JP2002286715A - ペプチドアレイを用いた特定のペプチドと相互作用可能な蛋白質、脂質または核酸のノンラベル検出法 - Google Patents

ペプチドアレイを用いた特定のペプチドと相互作用可能な蛋白質、脂質または核酸のノンラベル検出法

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JP2002286715A
JP2002286715A JP2001090127A JP2001090127A JP2002286715A JP 2002286715 A JP2002286715 A JP 2002286715A JP 2001090127 A JP2001090127 A JP 2001090127A JP 2001090127 A JP2001090127 A JP 2001090127A JP 2002286715 A JP2002286715 A JP 2002286715A
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伸子 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペプチドアレイを利用して、ペプチド・プロ
ーブと複合体を形成させ、蛋白質、脂質または核酸を検
出する際、その蛋白質、脂質または核酸に、予め標識を
施すことなく、定量的な検出を可能とする新規な検出方
法の提供。 【解決手段】 ペプチド・プローブの末端に蛍光色素を
結合させ、その蛍光色素として、会合している状態と、
会合状態を解消した状態では、その蛍光特性に差違があ
るものを利用し、当初、会合している状態が、ペプチド
・プローブに複合体形成が生じた際には、その会合状態
を解消する現象を、前記の蛍光特性に差違として光学的
な手段により検出して、ペプチド・プローブおける複合
体形成の有無を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に複数種の
ペプチドをアレイ状に結合させたペプチドアレイを利用
して、このペプチド・プローブと複合体を形成させ、試
料中の蛋白質、脂質または核酸を検出する方法、ならび
に、かかる方法に利用するペプチドアレイを構成するペ
プチド・プローブに関する。より具体的には、ウイル
ス、微生物、動植物、ヒトなどにおいて産生される蛋白
質とペプチド・プローブとの相互作用の有無、その相互
作用するアミノ酸配列の同定、あるいは、DNA結合能
の評価、それに関与する配列の同定を行うことを目的と
し、アレイ状に配置されている複数種のペプチド・プロ
ーブを利用して、各ペプチド・プローブと複合体形成能
を有する蛋白質、脂質または核酸を検出する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、ヒト・ゲノムの全塩基配列を解読
し、その遺伝子情報を解明しようという全世界的なプロ
ジェクトが行われている。その一環として、病気と関連
を有する遺伝子の特定も進められ、次々と、その成果が
報告されてきている。更に、得られた成果を利用して、
各種の病気と関連を有する遺伝子の有無を検出して、病
気の診断、予見に利用しようとする動きがある。その
際、検討したい項目の遺伝子について、一つずつ、PC
Rやハイブリダイゼーション法を利用して、その有無を
調べていたこれまでの方法に代えて、多項目の遺伝子の
有無(変異)を同時に調査する方法が検討されている。
具体的には、同一基板上に多数種のDNAプローブを規
則的に配置し、同一の試料中に含まれる複数種の遺伝子
DNAなどの核酸分子とのハイブリダイゼーションを一
度に実施し、多項目に対する判定を迅速に行おうという
試みがなされ、その用途に利用する各種のDNAアレイ
の開発がなされている。
【0003】前記の用途では、DNAプローブとして、
多数種のcDNAを基板上にアレイ状に固定させたDN
Aアレイは、遺伝子発現のモニターとして非常に注目を
集めている。各組織、あるいは、同一の組織における経
時変化など、細胞内の変化を、その細胞における、複数
種の蛋白質の発現状況から捉えることで、研究のみなら
ず、創薬の分野にも重要な情報の取得を可能とする。蛋
白質の発現状況を反映するmRNAを、対応するcDN
Aを調製した上で、DNAプローブに用いて調べる動き
に加えて、このcDNAを利用して大腸菌で蛋白質を組
み換え発現させ、蛋白質レベルでその性質、機能を実際
に調べることも重要である。例えば、Anal.Bio
chem.1999 270(1), 103−111
には、この組み換え発現された蛋白質多数種について、
その機能を効率的に調べるために、各種cDNAより蛋
白質を組み換え発現させた大腸菌のライセートを多種
類、極めて微量ずつメンブレンフイルター上にアレイ状
に並べた構成の蛋白質アレイの作製方法が開示されてい
る。この種の蛋白質アレイは、例えば、抗体のスクリー
ニングやレセプターのスクリーニングを行う際、有用で
ある。蛋白質自体をプローブとする蛋白質アレイと同様
に、各種のペプチドをプローブとして用いて、固相上に
アレイ状に固定したペプチド・アレイも、有用な手段で
ある。例えば、蛋白質による、他の蛋白質の機能制御、
あるいは、蛋白質間の相互作用部位の同定など、アミノ
酸配列のレベルでの多くの検討を繰り返す必要がある場
合には、極めて少量の蛋白質を利用して、同時に多項目
の検討を可能としてくれるペプチド・アレイが重要な役
割を担うと考えられる。
【0004】上記のいずれの手法においても、プローブ
との相互作用(結合)の有無を検出のために、従来は、
サンプル分子に標識を施し、固相上に固定されているプ
ローブとの結合を、サンプル分子に付した標識を利用し
て、識別していた。例えば、蛋白質に対する標識とし
て、既に、いろいろな標識キットが市販されている。そ
の多くは、標識として、蛍光色素などを、蛋白質を構成
するアミノ酸のN末アミノ基など利用して、結合させる
ものであり、その標識色素としては、例えば、Cy3、
Cy5といった化合物が利用されている。
【0005】また、サンプルの蛋白質に対して、予め、
直接標識を施す代わりに、プローブと結合させた後、標
識分子を選択的に結合させる方法として、プローブと結
合した蛋白質を抗体で認識し、その二次抗体に標識を付
しておき、間接的に評価する方法がある。この方法で
は、二次抗体に蛍光標識を施したり、あるいは、発色を
導くような標識酵素を共役させておくなどの手段が利用
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】サンプルの蛋白質に対
して、予め、直接標識を施す検出方法は、有効な手段で
あるものの、例えば、標識として蛍光色素を蛋白質に結
合させると、場合によったは、蛋白質の本来の性質を変
化させてしまうこともある。一般に、蛋白質は、その固
有のアミノ酸配列を有するペプチド鎖が、三次元的な複
雑な立体構造をとることで、その機能を発揮している。
すなわち、その立体構造によって、他の蛋白質あるいは
基質を認識し、結合したり、酵素作用を行っていること
が判明している。その際、蛍光色素のような疎水的な分
子は、蛋白質に結合すると、結合した部位の付近の環境
に変化を及ぼす。その結果、蛍光色素の結合部位に近接
する、蛋白質の部分的な立体構造にも影響を与えること
も考えられる。そのような部分的な立体構造の変位は、
蛋白質とプローブ物質間の相互作用を調べる際、本来の
相互作用とは異った結果を生じさせる可能性を有すると
いう問題を残している。
【0007】また、標識した二次抗体を用いる方法は、
種々の蛋白質や活性物質の検出に広く用いられる。この
方法を利用する上では、先ず、対象となる蛋白質や活性
物質に対する特異抗体を予め作製し、この抗体と反応す
る二次抗体に、蛍光標識を施したり、標識酵素を共役さ
せ、蛍光や呈色反応を介して、検出定量を行う。ただ
し、この抗原抗体反応に要する特異的な抗体は、マウス
やラット等動物を用いて生産されるため、生産量が不安
定であったり、ロット間で抗体の反応性にばらつきがあ
ったり、広範な利用を進める上で、実用的な制約が少な
くないのが実状である。また、特異抗体自体の創製は、
通常、免疫された動物の免疫細胞から、モノクロール抗
体産生のハイブリドーマ細胞を調製することで行われる
が、相当の時間を要するものである。
【0008】さらに、蛍光色素による標識を利用する際
には、用いる蛍光色素との結合に利用可能な官能基が蛋
白質の表面に存在するか否か、その反応効率、標識操作
に要する時間など、それぞれ蛋白質によって標識化の適
正な条件が異なるため、現実には、この標識化の適正な
条件を確率することすら、なかなか煩雑で面倒な要素を
含むものである。蛋白質に比較して、DNAの標識は、
標識を施したプライマーを利用して、PCR法により標
識化されたDNAを調製する方法など、既に確立された
手法が利用できるので、より容易にはなっているもの
の、多数種の試料を対象とする際には、作業時間が相当
にかかる点は同じである。
【0009】本発明は前記の課題を解決するもので、本
発明の目的は、基板上に複数種のペプチドをアレイ状に
結合させたペプチドアレイを利用して、このペプチド・
プローブと複合体を形成させ、試料中の蛋白質、脂質ま
たは核酸を検出する際、検出対象のサンプル蛋白質、脂
質または核酸に対して、予め標識を施すことなく、その
定量的な検出を可能とする新規な検出方法を提供するこ
とにある。より具体的には、本発明の目的は、試料中の
蛋白質、脂質または核酸を検出する際に利用するペプチ
ド・プローブに対して標識化を行い、蛋白質、脂質また
は核酸とペプチド・プローブとの複合体形成の有無を反
映する、前記の標識化に利用する蛍光色素の蛍光特性の
差違として、蛋白質、脂質または核酸とペプチド・プロ
ーブとの複合体形成を定量的に検出することを可能とす
る方法、ならびに、かかる目的に利用される標識化され
たペプチド・プローブを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決すべく、研究・検討を進めたところ、試料中の蛋
白質、脂質または核酸とペプチド・プローブとが複合体
形成すると、ペプチド・プローブ自体も、かかる複合体
形成により、従前の自由度を失い、例えば、隣接してい
る同種のペプチド・プローブと相互作用することが最早
困難となることに着眼し、複合体形成前には、隣接して
いる同種のペプチド・プローブと相互作用することが可
能であった状態から、相互作用することが不可能となる
現象を利用して、かかるペプチド・プローブとの蛋白
質、脂質または核酸の複合体形成を検出可能であること
を着想した。前記着想にを実施化する際、より効率的な
手段について、更に検討・研究を進め、同種のペプチド
・プローブの末端にそれぞれ同じ蛍光色素を結合させ、
この蛍光色素は相互に会合状態を形成可能であるが、一
定の状況下、より具体的には、ペプチド・プローブに複
合体形成が生じた際には、その会合状態を解消するもの
を選択し、また、会合している状態と、会合状態を解消
した状態では、その蛍光特性に差違があることを利用す
ることで、光学的な手段により、ペプチド・プローブお
ける複合体形成の有無を検出することが可能となること
を確認した。以上の知見に基づき、本発明者は、ペプチ
ド・プローブをアレイ状にスポットを形成するペプチド
アレイを用いる際には、上述するペプチド末端に相互に
会合可能な蛍光色素を共有結合させ、標識として利用す
ることで、検出対象の蛋白質、脂質または核酸には、標
識を行わなくとも、高い感度の蛍光検出法を利用する複
合体形成の有無の検出が可能となることを実証し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の蛋白質、脂質または核
酸の検出方法は、複数種のペプチドを基板上にアレイ状
にスポットを形成してなるペプチドアレイを用い、前記
ペプチドと複合体を形成しうる蛋白質、脂質または核酸
を検出する方法であって、前記ペプチドアレイを構成す
る複数種のペプチドは、基板上に結合により固定されて
おり、前記複数種のペプチドは、各ペプチドの末端に蛍
光色素が共有結合しており、前記ペプチドは、基板上に
固定された状態において、蛋白質、脂質または核酸と複
合体を形成可能であり、かかる複合体を形成しない状態
では、前記ペプチドの末端に共有結合している蛍光色素
は、相互に会合している状態をとり、かかる複合体を形
成する状態では、前記蛍光色素相互の会合状態は解消さ
れるものであり、前記ペプチドの末端に共有結合してい
る蛍光色素は、会合状態と、会合状態を解消した状態と
では、異なる蛍光特性を示し、前記の蛍光特性変化の有
無を観測することにより、前記ペプチドアレイを構成す
る複数種のペプチドのそれぞれについて、かかる特定の
ペプチドに対して、複合体を形成する蛋白質、脂質また
は核酸の有無を検出することを特徴とする、特定のペプ
チドと複合体形成可能な蛋白質、脂質または核酸の検出
方法である。
【0012】本発明の検出方法では、前記蛍光色素と
し、その蛍光特性は、相互に会合している状態では、消
光している状態であり、会合状態を解消した状態では、
蛍光を発する状態である蛍光色素を用いることが好まし
い。
【0013】その際、前記蛍光色素として、クマリン誘
導体を用いることができる。また、前記蛍光色素とし
て、フルオレセイン誘導体を用いることができる。
【0014】加えて、前記蛍光色素として、下記一般式
(I):
【0015】
【化7】
【0016】(式中、Rは、ペプチドの末端に結合する
ための官能基を置換基として有する、置換アルキル基を
表す)で示されるピリリウム色素誘導体を用いることも
できる。同じく、前記蛍光色素として、下記一般式(I
I):
【0017】
【化8】
【0018】(式中、Rは、ペプチドの末端に結合する
ための官能基を置換基として有する、置換アルキル基を
表す)で示されるピリリウム色素誘導体を用いることは
できる。あるいは、前記蛍光色素として、下記一般式
(III):
【0019】
【化9】
【0020】(式中、Rは、ペプチドの末端に結合する
ための官能基を置換基として有する、置換アルキル基を
表す)で示されるピリリウム色素誘導体を用いることも
できる。
【0021】一方、本発明の検出方法では、前記ペプチ
ドアレイを構成する複数種のペプチドは、そのアミノ酸
残基数が5〜20の範囲に選択されていることが望まし
い。
【0022】また、前記ペプチドアレイを構成する複数
種のペプチドの少なくとも一種は、疾患に関連付けられ
る蛋白質、脂質または核酸のいずれかに対する特異的抗
体のアミノ酸配列の一部を含むペプチドであることを特
徴とする検出方法とすることができる。
【0023】本発明の検出方法は、前記ペプチドアレイ
を利用して検出を行う際、その試料として供せられる蛋
白質溶液試料は、種々の蛋白質を含む混合液である場合
にも、適用することができる。例えば、前記蛋白質溶液
試料が、血清である場合にも、適用することができる。
前記蛋白質溶液試料が、全体細胞の蛋白質画分である場
合にも、適用することができる。さらには、前記蛋白質
溶液試料とする全体細胞の蛋白質画分として、かかる細
胞になんらかの処理を施し、その処理後の経過時間の異
なる細胞から採取される全体細胞の蛋白質画分を、それ
ぞれ用いる場合にも、適用することができる。
【0024】加えて、本発明は、上記の検出方法に利用
されるペプチド・プローブも提供し、すなわち、本発明
のペプチド・プローブは、複数種のペプチドを基板上に
アレイ状にスポットを形成してなるペプチドアレイの作
製に用いるペプチド・プローブであって、前記ペプチド
・プローブは、ペプチドアレイ用の基板上に結合により
固定でき、そのペプチド・プローブのペプチド部の末端
に蛍光色素が共有結合されており、前記ペプチド・プロ
ーブは、基板上に固定された状態において、蛋白質、脂
質または核酸と複合体を形成可能であり、かかる複合体
を形成しない状態では、前記ペプチド部の末端に共有結
合している蛍光色素は、相互に会合している状態をと
り、かかる複合体を形成する状態では、前記蛍光色素相
互の会合状態は解消されるものであり、前記ペプチド部
の末端に共有結合している蛍光色素は、会合状態と、会
合状態を解消した状態とでは、異なる蛍光特性を示すこ
とを特徴とするプローブである。
【0025】かかる本発明のペプチド・プローブは、前
記蛍光色素とし、その蛍光特性は、相互に会合している
状態では、消光している状態であり、会合状態を解消し
た状態では、蛍光を発する状態である蛍光色素が用いて
いることが好ましい。その際、前記蛍光色素として、ク
マリン誘導体を用いることができる。また、前記蛍光色
素として、フルオレセイン誘導体を用いることもでき
る。
【0026】さらには、前記蛍光色素として、下記一般
式(I):
【0027】
【化10】
【0028】(式中、Rは、ペプチドの末端に結合する
ための官能基を置換基として有する、置換アルキル基を
表す)で示されるピリリウム色素誘導体を用いることも
できる。同じく、前記蛍光色素として、下記一般式(I
I):
【0029】
【化11】
【0030】(式中、Rは、ペプチドの末端に結合する
ための官能基を置換基として有する、置換アルキル基を
表す)で示されるピリリウム色素誘導体を用いることが
できる。あるいは、前記蛍光色素として、下記一般式
(III):
【0031】
【化12】
【0032】(式中、Rは、ペプチドの末端に結合する
ための官能基を置換基として有する、置換アルキル基を
表す)で示されるピリリウム色素誘導体を用いることも
できる。
【0033】一方、本発明のペプチド・プローブにおい
ては、前記ペプチド・プローブを構成するペプチド部
は、そのアミノ酸残基数が5〜20の範囲に選択されて
いることが望ましい。また、前記ペプチド・プローブを
構成するペプチド部は、疾患に関連付けられる蛋白質、
脂質または核酸のいずれかに対する特異的抗体のアミノ
酸配列の一部を含むペプチドであることを特徴とするプ
ローブとすることもできる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の検出方法では、上述する
構成の会合可能な蛍光色素をその末端に共有結合させ、
標識化したペプチド・プローブからなるペプチドアレイ
を用いることにより、かかるペプチド・プローブと複合
体形成する、検出対象の標的蛋白質、脂質、あるいはD
NAなどの核酸分子には標識を施す操作が不要になる。
従って、予め検体試料中に含まれる、検出対象の蛋白
質、脂質、あるいはDNAなどの核酸分子それぞれに、
異なる標識を施す工程に代えて、予め蛍光色素で標識し
たペプチド・プローブを一度に合成し、それを用いて作
製したペプチドアレイをその都度用いることで、実用
上、検出時間の大幅な短縮が可能となる。加えて、検出
対象の蛋白質、脂質、あるいはDNAなどの核酸分子に
蛍光色素による標識を施す際には、ペプチドアレイ用の
基板表面に対する、例えば、蛍光色素自体の疎水性に起
因する非特異的吸着、あるいは、標識している蛋白質自
体による非特異的吸着が生じると、これらペプチド・プ
ローブによる特異的な複合体形成に因らず、ペプチドア
レイの表面に固定化されるものに付される蛍光色素から
の蛍光は、バックグランド蛍光の上昇を引き起こし、定
量性の低下等の要因となる問題も、本質的な解決がなさ
れる。
【0035】つまり、本発明では、基板に結合されるペ
プチド・プローブの末端に蛍光標識を施し、それを用い
て作製されるペプチドアレイを利用するので、サンプル
である蛋白質、脂質または核酸の各種に対して、それぞ
れ標識を施す必要はない。この方法に用いられる蛍光色
素は会合することにより蛍光消光を起こすような色素で
ある。そのため、ペプチドアレイのように分子が高密度
に配置されている場合とすることで、末端に結合された
蛍光色素は位置的に極めて近い状態にできるため、相互
に会合を生じ、それに伴い、蛍光特性に変化が起こる、
例えば、蛍光の消光を起こす。
【0036】この蛍光色素の会合に比べ、例えば、蛋白
質とペプチドとの結合(複合体形成)は、両者の相互作
用に基づくため、その結合定数は格段に大きいため、基
板上のペプチド・プローブ末端に結合されている蛍光色
素間の会合は、そのペプチド・プローブと結合した蛋白
質分子の介入により、その会合状態は解消され、蛍光色
素本来の蛍光特性が復活する。その結果、蛋白質との複
合体形成がなされたペプチド・プローブの部分のみ、そ
の複合体形成数に対応する蛍光強度が観察される。
【0037】本発明では、ペプチド・プローブに標識と
して付す蛍光色素は、会合体を作りやすいものを利用す
る。例えば、クマリンやフルオレセインのように、モノ
マーでは蛍光を生じるが、会合体を形成しやすく、さら
に会合体では自己クエンチングを起こし消光するという
系が利用できる。
【0038】蛍光色素のこのような性質は、蛍光色素の
濃度を種々に変えて調製した溶液で観測される蛍光強度
を、溶液濃度に対してプロットすることによって調べる
ことができる。希薄な溶液で強い蛍光を生じる蛍光色素
が、濃度上昇と共に蛍光が減少する場合には、この蛍光
特性の変化は、会合体の形成ならびにそれに伴う蛍光消
光に起因すると判断できる。なお、外見上類似する蛍光
強度の減少を示す、いわゆる濃度消光ではないことを、
検証しておくことが必要である。濃度消光では、蛍光色
素自体による吸収強度は各濃度に対して比例関係にある
が、会合体の形成では、会合体形成に伴い、吸収スペク
トルの変化が生じる結果、蛍光色素自体の吸収ピーク波
長における吸収強度の減少が観測される。時には、会合
体に由来する吸収スペクトルのピークが、蛍光色素自体
の吸収ピーク波長よりも長波長部に明確に分離して観測
できる場合もある。従って、前記の現象を検証すること
で、いわゆる濃度消光ではなく、会合体の形成ならびに
それに伴う蛍光消光に起因することの再確認が簡明にで
きる。
【0039】この会合体形成と、それに起因する蛍光消
光の性質を有する蛍光色素として、上記クマリン、フル
オレセインのような良く知られた色素の他に、ピリリウ
ム色素を挙げることができる。本発明者は、下記構造を
有するピリリウム色素は、会合体を形成しやすく、会合
体形成に伴って消光することを見出し、本発明におい
て、クマリン、フルオレセインと同様に、ペプチド・プ
ローブに付す標識用の蛍光色素として、利用している。
【0040】本発明者が、自己会合を生じ、蛍光消光を
起こす特性に優れるピリリウム色素であることを確認し
たものとして、下記する一般式(IV)、(V)、(V
I)に示す構造有するピリリウム色素誘導体を挙げるこ
とができる。
【0041】
【化13】
【0042】(式中、Rは、末端にカルボキシル基が置
換する直鎖アルキル基を示す)
【0043】
【化14】
【0044】(式中、Rは、末端にカルボキシル基が置
換する直鎖アルキル基を示す)
【0045】
【化15】
【0046】(式中、Rは、末端にカルボキシル基が置
換する直鎖アルキル基を示す) これらピリリウム色素誘導体化合物は、ピリリウム環の
2,4,6位の2つにフェニル基が置換し、残る一つ
に、アルキル基あるいは、4−アルキル置換フェニル基
が置換する構造上の類似性を有するものである。このよ
うなピリリウム色素誘導体化合物の一例として、以下の
式(VII)、(VIII)、(IX)で示される化合
物を挙げることができる。
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】実際には、上記一般式(IV)、(V)、
(VI)に示す構造のピリリウム色素誘導体は、ペプチ
ドとの結合のために、Rで示すアルキル基、例えば、メ
チル基部分を利用して、ペプチドとの結合のために有用
な官能基をアルキル基末端に置換基として導入した形態
として、ペプチド・プローブの末端に結合させる。
【0051】また、本発明に利用可能な、上記一般式
(I)、(II)、(III)で示されるピリリウム色素誘
導体は、前記式(VII)、(VIII)、(IX)で
示される化合物の合成方法、例えば、W. Foerstら、
「New Methods of Preparative Organic Chemistr
y」、Acad. Press(1964)、ならびにR. Wizinger
ら、Helv. Chim. Acta、 39、 217 (1956)に記載
される合成手順を参照して、これら文献に開示される合
成法に準じて、いずれも合成することが可能である。
【0052】なお、本発明において、ペプチド・プロー
ブの末端に結合させる蛍光色素は、自己会合を生じ、蛍
光消光を起こす特性など、会合体を形成した状態と、会
合体を解消した状態とで、その蛍光特性に明確な差違を
しめす性質を有するあれば、特に限定されるものではな
い。
【0053】なお、前記する蛍光色素をそのペプチド部
の末端に結合するペプチド・プローブを利用して、ペプ
チドアレイを作製する方法は特に限定されない。例え
ば、ホトリソ法あるいはインクジェット法などを利用
し、基板上で直接ペプチドを合成して、基板に結合した
ペプチド部を調製する場合には、かかるペプチド合成の
最後の段階に、蛍光色素を結合する工程を加える。ま
た、予め別途にペプチド・プローブを合成し、その後、
そのペプチド溶液をピンあるいはインクジェット法など
により、基板上にアレイ状に供給し、結合させる場合に
は、基板との結合に利用する末端とは反対のペプチド部
の末端に、そのペプチド合成の際、蛍光色素を導入して
おく。いずれの手段を採用する場合に、ペプチドアレイ
において、その基板上に、ペプチド・プローブは、その
末端で結合され、他の末端に蛍光色素が標識として結合
されるものとなる。その結果、ペプチドアレイ上の各ス
ポットに固定されている同じペプチド・プローブは、そ
の末端に付された蛍光色素は、互いに会合体を形成する
ことが可能とされている。
【0054】このペプチド・プローブにおいて、標的と
なる蛋白質、脂質または核酸との複合体形成に利用され
るペプチド部のアミノ酸残基数は、複合体形成に直接係
わるアミノ酸残基数として、少なくとも、連続する5ア
ミノ酸残基の特定の配列を有するペプチド鎖とすること
が望ましい。なお、かかるペプチド部は、基板上に結合
・固定する上で、利用されるアミノ酸部分を付加したも
のとすることがより好ましく、かかる付加的なアミノ酸
部分を含め、ペプチド部のアミノ酸残基数を、10アミ
ノ酸残基以上とすることがより好ましい。一方、複合体
形成に直接係わるアミノ酸残基数は、連続する15アミ
ノ酸残基以内の特定の配列を含むものとすれば、その特
異性は十分に発揮されるので、不必要にペプチド部のア
ミノ酸残基数を長くする必要は無い。従って、基板上に
結合・固定する際に、利用されるアミノ酸部分を付加し
て、かかる付加的なアミノ酸部分を含め、ペプチド部の
全アミノ酸残基数を、20アミノ酸残基以下とすること
がより好ましい。
【0055】前記、標的分子である蛋白質、脂質または
核酸との複合体形成に直接係わるアミノ酸配列は、従来
から、親和性スクリーニングにより選別することがなさ
れており、本発明でも、同様の手段で選別される特定の
アミノ酸配列を有するペプチド・プローブとすることが
可能である。なお、標的分子である蛋白質、脂質または
核酸に対する特異的抗体のアミノ酸配列の一部、具体的
には、抗体の抗原性決定領域、つまり、可変部中の超可
変領域に相当するアミノ酸配列を利用することも可能で
ある。その際にも、標的分子である蛋白質、脂質または
核酸に対する特異的な結合に直接関与するアミノ酸配列
は、連続する5〜15アミノ酸残基からなる配列とし、
前記付加的なアミノ酸部分を含めて、全体のペプチド鎖
は10〜20アミノ酸残基の範囲に選択することが望ま
しい。
【0056】一方、ペプチド・プローブに対して、蛋白
質、脂質または核酸が複合体を形成すると、それに伴
い、隣接するペプチド・プローブとの間で、その末端に
付された蛍光色素相互が会合体を形成することが困難と
なる。すなわち、複合体形成する蛋白質、脂質または核
酸が、大きな立体障害となり、会合体形成を阻害する結
果、蛋白質、脂質または核酸が複合体形成したペプチド
・プローブでは、その末端に付されている標識蛍光色素
は、会合体を解消した状態となる。
【0057】本発明の検出方法においては、その前後に
おいて、ペプチドアレイ上の各スポットにおいて、それ
ぞれの蛍光を測定し、その差違から、結果、蛋白質、脂
質または核酸が複合体形成したペプチド・プローブの有
無、ならびに、その量を評価することができる。
【0058】例えば、ペプチドアレイとして、その基板
上に結合されるペプチド・プローブとして、特定の疾患
と密接な関連性を有する蛋白質、脂質または核酸の検出
に利用される、種々の抗体のアミノ酸配列の一部を有す
るペプチド部からなるものを利用することができる。具
体的には、種々の抗体の超可変領域に含まれる抗原との
結合に関与するアミノ酸配列などを利用する。このよう
な特定の蛋白質、脂質または核酸に対し、特異的に複合
体形成するペプチド・プローブから構成されているペプ
チドアレイに対し、サンプル試料として、血清を利用す
ると、複合体形成(結合)が検出されるスポット位置に
置かれているペプチド・プローブのアミノ酸配列の情報
から、血清の評価、つまり、血清中に存在している、特
定の疾患と密接な関連性を有する蛋白質、脂質または核
酸を分別することが可能となり、複数種の病気に関し
て、その病気の診断、予見に有用な情報が一度に入手で
きる。
【0059】
【実施例】以下、実施例を示して、本発明をより具体的
に説明する。なお、これら実施例は本発明の最良の実施
の形態の一例ではあるものの、本発明は、かかる実施例
により限定を受けるものではない。
【0060】(実施例1) クマリン色素導入ペプチド・プローブを利用するペプチ
ドアレイによるシトクロムCの検出 1)シトクロムCに親和性を有するペプチドの探索 シトクロムCに親和性を有するペプチドの探索は、Bi
oLab社から市販されているPhage Displ
ay Peptide Library Kitを利用
して、前記ランダム・ペプチド・ライブラリーから、ス
クリーニングを行った。用いたキットは、ランダムなア
ミノ酸配列として、12merのペプチド断片をフアー
ジに結合した状態で発現させるペプチド・ライブラリー
で、約2×109種類の配列の異なるペプチドが含まれ
ている。一方、スクリーニングの標的蛋白質とする、シ
トクロムCは、Sigma社より市販されている、Bo
vin Heart由来のものを使用した。このキット
を利用して、所定のスクリーニング操作に従って、シト
クロムCと親和性を有する12merのペプチド1種を
見いだした。見出された1種のペプチドのアミノ酸配列
は下記の通りである。 (N末端)Trp−Pro−Ser−Pro−His−
Tyr−Ser−Phe−Tyr−Asn−Tyr−T
hr(C末端) 前記アミノ酸配列に対して、そのC末端に、かかるペプ
チドを基板上へ結合させるために利用するSH基を有す
るCysを付加し、下記の13アミノ酸残基からなるペ
プチドを、Fmoc固相ペプチド合成法により合成し
た。 (N末端)Trp−Pro−Ser−Pro−His−
Tyr−Ser−Phe−Tyr−Asn−Tyr−T
hr−Cys(C末端) 合成されたペプチドの樹脂からの切り出しは、常法に従
ってトリフルオロ酢酸を用いて行った。得られた生成物
ペプチドはHPLCで精製し、所定のアミノ酸配列を有
する画分を、凍結乾燥して、目的のペプチドを回収し
た。
【0061】2)N末端にクマリンを結合したペプチド
・プローブの作製 前記ペプチドのN末端アミノ基に、7−ヒドロキシクマ
リンー3−カルボン酸(シグマ社製)を通常のDCCカ
ップリング反応により結合させた。反応は、前記クマリ
ン色素ならびにDCC関連試薬の大過剰の条件で行っ
た。反応後、HPLCによる精製を行い、7−ヒドロキ
シクマリンで標識されたペプチド・プローブを得た。
【0062】得られたクマリン標識ペプチド・プローブ
の蛍光を日立F−4500蛍光分光光度計で測定した。
濃度8μMに調整したクマリン標識ペプチド溶液は、3
86nmで励起すると、448nmにクマリンに由来す
る蛍光を発した。
【0063】3)基板の化学処理 (1)基板洗浄 基板に用いるスライドガラスをラックに入れ、超音波洗
浄用洗剤に一晩浸した。その後、同洗剤中で20分間超
音波洗浄を行い、その後、水洗により洗剤を除去した。
次いで、蒸留水ですすいだ後、蒸留水のはいった容器中
でさらに超音波処理を20分間行った。
【0064】最後に、前記処理後のスライドガラスを、
予め80℃に加温した、1N水酸化ナトリウム溶液に1
0分間浸した。引き続き、水洗し、十分に蒸留水洗浄を
行った。
【0065】(2)表面処理 前記洗浄済みのスライドガラスを、1%シランカップリ
ング剤水溶液(信越化学工業社製、商品名KBM60
3)に室温で20分間浸し、その後、窒素ガスを両面に
吹き付けて、表面の水分を飛ばし、乾燥させた。120
℃に加熱したオーブンで1時間ベークし、スライドガラ
ス表面に対するシランカップリング処理を完結させた。
【0066】一方、EMCS(N−(6−Maleim
idocaproyloxy)succinimid
e:Dojin社製)を2.7mg秤量し、DMSO/
エタノールの1:1溶液に溶解した(最終濃度0.3m
g/ml)。先のシランカップリング剤処理を行ったス
ライドガラス(基板)をこのEMCS溶液に2時間浸
し、シランカップリング剤のアミノ基とEMCS溶液の
カルボキシル基を反応させた。この反応により、基板表
面にはEMCS由来のマレイミド基が密に存在すること
になる。反応後、スライドガラスは蒸留水で洗浄した
後、窒素ガスで乾燥させた。
【0067】(3)基板へのペプチド・プローブの結合
反応 前記マレイミド基を導入した基板に、2)で作製したN
末端にクマリンを結合したペプチド・プローブを溶液と
して、Telechem社製の16ピン型スタンパーを
用いてスタンピングした。
【0068】加湿チャンバー内にて3時間放置し、ペプ
チドC末端CysのSH基と基板上のマレイミド基との
反応を行った。その結果、ペプチド・プローブはC末端
で基板上に共有結合により固定される。
【0069】作製されたペプチド・プローブを基板上に
結合したペプチドアレイは、その表面を蛍光顕微鏡で観
察したところ、溶液において見られていた、クマリン由
来の蛍光は消失していた。隣接するペプチド・プローブ
N末端のクマリン分子が相互に、自己会合し、蛍光消光
を起こした結果と考えられる。
【0070】3)ペプチド・プローブとシトクロムCと
の結合反応 アレイ状にペプチド・プローブを結合させたスライドガ
ラス(ペプチドアレイ)を、予め50mMのリン酸バッ
フアー pH7.5にて希釈した、1μMのBovin
Heart由来のシトクロムC(SIGMA社製)溶
液に浸し、暗所にて室温で3時間作用させた。
【0071】4)蛍光観察 その後、蛍光顕微鏡で観察したところ、アレイ状にペプ
チド・プローブが固定されている部分に青い蛍光が見ら
れた。この蛍光は、基板に固定する前、ペプチド・プロ
ーブ溶液で見られた蛍光と同一の色である。つまり、ペ
プチド・プローブとチトクロームCとが複合体を形成し
た結果、会合していたクマリン分子間にチトクロームC
分子が介入し、クマリン分子の会合状態が解消され、再
び、蛍光を発するようになったものである。
【0072】(実施例2) ピリリウム色素導入ペプチド・プローブを利用するペプ
チドアレイによるシトクロムCの検出 導入ペプチドアレイによるシトクロムCの検出 1)シトクロムCに対する親和性を有するペプチドの合
成 実施例1と同じく、シトクロムCと親和性を有する、上
記12アミノ残基からなる配列のC末端に、基板との結
合に用いるSH基を持つCysを連結した、13アミノ
酸残基からなるペプチドを、Fmoc固相ペプチド合成
法により合成した。その後、同じ手順で精製し、目的の
ペプチドを単離、凍結乾燥した。
【0073】2)N末端にピリリウム色素を結合したペ
プチド・プローブの作製 (1)2−(3−カルボキシプロピル)−4,6−ジフ
ェニルピリリウムアイオダイドの合成、 アセトフェノン163mgと無水グルタル酸456mg
とを、氷浴下で濃硫酸3mlに加え、完全に溶解させ
た。続いて、この液を、オイルバスにて120℃まで加
熱し、約3時間攪拌した後、室温にて放冷した。この反
応液を100mlの水に加え、攪拌する。その後、クロ
ロホルム50mlを加え、抽出操作により洗浄を行い、
水層を回収した。このクロロホルムによる洗浄作業を計
4回繰り返し、未反応のアセトフェノンを取り除いた。
【0074】続いて、水層に、ヨウ化ナトリウム1.6
0gを加え攪拌し、一晩冷蔵庫で冷却した。析出した黄
色の沈澱物を濾別、回収し粗結晶を得た。得られた粗結
晶を適当量の水で再結晶し、2−(3−カルボキシプロ
ピル)−4,6−ジフェニルピリリウム アイオダイド
の結晶66mgを得た。
【0075】得られたピリリウム誘導体化合物40mg
とN−ヒドロキシスクシイミド46mgを乾燥DMF
1mlに溶解させた。完全に溶解したのを確認し、氷浴
に移し冷却した。次に、N,N’−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)80mgを加え,暗所にて24
時間攪拌した。当初の2時間は、氷浴中で攪拌を行い、
以後、室温にて攪拌を継続した。続いて、浮遊している
DCCウレアをメンブレンフイルターにて除去した後、
約50mlのジエチルエーテル中に滴下した。析出した
沈澱を集め、50mlのジエチルエーテルで洗浄する工
程を、数回繰り返した。その後、得られた粉末を真空ボ
ンプにて乾燥した。
【0076】(2)ペプチドN末端へのピリリウム色素
標識 1)で合成したC末端にCys残基を持つペプチド33
0μgを100μlの純水に溶解し、1Mリン酸バッフ
ァー(pH7.0)16μlを加えた。次いで、2−
(3−カルボキシプロピル)−4,6−ジフェニルピリ
リウム アイオダイドのスクシイミド誘導体の50mM
アセトニトリル溶液60μlを加え、40℃で24時間
反応させた。
【0077】反応終了後、ファルマシア製ゲル濾過カラ
ムNAP−25で、未反応物を取り除くための粗精製を
行った。さらに、HPLCにて精製を行った。HPLC
による精製後、前記ゲル濾過カラムにて脱塩を行い、N
末端に4,6−ジフエニルピリリウム誘導体が結合され
たペプチド・プローブを得た。
【0078】(3)N末端にピリリウム色素を標識した
ペプチド・プローブの蛍光特性 得られたピリリウム色素標識ペプチド・プローブを純水
に溶解し、その蛍光を実施例1と同様測定したところ、
380nmで励起すると450nmにピリリウム色素に
由来する強い蛍光が観察された。
【0079】3)基板上にピリリウム色素標識ペプチド
・プローブをアレイ状に結合したペプチドアレイの作製 実施例1に記載する手順で、洗浄、表面処理を施して、
基板(スライドガラス)表面にマレイミド基を導入し
た。このマレイミド基を導入した基板に、2)で作製し
た、N末端にピリリウム色素を結合したペプチド・プロ
ーブの溶液を、Telechem社製の16ピン型スタ
ンパーを用いてスタンピングした。
【0080】その後、加湿チャンバー内にて3時間放置
し、ペプチドC末端CysのSH基と基板上のマレイミ
ド基との反応を行った。その結果、ペプチド・プローブ
はC末端で基板上に共有結合により固定される。
【0081】作製されたペプチド・プローブを基板上に
結合したペプチドアレイは、その表面を蛍光顕微鏡で観
察したところ、溶液において見られていた、ピリリウム
色素由来の蛍光は消失していた。隣接するペプチド・プ
ローブN末端のピリリウム色素分子が相互に、自己会合
し、蛍光消光を起こした結果と考えられる。
【0082】4)ペプチド・プローブとシトクロムCと
の結合反応 アレイ状にペプチド・プローブを結合させたスライドガ
ラス(ペプチドアレイ)を、予め50mMのリン酸バッ
フアー pH7.5にて希釈した、1μMのBovin
Heart由来のシトクロムC(SIGMA社製)溶
液に浸し、暗所にて室温で3時間作用させた。
【0083】5)蛍光観察 その後、ピリリウム色素の蛍光観察に適したフイルター
が装着した蛍光顕微鏡で観察したところ、アレイ状にペ
プチド・プローブが固定されている部分に青い蛍光が見
られた。この蛍光は、基板に固定する前、ペプチド・プ
ローブ溶液で見られた蛍光と同一の色である。つまり、
ペプチド・プローブとチトクロームCとが複合体を形成
した結果、会合していたピリリウム色素分子間にチトク
ロームC分子が介入し、ピリリウム色素分子の会合状態
が解消され、再び、蛍光を発するようになったものであ
る。
【0084】6)対象実験 シトクロムCの代わりに、サンプルとしてインシュリン
含む溶液を用いて、上記4)の操作を行った。その後、
前記5)と同様に、基板からの蛍光の有無を観察したと
ころ、インシュリン溶液に浸す処理の前後ともに、アレ
イ状にペプチド・プローブが固定されている部分から、
ピリリウム色素に由来する蛍光は観測されなかった。
【0085】
【発明の効果】本発明の検出方法では、検出対象の蛋白
質、脂質、あるいは核酸分子に標識を施す代わりに、こ
れらと特異的に複合体形成し、基板上への固定化に利用
されるペプチド・プローブの末端に蛍光色素を共有結合
させ、標識として利用し、かかる蛍光色素で標識したペ
プチド・プローブ複数種を、それぞれアレイ状にスポッ
トしたペプチドアレイを利用することで、前記蛍光色素
の会合状態と、会合を解消した状態との間に存在する蛍
光特性の差違に基づき、特異的な親和性を有するペプチ
ド・プローブに対し、蛋白質、脂質、あるいは核酸分子
が結合することで形成される複合体の有無を、定量的に
検出することができる。加えて、検出対象の標的蛋白
質、脂質、あるいはDNAなどの核酸分子には標識を施
す操作が不要になることに伴い、予め検体試料中に含ま
れる、検出対象の蛋白質、脂質、あるいはDNAなどの
核酸分子それぞれに、異なる標識を施す工程に代えて、
予め蛍光色素で標識したペプチド・プローブを一度に合
成し、それを用いて作製したペプチドアレイをその都度
用いることで、実用上、検出時間の大幅な短縮が可能と
なる。更に、検出対象の蛋白質、脂質、あるいはDNA
などの核酸分子に蛍光色素による標識を施す際には、ペ
プチドアレイ用の基板表面に対する、例えば、蛍光色素
自体の疎水性に起因する非特異的吸着、あるいは、標識
している蛋白質自体による非特異的吸着が生じると、こ
れらペプチド・プローブによる特異的な複合体形成に因
らず、ペプチドアレイの表面に固定化されるものに付さ
れる蛍光色素からの蛍光は、バックグランド蛍光の上昇
を引き起こし、定量性の低下等の要因となる問題も、本
質的な解決がなされる。
【0086】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> CANON INC. <120> A Method for Detecting a Protein, Lipid or Nucleotide Molecule, Wh ich Have an Ability of Interacting with a Specific Peptide, Using a Pept ide-array <130> 4131009 <160> 2 <170> Microsoft Word <210> 1 <211> 12 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide having a binding affinity to cytochrome C <400> 1 Trp Pro Ser Pro His Tyr Ser Phe Tyr Asn Tyr Thr 1 5 10 <210> 2 <211> 13 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Peptide having a binding affinity to cytochrome C, which has addit ionally a Cys at its C-terminal. <400> 2 Trp Pro Ser Pro His Tyr Ser Phe Tyr Asn Tyr Thr Cys 1 5 10
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 M S 33/566 33/566 33/58 33/58 Z // C07K 17/02 ZNA C07K 17/02 ZNA Fターム(参考) 2G042 AA01 BD19 DA08 FA11 FB10 HA02 HA07 2G045 BA14 BB01 BB14 BB46 BB48 DA13 DA36 DA60 FA16 FB03 FB07 FB12 GC15 2G054 AB04 CA21 CA22 CA23 CE02 EA03 GA04 GB02 4H045 AA30 AA40 BA09 BA70 EA50 FA51

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種のペプチドを基板上にアレイ状に
    スポットを形成してなるペプチドアレイを用い、前記ペ
    プチドと複合体を形成しうる蛋白質、脂質または核酸を
    検出する方法であって、 前記ペプチドアレイを構成する複数種のペプチドは、基
    板上に結合により固定されており、 前記複数種のペプチドは、各ペプチドの末端に蛍光色素
    が共有結合しており、 前記ペプチドは、基板上に固定された状態において、蛋
    白質、脂質または核酸と複合体を形成可能であり、 かかる複合体を形成しない状態では、前記ペプチドの末
    端に共有結合している蛍光色素は、相互に会合している
    状態をとり、 かかる複合体を形成する状態では、前記蛍光色素相互の
    会合状態は解消されるものであり、 前記ペプチドの末端に共有結合している蛍光色素は、会
    合状態と、会合状態を解消した状態とでは、異なる蛍光
    特性を示し、 前記の蛍光特性変化の有無を観測することにより、前記
    ペプチドアレイを構成する複数種のペプチドのそれぞれ
    について、かかる特定のペプチドに対して、複合体を形
    成する蛋白質、脂質または核酸の有無を検出することを
    特徴とする、特定のペプチドと複合体形成可能な蛋白
    質、脂質または核酸の検出方法。
  2. 【請求項2】 前記蛍光色素とし、その蛍光特性は、相
    互に会合している状態では、消光している状態であり、 会合状態を解消した状態では、蛍光を発する状態である
    蛍光色素を用いることを特徴とする請求項1に記載の検
    出方法。
  3. 【請求項3】 前記蛍光色素として、クマリン誘導体を
    用いることを特徴とする請求項2に記載の検出方法。
  4. 【請求項4】 前記蛍光色素として、フルオレセイン誘
    導体を用いることを特徴とする請求項2に記載の検出方
    法。
  5. 【請求項5】 前記蛍光色素として、下記一般式
    (I): 【化1】 (式中、Rは、ペプチドの末端に結合するための官能基
    を置換基として有する、置換アルキル基を表す)で示さ
    れるピリリウム色素誘導体を用いることを特徴とする請
    求項2記載の検出方法。
  6. 【請求項6】 前記蛍光色素として、下記一般式(I
    I): 【化2】 (式中、Rは、ペプチドの末端に結合するための官能基
    を置換基として有する、置換アルキル基を表す)で示さ
    れるピリリウム色素誘導体を用いることを特徴とする請
    求項2記載の検出方法。
  7. 【請求項7】 前記蛍光色素として、下記一般式(II
    I): 【化3】 (式中、Rは、ペプチドの末端に結合するための官能基
    を置換基として有する、置換アルキル基を表す)で示さ
    れるピリリウム色素誘導体を用いることを特徴とする請
    求項2記載の検出方法。
  8. 【請求項8】 前記ペプチドアレイを構成する複数種の
    ペプチドは、そのアミノ酸残基数が5〜20の範囲に選
    択されていることを特徴とする請求項1に記載の検出方
    法。
  9. 【請求項9】 前記ペプチドアレイを構成する複数種の
    ペプチドの少なくとも一種は、疾患に関連付けられる蛋
    白質、脂質または核酸のいずれかに対する特異的抗体の
    アミノ酸配列の一部を含むペプチドであることを特徴と
    する請求項1に記載の検出方法。
  10. 【請求項10】 前記ペプチドアレイを利用して検出を
    行う際、その試料として供せられる蛋白質溶液試料は、
    種々の蛋白質を含む混合液であることを特徴とする請求
    項1に記載の検出方法。
  11. 【請求項11】 前記蛋白質溶液試料が、血清であるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の検出方法。
  12. 【請求項12】 前記蛋白質溶液試料が、全体細胞の蛋
    白質画分であることを特徴とする請求項10に記載の検
    出方法。
  13. 【請求項13】 前記蛋白質溶液試料とする全体細胞の
    蛋白質画分として、かかる細胞になんらかの処理を施
    し、その処理後の経過時間の異なる細胞から採取される
    全体細胞の蛋白質画分を、それぞれ用いることを特徴と
    する請求項12に記載の検出方法。
  14. 【請求項14】 複数種のペプチドを基板上にアレイ状
    にスポットを形成してなるペプチドアレイの作製に用い
    るペプチド・プローブであって、 前記ペプチド・プローブは、ペプチドアレイ用の基板上
    に結合により固定でき、 そのペプチド・プローブのペプチド部の末端に蛍光色素
    が共有結合されており、 前記ペプチド・プローブは、基板上に固定された状態に
    おいて、蛋白質、脂質または核酸と複合体を形成可能で
    あり、 かかる複合体を形成しない状態では、前記ペプチド部の
    末端に共有結合している蛍光色素は、相互に会合してい
    る状態をとり、 かかる複合体を形成する状態では、前記蛍光色素相互の
    会合状態は解消されるものであり、 前記ペプチド部の末端に共有結合している蛍光色素は、
    会合状態と、会合状態を解消した状態とでは、異なる蛍
    光特性を示すことを特徴とするプローブ。
  15. 【請求項15】 前記蛍光色素とし、その蛍光特性は、
    相互に会合している状態では、消光している状態であ
    り、 会合状態を解消した状態では、蛍光を発する状態である
    蛍光色素が用いていることを特徴とする請求項14に記
    載のプローブ。
  16. 【請求項16】 前記蛍光色素として、クマリン誘導体
    が用いられることを特徴とする請求項15に記載のプロ
    ーブ。
  17. 【請求項17】 前記蛍光色素として、フルオレセイン
    誘導体が用いられることを特徴とする請求項15に記載
    のプローブ。
  18. 【請求項18】 前記蛍光色素として、下記一般式
    (I): 【化4】 (式中、Rは、ペプチドの末端に結合するための官能基
    を置換基として有する、置換アルキル基を表す)で示さ
    れるピリリウム色素誘導体が用いられることを特徴とす
    る請求項15に記載のプローブ。
  19. 【請求項19】 前記蛍光色素として、下記一般式(I
    I): 【化5】 (式中、Rは、ペプチドの末端に結合するための官能基
    を置換基として有する、置換アルキル基を表す)で示さ
    れるピリリウム色素誘導体が用いられることを特徴とす
    る請求項15に記載のプローブ。
  20. 【請求項20】 前記蛍光色素として、下記一般式(II
    I): 【化6】 (式中、Rは、ペプチドの末端に結合するための官能基
    を置換基として有する、置換アルキル基を表す)で示さ
    れるピリリウム色素誘導体が用いられることを特徴とす
    る請求項15に記載のプローブ。
  21. 【請求項21】 前記ペプチド・プローブを構成するペ
    プチド部は、そのアミノ酸残基数が5〜20の範囲に選
    択されていることを特徴とする請求項14に記載のプロ
    ーブ。
  22. 【請求項22】 前記ペプチド・プローブを構成するペ
    プチド部は、疾患に関連付けられる蛋白質、脂質または
    核酸のいずれかに対する特異的抗体のアミノ酸配列の一
    部を含むペプチドであることを特徴とする請求項14に
    記載のプローブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005312425A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Toyo Kohan Co Ltd ポリペプチドを固定化する方法、ポリペプチドが固定化されてなる固体支持体、これを用いたポリペプチドの検出方法及び精製方法、ならびにポリペプチドを固定化するための固体支持体

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JP2005312425A (ja) * 2004-03-31 2005-11-10 Toyo Kohan Co Ltd ポリペプチドを固定化する方法、ポリペプチドが固定化されてなる固体支持体、これを用いたポリペプチドの検出方法及び精製方法、ならびにポリペプチドを固定化するための固体支持体

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