JP2002320698A - ボール識別装置 - Google Patents

ボール識別装置

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JP2002320698A
JP2002320698A JP2001127060A JP2001127060A JP2002320698A JP 2002320698 A JP2002320698 A JP 2002320698A JP 2001127060 A JP2001127060 A JP 2001127060A JP 2001127060 A JP2001127060 A JP 2001127060A JP 2002320698 A JP2002320698 A JP 2002320698A
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ball
resonator
identification device
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Hiroji Kodera
博治 小寺
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Kodera Electronics Co Ltd
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Kodera Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒体の外周面に巻かれた検出用コイルに対し
て、ボールに内蔵された共振用コイルを高い確率で電磁
結合させることにより、ボールの識別番号の認識能力を
高めることができるボール識別装置を提供する。 【解決手段】 ボール識別装置1は、識別番号に関する
データが書込まれたICチップと共振用コイルを有する
LC共振器とを内蔵したボール2から、LC共振器を介
して送信されるデータを、受信し認識するものであっ
て、ボール2が通過する通路を内部に形成した円筒形状
の筒体16と、筒体16の内周面16cに形成され、ボ
ール2が通路を落下する際、ボール2の球面の一部に接
触し、ボールを落下方向に対して斜め方向に回転させる
突起25,26と、筒体16の外周面16bに巻かれた
複数の検出用コイル17を有し、LC共振器との電磁結
合により、ICチップとの間で送受信を行なう通信制御
部とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール識別装置に
関するものであり、特に、LC共振器を備えるボールか
らデータを受信し、このデータに基づいてボールを識別
することが可能なボール識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ゴルフの屋内練習場には、複数
の打席が設けられており、各打席には、ゴルフボール
(以下、「ボール」と称す)を供給するボール供給手段
が配設されている。また、所定の位置に的(まと)を配
置し、練習者の打ったボールが的に当たった際に、その
練習者に特典を与えるようにしたものがある。
【0003】ところで、複数の打席から一つの的を狙っ
てボールを打つ場合には、ボールが的に当たったことが
検出された際、そのボールが打たれた打席を複数の打席
の中から特定する必要がある。そこで、以下に示す特定
方法が提案されている。すなわち、各練習者によってボ
ールが打たれた時刻T1を、時刻認識手段により検出し
て記憶し、ボールが的に当たったことが検出されると、
打席から的へのボールの到達時間(飛行時間)T2と、
時刻認識手段によって記憶された各時刻T1とに基づい
て打席を特定するものである。つまり、ボールが的に当
たった時刻T3から飛行時間T2を引いた時刻、すなわ
ちボールが打たれたと推測される時刻(推測時刻)T4
を求め、記憶されている複数の時刻T1の中から推測時
刻T4に略一致する時刻T1を特定するものである。時
刻T1は、各打席に対応して記憶されていることから、
時刻T1の特定により打席が定まる。
【0004】しかし、上記の方法では、時刻認識手段に
よって記憶された各時刻T1の中に、推測時刻T4に略
一致する時刻T1が複数存在する場合、別の言い方をす
ると、略同じタイミングで複数の打席から同時にボール
が打たれた場合には、真の打席を正確に特定することが
できなかった。特に、打球の速度や打球の飛び方等によ
ってボールの到達時間T2が変化することから、推測時
刻T4は、その変化(誤差)を考慮して、ある程度幅を
もたせた時刻としなければならず、打席の特定が一層困
難となっていた。
【0005】そこで、本願出願人は、ボールを放った練
習者の打席を確実に特定できる球技練習装置を先に提案
した(特願2000−328954)。これは、識別番
号に関するデータが書込まれたICチップ内蔵のボール
を、供給通路を介して各打席に供給し、供給されたボー
ルの識別番号をボール識別装置によって認識するととも
に、認識した識別番号を各打席に対応させて記憶させる
ものである。また、ボールが所定の目標位置に到達する
と、到達したボールの識別番号を別のボール識別装置に
よって認識し、認識した識別番号と一致する識別番号を
記憶手段の中から選ぶことにより、ボールが放たれた打
席を、複数の打席の中から特定するものである。
【0006】また、このボールには、ICチップの他、
ICチップに記憶されたデータを送信するためLC共振
器が内蔵されている。そして、ボール識別装置は、検出
用コイルを有しており、検出用コイルとLC共振器の共
振用コイルとを電磁結合させることにより、データの送
受信を無線で行なうことを可能にしている。
【0007】これについて詳細に説明する。まず、ボー
ル識別装置が検出用コイルに電流を流し検出用コイルの
磁束を変化させると、電磁誘導によりLC共振器の共振
用コイルに起電力が発生し、発生した電力はICチップ
内のコンデンサに充電される。そしてこの起電力によ
り、ICチップ等が作動可能となり、データを送信する
ことが可能になる。そこで、ICチップ中の制御回路
は、データを変調し、LC共振器によってボール識別装
置に送信する。ボール識別装置では、検出用コイルに生
じる信号を復調することによりデータを認識する。この
ように、ボールに備えられたICチップでは、送信され
る信号により作動用電力を得ることができるため、ボー
ルの内部に乾電池のような電源を備える必要がなく、し
かも無線でデータを送信することができる。
【0008】なお、検出用コイルは円筒形状の筒体に巻
かれており、筒体の内部に形成された通路をボールが通
過(落下)する際に、検出用コイルと共振用コイルとを
電磁結合させるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ボール識別装
置からICチップへの送信(起電力の発生)、及びIC
チップからボール識別装置へのデータの送信は、共振用
コイルと検出用コイルとの電磁結合によって行なわれる
ことから、筒体の通路にボールを通過させる際、筒体の
外周面に巻かれた検出用コイルに対して、共振用コイル
が略平行になるように、通過させなければならない。つ
まり、電磁誘導(相互誘導)によって相手側のコイルに
起電力を発生させるためには、相手側のコイルに対して
磁束を鎖交させる必要があることから、検出用コイルと
共振用コイルとを略平行状態(僅かに傾斜した状態でも
可)にしなければデータを送信することができない。
【0010】ところが、ボールの表面は球面であり、転
動しながら搬送されることから、ボールが筒体の中にど
のような向きで挿入されるか、特定することができなか
った。このため、検出用コイルと共振用コイルとが略直
交状態のまま、ボールが筒体内を通過することがあり、
この場合には、データが送信されず、ボール識別装置
は、ボールの識別番号を認識することができなかった。
【0011】また、筒体内におけるボールの通過速度
(落下速度)が比較的速い場合には、譬え検出用コイル
と共振用コイルとが平行状態となっても、ボールが通過
する間に、ボール及びボール識別装置の間で、起電力の
発生とデータの送信という二つの処理を行なうことが困
難となり、ボール識別装置は識別番号が認識できなくな
る恐れがあった。
【0012】なお、この不都合を解消するため、通路の
途中でボールの落下運動を一旦停止させるとともに、そ
の場所でボールを機械的に回転させることが考えられる
が、これによれば、装置が複雑になり好ましくない。
【0013】そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、筒
体の外周面に巻かれた検出用コイルに対して、ボールに
内蔵された共振用コイルを高い確率で電磁結合させるこ
とにより、識別番号の認識能力を高めることができるボ
ール識別装置の提供を課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
ボール識別装置は、識別番号に関するデータが書込まれ
たICチップと共振用コイルを有するLC共振器とを内
蔵したボールから、前記LC共振器を介して送信される
前記データを、受信し認識するボール識別装置であっ
て、鉛直または傾斜した形で立設され前記ボールが通過
する通路を内部に形成した円筒形状の筒体と、該筒体の
内周面に形成され前記ボールが前記通路を落下する際、
前記ボールの球面の一部に接触し、前記ボールを落下方
向に対して斜め方向に回転させる回転部と、前記筒体の
外周面に巻かれた複数の検出用コイルを有し、前記LC
共振器との電磁結合により、前記ICチップとの間で送
受信を行なう通信制御手段とを具備するものである。
【0015】ここで、「複数の検出用コイル」とは、検
出用コイルが筒体の複数の箇所に配置されていることを
意味しており、各検出コイルは互いに独立していてもよ
く、直列に接続されていてもよい。そして、互いに独立
している場合には、個々の検出用コイルに対して信号の
変化が検出され、一方、直列に接続されている場合に
は、検出用コイル全体における信号の変化が検出され
る。
【0016】したがって、請求項1の発明のボール識別
装置によれば、ボールが筒体内に形成された通路を通過
する際、回転部に接触しながら落下する。このとき、ボ
ールの落下速度が低下し、ボールは落下方向に対して斜
め方向に回転しながら落下する。つまり、共振用コイル
の向きがボールの位置(高さ)によって変化する。そし
て、筒体の外周面には、分かれて配設された複数の検出
用コイルが巻かれているため、ボールに内蔵された共振
用コイルと筒体の一番上に配設された検出用コイルとが
略直交状態となり電磁結合できない場合でも、その後、
ボールの回転によって、共振用コイルを、上から二番目
またはそれより下方の検出用コイルに対し、平行状態ま
たはやや傾斜した状態にすることが可能になる。つま
り、いずれかの検出用コイルに対して電磁結合が可能に
なる。
【0017】請求項2の発明にかかるボール識別装置
は、請求項1に記載のボール識別装置において、前記回
転部は、前記筒体の内周面から突設され前記ボールの落
下方向に順に配設された複数の突起を有し、該複数の突
起が、前記筒体の中心軸を中心として円周方向に一定の
間隔で配設されているものである。
【0018】したがって、請求項2の発明のボール識別
装置によれば、請求項1の発明の作用に加え、ボールは
複数の突起に順に衝突し、回転方向を徐々に変えながら
落下する。このため、ボールを均一に回転させることが
可能になる。
【0019】請求項3の発明にかかるボール識別装置
は、請求項2に記載のボール識別装置において、二つの
前記突起が、一対の突起組として、前記落下方向に垂直
な方向に並んで配設され、前記突起組における一方の突
起と他方の突起とが、互いに弾力性の異なる材料から成
形されているものである。
【0020】したがって、請求項3の発明のボール識別
装置によれば、請求項2の発明の作用に加え、ボールの
落下方向に対して垂直な方向に並んで配設された二つの
突起は、互いに弾力性が異なるため、ボールが二つの突
起(一対の突起組)に同時に衝突すると、弾力性の大き
な突起に当接する部分と、弾力性の小さな突起に当接す
る部分とでは跳ね返される度合いが異なる。これによ
り、ボールは弾力性が小さな突起を中心として回転す
る。このため、ボールは落下しながら内周面に沿って一
定方向に転がる。すなわち、落下方向に対して斜め方向
に回転することになる。
【0021】請求項4の発明にかかるボール識別装置
は、識別番号に関するデータが書込まれたICチップと
共振用コイルを有するLC共振器とを内蔵したボールか
ら、前記LC共振器を介して送信される前記データを、
受信し認識するボール識別装置であって、鉛直または傾
斜した形で立設され、前記ボールが落下する通路を内部
に形成した円筒形状の筒体と、該筒体の下端開口に相対
して配設され、該下端開口に到達した前記ボールに当接
し、前記ボールの落下運動を制動するとともに前記ボー
ルを側方に転動させる棒状の制動部材と、前記筒体の下
端近傍の外周面に巻かれた検出用コイルを有し、前記L
C共振器との電磁結合により、前記ICチップとの間で
送受信を行なう通信制御手段とを具備するものである。
【0022】したがって、請求項4の発明のボール識別
装置によれば、ボールが筒体内に形成された通路を通過
し、筒体の下端開口に到達すると、ボールが制動部材に
衝突し、ボールの落下運動が一旦停止される。筒体の下
端近傍には検出用コイルが巻かれているため、検出用コ
イルに対して共振用コイルが略平行状態であれば、デー
タの送受信が可能になる。一方、制動部材によってボー
ルの動きが一旦停止した際に、検出用コイルに対して共
振用コイルが略直交した場合には、電磁結合ができず、
データの送受信ができない。しかし、本発明では、その
後ボールが棒状の制動部材から側方に転動するため、ボ
ールの回転によって共振用コイルの向きが変わり、電磁
結合が可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一実施形態であ
るボール識別装置(請求項1〜請求項3に対応)につい
て、図1乃至図7に基づき説明する。図1はボール識別
装置及びボールの構成を示す斜視図であり、図2はボー
ルに内蔵された識別データ出力手段の概略構成を示す断
面図であり、図3は識別データ出力手段及びボール識別
装置の機能的構成を示すブロック図である。図4及び図
5はボール識別装置における筒体の構造を示す縦断面図
及び横断面図であり、図6及び図7はボールの動きを示
す説明図である。
【0024】本実施形態のボール識別装置1は、ボール
2(例えばゴルフボール)から識別番号に関するデータ
を受信し、各ボール2の識別番号を認識するものであ
る。なお、受信されたデータは、ゴルフ練習装置(図示
しない)に送られ、そのボール2が放たれた打席を特定
するための情報として利用される。
【0025】ボール識別装置1の具体的構成を説明する
前に、まずボール2について簡単に説明する。ボール2
は、図1の一部切欠斜視図に示すように、表面にディン
プルと呼ばれる小さな窪みが複数形成されている。ま
た、球面の一部から中心方向に向かって挿入孔3が穿設
されている。この挿入孔3はボール2の中心に識別デー
タ出力手段4を収容するためのものであり、中心から所
定長さ(識別データ出力手段4の長さの略半分)だけ延
設されるように、NC加工機等の機械的手段によって精
度よく穿設されている。そして、識別データ出力手段4
は、この挿入孔3の底部(奥側)まで挿入されることに
より、ボール2の中心位置に配設されている。なお、ボ
ール2を製造する際には、識別データ出力手段4が挿入
された後、挿入孔3に充填材5が流し込まれ、充填材5
の固化により識別データ出力手段4が中心位置に保持さ
れる。
【0026】識別データ出力手段4は、図2に示すよう
に、円筒形状のケース6内に、ICチップ7及び共振用
コイル8等を備えるものである。ICチップ7は、図3
に示すように機能的構成として、共振用コイル8に並列
接続されたコンデンサ9を含むLC共振器10と、充電
用のコンデンサ11を有し共振用コイル8において発生
した起電力を蓄えるとともに、その起電力をICチップ
7の作動用電力として出力する充放電部12と、ボール
2毎に異なるように個々の識別番号に関するデータが書
込まれた記憶部13と、記憶部13に記憶されたデータ
をLC共振器10に出力し、LC共振器10を介してボ
ール識別装置1に送信する制御部14とを備えている。
【0027】次に、ボール識別装置1について具体的に
説明する。ボール識別装置1は、図1に示すように、ボ
ール2が通過可能な通路16aを有し、鉛直方向に立設
された円筒形状の筒体16と、筒体16の外周面16b
に巻かれた複数(例えば三つ)の検出用コイル17と、
検出用コイル17に接続された認識装置本体18とを備
えている。なお、複数の検出用コイル17は直列に接続
され、その両端が認識装置本体18に接続されている。
【0028】認識装置本体18は、周知のものであるた
め、詳細な説明は省略するが、図3に示すように機能的
構成として、通信制御部19、電力供給制御部20、及
びデータ認識部21を備えている。電力供給制御部20
は、通信制御部19を介して検出用コイル17に流れる
電流を変化させることにより、共振用コイル8に鎖交す
る磁束を変化させ、認識装置本体18に起電力を発生さ
せるものである。また、データ認識部21は、識別デー
タ出力手段4のLC共振器10から送信されたデータ
を、検出用コイル17及び通信制御部19を介して受信
し認識するものである。つまり、ボール識別装置1の検
出用コイル17と、識別データ出力手段4の共振用コイ
ル8とが電磁結合することにより、識別データ出力手段
4の共振用コイル8に作動用電力を生じさせ、識別デー
タ出力手段4からボール識別装置1にデータを送信する
ことが可能になる。また、認識装置本体18には、デー
タ認識部21によって認識されたデータを記憶する記憶
部22と、記憶部22に記憶されたデータをゴルフ練習
装置(図示しない)に出力する出力制御部23も備えら
れている。ここで、通信制御部19が本発明の通信制御
手段に相当する。
【0029】一方、図4及び図5に示すように、筒体1
6の内周面16cには、四種類の突起(第一突起25,
第二突起26,第三突起27,第四突起28)が設けら
れている。これは、通路16aを通過(落下)するボー
ル2を、落下方向に対して斜め方向に回転させるための
ものであり、本発明の回転部に相当する。各突起25,
26,27,28は、内周面16cから筒体16の中心
軸に向かって突出した略円柱形状の部材であり、中心軸
を中心として円周方向に90°間隔で配設されている。
また、各突起25,26,27,28は、基本的にはボ
ール2の落下方向(下方向)に順に繰返し配設されてい
るが、第一突起25及び第二突起26が一対の突起組と
して同一高さに形成され、第三突起27及び第四突起2
8が一対の突起組として同一高さに形成されている。ま
た、第一突起25、第三突起27及び第四突起28は、
ゴムなど弾力性の大きな材料から成形されているが、第
二突起26は、樹脂など弾力性の小さな(または弾力性
がない)材料から成形されている。
【0030】次に、筒体16の通路16aを通過するボ
ール2の動きについて、図6及び図7に基づき説明す
る。図6は側方(正面)から見た状態を示し、図7は上
方(平面)から見た状態を示している。ボール2が筒体
16の上端開口から筒体16内に挿入されると、図6及
び図7(a)に示すように、ボール2は第一突起25及
び第二突起26に衝突する。ここで、第一突起25は弾
力性の大きな材料から成形され、第二突起26は弾力性
の小さな材料から成形されているため、ボール2におい
て、第一突起25に当接する部位は大きく跳ね返り、第
二突起26に当接する部位は殆ど跳ね返ることなく滑動
状態となる。この結果、ボール2は第二突起26を中心
として回転するように力を受ける。つまり、図7(a)
においては、ボール2が筒体16の内周面16cに沿っ
て紙面時計方向に回転する。そして、第一突起25及び
第二突起26が配設された高さには、第三突起27及び
第四突起28が設けられていないため、ボール2が二点
鎖線の位置まで転がると重力によって落下する。このた
め、二つの力が合成され、ボール2は落下方向に対して
斜め方向に回転しながら落下する。
【0031】ボール2は、次に第三突起27及び第四突
起28に衝突する(図7(b)参照)。正確には第三突
起27に衝突した後、第四突起28に衝突する。ここ
で、第三突起27及び第四突起28は共に弾力性の大き
な材料から成形されているため、ボール2の回転を付勢
することはなく、逆にボール2の回転を抑えるように作
用する。その後、ボール2が二点鎖線に示す位置まで転
がると、ボール2の底面が第三突起27及び第四突起2
8に掛らなくなるため、重力によって落下し再び第一突
起25及び第二突起26に衝突する。すなわち、図7
(a)の状態に戻り、以後、図7(a)の状態と図7
(b)の状態とが順に繰返される。そして、図7(a)
の状態ではボール2の回転が付勢され、図7(b)の状
態ではボール2の回転が抑制されるため、ボール2は略
均一な回転速度を維持しながら下端開口まで落下する。
【0032】このように、第一実施形態のボール識別装
置1では、ボール2を落下方向に対して斜め方向に回転
させながら落下させるため、ボール2内に内蔵された共
振用コイル8の向きをボール2の高さに従って変化させ
ることができる。そして、筒体16の外周面16bに
は、複数に分かれて配設された検出用コイル17が巻か
れているため、ボール2に内蔵された共振用コイル8と
筒体16の一番上に配設された検出用コイル17とが略
直交状態となり電磁結合できない場合でも、共振用コイ
ル8は、上から二番目または三番目の検出用コイル17
に対しては略平行状態またはやや傾斜した状態となる。
したがって、極めて高い確率で電磁結合させることがで
き、識別番号の認識能力を飛躍的に高めることができ
る。さらに、複数の突起25,26,27,28によっ
て、ボール2の落下速度が抑えられるため、起電力の発
生及びデータの送信という二つの処理動作を、順次行な
うことができる。
【0033】また、第一実施形態のボール識別装置1で
は、並設される第一突起25と第二突起26との材質を
互いに異ならせることにより、ボール2を一定方向に回
転させることができる。つまり、機械的な手段を用いる
ことなく極めて簡単な構造でボールを斜め方向に回転さ
せることができる。したがって、製造コストの上昇を抑
えることができ、また、機械的な故障がないことからメ
ンテナンスが容易になる。
【0034】続いて、本発明の第二実施形態のボール識
別装置(請求項4に対応)について、図8及び図9に基
づき説明する。図8はボール識別装置の構成を示す斜視
図であり、図9はボール識別装置におけるボールの動き
を示す説明図である。なお、ボール2の構成について
は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0035】ボール識別装置30は、図8に示すよう
に、ボール2が通過可能な通路31aを有し、鉛直方向
に立設された円筒形状の筒体31と、筒体31の下端近
傍の外周面に巻かれた検出用コイル32、検出用コイル
32に接続された認識装置本体33とを備えている。な
お、認識装置本体33の機能的構成は、認識装置本体1
8と同様である。
【0036】筒体31の下端には、下端開口(図示しな
い)に相対するように、棒状の制動部材34が取付けら
れている。この制動部材34は、下方に向かって円弧状
に湾曲しており、円弧湾曲の半径が、ボール2の半径よ
り大きくなるように設定されている。また、筒体31の
下端から下方に突出する制動部材34の突出長さが、ボ
ール2の直径と略同等の長さに設定されている。
【0037】次に、ボール識別装置30の動作、特に筒
体31を通過するボール2の動きについて図9に基づき
説明する。この筒体31の内部には、第一実施形態のよ
うな突起は設けられていないため、ボール2は通路31
aを自然落下する。そして、筒体31の下端には制動部
材34が設けられているため、ボール2は制動部材34
に衝突する。これにより、ボール2の落下運動が一旦停
止される。そして、筒体31の下端近傍には検出用コイ
ル32が巻かれているため、ボール2に内蔵された共振
用コイル8(図9では示していない)の向きが、検出用
コイル32の向きに対して略平行状態またはやや傾斜し
た状態であれば、共振用コイル8と検出用コイル32と
の間で電磁結合することが可能になる。つまり、共振用
コイル8に起電力を発生させるとともに、共振用コイル
8から検出用コイル32にデータを送信することが可能
になる。
【0038】一方、検出用コイル32に対して共振用コ
イル8が略直交した場合には、電磁結合が行なわれず、
データの送受信ができない。しかし、制動部材34は棒
状であるため、ボール2は、二点鎖線に示すように制動
部材34から側方に転動する。このときボール2の回転
によって共振用コイル8の向きが変わるため、共振用コ
イル8は検出用コイル32に対して略平行状態またはや
や傾斜した状態になる。特に、本実施形態では、検出用
コイル32の磁束密度が比較的大きい部分(検出用コイ
ル32の端部)において、ボール2が一旦停止されるこ
とから、共振用コイル8における起電力の発生が容易と
なる。
【0039】このように、第二実施形態のボール識別装
置30では、制動部材34によってボール2の落下運動
を一旦停止させるとともに、側方に転動させることか
ら、共振用コイル8と検出用コイル32との電磁結合が
高い確率で行なわれ、データの送受信を極めて精度よく
行なうことができる。
【0040】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定され
るものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可
能である。
【0041】すなわち、上記第一実施形態では、筒体1
6の内部でボール2を回転させるものを示し、上記第二
実施形態では、筒体31の下端近傍でボール2を一旦停
止させ、その後転動させるものを示したが、第一実施形
態の構成と第二実施形態の構成とを組合せるようにして
もよい。このようにすると、データの送受信をさらに高
い確率で行なえるようになる。
【0042】また、上記第一実施形態では、ボール2を
斜め方向に回転させる手段として、筒体16の内周面1
6cに四種類の突起25,26,27,28を設けるも
のを示したが、突起の数、形状、配置、及び材質等は上
記のものに限定されない。例えば、第二突起26を省い
てもボール2を回転させることが可能である。しかし、
第一実施形態のように、弾力性の小さな(または弾力性
のない)第二突起26を設けることにより、ボール2の
落下速度を十分に抑えることができるとともに、回転速
度を調整することができる。
【0043】さらに、上記第一,第二実施形態では、ゴ
ルフボールの識別番号を識別するものを示したが、本発
明はゴルフボールに限定されるものではなく、野球やバ
スケット等のボールを認識するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のボール
識別装置は、筒体の中を通過するボールを、落下方向に
対して斜め方向に回転させるため、ボールに内蔵された
共振用コイルと、筒体の外周面に巻かれた検出用コイル
とを電磁結合させることができる。このため、極めて高
い確率で、ボールの識別番号を認識することができる。
また、回転部によってボールの落下速度が抑えられるた
め、起電力の発生及びデータの送信という二つの処理動
作を、順次行なうことができる。
【0045】請求項2の発明のボール識別装置は、請求
項1の発明の効果に加えて、複数の突起によって、ボー
ルの回転方向と落下速度とを細かく設定できる。例え
ば、通路全体に亘ってボールの回転速度が均一になるよ
うに設定することも可能である。このため、共振用コイ
ルと検出用コイルとの電磁結合を一層確実に行なわせる
ことができる。
【0046】請求項3の発明のボール識別装置は、請求
項2の発明の効果に加えて、並設される二つの突起の材
質を互いに異ならせることにより、ボールを一定方向に
回転させることができる。つまり、機械的な手段を用い
ることなく極めて簡単な構造でボールを斜め方向に回転
させることができる。このため製造コストの上昇を抑え
るとともに耐久性を向上できる。
【0047】請求項4の発明のボール識別装置は、棒状
の制動部材を、筒体の下端開口に相対して設けるだけ
で、ボールの落下運動を一旦停止させるとともに、側方
に転動させることが可能になる。つまり、極めて簡単な
構造で、電磁結合の可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態であるボール識別装置及
びボールの構成を示す斜視図である。
【図2】ボールに内蔵された識別データ出力手段の概略
構成を示す断面図である。
【図3】識別データ出力手段及びボール識別装置の機能
的構成を示すブロック図である。
【図4】第一実施形態であるボール識別装置における筒
体の構成を示す縦断面図である。
【図5】第一実施形態であるボール識別装置における筒
体の構成を示す横断面図である。
【図6】第一実施形態においてボールの動きを説明する
ための説明図である。
【図7】第一実施形態においてボールの動きを説明する
ための説明図である。
【図8】本発明の第二実施形態であるボール識別装置の
構成を示す斜視図である。
【図9】第二実施形態であるボール識別装置におけるボ
ールの動きを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ボール識別装置 2 ボール 7 ICチップ 8 共振用コイル 10 LC共振器 16 筒体 16a 通路 16b 外周面 16c 内周面 17 検出用コイル 19 通信制御部(通信制御手段) 25 第一突起(回転部) 26 第二突起(回転部) 27 第三突起(回転部) 28 第四突起(回転部) 30 ボール識別装置 31 筒体 32 検出用コイル 34 制動部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06K 19/07 G06K 19/00 H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 識別番号に関するデータが書込まれたI
    Cチップと共振用コイルを有するLC共振器とを内蔵し
    たボールから、前記LC共振器を介して送信される前記
    データを、受信し認識するボール識別装置であって、 鉛直または傾斜した形で立設され、前記ボールが通過す
    る通路を内部に形成した円筒形状の筒体と、 該筒体の内周面に形成され、前記ボールが前記通路を落
    下する際、前記ボールの球面の一部に接触し、前記ボー
    ルを落下方向に対して斜め方向に回転させる回転部と、 前記筒体の外周面に巻かれた複数の検出用コイルを有
    し、前記LC共振器との電磁結合により、前記ICチッ
    プとの間で送受信を行なう通信制御手段とを具備するこ
    とを特徴とするボール識別装置。
  2. 【請求項2】 前記回転部は、前記筒体の内周面から突
    設され前記ボールの落下方向に順に配設された複数の突
    起を有し、 該複数の突起が、前記筒体の中心軸を中心として円周方
    向に一定の間隔で配設されていることを特徴とする請求
    項1に記載のボール識別装置。
  3. 【請求項3】 二つの前記突起が、一対の突起組とし
    て、前記落下方向に垂直な方向に並んで配設され、 前記突起組における一方の突起と他方の突起とが、互い
    に弾力性の異なる材料から成形されていることを特徴と
    する請求項2に記載のボール識別装置。
  4. 【請求項4】 識別番号に関するデータが書込まれたI
    Cチップと共振用コイルを有するLC共振器とを内蔵し
    たボールから、前記LC共振器を介して送信される前記
    データを、受信し認識するボール識別装置であって、 鉛直または傾斜した形で立設され、前記ボールが落下す
    る通路を内部に形成した円筒形状の筒体と、 該筒体の下端開口に相対して配設され、該下端開口に到
    達した前記ボールに当接し、前記ボールの落下運動を制
    動するとともに前記ボールを側方に転動させる棒状の制
    動部材と、 前記筒体の下端近傍の外周面に巻かれた検出用コイルを
    有し、前記LC共振器との電磁結合により、前記ICチ
    ップとの間で送受信を行なう通信制御手段とを具備する
    ことを特徴とするボール識別装置。
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