JP2002316189A - 生物学的処理装置及び独立栄養硫黄脱窒法 - Google Patents

生物学的処理装置及び独立栄養硫黄脱窒法

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JP2002316189A
JP2002316189A JP2001119426A JP2001119426A JP2002316189A JP 2002316189 A JP2002316189 A JP 2002316189A JP 2001119426 A JP2001119426 A JP 2001119426A JP 2001119426 A JP2001119426 A JP 2001119426A JP 2002316189 A JP2002316189 A JP 2002316189A
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Yoshikimi Watanabe
義公 渡辺
Katsuteru Kimura
克輝 木村
Kiyokazu Takemura
清和 武村
Naoki Okuma
那夫紀 大熊
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Hitachi Plant Technologies Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】増殖速度の極めて遅い独立栄養硫黄脱窒菌によ
る脱窒処理性能を大幅に向上させることができるので実
装置化が可能な生物学的処理装置を提供する。 【解決手段】独立栄養硫黄脱窒法の生物反応槽14内
に、該生物反応槽14で脱窒処理された処理水と独立栄
養硫黄脱窒菌、硫黄等の固形物とを固液分離する膜分離
装置12、52を組み込んだので、独立栄養硫黄脱窒菌
及び硫黄は処理水の排出に同伴して生物反応槽14から
流出することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生物学的処理装置及
び独立栄養硫黄脱窒法に係り、特に、独立栄養硫黄脱窒
菌に用いて脱窒処理を行うための生物学的処理装置及び
それを用いた独立栄養硫黄脱窒法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、わが国の水道水の20%は地下水
を水源としている。一般に地下水は水質が良好で水温も
一定であり、水道水源として優れている。しかし、近年
の地下水のクリプトスポリジウム等の病原性原虫や、硝
酸性窒素や亜硝酸性窒素による汚染が問題になってい
る。特に、硝酸性窒素による汚染は拡大傾向にあり、厚
生省は昨年12月に各都道府県水道行政主管部局長宛に
「水道における硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素対策の手引
き」を送付した。地下水の硝酸性窒素は農地への窒素肥
料投与や牧畜排水等による面源汚染に由来する場合が多
く、浄水処理による対策が要望されている。
【0003】従来の浄水化対策としては、物理学的処理
と生物学的処理がある。物理学的処理の代表例である、
イオン交換法、電気透析法、触媒脱窒法、RO膜法等は
高度な清澄化技術が必要であることからランニングコス
トが大きくなるという問題がある。これに対し、生物学
的処理は物理学的処理に比べて処理時間がかかる反面、
ランニングコストが安価であるというメリットがある。
生物学的処理により硝酸性窒素を脱窒するためには、脱
窒菌に必要な水素供与体を与えなければならない。代表
的な水素供与体としては、酢酸、メタノール、アセトン
といった有機物、又は水素ガスが一般的である。
【0004】これらの水素供与体において、水素供与体
として有機物を添加すると、未分解物が処理水へ混入し
てしまい処理水の水質を悪化させるという危険があるた
め、様々な規制を受ける浄水への適用は難しい。また、
水素ガスを水素供与体として用いる場合には、爆発の危
険性を伴うために、運転管理が非常に難しい。
【0005】このような背景から、最近、比較的安全で
取り扱いが容易な硫黄を利用する菌体を利用した独立栄
養硫黄脱窒法が注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、独立栄
養硫黄脱窒法は、菌体である独立栄養硫黄脱窒菌の増殖
速度が、通常の脱窒菌の増殖速度に比べて1/10程度
と極めて遅く、脱窒処理性能が低すぎるために実用化が
難しかった。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みて成された
もので、増殖速度の極めて遅い独立栄養硫黄脱窒菌によ
る脱窒処理性能を大幅に向上させることができるので、
実用化が可能な生物学的処理装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
するために、被処理水に含有される硝酸性窒素、亜硝酸
性窒素の少なくとも一方を、硫黄を利用した独立栄養硫
黄脱窒菌により嫌気若しくは微好気の条件下で脱窒処理
する独立栄養硫黄脱窒法の生物反応槽内に、該生物反応
槽で脱窒処理された処理水と前記独立栄養硫黄脱窒菌、
硫黄等の固形物とを固液分離する膜分離装置を一体的に
組み込んだことを特徴とする。
【0009】本発明は、実用化が可能な脱窒処理能力を
有する独立栄養硫黄脱窒法の装置を具体的に構成したも
ので、本発明によれば、独立栄養硫黄脱窒法の生物反応
槽内に、該生物反応槽で脱窒処理された処理水と独立栄
養硫黄脱窒菌、硫黄等の固形物とを固液分離する膜分離
装置を一体的に組み込んだので、生物反応槽内に独立栄
養硫黄脱窒菌の菌体濃度を高濃度に維持でき、且つ硫黄
も利用されるまで生物反応槽内に維持できるので、脱窒
処理性能を大幅に向上させることができる。
【0010】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、請求項1〜5の生物学的処理装置の何れか1の装置
を用いて、先ず、馴致運転を行って生物反応槽内の独立
栄養硫黄脱窒菌を増殖させ、次に被処理水の連続運転を
行うことを特徴とする。
【0011】本発明によれば、本発明の生物学的処理装
置を使用して、先ず、馴致運転を行って生物反応槽内の
独立栄養硫黄脱窒菌を増殖させ、次に被処理水の連続運
転を行うようにしたので、安定した独立栄養硫黄脱窒法
を行う連続運転までの立ち上げ時間を短縮することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る生物学的処理装置及び独立栄養硫黄脱窒法の好まし
い実施の形態について詳説する。
【0013】図1は、本発明の生物学的処理装置の第1
の実施の形態の構成図であり、独立栄養硫黄脱窒法を行
う生物反応槽内に静置型の膜分離装置を組み込んだ場合
である。
【0014】ここで、独立栄養硫黄脱窒法の生物反応槽
とは、被処理水に含有される硝酸性窒素、硝酸性窒素の
少なくとも一方を、硫黄を水素供与体とする独立栄養硫
黄脱窒菌により嫌気性条件下で脱窒処理するための生物
反応槽をいう。
【0015】図1に示すように、生物学的処理装置10
は、主として、膜分離装置12を一体的に組み込んだ生
物反応槽14と、生物反応槽14に供給する被処理水を
貯留する原水貯留槽16と、生物反応槽14内に硫黄の
単体又はスラリーを添加する硫黄添加装置18とで構成
される。
【0016】原水貯留槽16と生物反応槽14とは、供
給配管20とオーバーフロー配管22とで接続され、供
給配管20には供給ポンプ24が設けられる。また、原
水貯留槽16には原水配管26を介して被処理水が適宜
補充される。これにより、原水貯留槽16から供給配管
20を流れて生物反応槽14に供給された被処理水は生
物反応槽14内を満たし、オーバーフローした被処理水
はオーバーフロー配管22を介して原水貯留槽16に戻
される循環系を形成する。この場合、オーバーフロー配
管22の取水口に、独立栄養硫黄脱窒菌や硫黄がオーバ
ーフローしないための膜を設けて、被処理水のみが循環
系を循環するようにする。この独立栄養硫黄脱窒法で
は、空気の取り込みをできる限り抑制する必要があるこ
とから、生物反応槽14を密閉構造にすると共に、原水
貯留槽16にも蓋28を設けることが好ましい。また、
生物反応槽14内には被処理水を攪拌する攪拌機30が
設けられる。
【0017】膜分離装置12は、主として、膜を備えた
膜モジュール32(回転平膜以外の膜モジュール)と該
膜モジュール32に接続する処理水配管34とで構成さ
れ、処理水配管34には処理水の排出量を制御可能な吸
引ポンプ36及び処理水に残存する硝酸性窒素の濃度を
モニターする濃度モニター計38が設けられる。そし
て、吸引ポンプ36を駆動すると、生物反応槽14内で
脱窒処理された処理水は、膜モジュール32内に吸引ろ
過され、処理水配管34を流れて系外に排出されると共
に、処理水中の硝酸性窒素濃度が濃度モニター計により
逐次モニターされる。一方、生物反応槽14内の独立栄
養硫黄脱窒菌及び硫黄等の固形物は、膜モジュール32
の膜表面で分離される。これにより、生物反応槽14内
の処理水と固形物との固液分離がなされる。静置型の膜
分離装置12としては、浸漬平膜装置、中空糸膜装置等
を好適に使用することができると共に、膜モジュール3
2に使用する膜の種類としては精密ろ過膜、限外ろ過膜
等を好適に使用することができる。また、膜の素材とし
ては、ポリオレフィン系、ポリエチレン系、ポリオレフ
ィン系の有機高分子膜、金属膜、セラミック膜等を使用
することができる。しかし、これに限定するものではな
く、要は膜分離装置12を介して系外に排出される処理
水と、独立栄養硫黄脱窒菌及び硫黄等の固形物を固液分
離できるものであればよい。
【0018】硫黄添加装置18は、硫黄貯留槽40が生
物反応槽14の上方に設けられ、この硫黄貯留槽40と
生物反応槽14とが電動バルブ42を備えた添加配管4
4により接続される。硫黄貯留槽40内には、硫黄を水
に懸濁させた硫黄スラリー液が貯留され、適量の硫黄量
が添加配管44を落下して生物反応槽14内に添加され
る。また、電動バルブ42は信号ケーブル46、46を
介してタイマー装置48及び前記濃度モニター計38に
接続される。これにより、電動バルブ42は、タイマー
装置48又は濃度モニター計38に基づいて開閉や開度
調整がなされ、生物反応槽14内に添加する硫黄スラリ
ー液の添加量が制御される。尚、最終的に生物反応槽1
4内に規定の添加量があればよく、硫黄添加装置18か
ら生物反応槽14に直接添加しなくても、原水貯留槽1
6や供給配管20等の生物反応槽14への原水供給ライ
ンに添加してもよい。添加される硫黄の形態としては、
硫黄スラリー液に限らず、単体のまま添加してもよい。
【0019】次に、上記の如く構成された生物学的処理
装置10の第1の実施の形態の作用及び効果について説
明する。
【0020】供給ポンプ24を駆動して、原水貯留槽1
6内の被処理水を生物反応槽14に供給し、生物反応槽
14でオーバーフローした被処理水は原水貯留槽16に
循環される。これにより、生物反応槽14内全体に被処
理水が満たされるようにして生物反応槽14内にヘッド
スペースが形成されないようにできるので、被処理水へ
の空気の溶け込みを抑制することができる。この状態
で、硫黄添加装置18の電動バルブ42を開き、硫黄貯
留槽40から生物反応槽14内に硫黄スラリー液を添加
すると共に、生物反応槽14内の攪拌機30を駆動して
被処理水の攪拌を十分に行う。硫黄スラリーの添加量
は、タイマー装置48で一定量を一定時間添加するよう
にしてもよく、濃度モニター計38により処理水の硝酸
性窒素濃度、即ち生物反応槽14内の脱窒反応の進行状
態の良し悪しに応じて添加してもよい。これにより、生
物反応槽14内では、被処理水に含有される硝酸性窒素
の独立栄養硫黄脱窒法による脱窒処理がなされる。この
場合、生物反応槽14内の被処理水の溶存酸素濃度(D
O濃度)が0.3mg/Lを超えると、著しく脱窒効率
が低下するので、DO濃度を0.3mg/L以下にする
ことが好ましい。また、比脱窒速度は、硫黄濃度/菌体
濃度比(S/X比)に依存しており、S/X比3程度ま
で比脱窒速度が急激に上昇し、その後は上昇の程度がゆ
るやかになるので、S/X比3以上、好ましくは4以上
になるようにする。従って、硫黄添加不足にならないよ
うにすることが必要であるが、過剰になっても無駄にな
るので、硫黄添加量を濃度モニター計38で制御すれ
ば、硫黄添加量を過不足なく制御することができる。そ
して、脱窒処理された処理水は膜分離装置12を介して
系外に排出される。即ち、膜分離装置12の処理水配管
34に設けた吸引ポンプ36を駆動して膜モジュール3
2内を負圧にすることにより、膜でろ過された処理水の
みが膜モジュール32内に透過し、生物反応槽14の独
立栄養硫黄脱窒菌及び硫黄等の固形物は膜モジュール3
2の膜により分離される。これにより、独立栄養硫黄脱
窒菌及び硫黄は、生物反応槽14内から流出することな
く、生物反応槽内14に高濃度に保持されるので、脱窒
処理性能が大幅に良くなる。この場合、膜分離装置12
による処理水の排出量との関係で生物反応槽14での被
処理水の滞留時間をどの程度にするかは、濃度モニター
計38でのモニター結果に応じて、吸引ポンプ36での
処理水排出量を調整するとよい。また、図示しなかった
が、処理水を膜モジュール32内に逆流させる逆洗ライ
ンを設け、膜の内側から外側へ処理水を噴き出すように
して、膜の洗浄を行うとよい。これにより、膜表面に付
着した独立栄養硫黄脱窒菌と硫黄は膜から剥離し、攪拌
機30による被処理水の攪拌流にのって生物反応槽14
内の全域に拡散されるので、脱窒反応をより促進させる
ことができる。
【0021】このように、本発明の生物学的処理装置1
0では、独立栄養硫黄脱窒法による脱窒処理を行う生物
反応槽14内に膜分離装置12を組み込んで、独立栄養
硫黄脱窒菌が生物反応槽14から流出しないようにした
ので、独立栄養硫黄脱窒菌の菌体濃度を生物反応槽14
内に高濃度に保持することができる。更には、添加した
硫黄も被処理水に溶解しにくく膜分離装置12の膜を透
過せずに、利用されるまで生物反応槽14内に保持する
ことができるので、硫黄を効率良く使用することができ
る。これにより、生物反応槽14内での独立栄養硫黄脱
窒菌と硫黄との接触効率を著しく高めることができるの
で、菌体の増殖速度が通常の脱窒菌の増殖速度に比べて
1/10程度と極めて遅い独立栄養硫黄脱窒菌であって
も、脱窒処理性能を大幅に向上させることができる。
【0022】また、独立栄養硫黄脱窒法の生物反応槽1
4内に膜分離装置12を一体的に組み込むことにより、
従来の沈殿池を有する独立栄養硫黄脱窒法の設備に比べ
て装置全体を大幅にコンパクト化することができる。
【0023】独立栄養硫黄脱窒法を行う生物反応槽14
内に静置型の膜分離装置12を組み込んだ生物学的処理
装置10の効率的な脱窒処理条件としては、膜分離装置
12の処理水のFlux(膜透過流束)0.5m/日程度、
生物反応槽14内の独立栄養硫黄脱窒菌の菌体濃度10
00mg/L程度、TOC(総有機系炭素量)5mg/
L以下、生物反応槽内のDO濃度0.3mg/L以下、
生物反応槽14内での被処理水の滞留時間100分以
上、硫黄濃度/菌体濃度比(S/X比)が3以上、好ま
しくは4以上であることが好ましい。また、攪拌機30
の回転数としては200rpm程度が好ましい。従っ
て、本発明の生物学的処理装置10は、有機物や夾雑物
が少なく水質の良好な地下水に含まれる硝酸態窒素と亜
硝酸態窒素を除去するための浄水製造装置として特に好
適である。
【0024】図2は、本発明の生物学的処理装置50の
第2の実施の形態の構成図であり、生物学的処理装置5
0は、主として、回転平膜装置52を一体的に組み込ん
だ生物反応槽14と、生物反応槽14に供給する被処理
水を貯留する原水貯留槽16と、生物反応槽14内に硫
黄の単体若しくはスラリーを添加する硫黄添加装置18
とで構成される。即ち、第2の実施の形態は、第1の実
施の形態における静置型の膜分離装置12に代えて回転
型の膜分離装置である回転平膜装置52を組み込んだ場
合であり、その他の装置や部材は同様である。従って、
本発明の第1の実施の形態で使用したのと、同じ部材や
装置については、同符号を付して説明すると共に、回転
平膜装置以外の説明は省略する。
【0025】図2及び図3に示すように、回転平膜装置
52は、密閉型の生物反応槽14内に平行な2本の中空
回転軸54、54が回転自在に並設され、それぞの中空
回転軸54、54には、その軸方向に所定間隔をもって
穿設された連通孔(図示せず)を臨んで円板状を有する
複数の回転平膜56、56…が支持される。また、並設
された2本の中空回転軸54、54に支持された回転平
膜56同士は、図3から分かるように、隣り合う回転平
膜56同士の一部分がオーバーラップするようになって
いる。
【0026】回転平膜56は、膜支持体58上の不織布
や網等の通水性を有するスペーサ(図示せず)に精密ろ
過膜あるいは限外ろ過膜等の膜60を被覆して構成さ
れ、膜の素材としては、ポリオレフィン系、ポリエチレ
ン系、ポリオレフィン系の有機高分子膜、金属膜、セラ
ミック膜等を使用することができる。しかし、回転平膜
56の場合も第1の実施の形態と同様に、要は回転平膜
装置52を介して系外に排出される処理水と、独立栄養
硫黄脱窒菌及び硫黄等の固形物を固液分離できるもので
あればよい。
【0027】また、中空回転軸54の両端は、生物反応
槽14外に延設され、生物反応槽14と中空回転軸54
とは軸封装置62により水密性が確保される。延設され
た中空回転軸54の両端のうち、閉塞された一方端はモ
ータ64に連結され、開放された他方端は処理水配管6
6に接続され、中空回転軸54と処理水配管66との接
続は、中空回転軸54の回転を阻害しないための連結装
置68を介して接続される。また、処理水配管66は、
それぞれの中空回転軸54に接続する2本の枝管と合流
管とで構成され、合流管に吸引ポンプ36と、処理水中
の硝酸性窒素の濃度をモニターする濃度モニター計38
が設けられる。これにより、モータ64を駆動すると、
中空回転軸54と回転平膜56とは一体的に回転され
る。また、吸引ポンプ36を駆動すると、生物反応槽1
4内で脱窒処理された処理水は、回転平膜56内に吸引
濾過され、処理水配管66を流れて系外に排出され、処
理水中の硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の濃度が濃度モニタ
ー計38により逐次モニターされる。一方、生物反応槽
14内の独立栄養硫黄脱窒菌及び硫黄等の固形物は、回
転平膜56の膜表面で分離される。これにより、生物反
応槽14内の処理水と固形物との固液分離がなされる。
【0028】次に、上記の如く構成された第2の実施の
形態の生物学的処理装置50の作用を説明する。
【0029】第2の実施の形態の生物学的処理装置50
も第1の実施の形態の生物学的処理装置10と同様の作
用・効果を得ることができる他、生物反応槽14内に膜
が回転する回転平膜装置52を設けた第2の実施の形態
では、静置型の膜モジュール32を設けた第1の実施の
形態と比べて以下のメリットがある。
【0030】即ち、独立栄養硫黄脱窒法による脱窒処理
性能を上げるためには、被処理水を攪拌して独立栄養硫
黄脱窒菌と硫黄との接触効率を十分に確保する必要があ
るが、回転平膜装置52の場合には、生物反応槽14内
の処理水と独立栄養硫黄脱窒菌、硫黄等の固形物との固
液分離を行う回転平膜56自体が被処理水の攪拌も兼用
するので、第1の実施の形態のように攪拌機30を別途
設ける必要がなく、装置の大幅なコンパクト化を図るこ
とができる。この場合、2本の中空回転軸54に支持さ
れる回転平膜56同士の回転を、同方向に回転させるこ
とにより、回転平膜56のオーバーラップした部分では
回転方向が反対向きになる。これにより、回転平膜56
の膜面近傍に乱流を発生させることができ、攪拌効率を
一層高めることができる。また、攪拌効率は、回転平膜
56の径の大きさにも依存するので、回転平膜56の径
の大きさに応じて回転平膜の回転数を可変できるように
するとよい。更には、第2の実施の形態では、回転平膜
装置52自体が被処理水の攪拌も行うので、第1の実施
の形態のように攪拌機30を設けた脱窒処理領域と膜分
離装置12を設けた固液分離領域とに区分する必要がな
い。これにより、生物反応槽14内全体で脱窒処理と固
液分離とを同時並行的に行うことができるので、生物反
応槽14内のスペースを効率的に活用することができ、
脱窒性能を一層向上させることができる。
【0031】また、回転平膜56が回転することによ
り、膜60の表面に付着した独立栄養硫黄脱窒菌、硫黄
等の固形物を遠心力で剥離させることができ、剥離した
固形物は回転平膜56が攪拌する攪拌流にのって生物反
応槽14内全体に拡散される。この場合も、2本の中空
回転軸54に支持される回転平膜56同士の回転は、同
方向に回転して膜面に乱流を発生させることにより、膜
表面からの固形物の剥離を促進することができる。更
に、回転平膜56の回転数を可変できるようにして、膜
表面の固形物を剥離する場合には生物反応槽14内で脱
窒処理している際の回転平膜56の回転数よりも大きく
するとよい。また、第1の実施の形態で説明した逆洗装
置を設ければ更によいが、この場合でも回転平膜56の
回転により膜表面への付着が少ないので、逆洗頻度を大
幅に減らすことができる。
【0032】独立栄養硫黄脱窒法を行う生物反応槽14
内に回転平膜装置52を組み込んだ生物学的処理装置5
0の効率的な脱窒処理条件としては、回転平膜装置52
の運転条件以外は基本的に静置型の膜分離装置12の場
合と同様である。そして、回転平膜装置52の回転平膜
56の回転数は200rpm程度が好ましく、膜表面に
付着した固形物の剥離性が悪い場合には400rpm程
度まで上げるとよい。
【0033】以上説明したように、本発明の生物学的処
理装置10、50は、生物反応槽14内に独立栄養硫黄
脱窒菌及び硫黄を高濃度に保持でき、独立栄養硫黄脱窒
菌の増殖、及び増殖した独立栄養硫黄脱窒菌の維持にも
適しているので、下水処理場で採取した活性汚泥を種汚
泥し、模擬原水に単体硫黄を加えて馴致した後で、被処
理水による連続運転を行うとよい。
【0034】即ち、本発明の独立栄養硫黄脱窒法では、
上記した第1の実施の形態又は第2の実施の形態の生物
学的処理装置10、50を用いて、先ず、馴致運転を行
って生物反応槽内の独立栄養硫黄脱窒菌を増殖させ、次
に被処理水の連続運転を行う。 これにより、安定した
脱窒処理性能がでるまでの立ち上げ時間を短縮すること
ができる。更に、立ち上げ時間を短縮するためには、予
め独立栄養硫黄脱窒菌を、純粋培養した菌体液を利用す
る方法もある。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る生物学的処理装置によれ
ば、増殖速度の極めて遅い独立栄養硫黄脱窒菌による脱
窒処理性能を大幅に向上させることができるので、独立
栄養硫黄脱窒法の実用化が可能になると共に、本装置
は、有機物を水素供与体とした場合の処理水への有機物
の残存や、水素ガスを水素供与体とした場合の安全性と
いった問題もない。
【0036】また、本発明の生物学的処理装置を用いて
本発明の独立栄養硫黄脱窒法を行えば、立ち上げ時間を
大幅に短縮できる。
【0037】そして、本発明の生物学的処理装置及び独
立栄養硫黄脱窒法は、有機物の少ない地下水に含まれる
硝酸性窒素の脱窒処理に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生物学的処理装置の第1の実施の形態
の構成図
【図2】本発明の生物学的処理装置の第2の実施の形態
の構成図
【図3】本発明の生物学的処理装置の第2の実施の形態
における回転平膜装置を説明する説明図
【符号の説明】
10、50…生物学的処理装置、12…静置型の膜分離
装置、14…生物反応槽、16…原水貯留槽、18…硫
黄添加装置、24…供給ポンプ、26…原水配管、30
…攪拌機、32…膜モジュール、34…処理水配管、3
6…吸引ポンプ、38…濃度モニター計、40…硫黄貯
留槽、42…電動バルブ、44…添加配管、46…信号
ケーブル、48…タイマー装置、52…回転平膜装置、
54…中空回転軸、56…回転平膜、58…膜支持体、
60…膜、64…モータ、66…処理水配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/44 C02F 1/44 H 3/28 3/28 B (72)発明者 渡辺 義公 千葉県我孫子市我孫子1番地の30 (72)発明者 木村 克輝 北海道札幌市北区北13条西8丁目 北海道 大学大学院工学研究科内 (72)発明者 武村 清和 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 大熊 那夫紀 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA80 HA83 HA93 KA12 KB23 MA01 MA03 MC02 MC03 MC22 PA01 PB05 PB24 PC62 4D040 AA13 AA31 BB56 BB91 DD03 DD14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水に含有される硝酸性窒素、亜硝酸
    性窒素の少なくとも一方を、硫黄を利用した独立栄養硫
    黄脱窒菌により嫌気若しくは微好気の条件下で脱窒処理
    する独立栄養硫黄脱窒法の生物反応槽内に、該生物反応
    槽で脱窒処理された処理水と前記独立栄養硫黄脱窒菌、
    硫黄等の固形物とを固液分離する膜分離装置を一体的に
    組み込んだことを特徴とする生物学的処理装置。
  2. 【請求項2】前記膜分離装置は回転平膜装置であること
    を特徴とする請求項1の生物学的処理装置。
  3. 【請求項3】前記生物反応槽若しくは原水供給ラインに
    前記硫黄の単体又は硫黄スラリーを添加する硫黄添加装
    置を設けたことを特徴とする請求項1又は2の生物学的
    処理装置。
  4. 【請求項4】前記生物反応槽内の被処理水の溶存酸素濃
    度(DO濃度)を0.3mg/L以下にすることを特徴
    とする請求項1〜3の何れか1に記載の生物学的処理装
    置。
  5. 【請求項5】前記処理水中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素
    の少なくとも一方の濃度をモニターする濃度モニター計
    を設け、該濃度モニター計のモニター結果に基づいて前
    記硫黄添加装置から添加する硫黄の添加量を制御するこ
    とを特徴とする請求項3又は4の生物学的処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の生物学的処理装置の何れか
    1の装置を用いて、先ず、馴致運転を行って生物反応槽
    内の独立栄養硫黄脱窒菌を増殖させ、次に被処理水の連
    続運転を行うことを特徴とする独立栄養硫黄脱窒法。
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