JP2002310693A - 経路探索装置およびプログラム - Google Patents

経路探索装置およびプログラム

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JP2002310693A JP2001109685A JP2001109685A JP2002310693A JP 2002310693 A JP2002310693 A JP 2002310693A JP 2001109685 A JP2001109685 A JP 2001109685A JP 2001109685 A JP2001109685 A JP 2001109685A JP 2002310693 A JP2002310693 A JP 2002310693A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】任意の場所や任意のルートを経由する場合の最
短経路を容易に計算することのできる経路探索装置を提
供する。 【解決手段】探索開始ネットワークを、経由すべき道路
または場所の数nに対応したn個だけ複製して第1のネ
ットワーク〜第nのネットワークとし、探索開始ネット
ワークと第1のネットワークとを第1の経由リンク群に
よって接続し、第1のネットワークと第2のネットワー
クとを第2の経由リンク群によって接続し、以下同様に
第n−1のネットワークと第nのネットワークとを第n
の経由リンク群によって接続してなる拡大ネットワーク
を生成し、探索開始ネットワーク中の出発ノードから第
nのネットワーク中の目的ノードに至る評価関数が最小
になる経路を求める経路探索装置。複数のネットワーク
を同時にメモリに保持する必要はあるが探索回数が大幅
に減少するので、大幅な計算時間の短縮ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【従来の技術】従来、ナビゲーション装置などにおい
て、与えられた始点と終点の間の最短経路を自動的に探
索するほぼ唯一の方法として、ダイクストラ(Dijkstr
a)法と呼ばれる方法がある。この方法は、通行コスト
(例えば、距離や平均走行時間)が非負(マイナスの値
を取らない)の有向枝グラフ(方向の有る枝からなるグ
ラフ:例えば図6に示した矢印の付いた線からなるグラ
フ)上で単一始点複数終点の最短経路を求める計算方法
である。また、上記ダイクストラ法を拡張した方法とし
て、複数始点複数終点の最短経路問題を効率よく解く方
法(特開平6−288782号公報や特開平11−18
4837号公報に記載)や、与えられた条件(例:有料
道路)を満たす枝の通行コストを下げることにより、そ
れらを優先的に経由する方法などがある。この時、一般
的には非負のコストしか用いないが、より優先度を強く
するために負のコストを用いる場合には閉ループを防ぐ
対策(例えば特開平7−36381号公報に記載)が必
要となる。なお、ここで最短経路とは評価関数値(例え
ば通行コストの総計)が最小の意味であり、単に距離が
最短の場合と一致しないこともある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】「国道16号を優先的
に走行する」あるいは「経路の周辺のガソリンスタンド
を検索する」という機能は従来の経路探索方法および地
図検索方法を用いて実現されている。しかし「国道16
号を(最低1交差点区間でも必ず)経由する」あるいは
「任意のガソリンスタンドを経由する(どれでもよいか
ら、とにかく必ずガソリンスタンドに寄る)」という条
件を満たす最短経路の探索は探索時間が激増するため事
実上不可能であった。例えば、図28で示す地形におい
て「START地点から任意のガソリンスタンド(以
下、SSと記す。図28では3個所ある)を経由して任
意の郵便局(図28では2個所ある)に行く最短経路」
を求める場合、この問題をSTART地点からSSまで
の単一始点複数終点最短経路問題とSSから郵便局まで
の複数始点複数終点最短経路問題に分割して計算する
と、一般的にはそれぞれの経路で異なるSSが選ばれる
ため、上記問題を分割して計算することは出来ない。そ
のためSTART地点と各SS(SS1、SS2、SS
3)間の経路r1、r2、r3、および各SSと各郵便
局1、2間の経路r4〜r9を全て求め、それらの組み
合わせを考慮する必要があるので、計算時間が大幅に増
加する。したがって「まず何処かのSSでガソリンを補
給した後、何処でもよいから郵便局に寄って手紙を出
す」というように、任意のSSを経由してから任意の郵
便局に寄ればよいというような場合の最短経路を計算す
ることは、計算時間が膨大となって事実上、計算不能で
あった。
【0003】また、図29で示す地形において「交差点
Aから国道16号を経由して交差点Bに行く最短経路」
を求めるような場合に、従来の方法で国道16号に他の
道路よりも低い(非負の)コストを割り当てたとして
も、「r0のコスト<r1のコスト+r3のコスト」の
場合には、国道16号のコストをどのように下げても、
国道16号(r4の部分)を通る「r1+r4+r3」
のコストがr0のコストよりも大きくなるので、国道1
6号は選択されない。また、国道16号に負のコストを
割り当て、閉ループに対して対策を行なうことも考えら
れるが、その場合にはダイクストラ法で求まる経路は一
般的に最短にはならない。さらに、任意のガソリンスタ
ンドと任意の郵便局を任意の順序で経由して目的地へ到
達する場合、つまりガソリンスタンドと郵便局を経由す
る順序も任意な場合はより一層演算が複雑になり、計算
時間が増大する。上記のように従来の方法においては、
「任意のXを経由してから任意のYに行く最短経路」や
「任意のルートを一部でも必ず経由する最短経路」或い
は「任意のXと任意のYを任意の順序で経由する最短経
路」を計算しようとすると、計算時間が膨大となって計
算不能になったり、最短経路が求められなくなる等の問
題があった。
【0004】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、任意の場所や任意の
ルートを経由する場合の最短経路を容易に計算すること
のできる経路探索装置およびプログラムを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1に記載の発明におい
ては、ノードとリンクからなる経路探索用道路ネットワ
ーク構造に基づいて、出発ノードおよび目的ノードの間
を走行する場合の評価関数が最小になる経路を計算する
経路探索装置であって、経由すべき道路若しくは場所の
数をnとした場合に、経由すべき道路若しくは場所にそ
れぞれ対応した第1の経由リンク群、第2の経由リンク
群、…、第nの経由リンク群を設定する経由リンク群設
定手段と、前記経路探索用道路ネットワーク構造を探索
開始ネットワークと定め、これを前記の数nに対応して
n個複製し、第1のネットワーク、第2のネットワー
ク、…、第nのネットワークとして定めるネットワーク
複製手段と、前記探索開始ネットワークと第1のネット
ワークとを第1の経由リンク群によって接続し、第1の
ネットワークと第2のネットワークとを第2の経由リン
ク群によって接続し、以下同様に、第n−1のネットワ
ークと第nのネットワークとを第nの経由リンク群によ
って接続してなる拡大ネットワークを生成する拡大ネッ
トワーク生成手段と、前記探索開始ネットワーク中の前
記出発ノードから第nのネットワーク中の前記目的ノー
ドに至る評価関数が最小になる経路を求める経由条件付
き最小コスト経路算出手段と、を備えるように構成して
いる。なお、この構成は、例えば後記第1の実施例に相
当する。
【0006】また、請求項2に記載の発明においては、
請求項1における経由リンクの代わりに経由ノードを設
定するように構成している。なお、この構成は、例えば
後記第2の実施例に相当する。
【0007】また、請求項3に記載の発明は、ネットワ
ークを複製する代わりに、その一部を模擬することによ
り、演算時におけるメモリ容量の増加を抑制したもので
ある。なお、この構成は、例えば後記第3の実施例に相
当する。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、前記第1
から第nの経由リンク群を出発地から目的地に至るまで
に経路が1からnまでの順番で経由しなければならない
経由条件列としたときに、複数の異なる経由条件列が与
えられており、そのいずれかを満たす経路の中で評価関
数の値が最小となる経路を求めようとした場合、それぞ
れの経由条件列に対応するそれぞれの拡大ネットワーク
の探索開始ネットワークおよび探索が終了するネットワ
ークを統合させた一つの拡大ネットワークを用いて、与
えられた複数通りの経由条件列の探索を同時に実行する
ことにより、複数の施設種別や複数の経由路を任意の順
序で経由するような場合における最短経路の計算時間を
更に減少させたものである。
【0009】また、請求項5または請求項6に記載の発
明は、請求項4において、同一の経由条件とみなされる
部分を統合することにより、計算時間を更に短縮したも
のである。なお、請求項4〜請求項6に記載の構成は、
例えば後記第4の実施例に相当する。
【0010】また、請求項7に記載の発明は、お互いの
相対的な立ち寄り順序が既に決定している複数の施設種
別の経路に、新たに別の施設種別を追加した場合におけ
る評価関数値が最小となる経路を探索するものである。
なお、この構成は、例えば後記第5の実施例に相当す
る。
【0011】また、請求項8は、前記請求項1に記載の
内容を実行するプログラムであり、請求項9は、前記請
求項2に記載の内容を実行するプログラムである。
【0012】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、従来の経路探
索方法では効率が悪いかあるいは必ずしも最短経路が得
られないような経路探索問題の場合でも、評価関数値
(通行コスト)が最小のものを一回の計算で短い時間で
求めることができる。これにより、例えば、国道16号
と国道134号をその順序で経由したい場合には、国道
16号の全リンクを第1の経由リンク群に、国道134
号の全リンクを第2の経由リンク群に設定することで、
国道16号を最低1リンク区間走行し、そのあとで国道
134号を最低1リンク区間走行する経路の内で最短の
ものを求めることができる。
【0013】請求項2の発明によれば、経由候補として
リンクではなくノードを指定することができる。これに
より、例えば、任意のガソリンスタンドと任意のコンビ
ニをその順序で経由する最短経路を短い計算時間で求め
ることができる。
【0014】請求項3の発明によれば、ネットワークの
一部を模擬することで全体の複製を行なわないので、短
い計算時間を実現し、かつ、記憶容量の増加を少なく抑
えることが出来る。これにより、例えば、記憶容量に制
限がある車載のナビゲーション装置においてもこのよう
な経路探索を行なうことが可能になる。
【0015】請求項4の発明によれば、複数種別が指定
された場合に、各種別の内の任意の施設をそれぞれ最低
一つ任意の順序で経由して目的地に至る最短経路、例え
ば、任意のガソリンスタンドと任意のコンビニとを任意
の順序で経由するような場合における評価関数値が最小
となる経路を短い計算時間で求めることが出来る。
【0016】請求項5または請求項6の発明によれば、
異なる経由条件列が同じ経由条件を含む場合に、さらに
効率よく最短経路を求めることができる。
【0017】請求項7に記載の発明においては、お互い
の相対的な立ち寄り順序が既に決定している複数の施設
種別の経路に、新たに別の施設種別を追加した場合にお
ける評価関数値が最小となる経路を短い計算時間で探索
することが出来る。
【0018】請求項8に記載の発明においては、前記請
求項1に記載の内容をコンピュータを用いて実行するこ
とができる。また、請求項9に記載の発明においては、
前記請求項2に記載の内容をコンピュータを用いて実行
することができる。
【0019】上記のように本発明の経路探索装置は、車
載用ナビゲーション装置における計算時間の短縮を行な
うことが出来るが、特に、経路探索要求があった場合に
コールセンタと携帯電話などで通信することで大容量の
メモリを有するコールセンタのサーバーマシン上で経路
探索を行なう様な通信式のナビゲーション装置において
有効である。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)図1は、本発明
の第1の実施例における経路探索装置の構成図である。
この経路探索装置は、車両に搭載されて車両での走行を
支援するために用いられるものである。この装置には、
センサとして、GPS衛星の信号を受信し、その信号か
ら絶対方位および現在地の座標を算出するGPS受信機
31、運転者が希望する目的地等を入力するための入力
スイッチ33、入力された目的地までの経路を音声によ
り誘導するためのスピーカ32、その経路および車両の
現在地周辺の地図などを表示するCRT等の表示装置3
4、経路探索用道路ネットワークデータと表示用地図デ
ータを記憶した地図データベース35、およびこの経路
探索装置の制御中枢であるコントローラ36が備えられ
ている。なお、コントローラ36は、例えばコンピュー
タで構成され、後述するフローチャート等の内容を実現
するプログラムを実行することによって本発明を実現す
ることができる。
【0021】図2は、図1におけるコントローラ36の
機能ブロック図である。このコントローラ36は、地図
データベース35から所定範囲の経路探索用道路ネット
ワークデータや表示用道路地図データを読み出す地図デ
ータ管理部45と、入力スイッチ33から入力される目
的地情報および経由道路情報とGPS受信機31から入
力される車両の現在地情報とに基づき、経路探索用道路
ネットワークデータを用いて現在地から目的地に至る最
適な経路を探索する最小コスト経路探索処理部42と、
音声制御部43と、表示制御部44と、メモリ46と、
すべての処理を統括する経路探索処理部41とを有す
る。
【0022】図3および図4は、コントローラ36の行
なう制御手順の一例を示すフローチャートである。な
お、図3と図4は(1)の点で相互に接続されている。
このフローチャートは、例えば、現在地から少なくとも
一部でも国道16号を経由して目的地へ行く最短経路を
探索する例を示す。
【0023】以下、図3および図4に従って説明する。
まず、ステップS1では、入力スイッチ33から入力さ
れる目的地情報に従って目的地が設定される。ステップ
S2では、入力スイッチ33から入力される経由道路情
報に従い経由道路(例えば国道16号)が設定される。
ステップS3では、GPS受信機31から入力される車
両現在地、経由道路、および目的地を含む所定の地域の
経路探索用道路ネットワークデータを地図データ管理部
45を介してメモリ46に読み込む。例えば、図5に示
した表示用道路地図上において、車両現在地が図示の位
置である場合に、ステップS1において図5内に示され
る目的地が設定され、ステップS2において経由道路と
して国道16号が設定された場合には、メモリ46に読
み込む経路探索用道路ネットワークデータは図6に黒丸
の点として示されるノードおよび実線の双方向の矢印と
して示される双方向道路リンクである。この際、各リン
クには、そのリンクの走行距離または平均走行時間など
のコストが結び付けられている。なお、所定の地域の外
のノードヘ繋がっているリンク(図6内に点線で表示)
は読み込まれないものとする。
【0024】ステップS4では、所定の地域内の経由道
路のリンクを全て第1の経由リンク群と設定する。上記
の例の場合は図7に実線で示したリンクr1、r2(図
5の国道16号に相当)がこれに相当する。
【0025】ステップS5では、ステップS3でメモリ
46に読み込んだ経路探索用道路ネットワークデータを
探索開始ネットワーク(前記図6に示したもの)とし、
メモリ46内に同データのコピーを作成し、それを第1
のネットワークとして、第1の経由リンク群内のリンク
により探索開始ネットワークと第1のネットワークを接
続し、これら全てを含めたものを拡大ネットワークとす
る。前記の例の場合の拡大ネットワークを示したものが
図8である。
【0026】図8において探索開始ネットワークと第1
のネットワークとを結んだ細実線と太実線とが探索開始
ネットワークから第1のネットワークへのリンクである
が、太実線は経路探索後の最短経路に一致している。図
8に示すように、探索開始ネットワークの経由リンク群
内の各ノードから第1のネットワークの経由リンク群内
の各ノードへリンクで接続されるが、その接続は探索開
始ネットワーク内と同様に接続する。ただし、両端に矢
印の付いたリンクは両方向へ接続するものとする。すな
わち、探索開始ネットワークにおいて、ノードn1から
はリンクr1でノードn2に接続しているので、探索開
始ネットワークのノードn1から第1のネットワークの
ノードn2’へ接続する。また、ノードn2からはリン
クr1とr2でノードn1とノードn3へ接続している
ので、ノードn2からは第1のネットワークのノードn
1’とノードn3’へ接続する。また、ノードn3から
はリンクr2でノードn2へ接続しているので、ノード
n3からは第1のネットワークのノードn2’へ接続す
る。なお、上記の探索開始ネットワークと第1のネット
ワークとを接続する各リンクには、それぞれ探索開始ネ
ットワークにおけるコスト(評価関数値)と同じコスト
が含まれている。
【0027】ステップS6では、車両現在地に最も近い
探索開始ネットワーク内のノードを出発ノードに設定
し、目的地に最も近い第1のネットワーク内のノードを
目的ノードとする(図8)。ステップS7では、最小コ
スト経路探索処理部42により、拡大ネットワークにお
ける出発ノードから目的ノードヘ至る経路のうちコスト
が最小となる経路が求められる。この最小コスト経路探
索処理は、ダイクストラ法やそれを拡張した方法(前記
従来技術の欄参照)などの既存の最小コスト経路探索ア
ルゴリズムを用いることができる。本発明においては、
経路探索用道路ネットワークデータを直接利用するので
はなく、拡大ネットワークの生成という前処理を行なっ
ていることが従来の方法とは異なる。上記の処理の結
果、例えば、上記の例の場合には図8に太線で示される
ような経路が求まる。
【0028】なお、上記の例は、経由道路が一つ(例え
ば国道16号)の場合を例示したが、2以上の場合も同
様に、第2、第3、…、第nの経由リンク群を設定し、
かつ、第2、第3、…、第nのネットワークを複製し、
各ネットワークを各リンクで順次接続することにより、
複数の経由道路を少なくとも一部(少なくとも1リン
ク)を経由する最短経路を短時間で容易に算出すること
ができる。例えば国道16号を経由してから国道134
号を経由したい場合には、第1のネットワークを国道1
6号、第2のネットワークを国道134号として順次接
続することにより、少なくとも国道16の一部を経由し
てから少なくとも国道134号の一部を経由した目的地
へ到達する最短経路を短時間で計算することが出来る。
【0029】ステップS8では、ステップS7で求めた
経路(図8の太線)をもとの経路探索用道路ネットワー
クデータに変換する。上記の例の場合には図9に示すよ
うになる。更に、表示用道路地図と重ねて表示するため
に表示用道路地図の座標系に変換し、この座標列をメモ
リ46に書き込む。ステップS9では、地図データ管理
部45を介して、現在地周辺の表示用道路地図データを
メモリ46に読み込み、ステップS8で求めた経路と同
時に表示装置34に出力する。ステップS10では、経
路上を走行している時に次の交差点において右左折が必
要となる場合にその経路を音声により案内する。ステッ
プS11では、前記ステップS9およびS10を、目的
地に到着するまで繰り返す。
【0030】上記のように、第1の実施例においては、
経路探索用道路ネットワークデータを直接利用するので
はなく、拡大ネットワークの生成を行なうことにより、
出発ノードから、第1の経由リンク群内のリンクを最低
1つ経由し、次に第2の経由リンク群内のリンクを最低
1つ経由し、以下同様にして、最後に第nの経由リンク
群内のリンクを最低1つ経由し、目的ノードに至る経路
の内、評価関数値が最小のものを一回の計算で短い時間
で求めることができる。これにより、例えば、国道16
号と国道134号を経由したいと希望した場合には、国
道16号の全リンクを第1の経由リンク群に、国道13
4号の全リンクを第2の経由リンク群に設定し、国道1
6号を最低1リンク区間走行し、そのあとで国道134
号を最低1リンク区間走行する経路の内最短のものを求
めることができる。ただし、ネットワークを複製して拡
大ネットワークを作る必要があるので、その分のメモリ
容量が必要である。
【0031】(第2の実施例)第2の実施例のブロック
図は、前記図1、図2に示した第1の実施例と同様であ
り、コントローラ36における処理内容が異なってい
る。この実施例においては、第1の実施例における経由
道路の代わりに経由する施設の種別を入力するようにし
たものである。図10は、第2の実施例におけるコント
ローラ36の行なう処理手順を示すフローチャートの一
部である。なお、ステップS8以後は前記図4と同様で
あり、図10のステップS7から図4のステップS8に
接続される。図10は、図3のステップS2〜S5をそ
れぞれステップS22〜S25に置き換えたものであ
る。以下、図10の変更されたステップについて説明す
る。
【0032】ステップS22では、入力スイッチ33か
ら入力される経由施設の種別の情報に従って経由施設種
別が設定される。ステップS23では、GPS受信機3
1から入力される車両現在地、経由施設種別に属する施
設を1件以上、および目的地を含む所定の地域の経路探
索用道路ネットワークデータを地図データ管理部45を
介してメモリ46に読み込む。例えば、図11に示した
表示用道路地図において、車両現在地が図示の位置であ
った場合、ステップS1において図11内に示される目
的地が設定され、ステップS22において経由施設種別
として「コンビニ」(コンビニエンスストアの省略形)
が設定された場合には、メモリ46に読み込む経路探索
用道路ネットワークデータは、図12に黒丸として示さ
れるノードおよび実線の双方向の矢印として示される双
方向道路リンクである。
【0033】ステップS24では、ステップS22で入
力された経由施設種別に該当する施設を、ステップS2
3でメモリに読み込んだ所定の地域内で検索し、全ての
該当施設に対して経路探索用道路ネットワークデータか
ら最寄りのノードを探索し、これらを図13に示す経由
ノード群(n1、n2、n3)として設定する。ステッ
プS25では、図14に示すような拡大ネットワークを
生成する。すなわち、ステップS23でメモリ46に読
み込んだ経路探索用道路ネットワークデータを探索開始
ネットワーク(前記図12に示したもの)とし、メモリ
46内に同データのコピーを作成し、それを第1のネッ
トワークとして、探索開始ネットワークと第1のネット
ワークの間に第1の経由ノード群内の同じノード同士を
接続する経由リンク群を設定する。これら全てを含めた
ものを拡大ネットワークとする。前記の例の場合の拡大
ネットワークを示したものが図14である。
【0034】図14において、探索開始ネットワークと
第1のネットワークとを結んだ細実線と太実線とが探索
開始ネットワークから第1のネットワークへの経由リン
ク群であるが、太実線は経路探索後の最短経路に一致し
ている。図14に示すように、探索開始ネットワークの
経由ノード群内の各ノードから第1のネットワークの経
由ノード群内の各ノードへ経由リンクを介して接続され
るが、その接続は同じノードごとに接続するものとす
る。つまり、探索開始ネットワークのノードn1からは
第1のネットワークのノードn1’へ、ノードn2から
はノードn2’へ、ノードn3からはノードn3’へ、
それぞれ接続する。なお、上記の探索開始ネットワーク
と第1のネットワークとを接続する各リンクは、通行コ
スト(評価関数値)が同じ値(0を含む任意の値)とす
る。以下、ステップS6〜ステップS11の処理は、前
記図3、図4と同様であり、経路探索後の最短経路は図
15に太実線で示すようになる。
【0035】なお、上記の例は、経由施設種別が一つ
(例えばコンビニ)の場合を例示したが、2以上の場合
も同様に、第2、第3、…、第nの経由ノード群を設定
し、かつ、第2、第3、…、第nのネットワークを複製
し、各ネットワークをそれぞれリンク群(通行コストが
同じ値)で順次接続することにより、複数の経由施設種
別(例えば何処かのコンビニを経由してから何処かのガ
ソリンスタンドを経由する)をそれぞれ経由する最短経
路を容易に算出することができる。複数の経由施設種別
の場合の図面は後記図20に示している。
【0036】上記のように、第2の実施例においては、
経路探索用道路ネットワークデータを直接利用するので
はなく、拡大ネットワークの生成を行ない、経由候補と
してリンクではなくノードを指定することにより、出発
ノードから、第1の経由施設種別内の施設を最低1つ経
由し、次に第2の経由施設種別内の施設を最低1つ経由
し、以下同様にして、最後に第nの経由施設種別内の施
設を最低1つ経由し、目的ノードに至る経路の内、評価
関数値が最小のものを一回の計算で短い時間で求めるこ
とができる。これにより、例えば、コンビニの次にガソ
リンスタンドを経由したいと希望した場合には、コンビ
ニを第1の経由施設種別に、ガソリンスタンドを第2の
経由施設種別に設定することにより、少なくとも何処か
のコンビニを経由し、次に何処かのガソリンスタンドを
経由する経路の内最短のものを求めることができる。た
だし、この実施例においても、ネットワークを複製して
拡大ネットワークを作る必要があるので、その分のメモ
リ容量が必要である。
【0037】(第3の実施例)第3の実施例のブロック
図は、前記図1、図2に示した第1の実施例と同様であ
り、コントローラ36における処理内容が異なってい
る。この実施例においては、ネットワークの複製を行な
わずに効率よく経由条件を考慮した経路を提供すること
が出来るようにしたものである。図16は、第3の実施
例におけるコントローラ36の行なう処理手順を示すフ
ローチャートである。なお、ステップS8以後は前記図
4と同様であり、図16のステップS37から図4のス
テップS8に接続される。図16は、図10のステップ
S6〜S7をそれぞれステップS36〜S37に置き換
えたものである。以下、図16の変更されたステップに
ついて説明する。ステップS36では、経路探索用道路
ネットワークデータのうち車両現在地に最も近いノード
を出発ノードに設定し、目的地に最も近いノードを目的
ノードとする。ステップS37では、出発ノードから第
1の経由ノード群のノードを1個以上経由して目的ノー
ドに至る最小コスト経路を探索する。この処理の内容を
図17、図18に示す。なお、図17と図18は、
(1)と(2)の個所で接続されている。
【0038】図17、図18に示す処理は、ダイクスト
ラ法と呼ばれる経路探索手法を拡張したものであり、図
19に示すデータ構造をもつ表をメモリ46内に設けて
処理を行なう。ダイクストラ法では、この様な表を用い
てノード毎に、出発ノードから当該ノードに至る探索済
みの最小コスト経路上の直前のノード、その経路の出発
ノードから当該ノードヘ至る総コスト、および、当該ノ
ードが現在探索対象となっているか(つまり、当該ノー
ドヘ至るなんらかの経路が探索済みで、当該ノードが次
に探索範囲を広げる中心ノードの候補であるか)を示す
フラグの3要素をメモリに記憶し、随時更新しながら探
索が行なわれる。
【0039】これに対し、本実施例では、「経由前直前
ノード」(出発ノードから当該ノードに至る探索済み
の、第1の経由ノード群に属するノードを1つも経由し
ない最小コスト経路上の直前のノード)、「経由前コス
ト」(その経路の出発ノードから当該ノードヘ至る総コ
スト)、「経由前候補フラグ」(当該ノードが現在、第
1の経由ノード群に属するノードを1つも経由しない経
路として探索対象となっているか)、「経由後直前ノー
ド」(出発ノードから当該ノードに至る探索済みの、第
1の経由ノード群に属するノードを1つ以上経由する最
小コスト経路上の直前のノード)、「経由後コスト」
(その経路の出発ノードから当該ノードヘ至る総コス
ト)、「経由後候補フラグ」(当該ノードが現在、第1
の経由ノード群に属するノードを1つ以上経由する経路
として探索対象となっているか)の6要素を目盛りに記
憶し、随時更新しながら探索を行なう。
【0040】ここで、「経由前〜」という名称の要素
は、前記第2の実施例における探索開始ネットワークで
の探索を模擬しているものであり、「経由後〜」という
名称の要素は第1のネットワークでの探索を模擬してい
るものであり、これらを同時にメモリに保持することに
よりネットワークの複製を行なわなくても経由条件を満
たす経路の探索が可能である。つまり、n個のネットワ
ークにおいて、リンクの接続自体はコピーせず、経由条
件を通過していない場合の通行コストの他に、さらに通
過した経由条件ごとに通行コストを記憶することによ
り、ネットワークのコピーを模擬することが出来る。
【0041】上記のように、本実施例においては、ネッ
トワークの複製を行なわず、一部を模擬するので、第
1、第2の実施例に比べて、演算処理に必要とされるメ
モリの容量を削減することが出来る。なお、本実施例で
は経由ノード群が1つ存在する場合について説明した
が、同様の方法で、複数の経由ノード群、複数の経由リ
ンク群、あるいはそれらを組み合わせた探索を行なうこ
ともできる。
【0042】(第4の実施例)前記第2の実施例におい
ては、例えば、「ガソリンスタンドの内のどれでもよい
がとにかく最低一つを経由し、次にコンビニの内のどれ
でもよいからとにかく最低一つを経由して目的地に至
る」というような場合の最短経路を効率よく探索する方
法を示した。しかし、例えば、「途中で(任意の)コン
ビニと(任意の)文房具屋に任意の順序で寄ってから
(任意の)郵便局に行く最短経路(つまりどちらかが先
でもよいから何処かのコンビニと何処かの文房具屋に寄
ってから郵便局へ行く)」や、「(任意の)コンビニと
(任意の)ガソリンスタンドに任意の順番で寄る最短経
路(つまり何処かのコンビニと何処かのガソリンスタン
ドにどちらが先でもよいから寄る)」を求めたい場合
や、「既に複数の経由地とそれらの立ち寄り順序が決定
している場合に、新しい経由地を、距離が最短になるよ
うな順序で挿入したい」場合などでは、経由条件の順序
の組み合わせを全て別々に探索し、その探索結果から最
短のものを選択する必要があったため、前記第2の実施
例に示した方法を用いても多大な探索時間が必要とな
る。
【0043】図20は、上記の状態を示す一例図であ
り、施設種別がコンビニとガソリンスタンドとファミレ
ス(ファミリーレストランの略)の3種であり、それら
をどの順序でもよいから経由する条件の場合の一部を示
す。図20(a)は、コンビニ→ガソリンスタンド→フ
ァミレスの順序で経由する場合、図20(b)はコンビ
ニ→ファミレス→ガソリンスタンドの順序で経由する場
合を示す。同様に、ファミレス→コンビニ→ガソリンス
タンドと、ファミレス→ガソリンスタンド→コンビニ
と、ガソリンスタンド→コンビニ→ファミレスと、ガソ
リンスタンド→ファミレス→コンビニ(これらは図示省
略)を必要であり、結局、施設種別が3種の場合には3
×2×1=6通りの組み合わせが生じ、それぞれに4つ
のネットワークがあるので、合計6×4=24のネット
ワークを探索する必要が生じる。一般的には、施設種別
数をnとすれば、合計でn!×(n+1)のネットワー
クを探索する必要が生じる。したがって施設種別が多く
なると第1、第2の実施例の方法を用いても演算時間が
長くなる。同様に、第1の実施例において、例えば「国
道16号か国道134号の少なくとも一部を任意の順序
で経由したい」というような場合には、上記と同様の問
題が生じる。
【0044】上記のように、複数の施設種別や複数の経
由路を任意の順序で経由するような場合、つまり出発地
から目的地へ至る経路を探索する場合に、複数通りの経
由条件列が与えられ、その内の一つの経由条件列が満た
されていれば良い場合には、第1、第2の実施例におい
ては、各経由条件列毎に個別に経路を探索し、その中か
ら最小のコストの経路を選択する必要があるので、演算
時間が長くなる。本実施例は上記の問題を解決するもの
であり、複数種別が指定された場合に、各種別の内の任
意の施設をそれぞれ最低一つ任意の順序で経由して目的
地に至る評価関数値が最小となる経路を探索する装置で
ある。
【0045】本実施例の全体の構成は前記図1、図2と
同様であり、コントローラ36における演算内容が異な
っている。図21は、第4の実施例におけるコントロー
ラ36の行なう処理手順を示すフローチャートである。
なお、ステップS8以後は前記図4と同様であり、図2
1のステップS7から図4のステップS8に接続され
る。図21は、図3のステップS2〜S5をそれぞれス
テップS42〜S45に置き換えたものである。以下、
図21の変更されたステップについて説明する。
【0046】ステップS42では、入力スイッチ33か
ら入力される経由施設の種別の情報に従って経由施設種
別が設定される。ステップS43では、GPS受信機3
1から入力される車両現在地、経由施設種別に属する施
設を1件以上、および目的地を含む所定の地域の経路探
索用道路ネットワークデータを地図データ管理部45を
介してメモリ46に読み込む。
【0047】ステップS44では、入力されたそれぞれ
の施設種別に対し、その施設種別の施設を沿線に持つリ
ンクを検索し、各施設種別毎に経由リンク群として設定
する。ステップS45では、入力された施設種別の順序
を入れ替えることにより得られる全ての組み合わせに対
し、拡大ネットワークを生成し、各拡大ネットワークの
中で、探索開始ネットワークから始まる共通の部分、ま
たは探索が終了するネットワークで終わる共通の部分が
存在する場合には、その共通の部分を共有する拡大ネッ
トワークに置き換える。これにより、最終的に一つの大
きな拡大ネットワークが得られる。
【0048】例えば、「(任意の)コンビニと(任意
の)ガソリンスタンドと(任意の)ファミレスに任意の
順番でよる最短経路」を求めることを考える。この場
合、第2の実施例の手法では図20に示すように6通り
の条件の組み合わせを考慮する必要があった。しかし、
例えば図22に示す二つの拡大ネットワークでは、探索
開始ネットワークとコンビニの沿線(第1のネットワー
ク)のリンクは共通であるため、これらを図23に示す
ように、共通の部分を共有する一つの拡大ネットワーク
に置き換える。この処理を繰り返すことにより、ステッ
プS45において最終的には図24に示すような拡大ネ
ットワークを得ることが出来る。これにより、第2の実
施例の方法で探索を行なった場合(図20)は、各4個
のネットワークをもつ6通りの組み合わせの合計24個
のネットワークを探索する必要があったのに対し、8個
のネットワークをもつ一つの拡大ネットワーク(図2
4)を探索すれば良い。したがって第2の実施例に比較
して計算量が1/3になる。
【0049】(第5の実施例)本実施例は、複数の施設
種別が指定されてあり、これらの施設種別に属する施設
を、指定された順番通りに経由して目的地に至る経路に
おいて、経路の評価関数値が最小となる順番で新たに別
の施設種別を一つ追加し、その経路を探索する方法を示
すものである。本実施例の全体の構成は前記図1、図2
と同様であり、コントローラ36における演算内容が異
なっている。図25は、第5の実施例におけるコントロ
ーラ36の行なう処理手順を示すフローチャートであ
る。なお、ステップS8以後は前記図4と同様であり、
図25のステップS7から図4のステップS8に接続さ
れる。図25は、図21のステップS42〜S45をそ
れぞれステップS52〜S55に置き換えたものであ
る。以下、図25の変更されたステップについて説明す
る。
【0050】ステップS52では、お互いの相対的な立
ち寄り順序が既に決定している経由施設の施設種別を第
1から第nの経由条件として入力し、さらに、追加する
施設種別を入力する。ステップS53では、経路探索用
道路ネットワークデータを地図データ管理部45を介し
てメモリ46に読み込む。ステップS54では、入力さ
れた経由条件を沿線に持つリンクを第1から第nの経由
リンク群と、追加する経由リンク群として設定する。
【0051】ステップS55では、元のネットワーク構
造を探索開始ネットワークと定め、これを2n+1個複
製して第1のネットワーク、第2のネットワーク、…、
第2n+1のネットワークを各々定める。そして探索開
始ネットワークと第1のネットワークとを第1の経由リ
ンク群によって接続し、第1のネットワークと第2のネ
ットワークとを第2の経由リンク群で接続し、第2のネ
ットワークと第3のネットワークとを第3の経由リンク
群で接続し、以下同様に、第n−1のネットワークま
で、第n−1のネットワークと第nのネットワークとを
第nの経由リンク群で接続し、次に、探索開始ネットワ
ークと第n+1のネットワークとを追加する経由リンク
群で接続し、第1のネットワークと第n+2のネットワ
ークとを追加する経由リンク群で接続し、第2のネット
ワークと第n+3のネットワークとを追加する経由リン
ク群で接続し、以下同様に、第nのネットワークまで、
第nのネットワークと第2n+1のネットワークとを追
加する経由リンク群で接続し、次に、第n+1のネット
ワークと第n+2のネットワークとを第1の経由リンク
群によって接続し、第n+2のネットワークと第n+3
のネットワークとを第2の経由リンク群で接続し、以下
同様に、第2nのネットワークまで、第2nのネットワ
ークと第2n+1のネットワークとを第nの経由リンク
群で接続する。上記のように接続することによって拡大
ネットワークを生成する。
【0052】例として、「ガソリンスタンドとファミレ
スにこの順番で寄ることは決めたが、途中で任意のコン
ビニを経由する最短経路」を求めたい場合を考える。こ
の場合、ガソリンスタンドとファミレスが「お互いの相
対的な立ち寄り順序が既に決定している経由施設の施設
種別、第1と第2」に相当し、「コンビニ」が追加する
施設種別に相当する。
【0053】図26は、上記の例を示す図である。この
図は、n=2(ガソリンスタンドとファミレス)の場合
を示す。図26において、検索開始ネットワークから直
下に、「第1のネットワーク(ガソリンスタンド)」、
その下に「第2のネットワーク(ファミレス)」が上か
ら順に「第1の経由リンク群」と「第2の経由リンク
群」で接続されている。また、検索開始ネットワークの
右側に「第n+1のネットワーク(検索開始ネットワー
クと同じ)」、その下に「第n+2のネットワーク(ガ
ソリンスタンド)」「第n+3のネットワーク(ファミ
レス)」が上から順に「第1の経由リンク群」と「第2
の経由リンク群」で接続されている。また、検索開始ネ
ットワークと第n+1のネットワーク、第1のネットワ
ークと第n+2のネットワーク、第2のネットワークと
第n+3のネットワークが、それぞれ追加する経由リン
ク群(コンビニ)で接続されている。
【0054】図27は、上記のように、お互いの相対的
な立ち寄り順序が既に決定している場合に新たな他の施
設種別を追加する事例を、前記第1または第2の実施例
に示す方法で処理する場合の一例を示す図である。この
場合には、新に追加する「コンビニ」が入る場所が3個
所考えられるので、図27(a)(b)(c)に示すよ
うに、3通りの条件の組み合わせと合計3×4=12個
のネットワークを探索する必要がある。
【0055】これに対して、図26に示した本実施例の
方法を用いて作成された拡大ネットワークは、既に決定
された「探索開始ネットワークとガソリンスタンドとフ
ァミレス」のネットワークが2個設けられ、それら相互
間が追加の経由リンク群(コンビニ)で接続された形に
なっているので、合計で6個のネットワークしか含まな
いため、探索時間を6/(3×4)=1/2に削減でき
る。
【0056】上記のように、第4、第5の実施例におい
ては、異なる経由条件列が同じ経由条件を含む場合に、
さらに効率よく最小コスト経路を求めることができる。
例えば、探索開始ネットワークに含まれるコンビニ、ガ
ソリンスタンド、ファミレスの数をそれぞれa、b、c
とした場合、従来例の方法では、2×(a+b+c)+
(a×b)+(a×c)+(b×c)回という膨大な数
の探索が必要であり、実用上不可能であった。
【0057】それに対し、第1、第2の実施例の方法で
は、4個のネットワーク(図20)を同時にメモリに保
持する必要があるが、6回の探索で十分であるため、4
倍のメモリを必要とする代わりに大幅な計算時間の短縮
が可能である。さらに、第4の実施例においては、8個
のネットワーク(図24)を同時にメモリに保持する必
要があるが、1回の探索で済むため、第1、第2の実施
例に比べても2倍のメモリが必要となる代わりに、計算
時間はおよそ8/(4×6)=1/3に減少する。
【0058】また、第5の実施例においては、6個のネ
ットワーク(図26)を同時にメモリに保持する必要が
あるが、1回の探索で済むため、第1、第2の実施例に
比べて6/4=1.5倍のメモリを必要とする代わり
に、およそ6/(3×4)=1/2の計算時間で最小コ
スト経路を求めることができる。
【0059】上記のように、本発明の経路探索装置は車
載用ナビゲーション装置における計算時間を大幅に短縮
することが出来る。さらに本発明は、経路探索要求があ
った場合にコールセンタと携帯電話などで通信し、大容
量のメモリを有するコールセンタのサーバーマシン上で
経路探索を行なう様な通信式のナビゲーション装置にお
いて特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における経路探索装置の全体
構成を示すブロック図。
【図2】図1内のコントローラ36の構成を示すブロッ
ク図。
【図3】コントローラ36における処理内容を示すフロ
ーチャートの第1の実施例の一部を示す図。
【図4】コントローラ36における処理内容を示すフロ
ーチャートの第1の実施例の他の一部を示す図。
【図5】表示用道路地図を示す図。
【図6】経路探索用道路ネットワークを示す図。
【図7】経由リンク群を示す図。
【図8】拡大ネットワークを示す図。
【図9】経路探索後の経路を示す図。
【図10】コントローラ36における処理内容を示すフ
ローチャートの第2の実施例の一部を示す図。
【図11】表示用道路地図を示す図。
【図12】経路探索用道路ネットワークを示す図。
【図13】経由ノード群を示す図。
【図14】拡大ネットワークを示す図。
【図15】経路探索後の経路を示す図。
【図16】コントローラ36における処理内容を示すフ
ローチャートの第3の実施例の一部を示す図。
【図17】図16の一部の詳細内容を示すフローチャー
トの一部。
【図18】図16の一部の詳細内容を示すフローチャー
トの他の一部。
【図19】図17、図18の演算に用いるデータ構造を
示す図表。
【図20】第1または第2の実施例において、複数の施
設種別や複数の経由路を任意の順序で経由する場合にお
ける拡大ネットワークを示す図。
【図21】コントローラ36における処理内容を示すフ
ローチャートの第4の実施例の一部を示す図。
【図22】第4の実施例における拡大ネットワークの共
通部分を示す図。
【図23】第4の実施例における拡大ネットワークの生
成方法を説明するための図。
【図24】第4の実施例における拡大ネットワークを示
す図。
【図25】コントローラ36における処理内容を示すフ
ローチャートの第5の実施例の一部を示す図。
【図26】お互いの相対的な立ち寄り順序が既に決定し
ている場合に新たな他の施設種別を追加する事例を、第
5の実施例に示す方法で処理する場合の一例を示す図。
【図27】図26の事例を第1または第2の実施例で処
理する場合の一例を示す図。
【図28】従来の経路探索方法を用いて経由地を考慮し
た最短経路探索を行なう例を説明するための図面。
【図29】従来の経路探索方法で経由希望道路を考慮し
た最短経路探索を行なう例を説明するための図面。
【符号の説明】
31…GPS受信機 32…スピー
カ 33…入力スイッチ 34…表示装
置 35…地図データベース 36…コント
ローラ 41…経路探索処理部 42…最小コ
スト経路探索処理部 43…音声制御部 44…表示制
御部 45…地図データ管理部 46…メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C032 HB22 HC08 HC22 HC31 HD03 HD16 HD18 2F029 AA02 AB07 AB13 AC14 AC18 5H180 AA01 FF05 FF22 FF25 FF27 FF32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノードとリンクからなる経路探索用道路ネ
    ットワーク構造に基づいて、出発ノードおよび目的ノー
    ドの間を走行する場合の評価関数が最小になる経路を計
    算する経路探索装置であって、 経由すべき道路若しくは場所の数をnとした場合に、経
    由すべき道路若しくは場所にそれぞれ対応した第1の経
    由リンク群、第2の経由リンク群、…、第nの経由リン
    ク群を設定する経由リンク群設定手段と、 前記経路探索用道路ネットワーク構造を探索開始ネット
    ワークと定め、これを前記の数nに対応してn個複製
    し、第1のネットワーク、第2のネットワーク、…、第
    nのネットワークとして定めるネットワーク複製手段
    と、 前記探索開始ネットワークと第1のネットワークとを第
    1の経由リンク群によって接続し、第1のネットワーク
    と第2のネットワークとを第2の経由リンク群によって
    接続し、以下同様に、第n−1のネットワークと第nの
    ネットワークとを第nの経由リンク群によって接続して
    なる拡大ネットワークを生成する拡大ネットワーク生成
    手段と、 前記探索開始ネットワーク中の前記出発ノードから第n
    のネットワーク中の前記目的ノードに至る評価関数が最
    小になる経路を求める経由条件付き最小コスト経路算出
    手段と、 を備えたことを特徴とする経路探索装置。
  2. 【請求項2】ノードとリンクからなる経路探索用道路ネ
    ットワーク構造に基づいて、出発ノードおよび目的ノー
    ドの間を走行する場合の評価関数が最小になる経路を計
    算する経路探索装置であって、 経由すべき道路若しくは場所の数をnとした場合に、経
    由すべき道路若しくは場所にそれぞれ対応した第1の経
    由ノード群、第2の経由ノード群、…、第nの経由ノー
    ド群を設定する経由ノード群設定手段と、 前記経路探索用道路ネットワーク構造を探索開始ネット
    ワークと定め、これを前記の数nに対応してn個複製
    し、第1のネットワーク、第2のネットワーク、…、第
    nのネットワークとして定めるネットワーク複製手段
    と、 前記探索開始ネットワークと第1のネットワークの間に
    第1の経由ノード群内の同じノード同士を接続する第1
    の経由リンク群を設定し、第1のネットワークと第2の
    ネットワークの間に第2の経由ノード群内の同じノード
    同士を接続する第2の経由リンク群を設定し、以下同様
    に、第n−1のネットワークと第nのネットワーク間に
    第nの経由ノード群内の同じノード同士を接続する第n
    の経由リンク群を設定し、かつ、各経由リンク群内の各
    経由リンクの評価関数値を等しい値に設定した拡大ネッ
    トワークを生成する拡大ネットワーク生成手段と、 前記探索開始ネットワーク中の前記出発ノードから第n
    のネットワーク中の前記目的ノードに至る評価関数が最
    小になる経路を求める経由条件付き最小コスト経路算出
    手段と、 を備えたことを特徴とする経路探索装置。
  3. 【請求項3】前記最小コスト経路を算出するアルゴリズ
    ムとして、ダイクストラ法またはその拡張アルゴリズム
    を用い、ダイクストラ法で使用される出発ノードから当
    該ノードヘの経路の総コストおよびその経路上の直前ノ
    ードを記憶する各ノード毎の記憶領域を探索開始ネット
    ワーク、第1のネットワーク、…、第nのネットワーク
    に対応してn+1重に設けることにより、前記のネット
    ワークの複製を模擬し、それを用いて評価関数が最小に
    なる経路を求める経由条件付き最小コスト経路算出手段
    を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の経路探索装置。
  4. 【請求項4】前記第1から第nの経由リンク群を出発地
    から目的地に至るまでに経路が1からnまでの順番で経
    由しなければならない経由条件列としたときに、複数の
    異なる経由条件列が与えられており、そのいずれかを満
    たす経路の中で評価関数の値が最小となる経路を求めよ
    うとした場合、それぞれの経由条件列に対応するそれぞ
    れの拡大ネットワークの探索開始ネットワークおよび探
    索が終了するネットワークを統合させた一つの拡大ネッ
    トワークを用いて、与えられた複数通りの経由条件列の
    探索を同時に実行することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の経路探索装置。
  5. 【請求項5】拡大ネットワーク内の或るネットワークA
    が経由リンク群LによりネットワークBへ繋がれてお
    り、前記ネットワークAがさらに経由リンク群Mにより
    ネットワークBとは異なるネットワークCへ繋がれてい
    る場合に、経由リンク群Lと経由リンク群Mが同一の経
    由条件とみなされるものであれば、経由リンク群LとM
    およびネットワークBとCをそれぞれ統合させた拡大ネ
    ットワークを用いて、探索を行なうことを特徴とする請
    求項4に記載の経路探索装置。
  6. 【請求項6】拡大ネットワーク内の或るネットワークA
    へ経由リンク群Lにより繋がれているネットワークBが
    存在し、さらに前記ネットワークAへ経由リンク群Mに
    より繋がれているネットワークBとは異なるネットワー
    クCが存在する場合に、経由リンク群Lと経由リンク群
    Mが同一の経由条件とみなされるものであれば、経由リ
    ンク群LとMおよびネットワークBとCをそれぞれ統合
    させた拡大ネットワークを用いて、探索を行なうことを
    特徴とする請求項4または請求項5に記載の経路探索装
    置。
  7. 【請求項7】お互いの相対的な立ち寄り順序が既に決定
    している経由条件を沿線に持つリンクを第1から第nの
    経由リンク群とし、追加する施設種別に相当する経由リ
    ンクを追加する経由リンク群とした場合に、 元のネットワーク構造を探索開始ネットワークと定め、
    これを2n+1個複製して第1のネットワーク、第2の
    ネットワーク、…、第2n+1のネットワークとして各
    々定め、 探索開始ネットワークと第1のネットワークとを第1の
    経由リンク群によって接続し、 第1のネットワークと第2のネットワークとを第2の経
    由リンク群で接続し、 第2のネットワークと第3のネットワークとを第3の経
    由リンク群で接続し、 以下同様に、第n−1のネットワークまで、 第n−1のネットワークと第nのネットワークとを第n
    の経由リンク群で接続し、 次に、探索開始ネットワークと第n+1のネットワーク
    とを追加する経由リンク群で接続し、 第1のネットワークと第n+2のネットワークとを追加
    する経由リンク群で接続し、 第2のネットワークと第n+3のネットワークとを追加
    する経由リンク群で接続し、 以下同様に、第nのネットワークまで、 第nのネットワークと第2n+1のネットワークとを追
    加する経由リンク群で接続し、 次に、第n+1のネットワークと第n+2のネットワー
    クとを第1の経由リンク群によって接続し、 第n+2のネットワークと第n+3のネットワークとを
    第2の経由リンク群で接続し、 以下同様に、第2nのネットワークまで、 第2nのネットワークと第2n+1のネットワークとを
    第nの経由リンク群で接続することにより、拡大ネット
    ワークを生成し、 上記拡大ネットワークを用いて評価関数が最小になる経
    路を求めることにより、お互いの相対的な立ち寄り順序
    が既に決定している複数の施設種別の経路に、新たに別
    の施設種別を追加した場合における評価関数値が最小と
    なる経路を探索することを特徴とする請求項1乃至請求
    項6の何れかに記載の経路探索装置。
  8. 【請求項8】ノードとリンクからなる経路探索用道路ネ
    ットワーク構造に基づいて、出発ノードおよび目的ノー
    ドの間を走行する場合の評価関数が最小になる経路を計
    算するプログラムであって、コンピュータに下記第1乃
    至第4の手順を実行させるためのプログラム。経由すべ
    き道路若しくは場所の数をnとした場合に、経由すべき
    道路若しくは場所にそれぞれ対応した第1の経由リンク
    群、第2の経由リンク群、…、第nの経由リンク群を設
    定する第1の手順、 前記経路探索用道路ネットワーク構造を探索開始ネット
    ワークと定め、これを前記の数nに対応してn個複製
    し、第1のネットワーク、第2のネットワーク、…、第
    nのネットワークとして定める第2の手順、 前記探索開始ネットワークと第1のネットワークとを第
    1の経由リンク群によって接続し、第1のネットワーク
    と第2のネットワークとを第2の経由リンク群によって
    接続し、以下同様に、第n−1のネットワークと第nの
    ネットワークとを第nの経由リンク群によって接続して
    なる拡大ネットワークを生成する第3の手順、 前記探索開始ネットワーク中の前記出発ノードから第n
    のネットワーク中の前記目的ノードに至る評価関数が最
    小になる経路を求める第4の手順。
  9. 【請求項9】ノードとリンクからなる経路探索用道路ネ
    ットワーク構造に基づいて、出発ノードおよび目的ノー
    ドの間を走行する場合の評価関数が最小になる経路を計
    算するプログラムであって、コンピュータに下記第1乃
    至第4の手順を実行させるためのプログラム。経由すべ
    き道路若しくは場所の数をnとした場合に、経由すべき
    道路若しくは場所にそれぞれ対応した第1の経由ノード
    群、第2の経由ノード群、…、第nの経由ノード群を設
    定する第1の手順、 前記経路探索用道路ネットワーク構造を探索開始ネット
    ワークと定め、これを前記の数nに対応してn個複製
    し、第1のネットワーク、第2のネットワーク、…、第
    nのネットワークとして定める第2の手順、 前記探索開始ネットワークと第1のネットワークの間に
    第1の経由ノード群内の同じノード同士を接続する第1
    の経由リンク群を設定し、第1のネットワークと第2の
    ネットワークの間に第2の経由ノード群内の同じノード
    同士を接続する第2の経由リンク群を設定し、以下同様
    に、第n−1のネットワークと第nのネットワーク間に
    第nの経由ノード群内の同じノード同士を接続する第n
    の経由リンク群を設定し、かつ、各経由リンク群内の各
    経由リンクの評価関数値を等しい値に設定した拡大ネッ
    トワークを生成する第3の手順、 前記探索開始ネットワーク中の前記出発ノードから第n
    のネットワーク中の前記目的ノードに至る評価関数が最
    小になる経路を求める第4の手順。
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