JP2002335577A - 上りスクランブリングコード割当方法、並びに移動通信システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一セル内での上りスクランブリングコード
の競合を回避若しくは低減する移動通信システム及びそ
の上りスクランブリングコードの割当方法を提供するこ
と。 【解決手段】 複数の無線制御装置を含む移動通信シス
テムにおいて、各無線制御装置が管理するエリア内の移
動局装置に所定のスクランブリングコード群中の一コー
ドを上りスクランブリングコードとして割り当てる場合
に、前記無線制御装置の一は、前記所定のスクランブリ
ングコード群に含まれる第一の部分コード群中から一コ
ードを上りスクランブリングコードとして割り当て、前
記一無線制御装置が管理するエリアに隣接するエリアを
管轄する無線制御装置の少なくとも一つは、前記所定の
スクランブリングコード群中に含まれ且つ前記第一の部
分コード群と同一でない第二のコード群中から一コード
を上りスクランブリングコードとして割り当てる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主にＣＤＭＡ方式
が採用された移動通信システムに関し、特に、隣接する
２つのセルにおいて用いられる上りスクランブリングコ
ード群を異なるコード群とする上りスクランブリングコ
ード割当方法及びそのような割り当てを行う移動通信シ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】まず、ＣＤＭＡ（Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓ
ｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ）方式が採用
された移動通信システム全体の構成について図３を用い
て説明する。図３は、ＣＤＭＡ方式が採用された移動通
信システムの典型的な構成を概略的に示す模式図であ
る。

【０００３】他網との接続を為す交換機（ＣＮ）３０１
は、複数の無線制御装置（Ｒａｄｉｏ Ｎｅｔｗｏｒｋ
Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ；ＲＮＣ）３０２と接続され、
各無線制御装置１０２は、それぞれ複数の基地局装置
（Ｂａｓｅ Ｓｔａｔｉｏｎ；ＢＴＳ）１０３を制御
し、各基地局装置３０３は、複数のセル（ｃｅｌｌ）若
しくはクラスタ（ｃｌｕｓｔｅｒ）を管轄する。

【０００４】次いで、従来のＣＤＭＡ方式が採用された
移動通信システムにおける上りスクランブリングコード
の割り当て方法について、特にＷ−ＣＤＭＡ方式を例に
挙げて説明する。

【０００５】Ｗ−ＣＤＭＡ（Ｗｉｄｅｂａｎｄ−ＣＤＭ
Ａ）方式においては、セル間非同期システムを実現する
ために２階層の拡散符号割当を用いている。この２階層
の拡散符号は、スクランブリングコード（Ｓｃｒａｍｂ
ｌｉｎｇ ｃｏｄｅ）、及びチャネライゼーションコー
ド（Ｃｈａｎｎｅｌｉｚａｔｉｏｎ ｃｏｄｅ）と呼ば
れ、チャネライゼーションコードはシンボル周期と同一
長の周期を有し、スクランブリングコードはシンボル周
期よりも長いフレーム周期（１０ｍｓｅｃ）と同一長の
周期を有する。

【０００６】基地局から各移動局への下り回線（Ｄｏｗ
ｎ Ｌｉｎｋ；ＤＬ）におけるスクランブリングコード
は、セル毎に固有であり、他セルからの信号を雑音化す
る。他方、各移動局から基地局への上り回線（Ｕｐｐｅ
ｒ Ｌｉｎｋ；ＵＬ）におけるスクランブリングコード
は、ユーザー（移動局）毎に固有であり、一旦割り当て
られるとハンドオーバーにより他セルへ移動しても原則
として移動局解放まで変更されない。

【０００７】上りスクランブリングコードは、無線制御
装置によって管理され、移動局が通信中に個別チャネル
に遷移する際に、物理チャネル情報として割り当てられ
る。

【０００８】スクランブリングコードは、無線制御装置
によって生成され、管轄下の移動局に割り当てられる。
スクランブリングコードの数は規格（Ｗ−ＣＤＭＡ方
式）で２^２４個と決められているため、無線制御装置
は、通常、２^２４個のスクランブリングコードを発生さ
せる機能を有し、割当時には未使用のスクランブリング
コードのうちから一つをランダムに発生させ、割り当て
る。

【０００９】又、上記スクランブリングコードの数は移
動局を識別するのに必要な数よりも小さいため、同一の
コードを繰り返し使う必要がある。しかしながら、同一
の上りスクランブリングコードを有する移動局が同一セ
ル内に位置すると、上り無線区間において両者の上り無
線信号が干渉し、円滑な通信を妨げる。したがって、無
線制御装置は、同一セル内の移動局には同一のスクラン
ブリングコードを割り当てないように割当時に制御する
必要がある。

【００１０】又、ある移動局が他の無線制御装置が管轄
するエリアから移動してきたことによって、同一セル内
に同一のスクランブリングコードを有する移動局が複数
存在する状態となると、無線制御装置内において上記競
合状態を回避するための処理が実行される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の移動通信システムにおいては、各無線制御装置がスク
ランブリングコードを割り当てる際にコードを抽出する
母集団は同一であった。即ち、いずれの無線制御装置も
使用可能な２^２４個のスクランブリングコードの中から
コードを選択していた。

【００１２】したがって、隣接する無線制御装置の管轄
するエリア間で移動局の移動があった場合にスクランブ
リングコードが競合する可能性が生じ、競合回避手段に
よって制御負荷が増える可能性があった。

【００１３】このように、従来の移動通信システムにお
けるスクランブリングコードの割当方法は、スクランブ
リングコードの同一セル内での競合を必ずしも回避する
ものではなく、競合回避処理のために負荷が増える可能
性があった。

【００１４】本発明はこのような課題を解決するために
為されたものであり、同一セル内での上りスクランブリ
ングコードの競合を回避若しくは低減する移動通信シス
テム及びそのスクランブリングコードの割当方法を提供
することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
上りスクランブリングコード割当方法は、複数の無線制
御装置を含む移動通信システムにおいて、各無線制御装
置が管理するエリア内の移動局装置に所定のスクランブ
リングコード群中の一コードを上りスクランブリングコ
ードとして割り当てる方法であって、前記無線制御装置
の一は、前記所定のスクランブリングコード群に含まれ
る第一の部分コード群中から一コードを上りスクランブ
リングコードとして割り当て、前記一無線制御装置が管
理するエリアに隣接するエリアを管轄する無線制御装置
の少なくとも一つは、前記所定のスクランブリングコー
ド群中に含まれ且つ前記第一の部分コード群と同一でな
い第二のコード群中から一コードを上りスクランブリン
グコードとして割り当てる方法を採る。

【００１６】この方法において、所定のスクランブリン
グコード群とは、例えばＷ−ＣＤＭＡ方式の規格で定め
られた２^２４個のコードであり、部分コード群とは上記
２^{２ ４}個のコードをグループ分けしたものである。

【００１７】この方法によれば、無線制御装置が割り当
てることができるスクランブリングコードにつき、位置
的な繰り返しを考慮することによって、同一セルに同一
の上りスクランブリングコードが割り当てられた移動局
が在圏することによって競合回避処理が必要となる場合
の発生確率を小さくすることができ、よって無線制御装
置の負荷が増加する場合を減らすことができる。

【００１８】本発明の請求項２に係る移動通信システム
は、複数の無線制御装置を含み、各無線制御装置が管理
するエリア内の移動局装置に所定のスクランブリングコ
ード群中の一コードを上りスクランブリングコードとし
て割り当てる移動通信システムであって、前記無線制御
装置の一は、前記所定のスクランブリングコード群に含
まれる第一の部分コード群中から一コードを上りスクラ
ンブリングコードとして割り当て、前記一無線制御装置
が管理するエリアに隣接するエリアを管轄する無線制御
装置の少なくとも一つは、前記所定のスクランブリング
コード群中に含まれ且つ前記第一の部分コード群と同一
でない第二のコード群中から一コードを上りスクランブ
リングコードとして割り当てる構成を採る。

【００１９】この構成において、所定のスクランブリン
グコード群とは、例えばＷ−ＣＤＭＡ方式の規格で定め
られた２^２４個のコードであり、部分コード群とは上記
２^{２ ４}個のコードをグループ分けしたものである。

【００２０】この構成によれば、無線制御装置が割り当
てることができるスクランブリングコードにつき、位置
的な繰り返しを考慮することによって、同一セルに同一
の上りスクランブリングコードが割り当てられた移動局
が在圏することによって競合回避処理が必要となる場合
の発生確率を小さくすることができ、よって無線制御装
置の負荷が増加する場合を減らすことができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の一実施の形態について説明する。

【００２２】まず、図１を用いて、本発明に係る無線制
御装置の一構成例について説明する。図１は、本発明の
一実施形態に係る無線制御装置の構成を概略的に示す概
略構成図である。

【００２３】図１に示すように、本実施形態に係る無線
制御装置１００は、概して個別管理部と共通管理部とに
分かれ、個別管理部は、移動局毎に設けられた複数の移
動局管理部１０１を有し、共通管理部は、スクランブリ
ングコード（ＳＣ）管理部１０２と、その他のリソース
を管理する管理部とを有する。

【００２４】ＳＣ管理部１０２は、各移動局管理部１０
１に該管理部が管轄する移動局に割り当てるスクランブ
リングコードを与える。

【００２５】次いで、図２を用いて、本実施形態に係る
無線制御装置のＳＣ管理部１０２の動作について説明す
る。図２は、本実施形態に係る無線制御装置のＳＣ管理
部の動作を示すフローチャートである。

【００２６】図２において、まずＳ２０１において、当
該無線制御装置において使用可能なスクランブリングコ
ードが管理者によって設定される。ここで設定されるス
クランブリングコードは、規格によって定められている
２^２４個のスクランブリングコードのうちの一部であ
る。この工程における設定処理については後に詳述す
る。

【００２７】移動局管理部からスクランブリングコード
の割当要求があると（Ｓ２０２）、ＳＣ管理部１０２
は、Ｓ２０３において、空いている（未使用）スクラン
ブリングコードの中から新しいコードをランダムに取得
する。

【００２８】次いで、Ｓ２０４において、取得したスク
ランブリングコードにつき、同じコードが同一セル内に
在圏する移動局に対して割り当てられないように閉鎖処
理を行い、Ｓ２０５において、取得したスクランブリン
グコードを割当を求めた移動局管理部１０１へ通知す
る。

【００２９】一方、移動局管理部から移動局解放が伝達
されると（Ｓ２０６）、ＳＣ管理部１０２は、Ｓ２０７
において、解放される移動局に割り当てられていたスク
ランブリングコードに対する閉鎖処理を解除し、空き状
態と判別されるように設定し、Ｓ２０８において、閉鎖
解除及び空き状態設定が完了したことを移動局管理部１
０１へ通知する。

【００３０】以上の手順を繰り返し、ＳＣ管理部１０２
はスクランブリングコードを各移動局へ割り当てる。以
下、前述のＳ２０１における使用可能スクランブリング
コードの設定につき詳述する。

【００３１】本実施形態においては、規格により使用す
ることが定められている２^２４個のスクランブリングコ
ードを任意数のグループ（コード群）に分け、ネットワ
ーク上において隣接する無線制御装置同士は、異なるグ
ループ（コード群）の中からのみスクランブリングコー
ドを割り当てるように設定する。

【００３２】例えば、２^２４個のスクランブリングコー
ド（コード番号：＃０〜＃２^２４−１とする）を２つの
ＳＣグループ；コード＃０〜＃２^２３−１から成る第一
のグループ及びコード＃２^２３〜＃２^２４−１から成る
第二のグループ、に分ける場合について考える。ここ
で、ネットワーク構成において互いに隣接するように配
置された、即ち管轄するセルが互いに隣接する無線制御
装置Ａ及びＢを考え、無線制御装置Ａは上記第一のＳＣ
グループ（＃０〜＃２^２３−１）からのみスクランブリ
ングコードを用いることができ、無線制御装置Ｂは上記
第二のＳＣグループ（＃２^２３〜＃２^２４−１）からの
みスクランブリングコードを用いることができるように
設定するものとする。

【００３３】ここで、無線制御装置Ａの管轄下にあるセ
ルに在圏し、無線制御装置Ａから上りスクランブリング
コードの割り当てを受けた移動局が、無線制御装置Ｂの
管轄下になるセルに移動した場合、無線制御装置Ａが割
り当てることができるスクランブリングコード（＃０〜
＃２^２３−１）と、無線制御装置Ｂが割り当てることが
できるスクランブリングコード（＃２^２３〜＃２^２４−
１）とが異なるため、同一セル内での上りスクランブリ
ングコードの競合が生じない。

【００３４】上記の場合、ＳＣグループの繰り返し率は
２倍であり、セル構成によっては、同じＳＣグループが
設定された無線制御装置が管轄するセル間で移動局の移
動もあり得る。その場合、上記のようにグループ分けし
ても競合は生じ得る。しかしながら、すべての無線制御
装置が同じ母集団（２^２４個のスクランブリングコー
ド）から上りスクランブリングコードを選び割り当てる
場合よりは競合発生の確率を小さくすることができる。

【００３５】規格によって定められた２^２４個のスクラ
ンブリングコードを２つのグループに分ける上記例は、
本発明の一実施例に過ぎず、競合発生確率を減らすとい
う本発明の目的に鑑みれば、２つ以外、例えば３つ、６
つ、若しくは７つのグループに分けてもよいことは明ら
かである。

【００３６】いかなる個数のグループに分けられたとし
ても、隣接する無線制御装置に異なるＳＣグループが設
定されることによって、本発明の目的たる競合発生確率
の低減は実現できる。

【００３７】又、同様に、競合発生確率を減らすという
本発明の目的に鑑みれば、各ＳＣグループは全く異な
る、即ち同一のスクランブリングコードを一切含まない
ようにグループ分けされる必要はなく、本発明は各グル
ープの中に共通するコードが含まれる場合を排除するも
のではない。

【００３８】しかしながら、各グループが同一のスクラ
ンブリングコードを一切含まないようにグループ分けす
る方が競合発生確率が減ることは明らかであり、より好
ましいと言い得る。

【００３９】更に、グループ分けされた各ＳＣグループ
は同一のコード数を有する必要はなく、又、規格で定め
られた２^２４個のスクランブリングコードがいずれかの
グループに必ず分類されなければならない必要もない。
しかしながら、上記２^２４個のスクランブリングコード
すべてが等分に分類され、各無線制御装置に設定される
ことが好ましいと言える。

【００４０】このように、本実施形態によれば、無線制
御装置が割り当てることができる上りスクランブリング
コードにつき、位置的な繰り返しを考慮することによっ
て、同一セルに同一の上りスクランブリングコードが割
り当てられた移動局が在圏することによって競合回避処
理が必要となる場合の発生確率を小さくすることがで
き、よって無線制御装置の負荷が増加する場合を減らす
ことができる。

【００４１】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明の請求項
１に係る方法によれば、競合回避処理が必要となる場合
の発生確率を小さくすることができ、よって無線制御装
置の負荷が増加する場合を減らすことができる。

【００４２】又、本発明の請求項２に係る方法によれ
ば、競合回避処理が必要となる場合の発生確率を小さく
することができ、よって無線制御装置の負荷が増加する
場合を減らすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る無線制御装置の構成
を概略的に示す概略構成図である。

【図２】本実施形態に係る無線制御装置のＳＣ管理部の
動作を示すフローチャートである。

【図３】ＣＤＭＡ方式が採用された移動通信システムの
典型的な構成を概略的に示す模式図である。

【符号の説明】

１００ 無線制御装置 １０１ 移動局管理部 １０２ ＳＣ管理部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5K022 EE02 EE11 5K067 AA03 AA33 BB03 BB04 CC10 EE02 EE10 EE16 HH36

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の無線制御装置を含む移動通信シス
   テムにおいて、各無線制御装置が管理するエリア内の移
   動局装置に所定のスクランブリングコード群中の一コー
   ドを上りスクランブリングコードとして割り当てる方法
   であって、 前記無線制御装置の一は、前記所定のスクランブリング
   コード群に含まれる第一の部分コード群中から一コード
   を上りスクランブリングコードとして割り当て、 前記一無線制御装置が管理するエリアに隣接するエリア
   を管轄する無線制御装置の少なくとも一つは、前記所定
   のスクランブリングコード群中に含まれ且つ前記第一の
   部分コード群と同一でない第二のコード群中から一コー
   ドを上りスクランブリングコードとして割り当てること
   を特徴とする上りスクランブリングコード割当方法。
2. 【請求項２】 複数の無線制御装置を含み、各無線制御
   装置が管理するエリア内の移動局装置に所定のスクラン
   ブリングコード群中の一コードを上りスクランブリング
   コードとして割り当てる移動通信システムであって、 前記無線制御装置の一は、前記所定のスクランブリング
   コード群に含まれる第一の部分コード群中から一コード
   を上りスクランブリングコードとして割り当て、 前記一無線制御装置が管理するエリアに隣接するエリア
   を管轄する無線制御装置の少なくとも一つは、前記所定
   のスクランブリングコード群中に含まれ且つ前記第一の
   部分コード群と同一でない第二のコード群中から一コー
   ドを上りスクランブリングコードとして割り当てること
   を特徴とする移動通信システム。