JP2002298186A - 磁気量検出装置 - Google Patents

磁気量検出装置

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JP2002298186A
JP2002298186A JP2001094255A JP2001094255A JP2002298186A JP 2002298186 A JP2002298186 A JP 2002298186A JP 2001094255 A JP2001094255 A JP 2001094255A JP 2001094255 A JP2001094255 A JP 2001094255A JP 2002298186 A JP2002298186 A JP 2002298186A
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JP2001094255A
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Tetsuo Suzuki
哲雄 鈴木
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッド個体毎のバラツキを容易に調整す
る。 【解決手段】 磁気ヘッド6の出力電圧をコンデンサ1
4を介して、出力調整可能なゲイン調整用の増幅回路1
6に供給し、この出力を出力調整可能なオフセット調整
用の加算回路18で処理した後、A/D変換器20を介
して磁気量検知信号Dmとしてコントローラ24に供給
する。コントローラ24によって印加電圧の切り替え、
増幅回路16及び加算回路18の調整を行い、磁気ヘッ
ド6に直流電圧を印加しこのときの磁気量検知信号Dm
が基準値となるように加算回路18を調整し、また磁気
ヘッド6に交流電圧を印加し、このときの磁気量検知信
号Dmの振幅が基準振幅となるように増幅回路16を調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ヘッド等に
よって磁気量の変化を電気信号として検出し、これに基
づき磁気量を検出するようにした磁気量検出装置に関
し、特に、磁気ヘッド毎の出力特性のバラツキを容易に
調整するようにした磁気量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙幣の種類等を判定する方法とし
て、紙幣が有する磁気量の特徴によって判定する方法が
知られている。このように、紙幣等の判定材料として磁
気量を用いる場合、磁気量の測定は、高精度に行う必要
がある。そのため、例えば基準の磁気量を有するテスト
ピースを用い、実際に磁気ヘッドからの出力を測定し、
この測定結果に基づいて振幅倍率調整用の抵抗値を変更
したり、また、測定結果に基づいてオフセット調整用の
抵抗値をコントローラで自動的に変更したり、また、人
手によってこれら振幅倍率或いはオフセット調整用の抵
抗値を変更する作業を繰り返すことによって、微調整を
行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、紙幣の種類等
を検出する場合には複数の磁気ヘッドを用い、紙幣全域
の磁気量を検出し、これら複数の磁気量に基づいて紙幣
に対する判定を行うようにしている。このように、同一
の測定対象に対し磁気量の測定を行う場合には、各磁気
ヘッドの出力特性にバラツキがないことが望ましい。
【0004】しかしながら、磁気ヘッドは個体差による
出力のバラツキが大きく、また、温度や磁気ヘッドの出
力をもとに磁気量を検出するための回路自体の特性によ
るバラツキ等もある。このように出力特性にバラツキの
ある磁気ヘッドのバラツキを均一にするためには、各磁
気ヘッド毎にその出力レベルの調整を行う必要がある。
しかしながら、上述のように、テストピースを用いて調
整を行う場合、安定した出力を得るように調整するには
時間がかかる上、調整作業者による人為的な調整ミスも
発生しやすい。
【0005】また、別の調整方法として、磁気ヘッドに
コイルをカップリングさせて外部磁界を与える方法等も
あるが、磁気ヘッドとコイルとの位置調整が難しく、各
磁気ヘッドに均一の磁界を与えられないために、各磁気
ヘッドからの出力を均一に調整できないという問題があ
る。そこで、この発明は、上記従来の未解決の課題に着
目してなされたものであり、磁気ヘッドの出力調整を容
易に行い、磁気ヘッド間のバラツキを容易に抑えること
の可能な磁気量検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る磁気量検出装置は、磁気量
に応じた磁気検出信号を出力する磁気量検出手段と、前
記磁気検出信号の信号レベルを調整する調整手段と、当
該調整手段での調整後の前記磁気検出信号に基づいて前
記磁気量を算出する磁気量算出手段と、前記磁気量検出
手段に、磁気量測定時には測定用の駆動信号を供給し調
整時には調整用の駆動信号を供給する駆動信号供給手段
と、前記調整時であり且つ前記磁気量検出手段で磁気量
を検出していないときの前記磁気検出信号に基づいて前
記調整手段の調整量を制御する制御手段と、を備えるこ
とを特徴としている。
【0007】この請求項1に係る発明では、例えば磁気
ヘッド等の磁気量検出手段に対し、磁気量測定時には測
定用信号が供給され、磁気量検出手段では、測定対象物
の磁気量に応じた磁気検出信号を出力する。そして、こ
の磁気検出信号が調整手段で調整されて、調整後の磁気
検出信号に基づいて磁気量算出手段において測定対象物
の磁気量が算出される。
【0008】前記調整手段での調整量は、制御手段によ
って制御され、制御手段では、調整時であり磁気量検出
手段に調整用信号が供給され、且つ例えば、磁気量検出
手段と対向する位置に測定対象物がない場合等、磁気量
検出手段で測定対象物の磁気量を検出していないときの
磁気の影響を受けていない磁気検出信号、すなわち、磁
気量検出手段の出力特性に応じた磁気検出信号に基づい
て制御量を調整し、例えばこの磁気検出信号が規定信号
となるように調整する。
【0009】したがって、このようにしてその出力であ
る磁気検出信号が調整される磁気量検出手段は、その磁
気検出信号が、調整用信号が供給されたときには規定信
号となるように出力特性が調整されることになる。よっ
て、同様にしてその出力が調整される磁気量検出手段
は、同一の出力特性を有することになる。このとき、磁
気量検出手段への駆動信号は、駆動信号供給手段によっ
て測定時及び調整時に応じた駆動信号に切り替えられて
供給され、また、調整手段は、制御手段によってその制
御量が制御されるから人手を介さずに調整を行うことが
可能となる。
【0010】また、請求項2に係る磁気量検出装置は、
前記磁気量検出手段は、測定時には前記駆動信号として
直流信号が供給されて前記磁気量に応じた磁気検出信号
を出力し且つ前記駆動信号として交流信号が供給された
ときには当該交流信号に比例する磁気検出信号を出力す
る手段であって、前記調整手段は、前記磁気検出信号の
増幅倍率を調整するゲイン調整手段と前記磁気検出信号
のオフセットを調整するオフセット調整手段とを備え、
前記駆動信号供給手段は、前記調整用の駆動信号として
前記ゲイン調整手段でのゲイン調整用の交流信号と前記
オフセット調整手段でのオフセット調整用の直流信号と
を切り替えて前記磁気量検出手段に供給するようになっ
ていることを特徴としている。
【0011】この請求項2に係る発明では、磁気量検出
手段は、測定時には、駆動信号として直流信号が供給さ
れ、測定対象物の磁気量に応じた磁気検出信号を出力す
る。また、駆動信号として交流信号が供給されたときに
はこの交流信号に比例した磁気検出信号を出力するよう
になっている。そして、調整手段は、磁気検出信号の増
幅倍率を調整するゲイン調整手段と磁気検出信号のオフ
セットを調整するオフセット調整手段とを備えており、
駆動信号供給手段では、調整用の駆動信号としてゲイン
調整手段でのゲイン調整用に用いられる交流信号とオフ
セット調整手段でのオフセット調整用に用いられる直流
信号とを切り替えて磁気量検出手段に供給している。
【0012】したがって、例えば磁気量検出手段と対向
する位置に磁性体が位置しない状態で、磁気量検出手段
に調整用の駆動信号として所定の直流信号を供給すれ
ば、その出力である磁気検出信号は、磁気の影響を受け
ない磁気量検出手段の出力特性に応じた値となり、ま
た、調整用の駆動信号として所定の交流信号を供給すれ
ば、この交流信号に比例し且つ磁気量検出手段の出力特
性に応じた磁気検出信号が出力される。
【0013】よって、例えば、調整用の駆動信号として
所定の直流信号を供給したときの磁気検出信号がある規
定のオフセット値となるようにオフセット調整手段で調
整を行い、また、所定の交流信号を供給したときの磁気
検出信号の振幅がある規定値となるようにゲイン調整手
段で調整を行うことによって、調整用の駆動信号として
所定の直流信号及び交流信号を供給したときの磁気検出
信号は、あるオフセット値を基準として規定の振幅を有
する磁気検出信号に調整されることになる。よって、同
様にして複数の磁気量検出手段について調整を行えば、
各磁気量検出手段の出力特性が等しくなるように調整さ
れたことになる。
【0014】また、請求項3に係る磁気量検出装置は、
前記制御手段は、前記ゲイン調整用の交流信号を供給し
たときの前記磁気検出信号に基づいてヒストグラムを生
成し、当該ヒストグラムに基づいて前記磁気検出信号の
ピーク値を検出するピーク値検出手段を備え、当該ピー
ク値検出手段で検出したピーク値に基づいて前記調整手
段の調整を行うようになっていることを特徴としてい
る。
【0015】この請求項3に係る発明では、制御手段
は、ゲイン調整用の交流信号を供給したときの磁気検出
信号、すなわち、正弦波信号に基づいて所定のサンプリ
ング時間毎に所定数のサンプリングを行ってヒストグラ
ムを生成する。そしてこのヒストグラムに基づいて磁気
検出信号のピーク値を検出しこれに基づいて調整手段の
調整を行っている。磁気検出信号にノイズ等がのってい
る場合にはピーク値を特定するのが困難であるが、ヒス
トグラムを用い、例えばしきい値を設定するようにすれ
ば、ノイズの影響を除去した的確なピーク値を検出する
ことが可能となる。よって、これに基づいて調整手段の
調整を行うことによってより高精度に調整を行うことが
可能となる。
【0016】さらに、請求項4に係る磁気量検出装置
は、前記調整手段による調整後の前記磁気検出信号を複
数入力しこれを切り替えて出力するマルチプレクサと、
当該マルチプレクサの出力信号を調整する一括調整手段
と、を備えることを特徴としている。この請求項4に係
る発明では、前記調整手段によって調整した後の磁気検
出信号はマルチプレクサに入力され、このマルチプレク
サには、複数の磁気量検出手段からの調整後の磁気検出
信号が入力される。そして、マルチプレクサの出力信号
は、一括調整手段によって再度調整される。
【0017】したがって、一括調整手段を調整すること
によって複数の磁気量検出手段からの磁気検出信号を一
括して調整することが可能となる。ここで、測定対象物
の磁気量が小さ過ぎる場合或いは大き過ぎる場合等に
は、調整手段での調整後の磁気検出信号の振幅も小さか
ったり、また大きかったりする。例えば同一の測定対象
物に対して複数の磁気量検出手段によって測定を行う場
合、測定対象物の磁気量が全体的に小さすぎたりまた大
きすぎたりした場合には、一括調整手段で、これらを調
整することによって、複数の磁気量検出手段の磁気検出
信号を、一括して容易に調整することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。まず、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した紙幣識別装置の概略構成を示
す構成図である。この紙幣識別装置は、公知の紙幣識別
装置と同様に構成され、紙幣搬送路2に導入された紙幣
Mが、紙幣搬送路2の長手方向両端部に設けられた導入
搬送ベルト4によって紙幣搬送路2上を搬送され、紙幣
Mが紙幣搬送路2に設けられた、複数の磁気ヘッド6上
を通過することによって、紙幣Mの磁気量がトレースラ
イン8に沿って検出されるようになっている。そして、
図示しないコントローラでこれら磁気ヘッド6の出力信
号に基づいて磁気量の分布状況を検出し、その分布状況
に基づいて紙幣Mの種類を判別するようになっている。
【0019】図2は、磁気量検出装置100の詳細を示
すブロック図であって、前記磁気ヘッド6は、公知の磁
気ヘッドであって、磁気ヘッド6に所定の直流電圧を印
加することによって、測定対象物の磁気量に応じた出力
電圧を出力する。磁気ヘッド6の出力側には、磁気ヘッ
ド6の出力信号の変動分を抽出するためのコンデンサ1
4を介して、磁気ヘッド6の振幅倍率調整用の自動的に
出力調整可能な増幅回路16が接続されている。この増
幅回路16は、例えばデジタル制御ポテンショメータ等
の電子トリマ抵抗及びアンプから構成されている。
【0020】前記増幅回路16の出力側には、さらに、
磁気ヘッド6の出力信号のオフセット調整用の加算回路
18が接続されている。この加算回路18は、自動的に
出力調整可能に構成され、例えばテジタル制御ポテンシ
ョメータ等の電子トリマ抵抗及びオペアンプから構成さ
れている。そして、加算回路18の出力が、A/D変換
器20を介して、コントローラ24に入力されるように
なっている。また、前記磁気ヘッド6には、この磁気ヘ
ッド6へ、直流電圧と交流電圧とを選択的に印加するた
めの切り替え回路22が設けられている。
【0021】これによって、磁気ヘッド6の出力電圧
は、コンデンサ14によってその変化量が抽出され、そ
の変化量が増幅回路16で増幅され、さらに加算回路1
8でオフセットされ、この加算回路18の出力信号であ
る磁気検出電圧が、A/D変換器20でデジタル信号に
変換されて磁気量検知信号としてコントローラ24に入
力されるようになっている。
【0022】このコントローラ24は、前記増幅回路1
6、加算回路18、前記切り替え回路22を制御し、磁
気センサ6の組み込み時、或いは出荷時等に、初期調整
として前記増幅回路16のゲイン調整及び加算回路18
のオフセット調整を行い、また、計測を開始する前に、
環境調整として前記加算回路18のオフセット調整を行
う。また、前記初期調整後の磁気検出電圧の振幅と、予
め設定した振幅の基準値とに基づいて振幅の補正係数を
算出し、これに基づいて磁気量検知信号を補正し、補正
後のデータを紙幣Mの磁気量に応じた磁気量検出値とす
る。
【0023】次に、上記第1の実施の形態の動作を説明
する。今、紙幣識別装置を出荷するものとすると、各磁
気センサ6のそれぞれについて、出荷する前に、コント
ローラ24において、図3に示す初期調整処理を実行す
る。まず、ステップS2で、増幅回路16及び加算回路
18を調整し、増幅回路16の抵抗値として予め設定し
たゲイン初期値、加算回路18の抵抗値として予め設定
したオフセット初期値を設定する。
【0024】次いで、ステップS4に移行し、紙幣Mを
紙幣搬送路2に導入しない状態で、調整用の直流電圧V
T 、例えば磁気量測定時に前記磁気ヘッド6に印加する
直流電圧(例えばDC5V程度)を印加する。そして、
ステップS6に移行し、図4に示すオフセット調整処理
を実行する。この場合、磁気ヘッド6と対向する位置に
は紙幣Mが存在しないが、図5(a)に示すように、磁
気ヘッド6の固有のバラツキ等によって、磁気ヘッド6
の出力電圧(B)は、入力電圧(A)よりも多少ずれ
る。なお、図5において、Aは、磁気ヘッド6への入力
電圧、Bは、磁気ヘッド6の出力電圧、Cは、増幅回路
16への入力波形であって、磁気ヘッド6の出力電圧の
変化量、Dは、増幅回路16の出力波形、Eは、加算回
路18の出力波形、すなわち磁気検出電圧Vm、Fは、
A/D変換器20の出力である磁気検出電圧Vmをデジ
タル信号に変化した磁気量検知信号Dmを表したもので
ある。
【0025】このとき、磁気ヘッド6と対向する位置に
紙幣Mが位置せず、出力信号Bはほとんど変動しないか
ら、増幅回路16への入力信号、つまりコンデンサ14
による微分波形(C)は、0〔V〕近傍の値となり、こ
れが増幅回路16においてゲイン初期値に応じて増幅さ
れ(D)、さらに、加算回路18において、設定された
オフセット値この場合オフセット初期値に応じてオフセ
ットされる(E)。そして、この磁気検出電圧VmがA
/D変換器20においてデジタル信号に変換され磁気量
検知信号Dmとしてコントローラ24に出力される。
【0026】コントローラ24では、磁気量検知信号D
mを入力すると(ステップS102)、この磁気量検知
信号Dmをもとに、磁気検出電圧Vmが予め設定した、
磁気ヘッド6の出力電圧の基準値Vs(例えば、磁気ヘ
ッド6の出力可能な電圧値の中間値程度)に一致すると
みなすことができるかどうかを判定し(ステップS10
3)、磁気検出電圧Vmが基準値Vsと一致した判定さ
れるならば、現時点で設定されているオフセット値、こ
の場合オフセット初期値を加算回路18のオフセット設
定値として所定の記憶領域に記憶する(ステップS10
4)。そして、図3のステップS11に移行する。
【0027】一方、磁気検出電圧Vmが基準値Vsと一
致しないときには、ステップS105に移行して、調整
不可能であるかどうかを判定する。この判定は、例え
ば、磁気検出電圧Vmが基準値Vsを挟んで変化してい
るのに、磁気検出電圧Vmが許容範囲内に納まらない場
合、また、加算回路18のオフセット値を変更している
のにも係わらず、磁気検出電圧Vmが変化しない場合等
に、調整不可能と判断される。
【0028】そして、ステップS105で調整可能であ
ると判定された場合には、ステップS106に移行し、
加算回路18の電子トリマ抵抗を調整してオフセット値
を更新する。そして、ステップS102に戻る。そし
て、この処理を繰り返し行い、加算回路18のオフセッ
ト値を順次更新して、磁気検出電圧Vmと基準値Vsと
を一致させる。
【0029】一方、ステップS105で、オフセット値
の調整が不可能であると判定されるときには、ステップ
S110に移行し、調整異常として例えば、コントロー
ラ24の図示しない上位コントーラに異常通知を行う等
の異常時の処理を行う。そして、初期調整処理を終了す
る。これによって、加算回路18のオフセット調整が行
われ、紙幣搬送路2に紙幣Mが導入されていない状態で
の磁気検出電圧Vm(vD )が、基準値Vsとなるよう
に、オフセット調整が行われたことになる。
【0030】続いて、図3のステップS11では、切り
替え回路22を操作し、磁気ヘッド6に、ゲイン調整用
電圧として、例えば300Hz、数mVの交流電圧を印
加する。なお、前記増幅回路16のゲインとしてはゲイ
ン初期値が設定され、また、加算回路18のオフセット
値として、オフセット調整後のオフセット値が設定され
ている。
【0031】磁気ヘッド6に交流電圧を印加すると、自
己インダクタンスが発生することにより、印加電圧に比
例した電圧が出力される。したがって、磁気ヘッド6の
出力電圧(B)は、入力電圧(A)に比例した正弦波と
なり、その微分波形(C)も正弦波となる。そして、こ
の微分波形(C)が、増幅回路16でゲイン初期値に応
じて増幅され(D)、さらに、加算回路18でオフセッ
ト調整処理によるオフセット調整後のオフセット値に応
じてオフセットされる(E)。
【0032】コントローラ24では、磁気量検知信号D
mを読み込み(ステップS12)、その磁気量検知信号
Dmに基づいて、磁気検出電圧Vmが基準値Vsを中心
としその振幅が基準振幅ΔVであるか、すなわち磁気検
出電圧Vmの最大及び最小値がVs±ΔVであるかどう
かを判定する(ステップS13)。そして、これを満足
しないときにはステップS15に移行する。前記基準振
幅ΔVは、予め設定した値であって、例えば、調整用交
流電圧を印加した場合の、期待される磁気検出電圧Vm
の振幅に設定される。
【0033】このステップS15では、調整不可能であ
るかどうかを判定する。この判定は、例えば、増幅回路
16のゲインを変更しているのにも係わらず、磁気検出
電圧Vmが基準値Vsの許容範囲内に納まらない場合
に、調整不可能であると判定する。このステップS15
で調整可能である判定された場合には、ステップS16
に移行し、増幅回路16を調整してそのゲインを更新す
る。そして、ステップS12に戻る。
【0034】この処理を繰り返し行い、磁気検出電圧V
mの最大及び最小値がVs±ΔVに一致する方向に増幅
回路16のゲインを調整する。そして、ステップS16
で、調整不可能であると判定されたときには、ステップ
S20に移行し、調整異常として例えば、図示しないコ
ントローラ24の上位コントーラに異常通知を行う等の
異常時の処理を行う。そして、初期調整処理を終了す
る。
【0035】そして、ゲイン調整を行うことによって磁
気検出電圧Vmの最大及び最小値がVs±ΔVに一致し
たとき、ステップS13からステップS14に移行し、
後述の補正係数の算出処理を行う。そして、初期処理を
終了する。これによって、増幅回路16のゲイン調整が
行われ、紙幣搬送路2に紙幣Mが導入されていない状態
での磁気検出電圧Vmの振幅vA が、ΔVとなるように
ゲイン調整が行われ、オフセット調整及びゲイン調整を
行うことによって、磁気検出電圧Vmの最大及び最小値
が、Vs±ΔVとなるように調整が行われたことにな
る。
【0036】前記ステップS14での補正係数算出処理
は、次のようにして行う。すなわち、ゲイン調整用の交
流電圧を印加した状態で、磁気量検知信号Dmについ
て、正弦波の磁気検出電圧Vmの複数周期に相当する期
間、所定時間毎に所定数サンプリングし、図6に示すよ
うに、横軸に磁気検出電圧Vmの電圧、縦軸にその出現
回数をとってヒストグラムを形成する。例えば図7に実
線で示すような、ほぼ正弦波の磁気検出電圧Vmである
場合には、所定時間毎にサンプリングをすると、そのヒ
ストグラムは、磁気検出電圧Vmの最大値Vmax及び
最小値Vminで急峻に変化するが、図7に破線で示す
ように、磁気検出電圧Vmにノイズ等がのった場合に
は、磁気検出電圧Vmの最大値及び最小値がばらつくた
め、そのヒストグラムは、図6に示すように磁気検出電
圧Vmの最大値及び最小値付近で緩やかに変化すること
になる。
【0037】したがって、磁気量検知信号Dmのサンプ
リング数とサンプリング周期とに基づいてしきい値を設
定し、しきい値を越える範囲で、その最大値Dmax及
び最小値Dminを検出し、これに対応する電圧を磁気
検出電圧Vmの最大値Vmax及び最小値Vminとし
て設定することによって、ノイズ等の影響を除去した磁
気検出電圧Vmのピーク値を検出することが可能とな
る。前記サンプリングは、例えば正弦波の磁気検出電圧
Vmの1周期に15回、これを100周期間行い、前記
しきい値は、例えばサンプリング数の1%の値に設定す
る。
【0038】そして、このようにして検出した、磁気検
出電圧Vmの最大値Vmax及びVminに基づいて次
式(1)から補正係数αを算出する。そして、この補正
係数αを所定の記憶領域に記憶する。 補正係数α =基準振幅ΔV/〔(最大値Vmax−最小値Vmin)/2〕……(1) 続いて、この状態から、紙幣識別装置を駆動する場合に
は、各磁気センサ6それぞれについて、まず、図8に示
す環境調整処理を行う。
【0039】すなわち、まず、増幅回路16のゲイン及
び、加算回路18のオフセット値として、初期調整処理
で設定し所定の記憶領域に記憶している調整後のゲイン
及び調整後のオフセット値を設定する(ステップS3
1)。次いで、ステップS32に移行し、紙幣Mを紙幣
搬送路2に導入しない状態で、切り替え回路14を切り
替え、磁気ヘッド2に調整用の直流電圧、例えばDC5
Vを印加する。
【0040】続いて、ステップS33に移行し、前述の
図4に示すオフセット調整処理を行う。すなわち、加算
回路18のオフセット値として初期調整後のオフセット
値を設定し、紙幣Mを紙幣搬送路2に導入しない状態で
の磁気ヘッド6の出力電圧を、増幅回路16でゲイン調
整後のゲインに応じて増幅し、加算回路18でオフセッ
ト調整後のオフセット値に応じてオフセットした後の磁
気検出電圧Vmが、基準値Vsと一致するように、加算
回路18のオフセット値を更新する。そして、これを環
境調整後のオフセット値として所定の記憶領域に記憶す
る(ステップS34)。
【0041】これによって、紙幣識別装置の温度或いは
経時劣化等の環境条件に応じたオフセット値が設定され
ることになり、すなわち、磁気量検知信号Dmは環境条
件の影響を受けない値となる。このとき、調整不可能と
判断されたときには、図示しない上位コントローラに異
常通知を行い、環境調整処理を終了する。
【0042】このようにして、各磁気センサ6に対し、
環境調整処理を行った後、各磁気センサ6について、環
境調整処理でのオフセット調整後のオフセット値を、前
記加算回路18にオフセット値として設定し、また、増
幅回路16のゲインとして初期調整処理でのゲイン調整
後のゲインを設定する。また、切り替え回路14を制御
して、測定用電圧として直流電圧DC5Vを磁気ヘッド
2に印加する。
【0043】この状態で、紙幣Mが、紙幣搬送路2に導
入されると、図5(c)に示すように、紙幣Mの移動に
伴う磁気量の変化に伴って、磁気センサ6の磁気ヘッド
2の入力電圧(A)が紙幣Mの磁気の影響を受けるため
その出力電圧(B)は、紙幣Mの磁気量に応じて変動す
る。そして、この出力電圧はコンデンサ14でその変動
量が抽出されて(C)、増幅回路16において、ゲイン
調整後のゲインに応じて増幅され(D)、さらに加算回
路18においてオフセット値に応じてオフセットされ
(E)、これがA/D変換器10でデジタル信号に変換
されて、磁気量検知信号Dmとしてコントローラ24に
入力される。
【0044】このとき、増幅回路16のゲイン及び加算
回路18のオフセット値は、調整用交流電圧を印加した
ときの磁気検出電圧Vmが基準振幅ΔVに増幅されるよ
うに、且つ、調整用の直流電圧を印加したときの磁気検
出電圧Vmが基準値Vsに一致するようにオフセットさ
れているから、磁気検出電圧Vmは、図5(c)に示す
ように、基準値Vsを基準として変動する信号となる。
【0045】そして、コントローラ24では、この磁気
量検知信号Dmを入力すると、初期調整時に設定し所定
の記憶領域に記憶している補正係数αに基づいて、磁気
量検知信号Dmを補正し、磁気量検出値を算出する。こ
の磁気量検出値の算出は、次式(2)に基づいて行う。 磁気量検出値 =〔磁気検出電圧Vm−環境調整時のオフセット値(V)〕×補正係数α +基準値Vs ……(2) そして、算出した磁気量検出値を、例えば上位コントロ
ーラに出力し、上位コントローラでは、公知の手順にし
たがって、各磁気センサ6からの磁気量検出値に基づい
て、紙幣Mにおける磁気量の分布状況を検出し、これに
基づいて紙幣Mの種類の判別を行う。
【0046】このとき、各磁気センサ6について、紙幣
Mが紙幣搬送路2に導入されていない状態で、調整用の
直流電圧を印加して得られる磁気検出電圧Vmが基準値
Vsとなるようにオフセット調整を行い、また、調整用
の交流電圧を印加して得られる磁気検出電圧Vmの振幅
が基準振幅ΔVとなるように調整し、この調整後のゲイ
ン及びオフセット値に基づいて磁気量検知信号Dmを検
出し、この磁気量検知信号Dmを補正して、磁気量検出
値を算出するようにしているから、各磁気センサ6の出
力特性にバラツキがあったとしても、磁気ヘッド6に作
用する磁気量が同一であれば各磁気センサ6で検出され
る磁気検出電圧Vmは同一となって、すなわち、各磁気
センサ6間のバラツキによる影響を除去することができ
る。特に、これらの調整を、人手を介さずにコントロー
ラ24によって行うようにしているから、容易に行うこ
とができるとともに、調整ミス等の発生を確実に回避す
ることができる。
【0047】また、紙幣Mの判別を行う前に、環境調整
処理を行い、再度オフセット調整を行うようにしている
から、例えば温度環境等の環境条件、或いは経時劣化等
による影響を除去することができ、これらに起因して生
じる磁気センサ6間のバラツキを除去することができ
る。また、初期調整処理を行うときに、基準振幅と初期
調整時の振幅との比に基づいて補正係数αを算出し、こ
の補正係数αに基づいて磁気量検知信号Dmを補正して
磁気量検出値を算出するようにしているから、増幅回路
16のゲインの調整レンジ等に起因するゲイン調整を行
うことによって調整しきれなかった、ゲイン調整を補正
係数αによって補正することがけい、より高精度な磁気
量検出値を得ることができる。
【0048】また、この補正係数αを算出する際には、
初期調整時の磁気検出電圧Vmのピーク値を算出する際
には、磁気検出電圧Vmを所定数サンプリングしてヒス
トグラムを求め、このヒストグラムにしきい値を設定
し、これに基づいてピーク値を算出するようにしている
から、磁気検出電圧Vmにノイズ等がのっている場合で
あっても、その影響を除去し、高精度にピーク値を検出
することができる。
【0049】ここで、磁気ヘッド6が磁気量検出手段に
対応し、増幅回路16がゲイン調整手段に対応し、加算
回路18がオフセット調整手段に対応し、増幅回路16
及び加算回路18が調整手段に対応し、切り替え回路2
2が駆動信号供給手段に対応し、コントローラ24にお
いて磁気量検知信号Dmを補正し、磁気量検出値を算出
する処理が磁気量算出手段に対応し、図3の初期調整処
理及び図4のオフセット調整処理が制御手段に対応し、
図3のステップS14の補正係数算出処理において、磁
気量検知信号Dmに基づいてヒストグラムを生成し、こ
のヒストグラムに基づいて磁気量検知信号Dmのピーク
値を検出する処理がピーク値検出手段に対応している。
【0050】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。この第2の実施の形態では、図9に示すように、図
2における加算回路18とA/D変換器20との間に、
マルチプレクサ26及び一括調整手段としての増幅回路
28が介挿されている。この増幅回路28は、例えばデ
ジタル制御ポテンショメータ等の電子トリマ抵抗及びア
ンプから構成され、コントローラ24によって調整可能
に構成されている。
【0051】また、前記マルチプレクサ26はコントロ
ーラ24によって制御され、このマルチプレクサ26に
は、前記図1に示す磁気ヘッド6、コンデンサ14、増
幅回路16、加算回路18及び切り替え回路22からな
る磁気検出回路50a〜50fの出力信号である磁気検
出電圧Vmが入力されるようになっている。前記コント
ローラ24は、上記第1の実施の形態と同等の機能を有
すると共に、前記マルチプレクサ26の切り替え制御を
行い、複数の磁気検出回路50から入力される信号を、
予め設定された所定のタイミングで順次切り替えて出力
されるように制御を行う。また、上記第1の実施の形態
と同様にして、前記増幅回路16及び加算回路18のゲ
イン調整及びオフセット調整を行うと共に、前記増幅回
路28のゲイン調整を行い、初期調整時には、前記増幅
回路28のゲインとして、予め設定したゲイン初期値を
設定する。また、前記コントローラ24を構成する図示
しない入力手段によってゲインが指定されたときには指
定されたゲインを前記増幅回路28のゲインとして設定
する。
【0052】次に、第2の実施の形態の動作を説明す
る。まず、初期調整を行う場合には、まず、増幅回路2
8のゲインとしてゲイン初期値を設定する。そして、磁
気検出回路50aを調整する場合には、マルチプレクサ
26を制御し、磁気検出回路50aの磁気検出電圧Vm
が入力されるチャネルCh1を選択する。
【0053】そして、上記第1の実施の形態と同様にし
て、増幅回路16及び加算回路18のゲイン調整及びオ
フセット調整を行い、調整後のゲイン及びオフセット値
を所定の記憶領域に記憶しておく。そして、磁気検出回
路50aについてのゲイン調整及びオフセット調整が終
了すると、次に、マルチプレクサ26によって磁気検出
回路50bの磁気検出電圧Vmを選択し、そのゲイン調
整及びオフセット調整を行う。
【0054】この処理を繰り返し行い、磁気検出回路5
0aから50fに対する初期調整が行う。そして、紙幣
識別装置を稼動させる場合には、まず環境調整を行い、
増幅回路28のゲインとしてゲイン初期値を設定し、マ
ルチプレクサ26によってまず、チャネルCh1を選択
して、磁気検出回路50aについて上記第1の実施の形
態と同様にオフセット調整を行う。この操作を各磁気検
出回路50について行う。
【0055】そして、全ての磁気検出回路50に対する
オフセット調整が終了すると、紙幣識別装置を稼動させ
る。紙幣搬送路2に紙幣Mが導入されると、コントロー
ラ24では、マルチプレクサ26を制御して各磁気検出
回路50からの磁気検出電圧Vmを所定タイミングで順
次切り替え、この磁気検出電圧Vmが増幅回路28で増
幅され、A/D変換器20でデジタル信号に変換されて
コントローラ24に入力される。
【0056】このとき、例えば紙幣Mの磁気量が少ない
場合には、図10(a)に示すように磁気検出電圧Vm
の振幅は小さくなり、逆に紙幣Mの磁気量が多い場合に
は、図10(b)に示すように磁気検出電圧Vmの振幅
が大きくなる。このように、振幅が小さすぎたり大きす
ぎる場合には、A/D変換器20への入力電圧レンジの
関係等で変換誤差の影響を受けることになる。
【0057】したがって、この場合には増幅回路28の
ゲイン調整を行い、磁気量検知信号Dsの十分な精度を
確保できる振幅を得ることの可能なゲインに変更すれ
ば、磁気検出電圧Vmが増幅回路28で増幅された後、
A/D変換器20に供給されるため、A/D変換器20
での変換誤差を抑制することができる。前記増幅回路2
8の調整は、例えば、コントローラ24に付属する表示
装置に入力される磁気量検知信号Dsを表示するように
し、オペレータがこの磁気量検知信号Dsの値を観察
し、磁気量検知信号Dsが大きければ増幅回路28のゲ
インを小さな値に、逆に磁気量検知信号Dsが小さけれ
ばゲインを大きな値に設定し、これをコントローラ24
の入力手段を操作して増幅回路28のゲインとして更新
設定することによって行う。これによって、コントロー
ラ24が指定されたゲインとなるように増幅回路28の
電子トリマ抵抗を調整し、ゲイン調整が行われる。
【0058】特に、国によっては、紙幣Mの磁気量が異
なるため、例えば複数の国の紙幣について識別を行うよ
うな紙幣識別装置の場合には、予め各国毎に、その紙幣
について、測定を行って、磁気量検知信号Dsの精度を
確保するのに十分な振幅となる、増幅回路28のゲイン
を検出しておき、これに基づいて識別する紙幣の国種に
応じて増幅回路28のゲインを設定するようにしてもよ
い。
【0059】また、紙幣Mの磁気量が何らかによって変
化していたために、紙幣Mの識別ができなかった場合等
には、増幅回路28のゲインを調整し、再度、この紙幣
Mに対して測定を行えばよい。このように、増幅回路2
8のゲインを調整することによって、磁気検出回路50
a〜50fからの磁気検出電圧Vmについてゲイン調整
を行うことができる。したがって、磁気検出回路50a
〜50fのゲインを個別に調整することなく、ゲイン調
整を行うことができるから、ゲイン調整に要する時間短
縮を図ることができると共に、測定対象の種類に応じて
増幅回路28のゲイン調整を行うことによって、より高
精度に磁気量検出を行うことができる。
【0060】また、増幅回路28の調整を行うだけで、
全ての磁気検出回路50a〜50fについてそのゲイン
調整を容易に行うことができるから、紙幣Mの国種が替
わった場合であっても容易に対処することができる。な
お、上記各実施の形態においては、磁気量検出手段とし
て磁気ヘッド6を用いた場合について説明したが、これ
に限るものではない。例えば、鉄心コアと巻線とから構
成されるセンサ等、磁性体の移動によって、また、及び
交流バイアスを供給することによってインダクタンスが
変化するような、センサであれば適用することができ
る。
【0061】また、上記各実施の形態においては、本発
明による磁気センサを、紙幣識別装置に適用した場合に
ついて説明したが、これに限らず、紙葉類識別装置等、
他の装置に適用することも可能である。また、複数の磁
気センサを用いる場合について説明しているが、磁気セ
ンサ単独であっても適用することができることはいうま
でもない。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
乃至請求項4に係る磁気量検出装置によれば、磁気量検
出手段からの磁気検出信号を、調整手段によって調整す
るようにし、その調整量を制御手段によって制御するよ
うにしたから、人手を介さずに容易且つ高精度に磁気検
出信号の調整を行うことができる。
【0063】特に、請求項2に係る磁気量検出装置で
は、ゲイン調整手段によって磁気検出信号の増幅倍率を
調整し、オフセット調整手段によって磁気検出信号のオ
フセットを調整するようにしたから、規定のオフセット
値及び規定の振幅となる出力特性に容易に調整すること
ができる。また、請求項3に係る磁気量検出装置では、
ゲイン調整を行う際に、ヒストグラムを用いて磁気検出
信号のピーク値を特定するようにしたから、高精度にピ
ーク値を検出することができる。
【0064】さらに、請求項4に係る磁気量検出装置で
は、調整手段による調整後の磁気検出信号をマルチプレ
クサに複数入力し、マルチプレクサの出力を一括調整手
段で調整するようにしたから、複数の磁気検出信号の出
力調整を一括して容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した紙幣判別装置の概略構成図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施の形態における磁気量検出
装置の構成を示すブロック図である。
【図3】初期調整処理の処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図4】オフセット調整処理の処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図5】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図6】ヒストグラムの一例である。
【図7】初期調整処理後の磁気検出電圧Vmの一例であ
る。
【図8】環境調整処理の処理手順の一例を示すフローチ
ャートである。
【図9】第2の実施の形態における磁気量検出装置の構
成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態の動作説明に供する説明図
である。
【符号の説明】
2 紙幣搬送路 6 磁気センサ 12 磁気ヘッド 14 コンデンサ 16 増幅回路 18 加算回路 20 A/D変換器 22 切り替え回路 24 制御装置 26 マルチプレクサ 28 増幅回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気量に応じた磁気検出信号を出力する
    磁気量検出手段と、 前記磁気検出信号の信号レベルを調整する調整手段と、 当該調整手段での調整後の前記磁気検出信号に基づいて
    前記磁気量を算出する磁気量算出手段と、 前記磁気量検出手段に、磁気量測定時には測定用の駆動
    信号を供給し調整時には調整用の駆動信号を供給する駆
    動信号供給手段と、 前記調整時であり且つ前記磁気量検出手段で磁気量を検
    出していないときの前記磁気検出信号に基づいて前記調
    整手段の調整量を制御する制御手段と、を備えることを
    特徴とする磁気量検出装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気量検出手段は、測定時には前記
    駆動信号として直流信号が供給されて前記磁気量に応じ
    た磁気検出信号を出力し且つ前記駆動信号として交流信
    号が供給されたときには当該交流信号に比例する磁気検
    出信号を出力する手段であって、 前記調整手段は、前記磁気検出信号の増幅倍率を調整す
    るゲイン調整手段と前記磁気検出信号のオフセットを調
    整するオフセット調整手段とを備え、 前記駆動信号供給手段は、前記調整用の駆動信号として
    前記ゲイン調整手段でのゲイン調整用の交流信号と前記
    オフセット調整手段でのオフセット調整用の直流信号と
    を切り替えて前記磁気量検出手段に供給するようになっ
    ていることを特徴とする請求項1記載の磁気量検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記ゲイン調整用の交
    流信号を供給したときの前記磁気検出信号に基づいてヒ
    ストグラムを生成し、当該ヒストグラムに基づいて前記
    磁気検出信号のピーク値を検出するピーク値検出手段を
    備え、 当該ピーク値検出手段で検出したピーク値に基づいて前
    記調整手段の調整を行うようになっていることを特徴と
    する請求項2記載の磁気量検出装置。
  4. 【請求項4】 前記調整手段による調整後の前記磁気検
    出信号を複数入力しこれを切り替えて出力するマルチプ
    レクサと、 当該マルチプレクサの出力信号を調整する一括調整手段
    と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    何れかに記載の磁気量検出装置。
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