JP2002328082A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JP2002328082A
JP2002328082A JP2002037267A JP2002037267A JP2002328082A JP 2002328082 A JP2002328082 A JP 2002328082A JP 2002037267 A JP2002037267 A JP 2002037267A JP 2002037267 A JP2002037267 A JP 2002037267A JP 2002328082 A JP2002328082 A JP 2002328082A
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cantilever
probe
sample
displacement
microscope
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JP2002037267A
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Toshio Ando
敏夫 安藤
Yoshiaki Hayashi
美明 林
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
    • G01Q30/00Auxiliary means serving to assist or improve the scanning probe techniques or apparatus, e.g. display or data processing devices
    • G01Q30/02Non-SPM analysing devices, e.g. SEM [Scanning Electron Microscope], spectrometer or optical microscope
    • G01Q30/025Optical microscopes coupled with SPM

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プローブと試料の目標部位との位置関係を光学
的に確認できる走査型プローブ顕微鏡を提供する。 【解決手段】倒立型光学顕微鏡には、蛍光処理が施され
たカンチレバー19と、これを用いて試料25のSPM
測定を行うSPM装置27とが設けられている。照明装
置35からの励起光は、所定波長の励起光のみを選択的
に透過させるフィルタ37を透過した後、ダイクロイッ
クミラー39で反射され、対物レンズ43を介してステ
ージ23上の試料25に照射されると共にカンチレバー
19に到達する。試料25及びカンチレバー19から発
生した蛍光像は、対物レンズ43によって取り込まれた
後、ダイクロイックミラー39を透過し、全反射プリズ
ム45で反射され、カンチレバー19からの散乱光を除
去するフィルタ47を透過した後、鏡筒49上に設けら
れた接眼レンズ51に導光される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料を原子又は分
子オーダーの分解能で観察するために用いられる走査型
プローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料を原子又は分子オーダーの分
解能で観察するための装置として、走査型プローブ顕微
鏡(SPM; Scanning Probe Microscope) が知られてい
る。
【0003】このようなSPMの一例として、ビニッヒ
(Binnig)やローラー(Rohrer)等によって、走査型ト
ンネル顕微鏡(STM; Scanning Tunneling Microscope)
が発明された。しかし、このSTMでは、観察できる試
料は導電性の試料に限られている。そこで、サーボ技術
を始めとするSTMの要素技術を利用し、絶縁性の試料
を原子又は分子オーダーの分解能で観察できる装置とし
て原子間力顕微鏡(AFM; Atomic Force Microscope)が提
案された。なお、AFMは、例えば特開昭62−130
302に開示されている。
【0004】AFM構造は、STMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡の一つとして位置付けられる。この
ようなAFMは、鋭く尖った突起部(探針)を自由端に
持つカンチレバーを備えている。この探針を試料に近づ
けると、探針先端の先端の原子と試料表面の原子との間
に働く相互作用力(原子間力)によりカンチレバーの自
由端が変位する。この自由端の変位を電気的あるいは光
学的に測定しながら、探針を試料表面に沿ってXY方向
に走査することによって、試料の凹凸情報等を三次元的
にとらえることができる。
【0005】ところで、近年、上述したようなSPMを
組み込んだ光学顕微鏡(例えば、特開平7−43372
号公報参照)が開発されており、明視野検鏡法、暗視野
検鏡法、位相差検鏡法、微分干渉検鏡法等の各種の検鏡
法を用いた光学観察が行われている。
【0006】図4には、上記のSPMを組み込んだ光学
顕微鏡の構成が概略的に示されており、ステージ1上の
試料3に対してカンチレバー5をアプローチさせてSP
M測定を行うことができると共に、ステージ1下方の対
物レンズ7を介して導光された観察光を用いて、ステー
ジ1上の試料3の光学観察が行うことができるように構
成されている。
【0007】このような光学顕微鏡によって試料3に対
する測定を行う場合には、第1又は第2の照明装置9,
11が用いられる。
【0008】第1の照明装置9を用いた場合、この第1
の照明装置9から出射された観察光を対物レンズ7を介
してステージ1上の試料3に照射させた際に、試料3及
びカンチレバー5から発生する光学像を接眼レンズ13
を介して観察しながら、カンチレバー5を試料3にアプ
ローチさせることによって、試料3に対するSPM測定
が行われると共に試料3に対する光学観察が行われる。
【0009】一方、第2の照明装置11を用いた場合、
この第2の照明装置11から出射された観察光をSPM
装置15内の光学系を利用してステージ1上の試料3に
照射させることによって、試料3から発生する光学像を
接眼レンズ13を介して透過観察することができる。
【0010】なお、SPM装置15には、SPM測定時
に生じるカンチレバー5の変位を光学的に測定可能な光
学系及び信号処理系等(図示しない)が内蔵されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カンチ
レバー5の先端に設けられた探針17の径寸法は、約1
0nm程度であるため、試料3の測定場所までカンチレ
バー5の探針17を位置付けることは困難である。ま
た、カンチレバーの変位を光学的に測定可能な光学系
(変位検出光学系)から、カンチレバーに変位検出用レ
ーザーが照射された際、カンチレバーからは散乱光が発
生する。この結果、試料3の目標部位をSPMで観察又
は測定することができなくなってしまったり、小さな試
料の場合、プローブを十分に試料に近づけられないとい
った問題が生じる。また、試料を透過した透過光又は散
乱光等の外乱光が変位検出光学系に伝播した場合には、
試料に対するカンチレバーの変位を高精度に検出するこ
とが出来なくなってしまう。
【0012】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされており、その目的は、プローブを試料に対し
て高精度に位置決め可能な走査型プローブ顕微鏡を提供
することにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、試料に対する
カンチレバーの変位を高精度に検出することができる走
査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による走査型プローブ顕微鏡は、探針
を有するカンチレバー型プローブと、前記カンチレバー
型プローブに変位測定用レーザー光を照射し、反射され
た前記変位測定用レーザー光を検出することにより前記
カンチレバーの変位を検出する変位検出光学系と、前記
カンチレバー型プローブに前記変位検出用レーザー光が
照射された際に、前記カンチレバー型プローブから発生
する散乱光を除去するフィルタと、前記散乱光が除去さ
れた前記カンチレバー型プローブと試料の蛍光像を光学
的に検鏡する光学系とを備えている。
【0015】本発明による別の走査型プローブ顕微鏡
は、探針を有するカンチレバー型プローブと、前記カン
チレバー型プローブに変位測定用レーザー光を照射し、
反射された前記変位測定用レーザー光を検出することに
より前記カンチレバーの変位を検出する変位検出光学系
と、前記カンチレバー型プローブで反射された前記変位
検出用レーザー光のみを前記変位検出光学系に伝播する
外乱光除去フィルタとを備えている。
【0016】
【作用】本発明による走査型プローブ顕微鏡は、カンチ
レバー型プローブから発生する散乱光を除去するフィル
タを備えることで、プローブと試料の目標部位との位置
関係を光学的に確認することができる。
【0017】本発明による別の走査型プローブ顕微鏡
は、カンチレバー型プローブで反射された変位検出用レ
ーザー光のみを変位検出光学系に伝播する外乱光除去フ
ィルタを備えることで、試料に対するカンチレバー型プ
ローブの変位を高精度に検出することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例に係る光学顕微
鏡について、図1を参照して説明する。本実施例の光学
顕微鏡には、倒立型光学顕微鏡(例えば、商品名「オリ
ンパスIX」)が適用されており、この倒立型光学顕微
鏡には、所定の蛍光処理が施されたプローブを備えた走
査型プローブ顕微鏡が組み込まれている。
【0019】本実施例に用いられた走査型プローブ顕微
鏡は、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型トンネル顕微
鏡(STM)、磁気力顕微鏡(MFM)等を含んだ広義
の概念であり、この場合、プローブとは、単に探針のみ
を示す場合、先端に探針を有するカンチレバーを示す場
合、あるいは、先端に探針を有しないカンチレバーを示
す場合がある。
【0020】図1(a)の倒立型光学顕微鏡には、その
一例として、シリコン製のカンチレバー19の先端に探
針21を備えたカンチレバータイプのプローブを有する
走査型プローブ顕微鏡が組み込まれている。
【0021】このようなプローブ(本実施例では、探針
21を備えたカンチレバー19)の蛍光処理方法におい
て、洗浄処理が施されたカンチレバー19に対してシラ
ン処理を施してカンチレバー19の表面にアミノ基を付
着させた後、アミノ基が付着したカンチレバー19をF
ITC(Fluorescein Isothiocyanate)溶液に浸漬させて
FITCをアミノ基に結合させる。そして、シラン処理
後、カンチレバー19に対する純水流洗浄処理を施すこ
とによって、カンチレバー19の蛍光処理が完了する。
【0022】この実施例におけるプローブの蛍光処理方
法を詳述する。
【0023】洗浄処理では、カンチレバー19をアンモ
ニア過酸化水素水(アンモニアと過酸化水素と水の割合
を1対1対4の重量比で混合した溶液)に浸漬させた状
態で約30分間沸騰処理を施した後、沸騰処理が施され
たカンチレバー19に対して約150℃で乾燥処理を施
す。乾燥処理が施されたカンチレバー19に対して酸素
(O2 ;酸素量30ml/分)を用いたプラズマ処理を
施すと同時に紫外線ランプ(100W/分)によって紫
外線を照射して酸素をオゾン化させる。
【0024】続いて、シラン処理では、上記洗浄処理が
施されたカンチレバー19をシランカップリング剤に浸
漬させる。このとき用いられるシランカップリング剤と
しては、例えば、信越シリコン社製のKBM602;N
−(アミノエチル)γ−プロピルメチルジメトキシシラ
ン、KBM603;N−(アミノエチル)γ−プロピル
メチルジメトキシシラン、KBM902;γ−アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、KBM903;γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。具体
的には、カンチレバー19を1重量%のKBM602水
溶液中に浸漬させた状態で約2時間放置することによっ
て、カンチレバー19の表面にアミノ基を付着させる。
【0025】この後、アミノ基が付着したカンチレバー
19をFITC(Fluorescein Isothiocyanate)溶液に浸
漬させてFITCをアミノ基に結合させる。
【0026】純水流洗浄処理では、上記の各処理が施さ
れたカンチレバー19に対して純水を約10分間流して
洗浄処理を施した後、洗浄処理が施されたカンチレバー
19に対して約115℃で4時間程度熱処理を施す。
【0027】この結果、表面に蛍光標識が施されたカン
チレバー19が完成する。
【0028】図1(a)に示すように、本実施例に適用
された倒立型光学顕微鏡には、上記蛍光処理が施された
カンチレバー19と、このカンチレバー19を用いてス
テージ23上の試料25に対するSPM測定を行うSP
M装置27とが設けられており、このSPM装置27に
よって検出された試料25の表面測定データは、コント
ローラ29によって画像処理された後、コンピュータ3
1上に3次元画像として表示される。
【0029】次に、本実施例に適用された倒立型光学顕
微鏡の動作について説明する。
【0030】本実施例の倒立型光学顕微鏡には、その基
台33側に例えば水銀ランプ(図示しない)が内蔵され
た照明装置35が取り付けられており、この照明装置3
5は、所定波長を含む励起光を出射可能に構成されてい
る。なお、励起光としては、例えば、波長330〜38
5nmのU励起光、波長450〜480nmのB励起
光、波長510〜550nmのG励起光等の種々の励起
光を選択することが可能である。
【0031】このような照明装置35から出射された励
起光は、所定波長の励起光のみを選択的に透過させるフ
ィルタ37(例えば、金属膜干渉フィルタ)を透過した
後、ダイクロイックミラー39に導光される。
【0032】ダイクロイックミラー39に導光された励
起光は、このダイクロイックミラー39から反射した
後、回転式レボルバー41に取り付けられた対物レンズ
43を介してステージ23上の試料25に照射されると
共に、この試料25を透過してカンチレバー19に到達
する。
【0033】励起光が照射された試料25及びカンチレ
バー19から発生した蛍光像は、対物レンズ43によっ
て取り込まれた後、ダイクロイックミラー39を介して
全反射プリズム45に導光される。
【0034】このとき、全反射プリズム45から反射し
た蛍光像は、後述するフィルタ47を透過した後、鏡筒
49上に設けられた接眼レンズ51に導光される。
【0035】なお、本実施例に適用される試料25とし
ては、一般的な試料及び細胞、細胞内のオルガネラ、蛋
白質分子等の試料25が適用可能であって、このような
試料25は、所定の励起光によって蛍光を発するよう
に、予め所定の蛍光処理が施されているか、又は、自家
蛍光を有するものが好ましい。
【0036】この結果、図1(b)に示すように、例え
ば試料25が蛋白質分子の場合には、接眼レンズ51を
介して観察可能な観察視野内には、カンチレバー19と
蛋白質分子25との位置関係が目視観察可能な状態で呈
示されることになる。
【0037】この状態で、ステージ23上に配置された
位置調整装置53を介してカンチレバー19と試料25
との間の相対位置を調整することによって、カンチレバ
ー19を試料25の測定部位に対して高精度に粗動及び
微動アプローチさせることが可能となる。
【0038】この後、試料25に対するカンチレバー1
9の変位を検出することによって、試料25の表面情報
をSPM測定することになる。
【0039】カンチレバー19の変位を検出する場合、
SPM装置27に内蔵された変位検出光学系55から変
位検出用レーザが出射され、このとき、カンチレバー1
9から反射した反射光を変位検出光学系55によって検
出することによって、カンチレバー19の変位が検出さ
れることになる。
【0040】ところで、SPM装置27の変位検出光学
系55からカンチレバー19に変位検出用レーザが照射
された際、カンチレバー19からは、散乱光が発生す
る。
【0041】この散乱光は、試料25を透過した後、対
物レンズ43からダイクロイックミラー39を介して全
反射ミラー45に導光され、この全反射ミラー45から
接眼レンズ51及び撮像装置57の視野内に導光される
ことになる。
【0042】そこで、本実施例の倒立型光学顕微鏡に
は、カンチレバー19からの散乱光を除去するフィルタ
47が全反射ミラー45と接眼レンズ51との間の光路
中に配置されている。
【0043】この結果、観察視野内には、図1(b)に
示すように、カンチレバー19と試料25(例として、
蛋白質分子)の蛍光像のみが鮮明に呈示されるため、試
料25の目標部位に対してカンチレバー19を簡単且つ
高精度に位置決めすることができる。この結果、試料2
5に対する蛍光観察を行いながら同時にカンチレバー1
9を用いたSPM測定を行うことが可能となる。この場
合、蛍光観察像は、基台33に設けられた撮像装置57
を介してモニタ59上に写し出されると同時にSPM測
定像は、コントローラ29を介してコンピュータ31上
に3次元的に画像表示されることになる。なお、この場
合のSPM測定は、例えばAFM測定やMFM測定の場
合を想定している。
【0044】これに対して、蛍光観察と同時にSTM測
定を行う場合には、変位検出光学系55から変位検出用
レーザを出射させる必要はないので、カンチレバー19
から散乱光が発生することはない。この場合、カンチレ
バー19と試料25との間にトンネル電流検出回路(図
示しない)を構成して、試料25と探針21との間に流
れるトンネル電流を検出することによって、試料25に
対する蛍光観察と同時にSTM測定を行うことが可能と
なる。
【0045】上述した実施例では、蛍光物質としてFI
TCを使用しているが、蛍光物質は特にこれに限らず一
般的な蛍光物質が広く使用可能である。例えば、ローダ
ミン、ハイパーイエロー、Cy3(サイスリー)等が挙
げられる。
【0046】また、上述した実施例では、カンチレバー
19の表面に蛍光処理を施したが、カンチレバー19の
一部、例えば探針21先端或いはカンチレバー19先端
にのみ蛍光処理を施した場合も上記同様の作用効果を奏
することは言うまでもない。この場合には、探針21先
端又はカンチレバー19先端が観察視野内で強調される
ことになるため、試料25に対する探針21先端又はカ
ンチレバー19先端の位置合わせの精度を更に向上させ
ることが可能となる。
【0047】なお、上述した実施例に適用された倒立型
光学顕微鏡には、基台33から延出したアーム61に透
過照明装置63が取り付けられており、この透過照明装
置63からの照明光をステージ23上の試料25に照射
させることによって、接眼レンズ51を介して試料25
に対する透過観察を行うこともできる。
【0048】このように本実施例によれば、カンチレバ
ー19を試料25に対して高精度に位置決めすることが
できる。この結果、試料25に対する蛍光観察と同時に
所定のSPM測定を行うことが可能な光学顕微鏡を実現
することが可能となる。
【0049】なお、上述した第1の実施例では、カンチ
レバー19即ちプローブへの蛍光物質の固定化は、共有
結合法によって行ったが、物理的吸着法でもよい。この
物理的吸着法によれば、プローブを蛍光物質の懸濁液中
に一定時間浸漬することによって、プローブに蛍光物質
が固定化される。
【0050】共有結合法又は物理的吸着法のいずれを用
いるかは、プローブの材質によって適宜選択するればよ
い。
【0051】第1の実施例では、カンチレバータイプの
プローブを用いたが、このようなプローブは半導体プロ
セスを経て製造されるため、プローブの表面にシリコン
基(Si基)又は水酸基(OH基)が存在する。このた
め、共有結合法を用いることによって、容易に蛍光物質
をプローブに共有結合させることができる。
【0052】このような共有結合法には、カップリング
剤が用いられるが、カップリング剤としては、下記の化
学式で表されるシランカップリング剤が使用できる。
【0053】(Y’R’)nSiR4-n この化学式において、Y’は、アミノ基、カルボニル
基、カルボキシル基、イソシアノ基、ニトロ基、ジアゾ
基、イソチオシアノ基、スルフィドリル基及びハロカル
ボニル基から成り、R’は、低級アルキル基、低級アル
キルフェニル基及びフェニル基から成り、Rは、低級ア
ルコキシ基、フェノキシ基及びハロゲン基から成り、n
は、自然数1,2,3の値をとる。
【0054】シランカップリング剤を用いた場合には、
上記Y’に蛍光物質が結合することが知られている。こ
のため、共有結合によってプローブに蛍光物質を結合す
る際には、シランカップリング剤を使用することが好ま
しい。
【0055】また、金属製プローブを用いた場合には、
金属製プローブの表面にシランカップリング剤をコーテ
ィングした後に蛍光物質を固定させる方法や、金属製プ
ローブの表面を酸化させた後、シランカップリング剤を
用いて蛍光物質を固定させる方法を適用することができ
る。
【0056】次に、本発明の第2の実施例に係る光学顕
微鏡について、図2を参照して説明する。本実施例の光
学顕微鏡には、共焦点レーザースキャン顕微鏡(例え
ば、商品名「オリンパスLSM−GB200」)が適用
されており、この共焦点レーザースキャン顕微鏡には、
所定の蛍光処理が施されたプローブを備えた走査型プロ
ーブ顕微鏡が組み込まれている。
【0057】なお、本実施例の説明に際し、上述した第
1の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その
説明を省略する。
【0058】図2に示すように、本実施例の光学顕微鏡
は、所定のレーザー光を試料25に走査して、その際に
発生する試料25及びカンチレバー19からの蛍光像を
目視観察することによって、試料25に対するカンチレ
バー19の位置合わせを行うように構成されている。な
お、本実施例に適用されるカンチレバー19にも蛍光処
理が施されているが、この蛍光処理方法は、第1の実施
例と同様であるため、その説明は省略する。
【0059】本実施例の動作において、レーザー発振器
65から発振された所定波長のレーザー光は、ガルバノ
メータ67から反射した後、ダイクロイックミラー69
及び対物レンズ43を介してステージ23上の試料25
に照射されると共に、この試料25を透過してカンチレ
バー19に到達する。
【0060】このとき、ガルバノメータ67を図中矢印
方向に所定角度だけ回動させることによって、レーザー
光は、試料25及びカンチレバー19上に走査されるこ
とになる。
【0061】レーザー光が走査された試料25及びカン
チレバー19から発生した蛍光像は、対物レンズ43に
よって取り込まれた後、ダイクロイックミラー69に導
光される。
【0062】このとき、ダイクロイックミラー69から
反射した蛍光像は、後述するフィルタ71を透過した
後、共焦点用ピンホール73を通過して光センサ75に
導光され、所定の信号に変換される。
【0063】光センサ75から出力された信号は、コン
トローラ77によって画像処理された後、モニタ79上
に蛍光像として写し出されることになる。この結果、モ
ニタ79内には、図1(b)に示すように、カンチレバ
ー19と試料25の蛍光像が呈示されることになり、試
料25に対する蛍光観察を行いながら同時にカンチレバ
ー19を用いたSPM測定を行うことが可能となる。
【0064】なお、この場合、接眼レンズ51の観察視
野にも、図1(b)と同様の蛍光像が呈示されているこ
とは言うまでもない。
【0065】上述した本実施例の動作において、レーザ
ー発振器65からのレーザー光は、その一部が試料25
を透過した透過光又は試料25からの散乱光となって、
SPM装置27内の変位検出光学系55に伝波されてし
まう。このような透過光又は散乱光等の外乱光が変位検
出光学系55に伝波した場合には、試料25に対するカ
ンチレバー19の変位を高精度に検出することができな
くなってしまう。
【0066】そこで、本実施例に適用されたSPM装置
27には、上記外乱光のみを除去する外乱光除去フィル
タ81が内蔵されている。この結果、変位検出光学系5
5には、上記外乱光が除去されたカンチレバー19から
の反射光のみが伝波されることになる。
【0067】また、上記第1の実施例と同様に、SPM
装置27の変位検出光学系55からカンチレバー19に
変位検出用レーザが照射された際、カンチレバー19か
らは、散乱光が発生する。
【0068】この散乱光は、試料25を透過した後、対
物レンズ43からダイクロイックミラー69及び共焦点
用ピンホール73を介して光センサ75に導光され、こ
の光センサ75から出力される信号にノイズとなって表
れることになる。
【0069】そこで、本実施例には、カンチレバー19
からの散乱光を除去するように、上記フィルタ71がダ
イクロイックミラー69と共焦点用ピンホール73との
間の光路中に配置されている。
【0070】この結果、モニタ79内には、図1(b)
に示すように、カンチレバー19と試料25の蛍光像の
みが鮮明に呈示されることになり、試料25に対する蛍
光観察を行いながら同時にカンチレバー19を用いたS
PM測定を行うことが可能となる。
【0071】このように本実施例によれば、上記第1の
実施例と同様に、カンチレバー19を試料25に対して
高精度に位置決めすることができる。この結果、試料2
5に対する蛍光観察と同時に所定のSPM測定を行うこ
とが可能な光学顕微鏡を実現することが可能となる。
【0072】なお、本発明は、上記第1及び第2の実施
例の構成に限定されることはなく、新規事項を追加する
ことなく種々変更することができる。例えば、図3
(a)に示すように、プローブとしてSTM用の探針2
1を適用した場合には、この探針21の先端部分に蛍光
処理を施すことも好ましい。この場合、探針21先端に
付着した蛍光物質83は、相互にある程度の間隙を有し
ているため、トンネル電流iは、蛍光物質83相互の間
隙を介して試料(図示しない)と探針21との間を流れ
ることが可能となる。
【0073】また、例えば、図3(b)に示すように、
プローブとしてニアフィールド顕微鏡用の探針21を適
用した場合には、この探針21の先端部分に蛍光処理を
施すことも好ましい。具体的には、ニアフィールド顕微
鏡用の探針21は、ガラスファイバ21aの外周に金属
コート21bが施されて構成されており、蛍光物質38
は、金属コート21bの外面に付着されている。この場
合、蛍光物質38から発生する蛍光像を観察しながら探
針21を試料上に走査させることができると共に、試料
近傍に発生したエバネッセント光を検出することによっ
て、試料の表面情報を測定することができる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、プローブを試料に対し
て高精度に位置決めできる走査型プローブ顕微鏡が提供
される。
【0075】また本発明によれば、試料に対するカンチ
レバーの変位を高精度に検出できる走査型プローブ顕微
鏡が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施例に係る光学顕
微鏡の構成を示す図、(b)は、カンチレバーと試料と
の間の位置関係が観察視野内に光学的に表示された状態
を示す図。
【図2】本発明の第2の実施例に係る光学顕微鏡の構成
を示す図。
【図3】(a)は、プローブとしてSTM用の探針を適
用した場合において、この探針の先端部分に蛍光処理が
施された状態を示す図、(b)は、プローブとしてニア
フィールド顕微鏡用の探針を適用した場合において、こ
の探針の先端部分に蛍光処理が施された状態を示す図。
【図4】SPMが組み込まれた従来の光学顕微鏡の構成
を示す図。
【符号の説明】
19…カンチレバー、23…ステージ、25…試料、2
7…SPM装置、35…照明装置、51…接眼レンズ。
フロントページの続き Fターム(参考) 2F069 AA17 AA60 DD24 GG04 GG07 GG62 HH04 HH09 HH30 2H052 AA08 AA09 AC15 AC27 AC34 AD03 AD34 AF02 AF11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針を有するカンチレバー型プローブ
    と、 前記カンチレバー型プローブに変位測定用レーザー光を
    照射し、反射された前記変位測定用レーザー光を検出す
    ることにより前記カンチレバーの変位を検出する変位検
    出光学系と、 前記カンチレバー型プローブに前記変位検出用レーザー
    光が照射された際に、前記カンチレバー型プローブから
    発生する散乱光を除去するフィルタと、 前記散乱光が除去された前記カンチレバー型プローブと
    試料の蛍光像を光学的に検鏡する光学系とを備えている
    走査型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 探針を有するカンチレバー型プローブ
    と、 前記カンチレバー型プローブに変位測定用レーザー光を
    照射し、反射された前記変位測定用レーザー光を検出す
    ることにより前記カンチレバーの変位を検出する変位検
    出光学系と、 前記カンチレバー型プローブで反射された前記変位検出
    用レーザー光のみを前記変位検出光学系に伝播する外乱
    光除去フィルタとを備えている走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 共焦点レーザースキャン顕微鏡に組み込
    まれている請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記共焦点レーザー顕微鏡は、 前記カンチレバー型プローブに前記変位検出用レーザー
    光が照射された際に、前記カンチレバー型プローブから
    発生する散乱光を除去するフィルタと、 前記散乱光が除去された、前記カンチレバー型プローブ
    と試料との蛍光像を光学的に検鏡する光学系とを備えて
    いることを特徴とする請求項3に記載の走査型プローブ
    顕微鏡。
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EP2840399A4 (en) * 2012-04-20 2016-01-13 Olympus Corp COMPOSITE MICROSCOPE

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