JP2002330060A - 係数算出支援装置、係数算出装置、これらの係数算出支援装置または係数算出装置を実現するプログラムおよびそのプログラムが格納された記録媒体 - Google Patents

係数算出支援装置、係数算出装置、これらの係数算出支援装置または係数算出装置を実現するプログラムおよびそのプログラムが格納された記録媒体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、係数更新モジュール、係数更新装
置、これらを実現するプログラムおよびそのプログラム
が格納された記録媒体に関し、入力信号のSN比が著し
く小さい状態でも、高速に精度よく好適な係数を得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 時系列kの順に入力される入力信号uk
のN個の瞬時値からなるr(≠0)個の異なる列ベクト
ルを示すベクトルU^ιと、未知系が出力する出力信号
k のr個の瞬時値の列を示すベクトルd^ιと、所定
の数ρ(≧0)とに対してFIRフィルタに与えられるべ
き係数を示すベクトル空間において、不等式‖d^ι−
U^ιth^‖2−ρ≦0 が成立する係数ベクトルh^ の
集合である凸集合を特定する凸集合特定手段と、FIR
フィルタに先行して係数として与えられた係数ベクトル
h^kから、上記の凸集合との間に介在する分離超平面へ
の距離射影を後続する係数ベクトルh^k+1として求める
係数算出手段とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、適応フィルタの応
答あるいは状態に応じてその適応フィルタの係数を更新
する係数算出支援装置および係数算出装置と、これらの
係数算出支援装置または係数算出装置を実現するプログ
ラムと、そのプログラムが格納された記録媒体とに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル領域において高度の信
号処理を実現するDSPその他のハードウエアの低廉化
が図られ、このようなハードウエアは、伝送歪みを軽減
する適応等化器やエコーキャンセラ等を構成する主要な
デバイスとして、移動通信システムその他の多様な伝送
系に多く適用されている。
【0003】図9は、適応フィルタが適用されたシステ
ム同定系の構成例を示す図である。図において、未知系
51および適応フィルタ52の入力と計数更新部53の
一方の入力とには、時系列kの順に離散的な値をとる瞬
時値uk の列として入力信号が与えられ、その未知系5
1の出力は減算器54の一方の入力に接続される。減算
器54の出力は係数更新部53の他方の入力に接続さ
れ、その係数更新部53の出力は適応フィルタ52の係
数入力に接続される。適応フィルタ52の出力には出力
信号が得られ、その出力信号は減算器54の他方の入力
に与えられる。
【0004】なお、適応フィルタ52の構成について
は、以下では、簡単のため、N(≧2)段のFIRフィ
ルタとして構成されると仮定する。このような構成のシ
ステム同定系では、時系列kの順に未知系51の出力に
得られる未知系出力信号dk は、以下に列記する緒元に
対して下式(1) で示されるベクトルd^kとして与えられ
る。
【0005】d^k=U^t kh^*+n^k ・・・(1) ・ 既述の入力信号の時系列の順に連続するN個の瞬時
値の列uk-i、uk-i-1、…、uk-i-N+1として定義されるベ
クトルu^k-i ・ そのベクトルu^k-iが所定のr(≠0)個並べられ
てなる(サイズr×Nの)入力信号行列U^k(=[u^
k-r+1、…、u^k]) ・ 未知系51が適応フィルタ52と同様のN段のFI
Rフィルタと見なされる場合におけるその未知系のイン
パルス応答を示すベクトルh^*(=[h* 0、…、
* N-1]) ・ 出力信号に含まれる雑音(外乱)の瞬時値nk が時
系列kの順にr(≠0)個並べられてなる雑音ベクトル
n^k(=[nk、…、nk-r+1]t) ・ 雑音が重畳されて観測される未知系51の出力信号
の瞬時値dk が時系列kの順にr(≠0)個並べられて
なるその未知系51の出力ベクトルd^k(=[dk、…、d
k-r+1]t) ここに、記号「^」 はベクトル(あるいは行列)を意味
し、以下では、スカラー量との峻別を図るために、全て
のベクトル(あるいは行列)にこの記号「^」を付す
る。
【0006】また、上述した雑音については、以下(後
述する全ての実施形態を含む。)では、簡単のため、シ
ステム同定の対象となる(理想的な)未知系51の出力
端において一括して重畳されると仮定する。ここに、上
述した時系列kおよびベクトルd^kと、入力信号行列U
^kと、任意の係数ベクトルh^(=[h0、…、hN-1])に
応じて適応フィルタ52が出力する出力信号を示すベク
トル(=U^t kh^k)とに対して下式(2) で示される誤
差ベクトルe^k( h^)を定義する。
【0007】e^k(h^)=U^t kh^−d^k ・・・(2) 係数更新部53は、時系列kの周期で下記の一連の処理
を反復する。 ・ 「ベクトル空間上でこのような誤差ベクトルe^
k(h^)の長さ(ノルム)(=‖U^t kh^−d^k‖) が最
小となる係数ベクトルh^ の集合として定義される線形
多様体Vk」を特定する。
【0008】なお、線形多様体Vk は、入力信号行列U
^kとベクトルd^kとから決定されるため、未知系のr個
の出力瞬時値の情報を反映している。また、通常、N
はrに比べて十分に大き な値に設定されるので、e^k
(h^)の最小値は「0」であると見なされ得る。 ・ 「線形多様体Vk の中で時系列kの順に先行して得
られた直近の係数ベクトルh^kから最も近い距離にある
ベクトル」を「係数ベクトルh^kのこの線形多様体Vk
への距離射影(凸射影)」と称し、P^vk(h^k) と表記
する。
【0009】・ 時系列kに応じて設定される緩和係数
λk(0≦λk≦2)と、上述した係数ベクトルh^kと、射
影ベクトルP^vk(h^k) とに対して、下記の漸化式で示
されるベクトル演算を行うことによって、後続して適応
フィルタ52に与えられるべき係数を示す係数ベクトル
を更新する。 h^k+1=h^k+λk(P^vk(h^k)−h^k) ・・・(3) なお、以下、上述した距離射影を実現する処理の手順を
「アフィン射影法」という。
【0010】また、上述した距離射影を求めるために行
われるべき演算の詳細な手順については、公知であり、
かつ本発明の特徴ではないので、ここではその説明を省
略する。このような係数ベクトルh^kの方向および長さ
は、既述の線形多様体Vk(未知系のr個の出力瞬時値に
基づいて決定される。)に対する距離射影に基づいて、
適正に更新される。
【0011】したがって、係数更新部53によって係数
ベクトルh^kが「アフィン射影法」に基づいて更新され
る従来例(以下、「第一の従来例」という。)では、時
系列kの順に先行して複数回に亘って観測された未知系
51の応答が適応フィルタ52の係数の効率的な更新に
有効に適用され、システム同定の確度が高く維持され
る。
【0012】また、係数更新部53は、既述の処理を上
述した複数rに代えて「1」が適用された場合にも行う
ことによって、「アフィン射影法」の下位概念のアルゴ
リズムであるNLMS(Normalized LMS)法(学習同定
法)に基づいて係数ベクトルh^kを更新することができ
る。このようなNLMS法が適用されたシステム同定系
(以下、「第二の従来例」という。)では、「アフィン
射影法」が適用された場合に比べて所要する処理量が大
幅に少なく、かつLMS法が適用された場合に比べて収
束速度が高いので、始動時や未知系51の伝達特性の変
動に対する高速の応答が安価に達成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
一の従来例では、一般に、始動時の初期の段階において
係数ベクトルは高速に収束するが、出力信号に雑音が含
まれる場合には、上式(3) で示されるベクトル演算に基
づいて得られる係数ベクトルh^kは、以下に列記する理
由により、必ずしも所望の速度および精度で好適な速度
に収束するとは限らなかった。
【0014】・ 既述の線形多様体Vk は、出力信号に
含まれる雑音が何ら考慮されることなく求められた「ベ
クトル空間における閉凸集合」である。したがって、係
数ベクトルh^kとして求められるべき好適なあるいは真
の係数ベクトルh^* k は、ベクトル空間においてこの線
形多様体Vk(閉凸集合)の内部に常に位置するとは限ら
ない。
【0015】したがって、上式(3) に基づいて係数ベク
トルが更新される従来例では、下式で示される誤差の単
調性が保証されず、不安定であって収束速度が劣化する
場合が多かった。 ‖h^k+1−h^* k‖≦‖h^k−h^* k‖ ・ 既述の緩和係数λk の値は必ずしも好適な値には設
定されず、かつこの緩和係数λk の値を適正な値に逐次
更新するために必要な系統的な基準および演算の手順は
確立されていない。
【0016】ここに、べクトル空間上で所定の数ρ(≧
0)に対して下記の不等式(4) を満足する(既述の線形
多様体Vk が内包されることを意味する。)係数ベクト
ルh^の集合をCk(ρ) と定義する。 ‖d^k−U^t kh^‖2−ρ≦0 ・・・(4) 『このような集合Ck(ρ) に「適応フィルタ52に与え
られるべき好適な係数を示す係数ベクトルh^* k」が含
まれる確率』を与える確率密度関数は、一般に、雑音ベ
クトルn^kの長さの2乗値(=‖n^k2)として定義さ
れる確率変数に対してχ2 分布で与えられ、かつ図10
に示すように、既述の数rに応じて異なる値となる。す
なわち、集合Ck(ρ) に係数ベクトルh^* kが含まれる
確率は、図10に示す確率密度関数を「0」〜「ρ」ま
で積分した値となる。
【0017】なお、線形多様体Vk については、e^
k(h^)の最小値が既述の通りに「0」であると見なされ
得るので、Ck(0)に相当する。また、上記の雑音nk
ついては、平均値が「0」であるガウス雑音であると仮
定し、かつ上述した集合Ck(ρ) については、以下で
は、単に「実行可能集合」と称する。
【0018】したがって、値rの値が「3」以上の値に
設定された場合には、好適な係数ベクトルh^* kの算出
に要する処理量が著しく増加する(線形多様体Vk が既
述の数rに等しい本数のスカラ量の連立方程式の解の集
合であることに起因する。)にもかかわらず、h^* k
k がほとんど成立しない(係数ベクトルh^* kが線形
多様体Vk に含まれる確率がほぼ「0」となる。)ため
に、第一の従来例における収束の速度が向上するとは限
らなかった。
【0019】また、第二の従来例では、係数ベクトルの
算出に要する処理量は第一の従来例に比べて大幅に少な
いが、入力信号の相関性が高い場合には、その係数ベク
トルの値が好適な値に収束する速度が著しく低下し、必
ずしも十分な応答性は得られなかった。本発明は、SN
比が著しく小さい状態でも、入力信号の統計的な性質の
如何にかかわらず高速に精度よく好適な係数を得ること
ができる係数算出支援装置および係数算出装置と、これ
らの係数算出支援装置および係数算出装置を実現するプ
ログラムと、そのプログラムが格納された記録媒体とを
提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明にかかわ
る係数算出支援装置の原理ブロック図である。請求項1
に記載の係数算出支援装置では、凸集合特定手段12
は、時系列kの順に未知系10に入力される入力信号u
k のN個の瞬時値からなる列ベクトルがr(≠0)個並
べられてなる入力信号行列U^ιと、前記未知系10に
よって出力される出力信号dι のr個の瞬時値の列を
示すベクトルd^kと、所定の数ρ(≧0)とに対してこの
入力信号uk を濾波するFIRフィルタ11に係数とし
て与えられるべき係数ベクトルh^ を示すベクトル空間
において、不等式‖d^ι−U^ιt h^‖2−ρ≦0が成
立する係数ベクトルh^ の集合である凸集合を特定す
る。係数算出手段13は、上述したベクトル空間におい
て、時系列kの順にFIRフィルタ11の各段に先行し
て係数として与えられた係数ベクトルh^kから、その係
数ベクトルh^kと凸集合特定手段12によって特定され
た凸集合との間に介在する分離超平面への距離射影を求
め、その距離射影をこのFIRフィルタ11に後続して
与えられるべき係数ベクトルh^k+1とする。
【0021】すなわち、出力信号dι に含まれる雑音
のレベルが大きい場合であっても、上述した数ρがその
雑音の統計的な性質に適合する限り、係数ベクトルh^k
は、処理量が大幅に増加することなく、ベクトル空間に
おいて適正な方向および距離に亘って順次確度高く、か
つ速やかに更新される。したがって、NLMS法やアフ
ィン射影法が適用された従来例に比べて、多様な機器や
システムに対する適合が可能となり、かつ安価に応答性
と性能とが高められる。
【0022】請求項2に記載の係数算出支援装置では、
請求項1に記載の係数算出支援装置において、凸集合特
定手段12は、FIRフィルタ11の段数Nに対して、
列ベクトルu^k-ι1、…、u^k-ιrが並べられてなる入
力信号行列U^ιを上述した凸集合の特定に適用する。
すなわち、凸集合特定手段12によって特定される凸集
合は、必ずしも時系列kの単位時間毎には更新されな
い。
【0023】したがって、出力信号dι に含まれる雑
音の統計的な性質に対して所望の精度による係数ベクト
ルh^kの更新が達成される限り、処理量の削減が図られ
る。請求項3に記載の係数算出支援装置では、請求項1
または請求項2に記載の係数算出支援装置において、凸
集合特定手段12は、時系列kを与える単位時間の逆数
以下の頻度で前記凸集合を特定する。
【0024】すなわち、凸集合特定手段12によって特
定される凸集合は、必ずしも時系列kの単位時間毎には
更新されない。したがって、出力信号dι に含まれる
雑音の統計的な性質に対して所望の精度による係数ベク
トルh^kの更新が達成される限り、処理量の削減が図ら
れる。図2は、本発明にかかわる係数算出装置の原理ブ
ロック図である。
【0025】請求項4に記載の係数算出装置では、信号
分離手段21は、時系列kの順に異なる複数pの時刻
に、未知系10にそれぞれ入力される入力信号行列U^
k1〜U^ kpと、その未知系10によって出力される出力
信号d^ι1〜d^ιpとを並行して取得する。係数算出支
援装置22-1〜22-pは、このようにして取得された入
力信号行列U^k1〜U^kpと出力信号d^ι1〜d^ιpとに
応じて請求項1ないし請求項3に記載の発明と同じ演算
を行うことによって、FIRフィルタ11に個別に後続
する係数として与えることが可能な複数pの係数ベクト
ルh^k1〜h^kpを並行して求める。係数適正化手段23
は、これらの複数pの係数ベクトルh^k1〜h^kpと複数
pの所定の重みW1〜Wpとの積和と、時系列kの順にF
IRフィルタ11に先行して係数として与えられた係数
ベクトルh^kとの差を減少させる適応アルゴリズムに基
づいて、そのFIRフィルタ11に後続する係数として
与えられるべき係数ベクトルh^k+1を求める。
【0026】すなわち、既述のベクトル空間において単
一の凸集合と、先行して求められた係数ベクトルh^k
の間に介在する分離超平面に対するこの係数ベクトルh
^kの距離射影として、その係数ベクトルh^kが順次更新
される場合に比べて、好適な係数ベクトルh^* k に対す
る収束の確度と速度とが平均的に高められる。したがっ
て、係数算出支援装置22-1〜22-pによる分散処理の
下で性能および応答性が向上し、さらに、多様な機器や
システムに対する適用が可能となる。
【0027】請求項5に記載の係数算出装置では、請求
項4に記載の係数算出装置において、係数適正化手段2
3は、複数pの係数ベクトルh^k1〜h^kpの個別の重み
付けに供される重みW1 〜Wp として、これらの重みW
1〜Wpを示す添え番号「1」〜「p」の昇順に小さな値
を適用する。すなわち、複数pの係数ベクトルh^k1
h^kpは、それぞれ求められた時点から経過した時間が
短いほど大きく重み付けられる。
【0028】したがって、未知系10の特性と、出力信
号dk に含まれる雑音のレベルや性質との何れかが急激
に変化し得る場合であっても、FIRフィルタ11の濾
波特性は安定に好適な特性に維持される。請求項6に記
載の係数算出装置では、請求項4または請求項5に記載
の係数算出装置において、外乱監視手段24は、出力信
号dk1〜dkpに個別に含まれる雑音のレベルnk1〜nkp
を求める。係数適正化手段23は、複数pの係数ベクト
ルh^k1〜h^kpの個別の重み付けに供される重みW1
p として、このようにして求められたレベルnk1〜n
kpの降順に大きな値を適用する。
【0029】すなわち、複数pの係数ベクトルh^k1
h^kpは、それぞれ出力信号dk1〜d kpの内、個別に含
まれる雑音のレベルnk1〜nkpが低い(SN比が高い)
出力信号に応じて求められた係数ベクトルほど大きく重
み付けられる。したがって、未知系10の特性と、出力
信号dk1〜dkpに含まれる雑音のレベルや性質との何れ
かが急激に変化し得る場合であっても、FIRフィルタ
11の濾波特性は安定に好適な特性に維持される。
【0030】請求項7に記載の係数算出装置では、請求
項4ないし請求項6の何れか1項に記載の係数算出装置
において、包含凸集合特定手段25は、FIRフィルタ
11に係数として与えられるべき係数ベクトルh^ を示
すベクトル空間において、複数pの係数算出支援装置2
2-1〜22-pに個別に含まれる凸集合特定手段12-1〜
12-pによって特定された第一ないし第pの凸集合を個
別に内包し、かつ係数適正化手段23によって先行して
求められた係数ベクトルh^kが含まれない包含凸集合S
k1〜Skpを特定する。係数適正化手段23は、このよう
にして特定された包含凸集合Sk1〜Skpの何れにもFI
Rフィルタ11に先行して係数として与えられた係数ベ
クトルh^kが含まれるか否かを判別する。さらに、係数
適正化手段23は、この判別の結果が偽である場合に
は、FIRフィルタ11に先行して与えられた係数を示
す係数ベクトルh^kに対する係数算出支援装置22-1〜
22-pによって求められた複数pの係数ベクトルh^k1
〜h^kpの分散に応じて増加する値(≧1)と、規定の定
数m(0≦m≦2)との積を既述の適応アルゴリズムのス
テップサイズとして適用し、その判別の結果が真である
場合には、この定数mをステップサイズとして適用す
る。
【0031】このようなステップサイズは、係数算出支
援装置22-1〜22-pによって求められた複数pの係数
ベクトルh^k1〜h^kpに実績として含まれる誤差が大き
いほど、大きな値に設定可能となる。したがって、ステ
ップサイズが単に「2」以下の定数に設定される場合に
比べて、性能が劣化することなく上述した誤差の速やか
な圧縮が図られ、かつ応答性がさらに高められる。
【0032】請求項8に記載のプログラムは、請求項1
ないし請求項3の何れか1項に記載の係数算出支援装置
を構成する凸集合特定手段12と係数算出手段13との
双方もしくは何れか一方として、コンピュータを機能さ
せる。
【0033】したがって、本発明にかかわるプログラム
を実行するコンピュータは、請求項1ないし請求項3の
何れか1項に記載の係数算出支援装置の構成要素とな
る。請求項9に記載のプログラムは、請求項4ないし請
求項7の何れか1項に記載の係数算出装置を構成する信
号分離手段21、複数pの係数算出支援装置22-1〜2
2-p、係数適正化手段23、外乱監視手段24、包含凸
集合特定手段25の全てまたは一部として、コンピュー
タを機能させる。
【0034】したがって、本発明にかかわるプログラム
を実行するコンピュータは、請求項4ないし請求項7の
何れか1項に記載の係数算出装置の構成要素となる。請
求項10に記載の記録媒体は、請求項1ないし請求項3
の何れか1項に記載の係数算出支援装置を構成する凸集
合特定手段12と係数算出手段13との双方もしくは何
れか一方として、コンピュータを機能させるためのプロ
グラムが記録されたコンピュータ読み取り可能である。
【0035】このようなプログラムは、上述したコンピ
ュータによって実行されるべきソフトウエアまたはその
コンピュータに組み込まれたマイクロプログラムとして
構成され、このようなコンピュータとは別体の着脱可能
な記録媒体に記録されることによって流通し得る。した
がって、本発明にかかわる記録媒体からこのようなプロ
グラムを読み取って実行するコンピュータは、請求項1
ないし請求項3の何れか1項に記載の係数算出支援装置
の構成要素となる。
【0036】請求項11に記載の記録媒体は、請求項4
ないし請求項7の何れか1項に記載の係数算出装置を構
成する信号分離手段21、複数pの係数算出支援装置2
2-1〜22-p、係数適正化手段23、外乱監視手段2
4、包含凸集合特定手段25の全てまたは一部として、
コンピュータを機能させるためのプログラムが記録され
たコンピュータ読み取り可能である。
【0037】このようなプログラムは、上述したコンピ
ュータによって実行されるべきソフトウエアまたはその
コンピュータに組み込まれたマイクロプログラムとして
構成され、このようなコンピュータとは別体の着脱可能
な記録媒体に記録されることによって流通し得る。した
がって、本発明にかかわる記録媒体からこのようなプロ
グラムを読み取って実行するコンピュータは、請求項4
ないし請求項7の何れか1項に記載の係数算出装置の構
成要素となる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態について詳細に説明する。図3は、本発明の第一
の実施形態を示す図である。本実施形態と図9に示す従
来例との構成の主な相違点は、減算器54が備えられ
ず、かつ係数更新部53に代えて係数更新部31が備え
られると共に、未知系51の出力がその係数更新部31
の対応する入力に直結された点にある。
【0039】図4は、本発明の第一の実施形態の動作を
説明する図である。図5は、本発明の第一の実施形態の
動作フローチャートである。以下、図3〜図5を参照し
て本発明の第一の実施形態の動作を説明する。本実施形
態の特徴は、係数更新部31によって行われる下記の演
算の手順にある。
【0040】既述の線形多様体Vk は、図4に太い点線
で示すように、ベクトル空間において上述した実行可能
集合Ck(ρ) に内包される。また、時系列kの順に先行
して得られたベクトルd^、入力信号行列U^および係数
ベクトルh^ の内、単一または複数の共通の時系列ι
(ここでは、簡単のため、既述の時系列kの集合に含ま
れると仮定する。)にそれぞれ対応するベクトルd^
ι、U^ιおよび係数ベクトルh^ιに対して、ベクトル
空間上で上述した実行可能集合Ck(ρ) を示す実行可能
集合Cι(ρ) の外縁部は、例えば、下式で示される凸
関数gι(h^) が「0」となるh^ の集合として定義さ
れる。
【0041】 gι(h^)=‖d^ι−U^tιh^‖2−ρ ・・・(5) さらに、このような凸関数gι(h^) は全ての領域で微
分可能であるので、時系列kにおけるその凸関数gι(h
^k)の勾配(法線ベクトル)sι(h^k)は、下式で与えら
れる。 sι(h^k)=∇gι(h^k)=−2U^t(d^ι−U^tιh^k) ・・・(6) また、ベクトル空間上で、時系列kにおける実行可能集
合Ck(ρ) と係数ベクトルh^kとの間に介在する仮想的
な平面(以下、単に「分離超平面」という。)を境界と
して形成される2つ領域の内、この実行可能集合C
k(ρ) を含む一方の領域(以下、「閉半空間」とい
う。)Hι- は、下記の不等式が成立する領域として定
義される。
【0042】 (h^−h^k)tsι(h^k)+gι(h^k)≦0 ・・・(7) したがって、ベクトル空間においてこのような閉半空間
に対する係数ベクトルh^kの距離射影PHι-(h^)
は、下記の式で示される。
【数1】 ところで、上記の不等式(7) は、その不等式(7) に含ま
れる係数ベクトルh^が時系列kにおいて先行して適応
フィルタ52に係数として与えられた係数ベクトルh^k
に等しい場合には、下記の不等式(10)で代替される。
【0043】 gι(h^k)≦0 ・・・(10) さらに、上述した距離射影PHι-(h^) が時系列kに
後続する時系列(k+1)において適応フィルタ52に係
数として与えられるべき係数ベクトルh^k+1に該当する
場合には、上式(8)、(9)はそれぞれ下記の漸化式(11)、
(12)に変形可能である。
【数2】 係数更新部31は、適応フィルタ52の係数が更新され
るべき所定の周期(時系列kの昇順に与えられる。)で
下記の処理(1)〜(4)を反復する。 (1) 係数ベクトルh^k(始動時には所定の初期値として
与えられる。)に応じて上式(5) で示される算術演算を
行うことによって、凸関数gι(h^k) の値を求める(図
5(1))。
【0044】(2) その値に基づいて上記の不等式(10)が
成立するか否かの判別を行う(図5(2))。 (3) この判別の結果が真である場合には、「先行して求
められた係数ベクトルh^kがベクトル空間上において既
述の閉半空間に位置すること」を意味するので、上式(1
1)に基づいてその係数ベクトルh^kを何ら更新すること
なく後続して適応フィルタ52に与えられるべき係数を
示す係数ベクトルh^k+1として確定する(図5(3))。
【0045】(4) しかし、上述した判別の結果が偽であ
る場合には、「先行して求められた係数ベクトルh^k
ベクトル空間上において既述の閉半空間に位置しないこ
と」を意味するので、下記の一連の処理を行う。 ・ 上式(5) に示す算術演算を行うことによって、必要
に応じて係数ベクトルh^kに対する凸関数gι(h^k)の
値を算出する(図5(4))。
【0046】・ 上式(6) に示す算術演算を行うことに
よって、係数ベクトルh^kに対する法線ベクトルsι(h
^k)を算出する(図5(5))。 ・ 上式(12)に示す算術演算を行うことによって、後続
して適応フィルタ52に与えられるべき係数を示す係数
ベクトルh^k+1を算出する(図5(6))。 ・ その係数ベクトルh^k+1で示される新たな係数を適
応フィルタ52に与える(図5(7))。
【0047】すなわち、既述の線形多様体Vk に代え
て、その線形多様体Vk を内包する実行可能集合C
k(ρ) が適用され、かつこのような係数ベクトルh^k+1
は、 ベクトル空間上においてこの実行可能集合C
k(ρ) と、先行して得られた係数ベクトルh^kとの間に
介在する分離超平面に対するその係数ベクトルh^kの距
離射影として順次更新される。
【0048】このように本実施形態によれば、出力信号
に含まれる雑音のレベルが大きい場合であっても、係数
ベクトルh^kは、既述の数ρがその雑音の統計的な性質
に整合する値に設定される限り、線形連立方程式の解法
が行われることなく時系列kの順に精度よくかつ速やか
に求められ、さらに、無用に変動することなく好適な値
に収束する。
【0049】図6は、本発明の第二および第三の実施形
態を示す図である。図において、図3に示す実施形態と
の構成の主要な相違点は、係数更新部31に代えて係数
更新部40が備えられた点にある。係数更新部40は、
下記の要素から構成される。 ・ 未知系51および適応フィルタ52の入力と共に、
既述の入力信号uk が与えられるq(≧2)段のシフトレ
ジスタ41 ・ 入力に未知系51の出力が直結されたq(≧2)段の
シフトレジスタ42 ・ 一方の入力に上述した入力信号uk が与えられ、か
つ他方の入力が未知系51の出力に直結された分散演算
部43-0 ・ シフトレジスタ41、42の初段ないし第q(≧2)
段の出力にそれぞれ直結された2つの入力を有する分散
演算部43-1〜43-q ・ これらの分散演算部43-0〜43-qの出力にそれぞ
れ直結された(q+1)個の入力を有し、かつ出力が適応
フィルタ52の係数入力に直結された係数算出部44 以下、図6を参照して本発明の第二の実施形態の動作を
説明する。
【0050】シフトレジスタ41は、既述の入力信号u
kに所定の周期の整数i(1≦i≦q)倍の時間に亘る遅
延を時系列kの順に与えることによって、q個の入力信
号u kiを並行して出力する。シフトレジスタ42は、既
述の未知系出力信号dk に所定の周期の整数i(1≦i
≦q)倍の時間に亘る遅延を時系列kの順に与えること
によって、q個の未知系出力信号dkiを並行して出力す
る。
【0051】なお、以下では、分散演算部43-0〜43
-qに共通の事項については、添え番号「0」〜「q」に
代えて、これらの添え番号「0」〜「q」の何れにも該
当し得ることを示す添え文字「i」を用いて記述する。
また、シフトレジスタ41、42の入力端にそれぞれ与
えられる入力信号および未知系出力信号については、以
下では、上述した整数iの値が「0」であることを前提
してそれぞれ入力信号Ukiおよび未知系出力信号dki
表記する。
【0052】分散演算部43-iは、上述した入力信号u
kiおよび未知系出力信号dkiとに応じて既述の第一の実
施形態に備えられた係数更新部31によって行われる演
算と同じ演算を並行して行うことによって、添え文字
「i」が末尾に付加された係数ベクトルh^ki を時系列
の順に並行して求める。係数算出部44は、このように
して並行して求められた係数ベクトルh^k0 〜h^kq
と、先行して適応フィルタ52に係数として与えられた
係数ベクトルh^kと、総和が「1」である(q+1)個
の重みw0〜wqと、規定の緩和係数μk(ここでは、簡単
のため、「0」以上であり、かつ「2」以下である定数
に予め設定されると仮定する。)とに対して下記の漸化
式(13)で示される算術演算を行うことによって、その係
数ベクトルh^kを更新する。
【数3】 さらに、係数算出部44は、このように更新された最新
の係数ベクトルh^k+1で示される係数を適応フィルタ5
2に設定する。すなわち、「ベクトル空間上において好
適な係数ベクトルh^* k を含む実行可能集合Cki(ρ)
と、先行して求められた係数ベクトルh^kとの間に介在
する分離超平面」に対する係数ベクトルh^ki の距離射
影が分散演算部43-0〜43-qによって並行して求めら
れ、かつ係数ベクトルh^kはこれらの距離射影の重み付
きベクトル和の誤差の単調な減少を図る適応アルゴリズ
ムに基づいて順次更新される。
【0053】したがって、本実施形態によれば、「ベク
トル空間上において単一の実行可能集合Ck(ρ) と、先
行して求められた係数ベクトルh^kとの間に介在する分
離超平面」に対するこの係数ベクトルh^kの距離射影と
して、その係数ベクトルh^kが順次更新される既述の第
一の実施形態に比べて、好適な係数ベクトルh^* k に対
する収束の確度と速度とが平均的に高められる。
【0054】したがって、本実施形態にかかわるシステ
ム同定系では、例えば、既述の値ρが大きい場合には、
始動時における係数ベクトルh^kの収束に時間を要する
(図7(a)(1)) が、その値ρが適正な値に設定される限
り、既述の好適な係数ベクトルh^* k に対する相対的な
誤差(同定誤差)は、入力信号の相関性と値rとの如何
にかかわらず、未知系51で入力信号に重畳される雑音
のレベルが大きい場合であっても、第一および第二の従
来例に比べて大幅に改善され(図7(a)(2)、(3)、(b)(1)
〜(3)、図8(a)(1)〜(3)、(b)(1)〜(3))、かつ応答性が
高められる。
【0055】なお、本実施形態では、重みw0〜wqの値
が具体的に示されていないが、これらの重みw0〜wq
値は、例えば、下記の何れの値に設定されてもよい。 ・ 共通の値(=1/(q+1))…未知系51の伝送特性
や出力信号に含まれる雑音のレベルの変動に起因する精
度や応答性の低下が許容される場合には好適である。
【0056】・ 下記の不等式で示されるように時系列
の降順に小さな値…未知系51の伝送特性の変化に起因
する精度や応答性の低下が軽減されるべき場合に好適で
ある。 w0≧w1≧…≧wq ・・・(14) ・ 出力信号に含まれる雑音のレベル(例えば、既述の
式(2) に基づいて分算演算部43-iによって個別に求め
られた誤差ベクトルe^ki の絶対値)の降順に大きな値
…雑音のレベルの変動に起因する精度や応答性の低下が
軽減されるべき場合に好適である。
【0057】以下、図6を参照して本発明の第三の実施
形態について説明する。本実施形態と既述の第二の実施
形態との構成の相違点は、図6に点線で示すように、係
数算出部44の出力が分散処理部43-0〜43-qの対応
する入力に接続された点にある。以下、本実施形態の動
作を説明する。
【0058】本実施形態の特徴は、既述の緩和係数μk
が下記の手順に基づいて適宜更新される点にある。分散
演算部43-iは、ベクトル空間において既述の実行可能
集合Cki(ρ)を内包し、かつ先行して係数算出部44に
よって適応フィルタ52に係数として与えられた係数ベ
クトルh^kが含まれない仮想的な集合(以下、「包含凸
集合」という。)Skiを適宜特定し、かつ係数算出部4
4にその包含凸集合Skiを通知する。
【0059】係数算出部44は、このようにして通知さ
れた(q+1)個の包含凸集合Sk0〜Skqの何れにも、適
応フィルタ52に先行して係数として与えられた係数ベ
クトルh^kが含まれないか否かの判別を行う。また、係
数算出部44は、その判別の結果に応じて下式(15)で示
される変数M k の値を求める。
【数4】 上述した判別の結果が真である場合における上式(15)の
分子は、「先行して求められた係数ベクトルh^kに対す
る既述の距離射影h^k0〜h^kq(分散演算部43-0〜4
3-qによって並行して求められる。)の誤差のエネルギ
ーの重み付き総和」に該当し、かつ同式の分母は「その
係数ベクトルh^kに対するこれらの距離射影h^k0〜h^
kqの誤差のエネルギーの加重平均」に該当する。
【0060】すなわち、変数Mk は、既述の「先行して
求められた係数ベクトルh^kに対する距離射影h^k0
h^kqの誤差のエネルギーの重み付き総和」に対して単
調に増加し、かつ既述の緩和係数μk が「2」を上回る
ことが許容されるべる限度に相当する「1」以上の値と
なる。
【0061】係数算出部44は、規定の定数m(0≦m
≦2)と上述した変数Mk とに対して下式(16)で示され
る緩和係数μk を求め、その緩和係数μk が適用される
点を除いて既述の第二の実施形態と同じ演算を行うこと
によって、係数ベクトルh^kを順次更新する。 μk =m・Mk ・・・(16) したがって、本実施形態によれば、既述の第二の実施形
態に比べて精度が低下することなく係数ベクトルh^k
高速に更新される。
【0062】なお、本実施形態では、上式(15)に示す算
術演算は、既述の係数ベクトルh^kに対する距離射影h
^k0〜h^kqの分散(偏差の分布)に応じて増加する適正
な値として変数Mk が算出される限り、如何なる算術演
算で代替されてもよい。また、上述した各実施形態で
は、値ρの値が具体的に示されていない。このような値
ρは、例えば、出力信号に含まれる雑音(ここでは、簡
単のため「白色雑音」であると仮定する。)の電力σ2
が既知である場合には、図10に示すχ2 分布の平均m
ξ(=rσ2)、分散σξ2(=2rσ4)、極大値ξ(=(r
−2)σ2) に対して、下記の通りに一義的に定まる値ρ
1〜ρ4の何れに設定されてもよい。
【0063】・ ρ1=mξ+σξ=(r+√2)σ2 ・ ρ2=mξ=rσξ2 ・ ρ3=max[(r−2)σ2,0] ・ ρ4=ρ3+ασξ (α>0) さらに、上述した各実施形態では、図3および図6に示
すシステム同定系に本発明が適用されている。
【0064】しかし、本発明は、このようなシステム同
定系に限定されず、例えば、下記の多様な装置に適用可
能であり、これらの装置の性能および信頼性は、従来例
が適用された場合に比べてコストの増加や信頼性の低下
を伴うことなく大幅に、かつ確度高く高められる。
【0065】・ 伝送路や通信路の伝送特性の変動に高
速に、かつ柔軟に適応し、その伝送路や通信路で生じた
伝送歪みの影響を抑圧する適応等化器 ・ 伝送路や通信路の伝送特性の変動に高速に、かつ柔
軟に適応し、その伝送路や通信路で生じたエコーを除去
するエコーキャンセラ ・ スピーカからマイクロフォンに至る帰還路を介して
音響領域で行われる正帰還に起因するハウリングを回避
するハウリングキャンセラ ・ エンジン(車両、航空機、船舶等に搭載され
る。)、空調装置その他の装置によって発生した騒音を
能動的に音響領域で抑圧するアクティブノイズキャンセ
ラ また、上述した各実施形態では、各部が専用のハードウ
エアとして構成されている。
【0066】しかし、本発明はこのような構成に限定さ
れず、例えば、構成要素の全てが単一のプロセッサやD
SPによって実行されるソフトウエア(蓄積論理)とし
て実現され、あるいは構成要素の全てまたは一部が如何
なる形態で負荷分散や機能分散が図られてもよい。さら
に、上述した各実施形態では、更新された係数ベクトル
h^k+1で示される係数が適応フィルタ52に直接与えら
れている。
【0067】しかし、本発明はこのような構成に限定さ
れず、例えば、更新された係数ベクトルh^k+1に何らか
の付加処理を施すことによって新たな係数を求め、さら
にその係数を適応フィルタ52に与える手段が別途備え
られてもよい。また、本発明は、上述した実施形態に限
定されるものではなく、本発明の範囲において、多様な
形態による実施形態の実現が可能であり、かつ構成装置
の一部もしくは全てに如何なる改良が施されてもよい。
【0068】
【発明の効果】上述したように請求項1に記載の発明で
は、好適なあるいは真の係数ベクトルh^* kを高い確率
で含む凸集合Ck(ρ) が時系列の順に特定され、その凸
集合Ck(ρ) を包含する包含凸集合に対する距離射影と
して係数ベクトルh^kが更新されることによって、この
係数ベクトルh^kに含まれる誤差の単調性が確度高く保
証される。
【0069】したがって、NLMS法やアフィン射影法
が適用された従来例に比べて、多様な機器やシステムに
対する適合が可能となり、かつ安価に応答性と性能との
双方が高められる。また、請求項2および請求項3に記
載の発明では、処理量の削減が図られる。さらに、請求
項4に記載の発明では、性能および応答性が向上し、か
つ多様な機器やシステムに対する適用が可能となる。
【0070】また、請求項5および請求項6に記載の発
明では、未知系の特性と、出力信号に含まれる雑音のレ
ベルや性質との何れかが急激に変化し得る場合であって
も、FIRフィルタの濾波特性が安定に好適な特性に維
持される。さらに、請求項7に記載の発明では、ステッ
プサイズが単に「2」以下の定数に設定される場合に比
べて、性能が劣化することなく応答性が高められる。
【0071】また、請求項8に記載の発明にかかわるプ
ログラムを実行するコンピュータは、請求項1ないし請
求項3の何れか1項に記載の係数算出支援装置の構成要
素となる。さらに、請求項9に記載の発明にかかわるプ
ログラムを実行するコンピュータは、請求項4ないし請
求項7の何れか1項に記載の係数算出装置の構成要素と
なる。
【0072】また、請求項10に記載の記録媒体からプ
ログラムを読み取って実行するコンピュータは、請求項
1ないし請求項3の何れか1項に記載の係数算出支援装
置の構成要素となる。
【0073】さらに、請求項11に記載の記録媒体から
プログラムを読み取って実行するコンピュータは、請求
項4ないし請求項7の何れか1項に記載の係数算出装置
の構成要素となる。すなわち、上述したFIRフィルタ
に係数として与えられるべき係数ベクトルは、コストが
増加し、あるいは構成が著しく複雑化することなく、入
力信号の統計的な性質の如何にかかわらず的確な基準に
基づいて安定に、かつ速やかに更新される。
【0074】したがって、これらの発明が適用された機
器や信号処理系では、例えば、入力信号の相関性が高
く、あるいはその入力信号の統計的な性質が刻々と変化
し得る場合にも、柔軟に、かつ精度よく所望の伝達特性
や濾波特性が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる係数算出支援装置の原理ブロ
ック図である。
【図2】本発明にかかわる係数算出装置の原理ブロック
図である。
【図3】本発明の第一の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の第一の実施形態の動作を説明する図で
ある。
【図5】本発明の第一の実施形態の動作フローチャート
である。
【図6】本発明の第二および第三の実施形態を示す図で
ある。
【図7】本発明の第二の実施形態における同定誤差を示
す図(1) である。
【図8】本発明の第二の実施形態における同定誤差を示
す図(2) である。
【図9】適応フィルタが適用されたシステム同定系の構
成例を示す図である。
【図10】従来例の課題を説明する図である。
【符号の説明】
10,51 未知系 11 FIRフィルタ 12 凸集合特定手段 13 係数算出手段 21 信号分離手段 22 係数算出支援装置 23 係数適正化手段 24 外乱監視手段 25 包含凸集合特定手段 31,40,53 係数更新部 41,42 シフトレジスタ 43 分散演算部 44 係数算出部 52 適応フィルタ 54 減算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H03H 17/06 633 H03H 17/06 633Z (72)発明者 山田 健雄 神奈川県横浜市南区南太田1−14−11− 202 Fターム(参考) 5B056 BB28 BB51 5C021 PA36 PA53 PA58 PA66 PA67 PA72 PA77 RB07 RC06 XB13 YA01 YA34 YA44 5J023 DA03 DB03 DC07 DD07 5K046 AA05 BA06 BB05 EE06 EE15 EF15 EF21 EF24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列kの順に未知系に入力される入力
    信号uk のN個の瞬時値からなる列ベクトルがr(≠
    0)個並べられてなる入力信号行列U^ιと、前記未知
    系によって出力される出力信号dk のr個の瞬時値の列
    を示すベクトルd^ιと、所定の数ρ(≧0)とに対して
    この入力信号uk を濾波するFIRフィルタに係数とし
    て与えられるべき係数ベクトルh^ を示すベクトル空間
    において、不等式‖d^ι−U^ιth^‖2−ρ≦0 が成
    立する係数ベクトルh^ の集合である凸集合を特定する
    凸集合特定手段と、 前記ベクトル空間において、前記時系列kの順に前記F
    IRフィルタの各段に先行して前記係数として与えられ
    た係数ベクトルh^kから、その係数ベクトルh^k と前
    記凸集合特定手段によって特定された凸集合との間に介
    在する分離超平面への距離射影を求め、その距離射影を
    このFIRフィルタに後続して与えられるべき係数ベク
    トルh^k+1とする係数算出手段とを備えたことを特徴と
    する係数算出支援装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の係数算出支援装置にお
    いて、 前記凸集合特定手段は、 前記FIRフィルタの段数Nに対して、前記r個の異な
    る列ベクトルu^k-ι1、…、u^k-ιrが並べられてなる
    入力信号行列U^ιを前記凸集合の特定に適用すること
    を特徴とする係数算出支援装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の係数算
    出支援装置において、 前記凸集合特定手段は、 前記時系列kを与える単位時間の逆数以下の頻度で前記
    凸集合を特定することを特徴とする係数算出支援装置。
  4. 【請求項4】 時系列kの順に異なる複数pの時刻に、
    未知系にそれぞれ入力される入力信号行列U^k1〜U^kp
    と、その未知系によって出力される出力信号d^ι1〜d
    pとを並行して取得する信号分離手段と、 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載され、かつ
    前記信号分離手段によって取得された入力信号行列U^
    k1〜U^kpと出力信号d^ι1〜d^ιpとに応じて、FI
    Rフィルタに個別に後続する係数として与えることが可
    能な複数pの係数ベクトルh^k1〜h^kpを並行して求め
    る複数pの係数算出支援装置と、 前記係数算出支援装置によって求められた複数pの係数
    ベクトルh^k1〜h^kpと複数pの所定の重みW1〜Wp
    の積和と、前記時系列kの順に前記FIRフィルタに先
    行して係数として与えられた係数ベクトルh^kとの差を
    減少させる適応アルゴリズムに基づいて、そのFIRフ
    ィルタに前記後続する係数として与えられるべき係数ベ
    クトルh^k+1を求める係数適正化手段とを備えたことを
    特徴とする係数算出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の係数算出装置におい
    て、 前記係数適正化手段は、 前記複数pの係数ベクトルh^k1〜h^kpの個別の重み付
    けに供される重みW1〜Wp として、これらの重みW1
    pを示す添え番号「1」〜「p」の昇順に小さな値を
    適用することを特徴とする係数算出装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の係数算
    出装置において、 前記出力信号dk1〜dkpに個別に含まれる雑音のレベル
    k1〜nkpを求める外乱監視手段を備え、 前記係数適正化手段は、 前記複数pの係数ベクトルh^k1〜h^kpの個別の重み付
    けに供される重みW1〜Wp として、前記外乱監視手段
    によって求められたレベルnk1〜nkpの降順に大きな値
    を適用することを特徴とする係数算出装置。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6の何れか1項に
    記載の係数算出装置において、 前記FIRフィルタに係数として与えられるべき係数ベ
    クトルh^ を示すベクトル空間において、複数pの係数
    算出支援装置に個別に含まれる凸集合特定手段によって
    特定された第一ないし第pの凸集合を個別に内包し、か
    つ前記係数適正化手段によって先行して求められた係数
    ベクトルh^kが含まれない包含凸集合S k1〜Skpを特定
    する包含凸集合特定手段を備え、 前記係数適正化手段は、 前記包含凸集合特定手段によって特定された包含凸集合
    k1〜Skpの何れにも前記FIRフィルタに先行して係
    数として与えられた係数ベクトルh^kが含まれるか否か
    を判別し、その判別の結果が偽である場合には、この係
    数ベクトルh^kに対する前記係数算出支援装置によって
    求められた複数pの係数ベクトルh^k1〜h^kpの分散に
    応じて増加する値(≧1)と、規定の定数m(0≦m≦2)
    との積を前記適応アルゴリズムのステップサイズとして
    適用し、この判別の結果が真である場合には、その定数
    mをこのステップサイズとして適用することを特徴とす
    る係数算出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項3の何れか1項に
    記載の係数算出支援装置を構成する凸集合特定手段と係
    数算出手段との双方もしくは何れか一方として、コンピ
    ュータを機能させるためのプログラム。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし請求項7の何れか1項に
    記載の係数算出装置を構成する信号分離手段、複数pの
    係数算出支援装置、係数適正化手段、外乱監視手段、包
    含凸集合特定手段の全てまたは一部として、コンピュー
    タを機能させるためのプログラム。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項3の何れか1項
    に記載の係数算出支援装置を構成する凸集合特定手段と
    係数算出手段との双方もしくは何れか一方として、コン
    ピュータを機能させるためのプログラムが記録されたコ
    ンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし請求項7の何れか1項
    に記載の係数算出装置を構成する信号分離手段、複数p
    の係数算出支援装置、係数適正化手段、外乱監視手段、
    包含凸集合特定手段の全てまたは一部として、コンピュ
    ータを機能させるためのプログラムが記録されたコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
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