JP2002292328A - シート剤の製造方法 - Google Patents

シート剤の製造方法

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JP2002292328A
JP2002292328A JP2001101911A JP2001101911A JP2002292328A JP 2002292328 A JP2002292328 A JP 2002292328A JP 2001101911 A JP2001101911 A JP 2001101911A JP 2001101911 A JP2001101911 A JP 2001101911A JP 2002292328 A JP2002292328 A JP 2002292328A
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sheet
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JP2001101911A
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English (en)
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Yasutomo Hozumi
康友 穂積
Mihoko Inaba
美穂子 稲葉
Masahiro Sato
政弘 佐藤
Takayuki Kamura
隆之 加村
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Taiki KK
Original Assignee
Lion Corp
Taiki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高粘度の液体を繊維質のシート基材に均一に効
率良く含浸させてシート剤を製造する。液体に微粉末が
含有されている場合には、微粉末を全体に均一性良く分
散させるとともに前記液体をシート基材に含浸させてシ
ート剤を製造する。 【解決手段】 本発明のシート剤の製造方法は、粘度が
1000mPa・S以上である液体をシート基材上に塗布
する工程と、該シート基材の塗布面に対して垂直方向の
押圧力を加える工程を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高粘度の液体をシ
ート基材に含浸させてシート剤を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、化粧液等の液体を不織布や織布等の繊維質のシート
基材に含浸させてシート状の製品形態とすることで、一
定時間皮膚に密着させて使用できるようにし、化粧液等
の効果がより高く発揮されるようにしたシート剤が開発
されている。ところで、繊維質のシート基材に液体を含
浸させる方法としては、従来、液体をシート基材表面に
スプレーやエアーガン等を用いて噴霧する方法、スリッ
ト型ノズルやバーコーターを用いて塗布する方法、ある
いはシート基材を液体に直接浸漬する方法などが一般的
であった。しかしながら、直接浸漬する方法では液体の
無駄が多く、噴霧する方法や塗布する方法では、液体の
粘度が高くなるとスプレー不良やノズルの詰まりが生じ
て含浸できないという問題があった。
【0003】また、微粉末を含有する液体を繊維質のシ
ート基材に含浸させる方法としては、微粉末をあらかじ
めシート基材表面に均一に散布した後に、液体を噴霧又
は塗布する方法で含浸させる2段階的な方法がとられる
ことが多い。しかしながらこの方法では作業工程数が多
いうえ、この方法を適用できるのは液体の粘度が低い場
合に限られていた。また、シート基材表面に分散された
微粉末が物理的な作用で脱落し易いという問題もあっ
た。
【0004】一方、貼付剤のような高粘度の液体を繊維
質のシート基材に含浸させる方法として、特公昭48−
27442号公報、特開平12−8266号公報には、
長尺なシート基材をロールと接触させながら進行させる
際に、シート基材とロールとの間に液体を供給すること
によって、該液体を展延しつつシート基材の内部に強制
的に含浸させる方法が開示されている。しかしながら、
含浸後のシートは取り扱い性に劣るので、切断、成形等
の作業が容易でなく、生産性が劣るという問題があっ
た。また、液体が微粉末を含有している場合には、液体
がシート基材上に展延される際に微粉末の片寄りが生じ
やすく、微粉末を全体的に均等に存在させることが難し
いという問題もあった。
【0005】したがって、本発明の課題は、高粘度の液
体を繊維質のシート基材に含浸させたシート剤を効率良
く製造できるようにすること、また前記液体に微粉末が
含有されている場合には、微粉末を全体に均一性良く分
散させるとともに前記液体をシート基材に含浸させてシ
ート剤を製造できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のシート剤の製造方法は、粘度が1000mP
a・S以上である液体をシート基材上に塗布する工程
と、該塗布面に対して垂直方向の押圧力を加える工程を
有することを特徴とする。本発明によれば、液体の粘度
が高くても、これをシート基材上に塗布した後にシート
基材面に押し付ける方向に加圧することによって、この
液体をシート基材に強制的に含浸させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明のシート剤の製造方法の一実施形態を説明
するための図である。図中符号1は液体、2はシート基
材、3は加圧手段、4は容器をそれぞれ示す。本発明に
おける液体1は、粘度が1000mPa・S以上である液
体であればよく、液体の種類、成分、性状等は特に限定
されない。液体1は、例えば、増粘剤が添加されたもの
が好ましく用いられる。液体1は、これに含有される成
分が可溶化されている溶液タイプの液体であってもよ
く、微粉末が分散されている分散液タイプの液体であっ
てもよく、あるいは乳化された乳濁液(エマルション)
タイプの液体であってもよい。液体1の具体例として
は、化粧水類、乳液類、化粧品油類など、ほとんど全て
の化粧液が挙げられる。
【0008】液体1に添加される増粘剤は特に限定はさ
れないが、例えば液体1が化粧液である場合、水溶性の
増粘剤の例としては、カルボキシビニルポリマー、キサ
ンタンガム、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ゼラ
チン、カラギーナン、プルラン、ビニルピロリドン、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸塩、セルロース誘導体などの水溶性高分子が挙
げられる。また油溶性の増粘剤の例としては、12-ヒド
ロキシステアリン酸、デキストランパルミテートなどの
油溶性高分子が挙げられる。
【0009】液体1が、乳濁液タイプの液体である場
合、具体的にはO/W型、W/O型、W/O/W型など
の乳化系の化粧液が挙げられる。乳濁液タイプの化粧液
における油分としては、使用感のよいシリコーン油、炭
化水素系(スクワラン、ワセリン、ラノリン、流動パラ
フィン)、植物油(アボガド油、ツバキ油、タートル
油、トウモロコシ油、オリーブ油、小麦胚芽油、大豆
油、ホホバ油、落下生油、カカオ脂)、コレステリルエ
ステル類などが挙げられる。
【0010】液体1が、微粉末が分散された分散液タイ
プの化粧液である場合、微粉末としては、特に限定され
ないが、合成高分子物質、天然鉱物、それ以外の可溶化
が困難で液中で分散状態となる物質などが挙げられる。
微粉末の大きさは、小さすぎると液体1中で凝集するお
それがあり、大きすぎるとシート剤から脱落し易くなる
ので、平均粒径が0.1〜30μm程度のものが好まし
く、0.1〜10μm程度がさらに好ましい。合成高分
子物質としては、シリコーン樹脂、ポリオルガノシルセ
スキオキサン、シリコーンゴムパウダー、シリコーン樹
脂/ゴム複合パウダー、合成シリカビーズ、疎水性シリ
カパウダー、ナイロン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、ジビニ
ルベンゼン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系
樹脂などが挙げられる。
【0011】天然鉱物としては、カオリナイト族(カオ
リナイト)、パイロフィライト族(パイロフィライ
ト)、タルク族(タルク)、スメクタイト族(モンモリ
ロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、
ソーコナイト、スチーブンサイト)、雲母族(マスコバ
イト、セリサイト)、酸化塩(酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム)、硫酸塩(ミョ
ウバン、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、硫酸マグネシウム)などが挙げられる。上記鉱物
を主成分としてなる物質(原料)でも配合は可能であ
る。例えば、カオリナイトを主成分とするカオリン、モ
ンモリロナイトを主成分とするベントナイトや珪酸アル
ミニウム及び酸性白土、サポナイトを主成分とする珪酸
アルミニウムマグネシウム、マスコバイトやセリサイト
を主成分とするマイカなどが挙げられる。上記以外の可
溶化が困難で分散状態となる物質は、溶解状態が過飽和
にある粉体物質であり、特に限定はされないが、ブフェ
キサマクやエラグ酸などが挙げられる。
【0012】ここで、本明細書における粘度の値はB型
粘度計によって測定された25℃における値である。液
体1の粘度が高すぎるとシート基材2への含浸が困難と
なるので、好ましくは1000mPa・S以上、1000
0mPa・S以下である。また液体1の粘度が低すぎる
と、加圧前に液体1がシート基材2に含浸されてしまう
ことがあり、そうなると液体1中に微粉末が含まれてい
る場合には液体1の塗布時に微粉末を全体に均一に分散
させる必要が生じ、技術的に難しくなる。液体1のより
好ましい粘度は1500mPa・S以上であり、さらに好
ましくは2000mPa・S以上である。
【0013】本発明におけるシート基材2は、液体1が
含浸可能な多孔質のものが用いられ、好ましくは繊維材
料からなる不織布、織布、または編布が用いられる。繊
維材料としては水に不溶性のものが用いられ、具体例と
してはレーヨン、キュプラ、アセテート、ナイロン、ポ
リアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなど合成系のも
のや、綿、麻、ケナフ、パルプ、絹、羊毛などの天然系
のもの等が挙げられる。これらの中でも、レーヨン、キ
ュプラ、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタ
ンは液体1の種類、成分、性状などの影響を受け難く、
含浸が比較的容易であるので特に好ましい。これらの繊
維材料は1種類で用いても良いし、2種以上を組み合わ
せて使用しても構わない。
【0014】織布の例としては、厚織りや糸織りによる
織布、ガーゼ、コール天、ネル等の織布、編布の例とし
ては平編み、ゴム編み、タック編み、二目編み等の製法
による編布、不織布の例としてはスパンレース、スパン
ボンド、サーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパ
ンチ等の製法による不織布が挙げられる。これらの中で
も特に不織布が好適に使用され、さらに好ましくは、ス
パンレース不織布、スパンボンド不織布である。
【0015】シート基材2は、目が詰まり過ぎていると
液体1が含浸し難く、含浸状態にムラが発生し易い。一
方シート基材2の目が開き過ぎていると液体1の保持力
が低下し、シート基材2に含浸された液体1がシート基
材2外へ流出し易くなる。したがって、坪量は30〜1
50g/m2程度が好ましく、より好ましくは40〜15
0g/m2である。また、シート基材2の繊維間距離は特
に限定されるものではないが、液体含浸の良好な状態を
得るには30〜200μmの範囲が適当であり、30〜
100μmの範囲がより好ましい。ここでの繊維間距離
a(m)は、下記数式(1)によって算出される。 a=(DV/9000W)1/2 … (1) 上記数式(1)において、Dは繊度(Tex)、Vはシー
ト基材の体積(m3)、Wはシート基材の質量(g)を
それぞれ示す。シート基材2の厚さは、シート剤の用途
によっても異なるが、液体1として比較的高粘度の化粧
液を含浸させて化粧用シート剤を製造する場合は、0.
1mm〜10.0mm程度が好ましく、より好ましくは
0.3mm〜5.0mmである。その理由はシート基材
2が厚すぎると含浸後のシート基材2の表面にムラが生
じ易く、薄すぎると一旦含浸された液体1が加圧時にシ
ート基材2外へ流出し易くなるなど制御が困難となる。
シート剤を製造するときのシート基材2の形状は、予め
用途に応じた所望の形状に成形されたものを用いるのが
好ましい。シート基材2として成形前の長尺なものも使
用可能ではあるが、含浸後の取り扱い性に劣る。
【0016】容器4は、気体および液体を透過しない材
料からなっている。容器4の形状は、成形されたシート
基材2を収容可能な中空部を有するとともに、上面は加
圧部材3が内部に進入できるように大きく開口してい
る。この容器4は、その内部に含浸前のシート基材2を
入れたままで、該シート基材2に対して後述する液体1
の塗布および加圧を行うことができるようになってい
る。そして、加圧工程後に、容器4の開口部を密閉する
ことにより、流通可能な製品形態とすることができる。
【0017】以下、本実施形態におけるシート剤の製造
方法ついて説明する。まず、予め所定の形状に成形され
たシート基材2を容器4内に入れ、容器4内のシート基
材2の上面2aに液体1を塗布する(塗布工程)。本発
明において容器4を使用することは必須ではないが、こ
れを用いることによりシート剤2の取り扱いが容易にな
るので製造効率を向上させるうえで好ましい。液体1を
シート基材上面2aに塗布する手段は特に限定されず、
高粘度である液体1をシート基材上面2aの所定の部位
に所定の量だけ塗布することができるものであればよ
い。塗布手段の具体例としては、スリット型ノズルやバ
ーコーター等が挙げられる。特に液体1に微粉末が含有
されている場合にはスリット型ノズルを用いることが好
ましい。
【0018】液体1の塗布量は、多いほど、含浸後のシ
ート剤において液体1が含浸されている部分が多くなる
ので、得ようとする含浸の状態に応じて適宜設定する。
シート基材2全体に液体1が含浸された状態のシート剤
を得ようとする場合には、後の加圧工程における条件に
もよるが、液体1の塗布量が少なすぎるとシート基材2
において液体1が含浸されていない部分が生じる場合が
ある。多すぎると加圧工程後にシート基材2の外部へ流
出する液体1の量が多くなり、無駄が多くなるとともに
シート剤が取り扱い難くなる。したがって、液体1の塗
布量は、液体1の含浸量(重量)/含浸前のシート基材
2の重量×100(単位:重量%)で表される含浸倍率
が、50〜1000重量%程度の範囲内となるように設定する
ことが好ましく、さらに好ましくは200〜800重量%程度
とする。
【0019】シート基材上面2aに塗布された液体1
は、後の加圧工程で加圧された際にシート基材2の厚さ
方向に移動して含浸されるとともに、この厚さ方向に対
して垂直な表面方向にも広がりを生じ得るので、シート
基材上面2aの中央部にのみ液体1を塗布しておいて、
加圧によりシート基材2全体に液体1を含浸させること
ができる。また、シート基材上面2a全面に液体1を塗
布してもよいし、シート基材上面2aの複数箇所に液体
1を塗布してもよい。シート基材2の表面方向における
液体1の広がり方は、シート基材2の性状や液体1の粘
度等の物性によって異なり、また加圧条件によっても変
化し得るので、後の加圧工程によって液体1がシート基
材2全体に均一に含浸されるように塗布のしかたを適宜
決めるのが好ましい。
【0020】次に、シート基材2の液体1が塗布された
面(シート基材上面2a)に対して、垂直方向すなわち
シート基材2の厚さ方向に加圧力を加える(加圧工
程)。ここで用いられる加圧手段3は、少なくともシー
ト基材上面2aに塗布された液体1全体に、同時に均一
な加圧力を加えることができるものであればよい。ま
た、予め成形されたシート基材2を用いる場合には、シ
ート基材の上面2a全体に同時に均一な加圧力を加える
ことができるものが好ましい。
【0021】図1の例における加圧手段3は、上下に進
退可能な平面板を備えており、加圧方法は油圧、水圧、
空気圧のいずれによる方法であってもよい。平面板の形
状は特に限定されないが、最終製品のシート剤よりも小
さいものを用いると液体1を均一に含浸させることが困
難となるので、最終製品のシート剤と同等かそれ以上の
大きさ、形状を持つ平面板を用いることが好ましい。
【0022】この加圧工程における加圧条件は、シート
基材2の厚さ方向全部に液体が染み込んだ含浸状態が得
られるように設定される。具体的な加圧条件は、液体1
の物性やシート基材2の性状等に応じて変わり得るが、
加圧力が大きすぎると一旦含浸した液体1を絞り出して
しまい、小さすぎるとシート基材2への含浸状態が不十
分となるので、好ましくは1〜30MPaの範囲内とさ
れ、より好ましくは5〜20MPa程度とされる。加圧
時間は、長すぎると一旦含浸した液体1を絞り出してし
まい、生産効率の低下を招くことにもなる。一方、加圧
時間が短すぎるとシート基材2への含浸状態が不十分と
なるので、好ましくは1〜10秒の範囲内とされ、より
好ましくは1〜3秒程度とされる。また、加圧工程にお
ける温度は、加圧時の液体1の温度が高すぎると液体1
の物性が変化するおそれがあり、低すぎると液体1のシ
ート基材2への含浸状態に大きな影響が出る場合があ
る。したがって加圧時の液体1の温度は10〜40℃の
範囲内とすることが好ましく、さらに好ましくは15〜
35℃程度とされる。
【0023】このようにして、上記塗布工程後に上記加
圧工程を行うことにより、多孔質のシート基材2に液体
1が含浸されたシート剤が得られる。本実施形態によれ
ば、液体1を塗布後、加圧力を加えてシート基材2内に
強制的に含浸させるので、従来の方法では含浸が困難で
あった高粘度の液体1もシート2に均一に含浸させるこ
とができる。またシート基材2を直接浸積させる方法1
に比べて、液体1の無駄が少なく、含浸も速くて製造効
率が良い。
【0024】また、シート基材上面2aに塗布された液
体1に対して垂直方向の加圧力のみを加えて含浸させる
ので、液体1が微粉末を含有する場合は、塗布時に液体
1中に微粉末を均一に分散させておけば、微粉末の片寄
りが防止され、表面に微粉末が均一に保持されているシ
ート剤が得られる。しかも、液体1中の微粉末は加圧力
によってシート基材2に押し付けられることにより、シ
ート基材2に埋め込まれた状態で保持されるので、得ら
れたシート剤において、微粉末が容易に脱落することが
ない。このように、本実施形態によれば、微粉末を含有
する高粘度の液体であっても、簡単な工程でシート基材
2に含浸させることができ、しかも微粉末の片寄りがな
く、微粉末の脱落が生じ難い良好な含浸状態を有するシ
ート剤を得ることができる。
【0025】また、シート基材2を予め成形しておくこ
とにより、含浸後にシートを成形する必要がなくなり、
製造効率を向上させるうえで好ましい。さらに、予め成
形されたシート基材2を容器4内に入れ、容器4ごと塗
布工程および加圧工程に供すれば、作業性が格段に向上
する。また加圧工程後には、容器4を密閉することに流
通可能な製品形態とすることができるので、連続製造を
安定して行うことができ、製造効率を向上させることが
できる。
【0026】本発明の方法は、例えば美白成分や保湿成
分など、効果成分と皮膚との接触時間を長くして効果成
分の経皮吸収量を増大させると有効性が発揮され易い効
果成分を含有する化粧液を、シート基材に含浸させて効
果の高いシート剤を製造するのに好適である。また、こ
のような化粧品の分野に限らず、本発明は医薬品、医薬
部外品、雑貨等の幅広い分野において、各種の液体をシ
ート基材に含浸させてシート剤を製造するのに好適に用
いることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を用いて
より詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。下記の表中、特に断りのない限り
%は重量%を表す。また液体の組成は特に明記されてい
なければ、水にてバランスをとって調製したものを用い
た。
【0028】(実施例1a〜1f:溶液タイプの例)下
記表1に示すように増粘剤を配合して、所定の粘度の液
体を調製した。液体は、含有成分が可溶化された溶液タ
イプである。調製した液体を、所定形状に成形したシー
ト基材上面の中央部に、スリット型ノズルにより塗布し
た後、10MPa、1秒、液体の温度(以下、単に温度
という)25℃の加圧条件で、塗布面に対して垂直方向
に加圧し、液体をシート基材に含浸させてシート剤を得
た。シート基材としては、坪量60g/m2、繊維間距
離70μmポリエステルスパンボンド不織布を用いた。
液体の塗布量は、含浸倍率がそれぞれ表1に示す数値範
囲内となるように設定した。
【0029】含浸後のシート剤における液体の含浸状態
を目視にて観察し、シート表面(S)のうち液体が含浸
されている面積(A)の割合(B%=(A/S)×10
0)に基づいて、次のように点数をつけて評価した。 5点:B=100% 4点:100%>B≧90% 3点:90%>B≧80% 2点:80%>B≧70% 1点:70%>B 同一の製造条件で10枚のシート剤をそれぞれ製造し、
得られた10枚の評価点数の平均値を求めた。その結果
を表1に示す。また、液体がシート基材に均一に含浸さ
れているかどうかを目視にて評価したところ、実施例1
a〜1fのいずれにおいても、液体含浸の均一性は良好
であった。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例2a〜2e:分散液タイプの例)
下記表2に示すように増粘剤および微粉末を配合して、
所定の粘度の液体を調製した。液体は、微粉末が分散さ
れた分散液タイプである。調製した液体を上記実施例1
aと同様に塗布および加圧して、シート基材に含浸させ
てシート剤を得た。シート基材としては、坪量60g/
2、繊維間距離60μmのレーヨンスパンボンド不織
布を用いた。液体の塗布量は、含浸倍率がそれぞれ表2
に示す範囲内となるように設定した。含浸後のシート剤
における液体の含浸状態を上記実施例1aと同様にして
点数をつけて評価した。その結果を表2に示す。また、
実施例2a〜2eのいずれにおいても、含浸後のシート
剤表面に微粉末はほぼ均一に存在しており、液体含浸の
均一性は良好であった。
【0032】
【表2】
【0033】(実施例3a〜3d:乳濁液タイプの例)
下記表3に示すように増粘剤および微粉末を配合して、
所定の粘度の液体を調製した。液体は、水中油滴(O/
W)型又は油中水滴(W/O)型の乳濁液(エマルショ
ン)タイプである。調製した液体を上記実施例1aと同
様に塗布および加圧して、シート基材に含浸させてシー
ト剤を得た。シート基材としては、坪量60g/m2
繊維間距離50μmのポリプロピレンスパンレース不織
布を用いた。液体の塗布量は、含浸倍率がそれぞれ表3
に示す範囲内となるように設定した。含浸後のシート剤
における液体の含浸状態を上記実施例1aと同様にして
点数をつけて評価した。その結果を表3に示す。また、
実施例3a〜3dのいずれにおいても、含浸後のシート
剤表面に微粉末はほぼ均一に存在しており、液体含浸の
均一性は良好であった。
【0034】
【表3】
【0035】(比較例1:低粘度液体の例)前記実施例
2aにおいて、下記表4に示すように、増粘剤の添加量
を0.01%に変更して液体の粘度を500mPa・s
とした以外は同様にして、シート剤を製造した。シート
基材としては、坪量25g/m2、繊維間距離25μm
のナイロンスパンレース不織布を用いた。含浸後のシー
ト剤における液体の含浸状態を上記実施例1aと同様に
して点数をつけて評価した。その結果を表4に示す。ま
た、この比較例1においては、含浸後のシート剤表面に
おいて微粉末が片寄って存在しており、液体含浸の均一
性は悪かった。
【0036】(比較例2:加圧工程無しの例)前記実施
例1dにおいて、加圧工程を行わない以外は同様にし
て、シート剤を製造した。すなわち、成形後のシート基
材上面の中央部に所定量の液体を塗布した後、加圧せず
15秒間放置して含浸させた。シート基材としては、坪
量25g/m2、繊維間距離25μmのナイロンスパン
レース不織布を用いた。含浸後のシート剤における液体
の含浸状態を上記実施例1aと同様にして点数をつけて
評価した。その結果を表4に示す。この比較例2におい
ては、含浸後のシート剤において液体の広がりが小さ
く、シート基材全体に液体を含浸させるためには、さら
に多量の液体が必要であった。
【0037】(比較例3:加圧工程無しの例)前記実施
例2aにおいて、加圧工程を行わない以外は同様にし
て、シート剤を製造した。すなわち、成形後のシート基
材上面の中央部に所定量の液体を塗布した後、加圧せず
15秒間放置して含浸させた。シート基材としては、坪
量25g/m2、繊維間距離25μmのナイロンスパン
レース不織布を用いた。含浸後のシート剤における液体
の含浸状態を上記実施例1aと同様にして点数をつけて
評価した。その結果を表4に示す。この比較例3におい
ては、含浸後のシート剤表面において液体の広がりが小
さく、シート基材全体に液体を含浸させるためには、さ
らに多量の液体が必要であった。また、液体中の微粉末
はシート基材中に保持されておらず、物理的作用で容易
に脱落する状態であった。
【0038】
【表4】
【0039】以下、各種のシート剤を製造した例を示
す。 (製造例1:アトピー性皮膚炎用シート剤の製造)下記
表5の配合で溶液タイプの液体を調製した。液体の粘度
は3500mPa・sとした。この液体を、レーヨンス
パンボンド不織布(坪量60g/m2、繊維間距離80
μm)からなるシート基材上に、含浸倍率が300〜5
00%となるように塗布した後、加圧して含浸させた。
加圧条件は加圧力10MPa、加圧時間1秒間、温度2
5℃とした。
【0040】
【表5】
【0041】(製造例2:皮膚保護用シート剤の製造)
下記表6の配合で分散液タイプの液体を調製した。液体
の粘度は2500mPa・sとした。この液体を、レー
ヨンスパンレース不織布(坪量60g/m2、繊維間距
離80μm)からなるシート基材上に、含浸倍率が30
0〜500%となるように塗布した後、加圧して含浸さ
せた。加圧条件は加圧力10MPa、加圧時間1秒間、
温度25℃とした。
【0042】
【表6】
【0043】(製造例3:美白・保湿用シート剤の製
造)下記表7の配合で乳濁液タイプの液体を調製した。
液体の粘度は3000mPa・sとした。この液体を、
ポリエステルスパンボンド不織布(坪量60g/m2
繊維間距離80μm)からなるシート基材上に、含浸倍
率が500〜700%となるように塗布した後、加圧し
て含浸させた。加圧条件は加圧力10MPa、加圧時間
1秒間、温度25℃とした。
【0044】
【表7】
【0045】(製造例4:殺菌石鹸用シート剤の製造)
下記表8の配合で乳濁液タイプの液体を調製した。液体
の粘度は8000mPa・sとした。この液体を、ポリ
エステルスパンレース不織布(坪量60g/m2、繊維
間距離80μm)からなるシート基材上に、含浸倍率が
600〜800%となるように塗布した後、加圧して含
浸させた。加圧条件は加圧力10MPa、加圧時間1秒
間、温度25℃とした。
【0046】
【表8】
【0047】(製造例5:毛髪用シャンプーシート剤の
製造)下記表9の配合で乳濁液タイプの液体を調製し
た。液体の粘度は6000mPa・sとした。この液体
を、ポリプロピレンスパンボンド不織布(坪量60g/
2、繊維間距離80μm)からなるシート基材上に、
含浸倍率が600〜800%となるように塗布した後、
加圧して含浸させた。加圧条件は加圧力10MPa、加
圧時間1秒間、温度25℃とした。
【0048】
【表9】
【0049】(製造例6:毛髪用リンスシート剤の製
造)下記表10の配合で乳濁液タイプの液体を調製し
た。液体の粘度は6000mPa・sとした。この液体
を、ポリプロピレンスパンレース不織布(坪量60g/
2、繊維間距離80μm)からなるシート基材上に、
含浸倍率が600〜800%となるように塗布した後、
加圧して含浸させた。加圧条件は加圧力10MPa、加
圧時間1秒間、温度25℃とした。
【0050】
【表10】
【0051】(製造例7:制汗用シート剤の製造)下記
表11の配合で乳濁液タイプの液体を調製した。液体の
粘度は4000mPa・sとした。この液体を、ポリエ
チレンスパンボンド不織布(坪量60g/m2、繊維間
距離80μm)からなるシート基材上に、含浸倍率が3
00〜500%となるように塗布した後、加圧して含浸
させた。加圧条件は加圧力10MPa、加圧時間1秒
間、温度25℃とした。
【0052】
【表11】
【0053】(製造例8:ボディソープ用シート剤の製
造)下記表12の配合で乳濁液タイプの液体を調製し
た。液体の粘度は5000mPa・sとした。この液体
を、ポリエチレンスパンレース不織布(坪量60g/m
2、繊維間距離80μm)からなるシート基材上に、含
浸倍率が700〜900%となるように塗布した後、加
圧して含浸させた。加圧条件は加圧力10MPa、加圧
時間1秒間、温度25℃とした。
【0054】
【表12】
【0055】(製造例9:ヘアカラー用シート剤の製
造)下記表13の配合で乳濁液タイプの液体を調製し
た。液体の粘度は5500mPa・sとした。この液体
を、キュプラ不織布(坪量60g/m2、繊維間距離8
0μm)からなるシート基材上に、含浸倍率が500〜
700%となるように塗布した後、加圧して含浸させ
た。加圧条件は加圧力10MPa、加圧時間1秒間、温
度25℃とした。
【0056】
【表13】
【0057】製造例1〜9のシート剤はいずれも、成形
されたシート基材全体に液体が均一に含浸されており、
含浸状態は良好であった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来は均一な含浸が困難であった高粘度な液体も、シー
ト基材に均一に、効率良く含浸させることができる。ま
た、含浸させる液体も少量で済み、無駄がほとんど無い
のでコスト面での削減にもつながる。また液体に微粉末
が含有されている場合でも、微粉末をシート基材の全体
に均一性良く分散させるとともに、液体をシート基材に
含浸させてシート剤を製造できるようにするこれによっ
て、医薬品、医薬部外品、化粧品及び雑貨といった幅広
い分野でのシート剤の含浸において高粘度の液体の応用
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート剤の製造方法の一実施形態を示
す概略構成図である。
【符号の説明】
1…液体、2…シート基材、3…加圧手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 美穂子 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 佐藤 政弘 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 加村 隆之 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AA112 AA122 AB242 AB442 AC022 AC072 AC102 AC122 AC172 AC182 AC242 AC302 AC312 AC352 AC392 AC422 AC432 AC472 AC482 AC532 AC542 AC562 AC582 AC642 AC662 AC712 AC792 AC852 AC892 AD022 AD042 AD092 AD132 AD152 AD262 AD352 AD662 BB60 CC01 CC02 CC17 CC23 CC36 CC38 CC39 DD12 EE12 EE13 EE16 EE18 4D075 AC07 BB01Z CA50 DA25 DB20 DC38 EA06 EA12 EA13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度が1000mPa・S以上である液体を
    シート基材上に塗布する工程と、該シート基材の塗布面
    に対して垂直方向の押圧力を加える工程を有することを
    特徴とするシート剤の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186200A (ja) * 2019-05-14 2020-11-19 旭化成ファインケム株式会社 シート状化粧料

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