JP2002296357A - 斜面に存在する岩体の根入れ状態探査装置 - Google Patents

斜面に存在する岩体の根入れ状態探査装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転石・浮石の根入れ状態を客観的に判定で
き、一人でも携行測定できるようにコンパクト化でき、
しかも簡便に且つ明瞭に探査結果を取得できるようにす
る。 【解決手段】 電磁波を送信・受信するためのアンテナ
部10と、送信アンテナ10aへのエネルギーの供給及
び受信アンテナ10bからの信号の増幅・処理を行う測
定器本体12と、測定結果を出力する表示部14と、前
記アンテナ部がたどる測線に沿った地表面形状を検出す
る地形検出部を具備し、測定器本体内に、測定した地表
面形状情報と連続測定による電磁波反射面までの距離情
報とから岩体形状を推定表示する解析ソフトウエアが組
み込まれている。これによって斜面に存在する岩体の根
入れ状態を探査する。地形検出部は、例えばアンテナ部
の移動距離を検出する距離計と、高さ位置を検出するた
めの高さ計とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜面に存在する岩
体の根入状態の探査装置に関し、更に詳しく述べると、
斜面に存在する転石や浮石などの状態(根入れ深さ)を
客観的且つ簡便に測定・判定できる装置に関するもので
ある。本装置は、道路や鉄道軌道沿いの斜面に存在する
岩体が安定であるか否かを的確に判定するのに有効であ
る。
【0002】
【従来の技術】道路や鉄道軌道沿いの斜面における落石
の発生は、重大な車両事故につながる恐れがある。この
ため、落石発生の危険度予測とその対策が重要な技術的
課題となっている。ところで落石の発生形態は、転石型
と浮石型に大別される。転石型とは、表層堆積物などの
層中に埋まっている岩塊などが単独で転落する形態をい
い、浮石型とは、露出した基岩の岩目が拡大して剥落す
る形態をいう。いずれにしてもこのような発生原因によ
り落石が発生しやすい箇所は全国に多く見られ、道路な
どの建設時には安全であっても、その後に危険性を帯び
てくる転石・浮石もある。岩体サイズが大きい転石・浮
石の場合、落石対策としては、落石防護ネットや防止柵
などでは不十分であり、斜面から排除するのが最前の対
策である。
【0003】落石発生の危険度予測は、熟練者の経験と
勘に頼っている面が多かったが、近年、転石・浮石など
の根入り状態を非破壊で探査する研究が種々行われてい
る。実用化が試みられている代表的な例は、ハンマー起
振による反射法探査である。この方法は、転石・浮石の
表面をハンマーで叩き、背面からの反射波をセンサで捉
えることにより、根入れ深度や背面形状を把握しようと
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のハンマー起振に
よる反射法探査は、本来、地中に既設の杭や構造物の欠
損の有無や位置、大きさ等を診断するために用いられて
いた方法を、転石・浮石の調査に転用したものである。
そのため、実際の調査対象となる岩体サイズを考慮する
と、非常に高周波の波を発振し受振する必要がある。と
ころが、反射波を明瞭に捉えることができるような高周
波の波を発振することは、かなり困難である。また反射
波を確実に捉えるだけの高周波波形を収録するのも難し
い。これらの理由で、現状では十分な精度は期待できな
い。
【0005】その他、共振法あるいは3成分地震計を用
いる方法なども提案されている。共振法は、測定対象物
を加振し、岩盤内部に存在する定常波的な振動を観測
し、その振動モードから岩体の大きさを推定し、また岩
体を質点と見なしてその固有振動から岩体の質量を推定
しようとする方法である。また、3成分地震計を用いる
方法は、ハンマーやバイブレータによる岩体や周辺地盤
の挙動を3成分の地震計で測定し、それを分析すること
により岩体の規模に関する情報を得ようとする方法であ
る。しかし、これらも測定方法・解析手法ともに、解決
すべき問題点が多い。
【0006】ところで、地中埋設物の探査の一手法とし
て地下レーダ法がある。これは、地中に電磁波を放射
し、地中の境界や異物からの反射波を捉える方法であ
る。原理的には、転石・浮石の背面からの反射波を捉え
ることにより根入れ深度を推定できる可能性があり、そ
のような用途への転用が考えられる。しかし、通常の地
中埋設物を探査する場合の平坦な地盤とは異なり、斜面
に存在する岩体を調査対象とするものであるため、その
ままでは実用に供し得ず、装置や解析ソフトウエアなど
に改良・工夫を要する点は多い。
【0007】本発明の目的は、転石・浮石の根入れ状態
を客観的に判定でき、一人でも携行測定できるようにコ
ンパクト化でき、しかも簡便に且つ明瞭に探査結果を取
得できるような岩体根入れ状態探査装置を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、電磁波を送信
・受信するためのアンテナ部と、送信アンテナへのエネ
ルギーの供給及び受信アンテナからの信号の増幅・処理
を行う測定器本体と、測定結果を出力する表示部と、前
記アンテナ部がたどる測線に沿った地表面形状を検出す
る地形検出部とを具備し、前記測定器本体内に、測定し
た地表面形状情報と連続測定による電磁波反射面までの
距離情報とから岩体形状を推定表示する解析ソフトウエ
アが組み込まれている斜面に存在する岩体の根入れ状態
探査装置である。
【0009】本発明は、地下レーダ探査の手法を斜面に
存在する転石・浮石の根入れ状態探査に適用し、地表面
の形状(露出している岩体の形状を含む)を測定する機
能を付加して、地表面形状を考慮した解析を一体のシス
テムで可能とし、求められる精度、測定から解析の迅速
性に対応できるようにしたものである。
【0010】地形検出部は、例えばアンテナ部の移動距
離を検出する距離計と、アンテナ部の高さ位置を検出す
るための高さ計を有する。距離計は、アンテナ部に取り
付けられている車輪と、その回転をパルス信号に変換す
るエンコーダの組み合わせからなる。高さ計は、測定対
象である岩体よりも高所の一定位置に設置した水タンク
と、アンテナ部に設置した水圧センサと、水タンクと水
圧センサを連結するフレキシブルチューブとからなる。
【0011】岩体形状の推定表示は、斜面と推定岩体形
状を縦断面でグラフィック表示するものとし、客観的に
しかも容易に理解できるようにして、危険度判定の高精
度の判断材料を提供できるようにしている。
【0012】
【実施例】図1は本発明に係る斜面に存在する岩体の根
入れ状態探査装置の一実施例を示す概略構成図である。
この岩体の根入れ状態探査装置は、電磁波を送信・受信
するためのアンテナ部10と、送信アンテナ10aへの
エネルギーの供給及び受信アンテナ10bからの信号の
増幅・処理を行う測定器本体12と、測定結果を出力す
る表示部14と、前記アンテナ部10がたどる測線に沿
った地表面形状を検出する地形検出部とを具備し、前記
測定器本体12内に、測定した地表面形状情報と連続測
定による電磁波反射面までの距離情報とから岩体形状を
推定表示する解析ソフトウエアが組み込まれている構成
である。なお、必要な電源はバッテリー16から供給さ
れる。測定結果は、各種の記録媒体に記録したり、遠隔
地にデータ伝送することも可能である。
【0013】本装置は、基本的には通常の地中レーダー
と同様、送信アンテナ10aにエネルギーを供給して電
磁波を発信し、地中からの反射波を受信アンテナ10b
により受信する。受信した信号は、測定器本体12で処
理する。使用する電磁波の周波数は、通常、100〜1
000MHz程度である。このようなアンテナ部10
は、作業員が岩体に沿って移動させて測定を行う必要
上、1人で操作できるようなコンパクトなものとし、送
信アンテナ10aと受信アンテナ10bが一体となった
構造である。アンテナ部10と測定器本体12とは、使
用時に各種のケーブル18で接続される。
【0014】ここで地形検出部は、アンテナ部の移動距
離を検出する距離計と、アンテナ部の高さ位置を検出す
るための高さ計からなる。距離計は、例えばアンテナ部
に取り付けられている車輪20と、その車輪の回転をデ
ジタル信号に変換するエンコーダなどの組み合わせから
なる。アンテナ部10の移動距離は車輪20の回転角
(回転回数)に変換され、それをエンコーダでデジタル
信号に変換して測定器本体12に送られる。ある一定間
隔(例えば測定精度などを考慮して10cm程度)毎に、
レーダ測定記録に距離マークを入れると同時に、高さ計
のデータを取り込むようにする。
【0015】図2に示すように、距離計の車輪20は、
ある程度大きな外径のものとし、アンテナ部10の中央
近傍に取り付けるのが望ましい。これは、解析精度など
に対して十分正確に距離を測定するためであり、しかも
アンテナ部10の中央近傍に設けることで、浮き上がり
が起こり難いようにするためである。このような車輪方
式は、装置をアンテナ部に一体にすることができ、機構
を単純化できる利点がある。
【0016】車輪方式の他の例としては、図3に示すよ
うに車輪をスライド可能とする構成がある。アンテナ部
10に、その移動方向に対して垂直方向にスライド可能
な可動部材21を設け、該可動部材21に距離計の車輪
20を取り付ける。可動部材21は、横方向(アンテナ
部移動方向)からの力を受けた状態でも円滑に伸び縮み
が行えるようにする必要があるため、ベアリング等を内
蔵したレールを用いるのが好ましく、その可動範囲(ス
トローク)は15〜20cm程度に設定するのがよい。ま
た車輪はバネを用いて地面等に押さえつけられるように
する。バネの強さは、鉛直に近い斜面(車輪の可動方向
が水平に近く、重力による押さえつけの力が働かない場
合)でも、車輪を確実に回転できる程度とする。このよ
うな構造にすると、図4に示すように、岩体が地表面か
らほぼ垂直に立ち上がっているような場合でも、車輪2
0は露出している岩体の端部近傍から岩体表面に接触可
能であり、そのため正確に且つ容易に距離を測定するこ
とが可能となる。
【0017】距離計としては、ロープを掛ける方式ある
いはキャタピラ方式などでもよい。ロープを掛ける方式
は、図5に示すように、一端を固定点30に取り付けた
ロープ32をアンテナ部10に設けた距離計の回転軸3
4に掛け回し、ロープ32をシュー36等で挾んで張力
をかける構成である。アンテナ部10を矢印方向に移動
すると、ロープ32は緊張したまま回転軸34が回転
し、その回転がエンコーダ(図示せず)によりデジタル
信号に変換される。この構成は、岩体とは非接触で距離
を計測できるため、岩体の凹凸や急変点などによる誤差
が生じ難く、軽量化し易い利点があるが、固定点を設置
しなければならない。キャタピラ方式は、図6に示すよ
うに、アンテナ部10の前後に設けた車輪40にベルト
42を掛ける構成である。アンテナ部10を矢印方向に
移動すると、ベルト42が回動して車輪40が回転し、
その回転がエンコーダ(図示せず)によりデジタル信号
に変換される。この構成は、ベルトのどこか1箇所が岩
体に接触していれば距離を計測できるため、岩体の凹凸
への対応性が高いが、機構が複雑化し、耐久性や重量な
どの面で若干不利である。これらのことから、一般的に
は図2あるいは図3に示すような車輪方式を用いるのが
よいが、使用状況などに応じてロープを掛ける方式やキ
ャタピラ方式など適宜選択して使用すればよい。
【0018】高さ計は、図1に示すように、測定対象の
岩体よりも高所の一定位置に設置した水タンク22と、
アンテナ部10に設置した水圧センサ24と、前記水タ
ンク22と水圧センサ24を連結するフレキシブルチュ
ーブ26とからなる。図7に示すように、水圧センサ2
4で水圧の変化を測定することにより、一定高さに設置
されている水タンク22の位置に対する相対的な高さが
測定できる。その測定値は、デジタル信号に変換されて
測定器本体12に送られる。符号28は、距離及び高さ
のセンサと測定器本体とのインターフェース回路を示し
ている。水タンク22は、数百ml程度の容量のものでよ
く、実験では500mlのペットボトルで代用した。それ
を調査対象の岩体よりも少し上方の適当な場所に設置す
る。フレキシブルチューブ26は直径10mmφ程度のビ
ニルチューブ等でよい。水圧センサ24は、必要な精度
があれば任意の形式のものでよく、実験ではボーリング
孔内の水圧測定用のセンサを用いた。水圧センサ24
は、アンテナ部10の高さを測定するためのものである
ため、アンテナ部10の中央近傍に設置するのが好まし
い。
【0019】組み込まれている解析ソフトウエアは、測
定した地表面形状情報と連続測定による電磁波反射面ま
での距離情報とから岩体形状を推定表示する。この岩体
形状の推定表示は、斜面と推定岩体形状を縦断面でグラ
フィック表示する。解析画面のイメージの一例を図8に
示す。左側は連続測定(プロファイル測定)の結果であ
り、右側は定点測定(任意の一地点での測定)の結果で
ある。連続測定では、アンテナ部を任意の間隔で間欠的
に移動して測定し、その移動距離毎(例えば10cm毎な
ど)での地形情報から岩体を含めた斜面の断面を表示す
ると共に、電磁波の反射面による推定岩体形状(縦断
面)を表示する。このような表示は液晶ディスプレイに
よる表示部14に表示され、その場で安定度の診断が可
能となる。なお定点測定では、アンテナ部を任意の1箇
所あるいは数箇所に置くだけという極めて簡単な手法に
よって、どの方向の根入深さかは明確ではないが、岩体
背面のおおよその位置(岩体の大きさ)を把握すること
ができるものであり、予備的な調査のみならず、簡便な
根入調査にも利用できる。
【0020】地表面形状は、アンテナ部10の移動距離
Lと高さHの情報から、測線の輪郭線を求めることで得
られる。即ち、第1の測定点が、基準点(出発点)から
距離Lだけ移動しており、その時の高さ変化がHである
とすると、両地点間の平均的な傾斜角θは、 sin θ=H/L で表される。従って、基準点を原点(0,0)とする
と、第1の測定点のX−Y座標は、 (Lcos θ,Lsin θ=H)で表すことができる。次
に、第1の測定点を基準点とした時の第2の測定点の位
置も、同様に求めることができる。以下、同様にして、
第3以降の測定点について順次求めて、それらをプロッ
トし結線すると、斜面及び露出している岩体の輪郭線が
表示できる。
【0021】アンテナ部10による電磁波の発信と受信
によって捉えられる電磁波の反射面は、岩体の境界線を
表している。これは電磁波の反射は、一般に電磁波伝播
速度の異なる2つの媒質の境界面で生じることによる。
土や岩などの場合、電磁波伝播速度は主としてその含水
状態によって決まり、含水率の大きい地盤ほど伝播速度
は遅い。岩体とそれ以外の地盤とでは含水量が異なり、
そのような境界面において反射が起こり、それが記録さ
れるのである。また岩体背面に隙間があり空気で満たさ
れていると、空気中での電磁波伝播速度は非常に大き
く、岩体に対して十分なコントラストを有するので岩体
背面で電磁波の反射が起こり、それが記録される。
【0022】連続測定(プロファイル測定)では、送信
アンテナと受信アンテナを一定間隔に保ったまま(実際
には、それらが一体化されたアンテナ部を使用してい
る)、測線上を移動しながら所定の移動距離毎に測定し
データを収録する。測定により得られる記録は、横軸が
移動距離、縦軸が反射時間(往復走時)である。測定に
よって得られる縞模様の記録は、一種の深度断面と見る
ことができる。記録は、3〜4波を1組として見てゆ
き、連続した反射波の位置を境界面と考える。
【0023】この種の電磁波アンテナ部は十分な指向性
を持っていないために、上記のような記録は、アンテナ
部の真下からの反射波を捉えているとは限らず、送信し
た電磁波がどの方向から反射してくるかは不明である。
測定した結果は、仮に斜め方向に反射点があったとして
も真下にプロットされる。そこで、解析ソフトウエアで
は、記録上で反射波を正しい反射点の位置に戻すための
マイグレーション処理の機能を付加して、必要に応じて
使用する。解析処理の流れを図9に示す。測定データを
マイグレーション処理し、深度変換を行い、マッピング
処理を施す。そして岩体形状の描画を行い、数値データ
などの表示を行う。
【0024】例えば図10のAに示すように、反射面が
傾斜した構造を想定すると、電磁波の反射波は、反射面
に直交するような方向からのものが大きくなる。しかし
記録上では、この反射面をアンテナ部の真下にプロット
する。そのため、図10のBに示すように、アンテナ部
の位置から正しい反射点までの距離を半径とする円弧上
のアンテナ部位置直下に記録されることになる。アンテ
ナ部位置直下の反射面に着目した場合、実際よりも浅く
プロットされることが分かる。マイグレーション処理で
は、記録上の反射面を、上記とは逆のプロセスをたどっ
て正しい反射点の位置に戻す作業を行う。つまり記録上
の反射点を含む円弧を複数描き、その包絡線を描くよう
な処理を行う。この処理を行うことにより記録上のアン
テナ部直下の反射面も正しい深度でプロットされた状態
となる。マイグレーション処理の具体的な手法には幾つ
かの方法があり任意の方法が使用できるが、ここではF
−Kマイグレーション法を用いた。
【0025】前記のように、アンテナ部による記録は、
直接的には反射点までの電磁波の往復伝播時間を示すも
のである。そこで、岩体の電磁波伝播速度値を用いて、
次式によって電磁波の往復伝播時間を深度に変換する。 D=V・T/2 但し、D:深度 V:電磁波伝播速度 T:往復反射時間 ここで電磁波伝播速度Vは、対象となる岩種に対して予
め分かっている値(既往データ)を用いるか、あるいは
岩体の厚さを測定できる個所で上記の記録を収録するこ
とで求める。
【0026】これによって測定記録は、横軸をアンテナ
部の位置(距離)、縦軸を深度として、図11のAに示
すようなイメージで反射点がプロットされる。ところ
が、通常の地下レーダーの解析とは異なり、本発明の場
合には、斜面であってしかも岩体によって測線は複雑な
起伏を呈するために、それを補正する必要がある。そこ
で、このデータに、地形検出部によって得られた地表面
形状情報を組み合わせることにより、図11のBに示す
ようなイメージで反射点をプロットする。測線上でのア
ンテナ部の傾きは、地表面形状情報から傾き角θとして
求まるので、その時に得られる電磁波の反射面の深度D
は、主として鉛直方向から角度θだけ傾いた方向につい
ての情報を表していることになる。従って、各測定点で
の角度情報に合わせて深度情報を修正する。これがマッ
ピング処理である。
【0027】このようなマッピング処理によりプロット
された反射点の配置をもとに、図11のCの要領で反射
点を連続するようにつなぐ。これによって、図8に示し
たように、岩体背面形状(電磁波反射面)が現れ、必要
な位置での数値データなどを表示させることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明は上記のように、地下レーダ探査
の手法を転石・浮石の根入れ状態探査に適用し、地表面
の形状を測定する機能を付加して、地表面形状を考慮し
た解析を一体のシステムで可能としたものであるから、
求められる精度、測定から解析の迅速性に対応でき、1
人ないし少人数の作業者で、未熟練者でも、斜面に存在
する岩体の根入れ状態(根入れ深さ)を客観的に且つ簡
便に調査表示することができ、危険度判定の有用な判断
材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る岩体の根入れ状態探査装置の一実
施例を示す概略構成図。
【図2】その距離計の設置状況の説明図。
【図3】距離計の設置状況の他の説明図。
【図4】それによる距離測定状況の説明図。
【図5】距離計の設置状況の他の説明図。
【図6】距離計の設置状況の更に他の説明図。
【図7】高さ計の説明図。
【図8】結果表示のイメージ図。
【図9】解析処理の流れを示す説明図。
【図10】マイグレーション処理の一例を示す説明図。
【図11】マッピング処理及び岩体形状描画処理の一例
を示す説明図。
【符号の説明】
10 アンテナ部 12 測定器本体 14 表示部 20 車輪 22 水タンク 24 水圧センサ 26 フレキシブルチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 繁 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 舟橋 秀麿 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 曽根 好徳 東京都千代田区九段北4丁目2番6号 応 用地質株式会社内 (72)発明者 山内 政也 東京都千代田区九段北4丁目2番6号 応 用地質株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AC03 AD02 AE11 AF02 AK22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波を送信・受信するためのアンテナ
    部と、送信アンテナへのエネルギーの供給及び受信アン
    テナからの信号の増幅・処理を行う測定器本体と、測定
    結果を出力する表示部と、前記アンテナ部がたどる測線
    に沿った地表面形状を検出する地形検出部とを具備し、
    前記測定器本体内に、測定した地表面形状情報と連続測
    定による電磁波反射面までの距離情報とから岩体形状を
    推定表示する解析ソフトウエアが組み込まれていること
    を特徴とする斜面に存在する岩体の根入れ状態探査装
    置。
  2. 【請求項2】 地形検出部が、アンテナ部の移動距離を
    検出する距離計と、アンテナ部の高さ位置を検出するた
    めの高さ計を有する請求項1記載の斜面に存在する岩体
    の根入れ状態探査装置。
  3. 【請求項3】 高さ計が、測定対象の岩体よりも高所の
    一定位置に設置した水タンクと、アンテナ部に設置した
    水圧センサと、水タンクと水圧センサを連結するフレキ
    シブルチューブとからなる請求項2記載の斜面に存在す
    る岩体の根入れ状態探査装置。
  4. 【請求項4】 岩体形状の推定表示は、斜面と推定岩体
    形状を縦断面でグラフィック表示するものである請求項
    1乃至3のいずれかに記載の斜面に存在する岩体の根入
    れ状態探査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019158441A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 日本信号株式会社 検査装置
CN112946767A (zh) * 2021-01-28 2021-06-11 中煤科工集团重庆研究院有限公司 用于边坡地质与支护结构信息的提取方法

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