JP2002328506A - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JP2002328506A
JP2002328506A JP2001265320A JP2001265320A JP2002328506A JP 2002328506 A JP2002328506 A JP 2002328506A JP 2001265320 A JP2001265320 A JP 2001265320A JP 2001265320 A JP2001265320 A JP 2001265320A JP 2002328506 A JP2002328506 A JP 2002328506A
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gas
electrode
charged
ion
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Tatsuya Sato
達哉 佐藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成でオゾン及びNOx等の問題物質
の発生を防止すると共に、帯電均一性も向上することが
できる帯電装置を提供する。 【解決手段】 気体のイオンに伝導性を有する固体電解
質の少なくとも一部に電極を設け、該電極にコロナ放電
開始電圧以下の電圧を通電することによって前記固体電
解質に接触する気体の少なくとも一部を直接イオン化さ
せるイオン源と、前記イオン源を取り囲むシールドによ
り形成されるイオン生成空間部と、前記イオン源でイオ
ン化された前記気体を前記イオン源の外部に生成イオン
として引き出す引出手段と、前記生成イオンを被帯電体
に向け放出する放出手段とを備え、前記生成イオンによ
り前記被帯電体を帯電させる帯電装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は帯電装置に係り、特
に固体電解質を用いて生成させたイオンによって、例え
ば電子写真方式の画像形成装置における感光体等の被帯
電体を帯電させる帯電装置に関するものである。近年の
環境意識の向上から、UL規格、TUV規格、BAM規
格など、複数の国、地域で複数の団体により電子写真方
式の画像形成装置に対して、発生するオゾン量を規制す
るための規格が設定されるようになっている。
【0002】
【従来の技術】帯電装置の放電により発生するNOxに
起因する物質は、被帯電体に付着し吸湿するので、その
表面電位を低下させ不良画像が発生するという不具合を
生じさせる。さらに、帯電装置の放電により発生するオ
ゾンは環境保全の面から低減させることが必要である。
【0003】従来のコロナ帯電器、ローラ帯電器、ブラ
シ帯電器、さらには固体帯電器についても上記点に考慮
した多くの提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コロナ帯電器は、最も
多く利用されている帯電方式である。この帯電方式は非
常に多くのオゾンおよびNOxを発生させる。そこで、
例えば特開平9−114192号公報に開示されるよう
にオゾンの発生量を低減する手段が提案されている。こ
こでは、非常に細い40〜50ミクロンのワイヤを用い
て放電を行うことによりオゾン等を50%以下に低減し
ている。また、特開平6−324556号公報にはワイ
ヤの3方を囲むように配置された金属筐体と解放部近傍
に金属メッシュ電極を配置し、ワイヤから発生したオゾ
ンを閉じこめ、オゾン分子の衝突確率を高めることによ
り放出されるオゾン量の低減を図っている。
【0005】しかし、前記技術ではせいぜい50%程度
のオゾン量の低減しかできず、オゾン吸着剤等との併用
が必要であった。
【0006】また、ローラ帯電器は、例えば特開昭56
−91253号公報で提案され、近年、盛んに検討され
ている帯電方式である。この方式はオゾンの発生を非常
に少なくでき、有望視されている。しかし、帯電が不均
一になりやすい。ローラ表面のトナー汚染、印加するバ
イアス交流による振動、画像にモワレなどが生じやす
い、回転体であり、ローラ表面クリーニングが必要にな
るために部材が多い等、の問題がある。さらに、被帯電
体となる感光体の感光層が絶縁破壊されてピンホールが
発生し易く、振動音、帯電ローラ跡(可塑剤)、ローラ
の永久変形等が生じ易いといった問題もある。
【0007】また、ブラシ帯電器については、例えば特
公昭55−29837号公報の提案がある。このブラシ
帯電器の場合には、筋状帯電むら、環境変動、低温スト
リーマ放電。白斑点、感光体磨耗、磨耗感光体の蓄積、
ブラシの抜け、感光体傷に対する異常放電に起因するブ
ラシの溶融等、の問題が指摘されている。
【0008】また、固体帯電器については、例えば特開
昭54−53537号公報に提案がある。そして、特開
平5−94077号公報には絶縁部材上に放電電極を、
微小間隔を介して多数併設する装置が提案され、特開平
6−75457号公報には帯電器と非記録体との間隔を
500〜3000μmに設定することにより、イオンの
飛距離を短くしてオゾンの拡散を抑制すると共にトナー
などの付着を防止について提案されている。また、特開
平9−244350号公報には板状基板上の放電電極と
その外周に配設する沿面グロー放電手段と帯電器全体を
覆うカバーを備えた放電装置、特開平9−115646
号公報には平面型固体放電装置の電極材料に特定の仕事
関数の材料を用いる事によるNOxの低減を提案してい
る。
【0009】しかし、上記固体帯電器は装置を小型化で
きるなどの利点はあるものの、放電面積が広く、オゾン
やNOxなどの問題物質の低減は十分になされていな
い。
【0010】さらに、上記オゾンを除くためのオゾン吸
着剤についての提案もある。このオゾン吸着剤は発生し
たオゾンを活性炭などの触媒機能により酸化したり、表
面に吸着させる。しかし、経時劣化が生じるためにオゾ
ンフィルタの交換、メンテナンスが必要となる。
【0011】さらには、特許2795080号には固体
電解質を利用し、気体の直接イオン化によるイオンを帯
電に利用する帯電装置が提案されている。しかしなが
ら、固体電解質が被帯電体に対向する位置にあり、かつ
固体電解質と被帯電体の間の電界のみによりイオンを搬
送するため、被帯電体の電位に固体電解質の電位が影響
されることとなり、固体電解質に印加できる電圧には、
被帯電体の電位設定による制約があった。
【0012】したがって、本発明は前述した従来の問題
を鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成
でオゾン及びNOx等の問題物質の発生を防止すると共
に帯電均一性も向上することができる帯電装置を提供す
ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1に記
載の如く、気体のイオンに伝導性を有する固体電解質の
少なくとも一部に電極を設け、該電極にコロナ放電開始
電圧以下の電圧を通電することによって前記固体電解質
に接触する気体の少なくとも一部を直接イオン化させる
イオン源と、前記イオン源を取り囲むシールドにより形
成されるイオン生成空間部と、前記イオン源でイオン化
された前記気体を前記イオン源の外部に生成イオンとし
て引き出す引出手段と、前記生成イオンを被帯電体に向
け放出する放出手段とを備え、前記生成イオンにより前
記被帯電体を帯電させる帯電装置、によって達成され
る。
【0014】また、請求項2に記載の如く、請求項1に
記載の帯電装置において、前記固体電解質は、希土類金
属の酸化物を添加した安定化ジルコニア、希土類金属の
酸化物を添加した部分安定化ジルコニア、アルカリ土類
金属の酸化物を添加した安定化ジルコニア、アルカリ土
類金属の酸化物を添加した部分安定化ジルコニア、希土
類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の酸化物の混合物
を添加した安定化ジルコニア及び希土類金属の酸化物及
びアルカリ土類金属の酸化物の混合物を添加した部分安
定化ジルコニアから成る群から選択されたいずれか1つ
である、構成を採用することができる。
【0015】また、請求項3に記載の如く、請求項1又
は2に記載の帯電装置において、前記イオン生成空間部
へ導入される気体の経路に粒子除去用フィルターを配備
する、ことが好ましい。
【0016】また、請求項4に記載の如く、請求項1か
ら3のいずれかに記載の帯電装置において、前記イオン
生成空間部へ導入される気体の経路に、イオン中和防止
のためのイオンフィルター用電極を配備する、ことが好
ましい。
【0017】また、請求項5に記載の如く、請求項1か
ら4のいずれかに記載の帯電装置において、前記イオン
源と前記被帯電体との間に、該被帯電体面に平行で前記
生成イオンが通過しうる形状の補助電極を配設し、該補
助電極に電圧を印加して生成イオンを前記被帯電体に向
かって引き出す、ように構成していもよい。
【0018】さらに、請求項6に記載の如く、請求項1
から5のいずれかに記載の帯電装置において、前記イオ
ン生成空間部に気体を導入する圧縮気体供給手段を設け
ると共に、該圧縮気体供給手段により供給された圧縮気
体を、前記生成イオンを生成し得る成分に関して高濃度
成分側と低濃度成分側とに分離する気体分離手段を備
え、前記気体分離手段により分離された気体成分の内、
前記高濃度成分側を前記イオン生成空間部へ導入する、
構成としてもよい。
【0019】また、請求項7に記載の如く、請求項1か
ら6のいずれかに記載の帯電装置において、前記電極が
白金族の金属又は白金族の合金からなっていることが好
ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施例を説明する。なお、以下の実施例では通所の環境で
ある空気(気体)中に帯電装置を設置した場合を想定し
て説明するが、これに限定するものではなく他の気体中
で本実施例の帯電装置を駆動してもよい。本実施例では
被帯電体を帯電させるために酸素イオンを生成させる場
合を例に取り説明する。 (第1実施例)図1は第1実施例の帯電装置100の概
要を示す斜視図、図2は帯電装置100の内部構成とこ
れにより帯電される被帯電体116について示した図で
ある。
【0021】帯電装置100は、シールド102に形成
されたイオン生成空間部107内に、空気中に存在する
気体のイオンについて伝導性を有するイオン源101を
設置し、このイオン源101には電源109からの所定
の電圧が印加されるようになっている。このイオン源1
01の構成については、後のおいて詳細に説明するが、
固体電解質の少なくとも一部に電極が設けられ、この電
極にコロナ放電開始電圧以下の電圧が電源109から供
給されるようになっている。この固体電解質に接触する
気体の少なくとも一部を直接イオン化するものである。
【0022】イオン生成空間部107に対して気体(空
気)の導入路105、送風ファン106や圧縮気体供給
手段などの気体送り込み手段が配設されており、イオン
生成空間部107内に気体を送り込むことができるよう
になっている。
【0023】また、上記イオン生成空間部107には、
導入された気体およびここで生成されたイオンを放出す
るための放出口108が形成されている。
【0024】以上のような構成からなる帯電装置100
を用いて被帯電体116の帯電を行う場合には、図2に
示すように帯電装置100の放出口108を被帯電体1
16に対して所定間隔をもって対向配置させる。
【0025】この帯電装置100は、次のように動作す
る。前述したようにここで導入される気体は空気であ
る。空気は、気体送り込み手段(例えば送風ファン)1
06により発生する気流に従い、導入路105からイオ
ン生成空間部107内へ導入される。このとき図3に示
すように、空気中の酸素は前記イオン源101の固体電
解質A上の電極Bからの電子eを得てイオン化され、
酸素イオン(O2−)となる。この酸素イオンは固体電
解質Aの中をアノード側すなわちプラス側に泳動され、
固体電解質Aの電極Bと反対側の表面に達する。そし
て、固体電解質Aの電極Bと反対側の表面に到達した酸
素イオンは、電極Bとイオンを引き出す引出手段として
の電極103の間に形成される電界Eによって、空気中
に取り出される。本発明ではこのようにイオン生成空間
部107内に取り出したイオンを生成イオンという。
【0026】ここで電極103とイオン源101の間の
電界は、気体に電離を生じさせない強さ、すなわちコロ
ナ放電を開始しない大きさに制御されている。
【0027】上記のように発生した生成イオンは気流と
共に放出口108に向かって移動することにより、イオ
ン流が発生する。
【0028】また、このとき放出口108と被帯電体1
16との間に、イオン生成空間部107において発生し
た生成イオンおよび電子が被帯電体116側に向けて加
速流動するような電界が形成されるよう、上記被帯電体
116側には放出手段となるバイアス電源120が印加
されている。
【0029】放出口108から外部に向かう気流、およ
び放出口108と被帯電体116との間の電位差により
形成される電界により、放出口108に向けて移動した
イオン流が被帯電体116上に接触することによって、
被帯電体116が帯電される。
【0030】なお、空気の代わりに純粋な酸素ガスが導
入された場合にも、もちろんイオンを発生させることが
可能である。
【0031】以上のように本実施例の帯電装置において
は、固体電解質による直接イオン化のみを利用してイオ
ンを発生させるため、通常のコロナ放電方式のように反
応活性なラジカルが発生する箇所がない。よって、放電
生成物として問題となるオゾンやNOxの生成がほとん
ど起こらない。
【0032】さらに、固体電解質に印加できる電圧に
は、被帯電体の電位設定による制約がないため、固体電
解質が被帯電体に対向する場合に比べイオン発生量を多
くできる電圧設定が可能となる。
【0033】また、前記放出口8の形状や位置によりイ
オン量の分布を調整できるため、シールド内のイオン源
の位置に依存せず均一な帯電を行うことができる。
【0034】前記イオン源101に用いる固体電解質A
としては、例えば安定剤を添加したジルコニアを用いる
ことができる。一般に、ジルコニアは、室温では単斜晶
系、高温では正方晶系の歪んだ螢石型構造をとる。この
ジルコニアにCa,Mg等のアルカリ土類金属やY等の
希土類金属の酸化物を添加すると、広い温度範囲で安定
な正方晶または立方晶が部分的もしくは全体的に生じ、
安定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアとなる。
【0035】安定化ジルコニアとは、最高高温相である
螢石型立方晶として低温でも安定して存在するものであ
り、部分安定化ジルコニアとは、正方晶と立方晶の混合
物、立方晶と単斜晶の混合物、正方晶と単斜晶の混合物
または正方晶単相として存在するものである。両者の相
違は前記酸化物の添加量の差によりもたらされる。
【0036】また、ジルコニア中にCa2+、Mg2+
のアルカリ土類金属イオンやY3+等の希土類金属イオ
ンなどのZr4+と価数の異なる金属イオンの酸化物が
固溶すると、結晶格子中に酸素イオン空孔が生じ、この
空孔を介して酸素イオン導電性が示される。よって、本
実施例で用いる固体電解質は気体のイオン(空気の場合
は酸素イオン)に好ましい伝導体となる。
【0037】すなわち、先に図を用いて説明したよう
に、電極Bが表面に形成された固体電解質Aの表面で
は、カソード側すなわちマイナス側で大気中の酸素ガス
が電極Bからの電子eを得てイオン化して酸素イ
オン(O2−)となる。この酸素イオンは固体電解質A
の中をアノード側すなわちプラス側に泳動され、固体電
解質Aの電極Bと反対側の表面に達することになる。
【0038】前記電極Bとしては、例えばニッケルやペ
ロブスカイト型酸化物(LaCoO3)等が用いること
ができるが、特に白金、ルテニウム、ロジウム、イリジ
ウム、パラジウム、オスミウム等の白金族に属する金属
により形成すると、大気中、高温で使用しても化学的に
安定であり、かつ触媒としての作用により生成イオン発
生量を向上させることができる。例えば、前述のイオン
源101は次のように製造することができる。
【0039】図4はイオン源101の製造工程を簡単に
示した図である。まず、図4において、気体透過可能な
多孔質体Cとして使用される既に焼成済みの多孔質アル
ミナ板上に、白金ペーストDを所定の厚さに塗布した
後、白金ペーストDに含まれている有機バインダを常温
から200℃程度の温度で乾燥させ、さらにその後、約
1000℃の温度で焼成することによって、白金電極B
を形成する。このような厚膜印刷法を用いた場合には、
焼成された白金電極膜Bは、ポーラスなものとなり、固
体電解質A表面における酸素のイオン化を妨げことがな
いので好適である。
【0040】次に、上記の如く多孔質体C上に形成され
た白金電極Bの上に、バインダを含有するジルコニア粉
を塗布し、1000℃以上の高温で焼結してジルコニア
固体電解質Aを形成する。
【0041】このようにして一体的に形成された固体電
解質A、白金電極B及び多孔質体Cを、前記イオン生成
空間部107内に組み付けることによって、帯電装置1
00が製造される。先に示した図3のイオン源101に
も多孔質体Cが形成された状態で示されている。
【0042】なお、上記白金電極Bとジルコニア固体電
解質Aは、多孔質体C上に順次積層し、同時に焼結する
ことも可能である。
【0043】本第1実施例の帯電装置をイットリア安定
化ジルコニアによる固体電解質と白金電極で形成したイ
オン源を有する構成とし、被帯電体(感光体ユニット
タイプ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電
させ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度および
NOx濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOx
ともバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0044】また、前記イットリア安定化ジルコニアに
代えて、他にイットリア部分安定化ジルコニア、カルシ
ア安定化ジルコニア、カルシア部分安定化ジルコニア、
イットリア−カルシア混合物による安定化ジルコニア、
イットリア−カルシア混合物による部分安定化ジルコニ
アを固体電解質として用いた場合も同様に、オゾン、N
Oxともバックグラウンドレベル以上の値は検出されな
かった。
【0045】なお、添加する酸化物は上記に挙げた以外
に限定されず、他の希土類金属の酸化物及びアルカリ土
類金属の酸化物について、そのいずれか一方或いは両方
を添加しても勿論よい。
【0046】また、メッキ法でニッケル電極を形成した
イオン源を使用した帯電装置で帯電に要する時間と比較
したところ、白金電極を形成したイオン源を使用した方
の時間が短縮されていた。
【0047】ところで、イオン源の形状や使用温度によ
っては電極Bの材料が白金族に属する金属単体では軟ら
か過ぎる、或いは脆い等の理由で破損し易い場合もあ
る。これに対処する手法としては白金−ルテニウム、白
金−イリジウム、白金−パラジウム合金等の白金族合金
を電極として使用することによって電極Bに要求される
硬度を確保して同様の効果を得ることができる。
【0048】以下さらに本発明の帯電装置について複数
の実施例を説明するが、上記第1実施例の帯電装置と同
様の部位には同一付して重複した説明を省略し、特徴部
分を中心に説明する。 (第2実施例)図5は粒子フィルターを備えた第2実施
例の帯電装置を示している。本実施例の帯電装置は、気
体送り込み手段106の前段に粒子フィルター130を
配備している。
【0049】この帯電装置においては、気体は、気体送
り込み手段(例えば送風ファン)106により発生する
気流に従い、導入路105からイオン生成空間部107
内へ導入されるが、その際送風ファン106の前段に配
備された粒子フィルター130により気体に混入してい
る粒子(トナー、埃、たばこの煙など)は取り除かれて
いるため、イオン生成空間部107側には清浄な気体が
送り込まれる。このためイオン源101へ粒子が付着す
ることによりイオン発生量が不安定になることを防止で
きる。
【0050】前記粒子フィルター130としては、不織
布フィルターが使用できるが、より小さな粒子の侵入も
防止することも必要であればHEPAフィルターを用い
てもよい。
【0051】なお、本第2実施例では気体送り込み手段
106の前段に粒子フィルター130を配備した例を示
したが、もちろん気体の導入路105内に配備しても同
様の効果を得ることができる。
【0052】本実施例に示す帯電装置において、イット
リア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からなる
イオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイプ
800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電させ、
この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx
濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxともバ
ックグラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0053】また、粒子フィルターを配備する前後での
帯電に要する時間を比較したところ、粒子フィルターを
配備した以後の時間は短縮された。 (第3実施例)図6はイオンフィルター用電極を備えた
第3実施例の帯電装置を示している。本実施例の帯電装
置は、気体送り込み手段106の前段にイオンフィルタ
ー用の電極131を配備している。
【0054】例えば、静電気学会誌,23(1),p.
37−43(1999)によると、通常の大気中ではH
(HO)nやNH (HO)、ピリジン
同族体の正イオン、アミン同族体イオン等の正イオンの
存在が確認されている。これらの正イオンがそのまま帯
電装置のイオン生成空間部107内に導入されると、そ
れにより電荷の中和が起こり帯電効率を低下させる原因
ともなる。
【0055】しかし、本第3実施例の帯電装置によれ
ば、気体は、気体送り込み手段(例えば送風ファン)1
06により発生する気流に従い、導入路105からイオ
ン生成空間部107内へ導入されるが、その際送風ファ
ン106の前段に配備されたイオンフィルター用電極1
31(例えば金属メッシュ)により、気体に混入してい
る正イオンは取り除かれている。よって、イオン生成空
間部107には正電荷がほぼ除かれた好適な電荷状態の
気体を送り込むことができる。
【0056】本実施例によれば、電荷の中和を防止する
ことができので帯電効率を向上させることができる。特
に正帯電性のトナーを使用している環境では浮遊トナー
の導入も防止でき、より一層の効果がある。
【0057】本実施例の帯電装置としてイットリア安定
化ジルコニアの固体電解質、白金電極からなるイオン源
を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイプ800:リ
コー社製)表面全体を−700Vに帯電させ、この時の
帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の測
定を行った。その結果、オゾン、NOxともバックグラ
ウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0058】また、イオンフィルター用電極131を配
備する前後での帯電に要する時間を比較したところ、イ
オンフィルター用電極を配備した以後の時間が短縮され
た。
【0059】なお、本実施例ではイオンフィルター用電
極131として金属メッシュ電極を使用しているが、格
子状等その他の形状も適用可能である。 (第4実施例)図7は、前記生成イオンを被帯電体側へ
円滑に送り込むための補助電極を備えた第4実施例の帯
電装置を示している。本実施例の帯電装置は、放出口1
08と被帯電体116との間に補助電極140を配備し
ている。
【0060】図7に示す帯電装置は、放出口108と被
帯電体116との間に、被帯電体面に平行でイオンを通
過し得る形状の補助電極140(例えば金属メッシュ)
を配備している。ここで補助電極140の形状は、その
ほか格子状など、イオンが被帯電体116に到達するこ
とを妨げず、生成イオンが被帯電体116側へ円滑に流
動するのを補助するものであれば特に制限されない。
【0061】前記補助電極140には電源141により
放出口108に対し正電位となるように電圧を印加して
ある。さらに、補助電極140を通過したイオンおよび
電子が被帯電体116側に向けて流動するような電界が
形成されるよう、その被帯電体116側にバイアス電源
120により電圧が印加されているのは前述したとおり
である。
【0062】補助電極140の形状が被帯電体116に
平行であるため、この補助電極140と被帯電体116
との間の電界は気体放出部の形状に依存することがな
い。よて、均一な電界内を生成イオンが飛行することに
なるので被帯電体116を均一に帯電することができ
る。本実施例に示す帯電装置においても、イットリア安
定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からなるイオン
源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイプ800:
リコー社製)表面全体を−700Vに帯電させ、この時
の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびNOx濃度の
測定を行った。その結果、オゾン、NOxともバックグ
ラウンドレベル以上の値は検出されなかった。
【0063】また、帯電電位の分布を補助電極140を
配備する前後で比較したところ、電極140を配備した
方が分布が小さくなっていた。 (第5実施例)図8は生成イオンを被帯電体側へ円滑に
送り込むために前記補助電極140に加えて、さらに電
極が複数に区分された補助電極群を備えた第5実施例の
帯電装置を示している。本実施例の帯電装置は、放出口
108と被帯電体116との間に複数の区画に区分され
た補助電極群142を配備している。
【0064】図8に示す帯電装置は、放出口108と被
帯電体116との間に、前記補助電極140とは別に、
被帯電体116面に平行で生成イオンを通過し得る形状
の電極が複数の区画に区分された電極群142が配設さ
れている。この電極群142の各区画には互いに独立に
電圧を印加することができるようになっている。図8で
は電源群142により放出口108に対し正電位となる
ように電圧を印加している。
【0065】図8に示す電極群142の各区画の形状は
格子状であるが、そのほか網状など、生成イオンが被帯
電体116に到達することを妨げないものであれば特に
制限されない。
【0066】これにより、生成イオンが放出された時点
で分布が不均一であったとしても、電極群142の電位
分布を調整することでイオンの分布を均一化することが
できる。
【0067】なお、本実施例でも前記補助電極140に
は電源141により電極群142に対し正電位となるよ
うに電圧を印加してある。さらに、電極140を通過し
た生成イオンおよび電子が被帯電体116側に向けて流
動するような電界が形成されるよう、その被帯電体11
6側にバイアス電源120により電圧が印加されている
のは前述した通りである。
【0068】本実施例では電極群142及び電極140
の形状が被帯電体116に平行であるため、電極140
と被帯電体116との間の電界は電極群142の電位分
布に依存しない。よって、均一な電界内を生成イオンが
飛行するため被帯電体116をより均一に帯電すること
ができるようになる。
【0069】本実施例に示す帯電装置においても、イッ
トリア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からな
るイオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイ
プ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびN
Ox濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxと
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0070】また、帯電電位の分布を前述した第4実施
例と比較したところ、本第5実施例の方がさらに分布が
小さくなり改善されていた。 (第6実施例)図9はイオン生成空間部内にイオン源の
電子放出面を加熱する加熱手段150を備えた第6実施
例の帯電装置を示している。
【0071】前述したイオン源101の固体電解質は、
一般に常温では高抵抗体であるが、その温度を上昇させ
ることによってさらに良好なイオン伝導性を示す。比較
的低い電圧で必要とする放電電流を得るためには、固体
電解質を加熱しておくことが好ましい。
【0072】また、イオン生成空間部107に導入する
気体が空気である場合には、生活温度範囲での低温で凝
縮する水蒸気等の気体が混在している。したがってイオ
ン源101表面において例えば水蒸気が凝縮すると、そ
の後のイオン発生動作を阻害することにもなる。
【0073】そこで、第6実施例の帯電装置では、イオ
ン生成空間部107内にイオン源101の電子放出面、
すなわち生成イオンを放出する面を加熱する加熱手段1
50(例えば電熱線)を配備している。
【0074】本実施例では、加熱手段150からの輻射
熱および加熱された気体からの熱移動により固体電解質
の温度が高温となる。これでより良好なイオン伝導性が
得られ、かつ水蒸気などが凝縮してイオン発生効率を低
下させることを防止できる。よって、帯電効率の向上を
図ることができる。また、図9に示すように加熱手段1
50はイオン生成空間部107内に配設され、輻射熱が
被帯電体116に直接的に入射することがない構成であ
るため、被帯電体の耐熱性による制約がない。
【0075】本実施例に示す帯電装置においても、イッ
トリア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からな
るイオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイ
プ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびN
Ox濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxと
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0076】また、本実施例の帯電装置で加熱手段15
0を加熱した場合と使用しない場合での帯電に要する時
間を比較したところ、加熱手段150を加熱していた方
は時間が短縮された。
【0077】なお、本実施例においては加熱手段として
電熱線を使用したが、ランプの使用や、イオン源の電極
部の加熱、あるいはシールドそのものの加熱という方法
をとることもできる。 (第7実施例)図10は前述したシールド102に代え
内壁に改良を加えたシールド161を備えた第7実施例
の帯電装置を示している。
【0078】イオン源101の形状、位置やイオン生成
空間部の形状などの影響で導入された気体の流れが一定
せず、生成イオンや電子との衝突頻度が一定しない場合
には、生成イオンの発生量が不安定になる場合がある。
【0079】そこで、本実施例の帯電装置では、シール
ド160として、パンチ穴付きの内壁を有する中空容器
の中空部にスチールウール161を中空部に充填したも
のを使用している。この構造ではイオン生成空間部10
7内において気体の散乱される箇所が飛躍的に増大する
ため、放出口108から放出される気体量が特定の部位
に偏らず、より均一化される。これにより前述の問題を
解消することが可能となる。
【0080】ここでシールド160の中空部内に充填す
る材料としてスチールウールに替えてステンレス鋼,パ
ーマロイ,アルミニウム合金,銅などで形成された多孔
質金属を使用してもよいし、その場合パンチ穴付きの代
わりに多孔質金属の孔をそのまま噴出口として使用して
も良い。
【0081】本実施例に示す帯電装置においても、イッ
トリア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からな
るイオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイ
プ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびN
Ox濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxと
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0082】また、本実施例のシールド160を使用し
た場合とそうでない場合での帯電に要する時間のばらつ
きを比較したところ、本実施例のシールドを使用した場
合の方が時間のばらつきが縮小された。 (第8実施例)図11は、気体を送り込むためにコンプ
レッサ等の圧縮気体供給手段を用いると共に、気体導入
路105の途中に酸素富化膜による酸素(気体)分離手
段180を配備した第8実施例の帯電装置を示してい
る。
【0083】本実施では圧縮空気を用い、この圧縮空気
を酸素が高濃度である成分側と低濃度である成分側に分
る酸素分離手段180を配設している。この酸素分離手
段180としては、酸素の透過率が高い、シリコーンを
ベースにした酸素富化膜(永柳工業社製)やポリイミド
製の酸素富化膜を使用できる。酸素富化膜は図12に示
すごとく圧縮空気に作用して酸素の濃度を高くした空気
を生成させる。
【0084】本実施例では前記気体送り込み手段106
としてコンプレッサ等の圧縮空気供給装置を用い、これ
により加圧された圧縮空気は酸素分離手段180へ送り
込まれる。酸素分離手段180を通過した圧縮空気は、
図12で示したように高酸素濃度の空気となり、これが
イオン生成空間部107内へ導入される。
【0085】本実施例によれば生成イオンの状態となり
得る酸素分子がより多く供給されるので、イオン生成効
率を向上させることができる。
【0086】本実施例に示す帯電装置においても、イッ
トリア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からな
るイオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイ
プ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびN
Ox濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxと
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0087】また、酸素分離手段180を配備する前後
での帯電に要する時間を比較したところ、酸素分離手段
180を配備した以後の方が時間は短縮された。 (第9実施例)図13は、気体導入路の途中に前記酸素
富化膜からなる中空糸膜を多数束ねたものを酸素分離手
段181として配備した第9実施例の帯電装置を示して
いる。
【0088】本実施例では、酸素分離手段181として
ポリイミド製の中空糸膜、例えば宇部興産社製のポリイ
ミド製窒素富化膜を多数束ねたものから構成したものを
用いる。この酸素分離手段181は、図14に示すよう
に、中空糸膜の側面が空気中の窒素より酸素を透過し易
い性質をもっており、圧縮空気を導入させるとこの中空
糸膜を通過する間に、中空糸膜内部は窒素濃度が高く、
すなわち酸素が低濃度の空気となる。また、側面側から
は酸素の高い空気が透過されてくる。
【0089】よって、図13に示した帯電装置に酸素分
離手段181とした中空糸膜おいては側面側から放出さ
れる高酸素濃度の空気がイオン生成空間部107内へ導
入されるようになっている。このとき、中空糸膜が圧力
により破裂しないように中空糸膜内部のガスは別経路で
外部に放出する構造としておくことが好ましい。
【0090】上記のように酸素分離手段181を中空糸
膜を多数束ねた形状とすることにより、同じ流路径であ
っても図12で示した単純に平面上の膜を通過させるよ
うな場合と比較して酸素が通過しうる断面積を大幅に増
加させることができる。よって、より多くの高酸素濃度
化した空気を供給することができる。
【0091】したがって、本実施例によれば生成イオン
の元となる酸素分子がより多く供給されるのでイオン生
成効率がさらに向上することになる。
【0092】なお、気体分離膜は圧縮空気圧と分離ガス
流量との関係が比例する関係を有するが、圧縮空気が粘
性を有すると共に中空糸膜は極めて長細い管(内径20
μ程度)であるため、圧縮空気の空気圧がある程度変化
しても、急激に反応して分離ガス量が変動するようなこ
とはない。すなわち、中空糸状のガス分離膜を用いれ
ば、イオン生成空間部へ供給される圧縮空気の酸素濃度
を高くできるのに加え、圧縮空気供給源の空気供給に多
少の変動があったとしても、気体分離膜が緩衝材となっ
て変動を吸収することになる。また、この変動がある程
度の大きさを持っていた場合にも、分離ガス流量は徐々
に変化するため、生成イオン流に与える影響も緩和さ
れ、帯電に与える影響も最小限に防止できる。この時
の、気体分離膜の長さを70cm以上とすることで、上
記緩衝作用は十分に機能させることが可能となり、圧縮
空気供給源の変動に対しても均一な帯電ができる。
【0093】本実施例に示す帯電装置においても、イッ
トリア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からな
るイオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイ
プ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびN
Ox濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxと
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。
【0094】また、帯電に要する時間を前述の第8実施
例の場合と比較したところ、本実施例の方がさらに時間
が短縮されていた。 (第10実施例)図15は、第10実施例の帯電装置を
示している。本実施例は、前記第9実施例の変形例であ
る。本実施例では、放出口108から放出された生成イ
オンを含む気体が被帯電体116に接触した後に通過す
る経路近傍に、前記酸素分離手段181により分離した
低酸素濃度の空気を導くような流路182を配備してい
る。具体的には酸素分離手段181において分離された
低酸素濃度の空気を、パイプ182により被帯電体11
6に接触た後に通過する経路近傍に導くものである。
【0095】放出口108からの流出空気流は生成イオ
ンを含む高酸素濃度の状態である。その一方でパイプ1
82内の空気は酸欠状態である。排出される気体は通常
の空気に近い状態とすることが好ましい。そこで、本実
施例では前記両者のガスを機外排出以前に合流させる構
成を付加している。
【0096】本実施例に示す帯電装置においても、イッ
トリア安定化ジルコニアの固体電解質、白金電極からな
るイオン源を使用し、被帯電体(感光体ユニット タイ
プ800:リコー社製)表面全体を−700Vに帯電さ
せ、この時の帯電装置周辺におけるオゾン濃度およびN
Ox濃度の測定を行った。その結果、オゾン、NOxと
もバックグラウンドレベル以上の値は検出されなかっ
た。 (比較例)図16は、前記第1〜第10実施例の比較例
として従来のコロナワイヤー帯電装置500を用いた場
合を示している。このコロナワイヤー帯電装置500を
用い、第1〜第10実施例と同一環境条件で被帯電体1
16の表面を−700Vに帯電させた。
【0097】この時の帯電装置500周辺におけるオゾ
ン濃度およびNOx濃度の測定を行ったところ、オゾン
4ppm及びNOx0.6ppmの高い濃度が検出され
た。
【0098】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、請求項1及び2に記載の発明によれば、イオン源か
らイオンのみを発生させるため、通常のコロナ放電方式
のように反応活性なラジカルが発生する箇所がない。よ
って、オゾンやNOxのような問題物質の生成を確実に
抑制することができる。また、放出口の形状や位置によ
りイオン量の分布を調整できるため、シールド内のイオ
ン源の位置に依存せず均一な帯電を行うことができる。
【0100】また、請求項3記載の発明によれば、イオ
ン生成の生成に清浄な気体を用いることができる。よっ
て、気体中に含まれた粒子の付着による問題を防止し
て、生成イオンより、より被帯電体をより均一に帯電す
ることができる。
【0101】また、請求項4記載の発明によれば、生成
イオンが中和されることを防止できるので帯電効率の向
上を図ることができ、より均一な被帯電体の帯電を行う
ことができる。また、請求項5記載の発明によれば、補
助電極が設けられいるので、生成イオンが被帯電体に向
け円滑に流動する状態を形成できので、被帯電体をより
均一に帯電させることができる。
【0102】また、請求項6に記載の発明によれば、気
体分離手段により必要な成分を高濃度化した気体をイオ
ン生成空間部内へ導入することができる。よって、生成
イオンをより多く発生させることができるので、帯電効
率をさらに向上させることができる。
【0103】また、請求項7に記載の発明によれば、大
気中、高温で使用しても化学的に安定であり、かつ触媒
としての作用により生成イオン発生量を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の帯電装置の概要を示す斜視図であ
る。
【図2】第1実施例の帯電装置の内部構成とこれにより
帯電される被帯電体について示した図である。
【図3】イオン源でのイオン化の様子を説明する図であ
る。
【図4】イオン源の製造工程例を示した図である。
【図5】粒子フィルターを備えた第2実施例の帯電装置
を示す図である。
【図6】イオンフィルター用電極を備えた第3実施例の
帯電装置を示す図である。
【図7】補助電極を備えた第4実施例の帯電装置を示す
図である。
【図8】電極が複数に区分された電極群を備えた第5実
施例の帯電装置を示す図である。
【図9】加熱手段を備えた第6実施例の帯電装置を示す
図である。
【図10】内壁に改良を加えたシールドを備えた第7実
施例の帯電装置を示す図である。
【図11】圧縮気体供給手段と気体分離手段を配備した
第8実施例の帯電装置を示す図である。
【図12】酸素富化膜の作用について説明している図で
ある。
【図13】中空糸膜を多数束ねたものを酸素分離手段と
して配備した第9実施例の帯電装置を示す図である。
【図14】中空糸膜の作用について説明している図であ
る。
【図15】第10実施例の帯電装置について示す図であ
る。
【図16】従来のコロナワイヤー帯電装置を用いた場合
について示す図である。
【符号の説明】
100 帯電装置 101 イオン源 102 シールド 103 電極(引出手段) 105 導入路 107 イオン生成空間部 108 放出口 116 被帯電体 120 バイアス電源(放出手段) A 固体電解質 B 固体電解質に設けた電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体のイオンに伝導性を有する固体電解
    質の少なくとも一部に電極を設け、該電極にコロナ放電
    開始電圧以下の電圧を通電することによって前記固体電
    解質に接触する気体の少なくとも一部を直接イオン化さ
    せるイオン源と、 前記イオン源を取り囲むシールドにより形成されるイオ
    ン生成空間部と、 前記イオン源でイオン化された前記気体を前記イオン源
    の外部に生成イオンとして引き出す引出手段と、 前記生成イオンを被帯電体に向け放出する放出手段とを
    備え、前記生成イオンにより前記被帯電体を帯電させ
    る、ことを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の帯電装置において、 前記固体電解質は、希土類金属の酸化物を添加した安定
    化ジルコニア、希土類金属の酸化物を添加した部分安定
    化ジルコニア、アルカリ土類金属の酸化物を添加した安
    定化ジルコニア、アルカリ土類金属の酸化物を添加した
    部分安定化ジルコニア、希土類金属の酸化物及びアルカ
    リ土類金属の酸化物の混合物を添加した安定化ジルコニ
    ア及び希土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の酸化
    物の混合物を添加した部分安定化ジルコニアから成る群
    から選択されたいずれか1つであることを特徴とする帯
    電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の帯電装置におい
    て、 前記イオン生成空間部へ導入される気体の経路に粒子除
    去用フィルターを配備したことを特徴とする帯電装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の帯電
    装置において、 前記イオン生成空間部へ導入される気体の経路に、イオ
    ン中和防止のためのイオンフィルター用電極を配備した
    ことを特徴とする帯電装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の帯電
    装置において、 前記イオン源と前記被帯電体との間に、該被帯電体面に
    平行で前記生成イオンが通過しうる形状の補助電極を配
    設し、該補助電極に電圧を印加して生成イオンを前記被
    帯電体に向かって引き出すようにした、ことを特徴とす
    る帯電装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の帯電
    装置において、 前記イオン生成空間部に気体を導入する圧縮気体供給手
    段を設けると共に、該圧縮気体供給手段により供給され
    た圧縮気体を、前記生成イオンを生成し得る成分に関し
    て高濃度成分側と低濃度成分側とに分離する気体分離手
    段を備え、 前記気体分離手段により分離された気体成分の内、前記
    高濃度成分側を前記イオン生成空間部へ導入することを
    特徴とする帯電装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の帯電
    装置において、 前記電極が白金族の金属又は白金族の合金からなること
    を特徴とする帯電装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7647014B2 (en) 2006-02-13 2010-01-12 Sharp Kabushiki Kaisha Pretransfer charging device and image forming apparatus including same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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