JP2002319492A - 発光装置 - Google Patents

発光装置

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JP2002319492A JP2002010748A JP2002010748A JP2002319492A JP 2002319492 A JP2002319492 A JP 2002319492A JP 2002010748 A JP2002010748 A JP 2002010748A JP 2002010748 A JP2002010748 A JP 2002010748A JP 2002319492 A JP2002319492 A JP 2002319492A
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    • H10K30/865Intermediate layers comprising a mixture of materials of the adjoining active layers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力で、寿命の長い発光装置および電
気器具を提供する。 【解決手段】 有機化合物膜203b内に、第一の有機化合
物201の濃度および第二の有機化合物202の濃度が徐々に
変化している領域204bを設け、なおかつ、第一の有機化
合物が機能を発現できる領域201bおよび第二の有機化合
物が機能を発現できる領域202bは存在する構造を形成
し、各材料の機能を発現する。この手法により、消費電
力が低く寿命の長い有機発光素子を提供し、前記有機発
光素子を用いて発光装置および電気器具を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、陽極と、陰極と、電界
を加えることで発光が得られる有機化合物を含む膜(以
下、「有機化合物膜」と記す)と、を有する有機発光素
子を用いた発光装置に関する。本発明では特に、有機化
合物膜が真空蒸着可能な低分子化合物を含み、従来より
も駆動電圧が低く、なおかつ素子の寿命が長い有機発光
素子を用いた発光装置、およびその製造方法に関する。
なお、本明細書中における発光装置とは、発光素子とし
て有機発光素子を用いた画像表示デバイスもしくは発光
デバイスを指す。また、有機発光素子にコネクター、例
えば異方導電性フィルム(FPC:Flexible printed circ
uit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープも
しくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられた
モジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設
けられたモジュール、または有機発光素子にCOG(Chip
On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装された
モジュールも全て発光装置に含むものとする。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、電界を加えることによ
り発光する素子である。その発光機構は、電極間に有機
化合物膜を挟んで電圧を印加することにより、陰極から
注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化
合物膜中の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、
その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出
して発光すると言われている。
【0003】なお、有機化合物が形成する分子励起子の
種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能
であるが、本明細書中ではどちらの励起状態が発光に寄
与する場合も含むこととする。
【0004】このような有機発光素子において、通常、
有機化合物膜は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。
また、有機発光素子は、有機化合物膜そのものが光を放
出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプ
レイに用いられているようなバックライトも必要ない。
したがって、有機発光素子は極めて薄型軽量に作製でき
ることが大きな利点である。
【0005】また、例えば100〜200nm程度の有機化合物
膜において、キャリアを注入してから再結合に至るまで
の時間は、有機化合物膜のキャリア移動度を考えると数
十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発光までの
過程を含めてもマイクロ秒以内のオーダーで発光に至
る。したがって、非常に応答速度が速いことも特長の一
つである。
【0006】さらに、有機発光素子はキャリア注入型の
発光素子であるため、直流電圧での駆動が可能であり、
ノイズが生じにくい。駆動電圧に関しては、まず有機化
合物膜の厚みを100nm程度の均一な超薄膜とし、また、
有機化合物膜に対するキャリア注入障壁を小さくするよ
うな電極材料を選択し、さらにはヘテロ構造(二層構
造)を導入することによって、5.5Vで100cd/m2の十分な
輝度が達成された(文献1:C. W. Tang and S. A. Van
Slyke, "Organic electroluminescent diodes", Applie
d Physics Letters, vol. 51, No.12, 913-915 (198
7))。
【0007】こういった薄型軽量・高速応答性・直流低
電圧駆動などの特性から、有機発光素子は次世代のフラ
ットパネルディスプレイ素子として注目されている。ま
た、自発光型であり視野角が広いことから、視認性も比
較的良好であり、携帯機器の表示画面に用いる素子とし
て有効と考えられている。
【0008】ところで、文献1において示された有機発
光素子の構成であるが、まず、キャリア注入障壁を小さ
くする方法として、仕事関数が低い上に比較的安定なM
g:Ag合金を陰極に用い、電子の注入性を高めている。こ
のことにより、有機化合物膜に大量のキャリアを注入す
ることを可能としている。
【0009】さらに有機化合物膜として、ジアミン化合
物からなる正孔輸送層とトリス(8−キノリノラト)ア
ルミニウム(以下、「Alq3」と記す)からなる電子輸送
性発光層とを積層するという、シングルヘテロ構造を適
用することにより、キャリアの再結合効率を飛躍的に向
上させている。このことは、以下のように説明される。
【0010】例えば、Alq3単層のみを有する有機発光素
子の場合では、Alq3が電子輸送性であるため、陰極から
注入された電子のほとんどは正孔と再結合せずに陽極に
達してしまい、発光の効率は極めて悪い。すなわち、単
層の有機発光素子を効率よく発光させる(あるいは低電
圧で駆動する)ためには、電子および正孔の両方をバラ
ンスよく輸送できる材料(以下、「バイポーラー材料」
と記す)を用いる必要があり、Alq3はその条件を満たし
ていない。
【0011】しかし、文献1のようなシングルへテロ構
造を適用すれば、陰極から注入された電子は正孔輸送層
と電子輸送性発光層との界面でブロックされ、電子輸送
性発光層中へ閉じこめられる。したがって、キャリアの
再結合が効率よく電子輸送性発光層で行われ、効率のよ
い発光に至るのである。
【0012】このようなキャリアのブロッキング機能の
概念を発展させると、キャリアの再結合領域を制御する
ことも可能となる。その例として、正孔をブロックでき
る層(正孔ブロッキング層)を正孔輸送層と電子輸送層
との間に挿入することにより、正孔を正孔輸送層内に閉
じこめ、正孔輸送層の方を発光させることに成功した報
告がある。(文献2:Yasunori KIJIMA, Nobutoshi ASA
I and Shin-ichiro TAMURA, "A Blue Organic Light Em
itting Diode", Japanese Journal of Applied Physic
s, Vol. 38, 5274-5277(1999))。
【0013】また、文献1における有機発光素子は、い
わば正孔の輸送は正孔輸送層が行い、電子の輸送および
発光は電子輸送性発光層が行うという、機能分離の発想
であるとも言える。この機能分離の概念はさらに、正孔
輸送層と電子輸送層の間に発光層を挟むというダブルへ
テロ構造(三層構造)の構想へと発展した(文献3:Ch
ihaya ADACHI, Shizuo TOKITO, Tetsuo TSUTSUI and Sh
ogo SAITO, "Electroluminescence in Organic Films w
ith Three-Layered Structure", Japanese Journal of
Applied Physics, Vol. 27, No. 2, L269-L271(198
8))。
【0014】こういった機能分離の利点としては、機能
分離することによって一種類の有機材料に様々な機能
(発光性、キャリア輸送性、電極からのキャリア注入性
など)を同時に持たせる必要がなくなり、分子設計等に
幅広い自由度を持たせることができる点にある(例え
ば、無理にバイポーラー材料を探索する必要がなくな
る)。つまり、発光特性のいい材料、キャリア輸送性が
優れる材料などを、各々組み合わせることで、容易に高
発光効率が達成できるということである。
【0015】これらの利点から、文献1で述べられた積
層構造の概念(キャリアブロッキング機能あるいは機能
分離)自体は、現在に至るまで広く利用されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上で
述べたような積層構造は異種物質間の接合であるため、
その界面には必ずエネルギー障壁が生じることになる。
エネルギー障壁が存在すれば、その界面においてキャリ
アの移動は妨げられるため、以下に述べるような二つの
問題点が提起される。
【0017】まず一つは、駆動電圧のさらなる低減へ向
けての障害になるという点である。実際、現在の有機発
光素子において、駆動電圧に関しては共役ポリマーを用
いた単層構造の素子の方が優れており、パワー効率(単
位:[lm/W])でのトップデータ(ただし、一重項励起状
態からの発光を比較)を保持していると報告されている
(文献4:筒井哲夫、「応用物理学会有機分子・バイオ
エレクトロニクス分科会会誌」、Vol. 11、No. 1、P.8
(2000))。
【0018】なお、文献4で述べられている共役ポリマ
ーはバイポーラー材料であり、キャリアの再結合効率に
関しては積層構造と同等なレベルが達成できる。したが
って、バイポーラー材料を用いるなどの方法で、積層構
造を用いることなくキャリアの再結合効率さえ同等にで
きるのであれば、界面の少ない単層構造の方が実際は駆
動電圧が低くなることを示している。
【0019】例えば電極との界面においては、エネルギ
ー障壁を緩和するような材料を挿入し、キャリアの注入
性を高めて駆動電圧を低減する方法がある(文献5:Ta
keo Wakimoto, Yoshinori Fukuda, Kenichi Nagayama,
Akira Yokoi, Hitoshi Nakada,and Masami Tsuchida, "
Organic EL Cells Using Alkaline Metal Compounds as
Electron Injection Materials", IEEE TRANSACTIONS
ON ELECTRON DEVICES,VOL. 44, NO. 8, 1245-1248(199
7))。文献5では、電子注入層としてLi2Oを用いること
により、駆動電圧の低減に成功している。
【0020】しかしながら、有機材料間(例えば正孔輸
送層と発光層との間のことであり、以下、「有機界面」
と記す)のキャリア移動性に関してはいまだ未解決の分
野であり、単層構造の低駆動電圧に追いつくための重要
なポイントであると考えられる。
【0021】さらに、エネルギー障壁に起因するもう一
つの問題点として、有機発光素子の素子寿命に対する影
響が考えられる。すなわち、キャリアの移動が妨げら
れ、チャージが蓄積することによる輝度の低下である。
【0022】この劣化機構に関してははっきりした理論
は確立されていないが、陽極と正孔輸送層との間に正孔
注入層を挿入し、さらにdc駆動ではなく矩形波のac駆動
にすることによって、輝度の低下を抑えることができる
という報告がある(文献6:S.A. VanSlyke, C. H. Che
n, and C. W. Tang, "Organic electroluminescent dev
ices with improved stability", Applied Physics Let
ters, Vol. 69, No. 15, 2160-2162(1996))。このこと
は、正孔注入層の挿入およびac駆動によって、チャージ
の蓄積を排除することにより、輝度の低下を抑えること
ができたという実験的な裏付けと言える。
【0023】以上のことから、積層構造は容易にキャリ
アの再結合効率を高めることができ、なおかつ機能分離
の観点から材料の選択幅を広くできるというメリットを
持つ一方で、有機界面を多数作り出すことによってキャ
リアの移動を妨げ、駆動電圧や輝度の低下に影響を及ぼ
していると言える。
【0024】そこで本発明では、従来用いられている積
層構造とは異なる概念の素子を作製することにより、有
機化合物膜中に存在するエネルギー障壁を緩和してキャ
リアの移動性を高めると同時に、なおかつ積層構造の機
能分離と同様に各種複数の材料の機能を発現させる(以
下、「機能発現」と記す)ことを課題とする。それによ
り、従来よりも駆動電圧が低い上に素子の寿命が長い有
機発光素子を提供することを課題とする。
【0025】また、このような有機発光素子を用いるこ
とにより、従来よりも駆動電圧が低く、なおかつ寿命の
長い発光装置を提供することを課題とする。さらに、前
記発光装置を用いて電気器具を作製することにより、従
来よりも低消費電力で、なおかつ長保ちする電気器具を
提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】積層構造におけるエネル
ギー障壁の緩和に関しては、文献5に見られるようなキ
ャリア注入層の挿入という技術に顕著に見られる。正孔
注入層を例として、エネルギーバンドダイアグラムを用
いた説明を図1に示す。
【0027】図1(a)では陽極101と正孔輸送層102を直
接接合しているが、この場合、陽極101と正孔輸送層102
のエネルギー障壁104は大きい。しかしながら、陽極の
イオン化ポテンシャルと正孔輸送層の最高被占分子軌道
(以下、「HOMO」と記す)準位との中間に位置するHOMO
準位を有する材料を、正孔注入層103として挿入するこ
とにより、エネルギー障壁を階段状に設計することがで
きる(図1(b))。
【0028】図1(b)のような階段状のエネルギー障壁
を設計することにより、電極からのキャリア注入性を高
め、確かに駆動電圧をある程度までは下げることができ
る。しかしながら問題点は、層の数を増やすことによっ
て、有機界面の数は逆に増加することである。このこと
が、文献4で示されているように、単層構造の方が駆動
電圧・パワー効率のトップデータを保持している原因で
あると考えられる。
【0029】逆に言えば、この点を克服することによ
り、積層構造のメリット(様々な材料を組み合わせるこ
とができ、複雑な分子設計が必要ない)を活かしつつ、
なおかつ単層構造の駆動電圧・パワー効率に追いつくこ
とができる。
【0030】そこで本発明者は、2種類以上の真空蒸着
可能な有機化合物を含む有機化合物膜において、実質上
有機化合物膜中の界面をなくし、有機化合物膜中のエネ
ルギー障壁を緩和する手法を考案した。
【0031】すなわち、有機化合物膜が、陽極から正孔
を受け取る正孔注入性化合物、正孔輸送性化合物、電子
輸送性化合物、陰極から電子を受け取る電子注入性化合
物、正孔または電子の移動を阻止しうるブロッキング性
化合物、の一群から選ばれる、真空蒸着可能な少なくと
も二つの化合物を含有する場合、その少なくとも二つの
化合物が混合している領域(以下、「混合領域」と記
す)を設けることにより、実質上有機化合物膜中の界面
をなくす手法である。以下ではこの手法を、混合接合と
記す。
【0032】この場合、正孔注入性化合物、電子注入性
化合物、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物は、発光
を呈する機能を兼ね備えていてもよい。
【0033】また、混合領域は陽極および陰極から離れ
た位置に形成することが好ましい。一つの理由として、
キャリア注入、キャリア輸送、発光などの各機能を発現
できる領域は保持したまま、有機化合物膜中の界面を混
合領域とすることで、障壁を緩和させるためである。
【0034】特に、混合領域が発光の機能を有する場
合、混合領域を電極から遠ざけ、電極による消光(以
下、「クエンチ」と記す)を防止するため、電極から離
す必要がある。その場合、分子励起子の拡散を考慮し、
混合領域を電極から20nm以上は離すことが好ましい。離
す距離の程度は、キャリアバランスを考慮して最も効率
の良い距離を選択すればよい。
【0035】ところで、このような混合接合を形成する
場合において、混合領域に対してゲストをドープする手
法も考えられる。混合領域においては、キャリアの移動
が潤滑であると考えられるため、ゲストとして発光を呈
する発光性化合物を用いることが好ましい。
【0036】以上で述べたような混合接合を実施するこ
とにより、明瞭な積層構造を示すことなく(すなわち、
明確な有機界面がなく)、かつ、機能発現が可能な有機
発光素子を作製できる。
【0037】また、第一の有機化合物と、前記第一の有
機化合物とは異なる第二の有機化合物と、を含有してい
る有機化合物膜中において、前記第一の有機化合物およ
び前記第二の有機化合物が混合しており、かつ、前記第
一の有機化合物の濃度および前記第二の有機化合物の濃
度が変化している領域(以下、「濃度変化領域」と記
す)を設ける手法も、本発明に好適である。すなわち、
混合領域に濃度変化を付与する概念であるとも言える。
さらに、濃度変化領域における濃度変化は、連続的であ
ればなお好ましい。以下ではこれらの手法を、「連続接
合」と記すことにする。
【0038】従来の積層構造および本発明の連続接合の
概念図を図2に示す。図2(a)は従来の積層構造(シン
グルへテロ構造)である。すなわち、第一の有機化合物
201および第二の有機化合物202からなる有機化合物膜20
3aを有し、かつ、第一の有機化合物層201aおよび第二の
有機化合物層202aから形成される積層構造(あるいは、
明確な有機界面と言ってもよい)が存在している。この
場合、第一の有機化合物201の濃度および第二の有機化
合物202の濃度が徐々に変化する領域は存在せず、不連
続になっていることがわかる(すなわち、有機界面にお
いて、濃度が0%から100%に変化、あるいは100
%から0%に変化している)。
【0039】しかしながら本発明(図2(b))の場合、
有機化合物膜203b内に、第一の有機化合物201の濃度お
よび第二の有機化合物202の濃度が徐々に変化している
領域(すなわち濃度変化領域204b)が存在するため、明
確な有機界面は存在しない。しかしながら、第一の有機
化合物が機能を発現できる領域(第一機能領域201b)お
よび第二の有機化合物が機能を発現できる領域(第二機
能領域202b)は存在するため、各材料の機能は発現でき
る。なお、図2(b)では特に、その濃度変化が連続的で
ある連続接合を図示してある。
【0040】以上で述べたような連続接合を実施するこ
とにより、明瞭な積層構造を示すことなく(すなわち、
明確な有機界面がなく)、かつ、機能発現が可能な有機
発光素子を作製できる。
【0041】ところで、濃度変化領域に含まれる第一の
有機化合物および第二の有機化合物は、本発明の概念
(すなわち、積層構造を用いずに、各種複数の材料の機
能を発現する)の観点から、異なる機能を有することが
好ましい。
【0042】したがって、第一の有機化合物および第二
の有機化合物が、陽極から正孔を受け取る正孔注入性、
電子移動度よりも正孔移動度の方が大きい正孔輸送性、
正孔移動度よりも電子移動度の方が大きい電子輸送性、
陰極から電子を受け取る電子注入性、正孔または電子の
移動を阻止しうるブロッキング性、発光を呈する発光
性、の一群から選ばれる性質を有し、かつ、それぞれ異
なる前記性質を有する場合を、本発明に含めるものとす
る。
【0043】特に、第一の有機化合物を正孔輸送性と
し、第二の有機化合物を電子輸送性として、陽極から陰
極への方向に対し、第一の有機化合物の濃度は減少する
とともに第二の有機化合物の濃度は増加するように連続
接合を形成したものは、キャリアバランスの観点から好
ましい手法である。
【0044】また、濃度変化領域に含まれる第二の有機
化合物が発光性であり、かつ、第一の有機化合物が正孔
輸送性であれば、陽極から陰極への方向に対し、第一の
有機化合物の濃度は減少するとともに第二の有機化合物
の濃度は増加する濃度変化領域の形成が好ましい(濃度
変化領域において、陽極側で正孔輸送性の材料が高濃度
になるようにする)。
【0045】逆に、濃度変化領域に含まれる第一の有機
化合物が発光性であり、かつ、第二の有機化合物が電子
輸送性であれば、陽極から陰極への方向に対し、第一の
有機化合物の濃度は減少するとともに第二の有機化合物
の濃度は増加する濃度変化領域の形成が好ましい(濃度
変化領域において、陰極側で電子輸送性の材料が高濃度
になるようにする)。
【0046】なお、第一の有機化合物としては、正孔輸
送性の高い芳香族ジアミン化合物が好ましく、4,4
‘−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル
アミノ]−ビフェニル(以下、「TPD」と記す)、4,
4‘−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]−ビフェニル(以下、「α-NPD」と記す)、4,
4’,4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N
−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(以下、「MTDA
TA」と記す)、などが主に用いられる。また、第二の有
機化合物としては、電子輸送性の高いベンゾキノリン骨
格を含む金属錯体、またはオキサジアゾール誘導体、ま
たはトリアゾール誘導体、またはフェナントロリン誘導
体が好ましく、Alq3の他、ビス(10−ヒドロキシベン
ゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(以下、「BeBq2」と
記す)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−ter
t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール
(以下、「PBD」と記す)、1,3−ビス[5−(p−
tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
ゾール−2−イル]ベンゼン(以下、「OXD−7」と記
す)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フ
ェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリ
アゾール(以下、「TAZ」と記す)、3−(4−ter
t−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−
5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール
(以下、「Et-TAZ」と記す)などが主に用いられる。
【0047】また、以上で述べたような連続接合を実施
する際、濃度変化領域において、第三の有機化合物をゲ
ストとして添加することで、前記ゲストの機能を付与す
る手法が考えられる。機能発現の観点からは、発光を呈
する発光性化合物をゲストとすることが好ましい。なぜ
ならば、濃度変化領域を形成する第一の有機化合物およ
び第二の有機化合物にはキャリアの輸送性ないしはブロ
ッキング性を持たせ、その濃度変化領域に発光性化合物
を添加することで、キャリアの再結合率を高め、発光効
率が高くなると考えられるためである。
【0048】その概念図を図3(a)に示す。図3(a)で
は、基板301上において、陽極302と陰極304との間に、
第一の有機化合物および第二の有機化合物を含む有機化
合物膜303を設け、その濃度変化領域305に発光を呈する
発光性化合物306を添加して、発光領域とした。
【0049】発光性化合物としては、安定に発光するキ
ノリン骨格を含む金属錯体、またはベンゾオキサゾール
骨格を含む金属錯体、またはベンゾチアゾール骨格を含
む金属錯体が好ましく、Alq3、BeBq2の他、トリス(4
−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(以下、
「Almq3」と記す)などが主に用いられる。
【0050】ところで近年、発光効率の観点で言えば、
三重項励起状態から基底状態に戻る際に放出されるエネ
ルギー(以下、「三重項励起エネルギー」と記す)を発
光に変換できる有機発光素子が、その高い発光効率ゆえ
に注目されている(文献7:D.F. O'Brien, M. A. Bald
o, M. E. Thompson and S. R. Forrest, "Improved ene
rgy transfer in electrophosphorescent devices", Ap
plied Physics Letters, vol. 74, No. 3, 442-444 (19
99))(文献8:Tetsuo TSUTSUI, Moon-Jae YANG, Masa
yuki YAHIRO, Kenji NAKAMURA, Teruichi WATANABE, Ta
ishi TSUJI, Yoshinori FUKUDA, Takeo WAKIMOTO and S
atoshi MIYAGUCHI, "High Quantum Efficiency in Orga
nic Light-Emitting Devices with Iridium-Complex as
a Triplet Emissive Center", Japanese Journal of A
pplied Physics, Vol. 38, L1502-L1504 (1999))。
【0051】文献7では白金を中心金属とする金属錯体
を、文献8ではイリジウムを中心金属とする金属錯体を
用いている。これらの三重項励起エネルギーを発光に変
換できる有機発光素子(以下、「三重項発光素子」と記
す)は、従来よりも高輝度発光・高発光効率を達成する
ことができる。
【0052】しかしながら、文献8の報告例によると、
初期輝度を500cd/m2に設定した場合の輝度の半減期は17
0時間程度であり、素子寿命に問題がある。そこで、本
発明を三重項発光素子に適用することにより、三重項励
起状態からの発光による高輝度発光・高発光効率に加
え、素子の寿命も長いという非常に高機能な発光素子が
可能となる。
【0053】したがって、ゲストである第三の有機化合
物として、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材
料を選択し、濃度変化領域に添加した場合も本発明に含
めることとする。
【0054】第三の有機化合物として考えられるもの
は、発光を呈する発光性化合物に限る必要はない。特
に、第一の有機化合物ないしは第二の有機化合物が発光
を呈する場合には、第三の有機化合物として、前記第一
の有機化合物および前記第二の有機化合物に比べて、最
高被占分子軌道と最低空分子軌道とのエネルギー差(以
下、「励起エネルギーレベル」と記す)が大きい化合物
(すなわち、キャリアおよび分子励起子をブロッキング
できる化合物)を用いることが好ましい。この手法によ
り、第一の有機化合物および第二の有機化合物により形
成された濃度変化領域において、キャリアの再結合率を
高め、発光効率を高めることが可能となる。
【0055】その概念図を図3(b)に示す。図3(b)で
は、基板301上において、陽極302と陰極304との間に、
第一の有機化合物および第二の有機化合物を含む有機化
合物膜303を設け、その濃度変化領域305にキャリアおよ
び分子励起子をブロッキングできる化合物307を添加し
た。
【0056】なお、図3(b)では、濃度変化領域305に対
し、さらに発光を呈する発光性化合物306を添加した発
光領域も設けてある。すなわち、第三の有機化合物とし
て発光を呈する発光性化合物を用いる手法(図3(a))
と、併合した形態である。ここでは、キャリアおよび分
子励起子をブロッキングできる化合物307の方が発光を
呈する発光性化合物306よりも陰極側にあるため、キャ
リアおよび分子励起子をブロッキングできる化合物307
は正孔ブロッキング性のものを用いればよい。
【0057】キャリアおよび分子励起子をブロッキング
できる化合物としては、励起エネルギーレベルの大きな
フェナントロリン誘導体、またはオキサジアゾール誘導
体、またはトリアゾール誘導体が好ましく、PBD、OXD−
7、TAZ、Et-TAZの他、バソフェナントロリン、バソキュ
プロインなどが主として用いられる。
【0058】ところで、以上で述べたような濃度変化領
域を特定する場合に、SIMSによる元素分析が重要な技術
になると考えられる。特に、濃度変化が連続的である場
合は、図2で示した概念図からもわかるように、従来の
積層構造と比べて顕著な差が現れると考えられる。
【0059】したがって、第一の有機化合物または第二
の有機化合物を構成する元素のうち、SIMSにより検知で
きる前記元素の検出量が、前記陽極から前記陰極への方
向に対して、連続的に変化する領域を有する発光装置
を、本発明に含めるものとする。
【0060】また、第一の有機化合物または第二の有機
化合物として金属錯体を用いた場合、金属元素を検出す
ることで連続的な濃度変化を検知できる。有機発光素子
としてよく用いられる金属錯体に含まれる金属元素とし
ては、アルミニウム、亜鉛、ベリリウムなどが主流であ
る。
【0061】さらに、濃度変化領域に対して第三の有機
化合物をゲストとして添加する場合、SIMSにより検知で
きる第三の有機化合物の検出領域は、第一の有機化合物
および第二の有機化合物の両方を含む領域(すなわち濃
度変化領域)である発光装置も、本発明に含めるものと
する。
【0062】また、そのゲストとなる化合物、特に発光
を呈する発光性化合物として、金属錯体が用いられるこ
とがある。したがって、第三の有機化合物は金属元素を
有する金属錯体であり、SIMSにより検知できる前記金属
元素の検出領域は、前記第一の有機化合物および前記第
二の有機化合物の両方を含む領域(すなわち濃度変化領
域)である発光装置も、本発明に含めるものとする。
【0063】発光性化合物として用いられる金属錯体に
含まれる金属元素としては、アルミニウム、または亜
鉛、またはベリリウムなどが主流である。また、第三の
有機化合物が三重項励起状態からの発光を呈する発光性
化合物である場合、イリジウムや白金を中心金属とする
金属錯体が主流であるため、イリジウムや白金を検出で
きる。
【0064】以上のような本発明を実施することによ
り、従来よりも駆動電圧が低く、なおかつ寿命の長い発
光装置を提供することができる。さらに、前記発光装置
を用いて電気器具を作製することにより、従来よりも低
消費電力で、なおかつ長保ちする電気器具を提供するこ
とができる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下では、本発明を実施する際の
形態について述べる。なお、有機発光素子は、発光を取
り出すために少なくとも陽極または陰極の一方が透明で
あればよいが、本実施の形態では、基板上に透明な陽極
を形成し、陽極から光を取り出す素子構造で記述する。
実際は、陰極から光を取り出す構造や、基板とは逆側か
ら光を取り出す構造も本発明に適用可能である。
【0066】本発明を実施するに当たり、混合領域ない
しは濃度変化領域を形成する製造工程が重要になる。本
発明者は、真空蒸着可能な低分子化合物を含む有機化合
物膜において、真空蒸着プロセスを利用して混合領域な
いしは濃度変化領域を形成する工程を考案した。そこ
で、ここでは本発明で開示する有機発光素子を用いた発
光装置の製造方法について述べる。
【0067】従来の工程、特に量産プロセスでは、正孔
輸送材料、発光層材料、電子輸送材料等を真空蒸着によ
り積層する際に、それぞれの材料がコンタミネーション
しないようにするため、マルチチャンバー方式(インラ
イン方式)の蒸着装置を用いる。その上面図を図4に示
す。
【0068】図4に示した例は、正孔輸送層・発光層・
電子輸送層の三層構造(ダブルへテロ構造)を形成する
ための蒸着装置の概念図である。まず、搬入室に陽極
(ITOなど)を有する基板を搬入し、まず紫外線照射室
において真空雰囲気中で紫外線を照射することにより、
陽極表面をクリーニングする。特に陽極がITOのような
酸化物である場合、前処理室にて酸化処理を行う。さら
に、積層構造の各層を形成するため、蒸着室401で正孔
輸送層を、蒸着室402〜404で発光層(図4では、赤、
緑、青の三色)を、蒸着室405で電子輸送層を成膜し、
蒸着室406で陰極を蒸着する。最後に、封止室にて封止
を行い、搬出室から取り出して有機発光素子を得る。
【0069】このようなインライン方式の蒸着装置の特
色としては、各層の蒸着を、それぞれことなる蒸着室40
1〜406において蒸着していることである。したがって、
それぞれの蒸着室401〜406には、通常一つの蒸着源411
〜416を設ければよい(ただし、蒸着室402〜404におい
て、色素をドープすることにより発光層を形成する場
合、共蒸着層を形成するために二つの蒸着源が必要にな
ることもある)。つまり、各層の材料がほとんど互いに
混入しないような装置構成となっている。
【0070】一方、本発明の有機発光素子を作製する蒸
着装置の概念図を、図5に示す。図5(a)はその上面図
であるが、蒸着室として一つの真空槽510を設置し、そ
の真空槽内に複数の蒸着源を設けてある、シングルチャ
ンバー方式である。そして、正孔注入性化合物、正孔輸
送性化合物、電子輸送性化合物、電子注入性化合物、ブ
ロッキング性化合物、発光性化合物、陰極の構成材料な
ど、各種機能の異なる材料が、それぞれ前記複数の蒸着
源に別々に収納されている。
【0071】このような蒸着室を有する蒸着装置におい
ては、まず、搬入室に陽極(ITOなど)を有する基板を
搬入し、陽極がITOのような酸化物である場合、前処理
室にて酸化処理を行う(なお、図5(a)では図示してい
ないが、陽極表面をクリーニングするために紫外線照射
室を設置することも可能である)。さらに、有機化合物
膜を形成する全ての材料は、真空槽510内において蒸着
される。陰極は、この真空槽510内で形成してもよい
し、別に蒸着室を設けてそこで陰極を形成してもよい。
要は、有機化合物膜を一つの真空槽510内で形成すれば
よい。最後に、封止室にて封止を行い、搬出室から取り
出して有機発光素子を得る。
【0072】このようなシングルチャンバー方式の蒸着
装置を用いて本発明の有機発光素子を作製する手順を、
図5(b)(真空槽510の断面図)を用いて説明する。図5
(b)では、図面簡略化のため、二つの蒸着源(有機化合
物蒸着源a518および有機化合物蒸着源b519)を有する真
空槽510を用い、第一の有機化合物516および第二の有機
化合物517からなる混合領域ないしは濃度変化領域を形
成する過程を示す。
【0073】まず、真空槽510内に、陽極502を有する基
板501を搬入し、固定台511にて固定する(蒸着時には通
常、基板は回転させる)。次に、真空槽510内を減圧
(10-4パスカル程度)した後、容器a512を加熱し、第
一の有機化合物516を蒸発させ、所定の蒸着レート(単
位:nm/s)に達してからシャッターa514を開け、蒸着
を開始する。
【0074】その後、シャッターa514を閉じ、容器a512
の加熱を終了することによって、第一の有機化合物516
が蒸発しないようにするが、この時、真空槽510内に
は、第一の有機化合物が存在する雰囲気503が生じてい
る。さらに、この状態を維持しつつ、容器b513を加熱し
てシャッターb515を開けることによって、第二の有機化
合物517を蒸発させる(図5(b)で示した状態)。この手
順によって、混合領域ないしは濃度変化領域を有する有
機化合物膜504を形成することが可能となる。
【0075】有機化合物蒸着源a518および有機化合物蒸
着源b519の具体的な形状を図24に示す。蒸着源の形状
としては、セルを用いるタイプや導電性の発熱体を用い
るタイプなどがあるが、図24では導電性の発熱体を用
いるタイプを示す。すなわち、容器a512および容器b513
を導電性の発熱体とし、第一の有機化合物516が入った
容器a512を電極a2401に、第二の有機化合物516が入った
容器b513を電極b2402にそれぞれ挟み込み、通電するこ
とにより容器a512および容器b513を加熱して蒸着する。
【0076】ところで、先に蒸着した有機化合物が存在
する雰囲気を利用するための具体的な方法として、図6
(a)に概念図として示したように、真空槽内の圧力に着
目する手法がある。すなわち、ある有機化合物を蒸発さ
せると、蒸着を開始する前の初期減圧状態に比べて真空
槽内の圧力は上昇するが、真空ポンプを作動させつつも
初期減圧状態に戻りきらないうちに、次の有機化合物を
蒸発させることによって、混合領域ないしは濃度変化領
域を形成するものである。
【0077】図6(a)から、一つの真空槽内で有機化合
物膜を形成する際に、インターバル等を短く設定するこ
とによって、先に蒸着した有機化合物が存在する雰囲気
を利用できることがわかる。
【0078】この手法を用いると、どうしても途中で明
瞭な積層構造を形成したい場合でも、真空槽内の圧力が
初期減圧状態以下に戻るまで待ち、その後次の有機化合
物を蒸着することで実現できるため、応用範囲は広い。
【0079】図6(b)は、銅フタロシアニン(以下、「C
uPc」と記す)、MTDATA、α−NPD、Alq3を、一つの
真空槽内で順に蒸着していったときの、真空槽内の圧力
変化を示したものである。
【0080】図6(b)において、加熱開始(図中のクロ
ーズド・サークル)とは、導電性の発熱体に電流を流し
始めてから有機化合物が蒸発し始めるまでの期間を表
し、蒸着レート制御期間(図中のオープン・トライアン
グル)とは、有機化合物が蒸発し始めてからシャッター
を開けるまでの期間を表し、蒸着期間(図中のオープン
・スクウェア)とは、シャッターを開けて蒸着している
期間を表し、インターバル(図中のクロス)とは、次の
有機化合物を加熱し始めるまでの期間を表している。プ
ロットは10秒おきに記録したものである。
【0081】ところで、上で述べた混合領域ないしは濃
度変化領域の形成手順に加えて、有機化合物膜および陰
極の形成後、10-4パスカル以下の減圧下において加熱
処理することが望ましい。このプロセスを加えることに
より、有機分子同士の拡散を誘起し、濃度変化領域、特
に連続的な濃度変化領域を形成することが容易となる。
加熱処理の温度は、ガラス転移や体積変化などが生じな
い温度であればよいが、60℃〜100℃程度が好ましい。
【0082】以上で述べたような製造方法により、本発
明で開示した混合領域または濃度変化領域を形成するこ
とができる。
【0083】
【実施例】[実施例1]本実施例では、一つの真空槽内
に二つの有機化合物の蒸着源が設置されている蒸着室に
おいて、本発明で開示した有機発光素子を作製した例を
示す。
【0084】まず、インジウム錫酸化物(以下、「IT
O」と記す)をスパッタリングによって100nm程度成膜
し、陽極を形成したガラス基板を用意する。この陽極を
有するガラス基板を、真空槽内に搬入する。
【0085】次に、本発明で開示したように、一つの真
空槽内においてTPDを蒸着し、次いでAlq3を蒸着し、ト
ータル膜厚が100nm程度の有機化合物膜を形成した。最
後に、陰極としてMg:Ag合金を150nm程度蒸着した。
【0086】このようにして作製された有機発光素子
の、断面TEM写真を図7に示す。図7のように、有機化
合物膜中にTPDおよびAlq3より形成される明確な有機界
面は存在しておらず、図2(a)のような従来の積層構造
とは異なり、混合領域ないしは濃度変化領域が形成され
ていることが示唆される。
【0087】本実施例にて作製した有機発光素子の、素
子特性を図8に示す。I-V特性は、有機発光素子などの
整流性を示す素子に特有の形状を呈している。また、発
光スペクトルはAlq3の発光スペクトルに一致しており、
TPDの正孔輸送性、Alq3の発光性(および電子輸送性)
という各機能は、それぞれ発現していることがわかる。
【0088】[実施例2]本実施例では、一つの真空槽
内に複数の有機化合物の蒸着源が設置されている蒸着室
において、本発明で開示した有機発光素子を作製した例
を示す。ここでは、イリジウム錯体を発光性化合物とし
て用いた三重項発光素子を作製した。
【0089】イリジウム錯体を用いた三重項発光素子
は、多くの場合、多層構造を形成して作製される。これ
は、一つにはイリジウム錯体を励起できるだけの大きな
励起エネルギーを有するホスト材料が限られており、機
能分離する必要があることが要因である。また、三重項
分子励起子の拡散長は一重項分子励起子の拡散長に比べ
て非常に長いため、分子励起子の拡散を防ぐためのブロ
ッキング層が必要であることも要因の一つである。
【0090】三重項発光素子の基本的構成を図9に示す
(文献9:M. A. Baldo, S. Lamansky, P. E. Burrows,
M. E. Thompson, and S. R. Forrest, "Very high-eff
iciency green organic light-emitting devices based
on electrophosphorescence",Applied Physics Letter
s, vol. 75, No. 1, 4-6 (1999))。文献9では、三重
項励起状態からの発光を呈するトリス(2−フェニルピ
リジン)イリジウム(以下、「Ir(ppy)3」と記す)に対
するホストとして、4, 4'−N, N'−ジカルバゾール−ビ
フェニル(以下、「CBP」と記す)を用いており、さら
にブロッキング層としてバソキュプロイン(以下、「BC
P」と記す)を用いており、多層構造(文献9では四層
構造)を形成している。
【0091】ここでまず予備実験として、本発明で開示
したように、一つの真空槽内において順次、α−NPDを
蒸着、10wt%のIr(ppy)3とCBPを共蒸着、BCPを蒸着して
作製した素子の断面を、TEMにて観察した。素子の構
造、および膜厚モニター(水晶振動子)から算出した膜
厚を、図10(a)に示す。また、その断面TEM写真を図1
1に示す。
【0092】図11から、有機化合物膜中に明確な有機
界面は存在しておらず、図9のような従来の多層構造と
は異なり、混合領域ないしは濃度変化領域が形成されて
いることが示唆される。このことから、実際は図10
(b)に示すとおり、α−NPDが機能を発現できる領域100
1、Ir(ppy)3およびCBPが機能を発現できる領域1002、お
よびBCPが機能を発現できる領域1003は存在するもの
の、図10(a)の破線部分において、明確な有機界面は
存在しないと考えた。
【0093】明確な有機界面が存在しないことは示唆さ
れたが、実際に各材料が機能を発現し、発光に至るかど
うかを確認するため、図12(a)に示すような素子を作
製した。その作製方法を以下に示す。
【0094】まず、インジウム錫酸化物(以下、「IT
O」と記す)をスパッタリングによって100nm程度成膜
し、陽極を形成したガラス基板を用意する。この陽極を
有するガラス基板を、真空槽内に搬入する。
【0095】次に、本発明で開示したように、一つの真
空槽内において順次、α−NPDを蒸着し、次いで7wt%のI
r(ppy)3とCBPを共蒸着し、BCPを蒸着し、さらに電子輸
送性を陰極側に付与するためAlq3を蒸着することによっ
て、トータル膜厚が110nm程度の有機化合物膜を形成し
た。最後に、陰極としてYbを400nm程度蒸着した。
【0096】本実施例にて作製した有機発光素子の、素
子特性を図13に示す。I-V特性は、有機発光素子など
の整流性を示す素子に特有の形状を呈している。また、
発光スペクトルはIr(ppy)3の発光スペクトルに一致して
おり、α−NPDの正孔輸送性、Alq3の電子輸送性、BCPの
ブロッキング性、CBPのホスト材料としての性能、およ
びIr(ppy)3の三重項発光性という各機能は、それぞれ発
現していることがわかる。
【0097】このことから、実際は図12(b)に示すと
おり、α−NPDが機能を発現できる領域1201、Ir(ppy)3
およびCBPが機能を発現できる領域1202、BCPが機能を発
現できる領域1203、Alq3が機能を発現できる領域1204は
存在するものの、図12(a)の破線部分において、明確
な有機界面は存在しないことが示唆される。
【0098】[実施例3]本実施例では、本発明で開示
した有機発光素子を含む発光装置について説明する。図
14は本発明の有機発光素子を用いたアクティブマトリ
クス型発光装置の断面図である。なお、能動素子として
ここでは薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す)を
用いているが、MOSトランジスタを用いてもよい。
【0099】また、TFTとしてトップゲート型TFT(具体
的にはプレーナ型TFT)を例示するが、ボトムゲート型T
FT(典型的には逆スタガ型TFT)を用いることもでき
る。
【0100】図14において、1401は基板であり、ここ
では可視光を透過する基板を用いる。具体的には、ガラ
ス基板、石英基板、結晶化ガラス基板もしくはプラスチ
ック基板(プラスチックフィルムを含む)を用いればよ
い。なお、基板1401とは、表面に設けた絶縁膜も含める
ものとする。
【0101】基板1401の上には画素部1411および駆動回
路1412が設けられている。まず、画素部1411について説
明する。
【0102】画素部1411は画像表示を行う領域である。
基板上には複数の画素が存在し、各画素には有機発光素
子に流れる電流を制御するためのTFT(以下、「電流制
御TFT」と記す)1402、画素電極(陽極)1403、有機化
合物膜1404および陰極1405が設けられている。なお、図
14では電流制御TFTしか図示していないが、電流制御T
FTのゲートに加わる電圧を制御するためのTFT(以下、
「スイッチングTFT」と記す)を設けている。
【0103】電流制御TFT1402は、ここではpチャネル型
TFTを用いることが好ましい。nチャネル型TFTとするこ
とも可能であるが、図14のように有機発光素子の陽極
に電流制御TFTを接続する場合は、pチャネル型TFTの方
が消費電力を押さえることができる。ただし、スイッチ
ングTFTはnチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもよ
い。
【0104】また、電流制御TFT1402のドレインには画
素電極1403が電気的に接続されている。本実施例では、
画素電極1403の材料として仕事関数が4.5〜5.5eVの導電
性材料を用いるため、画素電極1403は有機発光素子の陽
極として機能する。画素電極1403として代表的には、酸
化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛もしくはこれらの化合
物(ITOなど)を用いればよい。画素電極1403の上には
有機化合物膜1404が設けられている。
【0105】さらに、有機化合物膜1404の上には陰極14
05が設けられている。陰極1405の材料としては、仕事関
数が2.5〜3.5eVの導電性材料を用いることが望ましい。
陰極1405として代表的には、アルカリ金属元素もしくは
アルカリ度類金属元素を含む導電膜、アルミニウムを含
む導電膜、あるいはその導電膜にアルミニウムや銀など
を積層したもの、を用いればよい。
【0106】また、画素電極1403、有機化合物膜1404、
および陰極1405からなる層は、保護膜1406で覆われてい
る。保護膜1406は、有機発光素子を酸素および水から保
護するために設けられている。保護膜1406の材料として
は、窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
タンタル、もしくは炭素(具体的にはダイヤモンドライ
クカーボン)を用いる。
【0107】次に、駆動回路1412について説明する。駆
動回路1412は画素部1411に伝送される信号(ゲート信号
およびデータ信号)のタイミングを制御する領域であ
り、シフトレジスタ、バッファ、ラッチ、アナログスイ
ッチ(トランスファゲート)もしくはレベルシフタが設
けられている。図14では、これらの回路の基本単位と
してnチャネル型TFT1407およびpチャネル型TFT1408から
なるCMOS回路を示している。
【0108】なお、シフトレジスタ、バッファ、ラッ
チ、アナログスイッチ(トランスファゲート)もしくは
レベルシフタの回路構成は、公知のものでよい。また図
14では、同一の基板上に画素部1411および駆動回路14
12を設けているが、駆動回路1412を設けずにICやLSIを
電気的に接続することもできる。
【0109】また、図14では電流制御TFT1402に画素
電極(陽極)1403が電気的に接続されているが、陰極が
電流制御TFTに接続された構造をとることもできる。そ
の場合、画素電極を陰極1405と同様の材料で形成し、陰
極を画素電極(陽極)1403と同様の材料で形成すればよ
い。その場合、電流制御TFTはnチャネル型TFTとするこ
とが好ましい。
【0110】ところで、図14に示した発光装置は、画
素電極1403を形成した後に配線1409を形成する工程で作
製されたものを示してあるが、この場合、画素電極1403
が表面荒れを起こす可能性がある。有機発光素子は電流
駆動型の素子であるため、画素電極1403の表面荒れによ
り、特性が悪くなることも考えられる。
【0111】そこで、図15に示すように、配線1509を
形成した後に画素電極1503を形成する発光装置も考えら
れる。この場合、図14の構造に比べて、画素電極1503
からの電流の注入性が向上すると考えられる。
【0112】また、図14および図15においては、正
テーパー型の土手状構造1410または1510によって、画素
部1411または1511に設置されている各画素を分離してい
る。この土手状構造を、例えば逆テーパー型のような構
造にすることにより、土手状構造が画素電極に接しない
構造をとることもできる。その一例を図16に示す。
【0113】図16では、配線を利用して分離部を兼ね
た、配線および分離部1610を設けた。図16で示される
ような配線および分離部1610の形状(ひさしのある構
造)は、配線を構成する金属と、前記金属よりもエッチ
レートの低い材料(例えば金属窒化物)とを積層し、エ
ッチングすることにより形成することができる。この形
状により、画素電極1603や配線と、陰極1605とが、ショ
ートすることを防ぐことができる。なお、図16におい
ては、通常のアクティブマトリクス型の発光装置と異な
り、画素上の陰極1605をストライプ状(パッシブマトリ
クスの陰極と同様)にする構造になる。
【0114】ここで、図15に示したアクティブマトリ
クス型発光装置の外観を図17に示す。なお、図17
(a)には上面図を示し、図17(b)には図17(a)をP−P'
で切断した時の断面図を示す。また、図15の符号を引
用する。
【0115】図17(a)において、1701は画素部、1702
はゲート信号側駆動回路、1703はデータ信号側駆動回路
である。また、ゲート信号側駆動回路1702およびデータ
信号側駆動回路1703に伝送される信号は、入力配線1704
を介してTAB(Tape AutomatedBonding)テープ1705から
入力される。なお、図示しないが、TABテープ1705の代
わりに、TABテープにIC(集積回路)を設けたTCP(Tape
Carrier Package)を接続してもよい。
【0116】このとき、1706は図15に示した有機発光
素子の上方に設けられるカバー材であり、樹脂からなる
シール材1707により接着されている。カバー材1706は酸
素および水を透過しない材質であれば、いかなるものを
用いてもよい。本実施例では、カバー材1706は図17
(b)に示すように、プラスチック材1706aと、前記プラス
チック材1706aの表面および裏面に設けられた炭素膜
(具体的にはダイヤモンドライクカーボン膜)1706b、1
706cからなる。
【0117】さらに、図17(b)に示すように、シール
材1707は樹脂からなる封止材1708で覆われ、有機発光素
子を完全に密閉空間1709に封入するようになっている。
密閉空間1709は不活性ガス(代表的には窒素ガスや希ガ
ス)、樹脂または不活性液体(例えばパーフルオロアル
カンに代表される液状のフッ素化炭素)を充填しておけ
ばよい。さらに、吸湿剤や脱酸素剤を設けることも有効
である。
【0118】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物層
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0119】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0120】[実施例4]本実施例では、本発明で開示
した有機発光素子を含む発光装置の例として、パッシブ
マトリクス型発光装置を例示する。図18(a)にはその
上面図を示し、図18(b)には図18(a)をP−P'で切断
した時の断面図を示す。
【0121】図18(a)において、1801は基板であり、
ここではプラスチック材を用いる。プラスチック材とし
ては、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、PES(ポリエーテルスルホン)、PC(ポリカー
ボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)もし
くはPEN(ポリエーテルニトリル)を板状、もしくはフ
ィルム上にしたものが使用できる。
【0122】1802は酸化導電膜からなる走査線(陽極)
であり、本実施例では酸化亜鉛に酸化ガリウムを添加し
た酸化物導電膜を用いる。また、1803は金属膜からなる
データ線(陰極)であり、本実施例ではビスマス膜を用
いる。また、1804はアクリル樹脂からなるバンクであ
り、データ線1803を分断するための隔壁として機能す
る。走査線1802とデータ線1803は両方とも、ストライプ
状に複数形成されており、互いに直交するように設けら
れている。なお、図18(a)では図示していないが、走
査線1802とデータ線1803の間には有機化合物層が挟まれ
ており、交差部1805が画素となる。
【0123】そして、走査線1802およびデータ線1803は
TABテープ1807を介して外部の駆動回路に接続される。
なお、1808は走査線1802が集合してなる配線群を表して
おり、1809はデータ線1803に接続された接続配線1806の
集合からなる配線群を表す。また、図示していないが、
TABテープ1807の代わりに、TABテープにICを設けたTCP
を接続してもよい。
【0124】また、図18(b)において、1810はシール
材、1811はシール材1810によりプラスチック材1801に貼
り合わされたカバー材である。シール材1810としては光
硬化樹脂を用いていればよく、脱ガスが少なく、吸湿性
の低い材料が望ましい。カバー材としては基板1801と同
一の材料が好ましく、ガラス(石英ガラスを含む)もし
くはプラスチックを用いることができる。ここではプラ
スチック材を用いる。
【0125】次に、画素領域の構造の拡大図を図18
(c)に示す。1813は有機化合物層である。なお、図18
(c)に示すように、バンク1804は下層の幅が上層の幅よ
りも狭い形状になっており、データ線1803を物理的に分
断できる。また、シール材1810で囲まれた画素部1814
は、樹脂からなる封止材1815により外気から遮断され、
有機化合物層の劣化を防ぐ構造となっている。
【0126】以上のような構成からなる本発明の発光装
置は、画素部1814が走査線1802、データ線1803、バンク
1804および有機化合物層1813で形成されるため、非常に
簡単なプロセスで作製することができる。
【0127】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物層
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0128】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0129】[実施例5]本実施例では、実施例4で示
した発光装置にプリント配線板を設けてモジュール化し
た例を示す。
【0130】図19(a)に示すモジュールは、基板1901
(ここでは、画素部1902、配線1903a、1903bを含む)に
TABテープ1904が取り付けられ、前記TABテープ1904を介
してプリント配線板1905が取り付けられている。
【0131】ここで、プリント配線板1905の機能ブロッ
ク図を図19(b)に示す。プリント配線板1905の内部に
は少なくともI/Oポート(入力もしくは出力部)1906、
1909、データ信号側駆動回路1907およびゲート信号側回
路1908として機能するICが設けられている。
【0132】このように、基板面に画素部が形成された
基板にTABテープが取り付けられ、そのTABテープを介し
て駆動回路としての機能を有するプリント配線版が取り
付けられた構成のモジュールを、本明細書では特に駆動
回路外付け型モジュールと呼ぶことにする。
【0133】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0134】[実施例6]本実施例では、実施例3もし
くは実施例4に示した発光装置にプリント配線板を設け
てモジュール化した例を示す。
【0135】図20(a)に示すモジュールは、基板2001
(ここでは、画素部2002、データ信号側駆動回路2003、
ゲート信号側駆動回路2004、配線2003a、 2004aを含
む)にTABテープ2005が取り付けられ、そのTABテープ20
05を介してプリント配線板2006が取り付けられている。
プリント配線板2006の機能ブロック図を図20(b)に示
す。
【0136】図20(b)に示すように、プリント配線板2
006の内部には少なくともI/Oポート2007、 2010、コン
トロール部2008として機能するICが設けられている。な
お、ここではメモリ部2009を設けてあるが、必ずしも必
要ではない。またコントロール部2008は、駆動回路の制
御、映像データの補正などをコントロールするための機
能を有した部位である。
【0137】このように、有機発光素子の形成された基
板にコントローラーとしての機能を有するプリント配線
板が取り付けられた構成のモジュールを、本明細書では
特にコントローラー外付け型モジュールと呼ぶことにす
る。
【0138】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0139】[実施例7]本実施例では、実施例2で示
したような三重項発光素子を、デジタル時間階調表示に
より駆動する発光装置の例を示す。本実施例の発光装置
は、三重項励起状態からの発光を利用することによって
高い発光効率を達成できると同時に、デジタル時間階調
表示により均一な像を得ることができ、非常に有用であ
る。
【0140】有機発光素子の構成としては、実施例2で
述べた有機化合物膜の構成材料の他、正孔注入性化合物
であるCuPcを、α−NPD以降を本発明で開示したように
順次蒸着する前に、陽極上に蒸着した。その後は、実施
例2に示した方法で有機化合物膜を成膜した。
【0141】有機発光素子を用いた画素の、回路構成を
図21(a)に示す。Trはトランジスタ、Csはストレージ
キャパシタを表す。図21(a)中の回路構成では、ソー
ス線はトランジスタTr1のソース側に、ゲート線はトラ
ンジスタTr1のゲートに接続されている。また、電源供
給線はストレージキャパシタCs、およびトランジスタTr
2のソース側に接続されている。トランジスタTr2のドレ
イン側には本発明の有機発光素子の陽極が接続されてい
るため、有機発光素子を挟んでトランジスタTr2の反対
側は、陰極となっている。
【0142】この回路においては、ゲート線が選択され
ると、電流がソース線からTr1に流れ、その信号に対応
する電圧がCsに蓄積される。そして、Tr2のゲートおよ
びソース間の電圧(Vgs)により制御される電流が、Tr2
および有機発光素子に流れることになる。
【0143】Tr1が選択されたあとは、Tr1はオフ状態と
なり、Csの電圧(Vgs)が保持される。したがって、Vgs
に依存するだけの電流を流し続けることができる。
【0144】このような回路を、デジタル時間階調表示
により駆動するチャートを図21(b)に示す。すなわ
ち、1フレームを複数のサブフレームに分割するわけだ
が、図21(b)では、1フレームを6つのサブフレーム
(SF1〜SF6)に分割する6ビット階調とした。TAは書き
込み時間である。この場合、それぞれのサブフレーム発
光期間の割合は、図に示したように32:16:8:
4:2:1となる。
【0145】本実施例におけるTFT基板の駆動回路の概
要を図21(c)に示す。図21(c)中の基板構成では、本
発明の有機発光素子を各画素とした画素部に対し、図2
1(a)で示したような電源供給線および陰極が接続され
ている。また、シフトレジスタは、シフトレジスタ→ラ
ッチ1→ラッチ2→画素部の順で、画素部に接続されて
いる。ラッチ1にはデジタル信号が入力され、ラッチ2
に入力されるラッチパルスによって画像データを画素部
に送り込むことができる。
【0146】ゲートドライバおよびソースドライバは同
じ基板上に設けられている。本実施例では、画素回路お
よびドライバは、デジタル駆動するように設計されてい
るため、TFT特性のばらつきの影響を受けることなく、
均一な像を得ることができる。
【0147】[実施例8]上記実施例で述べた本発明の
発光装置は、低消費電力で寿命が長いという利点を有す
る。したがって、前記発光装置が表示部等として含まれ
る電気器具は、従来よりも低い消費電力で動作可能であ
り、なおかつ長保ちする電気器具となる。特に電源とし
てバッテリーを使用する携帯機器のような電気器具に関
しては、低消費電力化が便利さに直結する(電池切れが
起こりにくい)ため、極めて有用である。
【0148】また、前記発光装置は、自発光型であるこ
とから液晶表示装置のようなバックライトは必要なく、
有機化合物層の厚みも1μmに満たないため、薄型軽量
化が可能である。したがって、前記発光装置が表示部等
として含まれる電気器具は、従来よりも薄型軽量な電気
器具となる。このことも、特に携帯機器のような電気器
具に関して、便利さ(持ち運びの際の軽さやコンパクト
さ)に直結するため、極めて有用である。さらに、電気
器具全般においても、薄型である(かさばらない)こと
は運送面(大量輸送が可能)、設置面(部屋などのスペ
ース確保)からみても有用であることは疑いない。
【0149】なお、前記発光装置は自発光型であるため
に、液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優
れ、しかも視野角が広いという特徴を持つ。したがっ
て、前記発光装置を表示部として有する電気器具は、表
示の見やすさの点でも大きなメリットがある。
【0150】すなわち、本発明の発光装置を用いた電気
器具は、薄型軽量・高視認性といった従来の有機発光素
子の長所に加え、低消費電力・長寿命という特長も保有
しており、極めて有用である。
【0151】本実施例では、本発明の発光装置を表示部
として含む電気器具を例示する。その具体例を図22お
よび図23に示す。なお、本実施例の電気器具に含まれ
る有機発光素子には、本発明で開示した素子のいずれを
用いてもよい。また、本実施例の電気器具に含まれる発
光装置の形態は、図14〜図21のいずれの形態を用い
ても良い。
【0152】図22(a)は有機発光素子を用いたディス
プレイであり、筐体2201a、支持台2202a、表示部2203a
を含む。本発明の発光装置を表示部2203aとして用いた
ディスプレイを作製することにより、薄く軽量で、長保
ちするディスプレイを実現できる。よって、輸送が簡便
になり、設置の際の省スペースが可能となる上に、寿命
も長い。
【0153】図22(b)はビデオカメラであり、本体220
1b、表示部2202b、音声入力部2203b、操作スイッチ2204
b、バッテリー2205b、受像部2206bを含む。本発明の発
光装置を表示部2202bとして用いたビデオカメラを作製
することにより、消費電力が少なく、軽量なビデオカメ
ラを実現できる。よって、電池の消費量が少なくなり、
持ち運びも簡便になる。
【0154】図22(c)はデジタルカメラであり、本体2
201c、表示部2202c、接眼部2203c、操作スイッチ2204c
を含む。本発明の発光装置を表示部2202cとして用いた
デジタルカメラを作製することにより、消費電力が少な
く、軽量なデジタルカメラを実現できる。よって、電池
の消費量が少なくなり、持ち運びも簡便になる。
【0155】図22(d)は記録媒体を備えた画像再生装
置であり、本体2201d、記録媒体(CD、LD、またはDVDな
ど)2202d、操作スイッチ2203d、表示部(A)2204d、表示
部(B)2205dを含む。表示部(A)2204dは主として画像情報
を表示し、表示部(B)2205dは主として文字情報を表示す
る。本発明の発光装置をこれら表示部(A)2204dや表示部
(B)2205dとして用いた前記画像再生装置を作製すること
により、消費電力が少なく軽量な上に、長保ちする前記
画像再生装置を実現できる。なお、この記録媒体を備え
た画像再生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含
む。
【0156】図22(e)は携帯型(モバイル)コンピュ
ータであり、本体2201e、表示部2202e、受像部2203e、
操作スイッチ2204e、メモリスロット2205eを含む。本発
明の発光装置を表示部2202eとして用いた携帯型コンピ
ュータを作製することにより、消費電力が少なく、薄型
軽量な携帯型コンピュータを実現できる。よって、電池
の消費量が少なくなり、持ち運びも簡便になる。なお、
この携帯型コンピュータはフラッシュメモリや不揮発性
メモリを集積化した記録媒体に情報を記録したり、それ
を再生したりすることができる。
【0157】図22(f)はパーソナルコンピュータであ
り、本体2201f、筐体2202f、表示部2203f、キーボード2
204fを含む。本発明の発光装置を表示部2203fとして用
いたパーソナルコンピュータを作製することにより、消
費電力が少なく、薄型軽量なパーソナルコンピュータを
実現できる。特に、ノートパソコンのように持ち歩く用
途が必要な場合、電池の消費量や軽さの点で大きなメリ
ットとなる。
【0158】なお、上記電気器具はインターネットなど
の電子通信回線や電波などの無線通信を通じて配信され
る情報を表示することが多くなってきており、特に動画
情報を表示する機会が増えている。有機発光素子の応答
速度は非常に速く、そのような動画表示に好適である。
【0159】次に、図23(a)は携帯電話であり、本体2
301a、音声出力部2302a、音声入力部2303a、表示部2304
a、操作スイッチ2305a、アンテナ2306aを含む。本発明
の発光装置を表示部2304aとして用いた携帯電話を作製
することにより、消費電力が少なく、薄型軽量な携帯電
話を実現できる。よって、電池の消費量が少なくなり、
持ち運びも楽になる上にコンパクトな本体にできる。
【0160】図23(b)は音響機器(具体的には車載用
オーディオ)であり、本体2301b、表示部2302b、操作ス
イッチ2303b、2304bを含む。本発明の発光装置を表示部
2302bとして用いた音響機器を作製することにより、消
費電力が少なく、軽量な音響機器を実現できる。また、
本実施例では車載用オーディオを例として示すが、家庭
用オーディオに用いても良い。
【0161】なお、図22〜図23で示したような電気
器具において、さらに光センサを内蔵させ、使用環境の
明るさを検知する手段を設けることで、使用環境の明る
さに応じて発光輝度を変調させるような機能を持たせる
ことは有効である。使用者は、使用環境の明るさに比べ
てコントラスト比で100〜150の明るさを確保できれば、
問題なく画像もしくは文字情報を認識できる。すなわ
ち、使用環境が明るい場合は画像の輝度を上げて見やす
くし、使用環境が暗い場合は画像の輝度を抑えて消費電
力を抑えるといったことが可能となる。
【0162】また、本発明の発光装置を光源として用い
た様々な電気器具も、低消費電力での動作や薄型軽量化
が可能であるため、非常に有用と言える。代表的には、
液晶表示装置のバックライトもしくはフロントライトと
いった光源、または照明機器の光源として本発明の発光
装置を含む電気器具は、低消費電力の実現や薄型軽量化
が可能である。
【0163】したがって、本実施例に示した図22〜図
23の電気器具の表示部を、全て液晶ディスプレイにす
る場合においても、その液晶ディスプレイのバックライ
トもしくはフロントライトとして本発明の発光装置を用
いた電気器具を作製することにより、消費電力が少な
く、薄くて軽量な電気器具が達成できる。
【0164】
【発明の効果】本発明を実施することで、消費電力が少
ない上に、寿命も優れた発光装置を得ることができる。
さらに、そのような発光装置を光源もしくは表示部に用
いることで、明るく消費電力が少ない上に、長保ちする
電気器具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正孔注入層の役割を示す図。
【図2】有機発光素子の構成を示す図。
【図3】有機発光素子の構成を示す図。
【図4】蒸着装置を示す図。
【図5】蒸着装置を示す図。
【図6】蒸着時の真空度を示す図。
【図7】有機化合物膜の断面TEM写真を示す図。
【図8】有機発光素子の特性を示す図。
【図9】従来の有機発光素子の構造を示す図。
【図10】図11における有機化合物膜の構成を示す
図。
【図11】有機化合物膜の断面TEM写真を示す図。
【図12】有機発光素子の構造を示す図。
【図13】有機発光素子の特性を示す図。
【図14】発光装置の断面構造を示す図。
【図15】発光装置の断面構造を示す図。
【図16】発光装置の断面構造を示す図。
【図17】発光装置の上面構造および断面構造を示す
図。
【図18】発光装置の上面構造および断面構造を示す
図。
【図19】発光装置の構成を示す図。
【図20】発光装置の構成を示す図。
【図21】発光装置の構成を示す図。
【図22】電気器具の具体例を示す図。
【図23】電気器具の具体例を示す図。
【図24】蒸着源の具体例を示す図。

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に挟まれた有機化合物膜と、を有する有機発光素子
    を含む発光装置において、前記有機化合物膜は、前記陽
    極から正孔を受け取る正孔注入性化合物、正孔輸送性化
    合物、電子輸送性化合物、前記陰極から電子を受け取る
    電子注入性化合物、正孔または電子の移動を阻止しうる
    ブロッキング性化合物、の一群から選ばれる少なくとも
    二つの化合物を含有し、かつ、前記二つの化合物が混合
    している混合領域を有し、かつ、前記二つの化合物は真
    空蒸着できる材料であり、なおかつ、前記有機発光素子
    の電流−電圧特性は整流性を示すことを特徴とする発光
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の発光装置において、前記
    混合領域は、前記陽極および前記陰極から離れた位置に
    存在することを特徴とする発光装置。
  3. 【請求項3】請求項1および請求項2に記載の発光装置
    において、前記二つの化合物はホストであり、前記混合
    領域に、ゲストが添加されていることを特徴とする発光
    装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記ゲストは、発光を
    呈する発光性化合物であることを特徴とする発光装置。
  5. 【請求項5】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に挟まれた有機化合物膜と、を有する有機発光素子
    を含む発光装置において、前記有機化合物膜は、真空蒸
    着できる第一の有機化合物と、前記第一の化合物とは異
    なるが真空蒸着できる第二の有機化合物と、を含有し、
    かつ、前記第一の有機化合物および前記第二の有機化合
    物が混合している混合領域を有し、かつ、前記領域内に
    おいて前記第一の有機化合物の濃度および前記第二の有
    機化合物の濃度が変化しており、なおかつ、前記有機発
    光素子の電流−電圧特性は整流性を示すことを特徴とす
    る発光装置。
  6. 【請求項6】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に挟まれた有機化合物膜と、を有する有機発光素子
    を含む発光装置において、前記有機化合物膜は、真空蒸
    着できる第一の有機化合物と、前記第一の化合物とは異
    なるが真空蒸着できる第二の有機化合物と、を含有し、
    かつ、前記第一の有機化合物の濃度および前記第二の有
    機化合物の濃度が連続的に変化する領域を有し、なおか
    つ、前記有機発光素子の電流−電圧特性は整流性を示す
    ことを特徴とする発光装置。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6に記載の発光装置
    において、前記第一の有機化合物および前記第二の有機
    化合物は、前記陽極から正孔を受け取る正孔注入性、正
    孔輸送性、電子輸送性、前記陰極から電子を受け取る電
    子注入性、正孔または電子の移動を阻止しうるブロッキ
    ング性、発光を呈する発光性、の一群から選ばれる性質
    を有し、かつ、それぞれ異なる前記性質を有することを
    特徴とする発光装置。
  8. 【請求項8】請求項5または請求項6に記載の発光装置
    において、前記第一の有機化合物は正孔輸送性であり、
    かつ、前記第二の有機化合物は電子輸送性であり、前記
    陽極から前記陰極への方向に対し、前記第一の有機化合
    物の濃度は減少するとともに前記第二の有機化合物の濃
    度は増加することを特徴とする発光装置。
  9. 【請求項9】請求項5または請求項6に記載の発光装置
    において、前記第一の有機化合物は正孔輸送性であり、
    かつ、前記第二の有機化合物は発光を呈する発光性であ
    り、前記陽極から前記陰極への方向に対し、前記第一の
    有機化合物の濃度は減少するとともに前記第二の有機化
    合物の濃度は増加することを特徴とする発光装置。
  10. 【請求項10】請求項5または請求項6に記載の発光装
    置において、前記第一の有機化合物は発光を呈する発光
    性であり、かつ、前記第二の有機化合物は電子輸送性で
    あり、前記陽極から前記陰極への方向に対し、前記第一
    の有機化合物の濃度は減少するとともに前記第二の有機
    化合物の濃度は増加することを特徴とする発光装置。
  11. 【請求項11】請求項5乃至請求項10に記載の発光装
    置において、前記第一の有機化合物は、芳香族アミン化
    合物であることを特徴とする発光装置。
  12. 【請求項12】請求項5乃至請求項10に記載の発光装
    置において、前記第一の有機化合物は、4,4'−ビス
    [N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミ
    ノ]−ビフェニル、または4,4'−ビス[N−(1−ナ
    フチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル、また
    は4,4',4"−トリス[N−(3−メチルフェニル)−
    N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン、である
    ことを特徴とする発光装置。
  13. 【請求項13】請求項5乃至請求項10に記載の発光装
    置において、前記第二の有機化合物は、キノリン骨格を
    含む金属錯体、またはベンゾキノリン骨格を含む金属錯
    体、またはオキサジアゾール誘導体、またはトリアゾー
    ル誘導体、またはフェナントロリン誘導体、であること
    を特徴とする発光装置。
  14. 【請求項14】請求項5乃至請求項10に記載の発光装
    置において、前記第二の有機化合物は、トリス(8−キ
    ノリノラト)アルミニウム、またはビス(10−ヒドロ
    キシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム、または2
    −(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチル
    フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、または
    1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)
    −1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼ
    ン、または3−(4−tert−ブチルフェニル)−4
    −フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−
    トリアゾール、または3−(4−tert−ブチルフェ
    ニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフ
    ェニリル)−1,2,4−トリアゾールであることを特
    徴とする発光装置。
  15. 【請求項15】請求項5乃至請求項14に記載の発光装
    置において、前記有機化合物膜は、前記第一の有機化合
    物および前記第二の有機化合物とは異なるが真空蒸着で
    きる第三の有機化合物を含有し、かつ、前記第三の有機
    化合物が、前記第一の有機化合物および前記第二の有機
    化合物の両方を含む領域にゲストとして添加されている
    ことを特徴とする発光装置。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の発光装置において、
    前記第一の有機化合物および前記第二の有機化合物は、
    前記陽極から正孔を受け取る正孔注入性化合物、正孔輸
    送性化合物、電子輸送性化合物、前記陰極から電子を受
    け取る電子注入性化合物、正孔または電子の移動を阻止
    しうるブロッキング性化合物、の一群から選ばれる化合
    物であり、かつ、前記第三の有機化合物は、発光を呈す
    る発光性化合物であることを特徴とする発光装置。
  17. 【請求項17】請求項15または請求項16に記載の発
    光装置において、前記第三の有機化合物は、キノリン骨
    格を含む金属錯体、またはベンゾオキサゾール骨格を含
    む金属錯体、またはベンゾチアゾール骨格を含む金属錯
    体、であることを特徴とする発光装置。
  18. 【請求項18】請求項15または請求項16に記載の発
    光装置において、前記第三の有機化合物は、トリス(8
    −キノリノラト)アルミニウム、またはトリス(4−メ
    チル−8−キノリノラト)アルミニウム、またはビス
    (10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリ
    ウム、であることを特徴とする発光装置。
  19. 【請求項19】請求項15または請求項16に記載の発
    光装置において、前記第三の有機化合物は、三重項励起
    状態からの発光を呈する発光性化合物であることを特徴
    とする発光装置。
  20. 【請求項20】請求項15または請求項16に記載の発
    光装置において、前記第三の有機化合物は、白金を中心
    金属とする金属錯体、またはイリジウムを中心金属とす
    る金属錯体であることを特徴とする発光装置。
  21. 【請求項21】請求項15または請求項16に記載の発
    光装置において、前記第三の有機化合物は、(2,3,
    7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21
    H−23H−ポルフィリン)白金、またはトリス(2−
    フェニルピリジン)イリジウム、またはトリス(2−
    (4−メチルフェニル)−ピリジン)イリジウムである
    ことを特徴とする発光装置。
  22. 【請求項22】請求項15に記載の発光装置において、
    前記第三の有機化合物は、前記第一の有機化合物および
    前記第二の有機化合物に比べて、最高被占分子軌道と最
    低空分子軌道とのエネルギー差が大きいことを特徴とす
    る発光装置。
  23. 【請求項23】請求項15に記載の発光装置において、
    前記第三の有機化合物は、フェナントロリン誘導体、ま
    たはオキサジアゾール誘導体、またはトリアゾール誘導
    体であることを特徴とする発光装置。
  24. 【請求項24】請求項15に記載の発光装置において、
    前記第三の有機化合物は、バソフェナントロリン、また
    はバソキュプロイン、または2−(4−ビフェニリル)
    −5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4
    −オキサジアゾール、または1,3−ビス[5−(p−
    tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジア
    ゾール−2−イル]ベンゼン、または3−(4−ter
    t−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフ
    ェニリル)−1,2,4−トリアゾール、または3−
    (4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチル
    フェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−
    トリアゾールであることを特徴とする発光装置。
  25. 【請求項25】請求項5乃至請求項24に記載の発光装
    置において、前記第一の有機化合物または前記第二の有
    機化合物を構成する元素のうち、SIMSにより検知できる
    前記元素の検出量が、前記陽極から前記陰極への方向に
    対して、連続的に変化する領域を有することを特徴とす
    る発光装置。
  26. 【請求項26】請求項5乃至請求項24に記載の発光装
    置において、前記第一の化合物または前記第二の化合物
    は金属元素を有する金属錯体であり、SIMSにより検知で
    きる前記金属元素の検出量が、前記陽極から前記陰極へ
    の方向に対して、連続的に変化する領域を有することを
    特徴とする発光装置。
  27. 【請求項27】請求項26に記載の発光装置において、
    前記金属元素はアルミニウム、または亜鉛、またはベリ
    リウムであることを特徴とする発光装置。
  28. 【請求項28】請求項15乃至請求項24に記載の発光
    装置において、前記第三の有機化合物を構成する元素の
    うち、SIMSにより検知できる前記元素の検出領域は、前
    記第一の有機化合物および前記第二の有機化合物の両方
    を含む領域であることを特徴とする発光装置。
  29. 【請求項29】請求項15乃至請求項24に記載の発光
    装置において、前記第三の有機化合物は金属元素を有す
    る金属錯体であり、SIMSにより検知できる前記金属元素
    の検出領域は、前記第一の有機化合物および前記第二の
    有機化合物の両方を含む領域であることを特徴とする発
    光装置。
  30. 【請求項30】請求項29に記載の発光装置において、
    前記金属元素は、アルミニウム、または亜鉛、またはベ
    リリウムであることを特徴とする発光装置。
  31. 【請求項31】請求項29に記載の発光装置において、
    前記金属元素は、イリジウムまたは白金であることを特
    徴とする発光装置。
  32. 【請求項32】電極を有する基板が設置されており、な
    おかつ一種類の有機化合物が収容された容器からなる有
    機化合物蒸着源がn個(nは2以上の整数)設けられた、
    一つの真空槽内を、10-3パスカル以下に減圧した初期
    減圧状態した後、前記真空槽内を減圧するためのポンプ
    を作動させたままの状態で、1番目の有機化合物蒸着源
    に含まれる1番目の有機化合物からn番目の有機化合物
    蒸着源に含まれるn番目の有機化合物までを前記基板上
    に順次蒸着する手順において、k番目(kは、1≦k≦
    (n−1)なる整数)の有機化合物を蒸着した後、次い
    でk+1番目の有機化合物を蒸着する際に、k番目の有
    機化合物蒸着源は加熱されていない状態で、かつ、前記
    真空槽内に前記k番目の有機化合物の雰囲気が残存する
    状態で、蒸着することを特徴とする、有機発光素子を含
    む発光装置の製造方法。
  33. 【請求項33】第一の電極を有する基板が設置されてお
    り、なおかつ一種類の有機化合物が収容された容器から
    なる有機化合物蒸着源がn個(nは2以上の整数)設けら
    れ、なおかつ第二の電極を構成する材料が収容された容
    器からなる電極材料蒸着源が設けられた、一つの真空槽
    内を、10-3パスカル以下に減圧した初期減圧状態した
    後、前記真空槽内を減圧するためのポンプを作動させた
    ままの状態で、1番目の有機化合物蒸着源に含まれる1
    番目の有機化合物からn番目の有機化合物蒸着源に含ま
    れるn番目の有機化合物までを前記基板上に順次蒸着す
    る手順において、k番目(kは、1≦k≦(n−1)な
    る整数)の有機化合物を蒸着した後、次いでk+1番目
    の有機化合物を蒸着する際に、k番目の有機化合物蒸着
    源は加熱されていない状態で、かつ、前記真空槽内に前
    記k番目の有機化合物の雰囲気が残存する状態で、蒸着
    し、n番目の有機化合物を蒸着し終わった後、さらに第
    二の電極を前記基板上に蒸着することによって得られた
    前記基板を、10-4パスカル以下の減圧下において加熱
    処理することを特徴とする、有機発光素子を含む発光装
    置の製造方法。
  34. 【請求項34】電極を有する基板が設置されており、な
    おかつ一種類の有機化合物が収容された容器からなる有
    機化合物蒸着源がn個(nは2以上の整数)設けられた、
    一つの真空槽内を、10-3パスカル以下に減圧した初期
    減圧状態した後、前記真空槽内を減圧するためのポンプ
    を作動させたままの状態で、1番目の有機化合物蒸着源
    に含まれる1番目の有機化合物からn番目の有機化合物
    蒸着源に含まれるn番目の有機化合物までを前記基板上
    に順次蒸着する手順において、k番目(kは、1≦k≦
    (n−1)なる整数)の有機化合物を蒸着した後、次い
    でk+1番目の有機化合物を蒸着する際に、前記真空槽
    内が前記初期減圧状態よりも高い気圧状態にて蒸着する
    ことを特徴とする、有機発光素子を含む発光装置の製造
    方法。
  35. 【請求項35】第一の電極を有する基板が設置されてお
    り、なおかつ一種類の有機化合物が収容された容器から
    なる有機化合物蒸着源がn個(nは2以上の整数)設けら
    れ、なおかつ第二の電極を構成する材料が収容された容
    器からなる電極材料蒸着源が設けられた、一つの真空槽
    内を、10-3パスカル以下に減圧した初期減圧状態した
    後、前記真空槽内を減圧するためのポンプを作動させた
    ままの状態で、1番目の有機化合物蒸着源に含まれる1
    番目の有機化合物からn番目の有機化合物蒸着源に含ま
    れるn番目の有機化合物までを前記基板上に順次蒸着す
    る手順において、k番目(kは、1≦k≦(n−1)な
    る整数)の有機化合物を蒸着した後、次いでk+1番目
    の有機化合物を蒸着する際に、前記真空槽内が前記初期
    減圧状態よりも高い気圧状態にて蒸着し、n番目の有機
    化合物を蒸着し終わった後、さらに第二の電極を前記基
    板上に蒸着することによって得られた前記基板を、10
    -4パスカル以下の減圧下において加熱処理することを特
    徴とする、有機発光素子を含む発光装置の製造方法。
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