JP2002316855A - ガラス繊維補強セメント硬化体の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維補強セメント硬化体の製造方法

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JP2002316855A
JP2002316855A JP2001117914A JP2001117914A JP2002316855A JP 2002316855 A JP2002316855 A JP 2002316855A JP 2001117914 A JP2001117914 A JP 2001117914A JP 2001117914 A JP2001117914 A JP 2001117914A JP 2002316855 A JP2002316855 A JP 2002316855A
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glass fiber
mortar
mass
mixed
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JP2001117914A
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Hiroshi Yokota
博 横田
Yoshikazu Nakakuki
義和 中茎
Yukio Matsumoto
行夫 松本
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Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK
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A&A Material Corp
Kenzai Gijutsu Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレミックスタイプのGRCにおいて、普通ポ
ルトランドセメントを使用し、高強度で、流動性(流し
込み性)のよいモルタルと、高強度で、内部に空隙が少
ない、耐凍害性に優れたガラス繊維補強セメント硬化体
を提供する。 【解決手段】普通ポルトランドセメント900〜120
0kg/m、骨材400〜900kg/m、増粘剤
50〜500g/m、高性能減水剤はセメントに対し
て0.5〜3.0質量%、AE剤はセメントに対して0
〜0.1質量%からなる原料を水と混合してセメントモ
ルタルとし、さらに、ガラス繊維を前記セメントモルタ
ルに対して外割で1.5〜3.0質量%混合して、ガラ
ス繊維混合モルタルとし、次に必要に応じて予め化粧材
又は取付具を仮固定した型枠に所定の厚みになるように
前記ガラス繊維混合モルタルを流し込み、養生硬化した
後、脱型することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築の内外壁、天
井、床等に広く使用されているガラス繊維補強セメント
硬化体に関するもので、特に強度、耐凍害性等の性能、
強度の均一性、外観品質および生産性に極めて優れるガ
ラス繊維補強コンクリートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維補強コンクリート(以下、G
RCと略記する。)等のガラス繊維補強セメント硬化体
は、薄肉、高強度、不燃性であり、意匠性に優れるた
め、建築の内外壁、天井、床等に広く使用されている。
GRCの製造方法には、ダイレクトスプレー方式とプレ
ミックス方式とがあるが、本発明はプレミックス方式に
関する。プレミックスGRCの製造方法は、モルタル中
にチョップドストランドガラス繊維を混入、混練し、型
枠に流し込むものであり、曲げ強度を必要とする材料に
は、より多くのガラス繊維を投入しなければならない。
しかしながら、繊維を多く配合すると、混練物が硬くな
り、型に流し込んで成形するには極めて不向きとなる。
また、水を加えて混練物を軟らかくすると、混練物の流
動性は良くなるが、混練物の粘性をも低下させるため、
繊維とモルタル、あるいは、骨材とセメントペーストと
が分離しやすくなる。また、セメントの水和に必要な水
/セメント比(W/C)が、0.25を大幅に超える水の投
入は、成形後水和に寄与しない自由水が飛散し、製品内
部に空隙ができ、硬化体の強度および耐凍害性能を著し
く低下させる原因となる。これらの問題を解決する手段
としては、次に示す技術が開示されている。
【0003】特開平05−310460号には、繊維補
強セメント製品に関して、減水剤及び増粘剤を併用して
繊維混入セメントモルタルを混練することによって、繊
維材料の分離を防ぐ技術が開示されている。特開平06
−48863号には、ガラス繊維補強セメント軽量硬化
体に関して、けい酸カルシウム−アウイン−スラグ系水
硬性セメントを使用し、5〜20体積%の球形気泡、高
性能減水剤、超軽量骨材および珪砂を併用することによ
って、強度及び耐凍害性能に優れるガラス繊維補強セメ
ント軽量硬化体に関する技術が開示されている。特開平
11−60347号には、仕上げ材貼り軽量セメント板
の製造方法において、軽量モルタルが、セメントに対し
て、20〜60重量%の軽量骨材、0.1〜3重量%の
減水剤、0.5〜5重量%の収縮低減材、0.01〜
0.5重量%の増粘剤、0.01〜0.5重量%のAE
剤、65重量%以下の水を使用し、さらにモルタルに対
して1〜10重量%のガラス繊維を軽量モルタルと同時
に型枠面に吹き付けて成形する製造方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明でいうプレミッ
クス方式のGRCにおいて、強度を大きくしたい場合、
ガラス繊維を多く投入するのが有効であるが、ガラス繊
維を多く配合すると、混練物が硬くなり、型に流し込ん
で成形するには極めて不向きとなる。また、水を加えて
混練物を軟らかくすると混練物の流動性は良くなるが、
混練物の粘性をも低下させるため、繊維とモルタル、あ
るいは、骨材とセメントペーストとが分離しやすくな
る。また、セメントの水和に必要な水/セメント比が、
0.25を大幅に超える水の投入は、成形後、水和に寄
与しない自由水が飛散し、製品内部に空隙を生じ、硬化
体の強度および耐凍害性を著しく低下させる原因とな
る。同じ水/セメント比、骨材量でも骨材の粗粒率を大
きくしたり、減水剤を投入することによって混練物の流
動性は良くなるが、混練物の粘性をも低下させるため、
成形時および成形後に振動を与えると、混入した繊維材
料とセメントモルタルとが分離現象が生じ、均質な製品
が得られないという課題があった。
【0005】増粘剤を添加して混練物に粘性を付与し、
材料の分離を防ぐ方法(特開平5−310460)があ
るが、その実施例3にある配合(水/セメント比=0.
35、骨材/セメント比=3容積%、高性能減水剤=3
重量%、増粘剤=0.05重量%、ガラス繊維=2容積
%)で混練してみたところ、骨材量が少ないために、セ
メントペースト中の水分が分離傾向となってしまい、結
果として成形体の反りが大きくなってしまった。(以下
の比較例9に示す。)また骨材量のみ増やし(骨材/セ
メント比=300容積%に変更し、他の条件は同じ)、
混練してみたところ、混練物が硬くなり、型に流し込ん
で成形するには極めて不向きであった。(以下の比較例
10に示す。)
【0006】特開平06−48863号に示す技術は、
セメントをブレーン値の高いけい酸カルシウム−アウイ
ン−スラグ系水硬性セメントに限定したものであり、ま
た軽量骨材を配合しているので本発明とは異なる。特開
平11−60347号に示す技術は、ダイレクトスプレ
ー方式に関しての技術であり、混練時に繊維を投入して
いないので、プレミックス方式の製造技術に関する本発
明とは異なっている。これらの発明は、セメントとして
ブレーン値の高いけい酸カルシウム−アウイン−スラグ
系水硬性セメントを使用しているが、これらに普通ポル
トランドセメントを用いた場合、けい酸カルシウム−ア
ウイン−スラグ系水硬性セメントを使用した場合に比べ
て、同じ水/セメント比で混練すると、セメントのブレ
ーン値が低いので、混練したセメントペーストの粘性が
低く、骨材とセメントペーストが分離傾向になってしま
う。また、水/セメント比を小さくすると、骨材とセメ
ントペーストの分離傾向はなくなるが、セメントモルタ
ルの粘性が高くなってしまい、流し込み成形をするには
不向きとなる。すなわち、セメントモルタルの流動性と
不分離を両立させるのが難しい。そこで本発明は、従来
使用されてきたGRCセメントに比較して、低ブレー
ン、高アルカリ性、低コストである普通ポルトランドセ
メントを用いて、流動性が良く、かつ材料の分離がない
プレミックスGRCの配合を提案し、その硬化体は、強
度、耐凍害性等の性能、強度の均一性、外観品質及び生
産性に極めて優れるガラス繊維補強セメント硬化体を提
供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく実験を繰り返した結果、本発明に至った。
本発明は、普通ポルトランドセメント900〜120
0kg/m、骨材400〜900kg/m、増粘剤
50〜500g/m、高性能減水剤はセメントに対し
て0.5〜3.0質量%、AE剤をセメントに対して0
〜0.1質量%からなる原料を水と混合してセメントモ
ルタルとし、さらに、ガラス繊維を前記セメントモルタ
ルに対して外割で1.5〜3.0質量%混合して、ガラ
ス繊維混合モルタルとし、次に必要に応じて予め化粧材
又は取付具を仮固定した型枠に所定の厚みになるように
前記ガラス繊維混合モルタルを流し込み、養生硬化した
後、脱型することを特徴とするガラス繊維補強セメント
硬化体の製造方法である。
【0008】また、本発明は、まず普通ポルトランドセ
メント900〜1200kg/m及び水を混合し、次
いで骨材400〜900kg/m、増粘剤50〜50
0g/m、高性能減水剤をセメントに対して0.5〜
3.0質量%、AE剤はセメントに対して0〜0.1質
量%の順に添加混合してセメントモルタルとし、さら
に、ガラス繊維を前記セメントモルタルに対して外割で
1.5〜3.0質量%添加混合してガラス繊維混合モル
タルとし、次に必要に応じて予め化粧材又は取付具を仮
固定した型枠に所定の厚みになるように前記モルタルを
流し込み、養生硬化した後、脱型することを特徴とする
前記のガラス繊維補強セメント硬化体の製造方法であ
る。さらに、骨材の粗粒率が0.5以上であり、また、
骨材が川砂又は珪砂で、水/セメント比(W/C)が0.2
5〜0.4であることを特徴とする前記のガラス繊維補
強セメント硬化体の製造方法である。
【0009】さらに前記モルタルのフロー値が10〜2
5cm、さらにブリージング水が3.5%以下であるこ
とを特徴とする前記のガラス繊維補強セメント硬化体の
製造方法である。また、骨材の粗粒率を限定し、高性能
減水剤を併用することによって混練物の水/セメント比
を抑制し、増粘材によって混練物の分離を防ぎ、さらに
AE剤を添加することによって微細気泡を発生させ、そ
の微細気泡のボールベアリング効果によって流動性を向
上させ、さらに耐凍害性能をも向上させたものである。
また、水/セメント比0.25〜0.4、3〜10体積
%の球形気泡を含有するガラス繊維補強セメント硬化体
を製造でき、流動性が良いので成形性に優れ、硬化体の
性能として、強度、耐凍害性、強度の均一性、外観及び
生産性に優れるガラス繊維補強セメント硬化体を提供す
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明のガラス繊維補強セメント硬化体は、
普通ポルトランドセメント900〜1200kg/
、骨材400〜900kg/m、増粘剤50〜5
00g/m、高性能減水剤はセメントに対して0.5
〜3.0質量%、AE剤をセメントに対して0〜0.1
質量%からなる原料を水と混合してセメントモルタルと
し、さらに、ガラス繊維を前記セメントモルタルに対し
て外割で1.5〜3.0質量%混合して、ガラス繊維混
合モルタルとし、次に必要に応じて予め化粧材又は取付
具を仮固定した型枠に所定の厚みになるように前記ガラ
ス繊維混合モルタルを流し込み、養生硬化した後、脱型
することにより得られる。また、まず普通ポルトランド
セメント900〜1200kg/m及び水を混合し、
次いで骨材400〜900kg/m、増粘剤50〜5
00g/m、高性能減水剤をセメントに対して0.5
〜3.0質量%、AE剤はセメントに対して0〜0.1
質量%の順に添加混合してセメントモルタルとし、さら
に、ガラス繊維を前記セメントモルタルに対して外割で
1.5〜3.0質量%添加混合してガラス繊維混合モル
タルとし、次に必要に応じて予め化粧材又は取付具を仮
固定した型枠に所定の厚みになるように前記モルタルを
流し込み、養生硬化した後、脱型することにより得られ
る。
【0011】本発明で使用する普通ポルトランドセメン
トは、JIS R 5210に規定される普通ポルトラ
ンドセメントで、比表面積2500cm2/g以上で、
凝結始発時間が60min以上、凝結終結時間が10h
our以下であるものをいう。
【0012】本発明で使用する骨材としては、川砂、陸
砂、海砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物を使用するこ
とができる。骨材の配合量は、コンクリートの作業性や
分離抵抗性、硬化後の強度やクラックに対する抵抗性等
から、400〜900kg/mが好ましく、500〜
800kg/mがより好ましい。骨材量が400kg
/m未満であると、適度な流動性を確保しながら水/
セメント比を小さくでき、硬化体の強度は大きくするこ
とが可能であるが、ガラス繊維混合モルタルに占めるセ
メントペースト部分の体積割合が大きくなってしまい、
寸法安定性に欠ける。一方、骨材量が900kg/m
を超えると、適度な流動性を確保するには水/セメント
比が大きくなってしまい、水和に必要な量以上の水があ
るために、成形後に余分な水は乾燥してしまい硬化体が
多孔質化する。従って、硬化体の強度及び耐凍害性能を
著しく低下させる。
【0013】従来使用されてきた一般的なプレミックス
GRCは、セメント、水、細骨材、減水剤及びチョップ
ドストランドガラス繊維を混練し、型枠に流し込んで成
形してきた。細骨材としては一般的に珪砂が採用されて
いるが、本発明でいう骨材の粗粒率とは、JIS A
5005「コンクリート用砕石及び砕砂」に記載の骨材
の粗粒率測定方法で、目開き80,40,20,10,
5,2.5,1.2,0.6,0.3,0.15mmの
各ふるいに止まる試料の質量百分率の和を100で割っ
た値をいい、粗粒率が0.1〜2.5程度(珪砂5号〜
8号)を採用している場合が多い。粒径の大きい珪砂
(粗粒率0.5以上)を採用すると、セメントモルタル
の粘性が小さくなるためにセメントペーストと骨材の分
離が起こりやすい。セメントモルタルの分離が起こらな
い程度に水/セメント比を小さくして水量を減らすと、
繊維を混入し、攪拌したときに繊維が分散しずらく繊維
の固まりが発生しやすい。また、混練物が硬くなり、型
に流し込んで成形するには極めて不向きとなる。一方、
粒径の小さい珪紗(粗粒率0.5未満)を採用すると、
セメントモルタルの粘性が大きくなり、セメントモルタ
ルの分離は起こらず繊維の混入や流し込み成型性も良好
になるが、混練物の水/セメント比が大きくなるので硬
化体の強度及び耐凍害性を低下させる。
【0014】本発明で使用するガラス繊維は、チョップ
ドストランドガラス繊維で、長さが13〜30mmが好
ましい。13mm未満であるとガラス繊維混合モルタル
の流動性は向上し、型枠に流し込み易くなるが、硬化体
の強度が小さくなる。また、30mmを超えるとガラス
繊維混合モルタルの流動性が落ち、型枠に流し込むのに
不向きとなる。また、ガラス繊維の配合量は、セメント
モルタル質量に対して外割で1.5〜3.0質量%が好
ましい。ここでいうセメントモルタル質量とは、普通ポ
ルトランドセメント、骨材、水、増粘剤、高性能減水剤
及びAE剤の合計質量である。1.5質量%未満である
と繊維混合モルタルの流動性は向上し、型枠に流し込み
易くなるが、硬化体の強度が小さくなる。また、3.0
質量%を超えると繊維混合モルタルの流動性が落ち、型
枠に流し来むのに不向きとなるばかりでなく、結果的に
硬化体の強度の向上にもつながらない。本発明で使用す
る増粘剤は、ポリアクリルアミド系及びセルロース系の
何れをも使用でき、その配合量は、50〜500g/m
が好ましい。50g/m未満であると、増粘効果が
小さく、材料が分離気味となる。500g/mを超え
ると、成形作業性のための流動性が落ちる。
【0015】本発明で使用する高性能減水剤の配合量
は、高性能減水剤がセメント質量に対して0.5〜3.
0質量%の範囲であり、AE剤はセメント質量に対して
0〜0.1質量%の範囲である。また、本発明で使用す
る高性能減水剤は、市販の高性能減水剤又は高性能AE
減水剤でよく、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、
メラミン系、ポリカルボン酸系の高性能減水剤を使用す
ることができる。高性能減水剤の添加量は、コンクリー
トの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度、さらにはコス
ト等から、固形分換算で、セメント質量に対して0.5
〜3.0質量%が好ましい。高性能減水剤量は、セメン
ト質量に対して0.5質量%未満であると、減水効果が
小さく、水/セメント比が0.4以下で成形作業性を確
保するのは難しかった。一方、高性能AE減水剤の量が
セメント質量に対して3.0質量%を超えると、材料コ
ストが上昇するので好ましくない。本発明で使用するA
E剤としては、使用する高性能減水剤又は高性能AE減
水剤と相性の良いものでメーカーが指定するものを使用
するのが望ましい。その配合量は、セメント質量に対し
て0〜0.1質量%が好ましい。セメント質量に対して
0.1質量%を超えると、エアーが入りすぎるために強
度が下がる傾向にある。本発明で使用する高性能減水剤
はポゾリス物産社製レオビルドSPシリーズ、花王社製
マイティーシリーズなどである。
【0016】本発明において、水/セメント比は、コン
クリートの流動性や分離抵抗性、硬化体の強度や耐久性
等から、0.25〜0.4が好ましく、さらに0.3〜
0.38がより好ましい。水/セメント比が0.25未
満であると、セメントの水和が完全に達成されず成形不
能となるためであり、また、0.4を超えると、水和に
寄与しない過剰の自由水が増え、製品内部の空隙が多く
なり、成形された製品の耐久性および強度を著しく低下
させるためである。本発明においては、混合方法は特に
限定するものではない。また、混合に用いる装置も特に
限定するものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、
二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用ミキサを使用する
ことができる。
【0017】混合時における配合物の投入順序は、普通
ポルトランドセメント900〜1200kg/m及び
水を混合し、次いで骨材400〜900kg/m、増
粘剤50〜500g/m、高性能減水剤をセメントに
対して0.5〜3.0質量%、AE剤をセメントに対し
て0〜0.1質量%の順で添加混合してセメントモルタ
ルとして、次にガラス繊維を前記セメントモルタルに対
して外割で1.5〜3.0質量%添加混合することが好
ましい。チョップドストランドガラス繊維は、細かい繊
維を特殊な樹脂で束ねた材料であり、モルタル中で混練
しすぎると束がばらけてしまい、ガラス繊維混合モルタ
ルの流動性を低下させる。従って、、モルタル部分の混
練が完了してから最後に繊維を投入して30秒〜数分程
度混練するのが好ましい。
【0018】本発明でいう成形方法は特に限定するもの
ではなく、流し込み成形等慣用の成形方法で行うことが
できる。型枠の狭い部分には必要に応じてバイブレータ
ーを使用することができる。また、型枠底部にタイル等
の仕上げ材料を敷き並べ、その上にガラス繊維混合モル
タルを流し込むことによって、仕上げ材とガラス繊維板
が一体となった成形体の製造も可能である。スチールフ
レーム補強方式GRCパネルの製造も可能である。スチ
ールフレームとGRCを接合するためのアンカーを、予
めスチールフレームに取り付け、型枠上にスチールフレ
ームをセットする。型枠内にアンカーの一部が埋設され
るように前記ガラス繊維混合モルタルを流し込むことに
よって、スチールフレームとガラス繊維補強板が一体と
なったパネルの製造も可能である。
【0019】本発明でいう養生方法についても特に限定
するものではなく、常温養生や蒸気養生等を行えばよ
い。好ましくは、60℃の蒸気養生を4〜6時間行えば
よい。脱型後は極端な乾燥条件は避け、室内養生等を行
えば良い。本発明でいう脱型は、通常のガラス繊維補強
セメント硬化体と同様の方法で行うことができる。
【0020】(実施例及び比較例)以下、実施例を挙げ
て本発明について詳細に説明する。実施例および比較例
のガラス繊維混合モルタルの配合割合を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表1中のCはセメント、Sは骨材、
W/Cは水/セメント比であり、セメントは普通ポルト
ランドセメント、骨材は粗粒率0.3と0.5の2種類
の珪砂を使用した。また、高性能減水剤はナフタリン系
のマイティー150(登録商標)、増粘材はセルロース
系のhi90sh−4000(登録商標)、ガラス繊維
は収束本数400本のチョップドストランドハードタイ
プで長さ19mm品をそれぞれ使用した。上記15種類
の配合物の混練はオムニミキサーを使用した。はじめに
水とセメントを混練し、次に骨材をミキサーに投入して
2分間混練し、さらに高性能減水剤とAE剤を投入して
から1分間混練した。その後増粘剤を投入して10秒、
混練してセメントモルタルとして、さらに最後に繊維を
投入してから30秒混練し、試験用のガラス繊維混合モ
ルタルとした。
【0023】混練終了後、ガラス繊維混合モルタルの硬
化前の物性評価試験として、フロー、エアー量、繊維分
散性を測定した。その後、幅4cm、高さ4cm、長さ
16cmの型枠と幅10cm、高さ10cm、長さ40
cmの型枠を準備し、それぞれにガラス繊維混合モルタル
を流し込み、表面をコテで均した。前者の型枠にて強度
試験用の試験体と吸水率測定用の試験体を、後者の型枠
にて耐久性能評価用試験体を作製した。養生は60℃で
8時間の湿空養生を行い、翌日脱型した。その後、所定
材令まで室内養生した。
【0024】各ガラス繊維混合モルタルの流動性を測る
試験として、フロー試験を実施したが、試験方法は、平
板上に直径5.5cm、高さ5cmの筒を置き、その中
にガラス繊維混合モルタルを流し込み、上部を平らに均
した後に筒を静かに上方へ引き抜くと、ガラス繊維混合
モルタルが平板上に広がる。その広がったガラス繊維混
合モルタルの直径を測定し、フロー値とした。また、参
考として、エアー量も測定した。その試験方法は、JI
S A 1116「フレッシュコンクリートの単位容積
質量試験方法及び空気量の質量による試験方法」に従っ
て測定した。
【0025】繊維分散性の試験方法は、幅10cm、長
さ40cm、高さ10cmの型枠の長さ40cmの片側
5cmの位置にガラス繊維混合モルタルを流し込み、均
一に厚さ3cmになるように型枠を木槌でたたきながら
成形した。その後、ガラス繊維混合モルタルが硬化しな
いうちに、型枠の長さ40cmの中央から左右1/2容
積づつガラス繊維混合モルタルを取り出し、取り出した
ガラス繊維混合モルタル内のガラス繊維のみの質量を測
定した。測定したガラス繊維質量を実測質量、ガラス繊
維混合モルタルの投入量から算出したガラス繊維質量を
理論質量として、以下の数1の式により、繊維の分散度
を求めた。強度評価試験は、JIS R 5201「セ
メントの物理試験方法」に従って、幅4cm、高さ4c
m、長さ16cmの試験体を使用して、曲げ強度試験お
よび圧縮強度試験を行った。なお、曲げ強度試験のスパ
ンは10cmとした。吸水率は、GRC工業会「プレミ
ックスGRCの試験方法」に準拠した。試験体を20℃
の清水中に3日間浸漬し、飽水質量W1を測定した。飽
水質量測定後、試験体を105℃で3日間乾燥し、乾燥
質量W2を測定した。吸水率は、(W1−W2)/W2
で計算した。
【0026】耐久性能評価試験は、幅10cm、高さ1
0cm、長さ40cmの試験体を使用した。試験方法は、
JIS A 1435「建築外壁材料の耐凍害性能試験
方法」の水中凍結−水中融解に準拠し、300サイクル
まで50サイクル毎に動弾性係数を測定し、相対動弾性
係数で比較した。試験結果を表2に示す。比較例1,2
と比較例7,8は、どちらも増粘剤とAE剤を入れない
配合であるが、比較例1,2は骨材として粗粒率が2.
0の珪砂を使用し、比較例7,8は粗粒率0.3の珪砂
を使用した。比較例1,2は、セメントモルタルとガラ
ス繊維が分離してしまった。比較例3,4は、増粘剤を
100g/m配合し、AE剤を入れない配合とした
が、材料の分離は無く流動性も良好であったが、実施例
2,3と比較して、エアー量が少なく、相対動弾性係数
の落ち込みが見られた。比較例5,6、はAE剤をセメ
ントに対して0.05質量%配合し、増粘剤を入れない
配合としたが、セメントモルタルとガラス繊維が分離し
てしまった。比較例7,8は材料の分離までには至らな
いが、実施例1〜4に比べてフロー値が小さく成形性が
良くない。比較例9,10は、特開平5−310460
の実施例3にある配合(水/セメント比=0.35、骨
材/セメント比=3容積%、高性能減水剤=3質量%、
増粘剤=0.05質量%、ガラス繊維=2容積%)と、
骨材量のみ増やした配合(骨材/セメント比=300容
積%に変更し、他の条件は同じ)であるが、比較例9
は、骨材量が少ないために、セメントペースト中の水分
が分離傾向となってしまい、結果として成形体の反りが
大きくなってしまった。また、比較例10は、混練物が
硬くなり、型に流し込んで成形するには極めて不向きで
あった。
【0027】
【表2】
【0028】
【数1】
【0029】
【発明の効果】本発明により製造されるガラス繊維補強
セメント硬化体は、前記の原料組成及び製造方法によ
り、流動性と適度の粘性を併せ持つので成形性に優れ、
かつ材料が分離しないので、均質でかつ高強度なガラス
繊維補強セメント硬化体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:06 C04B 14:42 C 14:42) 111:60 111:60 111:76 111:76 (72)発明者 松本 行夫 東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目27番9号 株 式会社エーアンドエーマテリアル内 Fターム(参考) 4G012 PA04 PA17 PB16 PB23 PB24 PB25 PB31 PB35 PB40 PC02 PC03 PC08 PC11 PC12 PC14 4G052 AB08 AB42 GA02 GA12 GA25 GB01 GB15 4G058 GA02 GE01 GE02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】普通ポルトランドセメント900〜120
    0kg/m、骨材400〜900kg/m、増粘剤
    50〜500g/m、高性能減水剤はセメントに対し
    て0.5〜3.0質量%、AE剤はセメントに対して0
    〜0.1質量%からなる原料を水と混合してセメントモ
    ルタルとし、さらに、ガラス繊維を前記セメントモルタ
    ルに対して外割で1.5〜3.0質量%混合して、ガラ
    ス繊維混合モルタルとし、次に必要に応じて予め化粧材
    又は取付具を仮固定した型枠に所定の厚みになるように
    前記ガラス繊維混合モルタルを流し込み、養生硬化した
    後、脱型することを特徴とするガラス繊維補強セメント
    硬化体の製造方法。
  2. 【請求項2】普通ポルトランドセメント900〜120
    0kg/m及び水を混合し、次いで骨材400〜90
    0kg/m、増粘剤50〜500g/m、高性能減
    水剤をセメントに対して0.5〜3.0質量%、AE剤
    はセメントに対して0〜0.1質量%の順に添加混合し
    てセメントモルタルとし、さらに、ガラス繊維を前記セ
    メントモルタルに対して外割で1.5〜3.0質量%添
    加混合してガラス繊維混合モルタルとし、次に必要に応
    じて予め化粧材又は取付具を仮固定した型枠に所定の厚
    みになるように前記ガラス繊維混合モルタルを流し込
    み、養生硬化した後、脱型することを特徴とする請求項
    1に記載のガラス繊維補強セメント硬化体の製造方法。
  3. 【請求項3】骨材の粗粒率が0.5以上であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のガラス繊維補強セメン
    ト硬化体の製造方法。
  4. 【請求項4】骨材が川砂又は珪砂で、水/セメント比(W
    /C)が0.25〜0.4であることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載のガラス繊維補強セメント硬
    化体の製造方法。
  5. 【請求項5】モルタルのフロー値が10〜25cm、ブ
    リージング水が3.5%以下であることを特徴とする請
    求項1から4のいずれかに記載のガラス繊維補強セメン
    ト硬化体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1661678A4 (en) * 2003-08-14 2009-08-19 Girts Adminis PROCESS FOR PRODUCING CONCRETE ELEMENTS
CN107311575A (zh) * 2017-08-31 2017-11-03 福建省永泰建筑工程公司 一种抗震墙粉刷用砂浆
CN111732391A (zh) * 2020-05-26 2020-10-02 北京建筑大学 自流平砂浆的配方、玻璃纤维增强再生墙板及其制备方法
CN115042324A (zh) * 2022-06-04 2022-09-13 马玉兄 一种高延性混凝土生产设备及其制备方法

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