JP2002320490A - 糖尿病治療用単鎖インスリン類似体およびその遺伝子を含むベクター - Google Patents

糖尿病治療用単鎖インスリン類似体およびその遺伝子を含むベクター

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、哺乳動物宿主内における糖尿病治
療に利用される単鎖インスリン類似体(SIA)をコードす
る少なくとも一つの単鎖インスリン類似体タンパク質、
または、遺伝子を、少なくとも一つの哺乳動物組織に導
入する方法を提供し、SIAおよびSIAをコードする遺伝子
を含む組換えベクターに関する。 【解決手段】 本発明の糖尿病治療方法は、肝細胞特異
的グルコース調節プロモーターおよび、必要に応じて、
SV40エンハンサーの制御下で肝細胞で単鎖インスリン類
似体を発現させることにより、自己免疫性I型糖尿病と
インスリン欠損性II型糖尿病を治療できる可能性のある
方法を開発した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病を治療する
ために利用される少なくとも一つの単鎖インスリン類似
体のタンパク質、または単鎖インスリン類似体(single-
chain insulin analogue、SIA)をコードする遺伝子を、
哺乳動物宿主内の少なくとも一つの哺乳動物組織内に導
入する方法に関する。さらに、本発明は、SIAおよびSIA
をコードする遺伝子を含む組換えベクターに関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の治療は、膵島移植、β-細胞の
再生、インスリン遺伝子治療等の複数の方法を利用して
古くから行われているが(Levine、F.& Leibowitz、G. T
owardsgene therapy of diabetes mellitus、Mol. Med.
Today 5、165-171(1999))、I型糖尿病の完全な回復は
まだ充分になされていない。
【0003】WO96/34882は、高度の生物活性を有する単
鎖インスリンの調製について記載しているが、本発明の
単鎖インスリン類似体については記載していない。
【0004】糖尿病に羅患した哺乳動物の治療に利用す
るために、in vitroまたはin vivoで単鎖インスリン類
似体をコードする少なくとも一つの遺伝子を、哺乳動物
宿主中の少なくとも一つの細胞に導入する方法に対する
実質的かつ現実的な必要性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の必要性
を満たすためものである。
【0006】本発明は、哺乳動物宿主の治療に利用され
る単鎖インスリン類似体をコードする少なくとも一つの
遺伝子を、哺乳動物組織の少なくとも一つの細胞に導入
する方法を提供する。この方法においては、前記産物を
コードする遺伝子を含むDNAベクターを作製する組換え
技術を用いて、前記産物をコードする遺伝子を含むDNA
ベクター分子を組織細胞内に導入する。該DNAベクター
分子としては、標的細胞または組織内に送達されて保持
され、所望の産物をコードする遺伝子を安定に発現する
ことができるDNA分子であればいかなるのもでも良い。
本発明における使用に好ましいDNAベクター分子として
は、ウイルスもしくはプラスミドDNAベクター分子をあ
げることができる。本発明にかかる治療方法は、治療の
ために前記産物をコードする遺伝子を哺乳動物組織の細
胞に導入することを含むことが好ましい。
【0007】本発明の目的は、インスリン受容体結合活
性がプロインスリンより高く、インスリンより低い特性
を有する次式: B 鎖-X-A 鎖 (式I) [式中、 BおよびA鎖はヒトインスリンのそれぞれの鎖で
あるか、またはそれらの機能的類似体であり、Xは5〜18
個のアミノ酸よりなる連結ペプチドである]で表され
る、単鎖インスリン類似体を提供することである。
【0008】前記類似体において、望ましくは、Xは6〜
9個のアミノ酸からなるものであってよい。
【0009】さらに、前記化合物において、Xが式Ul-Zn
-Ym-Zl-Unである場合、次のように限定できる;Uはアル
ギニンまたはリシン残基であり;Zはアミノ酸残基であ
り;Yはペプチドであり;lは2-nの整数であり;nは0、1ま
たは2の整数であり; そしてmは2〜5の整数である。
【0010】この類似体において、Zはグリシンであ
り、Yはグリシン-プロリン-グリシンであることが望ま
しい。さらに、Zはグリシンであり、Yはアラニン-プロ
リン-グリシン-アスパラギン酸-バリンであることも望
ましい。あるいはまた、Zはグリシンであり、Yはチロシ
ン-プロリン-グリシン-アスパラギン酸-バリンであるこ
とも望ましい。Zはグリシンであり、Yはヒスチジン-プ
ロリン-グリシン-アスパラギン酸-バリンであることも
望ましい。
【0011】本発明の更なる目的は、前記単鎖インスリ
ン類似体をコードするポリヌクレオチドを提供すること
である。本発明のもう1つの態様は、前記単鎖インスリ
ン類似体をコードするポリヌクレオチドを含む組換えベ
クターを提供することである。該ベクターは、プラスミ
ドまたはウイルスであってよい。該ベクターがウイルス
である場合には、アデノ随伴ウイルスが好ましく、その
プロモーターは誘導性であることが望ましい。さらに、
前記プロモーターはグルコースにより調節されるもので
あることが望ましく、ピルビン酸キナーゼ遺伝子のプロ
モーターであることがより望ましく、肝細胞特異的L型
ピルビン酸キナーゼ遺伝子プロモーターが最も望まし
い。
【0012】さらに、本発明は、前述のベクターにより
形質転換された細胞系に関する。
【0013】本発明のもう一つの態様は、 a)機能し得る形でプロモーターに連結された単鎖インス
リン類似体をコードするポリヌクレオチドを含む組換え
ウイルスまたはプラスミドベクターを作製するステッ
プ、および、 b) 糖尿病患者に前記組換えウイルスまたはプラスミド
ベクターを投与して、前記患者内で前記ポリヌクレオチ
ドが発現することにより糖尿病を治療するステップ、を
含む糖尿病の治療方法に関するものである。
【0014】前記ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイ
ルスであり、前記プロモーターは誘導性プロモーターで
あることが望ましい。また、前記プロモーターはグルコ
ースにより調節されるものであることが望ましい。前記
治療方法において、ウイルスベクターの投与量が少なく
とも約1011ウイルス粒子であることが望ましい。さら
に、上記治療方法は、前記単鎖インスリン類似体を含む
細胞系を介して患者に導入されるようなベクターを使用
して行ってもよい。
【0015】また、本発明は、前記単鎖インスリン類似
体を、それを必要とする患者に投与する糖尿病患者の治
療方法に関する。望ましくは、前記糖尿病は、I型糖尿
病である。
【0016】このような本発明の目的は、下記の本発明
の詳細な説明、明細書に添付した図面および請求項を参
照すれば完全に理解できる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本明細書中で使用する
「患者」とは、ヒトを含む動物界のあらゆる動物を含
む。
【0018】本明細書中で使用する「哺乳動物宿主」と
は、ヒトを含む動物界の動物を含む。
【0019】本明細書中で使用する「糖尿病」とは、ホ
ルモン性障害である。血糖値調節にはインスリンを必要
とする。
【0020】本明細書中で使用する「I型糖尿病」と
は、インスリン依存性糖尿病(IDDM)を意味する。
【0021】本明細書中で使用する「II型糖尿病」と
は、インスリン非依存性糖尿病を意味する。
【0022】インスリンは、A鎖およびB鎖と呼ばれる2
つのペプチド鎖で構成されている。A鎖とB鎖は2個のジ
スルフイド結合により互いに結合されており、A鎖内で
はさらなるジスルフイド結合が形成されている。ほとん
どの動物種では、A鎖は21個のアミノ酸からなってお
り、B鎖は30個のアミノ酸からなる。インスリンのアミ
ノ酸配列は、動物種により異なるが、前記分子におい
て、3個のジスルフイド結合部位、A鎖の両側の末端およ
びB鎖のC-末端の残基を含む特定の部分は高度に保存さ
れている。インスリンのアミノ酸配列におけるこのよう
な類似性によって、形成されるインスリンの3次構造は
種間で非常に類似しており、特定の動物種から得られた
インスリンは他の種においても非常に類似した生物学的
活性を有する。実際、豚のインスリンが、糖尿病に羅患
しているヒトを治療するのに広く使用されている。
【0023】インスリン分子は、B鎖のC-末端間の水素
結合により溶液中では二量体を形成する傾向がある。さ
らに、亜鉛イオン存在下では、インスリン二量体が重合
して六量体となる。
【0024】このような相互作用は、臨床治療において
重要な問題をもたらす。即ち、単量体および二量体は血
液中に容易に分散するが、六量体は分散が不十分であ
り、六量体の割合が高いと、インスリン吸収が遅延す
る。このような問題により、数々の組換えインスリン類
似体の開発が促進された。このような分子の最初に市販
されたインスリンリスプロ(insulin lispro)は、B鎖のC
-末端のリシンとプロリン残基が逆転しており、このよ
うな変形は、受容体との結合能を変えることなく、二量
体および六量体を形成するという傾向を最小までに低減
する。
【0025】本明細書中で使用する「単鎖インスリン類
似体(SIA)」は、ポリペプチドリンカーによりA鎖とB鎖
とが共有結合している構造的に関連する一連のタンパク
質を含む。SIAはプロインスリンより高く、インスリン
より低いインスリン受容体結合活性、および/またはグ
ルコース吸収活性を有する。「SIA-1」、「SIA-2」等が
SIAに含まれる。
【0026】ポリペプチドリンカーは、B鎖のC-末端をA
鎖のN-末端に連結する。該リンカーは、SIAがグルコー
ス吸収能およびインスリン受容体結合能を有するために
必要な構造的形状を提供する限りいかなる長さのもので
も良い。該リンカーは、約5〜18個のアミノ酸からなる
ものが望ましく、6〜12個のアミノ酸からなるものがさ
らに望ましく、6〜9個アミノ酸からなるものが一層望ま
しく、7個のアミノ酸からなるものが最も望ましい。前
記リンカーに最も望ましい配列は、Gly-Gly-Gly-Pro-Gl
y-Lys-Arg(配列番号2)またはArg-Arg-Gly-Pro-Gly-Gly-
Gly(配列番号3)である。さらに、これらの配列は、生成
されるSIAのグルコース吸収活性およびインスリン受容
体結合活性に実質的に影響しない範囲内で、アミノ酸を
置換してもよく、さらに、付加および欠失させてその長
さを様々に変えることができる。例えば、生成されるSI
Aの活性を実質的に減少させることなく、他の複数のア
ミノ酸残基を各末端に付加または欠失させることができ
る。あるいはまた、アミノ酸残基Glyを任意のアミノ酸
残基で置換することもできる。
【0027】さらに、インスリンAおよびB鎖は、その改
変または末端切断された形態においてグルコース吸収活
性を有しおよび/またはインスリン受容体に結合可能で
あれば、改変しても切断してもよい。このような鎖から
なるSIAは、プロインスリンより高くかつインスリンよ
り低いインスリン受容体結合活性および/またはグルコ
ース吸収活性を有する。
【0028】本明細書中で使用する「プロモーター」と
いう用語は、真核細胞において転写調節活性のあるDNA
配列であれば任意の配列であってよい。該プロモーター
は、哺乳動物細胞において活性を有するものが好まし
い。該プロモーターは、恒常的に発現させるものであっ
ても、または誘導性のものであってもよく、中でも誘導
性のものがより好ましい。さらに、かかるプロモーター
には、外部刺激により誘導されるものが好ましく、ホル
モンまたは代謝物質により誘導されるものがより好まし
く、グルコースによって調節されるものが一層好まし
く、ピルビン酸キナーゼ遺伝子のプロモーターが更に一
層好ましく、肝細胞特異的L型ピルビン酸キナーゼ遺伝
子プロモーターが最も望ましい。
【0029】更に、転写を調節する「エンハンサーエレ
メント」をDNAベクター構築物内に挿入し、本発明の構
築物において所望の遺伝子の発現を増強するために使用
することができる。
【0030】本明細書中で使用するウイルスベクター
は、in vivoまたはex vivoの遺伝子治療法において有用
なウイルスを含む。該ウイルスは非病原性であることが
望ましく、アデノ随伴ウイルス(AAV)がより望ましい。
【0031】本明細書中で使用する「DC-chol」とは、
陽イオン性コレステロール誘導体を含む陽イオン性リポ
ソームを意味する。DC-chol分子は、3級アミノ基、中程
度の長さのスペーサーアーム(2原子)およびカルバモイ
ルリンカー結合(Gao ら、Biochem. Biophys. Res、Comm
un.、179:280-285、1991)を含む。
【0032】本明細書中で使用する「SF-chol」とは、
陽イオン性リポソームの1つのタイプを意味する。
【0033】本明細書中において、「生物学的活性」と
いう語句がリポソームについて用いられている場合、機
能的活性を有するDNAおよび/またはタンパク質を標的細
胞に導入する能力を意味する。
【0034】本明細書中において、「生物学的活性」と
いう語句は、核酸、タンパク質、タンパク質フラグメン
トまたはその類似体について用いられている場合、その
核酸またはアミノ酸配列の野生型のものにより示される
公知の生物学的機能を模倣する、核酸、タンパク質、タ
ンパク質フラグメントまたはその類似体の能力を意味す
る。
【0035】本明細書中で使用する「保持」または「維
持」という語は、リポソーム送達において使用される場
合には、導入されたDNAが細胞内に残留する能力を意味
する。他のものについて使用される場合は、治療效果を
呈するために標的化DNAが標的細胞または組織内に残存
し得る能力を意味する。
【0036】本発明は、哺乳動物宿主の組織細胞に、所
望のDNA配列を送達するためのin vivoの技術に関する。
このin vivoの技術は、所望のDNA配列を含むDNAベクタ
ーまたは所望の他のビヒクルを哺乳動物宿主の組織細
胞、即ち標的部位に直接投与することにより、所望の遺
伝子産物の発現が效果的に達成される。このようなベク
ターとしては、ウイルスベクターが好ましい。
【0037】また、本発明は、哺乳動物宿主の組織細胞
に所望のDNA配列を送達するためのex vivoおよびin viv
oの技術に関する。該ex vivoの技術は標的組織細胞を培
養し、所望のDNA配列を含むDNAベクターまたは他のビヒ
クルを該組織細胞内にin vitroでトランスフェクトし、
その後、形質転換した組織細胞を哺乳動物宿主の標的部
位に移植することにより、所望の遺伝子産物をin vivo
で発現させることを含む。
【0038】他の細胞のin vitroにおける操作では、所
望の産物をコードする遺伝子をリポソームに導入してそ
れを標的部位に直接注入し、その標的部位でリポソーム
が組織細胞と融合することにより、SIAのin vivoでの遺
伝子発現が誘導される。
【0039】組織細胞のin vitroの操作は他に、所望の
産物をコードする遺伝子をDNAそのもののみを標的部位
に導入する。該DNAは組織細胞に導入され、SIAのin viv
oにおける遺伝子発現が誘導される。
【0040】糖尿病を治療する方法の一つであるex viv
o法では、最初に単鎖インスリン類似体もしくは生物学
的活性のあるその断片をコードするDNA配列を含む組換
えウイルスまたはプラスミドベクターを作製する。続い
て、この組換えベクターをinvitroで培養した組織細胞
に感染させるか、またはトランスフェクトし、該ベクタ
ーを含有する細胞集団を作製する。この対象とするDNA
の発現は、糖尿病と関連する少なくとも1つの有害な病
変を実質的に減少させるために有用である。更に具体的
には、この方法において、SIAまたは生物学的活性のあ
る類似体もしくはその断片を利用することができる。
【0041】本発明のもう1つの他の態様は、SIAまた
は生物学的活性のある類似体もしくはその断片を適用し
てDNAプラスミドベクターとして利用でき、送達方法に
関係なく、送達の標的細胞もしくは組織内において安定
に保持することができ、当技術分野で一般的な技術によ
り公知の任意のDNAプラスミドベクターも適用すること
ができる。
【0042】前記方法のうちの1つは、DNAベクター分
子、即ちウイルスまたはプラスミドベクターを標的細胞
もしくは組織に直接送達することである。この方法はSI
A、または生物学的活性のある類似体もしくはそれらの
断片の場合にも適用可能である。
【0043】本発明の又一つの態様は、哺乳動物宿主に
おける糖尿病治療に利用される、産物をコードする少な
くとも1つの遺伝子を標的組織内の少なくとも1つの細
胞に導入する方法を提供することである。この方法にお
いて、産物をコードする遺伝子を組織細胞に導入するた
めには非ウイルス性の手段を適用する。より具体的に
は、この方法により、リポソームカプセル封入化法(lip
osome encapsulation)、リン酸カルシウウム共沈殿法、
エレクトロポレーション法、またはDEAEデキストラン媒
介法(DEAE-dextran mediation)等があり、該遺伝子とし
ては、トランスフォーミング増殖因子スーパーファミリ
ーの1つまたはその生物学的活性のある類似体またはそ
れらの断片をコードする遺伝子を適用する。
【0044】本発明のもう1つの態様は、哺乳動物宿主
の治療に使用する、産物をコードする少なくとも1つの
遺伝子を少なくとも1個の組織細胞に導入するさらなる
方法を提供する。この方法は、DNAベクター分子を標的
細胞または組織に送達するためにウイルスを利用する生
物学的な手段を利用する。好ましくは、前記ウイルスは
偽ウイルスであり、そのゲノムは、該偽ウイルスが標的
細胞内に送達されて安定に保持されるようにトランスフ
ォームされるが、標的細胞または組織内で複製する能力
を有していない。このトランスフォームされたウイルス
ゲノムは、ウイルスゲノムの標的細胞または組織で発現
される所望の異種遺伝子を含有するDNAベクター分子と
して作用し、また、組換えDNA技術により操作すること
ができる。好ましくは、前記ウイルスベクターはアデノ
随伴ウイルスである。
【0045】本発明のより望ましい方法は、アデノ随伴
ウイルスを使用して哺乳動物宿主の標的組織にSIA遺伝
子を直接in vivoで送達することである。簡単に説明す
ると、まず、機能的SIAタンパク質またはSIA断片をコー
ドする対象のDNA配列を適切なウイルスベクターにサブ
クローニングする。続いて、SIAを含有する前記ウイル
スベクターを適切な力価になるまで培養し、望ましくは
門脈に注入することによって、標的部位内に送達される
ようにする。
【0046】結合組織に対象の遺伝子を含有するDNA分
子を直接注入することにより、受容組織細胞にトランス
フェクトされることにより、対象の異種遺伝子の安定し
た発現を促進する前記DNAベクターを含有する細胞の移
植は勿論、他に、in vitro培養、トランスフェクショ
ン、選択等を必要としない。
【0047】前記DNA分子を標的組織に存在させる方法
としては、特別に限定することは無く、陽イオン性リポ
ソームを用いてDNA分子をカプセル封入する方法、対象
のDNA配列をレトロウイルスもしくはプラスミドベクタ
ーにサブクローニングする方法、またはDNA分子それ自
体を標的部位に直接注入する方法などがある。前記DNA
分子は、DNAベクター分子、即ち組換えウイルスDNAベク
ター分子または組換えDNAプラスミドベクター分子とし
て存在することが好ましい。前記異種遺伝子のコード部
位のすぐ上流側に真核細胞において活性のあるプロモー
ターフラグメントを位置指定的に挿入することにより、
対象の異種遺伝子の発現を確実なものとすることができ
る。さらに、DNA分子を標的組織に注入した後、適当な
レベルで発現させるために公知の技術を利用することが
できる。
【0048】好ましい態様において、患者から採取した
組織細胞をin vitroで培養して、その後、遺伝子治療用
送達システムとして使用する。本明細書に記載の特定の
組織型と組織供給源の利用のみに制限されるものではな
いことは自明であり、in vitro培養技術において他の組
織供給源を利用することもできる。本発明の遺伝子を利
用する方法は、糖尿病予防と治療の両方に適用できる。
【0049】本発明のもう1つの態様において、治療上
有効な量で患者に非経口投与するための、SIAタンパク
質をコードする遺伝子と製薬上許容される担体を含有す
る組成物が提供される。
【0050】本発明のもう1つの態様では、in vitroに
おいて、対象の遺伝子を細胞内に導入する前記の方法と
同様の手段を含み、さらに、その後に感染した細胞を哺
乳動物宿主に移植する。この方法は、組織細胞にトラン
スフェクトさせた後、感染した細胞を哺乳動物宿主に移
植するまでトランスフェクトした組織細胞を保存でき
る。従来の公知技術に従って感染させた組織細胞は、10
% DMSO中で、液体窒素内にて凍結貯蔵することができ
る。さらに、この方法は、糖尿病羅患率が高い哺乳動物
宿主内における糖尿病の発病を実質的に予防する方法と
なりうる。
【0051】本発明の更なる態様では、産物をコードす
る遺伝子を含有するウイルスベクターを哺乳動物宿主内
に直接導入して前記細胞をin vivoで感染させ、前述の
とおり哺乳動物宿主の治療に使用される対象の産物をコ
ードする少なくとも1つの遺伝子を、哺乳動物宿主内の
標的組織の少なくとも1個の細胞に導入する方法を含
む。この方法では、門脈を介する注入によって哺乳動物
宿主に直接注入される。この方法は、糖尿病羅患率の高
い哺乳動物宿主における糖尿病の発病を実質的に予防す
る方法となり得、かつ、糖尿病に羅患した哺乳動物宿主
の治療に適用することができる。
【0052】望ましい態様において、本発明者らは、別
途の加工過程なくして、生物学的インスリン活性を有す
る単鎖インスリン類似体を生成し、血糖値に応じてSIA
発現を調節しうる、肝細胞特異的L型ピルビン酸キナー
ゼ遺伝子プロモーターの制御下でSIA(rAAV-LPK-SIA)を
発現する組換えアデノ随伴ウイルスを作製した。本発明
者らが、ストレプトゾトシン(STZ)投与により糖尿病
を誘発したラットにに、門脈を介してrAAV-LPK-SIAを投
与すると、該ラットの血糖値は低下し、1週間以内に正
常血糖値に達し、低血糖症または他の副作用もなく6カ
月以上正常血糖値レベルを維持された。あるいはまた、
糖尿病NODマウスをrAAV-LPK-SIAで処理すると、STZによ
り糖尿病の誘発したラットの場合と同じく自己免疫性糖
尿病が完全に治癒される。このような新規なSIA遺伝子
による治療は、ヒトの自己免疫性糖尿病の治療用とし
て、治療用途における価値があるものと考えられる。
【0053】以下の実施例により、本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0054】
【発明の実施形態】実施例1―原料と方法 単鎖インスリン類似体(SIA)のDNAのクローニングおよび
大腸菌(E.coli)におけるその発現 長さが65〜68塩基である5種の重複オリゴヌクルオチド
を使用するPCRにより、SIAのリンカー部位にGly-Gly-Gl
y-Pro-Gly-Lys-Argの配列をコードするSIA-1 DNAを得
た。前記SIA-1 DNAは細菌宿主内でSIAの発現レベルを増
大させるために、大腸菌のコドン頻度を考慮して作製し
た。その結果得られたSIA-1 DNA配列は、配列番号1に示
す通りである。TNF-αのN-末端の5残基のペプチド配列
(PSDKP)は、大腸菌においてSIA-1を高レベルで発現させ
るための融合相手として使用されうる。精製過程の利便
性のために、化学的に切断できる10個のヒスチジン残基
と1個のメチオニン残基をPSDKP配列とSIA-1間に挿入し
た。PSDKP配列と10個のヒスチジンをコードするDNA断片
は化学的に合成され、これを制限酵素NdeIとBamHIで消
化した後、該DNA断片を発現プラスミドpET-3aのT7プロ
モーターの下流に挿入し、前述と同じ制限酵素で消化し
て直鎖状にし、得られたプラスミドをpETと命名した。
前記SIA-1をコードする遺伝子を制限酵素BamHIとHindII
Iで消化し、pETプラスミドのBamHIとHindIIIの制限酵素
切断断片に挿入し、得られたプラスミドをpET-SIA-1と
命名した。続いて、この発現プラスミドを使用して大腸
菌BL21(DE3)株を形質転換し、前記の融合体単鎖インス
リン類似体を封入体として発現させた。該融合タンパク
質の封入体を、そのシステイン残基をスルフォン化させ
てCNBrで処理して化学的に分解した。S-スルフォン化さ
れたSIA-1を陽イオン交換クロマトグラフイ(Pharmacia
Biotechnology)を用いて精製し、β-メルカプトエタノ
ールを添加してリフォールディングさせて分析用逆相HP
LCで分析した。即ち、4℃、50mMグリシン緩衝液(pH 11.
0)中で、2当量のメルカプトエタノールを使用して、ス
ルフォン化したSIA-1(0.37mg/ml)を、元のジスルフイド
結合を有するSIA-1に転換させた。20時間後、前記タン
パク質溶液をpH2.5で酸性化して反応を終結し、ZorbaxC
8カラムに充填し、90%アセトニトリルを用いて直線的濃
度勾配溶出法にて溶出した。前記の対象の物質を含有す
る画分を回収し、凍結乾燥した。
【0055】鋳型DNAとしてSIA-1遺伝子を用い、前記SI
Aの連結部位が、Arg-Arg-Gly-Pro-Gly-Gly-Gly(配列番
号3)、Gly-Gly-Gly-Gly-Gly-Lys-Arg(配列番号4)、Arg-
Arg-Gly-Gly-Gly-Gly-Gly(配列番号5)、Gly-Gly-Ala-Pr
o-Gly-Asp-Val-Lys-Arg(配列番号6)、Arg-Arg-Ala-Pro-
Gly-Asp-Val-Gly-Gly(配列番号7)、Gly-Gly-Tyr-Pro-Gl
y-Asp-Val-Lys-Arg(配列番号8)、Arg-Arg-Tyr-Pro-Gly-
Asp-Val-Gly-Gly(配列番号9)、Gly-Gly-His-Pro-Gly-As
p-Val-Lys-Arg(配列番号10)、およびArg-Arg-His-Pro-G
ly-Asp-Val-Gly-Gly(配列番号11)の配列をコードする他
のSIA DNAを、PCRにより取得た。これらの遺伝子をBamH
IとHindIIIで消化し、プラスミドpETに挿入した。得ら
れたプラスミドを各々pET-SIA-2、pET-SIA-3、pET-SIA-
4、pET-SIA-5、pET-SIA-6、pET-SIA-7、pET-SIA-8 およ
びpET-SIA-9と命名した。続いて、これらの発現プラス
ミドを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換し、前記融
合SIAを封入体として発現させた。これらのSIAの精製
は、SIA-1の精製過程と本質的に同様に行った。
【0056】大腸菌により産生される組換えSIAの機能
性活性試験 インスリン受容体結合活性およびグルコース吸収活性の
測定は公知の方法に従い、IM-9リンパ球を使用して実施
した(Pollet、R.J.、Standaert、M.L.& Haase、B.A. In
sulin binding to the human lymphocyte receptor.Ev
aluation of the negative cooperativity model. J. B
io. Chem. 252、5828-5834 (1977); Roth、J. Assay of
peptide hormones using cell receptors: applicatio
n to insulin and to human growth hormone. Methods
Enzymol. 37、66-82 (1975); and Frost、S.C. & Lan
e、M.D. Evidence for the involvement of vicinal su
lfhydryl groups in insulin-activated hexose transp
ort by 3T3-L1 adipocytes. J. Biol. Chem. 260、2646
-2652 (1985)を参照のこと)。SIAのin vivoでの血糖降
下能を調べるために、8-10週齢で体重が200g〜250gの雄
Sprague-Dawleyラットに、公知の方法に従って(Heath、
W. F.、ら、. (A-C-B) human proinsulin、anovel insu
lin agonist and intermediate in the synthesis of b
iosynthetichuman insulin. J. Biol. Chem. 267、419-
425(1992)参照)、絶食後、SIAタンパク質(体重100g当た
り4〜80μg(0.1ml生理的食塩水中))または対照として等
容量の生理的食塩水を皮下注射した。各ラットの尾静脈
より血液を採取し、SIA投与時を時間0とし、投与後30
分、1、2、3、4時間後に血糖値を測定した。対照群での
変化を基に基準化した後、生理的食塩水で処理したラッ
トとSIA処理したラットの時間0から血糖値の百分率の
変化を計算して最終結果として表した。各ペプチド(4〜
80μg)の含量の違いによる效果を測定した。ED50値は、
SIA投与後1ないし2時間経過した時点での最高血糖降下
能の50%に相当する該タンパク質投与量を示す。
【0057】pSIAおよびpLPK-SIAの構築 pET-SIAのSIA cDNAをPCR-script SK+(Invitrogen、San
Diego、CA)の BamHI/HindIII部位にサブクローニングし
た。続いて、pCDM8(Invitrogen)を鋳型とするSV40ポリ
(A)シグナル配列およびpGL3(Promega、Madison、WI)を
鋳型とするSV40エンハンサーを、PCRにより増幅した
後、それらをHindIII/ApaIおよびApaI部位に各々サブク
ローニングした。アルブミンリーダー配列(72塩基対)
を、後述のプライマーの組合せを利用するExSiteTMPCR
に基づく部位特異的突然変異誘発キット(PCR-based Sit
e-Directed Mutagenesis Kits、Stratagene、La Joll
a、CA)を使用してSIA cDNAの上流に挿入した。SIA cDNA
の上流の27個の核酸とヒトアルブミンリーダー配列の5'
側の36ヌクレオチドに相補的な塩基配列を含有する5
‘プライマー(63mer:プライマー1)(TTAGCTCGGC TTATTC
CAGG GGTGTGTTTC GTCGAGATTT CGTTAATCAG CACCTGTGCG G
CT)(配列番号12)と、SIA cDNAの27ヌクレオチドおよび
前記アルブミンリーダー配列3’側の36ヌクレオチドを
含む3’プライマー(63mer:プライマー2)(AGAGAAAAAG A
AGGGAAATA AAGGTTACCC ACTTCATGGA TCCGCCCAGT CGTCGAC
GCT GCT)(配列番号13)を、そのプライマーとして利用し
た。アルブミンリーダー配列を含有するクローンを単離
してpSIAと命名した。PCRで増幅したラットのLPK遺伝子
(-3193〜+18)のプロモーターをpSIAのXbaI/SalI 部位に
挿入して、最終構築物であるpLPK-SIAを作製した。
【0058】pSIA、pLPK-SIA、rAAV-SIA および rAAV-L
PK-SIAの肝臓への投与 SDラットおよびNODマウスを、それぞれ塩酸ケタミン(Ke
tamine-chloride、10mg/kg)とエーテルで麻酔した。次
いで、腹部を切開して、DNA-FuGENETM 6(Boehringer Ma
nnheim GmBH 、Laval PQ)混合物30μg、rAAV-SIA、また
は rAAV-LPK-SIA(109-1012ウイルス粒子)を、2週間高血
糖状態にしておいた生後11-13週のSDラットまたはNODマ
ウスの肝門脈に注入した。
【0059】PCRおよびRT-PCR分析 プラスミドを注入したラット内にSIA DNAが存在するか
どうかを確認するために、T7またはLPKプロモーター部
位に由来するセンスプライマー(pSIAを注入したラット
には、プライマー3:5'GTAATACGACTCACTATAGGGC3'(配列
番号14); pLPK-SIAを注入したラットには、プライマー
4:5’ATTTCGAATAAGAAGAGGAAGGGAAG3'(配列番号15)を使
用する) およびSIA 遺伝子の 3’末端由来のアンチセン
スプライマー(プライマー5:5’GCGCAAGCTTTTACTAGTTAC
AATAGTT3'(配列番号16))を使用してPCRを実施した。SIA
mRNAを検出するために、全RNAを様々な組織から単離
し、プライマー6:5’GCGCGGATCCATGTTCGTTAATCAGCAC3'
(配列番号17)およびプライマー7: 5’GCGCAAGCTTTTACT
AGTTACAATAGTT3'(配列番号18)のプライマーを使用してR
T-PCRを行い、内部コントロールとしてはβ-アクチンmR
NAを使用した。
【0060】組換えAAV-SIAおよびAAV-LPK-SIAの作製 pLPK-SIAプラスミドを鋳型としてPCRを行い、SV40エン
ハンサーを含有する4.3KbのLPK-SIAを増幅し、psub201
のXbaI部位にサブクローニングした。得られたプラスミ
ドをpsub201-LPK-SIAと命名した。15cmディッシュ内で
増殖させたヒト胚腎臓由来293細胞(ATCC CRL 1573、Man
assas、VA)にリポフエクトアミンプラス試薬(Gibco-BR
L)を製造者のプロトコールに従って利用し、ヘルパープ
ラスミドpXX2とpsub201-LPK-SIAをコトランスフェクト
した。LPKプロモーターを含有しないpsub201-SIAはrAAV
-SIAの構築に使用した。コトランスフェクトした6時間
後、前記コトランスフェクトした培地をイスコフ改変ダ
ルベッコ(Iscove's modified Dulbecco's)培地で交換
し、該細胞に5型アデノウイルスdl312を感染多重度(MO
I)2で感染させて、3日後にHEPESバッファーを用いて細
胞を回収し、凍結融解を3回繰り返して細胞を溶解させ
た。続いて、得られた細胞溶解液を2000×gで20分間遠
心分離して上清を回収した。二回にわたって塩化セシウ
ム濃度勾配法を行い、混入しているタンパク質を除去
し、前記組換えウイルス(rAAV-SIAおよび rAAV-LPK-SI
A)を得た。精製されたrAAV-SIAまたはrAAV-LPK-SIA濃縮
液を、56℃、45分間加熱処理して残存するアデノウイル
ス粒子を不活性化した。rAAV-SIAまたはrAAV-LPK-SIAウ
イルス粒子の数を概算するために、各濃縮液をDNase I
で処理し、カプセル封入化ウイルスDNAをフェノールー
クロロフォルムで抽出してエタノール沈澱に供した。ウ
イルスDNAの量は、競合的PCR(Muzyczka、N. Use of ade
no-associated virus as a general transduction vect
or for mammalian cells. Curr. Top. Microbiol. Immu
nol. 158、97-129(1992)参照)を用いて定量化した。
【0061】サザーンブロット分析(Southern blot ana
lysis) 正常な対照動物およびrAAV-LPK-SIAで処理した動物の肝
臓から、細胞の全DNA(10μg)を単離して種々の制限酵素
で消化した。アガロースゲル電気泳動後、前記DNAを膜
に転写して、SIA cDNAおよびSV40配列を含有する32Pで
ラベルしたブローブでハイブリダイズさせた。結果とし
て得られたバンドをオートラジオグラフィーにより検出
した。
【0062】血漿中のインスリン、C-ペプチド、SIAお
よび血糖測定 血漿中のインスリンおよびC-ペプチドの濃度を、各々Li
nco ラットインスリンRIA キットおよび Linco ラットC
-ペプチド RA kit(Linco Reasearch Immunoassay、St.
Charles、MO)を使用して測定した。本発明者らは、血漿
中のSIA濃度を測定するために、ウサギから得た抗SIA抗
体を使用して競合的ELISAを実施した。このSIAは、市販
されている抗インスリン抗体との交差反応が少ないため
である。血糖値は公知の方法に従って測定した(Yoon、
J.W.、Lesniak、M.A.、Fussganger R. & Notkins、A.
L.、“Genetic Differences In Susceptibility Of Pan
creatic β-Cells To Virus-Induced Diabetes Mellitu
s”、Nature 264、178-180、(1976))。
【0063】高血糖クランプ試験 STZ処理により糖尿病を誘発したラットをrAAV-LPK-SIA
を1011粒子にて処理した。処理後30週間が経過した時、
血糖を約300または500mg/dlに維持するように20%グルコ
ース溶液を、または約100mg/dlに維持するように生理的
食塩水を電子式デジタルシリンジポンプ(electronic di
gital syringe pump、Harvard、South Natick、MA)を使
用して大腿静脈から潅流させた。平衡化時間を置いた
後、2分毎に尾静脈より血液を採取してすぐに血糖値を
測定した。注入速度は、30分間の血糖値が約100、300、
または500mg/dlに保持されるように適当に調整した。グ
ルコースまたは生理的食塩水による処理の後、4時間経
過した時点で、肝細胞と血漿におけるSIAの産生を測定
した。高血糖クランプ試験はCameron、N.E.、Cotter、
M.A. & Low、P.A.の“Nerve Blood Flow In Early Expe
rimental Diabetes In Rats: Relation To Conduction
Deficits”、AM. J. Physiol、261、E1-E8、(1991)に記
載されているとおりに実施した。
【0064】ウェスタンブロット分析 0、2、4 および 6時間の時点で回収した各1.5mlの血漿
から、セントリコン-30(centricon-30、Amicon、Beverl
y、MA)を利用して分子量が30000以下であるタンパク質
を分離し、凍結乾燥器を利用して濃縮した。それらを、
前記濃縮タンパク質はβ-メルカプトエタノールで処理
するかまたは処理せずに、10〜20% トリシン濃度勾配ゲ
ル(tricine gradient gel、NOVEX、San Diego、CA)に
て電気泳動により分離し、ニトロセルロース膜に転写し
た。前記SIAタンパク質のバンドは、ブロツト膜上でウ
サギ抗SIAポリクローナル抗体を利用して確認した。
【0065】RNaseプロテクションアッセイ pET-SIAを鋳型としてT7 RNAポリメラーゼを使用してin
vitro転写により32P化のSIAアンチセンスRNAを作製し
た。rAAV-LPK-SIAで処理した動物の肝臓から単離した全
RNAの10μgを8×105cpmの標識化プローブとハイブリダ
イズさせた。RNase処理後、プロテクトされたプローブ
を6%変成ポリアクリルアミドゲルで分析し、オートラジ
オグラフィーを行った。
【0066】ASTおよびALTの測定 紫外線分析法(Ma、Z.、ら、. Effect of hemoglobin- a
nd Perflubron-basedoxygen carriers on common clini
cal laboratory tests. Clin. Chem. 43、1732-1737(19
97)を参照のこと)を利用して、自動化学分析器(autoche
mical analyzer)(Hitachi 747、Tokyo、Japan)でASTお
よびALTを測定した。
【0067】組織学的免疫細胞化学分析 肝臓と膵臓を採取してホルマリンで固定し、ヘマトキシ
リンとエオシンで染色し、一般的な形態を明らかにした
(Yoon、J.W.、Rodrigues、M.M.、Currier、C.& Notkin
s、A. Long-term complications of virus-induced dia
betes mellitusin mice. Nature 296、566-569(1982);
and Yoon、J.W. ら、. Control of autoimmune diabet
es in NOD mice by GAD expression or suppression in
cells.Science 284、1184-1187(1999))。また、肝臓と
膵臓の切片を抗SIAおよび抗ヒト インスリン抗体と各々
反応させ、標識化ストレプトアビジン-ビオチン法を利
用して免疫染色し、3'-アミノ-9-エチルカルバゾール(D
ako、Santa Barbara、CA、U.S.A)を用いて可視化した(Y
oon、J.W. ら、 Control of autoimmune diabetes in N
OD mice by GAD expression or suppression in cells.
Science 284、1183-1187(1999); および、 Hirasawa
K. ら、 Possible role of macrophage-derived solubl
e mediators in the pathogenesis of EMC virus-induc
ed diabetesin mice、J. Virol. 71、4024-4031(199
7))。
【0068】実施例 2―結果 インスリン依存性糖尿病(IDDM)として知られているI型
糖尿病は、β-細胞特異的自己免疫反応によりインスリ
ンを生産する膵β-細胞のほとんど大部分が破壊される
ことで発症する(Yoon、J.W. & Jun、H.S. Insulin-depe
ndent diabetes mellitus. In;Roitt、I.M. & Delves、
P.J.eds. Encyclopedia of Immunology、Second Editio
n. London、UK: Academic Press Ltd. pp. 1390-1398(1
998); Schranz、D.B. & Lernmark、A. Immunology in d
iabetes: an update. Diab. Metab.Rev. 14:3-29(199
8); Tisch、R. & McDevitt、H. Insulin-dependent dia
betesmellitus. Cell 85:291-297(1996);Bach、J.F. In
sulin-dependent diabetes mellitus as a β-cell tar
geted disease of immunoregulation. J. Autoimmunity
8:439-463(1995); and Rossini、A.A.、Greiner、D.
L.、Friedman、H.P. & Mordes、J.P. Immunopathogenes
is of diabetes mellitus. Diabetes Rev. 1:43-75、(1
993))。さらに、一般的なインスリン療法では、正常な
膵β-細胞においてもたらされるような比較的狭い範囲
内に血糖濃度を維持することはできない(TheDiabetes C
ontrol and Complications Trial Research Group. The
effect ofintensive treatment of diabetes on the d
evelopment and progression of long-term complicati
ons in insulin-dependent diabetes mellitus. New En
gl.J. Med. 329、977-986(1993))。従って、本発明者ら
は、別途のプロセシング過程を用いずに、インスリンと
類似した生物学的活性を有する単鎖インスリン類似体、
およびグルコースにより調節されるプロモーターである
肝細胞特異的L型ピルビン酸キナーゼ(LPK)プロモーター
を使用する新規の遺伝子治療法によるIDDMの完全な治療
を目指した。
【0069】まず、本発明者らはC-ペプチドの35残基を
短いターンを形成する7残基ペプチド(Gly-Gly-Gly-Pro-
Gly-Lys-Arg)に置換することにより、単鎖インスリン類
似体(SIA-1)を作製した。本発明者らは、大腸菌内で組
換えSIA-1を産生させ、それをリフォールディングさせ
て、受容体結合能およびグルコース吸収能を分析し、そ
れらの生物学的活性を測定した。その結果、本発明者ら
はSIA-1の受容体結合活性がプロインスリンより12倍高
く、インスリンより3〜4倍低いことを発見した(表1)。
これと同様に、SIAのグルコース吸収活性はプロインス
リンより16倍高く、インスリンよりは4〜5倍低いことも
わかった(表1)。SIAが動物で十分な血糖調節能を有する
かどうかを確認するために、インスリンと同様、SIAを
生後8週間のSprague-Dawley(SD)ラットに投与して全体
血液内のグルコース濃度を測定した結果、SIAの血糖低
下效果はプロインスリンより2〜3倍高く、インスリンよ
り2倍低いことがわかった(表1)。このような結果は組換
えSIAの生物学的活性がインスリンの活性に匹敵するこ
とを表している。
【0070】
【表1】
【0071】第2に、本発明者らは血糖値によりSIA遺伝
子の発現を調節できるようにLPKプロモーターの下流にS
IA遺伝子をクローニングして組換えプラスミドpLPK-SIA
を作製した(Cuif、M.H.、Doiron、B. & Kahn、A. Insul
in and cyclic AMP act atdifferent levels on transc
ription of the L-type pyruvate kinase gene. FEBS L
ett. 417、81-84(1997); Chen、R.、Doiron、B. & Kah
n、A. Glucose responsiveness of a reporter gene tr
ansduced into hepatocytic cells using aretroviral
vector. FEBS Lett. 365、223-226(1995); Decaux、J.
F.、Antoine、B. & Kahn、A. Regulation of the expre
ssion of the L-type pyruvate kinase gene in adult
rat hepatocytes in primary culture. J. Biol. Chem.
264、11584-11590(1989); Cuif、M.H.、Porteu、A.、K
ahn、A. & Vaulont、S. Exploration of a liver-speci
fic、glucose/insulin-responsive promoter in transg
enic mice. J. Biol. Chem. 268、13769-13772(1993);
and Bergot、M.O.、Diaz-Guerra、M.J.、Puzenat、N.、
Raymondjean、M. & Kahn、A. Cis-regulationof the L-
type pyruvate kinase gene promoter by glucose、ins
ulin and cyclic AMP. Nucleic Acids Res. 20、1871-1
877(1992))。アルブミンのリーダー配列(24アミノ酸)を
SIA遺伝子のフレーム内に適切に付加し、肝細胞からSIA
の分泌を促進させた。さらに、本発明者らは pLPK-SIA
が生物学的に活性のあるインスリン類似体の適当な分泌
を誘導してIDDMを調節することができるか否かを確認す
るために、pLPK-SIAとFuGENETM6を混合して、ストレプ
トゾトシン(STZ)で糖尿病を誘発したSDラットに投与し
た。その結果、pLPK-SIAを注入したラットでは、投与後
5日経過時点まで血糖値が徐々に減少し、それに続く4日
間では正常血糖状態で保持されるのを確認した。しか
し、処理後14日経過時はpLPK-SIAを注入したラットの血
糖値が増加して500mg/dlに達した(図1B)。これに反し
て、pLPKを含まないSIA構築物を投与したSTZ糖尿病誘発
ラットの血糖値には変化がなかった(図1B)。また本発明
者らは、前記プラスミドDNAが肝細胞に特異的にトラン
スフェクトされていること、およびSIA mRNAが肝細胞内
で選択的に発現されていることを確認するために、該プ
ラスミド投与後、5日経過時に、二群のラットから単離
した肝臓、腎臓、脾臓、肺および心臓を含む種々な組織
内で注入したDNAの存在とSIA mRNAの発現を測定した。
その結果、トランスフェクトしたプラスミドDNAは肝細
胞だけから検出され、一方SIA mRNAはpLPK-SIAで処理し
たラットのみから発現されていることを確認した(図 1
C)。これらの実験を通じて、本発明者らは、SIA mRNAが
pLPK-SIA処理ラットの肝だけに発現し、pLPK-SIAで糖尿
病ラットを処理すればIDDMが一時的に改善されることを
見出し、ラットでは処理後14日以内に高血糖症が再発す
るのは恐らくトランスフェクトしたpLPK-SIAの半減期が
短いためであると考えられる。
【0072】第3に、本発明者等は、前記のトランスフ
ェクトしたDNAの半減期が短いことを克服するために、
安全かつ效果的な遺伝子送達システムを有し(Muzyczk
a、N. Use of adeno-associated virus as a general t
ransduction vector for mammalian cells、Curr. Top.
Microbiol. Immunol. 158、97-129(1992)); および、
Clark、K.R.、Liu、X.、McGrath、J.P. & Johnson、P.
R. Highly purified recombinant adeno-associated vi
rus vectors are biologically active and free ofdet
ectable helper and wild-type viruses. Human Gene T
herapy 10、1031-1039(1999))、部位特異的な様式で宿
主の染色体DNAに挿入できるアデノ随伴ウイルス(AAV)を
使用した(Samulski、R.J. Adeno-associated virus: in
tegration ata specific chromosomal locus. Curr. Op
in. Genet. Dev. 3、74-80(1993)); Giraud、C.、Winoc
our、E. & Berns、K.I. Site-specific integration by
adeno-associated virus is directed by a cellular
DNA sequence. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91、10039
-10043(1994); and Kotin、R.M.、Linden、R.M. & Bern
s、K.I. Characterization of a preferred site on hu
man chromosome 19q forintegration of adeno-associa
ted virus DNA by non-homologous recombination. EMB
O J. 11、5071-5078(1992))。本発明者らは、ヒト胚腎
臓293細胞においてLPKプロモーター-SIAのDNAを含有す
る組換えAAV(rAAV-LPK-SIA)を作製した。本発明者ら
は、rAAV-LPK-SIAがIDDMを效果的かつ持続的に調節する
か否かを確認するために、STZで糖尿病を誘発したSDラ
ットの肝門脈を介してrAAV-LPK-SIA 1011ウイルス粒子
を投与した。その結果、rAAV-LPK-SIAで処理したラット
の血糖値は漸次減少し、処理後1週間経過後には正常血
糖値となり、8ヶ月以上の間、低血糖症または他の明ら
かな副作用もなく、正常血糖状態を維持した(図 2A)。
しかし、rAAV-LPK-SIAの投与量が少ない場合(109-1010
ウイルス 粒子)には完全な治療がなされなかった。ま
た、本発明者らは、治療に適切な量より多い投与量で糖
尿病ラットを処理した場合、低血糖症が現れるか否かを
調べるために、10倍高い量のrAAV-LPK-SIA(1012 ウイル
ス粒子)を投与した。その結果、処理動物中、低血糖症
を示した動物は無く、これはLPKプロモーター制御下でS
IAの発現が血糖値により適切に調節されたことを示唆す
る。rAAV-LPK-SIA 1011ウイルス粒子で処理した動物の
体重は正常ラットの体重と近似していた。
【0073】続いて、本発明者らは、rAAV-LPK-SIのレ
シピエント内でAAVゲノム分子状態を確認するために試
験した。rAAV-LPK-SIAを治療に適切な量でラットに注入
した後、5日、5週、15週、25週経過時に処理したそれぞ
れのラットから肝臓を摘出した後、そのDNAを抽出し、S
IA cDNA およびSV40の配列をプローブとして使用してサ
ザンブロットを実施した。その結果、rAAV DNAは、処理
後初期段階(5日)では一本鎖と二本鎖状態で存在する
が、後期段階(5-25週)では二本鎖のみ存在することがわ
かった。さらに、処理後25週経過時に、rAAV-LPK-SIA D
NAが肝細胞DNAに組み込まれているか否かを調べた結
果、rAAV-LPK-SIA DNAが染色体DNA内にヘッドトゥテイ
ルコンカテマーの様式(head-to-tail concatemeric man
ner)で組み込まれていることを確認した(図 2B)。これ
らの結果は、一本鎖組換えアデノ随伴ウイルスゲノム
は、感染肝細胞内で二本鎖ゲノムに転換されることを示
唆する。
【0074】本発明者らはまた、抗SIA抗体を使用して
肝切片を免疫組織化学的に染色し、rAAV-LPK-SIAで処理
したラットの肝臓におけるSIA発現部位を調べた結果、S
IAがrAAV-LPK-SIAで処理したラットの肝細胞で発現し
(図 2C)、非処理ラットの肝では発現していない(図 2D)
ことを確認した。SIAを発現する細胞は、肝臓内の中心
静脈と門脈三管周辺に集まっていた(図 2C)。また本発
明者らは、rAAV-LPK-SIAを肝細胞に感染させた場合,感
染し細胞が損傷を受けるか否かを確認するため、感染し
た肝臓切片を組織学的に調べた。その結果、rAAV-LPK-S
IA処理ラットと非処理ラット間に相違を発見することが
できなかった(図2Eおよび図2F)。さらに、本発明者ら
は、肝臓での持続的なSIA発現が、肝に他の何らかの損
傷をおこすかを肝機能試験により調査した結果、生理的
食塩水で処理したラット(ASTに対しては94±12IU/l、AL
Tに対しては46±9IU/l処理; n=5)とrAAV-LPK-SIAで処理
したラット(ASTに対しては95±10 IU/l、ALTに対しては
40±9IU/l処理)の間に、肝損傷に対するマーカー酵素
である血漿アスパラギン酸トランスアミナゼ(AST)、ま
たはは血漿アラニントランスアミナゼ(ALT)の濃度に差
が無いことがわかった。これは、rAAV-LPK-SIA処理が肝
臓に損傷を与えないことを示す。また、本発明者らはSI
Aに対する抗体の産生について、処理後8ヶ月間5週間毎
に調査した結果、処理ラットの血清では抗SIA抗体が殆
んど検出されないことがわかった。これらの結果は、糖
尿病ラットをrAAV-LPK-SIAで処理すると、感染した肝細
胞に何らかの明らかな変化、または肝細胞におけるSIA
発現による副作用もなく、糖尿病が治癒することを示し
ている。
【0075】また、本発明者らは、糖尿病の治療がSIA
発現によるのか、またはSTZ処理ラットに残存する膵臓
β-細胞から分泌されるインシュリンによるのかを確認
するために、rAAV-LPK-SIA処理ラットから単離した膵臓
切片を抗インスリン抗体を利用して染色した結果、これ
らの膵島ではインスリン産生β-細胞が殆んど見られな
かったが(図2G)、非処理の正常細胞の膵島ではインスリ
ンを十分に産生するβ-細胞が見出された(図 2H)。rAAV
-LPK-SIA処理後5週毎にラットの血漿中のSIAレベルを調
べた結果、SIAがrAAV-LPK-SIA処理後に8ヶ月以上持続し
て産生されたことがわかった(図2I、25週以上の試験結
果は図示せず)。また、グルコース注入後のrAAV-LPK-SI
A処理ラットからのC-ペプチドのレベルを測定した結
果、前記ラットの血漿中で無視できる程度の量のC-ペプ
チドが認められたが、糖尿病に罹っていないラットの血
漿では十分な量のC-ぺプチドが発見された(図2J)。これ
らの結果はrAAV-LPK-SIA処理ラットでの血糖調節が内因
性膵臓由来インスリンによるのではなく、肝細胞でのSI
Aの発現に因るものであることを示している。
【0076】第4に、本発明者等は、実際にLPKプロモー
ターを介して血糖レベルによりSIA発現が調節されか否
かを確認するため、rAAV-LPK-SIA 1011粒子を処理した
後、血糖値が正常であるラットにおいて、20%グルコー
ス溶液および生理的食塩水を電子式デジタルシリンジポ
ンプ(Cameron、N.E、Cotter、M.A & Low、P.A.)を利用
して大腿静脈に潅流し(Nerve Blood Flow In Early Exp
erimental Diabetes In Rats: Relation To Conduction
Deficits、AM. J. Physiol、261、E1-E8(1991))、30分
間血糖レベルを各々異なるように(約100、300、500mg/d
l)維持した後、グルコース注入後4時間経過時点で、肝
細胞および血漿におけるSIA産生を調査した。その結
果、SIA発現レベルが血糖濃度と密接な相関関係がある
ことがわかり(図3Bおよび3C)、更に他群のラットからも
SIA DNAが同様なレベルで認められた(図3A)。従って、L
PKプロモーターの存在下では、SIA発現が血糖レベルに
より適切に調節されることを確認した。
【0077】次に、本発明者等は、グルコース耐性実験
を実施し、rAAV-LPK-SIA処理ラット(生後15-17週のラッ
ト)が、糖尿病に罹っていない正常ラットと同様の様式
で血液からグルコースを除去するかを調査した。rAAV-L
PK-SIAで処理することにより糖尿病から回復したラット
を4時間絶食させた後、グルコース(2g/kg体重)を腹腔内
に注入し、グルコース注入後、経時的に血糖値、血漿イ
ンスリンおよびグルカゴンのレベルを測定した。その結
果、正常ラットの血糖値はグルコース注入後30分経過時
点で最も高く、90分経過時点で正常値に回復し、その後
は安定した(図3D)。しかし、rAAV-LPK-SIA処理ラットの
血糖値は、正常ラットと比較すると、類似する結果を示
したが、正常血糖値に到達する時間がより長くかかり(1
20分対90分)、グルコース注入後3-6時間経過時点におい
ては一時的により低い血糖値を示した(図3D)。正常ラッ
トの血漿インスリン値は、グルコース注入後30分以内に
迅速に最高値に達し、2時間後に元の値に回復した(図 3
E)。しかし、rAAV-LPK-SIA処理ラットの血漿中のSIA量
は、グルコース注入後3-4時間経過時点で最高値に達
し、6時間後に元の値に回復した(図3Eおよび3F)。肝細
胞でのSIA mRNAの発現は血漿SIAと類似するパターンを
示した(図 3G)。正常ラットでは、インスリンの正常膵
臓β-細胞におけるエクソシトーシスのプロセスにより
放出されるため、グルコースに対するインスリンの応答
が非常に迅速であった。正常ラットおよびrAAV-LPK-SIA
処理ラットの血糖値は比較的類似しているが、グルコー
ス注入から2〜5時間後の時点で血漿中のSIA量は正常ラ
ットでの血漿インスリン数値よりはるかに高かった。こ
れはSIAの代謝プロセスが遅延するので循環プロセスで
より長い半減期を有することに起因するものと判断され
る。rAAV-LPK-SIA処理ラットでグルコース注入後3-6時
間経過時点において、若干のより低い血糖値を示すが、
それはSIAの半減期がより長くなったことに因るものと
思われる。実際に、AAV-LPK-SIA処理ラットでは、SIA分
泌は転写段階において調節されるので、血糖値によって
血漿中のSIA量を変化させるためには、より長い時間を
必要とするため、rAAV-LPK-SIA処理ラットでGTTを実施
すると、SIAの分泌はより長時間を要する。これに反し
て、正常細胞では、インスリンが正常膵臓のβ-細胞で
エクソシトーシスプロセスを介して放出されるので、グ
ルコースに対するインスリン応答が迅速であった。β細
胞でインスリン分泌に関する主要決定要因は血糖値であ
る。β細胞は狭い生理的範囲内で細胞外グルコースのわ
ずかな変化にもかなり敏感である。従って、正常ラット
の血漿インスリン値はGTT試験では、血糖値の増加と同
時に増加する。しかし、rAAV-LPK-SIA処理ラットでは、
血漿SIA量はグルコース注入後血糖値と密接な相関関係
があるわけではない。にもかかわらず、rAAV-LPK-SIA処
理ラットでは、絶食しない場合、血糖値がいつも正常血
糖範囲内にあることは、SIA発現がグルコース値によっ
て效果的に調節されることを意味する。さらに、本発明
者らが、rAAV-LPK-SIA 処理ラットから血漿グルカゴン
レベルを測定した結果、グルコース注入後6時間経過時
に、グルカゴンがかなり増加することを確認した。グル
カゴンの増加は、血漿SIA量およびそのmRNA量の減少と
相関しており(図3B、3C、3E)、これは、rAAV-LPK-SIA処
理ラットにおけるLPKプロモーターが介在するSIA発現の
際、負のフイードバック調節には機能的な膵島α-細胞
が必要であることを示す。
【0078】第5に、本発明者らは糖尿病を誘発したラ
ットにおけるのと同様に、非肥満型糖尿病マウス((NOD
マウス)においてもrAAV-LPK-SIAがSTZが自己免疫性糖尿
病を持続的に調節することができるか否かを調べた。糖
尿病NODマウスに門脈内注射によりrAAV-LPK-SIAを投与
して血糖値を測定した。その結果rAAV-LPK-SIAで処理(1
012ウイルス粒子)したNODマウスでは、血糖値が徐々に
減少し、処理後7日目には正常血糖レベルに到達し、5ヶ
月以上正常な血糖状態を保持した。これに反して、rAAV
-SIA(LPK プロモーターなし)で処理した糖尿病 NODマウ
スは過剰血糖症を呈し、処理後3週間以内に死亡した(図
4A)。NODマウスの肝臓にSIA遺伝子が存在する否かをrAA
V-LPK-SIA処理後15週経過時点で調べた結果、SIA DNAが
肝細胞の染色体 DNAに組み込まれていることが確認され
た(図4B)。さらに、rAAV-LPK-SIA処理後5、10、15週経
過時点でグルコースを注入した後、マウスの肝臓および
血漿中におけるSIA発現を調べた結果、SIA mRNAが有意
に発現しており、血漿中に放出されたSIAタンパク質が
確認された(図4Cおよび図4D)。処理後5ヶ月間に渡っ
て、これらのマウスの血清では抗SIA抗体が検出されな
かった(試験データ記載せず)。
【0079】また、本発明者らは糖尿病から回復したNO
DマウスにGTTを実施し、rAAV-SIA処理NODマウスの血糖
値がグルコース注入後30分経過時点で最も高く、120分
経過時点で正常範囲内に(115mg/dl)回復し、その後安
定することを確認した(図4E)。これらのマウスの最高血
糖値を示す時間は、正常ICRマウスと類似するが、rAAV-
SIA処理マウスでのように、正常コントロール群と比較
して、グルコース注入後3-6時間までは若干低い血糖値
を表し,正常血糖値に到達する回復時間が遅延した。
【0080】以下、本発明の前記実施形態を図面を参照
してさらに説明を継続する。 しかし,これらによリ本
発明が限定されるものではない。
【0081】図1A-1Cは、pLPK-SIAの構造、pLPK-SIAの
血糖低下效果およびpLPK-SIAの肝細胞-特異的発現に関
する図面である。
【0082】図1Aは、LPKプロモーター、アルブミンリ
ーダー配列、SIA cDNA、SV40 ポリ(A) 配列およびSV40
エンハンサーを示すpLPK-SIA構築物の模式図およびpSIA
の模式図を表す。
【0083】図1Bは、pLPK-SIAの一過性の血糖低下作用
を表すグラフであり、STZにより糖尿病を誘発したラッ
トの血糖値が500mg/dl以上である場合、pSIAまたはpLPK
-SIA30μgをFuGENETM6(陽イオン性多重融合遺伝子、Boe
hringer Mannheim、Germany)60mlと混合して肝門脈に注
入後、血糖値を測定した。各時点での平均±SD値を表
す。
【0084】図1Cは、pSIAまたはpLPK-SIAで処理後5日
経過したラットの肝臓(Li)、腎臓(K)、脾臓(S)、肺(Lu)
および心臓(H)からSIA DNA、SIA RNAまたはβ-アクチン
RNA(対照)を検出した結果を示す電気泳動写真である。S
IA DNAはpSIAおよびpLPK-SIAで処理したラット両方から
検出されたが、SIAはpLPK-SIAで処理したラットだけに
発現されていることを確認した。
【0085】図2A〜2Jは、rAAV-LPK-SIAの血糖低下作
用、rAAV-LPK-SIAを肝細胞の染色体DNAに注入,およびS
IA発現に関する図面である。
【0086】図2Aは、STZにより糖尿病を誘導したSDラ
ット(生後11-13週、>500mg/dl 血糖;n=10/群)の肝門脈
にrAAV-LPK-SIAを様々な含量(1×109〜1×1012粒子)で
注入し、rAAV-LPK-SIA処理の38週後まで血糖値を測定し
た結果のグラフである。各時点は平均±SD値を表す。前
記正常コントロール群SDラット(n=10)の血糖値は103±1
0mg/dlである。109粒子で処理したすべての実験動物は
処理後25週経過時に死亡したが、1010粒子で処理した実
験動物の30%は処理後38週まで生存していた。
【0087】図2Bは、LPK-SIAの制限酵素地図およびプ
ローブとして使用する部位を示す。STZ処理により糖尿
病を誘発したSDラットにrAAV-LPK-SIA 1×1011ウイルス
粒子を投与後5日、5週、15週および25週経過時点で、そ
の肝臓から細胞の全DNAを単離した。XbaIで染色体性DNA
を消化した後、SIA、SV40ポリ(A)およびSV40エンハンサ
ー配列を含む32Pで標識したプローブを利用してサザン
ブロツトハイブリダイゼーションを実施した。XbaIで消
化したpsub201-LPK-SIA(10pg、100pg)および正常コント
ロールSDラット(NC)から単離した染色体DNAを各々陽性
コントロールおよび陰性コントロールとして使用した。
rAAV-LPK-SIAゲノム内に制限酵素消化部位がない非切断
酵素で、rAAV-LPK-SIA処理後25週経過時点の肝細胞から
単離したDNAを消化した時、サイズの異なる、即ち4.3Kb
バンド(矢印で示す)よりはるかに大きい単一分子量のバ
ンドが現れ、これは、rAAV-LPK-SIA DNAが染色体DNA内
に導入されていることを意味する(中央の図)。単一箇所
を切断する酵素で消化した場合は、4.3Kbバンド(矢印で
示す)と、1つのサイズの異なるバンドが現れ、これはr
AAV-LPK-SIA DNAが染色体DNAにヘッドトゥテイルコンカ
テマー様式で導入されていることを意味する(右図)。
【0088】図2C〜2Dは、肝細胞でのSIAの免疫細胞化
学的染色の結果を示す写真であり、rAAV-LPK-SIA処理後
1ヶ月経過した肝臓でのSIA(図 2C)および正常なコント
ロール群のラットの肝臓におけるSIA(図 2D)の染色結果
を表す。SIAは、rAAV-LPK-SIAを処理したラットの肝細
胞でのみ発現されていることを確認することができた。
【0089】図2E〜2Fは、ヘマトキシリンとエオシン染
色法による肝組織の組織学的検査結果を表す写真であ
り、rAAV-LPK-SIA処理後、1ヶ月経過した肝組織(図2E)
および正常なコントロール群のラットの肝組織(図2F)の
それぞれの組織学的検査結果を示す。
【0090】図2G〜2Hは、膵島でインスリンの免疫組織
学的染色結果を表す写真であって、各々rAAV-LPK-SIA処
理後1ヶ月経過したラットの膵島におけるインスリン(図
2G)、および正常コントロールラットの膵島におけるイ
ンスリン(図2H)の免疫組織学的染色結果を表す。
【0091】図2Iは、rAAV-LPK-SIA処理(n=7/群)後、
5、10、15、20および25週経過時点での、グルコース注
入(2g/kg体重)後0(灰色の棒)および4(黒い棒)時間での
血漿中SIA濃度を測定した結果を表すグラフである。
【0092】図2Jは、rAAV-LPK-SIA処理(n=7/群)後、25
週経過時のグルコース注入(2g/kg体重)後、0(灰色の棒)
および0.5(黒い棒)時間での血漿中C-ペプチド濃度を測
定したグラフを表す。糖尿病症状のない正常ラット(NC;
n=7)およびrAAV-LPK-SIAで処理していないSTZ処理糖尿
病誘発ラット(STZラット;n=7)をコントロールとして使
用した。数値は平均±SDとした。
【0093】図3A〜3Gは、rAAV-LPK-SIAで処理したSTZ
により糖尿病を誘発したラットでのグルコースに対する
SIAの機能的な応答を表す図面である。rAAV-LPK-SIA(1
×101 1粒子)をSTZにより糖尿病を誘発したSDラットの肝
門脈に注入後、30週経過時に高血糖クランプにより種々
の異なる血糖濃度(約100(生理的食塩水処理)、300また
は500mg/dl)に30分間保持させた。SIA DNAの存在(図 3
A)、肝細胞でのSIAの発現(図 3B)、および0(灰色の棒)
および4(黒い棒)時間での(n=7/群)血漿中のSIAの産生
(図 3C)を確認した。処理後4週経過時に、ラット(15-17
週)を4時間絶食させてGTTを遂行した。グルコース注入
から表示したた時間経過後に尾静脈から血液サンプルを
採集し、グルコース濃度(図 3D)、インスリン、SIA濃度
(図3E)を測定した。(NC)は正常なコントロール群のラッ
トを示し、(rAAV-LPK-SIA)はrAAV-LPK-SIA処理ラット(1
×1011粒子)を示す。各時点での平均±SD値を示した。
【0094】図3Fは、SIAのウェスタンブロット分析の
結果を示している。グルコース注入後、0、2、4、およ
び6時間目に採集した血漿中のSIAの分泌を、抗SIA抗体
を用いてウェスタンブロットで調べた。コントロール群
として、組換えSIAタンパク質を使用した。NRは、非還
元条件下; Rは、還元条件下を表す。
【0095】図3Gは、グルコース注入後、0、2、4およ
び6時間経過時点において肝臓でのSIAmRNAの発現をRNas
eプロテクションアッセイ法で調べた結果を表す。
【0096】図4A〜4Eは、rAAV-LPK-SIAの投与によるNO
Dマウスの自己免疫性糖尿病の治療結果をしめす図面で
ある。
【0097】図4Aは、糖尿病症状を呈するNODマウス
に、マウス一匹あたりrAAV-SIAまたはrAAV-LPK-SIAを1
×1012ウイルス粒子投与し、血糖値を測定した結果を表
すグラフである。
【0098】図4Bは、SIA DNAが肝細胞染色体DNA内に組
み込まれたか否かを調べた結果を表している。rAAV-LPK
-SIA処理後15週経過したNODマウスの肝臓から細胞の全D
NAを単離した後、指示の通りの制限酵素で消化し、続い
てサザンブロツトハイブリダイゼーションを実施した結
果、バンドのパターンがrAAV-LPK-SIA処理したマウスと
同一であることを確認した。これはrAAV-LPK-SIA DNAが
染色体DNA内に挿入されていることを意味する(矢印で示
す4.3Kb バンド)。
【0099】図4Cは、rAAV-LPK-SIA処理(n=5/群)後、肝
細胞でSIA mRNAの発現の測定結果を示しており、図4Dは
5、10、15週にグルコース注入(2g/kg体重)後0(灰色の
棒)および4(黒い棒)時間に血漿中のSIA生成結果を表す
グラフである。
【0100】図4Eは、rAAV-LPK-SIA処理により糖尿病を
治療した糖尿病NODマウス(n=5)と対等な年齢の正常コン
トロールNODマウス(NC、n=7)にて実施したGTT試験結果
を表すグラフである。
【0101】本発明の具体的な態様を説明するために詳
述したが、当業者は、添付の請求項に記載の本発明の範
囲内において、本発明に詳述の技術に多様な変化をもた
らすことが可能であることは言うまでもない。
【0102】
【発明の效果】本発明者らは、肝細胞特異的なグルコー
ス調節プロモーター、および必要に応じてSV40エンハン
サーの制御下において肝細胞で単鎖インスリン類似体を
発現させることにより、自己免疫性I型糖尿病を治療す
る可能性のある方法を開発した。前記宿主の細胞介在性
自己免疫応答は、SIAを発現する肝細胞を攻撃しないた
め、NODマウスで自己免疫糖尿病が完全に治療された。
ラットに化学的に誘導した糖尿病およびNODマウスの自
己免疫性糖尿病に対して、インスリン類似体を発現する
rAAVで処理すると、肝細胞で検出される副作用はなく、
I型糖尿病を完全に治療することができる。これは、こ
の様な新規遺伝子治療法がヒトのI型糖尿病の治療にお
いて非常に優れた価値を有することを意味する。
【0103】参考のために本発明で引用したすべての参
考文献をここに記載する。
【0104】参考文献 1. Levine、F. & Leibowitz、G. Towards gene therapy
of diabetes mellitus Mol. Med. Today 5、165-171(1
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、pLPK-SIAの構造、pLPK-SIAの血糖低下
效果およびpLPK-SIAの肝細胞の特異的な発現を示す図面
である。
【図2】図2は、rAAV-LPK-SIAの血糖低下效果、rAAV-L
PK-SIAを肝細胞の染色体DNAに注入およびSIA発現を示す
図面である。
【図3】図3は、rAAV-LPK-SIAで処理したSTZで糖尿病
が誘導されたラットからグルコースに対するSIAの機能
的反応結果をしめす図面である。
【図4】図4は、rAAV-LPK-SIA投与によるNODマウスの
自家免疫糖尿病の治療結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A // A61K 38/28 A61K 37/26 (72)発明者 リー ヒュン チュル 大韓民国 ソウル セオダエムング、ホン ゲウンドン 268、ドンドー−アカデミー ハウス エー−402 (72)発明者 キム ス−ジン 大韓民国 ゴヤンシ ドゥキャング、ハエ ンシンドン 938、ハイビト 1819−1304 (72)発明者 キム キュン−スプ 大韓民国 ソウル ヨンデウンポグ、イェ オイードドン、サミク アパートメント ビー−202、 (72)発明者 シン ハン−チェオル 大韓民国 ソウル セオチョグ、ウォンジ ドン、401−37 (72)発明者 ヨン ジ−ウォン カナダ国 ティー3エー 4エックス5 アルバータ、カルガリー、エヌ.ダブリ ュ.、エッジヴュー ドライブ 206 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA02 CA04 CA06 DA02 DA06 EA02 FA02 GA11 HA17 4B065 AA26X AA95X AA99Y AB01 AC14 AC20 BA02 CA24 CA44 CA45 4C084 AA13 BA44 DB34 NA10 ZC352 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 CA12 ZC35 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA37 EA27 FA74

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インスリン受容体結合活性が、プロイン
    スリンより高く、インスリンより低い、次式(1) B鎖−X-A鎖 (式1) [式中、AおよびB鎖はヒトインスリンのそれぞれの鎖で
    あるか、または、その機能的類似体であり、そして、X
    は5〜18個のアミノ酸を有する連結ペプチドである]で示
    される、糖尿病治療用単鎖インスリン類似体。
  2. 【請求項2】 前記Xが6〜9個のアミノ酸よりなるペプチ
    ドである、請求項1記載の単鎖インスリン類似体。
  3. 【請求項3】 前記Xが式:Ul-Zn-Ym-Zl-Un(式中、Uはア
    ルギニンまたはリシン残基であり、Zはアミノ酸残基で
    あり、Yはペプチドであり、lは2-nの整数であり、nは
    0、1、または2の整数であり、そして、mは2〜5の整数で
    ある)で表される、請求項2記載の単鎖インスリン類似
    体。
  4. 【請求項4】 前記式中のZがグリシンであり、Yがグリ
    シン‐プロリン-グリシンである、請求項3記載の単鎖イ
    ンスリン類似体。
  5. 【請求項5】前記式中のZがグリシンであり、Yがアラニ
    ン-プロリン-グリシン-アスパラギン酸-バリンである、
    請求項3記載の単鎖インスリン類似体。
  6. 【請求項6】 前記式中のZがグリシンであり、Yがチロ
    シン-プロリン-グリシン-アスパラギン酸-バリンであ
    る、請求項3記載の単鎖インスリン類似体。
  7. 【請求項7】 前記式中のZがグリシンであり、Yがヒス
    チジン-プロリン-グリシン-アスパラギン酸-バリンであ
    る、請求項3記載の単鎖インスリン類似体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の単鎖インスリン類似体をコ
    ードするポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のポリヌクレオチドを含む組
    換えベクター。
  10. 【請求項10】 ベクターがプラスミドである、請求項9
    記載のベクター。
  11. 【請求項11】 ベクターがウイルスである、請求項9記
    載のベクター。
  12. 【請求項12】 ウイルスがアデノ随伴ウイルスである、
    請求項11記載のベクター。
  13. 【請求項13】 誘導性プロモーターを含む請求項9記載
    のベクター。
  14. 【請求項14】 プロモーターがグルコースにより調節さ
    れる、請求項13記載のベクター。
  15. 【請求項15】 プロモーターがピルビン酸キナーゼ遺伝
    子のプロモーターである請求項14記載のベクター。
  16. 【請求項16】 プロモーターが肝細胞特異的L型ピルビ
    ン酸キナーゼ遺伝子のプロモーターである請求項15記載
    のベクター。
  17. 【請求項17】 請求項9記載のベクターにより形質転換
    された細胞系。
  18. 【請求項18】 糖尿病に羅患した哺乳動物の糖尿病を治
    療する方法であって、 a) プロモーターに連結した単鎖インスリン類似体をコ
    ードするポリヌクレオチドを含有する組換えウイルスま
    たはプラスミドベクターを作製し; b) ヒト以外の糖尿病哺乳動物に前記組換えウイルスま
    たはプラスミドベクターを導入し、前記の疾患動物に前
    記ポリヌクレオチドを発現させること、を含んでなる、
    上記方法。
  19. 【請求項19】 前記組換えウイルスベクターがアデノ随
    伴ウイルスである、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記組換えウイルスベクターが誘導性プ
    ロモーターを含む、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記プロモーターがグルコースにより調
    節される、請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記ウイルスベクターの投与量が少なく
    とも1011ウイルス粒子である、請求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 請求項1に記載の単鎖インスリン類似体
    を動物に投与することを含む、ヒト以外の糖尿病に羅患
    した哺乳動物の糖尿病を治療する方法。
  24. 【請求項24】 糖尿病がI型糖尿病である、請求項18記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 前記ベクターを請求項17記載の細胞系を
    介してヒト以外の哺乳動物に導入する、請求項18記載の
    治療方法。
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