JP2002291143A - 架線張力調整具 - Google Patents

架線張力調整具

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JP2002291143A JP2001095185A JP2001095185A JP2002291143A JP 2002291143 A JP2002291143 A JP 2002291143A JP 2001095185 A JP2001095185 A JP 2001095185A JP 2001095185 A JP2001095185 A JP 2001095185A JP 2002291143 A JP2002291143 A JP 2002291143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通信ケーブルまたは電線を電柱に架設する際、
吊線に作用する荷重の変化に連動して自動的に吊線の張
力を低減することによって電柱に加わる過負荷を調整す
ることにより、既設電柱の保護を図るようにした架線張
力調整具を提供する。 【解決手段】電柱50の上下位置に所定間隔をあけて締
結された一対の電柱用バンド51、51の一方の電柱用
バンドの締結部を支点として枢設されたバネ係止部材3
の端部に架線53を結合し、他方の電柱用バンドの締結
部を支点として枢設されたネジ棒5をバネ係止部材3の
支点と架線結合部との間の通孔に挿通すると共に、該ネ
ジ棒5の外方伸長部にコイルバネ8を外挿して調整ナッ
ト9で締結することによって所定のバネ力に調整し、架
線の張力に応じてコイルバネのバネ力に抗して回動する
バネ係止部材の架線結合部の位置を変動することによ
り、該架線の張力を自動的に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信ケーブル通信
ケーブルの架設に用いる吊線または電線の架設に用いる
吊線等のように電柱に設けられた架線への着雪または風
圧等が作用した際の荷重変化に伴い、その張力を調整す
ることによって電柱への過負荷を低減するようにした架
線張力調整具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通信ケーブルを電柱に架設するための従
来方法は、図13(a) に示すように、既設電柱50に電
柱用バンド51をボルト52で締結し、このバンド51
のボルト締結部に吊線53の連結輪53aを結合したう
えで、該吊線53に所定間隔で通信ケーブル54を吊設
するようにしている。
【0003】このように吊線53を設けた場合、吊線5
3や通信ケーブル54に着雪、強風等による負荷がかか
ると吊線53の張力によって電柱50が過負荷を受ける
ため、電柱50が折壊したり倒壊するという危険な事態
に至る。
【0004】このため、従来は、既設電柱に支線を張っ
て電柱を補強していたのであるが、昨今の用地事情等に
よる支線施設スペースの減少の問題、さらに支線施設後
の地先からの取り外し要請等、支線補強設備への課題が
新たに生じているのが現状である。
【0005】一方、電柱を無支線化した場合、強風、着
雪等の異常時の荷重変化に適合させるために、電柱の強
度増強が必要となり、既設柱については高強度柱への建
て替え工事が要求される事態もあって電線路のコストア
ップが伴い、さらに場所によっては建替工事事態が不可
能であるという問題もあった。
【0006】このような問題を解消する手段として、図
13(b) に示すように、吊線53に作用する張力を低減
するために吊線53の途中に張力調整具57を設けるこ
とが開発されている。
【0007】この張力調整具57は、図13(b) に示す
ように、円筒形のケース58に収容されたコイルスプリ
ング59をロッド60の端部の係止金具59aで係止
し、該ロッド60の延長端部の連結部61とその反対側
のケース58の端部に設けられた連結部62とを吊線5
3の間に結合するものである。
【0008】従って、この張力調整具57をケーブル接
続箱55から電柱50側の吊線53の余長を利用して取
り付けるには、吊線53を断線したり、この断線した吊
線53の端部に張力調整具57を結合するための端末処
理を施したり、ケーブル接続箱55の位置を変更する等
の大掛かりな作業が必要となる。
【0009】一方、図14(a) に示すように、電柱50
に架設する電線62においても、上記と同様の問題があ
る。即ち、電柱50に電線62を架設する際、既設電柱
50に電柱用バンド51をボルト52で締結し、このバ
ンド51のボルト締結部に碍子63を設けた連結部材6
4を接続して碍子63に吊線53の端部の連結輪65a
を結合するものであるが、吊線53や電線62に着雪、
強風等による負荷がかかると、吊線53の張力によって
電柱50が過負荷を受けるため、電柱50が折壊した
り、倒壊するという問題があった。
【0010】このため、図14(b) に示すように、吊線
53の途中に張力調整具57を設けるのであるが、上記
の場合と同様に、吊線53を断線したり、この断線した
吊線53の端部に張力調整具57を結合するための端末
処理を施したり、接続端子67の位置を変更する等の大
掛かりな作業が必要となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、通信ケーブルまたは電線を電
柱に架設する際、通信ケーブルの架設に用いる吊線また
は電線の架設に用いる吊線に作用する荷重の変化に連動
して自動的に吊線の張力を低減することによって電柱に
加わる過負荷を調整することにより、電柱の保護を図
り、また電柱の建替工事等の必要がないようにした架線
張力調整具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1の架線張力調整具は、電柱の上
下位置に所定間隔をあけて締結された一対の電柱用バン
ドの一方の電柱用バンドの締結部を支点として枢設され
たバネ係止部材の端部に架線を結合し、他方の電柱用バ
ンドの締結部を支点として枢設されたネジ棒を前記バネ
係止部材の支点と架線結合部との間の通孔に挿通すると
共に、該ネジ棒の外方伸長部にコイルバネを外挿して調
整ナットで締結することによって所定のバネ力に調整
し、前記架線の張力に応じて前記コイルバネのバネ力に
抗して回動する前記バネ係止部材の架線結合部の位置を
変動することにより、該架線の張力を自動的に調整する
ようにしたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項2の架線張力調整具
は、電柱の上下位置に所定間隔をあけて締結された一対
の電柱用バンドの両側締結部間に上下の水平ベースを離
間して固設し、この上下の水平ベース間の両側部にバネ
係止部材を回動自在に枢設すると共に、夫々のバネ係止
部材の通孔に挿通したネジ棒の外方伸長部にコイルバネ
を外挿して調整ナットで締結することにより所定のバネ
力に調整する一方、前記両側のネジ棒の内端部を互いに
回動自在に枢設した一対の連結枠の夫々に固着してこれ
ら一対の連結枠の枢着部に架線の端部を結合した構成に
より、前記架線の張力に応じて前記コイルバネのバネ力
に抗して回動する前記バネ係止部材の架線結合位置を変
動することにより、該架線の張力を自動的に調整するよ
うにしたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項3の架線張力調整具
は、請求項1または請求項2において、前記コイルバネ
のバネ力を前記調整ナットの締付けによって所定の架線
初期張力に調整するようにしたことを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項4の架線張力調整具
は、請求項1または請求項2において、前記コイルバネ
のバネ力を前記調整ナットの締付けによって電柱の設計
荷重に適合した無負荷時における架線初期張力に調整す
るようにしたことを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項5の架線張力調整具
は、請求項1または請求項2において、前記一対の電柱
用バンドの一方は既設の電柱用バンドを利用し得ること
を特徴とする。
【0017】さらに、本発明の請求項6の架線張力調整
具は、請求項1または請求項2において、前記架線は通
信ケーブルの架設に用いる吊線または電線の架設に用い
吊線であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について参
照しながら説明する。
【0019】(実施例1)本実施例は架線張力調整具を
単一のコイルバネを用いて構成したものであり、図1に
示すように、電柱50の上下位置に所定間隔をあけて締
結された一対の電柱用バンド51、51の一方の電柱用
バンド51の締結部を支点S1として枢設されたバネ係
止部材3の端部に電柱50に架設する架線を結合し、他
方の電柱用バンド51の締結部を支点S2として枢設さ
れたネジ棒5をバネ係止部材3の支点S1と架線結合部
B1との間に固設された係止部12の通孔12aに挿通
すると共に、ネジ棒5の外方伸長部にコイルバネ8を外
挿して調整ナット9で締結することによりコイルバネ8
を所定のバネ力に調整した構成を有するものである。
【0020】このような構成についてより詳細に述べる
と、この架線張力調整具を既設の電柱50に使用する場
合、一対の電柱用バンド51、51の一方は既設の電柱
用バンド51を使用することができ、既に締結されてい
る電柱用バンド51の上方または下方に所定間隔を空け
てもう一個の電柱用バンド51を締結する。
【0021】電柱用バンド51の構成は、電柱50の外
径に対応する数片のバンド片51a、51a…をボルト
51bで止めて一個の電柱用バンド51としてあり、こ
の電柱用バンド51の両側突出片49、49に設けられ
た通孔49a、49aにボルト2aを挿通してナット2
bで締結したものである。
【0022】本実施例における架線張力調整具のバネ係
止部材3は、略く字形をなす2枚のプレート3a、3b
を所定幅で離間して対向させると共に略中央に設けた係
止部12の中央には通孔12aが形成され、各バネ係止
部材3の端部には通孔3aが形成されている。
【0023】そして、バネ係止部材3の係止部12の通
孔12aには長尺のネジ棒5が挿通されると共に、該ネ
ジ棒5の内端には通孔14aを有する係止片14が固設
され、係止部12の外方へ伸長したネジ棒5に対して係
止部12の内側に締結した位置決めナット7と該ネジ棒
5の外方伸長部にコイルバネ8を外挿してその外側に大
径の座金10を介して締結した調整ナット9を設け、位
置決めナット7によって位置決めされたコイルバネ8の
バネ力を調整ナット9の締付け具合によって調整するよ
うにしている。
【0024】このようなバネ係止部材3を一方の電柱用
バンド51(図1においては上方の電柱用バンド51)
に取り付ける際、バネ係止部材3の両側プレート3a、
3aの隙間幅を規定するためにスリーブ15を介して電
柱用バンド51の両側突出片49、49の通孔49a、
49aにボルト2aを挿通してナット2bで締結した部
位を支点S1としてその周りにバネ係止部材3を上下方
向に回動自在に枢設した構成としている。
【0025】また、バネ係止部材3の係止部12に挿通
されたネジ棒5の内端には係止片14が固設され、他の
電柱用バンド51(図1においては下方の電柱用バンド
51)の両側突出片49、49の通孔49a、49aに
挿通したボルト4aをネジ棒5の係止片14の通孔14
aに挿通してナット4bで締結した部位を支点S2とし
てその周りにネジ棒5を上下方向に回動自在に枢設した
構成としている。
【0026】さらに、バネ係止部材3の下端部に形成さ
れた通孔3bにはシンブル20を介して挿通されたボル
ト21aをナット21bで締結し、図2に示すようにシ
ンブル20には吊線53の端部に形成された連結輪53
aを嵌合することによって電柱50の吊線53を架設す
る。
【0027】以上のように、本実施例の架線張力調整具
においては、図2に示すように、架線張力調整具にバネ
係止部材3の支点S1を上方の電柱用バンド51の締結
部2に設け、この支点位置から垂直下方にバネ係止部材
3の架線結合部B1が位置するように位置決めナット7
によって位置決めされたコイルバネ8の張力を調整ナッ
ト9の締付け具合によって調整することにより、既設の
電柱用バンド51の締結部に結合していた吊線53の結
合位置を変えることなく本実施例の架線張力調整具を取
り付けることができるため、従来のように、吊線端末の
再処理やケーブル接続端子55の位置変更などの大掛か
りな作業を伴わずに施工することが可能となる。
【0028】また、無風時において吊線53には自重に
よる張力があり、この無風時の吊線張力では駆動しない
バネ力をコイルバネ8に予め付与するように調整ナット
9の締付けを調整することにより、コイルバネ8を架線
初期張力に調整しておき、台風や着雪当の異常荷重が加
わったとき、図3に示すように、コイルバネ8のバネ力
に抗してバネ係止部材3の架線結合部B1の位置が吊線
53の張力を緩和する方向に移動(ストロークE)する
ことによって吊線張力を自動的に低減して電柱50への
過負荷を軽減することができる。
【0029】さらに、調整ナット9によるコイルバネ8
の張力調整によって、電柱50の設計荷重に適合した無
負荷時における架線初期張力に調整することができる。
【0030】即ち、電柱50の設計荷重をAとし、予想
し得る異常時の荷重増加(例えば台風時の風圧等)をB
とし、架線初期張力をCとすると、B+Cの大きさがA
の大きさを超えたとき、電柱50は折壊するおそれが生
じるため、無負荷時における架線初期張力CはA−Bを
超えない大きさに設定しておくことによって異常荷重に
対処し、電柱50の折壊を防止することができる。
【0031】本実施例の他の具体例としては、図4及び
図5に示すように、実施例1における架線張力調整具を
用いて電線62の架設に用いる吊線53を取り付けて同
様の効果を得ることができる。
【0032】そのための構成としては、上記と同様の構
成による架線張力調整具のバネ係止部材3の下端部の架
線結合部B1に設けられた通孔3bにボルト21aを締
結することによって連結部材64を接続し、該連結部材
64の先端部にボルト63aによって締結された碍子6
3に吊線53の端部の連結輪65aを結合して電線62
を吊架すればよい。
【0033】(実施例2)本実施例は架線張力調整具を
一対のコイルバネ28、28を用いて構成したものであ
り、図6に示すように、電柱50の上下位置に所定間隔
をあけて締結された一対の電柱用バンド51、51の両
側締結部間に上下の水平ベース19、19を離間して固
設し、この上下の水平ベース19、19間の両側端部に
バネ係止部材23、23を回動自在に枢設すると共に、
夫々のバネ係止部材23の通孔23aに挿通したネジ棒
25の外方伸長部にコイルバネ28を外挿して調整ナッ
ト29で締結することにより所定のバネ力に調整する一
方、両側のネジ棒25の内端部を互いに回動自在に枢設
した一対の連結枠32、32の夫々に固着してこれら一
対の連結枠32、32の枢着部に電柱50の架線の端部
を結合するようにしたものである。
【0034】このような構成についてより詳細に述べる
と、電柱50に締結する電柱用バンド51の構成は実施
例1と同様であり、一対の電柱用バンド51、51の一
方は既設の電柱用バンド51を使用することができ、こ
の既設の電柱用バンド51の上方または下方に所定間隔
をあけてもう一個の電柱用バンド51を締結するもので
ある。
【0035】本実施例においては、上下の電柱用バンド
51、51の夫々の両側突出片49、49間に上下の水
平ベース19、19を取り付ける。各水平ベース19の
中央にはボルト18aを水平方向に挿通し得る通孔19
cを備えた突出部19aが形成され、その両側には水平
部19b、19bが形成され、夫々の水平部19b、1
9bには通孔19dが形成されている。
【0036】このような上下の水平ベース19、19を
上下の電柱用バンド51、51の夫々の両側突出片4
9、49間に取り付けるには、上方の水平ベース19は
突出部19aを上方に向けた状態で上方の電柱バンド5
1の両側突出片49、49間に挿着してボルト18aと
ナット18bで締結し、下方の水平ベース19は、突出
部19aを下方に向けた状態で下方の電柱バンド51の
両側突出片49、49間に挿着してボルト18aとナッ
ト18bで締結することにより、一対の水平ベース1
9、19の上下間に所定の離間幅を空けた状態とする。
【0037】このような上下一対の水平ベース19、1
9の両側の水平部19b、19bの夫々の通孔19d、
19dにバネ係止部材23、23を枢設する。
【0038】各バネ係止部材23は長尺板をコ字形に折
曲形成した両面端部に通孔23b、23bと端面に通孔
23aを形成してあり、このバネ係止部材23、23を
上下の水平ベース19、19間に挿着してボルト31a
とナット31bまたは不図示のピンで締結することによ
り、夫々のバネ係止部材23、23を水平方向に回動自
在に枢設した構成としている。
【0039】このような左右のバネ係止部材23、23
の各端面の通孔23aに長尺のネジ棒25を挿通し、該
ネジ棒25に対して通孔23aの内側に螺合した位置決
めナット7とネジ棒25の外方伸長部にコイルバネ28
を外挿してその外側に大径の座金30を介して締結した
調整ナット29とでコイルバネ28を所定のバネ力に調
整する。
【0040】また、左右のネジ棒25、25の夫々の内
端部を一対の連結枠32、32に溶着する。この連結枠
32は長尺板をコ字形に折曲形成した両面端部に通孔3
3b、33bとその間の端面に通孔33aを形成してあ
り、端面の通孔33aにネジ棒25の内端部を挿通して
溶着する。
【0041】そして、このような一対の連結枠32、3
2の両面端部の通孔33b、33bを互いに合致すると
共にシンブル35を介挿してボルト34aを挿通し、ナ
ット34bで締結することにより、ボルト34aの周り
に一対の連結枠32、32を互いに水平方向に回動自在
に枢設した構成としている。
【0042】上記の一対の連結枠32、32間のシンブ
ル35には、図7または図8に示すように、電柱50に
架設する架線(吊線53)の端部に設けた連結輪53a
を結合する。
【0043】以上の構成において、図7または図8に示
すように、左右一対のバネ係止部材23、23の左右の
ボルト31aの締結部位を支点S3、S3として各バネ
係止部材23、23を水平方向に回動することができ、
架線53に張力が作用してシンブル35が前方に移動す
ると左右のコイルバネ28、28の圧縮変形を伴って一
対の連結枠32、32がボルト34aの締結部位を支点
S4として水平方向に回動する。
【0044】このような構成において、一対の連結枠3
2、32の枢着部である支点S4と電柱用バンド51の
ボルト18aとが同一線上に位置するように左右の位置
決めナット27、27と左右の調整ナット29、29の
締付け調整を行うことによって、図9に示すように、既
設の電柱用バンド51の締結部に結合していた吊線53
の長さを変えることなく本実施例の架線張力調整具を取
り付けることが可能となる。
【0045】また、実施例1と同様に、無風時において
吊線53には自重による張力があり、この無風時の吊線
張力では駆動しないバネ力を左右のコイルバネ28、2
8に予め付与するように左右の調整ナット29、29の
締付けを調整することにより、左右のコイルバネ28、
28を架線初期張力に調整しておき、台風や着雪当の異
常荷重が加わったとき、図10に示すように、左右のコ
イルバネ28、28のバネ力に抗して左右の連結枠3
2、32の架線結合部の位置が吊線53の張力を緩和す
る方向に移動することにより、吊線張力を自動的に低減
して電柱50への過負荷を軽減することができる。
【0046】さらに、左右のコイルバネ28、28の張
力調整によって、電柱50の設計荷重に適合した無負荷
時における架線初期張力に調整することも実施例1と同
様であり、電柱50の設計荷重をAとし、予想し得る異
常時の荷重増加(例えば台風時の風圧等)をBとし、架
線初期張力をCとすると、B+Cの大きさがAを超えた
とき、電柱50は折壊するおそれが生じるため、無負荷
時における架線初期張力CはA−Bを超えない大きさに
設定しておくことによって異常荷重に対処し、電柱50
の折壊を防止することができる。
【0047】本実施例の他の具体例としては、図11及
び図12に示すように、実施例2における架線張力調整
具の構成をそのまま用いて、連結枠32、32(図6参
照)の枢着部におけるボルト34aに碍子63を設けた
連結部材68を接続し、碍子63に吊線53の端部の連
結輪65aを結合して電線62を吊架することができ
る。
【0048】また、実施例2の架線張力調整具は、一対
のコイルバネ28、28を用いてあるが、コイルバネ2
8を片側のみに設けた構成とすることも可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の架線張力
調整具によれば、架線の張力に応じてコイルバネのバネ
力に抗して回動するバネ係止部材の架線結合部の位置を
吊線の張力を緩和する方向に移動することによって吊線
張力を自動的に低減して電柱への過負荷を軽減すること
ができ、電柱の保護を図ることが可能となる。
【0050】即ち、無風時の吊線張力では駆動しないバ
ネ力をコイルバネに予め付与するように調整ナットの締
付けを調整することにより、コイルバネを架線初期張力
に調整しておくことができ、台風や着雪当の異常荷重が
加わったとき、コイルバネのバネ力に抗して架線結合部
の位置が吊線の張力を緩和する方向に移動することによ
って吊線張力を自動的に低減して電柱への過負荷を軽減
することができる。
【0051】また、本発明において、架線結合位置を既
設の電柱用バンドの吊線結合位置と同様の位置にするこ
とができるため、既設の電柱用バンドに架設していた吊
線の長さを変えることなく本発明の架線張力調整具を取
り付けることが可能となる。
【0052】また、本発明において、コイルバネの張力
調整によって電柱の設計荷重に適合した無負荷時におけ
る架線初期張力に調整することが可能であり、電柱の設
計荷重と予想し得る異常荷重を知ることによって電柱が
折壊するおそれのない初期張力を設定することが可能と
なる。
【0053】また、本発明によれば、一対の電柱用バン
ドの一方の電柱用バンドは既設の電柱用バンドをそのま
ま利用することができる。
【0054】さらに、本発明において、架線は通信ケー
ブルの架設に用いる吊線または電線の架設に用いる吊線
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1の架線張力調整具を示す
斜視図である。
【図2】本発明による実施例1の架線張力調整具の初期
設定時における側面図である。
【図3】本発明による実施例1の架線張力調整具の荷重
作用時における側面図である。
【図4】本発明による実施例1の架線張力調整具の他の
具体例における初期設定時の側面図である。
【図5】本発明による実施例1の架線張力調整具の他の
具体例における荷重作用時の側面図である。
【図6】本発明による実施例2の架線張力調整具を示す
斜視図である。
【図7】本発明による実施例2の架線張力調整具の初期
設定時の上面図である。
【図8】本発明による実施例2の架線張力調整具の荷重
作用時の上面図である。
【図9】本発明による実施例2の架線張力調整具の初期
設定時における側面図である。
【図10】本発明による実施例2の架線張力調整具の荷
重作用時における側面図である。
【図11】本発明による実施例2の他の具体例の架線張
力調整具の初期設定時における側面図である。
【図12】本発明による実施例2の他の具体例の架線張
力調整具の荷重作用時における側面図である。
【図13】(a) は従来の吊線架設の場合の電柱周辺の状
況を示す側面図であり、(b) はこの吊線に従来の張力調
整具を取り付けた状況を示す側面図である。
【図14】(a) は従来の他の吊線架設の場合の電柱周辺
の状況を示す側面図であり、(b) はこの吊線に従来の張
力調整具を取り付けた状況を示す側面図である。
【符号の説明】
3…バネ係止部材 5…ネジ棒 7…位置決めナット 8…コイルバネ 9…調整ナット 28…コイルバネ 29…水平ベース 35…連結枠 49…突出片 50…電柱 51…電柱用バンド 53…吊線 54…通信ケーブル 62…電線 63…碍子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電柱の上下位置に所定間隔をあけて締結さ
    れた一対の電柱用バンドの一方の電柱用バンドの締結部
    を支点として枢設されたバネ係止部材の端部に架線を結
    合し、他方の電柱用バンドの締結部を支点として枢設さ
    れたネジ棒を前記バネ係止部材の支点と架線結合部との
    間の通孔に挿通すると共に、該ネジ棒の外方伸長部にコ
    イルバネを外挿して調整ナットで締結することによって
    所定のバネ力に調整し、前記架線の張力に応じて前記コ
    イルバネのバネ力に抗して回動する前記バネ係止部材の
    架線結合部の位置を変動することにより、該架線の張力
    を自動的に調整するようにしたことを特徴とする架線張
    力調整具。
  2. 【請求項2】電柱の上下位置に所定間隔をあけて締結さ
    れた一対の電柱用バンドの両側締結部間に上下の水平ベ
    ースを離間して固設し、この上下の水平ベース間の両側
    部にバネ係止部材を回動自在に枢設すると共に、夫々の
    バネ係止部材の通孔に挿通したネジ棒の外方伸長部にコ
    イルバネを外挿して調整ナットで締結することにより所
    定のバネ力に調整する一方、前記両側のネジ棒の内端部
    を互いに回動自在に枢設した一対の連結枠の夫々に固着
    してこれら一対の連結枠の枢着部に架線の端部を結合し
    た構成により、前記架線の張力に応じて前記コイルバネ
    のバネ力に抗して回動する前記バネ係止部材の架線結合
    位置を変動することにより、該架線の張力を自動的に調
    整するようにしたことを特徴とする架線張力調整具。
  3. 【請求項3】前記コイルバネのバネ力を前記調整ナット
    の締付けによって所定の架線初期張力に調整するように
    したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の架
    線張力調整具。
  4. 【請求項4】前記コイルバネのバネ力を前記調整ナット
    の締付けによって電柱の設計荷重に適合した無負荷時に
    おける架線初期張力に調整するようにしたことを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の架線張力調整具。
  5. 【請求項5】前記一対の電柱用バンドの一方は既設の電
    柱用バンドを利用し得ることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の架線張力調整具。
  6. 【請求項6】前記架線は通信ケーブルの架設に用いる吊
    線または電線の架設に用いる吊線であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の架線張力調整具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102266055B1 (ko) * 2020-08-27 2021-06-17 (주)사성기술단 배전용 전주의 배전선 탄성 지지완철

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