JP2002291501A - 靴 底 - Google Patents

靴 底

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JP2002291501A
JP2002291501A JP2001137988A JP2001137988A JP2002291501A JP 2002291501 A JP2002291501 A JP 2002291501A JP 2001137988 A JP2001137988 A JP 2001137988A JP 2001137988 A JP2001137988 A JP 2001137988A JP 2002291501 A JP2002291501 A JP 2002291501A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】歩行時の体重移動による加重動作に応じて、靴
底に靴内の空気の還流機能と歩行時の衝撃吸収機能を同
時に付与する。 【構成】靴底の上面側に踵部4から踏付部を経て爪先部
2に向けて幅4mm。深さ3mmの上面側通気溝5を形
成し、上面側通気溝5の踵部4において径3mmの3個
の通気貫通孔9を、踵部4と踵部4の下面に取り付けら
れる外形が馬蹄形で最大幅が45mmのミッドソール下
面側凸部10を貫通するように穿設し、ミッドソール下
面側凸部10に防水通気シート12を接着しJAタイプ
で測定して硬度70〜95で馬蹄形のプラスチック部品
13を嵌着・固定し、プラスチック部品13の下面には
馬蹄形のヒール部材18を接着・固定し、ミッドソール
1の下面全面にアウターソール24を接着・固定し、ミ
ッドソール1の上面には、上面側通気溝5と連結する中
底貫通孔26が穿設された中底25を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は靴底に関する。特
に、本発明は、改良された歩行機能性、特に衝撃吸収効
果と靴内の換気効果を有し、本底と甲皮の間に装着され
るミッドソールと、ヒール部材との組合せから成る多重
機能を有する靴底の構造に関する。
【0002】靴に要求される重要な要件の一つは、歩行
性がよいことである。靴の歩行性は、靴の衝撃吸収性能
と関連している。即ち、歩行という身体動作は、(1)
踵が接地する加重初期動作、(2)土踏まず外側から体
重をのせながら接地し、体重を支持しながら重心を前方
に移動して体重を支持する加重中期動作、(3)脚を前
方へ傾斜すると同時に足指の付け根の膨らんだ箇所、即
ちボール部分を屈曲させ踵を浮き上がらせ、土踏まずの
アーチの部分のばねを上方へ働かせる蹴り動作、即ち加
重後期動作、及び(4)準備動作の4つの動作を繰り返
して身体を移動させる動作である。この各動作におい
て、靴の衝撃吸収性能がよければよいほど、歩行動作に
よって足の各部位に与える負担が少なくなり、歩行性或
いは歩行感がよい靴ということになる。
【0003】ところで、靴に要求される要件は、上述し
た歩行性或いは歩行感の他に、靴の内部の通気性或いは
換気性がある。通常、成人の足からは1週間に約200
0ccの汗を発散していると云われている。その大部分
は蒸発するが、かなりの量が残留して靴の甲皮やミッド
ソール等部材に吸収され滞留し、足の汚れや、細菌の発
生、悪臭の原因になっている。それを防止するために、
靴をこまめに履き替えたり、乾燥させたり、或いは洗濯
することが望ましい。
【0004】近年では、靴底自体を、換気性のある構造
にすることが提案されてきている。靴に換気性を持たせ
る従来の構造の主流は、靴底のミッドソールの長手方向
に通気溝を設けるか、ミッドソールの厚さ方向に通気孔
を穿設するか、或いは踵の中に空気ポンプ、ボンベ、チ
ャンバーを挿入し、前記通気溝或いは通気孔と連接して
歩行動作による圧縮力によって空気を流通するものであ
る。
【0005】然しながら、この従来技術のように、踵を
大きくくり抜いて凹部を設け、その凹部の中に、空気ポ
ンプ、ボンベ、或いはチャンバーを挿入し、ミッドソー
ルに穿設された通気溝或いは通気孔と連接して歩行動作
による圧縮力によって空気を流通する構造は、踵の内部
に踵の素材とは異なる素材で製造された異物、即ち、空
気ポンプ、ボンベ、或いはチャンバーが埋封されている
ので、踵自体が本来有している衝撃吸収力が減殺される
だけでなく、踵自体の重量が増加したり、或いは踵と一
体になる靴底の前方踏み付け部の柔軟性が減殺され、そ
の結果、踵とミッドソール全体としての衝撃吸収性能が
低下するという欠点がある。さらに、前述した歩行動
作、即ち、加重初期動作、加重中期動作、或いは加重後
期動作のいずれかの動作における衝撃吸収性能を犠牲に
するか、或いは加重初期動作、加重中期動作、或いは加
重後期動作において通気と衝撃吸収を同時に発揮するこ
とができないという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、発明が解決し
ようとする主たる課題は、ミッドソールとヒール部材の
組合せから成る靴底の構造を、換気性機能だけ或いは衝
撃吸収機能だけを発揮させるのではなく、換気性機能を
発揮させながら且つ同時に衝撃吸収機能を発揮させる構
造にすることができなかったことである。
【0007】発明が解決しようとする別の課題は、ミッ
ドソールとヒール部材の組合せから成る靴底の構造を、
換気性機能を発揮すると同時に前記加重初期動作及び加
重中期動作においては衝撃吸収機能を発揮し、加重後期
動作においては衝撃吸収から反発動作への移行を発揮す
る多重機能構造とすることが出来なかったことである。
【0008】発明が解決しようとする更に別の課題は、
ミッドソールとヒール部材の内部構造と、ミッドソール
とヒール部材の材料性能との相乗作用によって、換気性
機能を発揮させながら且つ同時に衝撃吸収機能を発揮さ
せる多重機能を発揮させることができなかったことであ
る。発明が解決しようとする別の課題及び利点は以下逐
次明らかにされる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は、ミッドソールとヒール部材の材料自体
に衝撃吸収機能を持たせ、且つ、ミッドソールとヒール
部材の構造を換気性機能を発揮する構造にすることによ
り、即ち、ミッドソールとヒール部材の材料性能と構造
との相乗作用により、ミッドソールとヒール部材の組合
せから成る靴底に換気性機能と衝撃吸収機能とを同時に
発揮させることを検討した。
【0010】かくて、本発明のように、爪先部と、踏付
部と、踵部とを具備したミッドソールと、馬蹄形プラス
チック部品と、ヒール部材とから構成される靴底であっ
て、ミッドソール1の比重が0.15〜0.45、Cタ
イプ硬度が50〜70の範囲にあること、ミッドソール
の踵部の下面側に外形が馬蹄形のミッドソール下面側凸
部がミッドソールと一体に凸設されていること、ミッド
ソールの上面側に踵部から踏付部を経て爪先部に向けて
所定の幅と深さを有する上面側通気溝が形成されている
こと、上面側通気溝の踵部において所定の径を有し上面
側通気溝と連結されている通気貫通孔が踵部とミッドソ
ール下面側凸部を貫通するように穿設されていること、
ミッドソールの下面側踵部外周にミッドソールの内側及
び外側に開口していて通気貫通孔と連結されているミッ
ドソール踵部外周通気溝が形成されていること、ミッド
ソール下面側凸部に通気貫通孔を塞ぐように防水通気シ
ートが接合されていること、ミッドソール下面側凸部の
下面に、ミッドソール下面側凸部とほぼ同じ形状であっ
て、比重1.00±0.30、JAタイプ硬度が70〜
95で厚さ方向に貫通孔が穿設されたプラスチック部品
が接合されていること、プラスチック部品の下面に閉鎖
凹部を有する馬蹄形のヒール部材が接着・固定されてい
ることを特徴とする靴底が提供される。
【0011】先ず、本発明の靴底で使用する材料に関し
て解説する。ミッドソールは、アウターソールと甲皮と
の間に介挿されて、本底と甲皮を接合する本体で直接足
を支え、歩行時に受ける膝への衝撃を緩和する機能をも
つ重要な部材である。近年益々使用されるようになって
きた、いわゆるジョギングシューズ、スポーツシューズ
のミッドソール等には分厚いスポンジ底が使用されてい
る。
【0012】さらに、アウターソールと甲皮の間にクッ
ション性に優れたミッドソールを介挿することが行われ
ている。このミッドソールは軽量で、弾力性のあるクッ
ション性と、足の複雑な動きに十分追随する柔軟性を有
していなければならない。
【0013】このような性能を発揮させるために、本発
明のミッドソールの比重は、0.15〜0.45の範囲
がこのましく、EVAコンプレッションで製造した場合
は0.20〜0.25の範囲、ポリウレタンで製造した
場合0.32〜0.34の範囲が好ましい。また、硬度
はCタイプ硬度で、50〜70の範囲がこのましく、E
VAコンプレッションで製造した場合は60〜65の範
囲、ポリウレタンで製造した場合60±3の範囲が好ま
しい。
【0014】本発明のミッドソールの比重は平均比重で
あるので、部位によって比重に分布を持たせてもよい。
即ち、踏付部、中央部、土踏まず部等の比重を変え、そ
れによって硬度を変え、軽量化を図ると共に、部位によ
る衝撃吸収性能及び反発性能を変えることができる。
【0015】本発明のミッドソールは、単層でも、もし
くは2層以上でも、或いは衝撃吸収性能、柔軟性、硬
度、反発力等諸性能を勘案して複雑な内部多重構造にし
てもよい。
【0016】本発明のミッドソールは、比重及び硬度が
前述した範囲にあるように成形されていればよいので、
材料は特段に限定されないが、ポリエチレン、エチレン
・ビニル・アセテート共重合体(EVA)等ポリオレフ
ィン系樹脂、天然或いは合成ゴム、ウレタン系樹脂、或
いはこれらの混合物ので製造するのが好ましい。
【0017】本発明のミッドソールと一体化されるヒー
ル部材の比重は、0.20〜0.50の範囲がこのまし
く、EVAコンプレッションで製造した場合は0.20
〜0.35の範囲が好ましい。また、硬度はCタイプ硬
度で、55〜75の範囲が好ましく、EVAコンプレッ
ションで製造した場合は55〜70の範囲である。
【0018】本発明のミッドソールと一体化されるヒー
ル部材は、比重及び硬度が前述した範囲にあるように成
形されていればよいので、材料は特段に限定されない
が、ポリエチレン、エチレン・ビニル・アセテート共重
合体(EVA)等ポリオレフィン系樹脂、天然或いは合
成ゴム、ウレタン系樹脂、或いはこれらの混合物で製造
するのが好ましい。
【0019】本発明のミッドソールの上面に載置される
中底は、製靴業界で通常使用している材料のもでよい。
【0020】次ぎに、本発明のミッドソール、ミッドソ
ールと一体に取り付けられたミッドソール下面側凸部、
ミッドソール下面側凸部に接合されるプラスチック部
品、及びヒール部材材から構成される靴底の構造を解説
する。なお、下記の説明において、ミッドソール上面側
とは、ミッドソールの甲皮或いは中底側の面で、ミッド
ソール下面側とは、ミッドソールの外底或いは接地側の
面の意味である。
【0021】本発明のミッドソール上面側には、踵部か
ら爪先方向へ向けて所定の幅と深さを有するミッドソー
ル上面側通気溝が形成されている。
【0022】このミッドソール上面側通気溝は踏付部近
傍で少なくとも2本に分岐させても、さらに分岐させた
分岐通気溝を、ミッドソールの左右両側の少なくとも一
方の側方に向けて分岐させても、さらに分岐させた通気
溝同士を別の通気溝で連結してもよい。
【0023】このように、踵部から爪先方向へ向けて形
成されたミッドソール上面側通気溝を複数回分岐させる
ことによって、踵部から爪先方向へ向けて通気溝を流通
してくる空気の拡散効果を高めることができる。
【0024】本発明のミッドソールの踵部には、少なく
とも1個の通気貫通孔がミッドソールの厚さ方向に向け
て穿設されている。この貫通孔は前記ミッドソール上面
側通気溝と連結されている。さらに、この通気貫通孔
は、後述するミッドソールの下面側の踵部の側面におい
て対向する側面に向けて形成されたミッドソール下面側
踵部側面通気溝と連結している。
【0025】本発明のミッドソール下面側の踵部には、
踵部の形状とほぼ相似形で踵部より一回り小さいミッド
ソール下面側凸部がミッドソールと一体に突設されてい
る。このミッドソール下面側凸部は外形が閉鎖したほぼ
馬蹄形で、靴底の踵方向に行くに従って細くなってい
る。
【0026】本発明のミッドソール下面側凸部がミッド
ソールと接する側面において、前記ミッドソール下面踵
部側面通気溝と直接対応する箇所に、ミッドソール下面
側凸部の対向する側に向けて凸部側面通気溝が形成され
ている。この凸部側面通気溝は、前記ミッドソール下面
踵部側面通気溝と一体になって径の大きな通気溝とな
り、後述する吸排気効果を高める効果がある。
【0027】本発明のミッドソール下面側凸部に通気貫
通孔を塞ぐように防水通気シートが接合されていて、前
記通気貫通孔から空気は吸排気させるが水の浸入を防止
する。
【0028】本発明で使用される防水通気シートは特段
に限定されず、通常市販されているものでよい。
【0029】本発明のミッドソール下面の踵部に突設さ
れるミッドソール下面側凸部は、前述したように、外周
がほぼ半楕円形で、靴底の踵方向に向かうに従って細く
なっている。本発明では、このミッドソール下面側凸部
周辺にプラスチック部品が接合される。
【0030】このプラスチック部品は外形形状がミッド
ソール下面側凸部周辺部とほぼ同じ形状であって、比重
1.00±0.30、JAタイプ硬度が70〜95であ
る。
【0031】このプラスチック部品の一例としては、外
形がほぼ馬蹄形であって、外周縁部に馬蹄形の立上がり
部と、下方周縁部に内方に向かう馬蹄形の張出部と、内
側及び外側の上縁にミッドソール踵部外周通気溝と連結
する切欠けを具備し、爪先方向に向かって開口している
開口部を形成しているものである。
【0032】この開口型馬蹄形プラスチック部品の上方
縁部、即ち、ミッドソール下面と接する縁部には、前記
ミッドソール下面踵部側面通気溝と前記凸部側面通気溝
に対応する箇所に馬蹄形プラスチック部品切欠けが形成
されているので、前記ミッドソール下面踵部側面通気
溝、前記凸部側面通気溝、馬蹄形プラスチック部品切欠
けが一体になって外気と接するようになっている。
【0033】ヒール部材は、ヒール部材立上がり部と、
ヒール部材立上がり部と一体になっていて前記馬蹄形プ
ラスチック部品の張出部に完全に対応するように形成さ
れたヒール部材張出部材と、馬蹄形を閉鎖するヒール部
材横部材を具備していて、ヒール部材閉鎖凹部を形成し
ているものである。従って、ヒール部材閉鎖凹部と、ヒ
ール部材閉鎖凹部に接合・一体化されたミッドソール下
面側凸部が空気室を形成するようになっている。
【0034】本発明の靴底は、上述したミッドソール
と、プラスチック部品と、ヒール部材とを一体化するこ
とによって製造される。
【0035】さらに、ミッドソール、プラスチック部
品、ヒール部材、アウターソールとを接着して一体化し
た構造の上面に中底を装着し、中底に上面側通気溝と連
結する中底貫通孔を設けることによって、靴内部の水分
或いは悪臭を含んだ空気が上面側通気溝を経てミッドソ
ール踵部外周通気溝から外部に排気され、逆にミッドソ
ール踵部外周通気溝から上面側通気溝を経て靴の内部に
外気が吸気され、靴内部の空気の還流が行われる。
【0036】次ぎに、本発明の靴底の機能に関して解説
する。踏付部と踵部を有するミッドソールが、低比重、
低硬度のスポンジで製造されているので、それ自体が衝
撃吸収機能に優れている。ミッドソール部位に応じて比
重、硬度に分布を持たせること、或いは内部構造を変化
させることによって、より一層複雑な衝撃吸収機能を奏
功させることができることは前述した通りである。
【0037】次ぎに、ミッドソール下面側凸部と、ミッ
ドソール下面側凸部の周辺下面に固定されるプラスチッ
ク部品と、ヒール部材閉鎖凹部との関係に関して解説す
る。
【0038】踵が接地する加重初期動作においては、外
気との通気開放状態にあり、ミッドソールの材料自体の
物性による衝撃吸収性能が機能する。
【0039】踵が徐々に接地して、全体重が踵に掛かり
始める状態から、土踏まず外側から体重をのせながら接
地し、体重を支持しながら重心を前方に移動して体重を
支持する加重中期動作においては、外気との通気開放状
態は徐々に制限され、エアダンパー的衝撃吸収機能が作
用した後、エアーチャンバー状態に移行する。
【0040】脚を前方へ傾斜すると同時に足指の付け根
の膨らんだ箇所、即ちボール部分を屈曲させ踵を浮き上
がらせ、土踏まずのアーチの部分のばねを上方へ働かせ
る蹴り動作まで、即ち加重後期動作においては、外気と
の通気開放状態は制限され、エアチャンバー状態にな
り、高比重で高硬度のヒール部材の反発機能と相俟って
衝撃吸収から反発状態へと変化する。
【0041】加重初期動作から加重後期動作に至る全動
作において、硬質プラスチック部品により、足が過度に
内側に傾く過回内(オーバープロネーション)や、逆に
足が過度に外側に傾く過回外(オーバーサピネーショ
ン)が防止される。
【0042】荷重中期後半から加重後期のエアーチャン
バー状態によるポンプ作用で、前記ミッドソール下面踵
部側面通気溝、前記凸部側面通気溝、及び硬質プラスチ
ック部品の貫通孔又は、切り欠けを介して外部から吸気
された外気が、ミッドソールの通気貫通孔からミッドソ
ール上面側通気溝へ強制的に流通させられる。この強制
的に流通された外気は、靴中底や中敷きの孔から靴内部
へ流入し、滞留していた湿気を含んだ空気と換気され、
靴内部の温度や湿度等悪環境を改善する。
【0043】ミッドソール下面側凸部には、防水通気シ
ートが挿入されているので、靴外部へ向いて開口してい
る通気溝からの水の靴内部への浸水は防止される。
【0044】
【発明の実施の形態】添付図面を参照して本発明の実施
の1形態を説明する。図1は本発明の実施の1形態を示
す分解組立図である。図1Aはミッドソールの上面側を
示す斜視図、図1Bはミッドソールの下面側を示す斜視
図、図1Cは馬蹄形プラスチック部品を示す斜視図、図
1Dはヒール部材を示す斜視図、そして図1Eはアウト
ソールを示す斜視図である。図2は図1で示した実施形
態の踵部の断面図、図3は図1で示した実施形態の踵部
幅方向の断面図である。
【0045】図1Aに示した本発明のミッドソール1は
EVAコンプレッションで製造し、その比重0.20、
Cタイプで測定した硬度は60である。ミッドソール1
は爪先部2、踏付部3,及び踵部4から構成されてい
る。なお、爪先部、踏付部,及び踵部は、足が対応する
大体の箇所を呼称するもので、正確に限定されるもので
はないことは当業者に理解されるところである。
【0046】ミッドソール1には、踵部4から踏付部3
を経て爪先部2へ、深さ3mm、幅4mmの上面側通気
溝5を穿設した。上面側通気溝5は、踏付部3の近傍の
分岐点6で二股に分岐させて分岐通気溝7を形成し、さ
らに分岐通気溝7は、ミッドソール1の両側に向かう横
方向通気溝8で連結させた。
【0047】上面側通気溝5には、踵部4において、踵
部4と踵部4に凸設させたミッドソール下面側凸部10
を貫通する直径3mmの通気貫通孔9を3個穿設させ
た。
【0048】図1Bに示すように、ミッドソール1の下
面側踵部には、ミッドソール1の踵部の左右両側に開口
する3本のミッドソール踵部外周通気溝11を設けた。
これら3本のミッドソール踵部外周通気溝11はそれぞ
れ3個の通気貫通孔9と連結させ、従って、上面側通気
孔5と連結させた。
【0049】ミッドソール1の下面側踵部には、図1B
に示す厚さが7mm、爪先方向の最大幅が45mm、長
さが65mmの外形が馬蹄形をしたミッドソール下面側
凸部10を一体的に形成した。前述したように、このミ
ッドソール下面側凸部10には、3個の通気貫通孔9を
貫通させた。
【0050】さらに、図1Bの12は防水通気シートを
示している。図2の踵部の断面図に示すように、ミッド
ソール下面側凸部10に3個の通気貫通孔9の全体を被
うように、防水通気シート12を接着させた。
【0051】この防水通気シート12の存在によって、
たとえミッドソール1の踵部の左右両側に開口している
ミッドソール踵部外周通気溝11から浸水したとして
も、その水が通気貫通孔9から靴内に浸水することは完
全に防止される。一方、防水通気シート12の特性によ
り、靴の内部空気と外気を通気させる機能がある。
【0052】本発明で使用される防水通気シート12は
市場から入手可能なものでよく、特段に限定されない
が、たとえば、「プロテインテックス」(登録商標
名)、「プルーフガード」(登録商標名)、「エントラ
ント」(登録商標名)、「あぜくら」(登録商標名)、
「サイトス」(登録商標名)等が使用できる。
【0053】図1Cは、プラスチック部品13を示して
いる。プラスチック部品13は、ポリ塩化ビニルで、比
重1.25、JAタイプで測定した硬度が85±5にな
るように射出成形により製造した。プラスチック部品1
3は馬蹄形をしていて、最大高さが15mmで、爪先方
向に向いた先端が幾分下方に傾斜した立上がり部14が
ミッドソール下面側に向けて形成されており、プラスチ
ック部品13の下縁からは、内方へ向いた幅15mmの
張出部15が形成されていて、全体として爪先方向が開
口した開放部17が形成されている。さらに、立上がり
部14の上縁の所定箇所に3個の切り欠け16を形成し
た。この3個の切り欠け16は、それぞれ3本のミッド
ソール踵部外周通気溝11に対応していて、組み合わさ
ってそれぞれ1本の通気孔になっている。
【0054】図1Cに示したプラスチック部品13は、
外形が馬蹄形をしているミッドソール下面側凸部10
に、プラスチック部品13の開放部17を嵌着し、固定
されるようになっている。
【0055】図1Dは、ヒール部材18を示している。
ヒール部材18は、EVAコンプレッションにより、比
重0.3,Cタイプで測定した硬度が65になるように
製造した。ヒール部材18は、外形が馬蹄形をしてい
て、最大高さが15mmで、爪先方向が幾分上方へ傾斜
した立上がり部19と、立上がり部19のミッドソール
下面側上縁から内方へ向けて形成された幅15mmの張
出部20と、立上がり部19及び張出部20と一体に成
形された横部材21とから構成されていて、馬蹄形の閉
鎖凹部22を形成している。
【0056】図1Dに示したヒール部材18は、張出部
20と、立ち上がり部19と、横部材21とから構成さ
れていて、閉鎖凹部22を形成している。
【0057】図1Dに示したヒール部材18の張出部2
0と、図1Cに示したプラスチック部品13の張出部1
5を合わせて接合すると、ミッドソール下面側凸部10
が閉鎖凹部22の中に嵌込まれるように固定されるる。
【0058】図1Eの23は、比重1.20,JAタイ
プで測定した硬度が65±3になるように製造したアウ
ターソールである。,
【0059】図1Bに示したミッドソール下面側凸部1
0の馬蹄形をした外周部に、図1Cに示した馬蹄形のプ
ラスチック部品13の開放部17を嵌着、固定し、さら
にプラスチック部品13の張出部15と図1Dに示した
ヒール部材18の張出部20を接着し固定すると、図2
及び図3に示すように空気室24が形成される。
【0060】最後に、ミッドソール1とヒール部材18
の下面全体に図1Eに示したアウターソール23を接着
し、さらに図3に示したように中底25や、甲皮を、ミ
ッドソール1の上面に接着することによって最終的な靴
が完成する。
【0061】中底25の任意の位置に、上面側通気溝5
と連結する中底通気孔26を穿設する。このような通気
構造にすることによって、歩行時の体重移動による加重
動作に応じて、靴内部の湿気と悪臭を含んだ暖かい空気
が、中底通気孔26から上面側通気溝5及び通気貫通孔
9を経てミッドソール踵部外周通気溝11から外部へ排
気され、さらに、歩行時の体重移動による加重動作によ
って、冷たい外気が、ミッドソール踵部外周通気溝11
から、通気貫通孔9及び上面側通気溝5を経て中底通気
孔26から靴内部へ導入され、かくて、靴内部の空気の
還流が行われる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のミッドソ
ール1とヒール部材18との組合せから成る靴底は、ミ
ッドソール1が低比重で低硬度の材料で製造されてい
て、ヒール部材18が高比重、高硬度の材料で製造され
ているので、歩行時の体重移動動作に応じて衝撃吸収機
能が発揮され、さらに、最終的には中底25、ミッドソ
ール1、ミッドソール下面側凸部10、プラスチック部
品13、ヒール部材18及びアウターソール23の各部
材が接合一体化されて靴底となり、中底25には中底貫
通孔26が穿設され、中底貫通孔26がミッドソール上
面に形成された上面側通気溝5と連結され、さらに上面
側通気溝5がミッドソール下面踵部に穿設された通気貫
通孔9と連結され、さらに通気貫通孔9がミッドソール
下面踵部外周に形成され左右両側に開口しているミッド
ソール踵部外周通気溝11と連結されているので、歩行
時の体重移動による加重動作に応じて、靴内部の湿気と
悪臭を含んだ暖かい空気が、中底通気孔26から上面側
通気溝5及び通気貫通孔9を経てミッドソール踵部外周
通気溝11から外部へ排気され、さらに、歩行時の体重
移動による加重動作に応じて、冷たい外気が、ミッドソ
ール踵部外周通気溝11から、通気貫通孔9及び上面側
通気溝5を経て中底通気孔26から靴内部へ導入され、
かくて、靴内部の空気の還流が行われ、ミッドソール下
面側凸部10の面は防水通気シート12が介されている
ので、靴外部からの浸水が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す分解図。
【図1A】ミッドソールの上面側を示す斜視図。
【図1B】ミッドソールの下面側を示す斜視図。
【図1C】馬蹄形プラスチック部品を示す斜視図。
【図1D】ヒール部材を示す斜視図。
【図1E】アウターソールを示す斜視図。
【図2】図1に示した本発明の実施の形態の踵部の断面
図。
【図3】図1に示した本発明の実施の形態の側部断面
図。
【符号の説明】
1 ミッドソール 2 爪先部 3 踏付部 4 踵部 5 上面側通気溝 6 通気溝分岐点 7 分岐通気溝 8 横方向通気溝 9 通気貫通孔 10 ミッドソール下面側凸部 11 ミッドソール踵部外周通気溝 12 防水通気シート 13 馬蹄形プラスチック部品 14 馬蹄形プラスチック部品立上がり部 15 馬蹄形プラスチック部品張出部 16 馬蹄形プラスチック部品切欠 17 開放部 18 ヒール部材 19 ヒール部材立上がり部 20 ヒール部材張出部 21 ヒール部材横部材 22 ヒール部材閉鎖凹部 23 アウターソール 24 空気室 25 中底 26 中底貫通孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】爪先部2と、踏付部3と、踵部4とを具備
    したミッドソール1と、プラスチック部品13と、ヒー
    ル部材18とから構成される靴底であって、(1)ミッ
    ドソール1の比重が0.15〜0.45、Cタイプ硬度
    が50〜70の範囲にあること、(2)ミッドソール1
    の踵部4の下面側に外形が馬蹄形のミッドソール下面側
    凸部10がミッドソール1と一体に凸設されているこ
    と、(3)ミッドソール1の上面側に踵部4から踏付部
    3を経て爪先部2に向けて所定の幅と深さを有する上面
    側通気溝5が形成されていること、(4)上面側通気溝
    5の踵部4において所定の径を有し上面側通気溝5と連
    結されている通気貫通孔9が踵部4とミッドソール下面
    側凸部10を貫通するように穿設されこと、(5)ミッ
    ドソール1の下面側踵部外周にミッドソール1の内側及
    び外側に開口していて通気貫通孔9と連結されているミ
    ッドソール踵部外周通気溝11が形成されていること、
    (6)ミッドソール下面側凸部10に通気貫通孔9を塞
    ぐように防水通気シート12が接合されていること、
    (7)ミッドソール下面側凸部10の周辺に、ミッドソ
    ール下面側凸部10の周辺とほぼ同じ形状であって、比
    重1.00±0.30、JAタイプ硬度が70〜95で
    プラスチック部品13が接合されていること、(8)プ
    ラスチック部品13の下面に閉鎖凹部22を有する半楕
    円形のヒール部材18が接着・固定されていること、を
    特徴とする靴底。
  2. 【請求項2】さらにミッドソール1の上面に、上面側通
    気溝5と連結する中底貫通孔が穿設された中底25を載
    置したことを特徴とする請求項1の靴底。
  3. 【請求項3】上面側通気溝5が踏付部3の近傍の分岐点
    6で複数に分岐されて複数の分岐通気溝7が形成されて
    いいることを特徴とする請求項1の靴底。
  4. 【請求項4】分岐通気溝7が横方向通気溝8で連結され
    ていることを特徴とする請求項2の靴底。
  5. 【請求項5】プラスチック部品13が、ほぼ馬蹄形であ
    って、外周縁部に馬蹄形の立上がり部14と、下方周縁
    部に内方に向かう馬蹄形の張出部15と、内側及び外側
    の上縁にミッドソール踵部外周通気溝11と連結する切
    欠け16を具備し、爪先方向に向かって開口している開
    口部17を形成していることを特徴とする請求項1の靴
    底。
  6. 【請求項6】ヒール部材18が、ヒール部材立上がり部
    19と、ヒール部材立上がり部19と一体になっている
    ヒール部材張出部材20と、ヒール部材横部材21とを
    具備していてヒール部材閉鎖凹部22を形成しているこ
    とを特徴と請求項1の靴底。
  7. 【請求項7】ヒール部材閉鎖凹部22と、プラスチック
    部品13を介してヒール部材閉鎖凹部22に接合・一体
    化されたミッドソール下面側凸部10が空気室24を形
    成していることを特徴とする請求項1の靴底。
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