JP2002310889A - 錆安定化度評価方法 - Google Patents

錆安定化度評価方法

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JP2002310889A
JP2002310889A JP2001109553A JP2001109553A JP2002310889A JP 2002310889 A JP2002310889 A JP 2002310889A JP 2001109553 A JP2001109553 A JP 2001109553A JP 2001109553 A JP2001109553 A JP 2001109553A JP 2002310889 A JP2002310889 A JP 2002310889A
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JP2001109553A
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Kenji Morita
健治 森田
Kaoru Sato
馨 佐藤
Akihiro Takemura
誠洋 竹村
Hiroshi Kajiyama
浩志 梶山
Shiro Miyata
志郎 宮田
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気腐食環境に対する保護作用を有する錆層
の安定化の度合いを的確に評価する方法を提供する。 【解決手段】 耐候性鋼材の表面に生成した錆層におけ
る錆に含まれる非晶質部分の化学成分と量を求め、得ら
れた非晶質部分の化学成分と量から前記錆層の安定化度
を評価する錆安定化度評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性鋼の錆安定
化度評価方法、特に耐候性鋼に代表される低合金耐食鋼
の表面に生成した錆の防食性能を評価するのに好適な錆
安定化度評価方法及び前記評価方法を用いて得られる耐
候性鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、耐候性鋼では、P、Cu、C
r、Ni等の元素を添加することにより、大気中におけ
る耐食性を向上させることができる。これらの元素を添
加することにより耐食性を向上させた耐候性鋼は耐候性
鋼と呼ばれており、屋外に置いて数年から数十年で腐食
に対して保護性のある錆(以下、安定錆と称す)を形成
し、以後の塗装の防食処理作業を最小限に抑えることが
できるいわゆるミニマムメンテナンス鋼である。
【0003】しかし、耐候性鋼は耐食鋼といえども低合
金鋼であるため、安定錆が形成されても完全に腐食を抑
えることができないのが現状である。特に、海塩粒子や
融雪剤に直接低合金鋼が曝される環境(以下、強腐食環
境と称す)では、安定錆が生成されない場合がある。
【0004】鋼構造物を設計する際、あらかじめ強腐食
環境に曝される事が判っていれば、安定錆によって防食
する耐候性鋼よりも、より高級な防食方法すなわち塗装
や鍍金を施すか、あるいは高合金鋼等を用いる方法を取
ることができる。しかし、上記防食方法は高価であるた
め、鋼構造物を極力安価に供給するためには、鋼構造物
の設置環境を十分に把握した上で、可能であれば耐候性
鋼を用いる事が施工費、メンテナンス費が最小限に抑え
られ望ましい。
【0005】そのため、耐候性鋼を用いる場合、設計時
予想できない事態、例えば台風などの気象による海塩粒
子の飛来や設計・施工後の融雪塩散布などによって、鋼
材が予期せぬ高腐食環境に曝され、安定錆の形成がなさ
れず、メンテナンス無しでは鋼構造物の寿命が短くなる
場合に対して、施工後に設計通りの耐食性を示している
のかどうか、すなわち安定錆の形成状況を把握し、錆安
定化度の評価を行い、少なくとも安定錆が形成されてい
ない場所には塗装等の防食を施す事が必要となってく
る。
【0006】低合金鋼材の錆安定化評価方法として、日
本鋼管技報、No.46、97(1969)では素地鋼
材の重量減少から腐食量の経時的変化を測定して評価す
る方法が開示されている。
【0007】また、特開平6−241982号公報で
は、α−FeOOHの量あるいはα−FeOOHの平均
結晶粒径を測定することによって錆層の安定化度を評価
する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、日本鋼
管技報、No.46、97(1969)では、実験室に
おいては有効であるとしても、一旦構築された構造物の
場合においては、構造物そのものの重量減少を実測する
事は実質的に困難である。また、構造物の側に同じ腐食
減少量測定用鋼材を設置して測定することも可能である
が、設計上構造物の外観が劣る事、構造物に腐食減少量
測定鋼材の設置場所を確保しなければならないこと、重
量測定用の鋼材が構造物と全く同じ環境にあるとは限ら
ない事等の問題がある。以上のように、日本鋼管技報、
No.46、97(1969)に開示される技術は現実
的でない。
【0009】また、特開平6−241982号公報に開
示される方法は、α−FeOOHの測定のみのため、安
定錆の状態、錆安定化度の評価が十分ではない。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、大気腐食環境に対する保護作用を有する錆層
の安定化の度合いを的確に評価する方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記課題の
解決に関し鋭意検討したところ、下記のことを知見し
た。
【0012】錆の結晶部分の定量結果だけでははっき
りとした安定度の評価ではできないと判断する事ができ
る。これは、耐候性鋼に生成する錆の主成分は非晶質で
ある事が多く、結晶ではない事に起因していると考えら
れる。よって、鋼材の腐食現象にもっとも関連の強いと
考えられる非晶質錆を調査するし非晶質の構造解析を行
う事が錆安定度評価の本質であり、必要なことである。
【0013】従来明らかにすることが困難であった非
晶質の構造すなわち成分と量を明らかにする事により、
安定化度が評価できる。
【0014】消光部:鋼材の腐食に最も係わると考え
られる鋼材と接した部分は非晶質が主成分であり、消光
部が鋼材に対して防食しているかどうかを判断すること
により安定化度が評価できる。
【0015】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、以下のような構成を有する。
【0016】[1]耐候性鋼材の表面に生成した錆層にお
ける錆に含まれる非晶質部分の化学成分と量を求め、得
られた非晶質部分の化学成分と量から前記錆層の安定化
度を評価することを特徴とする錆安定化度評価方法。
【0017】[2]前記[1]において、非晶質中に含まれ
る水素(または水酸化物イオン)の量を求め、該水素
(または水酸化イオン)の量から錆層の安定化度を評価
することを特徴とする錆安定化度評価方法。
【0018】[3]前記[1]において、非晶質中に含まれ
る硫黄(または酸化硫黄イオン)、塩素(または塩素イ
オン)、炭酸ガス(または炭酸イオン)のうち少なくと
も一つ以上の成分の量を求め、該成分の量から錆層の安
定化度を評価ことを特徴とする錆安定化度評価方法。
【0019】[4]前記[1]において、非晶質中に含まれ
る耐候性鋼添加元素の量を求め、前記耐候性鋼添加元素
の量から錆層の安定化度を評価することを特徴とする錆
安定化度評価方法。
【0020】[5]前記[1]において、非晶質中に含まれ
る二価鉄の量を求め、該二価鉄の量から錆層の安定化度
を評価することを特徴とする請求項1に記載の錆安定化
度評価方法。
【0021】[6]前記[1]ないし[5]において、耐候性
鋼材の表面に生成した錆層を乾式で機械的に剥離して錆
粉末とし、得られた前記錆粉末について、αFeOO
H、βFeOOH、γFeOOH及びマグネタイトの結
晶含有量、全鉄含有量、二価鉄含有量、合金添加元素量
及び熱発生ガス量を測定し、非晶質部分の化学成分と量
を求めることを特徴とする錆安定化度評価方法。
【0022】[7]耐候性鋼材の表面に生成した錆層と地
鉄鋼材を併せて断面研磨し、次いで、入射光として直線
偏光を入射させ、錆断面で反射した光を入射光と直角方
向の偏光子を通して偏光顕微鏡によって写真撮影し、次
いで、得られた偏光顕微鏡写真において、地鉄鋼材と接
した錆層の消光部の割合を測定することにより錆層の安
定化度を評価することを特徴とする錆安定化度評価方
法。ただし、消光部とは、全錆層の明るさを基準として
基準明るさ以下の反射率を有する部分である。
【0023】[8]前記[1]ないし[6]のいずれかの錆安
定化度評価方法と前記[7]の錆安定化度評価方法により
得られる2つの評価結果から錆層の安定化度を評価する
ことを特徴とする錆安定化度評価方法。
【0024】[9]前記[1]ないし[8]のいずれかの評価
方法を用いて得られる耐候性鋼材。である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細をその限定
理由とともに説明する。
【0026】耐候性鋼において、錆の主成分は結晶では
なく非晶質であり、本発明者らはこの非晶質の構造解析
を行うことにより安定化度を評価する方法を創案した。
すなわち、本発明は耐候性鋼材の表面に生成した錆層に
おける錆に含まれる非晶質部分の化学成分と量を求め、
得られた前記成分と量から前記錆層の安定化度を評価す
ることを特徴とする。
【0027】ここで、錆層の非晶質部分とは、錆層を構
成する物質のうち結晶質に属さない物質を指し、錆層に
含まれる非晶質部分の量は、全錆量から例えばXRDに
よって定量した結晶質部分の量を差し引くことにより求
めることができる。
【0028】また、非晶質部分を構成する元素として
は、鉄、Cu、Cr、Ni、Mo、O、S、Cl、C、
Hなどが挙げられ、これらの元素は耐候性鋼材の表面に
生成した錆層中では、イオンおよび中性分子として存在
していることがわかった。
【0029】錆安定化度を左右する第一の因子として、
まず耐候性鋼材に対するクラック発生のしやすさが考え
られ、そして、クラック発生原因は、耐候性鋼材の温度
・湿度変化から起こる脱水・吸湿による体積変化、耐候
性鋼材熱膨張が原因であると考えられる。従って、耐候
性鋼材に生成する錆のうち、下層に存在する非晶質錆の
成分は脱水しにくい構造である事が望ましい。錆が加熱
される事によって脱水が起こると錆の体積は減少し、錆
中にクラックが生成しやすくなるためである。クラック
は水分、酸素などの環境から飛来する腐食促進物質を通
過させやすくし、それらの腐食促進物質が地鉄に到達す
ると、腐食が促進される。そのため、少なくとも下層に
クラックが生成しなければ、それら腐食促進物質は地鉄
に到達する事はなく、従って、腐食しにくくなる、すな
わち錆が防食機能を有する事になる。上記理由により、
耐候性鋼材表面に生成したさ錆層に含まれる非晶質部分
中の水素(水酸化物イオン)は少ない事が望ましい。
【0030】主に耐候性鋼材表面上層に存在する結晶性
FeOOHは加熱によって一定量脱水する事が知られて
いるが、これは主に錆の表層に存在するために鋼材の腐
食に大きく影響しないと考えられる。すなわち錆構造の
中でクラック発生のしやすさに最も大きく影響すると考
えられるのは、地鉄の側に存在する非晶質錆の中に含ま
れる水素(水酸化物イオン)の量である。
【0031】したがって、非晶質錆中に含まれる水素の
量をもって錆層の安定化度を評価することができる。こ
のため、本発明の第一の実施形態では、錆層の安定化度
を耐候性鋼材表面に生成した錆層における錆に含まれる
非晶質部分中の水素(水酸化物イオン)の量をもって評
価することとし、前記水素(水酸化物イオン)の量が少
ないほど腐食は促進されず、錆安定化度が高いと評価す
る。
【0032】錆安定化度を左右する第二の因子として、
耐候性鋼材表面に生成した錆層における錆に含まれる非
晶質部分中の硫黄(酸化硫黄イオン(SO3 2-、S
4 2-))、塩素(塩素イオン(Cl-))、炭酸ガス
(炭酸イオン(CO3 2-))が挙げられる。前記元素
(イオン種)は、FeOOH結晶の負イオンすなわちO
2-、OH -とは分子の大きさが大きく異なる事から、F
eOOH結晶中に存在せず、非晶質部に存在する。この
うち、硫黄および塩素は金属鉄、水とともに化学変化を
起こし、硫酸や塩酸などの酸が生成するために、鋼材の
腐食を促進する。大気中の炭酸ガスは水と溶け合い(C
2+H2O→CO3 2-+2H+)、水を酸性にする。
【0033】そして、耐候性鋼材中にクラックが存在す
る場合、腐食が促進される。
【0034】したがって、非晶質錆中に含まれる硫黄
(酸化硫黄イオン(SO3 2-、SO4 2-))、塩素(塩素
イオン(Cl-))、炭酸ガス(炭酸イオン(C
3 2-))の量をもって錆層の安定化度を評価すること
ができる。このため、本発明の第二の実施形態では、錆
層の安定化度を耐候性鋼材表面に生成した錆層における
錆に含まれる非晶質部分中の硫黄(酸化硫黄イオン(S
3 2-、SO4 2-))、塩素(塩素イオン(Cl-))、
炭酸ガス(炭酸イオン(CO3 2-))の量をもって評価
することとし、前記硫黄(酸化硫黄イオン(SO3 2-
SO4 2-))、塩素(塩素イオン(Cl-))、炭酸ガス
(炭酸イオン(CO3 2-))の量が少ないほど腐食は促
進されず、錆安定化度が高いと評価する。
【0035】耐候性鋼材中に含まれる合金添加元素:C
u、Ni、Cr、Mo、Nb、Ti、V、Zr、P等は
錆中に含まれることで錆を緻密化してマグネタイトの生
成を防止し、耐食性をあげる。従って、耐候性鋼材表面
に生成した錆層における錆に含まれる非晶質部分に存在
する合金添加元素量は、錆の安定化度を左右する値とな
る。
【0036】したがって、非晶質錆中に含まれる合金添
加元素:Cu、Ni、Cr、Mo等の量をもって錆層の
安定化度を評価することができる。このため、本発明の
第三の実施形態では、錆層の安定化度を耐候性鋼材表面
に生成した錆層における錆に含まれる非晶質部分中の合
金添加元素:Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、Ti、
V、Zr、P等の総量をもって評価することとし、合金
添加元素:Cu、Ni、Cr、Mo、Nb、Ti、V、
Zr、P等の量が多いほど腐食は促進されず、錆安定化
度が高いと評価する。
【0037】さらに、錆の安定化度を左右する因子とし
て、非晶質錆中の二価鉄の量が上げられる。鋼が腐食し
た場合、鋼中の主成分であるFeが最初に二価の鉄イオ
ンとして金属結合から脱落し、錆の成分となり、この二
価鉄イオンは徐々に酸化されて三価鉄等になる。この
時、錆が酸化されて三価になる際に、二価鉄は還元剤と
して働く為、鋼を防食する効果があると考えられる。ま
た、二価鉄は三価鉄等に比べてのイオンの価数が小さい
ので、対アニオンの量が少なく、従って錆中に含まれる
腐食促進因子や脱水成分が少ないという事になる。
【0038】したがって、非晶質錆中に含まれる二価鉄
の量をもって錆層の安定化度を評価することができる。
このため、本発明の第四の実施形態では、錆層の安定化
度を耐候性鋼材表面に生成した錆層における錆に含まれ
る非晶質部分中の二価鉄の量をもって評価することと
し、二価鉄の量が多いほど腐食は促進されず、錆安定化
度が高いと評価する。
【0039】次に、非晶質部分の化学成分とその量の測
定方法について、説明する。
【0040】本発明では、耐候性鋼材の表面に生成した
錆層を採取して錆粉末とし、採取した錆粉末について、
少なくともαFeOOH、βFeOOH、γFeOO
H、マグネタイトの結晶含有量及び全鉄含有量、二価鉄
含有量、合金添加元素量、熱発生ガス量を測定し、これ
らの測定結果から錆に含まれる非晶質の成分を求める事
によって、評価方法に用いられる各成分の量を求めるこ
とができる。
【0041】前記の通り、非晶質部分を構成する元素と
しては、鉄、Cu、Cr、Ni、Mo、O、S、Cl、
C、Hなどが上げられ、これらの元素は耐候性鋼材の表
面に生成した錆層中では、イオンおよび中性分子として
存在する。正イオンとしては、Fe2+、Fe3+、C
2+、Cr3+、Ni2+、Mo2+、負イオンとしては、O
-、SO3 2-、SO4 2-、Cl-、CO3 2-である。ま
た、中性分子としては、水、環境飛来珪砂がある。よっ
て、非晶質錆中のこれらのイオン、分子の含有量が把握
することにより、非晶質部分の化学成分と量を明らかに
することになる。
【0042】まず、非晶質部分の化学成分とその量の測
定方法を説明する前に、錆層(結晶質及び非晶質を含
む)中に含まれる各イオンの量の測定方法について述べ
る。ここで、前記イオン、分子を定量する方法は特に限
定はされない。以下に一実施態様として最も効果的な方
法について説明する。
【0043】まず、Fe2+、Fe3+を除く正イオン及び
中性分子の一つである環境飛来珪砂の定量は、既知量の
錆粉末を例えば酸溶解するなどして溶液とし、次いで溶
液中の正イオン量を定量ことにより得られる。その一例
としては、錆を塩酸で溶解し、溶液を原子吸光法などを
用いて定量方法が挙げられる。
【0044】次にCl-を除く負イオンおよび中性分子
の一つである水の定量は、加熱発生ガス分析することに
より得られる。その一例としては、熱天秤の雰囲気を外
部と遮蔽して、例えばヘリウムガスを流しながら加熱
し、ヘリウムガス中に含まれるイオン種を質量分析装置
によって定量する、いわゆる発生ガス質量分析装置付き
熱天秤(以後TG−MSと呼ぶ)を用いる方法が挙げら
れる。
【0045】Cl-の定量は、錆粉末を温水に長時間浸
漬して塩素を温水中に溶解させ、イオンクロマトグラフ
ィによって測定することにより得られる。また、SO3
2-、SO4 2-の定量は、上記以外に、TG−MS、JI
S M 8271熱分解よう素酸カリウム滴定法によっ
て測定することでも得られる。
【0046】Fe2+の定量は、JIS M 8213に従
って、例えば二クロム酸カリウム滴定法で測定すること
により得られる。Fe2+以外のFe3+をはじめとして、
遷移金属の状態は、X線光電子分光法等を用いて状態分
析を施すことによって、各遷移金属イオンの状態が判
る。
【0047】以上より、錆中に含まれる各イオンの量を
測定することが可能となる。
【0048】以上の測定結果を基に、非晶質部分の化学
成分とその量の測定する。
【0049】まず、非晶質に含まれる元素の量を計算す
る。すなわち、錆全体の成分分析結果から結晶成分の各
元素種の量を差し引くことにより非非晶質に含まれる元
素の量を求める。例えば、非晶質に含まれている鉄元素
の量は全鉄量から結晶質に含まれる鉄量を差し引いたも
のである。
【0050】また、例えば水素は、結晶性FeOOHに
含まれるほか、結晶水に含まれる水素、水酸化物イオン
(OH−)に含まれる水素など様々考えられる。結晶水
に含まれる水素と水酸化物イオン化合物が脱水反応によ
って生成する水は、両方とも熱発生ガスとして水の形態
で観測される為、それらを明確に区別することができな
い。したがって、本発明では、水素は結晶性FeOOH
か、非晶質中の水酸化物イオン(OH−)のどちらかで
存在することとする。よって、非晶質中の水素の量は、
錆全体から発生する水量に含まれる水素から結晶性Fe
OOHに含まれる水素を引き算する事によってを求める
こととする。
【0051】また、例えば二価鉄は、錆全体の二価鉄量
から結晶に含まれる二価鉄量を差し引くことにより得
る。ただし、結晶に含まれる二価鉄量とは、マグネタイ
ト1モルにつき、1モルの鉄が結晶に含まれる二価鉄量
である。
【0052】これらの測定結果及び全錆成分から結晶成
分を引き算した値を更にモル数に変換する事よって、非
晶質の化学式を以下(1)のように表すことができる。 Fe2+ e、Fe3+ f、Si4+ g、Mn2+ h 、Cu2+ i 、Cr3+ j 、Ni2+ k 、Al3+ l 、Mo2+ m 、(OH−)n、 (CO3 2-o、 (PO4 3-p、(SO4 2-q + Ov w 但し、e+f=1とする。 (1) ここで、最後のOv wは化学式の質量と、非晶質全体の価
数の総和をゼロとする為に仮に用いたものであり、
v、wは下式(2)(3)によって計算される。 w=(非晶質の質量−Fe〜まで(SO4 2-)の質量)/15.999−−−− −−−(2) v=−Sum(+2e+3f+4g+2h+2i+3j+2k+3l+2m−n−2 o −3p−2q)/w −−−−−(3) ここで、価数及び質量を調整する元素種に酸素(O)を
選択した理由は、熱分析(TG−MS分析)を施した後
の錆粉末をX線回折によって定性・同定すると、αFe
23の単相が検出される。すなわち、熱分析で分析しき
れなかった負イオン種としては酸素が主であった。従っ
て、価数及び質量を調整する元素としては、酸素を選択
した。これらの事によって、非晶質成分の化学式を求め
ることができた。
【0053】このように、このように、低合金鋼材の表
面に生成した錆層に含まれる非晶質錆の成分を求める事
ができる。この結果を用いて、たとえば合金添加元素の
量はi+j+k+mが多いほど錆は安定であり、水酸化物
イオン量nは少ないほど錆は安定であるなど、低合金鋼
に生成した錆の安定度を求める事が出来る。
【0054】さらに、より厳密に錆安定化度を評価する
ために、鋼材の腐食に最も係わると考えられる鋼材(地
鉄)と接した錆部分に着目し、安定化度を評価する方法
について検討した。その結果、鋼材の腐食に最も係わる
と考えられる鋼材(地鉄)と接した錆部分は非晶質が主
成分であり、この錆部分が鋼材(地鉄)に対して防食し
ているかどうかを判断することにより安定化度が評価で
きることがわかった。鋼材の腐食に最も係わると考えら
れる鋼材(地鉄)と接した錆部分での防食性に寄与する
領域の割合を測定する方法として、錆が付着した表面を
含む鋼材の断面を研磨し、偏光顕微鏡によって測定する
方法が上げられる。しかし、偏光顕微鏡写真より定量す
る事は、研磨仕上がり精度(研磨傷、粗さ、うねり、鋼
材端部のダレの程度)、偏光顕微鏡光軸と試料面の角
度、光源の輝度、フイルムの個体差、フイルム現像・プ
リント条件など様々な要因によって、同一条件で比較す
ることは極めて困難である。そこで、本発明者らは、上
記問題を解決し、鋼材の腐食に最も係わると考えられる
鋼材(地鉄)と接した部分での防食性に寄与する領域の
割合を測定する方法を検討した。その結果、以下の方法
によって鋼材の腐食に最も係わると考えられる鋼材(地
鉄)と接した部分での防食性に寄与する領域の割合を測
定する事が可能となることを見出した。
【0055】すなわち、偏光顕微鏡写真の中で、錆層だ
けを抽出し、抽出した錆層の中での明るさに対する頻度
(横軸を明るさとするヒストグラム)を作成し、ヒスト
グラム中で特定の値、例えば平均値、中間値等を基準に
して、基準明るさ以下の明るさである場所を、偏光顕微
鏡上の消光部と定義し、この消光部の割合を測定するこ
とにより鋼材の腐食に最も係わると考えられる鋼材(地
鉄)と接した部分での防食性に寄与する領域の割合を測
定する事が可能となり、その結果、錆の安定化度を評価
できることになる。
【0056】以上より、本発明では、錆層の安定化度を
偏光顕微鏡による地鉄直上の消光部の割合をもって評価
することとし、地鉄直上の消光部の割合が多いほど腐食
は促進されず、錆安定化度が高くなる。
【0057】次に錆粉末採取方法についてその一例を述
べる。錆粉末採取方法については、錆粉末が乾式で採取
できる限り、特に限定しない。例えばカッタ−ナイフを
用いた方法でも良いし、作業性を重視する場合、精密グ
ラインダ−、彫刻ペン、超音波カッタ−を用いた方法も
可能である。但し、精密グラインダ−などの電動工具を
用いた場合には、錆粉末に金属鉄が混入しないような、
また混入した場合混入した量を把握できるような対応が
必要となる。
【0058】次に錆粉末分析方法についてその一例を述
べる。錆粉末分析方法としては、非晶質部分の化学成分
と量が得られればよく、特に限定しない。例えば、酸溶
解機器分析(原子吸光法、誘導結合プラズマ発光分光分
析法(ICP)など)による正イオン量分析、温水抽出
イオンクロマトグラフィ−による塩素の定量、JIS
M 8217熱分解よう素酸カリウム滴定法による硫黄
の定量、TG−MSによる熱発生ガスの定量、JIS
M 8213二クロム酸カリウム滴定法による二価鉄定
量方法及びXRD内部標準法等による結晶分の定量は、
非晶質部分の化学成分と量を得る上で有効であるが、こ
の限りではない。
【0059】次に断面偏光顕微鏡撮影方法についてその
一例を述べる。耐候性鋼材の表面に生成した錆層と地鉄
鋼材を併せた錆断面写真撮影方法としては、特に限定さ
れず、通常の落射式反射金属偏光顕微鏡を用いる事がで
きる。また、研磨方法も観察に十分な研磨精度が出る限
り特に限定されない。例えば、湿式研磨、乾式研磨等を
使用することができる。また、研磨前処理としては、樹
脂包埋、金属箔数枚を錆表面に当ててピンチコックなど
を用いて押さえ込み、研磨処理を行ってもよい。
【0060】次に消光部定量方法についてその一例を述
べる。消光部定量方法は、撮影した偏光顕微鏡写真にお
いて、錆層の明るさに対するヒストグラムを作成して消
光部基準明るさを設け、基準以下の明るさを求める為に
コンピュ−タによる画像処理を施すことが望ましい。ま
た、地鉄直上の偏光部割合の定量方法については、錆全
体におけるヒストグラムより消光部基準明るさを設定し
た上で、地鉄直上の錆のみを抽出して消光部面積率を導
く方法が一例としてあげられる。この際もコンピュ−タ
による画像処理を用いる事が望ましい。
【0061】以上より、本発明においては、耐候性鋼材
の表面に生成した錆層における錆に含まれる非晶質部分
の化学成分と量を求め、得られた前記成分と量から前記
錆層の安定化度を評価する方法、錆層の安定化度を偏光
顕微鏡による地鉄直上の消光部の割合をもって評価する
方法、いずれかの方法をもって錆の安定化度を評価する
こととする。ただし、いずれの方法も錆の安定化度を評
価する上で有効であるが、前記2つの評価方法を合わせ
て吟味することによって、より精密な評価が可能とな
る。
【0062】本発明の錆の安定化度評価方法の対象とな
る耐候性鋼材としては特に限定しない。普通鋼に対して
も効果は認められるが、耐候性鋼のようなCu、Ni、
Cr、P、Mo等の合金元素を少量含む耐候性鋼に対し
て特に有効である。また、対象となる鋼材の処理面につ
いてはブラスト処理等で表面のスケ−ルや錆を落とした
状態が好ましいが、必ずしもこの必要はない。
【0063】なお、本発明による評価方法において、評
価基準は鋼材が曝される環境によって変化するものであ
り、評価基準は、例えば、本発明、実施例によって限定
されるものではない。
【0064】
【実施例】JIS G 3114に規定された耐候性鋼材
(SMA 400)試験片(150mm×70mm×6
mm)をブラスト処理し、海塩飛来環境、田園環境の二
カ所に、南向き30度にテフロン(登録商標)樹脂製の
ねじを用いて固定し、3ヶ月間、3年間、30年間の期
間の間暴露した鋼材を用いた。暴露鋼材の一部を一辺が
1cm正方形の形状に切断し断面研磨用材料とし、その
他鋼材残部に付着した錆を彫刻機を用いて乾式的に剥離
して粉末とした。
【0065】断面研磨用材料は、樹脂包埋研磨し、偏光
顕微鏡写真(×200倍、測定長さ5mm)を撮影して
地鉄直上から7μmの範囲を地鉄直上部分として抽出
し、地鉄直上部分の消光部の面積率を測定した。この
際、消光部基準明るさとしては、全錆を抽出した明るさ
の平均値の1/3とし、その明るさより暗い部分を消光
部と定義した。
【0066】また、他鋼材残部より採取した錆粉末は、
XRD、TG−MS、錆粉末を酸溶解した溶液のICP
分析、錆粉末の温水抽出溶液のイオンクロマトグラフィ
−、錆粉末の二クロム酸カリウム滴定法を用いて、非晶
質部分の化学成分と量を測定した。
【0067】結果を表1に示す。なお、表1において、
合金添加元素量総和は、非晶質化学式のうちCu、C
r、Niの量の総和であり、また、耐候性鋼合金添加元
素としてMo、V、Zr、Nbを添加する場合があり、そ
のような場合はそれらの元素も加えるた。
【0068】
【表1】
【0069】(水酸化イオン(OH-)の評価につい
て)OH-イオンが非晶質錆中に多く含まれているもの
は温度変化によって地鉄に到達するクラックを発生しや
すくなり、従って鋼材の腐食が早くなる。
【0070】(合金添加元素の評価について)錆中の合
金添加元素は主に非晶質錆中に存在すると考えられ、非
晶質錆の電気伝導性を下げる事ができるために、腐食を
抑制する。
【0071】(二価鉄量の評価について)鋼が腐食する
とFeが酸化されて、まずFe2+となり、さらに酸化
されてFe3+となる。従って鉄の酸化の過程でFe2
+とFe3+は共存する事は不可避であるが、それらが
マグネタイト結晶となると、錆の電気伝導性が上がり、
従って腐食は促進する。一方、Fe2+とFe3+が非
晶質状態であれば、電気伝導性が低く、しかも経験的に
地鉄に密着した錆となると考えられる。従って、非晶質
錆中の二価鉄の量は多いほど耐食性のある錆になる。
【0072】表1によると、非晶質錆に含まれる水酸化
物イオン、合金添加元素量総和、二価鉄量、地鉄直上の
消光部面積率から海岸に暴露された鋼材及び短期間暴露
された鋼材に生成した錆は安定度が低い事がわかる。ま
た、最も状況的に安定度が高いと思われる鋼材(田園環
境30年暴露材)に付着した錆は、非晶質錆に含まれる
水酸化物イオンが最も少なく、合金添加元素量総和が最
も多く、二価鉄量が最も多く、また、地鉄直上の消光部
面積率も最も大きい事がわかる。次に安定と思われる田
園環境3年暴露材は水酸化物イオン、合金添加元素量総
和、二価鉄量、地鉄直上消光部面積率のいずれも田園環
境30年暴露鋼材についで少なく(多く)なっている。
【0073】
【発明の効果】以上より、本発明によれば、大気腐食環
境に対する保護作用を有する錆層の安定化の度合いを的
確に評価することができる。また、本発明の評価方法を
用いて耐候性鋼材の評価を行う事によって、評価手段が
明確になる事、暴露初期の鋼材重量を測定できない場合
あるいは測定していない鋼材の場合に対しても評価する
事が可能となる。さらに、錆安定化処理鋼材の様に腐食
減量はほとんど無いが、僅かに錆が生成している場合等
においても本発明の評価方法を用いることにより的確な
評価が可能となる。よって優れた耐候性鋼材を迅速に得
ることが可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 竹村 誠洋 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 梶山 浩志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宮田 志郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G050 AA01 BA02 BA20 EB03 EB07 EB10 2G055 AA03 BA12 CA07 CA23 CA27 CA30 EA06 FA01 FA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐候性鋼材の表面に生成した錆層における
    錆に含まれる非晶質部分の化学成分と量を求め、得られ
    た非晶質部分の化学成分と量から前記錆層の安定化度を
    評価することを特徴とする錆安定化度評価方法。
  2. 【請求項2】非晶質中に含まれる水素(または水酸化物
    イオン)の量を求め、該水素(または水酸化イオン)の
    量から錆層の安定化度を評価することを特徴とする請求
    項1に記載の錆安定化度評価方法。
  3. 【請求項3】非晶質中に含まれる硫黄(または酸化硫黄
    イオン)、塩素(または塩素イオン)、炭酸ガス(また
    は炭酸イオン)のうち少なくとも一つ以上の成分の量を
    求め、該成分の量から錆層の安定化度を評価することを
    特徴とする請求項1に記載の錆安定化度評価方法。
  4. 【請求項4】非晶質中に含まれる耐候性鋼添加元素の量
    を求め、前記耐候性鋼添加元素の量から錆層の安定化度
    を評価することを特徴とする請求項1に記載の錆安定化
    度評価方法。
  5. 【請求項5】非晶質中に含まれる二価鉄の量を求め、該
    二価鉄の量から錆層の安定化度を評価することを特徴と
    する請求項1に記載の錆安定化度評価方法。
  6. 【請求項6】耐候性鋼材の表面に生成した錆層を乾式で
    機械的に剥離して錆粉末とし、得られた前記錆粉末につ
    いて、αFeOOH、βFeOOH、γFeOOH及び
    マグネタイトの結晶含有量、全鉄含有量、二価鉄含有
    量、合金添加元素量及び熱発生ガス量を測定し、非晶質
    部分の化学成分と量を求めることを特徴とする請求項1
    ないし5に記載の錆安定化度評価方法。
  7. 【請求項7】耐候性鋼材の表面に生成した錆層と地鉄鋼
    材を併せて断面研磨し、次いで、入射光として直線偏光
    を入射させ、錆断面で反射した光を入射光と直角方向の
    偏光子を通して偏光顕微鏡によって写真撮影し、次い
    で、得られた偏光顕微鏡写真において、地鉄鋼材と接し
    た錆層の消光部の割合を測定することにより錆層の安定
    化度を評価することを特徴とする錆安定化度評価方法。
    ただし、消光部とは、全錆層の明るさを基準として基準
    明るさ以下の反射率を有する部分である。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれかに記載の錆安
    定化度評価方法と請求項7に記載の錆安定化度評価方法
    により得られる2つの評価結果から錆層の安定化度を評
    価することを特徴とする錆安定化度評価方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかの評価方法を
    用いて得られる耐候性鋼材。
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