JP2002335166A - 信号処理方法、信号処理システム、および信号処理のためのプログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ可読な記録媒体 - Google Patents

信号処理方法、信号処理システム、および信号処理のためのプログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ可読な記録媒体

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JP2002335166A
JP2002335166A JP2001196145A JP2001196145A JP2002335166A JP 2002335166 A JP2002335166 A JP 2002335166A JP 2001196145 A JP2001196145 A JP 2001196145A JP 2001196145 A JP2001196145 A JP 2001196145A JP 2002335166 A JP2002335166 A JP 2002335166A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号処理方法、信号処理システム、および信
号処理のためのプログラムおよび該プログラムを記録し
たコンピュータ可読な記録媒体を提供する。 【解決手段】 ディジタル信号における信号処理方法
は、ガロア体GF(2)の元を要素とする行列と、ガ
ロア体GF(2)の元を要素として含むベクトルとか
らYule-Walker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、上記方程式の解をJaco
biの公式を用いて、対称な行列式の計算に帰着させるス
テップと、得られたゼロではない解に対応する最大の行
列の大きさとして誤りの個数を決定するステップと、誤
りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか否かを
判断するステップとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理方法、信
号処理システム、信号処理のためのプログラム、および
記録媒体に関し、より詳細には本発明は、高速の光通信
分野において特に効果的に使用することができる信号処
理方法、信号処理システム、信号処理のためのプログラ
ム、および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】高速で高度な誤り訂正技術の重要性イン
ターネットの拡大とe−ビジネスの進展に伴い、コンピ
ュータの扱うデータ量とスピードとは、加速度的に増加
している。これに伴い、複数のコンピュータの間におけ
るデータ通信の速度を高めることが要求されており、近
年では40Gbpsのデータ転送速度を使用する光通信
の使用が普及しつつある。このような高速の、特に光通
信といった通信方法において、システム・レベルの誤り
の発生率を現在と同等に保つためには、コンピュータの
扱うデータ量に比例してデータ通信における信頼性をよ
りいっそう向上させる必要がある。
【0003】この信頼性を向上させる重要な技術として
は、高度な数学を駆使してさまざまな要因(伝送経路で
のノイズなど)による誤りを自動的に訂正する誤り訂正
符号と呼ばれるものがある。その中でも、今日、多く使
われている代表的な誤り訂正符号として、ハミング符号
とリード・ソロモン符号を挙げることができる。上述し
たハミング符号は、基本的にはビット単位の誤り訂正を
行なうものであり、その訂正能力は低いといえる。例え
ば、ハミング符号を使用すれば、1ビットの誤りを発見
した場合は訂正するが、2ビットの誤りは検出するのみ
となる。ハミング符号を用いる誤り訂正システムは、誤
り訂正処理自体が簡単なため、誤り訂正処理を並列的に
処理させることにより、1Gbps(1秒間に10億ビッ
ト)を大きく超える高速処理が可能であることが知られ
ている。
【0004】一方で、リード・ソロモン符号は、複数個
の連続したビット単位(シンボル)の誤りを訂正するこ
とが可能で高度な訂正能力を有する優れた誤り訂正方法
である。しかしながら、リード・ソロモン符号は、処理
に複雑な演算を多用するため並列処理が難しく、例え
ば、8ビットのデータを100MHzでパイプライン処理を実
行させたとしても、800Mb/sの処理速度しか得られない
のが現状である。したがって、従来のリード・ソロモン
符号の復号方式は、低速の通信分野、またはハードディ
スクやCD-ROM等の二次記憶装置の分野の製品など、現状
では主にデータ処理速度の比較的低い分野で応用されて
おり、今後高速性が要求される分野への応用には限界が
あった。
【0005】高速光通信分野で要求される誤り訂正技術 特にコンピュータおよびコンピュータが関連するデータ
通信に使用される高速光通信の分野では、近年、ますま
す増大しつつあるインターネットをバックボーンとし
て、波長多重通信WDM(Wavelength Division Multiplexi
ng)や、さらに波長多重度を向上させたDWDM(Dense WDM)
を使った、テラビット/秒の高速通信システムが、所定
の長さのフレームを連続して同期転送するSONETといっ
た技術をベースに導入されつつある。
【0006】光通信を使用する上述したデータ通信にお
ける波長多重度の向上に伴い、近接する波長間でのクロ
ストークが問題となる。このようなクロストークに対処
するためこれまで、光を用いる波長多重通信における長
距離(Long Haul)での転送に際しては、誤り訂正法とし
てFEC(Forward Error Correction)が使用されている。I
TU(International Telecommunication Union)では、IT
U-T G.975において、インターリーブされたm=8(8ビッ
ト/シンボル)の(255、239)RS符号(符号長n=255
バイト)の使用が標準化され、G.709では、FECのFrame
構造を定めるDigital Wrapperの標準が採用されてい
る。
【0007】このような例えばDigital Wrapper標準に
おいては、これまでの低速なシリアル・リード・ソロモ
ン復号回路を複数並列に並べることにより、必要な処理
能力が確保されており、リード・ソロモン符号のインタ
ーリーブは必要不可欠な技術になっている。
【0008】高速かつ高度な誤り訂正技術における先行
技術 これまで、上述したような光通信での必要性とは独立し
て、組み合わせ回路によるリード・ソロモン符号のパラ
レル高速復号の研究が行われてきている。
【0009】図1は、誤り訂正装置に使用することがで
きるこのような高速復号回路の例を示す。図1に示され
る復号回路は、これまでの1復号回路あたりの復号処理
速度を10倍以上高速化すること、高度な誤り訂正能力を
持つリード・ソロモン符号の誤り訂正処理を、ハミング
符号と同程度の処理速度でパラレル復号を行なうことを
実現するものである。図1に示した復号回路では、ガロ
ア体上での対称関数による新たな表現形式を、リード・
ソロモン符号の復号処理に応用することにより、誤り値
を直接計算できるO(t)次の誤り値多項式Er(x)が
用いられている(tは誤り訂正できる最大のシンボル
数)。
【0010】図1に示した復号回路では、この多項式の
使用により、シンドローム計算、誤り位置評価だけでは
なく、誤り値の評価も、これまでのようにForneyアルゴ
リズムを用いて2つの多項式の評価結果を除算して求め
るのではなく、1つの多項式で直接計算可能とするの
で、はるかに簡単化することができる。さらに、図1に
示した復号回路では、Er(x)の係数計算だけではな
く、誤り位置多項式Λ(x)の係数計算に対しても、組み
合わせ回路に適した表現が採用され、必要な演算回路の
数の削減を、高速化と同時に可能としている。
【0011】図1に示される復号回路を使用することに
より、0.35μmの標準的なASIC技術を使って半導体上に
試作されたランダムな4バイト誤り訂正処理回路では、
320ビット幅のデータを低レイテンシ(45 ns)で並列処
理することが可能とされ、現在のシリアル復号回路の典
型的な処理速度の800Mb/sの10倍近い7Gb/s(1秒間に70
億ビット)以上の処理速度が達成されている。さらに、
図1に示した復号回路に対して、大規模並列の誤り訂正
処理回路に特化した新たな回路最適化アルゴリズムを使
用し、回路共有化手法を用いることにより、回路規模が
縮小できることが示されている。さらに、図1の復号回
路は、外部制御回路やレジスタを使わない組み合わせ回
路であるので、高速処理にもかかわらず消費電力も抑え
ることができるという利点がある。
【0012】しかしながら、図1に示した復号回路にお
いても、光通信に必要とされる40Gbpsの処理速度には
及ばず、また通常の回路共有化手法を用いるだけでは回
路規模が、ITUで標準化された8バイト誤り訂正に対
応するためには1チップに実装できないほどに大規模に
なってしまうという問題があった。
【0013】図2は、従来用いられている低速の復号方
式を使用する光通信用誤り訂正回路の概略構成を示した
図である。光通信分野での通信速度の向上に伴い、従来
の低速のシリアル・リード・ソロモン復号回路を並列に
並べる方法は、ますます困難になってきている。既存の
RS復号回路では、せいぜい1Gbsの処理性能しかな
い。このため、図2に示した復号方式においては、低速
のシリアル・リード・ソロモン復号回路を並列に並べる
ことで必要な処理性能が実現されている。しかしなが
ら、図2に示した従来方式は多くのリード・ソロモン復
号回路を並べる必要が生じ、光通信のデータ転送速度に
比例して、回路規模が大きくなってしまうという不都合
がある。図3には、図2に示した復号方法を使用する場
合の、回路規模と、データ転送速度とをプロットした図
を示す。
【0014】図4には、さらに別の復号回路の従来例を
示す(A. Patel、 IBM J. Res. Develp.、 vol. 30 pp.
259-269、 1986)。従来の復号方式では、シンドローム
の計算・誤り位置の計算については多項式の評価ですむ
ので、容易に高速化することができる。しかしながら、
図4に示すように誤り値の計算でForneyアルゴリズムを
用いるため、2つの多項式、すなわち誤り位置多項式の
微分dΛ(x)/dxと、シンドロームと誤り位置多項式
とから計算される誤り評価多項式Ω(x)との評価の後に
除算を実行することが必要となる。そして、これが出力
の高速化を妨げるクリティカル・パスとなり、充分な高
速化を行うことができないという不都合がある。
【0015】OC-768 SONETでは、復号回路の入出力イン
ターフェースとして、ITUーG709で決められた1
6インターリーブを仮定すると、300MHz以上の高速動
作が期待されているので、これは、重大な問題となる。
図4に示される復号回路を使用し、クリティカル・パス
に相当する除算をさらに細かくパイプライン化して出力
を高速化しようとすることも試みられている。
【0016】しかしながら、いくら細かくパイプライン
化したとしても図4に示した復号回路では、誤りのない
位置でも除算を行なう必要があり、パイプラインの細分
化に伴って回路規模・消費電力共に増大する。また、誤
り位置にのみ除算を行なおうとすると、誤り位置を事前
に計算する必要があり、誤り位置と誤り値の同時計算が
行なえないという不都合もある。また、図4に示した復
号回路においては、誤りがあるか無いかによって、誤り
値の出力に必要なサイクル数が違うので、SONETのよう
な同期式フレームに載せて連続したデータを高速に入出
力する必要のある場合には、誤りパターン(誤り数・位
置)に依存せず一定のサイクルで高速に誤り値を出力す
ることが困難である。
【0017】図5にはさらに別の従来の復号回路を示
す。図1に示したパラレル・リード・ソロモン復号方式
を光通信の分野に応用しようとすると、回路あたりの処
理性能という観点では既存の方式よりも優れているため
インターリーブされていないRS符号では問題なく応用可
能である。しかしながら、ITU-T G.975で決められてい
るインターリーブされたリード・ソロモン符号に対して
は、高速で大きなバッファとセレクタを用いて信号の順
序を並べ替える必要が生じるため、必ずしも効率のよい
ものではなかった。すなわち、(255、239)RS符号の符号
長は、2040ビットであり、16インターリーブした
場合には、16バイト入力255バイト出力のシリアル・
パラレル変換回路と255バイト入力16バイト出力のパ
ラレル・シリアル変換回路を必要とし、高速化という点
ではある程度の目的を達成することができるものの回路
サイズが著しく大規模なものとなり、実用レベルで提供
することが困難である。
【0018】また、上述した復号回路に使用される誤り
位置および誤り値の算出においては、ガロア拡大体(G
F)2上における演算を大量に、かつ高速で実行で
き、さらには、実装可能な回路規模で処理を実行させる
ことが要求される。従来、上述したガロア体における演
算について従来行われてきた検討においては、いずれも
単体の演算(乗算や除算)をいかに効率的に行うかに重
点が置かれており、それらの演算を、特に組み合わせ回
路を採用して数十〜数百以上の演算を行うことについて
は、これまでほとんど検討がなされていないのが現状で
ある。その理由は、種々推定することができるが、その
1つとしては、復号演算は多くはこれまで順序機械によ
って実装され、組み合わせ回路を採用することは、得ら
れる処理性能と回路規模の点で利点が少ないものと判断
されていたこともある。
【0019】一方、誤り訂正のアルゴリズムについて考
察すると、誤り位置の計算アルゴリズムにおいては、ガ
ロア拡大体GF(2)上で定式化されたYule-Walker
方程式がリード・ソロモン符号の計算において発生し、
このYule-Walker方程式を効率よく処理することが高速
化を達成し、かつ必要とされる回路サイズを可能な限り
小さくするために必要とされる。Yule-Walker方程式を
解くというアルゴリズムを実行させる場合、高速化の目
的から組み合わせ回路で実現する場合には、謝り訂正能
力の増大とともにYule-Walker方程式を解いて誤り位置
を求める部分が組み合わせ回路の回路サイズの観点から
みて非常に大きな割合を占めることになる。
【0020】加えて、リード・ソロモン符号の復号化を
組み合わせ回路を用いて実現し、実際のシステムへと適
用する場合には、処理に対する汎用性を付与し、付加的
な回路または処理を追加しないためにも、任意の最小距
離を持つリード・ソロモン符号の復号化に適用できるア
ルゴリズムを提供することが望ましい。特に光通信の分
野ではITU(International Telecommunication Union)に
おいて(255、239) リード・ソロモン符号を使用するこ
とが標準化されたため、訂正可能な誤りの最大個数が
8、最小距離が17である場合にも、リード・ソロモン符
号の復号化を効率的に行うことが可能なアルゴリズムが
必要とされている。
【0021】Yule-Walker方程式を解くという数学的な
問題を、組み合わせ回路を用いてハードウエアとして実
装可能な規模で実現するためには、回路規模の増大を抑
制し、乗算器の個数を削減するアルゴリズム、およびこ
のアルゴリズムを効率よく処理する組み合わせ回路構成
が必要とされている。すなわち、上述した誤り訂正装置
および誤り訂正のアルゴリズムを、高速化といった目的
を達成しつつ、許容可能な回路サイズとしてデバイス化
を可能とする組み合わせ回路が必要とされていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
の技術における不都合に鑑みてなされたものであり、本
発明は、高速(40Gbpsもしくはそれ以上)の光通
信分野、さらにより限定的には連続したデータを同期フ
レームとして転送するSONET上での波長多重通信のた
め、インターリーブされたリード・ソロモン符号の効率
的な信号処理方法、信号処理システム、信号処理のため
のプログラム、および記録媒体を提供することにある。
【0023】すなわち、本発明は、回路規模あたりの処
理性能が高い(低レイテンシ・高スループット)、信号
処理方法および信号処理システムを提供することを目的
とする。
【0024】さらに、本発明の別の目的は、インターリ
ーブされたリード・ソロモン符号にも上述した特長を失
うことなく対応できる構成の、柔軟な信号処理方法およ
び信号処理システムを提示することにある。
【0025】さらに本発明の別の目的は、インターリー
ブされた受信語のそれぞれの誤りパターン(誤り数、位
置)に関係なく一定のサイクルで誤り語を連続して高速
に出力する復号方法および信号処理システムを提供する
ことにある。
【0026】さらに、本発明の別の目的は、ガロア拡大
体GF(2)(mは2以上の任意の自然数)上の演算
回路のうち、いくつかの入力が共通な複数の乗算(例え
ばABとACとAD)を行う回路、および積和演算AB
+CD+EF+…を行う回路を、高速かつ高効率で処理
でき、小規模な回路によって実現することが可能な組み
合わせ回路において使用することができる信号処理方法
および信号処理システムを提供することにある。
【0027】さらに、本発明の別の目的は、リード・ソ
ロモン符号の復号化を組み合わせ回路を用いて実現し、
実際のシステムへと適用する場合に、処理に対する汎用
性を付与し、付加的な回路または処理を追加せずに任意
の最小距離を持つリード・ソロモン符号の復号化に適用
できる信号処理に使用することができるプログラム、お
よび記録媒体を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、本
発明の信号処理方法、信号処理システム、信号処理のた
めのプログラム、および記録媒体を提供することにより
解決することができる。
【0029】すなわち、本発明によれば、ディジタル信
号における信号処理方法であって、該方法は、ガロア体
GF(2)の元を要素とする行列と、ガロア体GF
(2)の元を要素として含むベクトルとからYule-Wal
ker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、前記方程式を下記の行
列式 として解を求めるステップと、解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
=Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
せるステップと、得られたゼロではない解に対応する最
大の行列の大きさとして誤りの個数を決定するステップ
と、誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか
否かを判断するステップとを含む信号処理方法が提供さ
れる。本発明の前記行列式の要素は、ガロア体GF(2
)の元を構成するシンドロームである。前記シンドロ
ームは、波長多重通信により通信されるディジタル信号
から生成される。本発明は、ディジタル信号の復号また
は誤り訂正に使用される。
【0030】本発明においては、ディジタル信号を処理
するシステムであって、該システムは、受信したディジ
タル信号を符号化する符号化部と、前記符号化されたデ
ィジタル信号を復号するための復号部と、復号されたデ
ィジタル信号を出力するための出力部とを含み、前記復
号部は、ガロア体GF(2)の元を要素とする行列
と、ガロア体GF(2)の元を要素として含むベクト
ルとからYule-Walker方程式を下記、 の形式で定式化する手段と、前記方程式を下記の行列式 として解を求める手段と、解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
=Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
せる手段と、得られたゼロではない解に対応する最大の
行列の大きさとして誤りの個数を決定する手段と、誤り
の個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか否かを判
断する手段とを含む信号処理システムが提供される。前
記符号化部は、前記受信したディジタル信号をガロア体
GF(2)の元を構成するシンドロームに符号化す
る。前記受信したディジタル信号は、波長多重通信によ
り通信される。本発明の前記システムは、復号または誤
り訂正に使用される。
【0031】また、本発明によれば、ディジタル信号を
処理するためのプログラムであって、該プログラムは、
ガロア体GF(2)の元を要素とする行列と、ガロア
体GF(2)の元を要素として含むベクトルとからYu
le-Walker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、前記方程式を下記の行
列式 として解を求めるステップと、解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
=Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
せるステップと、得られたゼロではない解に対応する最
大の行列の大きさとして誤りの個数を決定するステップ
と、誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか
否かを判断するステップとを実行させるプログラムが提
供される。前記行列式の要素は、ガロア体GF(2
の元を構成するシンドロームである。前記シンドローム
は、波長多重通信により通信されるディジタル信号から
生成される。本発明の前記プログラムは、復号または誤
り訂正に使用される。
【0032】本発明によれば、誤り訂正方法に用いられ
るプログラムが記録されたコンピュータ可読な記録媒体
であって、ガロア体GF(2)の元を要素とする行列
と、ガロア体GF(2)の元を要素として含むベクト
ルとからYule-Walker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、前記方程式を下記の行
列式 として解を求めるステップと、解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
=Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
せるステップと、得られたゼロではない解に対応する最
大の行列の大きさとして誤りの個数を決定するステップ
と、誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか
否かを判断するステップとを実行させるプログラムが記
録された記録媒体が提供される。前記行列式の要素は、
ガロア体GF(2)の元を構成するシンドロームであ
る。前記シンドロームは、波長多重通信により通信され
るディジタル信号から生成される。本発明の前記プログ
ラムは、復号または誤り訂正に使用される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示した実施
の形態に基づいて説明するが、本発明は、図面に示した
実施の形態に限定されるものではない。 セクション1 <復号回路> 図6には、光通信により送信されたディジタル信号に含
まれる誤りを訂正するために使用することができる本発
明の復号回路を示す。図6に示した復号回路は、入力部
10と、処理部12と、出力部14とを含んで構成され
ている。入力部10は、例えば16インターリーブされ
た入力ディジタル信号IDが入力される。処理部12
は、この入力部からの出力を受け取って処理を行ない、
誤り位置多項式係数と誤り値多項式係数とを算出する。
出力部14は、この処理部12からの出力を受け取り、
出力された誤り位置と誤り値とをAND処理し、入力さ
れる入力ディジタル信号IDとXOR処理を行なって、
出力ディジタル信号ODを生成する。出力ディジタル信
号ODは、入力ディジタル信号に含まれる可能性のある
誤りが訂正されている。
【0034】図6に示した復号回路に入力される入力デ
ィジタル信号IDとしては、本発明においては、光通
信、特に40Gbpsといった高速のデータ転送レート
で波長多重通信法により送信されるディジタル信号を入
力することができる。より具体的には、上述した入力デ
ィジタル信号IDは、例えば(255,239)RS符
号により符号長2040ビットとして送信されるものを
用いることができる。通常、波長多重通信方において
は、上述した入力ディジタル信号は、インターリーブ方
式が採用されて、例えば16の並列な255バイト・ス
トリームとして本発明の復号回路に入力される。
【0035】図6に示した本発明の復号回路において
は、上述した入力ディジタル信号IDは、入力部10に
おいてインターリーブされて並列に入力され、それぞれ
の入力について、受信多項式が規定され、この受信多項
式からシンドロームSiが算出され、入力部10の出力
とされる。入力部10(シンドローム算出部)の出力で
あるシンドロームSiは、(255,239)RS符号
の場合は、入力ディジタル信号255バイトから得られ
る16バイトのディジタル情報として生成される。例え
ば、本発明の図6において説明する復号回路の実施の形
態においては、入力ディジタル信号は、2040ビット
が16インターリーブされて16の255バイト・シリ
アル・ストリームとして入力部10へと入力され、入力
部10において16のシリアル・ストリームに対応する
16の16バイト・シンドロームが生成されることにな
る。
【0036】図6に示されるように、入力部10におい
ては、それぞれの入力ディジタル信号IDのシリアル・
ストリームIDSに対して1つのシンドローム算出部1
6が割り当てられ、シンドロームが算出される構成とさ
れている。算出されたそれぞれのシリアル・ストリーム
IDSについてのシンドロームは、レジスタ18に保持
された後、出力部14へとマルチプレクサにより符号語
間でシリアル化されたデータとして出力される。例え
ば、上述したように、16インターリーブされた255
バイトの入力ディジタル信号から得られた16バイトの
シンドロームからは、誤り位置および誤り値の算出の為
に、128ビットの信号が得られることになる。図6に
示した入力部10において使用することができるシンド
ローム算出部16としては、順路回路を使用する回路な
ど、これまで知られたいかなる回路でも使用することが
できる。なお、シンドロームの定義および算出方法につ
いてはより詳細に後述する。
【0037】図6に示された復号回路においては、算出
されたそれぞれのシンドロームSは、処理部12へと
それぞれ順次入力される。図6においては説明の便宜の
ため、処理部12は、1つだけを例示して示している。
図6に示した処理部12は、複数の乗算器により構成さ
れた組み合わせ回路から構成される、誤り位置多項式Λ
(x)を算出するための誤り位置多項式係数算出部18
と、誤り値多項式Er(x)を算出するための誤り値多
項式係数算出部20と、を含んで構成されている。処理
部12において使用される乗算器を含む組み合わせ回路
の詳細についてはセクション2<組み合わせ回路>にお
いてより詳細に説明する。
【0038】図6に示した処理部12の出力である誤り
位置多項式Λ(x)と、誤り値多項式Er(x)とは、
出力部14へと、図示しないデマルチプレクサにより、
例えばインターリーブの数に対応する用にデマルチプレ
クスされた後、入力される。出力部14には、それぞれ
の入力ディジタル信号のインターリーブの数に対応する
数だけ配置されたレジスタ22と、ANDゲート24
と、XORゲート26とが形成されている。出力部16
では、それぞれのシンドロームから得られた誤り位置情
報(誤り位置には「1」、そうでなければ「0」)Λ
evalを使って、誤り値EをANDゲート24によ
り選択する。さらに選択された出力は、XORゲート2
6において加算が行われる。このXOR選択ゲート26
には、符号化された入力ディジタル信号IDから得られ
るシリアル・ストリームIDSが、imnビットのバッ
ファ28a,28bを介してXORゲート26へと入力
されており、XORゲート26においてガロア拡大体G
F(2)上の減算を実行させることによって誤りが除
去された255バイトの出力ディジタル信号ODとして
与える構成とされている。
【0039】図6に示した本発明の復号回路において
は、上述した処理部12を構成する組み合わせ回路を順
序回路として構成することもできるが、本発明において
特に複数の乗算器を、入力側XOR演算群(変数前処理
部)と、AND演算群、出力側XOR演算群(剰余演
算)の3段構成とし、変数前処理部または剰余演算部の
一方ないし両方を、複数の乗算器間で共有させる構成を
採用することにより、従来誤り位置および誤り値の算出
においてクリティカル・ポイントとされてきた処理部1
2における回路規模を実用上許容可能な規模としつつ、
効率的に乗算器から構成させることが可能となる。
【0040】図6に示した本発明の復号回路では、上述
したように出力部14を、処理速度を低下させる非線形
演算を実行させる回路構成を採用することなく、定数乗
算器と加算器いった線形演算を行う回路のみで構成させ
る。このため、本発明の復号回路は、処理速度を低下さ
せず高速に、かつ回路構成を小規模としつつ復号回路と
して構成することが可能となる。さらに本発明者らは、
鋭意検討の結果、特定の構成を含む乗算器から構成され
る組み合わせ回路と、該組み合わせ回路において誤り位
置および誤り数を効率的に算出することを可能とするア
ルゴリズムとを採用することにより、従来にまして柔軟
で高速かつ、小規模の復号回路を構成することを見出
し、本発明に至ったものである。
【0041】本発明において採用する誤り位置多項式係
数算出の方法またはアルゴリズムについてはより詳細に
組み合わせ回路構成と共に後述するが、以下に、本発明
の復号回路における処理部12に含まれる誤り値多項式
係数算出部20の機能・作用について説明する。
【0042】誤り値計算アルゴリズムの選択 本発明の復号アルゴリズムについては、誤り位置の評価
だけではなく誤り値の評価もO(t)次の多項式計算
(線形演算)で直接計算可能なアルゴリズムをインター
リーブされたリード・ソロモン符号の復号に対して適用
するものである。この際、本発明において採用するアル
ゴリズムにおいては、特に誤り値の計算に必要な除算
を、多項式の評価の後の出力のクリティカル・パス中で
誤り位置ごとに行うのではなく、多項式の評価の前に符
号語ごとにただ一度線形演算で行う。これにより、多項
式評価の値を誤りの値として一定のサイクルで直接高速
出力することが可能となる。
【0043】さらに、誤り値Er(x)多項式の次数は、
t個の独立した出力を出すのに最低必要とされるt−1
次まで低くできることが判明している。その際に得られ
るt個の係数は、誤り位置多項式の係数とシンドローム
とを使って計算することが可能である。このアルゴリズ
ムの採用により、シンドローム計算、ならびに、誤り位
置評価だけではなく、誤り値の評価も線形演算回路だけ
で実行することが可能となり、入出力出力回路全体を簡
略化高速化することが可能となる。
【0044】本発明の復号アルゴリズムまたは復号方法
において種々の誤り値多項式を使用することができる
が、以下、e個の誤りがi,...,ie−1に発生
したときの誤り値多項式Er(x)が下記式 の形式で与えられ、除算を含むが、分母は多項式ではな
く、符号語ごとに定数である実施の形態を例として、本
発明の機能・作用について説明する(上記式中、aは、
ガロア拡大体の原子元を意味する)。
【0045】上述した誤り値多項式Er(e)(x)は、
多項式Er(e)(x)の計算に位置 (以下aikと略する)に存在するk番目の誤り値 (以下Eikと略記する)が必要となるので本末転倒で
あり、直接本発明の復号回路に使用することができな
い。しかしながら、もしEr(e)(x)中のすべてのE
ikといくつかのaikを、シンドロームSを使って
記述すれば、回路化が可能となる。さらに、この場合E
(e)(x)中のすべてのaikを誤り多項式Λ(e)
を使用して記述することで、誤り位置を求める前に誤
り値の算出を実行することが可能となる。したがって誤
り値の算出を並列化することが可能となり、この結果高
速化を達成することができる。
【0046】上述したプロセスは、以下の復号アルゴリ
ズムまたは復号方法を使用することにより実行すること
ができる。まず、分母の部分をΛ(e) で記述する。
誤り値と誤り位置多項式の係数は、定数ファクタを除い
て誤り位置、 について、それぞれElementary symmetric functionと
なる。例えば、誤り位置多項式の係数 については、 となっており、誤り位置、 は、互いに交換可能である。また、Shur関数と呼ばれる
2つのVandermonde行列式の割り算で定義されるもの
と、上述したElementary symmetric functionとの間に
成り立つ関係式(例えば、I.G.Macdonald, Symmetric Fu
nctions and Orthogonal Polynomials, American Mathe
matical Society, 1998参照)と、ガロア拡大体GF(2
)において成り立つ加算と2乗算の下記交換関係、 から、以下の新規な関係が導出できる。
【0047】上記行列式を採用することにより、さきの
Er(e)(x)の分母を,Λ(e) で記述することが
可能となる。Er(e)(x)の分子についても同様に算
出してみると、下記式で示すように、Er(e)(x)の
係数がS、Λ(e) のみで記述でき、Eikと、aik
使用しなくとも算出することができることになる。 ここで、 であり、具体的には、aikを除いた誤り位置に対応す
る誤り位置多項式の係数である。
【0048】上述したように、上述した関係を新たに採
用することにより、非線形演算回路を使用することな
く、ガロア拡大体GF(2)上における線形演算回路
により、処理部14を構成することが可能となり、高速
化を実現することが可能となる。
【0049】以下、上述の誤り値計算アルゴリズムを用
いてインターリーブ符号にも対応した高速、小回路規模
の符号回路を構成する為に以下の構成を採用する。 (1)高速の入力部・出力部(線形演算回路)の採用 まず、符号の構成(インターリーブ数)と入出力インタ
ーフェースのバス幅、クロック数等を考慮して、入力に
接続されたシンドローム計算のための多項式評価(線形
演算)回路、出力側に接続された誤り位置評価・誤り値
評価のための多項式評価(線形演算)回路を、RS符号が
巡回符号であることに起因するサイクリックな構造を生
かして、1からnの任意のクロック数で(n,k)リードソロ
モン符号の前処理・後処理する高速な順序回路として実
現したことである。特に、従来方式でクリティカル・パ
スであった誤り値評価の部分に対しても上述した構成を
採用するこちが本発明においては有効である。また、本
発明の構成によれば、符号語あたりの入力されるディジ
タル信号幅が255バイトの場合ばかりではなく、1、
3、5、15、17、51、85バイトインターフェー
スとして、柔軟に対応することができる復号回路を提供
することができる。
【0050】表1には、本発明の復号回路において入力
ディジタル信号の入力幅に対して要求される処理クロッ
クの関係を示す。
【0051】
【表1】 表1に示されるように、ディジタル信号の入力幅が小さ
くなればそれに対応して必要なクロック数は増加するも
のの、本発明の復号回路を採用することにより柔軟に対
応することが可能となることが示されている。
【0052】さらに、本発明においては、符号語あたり
の入出力のバイト幅は表1で示された以外でも任意に選
択可能である。例えば入出力幅8バイトの場合でも、符
号の長さを最後にダミー1バイトを加えてn=256バイト
とすることにより対応可能となる。
【0053】(2)非線型演算回路12との接続 本発明においてはさらに、入力部10および出力部14
として順序回路を用いて構成し符号のインターリーブ数
に応じて複数用意し、前後の順序回路の間にシンドロー
ムならびに誤り位置・誤り値多項式の係数を保持する回
路と、マルチプレクサ・デマルチプレクサとを用いて、
誤り位置・誤り値多項式の係数計算を行う非線型演算回
路12に接続する。この演算回路は上述したように、非
線形演算を実行する乗算器といった非線形演算回路の組
み合わせ回路として構成されている。このため、本発明
においては、例えば、OC-768を仮定して(255,239)リー
ドソロモン符号を16インターリーブして使用する場合
には、前後に16個づつ順序回路を用意することが必要
となる。すなわちこの場合、16:1のマルチプレクス・
デマルチプレクスを行う必要がある。しかしながら、本
発明においては、シンドローム多項式の係数をマルチプ
レクス・デマルチプレクスするために、2040ビットでは
なく、128ビット(Er(x)の取り方によっては、
後段は、136ビット)の信号を扱うだけですみ、マルチ
プレクサ・デマルチプレクサ、バッファの数共に大きく
削減することが可能となる。
【0054】(3)中央の非線型演算回路を時分割に使
う3段パイプライン動作方式 本発明においては、さらに、復号回路全体を線形演算回
路(シンドローム計算)−非線型演算回路(誤り位置・
誤り値多項式の係数計算)−線形演算回路(誤り位置・
誤り値の評価)の3段パイプラインとして動作させ、低
レイテンシの非線型演算回路をインターリーブされたそ
れぞれの符号の計算にシンドロームを符号語間でシリア
ルに順次与える事により時分割して用いる。このため、
回路規模あたりの処理能力の高い高効率のインターリー
ブ符号の復号動作を実現できる。例えば、OC-768のケー
スでは、中央の非線型演算回路は、上述した3段パイプ
ラインの動作をさせるためには、約40nsのレイテンシで
インターリーブされたそれぞれの符号語あたりの処理を
終える必要があるが、最先端の半導体技術(0.18μm以
上)を使い、組み合わせ回路を用いた実装を行うことに
より、上述した復号回路をASICといった半導体バイ
スとして実現できる。
【0055】すなわち、本発明の復号回路は、(1)高
速の入力部10と高速の出力部14を採用すること、特
に従来では非線形演算を行う必要があった出力部14に
対して、誤り位置および誤り値を線形演算回路だけを使
用して算出できるようにし、さらに、処理部12に対し
ては上述した復号アルゴリズムに適合すると共に、回路
サイズを低減させる乗算器構成を採用すること、(2)
本質的に非線形演算を実行する処理部12を、時分割し
て使用して、3段パイプライン動作方式を採用するこ
と、による相乗的な効果により、高速かつ回路サイズが
許容範囲の復号回路、誤り訂正装置を提供することを可
能とするものである。以下、セクション2として、本発
明の復号回路における処理部12に含まれる乗算器から
構成される組み合わせ回路について詳細に説明する。
【0056】セクション2<組み合わせ回路> 本発明の復号回路に使用する処理部12は、線形演算回
路、具体的には乗算器を使用した組み合わせ回路として
構成される。本発明において使用される乗算器は、しか
しながら、従来の組み合わせ回路に使用される乗算器
は、ガロア拡大体GF(2)における乗算をAND演
算群の次にXOR演算群を行う2段階の構成とするので
はなく、XORゲート−ANDゲート−XORゲートの
3段階の構成を採用する。
【0057】単体の並列乗算回路の構成方式 単体の乗算回路に関しては従来より多くの検討がなされ
ているものの、順序回路でなく組み合わせ回路として構
成された並列乗算回路(Mastrovito Multiplier)につ
いては意外に研究の歴史が浅く、近年検討が開始された
といってもよい。従来の並列乗算回路(以下、本明細書
においては、単に乗算回路という。)の構成方式は、AN
D-XOR形式とXOR-AND-XOR形式の2種類で、相互変換可能
である。ただし単体の乗算しか回路化しない場合には、
AND-XOR形式のものが通常用いられる。その理由は、AND
-XOR形式はよく研究されていて小規模回路を得る方法が
かなり検討されているのに対し、XOR-AND-XOR形式につ
いては一般に回路規模が削減される保証がなく(むしろ
増える場合がある)、設計作業の複雑化に見合うだけの
削減効果がないと考えられることが、その理由であると
考えられる。以下、各場合について検討を加える。
【0058】(1) AND-XOR形式 この方法は、筆算どおりに計算を進める教科書的な方法
で、通常はこの形の回路を使用する。具体的には、乗算
の引数となる2つの(m−1)次多項式に対し、その係
数どうしを組み合わせてm個の部分積をまず作る。こ
れがAND部の処理内容である。次に、それらの部分積の
うち次数が同じものどうしを加算して(2m−2)次多
項式を構成し、既約多項式による剰余演算を行って(m
−1)次の解を得る。これらがXOR部の処理内容であ
る。ANDの個数はm、XORの個数はO(m)である
が、既約多項式や基底を選択することによりXORが(m
−1)個で構成できることが広く知られている。任意
の乗算回路は必ずこの形式で構成できる。
【0059】(2) XOR-AND-XOR形式 上述したAND-XOR形式の回路に対し、ブール代数の規則
である (A and B) xor(A and C) = A and (B xor C)の
もとで、剰余演算部にあるXOR演算をANDの前に移動して
変数前処理演算部(入力側XOR演算)とすることが、
一般に可能である。これによって乗算器の回路を、XOR-
AND-XOR形式とすることができる。XORの移動にあたっ
て、A xor A = 0、B xor 0 = Bの性質を利用し、剰余演
算部(出力側XOR演算)のXOR中に同一の冗長ターム
を偶数個追加しておくことで、より多くのXOR演算を変
数前処理部へ移動できる場合がある。この操作が可能な
ため、XORの移動には、単に分配律をそのまま適用する
のみならず多様なやり方が存在し得る。したがって、た
とえ同一の基底や既約多項式のもとであっても、XOR-AN
D-XOR形式は複数存在することになる。ゲート数は、XOR
-AND-XOR形式にすることでAND-XOR形式より増加する場
合も減少する場合もあり、まちまちである。また、次に
述べるComposite Field Multiplierのように、特殊な基
底のもとでシステマティックにXORゲートを削減する方
法もこれまでに知られている。
【0060】(3)限定された体のみに適用可能なXOR-
AND-XOR形式の構成法(Composite Field Multiplier) Composite Field Multiplierは、mが合成数で、なおか
つ体の要素の表現に用いる基底が通常の基底(多項式基
底や正規基底)でなくてもよいという、特殊な場合に限
って使える乗算回路構成法である。以下、より詳細に説
明を行う。mが合成数のとき、GF(2)から2回以上
の体の拡大によって拡大体GF(2)を構成できる。
その拡大の過程に従って再帰的な構造の乗算回路を構成
するのがComposite Field Multiplierである。このと
き、例えば1回の2次拡大に対し、GF(2)上の2
つの値Ax+BとCx+D(ここでA,B,C,Dは、
それぞれ部分体GF(2m/2)上の値)の積が、 であることを用いれば、部分体上の乗算を4個から3個
へ減らすことができ、回路規模を減少させることができ
る(KOA)。同時に、回路はXOR-AND-XORの構造として構
成することができる(乗算の前に行う加算が、ANDの前
に配置されるXORに対応する)。なお、KOAの使用はC
omposite Field Multiplierであることが前提であっ
て、そうでない乗算回路ではKOAは通常使用することが
できない。また、仮にmが同手法を適用できる値であっ
ても、体の変換回路が必要でそのオーバーヘッドのため
にかえって回路規模が増えるので、単体の乗算しか回路
化しない場合には同手法は通常採用される構成とはなら
ないものである。
【0061】<本発明における組み合わせ回路の通常の
乗算器による構成>本発明が対象とする入力共通乗算回
路群、および積和演算回路を通常のAND-XOR構成で構成
した場合の構成を図7および図8に示す。図7において
は組み合わせ回路の例として、2つの乗算器を使用する
組み合わせ回路が示されている。図7に示されるように
従来の乗算器は、第1の入力A1が乗算器40および乗
算器42へと入力され、乗算器40には、第2の入力B
1が入力されて第1の出力45が、乗算器42には第3
の入力B2が入力されて第2の出力46とが出力されて
いる。図7に示すとおり、従来の構成では、乗算間で共
通な入力があっても、そのために共有可能となる回路は
まったく存在しない。図8には、積和演算を行うための
組み合わせ回路を従来の乗算器の構成により構成した従
来例を示す。図8に示す積和演算を行うための組み合わ
せ回路においても、そのままでは共有可能な回路は存在
しないことがわかる。
【0062】図9は、従来の構成の乗算器を使用する組
み合わせ回路の例を示す。図9の入出力では、1シンボ
ルを1本の線として表記してある。また、入出力はそれ
ぞれ8ビット幅であるものと仮定している。図9におけ
る組み合わせ回路においては、6シンボルの入力と1シ
ンボルの出力とを含み、さらに7個の乗算回路と5個の
加算回路を含んで構成されている。図9に示した組み合
わせ回路においては、S0,...,S3Qで示された
入力が乗算器群46へと入力され、加算器群48により
加算された後、積和演算回路50へと入力されて、各入
力の積和演算の結果である出力L21Qが生成されてい
る。
【0063】図9においては、破線で示したクロスター
ム構成演算と剰余演算の組み合わせが1つの乗算に相当
する。図9において示されている乗算器の回路は標準的
なものなので、詳細な回路の説明については省略する。
この乗算回路を含む組み合わせ回路は、64AND+約103XOR
の数のゲートを含んでおり、回路全体のゲート数は448A
ND+約761XORとなる。図9から明らかなように、ほとん
どの乗算の入力は、その一方あるいは両方が他の乗算と
共通である。また、最終段などで積和演算が行われてい
る。
【0064】表2には、ガロア拡大体GF(2)にお
いて従来の標準的なAND−XORの2段構成の乗算回
路、Composite Field Multiplierおよび部分体拡大体G
F(2)の乗算をXOR−AND−XORにする改変
を行った乗算回路に含まれる各ゲートの数を示す。
【0065】
【表2】
【0066】すなわち、単体の乗算器のみに着目すれ
ば、上記a〜cいずれも回路規模は従来のComposite Fiel
d Multiplierの場合より増加しており,最小規模のもの
ではない。このように、単に乗算器をXOR−AND−
XORの3段構成とするのでは、回路の規模を逆に大き
くする場合もある。
【0067】<本発明の組み合わせ回路における乗算器
構成>一般には、多数の乗算や積和演算が絡み合うとブ
ール代数上での最適化は困難である。しかしながら、本
発明における処理部12として組み合わせ回路を使用す
ることを考慮すれば、上述した積和演算や乗算が並列か
つ多段に多数接続された構造となっており、i段目の積
和演算は一般に0段目〜i−1段目の出力を入力とす
る。したがって、後段の演算回路になるとほぼ組み合わ
せ回路の回路全体において、共通した入力を並列処理す
る必要が生じるため、最適化範囲が広がることになる。
本発明者らは、この点に着目し、他の演算とのバランス
も取りつつ、ブール代数上の最適化することにより、乗
算器の効率的な組織化を達成したものである。
【0068】図10は、図7に示した従来の構成の乗算
器および加算器からなる組み合わせ回路を、乗算器を3
段構成として本発明の組み合わせ回路とした本発明の実
施の形態の組み合わせ回路を示す。図10に示される組
み合わせ回路においては、入力A1が第1のXOR群5
2へと入力され、入力B1が第2のXOR群54へと入
力され、入力B2が、第3のXOR群56へと入力され
る構成とされている。これらのXOR群52、54、5
6が、本発明において採用される変数前処理演算を実行
するゲートである。このうちXOR群52、54、56
は、共通した入力A1を処理する構成とされていて、回
路規模の縮少になっている。各XOR群52、54、5
6の出力は、それぞれAND群58へと入力され、クロ
スタームが算出された後、再度下流側のXOR群60に
おいて剰余演算が実行され、XOR群60aから出力6
2が出力され、XOR群60bから出力64が生成され
ている。図10にいては、1つの乗算を行う単位が破線
BLで示されており、変数前処理(XOR)−クロスタ
ーム演算部(AND)−剰余演算部(XOR)の3段構
成により、1つの乗算器が構成されているのが示されて
いる。図10に示されるように、各乗算をXOR-AND-XOR
の構成とし、かつ、共通の入力に対して行うXOR演算
を乗算間で統一すれば、そのXOR演算回路を乗算回路
間で共有できることになる。1個分の乗算に相当する部
分(変数前処理演算*2+新しいクロスターム構成部+
新しい剰余演算部)の回路規模が通常の乗算回路と同じ
か若干大きい程度であれば、乗算群全体としての回路規
模を減少させることが可能となる。
【0069】図11は、図10に示した従来の組み合わ
せ回路を、本発明において採用する3段構成の乗算器を
使用して実装化した場合の組み合わせ回路の構成の別の
実施の形態を示した図である。図11に示される組み合
わせ回路においては、入力66、入力68、入力70、
入力72が、それぞれ変数前処理演算を実行するXOR
群74、76、77、78へと入力され、XOR群のそ
れぞれの出力が、クロスターム構成演算を実行するAN
D群80、82へと入力されている。
【0070】AND群80、82の出力は、加算回路8
4へと入力されて加算が実行され再度共有された下流側
のXOR群86において剰余演算が実行されて、乗算が
行われ、出力88が生成される構成とされている。図1
1に示した乗算器1単位の構成は、枠Bxで示した内側
において形成されている。図10との相違点は、入力側
のXOR群74、76、77、78が共有されない場合
であっても、本発明においては、下流側、すなわち出力
側の剰余演算を実行するXOR群86を共有する構成と
することができる。
【0071】さらに、本発明においては、入力側、すな
わち変数前処理演算を実行するXOR群74〜78を共
有化し、剰余演算を実行するXOR群を同時に共有させ
ることにより、さらに全体としての組み合わせ回路の構
成を縮小することができる。
【0072】図12は、図9に示した組み合わせ回路
を、3段構成の乗算器を使用して本発明の組み合わせ回
路とした、さらに別の実施の形態を示した図である。な
お、図12に示した組み合わせ回路は、図6において示
したRS符号誤り訂正のための復号回路(e=2)の処
理部12の一部を構成する組み合わせ回路の実施の形態
である。図12に示した組み合わせ回路においても、図
9に示した従来例と同様にS0〜S3Qが入力されてい
る。図12に示すように、入力S0の変数前処理演算を
行うXORゲート90は、枠で示すように、ANDゲー
ト92、94、96に対応する3つの乗算器により共有
されている。さらに下流側においては、剰余演算部98
についても複数の乗算器により共有されていて、変数前
処理演算を行うXORゲートおよび剰余演算を実行する
XORゲートの双方が共有されているのが示されてい
る。また、図10、図11、図12と同様に、乗算器の
1つの単位は、鎖線により示されている。図12に示し
た組み合わせ回路においては、回路中の変数前処理演算
部は8個、クロスターム構成演算部は7個、剰余演算部
は4個、8ビット幅の加算は2個、クロスターム構成演
算部と同ビット幅の加算は3個となる。
【0073】このことから、表2で示した乗算回路をも
とに、図12に示した組み合わせ回路で上述した復号回
路の一部を構成させる場合については、そのゲート数
は、以下の表3のようにまとめることができる。
【0074】
【表3】
【0075】表3a〜cに示されるように、単体の乗算
をあえて最小規模にはしなかったにもかかわらず、回路
全体としてはより回路規模が縮小されることが見出され
た。
【0076】図13は、誤り訂正能力t=2〜8の図6
に示した誤り訂正回路の処理部12に使用する場合にお
いて必要とされるXORゲート数と、それに対応する乗
算器数とを示した図である。図13は、縦軸をXORの
全数とし、横軸を乗算器の個数として示されており、こ
の場合には、図6の誤り訂正用の復号回路は、m=8
で、既約多項式がx+x+x+x+1であるも
のとして算出した。この場合、乗算を662、加算を5
31、2乗演算を30回使用する。表3および図13か
ら理解されるように、乗算器単体の乗算をあえて最小規
模にはしなかったにもかかわらず、本発明の構成を採用
することにより、組み合わせ回路全体としては回路規模
をより縮小することができることが示される。
【0077】図13に示した実施の形態においては、具
体的な回路構造を明確にする目的から、乗算における変
数前処理部、クロスターム構成部、剰余演算部をすべて
の乗算について同一であるものとして説明した。実装上
の段階においては、さらに良好な結果を得るために、ど
れだけのXORを変数前処理部・剰余演算部に配置するか
(つまり,表記a〜cのいずれを用いるか)を、回路中の
乗算ごとに変更して最適化することも可能である。さら
に、図13に示した実施の形態においては、回路入力に
対する演算数の割合が少なく、体変換のオーバーヘッド
もあるので、ゲート数減少の効果はさほど大きくはない
ものの、実用上は入力に対する演算の割合がかなり高く
なるため、ゲート数削減効果による回路規模の削減は、
図14に示すように顕著なものとなる。
【0078】セクション3 <誤り訂正アルゴリズム> 以下、本発明の復号回路、誤り訂正装置において使用さ
れる誤り訂正アルゴリズムについて詳細に説明する。
【0079】(従来技術の概要) A.< Yule-Walker方程式を解く、または誤り位置多項
式を求めるための従来の手法とその問題点>本発明にお
いては、GF(2)上で定義された次の連立一次方程式
の解を組み合わせ回路を用いて計算するための効率的な
アルゴリズムを見出すことが必要である。
【0080】 上記式中、 は、与えられたGF(2)の元であり、Λ(l) が未知
の量である。
【0081】上記の連立一次方程式において、左辺の行
列は、右斜め方向(対角線と交わる方向)に同じ成分が並
ぶという規則的な構造をしており、Hankel行列といわれ
る。一般にこのタイプの方程式は、Yule-Walker方程式
と呼ばれ、誤り訂正符号の理論をはじめとして時系列解
析や信号処理の分野でも現れるなど、広い応用範囲を有
していることが知られている。誤り訂正アルゴリズムに
おいては、誤り位置多項式を決定する部分にこのYule-W
alker方程式が現れることになる。そこで、本発明にお
いては、上述したYule-Walker方程式の解を得るための
アルゴリズムを、リード・ソロモン符号の復号を行うた
めに使用される誤り訂正アルゴリズムに適用するもので
ある。
【0082】上述したYule-Walker方程式の解法として
よく知られているものとして、Levinsonのアルゴリズ
ム、Levinson-Durbinのアルゴリズム等がある。これら
のアルゴリズムは、いずれも行列のサイズlが小さい所
から計算を始め、再帰的に行列のサイズが大きい方程式
の解を決定していくものである。また、計算量は共にl
のオーダである。しかしながら、これらのアルゴリズ
ムは、計算ステップの中に割り算の操作を含んでいる。
このことは、アルゴリズムの実行を組み合わせ回路とし
て実装することを考えたとき、分母が0か否かに応じた
条件分岐が発生することを意味する。この条件分岐が発
生することにより、条件分岐の各々に対して別々の回路
を用意しなくてはならないので必要とされる回路サイズ
は 行列のサイズが大きくなるにしたがって組み合わせ
的な速さで大きくなってしまうという本質的な問題を生
じる。
【0083】また、本発明においては、Yule-Walker方
程式の解を求めることによって、特にリード・ソロモン
符号の復号化において、誤り位置多項式を決定すること
を目的とする。従来Yule-Walker方程式の解法として用
いられている方法としては、Peterson法、Berlekamp-Ma
ssey法、Euclid法などを挙げることができる。これらは
いずれも訂正可能な誤りの最大数tに関して、多項式オ
ーダの計算量で誤り位置多項式の係数を計算するもので
ある。しかしながら、Berlekamp-Massey法とEuclid法を
組み合わせ回路で表現と以下に述べる問題が生じる。
【0084】まず、Berlekamp-Massey法に関しては、ア
ルゴリズムの中にやはり複数個の条件分岐を含むことに
なることが不可避である。したがって、これを組み合わ
せ回路に展開するときには上述した理由と同じ理由で回
路サイズは組み合わせ的に増大する。一方、Euclid法に
おいては多項式の乗除算がアルゴリズムの基本となる
が、割り算の分母に現れる多項式の次数が前もってわか
らないために、ここに条件分岐の入る余地がある。ま
た、この条件分岐に起因してBerlekamp-Massey法の場合
と同様の組み合わせ的な回路規模の増大を生じさせてし
まうことになる。
【0085】B.< 組み合わせ回路に適したYule-Walk
er方程式および誤り位置多項式の計算法の方針>上述し
たように、Levinson(-Durbin)法、Berlekamp-Massey
法、Euclid法は共に条件分岐を含むため、組み合わせ回
路化という観点からは問題がある。そこで、Yule-Walke
r方程式の解法を組み合わせ回路で実現するためには場
合分けのないアルゴリズムを見出すことが必要であり、
これが、本発明のアルゴリズムにおける本質的な方針と
して与えられる。
【0086】この場合、上述のアルゴリズムとして、リ
ード・ソロモン符号の復号化で知られているPeterson法
を用いることができる。Peterson法のアプローチはYule
-Walker方程式を直接解くことになる。この際、Yule-Wa
lker方程式の解は次のようにCramerの公式を用いて行列
式の形で表示することができる。
【0087】 したがって、それぞれの に対して、行列式Λ(l) を求め、誤りの個数eに対
して、行列式、 を計算すればよいことになる。
【0088】しかしながら、行列式の展開をそのまま回
路として実現すると、tが増大するにしたがって必要と
なる乗算器の個数が飛躍的に増大するので同様に直接的
な適用は困難である。このため、本発明においては、Ha
nkel行列の帰納的な構造を利用して計算量の削減を行
う。このためのアプローチとしてKatayama-Moriokaによ
るΛhat(l) の計算と従来の方法と対比して説明
する。
【0089】まず、Katayama-Moriokaの中でのΛ(l)
の計算アルゴリズムをl=1からl=4まで書き下す
と図14に示す形態となる。
【0090】次にHankel行列の行列式を帰納的なアプロ
ーチで計算する別な手法として、Kogaによる方法を対比
のために説明する。Kogaによる方法によれば、まず、次
の新たな誤り位置多項式、 が定義されている。ここで、 である。
【0091】そして、この新たな誤り位置多項式を計算
するため、i番目のシンドロームS を(1、1)成分に持
つようなHankel行列 を考え、 から複数の行と列を対称に抜き去った行列式をQ行列式
と定義する。Q行列式は、一般に対角成分に現れるシン
ドロームの添え字番号を左上から順に指定してやれば唯
一に定まるものである。ここで、Q行列式を添え字の
列、 で表すことができる。Kogaによる方法では、Q行列式を
用いて誤り位置多項式、 を計算するアルゴリズムが提示されている。
【0092】上述した従来手法は、いずれにしても次に
述べるような問題点を抱えている.まず、従来例1の中
で用いられたΛ(l) の計算アルゴリズムに関しては
計算すべき行列式の非対称性に起因して展開の右辺に次
々と新しい項が出現し、その結果として行列のサイズが
大きくなるにしたがって必要とされる乗算器の個数は組
み合わせ的に増大することになる。そこで、このような
組み合わせ的発散の程度がなるべく小さいアルゴリズム
が望ましい。
【0093】次にKogaのアルゴリズムについてである
が、Kogaの定義したQ行列式は対称な行列式であり、こ
のことによって乗算器数の削減が実現されている。しか
しながら、Kogaのアルゴリズムは、最小距離が偶数の場
合のBCH符号もしくはリード・ソロモン符号でしか適用
することができないという制限がある。Kogaによれば、
この制限を緩和できる場合もあることを開示しているも
のの、緩和できる例としては、単にbinary narrow sens
e BCH符号の場合に限定されてしまうことになる。
【0094】本発明においては、光通信システムへの適
用を行うため、(255、239)リード・ソロモン符号(最小
距離=17)の復号化を組み合わせ回路で効率よく実現す
ることが方針として要求されることになる。このため、
何らかの手法を用いて最小距離の偶数、奇数にかかわら
ず効率的な計算を実行させることができるアルゴリズム
が必要となる。
【0095】C.<本発明において使用される用語の定
義>以下に、本発明のアルゴリズムを詳細に説明する前
に、本発明において使用する各タームを明確にするため
に説明を行う。 (1)シンドローム 一般に、ガロア拡大体GF(2)の原始元をaとし、
h<2−1を正整数とするとき、 を生成多項式とする、符号長がn=2−1の2元巡
回符号をGF(2)上のリード・ソロモン符号として
定義する。すなわち、k=n−hとしk個の送信記号を
係数にもつk次多項式をM(x)とするとき、M(x)
にxn−kを乗算し、その結果を次のようにG(x)で
除算し、剰余R(x)を算出する。
【0096】 ついで、長さnの符号化された系列を係数に持つ多項式
(送信多項式)を で定義する。このとき、符号化された送信系列は左端に
k 個の情報記号を持ち、それらにh=n−k個の検査
記号が続く組織符号の形になっている。リード・ソロモ
ン符号の最小距離dminは、dmin=h+1で与えられ
る。また、訂正可能な誤りの最大個数tはt=[h/2]
で与えられる。
【0097】一方、受信された系列よりもとの送信系列
を推定する復号化のアルゴリズムは以下のように与えら
れる。 (2) シンドロームの計算と誤りの検出 ここで、l個の誤りが生じたとし、それらの位置を
,...,il−1、誤りの値を
i0,...,Eil−1 とする。
i0,...,Eil−1を係数に持つ多項式を、 で定義すると、受信系列b、...、bn−1を係数
とする多項式は、 で与えられる。Y(x)を受信多項式と定義する。次
に、受信多項式Y(x)からシンドローム、 を計算する。ここで、 なので、シンドロームは を満たす。したがって、誤りがなければシンドロームは
すべて0となり、シンドロームの値によって誤りの有無
が判定できることになる。
【0098】(3)誤りの個数と位置の特定 発生した誤りの個数を仮にl個であると仮定し、発生し
た位置を、 と仮定する。すなわち、 の値が誤っていると仮定する。誤りの個数lと、下記式
の誤り位置、 を特定するために、 を根として持つ下記多項式、 を定義する。上記式中、 を誤りロケータ、Λ(l)(x)を誤り位置多項式とい
う。
【0099】さらに、 は、誤り位置多項式をxに関して展開したときの展開係
数であり、 の基本対称式で与えられる。
【0100】ここで、下記式 は、次の連立一次方程式、 を満たす。これはA.で説明したYule-Walker方程式に
他ならない。この段階では、lは未知であるが、実際に
生じた誤りの個数が1≦e≦tであるとき、左辺のHank
el行列は、l=eの場合は正則であって、t≧l>eの
場合は非正則となることが知られている。したがって、
l=1,...,tに対して左辺のHankel行列の行列式
を計算し、値が非ゼロの最大の整数をもって誤りの個数
eと定めればよい。そしてl=eの場合にこの方程式を
解くことにより、誤り位置多項式を求めることができ
る。
【0101】本発明において、誤り位置を特定するため
には、誤りロケータ、すなわち、誤り多項式Λ
(e)(x)=0の根を求めればよい。このために下記
を逐次代入して実際に誤り位置多項式の零点となるか否
かを調べるという手法を取ることができる。この手法を
Chien探索という。誤り位置多項式の零点を、 とするとき、i,...,ie−1が実際の誤り位置
を与える。
【0102】(4)誤り値の計算 誤り値の算出は、下記式で示されるVandermonde型の連
立線形方程式、 を解くことによって得られる。シンドロームを係数とす
る多項式S(x)を、 とおく。さらに、 とおく。Ω(x)を誤り評価多項式という。この場合
に、Vandermonde型の連立線形方程式の解は、 によって求めることができる。これをForneyのアルゴリ
ズムという。したがって、誤り位置と誤り値とがわかれ
ば、それらを受信した入力ディジタル信号から減算する
ことにより、誤りの訂正されたディジタル信号出力を得
ることができる。
【0103】D.本発明のYule-Walker方程式解法アル
ゴリズム 我々の課題はGF(2)上で定義された次のYule-Walke
r方程式の解を組み合わせ回路を用いて計算するための
効率的なアルゴリズムを見出すことである. ここで、 は、与えられたGF(2)の元であり、Λ (l)
未知の量である。
【0104】本発明においては、このYule-Walker方程
式の解をCramerの公式を用いて、図15のように行列式
の形で表示し、その帰納的な構造を利用して行列式の効
率のよい計算法を求めるものである。
【0105】図15に示した行列式を計算するために、
本発明においては、次のJacobiの公式に注目する。 <Jacobiの公式>A=(aij)を単位元1をもつ可換
環上のn次正方行列とする.Aの(i,j)余因子をΔ
ijとする。添え字の集合、 に対する小行列式Aμν (r)の余因子をΔμν (r)
とするとき、下記式が成り立つ。
【0106】 本発明では特に、 とした場合に成り立つ下記式、 を用いることができる。
【0107】このJacobiの公式を用いてΛhat
(l)を計算するために次のように考える。まず、Λ
hat (l+1)は下記式の形をしている。
【0108】 この行列式をよく眺めてみると、Λhat (l)は、
Λhat (l+1)から(l+1−i)行および第l
列を取り除いたものであり、Λhat (l)はΛ
hat (l+1)から第l行および第l列を取り除い
たものことがわかる。つまり、Λhat (l)は、Λ
hat (l)が、それぞれΛ (l+1)の(l+
1,l+1),(l+1,l+1−i)余因子であるた
め、Jacobiの公式において、 として、 とおく。さらに、Λhat (l+1)の(l+1−
i,l+1−i)余因子をΓ (l+1)と定義する。
ここで、Γ (l+1)の構成を図16に示す。そし
て、Jacobiの公式を用いることにより、 を得る。
【0109】この公式を用いると、Λhat (l)
計算は対称行列の行列式であるΓ (l+1)の計算に
帰着される。ただし、Λhat (l)を求めるには、
Γ (l+1)の計算に加えて、2×l個の乗算とl個
の平方根をとる操作が必要となる。平方根を取る計算と
2乗を行う計算とは、線形演算として実現できるため加
算とほぼ同等のコストで回路として実現可能である。し
たがって、これらは非線形演算回路である乗算器に比べ
て非常に小さなコストしか要しない。そこで我々は乗算
器にのみ注目し、その個数を問題とする。提案するアル
ゴリズムの場合、GF(2)は標数が2であること、
およびΓ (l)はすべて対称あることから、行列式の
余因子展開において対角線に関して非対称な配置より生
じる項は必ずキャンセルする.例えば、3×3の対称行
列を例にとって余因子展開を計算してみると、 となって、対角線に関して非対称な配置より生じる項b
ecは対称性により必ず2度出てくるために、キャンセ
ルされる。このため、本発明のアルゴリズムを乗算器を
含む組み合わせ回路に使用した場合には、要求される乗
算器の個数が低減できることになる。
【0110】ここで、 を帰納的に計算するアルゴリズムの一般形は以下のよう
に与えられる. まず、アルゴリズムを記述する際の補助的な量を一つ定
義する。
【0111】 を、添え字の集合とするとき、det[{i,...,
}]を と定義する。正確にいうと、det[{i,...,i
}]は、第1行目が、 であって、(p、q)成分が下記式、 である対称行列の行列式であり、Hankel行列式Λ
(l)からいくつかの行と列とを対称に抜き去って得ら
れる行列式である。ここで、det[{i,...,i
}]を用いるとΓ (l)は次のように計算される。
【0112】 上記式中、det[{0,1,...,l−2}−{l−1
−i,l−1−k}]は、Γ (l−1)から対称に2つ
のl−1−i,l−1−k行と、2つのl−1−i,l
−1−k列とを抜き去って得られる対称行列の行列式で
あって、これはk=1の場合とi=1との場合には、そ
れぞれ、下記式、 に一致することに注意されたい。
【0113】3. 一般にdet[{i,...,i}]
は、次のように計算される。
【0114】 E.<本発明のアルゴリズムのリード・ソロモン符号の
復号化への適用>以下に、D.で述べたYule-Walker方
程式の本発明の解法アルゴリズムを、リード・ソロモン
符号へと応用した場合についての実施の形態を説明す
る。Yule-Walker方程式自身は、通常は、次元(未知数の
個数)は一定のものとして与えられるのであるが、リー
ド・ソロモン符号の復号化の場合、次元(誤りの個数に
対応している)も未知なので、これも含めて決定しなけ
ればならないことになる。
【0115】(1)Γ (l)の計算 シンドロームの系列、 が与えられたとき、D.において説明したアルゴリズム
に従い、 を計算する。この計算の過程で、 も、同時に計算される。なお、本発明者らは、リード・
ソロモン符号の高速復号化を行うために、組み合わせ回
路としての実現を念頭に置いているが、本発明において
は組み合わせ回路と共に使用することに限定されるもの
ではなく、本発明の誤り訂正アルゴリズムは、順序回路
を用いて誤り訂正装置として実装することも可能であ
る。
【0116】(2)誤りの個数の決定 実際に生じた誤りの個数を、eで表す。ここで、eは の値から、Λhat (l)≠0を満たす最大のlとし
て求めることができる。
【0117】(3)誤り位置多項式の決定 誤りの個数を決定した結果、もしe<tが判明した場合
には、Λhat (e+ 1)=0なので、本発明のアル
ゴリズムに従い、 のように簡単化することができる。誤りロケータは、誤
り位置多項式の零点であるので、誤り位置多項式の係数
の定数倍によって不変である。したがって、Λhat
(e)の代わりに、下記式 を用いることができる。つまり、上式に現れている掛け
算は必要ない。一方、e=tであることが判明した場合
には、 に従って誤り位置多項式を計算することになる。このと
き、我々のアルゴリズムでは、最小距離が奇数(=2t
+1)の場合には、計算できないS2tが見かけ上必要
になるように見える。しかし、本発明の式は、シンドロ
ームに関する恒等式であるため、S2tに関する恒等式
にもなっている。そして、計算すべきΛ at (t)
は、シンドロームS2tを含まないので、Λhat
(t+1)と、Γ (t+1)の余因子展開に現れるS
2tは必ずキャンセルする。具体的にいうと、Γ
(t+1)を余因子展開したときに現れる項のうち、S
2tを含むものは、Γi−1 (t)2tであるから、
Γ (t+1)Λhat (t)を展開したとき、S
2tを含む項はΛhat (t)Γi−1 (t)2t
である。一方、Λhat (t+1)を余因子展開した
ときに現れる項のうち、S2tを含むものは、Λhat
(t)2tであるから、Λ (t+1)Γi−1
t)を展開したときS2tを含む項は、Λhat
(t)Γi−1 (t)2tである。したがって、両者
は必ずキャンセルする。
【0118】こうして、Λ (t+1)と、Γ
(t+1)を余因子展開したときに現れる項のうち、S
2tを係数にもつ項は計算する必要がないことが示され
る。このようにして、本発明のアルゴリズムは、任意の
最小距離をもつリード・ソロモン符号に適用することが
できることとなる。同時に、乗算器数の削減という観点
からも、S2tを含む項の乗算が必要ないので、Kogaア
ルゴリズムと比較しても本発明のアルゴリズムは、優位
になる。また、上述したように、平方根を算出する計算
は、加算とほぼ同等のコストで回路として実現可能であ
り、これは乗算器に比べて非常に小さなコストしか要し
ないものである。
【0119】F.<リード・ソロモン符号の復号化への
適用例>上述したEにおいて説明した本発明の誤り訂正
アルゴリズムをt=4のリード・ソロモン符号の復号化
へ適用する実施の形態について、以下に説明する。t=
4の場合には、本発明により、以下の各式が決定され
る。ただし、簡単のため、 として表す。 (1)Γ (l),i=0,...,l−1,...,
5の計算 本発明による計算結果を、図17に示す。
【0120】(2)誤りの個数の決定 81)で算出されたΓ (l)によって、 が求まるので、 を満たす最大のl,l=1,2,3,4として誤りの個
数eが決定できる。
【0121】(3)誤り位置多項式の決定 (2)よる計算により、例えばe=2であることが判明
した場合には、誤りロケータ、 は、次の代数方程式、 を解くことによって求められる。一方、e=4であるこ
とが判明した場合には、上述したように、 によって求めることができる。ただし、 の計算において、シンドロームSを含む項の計算は上
述したように不要である。
【0122】図18は、上述した本発明の誤り訂正アル
ゴリズムの概略的なフローチャートを示した図である。
本発明の誤り訂正アルゴリズムにおいては、まず、ステ
ップ200において、シンドロームS,...,S
2t−1が入力され、ステップ201において、誤り多
項式Γが算出される。Γ (2),...,Γ (t+
1)が求められた段階で、ステップ202において、Λ
hat (m)=Γ m+1)≠0を満たす最大の整
数m、として誤りの個数を決定する。ステップ203に
おいては、誤りの個数eが、最大の誤りの数に等しいか
否かが判断され、e=tの場合(yes)には、Γ
(e+1)=Λhat (e),..,
Γ (e+1)、Γ (e+2)=Λhat
(e+1)として、ステップ204において、誤り値を
算出する。また、e≠tの場合(no)には、Γ
(e+1)=Λhat (e),..,Γ (e+1)
のみを使用して、ステップ205において誤り値を計算
し、ステップ206において、
Λhat (e),....,Λhat (e)を得
る。
【0123】G.本発明のアルゴリズムを誤り位置多項
式の計算へ適用した場合の計算回路 図19に本発明で提案するアルゴリズムに基づいた誤り
位置多項式の計算回路のブロック図を示す。図20に示
される本発明のアルゴリズムを使用した誤り位置多項式
の計算回路は、概ね{Γi (m)}計算ブロック100と、
誤りの個数を計算する回路ブロック102と、誤り位置
多項式の決定を行う回路ブロック104とを含んで構成
されている。
【0124】図19の各ブロックの機能を説明すると、
回路ブロック100には、例えば順序回路を使用して入
力ディジタル信号から算出されたシンドロームのシリー
ズが入力される。回路ブロック100においては、これ
らのシンドロームから、 が、本発明のアルゴリズムにしたがって帰納的に計算さ
れる。これはアルゴリズムの詳細の(1)に対応する。
【0125】次に、回路ブロック102においては、計
算された、 の値から、誤りの個数eを算出し、eの値にそれぞれ対
応する、 を出力する。e=tの場合には、これらに加えて、さら
に、 も出力される。これはアルゴリズムの詳細の(2)に対
応する。回路ブロック104では、 の値を用いて、誤り位置多項式の係数の計算を実行す
る。これはアルゴリズムの詳細の(3)に対応するプロ
セスに従って実行される。
【0126】なお、本発明においては、リード・ソロモ
ン符号の高速復号化を行うために、組み合わせ回路とし
ての実現を念頭に置いているが、提案するアルゴリズム
を回路サイズの縮小を目的として順序回路を用いて実現
することも可能である。
【0127】H.<リード・ソロモン符号の復号化に適
用した場合の回路サイズ>本発明のアルゴリズムを、リ
ード・ソロモン符号の復号化へ適用した場合の、回路サ
イズについて以下に説明する。上述したとおり、平方根
を算出する計算と2乗を行う計算とは、加算とほぼ同等
のコストで回路として実現可能であり、これらは乗算器
に比べて非常に小さなコストしか要しない。そこで我々
は乗算器にのみ注目し、その個数を検討する。
【0128】表4は、本発明のアルゴリズムによって必
要とされる乗算器の個数をt=1からt=8までの範囲
で示したものである。この図には比較のため、従来例1
および従来例2の計算アルゴリズムによる乗算器数も合
わせて記載した。
【0129】
【表4】
【0130】表4に示されるように、今回提案するアル
ゴリズムは、乗算器の個数の観点からみてKogaにより提
案されたアルゴリズム(従来例2)よりもすべてのtで
優れていることが示されている。また、光通信分野への
応用においては、特に(255、239)リード・ソロモン符号
(t=8)の復号化が重要であるが、これは最小距離が
奇数(=17)であるためにKogaアルゴリズムは適用で
きない。しかしながら、本発明のアルゴリズムは、任意
の最小距離のリード・ソロモン符号に適用可能であるた
め、(255、239)リード・ソロモン符号にも用いることが
できる。これを、表5に示す。
【0131】
【表5】
【0132】一方、従来例1(Katayama-Morioka)にお
ける計算アルゴリズムも任意の最小距離のリード・ソロ
モン符号に適用可能であるが、乗算器の個数の観点から
比較すると今回提案するアルゴリズムは、tが4以上で
は、従来例1のアルゴリズムよりもより少ない数の乗算
器しか必要としない。特に、t=8の場合には、本発明
のアルゴリズムは、約40%の乗算器の削減を実現する
ことが可能となることが示された。具体的な回路サイズ
で比較すると、t=8のとき、誤り値の計算に要するゲ
ート数は、現在約10Kゲートであるのに対して、従来
例1では、約80Kゲートを要するものと考えられる。
しかしながら、本発明におけるアルゴリズムを用いる
と、誤り多項式の計算を約40Kゲートまで削減するこ
とが可能となる。
【0133】図20には、本発明の誤り訂正装置の概略
ブロック図を示す。図20に示された誤り訂正装置は、
入力ディジタル信号を受信して符号化する符号化ブロッ
ク110と、符号化された入力ディジタル信号IDが入
力され、シンドロームを算出するための入力ブロック1
12と、復号回路を含む処理ブロック114と、誤り位
置および誤り値との出力を使用して誤りが訂正された出
力ディジタル信号ODを出力する出力ブロック116と
から構成されている。符号化ブロック110には、イン
ターリーブされた波長多重通信により送信された入力デ
ィジタル信号が入力され、例えば、リード・ソロモン符
号化され、入力ブロックへと符号化されたディジタル信
号を入力している。入力ブロック112は入力ディジタ
ル信号から順序回路を使用してシンドロームを算出し、
その出力を処理ブロック114へと送っている。
【0134】処理ブロック114には、本発明のアルゴ
リズムを実行する復号機能が含まれていて、誤り位置と
誤り値とを算出する。算出された誤り位置と、誤り値
は、出力ブロック116へと出力され、誤りが訂正さ
れ、出力ディジタル信号として出力を行っている。上述
した誤り訂正回路は、複数のハードウエアからなる誤り
訂正装置として構成することができる他、半導体技術を
利用し、各機能ブロックをシリコン・ウエハ上に構成し
たASICといった半導体デバイスとして構成すること
ができることはいうまでもないことである。さらには、
本発明のアルゴリズムは、誤り訂正装置のファームウエ
アとして実装することもできるし、またフロッピー(登
録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁
気ディスクといった記憶媒体に記録されたコンピュータ
可読なプログラムとすることもできる。また、本発明の
プログラムは、例えばオブジェクト指向のいかなる言語
や、例えばC言語といったプログラミング言語により、
記述し、上述した記録媒体内に保持させて使用すること
ができる。
【0135】上述したように、本発明によれば、高速の
光通信分野において特に効果的に誤りを訂正することを
可能とする誤り訂正方法、復号方法、誤り訂正を実行さ
せるためのプログラムおよび記録媒体を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の復号回路を示した図。
【図2】従来の光通信用誤り訂正回路を示した図。
【図3】従来の回路規模と、データ転送速度とをプロッ
トした図。
【図4】さらに別の従来の復号回路を示した図。
【図5】さらに別の従来の復号回路を示した図。
【図6】本発明の復号回路の実施の形態の概略図。
【図7】従来の構成の乗算回路を示した図。
【図8】従来の構成の乗算回路を示した図。
【図9】従来の構成の乗算回路を示した図。
【図10】図7に示す乗算回路に本発明を適用した実施
の形態を示した図。
【図11】図8に示す乗算回路に本発明を適用した実施
の形態を示した図。
【図12】図9に示す乗算回路に本発明を適用した実施
の形態を示した図。
【図13】本発明の乗算回路を使用した場合の回路サイ
ズと乗算回路数とをプロットした図。
【図14】従来の誤り多項式を示した図。
【図15】本発明におけるYule-Walker方程式の定式化
を示した図。
【図16】本発明におけるΓ (i+1)の詳細な構成
を示した図。
【図17】本発明におけるリード・ソロモン符号の復号
の詳細な計算結果を示した図。
【図18】本発明の誤り訂正アルゴリズムの概略フロー
チャート。
【図19】本発明のリード・ソロモン符号の復号回路の
概略構成を示した図。
【図20】本発明の誤り訂正装置の構成を示す概略ブロ
ック図。
【符号の説明】
10…入力部 12…処理部 14…出力部 16…シンドローム算出部 18…位置多項式係数算出部 20…誤り値多項式係数算出部 22…レジスタ 24…ANDゲート 26…XORゲート 28a,28b…imnバッファ 40…乗算回路 42…乗算回路 45a,45b…出力 46…乗算器群 47…加算器群 52…XOR群 54…XOR群 56…XOR群 60…下流側XOR群 60a,60b…XOR群 62…出力 64…出力 66…入力 68、70、72、77、78…入力 80…AND群 82…AND部 84…加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山根 敏志 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 (72)発明者 片山 泰尚 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 (72)発明者 森岡 澄夫 神奈川県大和市下鶴間1623番地14 日本ア イ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 内 Fターム(参考) 5B001 AA08 AA11 AB02 AC01 AC05 AD06 AE02 5J065 AA01 AB01 AC02 AE06 AF03 AG01 AG02 AG06 AH02 AH03 AH04 AH09 AH16

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル信号における信号処理方法で
    あって、該方法は、 ガロア体GF(2)の元を要素とする行列と、ガロア
    体GF(2)の元を要素として含むベクトルとからYu
    le-Walker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、 前記方程式を下記の行列式 として解を求めるステップと、 解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
    公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
    =Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
    せるステップと、 得られたゼロではない解に対応する最大の行列の大きさ
    として誤りの個数を決定するステップと、 誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか否か
    を判断するステップとを含む信号処理方法。
  2. 【請求項2】 前記行列式の要素は、ガロア体GF(2
    )の元を構成するシンドロームである、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記シンドロームは、波長多重通信によ
    り通信されるディジタル信号から生成される、請求項1
    または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ディジタル信号の復号または誤り訂正に
    使用される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 ディジタル信号を処理するシステムであ
    って、該システムは、受信したディジタル信号を符号化
    する符号化部と、 前記符号化されたディジタル信号を復号するための復号
    部と、 復号されたディジタル信号を出力するための出力部とを
    含み、 前記復号部は、ガロア体GF(2)の元を要素とする
    行列と、ガロア体GF(2)の元を要素として含むベ
    クトルとからYule-Walker方程式を下記、 の形式で定式化する手段と、 前記方程式を下記の行列式 として解を求める手段と、解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
    公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
    =Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
    せる手段と、 得られたゼロではない解に対応する最大の行列の大きさ
    として誤りの個数を決定する手段と、 誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか否か
    を判断する手段とを含む信号処理システム。
  6. 【請求項6】 前記符号化部は、前記受信したディジタ
    ル信号をガロア体GF(2)の元を構成するシンドロ
    ームに符号化する、請求項5に記載のシステム。
  7. 【請求項7】 前記受信したディジタル信号は、波長多
    重通信により通信される、請求項5または6に記載のシ
    ステム。
  8. 【請求項8】 前記システムは、復号または誤り訂正に
    使用される、請求項5〜7のいずれか1項に記載のシス
    テム。
  9. 【請求項9】 ディジタル信号を処理するためのプログ
    ラムであって、該プログラムは、 ガロア体GF(2)の元を要素とする行列と、ガロア
    体GF(2)の元を要素として含むベクトルとからYu
    le-Walker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、 前記方程式を下記の行列式 として解を求めるステップと、 解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
    公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
    =Λhat (l+1) Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
    せるステップと、得られたゼロではない解に対応する最
    大の行列の大きさとして誤りの個数を決定するステップ
    と、 誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか否か
    を判断するステップとを実行させるプログラム。
  10. 【請求項10】 前記行列式の要素は、ガロア体GF
    (2)の元を構成するシンドロームである、請求項9
    に記載のプログラム。
  11. 【請求項11】 前記シンドロームは、波長多重通信に
    より通信されるディジタル信号から生成される、請求項
    9または10に記載のプログラム。
  12. 【請求項12】 前記プログラムは、復号または誤り訂
    正に使用される、請求項9〜11のいずれか1項に記載
    のプログラム。
  13. 【請求項13】 誤り訂正方法に用いられるプログラム
    が記録されたコンピュータ可読な記録媒体であって、 ガロア体GF(2)の元を要素とする行列と、ガロア
    体GF(2)の元を要素として含むベクトルとからYu
    le-Walker方程式を下記、 の形式で定式化するステップと、 前記方程式を下記の行列式 として解を求めるステップと、 解 (以下Λhat (l)と略する)の計算を、Jacobiの
    公式、 Γ (l+1)Λhat (l)+(Λhat
    =Λhat (l+1)Γ を用いて、対称な行列式 (上式中、i=0,...,lである)の計算に帰着さ
    せるステップと、 得られたゼロではない解に対応する最大の行列の大きさ
    として誤りの個数を決定するステップと、 誤りの個数が訂正可能な誤りの最大個数に等しいか否か
    を判断するステップとを実行させるプログラムが記録さ
    れた記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記行列式の要素は、ガロア体GF
    (2)の元を構成するシンドロームである、請求項1
    3に記載の記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記シンドロームは、波長多重通信に
    より通信されるディジタル信号から生成される、請求項
    13または14に記載の記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記プログラムは、復号または誤り訂
    正に使用される、請求項13〜15のいずれか1項に記
    載の記録媒体。
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