、厚み調整工程などに付して最終の建
材ボードに仕上げられる。本発明の建材ボードは、空気
層を有することから断熱、防音、結露防止効果を有し、
また持続した防菌、防虫、防蟻効果を発揮するものであ
り、従来の木材を用いた合板、パーティクルボードに代
えて利用し得るものである。さらに、切断、加工が容易
であり、比重が従来の合板に比べて約1/2であること
から軽量化が達成され、建材として有利な特徴を有す
る。
【0024】使用用途の具体例としては、屋根の下地
材、外壁の下地材、床の下地材、その他の基材等の利用
が挙げられる。その他の基材としては、家具、建具、パ
ーティション等の芯材、マンションの間仕切りパネル、
置き床等に利用し得る。
【0025】
【実施例】実施例1 (1)材料 ・ケナフ タイケナフの乾燥物(水分10%)を1000mm以下
に裁断し、次いでメッシュ寸法45mm×45mmでク
ラッシュした。これを篩にかけて、毛玉状の繊維類と、
石、土などの異物を除去し、ケナフ粉砕物を得た。
【0026】・ユリア樹脂木材接着剤 ホルムアルデヒド(F)と尿素(U)とを、初期F/U
モル比1.5で混合し、pH8.0でメチロール化し
た。次いで、pHを降下させると同時に縮合反応を進め
た。pH5.5付近で85℃120分間縮合反応を行っ
たところで、pH7.5に調整し、F/Uモル比1.0
5になるように尿素を加えて最終メチロール化反応を行
った後、pH8にして冷却し、ユリア樹脂木材接着剤を
得た。この接着剤は、粘度:2ポイズ、固形分:60重
量%、ゲル化時間(60℃):75分、遊離ホルムアル
デヒド:0.2重量%、であった。
【0027】・防菌・防虫・防蟻剤 水溶性炭化水素溶剤に、2%の3−ヨード−2−プロピ
ニルブチルカーバメイトおよび40%の1−[(6−ク
ロロ−3−ピリジニル)メチル]−4,5−ジヒドロ−
N−ニトロ−1H−イミダゾール−2−アミンを含む製
剤を防菌・防虫・防蟻剤として用いた。 ・防湿剤 液化パラフインを用いた。 (2)建材ボードの作製 ・分散工程 前記のケナフ粉砕物にその重量対し、前記ユリア樹脂木
材接着剤を10重量%、防黴・防虫・防蟻剤を0.15
重量%、および防湿剤を1%、それぞれ加えて、ミキサ
ーを用いて充分に分散した。
【0028】・成型工程 前記のミキシングされた材料を、パレット(寸法:21
00mm×1100mm×25mm)に流し込み、プレ
ス圧10kg/cm2で非加熱下で予備加圧して成型し
た。 ・加熱加圧工程 前記の予備加圧した成型物にドライスチーム(100
℃)を吹き付けて、プレス盤温度130℃、プレス圧2
0kg/cm2で3分間、加熱加圧してボードを得た。
【0029】上記のボードを、水冷プレス法により冷却
し、サンダーマシンにより厚み調整を行い、公差±0.
2mmに仕上げて、ホルムアルデヒド放出量がE0タイ
プである建材ボードを得た。 (3)物性値 上記の建材ボードを(財)日本建築総合試験所において
JISに規定に従って物性を測定した。その結果を、他
のボードの物性と比較して表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】これらの結果から、本発明の建材ボードは
他のボードと比較して次の特性を有することが分かる。 ・比重において他の類似ボードに比べ著しく低く、軽量
化に寄与できる。・軽量にも拘わらず曲げ強さ類似ボー
ドに比べて高い。 ・剥離強度においても他のパーティクルボードやMDF
と同程度の強度を有する。
【0032】・木ねじの保持力においては他のパーティ
クルボードやMDFよりも強力である。 上記のとおり、本発明の建材ボードは、建築資材として
極めて有利な特徴を有する。
【0033】
【発明の効果】本発明の建材ボードは、木材に代えて、
短期間の栽培で供給可能なアオイ科またはシナノキ科に
属する靭皮繊維植物を材料とするものであるから、木材
資源の節減につながり、ひいては地球環境を護ることに
貢献し得る。この建材ボードは、ユリア樹脂木材接着剤
を用いて作製されるが、その使用量が比較的多くても、
ホルムアルデヒド放出量がE0タイプである製品を工業
的有利に製造できる。従って、接着力が十分に発揮さ
れ、加熱加圧工を高温下の過酷な条件で行わなくてもよ
いことから、表面をきれいに仕上げることができる。し
かも、物性的には他のボード類に比して同等またはそれ
以上の特性を有する。
【0034】この建材ボードは、E0タイプであること
に加えて、防菌・防虫・防蟻剤がボード全体に内部まで
分散して存在することから、これらの作用が長く持続
し、衛生的でかつ保存性が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安武 康隆 兵庫県宝塚市美座2丁目15番9号 Fターム(参考) 2B230 AA02 AA04 AA05 AA30 BA20 CB01 CB04 CB25 CC30 EB05 EB13 EB18 EB28 EB29 2B260 AA01 AA20 BA07 CB01 CD02 DA01 DC20 EA05 EB02 EB06 EB08 EB12 EB21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アオイ科またはシナノキ科に属する靭皮繊
    維植物の粉砕物に、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量
    %以下であり粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリ
    ア樹脂木材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少
    なくとも1種とを分散し、成型後、加熱加圧して成るこ
    とを特徴とする建材用ボード。
  2. 【請求項2】前記の防菌剤、防虫剤および防蟻剤の主成
    分が有機ヨード化合物および有機窒素化合物である請求
    項1記載の建材用ボード。
  3. 【請求項3】前記有機ヨード化合物が3−ヨード−2−
    プロピニルブチルカーバメイトであり、前記有機窒素化
    合物が1−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]
    −4,5−ジヒドロ−N−ニトロ−1H−イミダゾール
    −2−アミンである請求項2記載の建材用ボード。
  4. 【請求項4】前記アオイ科に属する靭皮繊維植物の粉砕
    物がケナフ芯部を主材とする粉砕物である請求項1記載
    の建材用ボード。
  5. 【請求項5】前記シナノキ科に属する靭皮繊維植物の粉
    砕物がジュート芯部を主材とする粉砕物である請求項1
    記載の建材用ボード。
  6. 【請求項6】建材用ボードの製造において、アオイ科
    またはシナノキ科に属する靭皮繊維植物を粉砕する工
    程、遊離ホルムアルデヒドが0.5重量%以下であ
    り、粘度が0.1〜0.3Pa.Sであるユリア樹脂木
    材接着剤と、防菌剤、防虫剤および防蟻剤の少なくとも
    1種とを、前記粉砕物に分散する工程、前記の分散処
    理された粉砕物をボード状に成型し、加熱加圧する工
    程、に付することを特徴とする建材用ボードの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記粉砕工程後に、靭皮繊維部含量を10
    重量%以下にし、芯部を主材とするための分離工程を設
    ける請求項6記載の建材用ボードの製造方法。
  8. 【請求項8】前記ユリア樹脂木材接着剤が、ホルムアル
    デヒド(F)と尿素(U)のF/Uモル比が1.03〜
    1.07において最終メチロール化を行って調製された
    ものである請求項6記載の建材用ボードの製造方法。
  9. 【請求項9】前記ユリア樹脂木材接着剤の60℃におけ
    るゲル化時間が60〜90分間であり、当該接着剤をそ
    のゲル化時間前に前記粉砕物に分散する請求項6記載の
    建材用ボードの製造方法。
  10. 【請求項10】前記の加熱加圧の条件が125〜135
    ℃、15〜25kg/cm2である請求項6記載の建材
    用ボードの製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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