JP2002328447A - ラベル及びラベル表示方法 - Google Patents

ラベル及びラベル表示方法

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JP2002328447A
JP2002328447A JP2002019572A JP2002019572A JP2002328447A JP 2002328447 A JP2002328447 A JP 2002328447A JP 2002019572 A JP2002019572 A JP 2002019572A JP 2002019572 A JP2002019572 A JP 2002019572A JP 2002328447 A JP2002328447 A JP 2002328447A
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silver halide
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photographic
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JP2002019572A
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Paul Boadreis Robert
ポール ボードレイス ロバート
Peter Thomas Aylward
トーマス アイルワード ピーター
Robert M Sheppard
マイケル シェパード ロバート
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Eastman Kodak Co
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C11/00Auxiliary processes in photography
    • G03C11/02Marking or applying text

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装材料にさらに高品位の画像を付与するこ
と。 【解決手段】 ハロゲン化銀画像形成層と、ベースと、
該ベースに対して接着剤により接着された可剥性ライナ
ーとを含んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの
剛性及び92.0より高いL*を示し、かつ、該ライナーが4
0〜120ミリニュートンの剛性を示すことを特徴とするラ
ベル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料に関する。
本発明は、好適な態様において、包装材料に適用される
テキスト、グラフィクス及びイメージの印刷に、ハロゲ
ン化銀系感圧ラベルを使用することに関する。
【0002】
【従来の技術】商標を認識させ、包装品の中身を知ら
せ、包装品の中身に関する品質表示をし、そして製品の
使用方法のような消費者情報や内容物の成分表示を提供
するため、感圧ラベルが包装体に適用されている。感圧
ラベル上の印刷は、典型的には包装体もしくは印刷媒体
に直接適用され、典型的にはグラビア印刷法で印刷され
るか、又は包装体にフレキソグラフィが適用される。感
圧ラベルに適用される3種類の情報として、テキスト、
グラフィック及びイメージがある。包装体の中には、1
種類の情報しか必要としないものもあれば、2種以上の
情報を必要とするものもある。
【0003】包装体に適用される従来のラベルは、面素
材と、感圧接着剤と、ライナーとからなる。典型的に
は、この面素材と、感圧接着剤と、ライナーとからなる
ラベル基材を積層してから、各種の非写真式印刷法によ
って印刷を施す。印刷後、一般には、オーバーラミネー
ト材料又は保護コーティングによってラベルを保護す
る。この保護層と、印刷情報と、面素材と、感圧接着剤
と、ライナー材料とからなるラベル完成品を、高速ラベ
ル貼機で包装体に貼付する。
【0004】フレキソグラフィは、印刷版をゴム又はフ
ォトポリマーで製作するオフセット凸版印刷法である。
印刷版の隆起面から被印刷材料の表面へインクを転写す
ることにより、感圧ラベル上に印刷が行われる。グラビ
ア印刷法は、印刷シリンダーの表面の下方に数千もの小
さなセルがある印刷シリンダーを使用する。印刷シリン
ダーが圧ロールにおいて感圧ラベルと接触すると、セル
からインクが転写される。フレキソグラフィ又はグラビ
アの印刷用インクには、溶剤系インク、水性インクおよ
び輻射線硬化型インクが含まれる。グラビア法もフレキ
ソグラフィ法も許容できる画質を提供するが、これら2
種の印刷法は、高価で時間のかかる印刷シリンダー又は
印刷版の調製を要するため、100,000単位未満の印刷作
業量では、それを上回る印刷作業量がなければセットア
ップコストやシリンダー又は印刷版のコストが通常は小
さくならないので、高価になってしまう。
【0005】最近、包装体表面に情報を印刷する方法と
してデジタル式印刷法が成長しつつある。「デジタル式
印刷法」とは、デジタル情報を翻訳することができる電
子出力装置によって印刷され得る電子デジタル文字又は
電子デジタル画像を意味する。デジタル式印刷法の主流
は、インクジェット法と電子写真法の二種類である。
【0006】1980年初頭にピエゾインパルス型ドロップ
・オン・デマンド(DOD)式及び感熱DOD式のインクジェ
ットプリンターが導入されることによりインクジェット
印刷法がもたらされた。これらの初期型プリンターは非
常に遅く、インクジェットノズルもしばしま目詰まりを
起こした。1990年代に、Hewlett Packard社が最初のモ
ノクロ式インクジェットプリンターを導入し、その後間
もなくカラー式ワイドフォーマット型インクジェットプ
リンターの導入によりグラフィックアーツ市場への参入
が可能となった。今日では、包装用、デスクトップ用、
工業用、商業用、写真用及び織物用に多くの様々なイン
クジェット技法が採用されている。
【0007】ピエゾ技法では、ピエゾ結晶に電気刺激を
与えて圧力波を発生させることにより、インクをインク
室から押し出す。インクを帯電させて電場で曲げること
により、様々な文字を作り出すことができる。最近の開
発により、導電性ピエゾセラミック材料を利用するDOD
マルチジェットが導入された。該材料は、帯電時、流路
内部の圧力を高め、ノズル先端からインク液滴を押し出
す。この方法により、非常に小さなインク液滴を形成す
ることができ、約1,000 dpiという非常に高い解像度で
高速の分配が可能となった。
【0008】最近まで、インクジェット用インクに着色
顔料を使用することは一般的ではなかった。しかしなが
ら、これが急速に変化しつつある。インクジェット用の
サブミクロン顔料が日本で開発された。顔料を使用する
ことにより、感熱式インクジェットプリンター及びラミ
ネーションに必要とされる耐熱性の高いインクが得られ
る。着色水性ジェットインクが市販されており、UV硬化
性ジェットインクは開発中である。着色インクは耐光堅
牢性が高く、耐水性も高い。
【0009】デジタル式インクジェット印刷法は、短時
間運転のカラープリント作業の経済性を高めることによ
り、印刷産業を革新する可能性を秘めている。しかしな
がら、次の商業段階は、インクジェット技法の著しい改
良を必要とする。残っている主なハードルは、印刷速度
の向上である。この問題の一部は、プリンターが迅速に
取り扱うことができるデータ量の限界にある。デザイン
が複雑になるほど、印刷プロセスは遅くなる。今のとこ
ろ、対応するデジタル静電写真式プリンターの約10倍遅
い。
【0010】電子写真法は、1930年代にChester Carlso
nによって発明された。1970年代初頭までに、多くの会
社で電子写真式カラー複写機の開発が行われていた。カ
ラー複写機の製造技術はすでに適当であったが、市場が
そうではなかった。顧客のカラー複写機に対する要求が
適当な静電カラー複写機を開発するのに必要なインセン
ティブを生み出すまで、さらに年月を要した。1970年代
後期までは、文書を走査し、イメージを電子信号に変換
し、それらを電話回線により送信するファックス装置を
使用し、そして別のファックス装置により電子信号を受
け取り、原画像を感熱紙に印刷して印刷複製物を得ると
いう会社は少ししかなかった。
【0011】1993年に、IndigoとXeikonは、シート供給
式リソグラフプリンターが主流であった短時間運転市場
をターゲットにして市販型デジタル印刷装置を投入し
た。オフセット印刷法に用いられるネガや印刷版に関連
する中間工程を省くことにより、所要時間が短縮され、
顧客サービスが向上する。これらのデジタル印刷機は、
伝統的なゼログラフィの特性の一部を共有するが、非常
に特殊なインクを使用する。従来の写真複写機のための
インクとは異なり、これらのインクは1μm範囲の非常
に小さい粒径成分でできている。ゼログラフィに用いら
れる乾式トナーの大きさは、典型的には8〜10μmの範
囲内である。
【0012】1995年に、Indigo社は、柔軟な包装用製品
に印刷するためのOminus印刷機を導入した。Ominusは、
6色を有するワン・ショット・カラーと呼ばれるデジタ
ル式オフセットカラープロセスを使用する。重要な改良
点は、透明基材のために特殊な白色エレクトロインクを
使用したことにある。Ominumウェブ供給型デジタル式印
刷装置は、カラー画像を基材へ転写するオフセットシリ
ンダーを使用して各種基材の印刷を可能にする。原理的
には、被印刷基材にかかわらず完璧な見当合わせが可能
であり、この方法によれば紙、フィルム及び金属の印刷
が可能である。このデジタル印刷方式は電子写真プロセ
スに基づく。すなわち、まずコロナ放電で光導電体を帯
電させ、その光導電性表面を像様露光することにより、
光導電体の表面に静電画像を作り出す。
【0013】その後、帯電した静電潜像を、該像上の電
荷とは逆の電荷を有するインクを使用して現像する。こ
のプロセス部分は、写真複写機に関連する静電トナーの
プロセスに類似する。光導電体表面に形成された静電潜
像を、液体トナーの電気泳動的転写によって現像する。
次いで、この静電トナー像を高温ブランケットへ転写
し、ここでトナーを凝集し、かつ、粘着状態に維持し、
その後それを基材へ転写してインクを冷却することによ
り指触乾燥プリントが得られる。
【0014】エレクトロインクは、典型的には、鉱物油
と揮発性有機化合物を含む。該インクは、熱可塑性樹脂
が高温で融合するように設計される。実際の印刷プロセ
スでは、樹脂が凝集し、そしてインクが基材へ転写され
る。インクを加熱して乾燥させる必要はない。インクは
基材上に実質的に乾燥状態で付着するが、冷却されて室
温に到達するにつれ指触乾燥状態となる。
【0015】数十年にわたり、「マグネトグラフィ」と
呼ばれる磁気デジタル技法が開発中である。この方式
は、磁性シリンダー上に電気画像を作り出し、インクに
磁性トナーを使用して画像を作り出すというものであ
る。この技法の潜在的利点は、印刷速度が高いことにあ
る。試験では200メートル/分という速度が示されてい
る。これらの磁気デジタル式プリンターは黒白コピーに
限定されているが、カラー磁性インクの開発によって、
この高速デジタル技法は経済的に実施可能となるであろ
う。その成長の鍵は、VHSM(超高速磁気)ドラム及びカラ
ー磁性インクのさらなる開発にある。
【0016】磁気デジタル分野では、Nipson Printing
Systems (Belfort, France)によって、マグネトリソグ
ラフィと呼ばれるハイブリッド方式が構築され、狭いウ
ェブについて試験され、そして短時間運転用途が開発さ
れている。該技法は高解像度を提供するようであり、試
験はシリコン系の高密度マグネトグラフィヘッドを用い
て行われている。この方式をインクジェット法や電子写
真法に匹敵するようにするためには、インクについてさ
らに研究開発することが必要である。しかしながら、こ
の方式は、高速印刷が可能であることから、今日のイン
クジェット法や電子写真法がぐずぐずしている包装用途
について魅力的な代替法となる。
【0017】誕生日や休暇といった特別の出来事の記憶
を保存するためのプリントとして写真材料を使用するこ
とが知られている。写真材料はまた、広告に利用される
大規模表示材料にも使用されている。写真材料は、摩
擦、水又は曲げにより汚損されやすいのでデリケートで
あり、かつ、コストもかかる高品位製品として知られて
いる。写真は、伝統的に、脆弱でデリケートであると同
時に価値が高いことから、フレームやフォトアルバムの
中に、かつ、保護材料の裏側に入れられる。写真は、顧
客にとって、生活での重要な出来事を記録し保存するた
めのぜいたく品と考えられている。写真はまた、広告用
としては高価な表示材料であるとも考えられている。写
真は、そのぜいたく品としてのステータスから、その他
の商業領域においては用いられていない。
【0018】典型的には、感圧ラベルは、その接着剤を
保護したまま印刷工程及び変換工程において搬送するこ
とができるようにライナーウェブ材料を付けて供給され
る。従来技術のライナー材料は、典型的には、コーテッ
ド紙又は薄いポリマーライナーの上に続けて剥離コーテ
ィングが設けられているものからなる。感圧ラベルに典
型的に用いられるライナー材料は、写真ラベルには適さ
ない。感光層との写真反応性や、ライナーの剛性不足、
ライナーとして用いられる紙の内部への処理薬剤の縁か
らの浸透、というような問題があるため、典型的な高分
子ライナー及び紙ライナーは、写真感圧ラベルには利用
できない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】高品位であると同時に
短時間運転でも経済的である包装体に適用するための感
圧ラベルが求められている。さらに、画像処理薬剤と適
合するライナー上でデジタル情報ファイルからラベルを
印刷することも求められている。本発明の目的は、包装
材料にさらに高品位の画像を付与することにある。本発
明の別の目的は、明るくて鮮鋭な画像を有するハロゲン
化銀画像形成系ラベルを提供することにある。本発明の
さらに別の目的は、画像数100,000未満の少ない印刷作
業量でも経済的である印刷方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記その他の目的は、ハ
ロゲン化銀画像形成層と、ベースと、該ベースに対して
接着剤により接着された可剥性ライナーとを含んで成
り、該ベースが15〜60ミリニュートンの剛性及び92.0よ
り高いL*を示し、かつ、該ライナーが40〜120ミリニュ
ートンの剛性を示すことを特徴とするラベルによって達
成される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は従来技術を凌駕するいく
つかの利点を有する。最近の大量消費財のマーケティン
グは、より小さなグループに個別にアプローチするため
にマーケティングを集中させようとする傾向がある。こ
れらのグループは、地域別、民族別、性別、年齢別、又
は特定の趣味別に分けられることができる。このような
異なるグループにアプローチするためには、これらのグ
ループに特に向いた包装を提供する必要がある。上述し
たように、従来の包装材料は一般に長時間運転に適して
おり、短時間運転を行ったり包装を迅速に変更したりす
ることは不可能であるか又は非常にコストがかかる。本
発明者等は、ハロゲン化銀系写真材料が包装用途に適し
ていることを見出した。さらに、最近では、短時間運転
に適した迅速写真処理装置が利用できるようになってい
る。また、比較的長期の連続高速運転が可能なハロゲン
化銀処理装置も利用することができる。低コストの包装
に適した写真材料と迅速な短時間及び長時間運転に利用
できる処理装置との組合せにより、ハロゲン化銀材料を
包装材料に利用する機会がもたらされた。柔軟性、低コ
スト、可撓性及び可曲性のような特性を有するハロゲン
化銀材料は、包装用に適した好ましい材料となった。
【0022】薄くて柔軟性があり、しかも頑丈なハロゲ
ン化銀材料を利用することにより、多くの優れた特性を
有する包装材料が得られる。本発明による材料は、包装
において現在利用できるいかなるものよりも、明るく、
鮮鋭で、かつ、色彩の高い画像を提供することができ
る。本発明による包装材料は、現存する包装材料にはな
い画像の深みを有する。本発明による包装材料は、シャ
ンプーボトル、香水ボトル及びフィルムボックスのよう
な容器の適当な感圧ラベル表示である各種パッキング材
料を提供することができる。本発明の包装材料は、優れ
た画像の利点を有しつつ、低コストでありながら優れた
不透明性及び強度を提供する薄いベース材料の上で利用
することができる。本発明の包装材料は、フラッシュ露
光又はデジタル印刷により画像形成され得るので、短時
間運転で製造することができ、しかもある画像から次の
画像へと適時迅速に切り換えることができる。
【0023】本発明のハロゲン化銀ラベル材料には、縁
部案内装置を含むデジタル式又は光学式プリンターの内
部を効率的に搬送することができるライナー材料が具備
される。従来のライナー材料は、縁部案内にとって十分
な剛性を有していない。さらに、ライナーによって、ハ
ロゲン化銀画像形成層の早すぎる露光の原因となること
が知られている静電気を効率的に制御することができ
る。本発明のラベル材料によると、効率的な画像処理も
可能となる。従来の紙ライナー材料のように画像形成用
薬剤が吸収されて後続の処理工程に持ち込まれることが
ないからである。
【0024】本発明のハロゲン化銀ラベル材料による
と、包装体を迅速に設計して市場に送り込むことができ
る。例えば、スポーツやエンターテイメントにおける重
要な出来事を事実上即座にマーケットに出すことができ
る。デジタル画像は、すぐにハロゲン化銀感圧ラベルに
フラッシュ露光され、当該出来事から即座に利用するこ
とができるからである。このことは、感圧ラベルのため
のリード時間が通常数週間にもなる典型的なグラビア又
はフレキソグラフィ系の画像形成法とは対照的である。
さらに、ハロゲン化銀で形成された画像の画質は、画質
が低く収集用にはあまり望ましくない従来の画像よりも
はるかに良好な包装の一部として形成された収集可能な
画像に有用である。最後に、画像の地域別の注文生産を
迅速に実施することができる。
【0025】包装を迅速に変更することができるため、
国毎に言語やマーケティングテーマが異なる地域別ラベ
ル表示を提供することが必要である場合にも用途があ
る。さらに、国が異なると、内容物に関するラベル表示
要件も異なってくる。例えば、ワインやビールのような
アルコール飲料は、ラベル表示要件が地域別、国別にバ
リエーションの幅が広い。フランス産ワインは、他国で
の国内用ラベル表示を待つためにフランスからの輸出の
遅れが長期にわたることがある。また、高級なワイン、
香水及びチョコレートのようなプレミアム製品には写真
画像が特に望ましいであろう。写真画像は高画質であ
り、当該製品の高品質を包装体に反映させられるからで
ある。
【0026】本発明は、印刷版や印刷シリンダーのコス
トが省けるので、短時間運転の印刷時にも経済性が成り
立つ印刷方法を提供する。ハロゲン化銀画像を包装体に
適用して使用するため、一般的な画質の低い6色グラビ
ア印刷画像と比較して、現在利用できる最高の画質が保
証される。さらに、イエロー層、マゼンタ層及びシアン
層にはゼラチン中間層が含まれるので、当該ハロゲン化
銀画像は、平面的で活気のないように見えるインクジェ
ット画像又は電子写真画像と比べ、深みを有するように
見える。ハロゲン化銀画像層は肌色を正確に再現するよ
うに最適化されているので、代わりの従来のデジタル画
像形成法と比べ、人物画像に優れる。
【0027】ハロゲン化銀画像形成法は、感圧ラベル上
にテキスト、グラフィクス及び写真画質像を同時に印刷
することができる。本発明のハロゲン化銀画像形成層は
光学式にもデジタル式にも適合するので、レーザープリ
ンターやCRTプリンターのような公知のデジタル印刷
装置を使用してテキスト、グラフィクス及び画像を印刷
することができる。当該ハロゲン化銀システムはデジタ
ル式に適合しているので、各包装体は異なるデータを含
むことができ、印刷版やシリンダーの余計な出費を伴う
ことなく包装体を個別に注文生産することができる。さ
らに、デジタルファイルの印刷により、当該ファイルを
インターネットのような電子データ伝送技術を使用して
転送することができ、よって包装体への印刷にかかるサ
イクル時間を短縮することができる。ハロゲン化銀画像
形成層はレーザー又はCRTにより75メートル/分を上
回るスピードでデジタル露光することができるので、現
行のインクジェット又は電子写真印刷エンジンに匹敵す
る印刷速度が得られる。これら及びその他の利点は、以
下の詳細な説明から明らかとなる。
【0028】本明細書において使用される「頂部」、
「上部」、「乳剤側」、および「表」という用語は、写
真包装ラベルの画像形成層を担持している側又はその方
向を意味する。環境保護層とは、処理後の画像形成層に
適用される層を意味する。「面素材」及び「基材」は、
ハロゲン化銀層が適用される材料を意味する。「底
部」、「下側」、「ライナー」及び「裏」は、当該写真
ラベル又は写真包装材料の感光性画像形成層又は現像画
像を担持している側とは反対側又はその方向を意味す
る。
【0029】感圧写真ラベルを製造するため、感圧接着
剤、面素材及びハロゲン化銀画像形成層を担持するライ
ナー材料は、製造、画像印刷、画像現像、ラベル変換及
びラベル適用装置において効率的搬送を可能にすること
が必要である。ハロゲン化銀画像形成層と、ベースと、
該ベースに対して接着剤により接着された可剥性ライナ
ーとを含んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの
剛性及び92.0より高いL*を示し、かつ、該ライナーが4
0〜120ミリニュートンの剛性を示すラベルが好適であ
る。本発明の写真ラベルが好適であるのは、該白色剛性
ライナーにより、褐色又は透明で第二露光に対する寄与
がほとんどない典型的なライナー材料と比較して、写真
プリント及び処理装置における搬送が効率化し、かつ、
印刷速度が向上するからである。
【0030】包装体へラベルを付着させるのに必要な感
圧接着剤は、ライナーなしではラベル貼付装置の中を搬
送できないため、剥離可能なライナー又は裏材が好まし
い。ライナーは運搬用の強度を提供し、かつ、包装体へ
適用される前の感圧接着剤を保護する。好適なライナー
材料はセルロース紙である。セルロース紙ライナーは、
柔軟性があり、強く、しかもポリマー基材に比べ低コス
トである。さらに、セルロース紙基材は、包装用途によ
っては望ましいとされ得る質感のある(textured)ラベル
表面を可能にする。該紙には、防水性を付与するコーテ
ィングを設けることができる。本発明の写真要素は、画
像を現像するために水性薬剤中で処理しなければならな
いからである。該紙に適用するのに適した防水コーティ
ングの例として、アクリル系ポリマー、溶融押出ポリエ
チレン及び配向ポリオレフィンのシートを紙に積層した
ものが挙げられる。また、紙は、ハロゲン化銀画像形成
層の静電気増感を防止する帯電防止特性を付与する水分
及び塩を含有する場合もあるため、好適である。
【0031】さらに、サイズ剤を含有する紙は、印画紙
分野で知られ、米国特許第6,093,521号にも開示されて
いるように、ハロゲン化銀画像処理薬剤の縁部浸透に対
して抵抗性を付与する。処理薬剤が紙中に12mmよりも深
く浸透すると膨潤が起こり、面素材マトリックスをダイ
切断してライナーから剥離するときにダイ切断問題を引
き起こすので、縁部浸透が8mm未満であることが好まし
い。また、処理薬剤の浸透が12mmよりも大きいと、処理
の薬剤使用量が増加し、処理コストを増大させることに
もなる。
【0032】別の好適なライナー材料又は剥離性裏材
は、ポリマーの配向シートである。ライナーは、配向プ
ロセスで強度及び靭性が発揮されるため、配向ポリマー
であることが好ましい。ライナー基材として好適なポリ
マーに、ポリオレフィン、ポリエステル及びナイロン
(商標)がある。好適なポリオレフィンとして、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリス
チレン、ポリブチレン及びこれらの混合物が挙げられ
る。ヘキセン、ブテン及びオクテンのようなエチレンと
プロピレンのコポリマーをはじめとするポリオレフィン
コポリマーも有用である。ポリエステルが最も好まし
い。これは、ハロゲン化銀感圧ラベルライナーを高速ラ
ベル貼付装置において効率的に輸送するのに必要な望ま
しい強度及び靭性を有するからである。
【0033】別の好ましい実施態様として、紙心材に配
向ポリマーシートを積層してなるライナーがある。積層
型紙ライナーが好ましい理由は、ポリマーの配向シート
は引張強度を付与することにより該ライナーの厚みをコ
ーテッド紙よりも薄くすることができ、また、配向ポリ
マーシートはハロゲン化銀プロセスの乾燥工程や製造工
程において耐カール性を付与するからである。
【0034】ライナーの引張強さ又は基材が破断する際
の引張応力は重要な搬送及び形成パラメータである。引
張強さはASTM D882試験法によって測定される。引張強
さは、120 MPaよりも大きいことが好ましい。110 MPaよ
りも小さいライナーは、自動包装装置において搬送時、
形成時及び包装体への適用時に破損し始めるからであ
る。ハロゲン化銀画像形成層を含むライナーの摩擦係
数、すなわちCOFは、自動ラベル貼付装置における搬送
及び形成効率に関係するので、重要な特性である。COF
は、ある表面上を移動する物品の質量の、該表面と該物
品との間の接触を維持する力に対する比率である。COF
を数学的に表現すると以下のようになる。 COF=μ=(摩擦力/法線力)
【0035】ライナーのCOFは、その静的及び動的両方
のCOFを測定するためのステンレススチールスレッドを
使用するASTM D-1894によって測定される。本発明のラ
イナーに好適なCOFは0.2〜0.6の範囲内である。一
例として、ピック・アンド・プレース用途に用いられる
ラベルの上にコーティングするためには0.2COFが必要
である。ラベルを拾いそれを別の地点に移動させる機械
式装置を使用する作業では、該ラベルがその下方のラベ
ルの表面上を容易にスライドするようにCOFが低いこと
が必要である。反対に、ブックカバーのような大きなシ
ートは、貯蔵の際に積み重ねたときにスリップして横滑
りしないように、0.6COFが必要である。場合によって
は、片面のCOFが高く、その反対面のCOFが低い材料が必
要となることもある。通常は、プラスチックフィルム、
ホイル又は紙基材のようなベース材料自体が、片面に必
要なCOFを提供する。適当なコーティングを適用するこ
とにより、画像形成面のCOF値が高くなるように又は低
くなるように調節することができる。両側の一方に二種
類のコーティングを使用できることも想定される。COF
は静的であっても動的であってもよい。静摩擦係数は、
2つの表面間が、実際には移動していないが、移動し始
める時点での値である。動摩擦係数は、2つの表面が相
互に一定速度で実際にスライドしている時の値を意味す
る。COFは、通常、表面に置いたスレッドを使用して測
定する。スライド開始時に必要な力が静的COFの測定値
となる。一定の長さにわたり一定速度でスレッドを引っ
張ることにより動摩擦力値が得られる。
【0036】本発明のライナーの好適な厚さは75〜225
μmの範囲内である。ライナーの厚さは、コスト効率の
よい設計を達成するために引張強さ又は機械的弾性率と
して表現されるライナーの強度をライナーの厚さとバラ
ンスさせなければならない点で重要である。例えば、高
強度の厚いライナーは、ロール径を一定とした場合に薄
いライナーと比較してロール長が短くなるので、コスト
効率がよくない。ライナーの厚さが60μm未満である
と、縁部案内式ハロゲン化銀プリンターにおいて搬送不
良を引き起こすことが示された。ライナーが250μmよ
り厚いと、設計のコスト効率がよくない上、現存のハロ
ゲン化銀プリンターでは搬送が困難となる。
【0037】本発明のライナーは、光透過率が20%未満
であることが好ましい。ハロゲン化銀ラベルをプリント
するに際して、面素材/ライナーの組合せからの反射に
より第二露光を生じさせる露光エネルギーが必要であ
る。この第二露光は、高レベルのプリント生産性を維持
する上で重要である。光透過率が25%を上回るライナー
は、ハロゲン化銀ラベルのプリント速度を著しく低下さ
せることが示された。さらに、「ラベルのように見えな
い」ラベルを提供する透明な面素材は不透明なライナー
を必要とするが、これはプリント速度を維持するためだ
けではなく、現行のハロゲン化銀プリンターにおけるプ
リント定盤からの望ましくない反射を防止するためでも
ある。
【0038】本発明の感光性ハロゲン化銀層は、製造
時、プリント時及び処理時の静電放電による望ましくな
い露光に悩まされることがあるため、ライナーの抵抗率
は1011Ω/□未満であることが好ましい。多種多様な導
電性材料を帯電防止層に内蔵させることにより広範囲に
わたる導電性を得ることができる。導電性材料は、(1)
イオン伝導体及び(2)電子伝導体の大きく2つのグルー
プに分けることができる。イオン伝導体の場合、電解質
の中を帯電種がバルク拡散することによって電荷が移動
する。帯電防止層の抵抗率は温度と湿度に依存する。こ
のカテゴリーには、従来の特許文献に記載されている、
単純無機塩、界面活性剤のアルカリ金属塩、イオン伝導
性ポリマー、アルカリ金属塩を含有する高分子電解質及
びコロイド金属酸化物ゾル(金属塩で安定化)が含まれ
る。しかしながら、用いられる無機塩、高分子電解質及
び低分子量界面活性剤の多くは水溶性であるため、処理
中に帯電防止層から滲出し、帯電防止機能が失われる。
電子伝導体を使用する帯電防止層の導電性は、イオン移
動度ではなく電子移動度に依存し、湿度とは無関係であ
る。共役ポリマー、半導体金属ハロゲン化物塩、半導体
金属酸化物粒子、等を含有する帯電防止層が従来知られ
ている。しかしながら、これらの帯電防止層は、一般に
電子伝導性材料の体積含有率が高いため、往々にして高
価となり、しかも帯電防止層が着色する、脆くなる、密
着性が悪くなる、等、望ましくない物理特性が付与され
ることも多い。
【0039】本発明の好ましい実施態様において、ラベ
ルは、ライナーに内蔵された又はライナーにコーティン
グされた帯電防止剤を有する。帯電防止剤の表面電気抵
抗率が1011Ω/□以上であることが望ましい。最も好ま
しい実施態様において、帯電防止剤は、酸化錫及び五酸
化バナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の
材料を含む。
【0040】本発明の別の好ましい実施態様において、
帯電防止剤を感圧接着剤層に内蔵させる。感圧接着剤層
に帯電防止剤を内蔵させることにより、ハロゲン化銀層
が静電気から保護され、また高速ラベル貼付装置での容
器のラベル貼付を促進することが示されたようにラベル
上の静電気が減少する。帯電防止層を含むライナーへの
スタンド・アローン又はサプリメントとして、感圧接着
剤は、さらに導電性金属酸化物、カーボン粒子及び合成
スメクタイト粘土からなる群より選ばれた帯電防止剤を
含むこと、又は固有導電性ポリマーで多層化されること
ができる。好ましい実施態様の1つとして、帯電防止剤
は金属酸化物である。金属酸化物が好ましい理由は、熱
可塑性接着剤に容易に分散されて当該技術分野で公知の
いずれの手段によってもポリマーシートに適用されるこ
とができるからである。本発明において有用となり得る
導電性金属酸化物は、ドープ型金属酸化物、酸素欠陥金
属酸化物、金属アンチモン酸塩、導電性の窒化物、炭化
物又はホウ化物、例えば、TiO2, SnO2, Al2O3, ZrO3, I
n2O3, MgO, ZnSb2O6, InSbO4, TiB2, ZrB2, NbB2,TaB2,
CrB2, MoB, WB, LaB6, ZrN, TiN, TiC及びWC、から成
る群より選択される。最も好適な材料は酸化錫及び五酸
化バナジウムであるが、これは、導電性に優れ、かつ、
透明であるからである。
【0041】高品位であり、テキスト、グラフィクス及
びイメージを取り扱うことができ、短時間運転の印刷作
業量でも経済的であり、しかも肌色トーンを正確に再現
する包装体に適用可能なデジタル印刷技術を提供するた
めには、ハロゲン化銀画像形成法が好適である。ハロゲ
ン化銀技術は黒白であってもカラーであってもよい。ハ
ロゲン化銀画像形成層は、包装体への適用前に、露光し
て現像されることが好ましい。本発明の柔軟性基材は、
高速ラベル貼付装置においてイメージの効率的な搬送及
び適用を可能ならしめるに必要な引張強さ及び摩擦係数
特性を有する。本発明の基材は、感圧接着剤を含有する
柔軟性ラベル素材の感光性ハロゲン化銀画像形成層を適
用することによって形成される。画像形成層、面素材及
び感圧接着剤は、ラベル貼付装置において、高靭性ライ
ナー材料を使用して支持されて搬送される。感光性ハロ
ゲン化銀画像形成層は、水、コーヒー及び手の皮脂のよ
うな環境溶剤に弱いので、現像後の感光性ハロゲン化銀
画像形成層に環境保護層を適用することが好ましい。
【0042】図面に、積層紙ライナーを具備したハロゲ
ン化銀感圧ラベルを示す。現像済ハロゲン化銀画像層10
が面素材12に付着している。面素材12の現像済ハロゲン
化銀画像層とは反対側に感圧層14が付着している。感圧
層14と積層紙ライナー18との間にシリコーン層16が存在
する。ラベルのダイ切断時には、ハロゲン化銀層10と、
面素材12と、接着剤層14とがダイで切断される。ハロゲ
ン化銀ラベルを包装体へ適用する際には、シリコーン層
16と積層紙ライナー18とを剥離して感圧接着剤層14を露
出させ、その感圧接着剤層を包装体面に接触させること
により本発明の写真ラベルを包装体へ付着させる。
【0043】環境保護層は、環境溶媒から画像を保護
し、引掻に耐え、そして画質を害さない好適な材料から
なるものであってもよい。画像の現像に必要とされる液
体処理化学薬剤は、典型的なハロゲン化銀像形成法を利
用して、像形成層の表面に有効に浸透して、ハロゲン化
銀およびカプラーと接触することができなければならな
いので、環境保護層は画像の現像後に写真画像に適用さ
れるのが好ましい。環境保護層は、一般に、現像液の化
学薬剤に対して不透過性である。電場の存在下で透明ポ
リマー粒子を像形成層の最頂部表面に適用し、最頂部層
に融着させて、透明ポリマー粒子に連続高分子層を形成
させる環境保護層が好ましい。電子写真用トナーを応用
したポリマーは、薄い環境保護層を写真ラベルに適用す
るための有効な手段であり、環境溶媒および取り扱いに
起因する損傷に耐えることが示されているので好まし
い。
【0044】もう1つの態様において、環境保護層を水
溶液から塗布することができ、これは、露光および処理
に耐え、処理後の融着工程において水不透過性の連続保
護層を形成するものである。この環境保護層は、平均粒
径が 0.1〜50μm のポリマービーズまたは粒子を、ポリ
マーラテックスバインダーといっしょに、増感された写
真製品の乳剤側に塗布することによって形成させるのが
好ましい。必要に応じて、該層に少量の水溶性塗布助剤
(粘度調節剤、界面活性剤)を、処理中にコーティング
から浸出する限りにおいて、含めることができる。露光
および処理の後に、画像を有する製品を、熱および/ま
たは圧力(融着)、溶媒処理、あるいは他の手段によっ
て、塗布されたポリマービーズの融着並びに凝集を引き
起こすような方法で処理して、所望の水不透過性の連続
保護層を形成させる。
【0045】環境保護層に使用されるポリマー粒子とし
て選ぶことができる好適なポリマーの例には、ポリ塩化
ビニル,ポリ塩化ビニリデン、ポリ (塩化ビニル-co-塩
化ビニリデン) 、塩素化ポリプロピレン、ポリ (塩化ビ
ニル-co-酢酸ビニル) 、ポリ(塩化ビニル-co-酢酸ビニ
ル-co-無水マレイン酸) 、エチルセルロース、ニトロセ
ルロース、ポリアクリル酸エステル、あまに油変性アル
キド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性ア
ルキド樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル、ポリビ
ニルブチラール、ポリイソシアネート樹脂、ポリウレタ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、クロマン樹脂、ダン
マルゴム、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、ビニルポリマ
ー(例えばポリスチレンおよびポリビニルトルエンまた
はビニルポリマーとメタクリレートまたはアクリレート
とのコポリマー)、ポリ (テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン) 、低分子量ポリエチレン、フ
ェノール変性ペンタエリトリトールエステル、ポリ (ス
チレン-co-インデン-co-アクリロニトリル) 、ポリ (ス
チレン-co-インデン) 、ポリ (スチレン-co-アクリロニ
トリル) 、ポリ (スチレン-co-ブタジエン) 、ポリメタ
クリル酸メチルを配合したポリメタクリル酸ステアリ
ル、シロキサンとポリアルケンとのコポリマーが含まれ
る。これらのポリマーは単独で、または組み合わせて使
用することができる。本発明の好ましい態様において、
上記ポリマーは、ポリエステルまたはポリ (スチレン-c
o-アクリル酸ブチル) を含んでなる。好ましいポリエス
テルは、エトキシル化および/またはプロポキシル化ビ
スフェノールAと、テレフタル酸、ドデセニルコハク
酸、およびフマル酸の1種以上とをベースとするもので
ある。これは、それらが、一般に、包装ラベルの厳しさ
に耐える適格な環境保護層を形成するからである。
【0046】環境保護層の耐摩耗性を向上させるため
に、架橋または分岐しているポリマーを使用することが
できる。例えば、ポリ (スチレン-co-インデン-co-ジビ
ニルベンゼン) 、ポリ (スチレン-co-アクリロニトリル
-co-ジビニルベンゼン) 、またはポリ (スチレン-co-ブ
タジエン-co-ジビニルベンゼン) を使用することができ
る。
【0047】環境保護層のためのポリマー粒子は透明で
あるべきであり、無色であるのが好ましい。しかしなが
ら、オーバーコートを通して画像を観察可能である限
り、色補正の目的のため、または特殊な効果を得るため
に、ポリマー粒子が何等かの色を有することができるこ
とも具体的に企図されている。従って、色を付与する色
素をポリマー粒子に導入することができる。さらに、オ
ーバーコートに所望の性質を与える添加剤をポリマー粒
子に導入することができる。例えば、紫外線吸収剤をポ
リマー粒子に導入して、オーバーコートを紫外線吸収性
とし、紫外線誘起退色から画像を保護したり、または青
の色味剤をポリマー粒子に導入して、ハロゲン化銀像形
成層に使用されているゼラチンの本来の黄色みを相殺す
ることもできる。
【0048】環境保護層を形成するポリマー粒子の他
に、要素の表面特性を改質する他の粒子を上記ポリマー
組成物と組み合わせることもできる。このような粒子
は、上記ポリマー粒子を融着させる条件において固体で
あり、かつ非融着性であり、このような粒子には、融着
工程においては溶融せず、オーバーコートに表面粗さを
付与するシリカなどの無機粒子およびメタクリル酸メチ
ルビーズなどの有機粒子が含まれる。
【0049】環境保護層の表面特性は、トナーを形成し
ているポリマーの物理特性および非融着性の固体粒子の
存在または欠如に大部分を依存している。しかしなが
ら、オーバーコートの表面特性はまた、その表面を融着
させる条件によっても改質することができる。例えば、
トナーを融着させて連続オーバーコート層を形成させる
のに使用される融着部材の表面特性を選んで、所望の程
度の平滑性、テクスチャー、またはパターンを要素の表
面に付与することができる。従って、非常に平滑な融着
部材は像形成された要素に光沢のある表面を与え、テク
スチャー加工された融着部材は艶消し表面あるいはテク
スチャー加工表面を要素に与え、パターンを有する融着
部材は要素の表面にパターンを与えるであろう。
【0050】ポリマーラテックスバインダーの好適な例
には、アクリル酸ブチル、2-アクリルアミド -2-メチル
プロパンスルホネート、およびアセトアセトキシエチル
メタクリレートのラテックスコポリマーが含まれる。他
の有用なラテックスポリマーには、コロイド状懸濁液と
して水中に懸濁されている20〜10,000nmの直径および60
℃未満のTg を有するポリマーが含まれる。
【0051】環境保護層のための好適なコーティング助
剤の例には、コーティング懸濁液に相当の粘度を付与す
る、あらゆる水溶性ポリマーまたは他の材料(例えば高
分子量多糖類誘導体(例えばキサンタンガム、ガーゴ
ム、アラビアゴム、Keltrol(Merck and Co., Inc.によ
って供給されているアニオン性多糖類))、高分子量ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸およびその
塩、ポリアクリルアミドなど)が含まれる。界面活性剤
には、端部の引け、はじき、および他のコーティング欠
陥を防止するのに十分にコーティング配合物の表面張力
を下げる、あらゆる表面活性材料が含まれる。これらに
は、アルキルオキシ−またはアルキルフェノキシポリエ
ーテルまたはポリグリシドール誘導体およびそれらの塩
(例えばOlin Matheson Corporation から入手可能なノ
ニルフェノキシポリグリシドールまたはオクチルフェノ
キシポリエチレンオキシド硫酸ナトリウム)、有機スル
フェートまたはスルホネート(例えばドデシル硫酸ナト
リウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ビス (2-エチ
ルヘキシル) スルホコハク酸ナトリウム (Aerosol OT)
)、およびアルキルカルボン酸塩(例えばデカン酸ナ
トリウム)が含まれる。
【0052】現像されたハロゲン化銀像形成層の最外層
に紫外線重合性モノマーまたはオリゴマーを適用し、そ
の後、輻射線に曝して、薄い架橋保護層を形成させるの
が好ましい。紫外線硬化ポリマーは、ハロゲン化銀像形
成層の最外層への適用が容易であり、ハロゲン化銀ラベ
ル材料に適格な保護層を提供することが見出されている
ので好ましい。好ましい紫外線硬化ポリマーには、脂肪
族ウレタン、メタクリル酸アリル、二メタクリル酸エチ
レングリコール、ポリイソシアネート、およびメタクリ
ル酸ヒドロキシエチルが含まれる。好ましい光開始剤は
ベンジルジメチルケタールである。輻射線の好ましい強
度は 0.1〜 1.5mW/cm2である。0.05未満では、架橋が不
十分で、包装品のラベル貼付に対して十分な保護を提供
しない保護層となる。
【0053】現像されたハロゲン化銀ラベル画像の最外
層に予備成形されたポリマー層を適用して環境保護層を
形成させるのがもっとも好ましい。予備成形されたシー
トは強靱で耐久性があり、環境溶媒および取り扱い時に
像形成されたハロゲン化銀に加えられる力に容易に耐え
るので、予備成形されたシートの適用が好ましい。予備
成形されたポリマーシートの適用は、画像現像後の積層
によって行われるのが好ましい。写真ラベルおよび予備
成形されたポリマーシートを接着し、画像の品質を低下
させる閉じ込められた空気を排除する加圧ニップの前
に、写真ラベルまたは予備成形されたポリマーシートの
いずれかに接着剤を適用する。
【0054】予備成形されたシートは、配向プロセスで
強度及び靭性が発揮されるため、配向ポリマーであるこ
とが好ましい。柔軟性基材として好適なポリマーに、ポ
リオレフィン、ポリエステル及びナイロン(商標)があ
る。好適なポリオレフィンとして、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリ
ブチレン及びこれらの混合物が挙げられる。ヘキセン、
ブテン及びオクテンのようなエチレンとプロピレンのコ
ポリマーをはじめとするポリオレフィンコポリマーも有
用である。ポリプロピレンが最も好適である。というの
は、感圧ラベルに必要とされる所望の強度及び靭性を有
し、しかも低コストだからである。
【0055】現像されたハロゲン化銀ラベル画像に合成
ラテックスを適用すると、もう1つの好ましい環境保護
層となる。合成ラテックスを塗布により、適格な環境保
護層が提供され、また、水溶液として塗布することがで
きるので、溶媒への暴露が排除されることが示されてい
る。ラテックスの塗布により、ハロゲン化銀包装用ラベ
ルに適格な環境保護層が提供されることが示されてい
る。環境保護層に好ましい合成ラテックスは、乳化重合
技法によって、スチレンブタジエンコポリマー、アクリ
レート樹脂、およびポリ酢酸ビニルから製造される。合
成ラテックスとして好ましい粒径は、0.05〜0.15μm の
範囲にわたる。合成ラテックスは、ロッドコーティン
グ、ロールコーティング、およびホッパーコーティング
を含む既知のコーティング方法によって、ハロゲン化銀
ラベル像形成層の最外層に適用される。合成ラテックス
は適用後に乾燥されなければならず、ハロゲン化銀画像
の画質を害することの無いように、乾燥して透明になら
なければならない。
【0056】感光性ハロゲン化銀画像形成層が適用され
る本発明に用いられる面素材又は柔軟性基材は、ハロゲ
ン化銀画像形成層を妨害してはならない。さらに、本発
明の面素材はハロゲン化銀画像形成システムの性能を最
適化する必要がある。好適な柔軟性基材は、自動化包装
装置において、ラベルの各種容器への貼付について効率
的に性能発揮することも必要である。好ましい柔軟性基
材はセルロース紙である。セルロース紙基材は、ポリマ
ー基材に比べて柔軟性があり、強く、しかもコストが低
い。さらに、セルロース紙基材によると、包装用途によ
っては望ましい場合があるテキスチャー付きラベル面が
可能である。紙には防水用のコーティングを付与するこ
とができる。これは、本発明の写真要素はハロゲン化銀
を現像するために薬剤水溶液で処理しなければならない
からである。好適なコーティングの一例としてアクリル
ポリマー又はポリエチレンが挙げられる。
【0057】ポリマー基材は、耐引裂性があり、コンフ
ォーマビリティに優れ、耐薬品性が良好で、しかも高強
度であることから、別の好ましい面素材となる。好適な
ポリマー基材として、ポリエステル、ポリエチレンやポ
リプロピレンのような配向ポリオレフィン、ポリプロピ
レンやポリエチレンのような流延ポリオレフィン、ポリ
スチレン、アセテート及びビニルが含まれる。ポリマー
は、強くて柔軟であり、ハロゲン化銀画像形成層のコー
ティングとして優れた表面を提供するので好ましい。
【0058】二軸延伸ポリオレフィンシートは、低コス
トであり、ハロゲン化銀系を最適化する優れた光学特性
を有し、しかも高速ラベル貼付装置において包装体に適
用可能であることから好ましい。ミクロボイドを有する
複合二軸延伸シートは、そのボイド化層がTiO2によらず
とも不透明性と明るさを付与するので、最も好ましい。
ミクロボイドを有する二軸延伸シートのボイド化層は、
ハロゲン化銀画像形成層の感圧性を顕著に減じることも
示されている。ミクロボイドを有する二軸延伸シート
は、コア層と表面層とを同時押出し、次いで二軸延伸し
てコア層に含まれるボイド発生材料の周囲にボイドを形
成させることにより製造され、便利である。このような
複合シートは米国特許第4,377,616号、同第4,758,462
号、同第4,632,869号及び同第5,866,282号に記載されて
いる。必要に応じて、二軸延伸ポリオレフィンシートを
紙シートの片面又は両面にラミネートすることにより剛
性の一段と高いラベルを形成することもできる。
【0059】柔軟性ポリマー面素材基材は2層以上を含
有することができる。柔軟性基材の表皮層は、先にコア
マトリックスについて列挙したものと同一の高分子材料
でできていてもよい。複合シートは、コアマトリックス
と同一の高分子材料の表皮でできていてもよいし、ま
た、コアマトリックスとは異なる高分子材料の表皮でで
きていてもよい。適合性を考慮し、表皮層のコアへの密
着性を高めるために補助層を使用することもできる。
【0060】感光性ハロゲン化銀画像形成層のコーティ
ングとして好ましい柔軟性面素材基材は、ボイドを有す
る二軸延伸ポリオレフィンシートである。ボイドを有す
るフィルムは、不透明性、白色性及び画像鮮鋭性を画像
に与えるので好ましい。本明細書における用語「ボイ
ド」は、気体を含有する可能性はあるが、固体添加物や
液体添加物を含まないことを意味する。完成した包装用
シートのコアに残存するボイド発生粒子は、直径が0.
1〜10μmの範囲内にあることが必要であり、そして
所望の形状及び大きさのボイドを発生させるために丸形
であることが好ましい。ボイドの大きさは、縦方向及び
横方向の延伸度合いにも依存する。理想的には、ボイド
は、2つの凹形ディスクを縁が接するように向かい合わ
せることにより画定される形状をとる。別言すれば、ボ
イドはレンズのような両凸形状を有する傾向がある。ボ
イドは、2つの主要次元がシートの縦方向と横方向に整
列するように配向する。Z次元軸は副次元であり、概ね
ボイド生成粒子の横断面直径の大きさとなる。ボイドは
一般に独立気泡になりやすく、このためボイド含有コア
の片側から反対側にかけて気体や液体が横断できるよう
な開放経路は実質的には存在しない。
【0061】本発明の写真要素は、一般に、光沢面、す
なわち、優れた反射性を付与するに十分な平滑性を有す
る表面を有する。乳白色表面は、消費者の知覚に好まし
いユニークな写真外観をラベルに与えるので、好ましい
場合がある。乳白色表面は、鉛直方向におけるミクロボ
イドが1〜3μmの範囲内にある場合に達成される。鉛
直方向とは、画像形成部材の平面に垂直な方向を意味す
る。ミクロボイドの厚さは、最良の物理特性及び乳白色
性を得るためには、0.7〜1.5μmの範囲内にあるこ
とが好ましい。鉛直方向に含まれるミクロボイドの数は
8〜30の範囲内にあることが好ましい。鉛直方向のミ
クロボイド数が6個未満であると、所望の乳白色表面が
得られない。鉛直方向のミクロボイド数が35個を超え
ても、乳白色表面の光学的外観を有意に改良することは
ない。
【0062】柔軟性面素材基材のボイド生成材料は、各
種材料の中から選ぶことができ、コアマトリックスポリ
マーの質量に対して約5〜50質量%の範囲内の量で存在
させるべきである。ボイド生成材料は高分子材料を含む
ことが好ましい。高分子材料を使用する場合、コアマト
リックスを製造するポリマーと溶融混合することがで
き、懸濁液を冷却した際に分散球形粒子を形成すること
ができるポリマーであることができる。この例として、
ポリプロピレンに分散したナイロン(商標)、ポリプロ
ピレンに分散したポリブチレンテレフタレート、又はポ
リエチレンテレフタレートに分散したポリプロピレンが
挙げられる。ポリマーを予め付形しておいてマトリック
スポリマーに配合する場合、重要な特性は該粒子の大き
さと形状である。球体が好ましいが、それは中空体であ
っても中実体であってもよい。これらの球体は、一般式
Ar-C(R)=CH2(式中、Arは芳香族炭化水素基又はベンゼ
ン系列の芳香族ハロ炭化水素基を表し、Rは水素又はメ
チル基を表す)で表されるアルケニル芳香族化合物;式
CH2=C(R’)-C(O)(OR)(式中、Rは水素及び炭素原子数約
1〜12のアルキル基からなる群より選ばれ、R’は水素
及びメチルからなる群より選ばれる)で表されるモノマ
ーを含むアクリレート系モノマー;塩化ビニルと塩化ビ
ニリデン、アクリロニトリルと塩化ビニル、臭化ビニ
ル、式CH2=CH(O)COR(式中、Rは炭素原子数2〜18のア
ルキル基である)で表されるビニルエステルのコポリマ
ー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、オレイン酸、ビニル安息
香酸;テレフタル酸及びそのテレフタル酸ジアルキル又
はエステル形成性誘導体と、HO(CH2)nOH系列(式中、n
は2〜10の全数である)のグリコールとの反応により合
成された合成ポリエステル樹脂であってポリマー分子内
に反応性オレフィン結合を有するもの、からなる群より
選ばれた部材である架橋ポリマーから製造することがで
きる。上記ポリエステルは、最大20質量%まで、反応性
オレフィン系不飽和を有する第2の酸又はそのエステル
及びその混合物を共重合させて含み、また、ジビニルベ
ンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジア
リルフマレート、ジアリルフタレート及びそれらの混合
物からなる群より選択された架橋剤を含む。
【0063】架橋ポリマーボイド生成粒子を製造するた
めの典型的なモノマーの例として、スチレン、アクリル
酸ブチル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタク
リル酸メチル、エチレングリコールジメタクリレート、
ビニルピリジン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、塩化
ビニルベンジル、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジビニ
ルベンゼン、アクリルアミドメチル‐プロパンスルホン
酸、ビニルトルエン、等が挙げられる。架橋ポリマーは
ポリスチレン又はポリ(メタクリル酸メチル)であるこ
とが好ましい。最も好ましくは、架橋ポリマーはポリス
チレンであり、その架橋剤はジビニルベンゼンである。
【0064】当該技術分野で周知の方法によると、粒径
分布幅が広いことを特徴とする大きさが均一にならない
ボイド生成粒子が得られる。得られたビーズは、初期の
粒径分布範囲にわたりビーズをスクリーニングすること
によって分級することができる。懸濁重合法、限定凝集
法のような他の方法によると、大きさが非常に均一な粒
子が直接得られる。
【0065】ボイド生成材料は、ボイドの発生を促進す
るための剤でコーティングすることができる。適当な剤
又は潤滑剤として、コロイドシリカ、コロイドアルミ
ナ、及び酸化錫や酸化アルミニウムのような金属酸化物
が挙げられる。好適な剤はコロイドシリカ及びアルミナ
であり、最も好ましいのはシリカである。剤をコーティ
ングした架橋ポリマーは、当該技術分野で周知の方法に
よって調製することができる。例えば、常用の懸濁重合
法において当該剤を懸濁液に添加する方法が好適であ
る。当該剤としてはコロイドシリカが好適である。
【0066】ボイド生成材料は無機球体であってもよ
く、これには中実もしくは中空のガラス球体、金属もし
くはセラミックビーズ又はクレー、タルク、硫酸バリウ
ムもしくは炭酸カルシウムのような無機粒子が含まれ
る。重要なことは、当該材料がコアマトリックスポリマ
ーと化学的に反応して下記の問題を1つでも引き起こさ
ないことである:(a)マトリックスポリマーの結晶化速
度論を変更することにより配向を困難にすること、(b)
コアマトリックスポリマーを破壊すること、(c)ボイド
生成粒子を破壊すること、(d)ボイド生成粒子をマトリ
ックスポリマーに密着させること、又は(e)毒性部分も
しくは高度着色部分のような望ましくない反応生成物を
生じること。ボイド生成材料は写真活性を有してはなら
ず、また、二軸延伸ポリオレフィンシートが使用されて
いる写真要素の性能を劣化させてはならない。
【0067】高分子面素材基材の最上表皮層の全厚は
0.20μm〜1.5μm、好ましくは0.5μm〜1.0
μmの範囲内にすることができる。0.5μm未満であ
ると、同時押出表皮層に固有の非平面性により、許容で
きないカラーバリエーションが生じる場合がある。表皮
厚が1.0μmを超えると、解像度のような写真光学特
性が低下する。また、厚みが1.0μmを超えると、ク
ランプ(clump)や不十分な着色顔料分散といった汚染を
濾過するための材料量が一層多くなる。
【0068】画像形成要素の色を変更するために柔軟性
面素材基材の最上表皮層に添加物を添加してもよい。ラ
ベル表示用途の場合、若干青味がかった白色基材が好適
である。若干の青味付けは、押出工程前に着色濃縮物を
機械混合して所望の配合比率で予め配合しておいた青着
色剤を溶融押出する方法をはじめとする当該技術分野で
公知のどのような方法でも達成することができる。表皮
層の同時押出には320℃を上回る温度が必要であるた
め、320℃よりも高い押出温度に耐え得る着色顔料が好
ましい。本発明に用いられる青着色剤は、画像形成要素
に悪影響を及ぼさないものであればどのような着色剤で
あってもよい。好適な青着色剤として、フタロシアニン
系青顔料、クロモフタル系青顔料、イルガジン(Irgazi
n)系青顔料及びイルガライト(Irgalite)系有機青顔料が
挙げられる。UVエネルギーを吸収して青領域にて広く
発光するように表皮層に蛍光増白剤を添加してもよい。
表皮層にTiO2を添加してもよい。本発明の薄い表皮層に
TiO2を添加しても該シートの光学性能に顕著に寄与する
ことはないが、押出ダイライン及びスポットのようない
くつかの製造上の問題を引き起こすことはある。表皮層
は実質的にTiO2を含まないことが好ましい。0.20〜
1.5μmの範囲内の層に添加されたTiO2は、支持体の
光学特性を実質的に改良することはなく、設計コストを
増大させ、そして押出プロセスでは望ましくない顔料ラ
インの問題を引き起こす。
【0069】柔軟性基材の光学特性を改良するためにコ
アマトリックス及び/又は1層以上の表皮層に添加物を
添加することができる。二酸化チタンが好適であり、本
発明では画像鮮鋭性又はMTF、不透明性及び白色度を
改良するために用いられる。用いるTiO2はアナターゼ型
であってもルチル型であってもよい。さらに、アナター
ゼ型TiO2とルチル型TiO2の両方を配合することにより白
色度と鮮鋭性の両方を改良することができる。写真系に
許容できるTiO2の例として、DuPont Chemical社製R101
ルチルTiO2及び同R104ルチルTiO2が挙げられる。本発明
では、当該技術分野において写真光学応答性を改良する
ことが知られている他の顔料も使用することができる。
当該技術分野において白色度を改良することが知られて
いる他の顔料の例として、タルク、カオリン、CaCO3、B
aSO4、ZnO、TiO2、ZnS及びMgCO3が挙げられる。TiO2
好適なタイプは、ボイド含有層と共に画像白色度及び鮮
鋭性を最適化することがわかったので、アナターゼ型で
ある。
【0070】二軸延伸シートを表面から観察する時に画
像形成要素が紫外線照射時に可視スペクトルで発光する
ように本発明の柔軟性面素材基材に添加物を添加するこ
とができる。可視スペクトルで発光することにより、紫
外エネルギーの存在下で支持体は所望のバックグラウン
ド色を有することができる。これは、画像を外部で観察
する時には、太陽光が紫外エネルギーを含み、これを利
用して消費者用途及び商業用途の画質を最適化すること
ができるので、特に有用である。
【0071】当該技術分野において青スペクトルの可視
光を発することが知られている添加物が好適である。消
費者は、一般に、1つのb*単位内のb*がゼロであると
して定義される中性濃度最低値に対して負のb*として
定義される現像された像の濃度最低領域よりも若干青味
がかっていることを好む。b*はCIE(国際照明委員会)色
空間の黄色/青色の測定値である。正のb*は黄色を示
し、負のb*は青色を示す。青スペクトルにおいて発光
する添加物の添加により、画像の白色度を低下させるで
あろう着色剤を添加することなく支持体の色味付けが可
能となる。好適な発光はΔb*単位で1〜5の範囲内で
ある。Δb*は、試料を紫外光源で照明した時と有意な
紫外エネルギーを含まない光源で照明した時とのb*
定値の差として定義される。Δb*は、本発明の最上部
二軸延伸シートに蛍光増白剤を添加して得られる正味の
効果を求めるのに好適な測定値である。1b*単位未満
の発光はほとんどの顧客には認知できないので、b*
化量が1b*単位未満である時には二軸延伸シートへ蛍
光増白剤を添加することはコスト的に有効ではない。5
*単位を上回る発光は、画像のカラーバランスを損な
い、ほとんどの顧客にとって白色が青く見えすぎるであ
ろう。
【0072】好適な添加物は蛍光増白剤である。蛍光増
白剤は、紫外光を吸収してこれを可視青光として発する
無色の蛍光性有機化合物である。蛍光増白剤の例とし
て、4,4’-ジアミノスチルベン-2,2’-ジスルホン酸の
誘導体、4-メチル-7-ジエチルアミノクマリンのような
クマリン誘導体、1,4-ビス(O-シアノスチリル)ベンゾー
ル及び2-アミノ-4-メチルフェノールが挙げられるが、
これらに限定はされない。
【0073】ボイドは柔軟性基材の不透明性を増大させ
る。このボイド含有層は、TiO2、CaCO3、クレー、BaS
O4、ZnS、MgCO3、タルク、カオリンその他の2層以上の
前記フィルムにおいて高反射性白色層を提供する材料か
らなる群より選ばれた少なくとも1種の顔料を含有する
層との併用も可能である。着色層とボイド含有層を組み
合わせることにより、最終画像の光学性能において有利
な効果が得られる。
【0074】柔軟性面素材基材のボイド含有層は、亀裂
や隣接層からの離層のような物理的破損に対して、中実
層よりも弱い。特に、TiO2を含むボイド含有構造又はTi
O2を含む層に近接しているボイド含有構造は、長期間の
露光により機械特性を失い、また物理的破損を受けやす
い。TiO2粒子はポリプロピレンの光酸化的分解を開始
し、これを促進する。多層二軸延伸フィルムの少なくと
も一層に、好ましい態様ではTiO2を含む層に、ヒンダー
ドアミン系安定剤を添加することにより、最も好ましい
態様としてはTiO2を含む層とその隣接する層との双方に
ヒンダードアミンを含めることにより、明所保存及び暗
所保存の両方における画像安定性が改良される。
【0075】ポリマー面素材基材は、前記フィルムの少
なくとも一層に約0.01〜5質量%の安定化量のヒンダー
ドアミンを含有することが好ましい。これらの量で二軸
延伸フィルムの安定性が改良されるが、約0.1〜3質量
%の好適な範囲により、明所保存及び暗所保存の両方に
おける安定性の改良バランスに優れると同時に、当該構
造体のコストが一層効果的になる。
【0076】ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)は、
2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを発祥とするヒンダー
ドアミン化合物の一般群から得ることができる。ヒンダ
ードアミン系光安定剤という用語は、ヒンダードピペリ
ジン類似体について使用することが受け入れられてい
る。この化合物は、酸素存在下、ポリプロピレンの光酸
化を妨害する安定なニトロキシル基を生成することによ
り、画像形成要素に優れた長期写真安定性を付与する。
ヒンダードアミンは、最終製品における移行を極力抑え
るに十分な分子量を有し、好適な濃度においてポリプロ
ピレンと混和し、そして最終製品に色を付与することが
ない。好適な実施態様におけるHALSの例として、ポリ
{[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチルアミノ)-1,3,5-トリ
アジン-4-ピペリジニル]-イミノ]-1,6-ヘキサンジイル
[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)イミノ]}(Ch
imassorb 944 LD/FL)、Chimassorb 119、及びビス(1,
2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)[3,5-ビス(1,1-
ジメチルエチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル]ブチル
プロパンジオエート(Tinuvin 144)が挙げられるが、こ
れらに限定はされない。
【0077】さらに、柔軟性面素材基材は、ポリプロピ
レンの熱安定化に通常用いられているヒンダードフェノ
ール系一次酸化防止剤のいずれかを単独で、又は二次酸
化防止剤とを組み合わせて、含有することができる。ヒ
ンダードフェノール系一次酸化防止剤の例として、ペン
タエリトリチルテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート](例、Irganox 101
0)、オクタデシル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート(例、Irganox 1076)、ベンゼ
ンプロパン酸3,5-ビス(1,1-ジメチル)-4-ヒドロキシ-2
[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェ
ニル]-1-オキソプロピル]ヒドラジド(例、Irganox MD1
024)、2,2’-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル
-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](例、Irganox
1035)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリ(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシベンジル)-ベンゼン(例、Irganox 133
0)が挙げられるが、これらに限定はされない。二次酸
化防止剤としては、トリフェニルホスファイト(例、Ir
gastab TPP)、トリ(n-プロピルフェニル-ホスファイ
ト)(例、Irgastab SN-55)、2,4-ビス(1,1-ジメチル
フェニル)ホスファイト(例、Irgafos 168)のような
例をはじめとする有機アルキル及びアリールホスファイ
トが挙げられ、好適な態様にはIrgafos 168が含まれ
る。ヒンダードアミンに他の一次及び二次酸化防止剤を
組み合わせると、溶融処理及び押出工程中のポリプロピ
レンのようなポリマーに熱安定性を付与し、さらには写
真のような画像形成品の単層系においては自明ではない
明所及び暗所保存特性を高めることにより、多層二軸延
伸ポリマーシートにおいて相乗効果が得られる。これら
の意外な結果により、画像形成品に利用できるポリマー
の範囲が広がり、よってそれらの設計に高い特徴を導入
することができる。
【0078】多層同時押出型柔軟性面素材基材に含まれ
るいずれの層にも蛍光増白剤を添加することができる。
好適な添加場所は、前記シートの露出面層又はその付近
である。これにより、蛍光増白剤の濃度の効率化が可能
となる。
【0079】蛍光増白剤の所望の質量%の充填が、蛍光
増白剤が支持体の表面に移行してきて画像形成層中で結
晶を形成する濃度に近づき始めた場合、露出層に隣接し
た層に蛍光増白剤を添加することが好ましい。蛍光増白
剤を使用する従来の画像形成支持体では、画像形成層内
への移行を防止するために高価なグレードの蛍光増白剤
を使用する。感光性ハロゲン化銀画像形成系の場合のよ
うに、蛍光増白剤の移行が問題となる時、好適な露出層
は蛍光増白剤を実質的に含まないポリエチレンを含む。
この場合、露出層に隣接した層からの移行は、露出面層
が蛍光増白剤に対してバリヤとして作用するため有意に
減少し、画質を最適化するためにはるかに多量の蛍光増
白剤を使用することが可能となる。さらに、露出層に隣
接した層に蛍光増白剤を配置することにより、実質的に
蛍光増白剤を含まない露出層としてより安価な蛍光増白
剤を使用することができ、蛍光増白剤の著しい移行が防
止される。本発明の二軸延伸シートにおける蛍光増白剤
の望ましくない移行を抑える別の好ましい方法は、露出
面に隣接する層にポリプロピレンを使用する方法であ
る。
【0080】本発明の柔軟性二軸延伸面素材基材はミク
ロボイドを含有するコアを有するものが好ましい。ミク
ロボイド含有コアは、画像形成支持体の不透明性及び白
色度を増大させ、さらには画質を改良する。ミクロボイ
ド含有コアの画質の利点と、紫外エネルギーを吸収して
可視スペクトルで発光する材料とを組み合わせることに
より、画像支持体は、紫外エネルギー照射時に色味を示
し、室内光のような有意な紫外エネルギーを含まない照
明下で画像を観察した時にも優れた白色度を保持するこ
とができるので、画質のユニークな最適化が可能とな
る。
【0081】柔軟性二軸延伸基材のボイド含有層に配置
されたミクロボイドが望ましくない圧力カブリを抑える
ことがわかった。数百kg/cm2のオーダーの機械的圧力
が、完全には理解されていない書込み時の機構により感
度の望ましくない可逆的低下を引き起こす。機械的圧力
の正味の結果は、主として黄色濃度である濃度の望まし
くない増加である。二軸延伸柔軟性基材に含まれるボイ
ド含有層が、変換及び写真処理工程に共通して、機械的
圧力をボイド含有層の圧縮により吸収し、黄色濃度の変
化量を抑制する。感圧性の測定は、感光性ハロゲン化銀
乳剤塗膜に206 MPaの荷重をかけ、イエロー層を現像
し、そしてX-Riteモデル310(又は相当する)写真透過
濃度計で未荷重対照試料と荷重試料との濃度差を測定す
ることにより行われる。イエロー層の好ましい濃度変化
量は206 MPaにおいて0.02未満である。イエロー濃度変
化量が0.04になると顕著に認知でき、望ましくない。
【0082】柔軟性面素材基材の同時押出、急冷、延伸
及びヒートセット処理は、フラットシートプロセスやバ
ブル法又はチューブラ法によるような配向シートを製造
するための当該技術分野で知られているいずれの方法に
よっても行うことができる。フラットシートプロセス
は、配合物をスリットダイから押し出して、押し出され
たウェブを冷却キャスティングドラム上で急冷すること
により、シートのコアマトリックスポリマー成分及び表
皮成分をガラス凝固温度よりも低温に冷却するという方
法である。次いで、急冷したシートを、当該マトリック
スポリマーのガラス転移温度よりも高いが溶融温度より
も低い温度において相互に直交する方向に延伸すること
により二軸延伸する。シートの延伸は、一方向において
行ってから第二方向において行ってもよいし、両方向同
時に行ってもよい。シートを延伸した後、該シートを両
延伸方向における収縮をある程度抑えながら、ポリマー
を結晶化させてアニールするのに十分な温度に加熱する
ことによってヒートセットする。
【0083】ミクロボイドを有するコアの上にボイドを
含まない表皮を少なくとも1つ設けることにより、柔軟
性面素材基材の引張強さが増し、シートの製造適性も高
くなる。引張強さが増大することにより、すべての層に
ボイドを含むシートを製造する場合と比べ、シートの幅
を拡張し、また延伸比を高くすることができる。複数の
層を同時押出することにより、製造工程がさらに簡略化
される。
【0084】柔軟性ラベルベースは、透明なものが好ま
しい場合がある。透明な柔軟性ラベルベースを使用する
ことにより、ラベルを通して包装体の中身が観察できる
ラベル表示用途に特に有用な透明感圧ラベルが得られ
る。例として、ワインボトルラベル表示、シャンプーボ
トルラベル表示及び透明又は着色ガラスを使用する飲料
ボトルが挙げられる。本発明における「透明」材料は、
分光透過率が90%を超える材料として定義される。画像
形成要素の場合、分光透過率は、透過出力の入射出力に
対する比率であり、式:TRGB=10-D×100による百分率
で表される。式中、Dは、X-Riteモデル310(又は相当
する)写真透過濃度計によって測定された赤、緑及び青
のステータスA透過濃度の平均値である。
【0085】ほとんどの用途では、光透過率が20%未満
である柔軟性ラベルベースが好適である。光透過率が20
%未満であることにより、反射性の高い優れた不透明ハ
ロゲン化銀感圧ラベルが得られる。暗くて画質を損なう
であろうバックグラウンドに対する感圧ラベル表示の場
合、不透明で反射性の高いラベルが有用である。一例と
して黒い包装体にラベル表示する場合が挙げられよう。
ラベルベースの光透過率が20%よりも高いと、画像が暗
くなり、顔の細部のような低濃度詳細部が消失すること
になる。
【0086】本発明では、典型的に高速包装装置を使用
して包装体表面に現像済ハロゲン化銀包装ラベルを貼付
できるようにするため、感圧写真ラベル接着剤を使用す
る。「剥離可能な分離」、「剥離強度」又は「分離力」
は、当該ラベルを適用した包装体からハロゲン化銀ラベ
ルを分離するのに要する力の測定値である。剥離強度
は、原子価力もしくはかすがい作用又はその両方からな
る写真ラベル接着剤の内部力によって互いに保持されて
いる2つの表面を分離するのに要する力である。剥離強
度は、インストロンゲージを使用し、試料を180°方向
に1.0m/分のクロスヘッド速度で剥離することにより測
定される。試料幅は5cmで、剥離距離は10cmである。
【0087】剥離可能な写真ラベル接着剤を使用するこ
とにより、消費者はラベルを包装体から分離することが
できる。ラベルが包装体から分離できることにより、例
えば、リベートクーポンを包装体に付着し、又は販促に
使用することができる。剥離可能な写真ラベル接着剤の
場合、ハロゲン化銀感圧ラベルと包装体との間の好適な
剥離強度は80グラム/cm以下である。剥離強度が100グ
ラム/cmを超えると、画像を包装体から分離することが
困難となる。さらに、剥離強度が110グラム/cmを超え
ると、その力は紙基材の内部強度に近づき始め、画像を
分離する前に紙基材が破損するという望ましくない結果
を引き起こす。
【0088】画像を基材から分離する際、本発明の剥離
可能な写真ラベル接着剤は、20グラム/cm〜100グラム
/cmの範囲内の好適な再定置剥離強度を有する。再定置
剥離強度は、写真ラベル接着剤を含む分離された画像
を、23℃及び50%RHの条件下でステンレススチールブロ
ックから剥離するのに要する力である。再定置剥離強度
が15グラム/cm未満であると、写真ラベル接着剤は、冷
蔵庫やフォトアルバムのような各種表面に付着したまま
でいるのに十分な剥離強度が不足する。剥離強度が120
グラム/cmを超えると、本発明の写真ラベル接着剤は凝
集性が高すぎて、後に画像を再定置することができなく
なる。
【0089】本発明の剥離可能な写真ラベル接着剤は、
単層であっても二層以上であってもよい。写真ラベル接
着剤層が二層以上ある場合、写真ラベル接着剤層の1つ
がラベルベースに優先的に付着する。画像が基材から分
離すると、本発明の写真ラベル接着剤を再定置のために
ラベルベースに付着させることができる。
【0090】再定置する写真ラベル接着剤のための剥離
層を含む基材が好適である。剥離層により、写真ラベル
接着剤の、写真ラベル接着剤とベースの界面での均一分
離が可能になる。剥離層は、剥離層を基材へ適用するた
めの当該技術分野で公知のいずれの方法によっても当該
ライナーに適用することができる。例として、シリコー
ンコーティング、テトラフルオロエチレンフルオロカー
ボンコーティング、フッ素化エチレンプロピレンコーテ
ィング及びステアリン酸カルシウムが挙げられる。
【0091】本発明の好適な剥離可能な写真ラベル接着
剤は、感光性ハロゲン化銀画像形成系と相互作用するこ
とにより画質を劣化させることがあってはならない。さ
らに、本発明の写真要素は写真処理されなければならな
いため、本発明の写真ラベル接着剤の性能が写真処理薬
剤によって損なわれることがあってもならない。好適な
写真ラベル接着剤は、画像を表面付着により所望の表面
に結合できるものであれば、無機系であっても有機系で
あっても、また天然系であっても合成系であってもよ
い。無機系の写真ラベル接着剤の例として、可溶性シリ
ケート、セラミック及び熱硬化性粉末ガラスが挙げられ
る。有機系の写真ラベル接着剤は天然系であっても合成
系であってもよい。天然系の有機写真ラベル接着剤の例
として、骨グルー、大豆スターチ、セルロース類、ゴム
ラテックス、ガム、テルペン、ゴム糊及び炭化水素樹脂
が挙げられる。合成系の有機写真ラベル接着剤の例とし
て、エラストマー溶剤、ポリスルフィドシーラント、イ
ソブチレン及びポリ酢酸ビニルのような熱可塑性樹脂、
エポキシ、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルブ
チラール及びシアノアクリレートのような熱硬化性樹脂
並びにシリコーンポリマーが挙げられる。
【0092】単層又は多層の写真ラベル接着剤系につい
て好適な写真ラベル接着剤組成物は、天然ゴム、合成ゴ
ム、アクリル樹脂、アクリル系コポリマー、ビニルポリ
マー、酢酸ビニル系、ウレタン系、アクリレート系材
料、塩化ビニル‐酢酸ビニルのコポリマー混合物、ポリ
ビニリデン、酢酸ビニル‐アクリル酸系コポリマー、ス
チレンブタジエン、カルボキシル化スチレンブタジエン
系コポリマー、エチレン系コポリマー、ポリビニルアル
コール、ポリエステル及びコポリマー、セルロース類及
び変性セルロース、スターチ及び変性スターチ化合物、
エポキシ、ポリイソシアネート、ポリイミドからなる群
より選択される。
【0093】水性感圧接着剤により、溶剤を排出しない
という製造工程上の利点が得られる。写真ラベル接着剤
層にランダム分布した非写真ラベル接着剤中実粒子を含
有する再定置可能な剥離可能写真ラベル接着剤は、プリ
ントを粘着した後に剥離して所望の最終結果を得ること
ができる能力を助長する。最も好適な感圧剥離可能写真
ラベル接着剤は、イソオクチルアクリレート/アクリル
酸コポリマーのような永久写真ラベル接着剤約5〜20質
量%とアクリレート微小球のような粘着性エラストマー
材料約95〜80質量%と含有する再定置可能な写真ラベル
接着剤層であって、その被覆量を約5〜20g/m2としたも
のである。
【0094】好適な剥離可能写真ラベル接着剤の材料
は、当該技術分野で公知の各種方法により適用されて、
薄い一致した写真ラベル接着剤コーティングを形成する
ことができる。例として、グラビアコーティング、ロッ
ドコーティング、リバースロールコーティング及びホッ
パーコーティングが挙げられる。写真ラベル接着剤は、
ラミネーション前にライナー又は面素材に塗布すること
ができる。
【0095】単層又は多層式写真ラベル接着剤系の場
合、好適な永久写真ラベル接着剤組成物は、エポキシ、
フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルブチラール、
シアノアクリレート、ゴム系写真ラベル接着剤、スチレ
ン/ブタジエン系写真ラベル接着剤、アクリル樹脂及び
ビニル誘導体からなる群より選ばれる。剥離可能な写真
ラベル接着剤と永久写真ラベル接着剤とを、写真支持構
造体における同一層内又は異なる場所に組み合わせて使
用することができる。写真ラベル接着剤を組み合わせた
構造の一例として、最上部二軸延伸シートとベース材料
との間に剥離可能な写真ラベル接着剤を配置し、かつ、
最底部二軸延伸シートとベース材料との間に永久写真ラ
ベル接着剤を配置したものが挙げられる。
【0096】感圧基材上のハロゲン化銀画像形成層は、
自動化ラベル貼付装置において各種包装体に適用される
ことが好ましい。好適な包装体の種類としてボトル、
缶、スタンドアップパウチ、ボックス及びバッグが挙げ
られる。包装体は、販売のため包装体を必要とする材料
を含有することができる。包装される好適な材料には液
体物及び粒状物がある。
【0097】本発明のハロゲン化銀包装用ラベルは厚さ
が600μm未満であることが好ましい。ハロゲン化銀包
装用ラベルが650μmよりも厚くても、画質又は包装用
ラベルの性能に顕著な改良は得られない。さらに、写真
ラベルが650μmよりも厚いと高速包装装置での搬送が
困難となる上、写真ラベルの厚さが700μmを上回るとB
ernoulli法を利用して写真ラベルを剥ぎ取ることも困難
である。
【0098】以下に、最外ハロゲン化銀画像形成層に環
境保護層(EPL)を適用した好適な不透明反射性ハロゲン
化銀感圧ラベル構造の一例を示す。当該ポリエチレン層
とポリプロピレン層は一体型二軸延伸シートであり、こ
れに感圧接着剤とライナー材料を積層した後に感光性ハ
ロゲン化銀画像形成層をコーティングした。 ─────────────────────────── 7.5μm粉砕型スチレンアクリル酸ブチル融合系EPL ─────────────────────────── ハロゲン化銀形成画像層 ─────────────────────────── 密度0.925 g/ccのポリエチレン ─────────────────────────── 6%TiO2及び蛍光増白剤を含むポリプロピレン ─────────────────────────── 密度0.50 g/ccのボイド含有ポリプロピレン層 ─────────────────────────── ポリプロピレン ─────────────────────────── アクリル系感圧接着剤 ─────────────────────────── 剥離可能なセルロース系裏紙 ───────────────────────────
【0099】以下に、最外現像済ハロゲン化銀画像形成
層に環境保護層(EPL)を適用した好適な透明ハロゲン化
銀感圧ラベル構造の一例を示す。当該ポリエチレン層と
ポリプロピレン層は一体型二軸延伸シートであり、これ
に感圧接着剤とライナー材料を積層した後に感光性ハロ
ゲン化銀画像形成層をコーティングした。 ─────────────────────────── 配向ポリプロピレンEPL ─────────────────────────── アクリル系感圧接着剤 ─────────────────────────── ハロゲン化銀形成画像層 ─────────────────────────── 青味剤を含む密度0.925 g/ccのポリエチレン ─────────────────────────── 蛍光増白剤を含むポリプロピレン ─────────────────────────── ポリプロピレン ─────────────────────────── アクリル系感圧接着剤 ─────────────────────────── 剥離可能なポリエステル裏材 ───────────────────────────
【0100】以下、肌色トーンを正確に再現することが
できる肌色トーンを最適化した好適な感光性ハロゲン化
銀乳剤について説明する。本発明は、電子焼付け法また
は従来の光学焼付け法のいずれかによって露光させた場
合に優れた性能を発揮することが可能なハロゲン化銀包
装用ラベルにも関する。電子焼付け法には、記録要素の
輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を、少なくとも10-5μ
J/cm2 (10-4 erg/cm2)の化学線に 100μ秒以下の時
間にわたって画素毎に暴露することが含まれる(ハロゲ
ン化銀乳剤層は上述のハロゲン化銀粒子を含んでな
る)。従来の光学焼付け法には、記録要素の輻射線感受
性ハロゲン化銀乳剤層を、少なくとも10-5μJ/cm2
(10-4 erg/cm2)の化学線に10-3〜 300秒にわたって像
様暴露することが含まれる(ハロゲン化銀乳剤層は上述
のハロゲン化銀粒子を含んでなる)。
【0101】本発明は、好ましい態様において、(a)
銀に対して50モル%を超える塩化物を含有し、(b)表
面積の50%超が{100}結晶面によって提供されてお
り、そして(c)全銀の95〜99%が中央部分に存在し、
かつ以下のクラス要求条件(i)および(ii)の各々を
満足するように選ばれた2種のドーパントを含有してい
るハロゲン化銀粒子を含んでなる輻射線感受性乳剤を利
用する。
【0102】(i)下式 [ML6n (上式中、nは0、−1、−2、−3または−4であ
り、Mはイリジウム以外の、フロンティア軌道が満たさ
れている多価金属イオンであり、そしてL6 は独立に選
ぶことができる橋かけ配位子を表すけれども、これらの
配位子のうち少なくとも4つはアニオン性配位子であ
り、これらの配位子のうち少なくとも1つはシアノ配位
子であるかまたはシアノ配位子よりも電気的に陰性であ
る配位子である)を満足する六配位金属錯体、および
(ii)チアゾールまたは置換チアゾール配位子を含有し
ているイリジウム配位錯体。
【0103】本発明は、柔軟性支持体と、上述のハロゲ
ン化銀粒子を含む少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
乳剤層とを含んでなる写真ラベルに関する。該写真ラベ
ルは、現像後の画像形成層に銀が残存して濃度に寄与す
る黒白系であってもカラー系であってもよい。
【0104】極めて驚くべきことに、ドーパント(i)
および(ii)の組み合わせは、いずれかのドーパント単
独で達成することができるよりも大きな相反則不軌の低
減を提供することが発見された。さらに、意外なこと
に、ドーパント(i)および(ii)の組み合わせは、い
ずれかのドーパントクラスを単独で用いる場合に達成さ
れる相反則不軌の低減を単に加法的に合計したものより
も大きな相反則不軌の低減を達成する。本発明以前に
は、ドーパント(i)および(ii)の組み合わせが、特
に高照度・短時間の露光に対して、相反則不軌をより大
幅に低減させることは、報告も、提案もされたことはな
い。意外なことに、ドーパント(i)および(ii)の組
み合わせはさらに、比較的少量のイリジウムを用いて高
照度相反性を達成し、従来のゼラチン−ペプタイザー
(例えば、低メチオニンゼラチン−ペプタイザー以外)
を使用しているときでさえ高照度および低照度の両方の
相反性を達成する。
【0105】好ましい実際の用途において、本発明の利
点は、画像処理装置からのディジタルデータと同時に各
々の画素を逐次的に露光させる際の人為現象 (artifac
t) が実質的に無いディジタルカラープリント画像の処
理量を増大させることができる。
【0106】1つの態様において、本発明は電子焼付け
法における改良を表す。具体的には、1つの態様におけ
る本発明は、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤
層を、少なくとも10-5μJ/cm2 (10-4 erg/cm2)の化学
線に 100μ秒以下の時間にわたって画素毎に暴露するこ
とを含む電子焼付け法に関する。本発明は、輻射線感受
性ハロゲン化銀乳剤層を選ぶことによって相反則不軌の
改良を実現する。本発明の特定の態様は特に電子焼付け
に関するけれども、本発明の乳剤および要素の使用は、
このような特定の態様に限定されるものではなく、本発
明の乳剤および要素が従来の光学焼付けにも十分に適し
ていることもまた特に企図されている。
【0107】チアゾールまたは置換チアゾール配位子を
含むイリジウム錯体ドーパントと組み合わせてクラス
(i)の六配位錯体ドーパントを用いることにより、
(a)銀に対して50モル%を超える塩化物を含有し、そ
して(b)表面積の50%超が{100}結晶面によって
提供されているハロゲン化銀粒子で、かなり改良された
相反性能を得ることができることが予想外に発見され
た。米国特許第 5,783,373号および同 5,783,378号の各
明細書に示されているドーパントの組み合わせについて
記載されているコントラストの改良(これらの明細書に
おいて考察されているように、低メチオニンゼラチン−
ペプタイザーの使用が必要とされ、メチオニン量が1g
あたりに30μモルを超えるゼラチン−ペプタイザーの濃
度を、用いられる全ペプタイザーの1%未満の濃度に限
定するのが好ましいと述べられている)とは異なり、従
来のゼラチン−ペプタイザーを用いるハロゲン化銀粒子
で、相反性の改良が得られる。従って、本発明の特定の
態様において、本発明の乳剤のハロゲン化銀粒子のため
のゼラチン−ペプタイザーとして、かなりの量(すなわ
ち、全ペプタイザーの1質量%よりも多い)の従来のゼ
ラチン(例えば、1gあたりに少なくとも30μモルのメ
チオニンを有するゼラチン)を使用することが特に企図
されている。本発明の好ましい態様においては、コスト
面および特定の性能上の理由から使用されることがある
酸化された低メチオニンゼラチンの量を限定するのが望
ましいことが多いので、1gあたりに少なくとも30μモ
ルのメチオニンを含有しているゼラチンを少なくとも50
質量%含んでなるゼラチン−ペプタイザーが用いられ
る。
【0108】本発明に用いられる乳剤の特に好ましい態
様において、下式 [ML6n (上式中、nは0、−1、−2、−3または−4であ
り、Mはイリジウム以外の、フロンティア軌道が満たさ
れている多価金属イオン、好ましくはFe+2、Ru+2
Os+2、Co+3、Rh+3、Pd+4、またはPt+4であ
り、より好ましくは鉄イオン、ルテニウムイオン、また
はオスミウムイオンであり、もっとも好ましくはルテニ
ウムイオンであり、L6 は独立に選ぶことができる6つ
の橋かけ配位子を表すけれども、これらの配位子のうち
少なくとも4つはアニオン性配位子であり、これらの配
位子のうち少なくとも1つ(好ましくは少なくとも3
つ、最適には少なくとも4つ)はシアノ配位子であるか
またはシアノ配位子よりも電気的に陰性である配位子で
ある。残りの配位子はいずれも、アクオ配位子、ハロゲ
ン化物配位子(具体的には、フッ化物、塩化物、臭化
物、およびヨウ化物)、シアネート配位子、チオシアネ
ート配位子、セレノシアネート配位子、テルロシアネー
ト配位子、およびアジド配位子を含む種々の他の橋かけ
配位子の中から選ぶことができる)を満足するクラス
(i)の六配位金属錯体ドーパントを用いることが企図
されている。6つのシアノ配位子を含むクラス(i)の
六配位遷移金属錯体が特に好ましい。
【0109】高塩化物粒子に含ませることが特に企図さ
れているクラス(i)の六配位錯体の説明が、Olm 他の
米国特許第 5,503,970号並びにDaubendiek他の米国特許
第 5,494,789号および同 5,503,971号、並びに Keevert
他の米国特許第 4,945,035号の各明細書、並びにMuraka
mi他の日本国特許出願特願平2-249588号公報(1990
年)、並びにリサーチディスクロージャー (Research D
isclosure)、アイテム 36736によって提供されている。
クラス(ii)のドーパント六配位錯体に有用な中性およ
びアニオン性の有機配位子は、Olm 他の米国特許第 5,3
60,712号およびKuromoto他の米国特許第 5,462,849号の
各明細書によって開示されている。
【0110】クラス(i)のドーパントは、少なくとも
50%(もっとも好ましくは75%、最適には80%)の銀が
析出した後であるけれども、粒子の中央部分の析出が完
了する前に、高塩化物粒子に導入されるのが好ましい。
好ましくは、クラス(i)のドーパントは、98%(もっ
とも好ましくは95%、最適には90%)の銀が析出する前
に導入される。完全に析出した粒子構造に関して述べる
と、クラス(i)のドーパントは、少なくとも50%(も
っとも好ましくは75%、最適には80%)の銀を囲み、よ
り中央に位置する銀と共に、全中央部分(銀の99%)を
占め、もっとも好ましくは高塩化物粒子を形成している
ハロゲン化銀の95%を占め、最適には90%を占める内部
シェル領域に存在するのが好ましい。クラス(i)のド
ーパントは上記に規定した内部シェル領域のいたるとこ
ろに分布しても、またはこの内部シェル領域内の1つ以
上の帯域として添加されてもよい。
【0111】クラス(i)のドーパントは従来から有用
ないずれの濃度でも用いることができる。好ましい濃度
範囲は、銀1モルあたり10-8〜10-3モル、もっとも好ま
しくは銀1モルあたり10-6〜5×10-4モルである。
【0112】以下はクラス(i)のドーパントの具体例
である。 (i−1) [Fe(CN)6-4 (i−2) [Ru(CN)6-4 (i−3) [Os(CN)6-4 (i−4) [Rh(CN)6-3 (i−5) [Co(CN)6-3 (i−6) [Fe(ピラジン)(CN)5-4 (i−7) [RuCl(CN)5-4 (i−8) [OsBr(CN)5-4 (i−9) [RhF(CN)5-3 (i−10) [In(NCS)6-3
【0113】 (i−11) [FeCo(CN)5-3 (i−12) [RuF2 (CN)4-4 (i−13) [OsCl2 (CN)4-4 (i−14) [RhI2 (CN)4-3 (i−15) [Ga(NCS)6-3 (i−16) [Ru(CN)5 (OCN)]-4 (i−17) [Ru(CN)5 (N3 )]-4 (i−18) [Os(CN)5 (SCN)]-4 (i−19) [Rh(CN)5 (SeCN)]-3 (i−20) [Os(CN)Cl5-4 (i−21) [Fe(CN)3 Cl3-3 (i−22) [Ru(CO)2 (CN)4-1
【0114】クラス(i)のドーパントが正味で負の電
荷を有する場合、それらは、析出時に反応容器に添加さ
れた際に対イオンと会合していると認められる。この対
イオンは、溶液中ではドーパントからイオン的に解離し
ており、粒子内に導入されないので殆ど重要ではない。
塩化銀の析出と完全に適合することが知られている一般
的な対イオン(例えばアンモニウムイオンおよびアルカ
リ金属イオン)が企図されている。以下に別途記載する
クラス(ii)のドーパントにも同じ説明があてはまるこ
とに注意されたい。
【0115】クラス(ii)のドーパントは、少なくとも
1種のチアゾールまたは置換チアゾール配位子を含有し
ているイリジウム配位錯体である。 R. S. Eachus, R.
E. Graves および M. T. Olmの J. Chem. Phys., Vol.
69, pp. 4580-7 (1978) および Physica Status Solidi
A, Vol. 57, 429-37 (1980)並びに R. S. Eachus およ
び M. T. Olmの Annu. Rep. Prog. Chem. Sect. C. Phy
s. Chem., Vol. 83, 3, pp. 3-48 (1986) において説明
されているように、注意深い科学的研究により、VIII族
六ハロ配位錯体が深い電子トラップを作り出すことが明
らかとなった。本発明の実施に用いられるクラス(ii)
のドーパントは、このような深い電子トラップを作り出
すと信じられている。これらのチアゾール配位子は、ハ
ロゲン化銀粒子へのドーパントの導入を妨げないならば
いずれの写真用途に許容可能な置換基で置換されていて
もよい。置換基の例には、低級アルキル(例えば、1〜
4個の炭素原子を含有しているアルキル基)、特にメチ
ルが含まれる。本発明に従って使用してもよい置換チア
ゾール配位子の具体例は5-メチルチアゾールである。ク
ラス(ii)のドーパントは、各々がシアノ配位子よりも
電気的に陽性である配位子を有するイリジウム配位錯体
であるのが好ましい。特に好ましい態様において、クラ
ス(ii)のドーパントを形成している配位錯体の残りの
チアゾールでも置換チアゾールでもない配位子はハロゲ
ン化物配位子である。
【0116】クラス(ii)のドーパントを、Olm 他の米
国特許第 5,360,712号、同 5,457,021号およびKuromoto
他の米国特許第 5,462,849号の各明細書によって開示さ
れている有機配位子を含有している配位錯体の中から選
ぶことが特に企図されている。
【0117】好ましい態様において、下式(II) [IrL1 6n' (II) (上式中、n' は0、−1、−2、−3または−4であ
り、そしてL1 6は独立に選ぶことができる6つの橋かけ
配位子を表すけれども、これらの配位子のうち少なくと
も4つはアニオン性配位子であって、これらの配位子の
各々はシアノ配位子よりも電気的に陽性であり、そし
て、これらの配位子のうち少なくとも1つはチアゾール
または置換チアゾール配位子を含む)を満足する六配位
錯体をクラス(ii)のドーパントとして用いることが企
図されている。特に好ましい態様においては、これらの
配位子の少なくとも4つが塩化物配位子または臭化物配
位子などのハロゲン化物配位子である。
【0118】クラス(ii)のドーパントは、少なくとも
50%(もっとも好ましくは85%、最適には90%)の銀が
析出した後であるけれども、粒子の中央部分の析出が完
了する前に、高塩化物粒子に導入されるのが好ましい。
好ましくは、クラス(ii)のドーパントは、99%(もっ
とも好ましくは97%、最適には95%)の銀が析出する前
に導入される。完全に析出した粒子構造に関して述べる
と、クラス(ii)のドーパントは、少なくとも50%(も
っとも好ましくは85%、最適には90%)の銀を取り囲
み、より中央に位置する銀と共に、全中央部分(銀の99
%)を占め、もっとも好ましくは高塩化物粒子を形成し
ているハロゲン化銀の97%を占め、最適には95%を占め
る内部シェル領域に存在するのが好ましい。クラス(i
i)のドーパントは上記に規定した内部シェル領域のい
たるところに分布しても、またはこの内部シェル領域内
の1つ以上の帯域として添加されてもよい。
【0119】クラス(ii)のドーパントは従来から有用
ないずれの濃度でも用いることができる。好ましい濃度
範囲は、銀1モルあたり10-9〜10-4モルである。イリジ
ウムは、もっとも好ましくは銀1モルあたり10-8〜10-5
モルの濃度範囲で用いられる。
【0120】クラス(ii)のドーパントの具体例は以下
の通りである。 (ii−1) [IrCl5 (チアゾール)]-2 (ii−2) [IrCl4 (チアゾール)2-1 (ii−3) [IrBr5 (チアゾール)]-2 (ii−4) [IrBr4 (チアゾール)2-1 (ii−5) [IrCl5 (5-メチルチアゾール)]-2 (ii−6) [IrCl4 (5-メチルチアゾール)2-1 (ii−7) [IrBr5 (5-メチルチアゾール)]-2 (ii−8) [IrBr4 (5-メチルチアゾール)2-1
【0121】マゼンタ色素形成カプラーを使用する層に
おける本発明の1つの好ましい態様において、クラス
(ii)のドーパントをOsCl5 (NO)ドーパントと
組み合わせると好ましい結果が得られることが見出され
ている。
【0122】本発明の利点を示す乳剤は、上述のクラス
(i)および(ii)のドーパントの組み合わせを用いる
ことにより主に(>50%){100}結晶面を有する従
来の高塩化物ハロゲン化銀粒子の析出を変化させること
によって実現することができる。
【0123】析出したハロゲン化銀粒子は、銀に対して
50モル%を超える塩化物を含有している。好ましくは、
これらの粒子は、銀に対して少なくとも70モル%の塩化
物を含有し、最適には少なくとも90モル%の塩化物を含
有している。ヨウ化物は、ヨウ化物の溶解限度(ヨウ塩
化銀において、典型的な析出条件下で、銀に対して約11
モル%である)まで粒子中に存在することができる。ヨ
ウ化物を銀に対して5モル%未満、もっとも好ましくは
2モル%未満となるように限定するのが殆どの写真用途
に好ましい。
【0124】臭化銀および塩化銀は、あらゆる比率で混
和しうる。ゆえに、塩化物およびヨウ化物を入れない全
ハロゲン化物の50モル%以下の任意の比率を臭化物とす
ることができる。カラー反射型プリント(すなわち、カ
ラーペーパー)用途では、臭化物は銀に対して10モル%
未満に限定され、ヨウ化物は銀に対して1モル%未満に
限定される。
【0125】広く使用されている態様では、高塩化物粒
子を析出させて立方体粒子、すなわち{100}主面お
よび長さの等しいエッジを有する粒子を形成させる。実
際には、熟成効果により、通常は、粒子のエッジおよび
角がある程度丸まる。しかしながら、極端な熟成条件下
を除き、全粒子表面積の実質的に50%を超える面積を
{100}結晶面が占める。
【0126】高塩化物十四面体粒子は立方体粒子の一般
的な異型である。これらの粒子は6つの{100}結晶
面と8つの{111}結晶面を含む。十四面体粒子は、
全表面積の50%を超える面積を{100}結晶面が占め
るという条件で本発明の企図する範囲内にある。
【0127】カラーペーパーにおいて用いられる高塩化
物粒子へのヨウ化物の導入を防止または最少化すること
が一般的に行われているけれども、{100}結晶面お
よび(場合によっては)1つ以上の{111}結晶面を
有するヨウ塩化銀粒子が、ひときわ優れたレベルの写真
スピードを提供することが最近認められた。これらの乳
剤において、ヨウ化物は銀に対して0.05〜 3.0モル%の
総合濃度で導入され、粒子は、ヨウ化物が実質的に無
い、50Åを超える表面シェルと、全銀の少なくとも50%
を占めるコアを取り囲む、ヨウ化物濃度が最大である内
部シェルとを有する。このような粒子構造は、Chen他の
欧州特許明細書第 0 718 679号によって説明されてい
る。
【0128】もう1つの改良された態様において、高塩
化物粒子は、{100}主面を有する平板状粒子の形態
を取ることができる。好ましい高塩化物{100}平板
状乳剤は、平板状粒子が全粒子投影面積の少なくとも70
%(もっとも好ましくは少なくとも90%)を占めるもの
である。好ましい高塩化物{100}平板状粒子乳剤は
少なくとも5(もっとも好ましくは少なくとも8)の平
均アスペクト比を有する。平板状粒子は概して 0.3μm
未満、好ましくは 0.2μm 未満、最適には0.07μm 未満
の厚みを有する。高塩化物{100}平板状粒子乳剤お
よびそれらの調製については、Maskaskyの米国特許第
5,264,337号および同 5,292,632号、House 他の米国特
許第 5,320,938号、Brust 他の米国特許第 5,314,798
号、並びにChang 他の米国特許第 5,413,904号の各明細
書によって開示されている。
【0129】主に{100}結晶面を有する高塩化物粒
子が上述のクラス(i)のドーパントとクラス(ii)の
ドーパントとの組み合わせと共に一度析出してしまう
と、化学増感および分光増感(続いて、選択された像形
成用途に乳剤を適合させるために従来の添加剤が添加さ
れる)はいずれの好都合な従来の形態をとることもでき
る。これらの従来の態様は、上記において引用したリサ
ーチディスクロージャー、アイテム 38957、特に、 III. 乳剤洗浄(Emulsion washing)、 IV. 化学増感(Chemical sensitization)、 V. 分光増感および減感(Spectral sensitization a
nd desensitization)、 VII. カブリ防止剤及び安定剤(Antifoggants and sta
bilizers)、 VIII. 吸収材料および散乱材料(Absorbing and scatte
ring materials)、 IX. コーティングおよび物理的性質調節用添加剤(Co
ating and physical property modifying addenda)、
並びに X. 色素画像形成剤および調節剤(Dye image former
s and modifyers) 、によって説明されている。
【0130】若干量(概して全銀に対して1%未満)の
さらなるハロゲン化銀を導入して、化学増感を促進させ
ることができる。ハロゲン化銀をホスト粒子の所定の部
位にエピタキシャル堆積させて、その感度を高めること
ができることも認められている。例えば、コーナーエピ
タキシーを有する高塩化物{100}平板状粒子がMask
askyの米国特許第 5,275,930号明細書によって説明され
ている。明確な区別を提供する目的で、本明細書におい
て「ハロゲン化銀粒子」という用語を用いる場合は、粒
子の最終的な{100}結晶面が形成される時点までの
粒子形成に必要な銀を包含することとする。その後付着
したハロゲン化銀であって、粒子表面積の少なくとも50
%を占めるように前もって形成された{100}結晶面
に重ならなかったものは、ハロゲン化銀粒子を形成して
いる全銀を特定する際には排除される。従って、所定の
部位のエピタキシーを形成する銀はハロゲン化銀粒子の
一部ではないけれども、付着して粒子の最終的な{10
0}結晶面を提供するハロゲン化銀は、たとえそれが前
もって析出したハロゲン化銀とは組成がかなり異なって
いる場合でも、粒子を形成している全銀に含まれる。
【0131】酸化された発色現像主薬との反応時にシア
ン色素を形成するカプラーなどの画像色素形成カプラー
を要素に含めてもよく、このようなカプラーは、例え
ば、米国特許第 2,367,531号、第 2,423,730号、第 2,4
74,293号、第 2,772,162号、第2,895,826号、第 3,002,
836号、第 3,034,892号、第 3,041,236号、および第 4,
883,746号の各明細書、並びに "Farbkuppler - Eine Li
terature Ubersicht"(Agfa Mitteilungen 発行), Ban
d III, pp. 156-175 (1961)などの代表的な特許明細書
および刊行物に記載されている。好ましくは、このよう
なカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応時にシ
アン色素を形成するフェノール類およびナフトール類で
ある。また、例えば、欧州特許出願第 491,197号、第 5
44,322号、第 556,700号、第 556,777号、第 565,096
号、第 570,006号、および第 574,948号の各明細書に記
載されているシアンカプラーも好ましい。典型的なシア
ンカプラーは以下の式
【0132】
【化1】
【0133】(上式中、R1 、R5 、およびR8 は各々
が水素または置換基を表し、R2 は置換基を表し、R
3 、R4 、およびR7 は各々がハメットの置換基定数σ
paraが0.2以上である電子吸引性基を表し、R3 とR4
とのσpara値の合計は0.65以上であり、R6 はハメット
の置換基定数σparaが0.35以上である電子吸引性基を表
し、Xは水素またはカップリングオフ基を表し、Z1
少なくとも1種の解離性基を有する窒素含有6員複素環
を形成するのに必要な非金属原子を表し、Z2 は−C
(R7 )=および−N=を表し、そしてZ3 およびZ4
は各々が−C(R8)=および−N=を表す)によって
表される。
【0134】本発明の目的のための「NBカプラー」と
は、現像主薬4-アミノ -3-メチル -N-エチル-N-(2-メタ
ンスルホンアミドエチル) アニリン三二硫酸水和物とカ
ップリングして色素を形成することができ、その色素の
セバシン酸ジn-ブチル溶媒中の3w/v%溶液を「スピンコ
ーティング」した際のその吸収スペクトルの左側の帯域
幅(LBW)が、アセトニトリル中の同じ色素の3w/v%
溶液のLBWよりも少なくとも5nm狭い色素形成カプラ
ーである。色素についてのスペクトル曲線のLBWは、
最大値の半分の濃度のところで測定されるスペクトル曲
線の左側と極大吸収波長との間の距離である。
【0135】「スピンコーティング」試料は、先ずセバ
シン酸ジn-ブチル溶媒中の色素の溶液(3w/v%)を調製
することによって調製される。色素が不溶性である場合
は、幾らかの塩化メチレンの添加によって溶解させる。
この溶液を濾過し、 0.1〜 0.2mLを透明なポリエチレン
テレフタレート支持体(およそ4cm×4cm)に適用し、
Headway Research Inc., Garland, TXから入手可能な S
pin Coating 装置、Model No. EC101 を使用して 4,000
RPM で回転させる。次に、このように調製された色素試
料の透過スペクトルを記録する。
【0136】好ましい「NBカプラー」は、セバシン酸
n-ブチル中で、「スピンコーティング」した際の吸収ス
ペクトルのLBWが、アセトニトリル中の3%溶液(w/
v) 中の同じ色素のLBWよりも、少なくとも15nm、好
ましくは少なくとも25nm狭い色素を形成する。好ましい
態様において、本発明において有用なシアン色素形成
「NBカプラー」は、式(IA)
【0137】
【化2】
【0138】(上式中、R' およびR''は、当該カプラ
ーが本明細書中に規定されている「NBカプラー」であ
るように選ばれる置換基であり、かつZは、水素原子、
または当該カプラーと酸化された発色現像主薬との反応
によって分裂することができる基である)を有する。
【0139】式(IA)のカプラーは、2,5-ジアミドフ
ェノール系シアンカプラー(R' およびR''が、未置換
であるかまたは置換されているアルキル基、アリール
基、アミノ基、アルコキシ基、および複素環式基から独
立に選ばれるのが好ましい)である。さらに好ましい態
様において、当該「NBカプラー」は、式(I)
【0140】
【化3】
【0141】(上式中、R''およびR''' は、未置換で
あるかまたは置換されているアルキル基、アリール基、
アミノ基、アルコキシ基、および複素環式基から独立に
選ばれ、Zは上記に定義した通りであり、R1 およびR
2 は独立に水素または未置換であるかもしくは置換され
ているアルキル基である)を有する。
【0142】概して、R''はアルキル基、アミノ基、ま
たはアリール基であり、フェニル基であるのが好適であ
る。R''' はアルキル基もしくはアリール基であるか、
または窒素、酸素、および硫黄から選ばれるヘテロ原子
を1つ以上含有し、環基が未置換であるかもしくは置換
されている5〜10員の複素環であるのが望ましい。
【0143】好ましい態様において、式(I)のカプラ
ーは、例えば、米国特許第 5,686,235号明細書に記載さ
れているものなどの、5-アミド部分が、特定のスルホン
(−SO2 -)基によってα位が置換されているカルボン
酸のアミドである2,5-ジアミドフェノールである。この
スルホン部分は、未置換であるかもしくは置換されてい
るアルキルスルホンまたは複素環式スルホンであるか、
あるいは好ましくは特にメタ位および/またはパラ位が
置換されているアリールスルホンである。
【0144】式(I)または(IA)のこれらの構造を
有するカプラーは、吸収極大(λma x )が浅色シフトし
ていて、一般に 620〜 645nmの範囲にあり、吸収曲線の
短波長側が非常に急に切れている色素色相を有する画像
色素を形成し、カラー写真印画紙において優秀な色再現
および高い彩度を生ずるのに理想的に適しているシアン
色素形成「NBカプラー」を構成する。
【0145】式(I)に関して、R1 およびR2 は、独
立に、水素、または好ましくは1〜24個の炭素原子、特
に1〜10個の炭素原子を有する、未置換であるかもしく
は置換されているアルキル基であり、好適にはメチル、
エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、もしくは
デシル基、または1種以上のフルオロ原子、クロロ原
子、もしくはブロモ原子で置換されているアルキル基、
例えばトリフルオロメチル基である。好適には、R1
よびR2 の少なくとも一方が水素原子であり、R 1 およ
びR2 の一方のみが水素原子である場合には、他方は、
好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜3
個の炭素原子、望ましくは2個の炭素原子を有するアル
キル基である。
【0146】本明細書において、明細書を通して使用さ
れているように、特に断らない限り、「アルキル」とい
う用語は、不飽和または飽和で直鎖または分岐鎖のアル
キル基(アルケニルを含む)を指し、3〜8個の炭素原
子を有するアラルキル基および環式アルキル基(シクロ
アルケニルを含む)を含み、「アリール」という用語
は、具体的には縮合アリールを含む。
【0147】式(I)において、R''は、未置換である
かもしくは置換されているアミノ基、アルキル基、また
はアリール基であり、あるいは窒素、酸素、および硫黄
から選ばれる1種以上のヘテロ原子を含有している5〜
10員の複素環(この環は未置換であっても、または置換
されていてもよい)であるのが好適であるけれども、よ
り好適には未置換であるかまたは置換されているフェニ
ル基である。
【0148】このアリールまたは複素環式環に好適な置
換基の例には、シアノ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨ
ード、アルキル−もしくはアリール−カルボニル、アル
キル−もしくはアリール−オキシカルボニル、カルボン
アミド、アルキル−もしくはアリール−カルボンアミ
ド、アルキル−もしくはアリール−スルホニル、アルキ
ル−もしくはアリール−スルホニルオキシ、アルキル−
もしくはアリール−オキシスルホニル、アルキル−もし
くはアリール−スルホキシド、アルキル−もしくはアリ
ール−スルファモイル、アルキル−もしくはアリール−
スルホンアミド、アリール、アルキル、アルコキシ、ア
リールオキシ、ニトロ、アルキル−もしくはアリール−
ウレイド、およびアルキル−もしくはアリール−カルバ
モイル基(いずれもさらに置換されていてもよい)が含
まれる。好ましい基は、ハロゲン、シアノ、アルコキシ
カルボニル、アルキルスルファモイル、アルキル−スル
ホンアミド、アルキルスルホニル、カルバモイル、アル
キルカルバモイル、またはアルキルカルボンアミドであ
る。好適には、R''は4-クロロフェニル、3,4-ジクロロ
フェニル、3,4-ジフルオロフェニル、4-シアノフェニ
ル、3-クロロ -4-シアノフェニル、ペンタフルオロフェ
ニル、または3-もしくは4-スルホンアミドフェニル基で
ある。
【0149】式(I)において、R''' がアルキルであ
る場合、それは未置換であっても、またはハロゲンもし
くはアルコキシなどの置換基で置換されていてもよい。
R''' がアリールまたは複素環である場合、それは置換
されていてもよい。それは、スルホニル基に対してα位
が置換されていないのが望ましい。
【0150】式(I)において、R''' がフェニル基で
ある場合、それは、メタ位および/またはパラ位が、ハ
ロゲン、および未置換であるかもしくは置換されている
アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキ
シ、アシルアミノ、アルキル−もしくはアリール−スル
ホニルオキシ、アルキル−もしくはアリール−スルファ
モイル、アルキル−もしくはアリール−スルファモイル
アミノ、アルキル−もしくはアリール−スルホンアミ
ド、アルキル−もしくはアリール−ウレイド、アルキル
−もしくはアリール−オキシカルボニル、アルキル−も
しくはアリール−オキシ−カルボニルアミノ、およびア
ルキル−もしくはアリール−カルバモイル基からなる群
より独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されていて
もよい。
【0151】特に、各々の置換基は、アルキル基(例え
ばメチル、t-ブチル、ヘプチル、ドデシル、ペンタデシ
ル、オクタデシル、または1,1,2,2-テトラメチルプロピ
ル);アルコキシ基(例えばメトキシ、t-ブトキシ、オ
クチルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、
ヘキサデシルオキシ、またはオクタデシルオキシ);ア
リールオキシ基(例えばフェノキシ、4-t-ブチルフェノ
キシ、または4-ドデシル−フェノキシ);アルキル−も
しくはアリール−アシルオキシ基(例えばアセトキシま
たはドデカノイルオキシ);アルキル−もしくはアリー
ル−アシルアミノ基(例えばアセトアミド、ヘキサデカ
ンアミド、またはベンズアミド);アルキル−もしくは
アリール−スルホニルオキシ基(例えばメチル−スルホ
ニルオキシ、ドデシルスルホニルオキシ、または4-メチ
ルフェニル−スルホニルオキシ);アルキル−もしくは
アリール−スルファモイル基(例えばN-ブチルスルファ
モイルまたはN-4-t-ブチルフェニルスルファモイル);
アルキル−もしくはアリール−スルファモイルアミノ基
(例えばN-ブチル−スルファモイルアミノまたはN-4-t-
ブチルフェニルスルファモイル−アミノ);アルキル−
もしくはアリール−スルホンアミド基(例えばメタン−
スルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、または
4-クロロフェニル−スルホンアミド);アルキル−もし
くはアリール−ウレイド基(例えばメチルウレイドまた
はフェニルウレイド);アルコキシ−もしくはアリール
オキシ−カルボニル(例えばメトキシカルボニルまたは
フェノキシカルボニル);アルコキシ−もしくはアリー
ルオキシ−カルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボ
ニルアミノまたはフェノキシカルボニルアミノ);アル
キル−もしくはアリール−カルバモイル基(例えばN-ブ
チルカルバモイルまたはN-メチル -N-ドデシルカルバモ
イル);またはペルフルオロアルキル基(例えばトリフ
ロロメチルまたはヘプタフルオロプロピル)であっても
よい。
【0152】上記置換基は、好適には1〜30個の炭素原
子、より好ましくは8〜20個の脂肪族炭素原子を有す
る。望ましい置換基は、12〜18個の脂肪族炭素原子のア
ルキル基(例えばドデシル、ペンタデシル、またはオク
タデシル)、または8〜18個の脂肪族炭素原子を有する
アルコキシ基(例えばドデシルオキシおよびヘキサデシ
ルオキシ)、またはハロゲン(例えばメタクロロ基また
はパラクロロ基)、カルボキシ、またはスルホンアミド
である。このような基はいずれも、酸素などの割り込み
ヘテロ原子を含有して、例えばポリアルキレンオキシド
を形成していてもよい。
【0153】式(I)または(IA)において、Zは水
素原子、または当該カプラーと酸化された発色現像主薬
との反応によって分裂することができる基であり、写真
技術分野においては「カップリングオフ基」として知ら
れており、好ましくは水素、クロロ、フルオロ、置換ア
リールオキシ、またはメルカプトテトラゾール、より好
ましくは水素またはクロロであってもよい。
【0154】このような基の存在または欠如により、カ
プラーの化学当量、すなわちそれが2当量カプラーであ
るか、または4当量カプラーであるかが定まり、その特
定の素生により、カプラーの反応性を変更することがで
きる。このような基は、カプラーからの放出後に、例え
ば色素形成、色素色相調整、現像促進または現像抑制、
漂白促進または漂白抑制、電子移動促進、色補正などの
機能を果たすことによって、写真記録材料におけるカプ
ラーが塗布される層、または他の層に好都合な影響を及
ぼすことができる。
【0155】このようなカップリングオフ基の代表的な
部類には、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アリールオ
キシ、ヘテロシクリルオキシ、スルホニルオキシ、アシ
ルオキシ、アシル、ヘテロシクリルスルホンアミド、ヘ
テロシクリルチオ、ベンゾチアゾリル、ホスホニルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、およびアリールアゾ
が含まれる。これらのカップリングオフ基は、当該技術
分野において、例えば、米国特許第 2,455,169号、同
3,227,551号、同 3,432,521号、同 3,467,563号、同 3,
617,291号、同 3,880,661号、同 4,052,212号、および
同 4,134,766号の各明細書;並びに英国特許第 1,466,7
28号、同 1,531,927号、同 1,533,039号の各明細書、お
よび英国特許出願公開明細書第2,066,755A号、および同
2,017,704A号に記載されている。ハロゲン、アルコキシ
基、およびアリールオキシ基がもっとも好適である。
【0156】具体的なカップリングオフ基の例は以下の
通りである。−Cl、−F、−Br、−SCN、−OC
3 、−OC65 、−OCH2 C(=O)NHCH2
CH 2 OH、−OCH2 C(O)NHCH2 CH2 OC
3 、−OCH2 C(O)NHCH2 CH2 OC(=
O)OCH3 、−P(=O)(OC252 、−SC
2 CH2 COOH、
【0157】
【化4】
【0158】概して、カップリングオフ基は、塩素原
子、水素原子、またはp-メトキシフェノキシ基である。
カプラーが分散されている有機溶媒中でカプラーおよび
結果として得られる色素を十分にバラスト化するように
置換基を選ぶことが不可欠である。このバラスト化は、
1つ以上の置換基に疎水性置換基を提供することによっ
て達成してもよい。一般に、バラスト基は、写真要素に
おいてカプラーが塗布されている層からカプラーが実質
的に拡散しないようにするのに十分な嵩および水不溶性
をカプラー分子に与えるような大きさおよび構造の有機
ラジカルである。従って、これらの規準を満たすように
置換基の組み合わせを選択するのが好適である。有効な
ものとするには、バラスト基は、通常は少なくとも8個
の炭素原子、概して10〜30個の炭素原子を含有してい
る。また、これらの規準を組み合わさって満たす複数の
基を提供することによって、好適なバラスト化を達成し
てもよい。本発明の好ましい態様においては、式(I)
のR1 は小さなアルキル基または水素である。ゆえに、
これらの態様においては、バラスト基は他の基の一部と
して主に配置されるであろう。そのうえ、たとえカップ
リングオフ基Zがバラスト基を含有している場合であっ
ても、Zはカップリング時に分子から排除されるので、
他の置換基もまたバラスト化する必要があることが多
く;従って、バラスト基をZ以外の基の一部として提供
するのがもっとも好都合である。以下の例により、本発
明の好ましいカプラーをさらに説明する。本発明がこれ
らの例に限定されると解釈されるべきではない。
【0159】
【化5】
【0160】
【化6】
【0161】
【化7】
【0162】
【化8】
【0163】
【化9】
【0164】
【化10】
【0165】
【化11】
【0166】
【化12】
【0167】
【化13】
【0168】
【化14】
【0169】
【化15】
【0170】
【化16】
【0171】
【化17】
【0172】
【化18】
【0173】好ましいカプラーは、それらの好適な狭い
左側の帯域幅のゆえに、IC−3、IC−7、IC−3
5、およびIC−36である。
【0174】酸化された発色現像主薬との反応時にマゼ
ンタ色素を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書および刊行物に記載されている。米国特許第 2,31
1,082号、同 2,343,703号、同 2,369,489号、同 2,600,
788号、同 2,908,573号、同 3,062,653号、同 3,152,89
6号、同 3,519,429号、同 3,758,309号の各明細書、お
よび "Farbkuppler-eine Literature Ubersicht"(Agfa
Mitteilungen 発行),Band III, pp. 126-156 (196
1)。好ましくは、このようなカプラーは、酸化された発
色現像主薬との反応時にマゼンタ色素を形成するピラゾ
ロン、ピラゾロトリアゾール、またはピラゾロベンズイ
ミダゾールである。とりわけ好ましいカプラーは、 1H-
ピラゾロ[5,1-c]-1,2,4-トリアゾールおよび 1H-ピラゾ
ロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾールである。 1H-ピラゾロ
[5,1-c]-1,2,4-トリアゾールカプラーの例は、英国特許
第 1,247,493号、同 1,252,418号、同 1,398,979号、米
国特許第4,443,536号、同 4,514,490号、同 4,540,654
号、同 4,590,153号、同 4,665,015号、同 4,822,730
号、同 4,945,034号、同 5,017,465号、および同 5,02
3,170号の各明細書に記載されている。 1H-ピラゾロ[1,
5-b]-1,2,4-トリアゾールの例は、欧州特許出願第 176,
804号、同 177,765号、米国特許第 4,659,652号、同 5,
066,575号、および同 5,250,400号の各明細書において
見出すことができる。典型的なピラゾロアゾールカプラ
ーおよびピラゾロンカプラーは、以下の式
【0175】
【化19】
【0176】(上式中、Ra およびRb は独立にHまた
は置換基を表し、Rc は置換基(好ましくはアリール
基)であり、Rd は置換基(好ましくはアニリノ、カル
ボンアミド、ウレイド、カルバモイル、アルコキシ、ア
リールオキシカルボニル、アルコキシカルボニル、また
はN-複素環式基)であり、Xは水素またはカップリング
オフ基であり、かつZa 、Zb 、およびZc は独立に置
換メチン基、=N−、=C−、または−NH−である。
但し、Za −Zb 結合またはZb −Zc 結合のいずれか
の一方は二重結合であり、他方は単結合であって、Zb
−Zc 結合が炭素−炭素の二重結合である場合には、そ
れが芳香環の一部を形成していてもよく、そしてZa
b 、およびZc の少なくとも1つが基Rb に結合され
ているメチン基を表す)によって表される。このような
カプラーの具体例は以下の通りである。
【0177】
【化20】
【化21】
【0178】酸化された発色現像主薬との反応時にイエ
ロー色素を形成するカプラーは、以下の代表的な特許明
細書および刊行物に記載されている。米国特許第 2,29
8,443号、同 2,407,210号、同 2,875,057号、同 3,048,
194号、同 3,265,506号、同 3,447,928号、同 3,960,57
0号、同 4,022,620号、同 4,443,536号、同 4,910,126
号、および同 5,340,703号の各明細書、並びに "Farbku
ppler-eine LiteratureUbersicht"(Agfa Mitteilungen
発行), Band III, pp. 112-126 (1961)。このような
カプラーは概して開鎖ケトメチレン化合物である。ま
た、好ましいのは、例えば、欧州特許出願第 482,552
号、同 510,535号、同 524,540号、同 543,367号、およ
び米国特許第 5,238,803号の各明細書に記載されている
ものなどのイエローカプラーである。色再現の改良に
は、長波長側で急に切れているイエロー色素を与えるカ
プラーが特に好ましい(例えば、米国特許第 5,360,713
号明細書を参照されたい。典型的な好ましいイエローカ
プラーは、以下の式
【0179】
【化22】
【0180】(上式中、R1 、R2 、Q1 、およびQ2
は各々置換基を表し、Xは水素またはカップリングオフ
基であり、Yはアリール基または複素環式基を表し、Q
3 は、>N−といっしょになって窒素含有複素環式基を
形成するのに必要とされる有機残基を表し、かつQ4
3〜5員の炭化水素環、またはN、O、S、およびPか
ら選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を含有している
3〜5員の複素環を形成するのに必要な非金属原子を表
す。特に好ましいのは、Q1 およびQ2 が各々アルキル
基、アリール基、または複素環式基を表し、かつR2
アリール基または第三級アルキル基を表すものである)
によって表される。好ましいイエローカプラーは、以下
の一般的な構造のものであることができる。
【0181】
【化23】
【化24】
【化25】
【0182】特に断らない限り、本明細書中の分子を置
換していてもよい置換基には、置換されていようといま
いと、写真用途に必要な性質を破壊しないならば、いず
れの基も含まれる。「基」という用語が、置換可能な水
素を含有している置換基を指すのに適用される場合、そ
れは、その置換基の未置換の形のみならず、本明細書に
おいて挙げられているいずれの基(複数であってもよ
い)でさらに置換されている形をも包含するものと解さ
れる。好適には、この基はハロゲンであってもよく、ま
たは炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン、または硫黄の原
子によって分子の残りに結合されているものであっても
よい。
【0183】当該置換基は、例えば、ハロゲン(例えば
塩素、臭素、またはフッ素);ニトロ;ヒドロキシル;
シアノ;カルボキシル;
【0184】またはアルキル(直鎖アルキルまたは分岐
鎖アルキルを含む)(例えばメチル、トリフルオロメチ
ル、エチル、t-ブチル、 3-(2,4-ジ -t-ペンチルフェノ
キシ) プロピル、およびテトラデシル);アルケニル
(例えばエチレン、2-ブテン);アルコキシ(例えばメ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2-メトキシ
エトキシ、s-ブトキシ、ヘキシルオキシ、2-エチルヘキ
シルオキシ、テトラデシルオキシ、 2-(2,4-ジ -t-ペン
チルフェノキシ) エトキシ、および2-ドデシルオキシエ
トキシ);アリール(例えばフェニル、4-t-ブチルフェ
ニル、2,4,6-トリメチルフェニル、ナフチル);アリー
ルオキシ(例えばフェノキシ、2-メチルフェノキシ、α
−またはβ−ナフチルオキシ、および4-トリルオキ
シ);
【0185】カルボンアミド(例えばアセトアミド、ベ
ンズアミド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α-
(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) アセトアミド、α-
(2,4-ジ-t-ペンチルフェノキシ) ブチルアミド、α-(3-
ペンタデシルフェノキシ)-ヘキサンアミド、α-(4-ヒド
ロキシ -3-t-ブチルフェノキシ)-テトラデカンアミド、
2-オキソ−ピロリジン -1-イル、2-オキソ -5-テトラデ
シルピロリン -1-イル、N-メチルテトラデカンアミド、
N-スクシンイミド、N-フタルイミド、2,5-ジオキソ -1-
オキサゾリジニル、3-ドデシル -2,5-ジオキソ -1-イミ
ダゾリル、およびN-アセチル -N-ドデシルアミノ、エト
キシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、
ベンジルオキシカルボニルアミノ、ヘキサデシルオキシ
カルボニルアミノ、2,4-ジ -t-ブチルフェノキシカルボ
ニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、 2,5-(ジ -t-
ペンチルフェニル) カルボニルアミノ、p-ドデシル−フ
ェニルカルボニルアミノ、p-トルイルカルボニルアミ
ノ、N-メチルウレイド、N,N-ジメチルウレイド、N-メチ
ル -N-ドデシルウレイド、N-ヘキサデシルウレイド、N,
N-ジオクタデシルウレイド、N,N-ジオクチル-N'-エチル
ウレイド、N-フェニルウレイド、N,N-ジフェニルウレイ
ド、N-フェニル -N-p-トルイルウレイド、 N-(m-ヘキサ
デシルフェニル) ウレイド、 N,N-(2,5-ジ -t-ペンチル
フェニル) -N'-エチルウレイド、およびt-ブチルカルボ
ンアミド);
【0186】スルホンアミド(例えばメチルスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド、p-トルイルスルホンア
ミド、p-ドデシルベンゼンスルホンアミド、N-メチルテ
トラデシルスルホンアミド、N,N-ジプロピル−スルファ
モイルアミノ、およびヘキサデシルスルホンアミド);
スルファモイル(例えばN-メチルスルファモイル、N-エ
チルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、
N-ヘキサデシルスルファモイル、N,N-ジメチルスルファ
モイル、N-[3-(ドデシルオキシ) プロピル] スルファモ
イル、N-[4-(2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシ) ブチル]
スルファモイル、N-メチル -N-テトラデシルスルファモ
イル、およびN-ドデシルスルファモイル);カルバモイ
ル(例えばN-メチルカルバモイル、N,N-ジブチルカルバ
モイル、N-オクタデシルカルバモイル、N-[4-(2,4-ジ -
t-ペンチルフェノキシ) ブチル]カルバモイル、N-メチ
ル -N-テトラデシルカルバモイル、およびN,N-ジオクチ
ルカルバモイル);
【0187】アシル(例えばアセチル、 (2,4-ジ -t-ア
ミルフェノキシ) アセチル、フェノキシカルボニル、p-
ドデシルオキシフェノキシカルボニル、メトキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
ル、3-ペンタデシルオキシカルボニル、およびドデシル
オキシカルボニル);スルホニル(例えばメトキシスル
ホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシルオキ
シスルホニル、2-エチルヘキシルオキシスルホニル、フ
ェノキシスルホニル、2,4-ジ -t-ペンチルフェノキシス
ルホニル、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、2-
エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキ
サデシルスルホニル、フェニルスルホニル、4-ノニルフ
ェニルスルホニル、およびp-トルイルスルホニル);ス
ルホニルオキシ(例えばドデシルスルホニルオキシ、お
よびヘキサデシルスルホニルオキシ);スルフィニル
(例えばメチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、
2-エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニ
ル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニ
ル、4-ノニルフェニルスルフィニル、およびp-トルイル
スルフィニル);
【0188】チオ(例えばエチルチオ、オクチルチオ、
ベンジルチオ、テトラデシルチオ、2-(2,4-ジ -t-ペン
チルフェノキシ) エチルチオ、フェニルチオ、2-ブトキ
シ -5-t-オクチルフェニルチオ、およびp-トリルチ
オ);アシルオキシ(例えばアセチルオキシ、ベンゾイ
ルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p-ドデシルアミド
ベンゾイルオキシ、N-フェニルカルバモイルオキシ、N-
エチルカルバモイルオキシ、およびシクロヘキシルカル
ボニルオキシ);アミノ(例えばフェニルアニリノ、2-
クロロアニリノ、ジエチルアミノ、ドデシルアミノ);
イミノ(例えば 1-(N-フェニルイミド) エチル、N-スク
シンイミド、または3-ベンジルヒダントイニル);
【0189】ホスフェート(例えばジメチルホスフェー
トおよびエチルブチルホスフェート);ホスフィット
(例えばジエチルホスフィットおよびジヘキシルホスフ
ィット);複素環式基、複素環式オキシ基、または複素
環式チオ基(これらの各々は置換されていてもよく、酸
素、窒素、および硫黄からなる群より選ばれる少なくと
も1個のヘテロ原子と炭素原子とを含んでなる3〜7員
の複素環を含有している)(例えば2-フリル、2-チエニ
ル、2-ベンゾイミダゾリルオキシ、または2-ベンゾチア
ゾリル);第四級アンモニウム(例えばトリエチルアン
モニウム);およびシリルオキシ(例えばトリメチルシ
リロキシ)などの基(さらに置換されていてもよい)で
あってもよい。
【0190】望まれる場合には、これらの置換基は、そ
れら自体が、記載されている置換基でさらに1回以上置
換されていてもよい。使用される個々の置換基は、特定
の用途に望まれる写真特性を達成するように当業者が選
ぶことができ、例えば、疎水基、可溶化基、ブロッキン
グ基、放出基または放出可能基などを含むことができ
る。一般に、上記の基およびそれらの置換基は、48個以
下の炭素原子、概して1〜36個の炭素原子、および通常
は24個未満の炭素原子を有するものを含んでいるけれど
も、選択される個々の置換基によっては、より大きい数
も可能である。
【0191】バラスト基上の代表的な置換基には、アル
キル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキ
ルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニ
ル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、
アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カ
ルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニ
ル、スルホンアミド、およびスルファモイル基が含ま
れ、これらの置換基は、概して1〜42個の炭素原子を含
有している。このような置換基は、さらに置換されてい
てもよい。
【0192】実質的に安定剤を含まないハロゲン化銀画
像形成層が好適である。ハロゲン化銀安定剤は、典型的
には、保存時のカブリ成長を防止し、かつ、画像の退色
を抑えるために用いられる。しかしながら、安定剤は高
価な上、包装体の貯蔵寿命は1年未満になりがちである
ため本発明の包装体に付着されるハロゲン化銀画像には
一般に必要がない。実質的に安定剤を含まないハロゲン
化銀画像形成層であればコストが抑えられ、しかも包装
体に付着される画像として許容できる画質が得られるで
あろう。これらの写真要素において使用することができ
る安定剤およびスキャベンジャーは以下の通りであるけ
れども、これらに限定されるものではない。
【0193】
【化26】
【0194】
【化27】
【0195】本発明において使用することができる溶媒
の例には以下のものが含まれる。 リン酸トリトリル S−1 フタル酸ジブチル S−2 フタル酸ジウンデシル S−3 N,N-ジエチルドデカンアミド S−4 N,N-ジブチルドデカンアミド S−5 リン酸トリス (2-エチルヘキシル) S−6 アセチルトリブチルシトレート S−7 2,4-ジ -t-ペンチルフェノール S−8 2-(2-ブトキシエトキシ) エチルアセテート S−9 1,4-シクロヘキシルジメチレンビス (2-エチルヘキサノエート) S−10
【0196】写真要素において使用される分散系は、例
えば米国特許第 4,992,358号、同 4,975,360号、および
同 4,587,346号の各明細書に記載されているものなどの
紫外線(UV)安定剤や、いわゆる液体UV安定剤を含
んでいてもよい。UV安定剤の例を以下に示す。
【0197】
【化28】
【化29】
【0198】水性層は界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤はカチオン性、アニオン性、両イオン性、ま
たは非イオン性であることができる。有用な界面活性剤
には以下のものが含まれるけれども、これらに限定され
るものではない。
【0199】
【化30】
【0200】さらに、粒子が成長しやすい写真用分散系
を、Zengerle他によって米国特許第5,468,604号明細書
において開示されているものなどの疎水性の写真的に不
活性な化合物の使用により安定化させることも企図され
ている。好ましい態様において、本発明は、少なくとも
3種のハロゲン化銀乳剤層ユニットを含有するように構
成されている記録要素を用いる。本発明において使用さ
れる記録要素に好適なフルカラー多層フォーマットを構
造Iによって表す。
【0201】
【0202】上図中、赤増感シアン色素画像形成ハロゲ
ン化銀乳剤ユニットは支持体のもっとも近くに存在し、
その次に緑増感マゼンタ色素画像形成ユニットが存在
し、続いて最上部に青増感イエロー色素画像形成ユニッ
トが存在する。これらの画像形成ユニットは、色汚染を
防ぐために酸化発色現像主薬スキャベンジャーを含有し
ている親水性コロイド中間層によって互いから隔離され
ている。上述の粒子およびゼラチン−ペプタイザーに関
する要求条件を満たすハロゲン化銀乳剤は、これらの乳
剤層ユニットのうちのいずれか1つまたはこれらの乳剤
層ユニットの組み合わせの中に存在することができる。
本発明の要素に有用なさらなる多色多層フォーマットに
は、米国特許第 5,783,373号明細書に記載されている構
造が含まれる。本発明に係るこのような構造の各々は、
好ましくは、粒子の表面積の少なくとも50%が{10
0}結晶面によって占められており、かつ上述のクラス
(i)および(ii)のドーパントを含む高塩化物粒子
(塩化物95%超)を含んでなる少なくとも3種のハロゲ
ン化銀乳剤を含有している。好ましくは、乳剤層ユニッ
トの各々が、これらの条件を満たす乳剤を含有してい
る。
【0203】本発明の方法における使用が企図される多
層(および特に多色)記録要素に導入することができる
従来の態様は、先に引用したリサーチディスクロージャ
、アイテム 38957の XI. 層および層構成(Layers and layer arrangement
s ) XII. カラーネガにのみ適用できる態様(Features app
licable only to color negative) XIII. カラーポジにのみ適用できる態様(Features app
licable only to color positive) B.カラーリバーサル(Color reversal) C.カラーネガから得られるカラーポジ(Color positi
ves derived from color negatives) XIV. 走査を容易にする態様(Scan facilitating feat
ures) によって説明されている。
【0204】本発明に係る輻射線感受性高塩化物乳剤層
を含んでなる記録要素は、従来通り光学焼付けをするこ
とができ、または、本発明のある特定の態様に従って、
電子焼付け法において概して用いられる好適な高エネル
ギー輻射線源を使用して画素毎に像様露光させることが
できる。エネルギーの好適な化学線としての形態は、電
磁スペクトルの紫外領域、可視領域、および赤外領域、
並びに電子ビーム輻射線を包含し、1種以上の発光ダイ
オードまたはレーザー(気相レーザーまたは固相レーザ
ーを含む)からの光線によって供給されるのが好都合で
ある。露光は単色性、整色性、または全整色性であるこ
とができる。例えば、記録要素が多層多色要素である場
合には、このような要素が感受性を有する適当な分光輻
射線、例えば赤外波長、赤波長、緑波長、または青波長
のレーザー光線または発光ダイオード光線によって露光
させることができる。前述の米国特許第 4,619,892号明
細書において開示されているように、赤外領域の少なく
とも2つの部分を含む電磁スペクトルの別個の部分にお
ける露光の結果としてシアン色素、マゼンタ色素、およ
びイエロー色素を生成する多色要素を用いることができ
る。好適な露光には、2000nm以下、好ましくは1500nm以
下の露光が含まれる。好適な発光ダイオードおよび市販
のレーザー源は既知であり、市販されている。T. H. Ja
mes の The Theory of the Photographic Process, 4th
Ed., Macmillan, 1977, Chapters 4,6, 17, 18 and 23
によって説明されているように、従来の感光度測定技
術によって測定される記録要素の有用な応答範囲内で、
周囲温度、高温、もしくは低温、および/または周囲圧
力、高圧、もしくは低圧における像様露光を用いること
ができる。
【0205】驚くべきことに、アニオン性[MXxy
z ]六配位錯体(Mは第8または9族金属(好ましく
は鉄、ルテニウム、またはイリジウム)であり、Xはハ
ロゲン化物または擬ハロゲン化物(好ましくはCl、B
r、またはCN)であり、xは3〜5であり、YはH2
Oであり、yは0または1であり、LはC−C、H−
C、またはC−N−H有機配位子であり、そしてzは1
または2である)が高照度相反則不軌(HIRF)、低
照度相反則不軌(LIRF)、および熱による感度の変
動(thermal sensitivity variance)を低減すること、
並びに潜像保持性(LIK)を向上することに有効であ
ることが認められた。本明細書において用いられている
ように、HIRFは、露光時間を10-1〜10-6秒の範囲で
変化させるけれども、露光量は等しくした場合の写真特
性の変動の目安である。LIRFは、露光時間を10-1
100秒の範囲で変化させるけれども、露光量は等しくし
た場合の写真特性の変動の目安である。これらの利点
は、一般に、面心立方格子粒子構造と適合しうるであろ
うけれども、高(>50モル%、好ましくは90モル%以
上)塩化物乳剤において、もっとも顕著な改良が認めら
れた。好ましいC−C、H−C、またはC−N−H有機
配位子は、米国特許第 5,462,849号明細書に記載されて
いるタイプの芳香族複素環である。もっとも有効なC−
C、H−C、またはC−N−H有機配位子は、置換され
ていないかまたはアルキル、アルコキシ、もしくはハロ
ゲン化物置換基を含有しているアゾール類およびアジン
類である(これらのアルキル部分は1〜8個の炭素原子
を含有している)。特に好ましいアゾール類およびアジ
ン類には、チアゾール類、チアゾリン類、およびピラジ
ン類が含まれる。
【0206】露光源によって記録媒体に提供される高エ
ネルギー化学輻射線の量またはレベルは一般に少なくと
も10-5μJ/cm2 (10-4 erg/cm2)、概して約10-5μJ/cm
2 〜10-4μJ/cm2 (10-4 erg/cm2〜10-3 erg/cm2)の範
囲内であり、往々にして10-4μJ/cm2 〜10μJ/cm2 (10
-3 erg/cm2〜102erg/cm2)である。従来技術において知
られているように、記録要素の画素毎の露光は非常に短
い期間または時間しか持続しない。典型的な最大露光時
間は 100μ秒以下であり、たいてい10μ秒以下であり、
ほんの 0.5μ秒以下であることもしばしばである。各画
素の単一露光または多重露光が企図されている。画素密
度は、当業者に明らかであるように、種々の態様に依存
する。画素密度が高いほど、画像をより鮮鋭にすること
ができるけれども、装置の複雑さという犠牲を伴う。一
般に、本明細書に記載されているタイプの従来の電子焼
付け法において使用される画素密度は107 画素/cm2を超
えず、概して約104 〜106 画素/cm2の範囲内にある。露
光源、露光時間、露光レベル、および画素密度、並びに
他の記録要素特性を含むシステムの種々の特徴および構
成要素を検討したハロゲン化銀写真印画紙を使用する高
品質連続階調カラー電子焼付けの技術についての評価
は、Firth 他の A Continuous-Tone Laser Color Print
er, Journal of Imaging Technology, Vol. 14, No. 3,
June 1988(引用により本明細書に取り入れられる)に
掲載されている。本明細書において既に示したように、
発光ダイオード光線またはレーザー光線などの高エネル
ギー光線を用いて記録要素を走査することを含む従来の
電子焼付け法の詳細のいくつかに関する記載が、Hioki
の米国特許第 5,126,235号明細書、欧州特許出願公開明
細書第479 167 A1号および同502 508 A1号において示さ
れている。
【0207】一度像様露光させると、記録要素を、いず
れの好都合な従来の手法で処理しても、目に見える画像
を得ることができる。このような処理は、先に引用した
リサーチディスクロージャー、アイテム 38957の XVIII. 化学現像システム(Chemical development sys
tems) XIX. 現像(Development ) XX. 脱銀、洗浄、濯ぎ、および安定化(Desilverin
g, washing, rinsing and stabilizing ) によって説明されている。
【0208】さらに、本発明の材料に有用な現像剤は、
均質な一液型現像剤である。この均質な一液型発色現像
主薬濃厚物は、以下の重要な一連の工程を使用して調製
される。
【0209】最初の工程において、好適な発色現像主薬
の水溶液を調製する。この発色現像主薬は一般に硫酸塩
の形である。この溶液の他の構成成分として、発色現像
主薬のための酸化防止剤、アルカリ金属塩基によって
(硫酸イオンに対して少なくとも化学量論的割合で)提
供される好適な数のアルカリ金属イオン、および写真的
に不活性な水混和性または水溶性のヒドロキシ含有有機
溶媒を含ませることができる。この溶媒は、水の有機溶
媒に対する質量比が約15:85〜約50:50であるような濃
度で、最終的な濃厚物中に存在する。
【0210】この環境において、とりわけ高アルカリ度
では、アルカリ金属イオンと硫酸イオンとが硫酸塩を形
成し、この硫酸塩はヒドロキシ含有有機溶媒の存在下で
沈澱する。次に、沈澱した硫酸塩を、いずれかの好適な
液相/固相分離技法(濾過、円心分離、またはデカンテ
ーションを含む)を使用して容易に除去することができ
る。酸化防止剤が液体有機化合物である場合には、2つ
の相が形成される場合があり、水性相を廃棄することに
よって沈澱物を取り出すことができる。
【0211】本発明の発色現像濃厚物は、当該技術分野
において周知であり、酸化型では、処理された材料中の
色素形成カラーカプラーと反応する1種以上の発色現像
主薬を含む。このような発色現像主薬には、アミノフェ
ノール、p-フェニレンジアミン(とりわけN,N-ジアルキ
ル -p-フェニレンジアミン)、および当該技術分野にお
いて周知の他のもの、例えば欧州特許出願公開明細書第
0 434 097 A1号(1991年6月26日公開)および欧州特許
出願公開明細書第0 530 921 A1号(1993年3月10日公
開)に記載されているものが含まれるけれども、これら
に限定されるものではない。発色現像主薬が当該技術分
野において既知の1種以上の水可溶化基を有することが
有用なことがある。このような材料のさらなる詳細は、
リサーチディスクロージャー、アイテム 38957、第 592
〜 639頁(1996年9月)に掲載されている。リサーチデ
ィスクロージャーは、 Kenneth Mason Publications, L
td.,Dudley House, 12 North Street, Emsworth, Hamps
hire PO10 7DQ, England の刊行物である(Emsworth De
sign Inc., 121 West 19th Street, New York, N.Y.100
11からも入手可能である)。
【0212】好ましい発色現像主薬には、N,N-ジエチル
-p-フェニレンジアミンスルフェート (KODAK Color De
veloping Agent CD-2)、4-アミノ -3-メチル-N-(2-メタ
ンスルホンアミドエチル) アニリンスルフェート、 4-
(N-エチル -N-β−ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチル
アニリンスルフェート (KODAK Color Developing Agent
CD-4)、p-ヒドロキシエチルエチルアミノアニリンスル
フェート、 4-(N-エチル-N-2-メタンスルホニルアミノ
エチル)-2-メチルフェニレンジアミンセスキスルフェー
ト (KODAK Color Developing Agent CD-3)、 4-(N-エチ
ル -N-2-メタンスルホニルアミノエチル)-2-メチルフェ
ニレンジアミンセスキスルフェート、および当業者に容
易に明らかな他のものが含まれるけれども、これらに限
定されるものではない。
【0213】発色現像主薬を酸化から保護するために、
一般に、発色現像組成物に1種以上の酸化防止剤を含ま
せる。無機または有機のいずれかの酸化防止剤を使用す
ることができる。多くの種類の有用な酸化防止剤が知ら
れており、これらには、亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸カリウム、重硫酸ナトリウム、およびメタ
重亜硫酸カリウム)、ヒドロキシルアミン(およびその
誘導体)、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノ酸、アスコ
ルビン酸(およびその誘導体)、ヒドロキサム酸、アミ
ノケトン、単糖類および多糖類、モノアミンおよびポリ
アミン、第四級アンモニウム塩、ニトロキシラジカル、
アルコール、およびオキシムが含まれるけれども、これ
らに限定されるものではない。1,4-シクロヘキサジオン
もまた酸化防止剤として有用である。望まれる場合に
は、同じ種類または異なる種類の酸化防止剤の化合物の
混合物を使用することもできる。
【0214】とりわけ有用な酸化防止剤は、例えば、米
国特許第 4,892,804号、同 4,876,174号、同 5,354,646
号、および同 5,660,974号(これらは全て既に示し
た)、並びに米国特許第 5,646,327号(Burns 他)の各
明細書に記載されているようなヒドロキシルアミン誘導
体である。これらの酸化防止剤の多くは、一方または両
方のアルキル基上に1種以上の置換基を有するモノアル
キルヒドロキシルアミンおよびジアルキルヒドロキシル
アミンである。特に有用なアルキル置換基には、スル
ホ、カルボキシ、アミノ、スルホンアミド、カルボンア
ミド、ヒドロキシその他の可溶化置換基が含まれる。
【0215】より好ましくは、上記ヒドロキシルアミン
誘導体は、1つ以上のアルキル基上に1つ以上のヒドロ
キシ置換基を有するモノアルキルヒドロキシルアミンま
たはジアルキルヒドロキシルアミンであることができ
る。このタイプの代表的な化合物は、例えば米国特許第
5,709,982号(Marrese 他)明細書において、下記構造
【0216】
【化31】
【0217】(上式中、Rは水素、炭素原子が1〜10個
の置換されているかもしくは未置換であるアルキル基、
炭素原子が1〜10個の置換されているかもしくは未置換
であるヒドロキシアルキル基、炭素原子が5〜10個の置
換されているかもしくは未置換であるシクロアルキル
基、または6〜10個の炭素原子を芳香核に有する置換さ
れているかもしくは未置換であるアリール基であり、
【0218】X1 は−CR2 (OH)CHR1 −であ
り、X2 は−CHR1 CR2 (OH)−(式中、R1
よびR2 は独立に水素、ヒドロキシ、炭素原子が1個も
しくは2個の置換されているかもしくは未置換であるア
ルキル基、炭素原子が1個もしくは2個の置換されてい
るかもしくは未置換であるヒドロキシアルキル基である
か、あるいはR1 とR2 とがいっしょになって、置換さ
れているかもしくは未置換である5〜8員の飽和または
不飽和炭素環式環構造を完成するのに必要な炭素原子を
表す)であり、
【0219】Yは、少なくとも4個の炭素原子を有し、
かつ偶数の炭素原子を有する置換されているかもしくは
未置換であるアルキレン基であるか、またはYは、全炭
素原子数が偶数であり、分子鎖中に酸素原子を有する置
換されているかもしくは未置換である二価脂肪族基であ
るが、その脂肪族基は分子鎖中に少なくとも4個の原子
を有する)を有すると記載されている。
【0220】また、構造Iにおいて、m、nおよびpは
独立に0または1である。好ましくは、mおよびnの各
々は1であり、pは0である。具体的な二置換ヒドロキ
シルアミン酸化防止剤には、N,N-ビス (2,3-ジヒドロキ
シプロピル) ヒドロキシルアミン、N,N-ビス (2-メチル
-2,3-ジヒドロキシプロピル) ヒドロキシルアミン、お
よびN,N-ビス (1-ヒドロキシメチル -2-ヒドロキシ -3-
フェニルプロピル) ヒドキシルアミンが含まれるけれど
も、これらに限定されるものではない。最初の化合物が
好ましい。
【0221】着色剤は、40℃以上の温度においてゼラチ
ン(その他の親水性コロイド)を含有している水性媒体
と着色剤を混合することによるコーティングメルトへの
着色剤の直接添加によって像形成要素に導入することが
できる。また、着色剤を、水溶性もしくは水分散性の界
面活性剤またはポリマーの水性液と混合し、この予備混
合物を所望の粒径が得られるまで微粉砕機に通すことも
できる。この微粉砕機は、例えばコロイドミル、高圧ホ
モジナイザーなどのいずれの高エネルギー装置であって
もよい。
【0222】ゼラチン層に青色顔料を導入することによ
りゼラチンの本来の黄色度が相殺され、画像層に中性の
バックグラウンドが得られるので、顔料の好ましい色は
青である。本発明において使用される好適な顔料は、そ
れらが導入される媒体中で事実上不溶性であればいずれ
の無機または有機の着色材料であってもよい。好ましい
顔料は有機物であり、W. Herbst およびK. Hunger, 199
3, Wiley Publishers によるIndustrial Organic Pigme
nts: Production, Properties, Applications に記載さ
れているものである。これらには、アゾ顔料、例えばモ
ノアゾイエローおよびオレンジ、ジアゾ、ナフトール、
ナフトールレッド、アゾレイク(azo lake)、ベンズイミ
ダゾロン、ジアゾ濃厚物、金属錯体、イソインドリノン
およびイソインドリン、多環式顔料、例えばフタロシア
ニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロ
ロピロールおよびチオインジゴ、並びにアントラキノン
顔料、例えばアントラピリミジン、フラバントロン、ピ
ラントロン、アントラトロン、ジオキサジン、トリアリ
ールカルボジウム(triarylcarbodium)およびキノフタロ
ン(quinophthalone)が含まれる。
【0223】もっとも好ましい顔料は、NPIRI Raw Mate
rials Data Handbook, Vol. 4, Pigments, 1983, Natio
nal Prinitng Research Institute において列挙されて
いるPigment Blue 60 、フタロシアニン(例えば Pigme
nt Blue 15、15:1、15:3、15:4、および15:6)、および
キナクリドン(例えば Pigmnet Red 122)である。これ
らの顔料は、ゼラチン像形成層の本来の黄色度を克服す
るのに十分な色素色相を有し、水溶液中で容易に分散さ
れる。
【0224】好ましい顔料はすべてではないにせよ殆ど
の有機溶媒に不溶性であり、ゆえに、溶媒系では高品質
の分散系は望めないので、顔料の水性分散系が好まし
い。実際に、好ましい顔料PR-122およびPB-15 を溶解さ
せる唯一の溶媒は濃硫酸であって、有機溶媒ではない。
本発明の好ましい顔料は、本来、不溶性で結晶質の固体
であり、これは、それらがとり得る熱力学的にもっとも
安定な形態である。油および水の分散系においては、そ
れらは非晶質固体の形態であるが、この形態は熱力学的
に不安定である。ゆえに、顔料が最終的に経時によって
結晶質の形態に転化することを心配しなければならない
であろう。結晶質固体を出発原料として相転移を防止す
ることを心配しない方がよい。溶媒顔料分散系を避ける
べきもう1つの理由は、高沸点溶媒が蒸発によっては除
去されず、それをコーティング中に用いると、コーティ
ングメルト中での好ましくない相互作用(例えばDOH
分散系粒子の熟成、または他の層との平衡)を引き起こ
すことがあるということである。固体粒子分散系の使用
により、有機溶媒が完全に回避される。
【0225】好ましい態様において、着色剤は、固体粒
子分散系の形で、バインダー中に分散される。このよう
な分散系は、先ず水溶性もしくは水分散性の界面活性剤
またはポリマーを含有している水溶液と着色剤を混合し
て粗大水性予備混合物を形成させ、この予備混合物を微
粉砕機に加えることによって形成される。水溶性もしく
は水分散性の界面活性剤またはポリマーの量は広範囲に
わたって変化することができるけれども、ポリマーは、
一般に0.01質量%〜 100質量%、好ましくは約0.3質量
%〜約60質量%、より好ましくは 0.5質量%〜50質量%
である(これらの百分率は像形成において有用な着色剤
の質量に対するポリマーの質量によるものである)。
【0226】上記微粉砕機は、例えば、ボールミル、媒
体ミル、磨砕ミル、振動ミルなどであってもよい。微粉
砕機には、例えば、シリカ、窒化ケイ素、砂、酸化ジル
コニウム、イットリア安定化酸化ジルコニウム、アルミ
ナ、チタン、ガラス、ポリスチレンのビーズなどの適当
な粉砕媒体が装填される。これらのビーズの大きさは概
して直径が0.25〜 3.0mmの範囲にわたるけれども、望ま
れる場合には、より小さな媒体を使用することもでき
る。上記予備混合物は、所望の粒径範囲に到達するまで
微粉砕される。
【0227】上記固体着色剤粒子は、粉砕媒体との衝突
に繰り返し付され、結晶破壊、解凝集が起こり、結果と
して粒径の減少が起こる。着色剤の固体粒子分散系の最
終平均粒径は1μm 未満、好ましくは 0.1μm 未満、も
っとも好ましくは0.01〜 0.1μm であるべきである。も
っとも好ましくは、固体着色剤粒子は、平均の大きさが
サブμm のものである。固体粒子の大きさを0.01〜 0.1
μm とすることにより顔料の利用が最良となり、 1.2μ
m を超える粒径を有する顔料と比較して、好ましくない
光吸収が低減される。
【0228】いずれのゼラチン層においても好適なゼラ
チン対顔料比は65,000:1〜195,000:1の範囲内にあ
る。このゼラチン対顔料比が好適である理由は、典型的
な写真画像形成層及び典型的なインクジェット受容性層
に、画像の知覚上好ましい中性バックグラウンドを得る
のに必要な色補正が提供されるからである。ゼラチン層
における顔料の好適な被覆量は0.006 g/m2〜0.020 g/m2
の範囲内である。被覆量が0.006 g/m2未満であると適切
な色補正を提供するには不十分であり、また被覆量が0.
025 g/m2を超えると消費者が好まない最小濃度を生じて
しまう。
【0229】界面活性剤、ポリマー、および他のさらな
る従来の添加剤を、従来技術の固体粒子分散手順に従っ
て、本明細書に記載されている分散法において使用して
もよい。このような界面活性剤、ポリマー、および他の
添加剤は、米国特許第 5,468,598号、同 5,300,394号、
同 5,278,037号、同 4,006,025号、同 4,925,916号、同
4,294,917号、同 4,940,654号、同 4,650,586号、同
4,927,744号、同 5,279,931号、同 5,158,863号、同 5,
135,844号、同 5,091,296号、同 5,089,380号、同 5,10
3,640号、同 4,990,431号、同 4,970,139号、同 5,256,
527号、同 5,089,380号、同 5,103,640号、同 4,990,43
1号、同 4,970,139号、同 5,256,527号、同 5,015,564
号、同 5,008,179号、同 4,957,857号、および同 2,87
0,012号の各明細書、英国特許明細書第 1,570,362号お
よび同 1,131,179号において開示されている。
【0230】さらなる界面活性剤または他の水溶性ポリ
マーを、着色剤分散系の形成後、または、その後の、ポ
リマーベースへの塗布のための水性塗布媒体への着色剤
分散系の添加の前もしくは後に添加してもよい。この水
性媒体は、像形成技術分野においてよく知られているよ
うに、安定剤および分散剤(例えば、さらなるアニオン
性、非イオン性、双性イオン性、またはカチオン性の界
面活性剤)、および水溶性バインダー(例えばゼラチ
ン)などの他の化合物を含有しているのが好ましい。こ
の水性塗布媒体が、像形成において有用な化合物の他の
分散系またはエマルションをさらに含有していてもよ
い。
【0231】以下の例により本発明の実施を説明する。
これらの例は、本発明のすべての可能な態様を網羅して
いると解されるべきものではない。特に断らない限り、
部および百分率は質量によるものである。
【0232】
【実施例】例1 本例では、感圧ラベル素材に感光性ハロゲン化銀画像形
成層を適用することによってハロゲン化銀感圧包装ラベ
ルを製造した。当該ラベル素材は、積層型コーテッド紙
ライナーに積層された感圧接着剤を柔軟性白色二軸延伸
ポリプロピレン面素材の裏面に塗被してなるものとし
た。感光性ハロゲン化銀画像形成層は、肌色トーンの正
確な再現を可能にするイエロー、マゼンタ及びシアンの
カプラー系とした。画像を処理した後、写真ラベルに環
境保護層を被覆することにより、デリケートなハロゲン
化銀画像形成層を環境溶剤から保護した。本例は、従来
のグラビア印刷型ラベル材料と比べた写真ラベルの利点
の多くを例証すると共に、積層型紙ライナーの利点を例
証するものである。
【0233】二軸延伸ポリオレフィン面素材:ミクロボ
イドを有する延伸ポリプロピレンコア層(全シート厚の
約60%)の両面にホモポリマーのミクロボイドを含まな
い延伸ポリプロピレン層を配してなる複合ポリオレフィ
ンシート(厚さ70μm)(d=0.68 g/cc)を使用し
た。ボイド生成材料にはポリ(ブチレンテレフタレー
ト)を使用した。該ポリオレフィンシートは、ポリエチ
レンと青色顔料とからなる表皮層を有した。ボイド含有
層に隣接したポリプロピレン層に8%ルチル型TiO2を含
有させた。この青味がかったポリエチレン表皮層にハロ
ゲン化銀画像形成層を適用した。 感圧接着剤:厚さ12μmの永久溶剤系アクリル接着剤を
使用した。
【0234】積層紙ライナー:LDPE樹脂を使用し、セル
ロース紙コア層(厚さ80μm)の裏側にポリプロピレン
の二軸延伸シートを押出積層してなる積層紙ライナーを
使用した。裏側の延伸ポリプロピレンは、写真プリント
装置における効率的な搬送を可能にするため粗い層を含
んだ。この粗い層は、ポリエチレンとポリプロピレンの
非混和性ポリマーの混合物からなるものとした。ライナ
ーの最上部にシリコーンホールドアウトのためLDPEを押
出被覆した。該セルロース紙は、導電性を得るため、8
%の水分と1%の塩分を含んだ。積層紙ライナーの全厚
は128μmとし、その剛性は縦方向、横方向共に80ミリ
ニュートンとした。この紙ライナーの押出LDPE層に隣接
してシリコーン剥離コートを被覆した。
【0235】本例の写真包装ラベル材料のベースの構造
は以下の通りである。 ────────────────────────────────── ボイド含有ポリプロピレンシート(面素材) ────────────────────────────────── アクリル系感圧接着剤 ────────────────────────────────── シリコーンコーティング ────────────────────────────────── 積層紙ライナー ──────────────────────────────────
【0236】ハロゲン化銀乳剤を以下に記載するように
化学増感および分光増感させた。N-メチル−イソチアゾ
ロンおよびN-メチル -5-クロロ−イソチアゾロンの混合
物を含んでなる殺生剤を増感後に添加した。
【0237】青感性乳剤(青EM−1):およそ当モル
の硝酸銀溶液および塩化ナトリウム溶液を、グルタリル
ジアミノフェニルジスルフィド、ゼラチンペプタイザ
ー、およびチオエーテル熟成剤が入っている反応器中
に、よく撹拌しながら添加することによって、高塩化物
ハロゲン化銀乳剤を析出させた。ハロゲン化銀粒子の形
成中、殆どの析出に対して、ペンタクロロニトロシルオ
スミウム酸(II)セシウムドーパントを添加し、続い
て、ヘキサシアノルテニウム酸(II)カリウム、 (5-メ
チルチアゾール)-ペンタクロロイリジウム酸カリウム、
少量のKI溶液を添加して、ドーパントがまったく無い
シェルを形成させた。得られた乳剤は、辺の長さが 0.6
μm の立方形の粒子を含有していた。この乳剤を、硫化
第一金のコロイド状懸濁液を添加し、60℃まで傾斜加熱
し、この時間の間に、青増感色素 BSD-4、ヘキサクロロ
イリジウム酸カリウム、リップマン臭化物、および 1-
(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール
を添加することによって最適に増感させた。
【0238】緑感性乳剤(緑EM−1):およそ当モル
の硝酸銀溶液および塩化ナトリウム溶液を、ゼラチンペ
プタイザーおよびチオエーテル熟成剤が入っている反応
器中に、よく撹拌しながら添加することによって、高塩
化物ハロゲン化銀乳剤を析出させた。ハロゲン化銀粒子
形成中、殆どの析出に対して、ペンタクロロニトロシル
オスミウム酸(II)セシウムドーパントを添加し、続い
て、 (5-メチルチアゾール)-ペンタクロロイリジウム酸
カリウムを添加した。得られた乳剤は、辺の長さが 0.3
μm の立方形の粒子を含有していた。この乳剤を、グル
タリルジアミノフェニルジスルフィド、硫化第一金のコ
ロイド状懸濁液を添加し、55℃まで傾斜加熱し、この時
間の間に、ヘキサクロロイリジウム酸カリウムがドープ
されているリップマン臭化物、緑増感色素 GSD-1の液体
結晶懸濁液、および 1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メ
ルカプトテトラゾールを添加することによって最適に増
感させた。
【0239】赤感性乳剤(赤EM−1):およそ当モル
の硝酸銀溶液および塩化ナトリウム溶液を、ゼラチンペ
プタイザーおよびチオエーテル熟成剤が入っている反応
器中に、よく撹拌しながら添加することによって、高塩
化物ハロゲン化銀乳剤を析出させた。ハロゲン化銀粒子
形成中、ヘキサシアノルテニウム酸(II)カリウムおよ
び (5-メチルチアゾール)-ペンタクロロイリジウム酸カ
リウムを添加した。得られた乳剤は、辺の長さが 0.4μ
m の立方形の粒子を含有していた。この乳剤を、グルタ
リルジアミノフェニルスルフィド、チオ硫酸ナトリウ
ム、およびビス {2-[3-(2-スルホベンズアミド) フェニ
ル]-メルカプトテトラゾール} 金(I)三カリウムを添
加し、64℃まで傾斜加熱し、この時間の間に、 1-(3-ア
セトアミドフェニル)-5-メルカプトテトラゾール、ヘキ
サクロロイリジウム酸カリウム、および臭化カリウムを
添加することによって最適に増感させた。次に、この乳
剤を40℃まで冷却し、pHを 6.0に調整し、赤増感色素
RSD-1を添加した。
【0240】当該技術分野で周知の方法によりカプラー
分散体を乳化し、そして下記の支持体の上に下記の層を
塗布した。以下の肌色トーンを最適化した感光性ハロゲ
ン化銀像形成層を利用して、本発明のラベルベース材料
を利用する写真ラベルを調製した。カーテンコーティン
グを利用して以下の像形成層を塗布した。
【0241】 ────────────────────────────────── 層 アイテム 塗被量(g/m2) ────────────────────────────────── 層1 青感性層 ゼラチン 1.3127 青感性銀(青EM−1) 0.2399 Y−4 0.4143 ST−23 0.4842 クエン酸トリブチル 0.2179 ST−24 0.1211 ST−16 0.0095 ナトリウムフェニルメルカプト 0.0001 テトラゾール ピペリジノヘキソースレダクトン 0.0024 5-クロロ -2-メチル 0.0002 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) SF−1 0.0366 塩化カリウム 0.0204 Dye−1 0.0148
【0242】 層2 中間層 ゼラチン 0.7532 ST−4 0.1076 S−3 0.1969 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) カテコールジスルホネート 0.0323 SF−1 0.0081
【0243】 層3 緑感性層 ゼラチン 1.1944 緑感性銀(緑EM−1) 0.1011 M−4 0.2077 オレイルアルコール 0.2174 S−3 0.1119 ST−21 0.0398 ST−22 0.2841 Dye−2 0.0073 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) SF−1 0.0236 塩化カリウム 0.0204 ナトリウムフェニルメルカプト 0.0007 テトラゾール
【0244】 層4 M/C中間層 ゼラチン 0.7532 ST−4 0.1076 S−3 0.1969 アクリルアミド/t-ブチル 0.0541 アクリルアミドスルホン酸 コポリマー ビス−ビニルスルホニルメタン 0.1390 3,5-ジニトロ安息香酸 0.0001 クエン酸 0.0007 カテコールジスルホネート 0.0323 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1)
【0245】 層5 赤感性層 ゼラチン 1.3558 赤感性銀(赤EM−1) 0.1883 IC−35 0.2324 IC−36 0.0258 UV−2 0.3551 セバシン酸ジブチル 0.4358 S−6 0.1453 Dye−3 0.0229 p-トルエンチオスルホン酸カリウム 0.0026 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) ナトリウムフェニルメルカプト 0.0005 テトラゾール SF−1 0.0524
【0246】 層6 UVオーバーコート ゼラチン 0.8231 UV−1 0.0355 UV−2 0.2034 ST−4 0.0655 SF−1 0.0125 S−6 0.0797 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1)
【0247】 層7 SOC ゼラチン 0.6456 Ludox AM(商標) 0.1614 (コロイド状シリカ) ポリジメチルシロキサン 0.0202 ( DC200(商標)) 5-クロロ -2-メチル 0.0001 -4-イソチアゾリン -3-オン/ 2-メチル -4-イソチアゾリン -3-オン(3/1) SF−2 0.0032 Tergitol 15-S-5(商標) 0.0020 (界面活性剤) SF−1 0.0081 Aerosol OT(商標) 0.0029 (界面活性剤) ──────────────────────────────────
【0248】本例のラベル支持体上に塗布された感光性
ハロゲン化銀乳剤の10mmスリットロールを、ディジタル
レーザー式写真プリンターを使用してプリントした。グ
ラフィクス、テキスト及びイメージを含むいくつかの試
験画像を写真包装ラベル材料上にプリントした。次に、
プリントした画像を、標準的な反射型RA-4写真湿式処理
剤を使用して現像した。この時点で、薄いラベル支持体
上に画像が形成された。現像済画像層の耐久性をさらに
高めるため、画像形成層の最上ゼラチン層に環境保護層
を適用した。
【0249】環境保護層は、7.5μm粉砕ポリマー粒子
(HerculesからPiccotoner 1221として入手できるスチ
レンブチルアクリレート)と、軟質ラテックスバインダ
ー(ブチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチル
プロパンスルホネート及びアセトアセトキシエチルメタ
クリレートのコポリマー)の20%懸濁液と、親水性増粘
剤(Keltrol T)の1%溶液と、界面活性剤(Olin 10G)
の10%溶液とを使用して調製した。このメルトを、3ミ
ルの塗布ナイフを用いて手塗りし、2.43%のビスビニル
スルホニルメチルエーテルで硬化した547 mg/ft2のゼラ
チンパッドを形成した。展開後、コーティングを30℃で
乾燥させた。
【0250】以下、画像形成後に保護されたハロゲン化
銀感圧包装ラベルの構造を示す。 ──────────────────────────────── 融合スチレンブチルアクリレート環境保護層 ──────────────────────────────── 現像済ハロゲン化銀画像形成層(イエロー、マゼンタ及びシアン) ──────────────────────────────── ボイド含有ポリプロピレンシート ──────────────────────────────── アクリル系感圧接着剤 ──────────────────────────────── シリコーン系剥離層 ──────────────────────────────── 積層紙ライナー ──────────────────────────────── 上記のハロゲン化銀包装ラベル材料を、健康美容産業に
典型的に用いられるいくつかのポリマーボトルに手で貼
り付けて、包装体へのラベルの適用をシミュレートし
た。
【0251】本発明の写真包装ラベルは、従来技術のフ
レキソグラフィ又はグラビアで印刷したラベルと比較し
て、多くの顕著な改良を示した。本発明によると、印刷
版や印刷シリンダーにかかるコストが省かれるので、短
時間印刷運転の場合でも経済的に成り立つ印刷法が提供
される。ラベルの印刷にはデジタル式ハロゲン化銀画像
形成システムを採用したので、高い印刷機のセットアッ
プコストを必要とすることなくラベル毎に異なるものを
作ることができる。ハロゲン化銀画像を使用して包装体
に適用することにより、一般的な低画質の6色グラビア
印刷画像と比較して現在利用できる最高の画質が確保さ
れる。ハロゲン化銀画像形成層に環境保護層を適用する
ことにより、ハロゲン化銀画像の靭性が顕著に向上し、
シャンプーボトルやワインボトルのような従来の写真を
損なうような高湿度に晒される条件の厳しいラベル表示
用途にハロゲン化銀画像を使用することができる。さら
に、イエロー層、マゼンタ層及びシアン層がゼラチン中
間層を含有するので、ハロゲン化銀画像は、従来技術の
インクジェット法、電子写真法又はグラビア法で印刷さ
れた平らで活気のないように見える画像と比較して、画
像に奥行きがあるように見える。本発明のハロゲン化銀
画像層は、肌色トーンを正確に再現するように最適化さ
れてもいるので、他のデジタル式画像形成法と比較し
て、優れた人物画像が得られる。薄く柔軟な感圧包装ラ
ベルの上にハロゲン化銀画像形成層が塗被され現像され
ているので、周知の高速包装装置を利用してハロゲン化
銀画像形成層を様々な包装体へ適用することができる。
【0252】本例で使用したハロゲン化銀画像形成法
は、同一ラベル上にテキスト、グラフィクス及び写真画
質イメージを同時にプリントすることができる。本発明
のハロゲン化銀画像形成層はデジタル方式に適合するの
で、レーザープリンターやCRTプリンターのような既知
のデジタルプリント装置を使用してテキスト、グラフィ
クス及びイメージをプリントすることができる。当該ハ
ロゲン化銀系はデジタル方式に適合するので、包装体毎
に異なるデータ要素を含めることができ、印刷版やシリ
ンダーにかかる余計なコストもなく個別の包装体の受注
生産が可能である。さらに、デジタルファイルをプリン
トすることにより、インターネットのような電子データ
伝送技術を用いてイメージファイルを転送することがで
き、包装用ラベルの変更に要する時間が短縮される。典
型的には、従来の印刷版や印刷シリンダーによる方法を
使用して包装用ラベルを変更する場合、コンセプト段階
からラベルの完成までに10週間が必要であった。本発
明によると、そうした変更を1時間もかからずに行うこ
とができる。最後に、本例のハロゲン化銀画像形成層は
レーザー又はCRTにより75m/分を超える速度でデジタル
露光されることができ、現行のインクジェット方式又は
電子写真方式のデジタルプリント装置に匹敵するプリン
ト速度が可能である。
【0253】本発明の積層紙ライナーは、ハロゲン化銀
画像を含む柔軟性面素材に80ミリニュートンの剛性を付
与するので、該写真ラベルを従来のハロゲン化銀プリン
ト及び処理装置においてプリント及び搬送することがで
きる。さらに、該紙の含水量及び含塩量が高いので、感
光性ハロゲン化銀ウェブを70m/分で搬送しても静電カブ
リをまったく示さなかったように、格別な静電保護が得
られる。最後に、該紙は、ハロゲン化銀潜像のRA-4処理
の際にラベル材料のスリット縁部にハロゲン化銀処理薬
剤が浸透することに対して抵抗性を付与する。従来技術
の紙ライナーでは、縁部浸透に対する抵抗性がはるかに
低いので、処理前後で引張強度が80%も低下し、処理後
の画像ロールが水分でブロッキングしたりウェブが破損
したりするような問題が生じていた。
【0254】以下、本発明の好ましい実施態様を項分け
記載する。 〔1〕ハロゲン化銀画像形成層と、ベースと、該ベース
に対して接着剤により接着された可剥性ライナーとを含
んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの剛性及び
92.0より高いL*を示し、かつ、該ライナーが40〜120ミ
リニュートンの剛性を示すことを特徴とするラベル。 〔2〕前記ベースの厚さが40〜75μmの範囲内にある、
〔1〕項に記載のラベル。 〔3〕前記ライナーがセルロース繊維紙を含む、〔1〕
項に記載のラベル。 〔4〕前記紙の縁浸透が8mm未満である、〔1〕項に記
載のラベル。 〔5〕前記ベースの光透過率が20%未満である、〔1〕
項に記載のラベル。 〔6〕前記ライナーの厚さが75〜225μmの範囲内であ
る、〔1〕項に記載のラベル。 〔7〕前記ライナーの引張強さが120 MPaより高い、
〔1〕項に記載のラベル。 〔8〕前記ライナーの抵抗率が1011Ω/□未満である、
〔1〕項に記載のラベル。
〔9〕前記ライナーが接着剤側にシリコーンコーティン
グを有する、〔1〕項に記載のラベル。 〔10〕前記接着剤がさらに帯電防止剤を含む、〔1〕
項に記載のラベル。 〔11〕前記接着剤が溶剤塗布型ポリマーである、
〔1〕項に記載のラベル。 〔12〕前記ベースが配向ポリオレフィン又は配向ポリ
エステルを含む、〔1〕項に記載のラベル。 〔13〕前記ベースが、ボイド含有層及び前記ボイド含
有層と表面隣接ハロゲン化銀画像形成層との間の二酸化
チタンを含む少なくとも1層の層を有する配向ポリマー
を含む、〔1〕項に記載のラベル。 〔14〕前記ライナーがセルロース繊維紙及び二軸延伸
ポリマーシートを含む、〔1〕項に記載のラベル。 〔15〕前記二軸延伸ポリマーシートが前記紙の下方に
ある、〔14〕項に記載のラベル。 〔16〕前記二酸化チタンを含む少なくとも1層の層が
二酸化チタンを4質量%以上含有する、〔13〕項に記
載のラベル。 〔17〕前記ライナーの摩擦係数が0.20〜0.60の
範囲内にある、〔1〕項に記載のラベル。
【0255】〔18〕ハロゲン化銀画像形成層と、ベー
スと、該ベースに対して接着剤により接着された可剥性
ライナーとを含むラベルであって、該ベースが15〜60ミ
リニュートンの剛性及び92.0より高いL*を示し、か
つ、該ライナーが40〜120ミリニュートンの剛性を示す
ものを用意し、該ハロゲン化銀画像形成層を化学線の平
行ビームで像様露光し、現像し、該ライナーを剥離し、
そして該ラベルを包装体に接着させることを特徴とする
ラベル表示方法。 〔19〕前記ライナーを剥離する前に、前記現像された
画像に環境保護層を適用する、〔18〕項に記載の方
法。 〔20〕画像を現像した後に、前記画像とベースをダイ
切断してマトリックス材料を剥離する、〔18〕項に記
載の方法。 〔21〕現像されたハロゲン化銀画像にさらにインクジ
ェット印刷領域を設ける、〔18〕項に記載の方法。 〔22〕ハロゲン化銀画像形成層と、ベースと、該ベー
スに対して接着剤により接着された可剥性ライナーとを
含む写真画像形成部材であって、該ベースが15〜60ミリ
ニュートンの剛性及び92.0より高いL*を示し、かつ、
該ライナーが40〜120ミリニュートンの剛性を示すもの
を用意し、該ハロゲン化銀画像形成層を化学線の平行ビ
ームで像様露光することにより複数の画像を形成し、該
画像を現像し、2以上の画像を担持する該画像形成部材
の一部を切断し、該ライナーを剥離し、そして該切断さ
れた部分を折り曲げることにより各面に1つ以上の画像
が位置するようにすることを特徴とする両面画像部材の
形成方法。 〔23〕アルバムに入れるのに適した打抜孔をさらに含
む、〔22〕項に記載の方法。
【0256】
【発明の効果】本発明は、包装材料について改良された
画質を提供する。本発明は、包装用のハロゲン化銀感圧
ラベルを形成するためのネガ型光学システム又は光学デ
ジタル印刷システムを使用してテキスト、グラフィック
及びイメージを印刷することができる印刷法を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙ライナーを具備した画像形成済ハロゲン化銀
感圧ラベルの構造を示す略断面図である。
【符号の説明】
10…現像済ハロゲン化銀画像形成層 12…面素材 14…感圧接着剤層 16…シリコーン層 18…積層型紙ライナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B65C 9/44 B65C 9/44 G03C 3/00 571 G03C 3/00 571C (72)発明者 ピーター トーマス アイルワード アメリカ合衆国,ニューヨーク 14468, ヒルトン,ハスキンズ レーン ノース 92 (72)発明者 ロバート マイケル シェパード アメリカ合衆国,ニューヨーク 14564, ビクター,ストーンライ トレイル 33 Fターム(参考) 2H016 AC01 AF05 BA00 BL00 2H023 GA00 3E095 BA10 CA10 FA02 FA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀画像形成層と、ベースと、
    該ベースに対して接着剤により接着された可剥性ライナ
    ーとを含んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの
    剛性及び92.0より高いL*を示し、かつ、該ライナーが4
    0〜120ミリニュートンの剛性を示すことを特徴とするラ
    ベル。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀画像形成層と、ベースと、
    該ベースに対して接着剤により接着された可剥性ライナ
    ーとを含むラベルであって、該ベースが15〜60ミリニュ
    ートンの剛性及び92.0より高いL*を示し、かつ、該ラ
    イナーが40〜120ミリニュートンの剛性を示すものを用
    意し、該ハロゲン化銀画像形成層を化学線の平行ビーム
    で像様露光し、現像し、該ライナーを剥離し、そして該
    ラベルを包装体に接着させることを特徴とするラベル表
    示方法。
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