JP2002315116A - 過負荷による全機器停電を防止する住宅用分電盤 - Google Patents

過負荷による全機器停電を防止する住宅用分電盤

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JP2002315116A
JP2002315116A JP2001108678A JP2001108678A JP2002315116A JP 2002315116 A JP2002315116 A JP 2002315116A JP 2001108678 A JP2001108678 A JP 2001108678A JP 2001108678 A JP2001108678 A JP 2001108678A JP 2002315116 A JP2002315116 A JP 2002315116A
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JP2001108678A
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Mineo Yamauchi
峯生 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全停電の発生を防止することができる住宅用分
電盤を提供する。 【解決手段】主幹ブレーカの後に、分岐ブレーカと中間
ブレーカを並列に接続し、分岐ブレーカからは停電を避
ける負荷機器類をバイパス接続し、中間ブレーカからは
一般の負荷機器に給電する分岐ブレーカを接続する構成
として、並列接続した分岐ブレーカの定格値と中間ブレ
ーカの定格値の合計を主幹ブレーカ定格値未満になるよ
うに設定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、住宅用分電盤の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の住宅用分電盤の構成を図2に記
す。1は主幹ブレーカ、2は漏電遮断器、4A、4B、
4C、4Dは分岐ブレーカ、7A、7B、7C、7Dは
分岐ブレーカに接続される負荷機器である。主幹ブレー
カ定格電流は電力会社との契約から決まっている。主幹
ブレーカは全負荷電流が契約電流を越えたときに動作し
て(落ちて)全電流を遮断する。即ち全停電状態にな
る。漏電遮断機は漏電が発生しているかどうかを監視し
ていて漏電が検知されたとき電流を遮断する安全装置で
ある。各負荷機器は分岐ブレーカを経由して電流供給さ
れる。分岐ブレーカの定格値は接続可能な負荷機器の定
格、および負荷電流による電線発熱による火災防止(安
全確保)条件などから決められる。通常の住宅用分電盤
では20A(アンペア)の分岐ブレーカが多用されてい
る。分岐ブレーカは、電力会社との契約電流を有効活用
するため複数個が並列に接続されていて、各分岐ブレー
カ定格値の合計は主幹ブレーカの定格値よりも大きく実
装されている。分岐ブレーカはその負荷電流が分岐ブレ
ーカ定格値を越えたとき動作して電流を遮断する。この
分岐ブレーカ単体での電流遮断動作は安全確保のため必
須なものである。一方、主幹ブレーカは、全負荷電流が
主幹ブレーカ定格値(電力会社との契約電流)を越えた
とき、全ての分岐ブレーカ電流がその定格値以内である
場合でも、全電流を遮断する。すなわち全停電状態を発
生させる。並列接続された分岐ブレーカ定格値の合計が
主幹ブレーカ定格値より大きいという分電盤構成ではこ
うした全停電の発生を防止できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の住宅用分電盤で
は次の(1)、(2)のような問題点がある。(1)主
幹ブレーカが落ちて全停電が発生することを防止できな
い。夏期と冬季には大量の負荷電流を必要とする熱制御
機器類(エアコン、電気ストーブなど)の使用が増える
ため全停電の発生する確率が高くなる。一方、住宅情報
盤(インターフォン、オートロック解除など)、居間照
明、階段照明、廊下照明、パソコンなど停電してもらっ
ては困る機器類がある。コンセントを経由して使用する
機器では途中に無停電電源装置を設置してそこから給電
することで停電に対応できる。バッテリが実装可能な機
器も停電に対応できる。しかしコンセントを経由せず分
電盤分岐ブレーカから直接配線されていてバッテリが実
装されていない機器では停電を防止する手段がない。
(2)全停電を避けるようにするため過大な電力契約を
する傾向にある。この結果として過大な電力基本料金を
支払うことになる。本発明は以上のような欠点を無くす
ためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】図1に本発明での住宅用
分電盤の構成を示す。主幹ブレーカの後に、重要負荷機
器用分岐ブレーカ(図1での3A)と中間ブレーカ(図
1での3B)を並列に接続する構成とする。重要負荷機
器用分岐ブレーカからは停電することを防止したい重要
負荷機器(図1での5A)を接続する。中間ブレーカか
らは一般負荷機器(図1での6A、6B、6C、6D)
に電流を供給する分岐ブレーカ(図1での4A、4B、
4C、4D)を接続する。
【0005】重要負荷機器用分岐ブレーカの定格値は、
重要負荷機器を全部動作させた場合でもブレーカが動作
しないこと(停電しないこと)、電線発熱などからの安
全が確保できること、また重要負荷機器と一般負荷機器
との負荷のバランスなどから決める。配線上で重要負荷
機器用分岐ブレーカへ接続される機器を全部動作させた
場合でも負荷電流はこの分岐ブレーカ定格値の範囲内に
限定されるものとする。中間ブレーカの定格値は、主幹
ブレーカの定格値から先の重要負荷機器用分岐ブレーカ
の定格値および余裕値を引いた値のものとする。すなわ
ち重要機器用分岐ブレーカ定格値と中間ブレーカ定格値
の和が常に主幹ブレーカ定格値未満となるようにする。
余裕値は上記の条件が常に満たされるようにするための
ものでありブレーカの定格値のバラツキが少なくなれば
小さくできる。平均的な40A契約の住宅分電盤を想定
して見積もると、余裕値を1Aとしたとき、重要負荷機
器用分岐ブレーカの定格値は9A、主幹ブレーカの定格
値は30Aとなる。
【0006】次に本発明での住宅用分電盤の動作につい
て説明する。一般負荷機器用分岐ブレーカに接続されて
いる負荷が分岐ブレーカ定格値を越えて過負荷になった
ときは分岐ブレーカが動作して部分停電になる。一般負
荷機器の合計負荷が中間ブレーカ定格値を越えたときは
中間ブレーカが動作してより広範囲の部分停電になる。
しかしこれらの停電は一般負荷機器側だけに発生してい
て重要負荷機器には及ばない。重要負荷機器用分岐ブレ
ーカには定格値範囲内の負荷だけが接続されているよう
になっているため全負荷の電源が投入された場合でも停
電は発生しない。重要負荷機器用分岐ブレーカが動作す
るのは、コンセント経由で誤って当初の設計値以上の負
荷機器を接続する場合と負荷機器が短絡故障する場合で
ある。前者の危険に対してはコンセント経由の接続では
負荷を接続するときに定格値範囲内であることを確認す
るように注意することで防止できる。後者の危険は機器
の信頼性が向上してきているためその可能性は少ない。
すなわち本構成の住宅用分電盤では主幹ブレーカは動作
しない構成になっているため全停電になることはない。
また重要負荷機器用分岐ブレーカも動作しない負荷接続
になっているため重要負荷機器での停電を防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本分電盤は重要負荷機器に対する配線工事と
組み合わせて使用するため一戸建住宅や集合住宅の新築
のときあるいは改築のときに導入する。重要負荷機器用
分岐ブレーカへ接続する機器を機器仕様書から最大消費
電流を算出してブレーカ定格値範囲内であるように選択
する。あるいは逆に最初に停電を避けたい機器を選択し
ておいてこれに適合する分電盤を選択することもでき
る。突入電流が大きい負荷機器(変圧器負荷など)は接
続しないものとする。またこの配線上には原則としてコ
ンセント端子を設けない。ブレーカ定格値に余裕があり
コンセント端子を設けるときはコンセントでの最大使用
可能電流を明確化する。あるいはコンセントに定格以上
の電流を流さない過電流制限器を設置する。
【0008】以下、本発明の応用例について説明する。
重要負荷機器用ブレーカを複数個並列に接続するあるい
は中間ブレーカの後に更に中間ブレーカを接続する(階
層構成にする)等をすれば特別な制御装置を導入するこ
となくよりきめ細かく停電対策がとれるようになる。
【0009】重要負荷機器用ブレーカおよび中間ブレー
カの定格値を外部から変更可能な構成にすれば、実際に
接続されている負荷機器に対して更にきめ細かく停電対
策がとれるようになる。
【0010】分岐ブレーカと中間ブレーカに流れる電流
を監視できるようにそれぞれに変流器と電流測定器およ
び表示器を設置する。表示器は定格値に対する使用電流
の割合を棒グラフで表示する。こうすることによって使
用電流および余裕値を知ることができる。停電が発生し
たとき負荷機器の運用(とくに熱制御機器類の同時使用
など)を変更するべきか電力会社との契約を変更するべ
きかを判断するための参考データを得ることができる。
【0011】重要負荷機器用分岐ブレーカ、中間ブレー
カ、変流器、表示器を一体化した過電流制限器部品とす
る。こうすることに分電盤の組立・配線・調整にかかわ
る工数を減らすことができる。
【0012】
【発明の効果】主幹ブレーカと従来の分岐ブレーカとの
間に、並列接続された重要負荷機器用分岐ブレーカと中
間ブレーカを導入しこの重要負荷機器用分岐ブレーカか
らバイパスして重要負荷機器へ給電することによって、
全停電の発生即ち重要負荷機器での停電発生を防止でき
るようになる。
【0013】重要負荷機器への停電が発生しないという
ことが保証されることおよび一般負荷機器への停電はあ
る程度許容するという判断により電力会社との契約電流
を過大なものにする必要がなくなる。これによって電力
基本料金を下げることができるようになる。
【0014】契約電力を越えないようにするため工場で
はすでにピークカットおよびピークシフト制御装置が導
入されてきた。このピークカット制御を住宅用に適用し
たピークカット分電盤がある。これは分岐ブレーカに優
先度を設けて全体負荷が主幹ブレーカ定格値を越えない
ように優先度の低い分岐ブレーカを制御(遮断)するも
のである。しかしこうした分電盤では制御装置と特殊ブ
レーカを必要とするため製造コストが高くなる。本分電
盤ではこの制御装置と特殊ブレーカが不要であるため製
造コストを安くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による住宅用分電盤構成図である。
【図2】従来からの住宅用分電盤構成図である。
【符号の説明】
1 主幹ブレーカ 2 漏電遮断器 3A 重要負荷機器用分岐ブレーカ 3B 中間ブレーカ 4A、4B、4C、4D 分岐ブレーカ 5A 重要負荷機器 6A、6B、6C、6D 一般負荷機器 7A、7B、7C、7D 負荷機器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主幹ブレーカの後に、分岐ブレーカと中
    間ブレーカが並列に接続され、分岐ブレーカからは停電
    を避ける負荷機器類が接続され、中間ブレーカからは一
    般の負荷機器給電用の分岐ブレーカが接続される構成と
    して、並列接続された分岐ブレーカ定格値と中間ブレー
    カ定格値の合計が主幹ブレーカ定格値未満になるように
    設定されていることを特徴とする住宅用分電盤。
JP2001108678A 2001-04-06 2001-04-06 過負荷による全機器停電を防止する住宅用分電盤 Pending JP2002315116A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018014835A (ja) * 2016-07-21 2018-01-25 大阪瓦斯株式会社 過電流防止装置及び電源装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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