JP2002293577A - ガラス繊維用集束剤 - Google Patents

ガラス繊維用集束剤

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JP2002293577A JP2001093173A JP2001093173A JP2002293577A JP 2002293577 A JP2002293577 A JP 2002293577A JP 2001093173 A JP2001093173 A JP 2001093173A JP 2001093173 A JP2001093173 A JP 2001093173A JP 2002293577 A JP2002293577 A JP 2002293577A
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oil
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Hiroyuki Miyagi
裕之 宮城
Akemasa Kajita
明正 梶田
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Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維束の毛羽立ちを防止することがで
きるとともに、飛走性を向上させることが可能で、製織
性に優れ、更に、得られるガラス繊維織物の脱油性も良
好にすることができる集束剤を提供すること。 【解決手段】 澱粉、油剤、乳化剤、柔軟剤及び水を含
有するガラス繊維用集束剤であって、前記澱粉の含有量
が前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準
として40〜65重量%であり、前記油剤がリノール酸
系油剤を含むものであり、更に、該リノール酸系油剤の
含有量が前記澱粉100重量部に対して5〜30重量部
であることを特徴とする集束剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維用集束
剤、ガラス繊維束、ガラス繊維織物、ガラス繊維巻糸体
の製造方法及びガラス繊維織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維織物は、溶融ガラスを延伸し
て得られたガラス繊維フィラメントを複数本集束したガ
ラス繊維束をエアージェット織機等により製織すること
により製造される。ガラス繊維フィラメントからガラス
繊維束を得る場合においては、ガラス繊維フィラメント
に集束剤を塗布して複数のフィラメントを束ねる。集束
剤としては、皮膜形成剤(澱粉等)や油剤等を水に溶解
または分散させたものが一般に用いられており、集束剤
でガラス繊維を被覆することにより、ガラス繊維織物製
造工程における摩擦に起因する毛羽立ちの低減を図る。
このように、集束剤はガラス繊維織物の製造工程におい
て必要不可欠であるものの、得られたガラス繊維織物を
強化樹脂の補強材等として用いる時には、集束剤の存在
は却って補強材としての性能を損なう場合があるため、
集束剤は高温(例えば350〜450℃)で焼却して除
去する(これを一般に「脱油」と呼ぶ)。
【0003】したがって、集束剤には、ガラス繊維を束
ねる能力(集束性)や、毛羽立ちの防止性能(被膜
性)、脱油により燃え残りなく燃焼する性質(脱油性)
が要求され、この要求に応えることのできる集束剤の配
合が様々研究なされてきた。例えば、特開昭57−71
837号公報には、澱粉と潤滑剤と界面活性剤と水とを
含むサイジング剤(集束剤)に、ヨウ素価40以上の脂
肪酸グリセリドを含むパーム油等を添加することによ
り、ガラス繊維の毛羽立ちを防止することができると記
載されている。
【0004】ところで、従来のガラス繊維織物の製造方
法(以下「従来法」という。)においては、製織に先立
って集束剤が塗布されたガラス繊維束を2度巻き取り、
2種類の巻糸体を作製するのが通常である。すなわち、
集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りコレットに
装着された巻取りチューブの周囲に綾振り装置により巻
き取って第1の巻糸体(これを一般に「ケーキ」と呼
ぶ。)を得、次いで、第1の巻糸体からガラス繊維束を
解舒して撚りをかけながらボビンへ巻き返して第2の巻
糸体を作製し、この第2の巻糸体を製織機にかけガラス
繊維織物を製造する。
【0005】この従来法において、ケーキの形状は、図
4の正面図(a)および側面図(b)に示されるような
形状とすることが一般的である。すなわち、巻取りチュ
ーブ11の長手方向の中央部分ではガラス繊維束の巻き
量を多くし、両末端側では巻き量を少くして、全体とし
て樽状の形状(ダブルテーパー状)とする。巻き返し前
のケーキにおいては、ガラス繊維束に付着している集束
剤は乾燥が終了しておらず、揮発成分(水等)が残存し
ていることが一般的である。そして、この揮発成分の多
くはボビンへの巻き返し時に揮発し、巻き返し終了後、
風乾されることによりさらに揮発が進んで、集束剤の不
揮発成分の皮膜がガラス繊維束表面に形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、ボビ
ンへ巻き返しを行わず、撚りをかけていないガラス繊維
束を用いて製織することが行われるようになっている。
この製織法(以下「ダイレクトヤーン法」という。)に
おいては、従来法とは別形状に巻き取ったケーキが用い
られる。すなわち、図3の正面図(a)および側面図
(b)に示されるように、集束剤が塗布されたガラス繊
維束を、巻取りチューブ11の周囲に等しい巻き量で巻
き取って、全体として円筒状(スクエアエンド状)とし
たガラス繊維巻糸体12が用いられる。そして、スクエ
アエンド状のケーキは、ケーキの形状のまま熱風乾燥
(110〜130℃、40時間程度)して集束剤の揮発
成分を除去し乾燥させる。
【0007】かかるダイレクトヤーン法にしたがって、
エアージェット織機を用いて製織を行う場合において、
従来法で好適とされる特開昭57−71837号公報に
記載の集束剤を用いると、ガラス繊維束の飛走性に劣る
上に、ガラス繊維束に毛羽立ちが発生してしまう。ま
た、製織して得られたガラス繊維織物を脱油した場合
に、集束剤の燃え残りが生じ外観不良が生じるという問
題も発生する。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点を鑑みてな
されたものであり、ガラス繊維フィラメントを集束して
ガラス繊維ストランド等のガラス繊維束を作製するため
の集束剤であって、ダイレクトヤーン法を用いた場合に
特に効果的に、摩擦等に基づくガラス繊維束の毛羽立ち
を防止することができるとともに、エアージェット織機
におけるガラス繊維束の飛走性を向上させることが可能
で製織性に優れ、得られるガラス繊維織物の脱油性も良
好にすることができる集束剤を提供することを目的とす
る。また、かかる集束剤の不揮発成分で被覆されたガラ
ス繊維束及びガラス繊維織物を提供することを目的とす
る。更には、スクエアエンド状のガラス繊維巻糸体の製
造方法、該巻糸体を用いたガラス繊維織物の製造方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上記公報に開示さ
れた集束剤を用いた場合であっても上記問題点が生じる
のは、ガラス繊維束に集束剤の付着量が多い箇所や少な
い箇所が生じていることに起因することを見出した。
【0010】すなわち、ダイレクトヤーン法に基づいて
スクエアエンド状のケーキをそのまま乾燥を行うと、乾
燥が進むにしたがって水分が巻糸体の内側から外側へ向
けて拡散するために、それにともなってガラス繊維束上
の集束剤が内側から外側へと移行し、乾燥後の巻糸体に
おいては、両端面と外周付近において特に集束剤の付着
量が多くなり、このために巻糸体を解舒して得られたガ
ラス繊維束には集束剤の付着量が多い箇所や少ない箇所
が生じる。そして、このような集束剤の付着量のばらつ
きによりガラス繊維束同士の摩擦が起こりやすくなり毛
羽立ちが発生し、また、エアージェット織機を用いて製
織した場合にガラス繊維束の飛走性量が安定せずに飛走
性が悪化する。又、集束剤の付着量が多い部分を中心と
してガラス繊維織物の脱油時の集束剤の燃え残りが生じ
やすくなってしまう。
【0011】本発明者らは、かかる知見に基づき更に検
討を加えた結果、ガラス繊維用集束剤の必須成分とし
て、澱粉、油剤、乳化剤、柔軟剤及び水を用いるととも
に、澱粉の含有量を特定量とし、さらに油剤として特定
量のリノール酸系油剤を用いることにより上記目的が達
成可能であることを見出した。
【0012】すなわち、本発明のガラス繊維用集束剤
は、澱粉、油剤、乳化剤、柔軟剤及び水を含有する集束
剤であって、前記澱粉の含有量が前記ガラス繊維用集束
剤の不揮発成分の全重量を基準として40〜65重量%
であり、前記油剤がリノール酸系油剤を含むものであ
り、更に、該リノール酸系油剤の含有量が前記澱粉10
0重量部に対して5〜30重量部であることを特徴とす
るものである。なお、本発明において不揮発成分とは、
ガラス繊維用集束剤を120℃で乾燥したときに揮発し
ない成分をいう。
【0013】また、本発明のガラス繊維束は、かかるガ
ラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されていることを
特徴とし、本発明のガラス繊維織物は、かかるガラス繊
維用集束剤の不揮発成分で被覆されていることを特徴と
するものである。
【0014】そして、本発明のガラス繊維巻糸体の製造
方法は、(1)上記本発明のガラス繊維用集束剤を複数
のガラス繊維フィラメントに塗布する塗布工程と、
(2)前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラ
メントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、
(3)前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチュ
ーブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取
り工程と、(4)前記巻糸体を乾燥させることにより、
前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラ
ス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程とを含むことを特徴と
する。
【0015】また、本発明のガラス繊維織物の製造方法
は、上記ガラス繊維巻糸体の製造方法における乾燥工程
の後に、該乾燥工程で得られた巻糸体からガラス繊維束
を解舒して製織する製織工程を実施することを特徴とす
るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のガラス繊維用集束剤は、
上述のように、澱粉、油剤、乳化剤、柔軟剤及び水を必
須成分とするが、油剤の種類及び含有量、並びに澱粉の
含有量に特徴を有している。すなわち、油剤としてリノ
ール酸系油剤を用い、その含有量が澱粉100重量部に
対して5〜30重量部である。また、澱粉の含有量が、
ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として
40〜65重量%である。
【0017】かかる特徴を具備させることにより、ダイ
レクトヤーン法を採用した場合であっても、ガラス繊維
束の毛羽立ち防止、エアージェット織機における高い飛
走性及び製織性、ガラス繊維織物の脱油性、の全てを向
上させることができる。例えば、油剤としてリノール酸
系油剤を用いない場合は、毛羽立ち防止、飛走性、製織
性及び脱油性の全てが不充分となる。但し、リノール酸
系油剤の含有量が澱粉100重量部に対して5重量部未
満である場合には得られるガラス繊維束の柔軟性が低く
なることから製織性に劣り又脱油性も悪化する。一方、
30重量部を超す場合は、得られるガラス繊維束が柔軟
になりすぎて製織性に劣る。また、澱粉の含有量がガラ
ス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として40
重量%未満である場合には、集束剤の不揮発成分による
皮膜の強度が低下して多くの毛羽が発生し、65重量%
を超える場合は、ガラス繊維束の糸質が硬くなり良好な
製織性を得ることができない。したがって、上記特開昭
57−71837号公報に開示の集束剤がダイレクトヤ
ーン法において良好な結果が得られなかったのは、リノ
ール酸系油剤がほとんど含まれていないこと、又、澱粉
やリノール酸系油剤の比率が上記範囲内にないことに起
因すると考えられる。
【0018】以下、本発明のガラス繊維用集束剤の構成
成分について、それぞれ詳細に説明する。
【0019】本発明のガラス繊維用集束剤の澱粉成分と
しては、コーン澱粉(コーンスターチ)、タピオカ澱
粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、ハイアミロース
コーン澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等がいずれも使用可能で
ある。また、馬鈴薯澱粉のアミロース抽出物や、酵素に
より合成された特殊な澱粉も使用することができる。こ
れらの澱粉は、エーテル化、エステル化、グラフト化、
架橋等の加工が施されたものであってもよい。
【0020】エーテル化された澱粉としては、カルボキ
シメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシアルキルエーテル
化澱粉、アルキルエーテル化澱粉、ベンジルエーテル化
澱粉、カチオンエーテル化澱粉等が挙げられる。エステ
ル化された澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、燐酸エ
ステル化澱粉、硫酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱
粉、キサントゲン酸エステル化澱粉等が挙げられる。こ
のエーテル化およびエステル化のいずれにおいても、澱
粉の置換度には特に制限はない。
【0021】グラフト化された澱粉としては、アクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル、アクリルアミド、スチレン、マレイン酸等の
不飽和二重結合を有するモノマーの少なくとも1種を澱
粉にグラフト重合させたものが挙げられる。
【0022】澱粉としては、さらに、未加工の澱粉に対
して架橋を導入したもの、または上記のエーテル化、エ
ステル化、グラフト化が施された澱粉に対して架橋を導
入したものを挙げることができる。架橋を導入する場合
においては、澱粉中の水酸基に反応性の官能基を2以上
有する化合物や、澱粉中の水酸基との反応により水酸基
反応性の官能基を新たに生じるような化合物が架橋剤と
して用いられる。このような架橋剤としては、エピクロ
ルヒドリン、ホルムアルデヒド、ジエポキシド化合物、
ジアルデヒド化合物等を挙げることができる。
【0023】本発明において用いられる澱粉におけるア
ミロース成分の量およびアミロペクチン成分の量は、特
に制限されない。アミロース成分が50重量%未満の通
常型澱粉(典型的にはアミロース成分を約30重量%、
アミロペクチン成分を約70重量%含む)、および、ア
ミロース成分を50重量%以上含むハイアミロース型澱
粉(典型的にはアミロース成分を約70重量%、アミロ
ペクチン成分を約30重量%含む)のいずれも使用可能
である。通常型澱粉を含有する集束剤は接着性に優れ、
ハイアミロース型澱粉を含有する澱粉は皮膜形成性に優
れると一般的にいわれている。本発明においては、用い
る澱粉の少なくとも一部は、ハイアミロース型澱粉であ
ることが好ましく、通常型澱粉とハイアミロース型澱粉
を組み合わせて使用することがより好ましい。本発明に
おいては、澱粉の重量は、集束剤の不揮発成分の全重量
を基準として40〜65重量%であるが、45〜65重
量%がより好ましい。
【0024】ガラス繊維用集束剤における油剤成分は、
リノール酸系油剤を必須成分として含有する。ここでリ
ノール酸系油剤とは、脂肪酸成分がリノール酸である油
脂、及びその分解物であるリノール酸をいう。リノール
酸系油剤は、リノール酸グリセリドが好ましく、かかる
グリセリドはモノエステル、ジエステル、トリエステル
及びこれらの任意の混合物のいずれであってもよい。ま
た、リノール酸系油剤は合成されたものでも天然の植物
油に含まれるものであってもよい。本発明において、リ
ノール酸系油剤の含有量は澱粉100重量部に対して5
〜30重量部でなければならないが、5〜20重量部が
より好ましく、6〜18重量部が特に好ましい。
【0025】リノール酸系油剤は、ゴマ油、サフラワー
油、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、綿実油等に
多く含有されており、本発明においては、ゴマ油を用い
ることが好ましい。すなわち、油剤はゴマ油を含むもの
であり、リノール酸系油剤の少なくとも一部がゴマ油に
由来するものであることが好ましい。なお、ゴマ油は、
脂肪酸成分がリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸である油脂を、それぞれ40重量%、39
重量%、9重量%、6重量%程度含んでおり、更に、1
重量%程度のゴマリグナンを含んでいる。
【0026】本発明のガラス繊維用集束剤は、リノール
酸系油剤以外の油剤を含有していてもよい。かかる油剤
としては、変性シリコーンオイル、牛脂油等の動物油及
びこの水素添加物、各種植物油及びこの水素添加物、高
級飽和脂肪酸と高級飽和アルコールの縮合物(ラウリル
ステアレート等のステアリン酸エステル等)、パラフィ
ンワックス等が例示できる。リノール酸系油剤以外の油
剤としては、牛脂及びステアリン酸エステルが好まし
い。したがって、本発明においては油剤成分として、ゴ
マ油と牛脂の組み合わせ、又はゴマ油と牛脂とステアリ
ン酸エステルの組み合わせが特に好ましい。集束剤にお
ける油剤は、ガラス繊維束に滑りを与え、機械上での摩
擦を減少させガラス繊維を保護する機能を有する。リノ
ール酸系油剤を含む油剤の合計量は、澱粉100重量部
に対して5〜120重量部が好ましく、30〜120重
量部がより好ましく、40〜120重量部が更に好まし
い。
【0027】ガラス繊維用集束剤における乳化剤成分と
しては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のア
ニオン性界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等のカ
チオン性界面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面
活性剤、ポリオキシエチレンポリアルキルエーテル等の
ノニオン性界面活性剤等を用いることができる。集束剤
における乳化剤は、上記油剤やその他の集束剤構成成分
を分散・乳化する機能を有する。本発明においては、乳
化剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分100
重量部に対して5〜15重量部であることが好ましく、
7〜9重量部であることがより好ましい。
【0028】ガラス繊維用集束剤における柔軟剤成分と
しては、ガラス繊維表面に選択的に吸着し、ある程度の
潤滑性を示す材料が好ましい。このような材料として
は、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の縮合物
に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物
(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」
と記す。)が挙げられる。TEPA/SAにおけるテト
ラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率はモル
比として、前者/後者=1/1〜1/2が一般的であ
る。かかる柔軟剤を用いることにより、ガラス繊維に柔
軟性を付与することが可能になり、又、ガラス繊維束中
のガラス繊維フィラメント同士の摩擦を減少させること
も可能になる。柔軟剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の
不揮発成分100重量部に対して0.1〜5重量部であ
ることが好ましく、0.4〜2重量部であることがより
好ましい。
【0029】本発明のガラス繊維用集束剤は、上述した
澱粉、油剤、乳化剤及び柔軟剤の他に、水を必須成分と
する。水は上述した成分を溶解又は分散可能であればよ
く、例えば、イオン交換水、蒸留水が好適に用いられ
る。水の重量はガラス繊維用集束剤全重量を基準として
80〜98重量%であることが好ましく、90〜97重
量%であることがより好ましい。
【0030】本発明のガラス繊維用集束剤は、上記必須
成分の他に、防腐剤、シランカップリング剤、帯電防止
剤等を含有するものであってもよい。また、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコールやそ
の他有機溶剤を少量含有していてもよい。
【0031】防腐剤は、澱粉等の黴や細菌等により分解
を受けやすい成分を保護できるものであればよく、その
種類は特に制限されない。好適な防腐剤としては、ホル
ムアルデヒドを挙げることができる。防腐剤の重量は、
澱粉100重量部に対して0.3〜2重量部であること
が好ましく、0.3〜0.5重量部であることがより好
ましい。
【0032】シランカップリング剤としては、γ−グリ
シジルオキシプロピルトリメトキシシラン等のエポシシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のア
ミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン等のメルカプトシラン等を例示できる。シランカップ
リング剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分1
00重量部に対して0.01〜0.5重量部であること
が好ましい。
【0033】帯電防止剤としては、硝酸リチウム、塩化
リチウム等の無機塩や4級アンモニウム塩等が挙げら
れ、かかる帯電防止剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の
不揮発成分100重量部に対して0.01〜1.0重量
部であることが好ましい。
【0034】本発明のガラス繊維用集束剤の製造方法は
特に制限されず、例えば、澱粉を水に分散させた後、9
0〜98℃に加熱し糊化させ、これに、澱粉、油剤、乳
化剤、柔軟剤の水溶液(または水分散物)をそれぞれ単
独で又は混合して添加し、必要に応じて更に水で希釈す
ればよい。上記必須成分以外の防腐剤、シランカップリ
ング剤、帯電防止剤等を添加する場合も、これらを単独
又は水溶液(または水分散物)として、糊化した澱粉溶
液に加えればよい。
【0035】次に、本発明のガラス繊維束について説明
する。本発明のガラス繊維束は、複数のガラス繊維フィ
ラメントが、上記本発明のガラス繊維用集束剤の不揮発
成分で被覆されることにより集束されたもの(ガラス繊
維ストランド等)である。ガラス繊維用集束剤の不揮発
成分で被覆されるガラス繊維フィラメントとしては、E
ガラス、Sガラス、Cガラスなどからなるガラス繊維フ
ィラメントがいずれも使用可能である。ガラス繊維フィ
ラメントを被覆する不揮発成分の重量は、ガラス繊維フ
ィラメント100重量部に対して0.2〜1.5重量部
であることが好ましく、0.2〜1.2重量部であるこ
とがより好ましい。
【0036】本発明のガラス繊維束の形状は特に制限さ
れず、長繊維であっても繊維長3〜50mmのガラス繊
維チョップドストランドであってもよい。長繊維の場合
は、巻取りチューブの周囲に巻き取られた巻糸体として
提供されてもよい。巻糸体としてはスクエアエンド状の
巻糸体が好ましく、外径15〜40cm、長さ10〜6
0cmの巻取りチューブの周囲に、ガラス繊維束を10
〜200km巻き付けた巻糸体が好ましい。
【0037】本発明のガラス繊維束を得る方法は特に制
限されない。例えば、白金ノズル(ブッシング)から引
き出されたガラス繊維フィラメントにローラー型アプリ
ケーターやベルト型アプリケーター等を用いてガラス繊
維用集束剤を塗布し、これを集束機で集束することによ
ってガラス繊維フィラメントを束ね、次いで、これを室
温〜150℃で乾燥し、水等の揮発分を除去する方法が
採用可能である。
【0038】次に、本発明のガラス繊維織物について説
明する。本発明のガラス繊維織物は、ガラス繊維からな
る織物であって、その表面の少なくとも一部が本発明の
ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されているもの
であればよい。ガラス繊維織物としては、5〜500T
EX(好ましくは22〜68TEX)のガラス繊維束を
経糸及び緯糸として用い、織り密度が、経方向で16〜
64本/25mm、緯方向で15〜60本/25mmに
なるように織られたガラス繊維織物であって、経糸及び
緯糸の少なくとも一方が本発明のガラス繊維用集束剤の
不揮発成分で被覆されたガラス繊維束であることが好ま
しい。
【0039】次に本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法
について説明する。本発明のガラス繊維巻糸体の製造方
法は、(1)本発明のガラス繊維用集束剤を複数のガラ
ス繊維フィラメントに塗布する塗布工程と、(2)塗布
工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束し
てガラス繊維束を得る集束工程と、(3)ガラス繊維束
を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状
に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程と、(4)巻糸体
を乾燥させることにより、ガラス繊維用集束剤の不揮発
成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程
とを含むものである。かかる製造方法は、例えば、図1
および図2に示す装置により実施することが可能であ
る。
【0040】図1は、本発明のガラス繊維巻糸体の製造
方法を実施するために適した装置の正面図を概略的に示
したものであり、図2は該装置の側面図を概略的に示し
たものである。図1および図2に示される装置は、ガラ
スを溶融するための溶融槽1と、溶融槽1の底面に備え
られ溶融ガラスを引き出すための孔を多数有したブッシ
ング2と、ガラス繊維用集束剤4を貯蔵するための集束
剤貯蔵槽5と、ブッシング2から引き出されたガラス繊
維フィラメント3に集束剤貯蔵槽5中のガラス繊維用集
束剤4を塗布するための集束剤塗布装置6と、ガラス繊
維用集束剤4が塗布されたガラス繊維フィラメント3を
束ねてガラス繊維束8を得るための集束器7と、得られ
たガラス繊維束8を一定振幅で振らせるチップ13を有
した綾振り装置9と、綾振り装置9により綾振られたガ
ラス繊維束8を巻き取る巻取りチューブ11を装着する
ための巻取りコレット10と、を有している。
【0041】図1および2に示された装置においては、
Eガラス、Sガラス、Cガラス等のガラスを溶融槽1中
で溶融させ、溶融状態のガラス(溶融ガラス)を複数の
ブッシング2から引き出すことにより、複数のガラス繊
維フィラメントを得る。この場合において、溶融槽1中
のガラスの溶融温度は1000℃以上とすることが通常
であるが、紡糸性の観点から1000ポイズ温度(溶融
粘度が1000ポイズとなる温度)とすることが好まし
い。そして、数百〜数千の開口を有するブッシング2か
ら溶融ガラスを引き出し、巻取りスピードを変化させる
ことにより、又、集束器7と綾振り装置9の間に設置す
ることの可能なテンション緩化装置(図示せず)を駆動
させることにより、適度なテンションを加えて溶融ガラ
スを延伸することが好ましい。かかる延伸により、ガラ
ス繊維フィラメントの繊維径を、例えば、3〜23μm
とすることができる。なお、ブッシング2から引き出さ
れたガラス繊維フィラメントは、次工程に移る前に、水
噴霧等により冷却してもよい。
【0042】このようにして得られたガラス繊維フィラ
メントに対して、集束剤貯蔵槽5に貯えられたガラス繊
維用集束剤4を集束剤塗布装置6により塗布する(塗布
工程)。この場合において、集束剤の塗布量(不揮発成
分)は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対し
て、0.2〜1.5重量部が好ましい。
【0043】ガラス繊維用集束剤4が塗布された複数の
ガラス繊維フィラメントは、集束器7により束ねられ、
ガラス繊維束8が得られる(集束工程)。集束工程にお
いては、50〜800本のガラス繊維フィラメントを集
束することが好ましい。なお、集束工程直後のガラス繊
維束8は、ガラス繊維用集束剤4の乾燥が終了していな
いため湿潤状態である。
【0044】湿潤状態のガラス繊維束は、綾振り装置9
におけるチップ13を一定振幅で振らせることにより、
加撚することなく巻取りコレット10に装着した巻取り
チューブ11に等しい巻量で巻き取られる(巻取り工
程)。これにより、巻取りチューブ11の周囲にガラス
繊維束8がスクエアエンド状に巻き取られたガラス繊維
巻糸体12が得られるが、図1及び2に示された装置を
用いる場合は、塗布工程から巻取り工程迄を高速で実施
するため(ラインスピード:2000m/分程度)、巻
取り工程で得られたガラス繊維巻糸体におけるガラス繊
維束8は湿潤状態である。なお、加撚とはガラス繊維を
撚ることを意味するため、得られるガラス繊維束8は無
撚りのストランドである。また、巻取りチューブ11と
しては、外径15〜40cm、長さ10〜60cmの紙
またはプラスチック製の円筒状チューブが通常用いら
れ、かかる巻取りチューブ11の周囲に、ガラス繊維束
を10〜200km巻き付けることが一般的である。
【0045】巻取り工程で得られたガラス繊維巻糸体1
2は、ガラス繊維用集束剤4の乾燥を進めるために乾燥
に供される(乾燥工程)。乾燥温度は特に制限されない
が、室温〜150℃とすることが好ましく、110〜1
30℃で熱風乾燥させることがより好ましい。これによ
り、ガラス繊維用集束剤14の不揮発成分で被覆された
ガラス繊維束の巻糸体が得られる。なお、集束剤の不揮
発成分からなる皮膜は連続皮膜である必要はない。
【0046】次に、本発明におけるガラス繊維織物の製
造方法について説明する。本発明のガラス繊維織物の製
造方法は、上述したガラス繊維巻糸体の製造方法におけ
る乾燥工程の後に、該乾燥工程で得られた巻糸体からガ
ラス繊維束を解舒して製織する製織工程を実施すること
を特徴とする。
【0047】製織工程における製織方法としては、別途
作製したガラス繊維束を整経機により整経して得られた
経糸に、乾燥工程において得られたガラス繊維巻糸体か
ら解舒されたガラス繊維束を緯糸として通すことによ
り、経糸と緯糸を交差せしめて組織化する方法が採用可
能である。この場合においてエアージェット織機を用い
ることが好ましい。
【0048】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法及び
ガラス繊維織物の製造方法においては、上述した本発明
のガラス繊維用集束剤を塗布工程で用いるために、乾燥
工程においてガラス繊維用集束剤の揮発成分(水分等)
が巻糸体の内側から外側へ向けて拡散するのに伴って、
ガラス繊維束上のガラス繊維用集束剤が移行することが
防止される。したがって、巻糸体を解舒して得られたガ
ラス繊維束におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の
付着量が略一定となる。したがって、エアージェット織
機による飛走性が向上し製織性に特に優れるようにな
る。又、製織工程における毛羽立ちの発生も効果的に防
止され、ひいては脱油性も優れるようになる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0050】ガラス繊維用集束剤の製造 (実施例1)エーテル化ハイアミロースコーンスターチ
1.62kg及びエーテル化コーンスターチ1.62k
gに70kgの水を加え分散させた。次いで、これを加
熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却
した(得られた液をA液とする)。一方、加熱溶解させ
た牛脂油1.98kg、ゴマ油0.66kg、ポリオキ
シエチレンポリプロピレンエーテル(HLB=16、以
下「PO/EO」と略す。)0.1kg及びポリオキシ
エチレンラウリルエーテル(HLB=9)0.49kg
に熱湯を加えながらミキサーで攪拌した。攪拌を5分間
継続した後に熱湯で希釈し総重量を5kgとした(得ら
れた液をB液とする)。また、TEPA/SA(テトラ
エチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/
後者=1/2)33gに熱湯を加えて総重量を2kgと
した(得られた液をC液とする)。更に、ホルマリン液
(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)90gを水で1
0倍に希釈した(得られた液をD液とする)。次いで、
65℃のA液に、B液、C液及びD液を順次全量添加し
た後、総重量が100kgになるように湯を加えて、ガ
ラス繊維用集束剤を得、60℃で保温した。
【0051】(実施例2)牛脂油の重量を1.76kg
としゴマ油の重量を0.88kgとした他は、実施例1
と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。 (実施例3)牛脂油の重量を1.32kgとしゴマ油の
重量を1.32kgとした他は、実施例1と同様にして
ガラス繊維用集束剤を得た。 (実施例4)牛脂油の重量を0.88kgとしゴマ油の
重量を1.76kgとした他は、実施例1と同様にして
ガラス繊維用集束剤を得た。
【0052】(実施例5)牛脂油の重量を0.33kg
としゴマ油の重量を2.31kgとした他は、実施例1
と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。 (実施例6)牛脂油の重量を1.32kgとしゴマ油の
重量を0.88kgとし、B液に0.44kgのラウリ
ルステアレートを添加した他は、実施例1と同様にして
ガラス繊維用集束剤を得た。 (実施例7)ホルマリン液を用いなかった他は、実施例
6と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
【0053】(実施例8)牛脂油及びゴマ油を用いず、
これらに代えてナタネ油2.64kgをB液に添加した
他は、実施例1と同様にしてガラス繊維用集束剤を得
た。 (実施例9)エーテル化ハイアミロースコーンスターチ
の重量を1.36kg、エーテル化コーンスターチの重
量を1.36kg、牛脂油の重量を2.04kg、ゴマ
油の重量を1.02kg、PO/EOの重量を0.12
8kg、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの重量を
0.572kgとした他は、実施例1と同様にしてガラ
ス繊維用集束剤を得た。 (実施例10)エーテル化ハイアミロースコーンスター
チの重量を2.03kg、エーテル化コーンスターチの
重量を2.03kg、牛脂油の重量を1.31kg、ゴ
マ油の重量を0.66kg、PO/EOの重量を0.0
8kg、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの重量を
0.37kgとした他は、実施例1と同様にしてガラス
繊維用集束剤を得た。
【0054】(比較例1)牛脂油を用いず、ゴマ油の重
量を2.64kgとした他は、実施例1と同様にしてガ
ラス繊維用集束剤を得た。 (比較例2)エーテル化ハイアミロースコーンスターチ
の重量を1.02kg、エーテル化コーンスターチの重
量を1.02kg、牛脂油の重量を2.41kg、ゴマ
油の重量を1.21kg、PO/EOの重量を0.15
kg、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの重量を
0.67kgとした他は、実施例1と同様にしてガラス
繊維用集束剤を得た。 (比較例3)ゴマ油を用いず、牛脂油の重量を1.76
kgとし、ナタネ油0.88gをB液に添加した他は、
実施例1と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。
【0055】(比較例4)エーテル化ハイアミロースコ
ーンスターチの重量を2.37kg、エーテル化コーン
スターチの重量を2.37kg、牛脂油の重量を0.9
5kg、ゴマ油の重量を0.47kg、PO/EOの重
量を0.056kg、ポリオキシエチレンラウリルエー
テルの重量を0.264kgとした他は、実施例1と同
様にしてガラス繊維用集束剤を得た。 (比較例5)ゴマ油を用いず、牛脂油の重量を2.64
kg、TEPA/SAの重量を0.11kgとした他
は、実施例1と同様にしてガラス繊維用集束剤を得た。 (比較例6)エーテル化コーンスターチ、牛脂油、ゴマ
油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びホルマリ
ン液を用いず、PO/EOの重量を0.10kg、TE
PA/SAの重量を0.20kgとし、パーム油1.1
0kgをB液に添加した他は、実施例1と同様にしてガ
ラス繊維用集束剤を得た。なお、本比較例におけるガラ
ス繊維用集束剤の組成は、特開昭57−71837号公
報におけるサイジング組成(1)に該当する。
【0056】実施例1〜10の組成(重量%)と、該実
施例におけるリノール酸系油剤の含有量(重量%)、不
揮発成分の全重量を基準とした澱粉の重量(重量%)及
び澱粉100重量部に対するリノール酸系油剤の重量部
を表1に示す。また、比較例1〜6の組成(重量%)
と、該比較例におけるリノール酸系油剤の含有量(重量
%)、不揮発成分の全重量を基準とした澱粉の重量(重
量%)及び澱粉100重量部に対するリノール酸系油剤
の重量部を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】ガラス繊維束及びガラス繊維巻糸体の製造 (実施例11〜20及び比較例7〜12)図1および図
2に示す装置と同様の装置を用いて、Eガラスのガラス
繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、実施例
1〜10及び比較例1〜6で得られたガラス繊維用集束
剤それぞれを塗布し400本集束して、外径8.5c
m、長さ45cmの巻取りチューブにスクエアエンド状
に100km巻き取った。これにより、湿潤状態のガラ
ス繊維束(ガラス繊維ストランド)が巻き取られた巻糸
体を得た。この巻糸体を120℃で25時間乾燥させ、
ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊
維束のガラス繊維巻糸体を得た。なお、得られたガラス
繊維巻糸体におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の
付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対し
て、1.0重量部であった。なお、実施例1〜10及び
比較例1〜6で得られたガラス繊維用集束剤を用いたも
のが、それぞれ実施例11〜20及び比較例7〜12に
該当する。
【0060】ガラス繊維織物の製造 (実施例21〜30及び比較例13〜18)実施例11
〜20及び比較例7〜12で得られた乾燥後のガラス繊
維束に以下の表3に示す組成のサイズ剤を塗布した後、
揮発成分を除去させた(乾燥後のガラス繊維束100重
量部に対するサイズ剤の被覆量は不揮発分として1.0
重量部)。このガラス繊維束を経糸として用い、実施例
11〜20及び比較例7〜12で得られたガラス繊維巻
糸体から解舒したガラス繊維束を緯糸として用い、高速
エアージェット織機(津田駒工業社製、ZA)にて製織
を行い、IPCスペック7628タイプのガラス繊維織
物を得た。なお、実施例1〜10及び比較例1〜6のガ
ラス繊維用集束剤が塗布された経糸に対して、それぞれ
実施例1〜10及び比較例1〜6のガラス繊維用集束剤
が塗布された緯糸を用いた。そして、実施例1〜10及
び比較例1〜6のガラス繊維用集束剤塗布された経糸及
び緯糸を用いたものが、それぞれ実施例21〜30及び
比較例13〜18に該当する。
【0061】
【表3】
【0062】ガラス繊維束及びガラス繊維織物の評価 (ガラス繊維用集束剤の移行性)実施例11〜20及び
比較例7〜12において、湿潤状態のガラス繊維束が巻
き取られた巻糸体を120℃で25時間乾燥させたとき
のガラス繊維用集束剤の移行性を以下のように評価し
た。すなわち、乾燥後の巻糸体の巻き終り(末端)から
長さ500mのガラス繊維束(以下「ガラス繊維束1」
という。)を採取し、更に、巻き終りから5km〜5.
5kmの長さ500mのガラス繊維束(以下「ガラス繊
維束2」という。)を採取した。これらのガラス繊維束
を625℃で30分加熱しガラス繊維用集束剤の不揮発
成分の付着量を求めた。そして、ガラス繊維束1におけ
る不揮発成分の付着量(Xとする。)を基準とした、ガ
ラス繊維束2における不揮発性成分の付着量(Yとす
る。)の増減の割合(100×(X−Y)/X)を求め
た。そして、増減の割合が±25%である場合は、ガラ
ス繊維用集束剤の移行が問題のないレベルであると判断
した(評価:◎)。一方、増減の割合が±25%の範囲
内にない場合はガラス繊維用集束剤の移行が生じたと判
断した(評価:×)。
【0063】(ガラス繊維束の毛羽立ちの評価)実施例
11〜20及び比較例7〜12で得られた乾燥状態のガ
ラス繊維束を、20gの錘を載せたワッシャーコンペン
に通し、発生した毛羽をシキボウ社製毛羽カウンター機
で測定し、以下の表4に示す基準で評価した。
【表4】
【0064】(ガラス繊維束の飛走性の評価)実施例1
1〜20及び比較例7〜12で得られた乾燥状態のガラ
ス繊維束を、高速エアージェット織機(津田駒工業社
製、ZA)のエアーノズルを1.5kg/cm2の圧力
にして4分間吹出させ、吹出されたガラス繊維束の重量
(吹出し量)を測定し、以下の表5に示す基準で評価し
た。なお、飛走性は吹出し量が多いほど優れる。
【表5】
【0065】(ガラス繊維束の硬さの評価)実施例11
〜20及び比較例7〜12で得られた乾燥状態のガラス
繊維束(長さ:50cm)を棒に吊るし、たわんだ先端
の距離を測定し、以下の表6に示す基準で評価した。
【表6】
【0066】(製織性の評価)実施例21〜30及び比
較例13〜18の方法でガラス繊維織物を100m作製
し、織長50cmあたりに発生した毛羽(又はソゲ)に
よる突起物発生数を測定し、以下の表7に示す基準で評
価した。
【表7】
【0067】(脱油性の評価)実施例21〜30及び比
較例13〜18で得られたガラス繊維織物を、それぞれ
20cm×20cmに切断し、これを200枚重ね合わ
せ、400℃のオーブンで24時間加熱した。加熱後の
ガラス繊維織物における上から100枚目の織物の中央
部の色調を、国際照明学会(CIE)表色系の感覚色Y
I値に基づき測定し、以下の表7に示す基準で評価し
た。なお、脱油性は表8中の数字が小さいほど優れる。
【表8】
【0068】上記評価の結果をまとめて以下の表9及び
表10に示す。なお、結果は塗布されたガラス繊維用集
束剤の種類に基づいて表した(実施例1〜10及び比較
例1〜6と表記した)。
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維ストラン
ド等のガラス繊維束を作製するための集束剤であって、
ダイレクトヤーン法を用いた場合に特に効果的に、摩擦
等に基づくガラス繊維束の毛羽立ちを防止することがで
きるとともに、エアージェット織機におけるガラス繊維
束の飛走性を向上させることが可能で製織性に優れ、得
られるガラス繊維織物の脱油性も良好にすることができ
る集束剤が提供される。また、かかる集束剤の不揮発成
分で被覆され、毛羽立ち防止性能、飛走性及び製織性に
優れたガラス繊維束、及び脱油性に優れたガラス繊維織
物が提供される。更には、乾燥時の集束剤の移行が低減
されたスクエアエンド状のガラス繊維束の巻糸体の製造
方法、及び該巻糸体を用いたガラス繊維織物の製造方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法に使用す
ることのできる装置の正面図である。
【図2】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法に使用す
ることのできる装置の側面図である。
【図3】(a)は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法
により得られるガラス繊維巻糸体の正面図であり、
(b)は該巻糸体の側面図である。
【図4】(a)は従来法によるガラス繊維巻糸体の正面
図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【符号の説明】
1…溶融槽、2…ブッシング、3…ガラス繊維フィラメ
ント、4…ガラス繊維用集束剤、5…集束剤貯蔵槽、6
…集束剤塗布装置、7…集束器、8…ガラス繊維束、9
…綾振り装置、10…巻取りコレット、11…巻取りチ
ューブ、12…ガラス繊維巻糸体、13…チップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G060 BA01 BC01 CB08 CB29 CB36 CB37 4L033 AA09 AB01 AC12 BA21 4L048 AA03 AB06 BA01 EA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉、油剤、乳化剤、柔軟剤及び水を含
    有するガラス繊維用集束剤であって、 前記澱粉の含有量が前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成
    分の全重量を基準として40〜65重量%であり、前記
    油剤がリノール酸系油剤を含むものであり、更に、該リ
    ノール酸系油剤の含有量が前記澱粉100重量部に対し
    て5〜30重量部であることを特徴とする集束剤。
  2. 【請求項2】 前記油剤がゴマ油を含むものであり、前
    記リノール酸系油剤の少なくとも一部が該ゴマ油に由来
    するものであることを特徴とする請求項1記載のガラス
    繊維用集束剤。
  3. 【請求項3】 前記リノール酸系油剤が、リノール酸グ
    リセリドであることを特徴とする請求項1又は2記載の
    ガラス繊維用集束剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガ
    ラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されていることを
    特徴とするガラス繊維束。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガ
    ラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されていることを
    特徴とするガラス繊維織物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガ
    ラス繊維用集束剤を複数のガラス繊維フィラメントに塗
    布する塗布工程と、 前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメント
    を集束してガラス繊維束を得る集束工程と、 前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブに
    スクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程
    と、 前記巻糸体を乾燥させることにより、前記ガラス繊維用
    集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体
    を得る乾燥工程と、を含むことを特徴とするガラス繊維
    巻糸体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のガラス繊維巻糸体の製造
    方法における乾燥工程の後に、該乾燥工程で得られた巻
    糸体からガラス繊維束を解舒して製織する製織工程を実
    施することを特徴とするガラス繊維織物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153706A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Nitto Boseki Co Ltd ガラス繊維用集束剤
JP2010260771A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Nippon Starch Chemical Co Ltd 硝子繊維集束剤用化工澱粉および硝子繊維
CN106458740A (zh) * 2014-04-28 2017-02-22 法国圣戈班玻璃厂 制造薄玻璃的方法

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