JP2002284501A - ガス吸蔵方法、ガス吸蔵放出方法及び燃料電池 - Google Patents

ガス吸蔵方法、ガス吸蔵放出方法及び燃料電池

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JP2002284501A
JP2002284501A JP2001088721A JP2001088721A JP2002284501A JP 2002284501 A JP2002284501 A JP 2002284501A JP 2001088721 A JP2001088721 A JP 2001088721A JP 2001088721 A JP2001088721 A JP 2001088721A JP 2002284501 A JP2002284501 A JP 2002284501A
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hydrogen
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carbon material
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Seiji Shiraishi
誠司 白石
Atsuo Yamada
淳夫 山田
Koichiro Hikuma
弘一郎 日隈
Masafumi Ata
誠文 阿多
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量を有する容器や、コストがかかる合金な
どを使用することなく、ガスを貯蔵する。 【解決手段】 ガスを低温にするなどの操作によって、
ガスの化学ポテンシャルを不安定化する。ガスの化学ポ
テンシャルが不安定化することにより、ガスは固体に吸
着された状態の方が安定となる。このため、ガスを固体
に吸蔵することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体へのガスの吸
蔵方法、及び固体へガスを吸蔵させた後に固体からガス
を放出させるガスの吸蔵放出方法に関する。また、ガス
を吸蔵した固体を使用した燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】産業革命以後、自動車などの動力源、及
び電力発生のための燃料などとして、多岐に渡ってガソ
リンや軽油などの化石燃料が用いられてきた。この化石
燃料の利用により、人類は飛躍的な生活水準の向上や産
業の発展を享受した。
【0003】しかしその反面において、この化石燃料を
燃焼させるときに発生する二酸化炭素、二酸化硫黄、窒
素酸化物などにより、地球は深刻な環境破壊の脅威にさ
らされている。また、化石燃料は、長期的な安定供給に
ついても疑問が投げかけられている。
【0004】そこで、このような化石燃料に代わる代替
エネルギーとして、水素燃料が注目されている。水素燃
料は燃焼後に水のみが発生し、地球環境に対する影響が
小さいクリーンエネルギーである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この水素を有効に貯蔵
し、発生させ、且つ容易に運搬する方法の開発が現在注
目されている。通常、水素は、高圧貯蔵、液化貯蔵、水
素吸蔵合金による貯蔵などの方法で貯蔵される。
【0006】しかしながら、高圧貯蔵及び液化貯蔵を行
ったときには、容器重量が重いことによって輸送が困難
になることや、取り扱いが困難になることなどが問題点
として挙げられる。また、水素吸蔵合金による貯蔵は、
水素吸蔵合金の重量が重いことや、多大なコストを要す
ることなどが問題となっており、商業化には至っていな
い。
【0007】本発明は以上のような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、軽量なガス吸蔵材料を用いるこ
とができ、コストを要することなくガスを貯蔵可能とす
るガス吸蔵方法を提供することを目的とする。
【0008】また、かかる吸蔵を実現すると同時に、吸
蔵したガスを効率的に放出し得るガス吸蔵放出方法を提
供することを目的とする。
【0009】さらに、軽量で、コストを要することなく
ガスの吸蔵・放出が可能なガス吸蔵部を有し、実用性に
優れた燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のガス吸蔵方法は、固体にガスを吸蔵させ
るに際し、固体の吸着ポテンシャルεよりガスの化学ポ
テンシャルμを大(ε<μ)とし、固体の吸着ポテンシ
ャルよりガスの化学ポテンシャルを不安定な状態にする
ことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のガス吸蔵放出方法は、固体
の吸着ポテンシャルεよりガスの化学ポテンシャルμを
大(ε<μ)とし、固体の吸着ポテンシャルよりガスの
化学ポテンシャルを不安定な状態にして、固体にガスを
吸蔵させ、ガスを吸蔵した固体に対してエネルギーを印
加することにより、ガスを放出させることを特徴とする
ものである。
【0012】さらに、本発明の燃料電池は、負極、プロ
トン伝導体、及び正極との積層構造体と、ガス吸蔵部と
を備えてなる燃料電池において、上記ガス吸蔵部は、固
体の吸着ポテンシャルεよりガスの化学ポテンシャルμ
を大(ε<μ)とし、固体の吸着ポテンシャルよりガス
の化学ポテンシャルを不安定な状態にすることにより当
該固体にガスを吸蔵し、且つ、ガスを吸蔵した固体に対
してエネルギーを印加することにより、当該固体からガ
スを放出するものであることを特徴とするものである。
【0013】固体へのガスの吸着を考えるとき、固体の
吸着ポテンシャルεとガスの化学ポテンシャルμの関係
を考慮することが重要であり、固体の表面のガスによる
被覆率を上げるためには、固体の吸着ポテンシャルεよ
りガスの化学ポテンシャルμを大きくし、すなわちε<
μとし、固体の吸着ポテンシャルよりガスの化学ポテン
シャルを不安定な状態にすればよい。
【0014】この状態では、ガスは固体に吸着された方
が「いやすい」と感じるために、固体へのガス吸着が実
現される。
【0015】このような過程を経た後は、たとえε>μ
となっても、2つの状態(ガスが固体に吸着された状態
とガスのままの状態)のポテンシャルの間に存在する活
性化エネルギーEaの寄与により、吸着された状態が準
安定状態となり、ガスは安定に吸着サイトに存在でき
る。
【0016】一方、吸着されたガスを放出するには、上
記活性化エネルギーEaという障壁を乗り越えるに十分
なエネルギーを与えればよい。
【0017】上記の準安定状態が実現された場合、固体
の吸着ポテンシャルがガスの化学ポテンシャルよりも不
安定であるにも関わらず、吸蔵されたガスが吸着サイト
に存在できるのは、上記活性化エネルギーEaが存在す
るからである。
【0018】そこで、熱や電界等の印加により上記活性
化エネルギーに対応する熱量(エネルギー)を与えてや
れば、蓄積されたガスは速やかに放出される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したガス吸蔵
方法、ガス吸蔵放出方法について、図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0020】ここでは、炭素材料に水素を吸蔵する場合
を例にして、本発明を適用したガス吸蔵方法、ガス吸蔵
放出方法ついて説明する。なお、本発明がこの例に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、固体やガスの種類など、任意に変更可能であること
は言うまでもない。
【0021】本発明は、炭素材料への水素の吸着を利用
し、これを吸蔵するというのが基本的な考えである。
【0022】ここで、水素を吸蔵する炭素材料として
は、具体的に、図1に示すような単層のカーボンナノチ
ューブ(SWNT:Single Wall Nano Tube)、多層の
カーボンナノチューブ(MWNT:Multi Wall Nano Tu
be)、及び図2に示すようなフラーレンなどが挙げられ
る。なお、MWNTの図示は省略する。
【0023】ただし、例えば室温で炭素質材料に水素を
作用させてこれを吸着させようとしても、吸着状態を安
定に保つことはできず、結果として水素吸蔵は難しい。
これは、炭素材料の吸着ポテンシャルεより水素の化学
ポテンシャルμの方が小さく、水素はガスの状態でいる
方が安定だからである。
【0024】そこで、本発明では、炭素材料の吸着ポテ
ンシャルεと水素ガスの化学ポテンシャルμに着目し、
炭素材料の吸着ポテンシャルεより水素ガスの化学ポテ
ンシャルμを大(ε<μ)とし、炭素材料の吸着ポテン
シャルより水素ガスの化学ポテンシャルを不安定な状態
にすることにより、上記吸着による吸蔵を実現すること
とする。
【0025】以下、水素の化学ポテンシャルを不安定化
することによって、炭素材料に水素を吸蔵することが可
能となる原理について説明する。
【0026】一般的に、ガスの固体への吸着に関する理
論としては、下記式1で表されるラングミュア吸着等温
式が知られている。
【0027】
【数1】
【0028】ここで、fは被覆率を表しており、ε(ε
<0)は固体の吸着ポテンシャルを表しており、μ(μ
<0)はガスの化学ポテンシャルを表している。また、
kはボルツマン係数を表しており、Tは絶対温度を表し
ている。
【0029】式1からわかるように、被覆率fを大きく
するためには、ガスの化学ポテンシャルμを不安定化し
て、ε−μの値が小さくなる状態を実現することが必要
となる。具体的には、ε−μ≦1.1kTとすることが
望ましい。ε−μ≦1.1kTであるときには、f≧
0.25となり、実用化に十分な量のガスが固体に対し
て吸着されることになる。
【0030】また、水素の化学ポテンシャルμは、固体
の吸着ポテンシャルεよりも高くなるまで不安定化する
こと、すなわちε−μ<0とすることが更に望ましい。
ε−μ<0とすることによって、f>0.5となる。
【0031】ガスの化学ポテンシャルμを不安定化する
具体的な方法としては、ガスの温度を下げることが考え
られる。
【0032】化学ポテンシャルμは、一般的に以下に示
す式2で表される。ここで、Hはエンタルピーを示して
おり、Sはエントロピーを示している。この式より、ガ
スの化学ポテンシャルμは、ガスの温度を下げることに
よって高くなることがわかる。
【0033】
【数2】
【0034】より詳細に説明すると、図3(A)に示す
ように、水素1の温度を下げる前、すなわち室温のとき
には、炭素材料の吸着ポテンシャルεと比較して水素1
の化学ポテンシャルμの方が低く安定している。この状
態では、水素はガスのままの方が安定である。
【0035】ここで、水素1の温度を下げるにつれて水
素1の化学ポテンシャルは徐々に高くなるが、図3
(B)に示すように、水素1の化学ポテンシャルμが炭
素材料の吸着ポテンシャルεよりも高くなると、相転移
が生じて炭素材料に吸着された状態が安定状態となる。
これが本発明における水素吸蔵のメカニズムである。
【0036】上記メカニズムに従って水素を炭素材料に
吸蔵させるときには、水素の温度は125K以下とする
ことが望ましい。水素の温度を125K以下とすること
によって、圧力が100atmのときに、ε−μ≦1.
1kTすなわちf≧0.25となり、炭素材料に十分に
実用化可能な量の水素が吸蔵されることになる。
【0037】なお、圧力を上げることによってもガスの
化学ポテンシャルμを上げることが可能となる。これ
は、一般的に以下に示す式3が成り立ち、式2及び式3
より、以下に示す式4が成立するためである。ここで、
Uは内部エネルギー、pは圧力、Vは体積を示してい
る。
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】また、実際の水素の温度及び圧力と水素の
化学ポテンシャルμとの関係は、以下の表1に示す通り
となる。
【0041】
【表1】
【0042】水素を炭素材料へ吸蔵させるための具体的
な手法としては、例えば、図4に示すように、水素ボン
ベ10と、炭素材料を入れるためのシリンダ11と、質
量流量計(MF;mass flowmeter)12と、圧力計13
と、バルブ14,15,16とを備えた装置を使用す
る。
【0043】先ず、シリンダ11内に炭素材料を入れ
る。この状態でバルブ14,15を開き、水素ボンベ1
0からシリンダ11へ所定の圧力の水素ガスを注入す
る。そして、バルブ14,15を閉め、シリンダ11を
液体窒素によって満たされたデュワー(図示せず。)に
浸すことによって、シリンダ11内を低温に保ち、水素
を炭素材料へ吸蔵させる。なお、MF12及び圧力計1
3によって、炭素材料へ吸蔵された水素の量や、後述す
るように炭素材料から放出された水素の量などを測定す
ることが可能となる。
【0044】以上説明したように、水素の化学ポテンシ
ャルμを不安定化することによって、水素は炭素材料へ
の吸着状態の方が安定となり、炭素材料へ吸蔵される。
炭素材料は非常に軽量であり、重量の重い容器や多大な
コストを要する合金などを使用することなく水素を貯蔵
することができるようになり、また軽量であることは輸
送を考えたときにも有利であり、水素吸蔵を実用化する
上で非常に有用な技術と言える。
【0045】ところで、以上により炭素材料に水素を吸
蔵させた場合、一度水素の化学ポテンシャルμを炭素材
料の吸着ポテンシャルεよりも高くした後に、水素の化
学ポテンシャルμを炭素材料の吸着ポテンシャルεより
も低くしても、水素は炭素材料へ吸蔵された状態のまま
維持される。これは次のような理由による。
【0046】上述したように、水素1は、温度を下げる
ことによって、図3(A)に示すように、水素1の化学
ポテンシャルμが炭素材料の吸着ポテンシャルεよりも
低く安定している状態(μ<ε)から、図3(B)に示
すように、炭素材料の吸着ポテンシャルεが水素1の化
学ポテンシャルμよりも低く安定している状態(μ>
ε)となる。ここで水素1の温度を上げて、元の温度に
戻すと、図5に示すように、炭素材料へ吸蔵された水素
の一部はガスとなってしまうものの、一部は炭素材料に
吸蔵されたままとなる。
【0047】水素1の一部が炭素材料に吸蔵されたまま
となるのは、図5に示すように、水素1の化学ポテンシ
ャルμと炭素材料の吸着ポテンシャルεとの間に、活性
化エネルギーEaが存在しているためであると考えられ
る。この活性化エネルギーEaの存在により、吸着状態
も準安定状態として存在できるのである。炭素材料に吸
蔵されている全ての水素1を再度ガス化するためには、
活性化エネルギーEa以上のエネルギーを印加すること
が必要となる。
【0048】以上説明したように、水素を低温にするこ
とによって水素の化学ポテンシャルμを一度不安定化し
て水素を炭素材料に吸蔵させた後に、炭素材料に対して
水素を吸着させた温度よりも高温としたとき(例えば室
温に戻したとき)にも、水素は炭素材料に吸蔵されたま
まとなる。そして、重量の軽い炭素材料に十分な量の水
素を吸蔵することが可能となり、重量が重い容器や、多
大なコストを要する合金などを使用することなく、水素
を室温で安定に貯蔵することができるようになる。
【0049】なお、本実施の形態において、活性化エネ
ルギーEaは、室温で1気圧のときには約50meVで
あった。また、図6に示すように、真空状態としたとき
にも活性化エネルギーEavacは、存在したままとな
る。活性化エネルギーEa acは、約40〜60me
Vである。このことから、水素を低温にすることによっ
て化学ポテンシャルμを不安定化して炭素材料に吸蔵さ
れた水素は、真空状態とされたときにも、炭素材料に吸
蔵された状態のままとなることがわかる。
【0050】上述したように炭素材料に吸蔵された水素
は、炭素材料から放出されることによって、自動車など
の動力源、及び電力発生のための燃料などとして使用す
ることができる。
【0051】また、この炭素材料に対しては、水素1を
吸蔵する前に清浄化処理を施すことが望ましい。炭素材
料に清浄化処理を施すことによって、吸着サイトが増え
るので、炭素材料における水素の吸蔵量を増やすことが
可能となる。
【0052】具体的な清浄化処理としては、炭素材料に
対して減圧下加熱を施すことや、炭素材料に対して水素
雰囲気中で加熱を施すことなどが挙げられる。ここで、
炭素材料に対する減圧下加熱は、例えば1atm未満、
573K(300℃)なる条件とすればよい。また、炭
素材料に対する水素雰囲気中での加熱は、例えば3at
m、573Kなる条件で行えばよい。
【0053】次に、水素の化学ポテンシャルμを不安定
化することによって炭素材料に吸蔵させた水素を、炭素
材料から放出させる方法について説明する。
【0054】常温における水素の化学ポテンシャルμと
炭素材料の吸着ポテンシャルεとの関係は、図5に示す
ように、水素1の化学ポテンシャルμが炭素材料の吸着
ポテンシャルεよりも低くなっている。しかしながら、
図5からわかるように、一度低温下で水素の化学ポテン
シャルμを不安定化して水素を炭素材料へ吸蔵させた場
合には、活性化エネルギーEaが障壁として存在するた
めに、水素1が炭素材料に吸蔵した状態となっている。
【0055】そこで、このように水素1を吸蔵した炭素
材料に対してエネルギーを印加すると、この活性化エネ
ルギーEaによる障壁を越えやすくなり、水素1が放出
されることとなる。
【0056】水素1が吸蔵された炭素材料に対してエネ
ルギーを印加する方法としては、この炭素材料に対して
加熱を施す方法と、電界を印加する方法とが挙げられ
る。これらの方法により、水素を吸着した炭素材料に対
して上記障壁に相当する以上のエネルギーを与えること
により、炭素材料から水素1が放出される。
【0057】上述した炭素材料に対して印加されるエネ
ルギーは、吸蔵された水素1の70%以上が放出される
エネルギーであることが更に望ましい。また、この炭素
材料に対して活性化エネルギーEaに相当するエネルギ
ーを印加すると、この炭素材料に吸蔵された水素1とほ
ぼ同量の水素1を放出することができる。このため、当
該炭素材料に対して活性化エネルギーEa以上のエネル
ギーを印加することが最も望ましい。
【0058】具体的に説明すると、加熱によって炭素材
料から水素を放出するときには、この炭素材料に対して
放出量のピークとなる温度より約50K高い温度となる
まで加熱を施すことが望ましい。この炭素材料に対して
水素の放出量のピークとなる温度より約50K高い温度
となるまで加熱することにより、この炭素材料に吸蔵さ
れた水素のうち約70%が放出される。本実施の形態に
おいては、図7に示すように、水素の放出量のピークは
650Kとなるため、炭素材料に対して700Kとなる
まで加熱を施すことが望ましい。本実施の形態において
は、炭素材料を700Kとなるまで加熱することによっ
て、この炭素材料に吸蔵されていた水素の約70%が放
出されることになる。
【0059】また、電界の印加によって炭素材料から水
素を放出するときには、この炭素材料に対して、上述し
たような放出量のピークとなる温度より50K高い温度
に相当するエネルギーを与えることのできる電界を印加
することが望ましい。この炭素材料に対して放出量のピ
ークとなる温度より50K高い温度に相当するエネルギ
ーを与えることのできる電界を印加することにより、こ
の炭素材料に吸蔵された水素のうち約70%が放出され
る。本実施の形態においては、例えば、700Kに相当
するエネルギーを与えることのできる電界である60m
Vの電界を、炭素材料に対して印加することが望まし
い。本実施の形態においては、炭素材料に対して60m
Vの電界を印加することによって、この炭素材料に吸蔵
される約水素の70%が放出されることになる。
【0060】上述したように、水素が吸蔵された炭素材
料に対してエネルギーを印加することによって、この炭
素材料から水素を放出させることができ、水素供給源と
して使用することができる。
【0061】以上説明したように、本発明を適用したガ
スの吸蔵方法は、水素の化学ポテンシャルμを不安定化
させ、水素が炭素材料に吸着されている状態を相対的に
安定な状態とすることで、軽量である炭素材料に対して
水素を吸蔵させる。
【0062】したがって、重量の重い容器や多大なコス
トを要する合金などを使用することなく水素を貯蔵する
ことができ、また輸送の点でも有利である。
【0063】また、本発明を適用したガスの吸蔵放出方
法によって吸蔵された水素は、水素が吸蔵された炭素材
料にエネルギーを印加することによって、この炭素材料
から放出される。このため、炭素材料に吸蔵された水素
を随時取り出して使用することが可能となる。
【0064】したがって、本発明を適用したガスの吸蔵
方法及びガスの吸蔵放出方法は、多岐に亘って応用する
ことが可能であり、自動車の動力源、及び一般家庭用電
気機器の燃料など、さらには燃料電池など水素の供給を
必要とするシステムに広く適用できる。
【0065】以下、本発明を適用したガスの吸蔵方法及
びガスの吸蔵放出方法を燃料電池に適用した例について
説明する。
【0066】図8に示すように、燃料電池20は、触媒
21a,21bをそれぞれ密着又は分散させた互いに対
向する端子22a及び22bが備えられている負極22
及び正極23を有し、これらの両極間にプロトン伝導体
部24が挟着されている。使用時には、負極22側で
は、水素が水素供給源25から水素導入口26を介して
供給され、水素排出口27から排出される。なお、水素
排出口27は、必ずしも設けられなくても良い。負極2
2側では、水素が水素流路29を通過する間にプロトン
を発生し、このプロトンは、プロトン伝導体部24で発
生したプロトンと共に正極23側へ移動し、そこで、酸
素導入口30から酸素流路31へ供給されて酸素排出口
32へ向かう酸素と反応し、これにより所望の起電力が
取り出される。以上の構成の燃料電池20において、水
素供給源25として、本発明を適用したガスの吸蔵方法
によってガスが吸蔵されている炭素材料を使用してい
る。
【0067】なお、燃料電池20は、プロトン伝導体部
24でプロトンが解離しつつ負極22側から供給される
プロトンが正極23側へ移動するので、プロトンの伝導
率が高いという特徴がある。したがって、加湿装置など
が不必要となるので、システムの簡略化、軽量化を図る
ことができる。
【0068】以上説明したように、燃料電池20におい
ては、水素を吸着させるために重量の軽い炭素材料を使
用することができるようになる。そして、燃料電池20
は、燃料となるガスが、低コストで且つ軽量となるよう
に貯蔵されたものとなり、重量が軽いものとなる。
【0069】
【実施例】次に、本発明に係るガス吸蔵方法の具体的な
実施例、及び実施例と比較するための比較例について説
明する。 <実験例1>実験例1では、水素の温度及び圧力を操作
することによって各炭素材量に水素を吸蔵させた。
【0070】実施例1 図4に示すような吸蔵装置のシリンダに単層のカーボン
ナノチューブ(SWNT)を入れる。このSWNTに対
して、温度が77Kであり、圧力が100atmである
水素を吸蔵させた後に、温度を室温に戻した。
【0071】実施例2 SWNTの代わりに多層のカーボンナノチューブ(MW
NT)を使用したこと以外は、実施例1と同様とした。
【0072】実施例3 SWNTの代わりにフラーレン(C60)を使用したこ
と以外は、実施例1と同様とした。
【0073】比較例1 水素の温度を室温としたこと以外は、実施例1と同様と
した。
【0074】比較例2 水素の温度を室温としたこと以外は、実施例2と同様と
した。
【0075】比較例3 水素の温度を室温としたこと以外は、実施例3と同様と
した。
【0076】実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例
3について、水素の吸蔵量を測定した。水素の吸蔵量
は、圧力計によって測定した圧力の変化から算出した。
【0077】水素の吸蔵量について測定した結果を表2
に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2に示されるように、水素の温度を77
Kとしたときには、いずれの炭素材料についても水素が
吸蔵されていることが判明した。また、水素の温度を室
温としたときには、いずれの炭素材料についても水素の
吸蔵量は測定限界以下であった。
【0080】実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例
3の結果から、水素の温度を下げることによって炭素材
料に対する水素の吸蔵量が著しく増加することが判明し
た。 <実験例2>実験例2では、実施例1及び実施例2にお
いて炭素材料に吸蔵された水素を、この炭素材料に対し
てエネルギーを印加することによって放出させた。
【0081】実施例4 実施例1において水素を吸蔵させたSWNTに対して加
熱を施して573Kとし、水素を放出させた。
【0082】実施例5 実施例1において水素を吸蔵させたSWNTに対して
0.1Vの電界を印加し、水素を放出させた。
【0083】実施例6 実施例2において水素を吸蔵させたMWNTに対して加
熱を施して573Kとし、水素を放出させた。
【0084】実施例7 実施例2において水素を吸蔵させたMWNTに対して
0.1Vの電界を印加し、水素を放出させた。
【0085】実施例4〜実施例7について、水素の放出
量を測定した。水素の放出量は、質量流量計によって測
定した。
【0086】実施例4〜実施例7における水素の放出に
ついて測定した結果を表3に示す。
【0087】
【表3】
【0088】実施例4及び実施例6の結果から、水素を
吸蔵させたSWNT及びMWNTに対して加熱を施すこ
とによって、水素を吸蔵させたSWNT及びMWNTか
ら水素が放出されることが判明した。
【0089】また、実施例5及び実施例7の結果から、
水素を吸蔵させたSWNT及びMWNTに対して電界を
印加することによって、水素を吸蔵させたSWNT及び
MWNTから水素が放出されることが判明した。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るガス
の吸蔵方法においては、ガスの化学ポテンシャルを不安
定化させ、ガスが固体に吸着されている状態を相対的に
安定な状態することにより、固体に対してガスを吸蔵さ
せるようにしており、極めて容易にガス吸蔵を実現する
ことが可能である。ここで、軽量である固体を使用する
ことによって重量の重い容器やコストがかかる合金など
を使用することなくガスを貯蔵することが可能となる。
また、ガスを容易に輸送することが可能となる。
【0091】また、吸蔵されたガスは、エネルギーを印
加することによって、容易に取り出して使用することが
可能である。
【0092】さらに、本発明に係る燃料電池は、ガス供
給源において、ガスを吸蔵する固体として軽量な材料を
選択することで、その軽量化を図ることができる。ま
た、低コスト化も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】単層のカーボンナノチューブ(SWNT)を示
す模式図である。
【図2】フラーレンを示す模式図である。
【図3】本発明を適用したガスの吸蔵方法における水素
の化学ポテンシャルと炭素材料の吸着ポテンシャルとの
相対位置の変化を示す模式図である。
【図4】水素吸蔵装置を示す模式図である。
【図5】一度低温にした後に室温に戻したときに、水素
が炭素材料に吸蔵されたままであることを示す模式図で
ある。
【図6】真空下における水素の化学ポテンシャルと炭素
材料の吸着ポテンシャルとを示す模式図である。
【図7】水素を吸蔵した炭素材料に対する加熱温度と、
水素の放出量との関係を示す図である。
【図8】本発明を適用したガスの吸蔵方法によって水素
を吸蔵した炭素材料を使用した燃料電池の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 水素、10 水素ボンベ、11 シリンダ、12
質量流量計、13 圧力計、14,15,16 バル
ブ、20 燃料電池、21a,21b 触媒、22 負
極、23 正極、24 プロトン伝導体部、25 水素
供給源、26 水素導入口、27 水素排出口、29
水素流路、30 酸素導入口、31 酸素流路、32
酸素排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日隈 弘一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 阿多 誠文 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 3E072 EA01 4G040 AA16 AA29 AA42 5H027 AA06 BA13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体にガスを吸蔵させるに際し、固体の
    吸着ポテンシャルεよりガスの化学ポテンシャルμを大
    (ε<μ)とし、固体の吸着ポテンシャルよりガスの化
    学ポテンシャルを不安定な状態にすることを特徴とする
    ガス吸蔵方法。
  2. 【請求項2】 上記ガスは水素であることを特徴とする
    請求項1記載のガス吸蔵方法。
  3. 【請求項3】 上記固体は炭素材料であることを特徴と
    する請求項1記載のガス吸蔵方法。
  4. 【請求項4】 上記固体の吸着ポテンシャルεよりガス
    の化学ポテンシャルμを大(ε<μ)とするために低温
    にすることを特徴とする請求項1記載のガス吸蔵方法。
  5. 【請求項5】 上記固体の吸着ポテンシャルよりガスの
    化学ポテンシャルを不安定な状態にする過程を経た後、 ガスの化学ポテンシャルμより固体の吸着ポテンシャル
    εを大(ε>μ)とし、ガスの化学ポテンシャルより固
    体の吸着ポテンシャルを安定な状態にして、ガスの吸蔵
    状態を維持することを特徴とする請求項1記載のガス吸
    蔵方法。
  6. 【請求項6】 上記ガスの化学ポテンシャルより固体の
    吸着ポテンシャルが安定な状態は、室温状態であること
    を特徴とする請求項4記載のガス吸蔵方法。
  7. 【請求項7】 上記ガスを吸蔵させる前に、上記固体表
    面の清浄化処理を行うことを特徴とする請求項1記載の
    ガス吸蔵方法。
  8. 【請求項8】 上記清浄化処理として、上記固体に対し
    て1気圧未満に減圧した状態で加熱を施す操作を行うこ
    とを特徴とする請求項7記載のガス吸蔵方法。
  9. 【請求項9】 上記清浄化処理として、上記固体に対し
    て水素雰囲気中で加熱を施す操作を行うことを特徴とす
    る請求項7記載のガス吸蔵方法。
  10. 【請求項10】 固体の吸着ポテンシャルεよりガスの
    化学ポテンシャルμを大(ε<μ)とし、固体の吸着ポ
    テンシャルよりガスの化学ポテンシャルを不安定な状態
    にして、固体にガスを吸蔵させ、 ガスを吸蔵した固体に対してエネルギーを印加すること
    により、ガスを放出させることを特徴とするガス吸蔵放
    出方法。
  11. 【請求項11】 上記固体に対するエネルギーの印加
    は、熱を加えることにより行うことを特徴とする請求項
    10記載のガス吸蔵放出方法。
  12. 【請求項12】 上記固体に対するエネルギーの印加
    は、電界を印加することにより行うことを特徴とする請
    求項10記載のガス吸蔵放出方法。
  13. 【請求項13】 負極、プロトン伝導体、及び正極との
    積層構造と、ガス吸蔵部とを備えてなる燃料電池におい
    て、 上記ガス吸蔵部は、固体の吸着ポテンシャルεよりガス
    の化学ポテンシャルμを大(ε<μ)とし、固体の吸着
    ポテンシャルよりガスの化学ポテンシャルを不安定な状
    態にすることにより当該固体にガスを吸蔵し、且つ、ガ
    スを吸蔵した固体に対してエネルギーを印加することに
    より、当該固体からガスを放出するものであることを特
    徴とする燃料電池。
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