JP2002290280A - スペクトラム拡散送信機 - Google Patents

スペクトラム拡散送信機

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JP2002290280A
JP2002290280A JP2001093951A JP2001093951A JP2002290280A JP 2002290280 A JP2002290280 A JP 2002290280A JP 2001093951 A JP2001093951 A JP 2001093951A JP 2001093951 A JP2001093951 A JP 2001093951A JP 2002290280 A JP2002290280 A JP 2002290280A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペクトラム拡散送信機にてデータの保持容
量を少なくする。 【解決手段】 電力制御器10hは、送信電力測定期間
毎に、A−D変換器120からのデジタル信号に基づい
て送信信号の電力レベルを求め、この電力レベルを目標
値に近づけるようにゲインコントロールアンプ45、6
0の可変利得を更新する。送信電力測定期間では、第1
〜第3の送信信号の出力が禁止されて、制御信号だけが
出力される。この場合、第1及び第2のゲインパラメー
タβd、βcの組み合わせが一定であるため、ゲインコ
ントロールアンプ45、60の出力波形は、一定であ
る。従って、デジタル信号としては、目標送信電力レベ
ルに対応した信号レベルが得られるため、メモリ10k
としては、各目標送信電力レベル毎の送信電力データを
有する送信電力マップが1種類だけ設けるだけでよく、
メモリ10kのデータの保持容量を少なくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
方式を用いたスペクトラム拡散送信機に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に、従来のスペクトラム拡散方式を
用いた自動車電話のRF部の概略を図6を参照して説明
する。ここで、送信機は、シングルコード伝送を行うも
のであって、以下、当該送信機をシングルコード送信機
という。
【0003】シングルコード送信機は、減衰器1、電力
増幅器2、方向性結合器3、終端器4a、検波器(ダイ
オード)4b、フィルタ5、A−D変換器6、マイクロ
コンピュータ7、メモリ(不揮発性メモリ)7a、D−
A変換器8、及び演算増幅器9から構成されている。
【0004】減衰器1は、変調された高周波信号を入力
信号とし、その入力信号を所定減衰量だけ減衰させて出
力し、電力増幅器2は、減衰器1の出力信号を予め設定
された利得で増幅し、送信出力信号としてアンテナ端側
に供給する。なお、アンテナ端は、自動車電話のアンテ
ナ取付部である。
【0005】方向性結合器3は、電力増幅器2の後段に
設けられ、方向性結合器4の一端には、終端器4aが接
続されて、他端には検波器4bが接続されている。検波
器4bには、送信出力信号に比例する電圧レベルの比例
信号が入力され、検波器4bは、比例信号の正側半波に
おける包絡線レベルを示す検波信号を出力する。
【0006】フィルタ5は、検波器4bの検波信号を平
滑して平滑信号を出力する。このように、検波器4b
は、フィルタ5とともに、送信出力信号の電力検波を行
うことになる。
【0007】A−D変換器6は、フィルタ5の平滑信号
をアナログ−デジタル変換しデジタル信号を出力する。
メモリ7aは、送信電力マップを予め有し、送信電力マ
ップは、目標送信電力レベル毎の送信電力データ(例え
ば、75個)を保持する。但し、目標送信電力レベル
(送信出力信号の電力の目標値)は、通信網側からの電
力制御信号により得られる。
【0008】また、マイクロコンピュータ7は、メモリ
7aの送信電力マップのうち、目標送信電力レベルに対
する送信電力データを選択し、この送信電力データとA
−D変換器6からのデジタル信号との差分を求め、この
差分に応じた差分信号を出力する。
【0009】D−A変換器8は、マイクロコンピュータ
7からの差分信号をデジタル−アナログ変換しアナログ
信号を減衰器1に出力し、減衰器1は、その入力信号
を、当該アナログ信号に応じた所定減衰量だけ、減衰さ
せて出力する。
【0010】すなわち、減衰器1の減衰量は、マイクロ
コンピュータ7による制御により、目標送信電力レベル
に応じた一定レベルになるように制御されることにな
る。以下、メモリ7aの送信電力マップにつき説明す
る。
【0011】シングルコード送信機の送信時において、
減衰器1の減衰量は、目標送信電力レベル毎に異なる。
また、減衰器1の通過損失や減衰特性、電力増幅器の電
力利得は、自動車電話の製品毎に異なる。これに加え
て、目標送信電力レベルに対する電力利得の温度変化特
性(例えば、発熱による)は、自動車電話の製品毎に異
なる。
【0012】このため、自動車電話の製造時において、
その製品毎に、そのメモリ7aの送信電力マップには、
各目標送信電力に対応した各送信電力データを記憶させ
ている。これにより、シングルコード送信機は、送信電
力が目標送信電力レベルを一定に保つように精度良く制
御することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、マル
チコード伝送を行うスペクトラム拡散通信が提案されて
おり、本発明者は、マルチコード伝送を行うスペクトラ
ム拡散方式(3GPP・W−CDMA方式)を用いた自
動車電話(無線通信端末)の送信機について、上記シン
グルコード送信機を基に、検討を行った。
【0014】以下、本発明者の検討によるマルチコード
伝送を行うスペクトラム拡散方式を用いた自動車電話の
送信機(以下、単に、マルチコード送信機という)につ
いて図7、図8を参照して説明する。
【0015】マルチコード送信機は、図7に示すよう
に、デジタル変調器10a、発生器10b〜10d、電
力制御器10e、電力マップ10f、D−A変換器10
g、乗算器11〜18、加算器20、21、乗算器3
0、31、位相移行器32、デジタルフィルタ(FI
R)33、34、局部発信器(Lo)35、36、可変
ゲインアンプ付直交変調器40、及び、バンドパスフィ
ルタ50を有する。
【0016】可変ゲインアンプ付直交変調器40は、乗
算器41、42、位相移行器43、加算器44、及び、
ゲインコントロールアンプ45から構成されている。
【0017】マルチコード送信機には、図8に示すよう
に、局部発信器(Lo)36、バンドパスフィルタ5
1、乗算器52、ゲインコントロールアンプ60、バン
ドパスフィルタ70、アンプ80、方向性結合器90、
アイソレータ91、デュプレクサ92、アンテナ93、
検波器100、フィルタ110、及び、A−D変換器1
20が設けられている。
【0018】図7において、デジタル変調器10aは、
通信データをデジタル変調して、第1〜3の送信信号
(DPDCH1〜DPDCH3)を出力する。また、デ
ジタル変調器1は、制御信号(DPCCH)を出力す
る。デジタル変調の変調方式としては、16QAM、6
4QAM等が採用されて、変調方式の選択は、通信トラ
フィックの状況やユーザ数で変わり、基地局側からの指
示される。
【0019】また、第1〜第3の送信信号の伝送レート
は、各々、可変レートで、かつ、同一レートである。ま
た、制御信号は、自動車電話と通信網側(基地局)との
同期をとる為の同期信号を有し、制御信号のレートは、
固定レートである。
【0020】なお、DPDCHは、dedicated
Physical Data Channel1の略
である。DPCCHは、dedicated Phys
ical contorol Channelの略であ
る。
【0021】図10に示す例では、送信信号(DPDC
H1〜DPDCH3)の数(以下、チャネル数という)
は、「4つ」であるものの、デジタル変調器1から出力
される送信信号(DPDCH)の数は、変化する。具体
的には、第1〜第3の送信信号が出力停止で、制御信
号だけ出力される。第2、第3の送信信号が出力停止
で、第1の送信信号及び制御信号だけ出力される。第
3の送信信号が出力停止で、第1及び第2の送信信号及
び制御信号だけ出力される。第1〜第3の送信信号及
び制御信号の全てが出力される。
【0022】このように、マルチコード送信機では、制
御信号だけが、常時、入力されるものの、少なくとも1
つの送信信号(DPDCH)が選択的に、出力、或いは
出力停止される。以下、マルチコード送信機において、
第1〜第3の送信信号及び制御信号の全てが出力される
例につき説明する。
【0023】乗算器11は、第1の送信信号を第1の拡
散符号(Cd1)でスペクトラム拡散して第1の拡散信
号を出力する。乗算器12は、第1の拡散信号と第1の
ゲインパラメータβd(第1の係数)とを乗算して第1
の乗算信号を出力する。
【0024】乗算器13は、第3の送信信号を第3の拡
散符号(Cd3)でスペクトラム拡散し第3の拡散信号
を出力する。乗算器14は、第3の拡散信号と第1のゲ
インパラメータβd(第1の係数)とを乗算し第3の乗
算信号を出力する。加算器20は、第1及び第3の乗算
信号を加算して第1の加算信号を出力する。なお、Cd
は、Channelization Codeの略であ
る。
【0025】乗算器15は、第2の送信信号を第2の拡
散符号(Cd2)でスペクトラム拡散して第2の拡散信
号を出力する。乗算器16は、第2の拡散信号と第1の
ゲインパラメータβd(第1の係数)とを乗算し第2の
乗算信号を出力する。
【0026】乗算器17は、制御信号を第4の拡散符号
(Cc)でスペクトラム拡散して第4の拡散信号を出力
する。乗算器18は、第2の拡散信号と第2のゲインパ
ラメータβc(第2の係数)とを乗算し第4の乗算信号
を出力する。加算器21は、第2及び第4の乗算信号を
加算して第2の加算信号を出力する。
【0027】第1〜第4の拡散符号は、発生器10bに
よって発生されて、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcは、発生器10cによって発生される。
【0028】次に、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcについて説明する。先ず、通信網の基地局の受
信機では、自動車電話からの送信信号を受信し、この送
信信号に基づいて第1〜4の乗算信号の逆拡散処理を行
う。第1の乗算信号を逆拡散処理するにあたり、第2〜
4の乗算信号は、妨害信号となり、第2の乗算信号を逆
拡散処理するにあたり、第1、3、4の乗算信号は、妨
害信号となる。
【0029】同様に、第3の乗算信号を逆拡散処理する
にあたり、第1、2、4の乗算信号は、妨害信号とな
り、第4の乗算信号を逆拡散処理するにあたり、第1〜
3の乗算信号は、妨害信号となる。
【0030】このため、第1〜4の乗算信号の各々の電
力が、不均一であると、第1〜4の乗算信号の各々の逆
拡散処理を良好に行うことが困難になる。ここで、制御
信号のレートは、固定レートであるため、第4の拡散信
号の電力は一定であるものの、第1〜3の送信信号は、
各々、上述の如く、可変レートを有するため、第1〜3
の拡散信号の各電力は、レートの変化に応じて変化す
る。
【0031】そこで、第1及び第2のゲインパラメータ
βd、βcは、第1〜4の乗算信号の各電力(第1〜4
の乗算信号の各ビットあたりのビットエネルギー)の合
計を一定に保ちつつ、第1及び第4の乗算信号の各電力
(第1の乗算信号のビットあたりのビットエネルギー
と、第4の乗算信号のビットあたりのビットエネルギー
と)を一致させる。
【0032】これに伴い、上述のごとく、第1〜3の送
信信号のレートは、各々、同一となっているため、第1
〜第4の乗算信号の各電力は一致する。このように、第
1〜第4の乗算信号の各電力を一致させるため、通信網
の基地局の受信機において、第1〜4の乗算信号の各々
の逆拡散処理を良好に行うことができる。
【0033】また、乗算器30は、加算器20からの第
1の加算信号にロングコードを乗算する。ロングコード
は、スクランブルコードであって、自動車電話(無線通
信端末)毎の固有のコードで、通信網側において自動車
電話として識別を図る役割を果たす。なお、当該スクラ
ンブルコードとしては、ロングコードに代えて、ショー
トコードを採用してもよい。スクランブルコードは、発
生器10dによって発生される。
【0034】デジタルフィルタ(FIR)33は、乗算
器30からの出力信号を受け、フィルタ信号を出力す
る。位相移行器32は、上記ロングコードを受け、この
ロングコードの位相を90°シフトさせた出力信号を出
力し、乗算器31は、加算器21からの第2の加算信号
に位相移行器32からの出力信号と乗算する。デジタル
フィルタ(FIR)34は、乗算器31からの出力信号
を受け、フィルタ信号を出力する。
【0035】ここで、可変ゲインアンプ付直交変調器4
0では、デジタルフィルタ(FIR)33からのフィル
タ信号が実成分Iとして入力され、デジタルフィルタ
(FIR)34からのフィルタ信号が虚成分Qとして入
力される。そして、デジタルフィルタ(FIR)33、
34の双方からのフィルタ信号に基づいて直交変調が行
われる。
【0036】具体的には、乗算器41は、デジタルフィ
ルタ(FIR)33からのフィルタ信号と、局部発信器
(Lo)35からの搬送波信号とを乗算する。即ち、乗
算器41は、デジタルフィルタ33のフィルタ信号を、
このフィルタ信号に比べて周波数の高い信号に変換す
る。位相移行器43は、局部発信器(Lo)35からの
搬送波信号を受け、この搬送波信号の位相を90°シフ
トさせた位相移行搬送波信号を出力する。
【0037】乗算器42は、デジタルフィルタ(FI
R)34からのフィルタ信号と、位相移行器43からの
位相移行搬送波信号とを乗算する。加算器44は、乗算
器41、42からの出力信号を加算して加算信号を直交
変調信号として出力する。ゲインコントロールアンプ4
5は、D−A変換器10gからのアナログ信号に応じた
可変利得で直交変調信号(加算信号)を電力増幅して送
信出力信号を出力する。
【0038】バンドパスフィルタ50は、ゲインコント
ロールアンプ45の送信出力信号を受けフィルタ信号を
出力し、乗算器52は、バンドパスフィルタ50のフィ
ルタ信号と局部発信器(Lo)36からの周波数信号と
を乗算する。
【0039】すなわち、乗算器52は、バンドパスフィ
ルタ50のフィルタ信号を、このフィルタ信号に比べて
高い周波数の信号に変換する。バンドパスフィルタ51
は、乗算器52からの出力信号を受けフィルタ信号を出
力する。ゲインコントロールアンプ60は、バンドパス
フィルタ51のフィルタ信号を、D−A変換器10gか
らのデジタル信号に応じた可変利得で、電力増幅して増
幅信号を出力する。
【0040】バンドパスフィルタ70は、ゲインコント
ロールアンプ60の増幅信号を受け、フィルタ信号を出
力する。アンプ80は、バンドパスフィルタ70からの
フィルタ信号を、予め設定された利得で電力増幅する。
アンプ80の出力信号は、方向性結合器90、アイソレ
ータ91、デュプレクサ92を通してアンテナ93に出
力される。これにより、アンプ80の出力信号は、電波
を媒体として出力される。
【0041】検波器100には、方向性結合器90から
出力比例信号が入力され、検波器100は、出力比例信
号の正側半波の包絡線レベルを示す検波信号(直流電
圧)を出力する。フィルタ110は、検波器100の検
波信号を平滑して平滑信号を出力する。A−D変換器1
20は、フィルタ110からの平滑信号をアナログ−デ
ジタル変換しデジタル信号を出力する。
【0042】図7において、メモリ(送信電力マップ)
10fには、基地局から指示された目標送信電力毎の送
信電力データが保持され、電力制御器10eは、メモリ
10fの送信電力データと、A−D変換器120からの
デジタル信号とに応じて、制御信号を出力する。
【0043】D−A変換器10gは、電力制御器10e
からの制御信号をデジタル−アナログ変換してアナログ
信号をゲインコントロールアンプ45、60に出力す
る。これにより、ゲインコントロールアンプ45、60
は、電力制御器10eからの制御信号に応じて送信出力
信号の電力を目標送信電力レベルを保つように制御され
る。
【0044】以下、メモリ10fの送信電力データにつ
いて説明する。上述したシングルコード送信機では、検
波器4bの検波信号としては、目標送信電力レベルに対
応した電圧波形(図9中B参照)が得られるため、フィ
ルタ5の平滑信号としても、目標送信電力レベルに対応
した直流電圧波形が得られる。
【0045】ここで、送信電力制御には、平滑信号にお
けるA/D変換後のデジタル信号と、目標送信電力レベ
ル毎の送信電力データとが必要になる。すなわち、メモ
リ7aには、各目標送信電力レベル毎の送信電力データ
を有する送信電力マップが1種類だけ設けられている。
【0046】しかし、本発明者の検討によれば、マルチ
コード送信機において、メモリ10fの送信電力マップ
としては、複数種の送信電力マップが必要になることが
分かった。これは、図10、図11に示すように、第
1、第2のゲインパラメータβd、βcの変化によっ
て、第1〜第4の乗算信号(図10中D1〜D4参照)
の振幅レベルが変化する。このため、ゲインコントロー
ルアンプ60の増幅信号の電圧波形(符号C参照)が変
化し、検波器100の検波信号の電圧波形(図10中E
参照)が変化するからである。
【0047】ここで、図11に示す例では、第1〜第3
の乗算信号の振幅レベルが、図10中DLから図11中
DL’に変化し、第4の乗算信号の振幅レベルが、図1
0中DRから図11中DR’に変化する。
【0048】このため、ゲインコントロールアンプ60
の増幅信号の振幅レベルが、図10中CL1〜CL3か
ら図11中CL1’〜CL3’に変化し、検波器100
の検波信号の振幅レベルが図10中EL1〜EL3から
図11中EL1’〜EL3’に変化している。
【0049】次に、このように、第1、第2のゲインパ
ラメータβd、βcの変化により、検波器100の検波
信号が変化することの具体的な例について説明する。
【0050】先ず、第1〜第3の送信信号及び制御信号
の全てが出力された例につき説明する。ここで、第1、
第2のゲインパラメータβd、βcは、上述の如く、第
1〜第4の乗算信号の各電力の合計を一定に保ちつつ第
1〜第4の乗算信号の各電力を一致させるように設定さ
れる。また、第1、第2のゲインパラメータβd、βc
の最大値は「1」である。
【0051】例えば、制御信号のレートが15Kbps
で、第1〜第3の送信信号の各レートが120Kbps
であるとき、第1〜第4の乗算信号の各電力を一致させ
るためには、第1のゲインパラメータβdが「0.3
2」、第2のゲインパラメータβcが「0.04」とな
る。
【0052】そして、第1〜第3の送信信号の各レート
が120Kbpsから240Kbpsに変わると、上述
の如く、第1〜第4の乗算信号の各電力の合計を一定を
保ちつつ第1〜第4の乗算信号の各電力を一致させるた
めには、第1のゲインパラメータβdが「0.326」
となって、第2のゲインパラメータβcが「0.22」
となる。
【0053】また、上述したデジタル変調器10aにお
いても、複数のデジタル変調の変調方式のうち基地局側
から指示で選択される。このため、変調方式が変わる
と、第1〜第3の送信信号の各レートが変わるため、第
1、第2のゲインパラメータβd、βcの組み合わせを
変える必要がある。
【0054】以上のように、第1〜第3の送信信号の各
レートが変わると、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcが変わる。ここで、ゲインコントロールアンプ
60の増幅信号の電圧波形は、第1〜第4の乗算信号
(図10中D1〜D4参照)を足し合わせたものに基づ
くため、増幅信号の電圧波形は、第1〜第3の送信信号
の変化に基づいて変わる。
【0055】すなわち、アンテナ93から送信される平
均送信電力が一定のままであっても、増幅信号の電圧波
形は、上述の如く、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcの組み合わせで変わるため、検波器100の検
波信号の電圧波形(図10中E参照)は、フィルタ11
0の平滑後の電圧波形とともに、第1及び第2のゲイン
パラメータβd、βcの組み合わせで変わる。
【0056】従って、第1及び第2のゲインパラメータ
βd、βcの組み合わせに対応して、複数の送信電力マ
ップを用意する必要がある。また、送信電力マップは、
チャネル数{送信信号(DPDCH)の数}にも対応し
て用意する必要がある。
【0057】但し、第1〜第3の送信信号のうち何れか
が出力停止されたとき、入力された送信信号(DPDC
H)に対応する乗算信号(以下、対応乗算信号という)
と、第4の乗算信号との各電力の合計を一定に保つとと
もに、対応乗算信号及び第4の乗算信号の双方の電力を
一致させるように、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcは設定される。また、入力された送信信号は、
上述の如く、同一値の可変レートを有している。
【0058】例えば、第1〜第3の送信信号が出力停
止で、制御信号(レート:15Kbps)だけ出力され
るとき、第2のゲインパラメータβcが「1」になる。
第2、第3の送信信号が出力停止で、第1の送信信号
(レート:120Kbps)及び制御信号(レート:1
5Kbps)だけ出力されるとき、第1及び第2のゲイ
ンパラメータβd、βcは、第1及び第4の乗算信号の
各電力の合計が一定で、第1及び第4の乗算信号の各電
力を一致させるように設定されるので、第1のゲインパ
ラメータβdが「0.8」、第2のゲインパラメータβ
cが「0.2」となる。
【0059】第3の送信信号が出力停止で、第1及び
第2の送信信号(レート:120Kbps)及び制御信
号(レート:15Kbps)だけ出力されるとき、第1
及び第2のゲインパラメータβd、βcは、第1、第
2、第4の乗算信号の各電力の合計が一定で、第1、第
2、第4の乗算信号の各電力を一致させるように設定さ
れるため、第1のゲインパラメータβdが「0.44
5」、第2のゲインパラメータβcが「0.11」とな
る。
【0060】第1〜3の送信信号(レート:120K
bps)及び制御信号(レート:15Kbps)の全て
が出力されるとき、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcは、第1〜第4の乗算信号の各電力の合計が一
定で、第1〜第4の乗算信号の各電力を一致させるよう
に設定され、第1のゲインパラメータβdが「0.3
2」、第2のゲインパラメータβcが「0.04」とな
る。
【0061】このように、チャネル数が「4」のとき、
〜の4通りが考えられ、第1〜第3の送信信号のレ
ートによって、4通り毎に、第1及び第2のゲインパラ
メータβd、βcの組み合わせが変わる。従って、アン
テナ93から送信される平均送信信号電力が一定のまま
であっても、検波器100の検波信号の電圧波形をフィ
ルタ110によって平滑した電圧波形は、第1及び第2
のゲインパラメータβd、βcの組み合わせで、変わる
ため、送信電力マップを、チャネル数にも対応して用意
する必要がある。
【0062】以上により、送信電力マップとしては、チ
ャネル数に加えて、第1及び第2のゲインパラメータβ
d、βcの組み合わせに対応して用意する必要がある。
【0063】具体的には、第1、第2のゲインパラメー
タβd、βcとしては、16通り、チャネル数として
は、4通りであると、64種類の送信電力マップが必要
となる(16×4=64)。
【0064】すなわち、図12に示すように、1つの送
信電力マップにおいて、75個{24dBm〜−50d
Bm(1dBmステップの場合)}の送信電力データが
保持されているとすると、送信電力データとしては、4
800個必要となり、メモリ10fとしては、過大な容
量を必要とする。
【0065】本発明は、上記点に鑑みて、データの保持
容量の増加を抑えるようにしたスペクトラム拡散送信機
を提供することを目的とする。
【0066】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、可変レート
を有する少なくとも1つの送信信号を送信符号でスペク
トラム拡散して送信拡散信号を出力する第2の拡散手段
(11、13、15)と、固定レートの制御信号を制御
符号でスペクトラム拡散して制御拡散信号を出力する第
2の拡散手段(17)と、送信拡散信号に第1の係数を
乗算して送信乗算信号を求める第1の乗算手段(12、
14、16)と、制御拡散信号に第2の係数を乗算して
制御乗算信号を求める第2の乗算手段(18)と、送信
乗算信号及び制御乗算信号の各電力の合計を一定に保つ
とともに、各電力を一致させるように第1及び第2の係
数を設定する設定手段(10c)と、送信乗算信号及び
制御乗算信号を直交変調して直交変調信号を出力する直
交変調手段(41〜44)と、直交変調信号を可変利得
で電力増幅して送信出力信号を出力する送信出力可変手
段(45、60)と、可変レートが一定レートで、か
つ、制御信号及び送信信号の送信数がそれぞれ一定数で
あるタイミング毎に送信出力信号の電力レベルを検出
し、この電力レベルを目標値に近づけるように可変利得
を更新する更新手段(10h)とを有することを特徴と
する。
【0067】ここで、可変レートが一定レートで、か
つ、制御信号及び送信信号の送信数がそれぞれ一定数で
あるタイミングでは、送信出力信号の電力レベルは、目
標値に対応した値となるため、各目標値に対応した各送
信電力データを、送信電力マップが1種類だけ採用すれ
ばよく、目標値を示すデータの保持容量の増加を抑える
ことができる。
【0068】具体的には、請求項2に記載の発明のよう
に、更新手段は、可変利得の更新のタイミングとして、
送信信号の出力が禁止されて、かつ、制御信号だけ出力
されるタイミングを設定してもよく、請求項3に記載の
発明のように、更新手段は、可変利得の更新のタイミン
グとして、送信信号のデジタル変調方式が同一であるタ
イミングを設定してもよい。
【0069】請求項4に記載の発明では、可変レートを
有する少なくとも1つの送信信号を送信符号でスペクト
ラム拡散して送信拡散信号を出力する第2の拡散手段
(11、13、15)と、固定レートの制御信号を制御
符号でスペクトラム拡散して制御拡散信号を出力する第
2の拡散手段(17)と、送信拡散信号に第1の係数を
乗算して送信乗算信号を求める第1の乗算手段(12、
14、16)と、制御拡散信号に第2の係数を乗算して
制御乗算信号を求める第2の乗算手段(18)と、送信
乗算信号及び制御乗算信号の各電力の合計を一定に保つ
とともに、各電力を一致させるように第1及び第2の係
数を設定する設定手段(10c)と、送信乗算信号及び
制御乗算信号を直交変調して直交変調信号を出力する直
交変調手段(41〜44)と、直交変調信号を可変利得
で電力増幅して送信出力信号を出力する送信出力可変手
段(45、60)とを具備し、第1及び第2の係数の設
定が禁止される禁止タイミングで、直交変調手段は、直
交変調信号として一定周波数の周波数信号を送信出力可
変手段に出力し、禁止タイミング毎に送信出力信号の電
力レベルを検出し、この電力レベルに応じて可変利得を
更新する更新手段(10h)を有することを特徴とす
る。
【0070】これにより、可変利得の更新を、第1及び
第2の係数の設定が禁止される禁止タイミングで行うた
め、可変利得の更新にあたり、送信出力信号の電力レベ
ルが第1及び第2の係数の設定によって変化することは
ない。従って、電力レベルを示す目標値を、第1及び第
2の係数の設定の変化に対応して用意する必要がなく、
目標値を示すデータの保持容量の増加を抑えることがで
きる。
【0071】具体的には、請求項6に記載の発明のよう
に、第1の乗算手段は、禁止タイミングにて、送信拡散
信号を一定レベルで出力し、第2の乗算手段は、禁止タ
イミングにて、制御拡散信号を一定レベルで出力しても
よい。
【0072】請求項7に記載の発明のように、請求項1
に記載の発明と、請求項4に記載の発明とを組み合わせ
て構成して、更新手段は、可変レートが一定レートで、
かつ、制御信号及び送信信号の送信数がそれぞれ一定数
であるタイミング毎に、可変利得を更新してもよい。
【0073】また、請求項5に記載の発明では、送信出
力信号を電波を媒体として送信させるアンテナ(93)
と、アンテナの手前を遮断或いは接続するスイッチ手段
(130、140)とを具備し、更新手段は、禁止タイ
ミングにて、アンテナへの出力を遮断させるようにスイ
ッチ手段を制御することを特徴とする。これにより、禁
止タイミングで、アンテナから送信出力信号を電波を媒
体として送信することを防止できる。
【0074】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述す各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0075】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1、図2に本
発明に係るマルチコード通信機の第1実施形態を示す。
図1はマルチコード送信機の電気回路構成の一部を示す
ブロック図、図2は、マルチコード送信機の電気回路構
成の残りを示すブロック図である。
【0076】図1において、電力制御器10hが、図7
に示す電力制御器10eに代えて設けられており、図2
において、図8に示す構成にリレー130、140が追
加されている。その他の構成は、図7、図8と実質的同
様である。
【0077】図1において、電力制御器10hは、ゲイ
ンコントロールアンプ45、60の可変利得を更新する
とともに、リレー130、140を駆動する。また、リ
レー130は、アンプ80及び方向性結合器90の間に
接続されており、リレー130の固定接点131は、ア
ンプ80の出力端子に接続されている。
【0078】リレー130の第1可動接点132は、方
向性結合器90の入力端子92bに接続されており、リ
レー130の第2可動接点133は、リレー140の第
1可動接点142に接続されている。リレー140の第
2可動接点143は、方向性結合器90の検出端子90
aに接続されており、リレー140の第1可動接点14
1は、検波器100の入力端子に接続されている。
【0079】次に、本第1実施形態の作動につき図2を
用いて説明する。図2は第1〜3の送信信号(UP−L
INK DPDCH)及び制御信号(UP−LINK
DPCCH)のタイミングチャートである。
【0080】先ず、電力制御器10hは、リレー130
に駆動信号(RL1)を出力して、アンプ80の出力端
子及び方向性結合器90の入力端子92の間を接続させ
る。これとともに、電力制御器10hは、リレー140
に駆動信号(RL2)を出力して、方向性結合器90の
検出端子91及び検波器100の入力端子の間を接続さ
せる。
【0081】このため、アンプ80の出力信号は、方向
性結合器90、アイソレータ91、デュプレクサ92を
通してアンテナ93に出力される。これにより、アンプ
80の出力信号は、電波を媒体として出力される。
【0082】また、検波器100には、方向性結合器9
0からの検波信号を出力し、フィルタ110は、検波器
100の検波信号を平滑して平滑信号を出力する。A−
D変換器120は、フィルタ110からの平滑信号をア
ナログ−デジタル変換しデジタル信号を出力する。
【0083】電力制御器10hは、デジタル変調器10
aからのタイミング信号に基づき送信電力測定期間を求
める。さらに、電力制御器10hは、送信電力測定期間
毎に、A−D変換器120からのデジタル信号に基づい
て送信信号(アンテナ93から送信される)の電力レベ
ルを求め、この電力レベルを目標値に近づけるようにゲ
インコントロールアンプ45、60の可変利得を更新す
る。
【0084】この送信電力測定期間としては、第1〜第
3の送信信号の可変レートが一定レートで、かつ、制御
信号及び第1〜第3の送信信号の送信数がそれぞれ一定
数であるタイミングが採用される。図2において、送信
電力測定期間としては、第1〜第3の送信信号の出力が
禁止されて(可変レートが「0」で一定で)、制御信号
だけが出力される。
【0085】この場合、第1及び第2のゲインパラメー
タβd、βcの組み合わせが一定であるため、アンテナ
93から送信される平均送信電力が一定のままであれ
ば、A−D変換器120からのデジタル信号は、一定に
なる。従って、デジタル信号としては、目標送信電力レ
ベルに対応した信号レベルが得られるため、メモリ10
kとしては、各目標送信電力レベル毎の送信電力データ
を有する送信電力マップが1種類だけ設けるだけでよ
く、メモリ10kのデータの保持容量を少なくできる。
これに伴い、可変利得を算出するための制御アリゴリズ
ムを単純化できる。
【0086】ここで、電力利得は、マルチコード通信機
の製品毎に異なるため、マルチコード通信機の製造時に
おいて、その製品毎に、そのメモリ10kに、各目標送
信電力に対応した各送信電力データを、送信電力マップ
として、記憶させる必要がある。そこで、本第1実施形
態では、送信電力マップが1種類だけ採用するので、製
造時の時間の短縮化を図ることができる。
【0087】なお、上記第1実施形態では、送信電力測
定期間としては、第1〜第3の送信信号の出力が禁止さ
れて、かつ、制御信号だけが出力されるタイミングを採
用した例について説明したが、これに限らず、第1〜第
3の送信信号の可変レートが一定レートで、かつ、制御
信号及び第1〜第3の送信信号の送信数がそれぞれ一定
数であるタイミングであるならば、デジタル変調器10
aのデジタル変調方式が一定のタイミングを採用しても
よい。
【0088】(第2実施形態)上記第1実施形態では、
送信電力測定期間としては、第1〜第3の送信信号の出
力が禁止されて、かつ、制御信号だけが出力されるタイ
ミングを採用した例について説明したが、制御信号の電
力レベルは、第1〜第3の送信信号の電力レベルに比べ
て低い。
【0089】このため、例えば、マルチコード通信機が
基地局に近傍に位置するとき、送信電力制御によって、
アンテナ93の送信電力レベルは、下げられる。従っ
て、フィルタ110からの平滑信号は、A−D変換器1
20のダイナミックレンジの下限値以下になる可能性が
ある。そこで、本第2実施形態では、Compress
ed mode時の送信を禁止した期間(以下、送信禁
止期間という)を、送信電力測定期間として採用する。
【0090】以下、本第2実施形態の作動につき図4を
説明する。図4は第1〜3の送信信号(UP−LINK
DPDCH)及び制御信号(UP−LINK DPC
CH)のタイミングチャートである。
【0091】先ず、送信禁止期間において、電力制御器
10hは、リレー130に駆動信号(RL1)を出力す
るとともに、リレー140に駆動信号(RL2)を出力
することにより、リレー130、140を切替駆動す
る。
【0092】これにより、アンプ80の出力端子及び方
向性結合器90の入力端子92の間を開放させるととも
に、方向性結合器90の検出端子91及び検波器100
の入力端子の間を開放させる。これとともに、アンプ8
0の出力端子がリレー130、140を通して検波器1
00の入力端子の間を接続させる。
【0093】ここで、送信禁止期間において、デジタル
変調器10aは、ハイレベル信号を出力し、発生器10
b、10cは、定数(例えば、「1」)を出力する。こ
のため、デジタルフィルタ33は、一定の直流電圧信号
を受けるとともに、デジタルフィルタ34は、一定の直
流電圧信号を受ける。
【0094】可変ゲインアンプ付直交変調器40には、
一定の直流電圧信号が実成分Iとして入力されるととも
に、一定の直流電圧信号の虚成分Qとして入力される。
これに伴い、実成分I、虚成分Qは、乗算器41、4
2、加算器44によって直交変調されるため、直交変調
信号は、搬送波信号(局部発信器35の)と同一の周波
数成分を有する。但し、直交変調信号は、一定周波数の
周波数信号である。
【0095】ここで、ゲインコントロールアンプ45
は、可変利得で直交変調信号を電力増幅して送信出力信
号を出力する。この送信出力信号は、バンドパスフィル
タ50を通して乗算器52に入力され、乗算器52は、
局部発信器36の周波数信号によって、送信出力信号を
周波数変換する。
【0096】この変換された変換周波数信号は、バンド
パスフィルタ51を通してゲインコントロールアンプ6
0に入力されるため、ゲインコントロールアンプ60
は、変換周波数信号を可変利得で電力増幅して増幅信号
をバンドパスフィルタ70、アンプ80を経てリレー1
30、140を通して検波器100に入力される。フィ
ルタ110は、検波器100の検波信号を平滑して平滑
信号を出力する。検波器100の検波信号は、局部発信
器35、36の周波数信号により定まる一定の周波数信
号である。
【0097】A−D変換器120は、フィルタ110か
らの平滑信号をアナログ−デジタル変換しデジタル信号
を出力する。また、電力制御器10hは、A−D変換器
120からのデジタル信号に基づいて送信信号の電力レ
ベルを求める。
【0098】ここで、送信禁止期間において、ゲインコ
ントロールアンプ45、60は、制御電圧として一定値
を印加されて制御されるため、温度変化や電子部品の経
年変化が無ければ、ゲインコントロールアンプ45、6
0のそれぞれの出力電力レベルは、一定になる。しかし
ながら、実際には、機器の発熱や環境変化によって上記
それぞれの電力レベルに誤差が生じ、A−D変換器12
0で測定した出力電力レベルと理想の電力レベルとの差
を求め、温度補正値を計算している。
【0099】デジタル変調器10aは、発生器10b、
10cとともに、上述の如く、一定レベルの出力信号を
出力するため、乗算器11、13、15、17からアン
プ80までの電子部品の温度が一定ならば、電力レベル
は一定になる。しかし、電力レベルは、上記電子部品の
温度変化によって変化するものの、この電力レベルが分
かれば、温度変化を求めることができる。
【0100】このため、メモリ10kの送信電力マップ
には、基地局から指示された目標送信電力毎の各送信電
力データを記憶させることに加えて、上記温度変化によ
る送信電力データの温度補正値を記憶させている。
【0101】ここで、電力制御器10hは、送信禁止期
間の終了後にて、基地局から指示された標送信電力に対
応する送信電力データをメモリ10kから呼出す。電力
制御器10hは、当該送信電力データを上記温度補正値
で補正し、この補正後の送信電力データをD−A変換器
10gを通してゲインコントロールアンプ45、60に
出力する。
【0102】これにより、電力制御器10hは、送信禁
止期間にて、送信信号の電力レベルを求め、送信禁止期
間の終了後にて、ゲインコントロールアンプ45、60
の可変利得を更新できる。
【0103】以上により、電力制御器10hは、送信禁
止期間にて、送信信号の電力レベルを求めるため、この
電力レベルは、第1及び第2のゲインパラメータβd、
βcの組み合わせで変化することはない。従って、メモ
リ10kの送信電力マップとしては、第1及び第2のゲ
インパラメータβd、βcの組み合わせに対応して用意
する必要が無いため、データの保持容量の増加を抑え得
る。
【0104】また、アンプ80からその出力信号(増幅
信号)が、方向性結合器90を介さず、検波器100に
直接的に入力されるため、アンプ80の出力信号が、方
向性結合器90によって減衰することを防止できる。す
なわち、アンプ80の出力信号が、方向性結合器90の
結合容量の分だけ減衰することを防止できる。
【0105】さらに、発生器10b、10cの出力され
る定数を可変すれば、フィルタ110からの平滑信号の
レベルを、A−D変換器120のダイナミックレンジに
対応させることができる。また、送信禁止期間におい
て、送信信号の電力レベルを求めるため、このとき、送
信電力の目標値が設定する必要が無く、A−D変換器1
20のデジタル信号は自由に設定できる。
【0106】さらに、リレー130によって、アンプ8
0の出力端子及び方向性結合器90の入力端子92の間
を開放させるため、アンプ80の出力をアンテナ93か
ら電波を媒体として送信することを防止できる。
【0107】なお、本発明の実施にあたり、上記第1及
び第2実施形態を組み合わせてもよい。さらに、本発明
の実施にあたり、リレー130、140としては、高周
波スイッチ、或いは、半導体リレーを採用してもよい。
また、検波器100の検波信号は、上述の如く、一定の
周波数信号であるため、例えば、図5に示すように検波
器100としては、コンデンサだけを採用した簡素な構
成でき実現できる。さらに、本発明の実施にあたり、送
信信号(DPDCH)及び制御信号(DPCCH)の総
数としては、4個に限らず、2個、或いは、4個以上で
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の送信機の一部を示す電
気回路構成を示すブロック図である。
【図2】上記第1実施形態における送信機の残りを示す
電気回路構成を示すブロック図である。
【図3】上記第1実施形態における作動を説明するため
の図である。
【図4】本発明の第2実施形態の送信機の作動を説明す
るための図である。
【図5】フィルタの詳細を示す図である。
【図6】従来の送信機を示す電気回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】送信機の一部を示す電気回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】送信機の残りを示す電気回路構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】図6に示すフィルタの作用を説明する為の図で
ある。
【図10】図8に示すフィルタの作用を説明する為の図
である。
【図11】図8に示すフィルタの作用を説明する為の図
である。
【図12】図8に示すメモリを説明するための図であ
る。
【符号の説明】
10h…電力制御器、10k…メモリ、12…A−D変
換器、45、60…ゲインコントロールアンプ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変レートを有する少なくとも1つの送
    信信号を送信符号でスペクトラム拡散して送信拡散信号
    を出力する第2の拡散手段(11、13、15)と、固
    定レートの制御信号を制御符号でスペクトラム拡散して
    制御拡散信号を出力する第2の拡散手段(17)と、 前記送信拡散信号に第1の係数を乗算して送信乗算信号
    を求める第1の乗算手段(12、14、16)と、前記
    制御拡散信号に第2の係数を乗算して制御乗算信号を求
    める第2の乗算手段(18)と、 前記送信乗算信号及び前記制御乗算信号の各電力の合計
    を一定に保つとともに、前記各電力を一致させるように
    前記第1及び第2の係数を設定する設定手段(10c)
    と、 前記送信乗算信号及び前記制御乗算信号を直交変調して
    直交変調信号を出力する直交変調手段(41〜44)
    と、 前記直交変調信号を可変利得で電力増幅して送信出力信
    号を出力する送信出力可変手段(45、60)と、 前記可変レートが一定レートで、かつ、前記制御信号及
    び前記送信信号の送信数がそれぞれ一定数であるタイミ
    ング毎に前記送信出力信号の電力レベルを検出し、この
    電力レベルを目標値に近づけるように前記可変利得を更
    新する更新手段(10h)とを有することを特徴とする
    スペクトラム拡散送信機。
  2. 【請求項2】 前記更新手段は、前記可変利得の更新の
    タイミングとして、前記送信信号の出力が禁止されて、
    かつ、前記制御信号だけ出力されるタイミングを設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載のスペクトラム拡散
    送信機。
  3. 【請求項3】 前記更新手段は、前記可変利得の更新の
    タイミングとして、前記送信信号のデジタル変調方式が
    同一であるタイミングを設定することを特徴とする請求
    項1に記載のスペクトラム拡散送信機。
  4. 【請求項4】 可変レートを有する少なくとも1つの送
    信信号を送信符号でスペクトラム拡散して送信拡散信号
    を出力する第2の拡散手段(11、13、15)と、固
    定レートの制御信号を制御符号でスペクトラム拡散して
    制御拡散信号を出力する第2の拡散手段(17)と、 前記送信拡散信号に第1の係数を乗算して送信乗算信号
    を求める第1の乗算手段(12、14、16)と、前記
    制御拡散信号に第2の係数を乗算して制御乗算信号を求
    める第2の乗算手段(18)と、 前記送信乗算信号及び前記制御乗算信号の各電力の合計
    を一定に保つとともに、前記各電力を一致させるように
    前記第1及び第2の係数を設定する設定手段(10c)
    と、 前記送信乗算信号及び前記制御乗算信号を直交変調して
    直交変調信号を出力する直交変調手段(41〜44)
    と、 前記直交変調信号を可変利得で電力増幅して送信出力信
    号を出力する送信出力可変手段(45、60)とを具備
    し、 前記第1及び第2の係数の設定が禁止される禁止タイミ
    ングで、前記直交変調手段は、前記直交変調信号として
    一定周波数の周波数信号を前記送信出力可変手段に出力
    し、 前記禁止タイミング毎に前記送信出力信号の電力レベル
    を検出し、この電力レベルに応じて前記可変利得を更新
    する更新手段(10h)を有することを特徴とするスペ
    クトラム拡散送信機。
  5. 【請求項5】 前記送信出力信号を電波を媒体として送
    信させるアンテナ(93)と、 前記アンテナの手前を遮断或いは接続するスイッチ手段
    (130、140)とを具備し、 前記更新手段は、前記禁止タイミングにて、前記アンテ
    ナへの出力を遮断させるように前記スイッチ手段を制御
    することを特徴とする請求項4に記載のスペクトラム拡
    散送信機。
  6. 【請求項6】 前記第1の乗算手段は、前記禁止タイミ
    ングにて、前記送信拡散信号を一定レベルで出力し、 前記第2の乗算手段は、前記禁止タイミングにて、前記
    制御拡散信号を一定レベルで出力する請求項5に記載の
    スペクトラム拡散送信機。
  7. 【請求項7】 前記更新手段は、前記可変レートが一定
    レートで、かつ、前記制御信号及び前記送信信号の送信
    数がそれぞれ一定数であるタイミング毎に、前記可変利
    得を更新することを特徴とする請求項4〜6のいずれか
    1つに記載のスペクトラム拡散送信機。
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JP2007295472A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Kyocera Corp Agc回路及びこれを用いた無線機

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