JP2002328005A - マルチビーム・レーザ干渉計及び積層型光学素子 - Google Patents

マルチビーム・レーザ干渉計及び積層型光学素子

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JP2002328005A
JP2002328005A JP2001135388A JP2001135388A JP2002328005A JP 2002328005 A JP2002328005 A JP 2002328005A JP 2001135388 A JP2001135388 A JP 2001135388A JP 2001135388 A JP2001135388 A JP 2001135388A JP 2002328005 A JP2002328005 A JP 2002328005A
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laser
optical element
beams
laminated
laser beam
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JP2001135388A
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Masaaki Oguri
正明 小栗
Jun Rogerio Mizuno
純ホジェリオ 水野
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
Kawaguchi Kogaku Sangyo KK
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
Kawaguchi Kogaku Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で自由度の高いマルチビーム・レーザ干
渉計の実現。 【解決手段】 複数のレーザビームと、複数の平行透明
板を積層して接着した積層板を、レーザビームの入出射
面が積層面に対して斜めになるように加工し、任意の積
層面の任意の部分に、偏光ビームスプリッタ面48,49、
ビームスプリッタ面42又は反射面43-47、又はそれらの
組み合せを形成した積層型光学素子40を有し、複数のレ
ーザビームをそれぞれ測定ビームと参照ビームに分割
し、対象物に取り付けられた測定用反射器58,60で反射
されて戻った測定ビームと、参照反射器54,56で反射さ
れて戻った参照ビームをそれぞれ合成して複数の干渉ビ
ーム61,62を発生するレーザ干渉ユニットと、複数の干
渉ビームの各干渉縞の変化を検出する検出器とを備える
マルチビーム・レーザ干渉計であって、積層型光学素子
は、レーザビームの入出射面に接着された透明板50を備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステージなどの移
動量を測定するのに広く使用されているレーザ干渉計及
びそこで使用される光学素子に関し、特に1個のレーザ
干渉計から複数のレーザビームが出射され、複数の部分
の移動量が同時に測定できるマルチビーム・レーザ干渉
計であって、複数の平行透明板を積層して接着した積層
板を、レーザビームの入出射面が積層面に対して斜めに
なるように加工し、任意の積層面の任意の部分に、偏光
ビームスプリッタ面、ビームスプリッタ面又は反射面、
又はそれらの組み合せを形成した積層型光学素子を有す
るマルチビーム・レーザ干渉計及び積層型光学素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】ステージなどの移動量を測定するのに測
長用レーザ干渉計が広く使用されている。測長用レーザ
干渉計では、測定精度の向上や、移動物体の回転(ヨー
イング)なども測定可能にすることが求められており、
このような要求に答えるため、1個のレーザ干渉計から
複数の測定ビームが出射され、複数の部分の移動量を1
個のレーザ干渉計で測定できるマルチビーム・レーザ干
渉計が使用されている。マルチビーム・レーザ干渉計を
実現する場合、従来のレーザ干渉計を複数個組み合わせ
て装置を実現することが考えられるが、装置が大きくな
るだけでなく、コストが高くなるという問題がある。特
に、測定ビームの出射位置や干渉ビームの取り出し位置
が規定され、しかもそれらが近接している場合には、従
来のレーザ干渉計を組み合わせただけでは所望のビーム
位置を得ることが難しいという問題がある。更に、各レ
ーザ干渉計のビーム位置や方向は精密に合わせる必要が
あり、調整時間が長くなり、コスト増加の要因となると
いう問題もある。
【0003】本出願人は、特願2000−370525
号で、このような問題を解決できる積層型光学素子を有
するマルチビーム・レーザ干渉計を開示している。積層
型光学素子は、複数の平行透明板を積層して接着した積
層板を、レーザビームの入出射面が積層面に対して斜め
になるように加工し、任意の積層面の任意の部分に、偏
光ビームスプリッタ面、ビームスプリッタ面又は反射
面、又はそれらの組み合せを形成したものであり、この
ような積層型光学素子を使用することにより、レーザビ
ームの配置の自由度が高く且つ小型のマルチビーム・レ
ーザ干渉計を低コストで実現できる。
【0004】図1は、特願2000−370525号に
開示された積層型光学素子を有するダブルパス型のマル
チビーム・レーザ干渉計の例を示す図である。積層型光
学素子13は、4層のガラス基板の所定位置に、偏光ビ
ームスプリッタ面16,17、ビームスプリッタ面14
及び反射面15に相当する膜を形成した後、光学的に接
着し、更に周囲を図示のような形状に加工して実現す
る。上記のような膜が形成されていない部分は、均一な
ガラス材と同じであり、レーザビームはそのまま通過す
る。
【0005】図1に示すように、レーザ光源から光源用
光ファイバ1に入射されて伝送されたレーザビームは、
光源用光ファイバ1の出力端から出射され、レンズ12
により平行ビームにされる。この平行ビームは、ビーム
スプリッタ面14で2つのレーザビームに分割される。
一方のレーザビームは、偏光ビームスプリッタ16に入
力し、偏光ビームスプリッタ16により測定ビームと参
照ビームに分割される。偏光ビームスプリッタ16を通
過した測定ビームは、1/4波長板18Aを通過し、測
定対象物に設けられた平面反射ミラー19Aで逆方向に
反射され、再び1/4波長板18Aを通過し、偏波面が
180度回転したビームとして再び偏光ビームスプリッ
タ16に入射する。このビームは、偏光ビームスプリッ
タ面16で反射され、コーナーキューブ22Aで逆方向
に反射され、更に偏光ビームスプリッタ面16で反射さ
れる。このビームは、平面反射ミラー19Aで逆方向に
反射され、再び偏光ビームスプリッタ16に入射する
が、この間に1/4波長板18Aを2回通過するので、
偏光ビームスプリッタ面を通過する。
【0006】一方、偏光ビームスプリッタ16で反射さ
れた参照ビームは、1/4波長板20Aを通過し、平面
反射ミラー21A6で逆方向に反射され、再び1/4波
長板20Aを通過し、偏波面が180度回転したビーム
として再び偏光ビームスプリッタ16に入射するので、
偏光ビームスプリッタ面を通過する。このビームは、コ
ーナーキューブ22Aで逆方向に反射され、更に偏光ビ
ームスプリッタ面16を通過して1/4波長板20Aを
通過し、平面反射ミラー21Aで逆方向に反射され、再
び1/4波長板20Aを通過する。この間に1/4波長
板20Aを2回通過するので、偏光ビームスプリッタ面
16で反射される。
【0007】上記の偏光ビームスプリッタ面16を通過
した測定ビームと、偏光ビームスプリッタ面16で反射
された参照ビームは合成されて干渉ビームになる。干渉
ビームは偏光板(図示せず)を通過して干渉縞を生じ
る。干渉の状態は、測定ビームと参照ビームの光路差に
より決定され、測定対象物が移動して平面反射ミラー1
9Aの位置が変化するとそれに応じて干渉縞が変化する
ので、干渉縞の変化を検出すれば平面反射ミラー19A
の移動量、すなわち、測定対象物の移動量が検出でき
る。偏光板を通過した干渉ビームは、レンズ23Aで光
ファイバ24Aの入力端に収束され、光ファイバ24A
により光検出器に入射し、電気信号に変換される。干渉
縞が変化すると電気信号も変化する。電気信号は増幅器
で増幅された後、比較器で2値化され、カウンタで2値
信号の変化数が計数されて、移動量が算出される。
【0008】ビームスプリッタ面14で分割された他方
のレーザビームは、反射面15、偏光ビームスプリッタ
面17、1/4波長板18B,20B、平面反射ミラー
19B,21B及びコーナーキューブ22Bなどと同様
の干渉光学系を形成する。以上のように、積層型光学素
子13を使用することにより、独立した2つの平面反射
ミラーの移動量が独立に測定できる小型のマルチビーム
・レーザ干渉計が簡単な構成で実現できる。しかも積層
板の構成や偏光ビームスプリッタ面、反射面、ビームス
プリッタ面を形成する部分を選択することにより、レー
ザビームの出射位置を任意に設定できる。なお、図1に
は、ダブルパス型の例を示したが、シングルパス型でも
積層型光学素子を使用することにより同様な利点が得ら
れる。
【0009】上記のような積層型光学素子を製作する場
合、複数枚のガラス基板をそれぞれ所定の厚さの平行な
平板(オプティカルフラット)に加工する。そして、そ
れぞれの所定位置に、偏光ビームスプリッタ面、ビーム
スプリッタ面及び反射面などに相当する膜を形成した
後、光学的に接着し、更に周囲を図示のような形状に切
断した後表面を研磨する。研磨は、少なくともレーザビ
ームが通過する表面について行い、通過するレーザビー
ムが乱されないように光学的に平面にすると共に、各表
面が正確に所定の角度(例えば,90度(直角)、18
0度(平行))を成すために行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図1に示すように、積
層型光学素子13は平行なガラス基板を貼り合せたもの
を、表面が貼り合せ面に対して所定の角度(図では45
度)になるように加工したものであり、表面にはガラス
基板と接着材の層が露出する。図2は、この様子を詳細
に示した図である。図2に示すように、積層型光学素子
13の表面には、ガラス基板21及び22と接着材層2
3が露出している。
【0011】上記のようなガラス基板と接着材が混在す
る表面を一緒に研磨する場合、ガラス基板などの硬い表
面は研磨されにくく、接着材などの比較的軟らかい表面
は固い表面に比べて研磨され易く、図2に示すように、
接着材層23の表面25は、ガラス基板21及び22の
表面24より余計に研磨された状態、すなわち、接着材
層23の表面25が若干ではあるが凹んだ状態になる。
このような部分を平行なレーザビームが通過すると、平
行ビームでなくなると共に、レーザビームの方向が変化
し、レーザ干渉計の性能を低下させるという問題を生じ
る。
【0012】このような問題を回避するためには、レー
ザビームがガラス基板の表面のみを通過して、接着材層
の表面は通過しないようにすることが考えられるが、そ
れではレーザビームの光路のレイアウトが制約されると
いった設計上の自由度が低下するといった問題を生じ
る。本発明は、このような問題を解決するためになされ
たものであり、積層型光学素子を使用したマルチビーム
・レーザ干渉計において、レイアウト上の制約を低減し
て、小型化、組み立て調整の容易さ、製造コストなどを
考慮した設計の自由度を増すことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】図3は、本発明のマルチ
ビーム・レーザ干渉計及び積層型光学素子の原理を説明
する図である。上記目的を実現するため、本発明のマル
チビーム・レーザ干渉計では、図3に示すように、積層
型光学素子のレーザビームの入出射面に透明板35を接
着する。
【0014】本発明のマルチビーム・レーザ干渉計及び
積層型光学素子によれば、透明平板(ガラス基板)31
及び32と接着材層33が露出した表面であっても、そ
こに接着材層34を介して透明板(ガラス基板)35が
接着されるので、たとえ透明平板31及び32と接着材
層33の表面に凹凸があっても通過するレーザビームが
乱されることはなくなる。
【0015】透明板35は、積層板の入出射面の接着部
分がある部分で且つレーザビームが通過する部分に設け
るが、例えば入出射面の全面に1枚の透明板を設けるな
どして2つ以上のレーザビームが1枚の透明板を通過す
るようにしても、1つの入出射面に複数枚の透明板を設
けて各レーザビームがそれぞれ異なる透明板を通過する
ようにしてもよい。
【0016】各レーザビーム毎に透明板を設ける場合に
は、その厚さを、その透明板を通過するレーザビームと
それが干渉するレーザビームがそれぞれ通過する積層板
と透明板中の距離の合計が等しくなるように設定するこ
とにより、2つの干渉するレーザビームのガラス媒体中
の距離を等しくして空気中の距離のみが異なるようにし
て、温度変化などに対する補正を容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】図4は、本発明の第1実施例のマ
ルチビーム・レーザ干渉計の干渉ユニットの部分の構成
を示す図である。第1実施例のマルチビーム・レーザ干
渉計は、シングルパス型のレーザ干渉計であり、干渉ユ
ニットは積層型光学素子40で構成されている。
【0018】入射レーザビーム41は、ビームスプリッ
タ面42で2つのビームに分割され、一方は反射面43
と44で反射され、偏光ビームスプリッタ面48で測定
ビームと参照ビームに分割され、測定ビームは反射面4
5で反射して透明板50を通過し、測定対象の移動体に
設けられた1/4波長板57とコーナーキューブ58に
向けて出射され、参照ビームは透明板50を通過して固
定の1/4波長板53とコーナーキューブ54に向けて
出射される。コーナーキューブ58と54でそれぞれ反
射された測定ビームと参照ビームは逆の経路を通って偏
光ビームスプリッタ面48で合成され、干渉ビーム62
として出射される。同様に、ビームスプリッタ面42で
分割された他方のビームは、反射面46で反射され、偏
光ビームスプリッタ面49で測定ビームと参照ビームに
分割され、測定ビームは反射面47で反射して透明板5
0を通過し、測定対象の移動体に設けられた1/4波長
板59とコーナーキューブ60に向けて出射され、参照
ビームは透明板50を通過して固定の1/4波長板55
とコーナーキューブ56に向けて出射される。コーナー
キューブ60と56でそれぞれ反射された測定ビームと
参照ビームは逆の経路を通って偏光ビームスプリッタ面
49で合成され、干渉ビーム61として出射される。こ
のように、第1実施例では2本のレーザビームにより測
定対象の2つの移動体の移動量が測定される。
【0019】ここで、特願2000−370525号に
開示された構成と異なるのは、測定ビーム及び参照ビー
ムが出射される積層型光学素子40の表面に透明板50
が接着されている点である。積層型光学素子は、表面が
研磨された後、透明板50が接着される。図4に示すよ
うに、2つの参照ビームは、積層型光学素子の表面の接
着面51と52が露出した部分を通過するが、そのよう
な部分は、図2に示すように、研磨により軟らかい接着
材の部分が凹む。しかし、本実施例では、この表面には
透明板50が接着されるので、接着材の屈折率が積層基
板や透明板の屈折率と同じであれば光学的に一様であ
り、通過するレーザビームを乱すことがない。
【0020】なお、上記のように、透明板50が接着さ
れると接着面は光学的には一様になるので、透明板50
の表面の平面度が良好であれば、積層型光学素子の透明
板50が接着される表面は、透明板50が接着されない
場合に比べて平面度は低くても問題を生じない。図5
は、本発明の第2実施例のマルチビーム・レーザ干渉計
の干渉ユニットの部分の構成を示す図である。第2実施
例のマルチビーム・レーザ干渉計も、第1実施例と同様
に、シングルパス型のレーザ干渉計であり、干渉ユニッ
トは積層型光学素子で構成されており、第1実施例と異
なるのは、透明板71及び72が積層板の表面の参照ビ
ームが通過する部分にのみ設けられている点である。
【0021】上記のように、積層型光学素子の接着材層
が露出した部分が研磨により凹んでも、その部分をレー
ザビームが通過しなければ特に問題を生じない。すなわ
ち、そのような凹みが問題になるのはレーザビームが通
過する部分のみであり、第2実施例ではその部分にのみ
透明板71及び72を設けた。第2実施例では、積層型
光学素子の透明板71及び72が接着される以外の部
分、具体的には測定ビームが通過する部分は、平面度が
良好であることが要求されるので、透明板71及び72
を接着する前に積層型光学素子の表面を高精度に研磨す
る必要がある。
【0022】図6は、本発明の第3実施例のマルチビー
ム・レーザ干渉計の干渉ユニットの部分の構成を示す図
である。第3実施例の干渉ユニットは、積層型光学素子
の接着材層が露出していない部分であってもレーザビー
ムが通過する部分には、透明板63及び64を接着した
点が第2実施例と異なる。第3実施例では、透明板6
3,64,71及び72の表面の平面度が良好であれ
ば、積層型光学素子の透明板が接着される表面は、透明
板が接着されない場合に比べて平面度は低くても問題を
生じない。一般に小さな透明板を高精度の平面度で加工
することは容易であるが、積層型光学素子のような大き
な平面を高精度の平面度で加工することは難しい。従っ
て、第3実施例であれば、たとえ透明板を接着しても低
コストで製作できる。また、透明板の表面には反射防止
コーティングが施されるが、積層型光学素子の透明板が
接着される表面には反射防止コーティングを施す必要が
なく、この点からもコストが低減される。なお、第3実
施例の変形例として、積層型光学素子の入射ビーム4
1、干渉ビーム61及び62の通過する部分にそれぞれ
透明板を接着してもよい。
【0023】積層型光学素子から出射される2本の測定
ビーム又は測定ビームと参照ビームは、相互に正確に平
行であることや、積層型光学素子の表面から正確に垂直
に出射されることが要求される場合がある。積層型光学
素子は、平行な透明板を積層して接着しており、その接
着面に偏光ビームスプリッタ面、ビームスプリッタ面及
び反射面などに相当する膜を形成しており、出射される
レーザビームは、相互に正確に平行であるはずである。
しかし、実際には接着材層の厚さが正確には一様でない
などの理由により、微小量ではあるが平行からずれる場
合がある。第2及び第3実施例では、各レーザビームの
経路にそれぞれ透明板が接着されるのでの、その傾きを
調整することにより積層型光学素子から出射されるレー
ザビームの方向を調整できる。
【0024】図7は、透明板により積層型光学素子から
出射されるレーザビームの方向を調整する原理を説明す
る図である。図示のように、レーザビームが透明板77
の外側の表面に内部から入射する場合、入射角をθ1、
出射角をθ2とすると、屈折の法則からnSinθ1=
Sinθ2(nは透明板などの屈折率)の関係が成り立
つ。レーザビームの内部からの出射方向が積層型光学素
子の表面に対して垂直からθ3ずれている場合、透明板
77を積層型光学素子の表面に対してθ2だけ傾けるこ
とにより、θ1+θ3=θ2を満たす場合が存在する。
この場合、レーザビームの透明板77からの出射方向
は、積層型光学素子の表面に対して垂直になる。このよ
うに、透明板77の傾きを調整することによりレーザビ
ームの出射方向を調整できる。
【0025】図8は、本発明の第4実施例のマルチビー
ム・レーザ干渉計の干渉ユニットの部分の構成を示す図
である。第4実施例のマルチビーム・レーザ干渉計は、
積層型光学素子から平行な2つの測定ビームを出射して
同一の移動体に設けられた2つのコーナーキューブ88
と97との距離変化を検出し、移動体の傾き(ヨーイン
グ)を検出するもので、高精度の測定を行うためには2
つのコーナーキューブ88と97はできるだけ離れてい
ることが望ましく、2つの測定ビームの間隔も離れてい
ることが要求される。図示のように、積層型光学素子を
使用することにより、薄い積層型光学素子で干渉ユニッ
トを実現でき、積層型光学素子を使用する利点が大き
い。図8の干渉ユニットでは、偏光ビームスプリッタ8
4で分割された参照ビームは積層型光学素子の表面の接
着材層が露出する部分を通過するので、1/4波長板8
5を表面に接着している。同様に、偏光ビームスプリッ
タ91で分割された参照ビームは積層型光学素子の表面
の接着材層が露出する部分を通過するので、1/4波長
板93を表面に接着している。
【0026】高精度のレーザ干渉計では、温度などによ
る媒体の屈折率の変化の影響を補正する必要がある。そ
の場合、干渉する2つのレーザビームについて積層型光
学素子などのガラス中の光路長と空気中の光路長につい
てそれぞれ補正するが、ガラス中の光路長が同じであれ
ば補正が容易で高精度に補正が行える。図示のように、
偏光ビームスプリッタ84で分割された測定ビームと参
照ビームは積層型光学素子内の光路長は同じである。一
方、偏光ビームスプリッタ91で分割された測定ビーム
と参照ビームは、そのままでは参照ビームの方が積層型
光学素子内の光路長が長くなるので、測定ビームの通過
する部分に透明板95を接着して測定ビームと参照ビー
ムのガラス媒体内の光路長を同じにしている。
【0027】以上、本発明の実施例を説明したが、各種
の変形例が可能である。例えば、実施例では測定ビーム
は2本の例を示したが、3本以上でもよく、多いほど積
層型光学素子を使用する利点が大きい。また、実施例で
はシングルパス型の干渉計の例を示したが、図1に示し
たようなマルチパス型にも適用できる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小型で自由度の高いマルチビーム・レーザ干渉計が実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特願2000−370525号に開示された積
層型光学素子を有するレーザ干渉ユニットの例を示す図
である。
【図2】研磨により積層型光学素子を製作した場合の問
題点を説明する図である。
【図3】本発明の原理を説明する図である。
【図4】本発明の第1実施例のレーザ干渉計のレーザ干
渉ユニットの構成を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例のレーザ干渉計のレーザ干
渉ユニットの構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例のレーザ干渉計のレーザ干
渉ユニットの構成を示す図である。
【図7】接着する透明板によるレーザビームの方向調整
を説明する図である。
【図8】本発明の第4実施例のレーザ干渉計のレーザ干
渉ユニットの構成を示す図である。
【符号の説明】
40…積層型光学素子 41…入射ビーム 42…ビームスプリッタ 43〜47…反射面 48,49…偏光ビームスプリッタ 50、63,64,71,72,77…透明板 53,55、57,59…1/4波長板 54,56、58,60…コーナーキューブ
フロントページの続き (72)発明者 水野 純ホジェリオ 神奈川県横浜市青葉区寺家町167番地 株 式会社川口光学産業内 Fターム(参考) 2F064 AA15 FF01 GG13 GG16 GG22 GG23 GG38 GG63 2H049 BA05 BA07 BB03 BB63 BC23

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレーザビームと、 複数の平行透明板を積層して接着した積層板を、レーザ
    ビームの入出射面が積層面に対して斜めになるように加
    工し、任意の積層面の任意の部分に、偏光ビームスプリ
    ッタ面、ビームスプリッタ面又は反射面、又はそれらの
    組み合せを形成した積層型光学素子を有し、前記複数の
    レーザビームをそれぞれ測定ビームと参照ビームに分割
    し、対象物に取り付けられた測定用反射器で反射されて
    戻った前記測定ビームと、参照反射器で反射されて戻っ
    た前記参照ビームをそれぞれ合成し、複数の干渉ビーム
    を発生するレーザ干渉ユニットと、 前記複数の干渉ビームの各干渉縞の変化を検出し、前記
    測定ビームと前記参照ビームの光路差の変化をそれぞれ
    検出する検出器とを備え、複数の測定用反射器が取り付
    けられた部分の移動量を検出するマルチビーム・レーザ
    干渉計であって、 前記積層型光学素子は、前記レーザビームの入出射面に
    接着された透明板を備えることを特徴とするマルチビー
    ム・レーザ干渉計。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマルチビーム・レーザ
    干渉計であって、 前記レーザビームの入出射面に接着される前記透明板
    は、前記積層板の接着部分があり且つ前記入出射面の前
    記レーザビームが通過する部分に設けられるマルチビー
    ム・レーザ干渉計。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のマルチビーム・
    レーザ干渉計であって、 少なくとも2つの前記レーザビームが、前記レーザビー
    ムの入出射面に接着された1枚の前記透明板を通過する
    マルチビーム・レーザ干渉計。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のマルチビーム・
    レーザ干渉計であって、 前記レーザビームの入出射面には、複数の前記透明板
    が、その面を通過する各レーザビーム毎に設けられてい
    るマルチビーム・レーザ干渉計。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のマルチビーム・レーザ
    干渉計であって、 前記レーザビームの入出射面に接着される前記透明板の
    厚さは、干渉する2つのレーザビームが通過する前記積
    層板と前記透明板中の距離の合計が等しくなるように設
    定されているマルチビーム・レーザ干渉計。
  6. 【請求項6】 複数の平行透明板を積層して接着した積
    層板を、レーザビームの入出射面が積層面に対して斜め
    になるように加工し、任意の積層面の任意の部分に、偏
    光ビームスプリッタ面、ビームスプリッタ面又は反射
    面、又はそれらの組み合せを形成した積層型光学素子で
    あって、 前記レーザビームの入出射面に接着された透明板を備え
    ることを特徴とする積層型光学素子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の積層型光学素子であっ
    て、 前記レーザビームの入出射面に接着される前記透明板
    は、前記積層板の接着部分があり且つ前記入出射面の前
    記レーザビームが通過する部分に設けられる積層型光学
    素子。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載の積層型光学素子
    であって、 前記レーザビームの入出射面に接着される1枚の前記透
    明板は、少なくとも2つの前記レーザビームが通過する
    大きさである積層型光学素子。
  9. 【請求項9】 請求項6又は7に記載の積層型光学素子
    であって、 前記レーザビームの入出射面には、複数の前記透明板
    が、その面を通過する各レーザビーム毎に設けられてい
    る積層型光学素子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の積層型光学素子であ
    って、 前記レーザビームの入出射面に接着される前記透明板の
    厚さは、干渉する2つのレーザビームが通過する前記積
    層板と前記透明板中の距離の合計が等しくなるように設
    定されている積層型光学素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102288104A (zh) * 2011-07-22 2011-12-21 中国科学院上海光学精密机械研究所 六轴4细分干涉仪

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